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JP2005328641A - 駆動装置及び光量調節装置 - Google Patents

駆動装置及び光量調節装置 Download PDF

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JP2005328641A
JP2005328641A JP2004144653A JP2004144653A JP2005328641A JP 2005328641 A JP2005328641 A JP 2005328641A JP 2004144653 A JP2004144653 A JP 2004144653A JP 2004144653 A JP2004144653 A JP 2004144653A JP 2005328641 A JP2005328641 A JP 2005328641A
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Kaori Horiike
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Abstract

【課題】高出力で、小電力でも滑らかな回転を可能にする外側磁極部を具備する駆動装置を提供する。
【解決手段】ロータマグネット1a〜1hの軸方向に配置されたコイルと、複数個の歯形状の外側磁極部4a〜4dと内側磁極部4eがロータマグネットの外周面と内周面に対向して配置され、コイルにより励磁されるステータとを有し、ロータマグネットの外周面に対向する歯形状の外側磁極部を、ロータマグネットの外周面に所定の角度θ1の範囲で対向する第1の歯4a,4cと、前記ロータマグネットの外周面に所定の角度θ2の範囲で対向する第2の歯4b,4dとで構成し、前記所定の角度θ1およびθ2を、θ1<θ2の条件を満たす関係にしている。
【選択図】図3

Description

本発明は、円筒形状の駆動装置及び該駆動装置を有する光量調節装置の改良に関するものである。
回転軸を中心とする直径を小さくし、かつ出力を高めた駆動装置として、特許文献1において以下のような光量調節装置に具備される駆動装置が提案されている。図12に特許文献1に開示された駆動装置の分解斜視図を、図13にその駆動装置の回転軸方向の断面図を、それぞれ示す。
これらの図において、101は外周面が周方向に4分割して交互にS極とN極に着磁され、回転中心を軸として回転可能な円筒形状のロータマグネットであり、102はロータマグネット101の軸方向に配置されたコイルであり、103はコイル102により励磁され、先端部に歯形状の外側磁極部103aをもつ外筒と円筒形状の内筒103bからなり、前記マグネット101の外周面および内周面に対向したステータであり、104はステータ103の内筒103bに固着され、ステータ103の内筒103bとともに内側磁極部をなしている補助ステータであり、以上によって光量調節装置における駆動装置を構成している。
ロータマグネット101は回転可能に保持されるように軸部101e,101fを備え、これらが一体的に成形されたものである。ステータ103の外側磁極部103aはロータマグネット101の外周面に隙間をあけて対向しており、またステータ103の内筒103bはロータマグネット101の内周面に隙間をあけて対向している。
上記構成の駆動装置は、コイル102への通電方向を切り換えて、外側磁極部103a、内筒103bおよび補助ステータ104の極性を切り換えることによって、ロータマグネット101を往復回転させるものである。また、往復回転するロータマグネット101の回転規制を、地板105に設けられた案内溝105a内で駆動ピン101dが当接することによって行っている。
この駆動装置は、コイル102へ通電することで発生した磁束が外側磁極部103aから対向する内側磁極部(内筒103b及び補助ステータ104より成る)へ、あるいは内側磁極部から対向する外側磁極部103aへと流れ、外側磁極部103aと内側磁極部の間に位置するロータマグネット101に効果的に作用する。また、外側磁極部103aと内側磁極部との距離を、円筒形状のロータマグネット101の厚さと、ロータマグネット01と外側磁極部103aとの隙間およびロータマグネット101と内側磁極部との隙間分の距離にすることで、外側磁極部103aと内側磁極部とで構成される磁気回路の抵抗をできるだけ小さくしている。磁気回路の抵抗が小さいほど、少ない電流で多くの磁束を発生させることができ、出力が向上する。
特開2002−49076号公開
上記特許文献1にて開示された駆動装置においては、歯形状からなる外側磁極部の歯幅をさまざまに設定することによって、コイルへの無通電時にマグネットが外側磁極部に吸引される力(コギング力)の向きや力の大きさが変化することがわかった。このコギング力が大きな駆動装置は、外側磁極部が励磁されることにより発生するエネルギー(通電により発生する駆動トルク)がコギング力の影響を受け、滑らかな回転が得られなかったり、回転のために使われるトルクが小さくなったりするといった問題があった。
また、無通電時における駆動装置の回転停止位置はコギング力によって安定する位置になるため、外側磁極部の歯幅によっては通電を絶つと回転の中心位置(本来停止すべきところではない位置)で停止するなどの問題もあった。
(発明の目的)
本発明の第1の目的は、高出力で、小電力でも滑らかな回転を可能にする外側磁極部を具備する駆動装置を提供しようとするものである。
本発明の第2の目的は、ロータマグネットもしくはマグネットと外側磁極部との間の吸引力の発生を最小限に抑え、外側磁極部が励磁されることにより発生するエネルギーの多くを回転する力とすることができるようにし、高出力で、小電力でも滑らかな回転を行うことのできる駆動装置及び光量調節装置を提供しようとするものである。
上記第1の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、外周面が周方向に複数分割されて異なる極に交互に着磁された着磁部をもち、回転中心を軸として回転可能な円筒形状のロータマグネットと、前記ロータマグネットの前記軸方向に配置されたコイルと、複数個の歯形状の外側磁極部と内側磁極部が前記ロータマグネットの外周面と内周面に対向して配置され、前記コイルにより励磁されるステータとを有する駆動装置において、前記ロータマグネットの外周面に対向する前記歯形状の外側磁極部を、前記ロータマグネットの外周面に所定の角度θ1の範囲で対向する第1の歯と、前記ロータマグネットの外周面に所定の角度θ2の範囲で対向する第2の歯とで構成し、前記所定の角度θ1およびθ2を
θ1<θ2
の条件を満たす関係にした駆動装置とするものである。
また、上記第2の目的を達成するために、請求項2に記載の発明は、前記所定の対向角度θ1と前記ロータマグネットの1極あたりの角度の比率をY1、前記所定の対向角度θ2と前記ロータマグネットの1極あたりの角度の比率をY2、前記ロータマグネットの半径方向の厚みと該ロータマグネットの着磁された1極あたりの外周の長さの比率をXとすると
Y1<−0.3X+0.63 および −0.3X+0.72<Y2
の条件を満たすように、歯形状を決定された外側磁極部を有する請求項1に記載の駆動装置とするものである。
また、上記第1の目的を達成するために、請求項3に記載の発明は、外周面が周方向に複数分割されて異なる極に交互に着磁された円筒形状のマグネットと、前記マグネットと同心でかつ該マグネットの軸方向に配置されたコイルと、複数の歯形状の外側磁極部が前記マグネットの外周面に対向して配置され、前記コイルにより励磁されるステータと、前記コイルの内径部に挿入され、かつ前記マグネットの内径部に固定された軟磁性材料からなる回転可能なロータとを有する駆動装置において、前記マグネットの外周面に対向する前記歯形状の外側磁極部を、前記マグネットの外周面に所定の角度θ1の範囲で対向する第1の歯と、前記マグネットの外周面に所定の角度θ2の範囲で対向する第2の歯とで構成し、前記所定の角度θ1およびθ2を
θ1<θ2
の条件を満たす関係にした駆動装置とするものである。
また、上記第2の目的を達成するために、請求項4に記載の発明は、前記所定の対向角度θ1と前記マグネットの1極あたりの角度の比率をY1、前記所定の対向角度θ2と前記マグネットの1極あたりの角度の比率をY2、前記マグネットの半径方向の厚みと該マグネットの着磁された1極あたりの外周の長さの比率をXとすると
Y1<−0.3X+0.63 および −0.3X+0.72<Y2
の条件を満たすように、歯形状を決定された外側磁極部を有する請求項3に記載の駆動装置とするものである。
同じく上記第2の目的を達成するために、請求項5に記載の発明は、請求項2又は4に記載の駆動装置と、該駆動装置により駆動されて光量調節を行う光量調節部材とを有する光量調節装置とするものである。
本発明によれば、高出力で、小電力でも滑らかな回転を可能にする外側磁極部を具備する駆動装置を提供できるものである。
また、本発明によれば、ロータマグネットもしくはマグネットと外側磁極部との間の吸引力の発生を最小限に抑え、外側磁極部が励磁されることにより発生するエネルギーの多くを回転する力とすることができるようにし、高出力で、小電力でも滑らかな回転を行うことができる駆動装置又は光量調節装置を提供できるものである。
以下の実施例1及び実施例2に示す通りである。
図1〜図8は本発明の実施例1に係る図であり、そのうち、図1は駆動装置の分解斜視図、図2は図1の駆動装置の断面図である。また、図3及び図4は駆動装置が往復回転駆動する際の様子を示す図であり、詳しくは、図3はロータマグネットに設けられた突起部がカバーの案内溝の一端に接触した第1の状態での図2におけるA−A断面図、図4はロータマグネットに設けられた突起部がカバーの案内溝の他端に接触した第2の状態での図2におけるA−A断面図である。
これらの図において、1は円筒形状をしたマグネット部を有するロータマグネットであり、外周面を周方向にN分割(本実施例1では8分割)して交互にS極、N極に着磁された着磁部1a〜1hを有する。詳しくは図3に示すように、着磁部1a,1c,1e,1gは外周面がN極に、着磁部1b,1d,1f,1hは外周面がS極に、それぞれ着磁されている。ロータマグネット1は回転可能に保持されるように設けられた軸部1iおよび1jが一体に成形されているが、これらは別体で設けらていても構わない。前記ロータマグネット1には軸方向に延出する突起部1kが一体で形成されている。この突起部1kは後述の案内溝5aの溝内で回転可能であり、これらでロータマグネット1の回転範囲を規制している。
2は円筒形状のコイルであり、絶縁体からなるボビン3に巻き付けられている。該コイル2はロータマグネット1と同心でかつ、該ロータマグネット1の回転軸方向に重なる位置に配置され、コイル2はその外径がロータマグネット1の外径とほぼ同じになっている。
4は軟磁性材料からなるステータであり、先端部に歯形状の外側磁極部4a,4b,4c,4dが形成された外筒および円筒形状の内側磁極部を成す内筒4eからなる。外側磁極部4a〜4dはロータマグネット1の外周面に所定の隙間をもってθ1度およびθ2度対向するように構成されている。詳しくは、図3及び図4に示すように、外側磁極部4a,4cがロータマグネット1の外周面にθ1度の範囲で対向し、外側磁極部4b,4dがロータマグネット1の外周面にθ2度の範囲で対向するように、その歯幅が決定されている。この実施例1における対向角度θ1,θ2度に関しては後述する。また、内筒(以下、内側磁極部)4eもロータマグネット1の内周面に所定の隙間をもって対向している。また、ステータ4は後述のカバー5に固定される。
5はステータ4を保持するカバーであり、ロータマグネット1の突起部1kが挿入される案内溝5aを有し、ロータマグネット1の回転に伴って突起部1kが案内溝5a内で回転し、該案内溝5aの一端もしくは他端に当接することによってロータマグネット1の回転規制を行う。また、カバー5はロータマグネット1の軸部1iを回転可能に嵌合する嵌合部5bをもつ。
次に、駆動のしくみについて詳細に説明する。
図3の状態(ロータマグネット1の突起部1kがカバー5の案内溝5aの一端に当接した第1の状態)からコイル2に通電を行い、ステータ4の外側磁極部4a〜4dをS極に、内側磁極部4eをN極に、それぞれ励磁すると、ロータマグネット1は時計回りに回転し、突起部1kがカバー5の案内溝5aの他端に当接することによってその回転が止められ、図4に示す状態になる。
図4の状態(ロータマグネット1の突起部1kがカバー5の案内溝5aの他端に当接した第2の状態)からコイル2に逆方向の通電を行い、ステータ4の外側磁極部4a〜4dをN極に、内側磁極部4eをS極に、それぞれ励磁すると、ロータマグネット1は反時計回りに回転し、突起部1kがカバー5の案内溝5aの一端に当接することによってその回転が止められ、図3に示す状態に戻る。
以上のことにより、コイル2への通電方向を切り換えることによって所定角度(後述のA度)内で往復回転可能となり、例えばカメラのシャッタ装置の光量調節部材等を駆動するのに好適な駆動装置となる。
次に、外側磁極部4a〜4dの形状について詳細に説明する。
本実施例1における歯形状の外側磁極部4a〜4dは、ロータマグネット1に対向する角度が異なる2種類の歯幅をもつものによって構成されている。このことを図5から図8を用いて説明する。
本実施例1における構造において、ロータマグネット1の1極あたりの角度(中心角)と、外側磁極部4a〜4dがロータマグネット1の外周面に対向する角度(外側磁極部とロータマグネットの回転中心位置とで構成される扇型を成す中心角)との比率により、コイル2への通電がなされていない状態での外側磁極部4a〜4dとロータマグネット1との吸引の様子が変化することが実験により明らかになった。外側磁極部4a〜4dとロータマグネット1の外周面に対向する角度が所定範囲以下の場合には、該ロータマグネット1の極の中心が外側磁極部4a〜4dの中心に対向する位置で安定的に停止するトルク曲線となる。一方、外側磁極部4a〜4dとロータマグネット1の外周面に対向する角度が所定範囲を超える場合には、該ロータマグネット1の極と極の境界が外側磁極部の中心に安定的に停止するトルク曲線となることがわかった。
図5は、外側磁極部のロータマグネット(詳しくは、着磁されたマグネット部)の外周面に対向する角度がすべてθ1になるように構成した場合において、ロータマグネットが外側磁極部に吸引されるコギングトルクの様子を示す図である。図5において、縦軸はロータマグネットに作用するコイルへの無通電時におけるコギングトルクとコイルへ通電を行ったときに発生するトルク(通電によって着磁部に生じるトルク)を示し、横軸はロータマグネットの1極分の回転位相を示す図である。この駆動装置はロータマグネットの回転を規制されることにより、360/NのうちのCで示される範囲でのみ往復回転可能となっている。
図6は、外側磁極部のロータマグネットの外周面に対向する角度がすべてθ2になるように構成した場合において、ロータマグネットが外側磁極部に吸引されるコギングトルクの様子を示す図である。図6において、縦軸はロータマグネットに作用するコイルへの無通電時におけるコギングトルクとコイルへ通電を行ったときに発生するトルクを示し、横軸はマグネットの1極分の回転位相を示す図である。
図5及び図6において、E1点、E2点で示されるところは、正回転しようとするとマイナスの力が働いて元の位置に戻ろうとし、逆回転しようとするとプラスの力が働いて元の位置に戻ろうとする。即ち、ロータマグネットと外側磁極部との間の磁力によってロータマグネットがE1点、あるいはE2点に安定的に位置決めされようとするコギングの位置である。F1点およびF2点で示されるところは、ロータマグネットの位相が少しでもずれると前後のE1点、あるいはE2点の位置に回転する力が働く不安定な均衡状態にある不安定停止位置である。
図5及び図6を見て明らかなように、外側磁極部のロータマグネットに対向する角度範囲の違いによって、トルク曲線は変化している。有限要素法による数値シミュレーションの結果、ロータマグネットと外側磁極部がある所定の角度範囲を境に図5のようなトルク曲線および図6のようなトルク曲線となり、その中間の対向角度の場合には図7のようなトルク曲線になることがわかった。それによると、Y=「外側磁極部の1つあたりのロータマグネットの外周面に対向する対向角度/ロータマグネット1極あたりの角度」とし、X=「ロータマグネットの半径方向の厚み/ロータマグネット1極あたりの外周の長さ」とすると、「Y<−0.3X+0.63」の範囲となるように外側磁極部を決定された駆動装置は図5で示されるようなロータマグネットの極の中心が外側磁極部の中心に対向する位置で安定的に停止するトルク曲線となり、「Y>−0.3X+0.72」の範囲となるように外側磁極部を決定された駆動装置は図6で示されるようなロータマグネットの極と極の境界が外側磁極部の中心に停止するトルク曲線となる。また、その中間範囲である「−0.3X+0.63≦Y≦−0.3X+0.72」の範囲となるように外側磁極部を決定された駆動装置は、図7で示されるようにコギングトルクが小さい曲線となり、単純な構成であってコギングトルクが小さく、駆動特性のよいアクチュエータとなる。
本実施例1はロータマグネット1の外周面との対向角度がθ1なる第1の外側磁極部と、対向角度がθ2なる第2の外側磁極部とを持つものであり、図5のトルク曲線を持つような対向角度θ1の外側磁極部と図6のトルク曲線を持つような対向角度θ2の外側磁極を組み合わせることにより、図7のコギングトルク特性よりさらに良いコギングトルク特性を得ようとするものである。実際には外側磁極部4aおよび4cが対向角度θ1であり、外側磁極部4bおよび4dが対向角度θ2となるように設定されている。また、この対向角度θ1は、θ1/ロータマグネット1極あたりの角度(本実施例1では45°)<−0.3X(ロータマグネットの半径方向の厚み/ロータマグネット1極あたりの外周の長さ)+0.63を満たすように設定されており、また対向角θ2は、θ2/ロータマグネットの1極あたりの角度<−0.3X(ロータマグネットの半径方向の厚み/ロータマグネット1極あたりの外周の長さ)+0.72を満たすように設定されたものである。
以上のようにして決定された外側磁極部をもつ本実施例1における駆動装置におけるトルクの様子を図8に示す。縦軸は、ロータマグネット1に作用するコイル2への無通電時におけるコギングトルクと、コイル2へ通電を行ったときに発生するトルクを示し、横軸はロータマグネット1の1極分の回転位相を示すものである。
図8によると、コギングトルクはほぼ0になるような曲線となり、図7に示された全ての外側磁極部のロータマグネット1との対向角が均一に構成された場合のコギングトルクよりも小さいものになる。これにより、コイル2に通電した際に発生するトルクはコギングトルクに影響されることのない安定した駆動特性をもつ駆動装置となる。
以上のように、本実施例1における駆動装置は、コイル2への通電方向を切り換えることによって、図3から図4の状態、あるいは、図4から図3の状態にロータマグネット1が回転可能となる。また、コギングトルクはほぼ0になるように設定されているので、コイル2への通電時に回転力となるトルクは安定し、高出力な駆動装置とすることができる。
また、ロータマグネットを所定の方向に付勢する付勢手段を設ければ、コイルへの無通電状態でも図3の状態あるいは図4の状態で確実に保持する駆動装置となるが、コイルへの通電時にはこの付勢力に打ち勝って駆動される必要がある。そのため、付勢力はできるだけ小さく設定したいが、コギングトルクの大きな駆動装置の場合にはコギングトルクに負けないだけの付勢力が必要になり、その分付勢力が大きくなる。つまり、駆動装置の通電トルクはさらに大きくなければ駆動することができないという欠点がある。これに対し、本実施例1における駆動装置は、コギング力がほぼ0となるので付勢手段の付勢力が小さくても確実に位置保持を行うことができ、この付勢力に打ち勝つコイル2への通電時のトルクが小さくても駆動可能であり、省電力となる。また、大きなトルクが必要でないことは駆動装置をさらに小型化するのに貢献するものである。
上記のように本実施例1の駆動装置に付勢手段を用いることにより、銀塩カメラのシャッタ羽根の駆動などに好適なものとなる。すなわち、シャッタ羽根を光量が通過する開口部の閉鎖する方向に付勢することで、無通電時にも確実に開口部を閉鎖するシャッタ装置となる。コイルへの通電時にはこの力に打ち勝って駆動を行い、出力の大きな駆動装置であるのでシャッタ速度の速いものになる。なお、本実施例1の駆動装置は、シャッタ羽根の駆動以外に、絞り羽根やNDフィルタなどの光量調節部材の駆動にも用いることができるものである。
本実施例1における駆動装置は以下の特徴もある。
コイル2への通電により発生する磁束は、外側磁極部4a〜4dと内側磁極部4eとの間にあるロータマグネット1を横切るので効果的に作用する。また、外側磁極部4a〜4dと内側磁極部4eは一体で成形可能であり、部品点数が少なく、単純な構成なのでコストの安い駆動装置となる。さらに、外側磁極部4a〜4dは円筒形状のロータマグネット1の軸方向と平行方向に延出する歯形状、もしくは櫛歯形状により構成されるため、軸の中心に向かうような半径方向への凹凸により構成されるものに比べて直径方向に関する寸法は小さく構成できる。これにより、非常に小径の円筒状の駆動装置とすることができる。
また、コイル2は1つで構成されるので通電の制御回路も単純になり、コストも安く構成できる。さらにコイル2はロータマグネット1と軸方向に並べて配置されるので、小径の円筒状の駆動装置となる。
以上の実施例1によれば、ロータマグネット1と外側磁極部4a〜4dとの間の無通電時の吸引力の発生をほぼ0に抑え、外側磁極部4a〜4dが励磁されることにより発生するエネルギーの多くを回転する力とすることができ、高出力で省電力でも滑らかで安定した駆動を行う駆動装置を提供可能となる。
図9ないし図11は本発明の実施例2に係る図であり、詳しくは、図9は駆動装置の分解斜視図、図10は図9の駆動装置の断面図、図11は図10におけるB−B断面図である。
これらの図において、11は円筒形状のマグネットであり、その外周面を円周方向にN分割(本実施例2では8分割)して交互にS極とN極に着磁されている。12は円筒状のコイルであり、絶縁体からなるボビン13に巻き付けられている。該コイル12はマグネット11と同心でかつ、該マグネット11の回転軸方向に重なる位置に配置され、コイル12はその外径が前記マグネット11の外径とほぼ同じ寸法である。
14は軟磁性材料からなるステータであり、先端部にN/2個の歯形状の外側磁極部14a,14b,14c,14dが形成された外筒からなる。該外側磁極部14a〜14dはマグネット11の外周面に所定の隙間を持って対向するように構成されている。また、外側磁極部14a〜14dは、マグネット11の外周面への対向角度がθ1なる外側磁極部14a,14cと対向角度がθ2なる外側磁極部14b,14dとで構成されるものである。また、外側磁極部14a〜14dは上記実施例1におけるステータ4の外側磁極部4a〜4dと同様に、対向角θ1は、θ1/マグネット1極あたりの角度(本実施例2では45°)<−0.3X(マグネットの半径方向の厚み/マグネット1極あたりの外周の長さ)+0.63を満たすように設定されており、また対向角θ2は、θ2/マグネットの1極あたりの角度<−0.3X(マグネットの半径方向の厚み/マグネット1極あたりの外周の長さ)+0.72を満たすように設定されたものである。
15はステータ14に固定され、後述のロータ16を回転可能に保持する軟磁性材料からなる軸受けである。軸受け15の円筒部15aの外径はボビン13の内径とほぼ同じとすることにより、コイル12により発生する磁力が効果的に軸受け15に流れる。16は駆動装置の出力軸となる軟磁性材料からなるロータであり、該ロータはコイル12の内径部に挿入され、またマグネット11の内径部に固定されている。ロータ16の軸部16aが軸受け15と接続されることにより、軸受け15に作用した磁束がロータ16にも流れるようになっている。ロータ16および軸受け15によって、ステータ14の外側磁極部と対向してマグネット11を挟むように内側磁極部を形成している。17は駆動装置を覆うカバーである。カバー7には案内溝17aが設けられ、ロータ16の突起部16cがこの案内溝17a内で一端あるいは他端に当接することにより、ロータ16の回転を規制する。またロータ16の軸部16bが回転可能に嵌合する嵌合部17bをもつ。
本実施例2における駆動装置も、上記実施例1における駆動装置と同様に、コイル12への通電方向を切り換えることによって往復回転可能な駆動装置である。実施例1とは軸受け15およびロータ16からなる内側磁極部の構成の違いのみであり、内側磁極部と外側磁極部の間にあるマグネット11に磁力が作用することにより駆動されるという原理については実施例1と同様であるので説明は省略する。
上記のような構成にすることによって、マグネット11の内径部がロータ16によって埋められているので機械的強度が大きく、またバックメタルとしてロータ16は作用するので、マグネット11の磁気的劣化も少ない。また、マグネット11の機械的強度が大きく、磁気的劣化も少ないことによって、マグネット11の半径方向の厚みを薄く構成でき、径寸法に関して非常にコンパクトな駆動装置となる。さらに、マグネット11の外周面と内周面に対向する外側磁極部と内側磁極部とでマグネット11を挟む磁路となるので、磁気抵抗が少ない。更に、外側磁極部と内側磁極部との距離はマグネット11の厚みと、マグネット11と外側磁極部とのギャップのみと短くなるので、コイル12により発生する磁力が効果的にマグネット11に作用する。以上により、出力が高く、コンパクトで、安定した動作特性を有する駆動装置とすることができる。
以上の実施例2によれば、マグネット11と外側磁極部14a〜14dとの間の無通電時の吸引力をほぼ0に抑えることができ、高出力で安定した駆動を行うのに加えて、部品点数は増えるが、さらに高出力で小型な駆動装置を提供可能となる。
本発明の実施例1に係る駆動装置の分解斜視図である。 図1の駆動装置の断面図である。 本発明の実施例1において第1の状態である時の図2のA−A断面図である。 本発明の実施例1において第2の状態である時の図2のA−A断面図である。 外側磁極部のロータマグネットへの対向角θ1なる歯のみで構成された駆動装置のトルク曲線を示す図である。 外側磁極部のロータマグネットへの対向角θ2なる歯のみで構成された駆動装置のトルク曲線を示す図である。 外側磁極部のロータマグネットへの対向角がθ1とθ2との間の角度である歯のみで構成された駆動装置のトルク曲線を示す図である。 本発明の実施例1における駆動装置のトルク曲線を示す図である。 本発明の実施例2に係る駆動装置の分解斜視図である。 図9の駆動装置の断面図である。 図10のB−B断面図である。 特許文献1に記載の駆動装置の分解斜視図である。 図12の駆動装置の断面図である。
符号の説明
1 ロータマグネット
1a〜1h 着磁部
2 コイル
4 ステータ
4a〜4d 外側磁極部
5 カバー
11 ロータ
11a〜11h 着磁部
12 コイル
14 ステータ
14a〜14d 外側磁極部
15 軸受け
16 ロータ
17 カバー

Claims (5)

  1. 外周面が周方向に複数分割されて異なる極に交互に着磁された着磁部をもち、回転中心を軸として回転可能な円筒形状のロータマグネットと、
    前記ロータマグネットの前記軸方向に配置されたコイルと、
    複数個の歯形状の外側磁極部と内側磁極部が前記ロータマグネットの外周面と内周面に対向して配置され、前記コイルにより励磁されるステータと、
    を有する駆動装置において、
    前記ロータマグネットの外周面に対向する前記歯形状の外側磁極部は、前記ロータマグネットの外周面に所定の角度θ1の範囲で対向する第1の歯と、前記ロータマグネットの外周面に所定の角度θ2の範囲で対向する第2の歯とで構成されており、前記所定の角度θ1およびθ2は
    θ1<θ2
    の条件を満たす関係となっていることを特徴とする駆動装置。
  2. 前記所定の対向角度θ1と前記ロータマグネットの1極あたりの角度の比率をY1、前記所定の対向角度θ2と前記ロータマグネットの1極あたりの角度の比率をY2、前記ロータマグネットの半径方向の厚みと該ロータマグネットの着磁された1極あたりの外周の長さの比率をXとすると
    Y1<−0.3X+0.63 および −0.3X+0.72<Y2
    の条件を満たすように、歯形状を決定された外側磁極部を有することを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
  3. 外周面が周方向に複数分割されて異なる極に交互に着磁された円筒形状のマグネットと、
    前記マグネットと同心でかつ該マグネットの軸方向に配置されたコイルと、
    複数の歯形状の外側磁極部が前記マグネットの外周面に対向して配置され、前記コイルにより励磁されるステータと、
    前記コイルの内径部に挿入され、かつ前記マグネットの内径部に固定された軟磁性材料からなる回転可能なロータと、
    を有する駆動装置において、
    前記マグネットの外周面に対向する前記歯形状の外側磁極部は、前記マグネットの外周面に所定の角度θ1の範囲で対向する第1の歯と、前記マグネットの外周面に所定の角度θ2の範囲で対向する第2の歯とで構成されており、前記所定の角度θ1およびθ2は
    θ1<θ2
    の条件を満たす関係となっていることを特徴とする駆動装置。
  4. 前記所定の対向角度θ1と前記マグネットの1極あたりの角度の比率をY1、前記所定の対向角度θ2と前記マグネットの1極あたりの角度の比率をY2、前記マグネットの半径方向の厚みと該マグネットの着磁された1極あたりの外周の長さの比率をXとすると
    Y1<−0.3X+0.63 および −0.3X+0.72<Y2
    の条件を満たすように、歯形状を決定された外側磁極部を有することを特徴とする請求項3に記載の駆動装置。
  5. 請求項2又は4に記載の駆動装置と、該駆動装置により駆動されて光量調節を行う光量調節部材とを有することを特徴とする光量調節装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ITMI20090052A1 (it) * 2009-01-20 2010-07-21 Eti Spa Statore per motori asincroni particolarmente di elettrodomestici
JP2022517900A (ja) * 2018-11-28 2022-03-11 ルクセンブルク・インスティテュート・オブ・サイエンス・アンド・テクノロジー・(エルアイエスティ) 不規則アームの固定子を備えた永久磁石発電機

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