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JP2005300072A - 蒸発器 - Google Patents

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JP2005300072A
JP2005300072A JP2004119177A JP2004119177A JP2005300072A JP 2005300072 A JP2005300072 A JP 2005300072A JP 2004119177 A JP2004119177 A JP 2004119177A JP 2004119177 A JP2004119177 A JP 2004119177A JP 2005300072 A JP2005300072 A JP 2005300072A
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Shiro Ikuta
四郎 生田
Shigeru Koyama
繁 小山
Ken Kuwabara
憲 桑原
Takayuki Yokoyama
貴之 横山
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Calsonic Kansei Corp
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Abstract

【課題】 冷媒の液相とガス相とをほぼ均一に複数のチューブに分配して、熱交換効率を格段と向上させることができる蒸発器を提供することを目的とする。
【解決手段】 複数の積層されたチューブ2と、これらチューブ2の一端側がそれぞれ挿入されて連通された入口側タンク3と、複数のチューブ2の他端側がそれぞれ挿入されて連通された出口側タンクと、上記入口側タンク3に接続され当該入口側タンク3内に冷媒を供給する冷媒入口パイプ4と、上記出口側タンクに接続され上記複数のチューブ2内を流通した冷媒を外部へ排出する冷媒出口パイプとを備え、上記入口側タンク3が上記複数のチューブ2の下方に配置される蒸発器1において、上記入口側タンク3内に突き出したチューブ2の端部2aを挟む上記冷媒の流通方向の上流側と下流側に、該入口側タンク3の内面よりチューブ2側に向かって突出する冷媒進路変更部5を設けた。
【選択図】 図1

Description

本発明は熱交換器、より詳しくは自動車用空気調和装置等に用いられる蒸発器に関し、特に、複数のチューブ内に冷媒を供給する入口側タンク部の構造に関するものである。
従来、この種の蒸発器としては、図7および図8に示すような蒸発器100や、図9に示すような蒸発器200がある。
この蒸発器100は、図7に示すように、積層された複数のチューブ101と、このチューブ101間に配置された複数の波形フィン102と、複数のチューブ101の上端に固定された入口側タンク103及び出口側タンク104と、入口側タンク103の一端側に接続された冷媒入口パイプ105と、出口側タンク104の一端側に接続された冷媒出口パイプ106とを備えている。
各チューブ101内にはチューブ101の長手方向に配置されたU字状の冷媒通路(図示せず)が形成され、この冷媒通路の一端が入口側タンク103内に、冷媒通路の他端側が出口側タンク104内にそれぞれ連通されている。
次に、前記蒸発器100の冷媒流れを説明する。図8には冷媒の流れの概略が示され、冷媒入口パイプ105から流入する冷媒(この場合、気液2相でなる)は入口側タンク103内に流入し、入口側タンク103より各チューブ101の冷媒通路(図示せず)に流入される。
冷媒通路に流入した冷媒は、U字状の経路に沿って流れ、ここを流れる過程で外部の流体との間で熱交換が行われる。冷媒通路を流れた冷媒は、出口側タンク104内に流入し、ここで他のチューブ101の冷媒通路を循環して来た冷媒と合流し、その後に冷媒出口パイプ106より流出される。
一方、図9に示す蒸発器200は、積層された複数のチューブ201と、このチューブ201間に配置された複数のアウターフィン202と、複数のチューブ201の下端側が積層されることによって形成された入口側タンク203と、同じく複数のチューブ201の上端側が積層されることによって形成された出口側タンク204と、これら入口側タンク203および出口側タンク204に接続された冷媒入口パイプ205および冷媒出口パイプ206とを備えている。
次に、前記蒸発器200の冷媒流れを説明する。冷媒入口パイプ205から流入する冷媒(この場合、気液2相でなる)は入口側タンク203内に流入し、入口側タンク203より各チューブ201の冷媒通路(図示せず)に流入される。
冷媒通路に流入した冷媒は、この冷媒通路に沿って流れ、ここを流れる過程で外部の流体との間で熱交換が行われる。冷媒通路を流れた冷媒は、出口側タンク204内に流入し、ここで他のチューブ201の冷媒通路を循環して来た冷媒と合流し、その後に冷媒出口パイプ206より流出される。
しかしながら、上述のように冷媒入口パイプ105、205を入口側タンク103、203の一端側に単純に接続し、冷媒を1箇所より供給する構造では、冷媒の中で比重の大きい液相が下方に滞留するため、冷媒入口パイプ105、205に近い位置に設けられたチューブ101、201の冷媒通路に冷媒のガス相が多く、冷媒入口パイプ105、205より遠い冷媒流通方向下流の位置に設けられたチューブ101、201の冷媒通路に冷媒の液相が多く流入することになる。
また、図7に示す蒸発器100のような構造において、上述とは逆に、チューブ101の下端側に冷媒入口パイプ105が配置されている場合には、冷媒の内で比重の小さいガス相が上方に滞留するため、冷媒入口パイプ105に近いチューブ101の冷媒通路に冷媒のガス相が多く、冷媒入口パイプ105より遠いチューブ101の冷媒通路に冷媒の液相が多く流入することになる。このように複数のチューブ101内に液相とガス相の比率の異なる冷媒が流れると、蒸発器100の全域において効率的な熱交換を行うのが困難になる。
かかる問題を解決する1つの手法として、例えば、特許文献1において、図10(a)、(b)に示すような熱交換器300が考案されている。この熱交換器300は、図示しないフィンとチューブ(チューブエレメント)301とが交互に複数段積層されてコアを形成しており、チューブ301の一端部には、椀状のタンク形成部(タンク形成用膨出部)302が形成されている。そして、これらタンク形成部302には、通孔302aが貫設されており、タンク形成部302が対向することによってタンク部303を構成するようになっている。
この場合、このタンク部303には、その通孔302aの略中央に、水平方向に向かって延びる架設部304aが形成され、この架設部304aと、この上縁からタンク部303の内側に向けて屈曲された傾斜部304bとによって構成される案内板304が設けられている。また、この案内板304は、通孔302aを形成するために、タンク形成部302に本来打ち抜く部分の一部を残すようにして成形プレートの成形時に一体形成される。
そして、かかる熱交換器300によれば、タンク部303内へ流入した冷媒が、案内板304の傾斜部304bによって、タンク部303とこれに連通するチューブ301の冷媒通路(通路部)との連通部位に向けて流動方向が変更されるため、各チューブ301に冷媒をほぼ均一に分配させることができ、これにより各チューブ301内に供給される冷媒の偏在を極力解消して熱交換効率の向上を図っている。
特開2000−111293号公報(第5頁及び第6頁、第4図など参照)
しかしながら、かかる特許文献1の熱交換器300では、案内板304の傾斜部304bの傾斜角度を大きくし過ぎると、冷媒の通路抵抗が大きくなって圧力損失が大きくなるため、冷媒流量の低下により放熱量(熱交換量)が小さくなってしまう。また、逆に案内板304の傾斜部304bの傾斜角度を小さくし過ぎると、冷媒の流動方向を十分に変更することが困難となり、各チューブ301内に供給される冷媒の偏在を解消し難くしてしまう。
つまり、かかる熱交換器300では冷媒の流動方向を変更するだけで、タンク部303の入口側のチューブ301から奥のチューブ301まで均一に冷媒を供給するのが困難である未だ不十分な問題がある。
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであり、冷媒の液相とガス相とをほぼ均一に複数のチューブに分配して、熱交換効率を格段と向上させることができる蒸発器を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、複数の積層されたチューブと、上記複数のチューブの一端側がそれぞれ挿入されて連通された入口側タンクと、上記複数のチューブの他端側がそれぞれ挿入されて連通された出口側タンクと、上記入口側タンクに接続され当該入口側タンク内に冷媒を供給する冷媒入口パイプと、上記出口側タンクに接続され上記複数のチューブ内を流通した冷媒を外部へ排出する冷媒出口パイプとを備え、上記入口側タンクが上記複数のチューブの下方に配置される蒸発器において、上記入口側タンク内に突き出した上記チューブの端部を挟む上記冷媒の流通方向の上流側と下流側に、該入口側タンクの内面よりチューブ側に向かって突出する冷媒進路変更部を設けたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の蒸発器であって、上記冷媒進路変更部を、上記入口側タンクの上流側半分に相当する部分に複数設けたことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の蒸発器であって、上記冷媒進路変更部は、各チューブに対して上流側と下流側に一対とし、隣り合うチューブの上流側と下流側は共用することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、少なくとも請求項1から請求項3の何れか一つに記載の蒸発器であって、上記入口側タンクの奥側から数本のチューブは、上記入口側タンク内への突き出し量が僅かであることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、複数の積層されたチューブと、上記複数のチューブの一端側がそれぞれ連通された入口側タンクと、上記複数のチューブの他端側がそれぞれ連通された出口側タンクと、上記入口側タンクに接続され当該入口側タンク内に冷媒を供給する冷媒入口パイプと、上記出口側タンクに接続され上記複数のチューブ内を流通した冷媒を外部へ排出する冷媒出口パイプとを備え、上記入口側タンクが上記複数のチューブの下方に配置される蒸発器において、上記入口側タンク内に冷媒進路変更部を上記チューブに応じて複数突設し、これら冷媒進路変更部の突出量を、上記入口側タンクにおける上記冷媒入口パイプ側から上記冷媒の流通方向下流に向かって順次低くしたことを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の蒸発器であって、上記冷媒進路変更部の下方に、上記冷媒の流通方向に向けて貫通する孔を設けたことを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項5または請求項6に記載の蒸発器であって、上記冷媒進路変更部を、上記冷媒の流通方向下流に向かって傾斜させたことを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、入口側タンク内に流入した冷媒のうち、比重の小さいガス相冷媒が上方側を、比重の大きな液相冷媒が下方側を流動する。そして、液相冷媒は、入口側タンク内にチューブ側に向かって突出した冷媒進路変更部に衝突し、この冷媒進路変更部に沿って上方へと進路を変えて跳ね上がり、上方のガス相冷媒に押されて流下する。また、この液相冷媒は入口側タンク上部内壁面に衝突し、チューブに沿って下りチューブ下方の端部に到達する。一方、ガス相冷媒は、チューブ(すなわち、チューブ側面)に衝突した後、このチューブに沿って入口側タンク内を流下し、一部がチューブ内に流入する。このとき、ガス相冷媒はチューブ端部に存在する液相冷媒を巻き込んでチューブ内に流入するため、このチューブ内で液相冷媒とガス相冷媒とが混合された状態になる。
このようにして冷媒進路変更部は、液相冷媒の流動方向を変えて入口側タンクの内壁上部へと移動させ、チューブの入口と液相界面の高さとに高低差があってもチューブ内へと液相冷媒を流入させることができる。
つまり、冷媒進路変更部をチューブの上流側に設けると、該チューブに流入する液相冷媒の液流量が増加し、冷媒進路変更部を下流側に設けると、該チューブに流入するガス相冷媒のガス流量が減少する。従って、チューブを挟んで上流側と下流側の両方に冷媒進路変更部を設ければ、入口側タンク内における冷媒の液流量とガス流量とを均一にして各チューブへと分配することができる。かくして、この蒸発器における熱交換効率を格段と向上させることができる。
請求項2に記載の発明によれば、入口側タンクの上流側半分に相当する部分に冷媒進路変更部を複数設けたので、この冷媒進路変更部による気液混合効果で各チューブに均一に液流入の促進が実現される。
請求項3に記載の発明によれば、隣り合うチューブの上流側と下流側の冷媒進路変更部を共用することで部品点数を減らすことができ、コストの低減を図ることができる。
請求項4に記載の発明によれば、入口側タンクの奥側から数本のチューブの入口側タンクに対する突き出し量を僅かとしたことで、チューブへの蒸気流入の促進を図ることができる。
請求項5に記載の発明によれば、入口側タンク内に流入した冷媒のうち、比重の小さいガス相冷媒が上方側を、比重の大きな液相冷媒が下方側を流動する。そして、液相冷媒は突出した冷媒進路変更部に衝突し、この冷媒進路変更部に沿って上方へと進路を変えて跳ね上がり、上方のガス相冷媒に押されて流下する。また、この液相冷媒は入口側タンク上部内壁面に衝突し、チューブに沿って下りチューブ下方に到達する。一方、ガス相冷媒は、チューブ(すなわち、チューブ側面)に衝突した後、このチューブに沿って流下し、一部がチューブ内に流入する。このとき、ガス相冷媒はチューブ端部に存在する液相冷媒を巻き込んでチューブ内に流入するため、このチューブ内で液相冷媒とガス相冷媒とが混合された状態になる。
このようにして冷媒進路変更部は、液相冷媒の流動方向を変えて入口側タンクの内壁上部へと移動させ、チューブの入口と液相界面の高さとに高低差があってもチューブ内へと液相冷媒を流入させることができる。
つまり、冷媒進路変更部によって、入口側タンクの冷媒入口パイプ側における液相冷媒の液量を増加させ、当該冷媒入口パイプ側にて液相冷媒が減少していた不具合を回避することができ、入口側タンク内における冷媒の液流量とガス流量とを均一にして各チューブへと分配することができる。かくして、この蒸発器における熱交換効率を格段と向上させることができる。
しかも、この場合、冷媒進路変更部が入口側タンクの冷媒入口パイプ側から冷媒の流通方向下流側に向けて、順次突出量を小さくしていることにより、この冷媒進路変更部を全てのチューブに対応させて設けた場合に比較して、この入口側タンク内における冷媒の通路抵抗を低くすることができ、この蒸発器に接続されるコンプレッサーへの負荷も減少させることが可能となるため、燃費の向上も図ることができる。
請求項6に記載の発明によれば、冷媒進路変更部の下方に、上記冷媒の流通方向に向けて貫通する孔を設けたことにより、液相冷媒の一部が当該孔を介して流下するため、液相冷媒の流量を確保し、冷媒流通方向における下流側のチューブに対して確実に液相冷媒を送給することができるため、各チューブへの液相冷媒分配の均一化を図ることができる。
請求項7に記載の発明によれば、冷媒進路変更部を、冷媒の流通方向下流に向かって傾斜させたことにより、入口側タンクに流入した冷媒の内の液相冷媒の跳ね上げを強くすることができ、この冷媒の流通方向下流側に配置されるチューブへ液相冷媒を積極的に送給することができるため、各チューブへ分配する液相冷媒量の均一化を図ることができる。
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本実施の形態は、本発明の蒸発器を、自動車用空気調和装置の蒸発器に適用した例である。
〔第1の実施の形態〕
図1(B)は本発明による第1の実施の形態における蒸発器の概略構成を示す断面図であり、蒸発器1は、積層された複数のチューブ2と、このチューブ2間に配置された図示省略する複数のアウターフィンと、複数のチューブ2の下方端部2aが挿入されることによって接続された入口側タンク3と、当該入口側タンク3に接続された冷媒入口パイプ4と、出口側タンクに接続された冷媒出口パイプ(何れも図示を省略する)とを備えている。
かかる構成に加えて、本実施の形態の場合、上記入口側タンク3内に突き出した上記複数のチューブ2の端部2aを挟む上記冷媒の流通方向の上流側と下流側に、該入口側タンク3の内面よりチューブ2側に向かって突出する冷媒進路変更部としての突出部5が設けられている。この突出部5は、入口側タンク3の下半分の形状に応じた半円弧形状をなす壁として形成されている。
また、突出部5は、入口側タンク3の上流側半分に相当する部分(入口側タンク3の略半分の長さに相当する上流側部分)に設けられている。また、この突出部5は、各チューブ2に対して上流側と下流側に一対とし、隣り合うチューブ2の上流側と下流側は共用されている。さらに、この実施の形態では、入口側タンク3の奥側から数本のチューブ2は、上記入口側タンク3内への突き出し量が僅かとされている。
次に、この蒸発器1における冷媒の流れについて説明する(図1のA部参照)。まず、入口側タンク3内に流入した冷媒のうち、比重の小さいガス相冷媒がこの入口側タンク3内の上方側を流動し、比重の大きな液相冷媒が下方側を流動する。そして、液相冷媒は突出した突出部5に衝突し、この突出部5に沿って上方へと進路を変えて跳ね上がり、上方のガス相冷媒に押されて流下する。また、この液相冷媒は入口側タンク3の上部内壁面に衝突し、チューブ2に沿って下りチューブ2下方の端部2aに到達する。
一方、ガス相冷媒は、チューブ2(すなわち、チューブ2の側面)に衝突した後、このチューブ2に沿って入口側タンク3内を流下し、その一部がチューブ2内に流入する。このとき、ガス相冷媒はチューブ2の端部2aに存在する液相冷媒を巻き込んでチューブ2内に流入するため、このチューブ2内で液相冷媒とガス相冷媒とが混合された状態になる。
このようにして、突出部5は液相冷媒の流動方向を変え、この液相冷媒を入口側タンク3の内壁上部へと移動させるため、チューブ2の入口と液相界面の高さとに高低差がある場合においても、液相冷媒をチューブ2内へと流入させることができる。
つまり、突出部5をチューブ2の上流側に設けると、該チューブ2に流入する液相冷媒の液流量が増加し、突出部5をチューブ2の下流側に設けると、該チューブ2に流入するガス相冷媒のガス流量が減少する。従って、チューブ2を挟んで上流側および下流側の両方に突出部5を設ければ、入口側タンク3内における冷媒の液流量とガス流量とを均一にして各チューブ2へと均等に分配することができる。
以上、説明したように、この蒸発器1では、チューブ2を挟んで上流側と下流側に突出部5をそれぞれ設けたので、入口側タンク3内における冷媒の液流量とガス流量とを均一にして各チューブ2へと均等に分配することができる。かくして、この蒸発器1における熱交換効率を格段と向上させることができる。
また、この蒸発器1では、入口側タンク3の上流側半分に相当する部分に突出部5を複数設けたので、これら突出部5による気液混合効果で各チューブ2に均一に液流入の促進が実現される。
また、この蒸発器1では、隣り合うチューブ2の上流側と下流側の突出部5をを共用することで部品点数を減らすことができ、コストの低減を図ることができる。
さらに、この蒸発器1では、入口側タンク3の奥側から数本のチューブ2の入口側タンク3に対する突き出し量を僅かとしたことで、チューブ2への蒸気流入の促進を図ることができる。
〔第2の実施の形態〕
図2および図3は本発明による第2の実施の形態における蒸発器の概略構成を示す図であり、図2は本実施の形態における蒸発器の概略構成を示す断面図、図3は図2における蒸発器の一部を拡大して示す要部斜視図である。
図2に示すように、蒸発器10は、積層された複数のチューブ11と、これらチューブ11、11間に配置された複数のアウターフィン12と、複数のチューブ11の下端側に配置され当該チューブ11と連通する入口側タンク13と、複数のチューブ11の上端側に配置され当該チューブ11と連通する出口側タンク14と、入口側タンク13に接続された冷媒入口パイプ15と、出口側タンク14に接続された冷媒出口パイプ16とを備えている。
各チューブ11は、図3に示すように、下方に入口側タンク形成部13aが、上方に出口側タンク形成部14aが、それぞれ膨出形成されており、このチューブ11が一対ずつ複数連結することによって入口側タンク13および出口側タンク14を形成するようになっている。
また、チューブ11は、これら入口側タンク形成部13aと出口側タンク形成部14aとの間に、図示しないインナーフィンが配置されるストレート状の冷媒通路18を有しており、この冷媒通路18は下端側で入口側タンク13と、上端側で出口側タンク14に連通している。
この実施の形態の場合、チューブ11の入口側タンク形成部13aには、冷媒進路変更部としての突出部17が形成されており、その上方に冷媒を流通するための流路孔19が穿設されている。特に、この場合、突出部17は、冷媒入口パイプ15側が入口側タンク13の内径の略半分を占める高さで形成され、冷媒の流通方向下流側に向かって、順次その高さ(突出量)が低く(小さく)なるように設定されている。これにより、全てのチューブ11に突出部17を設ける場合に比較して、入口側タンク13における冷媒の流通抵抗が抑えられ、蒸発器10に接続されるコンプレッサー(図示しない)の負荷を減らすことが可能となることによって燃費向上を図ることができる。
次に、この蒸発器10における冷媒流れを説明する。冷媒は、冷媒入口パイプ15から入口側タンク13内に流入し、そのうちの比重の小さいガス相冷媒が上方側を、比重の大きな液相冷媒が下方側を流動する。そして、液相冷媒は突出部17に衝突し、この突出部17に沿って上方へと進路を変えて跳ね上がり、上方のガス相冷媒に押されて流下する。また、この液相冷媒は入口側タンク13の上部内壁面に衝突し、チューブ11に沿って下りチューブ11下方に到達する。
一方、ガス相冷媒は、チューブ11(すなわち、チューブ11の側面)に衝突した後、このチューブ11に沿って入口側タンク13内を流下し、その一部がチューブ11内に流入する。このとき、ガス相冷媒はチューブ11端部に存在する液相冷媒を巻き込んでチューブ11内に流入するため、このチューブ11内で液相冷媒とガス相冷媒とが混合された状態になる。
このようにして、突出部17は液相冷媒の流動方向を変え、この液相冷媒を入口側タンク13の内壁上部へと移動させるため、チューブ11の入口と液相界面の高さとに高低差がある場合においても、液相冷媒をチューブ11内へと流入させることができる。
従って、突出部17によって、入口側タンク13の冷媒入口パイプ15側における液相冷媒の液量を増加させ、当該冷媒入口パイプ15側にて液相冷媒が減少していた不具合を解消することができ、入口側タンク13内における冷媒の液流量とガス流量とを均一にして各チューブ11へと分配することができる。
以上、説明したように、この蒸発器10では、チューブ11の入口側タンク形成部13aに突出部17を設けるようにしたことにより、入口側タンク13の冷媒入口パイプ15側における液相冷媒の液量を増加させ、当該冷媒入口パイプ15側にて液相冷媒が減少していた不具合を回避することができるため、入口側タンク13内における冷媒の液流量とガス流量とを均一にして各チューブ11へと均等に分配することができる。かくして、この蒸発器10における熱交換効率を格段と向上させることができる。
〔第3の実施の形態〕
図4および図5は本発明による第3の実施の形態における蒸発器の概略構成を示す図であり、図4は本実施の形態における蒸発器の概略構成を示す断面図、図5は図4における蒸発器の一部を拡大して示す要部斜視図である。
図2との対応部分に同一符号を付した図4および、図3との対応部分に同一符号を付した図5に示すように、蒸発器20は、チューブ11の入口側タンク形成部13aに設けられた突出部17下方に、冷媒の流通方向に向けて貫通する孔21が穿設されている点を除いて、上述した蒸発器10とほぼ同様に構成されている。従って、ここでは前記蒸発器10の構成と重複する部分においては、その説明を省略する。
このように、かかる蒸発器20では、チューブ11の入口側タンク形成部13aにおける突出部17下方に、冷媒の流通方向に向けて貫通する孔21を穿設したことにより、液相冷媒の一部が当該孔21を介して流下するため、液相冷媒の流量を確保することができる。従って、冷媒流通方向における下流側のチューブ11に対して確実に液相冷媒を送給することができるため、各チューブ11への液相冷媒分配の均一化を図ることができる。
以上、説明したように、この蒸発器20では、チューブ11の入口側タンク形成部13aに突出部17を設けるようにしたことにより、入口側タンク13の冷媒入口パイプ15側における液相冷媒の液量を増加させ、入口側タンク13内における冷媒の液流量とガス流量とを均一にして各チューブ11へと均等に分配することができることに加えて、この突出部17下方に、冷媒の流通方向に向けて貫通する孔21を穿設したことにより、液相冷媒の一部を当該孔21を介して流下させることが可能となるため、液相冷媒の流量を確保することができる。
従って、冷媒流通方向における下流側のチューブ11に対して確実に液相冷媒を送給することができるため、各チューブ11への液相冷媒分配の均一化を図ることができ、かくして、この蒸発器20における熱交換効率を確実に向上させることができる。
〔第4の実施の形態〕
図6は本発明による第4の実施の形態における蒸発器の概略構成を示す断面図である。
図2との対応部分に同一符号を付した図6に示すように、蒸発器30は、チューブ11の入口側タンク形成部13aに設けられた突出部17が冷媒の流通方向下流に向かって傾斜している点を除いて、上述した蒸発器10とほぼ同様に構成されている。従って、ここでは前記蒸発器10の構成と重複する部分においては、その説明を省略する。
このように、かかる蒸発器30では、チューブ11の入口側タンク形成部13aに設けられた突出部17を、冷媒の流通方向下流に向かって傾斜させたことにより、入口側タンク13に流入した冷媒の内の液相冷媒の跳ね上げをより一層強くすることができる。
以上、説明したように、この蒸発器30では、チューブ11の入口側タンク形成部13aに突出部17を設けるようにしたことにより、入口側タンク13の冷媒入口パイプ15側における液相冷媒の液量を増加させ、入口側タンク13内における冷媒の液流量とガス流量とを均一にして各チューブ11へと分配することができることに加えて、チューブ11の入口側タンク形成部13aに設けられた突出部17を、冷媒の流通方向下流に向かって傾斜させたことにより、入口側タンク13に流入した冷媒の内の液相冷媒の跳ね上げをより一層強くすることができる。
従って、この冷媒の流通方向下流側に配置されるチューブ11へ液相冷媒を積極的に送給することができるため、各チューブ11へ分配する液相冷媒量のより一層の均一化を図ることができる。
以上、本発明を適用した具体的な実施の形態について説明したが、本発明は、上述の実施の形態に制限されることなく種々の変更が可能である。
例えば、上述した第2および第4の実施の形態では、蒸発器10、30において、図2、6に示したように、入口側タンク13をチューブ11の下方側に、出口側タンク14をチューブ11の上方側に配置するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、入口側タンクをチューブの上方側に、出口側タンクをチューブの下方側に配置するようにしてもよい。
この場合、入口側タンクの冷媒入口パイプ側におけるガス相冷媒の液量を増加させ、当該冷媒入口パイプ近傍のチューブにてガス相冷媒が減少していた不具合を解消することができる利点を得ることができる。従って、上述した第2および第4の実施の形態における蒸発器10、30と同様に、入口側タンク内における冷媒の液流量とガス流量とを均一にして各チューブへと分配することができ、かくして、熱交換効率を格段と向上させ得る蒸発器を実現することができる。
また、上述した各実施の形態では、各チューブ2、2間または11、11間にアウターフィン12(第1の実施の形態では図示せず)が配設される蒸発器1、10、20、30について述べたが、本発明はこれに限らず、蒸発器としては、例えば、前記アウターフィン12を設けない蒸発器においても広く適用することができる。なお、この場合においても、上述の蒸発器1、10、20、30とほぼ同様の効果を得ることができる。さらに、チューブにおける入口側タンクとの接続部位と、出口側タンクとの接続部位との間にインナーフィンを設けるようにした蒸発器においても同様である。
本発明による第1の実施の形態における蒸発器の概略構成を示す断面図である。 本発明による第2の実施の形態における蒸発器の概略構成を示す断面図である。 図2における蒸発器の一部を拡大して示す要部斜視図である。 本発明による第3の実施の形態における蒸発器の概略構成を示す断面図である。 図4における蒸発器の一部を拡大して示す要部斜視図である。 本発明による第4の実施の形態における蒸発器の概略構成を示す断面図である。 従来の蒸発器の概略構成を示す斜視図である。 従来の蒸発器における冷媒流れを示す概念図である。 従来の他の蒸発器における概略構成を示す断面図である。 従来の他の蒸発器における概略構成を示す断面図である。
符号の説明
1、10、20、30…蒸発器
2、11…チューブ
2a…端部
3、13…入口側タンク
4、15…冷媒入口パイプ
5、17…突出部(冷媒進路変更部)
12…アウターフィン
14…出口側タンク
16…冷媒出口パイプ
18…冷媒通路
19…流路孔
21…孔

Claims (7)

  1. 複数の積層されたチューブ(2)と、上記複数のチューブ(2)の一端側がそれぞれ挿入されて連通された入口側タンク(3)と、上記複数のチューブ(2)の他端側がそれぞれ挿入されて連通された出口側タンクと、上記入口側タンク(3)に接続され当該入口側タンク(3)内に冷媒を供給する冷媒入口パイプ(4)と、上記出口側タンクに接続され上記複数のチューブ(2)内を流通した冷媒を外部へ排出する冷媒出口パイプとを備え、上記入口側タンク(3)が上記複数のチューブ(2)の下方に配置される蒸発器(1)において、
    上記入口側タンク(3)内に突き出した上記チューブ(2)の端部(2a)を挟む上記冷媒の流通方向の上流側と下流側に、該入口側タンク(3)の内面よりチューブ(2)側に向かって突出する冷媒進路変更部(5)を設けた
    ことを特徴とする蒸発器。
  2. 請求項1に記載の蒸発器(10)であって、
    上記冷媒進路変更部(5)を、上記入口側タンク(3)の上流側半分に相当する部分に複数設けた
    ことを特徴とする蒸発器。
  3. 請求項1または請求項2に記載の蒸発器(10)であって、
    上記冷媒進路変更部(5)は、各チューブ(2)に対して上流側と下流側に一対とし、隣り合うチューブ(2)の上流側と下流側は共用する
    ことを特徴とする蒸発器。
  4. 少なくとも請求項1から請求項3の何れか一つに記載の蒸発器(10)であって、
    上記入口側タンク(3)の奥側から数本のチューブ(2)は、上記入口側タンク(3)内への突き出し量が僅かである
    ことを特徴とする蒸発器。
  5. 複数の積層されたチューブ(11)と、上記複数のチューブ(11)の一端側がそれぞれ連通された入口側タンク(13)と、上記複数のチューブ(11)の他端側がそれぞれ連通された出口側タンク(14)と、上記入口側タンク(13)に接続され当該入口側タンク(13)内に冷媒を供給する冷媒入口パイプ(15)と、上記出口側タンク(14)に接続され上記複数のチューブ(11)内を流通した冷媒を外部へ排出する冷媒出口パイプ(16)とを備え、上記入口側タンク(13)が上記複数のチューブ(11)の下方に配置される蒸発器(10)において、
    上記入口側タンク(13)内に冷媒進路変更部(17)を上記チューブ(11)に応じて複数突設し、これら冷媒進路変更部(17)の突出量を、上記入口側タンク(13)における上記冷媒入口パイプ(15)側から上記冷媒の流通方向下流に向かって順次低くした
    ことを特徴とする蒸発器。
  6. 請求項5に記載の蒸発器(10)であって、
    上記冷媒進路変更部(17)の下方に、上記冷媒の流通方向に向けて貫通する孔(21)を設けた
    ことを特徴とする蒸発器。
  7. 請求項5または請求項6に記載の蒸発器(10)であって、
    上記冷媒進路変更部(17)を、上記冷媒の流通方向下流に向かって傾斜させた
    ことを特徴とする蒸発器。
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