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JP2005514638A - カラーコンタクトレンズ - Google Patents

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JP2005514638A
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アショック アール タクラール
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Abstract

ティンテッド又はカラーコンタクトレンズが、瞳孔部分と、領域を備えると共に瞳孔部分を周方向に包囲した虹彩部分と、虹彩部分の領域の大部分を横切って延びる着色剤コンポーネントとを有する。着色剤コンポーネントは、色を虹彩部分に付けると共に少なくとも1つの追加の利点をコンタクトレンズにもたらす。例えば、着色剤コンポーネントは、コンタクトレンズが眼の中にあるとき、虹彩部分の自然な外観を促進することかできる。変形例として又は追加例として、着色剤コンポーネントは、通常の見る人による虹彩部分の深さの知覚を促進することができる。さらに、着色剤コンポーネントは、虹彩部分の外側部分内に黒ずんだ像を提供できる。

Description

本発明は、コンタクトレンズ及びその製造方法に関する。特に、本発明は、ティンテッド(着色)コンタクトレンズ及びその製造方法に関する。
−関連出願−
本願は、2001年12月5日に出願された米国仮特許出願第60/337,582号明細書の権益主張出願であり、かかる米国仮特許出願明細書の開示内容全体を本明細書の一部を形成するものとしてここに引用する。
数十年の間、ティンテッドコンタクトレンズは、自分の眼の色を一時的に変えようと望む人に利用されている。ティンテッドコンタクトレンズの人気が高まり、コンタクトレンズ技術の改良と関連してティンテッドコンタクトレンズの需要が増大している。
種々のティンテッドコンタクトレンズ又はカラーコンタクトレンズの例は、ナップの米国特許第4,582,402号明細書、ローリングズ等の米国特許第5,120,121号明細書、エバンス等の米国特許第5,302,978号明細書及びヤンケの米国特許第5,414,477号明細書に見ることができる。これら米国特許明細書の各々の開示内容全体を本明細書の一部を形成するものとしてここに引用する。
ティンテッドコンタクトレンズの改良が要望され続けている。例えば、レンズ装用者の眼の色をより効果的に変えると共に(或いは)一層自然な見てくれの又は一層自然に見える虹彩組織をもたらすティンテッドコンタクトレンズを提供すれば有利である。
新規なティンテッドコンタクトレンズ及びその製造方法を案出した。本発明は、従来技術のレンズと比較して顕著な利点をもたらすティンテッドコンタクトレンズを提供する。例えば、本発明のティンテッドコンタクトレンズは、好ましくは装用者の眼の生まれつき備わった色を抑えて色の変化又は変更を一段と促進しながら、レンズ装用者に所望の眼の色の変化又は変更をもたらすよう非常に効果的に着色されている。加うるに、本発明のティンテッドコンタクトレンズは有利には、装用者の眼に非常に自然な外観を与える。さらに、本発明のティンテッドコンタクトレンズは、快適であって装用が安全であり、しかも比較的容易に費用効果良く製造できる。
本発明の一特徴によれば、瞳孔部分と、領域を備えていて、瞳孔部分の周方向に包囲した虹彩部分と、虹彩部分の領域の大部分、好ましくは実質的に全てを横切って延びる着色剤コンポーネントとを有するティンテッドコンタクトレンズが提供される。着色剤コンポーネントは、色を虹彩部分に与え、この着色剤コンポーネントは、少なくとも1つの追加の利点をコンタクトレンズにもたらすよう構成されている。例えば、着色剤コンポーネントは、コンタクトレンズが眼中にあるとき、虹彩部分の自然な外観を促進するよう構成されたものであるのがよい。変形例として及び(又は)追加例として、着色剤コンポーネントは、深さの知覚を促進させる(又は、3次元効果を知覚させる)虹彩部分を提供するよう構成されたものであってもよく、この知覚は、本発明のティンテッドコンタクトレンズを装用している眼の自然な外観を促進することができる。さらに、着色剤コンポーネントは、黒ずんだ像を虹彩部分の外側部分内にもたらすよう構成されたものであってもよい。本発明のティンテッドコンタクトレンズは、虹彩部分の自然な外観を高めると共に(或いは)深さの知覚を促進させる(又は、3次元効果を知覚させる)虹彩部分を提供するよう構成されたものであってよいことは注目されるべきである。
望ましくは、着色剤コンポーネントにより虹彩部分に与えられる色は、コンタクトレンズを装用することによりコンタクトレンズの装用者が自分の眼の虹彩を変えたいと望む色である。好ましくは、着色剤コンポーネントは、虹彩部分の領域の実質的に全てを横切って延びる。着色剤コンポーネントは好ましくは、虹彩部分の領域全体にわたり非一様であり、例えば、半径方向に一様であり、好ましくは非一様な密度を有している。有利には、着色剤コンポーネントの非一様性は、一様な着色剤コンポーネントを備えた実質的に同一のコンタクトレンズと比較して、コンタクトレンズを装用しているとき、深さの知覚を促進させる虹彩部分を提供するのに十分である。
本発明の着色剤コンポーネントの密度という場合に用いられる「密度」という用語は、着色剤コンポーネントが設けられる又は着色剤コンポーネントが延びる表面の着色剤コンポーネントによって被覆された表面、例えばコンタクトレンズの虹彩部分の表面又はその一部又は何割かを意味している。例えば、着色剤コンポーネントが虹彩部分全体にわたって延びて虹彩部分の40%を覆っている場合、着色剤コンポーネントの密度は40%である。別の例では、着色剤コンポーネントが虹彩部分の70%にのみ設けられ又はそれにわたって延びて虹彩部分のその70%のうち40%を覆っている場合、着色剤コンポーネントの密度は40%である。
一実施形態では、着色剤コンポーネントは、黒ずんだ像を虹彩部分の外側部分内にもたらすよう虹彩部分の領域の一部を横切って延びる暗色着色剤を含む。黒ずんだ像は、暗色着色剤の一連の互いに間隔を置いたセグメントであるのがよい。黒ずんだ像は、眼の自然に生じる黒っぽいリングに類似した構造を有するものとして知覚されるよう構成されたものであるのがよい。しかしながら、眼の虹彩の外周を越えて外方に延びるこの自然に生じる黒っぽいリングとは異なり、本発明の黒ずんだ像は有利には、レンズの周辺部分の虹彩部分の外部ではなく、コンタクトレンズの虹彩部分内に位置決めされる。一実施形態では、暗色着色剤は、着色剤コンポーネントとは別個であって、これから離れて位置し、例えば、着色剤コンポーネントとは別個のコンタクトレンズ又はコンタクトレンズ基材に被着される。両方の実施形態、即ち、着色剤コンポーネントの一部として暗色着色剤を備える実施形態と着色剤コンポーネントとは別個であってこれから離れて位置した暗色着色剤を備えた実施形態の両方は、本発明の範囲に含まれる。
本発明のティンテッドコンタクトレンズは、虹彩部分に少なくとも眼の虹彩の構造又は組織の知覚、例えば人の眼の生まれつき備わった虹彩の構造又は組織の少なくとも知覚を与えるよう虹彩部分の領域の一部を横切って延びる少なくとも1つの着色パターンを有するのがよい。着色パターンは有利には、着色剤コンポーネントとは異なる色を有する。一実施形態では、ティンテッドコンタクトレンズは、2つの着色パターンを有するのがよく、これらは各々互いに異なった色に着色されるのが好ましい。
少なくとも1つの着色パターンは有利には、瞳孔部分の周辺又はその近くから虹彩部分の外周に向かって外方に、好ましくは、これらの間、即ち瞳孔部分の周辺と虹彩部分の外周との間の半径方向距離の約95%以上にわたって延びる。少なくとも1つの着色パターンは好ましくは、虹彩部分の外周には接触しない。有用な一実施形態では、着色パターンは、瞳孔部分の周辺と虹彩部分の外周との間の半径方向距離の約5%以内まで延びる。望ましくは、少なくとも1箇所、好ましくは複数の箇所で、好ましくはレンズの光軸を通って瞳孔部分の周辺から虹彩部分の外周まで延びる平面が着色パターンと交差しない。換言すると、少なくとも1つの着色パターンは有利には、レンズ上の少なくとも1箇所、好ましくは複数の箇所で不連続である。
特に有用な一実施形態では、少なくとも1つの着色パターンは、各々が瞳孔部分の周辺近くで一連の間隔を置いた着色セグメントとなる複数の実質的に完全に着色された領域から成る。かかる構成は、ティンテッドコンタクトレンズに虹彩の構造又は組織の少なくとも知覚を非常に効果的に与えると共に有利には、少なくとも1つの着色パターンが瞳孔部分の周辺の近くで完全に着色される場合、即ち、少なくとも1つの着色パターンが瞳孔部分の周辺の近くに上述の互いに間隔を置いた着色セグメントを有していない場合に生じるレンズ装用者の視覚妨害を減少させる。互いに間隔を置いた着色セグメントは、少なくとも1つの着色パターンの残部と比較して着色の強さが低いのがよい。換言すると、互いに間隔を置いた着色セグメントは、着色パターンの大部分、即ち少なくとも約50%の色に対し褪せた又は抑えられた色を有するのがよい。
本発明のティンテッドコンタクトレンズは、上述の着色剤コンポーネント(第1の着色剤コンポーネントと呼ぶ場合がある)とは異なっていて、虹彩部分の領域の大部分又は実質的に全てにわたって延びる第2の着色剤コンポーネントを有するのがよく、それが好ましい。第2の着色剤コンポーネントは、光吸収性であり、例えば、第1の着色剤コンポーネントよりも吸収性が高く、例えば一層暗い色のものであり、第2の着色剤コンポーネントの無い実質的に同一のコンタクトレンズと比べて、コンタクトレンズを装用した眼の虹彩の色を変化させるコンタクトレンズの性能を高めることができる。本発明を任意特定の動作理論に限定しようとは思わないが、考えられることとして、第2の着色剤コンポーネントは、レンズ装用者の虹彩の生まれつき備わった色の効果を押さえ又は減少させることができる。これにより、レンズ装用者の虹彩は、着色剤コンポーネントの色を一層効果的に取っているように見えることができる。第2の着色剤コンポーネントは、虹彩部分の領域の全てにわたって延びるのがよく、しかも約5%〜約70%又は約90%の密度で実質的に一様であるのがよい。
本発明のコンタクトレンズ、例えばティンテッドコンタクトレンズは、膜の無い実質的に同一のレンズと比較して、レンズ装用の際の快適さを向上させることができる着色剤コンポーネントを覆った実質的に光学的に透明な膜を有するのがよい。この膜の厚さは、約20ミクロン以下であるのがよく、好ましくは約10ミクロン以下である。有利には、着色剤コンポーネントは、コンタクトレンズ基材の前面上に設けられ、この膜は、ティンテッドコンタクトレンズの前面を形成する。膜は、親水性ポリマー材料であるのがよく、しかも架橋されているのがよく、好ましくはそうである。
一実施形態では、透明な膜は、着色剤コンポーネントが設けられたコンタクトレンズ基材の表面をのみ覆う。例えば、着色剤コンポーネントがコンタクトレンズ基材の前面上に設けられる場合、透明な膜は好ましくは、レンズ基材の前面上にのみ被着される。実質的に着色剤コンポーネント及び着色パターンの無いレンズの後面は好ましくは、かかる膜が実質的に無い。着色剤コンポーネントを備えた表面にのみ施されたかかる膜を用いることにより、レンズの全厚が減少すると共にこのレンズの装用の容易さが高まり、しかもレンズ装用者の快適さが増す。実際、着色剤コンポーネントが設けられたレンズ基材の表面上にのみ透明な膜を設けることにより、レンズの前面と後面の両方に被着された透明な膜を有する実質的に同一のティンテッドコンタクトレンズと比較して、レンズ装用者の快適さが高くなる。加うるに、レンズの一方の表面上にのみ透明な膜を設けることにより、有利には、前面と後面の両方に被着された透明な膜を有する同一のティンテッドコンタクトレンズと比較して、特にレンズの瞳孔部分又は光学的領域を通る酸素の透過性を高くすることができる。かかる利点は、レンズの一方の表面にのみ被着された透明な膜を有するレンズの厚さの減少と少なくとも一部が関連しているものと考えられる。
本発明のティンテッドコンタクトレンズは、着色剤コンポーネント以外に、上述したように虹彩部分の外側部分内に黒ずんだ像をもたらすよう構成された暗色着色剤を有するのがよい。
本発明の追加の特徴では、ティンテッドコンタクトレンズ、例えば本発明のティンテッドコンタクトレンズの製造方法が提供される。一実施形態では、この方法は、基材、例えばコンタクトレンズ基材を用意する工程と、着色剤コンポーネントを基材の環状虹彩部分の大部分を横切って配置する工程とを有し、着色剤コンポーネントは、少なくとも1つの追加の利点をティンテッドコンタクトレンズにもたらすよう構成されている。有用な実施形態では、着色剤コンポーネントは、複数の別々の要素から成る。
本発明の別の特徴は、第1の着色剤コンポーネントをコンタクトレンズ基材の虹彩部分の領域の少なくとも大部分を横切って配置する工程と、眼の生まれつき備わった虹彩の構造をシミュレートする少なくとも1つの着色パターンを基材の虹彩部分の領域の一部を横切って配置する工程と、第2の光吸収性着色剤コンポーネントを基材の虹彩部分の領域の大部分を横切って配置する工程を好ましくは上記順番で有するティンテッドコンタクトレンズの製造方法にある。
望ましくは、この方法は、第1の着色剤コンポーネントを配置する工程及び(又は)第2の着色剤コンポーネントを配置する工程とは別個に又はこれらと実質的に同時に暗色着色剤を虹彩の外側部分上に配置する工程を更に有する。この方法は、透明な膜を基材上に配置する工程を更に有するのがよく、膜は好ましくは、第1及び第2の着色剤コンポーネント並びに少なくとも1つの着色パターンを覆う。
本明細書において説明した各特徴及び全ての特徴並びにかかる特徴のうち2以上のものの各組み合わせ又は全ての組み合わせは、かかる組み合わせに含まれる特徴が相互に矛盾しないことを条件として、本発明の範囲に含まれる。
本発明の追加の特徴及び利点は、特に添付の図面と関連して考慮すると、以下の説明に記載されており、図中、同一の部分には同一の符号が付けられている。
図1A及び図1Bは、参考までにコンタクトレンズ20の多くの従来型コンポーネントを示している。本発明をかかる従来通り構成されたコンタクトレンズにのみ限定するものではない。レンズ20は、正面図で見て円形であり、図1Bで分かるように中間平面で見て三日月形の縦断面を有するよう凹状/凸状である。幾つかの同心領域が、図1Aで分かるように、中心の光軸OA周りに配置されている。即ち、瞳孔部分22が、光軸OAを包囲した状態でこれから半径方向外方に延びて中央の円形領域を形成している。環状の虹彩部分24が、瞳孔部分22を同心状に包囲し、代表的にはコンタクトレンズ20の表面領域の大部分を構成している。最後に、コンタクトレンズ20は、虹彩部分24の周りに同心状に設けられた環状周辺部分26を有するのがよい。説明の目的上、瞳孔部分22の周囲及び虹彩部分24の外周を示す円形の線が示されている。かかる線は、実際にはコンタクトレンズ上には見えない。本発明のカラー又はティンテッドコンタクトレンズの種々の実施形態を、種々の同心部分について図1A及び図1Bで用いられた符号を用いて終始一貫して説明する。
例示の目的で、図1Aを参照すると、瞳孔部分22の半径は、代表的には約2mm〜約3mm、好ましくは約2.5mmである。虹彩部分24の外周は、中心の光軸OAから約2mm以上約7mmまでの半径方向距離のところ、好ましくは、約6.3mmの半径方向距離のところに位置している。周辺部分26の外周(レンズ外側エッジ)は代表的には、中心の光軸OAから約6mm〜約8mmの半径方向距離のところ、好ましくは、約7.3mmの半径方向距離のところに位置している。
図1Bは、凸状の前側フェース又は前面28及び凹状後側フェース又は後面30を示している。凹状後面は、レンズを装用した場合、眼の角膜に向いてこれと合致するようになっている。レンズ20は、外側エッジ32がレンズの中間領域よりも比較的薄いように断面が三日月形のものとして示されている。コンタクトレンズ20に利用される色の要素を前面28又は後面30のいずれかに被着させ又は形成するのがよいことが注目されるべきである。
−着色剤コンポーネント−
本発明は、一特徴では、虹彩部分の領域の少なくとも大部分、即ち少なくとも約50%にわたって延びる着色剤コンポーネントを有するティンテッド又はカラーコンタクトレンズを提供する。このカラーコンタクトレンズにより、装用者は、コンタクトレンズを眼の中に配置したとき、例えば眼の虹彩に当てて又はこれを覆って配置したとき、自分の生まれつき備わった眼の色を変えることができる。一実施形態では、着色剤コンポーネントは、レンズを装用したとき、ティンテッドコンタクトレンズの虹彩部分の自然な外観及び(又は)その深さの知覚を促進するよう構成されている。好ましくは、着色剤コンポーネントにより虹彩部分に与えられた色は、コンタクトレンズの装用者がレンズを装用することにより自分の虹彩を変えようと願っている色である。一実施形態では、本発明のティンテッドコンタクトレンズは、ティンテッドコンタクトレンズに自然な外観を与える上で、装用者の眼の組織、例えば虹彩組織を当てにしない。換言すると、一実施形態では、そして好ましくは、本発明のティンテッドコンタクトレンズは、適当な距離のところ、例えば約5フィート(1.5m)のところでは、通常の見る人が装用者の眼を見たとき、装用者の虹彩、即ち装用者の虹彩の組織をティンテッドコンタクトレンズを通して見たり又は視覚化できないようなものである。この関係で「通常の見る人」という用語は、ティンテッドコンタクトレンズの装用者から約5フィート離れて立っている通常の視覚又は視力を持つ人のことである。
図2は、着色剤コンポーネント32が虹彩部分24内に設けられた本発明のカラーコンタクトレンズ30を示している。好ましくは、着色剤コンポーネント32は、虹彩部分24の領域の少なくとも大部分を横切って延びる領域を有し又はかかる領域にわたってこれに色を付けている。より好ましくは、着色剤コンポーネント32は、虹彩部分24の領域の実質的に全てを覆い又はこれにわたって延びている。かくして、着色剤コンポーネント32は、虹彩部分24を満たし、他の自然な虹彩特徴部をシミュレートできる種類のキャンバスとなるフラッド着色剤又はフラッド被覆として見える。大抵の場合、瞳孔部分22と周辺部分26のうち一方又はこれら両方は、実質的に着色剤コンポーネント32が無く、より好ましくは光学的に透明である。瞳孔部分22と周辺部分26は共に好ましくは、虹彩部分24中の着色剤の終わりのところに構成されていることは確かである。
図2Aに示すような一実施形態では、着色剤コンポーネント32は、好ましくはレンズ基材上に形成され、又は虹彩部分24の少なくとも大部分を横切って分布して設けられ又はこれにわたって延びる配列状態の別々の着色剤要素34を有している。着色剤要素34は、任意の形状、規則的な形状又は不規則な形状のものであってよく、例えば丸形、正方形、6角形、細長い形状等である。これについては、例えばヤンケに付与された米国特許第5,414,477号明細書に開示された種々の形状を参照されたい。なお、かかる米国特許明細書の開示内容全体を本明細書の一部を形成するものとしてここに引用する。着色剤要素34の各々の特定の形状は、所望の色を虹彩部分24に施すのに十分な着色要素34が存在する限り、本発明にとって必須の要件ではない。これと同様に、要素34のサイズは、必須要件ではなく、実質的に一定であってよく、或いは故意に又は製造プロセスの結果として様々であってよい。
着色剤要素34は、種々の空間配列状態でレンズ30上に形成できるが、全体的パターンは、瞳孔部分22周りに同心リングを形成する。着色剤要素34の分布密度及び規則性に応じ、着色剤要素34のうちの1つと交差することなく、光軸OAから虹彩部分24の外周まで延びる半径方向線を辿って描くことが可能である。変形例として、着色剤要素34は、かかる半径方向線が着色剤要素のうちの少なくとも1つと交差するよう配列され又はそのような密度で設けられている。別々の着色剤要素34のうち少なくとも何割かは、互いにオーバーラップし、かくして互いに組み合わさって広い表面領域を覆う別々の要素を形成できることは注目されるべきである。この場合も又、この形態は、故意に設けられたものであってよく、或いは製造プロセスの自然の結果として生じたものであってもよい。
着色剤コンポーネント34は、2以上の互いに異なる色又は陰影が付けられた要素34から成っていてもよい。例えば、緑と不透明な黄色の両方の着色剤要素34を組み合わせてもよい。当業者であれば、種々の色の組み合わせを利用すると虹彩について所望の色の外観を得ることができることは理解されよう。また、上述したように、互いに異なる色の付いた要素34は、虹彩部分24上で別々又は互いに間隔を置いて位置してもよく、或いは規則的又は不規則にオーバーラップしたものであってもよい。かかるオーバーラップの例について図4A〜図4Dを参照して以下に説明する。
好ましい実施形態では、着色剤コンポーネント32は、通常の見る人、例えば装用者の眼上のレンズを約5フィート(1.5m)又は約10フィート(3m)のところから見る人が装用者の生まれつき備わった虹彩の色及び(又は)組織を見るのを阻止する。即ち、着色剤コンポーネント32は、生まれつき備わった虹彩の色及び(又は)組織を実質的に遮る。非常に有用な実施形態では、着色剤コンポーネント32は、光がコンタクトレンズを通ることができ、レンズ装用者の眼の表面、例えば虹彩表面で反射することができるよう構成されている。この特徴、(これは、レンズの虹彩部分上の着色剤成分の密度及び(又は)着色剤成分の半透明性及び(又は)不透明性の度合いを選択し又は制御することにより得ることができる)は、虹彩部分が完全に不透明な同一のティンテッドコンタクトレンズと比べ、通常の見る人に与えられるレンズの装用者の眼の深さの知覚を促進する。
−多数の着色剤コンポーネント−
本発明の例示の実施形態では、例えば図3に見えるティンテッドコンタクトレンズ40は、図2のレンズ30を参照して上述した多数の着色剤コンポーネント、例えば着色剤コンポーネント32を有している。図3では、多数の着色剤成分から成る領域42は、虹彩部分24の実質的に全体を横切って跨いだ状態又はこれにわたって延びた状態で見える。ただし、種々の着色剤コンポーネントの配列は、これら着色剤コンポーネントを特定の倍率では区別できないようなものであり、ここでは黒と白で再現されたものとして示されている。着色剤コンポーネントをよりよく示すと共に区別するためこれらのそれぞれの要素を図4A〜図4Dでは幾つかの互いに異なる形態で拡大された状態で示している。
上述したように、レンズ40の着色剤成分は各々、レンズ基材、特に虹彩部分24上に形成された多数の着色剤ドット又は要素から成る。これら着色剤要素を種々の寸法形状で設けることができる。例えば図4Aは、虹彩部分24の領域42内に設けられた第1の着色剤コンポーネントの第1の着色剤要素44及び虹彩部分24の領域42内に設けられた第2の着色剤コンポーネントの第2の着色剤要素46を示している。第1の着色剤要素44は、円形として示され、第2の着色剤要素46は、6角形である。ただし、着色剤要素44,46は両方共円形又は6角形であってよく、或いは他の規則的及び(又は)不規則な形状で設けてもよいことは理解されよう。図4Aは、2つの着色剤要素44,46を、互いにオーバーラップせず、しかも規則的な格子の状態、具体的には、光軸OAの周りに放射状に広がる同心円をなすようアレイ状に配列されたものとして示している。さらに、等しい数の円形着色剤要素44及び6角形着色剤要素46が設けられている。ただし、その比率は、多数の着色剤コンポーネントから成る領域42全体にわたり、又は或る特定の領域についてのみ様々であってよい。
図4Aとは対照的に、図4Bは、虹彩部分44の多数の着色剤コンポーネントから成る領域42内に、着色剤要素44,46が実質的に又は完全にオーバーラップした着色要素の配列状態を示している。かかる配列状態は、一番上に位置する着色剤要素がその下に位置する着色剤要素を完全に遮らない限り、2つの着色剤要素44,46から混色を生じさせる。図4Aの分布状態の場合と同様、図4Bの互いにオーバーラップした要素44,46は、光軸OA周りに同心円の状態に規則正しく配列されている。なお、かかる分布状態が本発明を限定するものと考えてはならない。
図4Cは、虹彩部分24の領域42上における部分的にオーバーラップした要素44,46の規則的な分布状態を示している。この場合も又、この配列状態により要素44,46の互いに異なる色又は陰影から混色が作られる。当業者であれば、要素44,46のうち一方が他方とオーバーラップして二次着色剤コンポーネントの底色を持つ主要な又は一次着色剤コンポーネントが得られることは理解されよう。オーバーラップの度合いは、相対的優位性を定め、無限の色の配列方式が可能である。
図4Dは、虹彩部分24の領域42上における互いにオーバーラップしていない第1の着色剤要素44と第2の着色剤要素48の規則正しい分布状態を示している。図4Aの構成とは対照的に、説明の目的上、第2の着色剤コンポーネントは、6角形とは異なり正方形の要素48を有している。これら要素は、任意適当な形状又は形状の組み合わせであってよく、例えば、規則的な形状、不規則な形状及びこれらの組み合わせであってよい。
−光吸収性着色剤コンポーネント−
一実施形態では、虹彩部分24の領域42内の第1及び第2の着色剤コンポーネントの要素44,46は、不透明である。しかしながら、変形例として、着色剤コンポーネントのうちの一方は、光吸収性の要素を有してもよく、かかる光吸収性は、光を比較的高い程度まで吸収できることを意味している。例えば、光吸収性(第2)着色剤コンポーネントは、他方(第1)の着色剤コンポーネントに対し可視光の吸収性が高い。非常に有用な実施形態では、光吸収着色剤コンポーネントは、可視光の相当な部分、例えば可視光の大部分又は可視光の少なくとも70%、或いは可視光の少なくとも約90%を吸収することができる。光吸収色の非限定的な例としては、黒色、濃青色、暗紫色及びその均等色又はこれらの組み合わせが挙げられる。
本発明を任意特定の議論に限定しようとするわけではないが、光吸収性の第2の着色剤コンポーネントは、かかる光吸収性の第2の着色剤コンポーネントを備えていない実質的に同一のコンタクトレンズの場合と比べて、コンタクトレンズの装用者の眼の色を変えるティンテッドコンタクトレンズ40の能力を効果的に高めると考えられる。さらに、光吸収性着色剤コンポーネントは、装用者の生まれつき備わった虹彩の色を抑えるのに有効であると考えられる。この現象は、装用者の生まれつき備わった虹彩が暗色、例えば暗褐色である場合に特に重要である。特定の例として、図3のティンテッドコンタクトレンズ40の光吸収性着色剤コンポーネントは、装用者の生まれつき備わった虹彩の暗褐色を抑えることができ、かくして第1の着色剤コンポーネントの色、例えば青色が通常の見る人に見えるようになる。虹彩の生まれつき備わった色のこの抑制は、従来技術のティンテッドコンタクトレンズでは従来得られなかった顕著な利点である。
上述したように、光吸収性着色剤コンポーネントの要素を、虹彩部分24内に一様に又は非一様に分布した状態で設けるのがよい。好ましくは、光吸収性着色剤コンポーネントは、虹彩部分24全体にわたり実質的に一様であり、密度が約5%〜約70%である。より好ましくは、光吸収性着色剤コンポーネントの要素、例えば図4Dの要素48の密度は、約10%〜約50%である。本明細書における別のところで説明するように、本明細書で用いられている「密度」という用語は、光吸収性着色剤コンポーネントが設けられ又は着色剤コンポーネント要素48が覆う表面積の百分率を意味している。したがって、密度が100%であるということは、虹彩部分24の特定の領域42を完全に覆っていることを意味している。
望ましくは、第2の着色剤コンポーネントの光吸収性要素、例えば要素48は、第1の着色剤コンポーネントの要素44と実質的にオーバーラップしていない。この関係で、「実質的にオーバーラップ」するという表現は、第2の着色剤コンポーネントの光吸収性要素48が第1の着色剤コンポーネントの要素44の全表面積の約50%以上とオーバーラップし又はこれを覆っていることを意味している。好ましい実施形態では、第2の着色剤コンポーネントの光吸収性要素、要素48は、第1の着色剤コンポーネントの要素、例えば要素44の全表面積の約30%以下とオーバーラップしている。
−深さの知覚の促進−
本発明の一特徴によれば、単一又は多数の着色剤コンポーネントは、ティンテッドコンタクトレンズを装用したとき、虹彩部分24内における通常の見る人の深さの知覚を促進する。この特徴は、従来技術のティンテッドコンタクトレンズでは従来得られなかった顕著な利点である。着色剤コンポーネントの要素の形態は、虹彩部分の領域全体にわたり非一様であるのがよく、好ましくは非一様である。本発明を任意特定の動作理論に限定しようとするものではないが、着色剤コンポーネントの要素のかかる非一様性は、例えば1又は複数の着色剤コンポーネントが虹彩部分の領域全体にわたり一様に分布した実質的に同一のコンタクトレンズと比較して、コンタクトレンズを装用したときの深さの知覚を高めると考えられる。
図5は、虹彩部分24に設けられていて、通常の見る人によるコンタクトレンズの深さの知覚を促進するよう非一様に分布して設けられた1以上の着色剤コンポーネントを有する本発明のティンテッドコンタクトレンズ50を示している。この例示の実施形態では、非一様性は、虹彩部分24を半径方向に横切って着色剤コンポーネントの密度を変化させることにより得られる。上述したように、虹彩部分24中の着色剤コンポーネントのうち任意のものの要素の密度は、これら要素により覆われる表面積の百分率である。
一般に、又は少なくとも有用な一実施形態では、着色剤コンポーネントは、瞳孔部分22の近くの虹彩部分24の領域の一部において、瞳孔部分から見て遠くに位置する虹彩部分の領域の別の部分のところよりも、密度が望ましくは低い、即ち減少した密度を有している。これと同様に、一実施形態では、着色剤コンポーネントは、虹彩部分24の外周の近くの一部において、虹彩部分の外周から見て遠くに位置する虹彩部分の領域の別の部分のところよりも、密度が望ましくは低い、即ち減少した密度を有している。望ましくは、着色剤コンポーネントは、瞳孔部分の近くであると共に虹彩部分の外周の近くのところのほうがこれら2つの部分相互間のところよりも密度が低い。
図5及び図5Aの図示の実施形態では、虹彩部分24の着色剤コンポーネントは、瞳孔部分22の近くに位置する内側部分52を有し、この内側部分は、これを包囲する中間部分54よりも密度が小さい。さらに、中間部分54を包囲している外側部分56は、内側部分52と同一の密度、又は少なくとも中間部分54よりも小さな密度を有するのがよい。好ましい実施形態では、内側部分52、中間部分54及び外側部分56は、瞳孔部分22の周囲と虹彩部分24の外周との間に延びる同心リング又は他のパターンである。
一実施形態では、内側部分52は、瞳孔部分22から測定して、瞳孔部分の周囲から虹彩部分24の外周までの虹彩部分24の半径方向寸法の0%〜約40%の領域に延び又は位置した半径方向寸法を有している。これよりも密度の高い中間部分54は望ましくは、瞳孔部分22から測定して虹彩部分24の半径方向寸法の約20%又は約25%〜約75%又は約90%の領域に延び又は位置した半径方向寸法を有する。最後に、密度の低い外側部分56は、瞳孔部分22から測定して虹彩部分24の半径方向寸法の約60%又は約100%の領域に延び又は位置した半径方向寸法を有する。虹彩部分24の半径方向寸法の絶対百分率でいえば、内側部分52と外側部分56の両方は、0%〜約40%を占め、密度の高い中間部分54は、約20%〜約90%を占める。
好ましい実施形態では、密度の低い内側部分52及び外側部分56は、約35%以下又は約30%以下(ただし、0%より高い)の着色剤要素密度を有している。好ましくは、密度の低い内側部分52及び外側部分56は、密度が約5%〜約30%又は約35%、より好ましくは約15%〜約25%である。これよりも密度の高い中間部分54の密度は望ましくは、約35%以上又は約40%以上、より好ましくは40%〜90%、更により好ましくは約40%〜約75%である。特に有用な実施形態では、内側部分52と外側部分56の両方は、約20%の着色剤要素密度を有し、中間部分54は約60%の着色剤要素密度を有する。
一実施形態では、様々な密度を有する着色剤コンポーネントの部分相互間の移行部は、図5によく示されているように、実質的に急峻であるのがよい。例えばかかる実質的に急峻な移行部を作るため、図5Aは、密度が高く配列された中間部分54の着色剤要素60の直ぐ隣りに第1の密度を生じさせるよう互いに間隔を置いた外側部分56の着色剤要素58を示している。例示の実施形態の着色剤要素58,60は、光軸OAを中心として同心円又は他のパターンで配置されている。外側部分56の着色剤要素58の内側リング62は、中間部分54の着色剤要素60の外側リング64の直ぐ隣りに位置した状態で示されている。より距離を置いたところから見ると、例えば図5で分かるように、この移行部は、実質的に急峻に見える。しかしながら、変形例として、種々の密度の部分相互間の移行部は、よりなだらかであってよい。例えば、20%密度〜60%密度の移行部は、密度が約20%又は25%〜約55%又は約60%の虹彩部分の相当な部分を含むのがよい。要素58相互間の周方向間隔は、着色剤要素60の所望の周方向間隔が達成されるまで隣り合う同心リング相互間では大きさが次第に減少するのがよい。さらに、着色剤要素58,60は、これらの間に移行部を溶け合わせるよう幾分オーバーラップしてもよい。
ー暗色着色剤から形成されたリング状構造ー
本発明の好ましい特徴では、図6で分かるように、ティンテッドコンタクトレンズ70は、虹彩部分24内に暗色着色剤72を有している。暗色着色剤72は、本明細書において説明するような1以上の着色剤コンポーネントと組み合わせて用いられる。しかしながら、説明を分かりやすくするために、図6では、暗色着色剤72は、他の着色剤無しで示されている。望ましくは、暗色着色剤72は、黒ずんだ像又は所謂リング状構造をもたらすよう虹彩部分24の領域の外側部分を横切って延びている。ティンテッドコンタクトレンズ70上の1以上の追加の着色剤(図6には示さず)が、暗色着色剤72を半径方向外側に越えた状態で虹彩部分24内に延びている。好ましくは、暗色着色剤72は、黒色リング状構造の外観を通常の見る人に与える実質的に光吸収性の色で虹彩部分内に設けられている。実質的に光吸収性ではない半透明及び(又は)不透明な色を暗色着色剤72に用いるのがよいことは注目されるべきである。ただし、暗色の不透明な色は、これらの光吸収性に鑑みて有利であると考えられる。
暗色着色剤72を種々の方法で作ることができる。例えば、暗色着色剤72を中実光吸収性バンドとして形成するのがよい。変形例として、暗色着色剤72は、1本のバンドの印象を与えるよう互いに密に間隔を置いた一連の薄い光吸収性バンドを備えてもよい。多数のバンドから成る実施形態では、バンドを互いに異なる色又は同一色の陰影で設けてもよい。さらに、暗色着色剤72を1本のバンドの印象を通常の見る人に与えるよう互いに相互作用する一連の互いに間隔を置いた色のセグメントとして形成してもよい。
好ましい実施形態では、図6で分かるように、暗色着色剤72は、虹彩部分24の外側部分のところに一連の互いに間隔を置いたセグメント74を有している。図示のように、これらセグメント74は、場合によっては互いにオーバーラップした短くて細長いセグメントであるのがよい。これらセグメント74は、これらの延びの向きが全体として半径方向に差し向けられている。図示のように、セグメント74は望ましくは、ティンテッドコンタクトレンズ70中の黒ずんだ像の自然な外観を高めるよう望ましくは非直線状又は波形である。ただし、直線状セグメントも又、均等に又は少なくとも許容限度内で機能することができる。
コンタクトレンズ70の好ましい実施形態では、暗色着色剤72は、虹彩部分24の外周の直ぐ隣りには位置していない。即ち、暗色着色剤セグメント74は、虹彩部分24の外周とは交差しておらず、好ましくはセグメントは、外周から少なくとも約0.1mm離れて位置している。虹彩部分24の外周からのこの離隔は、従来技術のティンテッドコンタクトレンズでは従来得られなかった顕著な利点である。
本明細書において説明する種々の着色剤コンポーネントを、ティンテッドコンタクトレンズ中に所望の像を作るよう単独で又は関連して利用することができる。例えば、図7は、図5及び図6の着色剤コンポーネントの組合せであるティンテッドコンタクトレンズ80を示している。具体的に説明すると、様々な密度の部分を有する図5の着色剤コンポーネントは、図6の暗くなった着色剤72と重ね合わされている。その結果、コンタクトレンズ80内の虹彩部分24が、暗くなった着色剤72によって作られる環状の黒ずんだ像又はリング状構造を有し、漸変密度の同心領域が部分52,54,56により作られた虹彩部分中の深さの知覚を促進させる。
−着色パターン−
本発明の例示の実施形態では、図8A及び図8Bで分かるように、本発明のティンテッドコンタクトレンズ90は、虹彩部分24内に着色パターン92を有している。着色パターン92は望ましくは、虹彩部分24の領域を実質的に横切って延びてこれに自然な解剖学的虹彩組織の少なくとも知覚を与えるようになっている。即ち、生まれつき備わった虹彩は、全体として半径方向の層紋又は線を備えている。即ち、着色パターン92は、瞳孔部分22の周囲から虹彩部分24の外周に向かって外方に延びている。好ましい実施形態では、着色パターン92は、虹彩部分24の全半径方向距離の約95%以上にわたり、即ち、瞳孔部分22と虹彩部分24の外周との間の実質的に距離全体にわたっている。望ましくは、着色パターン92は、虹彩部分24の半径方向寸法全体には延びてはおらず、特に、虹彩部分の外周には接触していない。特に有用な実施形態では、着色パターン92は、瞳孔部分22と虹彩部分24との間の境界部のところ又はその辺りで始まり、これから半径方向外方に約96%〜約99%延びて虹彩部分24の外周の直ぐ近くまで延びている。
着色パターン92は、単一の着色剤コンポーネントから得られる異なる色又は陰影及び多数の着色剤コンポーネントのうちの少なくとも1つから得られる異なる色又は陰影を有している。例えば、本発明のティンテッドコンタクトレンズは、単一の緑色着色剤コンポーネント及び濃青色着色パターン92を有するのがよい。1以上の半透明及び(又は)不透明な染料、顔料又はインキを用いると、着色パターン92を形成することができる。なお、不透明な染料、顔料又はインキが好ましい。
有利には、着色パターン92は、実質的に完全に着色された複数の着色領域を有し、即ち、これら着色領域は、べた色又はこれら領域の少なくとも約80%を覆う色である。着色領域を別々の要素で作ってもよい。それにもかかわらず、これら領域内の色は、実質的に一様又は実質的に非一様であってよい。例えば、これら領域の中には薄く着色された部分があり、濃く着色された部分があってよい。好ましくは、これら領域は、瞳孔部分22から虹彩部分24の外周に向かって外方に放射状に延びている。
着色パターン92を構成する領域は、実質的に一様な形状のものであってよく、或いは不規則な形状のものであってもよい。図8A及び図8Bに示すように、着色パターン92は、半径方向において実質的に細長い領域94を有している。即ち、各領域94は、周方向寸法よりも半径方向寸法の方が実質的に大きい。加うるに、各領域94の幅は、その長さに沿って変化するのがよく、これによりラフではあるがより自然な見てくれが得られる。
好ましい実施形態では、領域94の少なくとも何割かは、瞳孔部分22の周囲から虹彩部分24の外周の近くまで半径方向に延びるが、これとは交差していない。それと同時に、領域94の中には、瞳孔部分22と虹彩部分24の外周との間で一部しか延びていないものがある。自然な虹彩な外観をシミュレートする特に有用な実施形態は、種々の長さのこれら領域の両方を有している。
領域94の中には、互いにオーバーラップしたものがあるが、オーバーラップしないで半径方向外方に延びているものもある。領域94は、従来技術の或る初期のティンテッドコンタクトレンズの場合と同様、線の相互連結ネットワークのクラスタ又は繰り返しクラスタを形成していないことは注目されるべきである。確かに、図8Bで分かるように、かかる構成は存在しておらず、又は識別できない。
一実施形態では、図8Aで分かるように、連続線96を、着色パターン92と交差しないで、光軸OAから虹彩部分24の外周まで描くことができる。好ましくは、この連続線は、図示のように実質的に直線状又は半径方向である。換言すると、着色パターン92は望ましくは、光軸OAに平行であり、瞳孔部分22の周囲から虹彩部分24の外周まで延びる少なくとも1つの半径方向平面が領域94のうちどれにも交差しないように形作られている。
図8Aは、着色パターン92の領域94をより効果的に特定して説明するよう作成された幾分概略的な図である。図8Bは、実際の着色パターン92の略図である。したがって、細長い放射状に延びる領域94は、図8Aに示すように実際の製品では波線ではなく、図8Bに示すようにより自然な見てくれとなるよう実質的に非一様な領域であることが分かる。
図9は、着色パターン102が施された本発明のティンテッドコンタクトレンズ100を示しており、かかる着色パターンでは、放射状に延びる領域104は、不連続であり又は互いに間隔を置いている。例えば、領域104は、瞳孔部分24の周囲の近くに不連続又は互いに間隔を置いたセグメントを有するものとして示されている。好ましい実施形態では、着色領域104は、瞳孔部分22から半径方向に測定して、約0%又は約0.5%〜約15%の虹彩部分24の一部では不連続である。これら不連続又は互いに間隔を置いたセグメント105は、着色パターンが全体にわたり完全に着色されている類似のティンテッドコンタクトレンズと比較してティンテッドコンタクトレンズ100の自然な外観を促進すると共に(或いは)有利にはレンズ装用者の視覚妨害を減少させる。
本発明のティンテッドコンタクトレンズは、2以上の着色パターンを有するのがよい。多数の着色パターンは、互いに異なる色のものであってよく、或いは同一色の互いに異なる陰影のものであってよい。加うるに、多数の着色パターンは、オーバーラップしていてもよく、或いはそうでなくてもよい。
−種々の色の重ね合わせ−
図10は、図7に示すレンズ80と非常によく似た多数の色を有する本発明のティンテッドコンタクトレンズ110を示している。具体的に説明すると、レンズ110は、図2〜図4を参照して説明したような1以上の着色剤コンポーネント及び図8及び図9を参照して上述したような着色パターンを有している。図10Aは、レンズ110の虹彩部分24の拡大図であり、着色パターンの着色領域112及び第1の着色剤コンポーネント及び第2の着色剤コンポーネントのそれぞれの互いに異なる要素114,116を示している。図5を参照して上述したような密度の異なる様々な領域を着色剤コンポーネント中に設けてもよいことは理解されるべきである。これと同様に、図6で分かるようなリング状構造を形成する暗色着色剤も又、図10のレンズ110に重ねてもよい。
本発明のレンズの種々の着色剤コンポーネント及び着色パターンについては種々の色及び陰影の可能性がある。例えば、種々のコンポーネント及びパターンの全てが互いに異なる色であってもよい。望ましくは、第2の着色剤コンポーネントの色及び暗色着色剤の色は、光吸収性、例えば黒色又は暗褐色であるものとする。第1の着色剤コンポーネントの色及び着色パターンの色は、青色、緑色、赤色、黄色、白色、紫色等から別個独立に選択できる。
例えば、本発明のティンテッドコンタクトレンズは、青色着色剤を備えた第1の着色剤コンポーネントと、明るい又は暗い青色を備えた着色パターンと、薄茶色又はベージュ色を備えた別の着色パターンと、黒色着色剤及び黒色暗色着色剤を備えた第2の着色剤コンポーネントとを有している。
別の例では、本発明のティンテッドコンタクトレンズは、緑色着色剤を備えた第1の着色剤コンポーネントと、明るい又は黒い緑色を備えた着色パターンと、薄茶色又はベージュ色を備えた別の着色パターンと、黒色着色剤及び黒色暗色着色剤を備える第2の着色剤コンポーネントとを有している。
−製造方法−
任意適当な手段、例えば1以上の印刷法、例えば当該技術分野で周知の従来方法を用いて第1の着色剤コンポーネント、第2のコンポーネント、着色パターン及び(又は)暗色着色剤を用意することができる。これについては例えば、タクラー等に付与された米国特許第5,138,718号明細書を参照されたい。なお、かかる米国特許明細書の開示内容全体を本明細書の一部を形成するものとしてここに引用する。
特に有用な一実施形態では、所望パターンの窪みを備えた版(プレート)又はクラッチ版に所望の色のインキを塗り付ける。例えば、クラッチ版は、第1の着色剤コンポーネントのパターンを有するのがよい。版の表面をドクターブレードでこすり取って過剰のインキを除去し、後に窪みがインキで満たされたままになる。シリコンゴムパッドを版に圧接してインキを窪みからピックアップし、次にコンタクトレンズ又はコンタクトレンズ基材の表面に押し付けてパターンをレンズに写す。次に、印刷パターンを硬化させて例えばレンズの使用中、レンズから取れないようにする。多数の印刷パターンが用いられる場合、各印刷パターンをレンズ上への次の印刷パターンの配置に先立って硬化させるのがよい。好ましくは、間欠的な硬化を行わないで印刷パターンの全てをレンズ上に配置し、同時に硬化させて印刷パターンがレンズから取れないようにする。
当然のことながら、レンズ又は基材の前面又は後面の何れにも印刷できるが、前面に印刷することが現時点においては好ましい。これら工程を追加の各着色剤コンポーネント及びパターンについて繰り返し行うのがよい。例えば、パターンとして着色パターンを備えたクラッチ版、暗色着色剤のパターンを備えたクラッチ版及び第2の着色剤コンポーネントのクラッチ版を用いて本発明のコンタクトレンズを製造できる。一実施形態では、クラッチ版は、2以上のパターンを有するのがよい。例えば、クラッチ版は、第2の光吸収性着色剤コンポーネントのパターン及び暗色着色剤のパターンを有するのがよい。また、クラッチ版は、第1の着色剤コンポーネントのパターン及び暗色着色剤のパターンを有するのがよい。
種々の着色剤コンポーネント及び着色パターンをコンタクトレンズ又はコンタクトレンズ基材上に任意の順序で印刷することができる。例えば、一実施形態では、本発明のコンタクトレンズは、第1の着色剤コンポーネント及び1つの着色パターンを有することができる。先ず最初に、第1の着色剤コンポーネントをレンズ又は基材上に印刷し、次に着色パターンをレンズ又は基材上に印刷するのがよい。変形例として、先ず最初に着色パターンをレンズ又は基材上に印刷し、次に第1の着色剤コンポーネントを印刷してもよい。
好ましくは、本発明のコンタクトレンズの第1の印刷は、1つの着色剤を備えると共に暗色着色剤を備え又は備えていない第1の着色剤コンポーネントであり、第2の印刷は、着色パターンであり、第3の印刷は、別の着色パターンであり、第4の印刷は、暗色着色剤を備え又は備えていない光吸収性着色剤を有する第2の着色剤コンポーネントである。 より好ましくは、本発明のコンタクトレンズの第1の印刷は、非一様であり、例えば、瞳孔部分の近くに位置する一部及び虹彩部分の外周部のところでは密度が低く(例えば、約20%)暗色着色剤を備え又は備えていない密度の低い相互間では密度が高い(例えば、60%)の一着色剤を備えた第1の着色剤コンポーネントを含み、第2の印刷は、着色パターンであり、第3の印刷は、別の着色パターンであり、第4の印刷は、暗色着色剤を備え又は備えていない光吸収性着色剤を有する第2の着色剤コンポーネントである。これら印刷のうち少なくとも1つ、好ましくは第1の印刷と第4の印刷は、暗色着色剤を含む。 一実施形態では、印刷をコンタクトレンズの前側凸状側部、後側凹状側部及び(又は)両側部に形成するのがよい。好ましくは、印刷は、コンタクトレンズの前側凸状側部に形成される。印刷をドライ及び(又は)ウェットコンタクトレンズ上に形成してもよい。
次に図11を参照すると、本発明のティンテッドコンタクトレンズの種々の着色剤コンポーネント及び着色パターンの好ましい配列状態が示されている。コンタクトレンズは、従来構造、例えば、装用者に光学的矯正をもたらすことができる又はもたらさない従来型の硬質或いは硬質気体透過性、又は親水性(ソフト)の一日装用型又は長期間装用型コンタクトレンズの基材120を有している。基材120の前面は、目に見え、種々の着色剤コンポーネントは、上に分解された状態で示されており、これに設けられるようになっている。当然のことながら、上述したように、着色剤及び着色パターンを後面に被着させ又は後面上に形成することができ、又は基材の2つの層相互間にサンドイッチすることができる。
好ましい構成例では、基材120上の第1の被着物又はデポジットは、不透明又は半透明の実質的に光吸収性の小さな又は実質的に光吸収性が0である色の第1の着色剤コンポーネント122である。単一の色、代表的には黒で形成された第1の暗色着色剤123が第1の被着物中に含まれ、この第1の暗色着色剤を第1の着色剤コンポーネントが第1の暗色着色剤122を包囲し、又はこれを半径方向外方に越えて延びるように第1の着色剤コンポーネント122の外周部の近くでリング状の一連のセグメントの状態に位置決めする。次に、1以上の着色パターン124を第1の着色剤コンポーネント122から別個に施す。次に、暗色着色剤123と類似したリング状構造を構成する第2の暗色着色剤128と組み合わせた第2の着色剤コンポーネント126を用意する。第2の暗色着色剤128を第2の着色剤コンポーネントが第2の暗色着色剤128を包囲し、又はこれを半径方向外方に越えて延びるように第2の着色剤コンポーネント126の外周部の近くでリング状の一連のセグメントの状態に位置決めする。最後に、光学的に透明な膜130が、着色剤コンポーネント及び着色パターンの層上の基材120の前面を被覆し、好ましくは、基材120の光学的ゾーンである瞳孔部分を被覆しない。この透明な膜130は、ティンテッドコンタクトレンズを装用している間、装用者の快適さを高めることができる。
上述したように、コンタクトレンズ基材上に着色剤コンポーネント及び着色パターン層を形成する種々の方法を利用することができ、これらは本発明の範囲に含まれる。クラッチ版印刷(タコ印刷)法では、層を最も低いところに位置する層から最も高いところに位置する層への順序で1つずつ配置し、そして各塗布相互間で乾燥すると共に(或いは)硬化するようにする。有利には、光吸収性着色剤コンポーネント126及び暗色着色剤128を含む最後の層を単一の色、代表的には黒で形成する。
−材質−
本発明の実施に用いられるレンズ及びインキは当該技術分野において知られていて、説明されている。これについては例えばロシェークに付与された米国特許第4,668,240号明細書を参照されたい。なお、かかる米国特許明細書の開示内容全体を本明細書の一部を形成するものとしてここに引用する。一実施形態では、−−COOH基、−−OH基又は−−NH2基を持つポリマーで作られたレンズを、インキ含有結合ポリマーが同一の官能基、不透明な着色剤及びジイソシアネート化合物を有する状態で印刷する。先ず最初に、結合ポリマー及び溶剤の溶液を準備し、この溶液を着色剤を含有したペーストと混ぜ合わせてインキを形成する。ロシェークの米国特許第4,668,240号明細書に記載されている好ましい結合ポリマー溶液は、粘度が25000CPSである。別のオペーキング法としては、レーザ又は細かく粉砕した粒子の使用が挙げられる。これについては、例えばネーフィーに付与された米国特許第4,744,647号明細書、メシェル等に付与された米国特許第4,460,523号明細書を参照されたい。なお、これら米国特許明細書の各々の開示内容全体を本明細書の一部を形成するものとしてここに引用する。
好ましくは、本発明のレンズは、ポリヒドロキシエチルメタクリレート、メタクリル酸含有ポリマー、N−ビニルピロリドン含有ポリマー、アクリルアミド含有ポリマー、ポリビニルアルコール等から成る群から選択された親水性ポリマーから作られたものであるのがよい。シリコーンヒドロゲルを含むレンズも又用いることができる。一実施形態では、レンズは、反応性基が実質的に無く又は全く無い。例えば、この実施形態では、レンズは、−COOH基、−NH−R基、NCO基及びエポキシ基から選択された群が実質的に無いのがよい。
好ましくは、本発明の着色要素及びパターンを形成するのに用いられるインキは、硬化後においてもレンズ上で実質的に親水性のままである。一実施形態では、インキは、顔料と、エポキシ基を備えた結合ポリマーと、アミンを含んでいて結合ポリマーを架橋することができる活性化成分とを含む。これについては、本願と同日に米国特許商標庁に出願され共通譲受人の米国特許出願(発明の名称:Coated Contact Lenses and Methods for Making Same )(代理人事件番号:D−2989)を参照されたい。なお、かかる米国特許出願明細書の開示内容全体を本明細書の一部を形成するものとしてここに引用する。この発明の顔料は、金属酸化物及び(又は)他の着色剤を含む。
一実施形態では、結合ポリマーは、親水性モノマーで構成され又はこれから得られたポリマーから成る。例えば、結合ポリマーを、親水性N−ビニル複素環式モノマー、親水性C1〜C6ビニルエーテル、アクリル酸又はメタクリル酸の親水性C1〜C6エステル、親水性ビニルモノマー、親水性ジエンモノマー、アクリル酸又はメタクリル酸の親水性C1〜C6アルコキシC1〜C6アルキルエステルから成る群から選択されたモノマーで構成することができる。好ましくは、結合ポリマーは、ポリヒドロキシエチルメタクリレートを含む。結合ポリマー成分は、例えば所望の性質の向上が得られるよう有効量の非親水性モノマー又はモノマー成分から引き出されたユニット又は単位体を含む場合がある。用いられる非親水性モノマーの量は好ましくは、最終の架橋ポリマー成分の親水性に実質的な悪影響を及ぼさないようなものである。
一実施形態では、活性化成分は、多官能価化合物、例えば多官能価アミン、多官能価酸、無水物、多官能価メルカプタン、ポリアミド、多官能価メラミンホルムアルデヒド化合物、多官能価ユリアホルムアルデヒド化合物、多官能価フェノールホルムアルデヒド化合物及びこれらの混合物から成る群から選択された中間化合物を含む。中間化合物を有用な例としては、アミン、二酸及び無水物が挙げられる。中間化合物の非限定的な例としては、トリエチレンテトラアミン及びジエチレントリアミンが挙げられる。一実施形態では、中間化合物は、少なくとも2つの−NH−R基を有し、この場合、Rは、ヒドロゲン又はC1〜C8アルキルである。
エポキシ基としては、例えばグリシジルメタクリレート及びグリシジルアクリレートが挙げられる。本発明を何れの動作理論又は機構に限定しようとするものではないが、活性化成分は、結合ポリマー上又はその内部に位置するエポキシ基と反応することにより結合ポリマーを架橋すると考えられる。レンズポリマーは有利には、結合ポリマー又は活性化成分の何れかと共有結合を形成するようには反応しない。
−透明な膜−
一実施形態では、ティンテッドコンタクトレンズは、透明な膜、例えば実質的に光学的に透明な膜を有している。例えば、本発明のレンズは、第1の着色剤コンポーネント及び透明な膜を有している。透明な膜は、種々の作用効果を有する場合がある。例えば、印刷相互間に被着される透明な膜は、虹彩部分の深さに関する効果を高めることができる。好ましくは、透明な膜は、装用者の快適さを増大させることができる。例えば、本発明の透明な膜を備えたティンテッドコンタクトレンズは、透明な膜の無い実質的に同一なティンテッドコンタクトレンズよりも装用が快適である。一実施形態では、膜の厚さは、約20ミクロン以下、好ましくは約10ミクロン以下である。
一実施形態では、本発明のコンタクトレンズ、例えばティンテッドコンタクトレンズは、複数の透明な膜を有し、これら透明な膜は好ましくは、互いに間隔を置いて位置する。有利には、透明な膜は、2以上の屈折率を有する。例えば、透明な膜の各々は、互いに異なる屈折率を有する。例えば、透明な膜の組成を変えると共に(或いは)透明な膜の各々をレンズに被着する条件を変えることにより屈折率の違いを達成することができる。屈折率の互いに異なる2つの透明な膜を有するティンテッドコンタクトレンズは、屈折率が同一の2つの透明な膜を備えた同一のティンテッドコンタクトレンズと比較して、深さの知覚及び(又は)知覚された3次元効果を促進するので有利である。透明な膜を、互いに直に隣接して設けると共に(或いは)ティンテッドコンタクトレンズの着色剤コンポーネント及び(又は)着色パターンのうち1以上により互いに離隔させることができる。
図12は、上述した本発明の一実施形態を示している。図11において図示されたり言及された要素の各々及び関連の符号も又、図12において用いられており、この場合符号は、“A”を付けて示されている。
図12に示すように、追加の透明な膜132を用意し、第1の着色剤コンポーネント122Aと1以上の着色パターン124との間に配置する。追加の透明な膜132は、透明な膜130Aとは屈折率が異なっている。例えば、膜132と膜130Aの屈折率は、少なくとも約0.01又は約0.015だけ異なっている。膜132,130Aについて互いに異なる膜組成を用いることにより屈折率の違いが得られる。
図12に示すように2つの互いに間隔を置いた屈折率の異なる透明な膜132,130Aを採用した場合の効果は、頑丈に装用したとき、深さの知覚(これは、別の人によって装用されているレンズを見ている人によって知覚される)の促進及び(又は)知覚される3次元効果(これは、別の人によって装用されているレンズを見ている人によって知覚される)の向上をコンタクトレンズに与えることにある。かかる1又は複数の作用効果は、屈折率が同じ透明な膜を備えた同一のコンタクトレンズ又はティンテッドコンタクトレンズとは対比的である。
一実施形態では、1又は複数の透明な膜を任意適当な方法でコンタクトレンズに被着させることができる。例えば、透明な膜を、コンタクトレンズの前側凸状側部、後側凹状側部及び(又は)両側部に被着させることができる。透明な膜を2つの印刷相互間にサンドイッチすることができるが、膜を最上部層又はトップレーヤとして被着することが好ましい。例えば、本発明のティンテッドコンタクトレンズに先ず最初に、第1の着色剤コンポーネント及び暗色着色剤を印刷し、次に着色パターンを印刷し、次に別の印刷パターンを印刷し、次に色吸収性着色剤及び暗色着色剤を含む第2の着色剤コンポーネントを印刷するのがよい。最後に、これら印刷を透明な被膜と積層する。好ましくは、印刷及び透明な膜は、コンタクトレンズの前面上に位置する。ティンテッドコンタクトレンズの印刷を備えていない他方の側部、例えばコンタクトレンズの後側側部に透明な被膜を更に被着させるのがよい。
一実施形態では、透明な膜を従来型塗布法でコンタクトレンズ上に積層することができ、かかる従来型塗布法は、膜を好ましくは架橋する効果工程を含む。
透明な膜を当該技術分野において知られている種々の材料から作ることができる。これについては例えば、バリント等に付与された米国特許第6,213,604号明細書、ファーマンに付与された米国特許第4,558,931号明細書及びメリルに付与された米国特許第4,099,859号明細書を参照されたい。なお、これら米国特許明細書の開示内容全体を本明細書の一部を形成するものとしてここに引用する。
好ましくは、膜は、親水性ポリマー材料から成る。例えば、本発明の透明な膜は好ましくは、硬化後においてもレンズ上で実質的に親水性のままである。一実施形態では、透明な膜は、エポキシ基を備えた結合ポリマーと、アミンを含み、結合ポリマーを架橋できる活性化成分と、顔料とを含む。これについては、本願と同日に米国特許商標庁に出願され共通譲受人の米国特許出願(発明の名称:Coated Contact Lenses and Methods for Making Same )(代理人事件番号:D−2989)を参照されたい。
一実施形態では、結合ポリマーは、親水性モノマーで構成されたポリマーから成る。例えば、結合ポリマーを、親水性N−ビニル複素環式モノマー、親水性C1〜C6ビニルエーテル、アクリル酸又はメタクリル酸の親水性C1〜C6エステル、親水性ビニルモノマー、親水性ジエンモノマー、アクリル酸又はメタクリル酸の親水性C1〜C6アルコキシC1〜C6アルキルエステルから成る群から選択されたモノマーで構成することができる。好ましくは、結合ポリマーは、ヒドロキシエチルメタクリレートを含む。結合ポリマー成分は、例えば所望の性質の向上が得られるよう有効量の非親水性モノマー又はモノマー成分から引き出されたユニット又は単位体を含む場合がある。用いられる非親水性モノマーの量は好ましくは、最終の架橋ポリマー成分の親水性に実質的な悪影響を及ぼさないようなものである。
一実施形態では、活性化成分は、多官能価化合物、例えば多官能価アミン、多官能価酸及び無水物、例えばアミン、二酸及び無水物から成る群から選択された中間化合物を含む。中間化合物の非限定的な例としては、トリエチレンテトラアミン及びジエチレントリアミンが挙げられる。一実施形態では、中間化合物は、少なくとも2つの−NH−R基を有し、この場合、Rは、ヒドロゲン又はC1〜C8アルキルである。
エポキシ基としては、例えばグリシジルメタクリレート及びグリシジルアクリレートが挙げられる。本発明をどの動作理論又は機構にも限定するものではないが、活性化成分は、結合ポリマー上又はその内部に位置するエポキシ基と反応することにより結合ポリマーを架橋すると考えられる。レンズポリマーは有利には、結合ポリマー又は活性化成分の何れかと共有結合を形成するようには反応しない。
本発明を種々の特定の実施例及び実施形態に関して説明したが、本発明はこれらには限定されず、本発明を特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内で種々の形態で実施できることが理解されるべきである。
本発明のカラーコンタクトレンズの正面図である。 図1Aのレンズの縦断面図である。 1種類の着色剤が施された着色剤コンポーネントを有する本発明のコンタクトレンズの正面図である。 図2のレンズの着色剤コンポーネントの周辺部分の拡大図であり、着色剤要素の一配列状態を示す図である。 第1及び第2の着色剤が施された着色剤コンポーネントを有する本発明のカラーコンタクトレンズの正面図である。 図3のレンズの着色剤コンポーネントの周辺部分の拡大図であり、第1及び第2の着色剤の着色剤要素の一配列状態を示す図である。 図3のレンズの着色剤コンポーネントの周辺部分の拡大図であり、第1及び第2の着色剤の着色剤要素の別の配列状態を示す図である。 図3のレンズの着色剤コンポーネントの周辺部分の拡大図であり、第1及び第2の着色剤の着色剤要素の別の配列状態を示す図である。 図3のレンズの着色剤コンポーネントの周辺部分の拡大図であり、第1及び第2の着色剤の着色剤要素の別の配列状態を示す図である。 互いに異なる密度を持つ非一様着色剤コンポーネントが設けられた本発明のカラーコンタクトレンズの正面図である。 図5のレンズの着色剤コンポーネントの一領域の拡大図であり、互いに異なる着色剤要素密度の領域相互間のインタフェースを示す図である。 暗色着色剤が虹彩部分の一部を横切って延びて黒ずんだ像を生じさせている状態の本発明のカラーコンタクトレンズの正面図である。 図5の非一様着色剤コンポーネントと図6の暗色着色剤の両方が設けられた本発明のカラーコンタクトレンズの正面図である。 着色パターンが施された本発明のコンタクトレンズの正面図である。 本発明の完成品としてのコンタクトレンズの正面図である。 着色パターンが施されていて、互いに間隔を置いた着色セグメントがレンズの瞳孔部分に隣接して位置した状態の本発明のコンタクトレンズの正面図である。 暗色着色剤、第1の着色剤コンポーネント、第2の着色剤コンポーネント及び着色パターンを備えた本発明のカラーコンタクトレンズの正面図である。 図10のレンズの一領域の拡大図である。 本発明の例示のティンテッドコンタクトレンズ中の多くの着色剤/要素の分解斜視図である。 本発明の別のティンテッドコンタクトレンズ中の多くの着色剤/要素の分解斜視図である。

Claims (86)

  1. ティンテッドコンタクトレンズであって、瞳孔部分と、領域を備えていて瞳孔部分を周方向に包囲した虹彩部分と、色を虹彩に与えるよう虹彩部分の領域の大部分を横切って延びた着色剤コンポーネントとを有し、着色剤コンポーネントは、少なくとも1つの追加の利点をコンタクトレンズにもたらすよう構成されていることを特徴とするティンテッドコンタクトレンズ。
  2. 着色剤コンポーネントは、コンタクトレンズが眼中にあるとき、虹彩部分の自然な外観を促進するよう構成されていることを特徴とする請求項1記載のティンテッドコンタクトレンズ。
  3. 着色剤コンポーネントは、コンタクトレンズが眼中にあるとき、深さの知覚を促進させる彩部分を提供するよう構成されていることを特徴とする請求項1記載のティンテッドコンタクトレンズ。
  4. 着色剤コンポーネントは、虹彩部分の外側部分内に黒ずんだ像をもたらすよう構成されていることを特徴とする請求項1記載のティンテッドコンタクトレンズ。
  5. 着色剤コンポーネントにより虹彩部分に与えられる色は、コンタクトレンズを装用することによりコンタクトレンズの装用者が眼の虹彩を変えたいと望む色であることを特徴とする請求項1記載のティンテッドコンタクトレンズ。
  6. 着色剤コンポーネントは、虹彩部分の領域の実質的に全てを横切って延びていることを特徴とする請求項1記載のティンテッドコンタクトレンズ。
  7. 着色剤コンポーネントは、虹彩部分の領域全体にわたって非一様であることを特徴とする請求項1記載のティンテッドコンタクトレンズ。
  8. 着色剤コンポーネントは、虹彩部分の領域全体にわたり一様な着色剤コンポーネントを備える実質的に同一のコンタクトレンズと比較して、コンタクトレンズが眼中にあるとき、深さの知覚を促進させる虹彩部分を提供するよう虹彩部分の領域全体にわたり十分に非一様であることを特徴とする請求項7記載のティンテッドコンタクトレンズ。
  9. 着色剤コンポーネントは、虹彩部分の領域全体にわたり非一様な密度を有していることを特徴とする請求項7記載のティンテッドコンタクトレンズ。
  10. 着色剤コンポーネントは、瞳孔部分の近くの虹彩部分の領域の一部のところにおいて、瞳孔部分から見て遠くに位置する虹彩部分の領域の別の部分のところよりも密度が減少した状態で存在していることを特徴とする請求項7記載のティンテッドコンタクトレンズ。
  11. 着色剤コンポーネントは、虹彩部分の外周の近くに位置する虹彩部分の領域の一部において、虹彩部分の外周から見て遠くに位置する虹彩部分の領域の別の部分のところよりも密度が減少した状態で存在していることを特徴とする請求項7記載のティンテッドコンタクトレンズ。
  12. 着色剤コンポーネントは、最小密度が約35%以下、最大密度が約40%以上であることを特徴とする請求項7記載のティンテッドコンタクトレンズ。
  13. 着色剤コンポーネントは、単一の着色剤であることを特徴とする請求項1記載のティンテッドコンタクトレンズ。
  14. 虹彩部分を周方向に包囲していて、実質的に着色剤コンポーネントの無い周辺部分を更に有していることを特徴とする請求項1記載のティンテッドコンタクトレンズ。
  15. 着色剤コンポーネントは、虹彩部分の外側部分内に黒ずんだ像をもたらすよう虹彩部分の領域の一部を横切って延びる暗色着色剤を含むことを特徴とする請求項1記載のティンテッドコンタクトレンズ。
  16. 虹彩部分に少なくとも眼の虹彩の組織の知覚を与えるよう虹彩部分の領域の一部を横切って延びる少なくとも1つの着色パターンを更に有し、少なくとも1つの着色パターンは、着色剤コンポーネント中に存在する色とは異なる色から成ることを特徴とする請求項1記載のティンテッドコンタクトレンズ。
  17. 少なくとも1つの着色パターンは、2つの着色パターンを含むことを特徴とする請求項16記載のティンテッドコンタクトレンズ。
  18. 少なくとも1つの着色パターンは、瞳孔部分の周囲から虹彩部分の外周に向かって外方に延びていることを特徴とする請求項16記載のティンテッドコンタクトレンズ。
  19. 少なくとも1つの着色パターンは、瞳孔部分の周囲と虹彩部分の外周との間の半径方向距離の約95%以上にわたって延びていることを特徴とする請求項18記載のティンテッドコンタクトレンズ。
  20. 少なくとも1つの着色パターンは、虹彩部分の外周には接触していないことを特徴とする請求項18記載のティンテッドコンタクトレンズ。
  21. 前記着色剤コンポーネントとは異なっていて、虹彩部分の領域の大部分を横切って延びる第2の着色剤コンポーネントを更に有し、第2の着色剤コンポーネントは、光吸収性であり、第2の着色剤コンポーネントを備えていない実質的に同一のコンタクトレンズと比較して、コンタクトレンズを装用している眼の色を変えるコンタクトレンズの性能を高めることができることを特徴とする請求項1記載のティンテッドコンタクトレンズ。
  22. 第2の着色剤コンポーネントは、虹彩部分の領域の実質的に全てを横切って延びていることを特徴とする請求項21記載のティンテッドコンタクトレンズ。
  23. 第2の着色剤コンポーネントは、虹彩部分の領域全体にわたり実質的に一様であることを特徴とする請求項21記載のティンテッドコンタクトレンズ。
  24. 第2の着色剤コンポーネントの密度は、約5%〜約90%であることを特徴とする請求項21記載のティンテッドコンタクトレンズ。
  25. 着色剤コンポーネントを覆う実質的に光学的に透明な膜を更に有し、前記膜は、該膜の無い実質的に同一のティンテッドコンタクトレンズを装用した場合と比べ、ティンテッドコンタクトレンズを装用した場合に向上した快適さをもたらすことができることを特徴とする請求項1記載のティンテッドコンタクトレンズ。
  26. 膜の厚さは、約20ミクロン以下であることを特徴とする請求項25記載のティンテッドコンタクトレンズ。
  27. 着色剤コンポーネントは、コンタクトレンズ基材の前面上に設けられ、膜は、コンタクトレンズの前面を形成していることを特徴とする請求項25記載のティンテッドコンタクトレンズ。
  28. 前記着色剤コンポーネント以外に、虹彩部分の外側部分内に黒ずんだ像をもたらすよう構成された暗色着色剤を更に有していることを特徴とする請求項1記載のティンテッドコンタクトレンズ。
  29. 前記着色剤コンポーネント以外に、虹彩部分の外側部分内に黒ずんだ像をもたらすよう虹彩部分の領域の一部を横切って延びる暗色着色剤を更に有していることを特徴とする請求項1記載のティンテッドコンタクトレンズ。
  30. ティンテッドコンタクトレンズであって、周辺を備えた瞳孔部分と、領域及び外周を備えていて瞳孔部分を周方向に包囲した虹彩部分と、虹彩部分に少なくとも眼の虹彩の組織の知覚を与えるよう虹彩部分の領域の一部を横切って延びる少なくとも1つの着色パターンとを有し、少なくとも1つの着色パターンは、複数の実質的に完全に着色された領域から成り、複数の前記領域は各々、瞳孔部分の周囲の近くに位置する一連の互いに間隔を置いたセグメントとなることを特徴とするティンテッドコンタクトレンズ。
  31. 少なくとも1つの着色パターンは、2つの着色パターンを含むことを特徴とする請求項30記載のティンテッドコンタクトレンズ。
  32. 2つの着色パターンはそれぞれ互いに異なる色に着色されていることを特徴とする請求項31記載のティンテッドコンタクトレンズ。
  33. 少なくとも1つの着色パターンは、瞳孔部分の周囲から虹彩部分の外周に向かって外方に延びていることを特徴とする請求項32記載のティンテッドコンタクトレンズ。
  34. 少なくとも1つの着色パターンは、瞳孔部分の周囲と虹彩部分の外周との間の半径方向距離の約95%以上にわたって延びていることを特徴とする請求項33記載のティンテッドコンタクトレンズ。
  35. 少なくとも1つの着色パターンは、虹彩部分の外周には接触していないことを特徴とする請求項30記載のティンテッドコンタクトレンズ。
  36. 少なくとも1つの着色パターンは、ティンテッドコンタクトレンズの中心光軸に平行であって瞳孔部分の周辺から虹彩部分の外周まで延びる半径方向平面が少なくとも1箇所において少なくとも1つの着色パターンと交差しないよう構成されていることを特徴とする請求項30記載のティンテッドコンタクトレンズ。
  37. 虹彩部分を周方向に包囲していて、実質的に少なくとも1つの着色パターンの無い周辺部分を更に有していることを特徴とする請求項30記載のティンテッドコンタクトレンズ。
  38. 色を虹彩部分に与えるよう虹彩部分の領域の少なくとも一部を横切って延びる着色剤コンポーネントを更に有していることを特徴とする請求項30記載のティンテッドコンタクトレンズ。
  39. 前記着色剤コンポーネントとは異なっていて、虹彩部分の領域の少なくとも一部を横切って延びる第2の着色剤コンポーネントを更に有し、第2の着色剤コンポーネントは、光吸収性であり、第2の着色剤コンポーネントを備えていない実質的に同一のコンタクトレンズと比較して、コンタクトレンズを装用している眼の色を変えるコンタクトレンズの性能を高めることができることを特徴とする請求項38記載のティンテッドコンタクトレンズ。
  40. 着色剤コンポーネントは、虹彩部分の領域の実質的に全てを横切って延びていることを特徴とする請求項38記載のティンテッドコンタクトレンズ。
  41. 着色剤コンポーネントの密度は、約5%〜約90%であることを特徴とする請求項38記載のティンテッドコンタクトレンズ。
  42. 少なくとも1つの着色パターンを覆う実質的に光学的に透明な膜を更に有し、前記膜は、該膜の無い実質的に同一のティンテッドコンタクトレンズを装用した場合と比べ、ティンテッドコンタクトレンズを装用した場合に向上した快適さをもたらすことができることを特徴とする請求項30記載のティンテッドコンタクトレンズ。
  43. 膜の厚さは、約20ミクロン以下であることを特徴とする請求項42記載のティンテッドコンタクトレンズ。
  44. 膜は、コンタクトレンズの前面を形成していることを特徴とする請求項42記載のティンテッドコンタクトレンズ。
  45. 少なくとも1つの着色パターン以外に、虹彩部分の外側部分内に黒ずんだ像をもたらすよう構成された暗色着色剤を更に有していることを特徴とする請求項30記載のティンテッドコンタクトレンズ。
  46. 少なくとも1つの着色パターン以外に、虹彩部分の外側部分内に黒ずんだ像をもたらすよう虹彩部分の領域の一部を横切って延びる暗色着色剤を更に有していることを特徴とする請求項30記載のティンテッドコンタクトレンズ。
  47. ティンテッドコンタクトレンズであって、瞳孔部分と、領域を備えていて瞳孔部分を周方向に包囲した虹彩部分と、色を虹彩部分の少なくとも一部に与えるよう位置決めされた第1の着色剤コンポーネントと、第1の着色剤コンポーネントとは異なっていて、虹彩部分の領域の大部分を横切って延びる第2の着色剤コンポーネントを更に有し、第2の着色剤コンポーネントは、光吸収性であり、第2の着色剤コンポーネントを備えていない実質的に同一のコンタクトレンズと比較して、コンタクトレンズを装用している眼の色を変えるコンタクトレンズの性能を高めることができることを特徴とするティンテッドコンタクトレンズ。
  48. 第2の着色剤コンポーネントは、虹彩部分の領域の実質的に全てを横切って延びていることを特徴とする請求項47記載のティンテッドコンタクトレンズ。
  49. 第2の着色剤コンポーネントは、虹彩部分の領域全体にわたり実質的に一様であることを特徴とする請求項47記載のティンテッドコンタクトレンズ。
  50. 第2の着色剤コンポーネントの密度は、約5%〜約70%であることを特徴とする請求項21記載のティンテッドコンタクトレンズ。
  51. 複数の別々の着色剤を有していることを特徴とする請求項47記載のティンテッドコンタクトレンズ。
  52. 第1及び第2の着色剤コンポーネントを覆う実質的に光学的に透明な膜を更に有し、前記膜は、該膜の無い実質的に同一のティンテッドコンタクトレンズを装用した場合と比べ、ティンテッドコンタクトレンズを装用した場合に向上した快適さをもたらすことができることを特徴とする請求項47記載のティンテッドコンタクトレンズ。
  53. 膜の厚さは、約20ミクロン以下であることを特徴とする請求項52記載のティンテッドコンタクトレンズ。
  54. 第2の着色剤コンポーネントは、コンタクトレンズ基材の前面上に設けられ、膜は、コンタクトレンズの前面を形成していることを特徴とする請求項52記載のティンテッドコンタクトレンズ。
  55. 前記第1及び第2の着色剤コンポーネント以外に、虹彩部分の外側部分内に黒ずんだ像をもたらすよう構成された暗色着色剤を更に有していることを特徴とする請求項47記載のティンテッドコンタクトレンズ。
  56. 前記第1及び第2の着色剤コンポーネント以外に、虹彩部分の外側部分内に黒ずんだ像をもたらすよう虹彩部分の領域の一部を横切って延びる暗色着色剤を更に有していることを特徴とする請求項47記載のティンテッドコンタクトレンズ。
  57. ティンテッドコンタクトレンズであって、瞳孔部分と、領域を備えていて瞳孔部分を周方向に包囲した虹彩部分と、色を虹彩部分の少なくとも一部に与えるよう位置決めされた着色剤コンポーネントと、着色剤コンポーネントを覆う実質的に光学的に透明な膜を更に有し、前記膜は、該膜の無い実質的に同一のティンテッドコンタクトレンズを装用した場合と比べ、ティンテッドコンタクトレンズを装用した場合に向上した快適さをもたらすことができることを特徴とするティンテッドコンタクトレンズ。
  58. 膜の厚さは、約20ミクロン以下であることを特徴とする請求項57記載のティンテッドコンタクトレンズ。
  59. 膜の厚さは、約10ミクロン以下であることを特徴とする請求項57記載のティンテッドコンタクトレンズ。
  60. 着色剤コンポーネントは、コンタクトレンズ基材の前面上に設けられ、膜は、コンタクトレンズの前面を形成していることを特徴とする請求項57記載のティンテッドコンタクトレンズ。
  61. 膜は、コンタクトレンズの前面を形成していることを特徴とする請求項57記載のティンテッドコンタクトレンズ。
  62. 膜は、親水性ポリマー材料から成ることを特徴とする請求項57記載のティンテッドコンタクトレンズ。
  63. 膜は、架橋親水性ポリマー材料から成ることを特徴とする請求項57記載のティンテッドコンタクトレンズ。
  64. 前記着色剤コンポーネント以外に、虹彩部分の外側部分内に黒ずんだ像をもたらすよう構成された暗色着色剤を更に有していることを特徴とする請求項57記載のティンテッドコンタクトレンズ。
  65. 前記着色剤コンポーネント以外に、虹彩部分の外側部分内に黒ずんだ像をもたらすよう虹彩部分の領域の一部を横切って延びる暗色着色剤を更に有していることを特徴とする請求項57記載のティンテッドコンタクトレンズ。
  66. 実質的に光学的に透明な膜とは異なる屈折率の追加の実質的に光学的に透明な膜を更に有していることを特徴とする請求項57記載のティンテッドコンタクトレンズ。
  67. 実質的に光学的に透明な膜から間隔を置いて位置する追加の実質的に光学的に透明な膜を更に有していることを特徴とする請求項57記載のティンテッドコンタクトレンズ。
  68. 実質的に光学的に透明な膜と追加の実質的に光学的に透明な膜は屈折率が互いに異なることを特徴とする請求項67記載のティンテッドコンタクトレンズ。
  69. ティンテッドコンタクトレンズであって、瞳孔部分と、領域及び外周を備えていて瞳孔部分を周方向に包囲した虹彩部分と、虹彩部分の外側部分内に黒ずんだ像をもたらすよう構成された暗色着色剤とを有することを特徴とするティンテッドコンタクトレンズ。
  70. 虹彩部分の一部を横切って延びる着色剤コンポーネントを更に有していることを特徴とする請求項69記載のティンテッドコンタクトレンズ。
  71. 虹彩部分のすぐ隣に位置した状態でこれを周方向に包囲した周辺部分を更に有していることを特徴とする請求項69記載のティンテッドコンタクトレンズ。
  72. 周辺部分には暗色着色剤が無いことを特徴とする請求項69記載のティンテッドコンタクトレンズ。
  73. 黒ずんだ像は、暗色着色剤の一連の互いに間隔を置いたセグメントから成ることを特徴とする請求項69記載のティンテッドコンタクトレンズ。
  74. コンタクトレンズであって、瞳孔部分と、領域を備えていて瞳孔部分を周方向に包囲した虹彩部分と、虹彩部分の少なくとも一部を覆った実質的に光学的に透明な膜と、虹彩部分の少なくとも一部を覆っていて、実質的に光学的に透明な膜とは異なる屈折率の追加の実質的に光学的に透明な膜とを有することを特徴とするコンタクトレンズ。
  75. 追加の実質的に光学的に透明な膜は、実質的に光学的に透明な膜から間隔を置いて位置していることを特徴とする請求項74記載のコンタクトレンズ。
  76. 瞳孔部分は実質的に、実質的に光学的に透明な膜及び追加の実質的に光学的に透明な膜が無いことを特徴とする請求項74記載のコンタクトレンズ。
  77. 実質的に光学的に透明な膜及び追加の実質的に光学的に透明な膜は各々、親水性ポリマー材料から成ることを特徴とする請求項74記載のコンタクトレンズ。
  78. 実質的に光学的に透明な膜及び追加の実質的に光学的に透明な膜は各々、架橋親水性ポリマー材料から成ることを特徴とする請求項74記載のコンタクトレンズ。
  79. 瞳孔部分と、領域を備えていて瞳孔部分を周方向に包囲した虹彩部分を有するティンテッドコンタクトレンズの製造方法であって、色を虹彩部分に与えるよう虹彩部分の領域の少なくとも大部分を横切って延びる着色剤コンポーネントを用意する工程を有し、着色剤コンポーネントは、少なくとも1つの追加の利点をコンタクトレンズに与えるよう構成されていることを特徴とする方法。
  80. 少なくとも1つの追加の利点は、深さの知覚を促進させることであることを特徴とする請求項79記載の方法。
  81. 着色剤コンポーネントは、虹彩部分全体にわたり異なる密度で設けられていることを特徴とする請求項80記載の方法。
  82. 暗色着色剤を虹彩部分の外側部分内に設ける工程を更に有していることを特徴とする請求項79記載の方法。
  83. 暗色着色剤を用意する工程は、複数の互いに間隔を置いたセグメントが虹彩部分内に設けられていることを条件として、複数の互いに間隔を置いたセグメントを虹彩部分の外側部分の周りに設ける工程から成ることを特徴とする請求項82記載の方法。
  84. 虹彩部分の領域の大部分を横切って延びる光吸収性着色剤コンポーネントを設ける工程を更に有していることを特徴とする請求項79記載の方法。
  85. 虹彩部分全体にわたり着色パターンを設ける工程を更に有し、着色パターンは、眼の虹彩の組織をシミュレートするよう構成されていることを特徴とする請求項79記載の方法。
  86. 着色剤コンポーネントに透明な膜を施す工程を更に有していることを特徴とする請求項79記載の方法。
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