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JP2005217753A - 増幅器 - Google Patents

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JP2005217753A
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英樹 高須
Yasuaki Asahi
保彰 旭
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Abstract

【課題】所要の高周波領域において、LNA(Low Noise Amplifier)に適用可能とする一方で、増幅されて出力する高周波信号の雑音が少なく、且つ安定性があり、また高利得の高周波出力信号が得られる増幅器を得ること。
【解決手段】増幅器10は、入出力端子19,20間に接続される半導体15と、この入力端子19と半導体15のゲート端子15c側との間に直列に接続される共振回路13と、この共振回路13に並列に接続される第1の抵抗(R1)14とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、増幅器に係り、特にFET(Field-effect Transistor)等の高周波出力の半導体を使用したマイクロ波帯増幅器の改良に関する。
従来、増幅器は、所要の周波数帯域での出力電力特性、利得特性、雑音特性等が損なわれないように最適化設計を行なう。
その上、全周波数帯域において、増幅器の安定化指数Kファクタ(K-factor)が1以上になるように安定化しなければならない。
この種の増幅器として、特開平10−209769号公報(特許文献1参照)に開示されたものがある。
この増幅器によれば、図6に示すように、入力端子側に接続される入力回路1側および出力端子側に接続される出力回路2側との間に、増幅器3が接続されている。増幅器3は、RC並列回路4およびこのRC並列回路4に接続されるFET等の半導体5とを備えている。RC並列回路4は、抵抗(R)4aおよびこの抵抗4aと並列接続されるコンデンサ4bとを備えている。半導体5は、出力回路2側へ接続されるドレイン5aと、接地されるソース5bおよびRC並列回路4側へ接続されるゲート5cとから構成される。
この構成によれば、半導体5のゲート5cにRC並列回路4を直列に挿入することにより、所要の周波数帯から低い周波数にかけて増幅器3のKファクタ改善することができる。
また他方で、この増幅器3の安定化回路4は、図7に示すように、2〜数GHzにおいて通過ロスxが少ない。
従って、増幅器3は広帯域で適用可能なものとなる。
特開平10−209769号公報(第1頁左欄の[要約]および[解決手段]の項および図1)
しかしながら、従来の増幅器3によれば、RC並列回路4の抵抗(R)4aの作用として、図7に示すように、広帯域(例えば2〜数GHz)に使用可能であるが、使用帯域では、x分のロス(低下)が生じていた。
その上で、低周波領域では、抵抗4aの抵抗ロスにより、安定化指数が改善されるが、高周波領域ではコンデンサ4bによる作用が支配的で抵抗4aによる
安定化効果が表れない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、使用周波数である高周波領域において、LNA(Low Noise Amplifier)に適用可能とする一方で、使用する周波数を調整可能として、この適用する高周波の入力信号振幅比が所定比率分ロスxを低減させ、安定化指数の改善を行い、且つ雑音指数を損なわない、使用目的にあった効率的な増幅器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明によれば、入出力端子間に接続される半導体と、この入力端子と半導体のゲート側との間に直列に接続される共振回路と、この共振回路に並列に接続される第1の抵抗とを具備したことを特徴とする増幅器を提供する。
共振回路を追加することにより、安定化回路が構成されて、使用周波数での通過損失を少なくすることができる。この安定化回路の採用により、雑音指数を損なわない安定化した増幅器を提供することができる。
本発明にかかる増幅器の実施形態について、添付図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態おける増幅器10の概要を示す図である。
図1に示す増幅器10は、高周波信号を入力する入力端子11側および同様に高周波信号を出力する出力端子12側との間に、共振回路13およびこの共振回路13に並列接続した抵抗(R1)(以下、第1の抵抗という。)14と、FET(Filed Effect Transistor)の一種であるHEMT(High Electron Mobility Transistor)等の高周波用の半導体15とを直列接続して構成される。
共振回路13は、コイル(L)16およびこのコイル(L)16と直列接続されるコンデンサ(C)17とを備えている。この共振回路13は、入力端子11側から入力される信号の周波数が共振回路13の共振周波数である場合には、安定化回路Aのインピーダンス値が0である。
従って、共振回路13は、良好なフィルタ効果が得られる。
また、第1の抵抗(R1)14は、不要な発信を引き起こす原因となるマイクロ波成分を吸収する働きがあり、これによって、逆方向利得(アイソレーション)を吸収するため、安定化効果を発揮する。同時に通過損失も大きく通常のLNA等の増幅器に使用するには不向きである。
半導体15は、出力端子12側に接続されるドレイン端子15aと、接地されるソース端子15bおよび共振回路13と第1の抵抗(R1)14の並列回路側へ接続されるゲート端子15cとから構成される。
次に、増幅器10の作用について図1〜図3を参照して説明する。
安定化回路Aは、抵抗(R1)14により広い範囲の周波数で増幅器を安定化する。一方、使用周波数において、例えば2GHzおいては、安定化回路Aの共振回路13が共振し、図2に示すように、通過損失lがほぼ0となる。
安定化回路Aにより安定化した結果、Kファクタに関しては、図3(a)にデータを示すように、高周波信号の周波数が、例えば5〜20GHzの周波数帯では、Kファクタの周波数の変化曲線yに示されるように、Kファクタは高いレベルを示している。また、1〜5GHz帯では低レベルであるもののKファクタ1以上を維持している。
20GHz以上の周波数では、FET自体の利得が低下するため、回路は安定し、Kファクタは大きな値となる。このKファクタは、増幅回路の安定性を示す指標として一般的に用いられるもので、安定動作のためには全ての周波数領域で1以上であることが求められる。
すなわち、Kファクタ>1の時、無条件安定であり、増幅器の入出力端子に如何なるインピーダンスの機器が接続されても発振を起こさないということである。
Kファクタ<1の時は、条件付き安定であり、増幅器の入出力端子に接続される機器のインピーダンスにより発振等の回路的な不安定を生ずる可能性があることを示している。
なお、図3に示されるデータは、2GHzの低雑音増幅器を想定し、安定化回路Aを挿入した場合と、しない場合の特性を20GHzまでシミュレーションして比較したものである。
安定化回路Aの素子値は、共振回路13のコイル(L)16の容量を3nH(ナノヘンリー)、コンデンサ(C)17の容量を2pF(ピコファラット)、第1の抵抗(r1)14の抵抗値を200Ω(オーム)として計算した。
増幅器10のKファクタは、安定化回路Aを挿入することで、図3(a)のデータに示されるように、使用周波数以外の周波数において効率よく改善される。また、NF(雑音指数)に関しては、安定化回路Aを挿入しても、使用周波数の2GHzにおいては、図3(b)に示すように、安定化回路Aの挿入前のNF値を示す曲線z1と、安定化回路Aの挿入後のNF値を示す曲線z2とを比較して、殆んど差はなく、劣化しないことが分かる。
なお、図3(b)に示されるデータは、図3(a)のデータと同条件(周波数1〜5GHz)により得られたデータである。
更に、Sパラメータ(散乱行列)に関しては、図3(c)にデータを示すように、例えば2GHzの周波数帯においては、入出力反射特性s11,s22の劣化が生じないことが分かる。また、その時の利得s21が向上していることが分かる。
なお、図3(c)に示されるデータは、図3(a)のデータと同条件(周波数1〜5GHz)により得られたデータである。
また、共振回路13は、そのコイル(L)16,コンデンサ(C)17の共振周波数を、増幅器10の使用周波数にに合わせて、適宜に所望値に設定する。
第1の抵抗(R1)14の抵抗値は、全周波数において、Kファクタが良好となるように調整する。また、この高周波信号の所要の周波数を、例えば2GHz程度とすると、入力端子19側から入力した高周波信号は、Kファクタ、NFおよびSパラメータの各特性の細かい調整を前以て行い、出力回路側へ供給することができる。
すなわち、使用する高周波信号として、例えば2GHz帯のものを用い、ドレイン端子15a側からこの2GHz帯の高周波入力信号を増幅して、出力端子12側から、出力回路側へ出力させることができる。
従って、今回の安定化回路Aを増幅素子の入力側に挿入することで、広い周波数範囲において、効果的に安定化が行なえる上、使用周波数においては、安定化回路Aの挿入損失を小さくすることができる。
増幅器10によれば、LC直列共振回路13を追加したことにより、安定化回路Aが構成されて、使用周波数での通過損失を小さくすることができる。この安定化回路Aの採用により、雑音指数を伴なわない安定化した性能が得られる。
例えば、これをLNA等の増幅器に適用する場合、効果的に安定化が行なえると同時に雑音指数の劣化が生じない。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
この第2の実施形態における増幅器21を、第1の実施形態を示す図1と同一部分に同一符号を附した図4を参照して説明する。
増幅器21は、第1の実施形態における増幅器10の共振回路13に第2の抵抗(R2)22を直列接続した構成である。
共振回路13に直列に第2の抵抗(R2)22を接続することにより、入力端子19側から入力する高周波出力信号を所要の周波数帯域内の安定化作用が得られるものである。また、このように共振回路13に第2の抵抗(R2)22を直列接続したことにより、Kファクタを積極的に1以上にする作用が得られるものである。
従って、共振回路13と第2の抵抗(R2)22の直列回路により扱われる所要の周波数帯域以外に比較的広範囲の周波数帯域までカバーしつつ効率的にフィルタ効果を発揮させることができる。
更に、共振回路13と第2の抵抗(R2)22の直列回路は、入力端子19側から入力する高周波出力信号成分に幾分のロス(信号出力の減衰)を生ぜしめるが、出力回路12側の受信装置側の信号受信性能次第によって対応が可能である。
すなわち、入力端子19と図示しない出力回路12側の出力端子20におけるインピーダンスを、例えば50Ω程度とし、入力端子19の前段の図示しない入力回路11と出力回路12により半導体15の入力および出力インピーダンスの整合を取ることができる。例えば、入力回路11の前段にアイソレータまたはアンテナ(図示せず)を直接接続する。
その他の構成は、第1の実施形態の構成と同様であるので説明を省略する。
次に、増幅器21の作用について図4および図5を参照して説明する。
入力端子19側から入力される高周波電力は、共振回路13と第2の抵抗(R2)22の直列回路に並列に第1の抵抗(R1)14を接続することにより、より一層帯域内での高周波出力信号の安定化が得られる。
すなわち、第2の抵抗(R2)22を共振回路13に直列に接続することにより、中心周波数帯域において、その抵抗値により若干の信号出力ロスが生じるが、その抵抗値を可変することにより、中心周波数帯域内での出力安定化と相俟って中心帯域幅の選択制御が可能となる。また、Kファクタについても、1程度以上の特性が得られる。
すなわち、共振回路13と第2の抵抗(R2)22の直列回路を設けたことにより、図5に示すように、入出力する高周波信号の振幅比(Vout/Vin)のGHz帯で頂点の1.0よりやや低下するが、0.5〜2.0GHzの範囲の周波数帯域幅くらいまでの広がりを示す。従って、Kファクタ,NF,Sパラメータの各特性に比べて、より広い帯域で類似した特性を示す。
また、共振回路13は、そのコイル(L)16,コンデンサ(C)17および第1の抵抗(R1)14のそれぞれを、入力する高周波電力の高周波数に合わせて、適宜に所望値に設定することにより、良好なフィルタ効果が得られるように前以て調整させることができる。
また、この所要の高周波数の調整により、例えば2GHz程度とすると、入力端子19側から入力した高周波信号は、Kファクタ、NFおよびSパラメータの各特性の細かい調整を行い、出力回路12側へ供給することができる。
すなわち、使用する高周波入力信号として、例えば2GHz帯のものを用い、ドレイン端子15a側からこの2GHz帯の高周波入力信号を増幅して、出力端子20側から、出力回路12側へ出力される。
従って、所要の高周波帯域において、LNAに適用可能とする一方で、増幅され出力される信号の雑音が少なく、安定性があり、また高利得の高周波出力信号が得られる。
本発明にかかる第1の実施形態を示す増幅器の回路図。 図1の増幅器に適用される高周波数と高周波の入力信号振幅比との関係を示すグラフ。 図1の増幅器の特性を示すグラフで、(a)は、適用される高周波の周波数とKファクタの関係を示す図、(b)は、適用される高周波の周波数とNF(雑音指数)の関係を示す図、(c)は、適用される高周波の周波数とSパラメータの関係を示す図。 本発明にかかる第2の実施形態を示す増幅器の回路図。 図2の増幅器に適用される高周波数と高周波の入力信号振幅比との関係を示すグラフ。 従来の増幅器の回路図。 図6の増幅器に適用される高周波数と高周波の入力信号振幅比との関係を示すグラフ。
符号の説明
10,21 増幅器
11 入力回路
12 出力回路
13 共振回路
14 第1の抵抗(R1)
15 半導体
15a ドレイン端子
15b ソース端子
15c ゲート端子
16 コイル(L)
17 コンデンサ(C)
19 入力端子
20 出力端子
22 第2の抵抗(R2)

Claims (2)

  1. 入出力端子間に接続される半導体と、この入力端子と半導体のゲート側との間に直列に接続される共振回路と、この共振回路に並列に接続される第1の抵抗とを具備したことを特徴とする増幅器。
  2. 上記共振回路に直列に第2の抵抗を接続したことを特徴とする請求項1記載の増幅器。
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