JP2005210607A - 分波回路及び高周波スイッチモジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】アイソレーションが良好で挿入損失の改善された分波回路、及び高周波スイッチモジュールを提供する。
【解決手段】低周波側フィルタは共通端子に接続された伝送線路Lf1と、低周波側端子とグランド間に接続された伝送線路Lf2とコンデンサCf1とからなる直列共振回路より構成され、高周波側フィルタは共通端子に接続されたコンデンサCf2と、Cf2と高周波側端子との間に接続されたコンデンサCf3と、Cf3とf2との接続点とグランドの間に接続された伝送線路Lf3と第4のコンデンサCf4とからなる直列共振回路より構成され、分波回路を構成する。伝送線路Lf1〜Lf3およびコンデンサCf1〜Cf4を電極パターンとして積層基板に内蔵し、伝送線路Lf1を構成する電極パターンと、コンデンサCf2を構成する電極パターンとが、積層基板の積層方向に対して実質的に重畳しない様にする。
【選択図】図1
【解決手段】低周波側フィルタは共通端子に接続された伝送線路Lf1と、低周波側端子とグランド間に接続された伝送線路Lf2とコンデンサCf1とからなる直列共振回路より構成され、高周波側フィルタは共通端子に接続されたコンデンサCf2と、Cf2と高周波側端子との間に接続されたコンデンサCf3と、Cf3とf2との接続点とグランドの間に接続された伝送線路Lf3と第4のコンデンサCf4とからなる直列共振回路より構成され、分波回路を構成する。伝送線路Lf1〜Lf3およびコンデンサCf1〜Cf4を電極パターンとして積層基板に内蔵し、伝送線路Lf1を構成する電極パターンと、コンデンサCf2を構成する電極パターンとが、積層基板の積層方向に対して実質的に重畳しない様にする。
【選択図】図1
Description
本発明は、2つ以上の異なる周波数の信号を1つのアンテナを共用して送受信する為に用いる分波回路及び高周波スイッチモジュールに関する。特に、2つ以上の異なる周波数の送受信信号のアイソレーションを更に改良したものに関する。
携帯電話には種々の周波数帯を用いた方式があり、主に欧州で盛んなEGSM(European Global System for Mobile Communications)方式及びDCS(Digital Cellular System)方式、米国で盛んなPCS(Personal Communications Services)方式、次世代携帯無線システムとしてW−CDMA(Wide−band CodeDivision Multiple Access)方式などがある。
EGSM方式は、送信周波数880〜915MHz、受信周波数925〜960MHzで、DCS方式は、送信周波数1710〜1785MHz、受信周波数1805〜1880MHzで、PCS方式は、送信周波数1850〜1910MHz、受信周波数1930〜1990MHz、W−CDMA方式は、送信周波数1920〜1980MHz、受信周波数2110〜2170MHzである。
EGSM方式は、送信周波数880〜915MHz、受信周波数925〜960MHzで、DCS方式は、送信周波数1710〜1785MHz、受信周波数1805〜1880MHzで、PCS方式は、送信周波数1850〜1910MHz、受信周波数1930〜1990MHz、W−CDMA方式は、送信周波数1920〜1980MHz、受信周波数2110〜2170MHzである。
1台の携帯電話機で複数の周波数帯に共用したい場合、アンテナにて受信される複数の周波数帯の受信信号を分波するため及びアンテナから出力される複数の周波数帯の送信信号を合成するための分波回路、及び送受信経路を切り換えるためのスイッチを組み込んだ高周波スイッチモジュールが必須部品と成る。従来技術として、例えば、特許文献1記載のものがある。
特許文献1記載の発明は、図9に示すように、共通端子2と低周波側端子1間を接続したインダクタ3aと、このインダクタ3aと低周波側端子1との間に一端が接続され他端が接地されたインダクタ3bとコンデンサ3cの直列共振回路3dとからなるLPF回路3と、高周波側端子4と共通端子2間を接続したコンデンサ5aと、このコンデンサ5aと高周波側端子4との間に一端が接続され他端が接地されたインダクタ5bとコンデンサ5cの直列共振回路5dとからなるHPF回路5とを一体に組み合わせたものである。それにより、共通端子2から入力される、異なる周波数帯域の信号を高周波数側と低周波数側に分波するものである。
本発明者は、特許文献1記載の発明において複数の周波数帯の信号におけるアイソレーション(isolation)に改善すべき課題のあることを知見した。
ここでアイソレーションとは、例えば低周波側端子から共通端子正しく伝送される信号と、低周波側端子から高周波側端子に漏れ出して流れる信号との比(dB表示)である。つまり、アイソレーションが高いと言うことは、低周波側端子と高周波側端子の間で不要に流れる信号が少ないことを意味し、低周波側のEGSM回路と高周波側のDCS,PCS,W−CDMA回路などとの干渉が少ないことを意味する。
ここでアイソレーションとは、例えば低周波側端子から共通端子正しく伝送される信号と、低周波側端子から高周波側端子に漏れ出して流れる信号との比(dB表示)である。つまり、アイソレーションが高いと言うことは、低周波側端子と高周波側端子の間で不要に流れる信号が少ないことを意味し、低周波側のEGSM回路と高周波側のDCS,PCS,W−CDMA回路などとの干渉が少ないことを意味する。
信号の周波数が高くなる程、信号線路以外への干渉により、回路の性能劣化等が生じる。
特に、EGSMにおける周波数帯域の2倍の周波数が、DCSやPCSの周波数帯域と重複するか非常に近いため、分波回路における低周波側回路と高周波側回路のアイソレーションが悪いと、EGSMの送信信号の2倍波高調波が高周波側回路側に漏れ込み、そのままアンテナ端子から出力されてしまい、低周波側回路の高調波減衰量が劣化するという問題が起こる。
特に、EGSMにおける周波数帯域の2倍の周波数が、DCSやPCSの周波数帯域と重複するか非常に近いため、分波回路における低周波側回路と高周波側回路のアイソレーションが悪いと、EGSMの送信信号の2倍波高調波が高周波側回路側に漏れ込み、そのままアンテナ端子から出力されてしまい、低周波側回路の高調波減衰量が劣化するという問題が起こる。
また、分波回路における低周波側回路と高周波側回路のアイソレーションが悪いと、各周波数帯の信号が不要な経路に漏れ込み、挿入損失の劣化が生じるという問題が起こる。
そこで、本発明は、アイソレーションが良好で、低周波側回路の高調波減衰量および各経路の挿入損失の改善された分波回路、及びそれを組み込んだ高周波スイッチモジュールの提供を目的とする。
〔手段1〕
本発明の手段1は、低周波側フィルタと高周波側フィルタより構成され、共通端子(Pa)、低周波側端子(Pb)、および高周波側端子(Pc)を有し、前記低周波側フィルタは前記共通端子(Pa)に接続された第1の伝送線路(Lf1)と、前記低周波側端子(Pb)とグランドの間に接続された第2の伝送線路(Lf2)と第1のコンデンサ(Cf1)とからなる直列共振回路より構成され、前記高周波側フィルタは前記共通端子(Pa)に接続された第2のコンデンサ(Cf2)と、該第2のコンデンサ(Cf2)と前記高周波側端子(Pb)との間に接続された第3のコンデンサ(Cf3)と、該第3のコンデンサ(Cf3)と前記第2のコンデンサ(Cf2)との接続点とグランドとの間に接続された第3の伝送線路(Lf3)と第4のコンデンサ(Cf4)とからなる直列共振回路より構成されて周波数の異なる信号を分波する分波回路(DIP)であって、前記複数の伝送線路(Lf1〜Lf3)および前記複数のコンデンサ(Cf1〜Cf4)を電極パターンとして積層基板に内蔵し、前記第1の伝送線路(Lf1)を構成する電極パターンと、前記第2のコンデンサ(Cf2)を構成する電極パターンとが、前記積層基板の積層方向に対して実質的に重畳しないことを特徴とする分波回路(DIP)である。
本発明の手段1は、低周波側フィルタと高周波側フィルタより構成され、共通端子(Pa)、低周波側端子(Pb)、および高周波側端子(Pc)を有し、前記低周波側フィルタは前記共通端子(Pa)に接続された第1の伝送線路(Lf1)と、前記低周波側端子(Pb)とグランドの間に接続された第2の伝送線路(Lf2)と第1のコンデンサ(Cf1)とからなる直列共振回路より構成され、前記高周波側フィルタは前記共通端子(Pa)に接続された第2のコンデンサ(Cf2)と、該第2のコンデンサ(Cf2)と前記高周波側端子(Pb)との間に接続された第3のコンデンサ(Cf3)と、該第3のコンデンサ(Cf3)と前記第2のコンデンサ(Cf2)との接続点とグランドとの間に接続された第3の伝送線路(Lf3)と第4のコンデンサ(Cf4)とからなる直列共振回路より構成されて周波数の異なる信号を分波する分波回路(DIP)であって、前記複数の伝送線路(Lf1〜Lf3)および前記複数のコンデンサ(Cf1〜Cf4)を電極パターンとして積層基板に内蔵し、前記第1の伝送線路(Lf1)を構成する電極パターンと、前記第2のコンデンサ(Cf2)を構成する電極パターンとが、前記積層基板の積層方向に対して実質的に重畳しないことを特徴とする分波回路(DIP)である。
ここで「実質的に重畳しない」とは、要求されるアイソレーションの程度によっては多少の重畳は許容されるということである。なお、本発明は、例示したこの実施例に限定されるものではない。
〔手段2〕
本発明の手段2は、低周波側フィルタと高周波側フィルタより構成され、共通端子(Pa)、低周波側端子(Pb)、および高周波側端子(Pc)を有し、前記低周波側フィルタは前記共通端子(Pa)に接続された第1の伝送線路(Lf1)と、前記低周波側端子(Pb)とグランドの間に接続された第2の伝送線路(Lf2)と第1のコンデンサ(Cf1)とからなる直列共振回路より構成され、前記高周波側フィルタは前記共通端子(Pa)に接続された第2のコンデンサ(Cf2)と、該第2のコンデンサ(Cf2)と前記高周波側端子(Pb)との間に接続された第3のコンデンサ(Cf3)と、該第3のコンデンサ(Cf3)と前記第2のコンデンサ(Cf2)との接続点とグランドとの間に接続された第3の伝送線路(Lf3)と第4のコンデンサ(Cf4)とからなる直列共振回路より構成されて周波数の異なる信号を分波する分波回路(DIP)であって、前記複数の伝送線路(Lf1〜Lf3)および前記複数のコンデンサ(Cf1〜Cf4)を電極パターンとして積層基板に内蔵し、前記第1の伝送線路(Lf1)を構成する電極パターンと、前記第2のコンデンサ(Cf2)を構成する電極パターンとが、前記積層基板の積層方向に対して実質的に重畳せず、前記第1の伝送線路を構成する電極パターンが前記第2のコンデンサを構成する電極パターンより積層基板の上部に配置されていることを特徴とする分波回路(DIP)である。
本発明の手段2は、低周波側フィルタと高周波側フィルタより構成され、共通端子(Pa)、低周波側端子(Pb)、および高周波側端子(Pc)を有し、前記低周波側フィルタは前記共通端子(Pa)に接続された第1の伝送線路(Lf1)と、前記低周波側端子(Pb)とグランドの間に接続された第2の伝送線路(Lf2)と第1のコンデンサ(Cf1)とからなる直列共振回路より構成され、前記高周波側フィルタは前記共通端子(Pa)に接続された第2のコンデンサ(Cf2)と、該第2のコンデンサ(Cf2)と前記高周波側端子(Pb)との間に接続された第3のコンデンサ(Cf3)と、該第3のコンデンサ(Cf3)と前記第2のコンデンサ(Cf2)との接続点とグランドとの間に接続された第3の伝送線路(Lf3)と第4のコンデンサ(Cf4)とからなる直列共振回路より構成されて周波数の異なる信号を分波する分波回路(DIP)であって、前記複数の伝送線路(Lf1〜Lf3)および前記複数のコンデンサ(Cf1〜Cf4)を電極パターンとして積層基板に内蔵し、前記第1の伝送線路(Lf1)を構成する電極パターンと、前記第2のコンデンサ(Cf2)を構成する電極パターンとが、前記積層基板の積層方向に対して実質的に重畳せず、前記第1の伝送線路を構成する電極パターンが前記第2のコンデンサを構成する電極パターンより積層基板の上部に配置されていることを特徴とする分波回路(DIP)である。
〔手段3〕
本発明の手段3は、手段1または2記載の分波回路(DIP)と、送受信信号を切り換える為のスイッチ回路とを複合し、アンテナで送受信する2つ以上の異なった周波数の信号を分波、切り換えする高周波スイッチモジュール(ASM)であって、前記分波回路(DIP)を構成する伝送線路およびコンデンサ、及び前記スイッチ回路を構成する伝送線路およびコンデンサの一部を積層基板に内蔵し、前記スイッチ回路の一部を構成するスイッチ素子、インダクタ、コンデンサ、及び抵抗を積層基板上に搭載したことを特徴とする高周波スイッチモジュール(ASM)である。
本発明の手段3は、手段1または2記載の分波回路(DIP)と、送受信信号を切り換える為のスイッチ回路とを複合し、アンテナで送受信する2つ以上の異なった周波数の信号を分波、切り換えする高周波スイッチモジュール(ASM)であって、前記分波回路(DIP)を構成する伝送線路およびコンデンサ、及び前記スイッチ回路を構成する伝送線路およびコンデンサの一部を積層基板に内蔵し、前記スイッチ回路の一部を構成するスイッチ素子、インダクタ、コンデンサ、及び抵抗を積層基板上に搭載したことを特徴とする高周波スイッチモジュール(ASM)である。
本発明によると、アイソレーションが良好で、低周波側回路の高調波減衰量および各経路の挿入損失の改善された分波回路、及びそれを組み込んだ高周波スイッチモジュールを提供できる。
本発明者は、特許文献1記載の発明(図9参照)における送受信信号のアイソレーションに改善の余地があることを見出した。
すなわち、図9において、誘電体シート6f上にはコンデンサ5aを形成する電極パターン16が設けられ、誘電体シート6i上には伝送線路3aを形成する電極パターン20が設けられている。そして、電極パターン16と電極パターン20とが、積層基板の積層方向に対して重畳して配置されていることが、アイソレーション低下の原因であることを知見した。
すなわち、図9において、誘電体シート6f上にはコンデンサ5aを形成する電極パターン16が設けられ、誘電体シート6i上には伝送線路3aを形成する電極パターン20が設けられている。そして、電極パターン16と電極パターン20とが、積層基板の積層方向に対して重畳して配置されていることが、アイソレーション低下の原因であることを知見した。
図1を用いて、本発明に係る分波回路の回路構成と動作を説明する。分波回路は、送信の際には高周波側送信回路あるいは低周波側送信回路の送信信号を結合し、受信の際には高周波側受信回路あるいは低周波側受信回路に受信信号を分配する機能を有する。
本発明に係る分波回路は、低周波側フィルタと高周波側フィルタとを一体に組み合わせたものである。
低周波側フィルタは、低周波側端子Pbと共通端子Pa間を接続した第1の伝送線路Lf1と、この第1の伝送線路Lf1と低周波側端子Pbとの間に一端が接続され他端が接地された第2の伝送線路Lf2と第1のコンデンサCf1の直列共振回路とからなるローパスフィルタにて構成される。
高周波側フィルタは、高周波側端子Pcと共通端子Pa間を直列接続したコンデンサCf2,Cf3、コンデンサCf2,Cf3との接続点の間に一端が接続され他端が接地された第3のインダクタLf3と第4のコンデンサCf4との直列共振回路とからなるハイパスフィルタにて構成される。
低周波側フィルタは、低周波側端子Pbと共通端子Pa間を接続した第1の伝送線路Lf1と、この第1の伝送線路Lf1と低周波側端子Pbとの間に一端が接続され他端が接地された第2の伝送線路Lf2と第1のコンデンサCf1の直列共振回路とからなるローパスフィルタにて構成される。
高周波側フィルタは、高周波側端子Pcと共通端子Pa間を直列接続したコンデンサCf2,Cf3、コンデンサCf2,Cf3との接続点の間に一端が接続され他端が接地された第3のインダクタLf3と第4のコンデンサCf4との直列共振回路とからなるハイパスフィルタにて構成される。
それにより、アンテナ端子ANTに接続された共通端子Paから入力される、異なる周波数帯域の信号を高周波側と低周波側に分波するものである。
ここで、異なる周波数帯域の信号は2周波数(ダブルバンド)に限られるものではなく3周波数(トリプルバンド)以上のマルチバンドに適用できる。この場合、前記のハイパフフィルタとローパスフィルタの遮断周波数をずらしたものを3つ以上組み合わせれば良い。
ここで、異なる周波数帯域の信号は2周波数(ダブルバンド)に限られるものではなく3周波数(トリプルバンド)以上のマルチバンドに適用できる。この場合、前記のハイパフフィルタとローパスフィルタの遮断周波数をずらしたものを3つ以上組み合わせれば良い。
図2は、図1に示した本発明に係る分波回路を積層基板で構成したものの、各層の電極パーン図である。誘電体シートS1〜S7の7層に各々、電極パターンを印刷などで形成する。伝送線路Lf1〜Lf3は、第1層の誘電体シートS1と第3層の誘電体シートS3とに分けて、中間の第2層の誘電体シートS2に形成したビアホール(via−hole)で線状の電極パターンを接続することにより、コンデンサCf1〜Cf4は、第5層の誘電体シートS5から第7層の誘電体シートS7にかけて形成した面積を持った電極パターン間で形成される静電コンデンサによって構成される。各電極パターンの層間接続は黒点で示されたビアホールによって接続されて分波回路を構成している。
図3は、図2に示した本発明に係る分波回路を積層基板で構成したものの、第1層の誘電体シートS1と第5層の誘電体シートS5とを取り出して、伝送線路Lf1とコンデンサCf2との積層基板の積層方向に対する重畳の度合いを示したものである。
図3(A)は、本発明に係る分波回路で伝送線路Lf1とコンデンサCf2との積層基板の積層方向に対して実質的に重畳しないように配置したものである。
図3(A)は、本発明に係る分波回路で伝送線路Lf1とコンデンサCf2との積層基板の積層方向に対して実質的に重畳しないように配置したものである。
ここで、「実質的に重畳しない」とは、全く重畳しないことに限定するものではなく要求されるアイソレーションの仕様と電極パターン設計の自由度との関係において、多少の重畳は許容できることを意味する。
なお、伝送線路Lf1を構成する電極パターンを、コンデンサCf2を構成する電極パターンより積層基板の上部に配置することが、より好ましい。このように配置することにより、誘電体シートS7よりも下層に配置する図示しないGNDパターンからの距離を大きくすることにより特性インピーダンスを大きくできる。その結果、伝送線路Lf1の線路長を短くできるので、コンデンサCf2を構成する電極パターンとの重畳を回避できる実装設計の自由度が向上するためである。
これに対して、図3(B)は、比較例として、伝送線路Lf1とコンデンサCf2とが重畳する場合である。
誘電体シートS7を一番下の層として、誘電体シートS1まで7層で構成する。誘電体シートは、誘電体材料でなるグリーンシート(未焼成の生シート)に銀ペーストなどで伝送線路やコンデンサの電極パターンを印刷して積層した後に共に焼成する低温焼成セラミックス(LTCC)で構成する。層間の接続は、図示の黒丸で示すビアホール(via−hole)に導電性ペーストを充填することにより行う。
伝送線路Lf1〜Lf3は、誘電体シートS1と誘電体シートS3に線状パターンとして印刷形成され、誘電体シートS2に形成したビアホールで接続されている。
コンデンサCf1〜Cf4は、誘電体シートS5から誘電体シートS7に面状パターンとして印刷形成され、伝送線路Lf1〜Lf3とはビアホールで接続されて積層基板を形成し、図1で示した本発明に係る分波回路DIPを構成する。
コンデンサCf1〜Cf4は、誘電体シートS5から誘電体シートS7に面状パターンとして印刷形成され、伝送線路Lf1〜Lf3とはビアホールで接続されて積層基板を形成し、図1で示した本発明に係る分波回路DIPを構成する。
図4を用いて、本発明に係る高周波スイッチモジュールの回路構成と動作を説明する。
ここで例示した高周波スイッチモジュールは、3つの送受信系を切り換えるものである。
第1の送受信系がEGSM(送信周波数880〜915MHz、受信周波数925〜960MHz)で、第2の送受信系がDCS(送信周波数1710〜1785MHz、受信周波数1805〜1880MHz)で、第3の送受信系がPCS(送信周波数1850〜1910MHz、受信周波数1930〜1990MHz)の場合を例にとって、以下詳細に説明する。
ここで例示した高周波スイッチモジュールは、3つの送受信系を切り換えるものである。
第1の送受信系がEGSM(送信周波数880〜915MHz、受信周波数925〜960MHz)で、第2の送受信系がDCS(送信周波数1710〜1785MHz、受信周波数1805〜1880MHz)で、第3の送受信系がPCS(送信周波数1850〜1910MHz、受信周波数1930〜1990MHz)の場合を例にとって、以下詳細に説明する。
この高周波スイッチモジュールASMは、
(a)図1を用いて説明した分波回路DIPと、
(b)低周波側フィルタの後段に配置され、制御端子VC3から供給される電圧により、第1の送受信系の送信端子Tx1(EGSM)と受信端子Rx1(EGSM)とを切り換える第1のスイッチ回路と、
(c)高周波側フィルタの後段に配置され、制御端子VC1、VC2から供給される電圧により、第2及び第3の送受信系の送信端子Tx2(DCS/PCS)と第2の送受信系の受信端子Rx2(DCS)と第3の送受信系の受信端子Rx3(PCS)とを切り換える第2のスイッチ回路とを具備する。
(a)図1を用いて説明した分波回路DIPと、
(b)低周波側フィルタの後段に配置され、制御端子VC3から供給される電圧により、第1の送受信系の送信端子Tx1(EGSM)と受信端子Rx1(EGSM)とを切り換える第1のスイッチ回路と、
(c)高周波側フィルタの後段に配置され、制御端子VC1、VC2から供給される電圧により、第2及び第3の送受信系の送信端子Tx2(DCS/PCS)と第2の送受信系の受信端子Rx2(DCS)と第3の送受信系の受信端子Rx3(PCS)とを切り換える第2のスイッチ回路とを具備する。
送信端子Tx2(DCS/PCS)を共通化するため、図4に示すような等価回路で高周波スイッチモジュールを構成するのが好ましい。
〔回路構成の説明〕
(A)分波回路DIP
アンテナ端子ANTと接続されている低周波側フィルタ及び高周波側フィルタは、それぞれ伝送線路とコンデンサにより構成されている。EGSMの送受信信号を通過させるとともにDCS及びPCSの送受信信号を減衰させる低周波側フィルタとしてローパスフィルタを備え、DCS及びPCSの送受信信号を通過させるとともにEGSMの送受信信号を減衰させる高周波側フィルタとしてハイパスフィルタを備えている。
本発明においては、低周波側フィルタ及び高周波側フィルタのうち、接続点P1に直結する低周波側フィルタの伝送線路Lf1と高周波側フィルタのコンデンサCf2との実装上の工夫、即ち各々の電極パターンを積層基板の積層方向に対して実質的に重畳しないように配置することにより、高周波側フィルタ回路と低周波側フィルタ回路間のアイソレーションの向上を果たした。
また、伝送線路Lf1を構成する電極パターンを、コンデンサCf2を構成する電極パターンより積層基板の上部に配置することにより、高周波側フィルタ回路と低周波側フィルタ回路間のアイソレーションの更なる向上が果たせる。
アンテナ端子ANTと接続されている低周波側フィルタ及び高周波側フィルタは、それぞれ伝送線路とコンデンサにより構成されている。EGSMの送受信信号を通過させるとともにDCS及びPCSの送受信信号を減衰させる低周波側フィルタとしてローパスフィルタを備え、DCS及びPCSの送受信信号を通過させるとともにEGSMの送受信信号を減衰させる高周波側フィルタとしてハイパスフィルタを備えている。
本発明においては、低周波側フィルタ及び高周波側フィルタのうち、接続点P1に直結する低周波側フィルタの伝送線路Lf1と高周波側フィルタのコンデンサCf2との実装上の工夫、即ち各々の電極パターンを積層基板の積層方向に対して実質的に重畳しないように配置することにより、高周波側フィルタ回路と低周波側フィルタ回路間のアイソレーションの向上を果たした。
また、伝送線路Lf1を構成する電極パターンを、コンデンサCf2を構成する電極パターンより積層基板の上部に配置することにより、高周波側フィルタ回路と低周波側フィルタ回路間のアイソレーションの更なる向上が果たせる。
伝送線路Lf1は、低周波側のEGSM帯域の信号を低損失で通過させ、高周波側のDCS及びPCS帯域の信号に対して高インピーダンスとなるようにしてDCS及びPCS帯域の信号の回り込みを防止する。
伝送線路Lf2とコンデンサCf1とは直列共振回路を構成し、DCS及びPCS帯域に共振周波数を持つように設計して、DCS及びPCS帯域の信号をグランドに落とし、回り込みを防止する。
伝送線路Lf2とコンデンサCf1とは直列共振回路を構成し、DCS及びPCS帯域に共振周波数を持つように設計して、DCS及びPCS帯域の信号をグランドに落とし、回り込みを防止する。
コンデンサCf2、Cf3は、高周波側のDCS、PCS帯域の信号を低損失で通過させ、低周波側のEGSM帯域の信号に対して高インピーダンスとなるようにしてEGSM帯域の信号の回り込みを防止する。
伝送線路Lf3とコンデンサCf4とは直列共振回路を構成し、EGSM帯域に共振周波数を持つように設計して、EGSM帯域の信号をグランドに落とし、回り込みを防止する。
伝送線路Lf3とコンデンサCf4とは直列共振回路を構成し、EGSM帯域に共振周波数を持つように設計して、EGSM帯域の信号をグランドに落とし、回り込みを防止する。
ここで、伝送線路Lf1はDCS、PCS帯域の信号の周波数にとって高インピーダンスになるようにある程度の長さに設定するのが好ましい。これによりDCS、PCS帯域の信号がEGSM系の経路へ伝送され難くなる。
逆に、コンデンサCf2、Cf3はEGSM系の信号の周波数にとって高インピーダンスになるように比較的小さい容量値に設定されるのが好ましい。これによりEGSM系の信号がDCS、PCS帯域系の経路へ伝送され難くなる。
逆に、コンデンサCf2、Cf3はEGSM系の信号の周波数にとって高インピーダンスになるように比較的小さい容量値に設定されるのが好ましい。これによりEGSM系の信号がDCS、PCS帯域系の経路へ伝送され難くなる。
(B)スイッチ回路
分波回路DIPの後段に配置されたEGSMの送信端子Tx1と受信端子Rx1とを切り換える第1のスイッチ回路、及びDCS及びPCSの送信端子Tx2とDCSの受信端子Rx2とPCSの受信信号Rx3とを切り換える第2のスイッチ回路は、いずれもスイッチ素子と伝送線路を主要素子とする。
分波回路DIPの後段に配置されたEGSMの送信端子Tx1と受信端子Rx1とを切り換える第1のスイッチ回路、及びDCS及びPCSの送信端子Tx2とDCSの受信端子Rx2とPCSの受信信号Rx3とを切り換える第2のスイッチ回路は、いずれもスイッチ素子と伝送線路を主要素子とする。
このスイッチ素子としては、PINダイオードが好適である。他にGaAsスイッチも使用できる。一般的にPINダイオードを使用したスイッチ回路はGaAsスイッチと比較して低コストで回路を構築できるという利点があり、逆にGaAsスイッチはPINダイオードを使用したスイッチ回路と比較すると低消費電力化が可能になるという利点があるので、これらの特徴を生かすように選択できる。
第1のスイッチ回路は、図4の上側にあるスイッチ回路であり、EGSMの送信端子Tx1と受信端子Rx1とを切り換えるものである。第1のスイッチ回路は、2つのダイオードDg1、Dg2及び2つの伝送線路Lg2、Lg3を主要素子とする。
ダイオードDg1は、接続点P3と送信端子Tx1との間に配置され、そのアノードは接続点P3に接続され、カソードは伝送線路Lg1とコンデンサCg2〜Cg4とにより構成されたπ型のローパスフィルタを介挿して接続点P4に接続され、接続点P4とグランドとの間には伝送線路Lg2が接続されている。
ダイオードDg1は、接続点P3と送信端子Tx1との間に配置され、そのアノードは接続点P3に接続され、カソードは伝送線路Lg1とコンデンサCg2〜Cg4とにより構成されたπ型のローパスフィルタを介挿して接続点P4に接続され、接続点P4とグランドとの間には伝送線路Lg2が接続されている。
ここで、π型のローパスフィルタについて説明する。このフィルタは、EGSM側のパワーアンプ(図示しない)から入力される送信信号に含まれる高次の高調波歪みを抑制するため、EGSM送信信号を通過し、EGSM送信信号の2倍以上の周波数を十分に減衰するような特性を持つことが好ましい。
Lg1とCg4は並列共振回路を構成し、その共振周波数はEGSMの送信周波数の2倍もしくは3倍の周波数に設定する。それにより、図示しないパワーアンプから入力されるEGSM側の送信信号に含まれる高調波歪みを除去できる。
なお、コンデンサCg1,Cg5、Cg6、およびCg7は、直流分を除去してダイオードDg1およびDg2を含む回路に制御用の直流電圧を印加できるようにしたDCカットコンデンサである。
接続点P3と受信端子Rx1との間には伝送線路Lg3が接続され、受信端子Rx1側の伝送線路Lg3の一端(接続点P5)とグランドとの間にダイオードDg2が接続され、ダイオードDg2のアノードとグランドとの間にコンデンサCg6が接続されている。ダイオードDg2のアノードと制御端子VC3との間には抵抗Rgが直列に接続されている。
伝送線路Lg2及び伝送線路Lg3は、いずれも共振周波数がEGSMの送信信号の周波数帯域内となるような線路長を有するのが好ましい。例えば、それぞれの共振周波数をEGSMの送信信号周波数のほぼ中間周波数(897.5MHz)とすると、所望の周波数帯域内で優れた挿入損失特性を得ることができる。
第2のスイッチ回路は、図2の下側にあるスイッチ回路であり、DCSの受信端子Rx2と、PCSの受信端子Rx3と、DCS及びPCSの送信端子Tx2とを切り換える。
第2のスイッチ回路は、4つのダイオードDd1,Dd2,Dp1、及びDp2と、4つの伝送線路Ld5、Lp1、Ld4、及びLp2とを主要素子とする。
ダイオードDd1は、接続点P6と送信端子Tx2との間に配置され、そのアノードは接続点P6に接続され、そのカソードは、伝送線路Ld2、Ld3とコンデンサCd2,Cd3とにより構成されたπ型のローパスフィルタを介挿して接続点P7に接続され、接続点P7とグランドとの間には伝送線路Ld4が接続されている。
第2のスイッチ回路は、4つのダイオードDd1,Dd2,Dp1、及びDp2と、4つの伝送線路Ld5、Lp1、Ld4、及びLp2とを主要素子とする。
ダイオードDd1は、接続点P6と送信端子Tx2との間に配置され、そのアノードは接続点P6に接続され、そのカソードは、伝送線路Ld2、Ld3とコンデンサCd2,Cd3とにより構成されたπ型のローパスフィルタを介挿して接続点P7に接続され、接続点P7とグランドとの間には伝送線路Ld4が接続されている。
ここで、π型のローパスフィルタについて説明する。このフィルタは、DCSおよびPCS側のパワーアンプ(図示しない)から入力される送信信号に含まれる高次高調波歪みを抑制するため、DCSあるいはPCS送信信号を通過し、DCSあるいはPCS送信信号の2倍以上の周波数を十分に減衰するような特性を持つことが好ましい。
ダイオードDd1に並列接続されたインダクタLd1とコンデンサCd1の機能を説明する。
ダイオードDd1のOFF時、DCSおよびPCSの送信端子Tx2とアンテナ端子ANT間、DCSおよびPCSの送信端子Tx2とDCSの受信端子Rx2間およびDCSおよびPCSの送信端子Tx2とPCSの受信端子Rx3間のアイソレーション確保を目的として、インダクタLd1とコンデンサCd1の直列回路をダイオードDd1に対して並列接続し、OFF時のダイオードの容量成分を相殺している。
ダイオードDd1のOFF時、DCSおよびPCSの送信端子Tx2とアンテナ端子ANT間、DCSおよびPCSの送信端子Tx2とDCSの受信端子Rx2間およびDCSおよびPCSの送信端子Tx2とPCSの受信端子Rx3間のアイソレーション確保を目的として、インダクタLd1とコンデンサCd1の直列回路をダイオードDd1に対して並列接続し、OFF時のダイオードの容量成分を相殺している。
伝送線路Ld4及びLd5は、それらの共振周波数がDCSとPCSの送受信系の、送信信号の周波数帯域の最大周波数から最小周波数までの範囲内に入るような線路長を有するのが好ましく、特に最大周波数と最小周波数の中間の周波数となるような線路長を有するのが好ましい。
例えば伝送線路Ld4及びLd5の共振周波数を、DCS帯域とPCS帯域の送信信号周波数のほぼ中間周波数(1810MHz)とすると、それぞれのモードにおいて優れた電気的特性を得ることができ、2つの送信信号を1つの回路で扱うことができる。
例えば伝送線路Ld4及びLd5の共振周波数を、DCS帯域とPCS帯域の送信信号周波数のほぼ中間周波数(1810MHz)とすると、それぞれのモードにおいて優れた電気的特性を得ることができ、2つの送信信号を1つの回路で扱うことができる。
ローパスフィルタを構成する伝送線路Ld3の線路長は、λ/8〜λ/12(ただしλはDCS及びPCSの送受信系における送信信号の中間周波数の波長)とするのが好ましい。DCS帯域及びPCS帯域の送受信系における送信信号の中間周波数λは、DCSの送信信号1710〜1785MHzとPCSの送信信号1850〜1910MHzとの中間の周波数(1810MHz)となる。
中間周波数の波長λに対し、伝送線路Ld3の線路長がλ/8超であると、通過帯域特性が狭帯域となり、DCSの送信信号の下限周波数及びPCSの送信信号近傍で所望の挿入損失特性が得られない。また伝送線路Ld3の線路長がλ/12未満であると、2倍波、3倍波等の高周波数域における減衰量が劣化する。このように、いずれの場合も高周波スイッチモジュールとしての特性が劣化するため好ましくない。
中間周波数の波長λに対し、伝送線路Ld3の線路長がλ/8超であると、通過帯域特性が狭帯域となり、DCSの送信信号の下限周波数及びPCSの送信信号近傍で所望の挿入損失特性が得られない。また伝送線路Ld3の線路長がλ/12未満であると、2倍波、3倍波等の高周波数域における減衰量が劣化する。このように、いずれの場合も高周波スイッチモジュールとしての特性が劣化するため好ましくない。
なお、コンデンサCd4は、直流分を除去してダイオードDd1およびDd2を含む回路に制御用の直流電圧を印加できるようにしたDCカットコンデンサであり、コンデンサCp1、Cp4、およびCp5は、ダイオードDp1およびDp2を含む回路に制御用の直流電圧を印加できるようにしたDCカットコンデンサである。
接続点P6と接続点P8との間には伝送線路Ld5が接続され、接続点P8とグランドの間にはダイオードDd2とコンデンサCd5が接続される。ダイオードDd2のアノードには抵抗Rdを介して制御端子Vc1が接続される。
制御端子Vc1〜Vc3には制御電圧が印加されてスイッチ回路の制御が行われる。その制御とアンテナスイッチモジュールの送信、受信の動作については、後述する[2]動作の説明で詳しく説明する。
制御端子Vc1〜Vc3には制御電圧が印加されてスイッチ回路の制御が行われる。その制御とアンテナスイッチモジュールの送信、受信の動作については、後述する[2]動作の説明で詳しく説明する。
接続点P8と接続点P9との間には2〜10pFの大きさのDCカットコンデンサCp1が接続される。接続点P9と受信端子Rx2との間に伝送線路Lp1が接続される。伝送線路Lp1の一端、接続点P10はグランドとの間にはダイオードDp2とコンデンサCp2を介してグランドに接続され、ダイオードDp2とコンデンサCp2の接続点は抵抗Rpを経て制御端子Vc2に接続されている。
また、接続点P9と受信端子Rx3との間にはダイオードDp1が接続される。ダイオードDp1のカソードとグランドとの間には伝送線路Lp2とコンデンサCp3の並列共振回路が接続され、PCS受信信号のグランドへの信号の漏れ込みを防止している。
なお、受信端子Rx1,Rx2,Rx3に接続されたDCカットコンデンサCg7、Cp4、およびCp5は、SAWフィルタを用いる場合には、SAW自体が直流成分を除去することができるため、取り除いても良い。
[2]動作の説明
本発明の高周波スイッチモジュールASMは、制御端子に電圧を印加してダイオードスイッチをON状態/OFF状態に制御することにより、EGSM、DCS、及びPCSの送受信系のいずれか一つを選択するようになっている。
本発明の高周波スイッチモジュールASMは、制御端子に電圧を印加してダイオードスイッチをON状態/OFF状態に制御することにより、EGSM、DCS、及びPCSの送受信系のいずれか一つを選択するようになっている。
図4に示す等価回路の高周波スイッチモジュールについて、その動作を説明する。
(a)EGSM 送信モード
EGSMの送信端子Tx1(EGSM Tx)からアンテナ端子ANTに送信信号を送出する場合、制御端子Vc3をHigh(例えば2.6V)に、制御端子Vc1をLow(例えばゼロ電圧),Vc2をHighあるいはLowとする。
EGSMの送信端子Tx1(EGSM Tx)からアンテナ端子ANTに送信信号を送出する場合、制御端子Vc3をHigh(例えば2.6V)に、制御端子Vc1をLow(例えばゼロ電圧),Vc2をHighあるいはLowとする。
ここで、制御端子に印加する制御電圧がHighとは、+1〜+5V,Lowとは−0.5〜+0.5Vが望ましい。以下同様である。
制御端子VC3から印加された正電圧は、Cg1、Cg5、Cg6、及びCg7のコンデンサによりDC(直流)分がカットされて、ダイオードDg2及びDg1を含む回路に印加される。その結果、ダイオードDg2及びDg1はON状態となる。ダイオードDg1がON状態となることにより、EGSMの送信端子Tx1と接続点P3の間のインピーダンスが低くなる。またON状態となったダイオードDg2及びコンデンサCg6により伝送線路Lg3は高周波的にグランド(接地)されて共振し、接続点P3からEGSMの受信端子Rx1を見たインピーダンスは非常に大きくなる。
従って、EGSMの送信端子Tx1から送出される送信信号は、EGSMの受信端子Rx1に漏洩することなく、アンテナ端子ANTに送出される。
従って、EGSMの送信端子Tx1から送出される送信信号は、EGSMの受信端子Rx1に漏洩することなく、アンテナ端子ANTに送出される。
ここで、伝送線路Lg2、Lg3はEGSMの送信周波数帯においてλ/4共振器となるように伝送線路の長さを設定する。
なお、伝送線路Lg2はEGSMの送信周波数においてグランドレベルがオープン(高インピーダンス状態)に見える程度のチョークコイルでも代用可能である。この場合インダクタンス値は10〜100nH程度が望ましい。
抵抗Rgは制御端子Vc3がHigh状態でのダイオードDg1、Dg2に流れる電流を決定する。
制御端子Vc3がHighの時、PINダイオードDg2には接続ワイヤなどの寄生インダクタンスが存在するため、これを打ち消すようにコンデンサCg6と直列共振させる。コンデンサCg6の容量値は適宜設定する。
(b)DCS/PCS 送信モード
DCS、PCS共通の送信端子Tx2(DCS/PCS_Tx)からアンテナ端子ANTにDCS、PCSいずれかの送信信号を送出する場合、制御端子Vc1をHigh、制御端子Vc2をHighあるいはLow,制御端子Vc3をLowとする。
その結果、ダイオードDd1およびDd2はON状態となる。ダイオードDd1がON状態となると、DCSおよびPCSの送信端子Tx2と接続点P6との間のインピーダンスが低くなる。
DCS、PCS共通の送信端子Tx2(DCS/PCS_Tx)からアンテナ端子ANTにDCS、PCSいずれかの送信信号を送出する場合、制御端子Vc1をHigh、制御端子Vc2をHighあるいはLow,制御端子Vc3をLowとする。
その結果、ダイオードDd1およびDd2はON状態となる。ダイオードDd1がON状態となると、DCSおよびPCSの送信端子Tx2と接続点P6との間のインピーダンスが低くなる。
またON状態となったダイオードDd2及びコンデンサCd5により伝送線路Ld5は高周波的に接地されて共振し、接続点P6からDCSの受信端子Rx2およびPCSの受信端子Rx3を見たインピーダンスは非常に大きくなる。
その結果、DCSおよびPCSの送信端子Tx2から送出される送信信号は受信端子Rx2及び受信端子Rx3に漏洩することなく、アンテナ端子ANTに送出される。
その結果、DCSおよびPCSの送信端子Tx2から送出される送信信号は受信端子Rx2及び受信端子Rx3に漏洩することなく、アンテナ端子ANTに送出される。
(c)EGSM 受信モード
EGSMの受信端子Rx1(EGSM Rx)にアンテナ端子ANTからの信号を受信する場合、制御端子Vc1〜Vc3は全てLowとする。このことにより、ダイオードDg1,Dg2をOFF状態とする。ダイオードDg1がOFF状態となることにより、接続点P3とEGSMの送信端子Tx1との間のインピーダンスが大きくなり、伝送線路Lg3を介して接続点P3とEGSMの受信端子Rx1が接続される。
その結果、アンテナ端子ANTを経て分波回路DIPから入る受信信号は、送信端子Tx1に漏洩することなく受信端子Rx1に伝送される。
EGSMの受信端子Rx1(EGSM Rx)にアンテナ端子ANTからの信号を受信する場合、制御端子Vc1〜Vc3は全てLowとする。このことにより、ダイオードDg1,Dg2をOFF状態とする。ダイオードDg1がOFF状態となることにより、接続点P3とEGSMの送信端子Tx1との間のインピーダンスが大きくなり、伝送線路Lg3を介して接続点P3とEGSMの受信端子Rx1が接続される。
その結果、アンテナ端子ANTを経て分波回路DIPから入る受信信号は、送信端子Tx1に漏洩することなく受信端子Rx1に伝送される。
(d)DCS 受信モード
DCSの受信端子Rx2(DCS Rx)にアンテナ端子ANTからの信号を受信する場合、制御端子Vc1〜Vc3は全てLowとする。
それにより、ダイオードDd1、Dd2、Dp2及びDp1はOFF状態となる。ダイオードDd1がOFF状態となることにより、接続点P6とDCSおよびPCSの送信端子Tx2との間のインピーダンスが大きくなり、伝送線路Ld5を介して接続点P6と接続点P8が接続される。更に、ダイオードDp1がOFF状態となることにより、接続点P9とPCSの受信端子Rx3との間のインピーダンスが大きくなり、伝送線路Lp1を介して接続点9とDCSの受信端子Rx2が接続される。
その結果、アンテナ端子ANTを経て分波回路DIPから入るDCSの受信信号は、DCSおよびPCSの送信端子Tx2及びPCSの受信端子Rx3に漏洩することなく、DCSの受信端子Rx2に伝送される。
DCSの受信端子Rx2(DCS Rx)にアンテナ端子ANTからの信号を受信する場合、制御端子Vc1〜Vc3は全てLowとする。
それにより、ダイオードDd1、Dd2、Dp2及びDp1はOFF状態となる。ダイオードDd1がOFF状態となることにより、接続点P6とDCSおよびPCSの送信端子Tx2との間のインピーダンスが大きくなり、伝送線路Ld5を介して接続点P6と接続点P8が接続される。更に、ダイオードDp1がOFF状態となることにより、接続点P9とPCSの受信端子Rx3との間のインピーダンスが大きくなり、伝送線路Lp1を介して接続点9とDCSの受信端子Rx2が接続される。
その結果、アンテナ端子ANTを経て分波回路DIPから入るDCSの受信信号は、DCSおよびPCSの送信端子Tx2及びPCSの受信端子Rx3に漏洩することなく、DCSの受信端子Rx2に伝送される。
(e)PCS 受信モード
この場合、制御端子Vc2に正の電圧、例えば2.6Vを与え、制御端子Vc1、Vc3の電圧はゼロ電圧とする。
制御端子Vc2に印加された正の電圧は、Cp1、Cp2、Cp4、及びCd5のコンデンサにより直流分がカットされて、ダイオードDp1及びDp2を含む回路に印加される。
その結果、ダイオードDp2及びDp1がON状態となり、ダイオードDd1およびDd2がOFF状態となる。ダイオードDd1およびDd2がOFF状態となることにより、伝送線路Ld5を介して接続点P6と接続点P8が接続される。またダイオードDp1がON状態となることにより、PCSの受信回路Rx3と接続点P9の間のインピーダンスが低くなる。
またON状態となったダイオードDp2及びコンデンサCP2により伝送線路LP1は高周波的に接地されて、PCSの受信信号周波数帯域で共振し、接続点P9からDCSの受信端子Rx2を見たインピーダンスはPCSの受信信号帯域で非常に大きくなる。
その結果、アンテナ端子ANTを経て分波回路DIPから入るPCSの受信信号は、DCSおよびPCSの送信端子Tx2及びDCSの受信端子Rx2に漏洩することなく、PCSの受信端子Rx3に伝送される。
この場合、制御端子Vc2に正の電圧、例えば2.6Vを与え、制御端子Vc1、Vc3の電圧はゼロ電圧とする。
制御端子Vc2に印加された正の電圧は、Cp1、Cp2、Cp4、及びCd5のコンデンサにより直流分がカットされて、ダイオードDp1及びDp2を含む回路に印加される。
その結果、ダイオードDp2及びDp1がON状態となり、ダイオードDd1およびDd2がOFF状態となる。ダイオードDd1およびDd2がOFF状態となることにより、伝送線路Ld5を介して接続点P6と接続点P8が接続される。またダイオードDp1がON状態となることにより、PCSの受信回路Rx3と接続点P9の間のインピーダンスが低くなる。
またON状態となったダイオードDp2及びコンデンサCP2により伝送線路LP1は高周波的に接地されて、PCSの受信信号周波数帯域で共振し、接続点P9からDCSの受信端子Rx2を見たインピーダンスはPCSの受信信号帯域で非常に大きくなる。
その結果、アンテナ端子ANTを経て分波回路DIPから入るPCSの受信信号は、DCSおよびPCSの送信端子Tx2及びDCSの受信端子Rx2に漏洩することなく、PCSの受信端子Rx3に伝送される。
図5を用いて、図1で示した本発明に係る分波回路DIPを組み込んだ高周波スイッチモジュールASMを積層基板で構成した場合を説明する。図4に示した等価回路に相当する。
本発明における分波回路DIPやスイッチ回路、フィルタを構成する伝送線路およびコンデンサの一部を誘電体積層基板に内蔵し、スイッチ回路の一部を構成するPINダイオードやGaAsスイッチなどのスイッチ素子、および抵抗、コンデンサ、インダクタなどのチップ部品を誘電体積層基板上に搭載することにより、小型で安価なマルチバンドアンテナスイッチ積層モジュール複合部品が得られる。
誘電体シートS1〜S15は上から順番に積層されている。誘電体シートS15が一番下の層となる。誘電体シートS15の下に「裏面」と図示した面は、誘電体シートS15の裏面である。
誘電体シートS1には、ダイオード、チップ抵抗、チップコンデンサ、チップインダクタを搭載するためのランド電極およびメタルシールド(金属ケース)を搭載するためのランド電極が印刷されている。後者のランド電極は、誘電体シートS1の左右端に縦長に形成された電極パターンである。
誘電体シートS1には、ダイオード、チップ抵抗、チップコンデンサ、チップインダクタを搭載するためのランド電極およびメタルシールド(金属ケース)を搭載するためのランド電極が印刷されている。後者のランド電極は、誘電体シートS1の左右端に縦長に形成された電極パターンである。
異なる誘電体シートに形成された電極パターン同士を接続するビアホール電極は、図中黒丸で表示している。
積層基板の底面にはグランド端子G、アンテナ端子ANT、EGSM送信端子Tx1、DCS/PCS共通の送信端子Tx2、DCS受信端子Rx2、PCS受信端子Rx2、EGSM受信端子Rx1、および制御端子Vc1〜Vc3が形成されている。各端子間にグランド端子Gを配置していることにより、各端子間の良好なアイソレーション特性が得られる。
誘電体シートS3〜S5、誘電体シートS12〜S14には主に伝送線路となる電極パターンが印刷されており、誘電体シートS7〜S9には主にコンデンサを形成するコンデンサ用の電極パターンが印刷されている。また、誘電体シートS8、S10、S15にはグランド電極GNDが印刷されている。
次に、図2の等価回路との対応を説明する。図5において、分波回路DIPは、誘電体シートS3,S5、S7〜S9に形成される。低周波側フィルタを形成する伝送線路Lf1,Lf2、コンデンサCf1を形成する電極パターンは、誘電体シートS3、S5、S8に形成されてビアホールで層間が接続される。高周波側フィルタを形成する伝送線路Lf3、コンデンサCf2〜Cf4を形成する電極パターンは、誘電体シートS3、S5、S7、S8、S9に形成されてビアホールで層間が接続される。
EGSM系のスイッチ回路とフィルタ回路の実装について説明する。スイッチ回路を形成する伝送線路Lg2,Lg3は誘電体シートS12〜S14に、コンデンサCg6は誘電体シートS7とS9に形成する。スイッチ素子Dg1,Dg2、コンデンサCg1,Cg5、及び抵抗Rgは積層基板の上に搭載する。
フィルタ回路を形成する伝送線路Lg1は誘電体シートS3〜S5に、コンデンサCg2〜Cg4は誘電体シートS7〜S9に形成する。
フィルタ回路を形成する伝送線路Lg1は誘電体シートS3〜S5に、コンデンサCg2〜Cg4は誘電体シートS7〜S9に形成する。
DCSおよびPCS系の送信回路について説明する。スイッチ回路を形成する伝送線路Ld4,Ld5は誘電体シートS12〜S14に、コンデンサCd5は誘電体シートS7に形成する。スイッチ素子Dd1,Dd2、コンデンサCd1,Cd4、及びインダクタLd1とコンデンサCd1の直列回路、及び抵抗Rgは積層基板の上に搭載する。
フィルタ回路を形成する伝送線路Ld2,Ld3は誘電体シートS3〜S5に、コンデンサCd2,Cd3は誘電体シートS8に形成する。
フィルタ回路を形成する伝送線路Ld2,Ld3は誘電体シートS3〜S5に、コンデンサCd2,Cd3は誘電体シートS8に形成する。
DCS、PCS系の受信回路について説明する。伝送線路Lp1、Lp2は誘電体シートS12とS13に形成する。コンデンサCp2は誘電体シートS7に、コンデンサCp3は誘電体シートS11に形成する。スイッチ素子Dp1,Dp2、コンデンサCp1、及び抵抗Rp,Rdは、積層基板の上に搭載する。
以下、具体的な実施例を用いて本発明に係る分波回路(〔実施例1〕)と高周波スィッチモジュール(〔実施例2〕)について説明する。
なお、本発明の技術的思想は、具体的な実施例に限定されるものではない。
なお、本発明の技術的思想は、具体的な実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
図1に等価回路を示し図2と図3(A)に積層基板の構造を示した、本発明に係る分波回路DIPについて、比較例(図3(B))を用いて説明する。
本発明の特徴は、分波回路を構成する伝送線路Lf1の電極パターンとコンデンサCf2の電極パターンとが、積層基板の積層方向に対して実質的に重畳しない点にある。この実施例では、更に伝送線路Lf1を構成する電極パターンを、コンデンサCf2を構成する電極パターンより積層基板の上部に配置した。
図1に等価回路を示し図2と図3(A)に積層基板の構造を示した、本発明に係る分波回路DIPについて、比較例(図3(B))を用いて説明する。
本発明の特徴は、分波回路を構成する伝送線路Lf1の電極パターンとコンデンサCf2の電極パターンとが、積層基板の積層方向に対して実質的に重畳しない点にある。この実施例では、更に伝送線路Lf1を構成する電極パターンを、コンデンサCf2を構成する電極パターンより積層基板の上部に配置した。
ここで、比較例は、図2において伝送線路Lf1の電極パターンとコンデンサCf2の電極パターンとが、積層基板の積層方向に対して重畳するようにコンデンサCf2の電極パターンを図2で右方向にずらしたものである。
誘電体シートは950℃以下の低温焼成が可能なセラミック誘電材料を用い、伝送線路、コンデンサを形成しやすいように、シート厚みが40〜200μmのものを使用した。この誘電体シートS1〜S7を積層し、側面電極を印刷した後、950℃で焼成することにより、分波回路DIPの積層基板を得た。
〔実施例1〕におけるアイソレーションの測定方法について説明する。この実施例では、低周波側端子Pbと高周波側端子Pcとの間のアイソレーションを測定するために、高周波側の中心周波数1800MHzの信号を低周波側端子Pbに入力し、高周波側端子Pcに出てくる信号をネットワークアナライザ(またはスペクトラムアナライザ)を用いて測定し、両者の電力の比をdB表示で算出した。
〔実施例1〕におけるアイソレーションの測定結果について説明する。本発明に係る分波回路DIPのアイソレーションは35dBに対して、比較例の分波回路では30dBと、本発明に係る分波回路DIPのアイソレーションは5dBも向上した。
〔実施例2〕
図4に等価回路を示し図5に積層基板の構造を示した、本発明に係る高周波スイッチモジュールASMについて、比較例(図6)を用いて説明する。なお、本発明は、例示したこの実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕と同様、誘電体シートは低温焼成が可能なセラミック誘電材料を用い、シート厚みが40〜200μmのものを使用した。
図4に等価回路を示し図5に積層基板の構造を示した、本発明に係る高周波スイッチモジュールASMについて、比較例(図6)を用いて説明する。なお、本発明は、例示したこの実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕と同様、誘電体シートは低温焼成が可能なセラミック誘電材料を用い、シート厚みが40〜200μmのものを使用した。
ここで、比較例は、図6に示す積層構造のものである。本発明の場合、伝送線路Lf1を構成する電極パターンと、コンデンサCf2を構成する電極パターンとが、積層基板の積層方向に対して実質的に重畳しないように配置する必要があるため、比較例の場合に比べて誘電体シートが1層多い。しかし、シート厚みは40〜200μmと極めて薄いため、1層多いことは何の支障にもならない。
なお、積層基板上にダイオード、チップ抵抗、チップコンデンサ、チップインダクタなどを実装した。
〔実施例2〕における減衰量と挿入損失の測定方法について説明する。この場合、周波数500〜6000MHzの信号をEGSM系の送信端子Tx1に入力し、EGSMの送信モードにして、アンテナ端子ANTに出てくる信号をネットワークアナライザ(またはスペクトラムアナライザ)を用いて測定し、周波数特性を求めた。
〔実施例2〕における減衰量と挿入損失の測定結果について、図7と図8を用いて説明する。図7(A)は本発明に係る高周波スイッチモジュールASMの減衰量の周波数特性を、図7(B)は比較例における減衰量の周波数特性を示す。1800MHzにおいて、本発明に係る高周波スイッチモジュールASMでは、分波器部分のアイソレーション特性が向上したことにより、減衰量として13dB以上も改善されたことが分かる。
図8(A)は本発明に係る高周波スイッチモジュールASMの挿入損失の周波数特性を、図8(B)は比較例の場合の周波数特性を示す。本発明に係る高周波スイッチモジュールASMの挿入損失は、広い周波数帯域に亙って0.1dB以上も改善されたことが分かる。
図8(A)は本発明に係る高周波スイッチモジュールASMの挿入損失の周波数特性を、図8(B)は比較例の場合の周波数特性を示す。本発明に係る高周波スイッチモジュールASMの挿入損失は、広い周波数帯域に亙って0.1dB以上も改善されたことが分かる。
以上、分波回路DIPの共通端子に直結した伝送線路Lf1とコンデンサCf2とを、積層基板の積層方向に対して実質的に重畳しない例について説明したが、本発明の技術的思想は、それに限定されず展開可能である。すなわち、分波回路DIPの低周波側フィルタに伝送線路Lf1を、高周波側にコンデンサCf2を接続したものに限定されず、例えば、伝送線路Lf1にコンデンサを並列接続したものなどにも適用できる。
要するに、低周波側フィルタと高周波側フィルタの構成部品で共通端子に直結したものの電極パターンが積層基板の積層方向に対して実質的に重畳しなければよい。
要するに、低周波側フィルタと高周波側フィルタの構成部品で共通端子に直結したものの電極パターンが積層基板の積層方向に対して実質的に重畳しなければよい。
本発明に係る高周波スイッチモジュールASMの信頼性を向上するために、静電気サージ(ESD)対策を施すこともできる。例えば、図2に示す分波回路DIPの低周波側フィルタの出口、すなわち接続点P2とグランドとの間にインダクタを接続することが出来る。
更に、本出願人による特開2001−352271号公報、特開2003−152588号公報、特開2003−133989号公報、特開2003−273687号公報記載の発明を、本発明に取り込むことも出来る。
更に、本出願人による特開2001−352271号公報、特開2003−152588号公報、特開2003−133989号公報、特開2003−273687号公報記載の発明を、本発明に取り込むことも出来る。
本発明によると、2つ以上の異なる周波数の信号を1つのアンテナを共用して送受信する為に用いる分波回路及び高周波スイッチモジュールにおいて、異なる周波数の送受信信号のアイソレーションを更に改良できるため、携帯電話などの携帯端末の高性能化に大きく寄与する。
ANT アンテナ端子
ASM 高周波スイッチモジュール
Cd1〜Cd5 コンデンサ
Cf1〜Cf4 コンデンサ
Cg1〜Cg7 コンデンサ
Cp1〜Cp5 コンデンサ
Dd1、Dd2 ダイオード
Dg1,Dg2 ダイオード
DIP 分波回路
Dp1,Dp2 ダイオード
Ld1 インダクタ
Ld2〜Ld5 伝送線路
Lf1〜Lf3 伝送線路
Lg1〜Lg3 伝送線路
Lp1,Lp2 伝送線路
P1〜P10 接続点
Pa 共通端子
Pb 低周波側端子
Pc 高周波側端子
Rg,Rp,Rd 抵抗
Rx,Rx1〜Rx3 受信端子
S1〜S15 誘電体シート
Tx、Tx1〜Tx3 送信端子
Vc1〜Vc3 制御端子
ASM 高周波スイッチモジュール
Cd1〜Cd5 コンデンサ
Cf1〜Cf4 コンデンサ
Cg1〜Cg7 コンデンサ
Cp1〜Cp5 コンデンサ
Dd1、Dd2 ダイオード
Dg1,Dg2 ダイオード
DIP 分波回路
Dp1,Dp2 ダイオード
Ld1 インダクタ
Ld2〜Ld5 伝送線路
Lf1〜Lf3 伝送線路
Lg1〜Lg3 伝送線路
Lp1,Lp2 伝送線路
P1〜P10 接続点
Pa 共通端子
Pb 低周波側端子
Pc 高周波側端子
Rg,Rp,Rd 抵抗
Rx,Rx1〜Rx3 受信端子
S1〜S15 誘電体シート
Tx、Tx1〜Tx3 送信端子
Vc1〜Vc3 制御端子
Claims (3)
- 低周波側フィルタと高周波側フィルタより構成され、
共通端子、低周波側端子、および高周波側端子を有し、
前記低周波側フィルタは前記共通端子に接続された第1の伝送線路と、前記低周波側端子とグランドの間に接続された第2の伝送線路と第1のコンデンサとからなる直列共振回路より構成され、
前記高周波側フィルタは前記共通端子に接続された第2のコンデンサと、該第2のコンデンサと前記高周波側端子との間に接続された第3のコンデンサと、該第3のコンデンサと前記第2のコンデンサとの接続点とグランドとの間に接続された第3の伝送線路と第4のコンデンサとからなる直列共振回路より構成されて周波数の異なる信号を分波する分波回路であって、
前記複数の伝送線路および前記複数のコンデンサを電極パターンとして積層基板に内蔵し、
前記第1の伝送線路を構成する電極パターンと、前記第2のコンデンサを構成する電極パターンとが、前記積層基板の積層方向に対して実質的に重畳しないことを特徴とする分波回路。 - 低周波側フィルタと高周波側フィルタより構成され、
共通端子、低周波側端子、および高周波側端子を有し、
前記低周波側フィルタは前記共通端子に接続された第1の伝送線路と、前記低周波側端子とグランドの間に接続された第2の伝送線路と第1のコンデンサとからなる直列共振回路より構成され、
前記高周波側フィルタは前記共通端子に接続された第2のコンデンサと、該第2のコンデンサと前記高周波側端子との間に接続された第3のコンデンサと、該第3のコンデンサと前記第2のコンデンサとの接続点とグランドとの間に接続された第3の伝送線路と第4のコンデンサとからなる直列共振回路より構成されて周波数の異なる信号を分波する分波回路であって、
前記複数の伝送線路および前記複数のコンデンサを電極パターンとして積層基板に内蔵し、
前記第1の伝送線路を構成する電極パターンと、前記第2のコンデンサを構成する電極パターンとが、前記積層基板の積層方向に対して実質的に重畳せず、前記第1の伝送線路を構成する電極パターンが前記第2のコンデンサを構成する電極パターンより積層基板の上部に配置されていることを特徴とする分波回路。 - 請求項1または2記載の分波回路と、送受信信号を切り換える為のスイッチ回路とを複合し、アンテナで送受信する2つ以上の異なった周波数の信号を分波、切り換えする高周波スイッチモジュールであって、
前記分波回路を構成する伝送線路およびコンデンサ、及び前記スイッチ回路を構成する伝送線路およびコンデンサの一部を積層基板に内蔵し、
前記スイッチ回路の一部を構成するスイッチ素子、インダクタ、コンデンサ、及び抵抗を積層基板上に搭載したことを特徴とする高周波スイッチモジュール。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004017212A JP2005210607A (ja) | 2004-01-26 | 2004-01-26 | 分波回路及び高周波スイッチモジュール |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2005210607A true JP2005210607A (ja) | 2005-08-04 |
Family
ID=34902125
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004017212A Pending JP2005210607A (ja) | 2004-01-26 | 2004-01-26 | 分波回路及び高周波スイッチモジュール |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005210607A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012080246A (ja) * | 2010-09-30 | 2012-04-19 | Murata Mfg Co Ltd | 分波装置 |
US8422972B2 (en) | 2009-01-28 | 2013-04-16 | Murata Manufacturing Co., Ltd. | Antenna combining module |
US11075658B2 (en) | 2018-02-19 | 2021-07-27 | Murata Manufacturing Co., Ltd. | Multilayer substrate, filter, multiplexer, radio-frequency front-end circuit, and communication device |
WO2023013267A1 (ja) * | 2021-08-04 | 2023-02-09 | 株式会社村田製作所 | フィルタ装置 |
-
2004
- 2004-01-26 JP JP2004017212A patent/JP2005210607A/ja active Pending
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JP2012080246A (ja) * | 2010-09-30 | 2012-04-19 | Murata Mfg Co Ltd | 分波装置 |
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