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JP2005229779A - 積層ワーク転積装置 - Google Patents

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JP2005229779A JP2004038759A JP2004038759A JP2005229779A JP 2005229779 A JP2005229779 A JP 2005229779A JP 2004038759 A JP2004038759 A JP 2004038759A JP 2004038759 A JP2004038759 A JP 2004038759A JP 2005229779 A JP2005229779 A JP 2005229779A
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雅弘 山田
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Abstract

【課題】板状のワークを所定枚数毎に位相を異ならせた状態にして積層するための装置構成を、その装置コストの上昇抑制および装置全体のコンパクト化を図って実現することができる積層ワーク転積装置を提供する。
【解決手段】アーム状プレート69の上面側の回転テーブル上に積層治具を支持した移動ユニット46が昇降移動する途中、固定ユニット117のカム機構部124に移動ユニット46側のカムローラ85がカム係合作動することにより、シャフト81が水平方向へ変位動作する。そのシャフト81の変位動作により段付き筒部材104のピニオン106とラック107が噛み合う関係にあるスライド板108が水平移動するため、段付き筒部材104と共に回転テーブルが積層治具を支持した状態で水平回転し、積層治具上には層板が転積される。
【選択図】 図21

Description

本発明は、例えばモータ用積層コアの単層となる層板のように板状のワークを所定の積層治具上に芯合わせ及び回転位置合わせした状態で順次積層する際に、当該積層治具を、前記ワークの中心を通る垂直軸線を回転中心にして水平回転させる積層ワーク転積装置に関するものである。
一般に、ロータコアやステータコア等のモータ用積層コアは、所定の形状に打ち抜き成形された板状をなす多数枚(例えば300枚)の層板(ワーク)が積層固定されることによって一体化される。前記層板は、例えば特許文献1に記載されるように、薄板状の金属材料が順送りプレス加工装置に並設された複数の加工ユニット間を上流側から下流側へ間欠的に順送りされる際に、各加工ユニットで所定箇所が順次打ち抜きされることにより、ロータコア用の層板又はステータコア用の層板として打ち抜き成形される。即ち、順送りプレス加工装置の各加工ユニットには、上型(可動型)と下型(固定型)が上下方向への相対移動可能に設けられており、上型及び下型には雌雄関係を有するパンチとダイが相互の中心軸線を一致させた状態で取付固定されている。そして、各加工ユニットのうち上流側の加工ユニットで製品形状に不要な端材等が打ち抜きされた後、その加工ユニットよりも下流側に位置する所定の加工ユニット(例えば最下流側の加工ユニット)で製品形状をなす層板(ステータコア用の層板等)が金属材料から最終的に打ち抜き成形されて所定の積層治具上に順次積層されるようになっている。
ところで、前記各層板は、順次打ち抜き成形されて積層される際に、前記積層治具上で各層板相互の芯合わせ及び回転位置合わせが行われると共に、各層板が所定枚数毎に位相を異ならせた状態となるように積層(所謂、転積)される。即ち、順次積層される各層板を転積することにより、仮に周辺部と中央部で厚みが異なる金属材料から各層板が打ち抜き成形された場合でも、積層状態とされた各層板の厚みが平均化されるようにしている。そのため、前記各層板を最終打ち抜きする加工ユニットには、例えば特許文献2に記載されるような転積機構(積層ワーク転積装置)が従来から配置されている。因みに、特許文献2が開示する転積機構では、各層板が積層されるブランクダイ(積層治具)の軸部分にスプロケットを設け、このスプロケットをモータに連結されたチェーンにより所定ピッチ(例えば30度)毎に回転させることで、各層板を所定枚数毎に位相を異ならせた積層状態に転積するようにしている。
特開平10−4656号公報(段落番号[0022],図1) 特開平5−38105号公報(段落番号[0013],図8)
ところが、特許文献2が開示する転積機構(積層ワーク転積装置)では、各層板を転積するための装置構成として、ブランクダイ(積層治具)を所定ピッチで回転させるためだけに使用される専用駆動源(モータ)が必要になっていた。また、そのモータとブランクダイ側のスプロケットとの間を動力伝達可能に連結するチェーンの巻掛スペースを転積機構の周りに確保することも必要であった。そのため、転積のためだけに使用される専用駆動源(モータ)を付設する分だけ装置コストが上昇すると共に、チェーンの巻掛スペースを確保する分だけ装置全体のコンパクト化を実現できないという問題があった。
なお、前記専用駆動源としてモータの代わりに流体圧シリンダを使用し、そのシリンダロッドの先端部にラックを形成する一方、ブランクダイ側には前記ラックと噛み合うピニオンを設け、流体圧シリンダの伸縮動作に基づきブランクダイを回転させる構成とすることも考えられる。しかし、この場合でも、転積のためだけに使用される専用駆動源(流体圧シリンダ)が必要となることに代わりはなく、流体圧シリンダへ流体を供給するための配管スペース等も同様に必要とされるものであった。従って、この場合も、装置コストが上昇すること、及び装置全体のコンパクト化を実現できないという問題は同様に解消できないものであった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、板状のワークを所定枚数毎に位相を異ならせた状態にして積層するための装置構成を、その装置コストの上昇抑制および装置全体のコンパクト化を図って実現できる積層ワーク転積装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、板状のワークを所定の積層治具上に芯合わせ及び回転位置合わせした状態で順次積層する際に、当該積層治具を、前記ワークの中心を通る垂直軸線を回転中心にして水平回転させる積層ワーク転積装置において、前記ワークの積層方向に沿った垂直方向への移動可能に設けられ、且つ前記積層治具を支持した状態において前記垂直軸線を回転中心にして水平回転可能な回転体が設けられた移動ユニットと、前記移動ユニットの移動経路上の途中に設けられる固定ユニットとを備え、前記移動ユニット及び固定ユニットのうち、一方のユニットにはカム部材を設けると共に、他方のユニットには前記移動ユニットが上昇方向及び下降方向のうち予め設定された何れか一方の特定方向へ昇降移動する途中において前記カム部材とカム係合作動するカム機構部を設け、更に、前記カム部材及びカム機構部のうち、何れか一方には前記カム部材とカム機構部とのカム係合作動に基づき所定方向へ変位動作する変位部材を設け、当該変位部材の変位動作に基づき生成される駆動力により前記回転体を一定方向へ一定角度だけ水平回転させるようにしたことを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の積層ワーク転積装置において、前記移動ユニットに前記カム部材を一部に有した変位部材が設けられる一方、前記固定ユニットに前記カム機構部が設けられたことを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の積層ワーク転積装置において、前記カム機構部には垂直平面上において斜め方向へ延びる斜行ガイド部が設けられており、当該斜行ガイド部により前記カム部材は移動ユニットが前記特定方向へ移動する途中において前記変位部材と共に垂直方向から斜行する方向へ係合案内されることを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の積層ワーク転積装置において、前記カム機構部には、前記カム部材を垂直方向に沿って係合案内可能な垂直ガイド部と、当該垂直ガイド部に対して所定の上下二位置において合流するようにバイパス形成された略弓形状をなすバイパスガイド部とが設けられており、当該バイパスガイド部の一部により前記斜行ガイド部が構成されると共に、前記垂直ガイド部に対してバイパスガイド部が合流する前記上下二位置のうち何れか一方の位置には、前記カム部材に対する係合案内方向を垂直ガイド部に沿う方向又はバイパスガイド部に沿う方向へ切換えるためのガイド切換え部が設けられており、当該ガイド切換え部は、前記移動ユニットが前記特定方向へ昇降移動する際には前記カム部材を前記バイパスガイド部に沿う方向へとガイドすることを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の積層ワーク転積装置において、前記ガイド切換え部は、前記垂直ガイド部に沿って前記特定方向へ移動しようとするカム部材を常には前記バイパスガイド部に沿う方向へガイドする姿勢態様に付勢保持された揺動部材にて構成されており、前記カム部材は前記垂直ガイド部に沿って前記特定方向と反対の方向へ移動する際には前記揺動部材を付勢力に抗して押しのけるように揺動させる構成とされていることを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、請求項2〜請求項5のうち何れか一項に記載の積層ワーク転積装置において、前記移動ユニットには、前記回転体に一体化されたロック部に係合して回転体の水平回転を規制する回転規制位置と、前記ロック部とは非係合状態となって前記回転体の水平回転を許容する回転許容位置との間で変位可能な回転ロック部材が設けられており、前記変位部材は前記回転体を水平回転させるために変位動作する際に前記回転ロック部材を回転規制位置から回転許容位置へと変位させることを特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の積層ワーク転積装置において、前記ロック部は前記回転体と一体回転する筒部の外周面に周方向へ一定角度ずつ位相を異ならせて複数箇所形成されており、前記回転ロック部材は前記ロック部に対する係合部位が前記筒部の外周面に当接する方向へ常に付勢されていることを特徴とする。
本発明によれば、板状のワークを所定枚数毎に位相を異ならせた状態にして積層するための装置構成を、その装置コストの上昇抑制および装置全体のコンパクト化を図って実現することができる。
以下、本発明をモータ用積層コアの単層となる層板を打ち抜くための順送りプレス加工装置において具体化した一実施形態を図1〜図24に基づいて説明する。
まず、本実施形態の順送りプレス加工装置11の全体的な概略構成について説明する。
図1〜図3に示すように、前記順送りプレス加工装置11には、ベースプレート12上に複数(本実施形態では4つ)の加工ユニット13A,13B,13C,13Dが所定方向(図1,図2では左右方向)へ連続するように並設されている。各加工ユニット13A〜13Dは基本的に略同一構成をなしており、各加工ユニット13A〜13D毎に、各ダイ(打ち抜き用雌型)14A〜14Dがベースプレート12上に取付固定されると共に、各パンチ(打ち抜き用雄型)15A〜15Dが上下動する各ラム16A〜16Dに支持された各パンチホルダ17A〜17Dに各々取付固定されている。
前記順送りプレス加工装置11の稼働時には、長尺で薄板形状の金属材料18が前記各ダイ14(14A〜14D)と各パンチ15(15A〜15D)との間に配置され、前記各加工ユニット13A〜13D間を上流側から下流側(図1,図2では左側から右側)へ間欠的に順送りされるようになっている。そして、各加工ユニット13A〜13Dで前記各ダイ14(14A〜14D)と各パンチ15(15A〜15D)とにより所定のプレス加工が行われるようになっている。即ち、本実施形態の場合、上流側から一番目と三番目の加工ユニット13A,13Cでは製品形状に不要な端材が打ち抜きされ、二番目と四番目の加工ユニット13B,13Dでは製品形状をなす層板が打ち抜きされるようになっている。因みに、二番目の加工ユニット13Bではロータコア用の層板(図示略)が板状のワークとして打ち抜き成形され、四番目の加工ユニット13Dでステータコア用の層板(図4(a)に二点鎖線で示す)19が板状のワークとして打ち抜き成形される。なお、図4(a)に示すように、層板19の外縁部からは耳部19aが周方向において等間隔(120度ずつ位相を異ならせた角度間隔)となる3箇所において形成されている。
前記二番目の加工ユニット13Bと四番目の加工ユニット13Dの各下方位置には、搬送経路となる一対のレール20A,20Bが水平方向へ線状に延びるように形成された搬送体位置交換システム21A,21Bが設けられている。図2に示すように、加工ユニット13Bの下方に設けられた搬送体位置交換システム21Aのレール20A上には、前記ロータコア用の層板を積層可能な積層治具(搬送体)22Aが載置されている。また、加工ユニット13Dの下方に設けられた搬送体位置交換システム21Bのレール20B上には、前記ステータコア用の層板19を積層可能な積層治具(搬送体)22Bが載置されている。そして、図1及び図3に示すように、前記各レール20A,20Bに沿って各積層治具22A,22Bが順次に移動配置されることになる初期位置P1と待機位置P2及び作業位置P3が設定されている。本実施形態では、図3に示すように、前記各位置P1〜P3の合計設定数(本実施形態では3つ)よりも1つ少ない数(2つ)の積層治具22B(22A)が前記レール20B(20A)上に往復移動可能に載置される。
図2,図3に示すように、前記レール20A,20Bの側方で前記作業位置P3と対応する位置には、前記積層治具22A,22Bを前記レール20A,20B上の作業位置P3と加工ユニット13B,13D直下の積層位置(後述する図21に示す位置)P4との間で上下移動させるための治具昇降装置23A,23Bが設けられている。また、前記積層治具22Bが往復移動するように載置されるレール20Bの初期位置P1と対応する位置には、前記積層治具22B上に積層されたステータコア用の層板(ワーク)19を積層方向に加圧するための積層ワーク加圧装置24が設けられている。そして、この積層ワーク加圧装置24には、当該積層ワーク加圧装置24により加圧された各層板19を溶接するための溶接装置25が付設されている。
従って、上記した概略構成をなす本実施形態の順送りプレス加工装置11では、レール20A,20B上を往復移動可能とされた各々2つの積層治具22A,22Bが搬送体位置交換システム21A,21Bにより相互位置を交換させられながら初期位置P1から待機位置P2及び作業位置P3を経由して再び初期位置P1へと移動させられる。そして、各積層治具22A,22Bのうち作業位置P3に移動配置された積層治具22A,22Bが、治具昇降装置23A,23Bにて前記積層位置P4まで上昇させられ、当該積層治具22A,22B上に前記加工ユニット13B,13Dで打ち抜き成形されたロータコア用の層板及びステータコア用の層板19が順次積層される。その後、ロータコア用の層板を積層した積層治具22Aについては、再び初期位置P1まで搬送体位置交換システム21Aにより移送され、その位置で当該積層治具22A上からロータコア用の層板が積層状態のままで回収される。一方、ステータコア用の層板19を積層した積層治具22Bの場合は、再び初期位置P1まで搬送体位置交換システム21Bにより移送された後、その位置で積層ワーク加圧装置24により積層状態の各層板19が加圧されると共に、溶接装置25により各層板19が一体化するように溶接される。
そこで次に、前記ステータコア用の層板19を積層する積層治具22Bについて詳細に説明する。そして、以下順次、前記積層治具22Bを位置交換させながら往復移動させる搬送体位置交換システム21B、前記積層治具22Bを前記作業位置P3で上下移動させる治具昇降装置23B、及び前記積層治具22B上の各層板19を前記初期位置(兼、加圧位置)P1で加圧する積層ワーク加圧装置24について、それぞれ具体的に説明する。なお、前記もう一方の積層治具22Aをレール20A上で位置交換させる搬送体位置交換システム21A、及び前記積層治具22Aを作業位置P3で上下移動させる治具昇降装置23Aについては、前記搬送体位置交換システム21B及び治具昇降装置23Bと略同一構成であるため、それらの詳細説明は省略する。但し、以下で具体的に説明する搬送体位置交換システム21B及び治具昇降装置23Bとの区別記載が必要となる場合には、その搬送体位置交換システム21B側及び治具昇降装置23B側の部材構成(符号「B」を付して表記)と相対応する部材構成に符号「A」を付すことにより明細書中及び図面上での識別表記を行うものとする。
さて、前記積層治具22Bは、図4(a)(b)に示すように、下端部に円板部26を備えており、円板部26上には円板部26と同軸配置となる平面視円形状の台座部27が形成されている。台座部27上には前記層板19が積層される際に当該層板19の内郭形状を規定する内縁部に水平方向で当接係合することにより各層板19を芯合わせする円柱部28が円板部26及び台座部27と同軸配置となるように立設されている。また、円板部26上には台座部27を包囲する複数箇所(本実施形態では3箇所)に前記層板19が積層される際に当該層板19の耳部19aに形成されたボルト挿通孔の孔縁部に水平方向で当接係合することにより各層板19を回転位置合わせする位置決めロッド29が立設されている。また、各位置決めロッド29の両側位置には各層板19の外郭形状を規定する外縁部及び前記耳部19aの両側縁に水平方向で当接係合することにより同じく前記層板19を芯合わせ及び回転位置合わせする位置決めブロック30が立設されている。
また、円板部26の上面における複数箇所(本実施形態では3箇所)には上方へ向けて突起31が台座部27の上面と略同一高さ付近まで立設されている。前記各突起31は、積層治具22Bが治具昇降装置23Bにより加工ユニット13D直下の積層位置P4まで上昇移動した際に、ストッパとして機能するベースプレート12の下面に対応形成されたストッパ穴32(図2参照)に嵌合する構成とされている。また、前記円板部26の下面側には、前記レール20B上に積層治具22Bが載置された際においてレール20Bの外側となる縁部の位置に、被係止部として機能する係止板33が垂直下方へ向けて形成されている。係止板33の下面には、図3に示すように、前記積層治具22Bをレール20B上に載置した場合において、前記待機位置P2の方向から前記初期位置P1の方向に向けて次第に斜め下方へと連なるテーパ状の倣いガイド部33aが形成されている。また、図4(b)に示すように、積層治具22Bの円板部26の下面には当該積層治具22Bの軸心を中心として180度反対となる二位置に係合穴34が形成されている。
前記円柱部28には略リング形状をなす層板支持部材35が円柱部28の軸方向へ摺動可能に嵌合支持されている。層板支持部材35の内周面部には円柱部28の外周面に一定の摩擦力でもって接触するリング形状のオイルシール(例えば、Oリング)36が設けられており、このオイルシール36の摩擦係合力に基づいて層板支持部材35は円柱部28に対し所定高さ位置で保持されるようになっている。そして、前記加工ユニット13Dで打ち抜き成型された層板19が前記積層位置P4において層板支持部材35上に積層される際には、層板19一枚分の厚さに相当する距離ずつ層板支持部材35がパンチ15Dの押し込みストロークによって下方へ摺動するようになっている。また、図4(a)に示すように、層板支持部材35の外周面の複数箇所(本実施形態では3箇所)には、層板支持部材35上に積層された後に溶接にて一体化された層板19を積層治具22B上から回収するために層板支持部材35を円柱部28の下部から上部まで引き上げる際に、引っ掛け用治具を係止させる引っ掛け穴37が形成されている。
また、図4(a)(b)に示すように、積層治具22Bの軸心部には、前記円板部26と台座部27及び円柱部28を貫通するように軸心方向へ延びる連結ロッド(連結部材)38が上下方向への往復移動自在に挿通支持されている。連結ロッド38の上面には、略太鼓形状をなす開口部39が形成されると共に、当該開口部39から下方へ連続するように連結ロッド38内には前記開口部39の相対向する両円弧状内縁間における最長開口径を直径とする円穴40が形成されている。そして、本実施形態では、前記開口部39の内縁部のうち円穴40の上方に庇状に張り出した庇状縁部39aにより第1連結部が構成されている。一方、連結ロッド38の下端部には側断面T字状をなす円形フランジ部41が第2連結部として形成されている。そして、連結ロッド38は、円柱部28の上端に固定されたリング形状の止めブロック42により上方への抜け出し規制がされた状態で、台座部27の内周面に形成された段部27aと当該段部27aに対向するように連結ロッド38の外周面に形成された段部38aとの間に介在するコイルスプリング43により常には上方へ向けて付勢されている。
次に、前記搬送体位置交換システム21Bについて説明する。
図5及び図6に示すように、前記搬送体位置交換システム21Bは、台座ブラケット44上に水平方向へ線状に延びるように設けられたレール(搬送経路)20Bを有しており、レール20Bには当該レール20Bの長手方向に沿って多数のコロ45が自由回転可能に支持されている。前記レール20Bを構成する左右レール体のうち治具昇降装置23Bが設けられた側のレール体(図5,図6では右側のレール体)は、前記作業位置P3と初期位置P1の箇所で一定距離だけレール構成が分断されている。そして、前記作業位置P3における分断箇所を通過して治具昇降装置23Bの移動ユニット46が積層治具22Bを支持して上下方向へ移動する一方、初期位置(兼、加圧位置)P1における分断箇所を通過して積層ワーク加圧装置24の支持ユニット47が積層治具22Bを支持して上下方向へ移動するようになっている。なお、他方の搬送体位置交換システム21Aのレール20Aに関しても、治具昇降装置23A側のレール体は作業位置P3の箇所で同様に分断されている。
前記レール20Bの側方で前記治具昇降装置23Bの設置側と反対の側には、レール20Bと平行に延びる直線バー48Bが台座ブラケット44上にL字ブラケット49を介して架橋されている。前記直線バー48B(48A)には、当該直線バー48B(48A)と共に搬送体移送機構を構成するロッドレス型シリンダからなるスライド部材50が直線バー48Bの長手方向に沿って往復移動自在に支持されている。スライド部材50には、搬送体となる積層治具22B(22A)に設けられた前記係止板33を前後両側から挟み込むように係止可能な固定係止爪51と可動係止爪52がレール20B(20A)の方向へ向けて突設されている。固定係止爪51と可動係止爪52の位置関係は、レール20B(20A)に沿う方向において、固定係止爪51が待機位置P2側に位置し、可動係止爪52が初期位置P1側に位置するように設けられている。また、前記可動係止爪52は、図6に実線で示すように、係止板33の前端面(図6において手前側端面)に係止する係止態様位置と、図6に二点鎖線で示すように、係止板33の下面に下方から当接する非係止態様位置とを取りうるようにピン53に回動可能に支持されており、常には巻バネ54の付勢力により係止態様位置の方向へ付勢されている。
従って、上記のように構成された搬送体位置交換システム21B(21A)では、図5の作業位置P3に図示するように、積層治具22B(22A)の係止板33(同図に二点鎖線で示す)を固定係止爪51と可動係止爪52とが前後両側から挟み込む状態となったときに、前記積層治具22B(22A)が係止保持される。そして、その係止保持状態において、前記スライド部材50が直線バー48B(48A)に沿って往復移動することにより、積層治具22B(22A)は、初期位置P1→待機位置P2→作業位置P3→初期位置P1…(以下、繰り返し)へと移送されることになる。また、前記レール20B(20A)上の積層治具22B(22A)の係止板33に対してスライド部材50が待機位置P2の方向から移動してきて可動係止爪52が当接した場合、可動係止爪52は倣いガイド部33aに倣い係合しながら待機位置P2側から初期位置P1側へと係止板33を乗り越えるように変位動作することになる。
次に、前記治具昇降装置23Bについて説明する。
図2,図7,図9に示すように、治具昇降装置23Bは、前面側(図2,図7では手前側、図9では右側)及び下面側が開放されたケーシング55を備えている。ケーシング55内の下部にはモータ(駆動源)56が収納配置されると共に、ケーシング55内の上部には前記モータ56の出力軸(図示略)と対応する位置に軸受け57が設けられている。また、前記モータ56の出力軸には垂直方向へ延びる雄ねじ棒58が連結されており、雄ねじ棒58は上端部を前記軸受け57に支持された状態でモータ56の駆動力に基づき正逆回転する構成とされている。前記雄ねじ棒58には、当該雄ねじ棒58の外径に対応した内径の雌ねじ孔(図示略)を有するブロック状の駆動体59が螺合されている。即ち、駆動体59は、前記モータ56の駆動力に基づく雄ねじ棒58の正逆回転に伴い雄ねじ棒58が延びる垂直方向に沿って昇降移動自在な構成とされている。また、前記駆動体59の前面側には当該駆動体59よりも先端が幅狭の凸板部60が水平方向へ突出形成されており、当該凸板部60には左右方向(図9では紙面と直行する方向)へ複数(本実施形態では3つ)の挿通孔60aが形成されている(図10参照)。また、駆動体59の左側面(図7では右側面)には、当接ガイド部として機能する先端面(上端面)61aが前方側へ下がり勾配の斜面状に形成されたテーパ板カム(押動部材)61が垂直姿勢態様で取り付けられている。
図7〜図10に示すように、前記駆動体59の前面側には正面視矩形状(図7参照)をなす昇降プレート(移動体の一部)62が配置されている。なお、図7においては、昇降プレート62の前面に断面図示されるべき部材(例えば、後述するアーム状プレート等)の断面図示を説明の便宜上省略している。前記昇降プレート62の裏面側(駆動体59と対面する側)において前記駆動体59の凸板部60と対応する位置には、当該凸板部60の先端と略同一幅の縦長溝63が垂直方向へ形成されている。この縦長溝63内には前記駆動体59における凸板部60の先端が垂直方向への摺動自在に挿入されており、この縦長溝63の垂直方向長さ範囲(一定範囲)内で、前記駆動体59と昇降プレート62とは垂直方向への相対移動可能に組み付けられている。一方、前記昇降プレート62の上端部において前記縦長溝63と対応する位置からは、前記凸板部60と略同一幅の庇部64が水平方向へ突出形成されており、当該庇部64には複数(本実施形態では3つ)のロッド65が前記凸板部60の各挿通孔60aに下端部を遊挿させた状態で垂下支持されている。前記各ロッド65の外周部にはコイルスプリング(付勢部材)66が配設され、前記駆動体59と昇降プレート62とを常には前記縦長溝63の垂直方向長さ範囲(一定範囲)内において互いに上下両方向へ離間するように付勢する構成とされている(図7,図9参照)。
また、前記昇降プレート62の裏面側において前記ケーシング55の左右両側壁55aと対応する位置には、当該左右両側壁55aの前端面に取り付け固定された各縦ガイド67に凹凸嵌合する凹溝68が垂直方向へ形成されている。従って、前記モータ56の駆動力に基づき雄ねじ棒58が回転し、その雄ねじ棒58の正逆回転に伴い駆動体59が昇降移動した場合、その駆動体59の昇降移動に連れて当該駆動体59に組み付けられた昇降プレート62(即ち、移動体の一部)も前記縦ガイド67に凹溝68が摺接案内されながら垂直方向(所定方向)に沿って昇降移動することになる。なお、この場合に、前記昇降プレート62側に例えば積層治具22Bの重量相当の荷重が加わっていると、その荷重により前記コイルスプリング66には圧縮力が掛かって収縮するということも考えられる。しかし、本実施形態では、そのような荷重に基づく圧縮力よりも大きな付勢力を有するコイルスプリング66が採用されている。従って、前記駆動体59が上昇移動する際には、前記昇降プレート(移動体の一部)62の後から(つまり、下方から)駆動体59が追随して移動する位置態様となるように、前記コイルスプリング66の付勢力にて駆動体59と昇降プレート62とは図9に示す位置関係が保持される。
図8〜図11に示すように、前記昇降プレート62の前面側にはアーム状プレート69が水平方向へ突出形成されており、当該アーム状プレート69の中途よりも先端側で且つその上面側(図11の場合は下面側)には前記積層治具22Bを載置支持可能な回転テーブル(回転体)70が垂直方向軸線を回転中心にして水平回転可能に設けられている。そして、本実施形態では、これら昇降プレート62とアーム状プレート69及び回転テーブル70等により、積層治具22B(22A)を支持した状態で垂直方向(所定方向)へ移動する移動体46B(46A)が構成されている。また、この移動体46B(46A)と前記駆動体59とにより、前記作業位置P3にある積層治具(搬送体)22B(22A)を作業位置P3への配置状態又はレール20B(20A)上から外れた退避位置(本実施形態では積層位置P4)への配置状態とするために往復移動する移動ユニット46が構成されている。なお、前記退避位置は、前記加工ユニット13Dと作業位置P3との間に設定される位置であればよく、必ずしも積層位置P4に限らない。また、前記移動ユニット46と前記モータ(駆動源)56とにより、前記作業位置P3にある積層治具(搬送体)22B(22A)を支持した状態で当該積層治具22B(22A)をレール(搬送経路)20B(20A)上から外れた退避位置へと退避移動させるための搬送体退避機構が構成されている。
図7及び図8に示すように、前記ケーシング55内の上部には前後方向(図7では紙面と直交する方向、図8では左右方向)へ延びる水平ガイド溝71が形成されたブロック体72が取り付け固定されている。前記水平ガイド溝71内には位置決めロック部材として機能するスライダ73が前後移動可能に収納され、そのスライダ73の右側面(図7では左側面、図8では手前側面)からは係合ローラ74が位置決めロック部材の一部を構成する部材として水平方向へ突出するように設けられている。また、前記ブロック体72の右側面において、前記係合ローラ74と略同一高さ位置には固定ピン75が突設され、当該固定ピン75とスライダ73の後端部との間には引っ張りバネ76が張設されている。そして、この引っ張りバネ76によって、前記スライダ73は係合ローラ74が前記駆動体59の左側面に取り付け固定されたテーパ板カム61の真上となる位置(移動許容位置)に付勢保持されている。
一方、前記昇降プレート62の裏面側において、前記スライダ73の配設位置と左右方向で対応する位置(図7参照)には、前記スライダ73の先端部の挿入係止を可能とする係止穴(係止部)77が形成されている。この係止穴77は、移動ユニット46の上昇に伴い回転テーブル70上の積層治具22Bの突起31がベースプレート12のストッパ穴32に嵌合することで昇降プレート62(及び移動体46B)のそれ以上の上昇が規制された状態(図22(a)(b)の状態)となった場合に前記スライダ73と対応する高さ位置となるように形成されている。
そのため、前記駆動体59の上昇によりテーパ板カム61の斜面状の先端面61aが図8に二点鎖線で示すように前記係合ローラ74に当接係合した状態となった後、さらに駆動体59が上昇した場合には、同じく上昇するテーパ板カム61により係合ローラ74が引っ張りバネ76の付勢力に抗して前方へ押動されることになる。その結果、係合ローラ74の前方への移動に伴い、スライダ73も前方へ移動することになり、その先端部が前記係止穴77に挿入係止された状態となる。即ち、スライダ73は、前記移動許容位置から前記係止穴77に挿入係止することで昇降プレート62(移動体46B)の移動を規制可能な移動規制位置へと水平移動することになる。そして、本実施形態では、前記移動ユニット46の構成要素である駆動体59に取り付け固定されたテーパ板カム(押動部材)61と前記スライダ(位置決めロック部材)73とにより、駆動体59と共に移動ユニットを構成する移動体46B(46A)を移動経路上の所定位置に位置決め保持(ロック)するための移動体ロック装置78が構成されている。
図10,図11に示すように、前記移動体46Bにおけるアーム状プレート69の下面側(図11の場合は上面側)には、当該アーム状プレート69の下面と昇降プレート62の表面(前面)及び下面とに直角に交わる矩形ブロック状の軸受け部79が形成されている。軸受け部79の前端面にはコ字状をなす凹部79aが形成され、その凹部79aを挟んだ上下両側には上下一対の貫通孔80が前後方向へと形成されている。各貫通孔80内にはシャフト(変位部材)81がそれぞれ摺動自在に貫通支持されており、昇降プレート62の裏面側からケーシング55内まで延びた前記両シャフト81の各後端部は、互いに後側連結ブラケット82を介して連結されている。後側連結ブラケット82の後面側において前記シャフト81には平面視略L字状をなす屈曲ブラケット83が挿通支持されており、屈曲ブラケット83は、その挿通支持された状態において、後側連結ブラケット82の後面に当接するようにナット84にて位置決め固定されている。そして、この屈曲ブラケット83の側面にカムローラ(カム部材)85が左右への水平方向軸線を中心にして回動自在に支持されている。
一方、前記両シャフト81の各前端部は軸受け部79の前端面から各々突出し、互いに前側連結ブラケット86を介して連結されている。前側連結ブラケット86の後面からは前記軸受け部79の凹部79aの内底面に先端部を当接可能な長さに形成されたストッパ棒86aが設けられている。また、前側連結ブラケット86の下端面(図10及び図11の場合は上端面)にはピン87aが垂下支持されると共に、このピン87aと対応するように前記軸受け部79の下端面からもピン87bが垂下支持されている。そして、これら両ピン87a,87bの間にコイルスプリング88が介装されている。従って、このコイルスプリング88の付勢力により、前記シャフト81は常には後方側(図10及び図11では左側)へと付勢され、軸受け部79の凹部79aの内底面に前側連結ブラケット86のストッパ棒86aが当接した後退位置状態(図10及び図11の状態)に保持されることになる。
図10及び図11に示すように、前側連結ブラケット86の前側には角棒状をなす水平移動部89が前記シャフト81の移動方向に沿って前方へ延びるように設けられている。水平移動部89の下端面(図11の場合は上端面)には、矩形状をなす長溝90が形成されると共に、その長溝90内にはピン91を突設した矩形コマ92が摺動可能に組み込まれている。また、前記水平移動部89の前端部下面側にはバネ収容室となる凹部93の形成された矩形ブロック94が前記凹部93の開口側を水平移動部89に当接させた状態で取り付け固定されると共に、前記凹部93と位置対応するように水平移動部89の前端部にはピン挿通孔95が上下方向へ貫通形成されている。このピン挿通孔95には、基端部にフランジ96を有する一方、先端部には後方側への下り勾配となる斜面を有してなる押動ピン97が前記凹部93内にフランジ96を配置するようにして遊挿支持されている。また、前記凹部93内には前記フランジ96を上方(図11では下方)へと押圧するコイルスプリング98が内装されており、このコイルスプリング98の付勢力により前記押動ピン97は常には水平移動部89の前端部上面から最も突出した位置状態(図11に実線で示す状態)に保持されている。
また、前記アーム状プレート69の下面側において前記押動ピン97のほぼ直前となる位置には、基端部側に被押動片部99aが設けられると共に先端部側にロック凸部99bが設けられてなる回転ロック部材99が支持ピン100に対して回動自在に支持されている。前記被押動片部99aは前記シャフト81の前進移動に伴う押動ピン97の前進時に当該押動ピン97の移動経路上に位置する配置態様となるように構成されている。なお、被押動片部99aの下端面(図11の場合は上端面)の前側縁部には前記押動ピン97が先端部に有する斜面と対応するように後方側への下り勾配となる斜面が形成されている。また、前記支持ピン100と回転ロック部材99との間には巻バネ101が介装されており、当該巻バネ101の付勢力により、回転ロック部材99は支持ピン100を回転中心にして常には図10において反時計方向へと回動付勢されている。即ち、回転ロック部材99は、図10に実線で示す位置(回転規制位置)と、図10に二点鎖線で示すように前記押動ピン97に被押動片部99aが巻バネ101の付勢力に抗して押動されることにより時計方向へ変位した位置(回転許容位置)との間で変位可能な構成とされている。
図10,図11に示すように、前記アーム状プレート69の下面側には、大径筒部102と小径筒部103を有してなる段付き筒部材104が水平回転自在に支持されている。この段付き筒部材104はアーム状プレート69の上面側に設けられた回転テーブル70と図10における反時計方向(一定方向)へ一体回転するように設けられている。但し、図10における時計方向へは、段付き筒部材104内に装備したラッチ機構(図示略)の働きにより、前記小径筒部103のみが自在に回転するように構成されている。また、前記大径筒部102の周面には、前記回転ロック部材99のロック凸部99bを係止可能な凹状のロック部105が周方向へ複数箇所(本実施形態では層板19の耳部19aの各形成位置に対応した120度ずつ位相を異ならせた3箇所)に設けられている。一方、前記小径筒部103の周面にはピニオン106が設けられている。そして、このピニオン106と噛み合うラック107が設けられたスライド板108が、段付き筒部材104から見て前記回転ロック部材99とは反対側となる位置に、前記シャフト81の移動方向に沿う前後方向(水平方向)への移動自在に配設されている。なお、スライド板108の一端部(図10では左端部)からはピン109が下方へ突出するように設けられている。
また、前記アーム状プレート69の下面側において前記段付き筒部材104の配設位置よりも後方側の位置には支軸110を介してリンク板111が水平回動可能に支持されている。当該リンク板111の両端部には長孔112,113がそれぞれ形成されており、一方の長孔112には前記矩形コマ92から突出したピン91が係入されると共に、他方の長孔113には前記スライド板108から突出したピン109が係入されている。前記リンク板111の下面側からは前記支軸110と他方の長孔113との間となる位置からピン114が突設され、このピン114と前後方向で対応するようにアーム状プレート69の前端部下面からはピン115が突設されている。そして、これら両ピン114,115の間にはコイルスプリング116が介装され、このコイルスプリング116の付勢力により、前記リンク板111は前記両長孔112,113に係入された各ピン91,109が各々の長孔112,113の内縁のうち端部側寄りに位置する姿勢態様(図10に示す姿勢態様)となるように付勢保持されている。
一方、図7,図8に示すように、前記ケーシング55における左側の側壁(図7では右側の側壁)55aの内面には前記移動ユニット46(特に、カムローラ85)の昇降移動経路途中となる高さ位置に箱形状をなす固定ユニット117が取り付けられている。この固定ユニット117には、垂直方向へ延びる直線状の溝からなる垂直ガイド部118と、この垂直ガイド部118の上側入口118a近傍及び下側入口118b近傍の上下二位置(上側合流位置120,下側合流位置121)で合流するように前方側へバイパス形成された略弓形状の溝からなるバイパスガイド部119とが形成されている。前記垂直ガイド部118及びバイパスガイド部119は共に同一垂直平面上に位置するように設けられており、前記移動ユニット46と共に昇降移動するカムローラ85とカム係合作動することにより、当該カムローラ85(及び移動ユニット46)を各々のガイド部118,119が形成された方向に沿って係合案内するものである。
前記上側合流位置120の近傍には、長板状をなす揺動部材(ガイド切換え部)122が、巻バネ123の付勢力により、常には垂直ガイド部118を塞ぐように付勢支持された状態で設けられている。即ち、揺動部材122は、移動ユニット46の下降方向(特定方向)への移動により上側入口118aから垂直ガイド部118内へ係入したカムローラ85の係合案内方向を、常にはバイパスガイド部119に沿う方向へ切り換える斜め姿勢態様に付勢保持されている。その一方、移動ユニット46の上昇方向への移動により下側入口118bから垂直ガイド部118内へカムローラ85が係入した場合には、垂直ガイド部118内を上昇移動して上側合流位置120をも通過しようとするカムローラ85により、前記揺動部材122は巻バネ123の付勢力に抗して押しのけられるように揺動する構成とされている。即ち、図8に二点鎖線で示す垂直姿勢態様となるように揺動する。
前記バイパスガイド部119は、前記上側合流位置120から斜め前側下方向へ延びる上側斜行ガイド部119aと、当該上側斜行ガイド部119aの下端から下方向へ垂直に延びる中間ガイド部119bと、当該中間ガイド部119bの下端から前記下側合流位置121に向けて斜め後側下方向へ延びる下側斜行ガイド部119cとを備えている。そのため、移動ユニット46が固定ユニット117の上方から下降移動する途中において、カムローラ85は、前記上側斜行ガイド部119a及び下側斜行ガイド部119cにより係合案内される際、前記シャフト(変位部材)81と共に垂直方向から斜行する方向へ係合案内されることになる。そして、本実施形態では、前記カムローラ85とのカム係合作動を可能とされた垂直ガイド部118及びバイパスガイド部119等によりカム機構部124が構成されている。また、前記回転テーブル70とシャフト(変位部材)81及びカムローラ(カム部材)85が設けられた移動ユニット46と、カム機構部124が設けられた固定ユニット117とにより、積層治具22B(22A)を層板(ワーク)19の中心を通る垂直軸線を回転中心にして水平回転させる積層ワーク転積装置125が構成されている。
次に、前記積層ワーク加圧装置24について説明する。
図3及び図12に示すように、積層ワーク加圧装置24は、ケーシング主体となる垂直板部126と、垂直板部126の上端部に取り付け固定された天板部127と、天板部127の一端縁(垂直板部126とは反対側の縁)から垂下支持されたカバー板128とを備えている。天板部127の下面側には加圧ユニット129が支持されており、この加圧ユニット129よりも下方で当該加圧ユニット129と上下方向で対応する位置には積層治具22Bを支持可能に設けられた前記支持ユニット47が配設されている。また、前記垂直板部126の裏面側(図12では右側)下部からはベース板130が両側縁部を補強リブ131により垂直板部126に連結された状態(図14参照)で水平方向へ延設されている。
まず、支持ユニット47側の具体的構成について説明する。
図12及び図14に示すように、前記ベース板130の中途よりも先端側上面には前記支持ユニット47を昇降移動させるための駆動源となるモータ132が出力軸をベース板130の下面側へ突出させた状態で設けられている。また、前記垂直板部126の裏面側において、垂直板部126の上下方向における略中間高さとなる位置には軸受け133が設けられており、この軸受け133に上端部を支持された雄ねじ棒134が下端部を前記ベース板130の下面側へ突出させた状態で回動可能に支持されている。一方、ベース板130の下面側において、前記モータ132の出力軸と雄ねじ棒134の各下端部にはスプロケット135,136が各々取着され、両スプロケット135,136間には無端状をなす伝動ベルト137が掛装されている。また、図12〜図14に示すように、前記垂直板部126の幅方向略中央において前記ベース板130と軸受け133との間となる部分には、垂直方向へ長く延びるように長穴138が開口形成されている。
図12及び図14に示すように、前記雄ねじ棒134には、当該雄ねじ棒134の外径に対応した内径の雌ねじ孔(図示略)を有する昇降ブロック139が螺合されている。昇降ブロック139の前面側(図12では左側、図14では左側)には角棒状をなすアーム部140が突出形成されており、このアーム部140の先端側は前記長穴138を通って垂直板部126の表面側(図12では左側、図14では下側)まで延出されている。そして、このアーム部140の先端には矩形板状をなす昇降板141が垂直板部126に沿うように取り付けられている。昇降板141の裏面側には左右一対の縦ブロック142が固定されており、各縦ブロック142の垂直板部126と対面する側には縦溝143が形成されている。そして、これらの縦溝143が垂直板部126の表面側に設けられた左右一対の縦ガイド144に対して摺動可能に嵌合されている。
前記昇降板141の表面側にはアーム状板部145が基端側の両側縁部を補強リブ146により昇降板141に連結された状態で水平方向へ延設されている。そして、このアーム状板部145に対して前記支持ユニット47が支持されている。従って、前記モータ132の駆動力に基づき雄ねじ棒134が正逆回転した場合、その雄ねじ棒134の正逆回転に伴い昇降ブロック139が昇降移動することにより、当該昇降ブロック139にアーム部140及び昇降板141を介して一体化されたアーム状板部145も昇降移動することになる。その結果、このアーム状板部145と共に昇降移動する支持ユニット47は、前記加圧ユニット129に対して上下方向(即ち、ワークとしての層板19の積層方向)に沿って相対移動することになる。
図15に示すように、支持ユニット47は、アーム状板部145に対して上下方向への摺動可能に支持された支持筒部147を備えている。支持筒部147の下端部には固定用フランジ148を介してエアシリンダ(第1の駆動機構)149がワーク加圧用駆動源として固定支持されている。一方、前記支持筒部147の上端部には前記固定用フランジ148と平面視略同一形状をなす筒状ブロック150が連結ブロック151を介して固定されている。そして、この筒状ブロック150内には、当該筒状ブロック150の底部となる前記連結ブロック151と前記支持筒部147及び前記エアシリンダ149を貫通するように軸心方向へ延びる加圧用の引き込みロッド(第1の連結機構)152が上下方向への往復移動自在に支持されている。引き込みロッド152の下端部にはフランジ153が形成されると共に、引き込みロッド152の上端部には前記筒状ブロック150の内周面に摺接する大径部154が形成されている。そして、前記引き込みロッド152は、筒状ブロック150の上端に固定された止めブロック155により上方への抜け出しが規制された状態で、前記連結ブロック151の上面と前記大径部154の下面との間に介在するコイルスプリング156により常には上方へ向けて付勢されている。
また、前記支持筒部147には、前記アーム状板部145と筒状ブロック150との間に位置して、支持筒部147の軸心方向(つまり、上下方向)へ摺動可能とされたリング板157が遊嵌されている。このリング板157は下面側がシールベアリング158を介してアーム状板部145上に載置支持されており、アーム状板部145に対して相対回転可能な構成とされている。リング板157と筒状ブロック150との間には複数箇所(例えばリング板157の周方向へ90度間隔をおいて離間した4箇所)にコイルスプリング159が介装されている。そして、このコイルスプリング159の付勢力により、リング板157は、筒状ブロック150から離間する方向(即ち、常にはアーム状板部145の上面に当接する方向)に付勢されている。一方、リング板157の上側に位置する筒状ブロック150には当該筒状ブロック150の軸心を中心として180度反対となる二位置に挿通孔160が上下方向へ貫通するように形成されている。そして、これら2つの挿通孔160と位置的に対応する前記リング板157の上面縁部の二位置からは前記挿通孔160内を挿通して筒状ブロック150の上端面と略同一高さまで延びる垂直ロッド161がそれぞれ立設されている。
また、図12〜図13に示すように、前記アーム状板部145の一側面には、水平状をなす取付ブラケット162が固定されており、この取付ブラケット162上には2本の垂直棒163が立設されている。両垂直棒163は、前記筒状ブロック150の上端よりも少し低い高さ位置まで延設されており、これら両垂直棒163の上端部には水平板164が筒状ブロック150の軸心方向に向けて固定されている。そして、その水平板164から下方に向けて係止ピン165が垂下支持されている。一方、前記係止ピン165の垂下支持された位置と対応するように筒状ブロック150には縦方向穴166が形成されており、この縦方向穴166内を通過するようにしてL字状ブラケット167が前記引き込みロッド152の大径部154に取着されている。そして、筒状ブロック150の外方まで延びたL字状ブラケット167の先端部には係止孔168が形成されており、この係止孔168に前記係止ピン165が上方から挿通されている。
また、図14に示すように、前記筒状ブロック150の上端部において、前記縦方向穴166が形成された側と反対側の部位には、前記積層治具22Bの連結ロッド38の下端部に形成された円形フランジ部41の水平方向への移動通過を許容する通過口169が形成されている。そして、この通過口169に連続するようにして、前記引き込みロッド152の大径部154には、前記通過口169との間での円形フランジ部41の水平方向への移動を許容すると共に当該円形フランジ部41が引き込みロッド152と同軸配置となった場合には前記連結ロッド38が上方へ移動するのを規制するフック穴170が形成されている。図15は、そのようにして積層治具22Bにおける連結ロッド38の円形フランジ部41が引き込みロッド152の大径部154に形成されたフック穴170まで水平方向(図15の場合は紙面の奥方向、図14の場合は左方向)から移動し、前記支持ユニット47における筒状ブロック150上に載置支持された状態を示したものである。
次に、前記加圧ユニット129側の具体的構成について説明する。
図12に示すように、前記天板部127の上面にはエアシリンダ171が固定され、そのシリンダロッド172の上端部には水平ブラケット173が取り付けられている。水平ブラケット173の左右両端部からは一対の吊り下げ棒174が垂下されており、これら両吊り下げ棒174の下端部は前記天板部127に設けられたガイド筒175を挿通して天板部127の下方まで延びている。前記両吊り下げ棒174の下端部には固定プレート176が水平支持され、その固定プレート176上にはサーボモータ(第2の駆動機構)177が出力軸178を固定プレート176の下側へ突出させた状態で固定されている。前記出力軸178には、その中途に上側円板179が固定支持されると共に、その下端部には下側円板180が固定支持されている。即ち、上側円板179と下側円板180は、サーボモータ177の回転駆動に伴い前記出力軸178と共に一体回転するようになっている。
図12,図16に示すように、下側円板180の下面側には、端面形状が前記層板19と略同一形状をなす面圧ブロック(面圧部)181が設けられている。この面圧ブロック181は積層治具22B上に積層された層板19を加圧する際に、最上層の層板19に面接触するものであり、その下端面は平面形状をなしている。面圧ブロック181の内周側において前記下側円板180の下面側には、底面視略太鼓形状をなすと共に、正面視I字状(図23参照)且つ側面視略T字状(図24参照)をなす連結バー(第2の連結機構)182が垂下支持されている。連結バー182は、層板19の加圧工程において、前記積層治具22Bにおける連結ロッド38の上端面に形成された開口部39から円穴40内へ上方から挿入されるものであり、前記サーボモータ177の回転駆動に伴い略90度回転することにより、連結ロッド38に対して上下方向への相対移動不能な連結状態となるように構成されている。
また、図12,図16に示すように、前記下側円板180の外周縁において回転軸心を中心として180度反対となる二位置からは係止突片183が水平方向へ各々突設されている。そして、これら両係止突片183と対応するように前記垂直板部126とカバー板128からは、前記係止突片183と上下方向において係止可能なストッパ片184が、各々対応する係止突片183の直下に位置するように水平支持されている。また、下側円板180において前記面圧ブロック181よりも外周側となる部位には、放射方向へ延びる幅広ガイド穴185が120度間隔をおいて3つ形成されると共に、これら3つの幅広ガイド穴185と位置対応するように、前記上側円板179には3つの幅狭ガイド穴186が放射方向へ延びるように形成されている(図16,図17参照)。そして、これらの幅広ガイド穴185と幅狭ガイド穴186により放射方向へ各々スライド案内される3つのフックバー187が、その細頸部187aを幅狭ガイド穴186に、その断面矩形状をなす胴部187bを幅広ガイド穴185に挿通係合させた状態で垂下されている。なお、フックバー187の下端部には、前記層板支持部材35の周面に形成された前記引っ掛け穴37に掛止可能なフック部187cが突設されている。また、図12には、図面内容の簡略化のため、フックバー187は3本あるうちの1本のみを図示している。
また、図12,図18に示すように、前記上側円板179の上面側には円環状板188が前記出力軸178の軸心を回転中心として回転自在に設けられている。即ち、上側円板179の中央部には円環状板188の板厚に相当する高さの円形凸部189が形成されており、この円形凸部189に円環状板188は回動自在に嵌合されている。前記円形凸部189の上面には、当該円形凸部189よりも少しだけ径が大きい止め円板190が固定されており、この止め円板190の外周縁部により、円環状板188は、円形凸部189から上方側への抜け出し規制が図られている。また、円環状板188には、図18に示すように、径方向に対して斜行する斜行ガイド穴191が3つ形成されている。斜行ガイド穴191は上側円板179に形成された前記幅狭ガイド穴186と互いに外周寄りの端縁部分同士が交わる位置関係に設定されており、各斜行ガイド穴191には前記フックバー187の細頸部187aが挿通係合されている。そして、各フックバー187は、その頭部フランジ187dが斜行ガイド穴191の穴縁部に係止されることにより前述した垂下状態となるようにされている。
また、図12,図18に示すように、前記止め円板190上には、台ブロック192が固定支持されており、この台ブロック192上に平面視L字状をなす取付用ブラケット193が固定支持されている。一方、前記円環状板188上には側面視L字状をなす取付用ブラケット194が固定支持されている。そして、シリンダ195が、前記両取付用ブラケット193,194の間に円環状板188及び止め円板190よりも上方へ少し浮き上がった状態に配置され、その基端部を取付用ブラケット193の先端に回動自在に支持されると共に、そのシリンダロッド196の先端部を取付用ブラケット194の先端に回動自在に支持されている。即ち、シリンダ195が駆動されることにより、シリンダロッド196が図18の状態から収縮動作した際には、円環状板188が同図において時計方向へ回動するようになっている。そして、この円環状板188の時計方向への回動に伴い、前記フックバー187の細頸部187aが斜行ガイド穴191により径方向内側へと案内される結果、フックバー187は、前記幅広ガイド穴185と幅狭ガイド穴186に案内されて放射方向の内側へ移動することになる。なお、図12,図17,図18に示すように、上側円板179の外周縁部の一箇所からは下側ストッパ棒197が立設され、前記固定プレート176の外周縁部の一箇所からは、前記上側円板179の回転時における下側ストッパ棒197の移動軌跡上に、上側ストッパ棒198が垂下されている。これら両ストッパ棒197,198は、前記サーボモータ177の回転駆動に基づき、以下で説明する溶接工程時等において、前記上側円板179等が一回転以上しないように規制するために設けられている。
次に、前記溶接装置25について説明する。
図12,図13に示すように、前記垂直板部126には、前記長穴138の上方側延長線上で前記軸受け133が設けられた位置よりも少し上方となる位置に矩形状穴199が形成され、この矩形状穴199に位置対応させて、垂直板部126の裏面側には溶接装置25のケーシング200が取り付けられている。ケーシング200内には上下一対の水平ガイド板201,202が設けられており、これら両水平ガイド板201,202に沿って溶接用トーチ203を支持した移動ブロック204が進退移動する構成とされている。即ち、溶接工程時には前記移動ブロック204が前進し、図4に示すように、前記溶接用トーチ203が積層状態にある各層板19の外周に形成された被溶接部19bを溶接するようになっている。
そこで次に、上記のように構成された本実施形態の順送りプレス加工装置11の作用につき、主に、前記搬送体位置交換システム21B、前記積層ワーク転積装置125、前記移動体ロック装置78、及び、積層ワーク加圧装置24の各作用を中心にして説明する。まず最初に、図19を参照しながら、搬送体位置交換システム21Bの作用を説明する。なお、図19(a)〜(f)では、搬送体位置交換システム21B及び積層治具22B等に関し、それぞれの説明に必要となる部位のみを抽出して模式的に図示している。また、図19(a)〜(f)の各図において、上側図示内容は、搬送体位置交換システム21Bの作動状況を模式的に平面視したものであり、下側図示内容は、その同じ搬送体位置交換システム21Bの作動状況を模式的に側面視したものである。
まず、図19(a)は、レール20B上に二台の積層治具22Bが載置され、待機位置P2に一方の積層治具22B(以下、図19を用いた説明上では「治具A」という。)が配置されると共に、作業位置P3には他方の積層治具22B(以下、図19を用いた説明上では「治具B」という。)が配置された状態を示している。そして、待機位置P2で待機する空の治具Aの係止板33には、固定係止爪51と可動係止爪52とが前後両側から挟み込むように係止され、作業位置P3にある治具B上には、既に層板19が積層状態とされている。即ち、この図19(a)の状態は、待機位置P2にある空の治具Aが、次に作業位置P3へと移送されるのを待機する一方、作業位置P3にある層板19を積層済みの治具Bが初期位置(兼、溶接位置、回収位置)P1へと移送されるのを待機している状態を示している。
さて、上記の図19(a)の状態からスライド部材50が直線バー48Bに沿って待機位置P2から作業位置P3まで移動すると、図19(b)に示すように、それまで作業位置P3にあった治具Bは、スライド部材50と共に各係止爪51,52に係止保持されて作業位置P3まで移送されてきた空の治具Aにより初期位置P1の方向へと押動される。従って、押動された治具Bは層板19を積層した状態のままレール20B上を初期位置P1の方向へ少しだけ移動させられ、作業位置P3と初期位置P1との間でレール20B上に停止する。
すると次に、図19(c)では図示を省略しているが、前記治具昇降装置23Bの移動ユニット46が、前記治具Bに代わって作業位置P3に停止した空の治具Aを支持して上昇する。即ち、治具Aが上方へ退避移動させられる。その結果、スライド部材50は、固定係止爪51と可動係止爪52の間から治具Aの係止板33が上方の積層位置P4へ退避移動するため、作業位置P3から初期位置P1の方向への移動が許容される。
そこで次に、図19(d)に示すように、スライド部材50が作業位置P3から初期位置P1の方向へ直線バー48Bに沿って移動すると、その移動途中において、まず可動係止爪52がレール20B上で作業位置P3と初期位置P1の間に停止している治具Bの係止板33に当接する。すると、係止板33の下面には、待機位置P2の方向から初期位置P1の方向に向けて次第に斜め下方へと連なるテーパ状の倣いガイド部33aが形成されているため、可動係止爪52は倣いガイド部33aのプロフィールを倣うように変位動作し、係止板33の下面に下方から当接する非係止態様位置(図6において二点鎖線で図示の位置)となる。
そして、その状態からスライド部材50がさらに初期位置P1の方向へと移動すると、前記可動係止爪52が治具Bにおける係止板33を作業位置P3側から初期位置P1側へ乗り越え、図19(e)に示すように、治具Bの係止板33に対して固定係止爪51と可動係止爪52が共に係止態様位置(図6において実線で図示の位置)となる。その結果、前記層板19を積層した治具Bは、前記両係止爪51,52により係止保持された状態でスライド部材50により初期位置P1まで移送される。そして、この初期位置P1において、治具B上の層板19には次工程の処理(例えば、溶接処理や回収処理)が行われる。なお、このとき、作業位置P3にあってレール20B上から上方の積層位置P4へ退避移動させられている治具A上には層板19が順次積層されている。
すると次に、前記初期位置P1において層板19が回収されて空になった治具Bは、図19(f)に示すように、その係止板33の前後両側を固定係止爪51と可動係止爪52に係止保持された状態でスライド部材50により初期位置P1から待機位置P2へと移送される。なお、その移送される途中においては作業位置P3を通過することになるが、その時点で作業位置P3にある治具Aは上方の積層位置P4へ退避移動しているため、前述した空の治具Bが待機位置P2へと移送される場合の妨げとなることはない。そして、その後、作業位置P3において上方の積層位置P4へ退避移動させられていた治具Aが層板19の積層を終わってレール20B上まで下降移動すると、図19(a)の状態に戻る。但し、図19(a)の場合とは、両治具A,Bのレール20B上での相互位置が交換された位置関係とされる。そして、以後同様にして、2つの治具A,Bのレール20B上での相互位置の交換が繰り返される。
次に、前記治具昇降装置23Bにおける積層ワーク転積装置125の作用について、主に図3,図8,図10,図20,図21を参照しながら説明する。
さて、図3に示すように、空の積層治具22Bが、レール20B上の作業位置P3まで移送配置されると、その作業位置P3でレール20Bよりも下方に位置する移動ユニット46がモータ56の回転駆動に基づく雄ねじ棒58の回転により、駆動体59の上昇移動に連れて上方へと移動する。すると、積層治具22Bは、移動ユニット46における回転テーブル70により円板部26を下方から支持された状態で移動ユニット46と共に前記レール20Bよりも上方へと上昇移動する。そして、当該積層治具22Bの円板部26上の突起31が金型装置(加工ユニット)のベースプレート12のストッパ穴32に嵌合する積層位置P4(図22(a)(b)に示す位置)まで上昇すると、その積層位置P4において、当該積層治具22B上には打ち抜き成形された層板19が順次積層される。そして、その際において、本実施形態では、前記積層ワーク転積装置125の作用により、前記積層治具22B上(具体的には、円柱部28に嵌合された層板支持部材35上)に多数枚(例えば300枚)の層板19が、所定枚数毎(例えば100枚毎)に位相を異にした状態で積層(所謂、転積)される。以下、その転積動作について説明する。
まず、移動ユニット46がレール20Bよりも下方に位置している場合、図8に示すように、前記シャフト(変位部材)81と一体的に移動する構成とされたカムローラ85は治具昇降装置23Bのケーシング55内においてカム機構部124が設けられてなる固定ユニット117よりも下方に位置している。そして、移動ユニット46が上昇を開始すると、カムローラ85も上昇を開始し、その上昇途中において固定ユニット117の垂直ガイド部118に下側入口118bから進入する。そして、移動ユニット46の更なる上昇に伴いカムローラ85も垂直ガイド部118内を更に上昇移動する。すると、カムローラ85は、垂直ガイド部118を閉塞する斜め姿勢態様に付勢保持された揺動部材122に下方から当接し、この揺動部材122を巻バネ123の付勢力に抗して図8に二点鎖線で示す垂直姿勢態様へと押しのけながら更に上昇を続け、その後、垂直ガイド部118の上側入口118aから固定ユニット117の上方へと移動する。
一方、上方の積層位置P4にて積層治具22B上に所定枚数(例えば100枚)の層板19が積層されると、前記モータ56が上記の場合とは逆方向へ回転駆動され、雄ねじ棒58も逆方向へと回転する。そのため、今度は前記駆動体59が下降移動するため、移動ユニット46も回転テーブル70上に積層治具22Bを支持した状態のまま下降移動し、固定ユニット117の設けられた位置まで下降すると、同じく下降移動してきたカムローラ85も今度は垂直ガイド部118内へ上側入口118aから進入する。そして、垂直ガイド部118内に進入したカムローラ85は、垂直ガイド部118内の上側合流位置120において前述したように垂直ガイド部118を閉塞する斜め姿勢態様に付勢保持された揺動部材122に今度は上方から当接する。すると、カムローラ85は、移動ユニット46の更なる下降移動に伴い、斜め姿勢態様をなす揺動部材122により垂直ガイド部118内からバイパスガイド部119の方向へと係合案内される。
図20は、この場合におけるカムローラ85の移動位置をポイント的に図示している。この図20に示すように垂直ガイド部118内に上側入口118aから進入したカムローラ85は、まず上側合流位置120に対応する「イ」の位置から揺動部材122にガイドされて「ロ」の位置の方向へと係合案内される方向が切り換えられる。その後、「ロ」の位置から「ハ」の位置を通過して「ニ」の位置まで、カムローラ85は、垂直方向から斜行する方向(この場合は、前記シャフト81を昇降プレート62の表面(前面)から突出させる方向)へとバイパスガイド部119の上側斜行ガイド部119aにより係合案内される。そして、「ニ」の位置から「ホ」の位置までは中間ガイド部119bにより垂直下方向へ係合案内された後、「ホ」の位置から下側合流位置121に対応する「ヘ」の位置まで、カムローラ85は、下側斜行ガイド部119cにより再び垂直方向から斜行する方向へと係合案内される。なお、この下側斜行ガイド部119cによりカムローラ85が斜行する方向へ係合案内される際に、前記シャフト81は昇降プレート62の表面(前面)側から裏面側へと水平移動(後退移動)する。
さて、上記のようにカムローラ85がカム機構部124により係合案内されると、移動ユニット46のアーム状プレート69の下面側では次のような転積関連作動が行われる。なお、以下の転積関連作動における説明中で、回転方向を「時計方向」「反時計方向」という場合には、図21(a)(b)における「時計方向」「反時計方向」をいうものとする。また、移動態様を「前進移動」「後退移動」という場合には、図21(a)(b)における右側方向を前進方向とし、左側方向を後退方向とした場合の「前進移動」「後退移動」をいうものとする。
まず、カムローラ85が「イ」の位置から「ロ」の位置へ移動すると、図21(a)に示すように、シャフト81がコイルスプリング88の付勢力に抗して昇降プレート62の表面側から突出する方向(つまり、前進する方向)へ、「イ」の位置と「ロ」の位置との水平方向間隔に相当する距離だけ前進移動する。すると、シャフト81に連結固定された前側連結ブラケット86の水平移動部89も同じ距離だけ前進移動し、その先端部に設けられた押動ピン97により回転ロック部材99の被押動片部99aが押動される。
すると、図21(a)に示すように、回転ロック部材99が支持ピン100を回転中心として、同図に二点鎖線で示す回転規制位置から実線で示す回転許容位置へ、巻バネ101の付勢力に抗して時計方向へ回動し、ロック凸部99bを段付き筒部材104における大径筒部102のロック部105から抜け出させる。すると、段付き筒部材104の回転規制状態が解除される結果、アーム状プレート69の上面側で積層治具22Bを支持している回転テーブル70も回転規制状態が解除されて自由回転可能な状態とされる。
そして、前記カムローラ85が、更に「ロ」の位置から「ハ」の位置へと移動すると、その移動途中において、それまで水平移動部89の長溝90内にあって前側連結ブラケット86の方向へ相対的にスライド移動しているだけであった矩形コマ92に対し長溝90の前側連結ブラケット86側の端縁が当接する。すると、その当接時点からカムローラ85が「ハ」の位置へ移動するまでの間、今度は前記矩形コマ92も水平移動部89と共に更に前進移動することになるため、矩形コマ92のピン91がリンク板111の長孔112内を摺動し、当該リンク板111が支軸110を回転中心としてコイルスプリング116の付勢力に抗しつつ反時計方向へ回転する。
すると、このリンク板111の回転に伴い、当該リンク板111に対して長孔113とピン109が係合することにより作動連結しているスライド板108が前記シャフト81(及び水平移動部89)の水平移動方向(前進方向)とは反対方向へ水平移動する。すると、スライド板108のラック107と小径筒部103のピニオン106が噛み合う関係にある段付き筒部材104が反時計方向へ回転され、この段付き筒部材104と共に回転テーブル70も一体回転する。従って、この回転テーブル70の回転に基づき、当該回転テーブル70上に支持された積層治具22Bも回転するため、その積層治具22B上に積層された層板19も、その中心を通る垂直軸線を回転中心にして、前記積層治具22B及び回転テーブル70(段付き筒部材104)と共に回転させられる。
そして、前記カムローラ85が、更に「ハ」の位置から「ニ」の位置へと移動すると、その移動途中において、そのときまで前記回転ロック部材99の被押動片部99aを押動していた前記押動ピン97が回転ロック部材99の時計方向への姿勢変位に連れて遂には被押動片部99aから外れて当該被押動片部99aよりも前側へ進出する。すると、回転ロック部材99は、巻バネ101の付勢力により反時計方向へ復帰回動し、図21(b)に示すように、段付き筒部材104の大径筒部102の外周面に付勢された状態で当接する。具体的には、今回の転積作動前において嵌合係止していたロック部105から見た場合に時計方向後方側となる次のロック部105の少し手前位置に当接する。
そして、その状態から前記カムローラ85が「ニ」の位置へ移動すると、図21(b)の状態から更に前記シャフト81(及び水平移動部89)が前進し、スライド板108も図21(b)において左側へ水平移動するため、段付き筒部材104が反時計方向へ回転する。すると、前記次のロック部105に回転ロック部材99のロック凸部99bが嵌合係止し、段付き筒部材104及び回転テーブル70は回転規制状態とされる。従って、回転テーブル70上の積層治具22Bは、この時点で、転積作動前の位置状態から一定方向(反時計方向)へ一定角度(層板19の耳部19a、及びロック部105が各々形成された角度間隔である120度)だけ層板19の中心を通る垂直軸線を回転中心として回転させられたことになる。そして、その状態が、前記カムローラ85が「ニ」の位置から「ホ」の位置へ移動するまで保持される。
そして次に、前記カムローラ85が、「ホ」の位置から「ヘ」の位置へと移動すると、前記シャフト81(及び水平移動部89)が後退移動するため、この後退移動に伴って、前記リンク板111が時計方向へ回動すると共に、前記スライド板108も図21(a)(b)において右側となる方向へ水平移動する。従って、スライド板108のラック107とピニオン106が噛み合う段付き筒部材104の小径筒部103が時計方向へ回転する。しかし、この段付き筒部材104において回転テーブル70と正逆両方向へ一体回転する構成とされた大径筒部102は、段付き筒部材104内に装備された前記ラッチ機構の働きにより、例え小径筒部103が時計方向へ回転しても、当該小径筒部103と共に時計方向へ回転することはない。その結果、回転テーブル70も、段付き筒部材104の小径筒部103が時計方向へ回転する場合には時計方向へ一体回転することがないので、回転テーブル70上の積層治具22Bも時計方向へ回転することはない。
また、前記カムローラ85の「ホ」の位置から「ヘ」の位置への移動によりシャフト81(及び水平移動部89)が後退移動する際には、水平移動部89の前端部から垂下された前記押動ピン97も後退移動し、その後退移動途中で回転ロック部材99の被押動片部99aに当接する。すると、前述したように、押動ピン97の上端面と被押動片部99aの下端面には後方側への下り勾配となる斜面が各々形成されているため、この斜面同士の摺接係合により押動ピン97はコイルスプリング98の付勢力に抗して軸方向下方へ変位し、被押動片部99aを乗り越える。従って、押動ピン97が回転ロック部材99の被押動片部99aに当接することによって前記シャフト81(及び水平移動部89)の後退移動が妨げられることはない。
そして、前記カムローラ85が「ヘ」の位置まで移動した後、移動ユニット46が更に下降移動すると、カムローラ85は垂直ガイド部118の下側入口118bを介してカム機構部124から下方へ抜け出る。その後、積層治具22B上に層板19をさらに積層するために移動ユニット46が上昇すると、カムローラ85は、今度は垂直ガイド部118を垂直上方向へ移動し、揺動部材122に下方から当接してこれを押しのけた後、垂直ガイド部118の上側入口118aを介してカム機構部124から上方へ抜け出る。以後、積層位置P4において次の所定枚数(例えば、101〜200枚目)の層板19が積層されると、再び移動ユニット46が積層治具22Bを支持した状態で下降し、前述した場合と同様の転積関連作動が繰り返される。
以上のように、治具昇降装置23Bにおける積層ワーク転積装置125では、積層位置P4で層板19が所定枚数(例えば100枚)積層される毎に移動ユニット46がカム機構部124の設けられた固定ユニット117をカムローラ85が上下方向において通過するように昇降移動を繰り返す。そして、その移動ユニット46の昇降移動に基づきシャフト81が水平方向へ進退移動することにより、アーム状プレート69の下面側にラッチ機構を有して設けられた段付き筒部材104を介してアーム状プレート69の上面側で積層治具22Bを支持してなる回転テーブル70が所定方向へ一定角度(本実施形態では120度)ずつ回転させられる。即ち、シャフト81の水平移動(変位動作)に基づき生成される駆動力により回転テーブル70が回転させられる。従って、積層治具22B上に順次積層される層板19は所定枚数(本実施形態では100枚)毎に位相を異ならせた状態で積層される。
次に、前記治具昇降装置23Bにおける移動体ロック装置78の作用について、主に図8,図9,図22(a)(b)を参照しながら説明する。
さて、前述したように、レール20B上の作業位置P3において移動ユニット46の上昇移動に基づき加圧ユニット13D直下の積層位置P4まで上昇させられた積層治具22B上には打ち抜き成形された層板19が順次積層される。そして、その際にはパンチ15Dの押し込みストロークにより、層板19を積層支持しつつ積層治具22Bの円柱部28に摺動可能に嵌合支持された層板支持部材35が層板19の一枚分の厚さに相当する距離ずつ下方へ押圧される。従って、このパンチ15Dの押し込みストロークに対向するように積層治具22Bを支持する移動ユニット46の移動体46Bを上下方向において位置決めロックする必要がある。本実施形態の場合は、この場合における移動体46Bの位置決めロックが前記移動体ロック装置78によって行われる。
即ち、前記作業位置P3において移動ユニット46が移動体46Bの回転テーブル70上に積層治具22Bを支持した状態で上昇移動し、図22(a)に示す積層位置P4まで至ると、積層治具22Bの円板部26から上方へ突設された突起31がベースプレート12の下面に形成された前記ストッパ穴32に嵌合する。そのため、このストッパ穴32に突起31が嵌合した高さ位置において、前記積層治具22Bを支持した回転テーブル70等からなる移動体46Bは、それ以上の上昇移動が規制される。そして、この時点で前記ケーシング55内では、前記移動体46Bと共に移動ユニット46を構成する駆動体59の側面に取り付けられたテーパ板カム61の斜面状の先端面(上端面)61aが、スライダ73の係合ローラ74に当接する(図8に、この時点におけるテーパ板カム61の位置状態を二点鎖線で示す)。
そして、この図22(a)の状態から、雄ねじ棒58の更なる回転に伴い駆動体59が上昇移動すると、移動体46Bにおける昇降プレート62の庇部64と駆動体59における凸板部60との間に介在されたコイルスプリング66が撓み変形する。即ち、コイルスプリング66が、図9に示す伸長状態から収縮し、駆動体59の凸板部60が縦長溝63内を上方へ摺動して当該縦長溝63の上端縁に当接する。すると、この凸板部60の移動(摺動)に伴う駆動体59の上昇移動により前記テーパ板カム61も上昇移動するため、当該テーパ板カム61により係合ローラ74は前方側へ押動される(図9に、この時点におけるテーパ板カム61と係合ローラ74の各位置状態を示す)。すると、テーパ板カム61に押動されて係合ローラ74が前進するため、この係合ローラ74と一体構成をなすスライダ73もブロック体72の水平ガイド溝71内を前進し、その先端部が移動体46Bにおける昇降プレート62の係止穴77に挿入係止される。即ち、図22(b)に示す状態となる。そして、この時点でモータ56の駆動が停止される。
その後、前記積層位置P4において積層治具22B上に所定枚数の層板19が積層されると、再び前記モータ56が駆動され、今度は雄ねじ棒58が逆方向へ回転する。そのため、駆動体59が図22(b)の状態から下降移動し、テーパ板カム61も下降移動して前記係合ローラ74に対する当接状態が解除される。すると、引っ張りバネ76の付勢力により、スライダ73は、先端部が前記係止穴77に挿入係止された図22(b)に示す移動規制位置から図22(a)に示す移動許容位置まで後退移動する。そして、この時点では図22(a)に示すように駆動体59の凸板部60が昇降プレート62に対して前記縦長溝63の下側端縁に当接係止した位置状態となっている。従って、この図22(a)の状態から、雄ねじ棒58の更なる逆方向への回転に伴い駆動体59が下降移動すると、移動体46Bもカム機構部124が設けられてなる固定ユニット117の位置する方向へ下降移動する。
以上のように、治具昇降装置23Bにおける移動体ロック装置78では、移動体46Bを位置決め保持(ロック)するための積層位置(所定位置)P4で、当該移動体46Bが停止した場合に、位置決めロック部材として機能するスライダ73が押動部材として機能するテーパ板カム61により直接的に押動される。そして、この押動作用によりスライダ73が、移動体46Bに係合してその移動を規制する移動規制位置へ、当該移動体46Bとは非係合状態となって移動を許容する移動許容位置から変位する。従って、積層位置P4にあって積層治具22Bを支持する移動ユニット46の移動体46Bは、パンチ15Dの押し込みストロークに対向して上下方向において確実に位置決めロックされる。
次に、前記積層ワーク加圧装置24の作用について、主に図12〜図15,図23,図24を参照しながら説明する。
さて、前記作業位置P3において治具昇降装置23Bにより積層位置P4まで上昇させられて層板19を積層した積層治具22Bは、次に、レール20B上を搬送体位置交換システム21Bのスライド部材50により初期位置(兼、溶接位置及び回収位置)P1まで搬送される。そして、この初期位置P1において前記積層ワーク加圧装置24により積層状態とされている層板19を積層方向に加圧され、その加圧状態において溶接装置25により各層板19が溶接固定され、モータ用積層コアとして一体化される。
まず、レール20B上を作業位置P3から初期位置P1まで搬送された積層治具22Bは、当該積層治具22Bの円形フランジ部41が図14に示す支持ユニット47における筒状ブロック150の通過口169を通過し、筒状ブロック150における前記引き込みロッド152と同軸配置となる位置まで進入して停止する。即ち、図15に示す位置状態となり、積層治具22Bは、軸心上に配置された連結ロッド38が前記支持ユニット47側の引き込みロッド152と上下方向への離間不能に連結された状態となり、当該支持ユニット47の筒状ブロック150上に上方への移動不能に載置支持される。すると次に、ベース板130上のモータ132が回転駆動され、雄ねじ棒134が回転することにより昇降ブロック139及び昇降板141と共にアーム状板部145が上昇する。
すると、このアーム状板部145の上昇に伴い、当該アーム状板部145上に載置された状態にあるリング板157がコイルスプリング159の付勢力に抗して上昇し、当該リング板157の上面が前記筒状ブロック150の下端面に当接する。そして、このリング板157の上昇に伴い、当該リング板157上に立設されている垂直ロッド161が筒状ブロック150の上端面から突出し、積層治具22Bの下端面に形成された係合穴34に挿入係止される。そのため、この時点で、筒状ブロック150上に載置支持された積層治具22Bは、前記垂直ロッド161が係合穴34に挿入係止されたことにより筒状ブロック150上から水平方向への移動も規制された状態とされる。また、このとき、前記アーム状板部145の上昇に伴い、図12,図13に示す垂直棒163も上昇し、前記L字状ブラケット167の係止孔168に対する係止ピン165の係止状態が浅くなる。具体的には、前記リング板157の上昇距離に相当する長さだけ、図13に示す係止状態(深い係止状態)よりも浅い係止状態となる。
そして、その状態から前記モータ132の駆動力により雄ねじ棒134が更に回転し、アーム状板部145が上方の加圧ユニット129がある高さ位置まで上昇すると、図23に示すように、加圧ユニット129の連結バー182が筒状ブロック150上に載置支持されている積層治具22Bの開口部39から円穴40内へ挿入される。なお、この時点では、加圧ユニット129側の面圧ブロック181の下端面は積層治具22B上の最上層の層板19の上面に対して僅かな隙間を介して対面した状態にあり、未だ互いに面接触していない。すると次に、加圧ユニット129側において、サーボモータ177が回転駆動され、その出力軸178(及び上側円板179、下側円板180、面圧ブロック181)と共に、前記連結バー182が90度だけ回転する。そのため、連結バー182は積層治具22Bの筒状ブロック150内に位置する連結ロッド38と当該連結ロッド38が有する前記開口部39の庇状縁部39aに上下方向でオーバーラップする位置態様となり、その結果、連結バー182と連結ロッド38とは上下方向への離間不能に連結された状態となる。
すると次に、加圧ユニット129側の天板部127上のエアシリンダ149が空圧作動フリー状態とされる一方で、支持ユニット47側のエアシリンダ149が駆動され、前記引き込みロッド152が垂直下方へ引き込み作動される。例えば、約20トン程度の引き込み力でもって垂直下方へ引き込み動作する。すると、この引き込みロッド152に上下方向への離間不能に連結された積層治具22B内の前記連結ロッド38と、当該連結ロッド38に上下方向への離間不能に連結された加圧ユニット129側の前記連結バー182とが、引き込みロッド152と一体的に垂直下方へ下降移動する。即ち、引き込みロッド152は、その大径部154の下側にあるコイルスプリング156を収縮させながら筒状ブロック150と支持筒部147及びエアシリンダ149内を下方へ移動する。また、連結ロッド38は、その段部38aの下側にあるコイルスプリング43を収縮させながら円柱部28と台座部27及び円板部26内を、引き込みロッド152により下方へ引き込まれて垂直下方へ移動する。同様に、連結バー182は、連結ロッド38により下方へ引き込まれて垂直下方へ移動し、面圧ブロック181を積層治具22B上の最上層の層板19の上面に当接させる。
そのため、前記最上層の層板19の上面に当接した面圧ブロック181には、前記各コイルスプリング156,43の収縮力に基づく上方への反力が、その時点でアーム状板部145上に載置された状態にある支持ユニット47の筒状ブロック150及び筒状ブロック150上に載置された状態にある積層治具22Bの台座部27等を介して掛かる。その結果、前記積層治具22Bの台座部27上の層板支持部材35に積層支持された各層板19は、その層板支持部材35の上面と前記面圧ブロック181の下面との間に挟持された状態で、前記引き込みロッド152の引き込み力(約20トン)に相当する加圧力でもって加圧される。即ち、図24に示す状態となる。なお、前記連結バー182の下降移動に伴って当該連結バー182の大径部154と共にL字状ブラケット167も下降移動するため、この時点で、当該L字状ブラケット167の係止孔168に対する前記係止ピン165の係止状態(浅い係止状態)が解除される。従って、支持ユニット47における筒状ブロック150は、アーム状板部145上において、シールベアリング158のベアリング機能により、リング板157と共に軸心を通る垂直軸線を回転中心として自由回転可能な状態とされる。
そして、上記のように加圧処理がなされた各層板19には次に溶接装置25による溶接処理が行われる。具体的には、前記ベース板130上のモータ132が逆方向へ回転駆動し、支持ユニット47全体を下降移動させる。この時点でも加圧ユニット129側の天板部127上のエアシリンダ171は空圧作動フリー状態とされているため、各層板19は面圧ブロック181等による加圧状態が維持されたまま積層治具22Bと共に下降移動する。そして、この積層治具22Bが下降移動する途中で、溶接装置25の溶接用トーチ203が前進移動して各層板19の被溶接部19bに溶接処理が施される。縦方向へ連続する一列の被溶接部19bに溶接処理が施されると、順次、他の縦方向へ連続する各列の被溶接部19bに溶接処理が施される。なお、その際には、加圧ユニット129における固定プレート176上のサーボモータ177が各被溶接部19bの配置角度間隔に対応した一定角度ずつ回転駆動されることにより、支持ユニット47全体が回転させられる。
そして、以上のようにして各層板19の溶接処理が終了すると、次には、前記引き込みロッド152による下方への引き込み作動状態(即ち、加圧状態)が解除されると共に、前記固定プレート176上のサーボモータ177が前記とは逆方向へ90度回転して連結バー182の連結ロッド38に対する連結状態を解除する。そして次に、加圧ユニット129における上側円板179上に配設されたシリンダ195がシリンダロッド196を収縮させる。すると、上側円板179上の円環状板188が回転することにより、前記斜行ガイド穴191と幅広ガイド穴185及び幅狭ガイド穴186のガイド作用によりフックバー187が放射方向内側へ移動し、その下端部のフック部187cが層板支持部材35の引っ掛け穴37に係止する。そして、その状態において、前記ベース板130上のモータ132が逆方向へ回転駆動して支持ユニット47全体を下降移動させると、加圧ユニット129側の下側円板180等も前記フックバー187のフック部187cと層板支持部材35の引っ掛け穴37とが係止していることから、支持ユニット47と共に下方へ下降移動を開始する。
しかし、その途中で下側円板180の係止突片183が垂直板部126等から突設しているストッパ片184に当接するため、以後は、支持ユニット47及び当該支持ユニット47上の積層治具22Bのみが垂直下方へ下降移動する。従って、前記フックバー187により係止保持された状態にある層板支持部材35は、溶接処理済みの各層板19を積層支持した状態のまま積層治具22Bの円柱部28に沿って上方へ摺動する。そして、層板支持部材35が積層治具22Bの円柱部28の上端部付近まで移動(摺動)した段階で、前記モータ132の回転駆動が一旦停止する。そして、前記シリンダ195が今度はシリンダロッド196を伸長動作させる。従って、今度はフックバー187が放射方向外側へスライド移動し、層板支持部材35に対する係止保持状態が解除される。すると次に、再び前記モータ132が逆方向へ回転駆動され、支持ユニット47が下降移動を再開する。その結果、支持ユニット47上の積層治具22Bは再びレール20B上の初期位置P1へと戻り、この位置で層板支持部材35上からモータ用積層コアとして一体化とされた各層板19が回収処理される。
以上のように、前記積層ワーク加圧装置24では、積層治具22B上に積層された各層板19の積層方向に沿って支持ユニット47と加圧ユニット129とが相対移動可能に構成されており、モータ132の駆動力に基づき支持ユニット47が上昇移動させられる。そして、加圧ユニット129側の連結バー182に支持ユニット47側の引き込みロッド152が積層治具22B内の連結ロッド38を介して連結された状態において引き込み作動することにより、加圧ユニット129側の面圧ブロック181により積層治具22B上の各層板19が確実に加圧処理される。
本実施形態によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
(1)移動ユニット46が特定方向となる垂直下方向へ下降する途中で、固定ユニット117のカム機構部124にカムローラ85がカム係合作動することによりシャフト81が所定方向とされる水平方向への駆動力を生成し、その駆動力により積層治具22Bを支持した回転テーブル70を一定方向へ一定角度だけ水平回転させることができる。即ち、積層治具22B上に積層される各層板19を、所定枚数毎に位相を異ならせた状態にして積層(所謂、転積)することができる。しかも、そのように各層板19を転積するための駆動源の装置構成としては、移動ユニット46を昇降移動させるためのモータ56を兼用することができる。従って、板状の層板(ワーク)19を所定枚数毎に位相を異ならせた状態にして積層するための装置構成を、その装置コストの上昇抑制および装置全体のコンパクト化を図って実現できる。
(2)互いにカム係合作動するカムローラ85とカム機構部124とを対比した場合に機構的に複雑且つ大型となるカム機構部124の方を固定ユニット117に設ける一方、機構的に簡単且つ小型となるカムローラ85の方を移動ユニット46側のシャフト81に付設するようにしたので、装置構成全体のコンパクト化を容易に実現できる。
(3)移動ユニット46が特定方向となる垂直下方向へ移動する途中でカムローラ85がシャフト81と共にカム機構部124に設けられた斜行ガイド部119a,119cにより斜行する方向へと係合案内されるため、その斜行する方向へ移動する際には水平方向への変位動作をすることが可能となる。従って、垂直軸線を回転中心として水平回転可能に設けられた回転テーブル70を回転させるための駆動力を前記水平方向への変位動作に基づき容易に生成することができる。
(4)移動ユニット46の昇降移動途中においてカム機構部124とカム係合作動する際に、カムローラ85は、ガイド切換え部として機能する揺動部材122により係合案内される方向が垂直ガイド部118に沿う方向又はバイパスガイド部119に沿う方向へと切換えられる。そして、その際において、移動ユニット46が特定方向となる垂直下方向へ昇降移動する場合には、揺動部材122によってカムローラ85は斜行ガイド部119a,119cを有するバイパスガイド部119に沿う方向へとガイドされる。従って、層板19の転積を確実に実現することができる。
(5)また、前記ガイド切換え部が、カム機構部124における垂直ガイド部118とバイパスガイド部119との上側合流位置120近傍において常には垂直ガイド部118を塞いでカムローラ85をバイパスガイド部119の方向へ係合案内する姿勢態様に付勢保持された揺動部材122で構成しているため、ガイド切換え部を簡単に構成できる。
(6)移動ユニット46に支持された回転テーブル70は、回転テーブル70に一体化されたロック部105に回転ロック部材99が係止することで回転規制されるようになっている。そして、その回転規制状態は、前記移動ユニット46の特定方向となる垂直下方向へ昇降移動してカムローラ85がカム機構部124とカム係合作動することによりシャフト81が変位動作したときに、ロック部105から回転ロック部材99が外れて回転許容状態となるように構成されている。従って、層板19を転積させるための必要時にのみ回転テーブル70を回転許容状態とすることができ、その他の場合には積層治具22Bを支持した回転テーブル70が不必要に回転してしまうことを防止できる。
(7)ロック部105は回転テーブル70と一体回転する段付き筒部材104における大径筒部102の周面に転積角度に対応した複数箇所(本実施形態では120度毎)に形成されており、その大径筒部102の外周面に当接するよう付勢されている。そのため、回転テーブル70が転積角度に相当する角度分だけ回転させられた際には、ロック部材99をロック部105に確実に係止させることができる。
(8)治具昇降装置23Bにおいて駆動体59と共に移動ユニット46を構成する移動体46Bが所定位置となる積層位置P4まで上昇移動した際には、駆動体59と共に移動可能に構成されたテーパ板カム61が位置決めロック部材として機能するスライダ73を前記移動体46Bに係合して移動規制する移動規制位置へ押動する構成とされている。即ち、積層治具22Bを支持してなる移動体46Bを所定位置(積層位置P4)において、移動規制した状態に位置決め保持することができる。しかも、そのように移動体46Bを位置決め保持(ロック)するための駆動源の装置構成としては、移動ユニット46を昇降移動させるためのモータ56を兼用することができる。従って、所定方向へ移動自在に設けられた移動体46Bを装置コストの上昇抑制及び装置全体のコンパクト化を図りつつ移動方向上の所定位置において必要に応じて確実にロック及びそのロック解除をすることができる。
(9)前記テーパ板カム61に押動された際に移動体46Bに対する移動許容位置から移動規制位置へと変位するスライダ73は、テーパ板カム61による押動力を受けないときには引っ張りバネ76により常に移動許容位置側へ付勢されている。従って、スライダ73については、駆動体59と共に移動体46Bが所定位置(積層位置P4)まで移動してきた必要時にのみ移動規制位置へと変位動作させることができる。
(10)テーパ板カム61は、スライダ73に付設されて位置決めロック部材の一部を構成する係合ローラ74に当接係合する先端面(上端面)61aが斜面状に形成されており、この先端面61aが次第に係合ローラ74を押動することでスライダ73を移動規制位置の方向へ当接ガイドするように構成されている。従って、駆動体59の上昇移動に伴い、当該駆動体59に一体化されたテーパ板カム61によってスライダ73をスムーズに移動規制位置の方向へガイドすることができる。
(11)積層位置(所定位置)P4において位置決めロックされる移動体46B側には移動体46Bの構成要素であって前記スライダ73の移動経路上に位置する昇降プレート62に前記スライダ73の先端が挿入係止される係止穴77が形成されている。従って、この係止穴77にスライダ73を挿入係止させることにより移動体46Bを確実に位置決めロックすることができる。
(12)移動ユニット46の上昇移動に伴い移動体46Bが積層位置(所定位置)P4まで移動してきたときには、当該移動体46Bと一体的に移動してきた移動物たる積層治具22Bの突起31がベースプレート12のストッパ穴32に嵌合することで、それ以上の上昇移動が規制される。従って、移動体46Bを前記積層位置(所定位置)P4に位置決めロックする前段階で、当該移動体46Bを積層位置P4に確実に停止させることができる。
(13)移動ユニット46が積層位置(所定位置)P4へ向けて上昇移動する場合に、駆動体59は、縦長溝63の垂直方向長さ範囲(一定範囲)内でコイルスプリング66の付勢力により移動体46Bの後から追随して移動し、移動体46Bが積層位置P4に停止した後、遅れて同じ高さ位置まで移動する構成とされている。言い換えると、駆動体59は移動体46Bをコイルスプリング66の付勢力に基づきフローティング状態にして上昇移動する構成とされている。従って、移動体46B上の積層治具22Bが突起31をベースプレート12のストッパ穴32に嵌合させた際にも、その嵌合時の衝撃力を前記コイルスプリング66の収縮作用により良好に緩和することができる。
(14)線状に延びたレール20B上で複数(本実施形態では2つ)の積層治具(搬送体)22Bの相互位置を交換する場合には、1つの積層治具22Bがスライド部材50に係止保持されてレール20B上を往復移動する際に他の積層治具22Bがレール20B上から外れた退避位置(本実施形態では積層位置P4)へ退避移動させられる。そのため、一本のレール20B上に初期位置P1と待機位置P2との間に作業位置P3が設定された搬送経路構成にあって、レール20B上を積層治具22Bが初期位置P1→待機位置P2→作業位置P3→初期位置P1へと搬送される場合にも、各積層治具22Bがレール20B上で互いに邪魔することなく円滑に位置交換しながら搬送される。しかも、そのように積層治具(搬送体)22Bを円滑に位置交換させながら搬送するシステムには、直線バー48Bに沿って往復移動するスライド部材50が搬送用駆動機構として一組あればよい。従って、線状をなすレール(搬送経路)20Bに沿って往復移動可能に設けられた複数の積層治具(搬送体)22Bのレール20B上における相互の位置を省スペース化を図りつつ、コストのかからない簡単な構成により交換させることができる。
(15)レール20B上の初期位置P1にある積層治具22Bが他の積層治具22Bのいる作業位置P3を越えた待機位置P2まで搬送される際には、その作業位置P3にある積層治具22Bがレール20B上から外れた上方の積層位置(退避位置)P4へ退避移動させられる。従って、レール20B上に複数の作業位置P3が初期位置P1と待機位置P2の間に設定されている場合でも、それら各作業位置P3にある各積層治具22Bを退避移動させることにより、初期位置P1から待機位置P2へ1つの積層治具22Bを確実に搬送することができる。
(16)作業位置P3に他の積層治具22Bがある場合において、その作業位置P3に隣接する待機位置P2から1つの積層治具22Bを当該作業位置P3へ搬送移動する際には、当該作業位置P3まで搬送してきた前記1つの積層治具22Bにより前記他の積層治具22Bを初期位置P1の方向へ押動するようになっている。そのため、作業位置P3にある他の積層治具22Bを当該作業位置P3から移動させるために別途新たな搬送機構を必要とすることもないので、搬送体位置交換システム21B全体の装置コストが上昇することもない。
(17)本実施形態の場合、作業位置P3にある積層治具22Bを退避移動させるための搬送体退避機構が積層治具22Bを支持してレール20Bの下方位置と積層位置P4との間を昇降移動する治具昇降装置23Bの移動ユニット46で兼用されている。従って、搬送体退避機構を構成する部材構成として別途新たな機構を必要とすることもないので、この点でも搬送体位置交換システム21B全体の装置コストの上昇を抑制できる。
(18)レール20Bと平行な直線バー48Bに沿って往復移動するスライド部材50には積層治具22Bの一部である係止板33に係止爪(固定係止爪51及び可動係止爪52)が設けられているため、これらの係止爪による係止作用により、スライド部材50は積層治具22Bを確実に係止保持して搬送することができる。
(19)スライド部材50が積層治具22Bの係止板33に対して待機位置P2の方向から接近した場合には、可動係止爪52が係止板33に当接した後、係止板33を乗り越えるように変位動作することで、固定係止爪51と可動係止爪52との間に係止板33が挟み込まれた状態で係止保持される。従って、レール20B上に停止している積層治具22Bを待機位置P2の方向からフリーで接近するスライド部材50により簡単に係止保持でき、その係止保持状態を形成後は固定係止爪51が係止板33の待機位置P2側を押動することにより確実に初期位置P1方向へ積層治具22Bを搬送できる。
(20)前記係止板33には可動係止爪52が待機位置P2側から当接した際に当該可動係止爪52を係止板33の待機位置P2側から初期位置P1側へ倣い係合させながら変位動作させるプロフィールに形成された倣いガイド部33aが設けられているため、可動係止爪52の前記変位動作を円滑に実現させることができる。
(21)積層治具22B上に積層された各層板19を加圧する際には、まず積層治具22Bを支持した支持ユニット47と加圧ユニット129との位置関係が近接した状態となった場合に、加圧ユニット129側の連結バー(第2の連結機構)182に支持ユニット47側の引き込みロッド(第1の連結機構)152がサーボモータ(第2の駆動機構)177の駆動力により連結作動される。そして、その状態において、引き込みロッド152がエアシリンダ(第1の駆動機構)149の駆動力に基づき他方のユニットとなる加圧ユニット129を一方のユニットとなる支持ユニット47側へ引っ張る方向へ移動する。すると、支持ユニット47上の積層治具22Bと加圧ユニット129側の面圧ブロック181との間で各層板19が前記引き込みロッド152の引き込み力に相当する加圧力でもって確実に加圧される。従って、積層治具22B上に積層状態とされた各層板(ワーク)19を作業効率の向上を図りつつ積層方向に加圧することができる。
(22)支持ユニット47と加圧ユニット129との相対移動方向が層板19の積層方向に沿っているため、積層ワーク加圧装置24における加圧動作を省スペースを図りつつ実現できる。
(23)第2の駆動機構となるサーボモータ177は第2の連結機構となる連結バー182を第1の連結機構となる引き込みロッド152に対して連結状態となる位置態様又は非連結状態となる位置態様に切換え自在であるため、必要に応じて加圧状態を作ることができる。
(24)引き込みロッド(第1の連結機構)152と連結バー(第2の連結機構)182とは、積層治具22Bに設けられた連結ロッド(連結部材)38を介して連結されるため、積層治具22B上の各層板19を加圧する際には面圧ブロック181による最上層の層板19に対する加圧力を効果的に発揮させることができる。
上記実施形態は以下のような別の実施形態(別例)に変更することもできる。
○ 上記実施形態において、層板19を転積するために回転テーブル70が回転する角度は、必ずしも120度である必要はなく、その層板19が有する形状により適宜に設定変更可能である。
○ 上記実施形態において、ガイド切換え部を構成する揺動部材122は必ずしも巻バネ123により垂直ガイド部118を塞ぐように斜め姿勢態様に付勢されている必要はなく、例えば必要に応じて手動でカムローラ85の係合案内方向を切換えるべく揺動させるようにしてもよい。
○ 上記実施形態において、移動ユニット46側に回転テーブル70と一体回転する円筒体を設けると共に、その円筒体の周面に螺旋溝状のカム機構部を形成し、当該円筒体の移動経路上に前記螺旋溝にカム係合作動するカムローラ85を設けるようにしてもよい。
○ 上記実施形態において、移動ユニット46が上昇する方向を特定方向とし、当該移動ユニット46が上昇移動する場合にカムローラ85とカム機構部124がカム係合作動することによりシャフト81が水平方向(所定方向)へ変位動作して回転テーブル70を回転させるための駆動力を生成するようにしてもよい。
○ 上記実施形態において、駆動体59は移動体46Bとの間にコイルスプリング66を介在させて組み付けられた構成でなく、移動体46Bと一体的に移動可能に組み付けられた構成であってもよい。
○ 上記実施形態において、移動ユニット46の上昇により移動体46Bが積層位置P4まで上昇したときに、移動体46Bの一部がベースプレート12に当接することにより、積層位置P4において移動体46Bのそれ以上の上昇が規制されて停止するようにしてもよい。
○ 上記実施形態において、積層位置P4に停止した移動体46Bを位置決めロックするために当該移動体46Bにスライダ73が係合する場合、移動体46B(昇降プレート62)の下端縁に下方から当接する係合状態となって移動規制するようにしてもよい。
○ 上記実施形態において、倣いガイド部として機能するテーパ板カム61の先端面61aは、必ずしも斜面上である必要はなく、例えば円弧状であってもよい。
○ 上記実施形態において、押動部材として機能するテーパ板カム61はスライダ73を係合ローラ74を介して押動するのでなく、スライダ73自体を直接押動したり、又は、リンク機構等を介して間接的に押動する構成としてもよい。
○ 上記実施形態において、スライド部材50は直線バー48Bではなくレール20Bの下端部を摺動して往復移動するように構成してもよい。
○ 上記実施形態において、レール20Bに沿って初期位置P1と待機位置P2との間に設定される作業位置P3は一箇所に限らず複数箇所を設定してもよい。この場合、作業位置P3の設定箇所の増加に伴い搬送体となる積層治具22Bの台数も増加させることができる。
○ 上記実施形態において、連結部材となる積層治具22Bの連結ロッド38は積層治具22Bの軸心部でなく外周側に複数設けるようにしてもよい。この場合には、その連結ロッド38の設置箇所に合わせて支持ユニット47側の引き込みロッド152及び加圧ユニット129側の連結バー182も複数設けられることになる。
○ 上記実施形態において、支持ユニット47を加圧ユニット129側へ移動させるのではなく、加圧ユニット129を支持ユニット47側へ移動させる構成としてもよく、又は、支持ユニット47と加圧ユニット129の双方を互いに接近離間する方向へ移動可能に構成してもよい。
○ 上記実施形態において、積層ワーク加圧装置24における第1の駆動機構は、引き込みロッド152を層板19の積層方向に沿って移動させることができる駆動機構であれば、エアシリンダ149に限らず他の駆動機構により具体化してもよい。
順送りプレス加工装置の全体概略構成を示す平面図。 図1のA−A線矢視断面図。 図1のB−B線矢視断面図。 (a)は積層治具の平面図、(b)は積層治具の縦断面図。 図2のC−C線矢視一部省略平面図。 図5のD−D線矢視断面図。 図1のE−E線矢視一部省略断面図。 図7のF−F線矢視断面図。 図7のG−G線矢視断面図。 昇降ユニットの底面図。 図10のH−H線矢視一部破断面図。 積層ワーク加圧装置の正面図。 図12のI−I線矢一部破断面視図。 図12のJ−J線矢視断面図。 支持ユニットの縦断面図。 図12のK−K線矢視一部断面図。 図12のL−L線矢視断面図。 図12のM−M線矢視一部省略断面図。 (a)〜(f)は搬送体位置交換システムの作用説明図。 カム機構部の正面図。 (a)は転積動作途中の、(b)は転積完了直前における積層ワーク転籍装置の動作を示す昇降ユニットの底面図。 (a)は位置決めロック前の、(b)は位置決めロック状態における移動体ロック装置の動作を示す治具昇降装置の縦断面図。 積層ワーク加圧装置の加圧動作前の状態を示す縦断面図。 積層ワーク加圧装置の加圧動作中の状態を示す縦断面図。
符号の説明
11…順送りプレス加工装置、13A,13B,13C,13D…加圧ユニット、19…層板(ワーク)、20A,20B…レール(搬送経路)、21A,21B…搬送体位置交換システム、22A,22B…積層治具(搬送体、移動物)、24…積層ワーク加圧装置、32…ストッパ穴(ストッパ)、33…係止板(被係止部)、33a…倣いガイド部、38…連結ロッド(連結部材)、39a…庇状縁部(第1連結部)、41…円形フランジ部(第2連結部)、46…移動ユニット(搬送体退避機構の構成要素)、46A,46B…移動体、47…支持ユニット、48A,48B…直線バー(搬送体移送機構の構成要素)、50…スライド部材(搬送体移送機構の構成要素)、51…固定係止爪、52…可動係止爪、56…モータ(搬送体退避機構の構成要素)、59…駆動体、61…テーパ板カム(押動部材)、61a…テーパ板カムの先端面(当接ガイド部)、66…コイルスプリング(付勢部材)、70…回転テーブル(回転体)、73…スライダ(位置決めロック部材)、76…引っ張りバネ(付勢部材)、77…係止穴(係止部)、78…移動体ロック装置、81…シャフト(変位部材)、85…カムローラ(カム部材)、99…回転ロック部材、102…大径筒部(筒部)、105…ロック部、117…固定ユニット、118…垂直ガイド部、119…バイパスガイド部、119a…上側斜行ガイド部、119c…下側斜行ガイド部、122…揺動部材(ガイド切換え部)、124…カム機構部、125…積層ワーク転積装置、129…加圧ユニット、149…エアシリンダ(第1の駆動機構)、152…引き込みロッド(第1の連結機構)、177…サーボモータ(第2の駆動機構)、181…面圧ブロック(面圧部)、182…連結バー(第2の連結機構)、P1…初期位置、P2…待機位置、P3…作業位置、P4…積層位置(退避位置)。

Claims (7)

  1. 板状のワークを所定の積層治具上に芯合わせ及び回転位置合わせした状態で順次積層する際に、当該積層治具を、前記ワークの中心を通る垂直軸線を回転中心にして水平回転させる積層ワーク転積装置において、
    前記ワークの積層方向に沿った垂直方向への移動可能に設けられ、且つ前記積層治具を支持した状態において前記垂直軸線を回転中心にして水平回転可能な回転体が設けられた移動ユニットと、
    前記移動ユニットの移動経路上の途中に設けられる固定ユニットとを備え、
    前記移動ユニット及び固定ユニットのうち、一方のユニットにはカム部材を設けると共に、他方のユニットには前記移動ユニットが上昇方向及び下降方向のうち予め設定された何れか一方の特定方向へ昇降移動する途中において前記カム部材とカム係合作動するカム機構部を設け、更に、前記カム部材及びカム機構部のうち、何れか一方には前記カム部材とカム機構部とのカム係合作動に基づき所定方向へ変位動作する変位部材を設け、当該変位部材の変位動作に基づき生成される駆動力により前記回転体を一定方向へ一定角度だけ水平回転させるようにした積層ワーク転積装置。
  2. 前記移動ユニットに前記カム部材を一部に有した変位部材が設けられる一方、前記固定ユニットに前記カム機構部が設けられた請求項1に記載の積層ワーク転積装置。
  3. 前記カム機構部には垂直平面上において斜め方向へ延びる斜行ガイド部が設けられており、当該斜行ガイド部により前記カム部材は移動ユニットが前記特定方向へ移動する途中において前記変位部材と共に垂直方向から斜行する方向へ係合案内される請求項2に記載の積層ワーク転積装置。
  4. 前記カム機構部には、前記カム部材を垂直方向に沿って係合案内可能な垂直ガイド部と、当該垂直ガイド部に対して所定の上下二位置において合流するようにバイパス形成された略弓形状をなすバイパスガイド部とが設けられており、当該バイパスガイド部の一部により前記斜行ガイド部が構成されると共に、前記垂直ガイド部に対してバイパスガイド部が合流する前記上下二位置のうち何れか一方の位置には、前記カム部材に対する係合案内方向を垂直ガイド部に沿う方向又はバイパスガイド部に沿う方向へ切換えるためのガイド切換え部が設けられており、当該ガイド切換え部は、前記移動ユニットが前記特定方向へ昇降移動する際には前記カム部材を前記バイパスガイド部に沿う方向へとガイドする請求項3に記載の積層ワーク転積装置。
  5. 前記ガイド切換え部は、前記垂直ガイド部に沿って前記特定方向へ移動しようとするカム部材を常には前記バイパスガイド部に沿う方向へガイドする姿勢態様に付勢保持された揺動部材にて構成されており、前記カム部材は前記垂直ガイド部に沿って前記特定方向と反対の方向へ移動する際には前記揺動部材を付勢力に抗して押しのけるように揺動させる構成とされている請求項4に記載の積層ワーク転積装置。
  6. 前記移動ユニットには、前記回転体に一体化されたロック部に係合して回転体の水平回転を規制する回転規制位置と、前記ロック部とは非係合状態となって前記回転体の水平回転を許容する回転許容位置との間で変位可能な回転ロック部材が設けられており、前記変位部材は前記回転体を水平回転させるために変位動作する際に前記回転ロック部材を回転規制位置から回転許容位置へと変位させる請求項2〜請求項5のうち何れか一項に記載の積層ワーク転積装置。
  7. 前記ロック部は前記回転体と一体回転する筒部の外周面に周方向へ一定角度ずつ位相を異ならせて複数箇所形成されており、前記回転ロック部材は前記ロック部に対する係合部位が前記筒部の外周面に当接する方向へ常に付勢されている請求項6に記載の積層ワーク転積装置。
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