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JP2005516010A - 心不整脈治療のための化合物、合成および使用法 - Google Patents

心不整脈治療のための化合物、合成および使用法 Download PDF

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JP2005516010A JP2003551127A JP2003551127A JP2005516010A JP 2005516010 A JP2005516010 A JP 2005516010A JP 2003551127 A JP2003551127 A JP 2003551127A JP 2003551127 A JP2003551127 A JP 2003551127A JP 2005516010 A JP2005516010 A JP 2005516010A
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Abstract

本発明は、心不整脈治療のための新規化合物(およびその塩)、および化合物を含む組成物に関する。本発明はさらに、新規化合物の製造法にも関する。新規化合物は、親油性がより低い化合物に代謝されるという異なる有利な特徴を有する、アミオダロンの急速代謝類似体である。これにより安全プロファイルが改善されることになる。新規化合物は、特にうっ血性心不全(CHF)を伴う患者において、生命を脅かす心室性頻拍性不整脈を治療するために、特に有用である。化合物は、心房細動や副伝導路に関連するリエントラント頻拍性不整脈を含む、心室性不整脈および上室性不整脈の有効な管理法も提供する。

Description

関連出願に対する相互参照
本出願は2001年12月10日出願の仮特許出願第60/339,898号の恩典を主張し、その出願はその全体が参照として本明細書に組み込まれる。
発明の背景
うっ血性心不全(CHF)は、米国人口のおよそ2%が罹患している疾患である(Sami, M.H.、J. Clin. Pharmacol.、31:1081(1991))。CHFの診断および治療は進歩しているにもかかわらず、診断時点からの5年死亡率は50%より高く、予後は依然思わしくない(McFate Smith, W.、Am. J. Cardiol.、55:3A(1985);McKee, P.A.、W.P. Castelli、P. M. McNamara、W. B. Kannel、N. Engl. J. Med.、285:1441(1971))。CHF患者の生存率は、左心室機能に重度の低下を有する患者および頻回に生じる心室性不整脈を有する患者の中で、最も低い。心室性不整脈および虚血性心筋症を伴う患者は、突然死のリスクが高い。重度のCHF患者における心室頻拍の存在は、頻拍を伴わない患者と比較して、突然死の3倍の上昇をもたらす(Bigger, J.T., Jr.、Circulation、75(補遺IV):28(1987))。CHF患者における予期せぬ突然死の高い発生率のために、これらの患者における不整脈の予後の重要性は高まりつつある。
いくつかの化合物が、うっ血性心不全患者における心不整脈の管理において使用されている。残念ながら、抗不整脈薬療法は、期待に添うものではない。抗不整脈薬の効能は、左心室機能の衰えにより顕著に低下し、その結果CHF患者のごくわずかな割合のみが抗不整脈療法に反応している。抗不整脈薬は、CHF患者における突然死を防ぐことはない。特定の抗不整脈薬に関連した死亡率上昇の問題点さえもある(CAST研究者、N. Eng. J. Med.、321:406(1989))。
科学者は、頻拍および心室細動を複数の特徴として定義している。リエントリー(re-entry)はほとんどの持続型不整脈の基礎となる機序であることは現在明らかであるように思われ、かつ当技術分野において受け入れられている。その結果、心室性不整脈を防止する手段としての延長された心室再分極が、再び注目されている。このことは、不整脈治療の選択薬としてのIII群薬を示している。本明細書において言及されているIII群薬は、抗不整脈薬のボーガム・ウィリアムズ(Vaughan-Williams)分類のように分類されている薬剤である。III群薬は、その主要な抗不整脈活性を、心活動電位持続時間(APD)の延長、およびそれによる有効不応期(ERP)の延長により発揮し、伝導に作用しない。心カリウムチャネルの遮断によりもたらされるこれらの電気生理学的変化は、当技術分野において周知である。心カリウムチャネルの遮断は、心臓の収縮機能の低下に関連していないので、III群薬はCHF患者における使用について特に魅力的である。残念ながら、現存するIII群薬は、追加的それらの薬学活性、良好な経口生体利用効率の欠如、もしくは毒性プロファイルの不良のために、それらの使用が制限されている。現在市販されているわずか2種のIII群薬は、ブレチリウム(静脈内のみ)およびアミオダロン(静脈内および経口)である。
アミオダロンは、重度の心不全患者にとって有益でありうる血管拡張薬としての性質を有する抗不整脈薬である。アミオダロンは無症候性の高度心室性不整脈を伴う心筋梗塞後患者の生存を改善することが明らかにされており、また他の抗不整脈薬に抵抗性の患者においても左心室機能を損なうことなく有効であることが判明した。血管拡張薬およびβ遮断薬との相乗的組み合わせでアミオダロンを用いる心保護薬および方法が、冠不全患者において用いるために記載されている(米国特許第5,175,187号)。アミオダロンはまた、降圧薬、例えば、(S)-1-[6-アミノ-2-[[ヒドロキシ(4-フェニルブチル)ホスフィニル]オキシル]-L-プロリン(米国特許第4,962,095号)およびゾフェノプリル(米国特許第4,931,464号)との組み合わせで用いて、CHFに関連する不整脈を軽減するために記載されている。しかし、アミオダロンは多くの副作用があり、そのいくつかは重篤であるため、管理が難しい薬物である。
アミオダロンの最も重篤な長期毒性は、その分布および消失の速度論に由来している。これは、緩徐に吸収され、生体利用効率が低くかつ比較的半減期が長い。これらの特徴は、負荷量の投与の必要性、完全な抗不整脈作用の実現の遅延、およびその投与が中断された後の薬物消失の引き延ばされた期間を含む、臨床的に重要な結果を有する。
更にアミオダロンは、アプリンジン、ジゴキシン、フレカイニド、フェニトイン、プロカインアミド、キニジン、およびワルファリンを含む、多くの薬物と負に相互作用することができる。更にこれは、カテコールアミン、ジルチアゼム、プロプラノロール、およびキニジンとの、薬力学的相互作用を有し、その結果各々、α-拮抗作用およびβ-拮抗作用、洞停止および低血圧、徐脈および洞停止、並びにトルサード・ド・ポアントおよび心室頻拍を生じる。更に、アミオダロンは、ビタミンK-依存型凝固因子を抑制し、これによりワルファリンの抗凝固作用を増強するという証拠がある。
多くの有害作用が、アミオダロンの臨床適用を制限している。角膜微小沈着(corneal microdeposit)、甲状腺機能亢進、甲状腺機能低下、肝不全、肺胞炎、光過敏症、皮膚炎、青変(bluish discoloration)、および末梢性ニューロパシーを含む、重大な副作用が生じることがある。
CHF患者において安全に使用することができるIII群薬で、現在市販されているものはない。心血管系作用薬の市場は、薬物研究のあらゆる分野の中で最大であり、かつCHF患者において有用な有効かつ安全なIII群抗不整脈薬は、実質的に有益であると期待されている。従って、CHF患者の予後を十分に改善するが、アミオダロンよりもはるかに改善された安全性プロファイルを伴う薬物が、極めて有用でありかつ望まれている。様々なアミオダロン類似体が以前より記載されている(米国特許第6,372,783号;第6,362,223号;第6,316,487号;第6,130,240号;第5,849,788号;第5,440,054号;および第5,364,880号)。本発明は、この化合物の蓄え(arsenal)を増すものである。
概要
本発明は、心不整脈治療のための新規化合物(およびその塩)、および化合物を含む組成物を提供する。本発明はさらに、新規化合物の製造法にも関する。新規化合物は、親油性がより低い化合物に代謝されるという異なる有利な特徴を有する、アミオダロンの急速代謝類似体である。これにより安全性が改善されることになる。
本発明の化合物は、特にうっ血性心不全(CHF)を伴う患者において、生命を脅かす心室性頻拍性不整脈を治療するために、特に有用である。本発明の化合物は、心房細動や副伝導路に関連するリエントラント頻拍性不整脈を含む、心室性不整脈および上室性不整脈の有効な管理法も提供する。
より具体的には、新規化合物は、これらの心不整脈治療のために現在利用可能な薬物で観察される多くの副作用を軽減するという特別な利点を有する。例えば、心不整脈治療のために現在用いられる最良の化合物はアミオダロンであるが、これには重篤になりうる副作用がある。
したがって、本発明は、うっ血性心不全(CHF)を伴う患者において有用な、現在利用できるいかなる化合物よりも毒性が有意に低いクラスIII抗不整脈薬の革新的開発に関する。
発明の詳細な開示
本発明は、アミオダロンの所望の薬理学的性質を示すことができるが、アミオダロンとは異なり、血漿および組織のエステラーゼによりカルボン酸代謝物を生じる生体内変換に対して感受性である、新規化合物に関する。カルボン酸は生理的pHで水溶性の塩を生成し、その結果腎排泄を受ける。したがって、長期毒性症状(肺線維症、角膜の微小沈着など)が減少する。
本発明の好ましい化合物は下記の化学構造を有する:
Figure 2005516010
式中、Z1およびZ2は同じでも異なっていてもよく、ヨウ素、フッ素、臭素、および塩素からなる群より選択されるハロゲンであり;XはO、S、またはNHであってもよく;
mは0から4であり;
pは0または1であり;
R=H、OH、NH2、SH、ハロゲン化物、アルキル、O-アルキル、アシル、O-アシル、アリール、O-アリール、置換アミン、または置換チオールであり;
R1およびR2は同じでも異なっていてもよく、独立にH、メチル、エチル、プロピルである(ただしR1およびR2が両方ともHであることはない)。または、R1およびR2は一緒になってシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、またはシクロヘキシル基を形成することもできる。
Y=OR5であって、R5は1から8個の炭素原子を有する直鎖もしくは分枝鎖アルキルもしくはヘテロアルキル、置換もしくは無置換アリールもしくはヘテロアリールであるか;または
Figure 2005516010
(式中、R6およびR7はH、1から6個の炭素原子のアルキルもしくはヘテロアルキルから独立に選択されるか、またはNはモルホリン、トリアゾール、イミダゾール、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、ピロール、ジヒドロピリジン、アジリジン、チアゾリジン、チアゾリン、チアジアゾリジン、もしくはチアジアゾリンを含む環状もしくは複素環基の一部である)であり;かつ
R3およびR4は同じでも異なっていてもよく、Cn〜20アルキル、Cn〜20ヘテロアルキル、C2〜20アルケニル、アリール、C1〜20アルキル-アリール、C2〜20アルケニル-アリール、ヘテロアリール、C1〜20アルキル-ヘテロアリール、C2〜20アルケニル-ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、C1〜20アルキル-ヘテロシクロアルキル、およびC1〜20アルキル-シクロアルキルからなる群より選択される部分であってよく、そのいずれもC1〜6アルキル、ハロゲン、CN、NO2、もしくはSO2〜4からなる群より選択される部分で任意に置換されていてもよく、またはNは環状もしくは複素環基、好ましくはモルホリン、トリアゾール、イミダゾール、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、ピロール、ジヒドロピリジン、アジリジン、チアゾリジン、チアゾリン、チアジアゾリジン、もしくはチアジアゾリンであるが、これらに限定されることはない基の一部であり;nは1〜19である。
nは1から19でありうるため、「Cn〜20アルキル」なる用語は、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシルなどを含む、1から20個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルキル部分を意味する。ある態様ではnは少なくとも1であり、別の態様ではnは少なくとも2である。
「C2〜20アルケニル」という用語は、2〜20個の炭素原子を有しかつ少なくとも1個の二重結合を有する、直鎖または分枝鎖のアルキル部分を意味する。この用語は例として、ビニル、1-プロペニル、1-および2-ブテニル、2-メチル-2-プロペニルなどを含むと考えられる。
「シクロアルキル」という用語は、3〜6個の炭素原子を有し、かつ任意にいずれかの利用可能な位置でベンゼン環融合された(benzofused)、飽和された脂環式部分を意味する。この用語は、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、インダニルおよびテトラヒドロナフチルを含む。
「ヘテロシクロアルキル」という用語は、N、0、Sおよびそれらの酸化型から選択された1個以上のヘテロ原子を含む、3〜6個の原子を有し、かつ任意にいずれか利用可能な位置でベンゼン環融合されている、飽和したヘテロ環式部分を意味する。この用語は、例えば、アゼチジニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、ピペリジニル、インドリニル、およびテトラヒドロキノリニルを含む。
「シクロアルケニル」という用語は、3〜6個の炭素原子を有しかつ更に少なくとも1個の二重結合を有する脂環式部分を意味する。この用語は、例えばシクロペンテニルおよびシクロヘキセニルを含む。
「ヘテロシクロアルケニル」という用語は、3〜6個の原子を有する脂環式部分を意味する。これらの原子の一つまたは複数は、N、0、Sおよびそれらの酸化型から選択されたヘテロ原子であってもよく、かつ更に少なくとも1個の二重結合を有する。この用語は、例えば、ジヒドロピラニルを含む。
「アリール」という用語は、1個の環または2個の縮合環を有する、芳香族炭素環式ラジカルを意味する。この用語は、例えばフェニルまたはナフチルを含む。
「ヘテロアリール」という用語は、少なくとも1個の原子が0、NおよびSから選択される、5〜10個の原子の芳香族環系を意味し、かつ例えば、フラニル、チオフェニル、ピリジル、インドリル、キノリルなどを含む。
「シクロイミジル」という用語は、原子配列-C(=0)NC(=O)-を有する5〜10個の原子の飽和環を意味する。この環は、任意にいずれか利用可能な位置でベンゼン環融合することができる。例えば、スクシンイミドイル、フタルイミドイル、およびヒダントインイルを含む。
「ベンゼン環融合された」という用語は、限定された環系と共通の結合を共有するベンゼン環の追加を意味する。
「任意に置換された」という用語は、1個または複数の利用可能な任意の位置において、特定された1個または複数の基が任意に置換されていることを意味する。
「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を意味する。
特定の好ましい態様において、Z1およびZ2はヨウ素であり、m=0または1であり、R1およびR2の少なくとも一方はメチルで、他方はHまたはメチルであり、かつR5はH、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、(R,S)-2-ブチル、(S)-2-ブチル、または(R)-2-ブチルである。
新規化合物はその塩の形で提供することもできる。したがって、本発明は薬学的に許容される塩、例えば塩酸塩、臭化水素塩、p-トルエンスルホン酸塩、リン酸塩、硫酸塩、過塩素酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、プロピオン酸塩、クエン酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、乳酸塩、シュウ酸塩、酒石酸塩、および安息香酸塩などの無機または有機酸由来の酸付加塩を含む。塩は、アルカリ金属塩(例えばマグネシウムまたはカルシウム塩)、またはモルホリン、ピペリジン、ジメチルアミン、もしくはジエチルアミン塩などの有機アミン塩などの塩基(有機および無機)由来であってもよい。
本明細書において開示される化合物の他の修飾は、当業者であれば容易に行うことができる。したがって、例示した化合物の類似体および塩は本発明の範囲内である。本発明の化合物を知っていれば、熟練化学者は公知の方法を用いて入手可能な基質からこれらの化合物を合成することができる。本明細書において用いられる「類似体」なる用語は、もう一つの化合物と実質的に同じであるが、例えば別の側鎖を付加することにより修飾された化合物を意味する。本明細書において用いられる「類似体」なる用語は、もう一つの化合物と実質的に同じであるが、化合物中の特定の位置で原子または分子置換されている化合物を意味することもある。
例示化合物の類似体は、一般に知られている標準的反応を用いて容易に調製することができる。これらの標準的反応には、水素化、メチル化、アセチル化、および酸性化反応が含まれるが、これらに限定されることはない。例えば、本発明の範囲内の新しい塩は、鉱酸、例えばHCl、H2SO4など、または強有機酸、例えばギ酸、シュウ酸などを適当な量で加えて、親化合物またはその誘導体の酸付加塩を生成することにより調製することができる。また、公知の方法に従い合成型の反応を用いて例示化合物に様々な基を付加または修飾し、本発明の範囲内の他の化合物を生成することもできる。
本発明はさらに、カルシウムチャネル遮断のための鏡像異性的に単離された化合物、および化合物を含む組成物に関する。本発明の化合物の単離鏡像異性体は、お互いを実質的に含まない(すなわち、鏡像異性体過剰)。すなわち、化合物の「R」体は化合物の「S」体を実質的に含まず、したがって鏡像異性的に「S」体を超過している。反対に、化合物の「S」体は化合物の「R」体を実質的に含まず、したがって鏡像異性的に「R」体を超過している。本発明の一つの態様において、単離鏡像異性化合物は鏡像異性体過剰率が少なくとも約80%である。好ましい態様において、化合物は鏡像異性体過剰率が少なくとも約90%である。より好ましい態様において、化合物は鏡像異性体過剰率が少なくとも約95%である。さらにより好ましい態様において、化合物は鏡像異性体過剰率が少なくとも約97.5%である。最も好ましい態様において、化合物は鏡像異性体過剰率が少なくとも約99%である。
本発明のさらなる局面は、本発明の治療化合物がエステラーゼなどの加水分解酵素による作用を受けた時に生じる分解生成物に関する。尿または血清中のこれらの分解生成物の存在を用いて、患者からの治療化合物のクリアランス速度をモニターすることができる。
CHFの治療に対して新しい化合物がうまく適用されたことは、化合物の熱力学的性質の評価、例えば水とオクタノールとの間の分配係数を測定すること、緩衝液およびヒト血漿中でのその安定性を測定することによる排泄の動力学評価、ならびにモルモットの心標本における電気生理学的性質の評価によって証明される。
より具体的には、新規化合物は、特にうっ血性心不全を伴う患者において、生命を脅かす心室性頻拍性不整脈を治療するために用いることができる。この生成物は心室性頻拍性不整脈や重度の低い心室性不整脈のみならず、心房細動や副伝導路に関連するリエントラント頻拍性不整脈の有効な管理法を提供することもできる。排泄速度が速い新規化合物を含む組成物は、アミオダロンなどの現在利用可能な抗不整脈薬を凌ぐ多くの利点を提供することができる。これらの利点には下記が含まれる:
(i)作用開始までが短い、
(ii)長期毒性が少なく、管理がしやすい、および
(iii)薬物相互作用の可能性が低い。
加えて、新規化合物は第二の活性成分を含む組成物中に加えることができる。第二の活性成分は、不整脈の併用もしくは相乗的治療のため、または不整脈もしくはCHFに併発するかもしくはその結果生じうる、関連のない状態の治療のために有用でありうる。
本発明の化合物はアミオダロンと類似の熱力学的性質を有するが、血漿中で水溶性の代謝物に速やかに代謝されるという有利な性質を提供する。より具体的には、本発明の化合物はアミオダロンに匹敵する電子的、立体的、および熱力学的性質を有するクラスIIIの薬物であるが、薬物が血漿中で極性の水溶性代謝物に容易に加水分解されうるように、その構造に有利に組み込まれた、酵素に対して不安定なエステル基を有する。この水溶性代謝物は腎臓により排泄されうる。これは、主に肝臓で代謝されるアミオダロンを凌ぐ明らかな利点である。そのような条件下では、新規化合物の排泄が高まり、薬物はリン脂質結合部位からより速やかに分離される結果となる。そして、化合物の蓄積は、薬物の定常状態での組織濃度、したがって用量に依存するが、容易に可逆的となる。続いて、新規化合物の一つを含む薬物を中止すると、体内からのクリアランスがより速やかに起こる。この排泄上昇は、本発明の化合物または本発明の化合物を含む組成物を用いての抗不整脈治療を管理しやすいものにする。
さらに、本発明の化合物は他の化合物、またはその組成物と共に投与することもできる。これらの化合物、およびその組成物は、心不整脈の治療に有用であることが知られている化合物、心保護薬、抗生物質、抗ウイルス薬、または血栓溶解薬(例えば、ストレプトキナーゼ、組織プラスミノゲン活性化因子、または組換え組織プラスミノゲン活性化因子)をさらに含んでいてもよい。本発明の化合物および組成物は、特にうっ血性心不全(CHF)を伴う患者において、生命を脅かす心室性頻拍性不整脈を治療するために特に有用でありうる。心筋梗塞後の患者も、本発明の化合物および組成物の投与から利益を得ることができる。したがって、本発明によって心筋梗塞後の患者を治療する方法も提供される。「個人」または「患者」は不整脈の治療を必要としている動物およびヒトを含む。好ましい態様において、個人はヒトである。
心保護薬は、冠不全患者において用いるために記載されている血管拡張薬およびβ遮断薬(米国特許第5,175,187号のもの、または他の当業者には公知のものなど)を含む。他の心保護薬には公知の降圧薬、例えば、(S)-1-[6-アミノ-2-[[ヒドロキシ(4-フェニルブチル)ホスフィニル]オキシル]-L-プロリン(米国特許第4,962,095号)およびゾフェノプリル(米国特許第4,931,464号)が含まれる。その他の心保護薬には、アスピリン、ヘパリン、ワルファリン、ジギタリス、ジギトキシン、ニトログリセリン、硝酸イソソルビド、ヒドララジン、ニトロプルシド、カプトプリル、エナラプリル、およびリシノプリルが含まれるが、これらに限定されることはない。
化合物および組成物は、心房細動や副伝導路に関連するリエントラント頻拍性不整脈を含む、心室性不整脈および上室性不整脈の有効な管理法も提供する。本発明の化合物および組成物は、心房細動および粗動、発作性上室性頻拍、心室性期外収縮(VPB)、持続および非持続心室性頻拍(VT)、ならびに心室細動(VF)を含む心室性および上室性不整脈の治療にも有用である。本発明の化合物によって治療可能な不整脈の他の非限定例には下記が含まれる:心筋症における幅が狭いQRSの頻拍(心房、房室結節内/傍房室結節、または副伝導路)、心室性頻拍、および心室性不整脈。
本発明の化合物は修飾していない親化合物と類似の治療特性を有する。したがって、開示した化合物の用量率および投与経路は、当技術分野においてすでに用いられており、当業者には公知のものと類似である。(例えば、Physicians' Desk Reference. 第54版、Medical Economics Company、ニュージャージー州モントベール、2000参照)。
本発明の化合物は、薬学的に有用な組成物を調製するための公知の方法に従って製剤することができる。製剤は、当業者には公知で、容易に入手可能ないくつかの情報源に詳述されている。例えば、E.W. MartinのRemington's Pharmaceutical Scienceには、本発明に関連して用いることができる製剤が記載されている。一般に、本発明の組成物は、組成物の有効な投与を促進するために、一つまたは複数の生理活性化合物の有効な量を適当な担体と組み合わせるように製剤する。
本発明に従い、活性成分としての一つまたは複数の化合物の有効量、および一つまたは複数の非毒性の薬学的に許容される担体または希釈剤を含む薬学的組成物が提供される。本発明において用いるそのような担体の例には、エタノール、ジメチルスルホキシド、グリセロール、シリカ、アルミナ、デンプン、ならびに等価の担体および希釈剤が含まれる。
更に、許容される担体は、固形または液体のいずれかであることができる。固形剤形は、散剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、カシェ剤、坐薬、および分散可能な顆粒剤を含む。固形担体は、希釈剤、香味剤、可溶化剤、滑沢剤、懸濁剤、結合剤、保存剤、錠剤用崩壊剤またはカプセル封入材料として作用することができる、1種以上の物質であることができる。
開示された薬学的組成物は、活性成分を適量含有する単位剤形に分割してもよい。単位剤形は包装された調製物であることができ、例えば紙またはプラスチック製容器またはバイアルもしくはアンプル中に包装された錠剤、カプセル剤、および散剤などであることができる。更に単位剤形は、液体ベースの調製物であるか、もしくは固形食品、チューインガム、またはトローチ剤に混入されるように製剤されることができる。
本明細書において言及または引用するすべての特許、特許出願、先行出願、および出版物は、すべての図表を含むその全体が、本明細書の明確な教示と矛盾しない範囲で、参照として本明細書に組み込まれる。
下記は、本発明を実施するための方法を例示する実施例である。下記の本発明の化合物の具体例を参照すれば、本発明のより完全な理解を得ることができる。当業者にとっては、実施例は公知の供給元、例えば化学物質供給会社から市販されている材料および試薬の使用を含むことは明らかであると思われるため、それらに関する詳細は示していない。これらの実施例は限定的なものと解釈されるべきではない。特に明記されていないかぎり、すべてのパーセンテージは重量によるものであり、すべての溶媒混合比は体積によるものである。
実施例1−例示的新規化合物の合成スキーム
化合物1(7.0g)(米国特許第5,440,054号、P. Druzgala、その全体が参照として本明細書に組み込まれる)をナトリウムメトキシド(0.54g)を含むメタノール(50ml)に0℃で溶解する。ヨウ化メチル(1.42g)を加え、混合物を室温で4時間撹拌する。溶媒を蒸発させ、残渣を塩化メチレンに溶解し、水で二回(それぞれ50ml)洗浄する。生成物の化合物2を、溶離剤として塩化メチレン中5%メタノールを用いてシリカカラムで精製する。
化合物2(7.2g)をナトリウムメトキシド(0.54g)を含むメタノール(50ml)に0℃で溶解する。ヨウ化メチル(1.42g)を加え、混合物を室温で8時間撹拌する。溶媒を蒸発させ、残渣を塩化メチレンに溶解し、水で二回(それぞれ50ml)洗浄する。生成物の化合物3を、溶離剤として塩化メチレン中5%メタノールを用いてシリカカラムで精製する。
Figure 2005516010
実施例2
本発明の化合物の合成スキームは下記のとおりである:
特に記載がないかぎり、「当量」なる用語は「等しい分子の量」を意味する。
Figure 2005516010
塩化メチレン中の化合物1(1当量)およびメチルスクシニルクロリド(1.5当量)をピリジン(2当量)と共に還流しながら3時間撹拌する。溶媒を蒸発させ、無水トルエンを加える。トリエチルアミン(3当量)を加え、還流しながら8時間撹拌する。溶媒を蒸発させ、シリカ上、5%酢酸エチル/ヘキサンで溶出して精製する。化合物2の収率は白色固体として約80%である。
次いで、化合物2を無水DMF中、0℃、アルゴン雰囲気下で、水素化ナトリウム(2当量)処理する。次いでヨウ化メチル(2当量)を加える。室温で2時間撹拌した後、反応混合物を通常通りに後処理して、化合物3を得る。
化合物3を無水塩化メチレンに溶解し、塩化p-アニソイル(1当量)を加える。次いで、塩化スズ(IV)を加え、室温で終夜撹拌する。氷水に注ぎ、塩化メチレンで抽出する。硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を蒸発させる。生成物の化合物4は黄褐色固体である。
化合物4を塩化メチレンに溶解する。この溶液に塩化アルミニウム(5当量)およびプロパンチオール(10当量)を加える。室温で12時間撹拌し、次いで氷水に注ぐ。有機相を残しておく。硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を蒸発させる。生成物は黄褐色固体の化合物5である。
化合物5を炭酸ナトリウム(3当量)を含む水に溶解する。ヨウ素ペレット(またはフレーク、2当量)を加え、次いで室温で4時間撹拌する。希HClで酸性化し、得られた固体をろ過する。固体を水で洗浄する。減圧下、50℃で乾燥する。生成物の化合物6は固体である。
化合物6を、その5重量%から10重量%の硫酸を含むメタノール(10当量)に溶解する。還流しながら5時間撹拌する。4℃から8℃まで冷却する。生成物の化合物7が溶液から結晶化し、これをろ過して乾燥する。
化合物7を塩化メチレンおよび水の50:50混合物に溶解する。水酸化ナトリウム(2.3当量)、塩化ジエチルアミノエチル塩酸塩(1.3当量)、および塩化ベンジルトリエチルアンモニウム(0.1当量)を加える。室温で2時間激しく撹拌する。有機相を残しておく。溶媒を蒸発させ、シリカ上、5%メタノール/塩化メチレンで溶出して精製する。生成物の化合物8は油状物である。
化合物8の塩を調製することもできる。塩は通常は、アセトンまたは水などの溶媒から結晶化しうる結晶性固体である。例えば、化合物8(1mmol)を熱アセトン(10ml)中、クエン酸(1mmol)と混合する。冷却するとクエン酸塩が結晶化し、これをろ過して乾燥する。他の塩も、冷却すると塩が結晶化するような溶媒を選んで、同様の様式で調製することができる。許容される塩は特に酒石酸塩、硫酸塩、リン酸塩、塩酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩である。
本明細書に記した実施例および態様は、例証のみを目的としており、かつ、それらについて様々な改変または変更が当業者に示され、かつ本明細書の精神および範囲に含まれていることが理解されなければならない。

Claims (16)

  1. 下記の構造を有する化合物、またはその塩:
    Figure 2005516010
    式中、Z1およびZ2は同じでも異なっていてもよく、ヨウ素、フッ素、臭素、および塩素からなる群より選択されるハロゲンであり;XはO、S、またはNHであってもよく;
    mは0から4であり;
    pは0または1であり;
    R=H、OH、NH2、SH、ハロゲン化物、アルキル、O-アルキル、アシル、O-アシル、アリール、O-アリール、置換アミン、または置換チオールであり;
    R1およびR2は同じでも異なっていてもよく、独立にH、メチル、エチル、プロピルであるか(ただしR1およびR2が両方ともHであることはない);あるいは、R1およびR2は一緒になってシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、またはシクロヘキシル基を形成することもでき;
    Y=OR5であって、R5は1から8個の炭素原子を有する直鎖もしくは分枝鎖アルキルもしくはヘテロアルキル、置換もしくは無置換アリールもしくはヘテロアリールであるか;または
    Figure 2005516010
    (式中、R6およびR7はH、1から6個の炭素原子のアルキルもしくはヘテロアルキルから独立に選択されるか、またはNはモルホリン、トリアゾール、イミダゾール、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、ピロール、ジヒドロピリジン、アジリジン、チアゾリジン、チアゾリン、チアジアゾリジン、もしくはチアジアゾリンを含む環状もしくは複素環基の一部である)であり;かつ
    R3およびR4は同じでも異なっていてもよく、かつCn〜20アルキル、Cn〜20ヘテロアルキル、C2〜20アルケニル、アリール、C1〜20アルキル-アリール、C2〜20アルケニル-アリール、ヘテロアリール、C1〜20アルキル-ヘテロアリール、C2〜20アルケニル-ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、C1〜20アルキル-ヘテロシクロアルキル、およびC1〜20アルキル-シクロアルキルからなる群より選択される部分であってよく、そのいずれもC1〜6アルキル、ハロゲン、CN、NO2、もしくはSO2〜4からなる群より選択される部分で任意に置換されていてもよく、またはNは、環状もしくは複素環基、好ましくはモルホリン、トリアゾール、イミダゾール、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、ピロール、ジヒドロピリジン、アジリジン、チアゾリジン、チアゾリン、チアジアゾリジン、もしくはチアジアゾリンであるが、これらに限定されることはない基の一部であり;nは1〜19である。
  2. RがHであり、XがOである、請求項1記載の化合物。
  3. 化合物の塩が、臭化水素塩、塩酸塩、マレイン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、リン酸塩、硫酸塩、過塩素酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、プロピオン酸塩、クエン酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、安息香酸塩、モルホリン、ピペリジン、ジメチルアミン、およびジエチルアミン塩からなる群より選択される、請求項1記載の化合物。
  4. 化合物の塩が硫酸塩である、請求項3記載の化合物。
  5. X1およびX2がヨウ素であり、m=0であり、p=1であり、R1およびR2の少なくとも一方がメチルで、他方がHまたはメチルであり、かつR5がメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、(R,S)-2-ブチル、(S)-2-ブチル、および(R)-2-ブチルからなる群より選択される、請求項1記載の化合物。
  6. 鏡像異性体過剰率が少なくとも80%の実質的に単一の鏡像異性体である、請求項1記載の化合物。
  7. 動物において心不整脈を治療するための薬学的組成物であって、下記の構造の一つを有する化合物、またはその塩を含む、薬学的組成物:
    Figure 2005516010
    式中、Z1およびZ2は同じでも異なっていてもよく、ヨウ素、フッ素、臭素、および塩素からなる群より選択されるハロゲンであり;XはO、S、またはNHであってもよく;
    mは0から4であり;
    pは0または1であり;
    R=H、OH、NH2、SH、ハロゲン化物、アルキル、O-アルキル、アシル、O-アシル、アリール、O-アリール、置換アミン、または置換チオールであり;
    R1およびR2は同じでも異なっていてもよく、独立にH、メチル、エチル、プロピルであり(ただしR1およびR2が両方ともHであることはない);あるいは、R1およびR2は一緒になってシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、またはシクロヘキシル基を形成することもでき;
    Y=OR5であって、R5は1から8個の炭素原子を有する直鎖もしくは分枝鎖アルキルもしくはヘテロアルキル、置換もしくは無置換アリールもしくはヘテロアリールであるか;または
    Figure 2005516010
    (式中、R6およびR7はH、1から6個の炭素原子のアルキルもしくはヘテロアルキルから独立に選択されるか、またはNはモルホリン、トリアゾール、イミダゾール、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、ピロール、ジヒドロピリジン、アジリジン、チアゾリジン、チアゾリン、チアジアゾリジン、もしくはチアジアゾリンを含む環状もしくは複素環基の一部である)であり;かつ
    R3およびR4は同じでも異なっていてもよく、Cn〜20アルキル、Cn〜20ヘテロアルキル、C2〜20アルケニル、アリール、C1〜20アルキル-アリール、C2〜20アルケニル-アリール、ヘテロアリール、C1〜20アルキル-ヘテロアリール、C2〜20アルケニル-ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、C1〜20アルキル-ヘテロシクロアルキル、およびC1〜20アルキル-シクロアルキルからなる群より選択される部分であってよく、そのいずれもC1〜6アルキル、ハロゲン、CN、NO2、もしくはSO2〜4からなる群より選択される部分で任意に置換されていてもよく、またはNは、環状もしくは複素環基、好ましくはモルホリン、トリアゾール、イミダゾール、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、ピロール、ジヒドロピリジン、アジリジン、チアゾリジン、チアゾリン、チアジアゾリジン、もしくはチアジアゾリンであるが、これらに限定されることはない基の一部であり;nは1〜19である。
  8. RがHであり、XがOである、請求項7記載の薬学的組成物。
  9. 化合物の塩が臭化水素塩、p-トルエンスルホン酸塩、塩酸塩、マレイン酸塩、リン酸塩、硫酸塩、過塩素酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、プロピオン酸塩、クエン酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、安息香酸塩、モルホリン、ピペリジン、ジメチルアミン、およびジエチルアミン塩からなる群より選択される、請求項7記載の薬学的組成物。
  10. 化合物の塩が硫酸塩である、請求項9記載の薬学的組成物。
  11. X1およびX2がヨウ素であり、m=0であり、p=1であり、R1およびR2の少なくとも一方がメチルで、他方がHまたはメチルであり、かつR5がメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、(R,S)-2-ブチル、(S)-2-ブチル、および(R)-2-ブチルからなる群より選択される、請求項6記載の薬学的組成物。
  12. 動物において心不整脈を治療する方法であって、下記の構造の一つを有する化合物、またはその塩の有効量を投与する段階を含む方法:
    Figure 2005516010
    式中、Z1およびZ2は同じでも異なっていてもよく、ヨウ素、フッ素、臭素、および塩素からなる群より選択されるハロゲンであり;XはO、S、またはNHであってもよく;
    mは0から4であり;
    pは0または1であり;
    R=H、OH、NH2、SH、ハロゲン化物、アルキル、O-アルキル、アシル、O-アシル、アリール、O-アリール、置換アミン、または置換チオールであり;
    R1およびR2は同じでも異なっていてもよく、独立にH、メチル、エチル、プロピルであり(ただしR1およびR2が両方ともHであることはない);あるいは、R1およびR2は一緒になってシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、またはシクロヘキシル基を形成することもでき;
    Y=OR5であって、R5は1から8個の炭素原子を有する直鎖もしくは分枝鎖アルキルもしくはヘテロアルキル、置換もしくは無置換アリールもしくはヘテロアリールであるか;または
    Figure 2005516010
    (式中、R6およびR7はH、1から6個の炭素原子のアルキルもしくはヘテロアルキルから独立に選択されるか、またはNはモルホリン、トリアゾール、イミダゾール、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、ピロール、ジヒドロピリジン、アジリジン、チアゾリジン、チアゾリン、チアジアゾリジン、もしくはチアジアゾリンを含む環状もしくは複素環基の一部である)であり;かつ
    R3およびR4は同じでも異なっていてもよく、Cn〜20アルキル、Cn〜20ヘテロアルキル、C2〜20アルケニル、アリール、C1〜20アルキル-アリール、C2〜20アルケニル-アリール、ヘテロアリール、C1〜20アルキル-ヘテロアリール、C2〜20アルケニル-ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、C1〜20アルキル-ヘテロシクロアルキル、およびC1〜20アルキル-シクロアルキルからなる群より選択される部分であってよく、そのいずれもC1〜6アルキル、ハロゲン、CN、NO2、もしくはSO2〜4からなる群より選択される部分で任意に置換されていてもよく、またはNは、環状もしくは複素環基、好ましくはモルホリン、トリアゾール、イミダゾール、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、ピロール、ジヒドロピリジン、アジリジン、チアゾリジン、チアゾリン、チアジアゾリジン、もしくはチアジアゾリンであるが、これらに限定されることはない基の一部であり;nは1〜19である。
  13. RがHであり、XがOである、請求項12記載の方法。
  14. 組成物を哺乳動物に投与する、請求項12記載の方法。
  15. 組成物をヒトに投与する、請求項14記載の方法。
  16. 組成物を第二の薬学的組成物と組み合わせて投与する、請求項12記載の方法。
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