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JP2005225932A - ポリエチレン押し出しノーアンカーラミネート用グラビアインキ - Google Patents

ポリエチレン押し出しノーアンカーラミネート用グラビアインキ Download PDF

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JP2005225932A JP2004034428A JP2004034428A JP2005225932A JP 2005225932 A JP2005225932 A JP 2005225932A JP 2004034428 A JP2004034428 A JP 2004034428A JP 2004034428 A JP2004034428 A JP 2004034428A JP 2005225932 A JP2005225932 A JP 2005225932A
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Abstract

【課題】印刷されたラミネート基材にアンカーコートを施すことなく、十分な接着性能を発現することができるポリエチレン押し出しノーアンカーラミネート用グラビアインキを提供する。
【解決手段】ポリエチレン樹脂を押し出しラミネートする基材フィルムに印刷する2液硬化型グラビアインキであって、ポリエステルポリオール樹脂、ポリウレタン樹脂又はそれらの混合物とカルボジイミド化合物をバインダーとして含有し、イソシアネート化合物を硬化剤とすることを特徴とするポリエチレン押し出しノーアンカーラミネート用グラビアインキ。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリエチレン押し出しノーアンカーラミネート用グラビアインキに関する。さらに詳しくは、本発明は、印刷されたラミネート基材にアンカーコートを施すことなく、十分な接着性能を発現することができるポリエチレン押し出しノーアンカーラミネート用グラビアインキに関する。
ポリエチレン押し出しラミネートフィルムは、食品用の包装材料として広く用いられている。ポリエチレン押し出しラミネートフィルムは、二軸延伸ポリエステルフィルム、二軸延伸ポリアミドフィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルムなどのラミネート基材フィルムに、ポリエチレンを溶融押し出してラミネートすることにより製造される。食品用の包装材料として用いられる場合、ラミネート基材はほとんど印刷されているが、印刷面と溶融ポリエチレン樹脂との接着性がよくないために、印刷面に接着剤としていわゆるアンカーコート剤を塗布することが必須である。アンカーコート剤の塗布により、接着性は向上するが、アンカーコート剤を塗布する工程が加わるのみならず、アンカーコート剤の組成の大半が有機溶剤であるために、作業環境及び自然環境に悪影響を与えるおそれが強い。このために、アンカーコート剤を必要としないポリエチレン押し出しラミネート用グラビアインキが求められていた。
本発明は、印刷されたラミネート基材にアンカーコートを施すことなく、十分な接着性能を発現することができるポリエチレン押し出しノーアンカーラミネート用グラビアインキを提供することを目的としてなされたものである。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ポリエステルポリオール樹脂又はポリウレタン樹脂とカルボジイミド化合物をバインダーとして含有し、イソシアネート化合物を硬化剤とする2液硬化型グラビアインキを用いて印刷したラミネート基材は、コロナ処理を施すことにより溶融ポリエチレンに対して十分な接着性能が発現し、アンカーコートを必要としないことを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)ポリエチレン樹脂を押し出しラミネートする基材フィルムに印刷する2液硬化型グラビアインキであって、ポリエステルポリオール樹脂、ポリウレタン樹脂又はそれらの混合物とカルボジイミド化合物をバインダーとして含有し、イソシアネート化合物を硬化剤とすることを特徴とするポリエチレン押し出しノーアンカーラミネート用グラビアインキ、
(2)ポリウレタン樹脂が、両末端にヒドロキシル基を有するポリオールとジイソシアネート化合物との反応により得られる樹脂である(1)記載のポリエチレン押し出しノーアンカーラミネート用グラビアインキ、
(3)ポリウレタン樹脂が、両末端にヒドロキシル基を有するポリオールとジイソシアネート化合物との反応により得られる両末端にイソシアネート基を有するプレポリマーを、さらにジアミンを用いて鎖伸長して得られる樹脂である(1)記載のポリエチレン押し出しノーアンカーラミネート用グラビアインキ、
(4)両末端にヒドロキシル基を有するポリオールが、ジカルボン酸とジオールの脱水縮合により得られるポリエステルポリオール、アルキレンオキサイドの開環重合で得られるポリエーテルポリオール又はこれらの共重合体である(2)又は(3)記載のポリエチレン押し出しノーアンカーラミネート用グラビアインキ、及び、
(5)カルボジイミド化合物が、ジイソシアネート化合物とジオール及び/又はジアミンとを反応させて得られる両末端にイソシアネート基を有するプレポリマーを、カルボジイミド化してなる一般式[1]で表される構造を有し、数平均分子量が300〜100,000である化合物である(1)記載のポリエチレン押し出しノーアンカーラミネート用グラビアインキ、
A−[N=C=N−R−(X−Y−X−R)]B ・・・[1]
(ただし、式中、mは1〜20、nは2〜30、Rはジイソシアネート化合物の残基、Xはウレタン結合又は尿素結合、Yはジオール又はジアミンの残基、A及びBは末端基である。)、
を提供するものである。
本発明のポリエチレン押し出しノーアンカーラミネート用グラビアインキを用いることにより、印刷されたラミネート基材フィルムにアンカーコートを施すことなく、コロナ処理のみで十分な接着性能が発現するので、工程を簡略化、合理化し、アンカーコート剤に起因する環境汚染を防止することができる。
本発明のポリエチレン押し出しノーアンカーラミネート用グラビアインキは、ポリエチレン樹脂を押し出しラミネートする基材フィルムに印刷する2液硬化型グラビアインキであって、ポリエステルポリオール樹脂、ポリウレタン樹脂又はそれらの混合物とカルボジイミド化合物をバインダーとして含有し、イソシアネート化合物を硬化剤とするグラビアインキである。
本発明に用いるポリエステルポリオール樹脂に特に制限はなく、例えば、縮合系ポリエステルポリオール、ラクトン系ポリエステルポリオール、ポリカーボネートジオールなどを挙げることができる。縮合系ポリエステルポリオールは、例えば、アジピン酸、無水フタル酸、イソフタル酸などの二塩基酸と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどのグリコール類との脱水縮合反応により得ることができる。縮合系ポリエステルポリオールは、必要に応じて、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンなどの多官能アルコールを共重合することができる。ラクトン系ポリエステルポリオールは、例えば、ε−カプロラクトンの開環重合により得ることができる。ラクトン系ポリエステルポリオールは、重合開始剤を選択することにより、末端の官能基を制御することができる。ポリカーボネートジオールは、例えば、エチレンカーボネートと1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどとの付加反応により得ることができる。
本発明に用いるポリウレタン樹脂は、例えば、ポリエステルポリオール又はポリエーテルポリオールとジイソシアネート化合物の反応により得ることができる。必要に応じて、鎖伸張剤、反応停止剤などを用いることができる。ポリエステルポリオール又はポリエーテルポリオールの分子量は、1,000〜4,000であることが好ましい。ポリエステルポリオールとしては、例えば、アジピン酸、無水フタル酸、イソフタル酸などの二塩基酸とエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコールなどのグリコール類との縮合物や、ポリカプロラクトンジオールなどを挙げることができる。ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコールなどを挙げることができる。ジイソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどを挙げることができる。鎖伸張剤としては、例えば、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミンなどのジアミン類などを挙げることができる。反応停止剤としては、例えば、n−ブチルアミン、モノエタノールアミンなどのモノアミン類、メタノール、エタノールなどの一価アルコール類などを挙げることができる。本発明に使用するポリウレタン樹脂は、分子量が10,000〜100,000であることが好ましく、20,000〜50,000であることがより好ましい。
本発明においては、ポリウレタン樹脂として、両末端にヒドロキシル基を有するポリオールとジイソシアネート化合物との反応により得られる樹脂、及び、両末端にヒドロキシル基を有するポリオールとジイソシアネート化合物との反応により得られる両末端にイソシアネート基を有するプレポリマーを、さらにジアミンを用いて鎖伸長して得られる樹脂を好適に用いることができる。両末端にヒドロキシル基を有するポリオールとしては、ジカルボン酸とジオールの脱水縮合により得られるポリエステルポリオール、アルキレンオキサイドの開環重合により得られるポリエーテルポリオール又はこれらの共重合体を好適に用いることができる。
本発明に用いるカルボジイミド化合物は、ジイソシアネート化合物とジオール及び/又はジアミンとを反応させて得られる両末端にイソシアネート基を有するプレポリマーを、カルボジイミド化してなる一般式[1]で表される構造を有し、数平均分子量が300〜100,000である化合物であることが好ましい。
A−[N=C=N−R−(X−Y−X−R)]B ・・・[1]
ただし、一般式[1]において、mは1〜20、nは2〜30、Rはジイソシアネート化合物の残基、Xはウレタン結合又は尿素結合、Yはジオール又はジアミンの残基、A及びBは末端基である。
カルボジイミド化合物の製造に使用するジイソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどを挙げることができる。ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノールなどを挙げることができる。ジアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどを挙げることができる。
ジイソシアネート化合物とジオール及び/又はジアミンを反応させて両末端にイソシアネート基を有するプレポリマーを調製し、未反応のジイソシアネート化合物が反応系に残存しない状態としたのち、3−メチル−1−フェニル−3−ホスホレン−1−オキシドなどのカルボジイミド化触媒の存在下に、60〜240℃、より好ましくは100〜180℃に加熱することにより、カルボジイミド構造を形成することができる。
本発明において、硬化剤として用いるイソシアネート化合物としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどや、それらをビウレット結合やイソシアヌレート結合で二量化ないし三量化したポリイソシアネート化合物などを挙げることができる。これらのイソシアネート化合物は、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
本発明において、ポリエチレン押し出しノーアンカーラミネート用グラビアインキに配合する顔料に特に制限はなく、有機顔料、無機顔料、体質顔料などのいずれの顔料も使用することができる。有機顔料としては、例えば、フタロシアニン系、アゾ系、縮合アゾ系、アンスラキノン系、ペリノン・ペリレン系、インジゴ・チオインジゴ系、イソインドリノン系、アゾメチンアゾ系、ジオキサジン系、キナクリドン系、アニリンブラック系、トリフェニルメタン系、カーボンブラック系などの顔料を挙げることができる。無機顔料としては、例えば、酸化チタン系、酸化鉄系、水酸化鉄系、酸化クロム系、スピネル型焼成顔料、クロム酸鉛系、クロム酸バーミリオン系、紺青系、アルミニウム粉末、ブロンズ粉末などの顔料を挙げることができる。体質顔料としては、例えば、炭酸カルシウム系、硫酸バリウム系、酸化珪素系、水酸化アルミニウム系などの顔料を挙げることができる。黒色有機顔料としては、アニリンブラックを使用することが好ましく、アニリンブラックを用いることにより、スパークの発生のおそれなくコロナ処理を施すことができる。
本発明のグラビアインキの製造方法に特に制限はなく、例えば、上記の樹脂成分、無機顔料、有機顔料、溶剤などの混合物を調製し、ペイントシェイカー、ボールミル、アトライター、サンドミルなどを用い、顔料を一次粒子まで分散させてインキ新肉を調製し、希釈溶剤を添加して所望の粘度に調整することにより、製造することができる。
本発明のグラビアインキを適用するラミネート基材フィルムに特に制限はなく、例えば、二軸延伸ポリエステルフィルム、二軸延伸ポリアミドフィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルムなどを挙げることができる。
本発明のグラビアインキの適用方法に特に制限はなく、例えば、ラミネート基材フィルムを巻き出しロールより巻き出し、送りロールを通して印刷ユニットに導き、インキパンに下部が浸漬された版胴と圧胴を用いて印刷し、乾燥部において溶剤を蒸発させることにより、ラミネート基材を得ることができる。ラミネート基材は、いったん巻き取りロールに巻き取ることができ、あるいは、連続してポリエチレン押し出しラミネート工程に移行することもできる。印刷ユニットを複数個設けて、多色刷することもできる。
本発明のグラビアインキを用いて印刷したラミネート基材は、ポリエチレン押し出しラミネートの直前に、印刷表面にインラインでコロナ処理を施すことが好ましい。本発明のグラビアインキで印刷されたラミネート基材は、コロナ処理を施すことにより、従来のアンカーコート剤の塗布と同等又はそれ以上の接着性能を発揮する。このために、アンカーコート剤の塗布が不要となり、ラミネートフィルムの製造工程を簡略化、合理化し得るのみならず、アンカーコート剤に含まれる溶剤に起因する作業環境及び自然環境の汚染を防止することができる。インラインでコロナ処理を施されたラミネート基材は、Tダイなどより押し出される溶融ポリエチレン樹脂と積層され、あるいは、さらにその上にポリエチレンフィルムが積層され、次いで圧着ロールにおいて圧着され、冷却ロールにおいて冷却されてラミネートフィルムとなり、巻き取りロールに巻き取られる。溶融押し出しするポリエチレン樹脂に特に制限はなく、例えば、低密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、変性ポリエチレン樹脂などを挙げることができる。積層するポリエチレンフィルムに特に制限はなく、例えば、低密度ポリエチレンフィルム、高密度ポリエチレンフィルム、線状低密度ポリエチレンフィルムなどを挙げることができる。
本発明のポリエチレン押し出しノーアンカーラミネート用グラビアインキを用いて印刷することにより、アンカーコートを施すことなく強い接着性能が発現する機構は、インキ中にカルボジイミド化合物を含有することにより、溶融酸化によりポリエチレン表面に生ずるカルボキシル基、ヒドロキシル基などの活性点とインキ塗膜のカルボジイミド構造の間で架橋反応が起こるためであると推定される。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
実施例1
ポリウレタン樹脂として、ジカルボン酸とジオールの脱水縮合により得られた両末端にヒドロキシル基を有するポリエステルに、ジイソシアネート化合物を用いて鎖伸長して得られた樹脂の溶液[大日精化工業(株)、セイカボンドU230、固形分40重量%、メチルエチルケトン/トルエン1/3(重量比)混合溶剤、以下「ポリエステルポリウレタン樹脂溶液A」とする。]を用い、カルボジイミド化合物として、ジイソシアネート化合物とジオールの反応により得られた両末端にイソシアネート基を有するプレポリマーを、触媒の存在下に加熱して、イソシアネート基からカルボジイミド構造を形成して得られた数平均分子量2,000、カルボジイミド当量600のカルボジイミド化合物の溶液[大日精化工業(株)、エマフィックスD−21、固形分40重量%、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶剤]を用いてインキを調製した。
ポリエステルポリウレタン樹脂溶液A30重量部、カルボジイミド化合物溶液2重量部、酸化チタン[ルチル型、アルミナ・シリカ処理品]37重量部及びメチルエチルケトン/トルエン/イソプロピルアルコール5/3/2(重量比)混合溶剤48重量部からなる分散液を、直径2mmのガラスビーズを分散メディアとし、分散メディアの容積率が40容量%であるペイントシェイカーに、分散液の容積率が30容量%になるように入れて、60分間分散させることにより、インキ新肉を調製した。次いで、インキ新肉100重量部に、イソシアネート系硬化剤[大日精化工業(株)、ラミックBハードナー、固形分30重量%、メチルエチルケトン/トルエン/酢酸エチル3/3/1(重量比)混合溶剤]5重量部を添加し、希釈溶剤としてメチルエチルケトン/トルエン/イソプロピルアルコール5/3/2(重量比)混合溶剤を用いて、インキ粘度15秒(リゴーカップ#3、20℃)に調整してグラビアインキを得た。
厚さ15μmの二軸延伸ポリアミドフィルムをラミネート基材フィルムとし、上記のグラビアインキを約8g/m2塗布、乾燥してラミネート基材を作製した。φ99mmのラミネーター、φ450mmの冷却ロール(マット)及びφ260mmのプレッシャーロール(シリコーン)を備えた装置を用い、上記のラミネート基材に、電極幅1,000mmのコロナ放電装置を用いて出力6KWでコロナ処理を施し、厚さ15μmの溶融押し出しポリエチレン樹脂と厚さ60μmのポリエチレンフィルムをラミネートした。ラミネート条件は、成形速度100m/分、リップ内樹脂温度328℃、ロール温度20℃、ニップ圧3kg/m2、エアギャップ120mmとした。
得られたラミネートフィルムを、40℃で48時間エージングしたのち、幅15mmの試験片を切り出し、JIS K 6854−3にしたがって、引っ張り速度300mm/分でT形剥離試験を行った。接着強度は7.7N/15mmであり、インキとポリエチレン樹脂間で剥離が生じた。
比較例1
カルボジイミド化合物溶液を添加しない以外は、実施例1と同様にしてグラビアインキを調製した。このグラビアインキを用い、実施例1と同様にしてラミネートフィルムを作製し、評価を行った。接着強度は6.5N/15mmであり、インキとポリエチレン樹脂間で剥離が生じた。
比較例2
厚さ15μmの二軸延伸ポリアミドフィルムをラミネート基材フィルムとし、比較例1において調製したカルボジイミド化合物溶液を添加しないグラビアインキを約8g/m2塗布、十分乾燥したのち、イソシアネート系アンカーコート剤[大日精化工業(株)、セイカダイン2710A、固形分50重量%、酢酸エチル溶剤]を約3g/m2塗布、乾燥してラミネート基材を作製した。実施例1と同じラミネーター、冷却ロール及びプレッシャーロールを備えた装置を用い、上記のラミネート基材に、厚さ15μmの溶融押し出しポリエチレン樹脂と厚さ60μmのポリエチレンフィルムをラミネートした。ラミネート条件は、成形速度100m/分、リップ内樹脂温度328℃、ロール温度20℃、ニップ圧3kg/m2、エアギャップ120mmとした。
得られたラミネートフィルムについて、実施例1と同様にして評価を行った。接着強度は7.8N/15mmであり、インキとポリエチレン樹脂間で剥離が生じた。
実施例2
ポリエステルポリウレタン樹脂として、ジカルボン酸とジオールの脱水縮合により得られた両末端にヒドロキシル基を有するポリエステルを、ジイソシアネート化合物を用いて鎖伸長して得られた両末端にイソシアネート基を有するプレポリマーを、さらにジアミンを用いて鎖伸長して得られた樹脂の溶液[大日精化工業(株)、セイカボンドU5204、固形分30重量%、メチルエチルケトン/イソプロピルアルコール2/1(重量比)混合溶剤、以下「ポリエステルポリウレタン樹脂B」とする。]40重量部を用いた以外は、実施例1と同様にしてラミネートフィルムを作製し、評価を行った。接着強度は7.8N/15mmであり、インキとポリエチレン樹脂間で剥離が生じた。
比較例3
カルボジイミド化合物溶液を添加しない以外は、実施例2と同様にしてラミネートフィルムを作製し、評価を行った。接着強度は6.4N/15mmであり、インキとポリエチレン樹脂間で剥離が生じた。
実施例3
ポリエステルポリオール樹脂の溶液[東洋紡績(株)、バイロン300、固形分40重量%、メチルエチルケトン/トルエン1/3(重量比)混合溶剤]30重量部、カルボジイミド化合物の溶液[大日精化工業(株)、エマフィックスD−21、固形分40重量%、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶剤]2重量部、酸化チタン[ルチル型、アルミナ・シリカ処理品]37重量部及びメチルエチルケトン/トルエン/イソプロピルアルコール5/3/2(重量比)混合溶剤48重量部を用いて、実施例1と同様にして、インキ新肉を調製した。
次いで、インキ新肉100重量部に、イソシアネート系硬化剤[大日精化工業(株)、ラミックBハードナー、固形分30重量%、メチルエチルケトン/トルエン/酢酸エチル3/3/1(重量比)混合溶剤]5重量部を添加し、希釈溶剤としてメチルエチルケトン/トルエン/イソプロピルアルコール5/3/2(重量比)混合溶剤を用いて、インキ粘度15秒(リゴーカップ#3、20℃)に調整してグラビアインキを得た。
厚さ15μmの二軸延伸ポリアミドフィルム、厚さ12μmの二軸延伸ポリエステルフィルム及び厚さ25μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを、それぞれラミネート基材フィルムとし、上記のグラビアインキを約8g/m2塗布、乾燥して3種のラミネート基材を作製した。次いで、実施例1と同様にして、これらのラミネート基材に、厚さ15μmの溶融押し出しポリエチレン樹脂と厚さ60μmのポリエチレンフィルムをラミネートして、3種のラミネートフィルムを得た。
得られた3種のラミネートフィルムについて、実施例1と同様にして、T形剥離試験を行った。二軸延伸ポリアミドフィルムをラミネート基材とするラミネートフィルムは、接着強度8.3N/15mmであり、インキとポリエチレン樹脂間で剥離が生じた。二軸延伸ポリエステルフィルムをラミネート基材とするラミネートフィルムは、接着強7.0N/15mmであり、インキとポリエチレン樹脂間で剥離が生じた。二軸延伸ポリプロピレンフィルムをラミネート基材とするラミネートフィルムは、接着強度2.1N/15mmであり、インキと基材フィルム間で剥離が生じた。
比較例4
カルボジイミド化合物の溶液を添加しない以外は、実施例3と同様にして3種のラミネートフィルムを作製し、評価を行った。二軸延伸ポリアミドフィルムをラミネート基材とするラミネートフィルムは、接着強度6.0N/15mmであり、インキとポリエチレン樹脂間で剥離が生じた。二軸延伸ポリエステルフィルムをラミネート基材とするラミネートフィルムは、接着強度5.8N/15mmであり、インキとポリエチレン樹脂間で剥離が生じた。二軸延伸ポリプロピレンフィルムをラミネート基材とするラミネートフィルムは、接着強度0.9N/15mmであり、インキと基材フィルム間で剥離が生じた。
実施例4
ポリエステルポリオール樹脂の溶液[東洋紡績(株)、バイロン300、固形分40重量%、メチルエチルケトン/トルエン1/3(重量比)混合溶剤]30重量部、カルボジイミド化合物の溶液[大日精化工業(株)、エマフィックスD−21、固形分40重量%、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶剤]2重量部、フタロシアニンブルー10重量部及びメチルエチルケトン/トルエン/イソプロピルアルコール5/3/2(重量比)混合溶剤73重量部を用い、実施例1と同様にして、インキ新肉を調製した。
次いで、インキ新肉100重量部に、イソシアネート系硬化剤[大日精化工業(株)、ラミックBハードナー、固形分30重量%、メチルエチルケトン/トルエン/酢酸エチル3/3/1(重量比)混合溶剤]5重量部を添加し、希釈溶剤としてメチルエチルケトン/トルエン/イソプロピルアルコール5/3/2(重量比)混合溶剤を用いて、インキ粘度15秒(リゴーカップ#3、20℃)に調整してグラビアインキを得た。
厚さ12μmの二軸延伸ポリエステルフィルムをラミネート基材フィルムとし、上記のグラビアインキを約8g/m2塗布、乾燥してラミネート基材を作製した。このラミネート基材に、実施例1と同様にして、厚さ15μmの溶融押し出しポリエチレン樹脂と厚さ60μmのポリエチレンフィルムをラミネートして、ラミネートフィルムを得た。得られたラミネートフィルムを、実施例1と同様にして、T形剥離試験を行った。接着強度は7.0N/15mmであり、インキとポリエチレン樹脂間で剥離が生じた。
比較例5
カルボジイミド化合物の溶液を添加しない以外は、実施例4と同様にしてラミネートフィルムを作製し、評価を行った。接着強度は6.2N/15mmであり、インキとポリエチレン樹脂間で剥離が生じた。
実施例5
顔料として、フタロシアニンブルーの代わりに、ジスアゾエローを用いた以外は、実施例4と同様にして、ラミネートフィルムを作製し、評価を行った。接着強度は7.3N/15mmであり、インキとポリエチレン樹脂間で剥離が生じた。
比較例6
カルボジイミド化合物の溶液を添加しない以外は、実施例5と同様にしてラミネートフィルムを作製し、評価を行った。接着強度は6.1N/15mmであり、インキとポリエチレン樹脂間で剥離が生じた。
実施例6
顔料として、フタロシアニンブルーの代わりに、カーミン6Bを用いた以外は、実施例4と同様にして、ラミネートフィルムを作製し、評価を行った。接着強度は7.1N/15mmであり、インキとポリエチレン樹脂間で剥離が生じた。
比較例7
カルボジイミド化合物の溶液を添加しない以外は、実施例6と同様にしてラミネートフィルムを作製し、評価を行った。接着強度は6.4N/15mmであり、インキとポリエチレン樹脂間で剥離が生じた。
実施例7
顔料として、フタロシアニンブルーの代わりに、アニリンブラックを用いた以外は、実施例4と同様にして、ラミネートフィルムを作製し、評価を行った。接着強度は7.2N/15mmであり、インキとポリエチレン樹脂間で剥離が生じた。
比較例8
カルボジイミド化合物の溶液を添加しない以外は、実施例7と同様にしてラミネートフィルムを作製し、評価を行った。接着強度は6.2N/15mmであり、インキとポリエチレン樹脂間で剥離が生じた。
実施例1〜7および比較例1〜8のインキ配合組成及び評価結果を、第1表に示す。ただし、表中、樹脂成分及びカルボジイミド化合物は、固形分としての重量部を示す。
Figure 2005225932
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第1表に見られるように、二軸延伸ポリアミドフィルムを基材フィルムとし、バインダーがカルボジイミド化合物を含有する実施例1のラミネートフィルムは、バインダーがカルボジイミド化合物を含有しない比較例1のラミネートフィルムに比べて、接着強度が1.2倍であり、基材フィルムにアンカーコートを施した比較例2のラミネートフィルムとほぼ同じ接着強度を有している。
二軸延伸ポリアミドフィルムを基材フィルムとし、バインダーがカルボジイミド化合物を含有する実施例2〜3のラミネートフィルムは、バインダーがカルボジイミド化合物を含有しない比較例3〜4のラミネートフィルムに比べて、接着強度が1.2〜1.4倍である。
二軸延伸ポリエステルフィルムを基材フィルムとし、バインダーがカルボジイミド化合物を含有する実施例3〜7のラミネートフィルムは、バインダーがカルボジイミド化合物を含有しない比較例4〜8のラミネートフィルムに比べて、接着強度が1.1〜1.2倍である。二軸延伸ポリプロピレンフィルムを基材フィルムとし、バインダーがカルボジイミド化合物を含有する実施例3のラミネートフィルムは、バインダーがカルボジイミド化合物を含有しない比較例4のラミネートフィルムに比べて、接着強度が2.3倍である。
これらの結果から、バインダーにカルボジイミド化合物を含有させることにより、グラビア印刷されたインキと、押し出しラミネーションされたポリエチレン樹脂間の接着強度が向上し、アンカーコートを施した基材フィルムと同程度の接着強度が得られることが分かる。
本発明のポリエチレン押し出しノーアンカーラミネート用グラビアインキを用いることにより、印刷された二軸延伸ポリアミドフィルム、二軸延伸ポリエステルフィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルムなどの基材フィルムにアンカーコートを施すことなく、コロナ処理のみで十分な接着性能が発現するので、ポリエチレン押し出しラミネートフィルムの製造工程を簡略化、合理化し、アンカーコート剤に起因する環境汚染を防止することができる。

Claims (5)

  1. ポリエチレン樹脂を押し出しラミネートする基材フィルムに印刷する2液硬化型グラビアインキであって、ポリエステルポリオール樹脂、ポリウレタン樹脂又はそれらの混合物とカルボジイミド化合物をバインダーとして含有し、イソシアネート化合物を硬化剤とすることを特徴とするポリエチレン押し出しノーアンカーラミネート用グラビアインキ。
  2. ポリウレタン樹脂が、両末端にヒドロキシル基を有するポリオールとジイソシアネート化合物との反応により得られる樹脂である請求項1記載のポリエチレン押し出しノーアンカーラミネート用グラビアインキ。
  3. ポリウレタン樹脂が、両末端にヒドロキシル基を有するポリオールとジイソシアネート化合物との反応により得られる両末端にイソシアネート基を有するプレポリマーを、さらにジアミンを用いて鎖伸長して得られる樹脂である請求項1記載のポリエチレン押し出しノーアンカーラミネート用グラビアインキ。
  4. 両末端にヒドロキシル基を有するポリオールが、ジカルボン酸とジオールの脱水縮合により得られるポリエステルポリオール、アルキレンオキサイドの開環重合で得られるポリエーテルポリオール又はこれらの共重合体である請求項2又は請求項3記載のポリエチレン押し出しノーアンカーラミネート用グラビアインキ。
  5. カルボジイミド化合物が、ジイソシアネート化合物とジオール及び/又はジアミンとを反応させて得られる両末端にイソシアネート基を有するプレポリマーを、カルボジイミド化してなる一般式[1]で表される構造を有し、数平均分子量が300〜100,000である化合物である請求項1記載のポリエチレン押し出しノーアンカーラミネート用グラビアインキ。
    A−[N=C=N−R−(X−Y−X−R)]B ・・・[1]
    (ただし、式中、mは1〜20、nは2〜30、Rはジイソシアネート化合物の残基、Xはウレタン結合又は尿素結合、Yはジオール又はジアミンの残基、A及びBは末端基である。)
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