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JP2005511700A - ポリスルフィドモノオルガノオキシシランの製造法 - Google Patents

ポリスルフィドモノオルガノオキシシランの製造法 Download PDF

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JP2005511700A JP2003549359A JP2003549359A JP2005511700A JP 2005511700 A JP2005511700 A JP 2005511700A JP 2003549359 A JP2003549359 A JP 2003549359A JP 2003549359 A JP2003549359 A JP 2003549359A JP 2005511700 A JP2005511700 A JP 2005511700A
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Abstract

本発明は一般式(I)の硫黄含有有機ケイ素化合物の製造に関する。式中、例を挙げるとR1=C1〜C15アルキル;R2及びR3=C1〜C6アルキル;xは平均値で1.5±0.1〜5±0.1である。前記製造は以下のステップ(a)、(b)及び(c)を連続的に実施することにより行う。
(a)ヒドロシリル化反応:R23HSi−Hal + CH2=CH−CH2−Hal → Hal−R23Si−(CH23Hal;
(b)アルコール分解反応:Hal−R23Si−(CH23−Hal + R1−OH → R1O−R23Si−(CH23Hal;
(c)スルフィド化反応:R1O−R23Si−(CH23Hal + M2x → 式(I)の化合物;(ここでHal=ハロゲン原子であり、M=アルカリ金属である。)

Description

本発明はポリスルフィドモノオルガノオキシシランの合成のための新規経路に関し、該経路は工業的規模で入手可能な製品を出発物質とするもので、有害な副産物を生成することなく、この新規合成経路を構成する種々の段階を経て事実上定量的な収量を得ることができる。
より具体的には、一般式:
Figure 2005511700
(式中、
・記号R1は、同一又は異なるもので、炭素原子を1〜15個もつ線状又は分枝状のアルキル基と炭素原子を2〜8個もつ線状又は分枝状のアルコキシアルキル基とから選択される1価の炭化水素基をそれぞれ表し;
・記号R2及びR3は、同一又は異なるもので、炭素原子を1〜6個もつ線状又は分枝状のアルキル基とフェニル基とから選択される1価の炭化水素基をそれぞれ表し;
・xは1.5±0.1〜5±0.1の範囲の整数又は端数である。)
に対応する硫黄含有有機ケイ素化合物の製造法である。
前式(I)において、好ましい基R1は、メチル、エチル、n−プロピル、、イソプロピル、n−ブチル、CH3OCH2−、CH3OCH2CH2−及びCH3OCH(CH3)CH2−基から選択され、より好ましくは、基R1はメチル、エチル、n−プロピル及びイソプロピル基から選択される。
好ましい基R2及びR3はメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、n−ヘキシル及びフェニル基より選択され、より好ましくは、基R2及びR3はメチル基である。
整数又は端数であるxは好ましくは3±0.1〜5±0.1の範囲であり、より好ましくは3.5±0.1〜4.5±0.1である。
本発明が特に対象とする、式(I)に対応するポリスルフィドモノオルガノオキシシランは次式で示される。
Figure 2005511700
(式中、記号xは整数又は端数で1.5±0.1〜5±0.1、好ましくは3±0.1〜5±0.1、より好ましくは3.5±0.1〜4.5±0.1の範囲である。)
本明細書では、式(I)、(II)、(III)及び(IV)中の記号xは、式(I)、(II)、(III)及び(IV)の1分子中に存在する硫黄原子の数を表す整数又は端数であることを明記しておく。
実際上、この数は、選択した合成経路が各々異なる数の硫黄原子を有するポリスルフィド生成物の混合物を生じる限りにおいて、問題となっている化合物の1分子あたりの硫黄原子の数の平均である。合成されたポリスルフィドモノオルガノオキシシランは実際のところ、上述した一般的範囲(xが1.5±0.1〜5±0.1の範囲)、好ましい範囲(xが3±0.1〜5±0.1の範囲)及びより好ましい範囲(xが3.5±0.1〜4.5±0.1)内にあるモル平均値(記号xの値)を中心として、モノスルフィドから(例えばS≧5ような)より重いポリスルフィドまでの分布をもつポリスルフィドで構成されている。
四つの一般的ポリスルフィド化プロセスによって、ビス(トリアルコキシシリルアルキル)ポリスルフィドを対応するトリアルコキシシリルアルキルハライドから製造可能であることが知られている。
−第一のプロセスは、トリアルコキシシリルアルキルハライドを、アンモニア(NH3)又は第一若しくは第二アミンとH2S及び元素状硫黄の反応生成物と反応させることを含み、該反応を自生圧下、0℃〜175℃の範囲の温度で、随意的に不活性な極性(又は無極性)有機溶媒の存在下で行うものである(とりわけ米国特許第4 125 552号参照)。
−第二のプロセスは、元素状硫黄及びトリアルコキシシリルアルキルハライドをベースとした混合物を、H2Sと金属アルコキシド溶液の反応生成物と反応させることを含み、該反応を25℃から反応媒質の還流温度までの範囲で行うものである(とりわけ米国特許第5 489 701号参照)。
−第三のプロセスは、トリアルコキシシリルアルキルハライドを無水アルカリ金属ポリスルフィドと反応させることを含み、該反応を40℃から該混合物の沸点までの範囲で、随意的に不活性な極性(又は無極性)有機溶媒の存在下で行うものである(とりわけ米国特許第5 859 275号参照)。
−第四のプロセスは、トリアルコキシシリルアルキルハライドを元素状硫黄及びアルカリ金属と反応させることを含み、該反応を60℃〜100℃の範囲の温度で、随意的に非プロトン性有機溶媒の存在下で行うものである(とりわけ米国特許第6 066 752号参照)。
これらにおいては、トリアルコキシシリルアルキルハライドは対応するトリハロシリルアルキルハライドの通常のアルコール分解によって得られる。
米国特許第4 125 552号明細書 米国特許第5 489 701号明細書 米国特許第5 859 275号明細書 米国特許第6 066 752号明細書
上述した先行技術文献においては、ビス(モノアルコキシシリルアルキル)ポリスルフィドの製造に関しては具体的な情報が見つからないことに注目すべきである。上述した文献は上記アルコール分解反応を受ける前駆化合物であるハロシリルアルキルハライド一般の製造に関して情報を与えていないことにも注目すべきである。実際にはこれらの出発物質(ハロシリルアルキルハライド)の製造は、ビス(トリアルコキシシリルアルキル)ポリスルフィドの製造及びとりわけ本発明の対象である式(I)のビス(モノオルガノオキシシリルアルキル)ポリスルフィドの製造につながる合成経路全体の経済的利点を決定付ける上で重要な段階である。
ビス(モノオルガノオキシシリルアルキルポリスルフィド)を入手するための新規で高性能な合成経路を提供することが本発明の本質的な目的の一つである。
−その理由は、本合成経路は工業的収益性に関して非常に有利となる工業的利用性及び価格を有する前駆体モノハルシリルアルキルハライドを利用するからである。
−その理由は、本合成経路は、(ポリスルフィド化の段階においてはH2S及びアルカリ金属のような)毒性物質又は環境汚染物質である反応物に頼ることなく及び/又は副産物を生成することなく事実上定量的に起こる(とりわけポリスルフィド化の段階ではそうである。)一連の段階を含むからである。
式(I)のポリスルフィドモノオルガノオキシシラン(又はビス(モノオルガノオキシシリルプロピル)ポリスルフィド)を製造するための本発明による方法は、以下の段階(a)、(b)及び(c)を結びつけることに特徴を有する。
段階(a)は、反応式:
Figure 2005511700
に従って起こり、
ここで、
−記号Halは塩素、臭素及びヨウ素原子から選択されるハロゲン原子を表し(塩素原子が好ましい。)、
−記号R2及びR3は上で定義したとおりであり、
−Aは、塩素、臭素及びヨウ素原子に属するハロゲン原子Hal(塩素原子が好ましい。);又はパラ−R0−C64−SO2−O−基(式中のR0は線状又は分枝状のC1〜C4アルキル基であり、トシレート基パラ−CH3−C64−SO2−O−が好ましい。);又はR0−SO2−O−基(式中のR0は上で定義したとおりで、メシレート基CH3−SO2−O−が好ましい。);又はR0−CO−O−基(式中のR0は上で定義したとおりで、アセテート基CH3−CO−O−基が好ましい。)のいずれかから選択される脱離基であり、
−この反応は、
・−(マイナス)10℃〜200℃の温度範囲で、1モルの式(V)のジオルガノハロシランと、化学量論的モル量又は化学量論とは異なるモル量の式(VI)のアリル誘導体とを、均質又は不均質媒質中で、開始剤の存在下で反応させること、
(ここで開始剤は、
−(i)Co、Ru、Rh、Pd、Ir及びPtよりなる群から選択される遷移金属又は該金属の誘導体を少なくとも1種含む少なくとも1種の触媒と、随意的に(2i)少なくとも1種のヒドロシリル化反応促進剤とから成る触媒活性剤、
−或いは適切な紫外線又は適切な電離放射線より特に成る光化学活性剤、
のいずれかで構成される。)
・そして随意的に、生じた式(VII)のジオルガノハロシリルプロピル誘導体を単離すること、
により行う。
段階(b)は、反応式:
Figure 2005511700
に従って起こり、
ここで、
−記号R1、R2、R3、Hal及びAは上で定義したとおりであり、
−この反応は、
・−(マイナス)20℃〜200℃の温度範囲で、段階(a)の結果得られた反応媒質又は前記媒質から分離して単離した式(VII)のジオルガノハロシリルプロピル誘導体を、式(VII)の反応剤1モル当たり少なくとも1モルの式(VIII)のアルコールを用いて式(VIII)のアルコールと反応させること(該反応は随意的に塩基及び/又は有機溶媒の存在下で行う。)、
・そして随意的に、生じた式(IX)のモノオルガノオキシジオルガノシリルプロピル誘導体を単離すること、
により行う。
段階(c)は、反応式:
Figure 2005511700
に従って起こり、
ここで、
−記号R1、R2、R3、A及びxは上で定義したとおりであり、
−記号Mはアルカリ金属を表し、
−この反応は、
・20℃〜120℃の温度範囲で、段階(b)の結果得られた反応媒質又は前記媒質から分離して単離した式(IX)のモノオルガノオキシジオルガノシリルプロピル誘導体を、式(IX)の反応剤1モル当たり0.5±25%モル、好ましくは0.5±15%モルの式(X)の金属ポリスルフィドを用いて無水状態の式(X)の金属ポリスルフィドと反応させること(該反応は随意的に不活性な極性(又は無極性)有機溶媒の存在下で行う。)、
・そして生じた式(I)のビス(モノオルガノオキシシリルプロピル)ポリスルフィドを単離すること、
により行う。
本発明による方法は、式(V)のジオルガノハロシラン、特に(CH32HSiClから出発として式(I)のビス(モノオルガノオキシシリルプロピル)ポリスルフィドを工業的に入手することを可能とする。式(V)のジオルガノハロシランは有利なことに例えば、とりわけ国際公開第99/31111号パンフレットに開示されているような方法によって工業的規模で製造することが可能である。
段階(a)及び(b)を、以下の段階(a’)及び(b’)に置き換えることは本発明の範囲から逸脱しない。
段階(a’)は、反応式:
Figure 2005511700
に従って起こり、
ここで、
−記号Hal、R2、R3及びR1は上で定義したとおりであり、
−この反応は、
・−(マイナス)20℃〜200℃の温度範囲で、1モルの式(V)のジオルガノハロシランを、少なくとも1モルの式(VIII)のアルコールと反応させること(該反応は随意的に塩基及び/又は有機溶媒の存在下で行う。)、
・そして随意的に、生じた式(XI)のモノオルガノオキシジオルガノシランを単離すること、
により行う。
段階(b’)は、反応式:
Figure 2005511700
に従って起こり、
ここで、
−記号R1、R2、R3及びAは上で定義したとおりであり、
−この反応は、
・段階(a’)の結果得られた反応媒質又は前記媒質から分離して単離した式(XI)のモノオルガノオキシジオルガノシランを、1モルの式(XI)のシランを用いて化学量論的モル量又は化学量論とは異なるモル量の式(VI)のアリル誘導体と、均質又は不均質媒質中で、開始剤の存在下で反応させること
(ここで開始剤は、
(i)Co、Ru、Rh、Pd、Ir及びPtよりなる群から選択される遷移金属又は該金属の誘導体を少なくとも1種含む少なくとも1種の触媒と、随意的に(2i)少なくとも1種のヒドロシリル化反応促進剤とから成る触媒活性剤、
或いは適切な紫外線又は適切な電離放射線より特に成る光化学活性剤、
のいずれかで構成される。)、
・そして随意的に、生じた式(IX)のモノオルガノオキシジオルガノシリルプロピル誘導体を単離すること、
により行う。
本発明による段階(c)は、前述したように、段階(b)の結果得られた反応媒質に加え、上で説明した段階(b’)の結果得られた反応媒質から出発して行うことができることを理解すべきである。
本発明の特に好適な実施形態によれば、段階(a)、(b)及び(c)、又は段階(a’)、(b’)及び(c)のいずれかを結びつける上述の方法において、各段階の定義の中で脱離基Aは塩素、臭素及びヨウ素原子(好ましくは塩素原子)から選択されるハロゲン原子を表す記号Halに対応する。
段階(a)は、式(V)のジオルガノハロシランと式(VI)のアリル誘導体とを選択した開始剤の存在下で反応させる。これに対し、段階(b’)は、式(XI)のモノオルガノオキシジオルガノシランと式(VI)のアリル誘導体とをやはり選択した開始剤の存在下で反応させる。
用いられる開始剤には、上に示した種類に対応するすべての開始剤が含まれ、これらは≡SiH基とエチレン不飽和の間の反応を活性化する上で効果的である。
開始剤に関する好ましい規定によれば、開始剤は触媒活性剤から選択される。
触媒活性剤は:
−触媒(i)として:
(i―1)少なくとも1種の微粉状の元素状遷移金属;及び/又は
(i−2)少なくとも1種の遷移金属のコロイド;及び/又は
(i−3)少なくとも1種の遷移金属の酸化物;及び/又は
(i−4)少なくとも1種の遷移金属と無機酸又はカルボン酸とから誘導される塩;及び/又は
(i−5)1以上のヘテロ原子をもつことのできるハロゲン化及び/又は有機配位子、及び/又は有機ケイ素配位子をもつ少なくとも1種の遷移金属の錯体;及び/又は
(i−6)上で定義した塩であって、金属部分がやはり上で定義した配位子をもつもの;及び/又は
(i−7)前述した金属含有物(元素状遷移金属、酸化物、塩、錯体、錯塩)から選択される金属含有物であって、該遷移金属が「“Handbook of Chemistry and Physics”、第65版、1984−1985、CRC Press Inc.」で発行された周期表のIb、IIb、IIIa、IIIb、IVa、IVb、Va、Vb、VIb、VIIb及びVIII族(Co、Ru、Rh、Pd、Ir及びPtを除く)の元素群から選択される少なくとも1つの他の金属と結合しているもの(前記他の金属は元素形態又は分子形態をとり、前記結合によりバイメタル又はポリメタルを生じることが可能である。);及び/又は
(i−8)前述した金属含有物(元素状遷移金属、及び遷移金属−他金属結合;遷移金属ベース又は遷移金属−他金属結合ベースの酸化物、塩、錯体及び錯塩)から選択される金属含有物であって、例えばアルミナ、シリカ、カーボンブラック、粘土、酸化チタン、アルミノケイ酸塩、アルミニウム及びジルコニウム酸化物の混合物、又はポリマー樹脂のような(行う反応に関して不活性な)不活性固体担体上に担持されたもの;及び/又は
(i−9)上記段落(i−8)で与えた定義に対応する担持された金属含有物であって、その構造中で前記不活性固体担体自体が1以上のヘテロ原子を含有することのできるハロゲン化及び/又は有機配位子の少なくとも1種を運ぶもの;
を含み、
−随意的な促進剤(2i)として:
例えば、有機ペルオキシド;カルボン酸;カルボン酸塩;第3ホスフィン;(例えば随意的に混合したアルキル及び/又はアリールホスファイトのような)ホスファイト;アミン;アミド;線状又は環状ケトン;トリアルキルヒドロシラン;ベンゾトリアゾール;フェノチアジン;3価金属−(C653タイプの化合物(ここで、金属はAs、Sb又はPである。);アミン又はシクロヘキサノンと1以上の≡Si−H基を含む有機ケイ素化合物との混合物;CH2=CH−CH2−OH又はCH2=CH−CH2−OCOCH3の化合物;ラクトン;シクロヘキサノンとトリフェニルホスフィンの混合物;或いは、例えばアルカリ金属又はイミダゾリニウムの硝酸塩又はホウ酸塩、ハロゲン化ホスホニウム、4級ハロゲン化アンモニウム、又はハロゲン化スズ(II)のようなイオン化合物;よりなる群から特に選択される配位子又はイオン化合物の形態をもつことのできる化合物を含む。
随意的な促進剤(2i)の1種(又は複数種)が用いられるときは、通常見出される状態、或いは促進剤+触媒(i);又は促進剤+式(V)のジオルガノハロシランの全部若しくは一部;又は促進剤+式(VI)のアリル誘導体の全部若しくは一部をベースにしたプレミックスの状態として、一般に反応の開始時に導入する。
開始剤に関するより好ましい規定によれば、開始剤は前述した好ましい触媒活性剤から選択され、これらは触媒(i)として、前記遷移金属がIr及びPtよりなるサブグループに属する、(i−1)から(i−9)の金属含有物の一方及び/又は他方を含む。
開始剤に関する更により好ましい規定によれば、開始剤は前述した好ましい触媒活性剤から選択され、これらは触媒(i)として、前記遷移金属がIrである、(i−1)から(i−9)の金属含有物の一方及び/又は他方を含む。この更により好ましい規定の文脈中では、Irをベースとした触媒の好適なものはとりわけ:
[IrCl(CO)(PPh32
[Ir(CO)H(PPh33
[Ir(C812)(C55N)P(C6113]PF6
[IrCl3]・nH2
2[IrCl6]・nH2
(NH42IrCl6
Na2IrCl6
2IrCl6
KIr(NO)Cl5
[Ir(C8122+BF4 -
[IrCl(CO)3n
2IrCl6
Ir4(CO)12
Ir(CO)2(CH3COCHCOCH3
Ir(CH3COCHCOCH3
IrBr3
IrCl3
IrCl4
IrO2
(C67)(C812)Ir
である。
前述した更により好ましい規定の文脈中で、Irをベースとした他の触媒で更により好適なものは式:
[Ir(R4)Hal]2 (XII)
(式中、
−記号R4は、少なくとも一つのC=C二重結合及び/又は少なくとも一つのC≡C三重結合を含む不飽和炭化水素配位子を表し;上記不飽和結合は共役又は非共役とすることができ;前記配位子は線状又は環状(単環式若しくは多環式)であり;4〜30個の炭素原子をもち;1〜8個のエチレン及び/又はアセチレン不飽和をもち;随意的に例えば酸素原子及び/又はケイ素原子のようなヘテロ原子を1個以上含み;
−記号Halは上で定義したとおりである。)
のイリジウム錯体の群より選択する。
更により好適な式(XII)のイリジウム錯体の例としては、式中で:
・記号R4は1,3−ブタジエン、1,3−ヘキサジエン、1,3−シクロヘキサジエン、1,3−シクロオクタジエン、1,5−シクロオクタジエン、1,5,9−シクロドデカトリエン及びノルボルナジエン、並びに以下の式:
Figure 2005511700
の化合物から選択され;
・記号Halは塩素原子を表す;
ものが挙げられる。
更により好適なイリジウム錯体の具体例としては、以下の触媒:
ジ−μ−クロロ−ビス(ジビニルテトラメチルジシロキサン)ジイリジウム、
ジ−μ−クロロ−ビス(η−1,5−ヘキサジエン)ジイリジウム、
ジ−μ−ブロモ−ビス(η−1,5−ヘキサジエン)ジイリジウム、
ジ−μ−ヨード−ビス(η−1,5−ヘキサジエン)ジイリジウム、
ジ−μ−クロロ−ビス(η−1,5−シクロオクタジエン)ジイリジウム、
ジ−μ−ブロモ−ビス(η−1,5−シクロオクタジエン)ジイリジウム、
ジ−μ−ヨード−ビス(η−1,5−シクロオクタジエン)ジイリジウム、
ジ−μ−クロロ−ビス(η−2,5−ノルボルナジエン)ジイリジウム、
ジ−μ−ブロモ−ビス(η−2,5−ノルボルナジエン)ジイリジウム、
ジ−μ−ヨード−ビス(η−2,5−ノルボルナジエン)ジイリジウム、
が挙げられる。
別の好ましい規定においては、触媒を日本国特許第2 938 731号明細書に記載のような均質媒質中で使用することができる。この文脈中において、反応は連続的又は半連続的又は回分式に行うことができる。操作の終了時には、反応媒質を蒸留することによって反応生成物を分離し、回収する。そして前操作による生成物の蒸留段階を経た後の触媒を含む蒸留残渣へ反応物を新たに供給することにより(随意的に新しい触媒を補助添加して)触媒をリサイクルすることが可能である。錯体を用いる場合は、触媒のリサイクルは少量の配位子を添加することによっても向上させることができる。
触媒は不均質媒質中でも使用することができる。本手順ではとりわけ上で定義した種類の不活性固体担体上に担持された触媒の使用を伴う。本手順によりリサイクルさせて固定層反応器中で連続的に、半連続的に又は回分式に反応を行うことができる。標準的な攪拌反応器中で連続的に、半連続的に又は回分式に反応を行うこともできる。
均質媒質中で触媒を使用する好ましい場合に話を戻すと、本文脈中においては、上で規定したように、リサイクルを目的として、得られた液状の蒸留残渣中に存在する触媒から金属を回収することが可能である。
したがって操作の終了時には、反応媒質を蒸留することによって反応生成物を分離し、回収する。そして液状の蒸留残渣中に存在する触媒の金属(該金属は触媒の元の形態又は変換された形態である。)を回収することが可能である。非常に好適な方法においては、液状の蒸留残渣を有効吸着量の固体吸着剤に接触させる。この固体共着剤は紛、押出物、又は微粒の形態で一般に与えられ、或いは、例えばセルロースのような担体にグラフトしている。
固体吸着剤としては、カーボンブラック;活性炭;モレキュラーシーブ(一般には金属アルミノケイ酸塩、シリカライト又は合成ゼオライトである。);シリカ;活性アルミナ;珪藻土及びパーライトをベースとした吸着充填剤;ベントナイト及びアタパルジャイトをベースとした活性練り粘土;イオン交換樹脂;或いはアンバーライト(商品名)又はアンバーリスト(商品名)型の樹脂;を用いるのが特に推奨される。
吸着は粉末状の化合物を用いて回分式に、又はカラムや固定層を通じて連続的に行うことができる。接触時間は回分式条件下で5分から10時間まで、好ましくは30分から7時間まで変化し得る。温度は5℃から150℃まで、好ましくは10℃から30℃まで変化し得る。
活性炭、モレキュラーシーブ、シリカ、アルミナ及び無機アジュバントについて用いる吸着剤の量は、第一に本発明において使用することが可能な吸着剤それぞれに対する特定の吸着容量に深く関連し、第二に温度及び溶媒の存在又は不存在のような操作パラメータに深く関連する。
吸着容量(q)は用いる吸着剤1キログラム当たりに吸着される金属のモル数として表現する。この量qは、一般に0.1〜30の間、好ましくは0.5〜20の間である。吸着剤がイオン交換樹脂の場合は、樹脂は樹脂の各グレードに特有であり、その樹脂がもつ官能基に関連する交換容量値によって特徴付けられる。この交換容量は一般に乾燥品に対してはmeq/gで、又は液体品に対してはmeq/mlで表現する。これらの樹脂は好ましくは、溶液中に存在する処理すべき金属に対する樹脂がもつ官能基のモル比が1〜30の間、好ましくは1〜15の間、より特別には1〜5の間となるように用いられる。
吸着段階は大気圧又は減圧下で、随意的に媒質中にわずかに存在するハロゲン化水素H−Halに対して不活性な溶媒の存在下で、行うことができる。アルカン(好ましくはC6及びC7のアルカン)及び芳香族溶媒(トルエン、キシレン又はクロロベンゼン)の使用が推奨される。
その表面に触媒金属が吸着している固体吸着剤は、濾過、遠心分離又は沈殿のような任意の適切な液体/固体分離手段によって蒸留残渣から分離する。続いて該金属は、該吸着剤と化学反応を起こさない任意の物理化学手段によって吸着剤から分離する。
とりわけ好適な別の形態によれば、回収プロセスは付加的に、副産物及び触媒金属又はその誘導体を含む液体蒸留残渣から生成物を分離するために反応媒質を蒸留する段階(1)の後に、水性相及び有機相を得ることと前記残渣を加水分解することを目的として、随意的に、生じたH−Halに対して不活性な有機溶媒の存在下で、液体残渣を水と接触させる段階(2)を含む。実施容易性及び処理効率を理由に、そして回収プロセスの安全性の向上のために、予め加水分解した蒸留残渣を用いて操作し、次いでそれを吸着段階(3)に移行することが推奨される。
加水分解は酸性又は塩基性媒質中で行うことができる。反応が酸性媒質中で行われる場合、反応物として用いる水性溶液は(例えばH−Halで)事前に酸性化することができ、又は脱塩水のみで構成されるものとすることができる。次いで溶液のpHは反応中に7未満の値の方へ変化する。この場合、加水分解の終了時に塩基を加えることにより水性相を中和することが可能である。加水分解は全てのH−Halを除去するために塩基性媒質中で行うことが好ましい。残渣は底部の水性溶液の上へ流入させることが推奨される。加水分解は−15℃〜80℃の温度で行うことができる。反応は発熱性なので、−10℃〜30℃の間の穏やかな温度で残渣を入れるのが好ましい。したがって温度制御が必要であることがわかる。加水分解に用いられる水は氷又は氷/塩の混合物の形態で導入することができる。残渣を移すのが終わると、得られる媒質は有機相及び水性相で構成される2相の媒質である。
生じたH−Halが水性相中で飽和しないように充分な量の水を加えるのが好ましい。
本発明における方法の段階(a)及び(b’)に適した他の反応条件に関しては、好ましくは−10℃〜100℃の幅広い温度範囲内で、大気圧又は大気圧よりも高い圧力(20×105Paに達し若しくはそれを超え得る。)の下で行う。
式(VI)のアリル誘導体の使用量は、好ましくは有機ケイ素化合物1mol当たり1〜2molである。触媒(i)の量に関しては、Co、Ru、Rh、Pd、Ir及びPtよりなる群から選択される遷移金属の重量で表して、式(V)又は(XI)の有機ケイ素化合物の量をベースに1〜10000ppm、好ましくは10〜2000ppm、より好ましくは30〜1000ppmである。促進剤(2i)の量は、それらの1以上が使用されるときは、Co、Ru、Rh、Pd、Ir及びPtよりなる群から選択される遷移金属1グラム原子当たりの促進剤のモル数で表して、0.1〜1000、好ましくは0.5〜500、より好ましくは1〜300の範囲である。式(VII)のジオルガノハロシリルプロピル誘導体又は式(IX)のモノオルガノオキシジオルガノシリルプロピル誘導体は、出発物質である式(V)又は(XI)の有機ケイ素化合物をベースに少なくとも80%に等しいモル収量が得られる。
段階(b)では式(VII)のジオルガノハロシリルプロピル誘導体を式(VIII)のアルコールと反応させる。段階(a’)では式(V)のヒドロシランを式(VIII)のアルコールと反応させる。
実際は、これらアルコキシ化段階のそれぞれは、例えばJ.Amer.chem.Soc.,3601(1960)に開示されているようなアルコール分解法に従い、それ自体は公知の方法で行う。
第一の処理方式によれば、生じたハロゲン化水素酸を中和するために塩基の存在下で反応を行うことができる。種々の非水塩基又は有機塩基、とりわけ、例えばトリアルキルアミン(この種の好適な塩基は例えばトリエチルアミン、トリブチルアミン又はジイソプロピルエチルアミンである。)のような3級アミン、を使用することができる。塩基は化学両論量で、又は(後の除去が容易であるときは)過剰に、又は化学量論量未満で使用することができる。この最後のケースでは、使用される塩基は有利なことに、反応媒質中に存在し、以下の方法によって除去することはできなかったであろう、生じたハロゲン化水素酸の残存量を中和することを可能ならしめるであろう。この特定の文脈において、3級アミンに加えて、(例えばナトリウムのような)アルカリ金属及び(例えばメタノールやエタノールのような)C1〜C4の低級脂肪族アルコールから誘導した金属アルコキシドを用いることができる。反応は有機溶媒の存在下で行うこともでき、有機溶媒は例えばC1〜C4の低級脂肪族アルコール、とりわけアルコール分解反応を行う際に採用する式(VIII)のアルコールとすることができる。
第二の処理方式によれば、塩基の不存在下で反応を行うことができる。この第二方式が好ましい。本ケースでは:
−1k:反応媒質をその沸点に加熱してハロゲン化水素酸を脱気すること、
−2k:例えば窒素のような乾燥した不活性ガスを使ってハロゲン化水素酸を除去すること、
−3k:適切な部分真空を用いることにより脱気すること、又は
−4k:有機溶媒を使った同伴により、生じたハロゲン化水素酸を除去すること(この溶媒は有利なことに、反応を行う際に過剰に利用した式(VIII)のアルコールとすることが可能である。)
の適切な方法によって、生じたハロゲン化水素酸の反応媒質からの除去が促進される。
随意的には、脂肪族及び/又は芳香族炭化水素(この種の溶媒で好適なものは、例えばペンタン、ヘキサン又はシクロヘキサンのような線状又は環状のアルカン、及び例えばトルエン又はキシレンのような芳香族炭化水素である。)のような非プロトン性で極性の低い不活性有機溶媒中で反応を行うことができる。
他の反応条件に関しては、好ましくは0℃〜160℃の幅広い温度範囲内で反応を行う。式(VII)のケイ素化合物又は式(V)のシランに対する式(VIII)のアルコールのモル比は好ましくは:
−塩基の存在下で反応を行うときは、1〜30、好ましくは1〜15の範囲、
−塩基の不存在下で反応を行うときは、1〜30、好ましくは1〜25の範囲、
である。
上で指摘したように、好ましい処理方式は塩基の不存在下で反応を行うものである。この好ましい文脈中においては、やはり上述した方法4kを用いることが生じたハロゲン化水素酸の除去の促進に全面的に有利である。
反応が好ましく塩基の不存在下で行われるときは、反応温度は有利には60℃〜160℃の温度範囲内で、式(VII)のケイ素化合物又は式(V)のシランに対する式(VIII)のアルコールのモル比は有利には3〜23の範囲内である。
「反応温度」なる表現は反応媒質の沸点を定めるものとして理解される。この温度は媒質の組成に依存し、媒質へ与える加熱力及び反応媒質に入る式(VIII)のアルコールの流量によって、それ自体公知の方法で調整される。
式(VIII)のアルコール以外のすべての原料を含む出発時の反応媒質は、60℃〜160℃の範囲又はそれよりも高い温度に予熱することができる。式(VIII)のアルコールが導入されると媒質の組成が変化し、温度が前述した温度領域内にある値の平衡状態になるように加熱力を調整する。それにより一方ではアルコールを沸騰させることができ、他方では媒質から該アルコールが除去される際に、生じたハロゲン化水素酸を同伴することができる。式(VIII)のアルコールを導入する流量及び時間は媒質からハロゲン化水素酸が漸進的に除去されるように、したがって反応が起こるのに必要な時間を与えるように調整する。例えば、100〜600g/hの流量に対しては、式(VIII)のアルコールを導入する時間は30分から10時間である。
より好ましい第三の処理方式によれば、無水状態、すなわち含水率が1000ppm未満、好ましくは10〜600ppmの範囲にある式(VIII)のアルコールを用いる。
とりわけ好適な第四の処理方式によれば、塩基の不存在下で、60℃〜160℃の温度範囲内で、含水率が1000ppm未満の無水アルコールを使い、方法4kを適用してハロゲン化水素酸を除去し、式(VII)のケイ素化合物又は式(V)のシランに対する式(VIII)のアルコールのモル比を3〜23として、反応を行う。
第五の非常に有利な処理方式によれば、その後の操作を回分式で行う際に、式(VIII)のアルコール及びハロゲン化水素酸をベースとした蒸留混合物の全部又は一部を再利用することが可能である。換言すると、式(VIII)の出発時のアルコールとして、前操作を回分式に実施して生じた、一部又は全部が式(VIII)のアルコール及びハロゲン化水素酸をベースとした蒸留混合物で構成されるアルコール反応物を用いて、随意的に式(VIII)の新鮮なアルコールを補助的に加えて、段階(b)又は(a’)を不都合なく行うことができる。
反応は、反応器内で連続的に、半連続的に又は回分式に操作して行うことも可能である。式(IX)のモノオルガノオキシジオルガノシリルプロピル誘導体又は式(XI)のモノオルガノオキシジオルガノシランは、式(VII)の出発反応物又は式(V)の出発物質であるハロシランをベースに少なくとも60%に等しいモル収量が得られる。
段階(c)では、式(IX)のモノオルガノオキシジオルガノシリルプロピル誘導体を式(X)の金属ポリスルフィドと直接反応させる。
好ましい実施形態によれば、式(X)の無水金属ポリスルフィドは、随意的に結晶水を含む式M2S(XIII)のアルカリ金属スルフィド(式中、記号Mは上で与えた意味をもつ(アルカリ金属)。)と元素状硫黄を反応させることにより作製する。反応は60℃〜300℃の温度範囲で、随意的に加圧下で、随意的に無水有機溶媒の存在下で行う。
有利には、採用するアルカリ金属スルフィドM2Sは工業的に入手可能な化合物であり、一般にスルフィドハイドレートの形態である。この種のアルカリ金属スルフィドの非常に好適なものは市販されているスルフィドNa2Sであり、55〜65重量%のNa2Sを含むスルフィドハイドレートである。
段階(c)を行うためのより好ましい方式によれば、式(X)の無水金属ポリスルフィドは、スルフィドハイドレートの形態のアルカリ金属スルフィドM2Sから以下の操作ステップ(1)及び(2)を組み合わせた方法に従って事前に作製する。
・ステップ(1):アルカリ金属スルフィドハイドレートを、脱水工程の間中アルカリ金属スルフィドを固体状態に保持したまま結晶水を除去することを可能とする適切な方法を用いて脱水する。
・ステップ(2):次いで、得られた脱水したアルカリ金属スルフィドの1molをn(x−1)molの元素状硫黄と接触させて、20℃〜120℃の温度範囲で、随意的に加圧下で、随意的に無水有機溶媒の存在下で反応を行う(前記の因子nは0.8〜1.2の範囲内にあり、記号xは上で定義したとおりである。)。
ステップ(1)に関して、非常に好適な脱水プロトコルとしては、1.33×102Pa〜40×102Paの範囲の部分真空下で、乾燥開始時には70℃〜85℃とし、次いで乾燥中は温度を70℃〜85℃の範囲の領域から125℃〜135℃の範囲の領域に達するまで徐々に上げてアルカリ金属スルフィドハイドレートを乾燥する(1時間〜6時間まで変化する第一ピリオド後に+10℃〜+15℃の第一温度上昇を与え、そして1時間〜4時間まで変化する第二ピリオド後に+20℃〜+50℃の第二温度上昇を与えるプログラムとする。)操作が特に挙げられる。
ステップ(2)に関して、非常に好適なスルフィド化プロトコルとしては、この反応を無水有機溶媒(適切な溶媒はとりわけ、例えば無水メタノール又はエタノールのような無水のC1〜C4低級脂肪アルコールである。)の存在下で実施することが挙げられる。金属ポリスルフィドM2x中の元素状硫黄原子Sxの数はM2Sに対するSのモル比に依存し;例えば、1モルのM2S当たり3モルのS(n=1及びx−1=3)を使用すると式(X)でx=4のアルカリ金属テトラスルフィドを与える。
段階(c)の実施に戻ると、好ましくは50℃〜90℃の幅広い温度範囲内で行い、反応は好ましくはやはり有機溶媒の存在下で行い、この点において、有利にはステップ(2)の実施に関して先に言及したアルコールを用いる。
反応中に生じた生成物M−A、とりわけハライドM−Halは、一般に本段階の終了時に例えば濾過により除去する。
生じた式(I)のビス(モノオルガノオキシジオルガノシリルプロピル)ポリスルフィドは式(IX)の出発物質であるモノオルガノオキシジオルガノシリルプロピル誘導体をベースに少なくとも80%に等しいモル収量が得られる。
以下の実施例は本発明の例示である。
実施例1
本実施例では、式(III)のビス(モノエトキシジメチルシリルプロピル)テトラスルフィド(数xは4が中心)の製造について記述する。
本実施例に係る反応スキームは以下の通りである。
Figure 2005511700
ここで、反応物は反応式:
Figure 2005511700
に従って得られる。
パート1) 段階(a):の合成
純度97.5重量%の165g(2.10mol)のアリルクロライド及び0.229gの触媒[Ir(COD)Cl]2(式中、COD=1,5−シクロオクタジエン)をジャケット及び攪拌器の付いた攪拌した1リットルのガラス反応器に加え、蒸留塔を載せた。触媒を完全に溶解するため該混合物を攪拌した。ジャケット内を循環する熱交換流体を用いて該混合物の温度を20℃に調整した。
純度99重量%のジメチルヒドロクロロシランをポンプを用いてディップ管(dip pipe)から反応媒質へ導入した(196.5g(2.06mol)を2時間35分かけて導入した。)。高い発熱反応であることを考慮して、反応媒質の温度を20〜25℃に維持するために導入流量を調節した。ジメチルヒドロクロロシランの導入終了後20分間反応媒質の攪拌を続けた。
反応媒質の攪拌終了時に、分析用にサンプルを取り出した。結果は、ガスクロマトグラフィの分析によると、ジメチルヒドロクロロシランの転換度=99.8%で、クロロプロピルジメチルクロロシランへの選択率=92.7%であった。
続いて、二種類の主な留分:
(1)軽い生成物(クロロプロピルジメチルクロロシランを本質的に随伴する、アリルクロライドの残渣及び極微量のジメチルヒドロクロロシランの残渣);
(2)モル純度98%を超えるクロロプロピルジメチルクロロシラン
を得るために反応混合物を真空下(約35×102Pa)の約40℃で蒸留した。より重い生成物及び触媒で構成される蒸留残渣が残った。モル収量は85%であった。
パート2) 段階(b):の合成
モル純度98.5%の304gのクロロプロピルジメチルクロロシランをジャケットの付いた攪拌した1リットルのガラス反応器に加え、還流できるようにコンデンサーを載せた。大気圧において温度を150℃に上げて28g/hの窒素流を反応器の底部から注入した。未反応のアルコールが直接逃げられるように、塔の頂部の還流はオフラインとした。したがってそのアルコールを凝縮させ、ボトムバルブの付いたフラスコ内に回収することができた。残留ガス流はHClトラップ(水+水酸化ナトリウム)へ導いた。
1812gの含水率200ppm未満の無水エタノール(エタノール:シラン=22.7:1(モル比))をポンプを使って400g/hの流量で反応器の底部から注入した。反応混合物の温度は自然に沸点に調節された。温度は組成物に依存し、エタノールの流入開始時に変化して約110℃のところで急速に安定化した。エタノールは約4時間30分流入した。エタノールの流入終了後、該混合物に1時間窒素を流した。次いで該混合物を冷却し、分析したところ、以下の結果が得られた。
クロロプロピルジメチルクロロシランの転換度は100%で、クロロプロピルジメチルエトキシシランへの選択率は96%を超えた。モル収率は96%であった。
パート3) 段階(c):の合成
3.1) 無水Na24 の製造:
・ステップ1: Na2Sハイドレートの乾燥:
約60.5重量%のNa2Sを含む43.6gの工業用Na2Sハイドレートの薄片をロータリーエバポレーターの1リットル丸底ガラスフラスコに導入した。丸底フラスコをアルゴン雰囲気下に、それから13.3×102Paの減圧下に置いた。
この丸底フラスコをオイルバスへ浸漬し、次いで温度を76℃とした。この温度を2時間保持した。続いて、85〜90℃の間で起こるNa2Sの溶解を回避するためにオイルバスの温度を上昇させるためのプロトコルを適用した。温度の漸進的上昇の目的は、乾燥しようとする物の融点の変化(融点はその物が脱水すると上昇する。)に合わせることである。適用したプロトコルは82℃で1時間、85℃で2時間、95℃で1時間、115℃で1時間、最後に130℃で1時間であった。本プロトコルは乾燥する量、操作圧力及び水の除去速度に影響を与える他のパラメータによって変更可能であることに留意すべきである。除去した水の量は重量差で測定して17.2gであり、これは39.5重量%の水分含有量に相当する。
・ステップ2: Na24 の合成:
上記プロトコルに従って乾燥したNa2S(26g)を400mLのエタノール中に浮遊させ、還流することのできるコンデンサーの付いた攪拌したジャケット付きの1リットルガラス反応器へ吸引により移した。31.9gの硫黄及び200mLの無水エタノールを付加的にこの反応器へ導入した。該混合物の温度を約80℃とし(エタノールがわずかに沸騰する。)、600rev/minで該混合物を攪拌した。該混合物を80℃に2時間維持した。固体(Na2S及び硫黄)が徐々に消え、該混合物は徐々に黄色からオレンジ色、次いで茶色へ変化した。反応の終了時には該混合物は80℃で均質であった(600mLのエタノール中に約58gの無水Na24(0.33mol)が得られた。)。
3.2) の製造:
モル純度96.6%の114gのクロロプロピルジメチルエトキシシラン(すなわち0.61mol)を、先に製造した600mLのエタノール中の無水Na24へ、無水Na24を製造した反応器内を80℃(エタノールがわずかに沸騰する。)に維持して600rev/minに攪拌して、ポンプを用いてディップ管から導入した。塩化ナトリウムの沈殿が見られた。クロロプロピルジメチルエトキシシランの導入の終了後、該混合物を80℃に2時間維持した。その後、該混合物を周囲温度まで冷却して取り出し、次いで塩化ナトリウムを含む浮遊物質を除去するために濾過した。濾過ケークからできるだけ多くの有機生成物を抽出するために濾過ケークをエタノールで洗浄した。エタノール及び可能なら軽い生成物を除去することを目的として減圧下(約20×102Pa)で蒸留するために濾液を反応器へ再び導入した。114gの残渣(これはビス(モノエトキシジメチルシリルプロピル)テトラスルフィドに相当し、モル純度97%と定量的に決定された。)を回収した。
87重量%の収量のビス(モノエトキシジメチルシリルプロピル)テトラスルフィドが得られた。
1H NMR、29Si NMR及び13C NMRで観測することで、得られた構造が明細書中に与えた式(III)に一致することが確認できた。
式(III)の1分子当たりのS原子の平均数は3.9±0.1(x=3.9±0.1)であった。
実施例2
本実施例は、用いた式(VIII)のアルコールが本発明における意味において無水物ではない段階(b)について記述する。
実施例1、パート2)の操作条件を再現したが、ここでは含水率が1600ppm程度のエタノールから出発した。以下が得られた。クロロプロピルジメチルクロロシランの転換度は100%で、クロロプロピルジメチルエトキシシランへの選択率は約82%であった。単離した生成物のモル収量は82%であった。
実施例3
本実施例は式(VII)のケイ素化合物に対する式(VIII)のアルコールのモル比を減らした段階(b)について記述する。
実施例2の操作条件を再現したが、ここではエタノール:シラン=15:1(モル比)とした。以下が得られた。クロロプロピルジメチルクロロシランの転換度は99%で、クロロプロピルジメチルエトキシシランへの選択率は約85%であった。単離した生成物のモル収量は84%であった。
実施例4
本実施例は式(VII)のケイ素化合物に対する式(VIII)のアルコールのモル比を更に減らした段階(b)について記述する。
実施例2の操作条件を再現したが、ここではエタノール:シラン=10:1(モル比)とした。以下が得られた。クロロプロピルジメチルクロロシランの転換度は97%で、クロロプロピルジメチルエトキシシランへの選択率は約85%であった。
実施例5
本実施例は後続の回分式操作で未反応アルコールの一部を再利用した段階(b)について記述する。
未反応エタノールの一部を以下の実験において再利用した。操作条件は実施例2の操作条件であるが、ここではエタノール(含水率=1600ppm)を3回に分けて導入した。
第一ステップではエタノール:シラン=7:1(モル比)に達するまで先の回分操作からリサイクルしたエタノールを導入した。本ステップ中に未反応であったエタノールはすべて回収して処分した。
第二ステップ中は、蓄えがなくなるまで先の操作からリサイクルしたエタノールの導入を続けるが、未反応エタノールは次の操作中にリサイクルできるように保持した。
第三ステップ中は、全導入量がエタノール:シラン=20:1(モル比)に達するまで新鮮なエタノールを反応器へ導入した。この第三ステップ中に未反応であったエタノールは次の操作中でリサイクルできるように回収した。
上記手順によって、回分操作中に生じた量のHClを系から除去することが可能となった(このHClは第一ステップ中に処分された未反応エタノール中に存在していた。)。クロロプロピルジメチルクロロシランの転換度は99%で、期待される生成物への選択率は88%であった。モル収量は87%であった。

Claims (14)

  1. 式:
    Figure 2005511700
    (式中、
    ・記号R1は、同一又は異なるもので、炭素原子を1〜15個もつ線状又は分枝状のアルキル基と炭素原子を2〜8個もつ線状又は分枝状のアルコキシアルキル基とから選択される1価の炭化水素基をそれぞれ表し;
    ・記号R2及びR3は、同一又は異なるもので、炭素原子を1〜6個もつ線状又は分枝状のアルキル基とフェニル基とから選択される1価の炭化水素基をそれぞれ表し;
    ・xは1.5±0.1〜5±0.1の範囲の整数又は端数である。)
    のビス(モノオルガノオキシシリルプロピル)ポリスルフィドの製造方法であって、以下の段階(a)、(b)及び(c)を結びつけることを特徴とする方法。
    ・段階(a)は、反応式:
    Figure 2005511700
    に従って起こり
    (ここで、
    −記号Halは塩素、臭素及びヨウ素原子から選択されるハロゲン原子を表し、
    −記号R2及びR3は上で定義したとおりであり、
    −Aは、塩素、臭素及びヨウ素原子に属するハロゲン原子Hal;又はパラ−R0−C64−SO2−O−基(式中のR0は線状又は分枝状のC1〜C4アルキル基である。);又はR0−SO2−O−基(式中のR0は上で定義したとおりである。);又はR0−CO−O−基(式中のR0は上で定義したとおりである。)のいずれかから選択される脱離基であり、
    −この反応は、
    ・−(マイナス)10℃〜200℃の温度範囲で、1モルの式(V)のジオルガノハロシランと、化学量論的モル量又は化学量論とは異なるモル量の式(VI)のアリル誘導体とを、均質又は不均質媒質中で、開始剤の存在下で反応させること、
    (ここで開始剤は、
    −(i)Co、Ru、Rh、Pd、Ir及びPtよりなる群から選択される遷移金属又は該金属の誘導体を少なくとも1種含む少なくとも1種の触媒と、随意的に(2i)少なくとも1種のヒドロシリル化反応促進剤とから成る触媒活性剤、
    −或いは適切な紫外線又は適切な電離放射線より特に成る光化学活性剤、
    のいずれかで構成される。)
    ・そして随意的に、生じた式(VII)のジオルガノハロシリルプロピル誘導体を単離すること、
    により行う。);
    ・段階(b)は、反応式:
    Figure 2005511700
    に従って起こり
    (ここで、
    −記号R1、R2、R3、Hal及びAは上で定義したとおりであり、
    −この反応は、
    ・−(マイナス)20℃〜200℃の温度範囲で、段階(a)の結果得られた反応媒質又は前記媒質から分離して単離した式(VII)のジオルガノハロシリルプロピル誘導体を、式(VII)の反応剤1モル当たり少なくとも1モルの式(VIII)のアルコールを用いて式(VIII)のアルコールと反応させること(該反応は随意的に塩基及び/又は有機溶媒の存在下で行う。)、
    ・そして随意的に、生じた式(IX)のモノオルガノオキシジオルガノシリルプロピル誘導体を単離すること、
    により行う。);
    段階(c)は、反応式:
    Figure 2005511700
    に従って起こる
    (ここで、
    −記号R1、R2、R3、A及びxは上で定義したとおりであり、
    −記号Mはアルカリ金属を表し、
    −この反応は、
    ・20℃〜120℃の温度範囲で、段階(b)の結果得られた反応媒質又は前記媒質から分離して単離した式(IX)のモノオルガノオキシジオルガノシリルプロピル誘導体を、式(IX)の反応剤1モル当たり0.5±25%モルの式(X)の金属ポリスルフィドを用いて無水状態の式(X)の金属ポリスルフィドと反応させること(該反応は随意的に不活性な極性(又は無極性)有機溶媒の存在下で行う。)、
    ・そして生じた式(I)のビス(モノオルガノオキシシリルプロピル)ポリスルフィドを単離すること、
    により行う。)。
  2. 段階(a)及び(b)を、以下の段階(a’)及び(b’)に置き換えたことを特徴とする請求項1に記載の方法。
    段階(a’)は、反応式:
    Figure 2005511700
    に従って起こり
    (ここで、
    −記号Hal、R2、R3及びR1は上で定義したとおりであり、
    −この反応は、
    ・−(マイナス)20℃〜200℃の温度範囲で、1モルの式(V)のジオルガノハロシランを、少なくとも1モルの式(VIII)のアルコールと反応させること(該反応は随意的に塩基及び/又は有機溶媒の存在下で行う。)、
    ・そして随意的に、生じた式(XI)のモノオルガノオキシジオルガノシランを単離すること、
    により行う。);
    段階(b’)は、反応式:
    Figure 2005511700
    に従って起こる
    (ここで、
    −記号R1、R2、R3及びAは上で定義したとおり、
    −この反応は、
    ・段階(a’)の結果得られた反応媒質又は前記媒質から分離して単離した式(XI)のモノオルガノオキシジオルガノシランを、1モルの式(XI)のシランを用いて化学量論的モル量又は化学量論とは異なるモル量の式(VI)のアリル誘導体と、均質又は不均質媒質中で、開始剤の存在下で反応させること、
    (ここで開始剤は、
    −(i)Co、Ru、Rh、Pd、Ir及びPtよりなる群から選択される遷移金属又は該金属の誘導体を少なくとも1種含む少なくとも1種の触媒と、随意的に(2i)少なくとも1種のヒドロシリル化反応促進剤とから成る触媒活性剤、
    −或いは適切な紫外線又は適切な電離放射線より特に成る光化学活性剤、
    のいずれかで構成される。)
    ・そして随意的に、生じた式(IX)のモノオルガノオキシジオルガノシリルプロピル誘導体を単離すること、
    により行う。)。
  3. 前記各段階の定義の中で脱離基Aを塩素、臭素及びヨウ素原子から選択されるハロゲン原子を表す記号Halに対応させて、段階(a)、(b)及び(c)、又は段階(a’)、(b’)及び(c)のいずれかを結びつけることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
  4. 段階(a)又は段階(b’)を触媒活性剤の存在下で操作することにより行うことを特徴とする請求項1〜3いずれか一項に記載の方法。
    (ここで前記触媒活性剤は:
    −触媒(i)として、以下の金属含有物の一方及び/又は他方、すなわち:
    (i―1)少なくとも1種の微粉状の元素状遷移金属;及び/又は
    (i−2)少なくとも1種の遷移金属のコロイド;及び/又は
    (i−3)少なくとも1種の遷移金属の酸化物;及び/又は
    (i−4)少なくとも1種の遷移金属と無機酸又はカルボン酸とから誘導される塩;及び/又は
    (i−5)1以上のヘテロ原子をもつことのできるハロゲン化及び/又は有機配位子、及び/又は有機ケイ素配位子をもつ少なくとも1種の遷移金属の錯体;及び/又は
    (i−6)上で定義した塩であって、金属部分がやはり上で定義した配位子をもつもの;及び/又は
    (i−7)前述した金属含有物(元素状遷移金属、酸化物、塩、錯体、錯塩)から選択される金属含有物であって、該遷移金属が周期表のIb、IIb、IIIa、IIIb、IVa、IVb、Va、Vb、VIb、VIIb及びVIII族(Co、Ru、Rh、Pd、Ir及びPtを除く)の元素群から選択される少なくとも一つの他の金属と結合しているもの(前記他の金属は元素形態又は分子形態をとり、前記結合によりバイメタル又はポリメタル含有物を生じることが可能である。);及び/又は
    (i−8)前述した金属含有物(元素状遷移金属及び遷移金属−他金属結合;遷移金属ベース又は遷移金属−他金属結合ベースの酸化物、塩、錯体及び錯塩)から選択される金属含有物であって、アルミナ、シリカ、カーボンブラック、粘土、酸化チタン、アルミノケイ酸塩、アルミニウム及びジルコニウム酸化物の混合物、又はポリマー樹脂のような不活性固体担体上に担持されたもの;及び/又は
    (i−9)上記段落(i−8)で与えた定義に対応する担持された金属含有物であって、その構造中で前記不活性固体担体自体が1以上のヘテロ原子を含有することのできるハロゲン化及び/又は有機配位子の少なくとも1種を運ぶもの;
    を含んで成る。)
  5. 触媒(i)として、前記遷移金属がIr及びPtよりなるサブグループに属する、(i−1)から(i−9)の金属含有物の一方及び/又は他方を含む触媒活性剤の存在下で操作することにより段階(a)又は段階(b’)を行うことを特徴とする請求項4に記載の方法。
  6. 触媒(i)として、前記遷移金属がIrである、(i−1)から(i−9)の金属含有物の一方及び/又は他方を含む触媒活性剤の存在下で操作することにより段階(a)又は段階(b’)を行うことを特徴とする請求項5に記載の方法。
  7. 触媒(i)として、式:
    [Ir(R4)Hal]2 (XII)
    (式中、
    −記号R4は、少なくとも一つのC=C二重結合及び/又は少なくとも一つのC≡C三重結合を含む不飽和炭化水素配位子を表し;この不飽和結合は共役又は非共役とすることができ;前記配位子は線状又は環状(単環式若しくは多環式)であり;4〜30個の炭素原子をもち;1〜8個のエチレン及び/又はアセチレン不飽和をもち;随意的にヘテロ原子を1個以上含み;
    −記号Halは上で定義したとおりである。)
    のイリジウム錯体に属する(i−5)型の金属含有物を少なくとも1種含む触媒活性剤の存在下で操作することにより段階(a)又は段階(b’)を行うことを特徴とする請求項6に記載の方法。
  8. 段階(a)又は段階(b’)の終了時に、触媒を均質媒質中で用いたときに、以下の方法で触媒金属を回収することを特徴とする請求項1〜7いずれか一項に記載の方法。
    −段階(1):副産物及び触媒の金属又はその誘導体を含む液体蒸留残渣から生成物を分離するために反応媒質を蒸留し、
    −段階(2):水相及び有機相を得ることを目的として、随意的に、生じたH−Halに対して不活性な有機溶媒の存在下で、随意的に、該残渣を水と接触させ、
    −段階(3):(1)で生じた残渣又は(2)で生じた残渣を触媒の金属を吸着する有効量の固体物質に接触させ、
    −段階(4):前記金属を回収する目的で触媒金属から吸着剤を分離する。
  9. 非水塩基や有機塩基の不存在下で、
    −1k:反応媒質をその沸点に加熱してハロゲン化水素酸を脱気すること、
    −2k:乾燥した不活性ガスを使ってハロゲン化水素酸を除去すること、
    −3k:適切な部分真空を用いることにより脱気すること、
    又は
    −4k:有機溶媒を使った同伴により、生じたハロゲン化水素酸を除去すること、
    から成る適切な方法によって、生じたハロゲン化水素酸の反応媒質からの除去を促進することにより、
    段階(b)又は段階(a’)を行うことを特徴とする請求項1〜8いずれか一項に記載の方法。
  10. 無水状態すなわち含水率が1000ppm未満の式(VIII)のアルコールを用いて
    段階(b)又は段階(a’)を行うことを特徴とする請求項1〜9いずれか一項に記載の方法。
  11. 塩基の不存在下、60℃〜160℃の温度範囲内で、含水率が1000ppm未満の無水アルコールを使い、方法4kを適用してハロゲン化水素酸を除去し、式(VII)のケイ素化合物又は式(V)のシランに対する式(VIII)のアルコールのモル比を3〜23として、段階(b)又は段階(a’)を行うことを特徴とする請求項1〜10いずれか一項に記載の方法。
  12. 式(VIII)の出発時のアルコールとして、前操作を回分式に実施して生じた、式(VIII)のアルコール及びハロゲン化水素酸をベースとした蒸留混合物で一部又は全部が構成されるアルコール反応物を用いて、随意的に式(VIII)の新しいアルコールを補助的に加えて、段階(b)又は段階(a’)を行うことを特徴とする請求項1〜11いずれか一項に記載の方法。
  13. スルフィドハイドレートの形態のアルカリ金属スルフィドM2Sから、以下の操作ステップ(1)及び(2)を結びつけた方法に従って事前に作製される式(X)の無水金属ポリスルフィドを用いて、段階(c)を行うことを特徴とする請求項1〜12いずれか一項に記載の方法。
    ・ステップ(1):アルカリ金属スルフィドハイドレートを、脱水工程を通してアルカリ金属スルフィドを固体状態に保持したまま結晶水を除去することを可能とする適切な方法を用いて脱水する。
    ・ステップ(2):次いで、得られた脱水したアルカリ金属スルフィドの1molをn(x−1)molの元素状硫黄と接触させて、20℃〜120℃の温度範囲で、随意的に加圧下で、随意的に無水有機溶媒の存在下で反応を行う(前記の因子nは0.8〜1.2の範囲内にあり、記号xは上で定義したとおりである。)。
  14. ステップ(1)に関して、脱水プロトコルとして、1.33×102Pa〜40×102Paの範囲の部分真空下で、乾燥開始時には70℃〜85℃とし、次いで乾燥中は温度を70℃〜85℃の範囲の領域から125℃〜135℃の範囲の領域に達するまで徐々に上げてアルカリ金属スルフィドハイドレートを乾燥する(1時間〜6時間まで変化する第一ピリオド後に+10℃〜+15℃の第一温度上昇を与え、そして1時間〜4時間まで変化する第二ピリオド後に+20℃〜+50℃の第二温度上昇を与えるプログラムとする。)操作を行うこと特徴とする請求項13記載の方法。
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