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JP2005210673A - 表面実装型水晶発振器 - Google Patents

表面実装型水晶発振器 Download PDF

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JP2005210673A
JP2005210673A JP2004190923A JP2004190923A JP2005210673A JP 2005210673 A JP2005210673 A JP 2005210673A JP 2004190923 A JP2004190923 A JP 2004190923A JP 2004190923 A JP2004190923 A JP 2004190923A JP 2005210673 A JP2005210673 A JP 2005210673A
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浩之 三浦
Riyouma Sasagawa
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Abstract

【課題】取り扱いが簡便で、生産性に優れた温度補償型水晶発振器を提供することにある。
【解決手段】内部に水晶振動素子が収容された矩形状の容器体を、下面に複数個の外部端子を有し、前記水晶振動素子の振動に基づいて発振出力を制御するIC素子を上面に搭載した矩形状の実装用基体上に、スペーサ部材を介して載置・固定してなり、前記IC素子内に格納される温度補償データに基づいて発振出力を制御する温度補償型水晶発振器であって、前記容器体及び前記実装用基体間に、金属ポストから成り、前記IC素子に温度補償データを書き込むための書込制御端子を介在させるとともに、該書込制御端子の一部を容器体側面と実装用基体側面との間より露出させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、通信機器や電子機器等のタイミングデバイスとして用いられる温度補償型水晶発振器に関するものである。
従来より、携帯用通信機器等のタイミングデバイスとして水晶発振器が用いられている。
かかる従来の水晶発振器としては、例えば図4に示す如く、内部に水晶振動素子24が収容されている容器体23を、上面の中央域に凹部25を、下面に複数個の外部端子22を有した実装用基体21上に取着させるとともに、前記容器体21の下面と前記凹部25の内面とで囲まれる領域内に、水晶振動素子24の振動に基づいて発振出力を制御するIC素子26を収容させた構造のものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
尚、前記容器体23及び前記実装用基体21は、通常、アルミナセラミックス等のセラミック材料から成り、その内部及び表面には配線導体が形成され、従来周知のグリーンシート積層法等を採用することによって製作されている。そして、このような容器体23の下面や実装用基体21の上面には、それぞれ対応する箇所に接合電極が複数個ずつ設けられており、これらの接合電極同士を導電性接合材を介して接合することにより容器体23が実装用基体21の上面に固定されていた。
また、前記IC素子26の内部には、水晶振動素子24の温度特性に応じて作成された温度補償データに基づいて水晶発振器の発振出力を補正するための温度補償回路が設けられており、このような温度補償データをIC素子26内のメモリに格納するため、実装用基体21の外側面には書込制御端子27が設けられ、水晶発振器を組み立てた後、この書込制御端子27に温度補償データ書込装置のプローブ針を当てて温度補償データをIC素子26へ入力することによって温度補償データをIC素子26内のメモリに格納するようにしていた。
特開平10―98151号公報
しかしながら、上述した従来の温度補償型水晶発振器においては、実装用基体21の外側面に温度補償データを書き込むための書込制御端子27が設けられているおり、かかる実装用基体21を製作するために、実装用基体21が切り出されるセラミック製の母基板に貫通穴を開けて、その内面に導体ペーストを塗布して焼き付けたり、更には金属メッキを施す等して膜状の書込制御端子27を被着させておく必要があり、このような複雑な加工プロセスが不可欠となることによって温度補償型水晶発振器の生産性が著しく低下する欠点を有していた。
そこで上述の欠点を解消するために、書込制御端子27を実装用基体21の下面に配置させることが考えられる。
しかしながら、書込制御端子27を実装用基体21の下面に配置させた場合、温度補償型水晶発振器が実装されるマザーボード(図示せず)の配線と上述の書込制御端子27とが対向していると、マザーボードの配線と書込制御端子27との間で浮遊容量を発生することがあり、その場合、温度補償型水晶発振器が組み込まれる通信機器や電子機器の電気的特性に多大な影響を与える恐れがある上に、温度補償型水晶発振器を半田付け等によってマザーボード上に搭載した際、溶融した半田の一部が書込制御端子27に接触して短絡を起こす危険性があり、温度補償型水晶発振器の取り扱いに簡便性を欠く不都合があった。
本発明は上記欠点に鑑み案出されたもので、その目的は、取り扱いが簡便で、生産性に優れた温度補償型水晶発振器を提供することにある。
本発明の温度補償型水晶発振器は、内部に水晶振動素子が収容された矩形状の容器体を、下面に複数個の外部端子を有し、前記水晶振動素子の振動に基づいて発振出力を制御するIC素子を上面に搭載した矩形状の実装用基体上に、スペーサ部材を介して載置・固定してなり、前記IC素子内に格納される温度補償データに基づいて発振出力を制御する温度補償型水晶発振器であって、前記容器体及び前記実装用基体間に、金属ポストから成り、且つ、前記IC素子に温度補償データを書き込むための書込制御端子を介在させるとともに、該書込制御端子の一部を容器体側面と実装用基体側面との間より露出させたことを特徴とするものである。
また本発明の温度補償型水晶発振器は、前記スペーサ部材が前記実装用基体上面の四隅部に取着される4個の金属ポストにて構成されていることを特徴とするものである。
更に本発明の温度補償型水晶発振器は、前記書込制御端子が2N個(Nは自然数)設けられており、且つこれら2N個の書込制御端子を、前記実装用基体の平行な2辺に沿ってN個ずつ、前記2辺と平行な中心線に対して線対称に配置させたことを特徴とするものである。
また更に本発明の温度補償型水晶発振器は、前記IC素子を樹脂材で封止するとともに、該樹脂材の外周部を前記実装用基体の外周部まで延在させ、この延在部を隣接するスペーサ部材間、並びに、スペーサ部材−書込制御端子間の間隙に充填したことを特徴とするものである。
更にまた本発明の温度補償型水晶発振器は、前記IC素子が矩形状を成すフリップチップ型ICにより構成されており、該IC素子を封止するための前記樹脂材を透明材料により形成するとともに、略平行に配されている前記IC素子の2個の端面を前記樹脂材により被覆した状態で隣接するスペーサ部材間より露出させたことを特徴とするものである。
また更に本発明の温度補償型水晶発振器は、前記書込制御端子が、その上端部を前記容器体の下面に設けられる接合パッドに接合材を介して接合することによって容器体に機械的に接続されていることを特徴とするものである。
本発明の温度補償型水晶発振器は、温度補償データをIC素子に書き込むための書込制御端子を金属ポストにて形成するとともに、該書込制御端子の一部を容器体の側面と実装用基体の側面との間より露出させるようにしたものであり、これによって、温度補償型水晶発振器を組み立てる際、金属ポストから成る書込制御端子を実装用基体上面の所定位置に取着させておくだけで温度補償型水晶発振器を製作することができ、従来の温度補償型水晶発振器の如く膜状の書込制御端子を実装用基体の外側面に形成する場合のような煩雑な加工プロセスは一切不要となることから、温度補償型水晶発振器の生産性を向上させることが可能となる。
この場合、温度補償型水晶発振器が実装されるマザーボードの配線と書込制御端子との間で浮遊容量を発生したり、温度補償型水晶発振器を半田付け等によってマザーボード上に搭載する際に、溶融した半田の一部が書込制御端子に接触して短絡を起こすこともなく、温度補償型水晶発振器の取り扱いが簡便なものとなる利点もある。
また本発明の温度補償型水晶発振器によれば、書込制御端子を2N個(Nは自然数)設けるとともに、これら2N個の書込制御端子を、前記実装用基体の平行な2辺に沿ってN個ずつ、前記2辺と平行な中心線に対して線対称に配置させることにより、2N個の書込制御端子に側方より温度補償データ書込装置のプローブ針を当てて、IC素子に温度補償データを書き込む際、プローブ針からの力が容器体の両側よりバランス良く印加されることとなるため、書き込み時に容器体を良好に保持することができるとともに、プローブ針との接触による偏った応力に起因した書込制御端子の破損を有効に防止することができる。
更に本発明の温度補償型水晶発振器によれば、実装用基体上のIC素子を樹脂材で封止するとともに、該樹脂材の外周部を実装用基体の外周部まで延在させて、該延在部を隣接するスペーサ部材間、並びに、スペーサ部材−書込制御端子間の間隙に充填させておくことにより、IC素子や書込制御端子,スペーサ部材等の実装用基体に対する取着強度を前記樹脂材によって補強することができるとともに、IC素子の回路形成面を樹脂材によって良好に保護することができ、温度補償型水晶発振器の機械的強度、並びに信頼性を高く維持することが可能となる。
また更に本発明の温度補償型水晶発振器によれば、IC素子を透明な樹脂材によって被覆するとともに、IC素子の2個の端面を前記樹脂材により被覆した状態で隣接するスペーサ部材間より露出させるようになしておくことにより、実装用基体に対するIC素子の接合部を直視できるようになり、製品の検査等に際してIC素子の接合状態を目視等によって容易に確認し、検査の作業性を良好となすことが可能となる。
更にまた本発明の温度補償型水晶発振器によれば、書込制御端子の上端部を容器体下面の接合パッドに接合材を介して接合させておくことにより、実装用基体と容器体との接合強度が向上されるようになり、これによっても温度補償型水晶発振器の信頼性を高く維持することができる。
以下、本発明を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る温度補償型水晶発振器の分解斜視図、図2は図1の温度補償型水晶発振器の断面図であり、これらの図に示す温度補償型水晶発振器は、内部に水晶振動素子5が収容された矩形状の容器体1を、下面に複数個の外部端子10が、上面にIC素子7が設けられる矩形状の実装用基体6上に、スペーサ部材12を介して載置・固定した構造を有している。
前記容器体1は、例えば、ガラス−セラミック、アルミナセラミックス等のセラミック材料から成る基板2と、42アロイやコバール,リン青銅等の金属から成るシールリング3と、該シールリング3と同様の金属から成る蓋体4とから成り、前記基板2の上面にシールリング3を取着させ、その上面に蓋体4を載置・固定させることによって容器体1が構成され、シールリング3の内側に位置する基板2の上面に水晶振動素子5が実装される。
前記容器体1は、その内部、具体的には、基板2の上面とシールリング3の内面と蓋体4の下面とで囲まれる空間内に水晶振動素子5を収容して気密封止するためのものであり、基板2の上面には水晶振動素子5の振動電極に接続される一対の搭載パッド等が、基板2の下面には後述するスペーサ部材12に接続される複数個の接合電極がそれぞれ設けられ、これらのパッド等は基板表面の配線導体や基板内部に埋設されているビアホール導体等を介して、対応するもの同士、相互に電気的に接続されている。
尚、前記容器体1の基板2は、ガラス−セラミック等のセラミック材料から成る場合、例えば、セラミック材料粉末に適当な有機溶剤等を添加・混合して得たセラミックグリーンシートの表面等に配線導体となる導体ペーストを従来周知のスクリーン印刷等によって塗布するとともに、これを複数枚積層してプレス成形した後、高温で焼成することによって製作される。
また前記容器体1のシールリング3及び蓋体4は従来周知の金属加工法を採用し、42アロイ等の金属を所定形状に成形することによって製作され、得られたシールリング3を基板2の上面に予め被着させておいた導体層にロウ付けし、続いて水晶振動素子5を導電性接着剤を用いて基板2の上面に実装・固定した後、上述の蓋体4を従来周知の抵抗溶接等によってシールリング3の上面に接合することによって容器体1が組み立てられる。このようにシールリング3と蓋体4とを抵抗溶接によって接合する場合、シールリング3や蓋体4の表面には予めNiメッキ層やAuメッキ層等が被着される。
一方、前記容器体1の内部に収容される水晶振動素子5は、所定の結晶軸でカットした水晶片の両主面に一対の振動電極を被着・形成してなり、外部からの変動電圧が一対の振動電極を介して水晶片に印加されると、所定の周波数で厚みすべり振動を起こす。
前記水晶振動素子5は、一対の振動電極を導電性接着剤を介して基板上面の対応する搭載パッドに電気的に接続させることによって基板2の上面に搭載され、これによって水晶振動素子5と容器体1との電気的接続及び機械的接続が同時になされる。
ここで容器体1の蓋体4を、容器体1や実装用基体6の配線導体を介して実装用基体下面に配されるグランド端子用の外部端子10に接続させておけば、その使用時、蓋体4がアースされることによりシールド機能が付与されることとなるため、水晶振動素子5や後述するIC素子7を外部からの不要な電気的作用より良好に保護することができる。従って、容器体1の蓋体4は容器体1や実装用基体6の配線導体を介してグランド端子用の外部端子10に接続させておくことが好ましい。
そして、上述した容器体1が載置・固定される実装用基体6は概略矩形状を成しており、該実装用基体上面の四隅部にはスペーサ部材12が個々に取着・立設され、これらのスペーサ部材12で囲まれた実装用基体上面の中央域にはIC素子7が搭載される。
前記実装用基体6は、その上面でIC素子7やスペーサ部材12を介して容器体1を支持するためのものであり、ガラス布基材エポキシ樹脂やポリカーボネイト,エポキシ樹脂,ポリイミド樹脂等の樹脂材料やガラス−セラミック,アルミナセラミックス等のセラミック材料等によって平板状をなすように形成される。
また前記実装用基体6の上面に取着・立設されているスペーサ部材12は、銅等の金属材料を四角柱状に成形した金属ポストによって形成されており、その下端部で実装用基体6の配線導体に電気的・機械的に接続され、上端部で半田等の導電性接合材を介して容器体下面の接続電極に電気的・機械的に接続されている。
尚、前記スペーサ部材12の上端面には、容器体1との接合に用いられる導電性接合材の接合状態を良好となすために、例えば、ニッケルめっきや金めっき等が所定厚みに被着される。
また前記実装用基体6の下面には、4つの外部端子10(電源電圧端子、グランド端子、発振出力端子、発振制御端子)が設けられており、これらの外部端子10は、温度補償型水晶発振器をマザーボード(図示せず)等の外部電気回路に搭載する際、半田付け等によって外部電気回路の回路配線と電気的に接続されることとなる。
ここで、4個の外部端子10のうち、グランド端子と発振出力端子を近接させて配置するようにすれば、発振出力端子より出力される発振信号にノイズが干渉するのを有効に防止することができる。従って、グランド端子と発振出力端子は近接させて配置することが好ましい。
更に、上述した実装用基体6の上面には、その中央域に複数個の電極パッドが被着・形成されており、これら電極パッドの形成領域に上述したIC素子7が搭載される。
前記IC素子7としては、例えば、下面に実装用基体6の電極パッドと1対1に対応する複数個の接続パッドを有した矩形状のフリップチップ型IC等が用いられ、その回路形成面(下面)には、周囲の温度状態を検知する感温素子(サーミスタ)、水晶振動素子5の温度特性を補償する温度補償データを格納するためのメモリ、温度補償データに基づいて水晶振動素子5の振動特性を温度変化に応じて補正する温度補償回路、該温度補償回路に接続されて所定の発振出力を生成する発振回路等が設けられ、該発振回路で生成された発振出力は、外部に出力された後、例えば、クロック信号等の基準信号として利用されることとなる。
また前記IC素子7は、略平行に配されている2個の端面が後述する樹脂材13により被覆された状態で隣接するスペーサ部材間より露出しており、IC素子7の露出側面は、容器体1や実装用基体6の外周部よりも若干内側、例えば、実装用基体6の外周より1μm〜500μmだけ内側に、実装用基体6の外周部に沿って配されている。この場合、前記IC素子7の露出側面と直交する方向に係る実装用基体6の幅寸法はIC素子7の一辺の長さと略等しくなるよう設計されるため、温度補償型水晶発振器の全体構造を小型に構成することができる利点がある。
尚、前記IC素子7は、その下面に設けた接続パッドを実装用基体上面の対応する電極パッドに半田や金バンプ等の導電性接合材を介して個々に接合させることによってIC素子7が実装用基体6に取着され、これによってIC素子7内の電子回路が容器体1の配線導体や実装用基体6の配線導体等を介して水晶振動素子5や外部端子10等に電気的に接続される。
また、上述した実装用基体6は、ガラス布基材エポキシ樹脂から成る場合、ガラス糸を編み込んで形成したガラス布基材にエポキシ樹脂の液状前駆体を含浸させるとともに、該前駆体を高温で重合させることによってベースが形成され、その表面に貼着される銅箔等の金属箔を従来周知のフォトエッチング等を採用し、所定パターンに加工することによって金属ポストから成るスペーサ部材12や配線導体が形成される。また、前記実装用基体6上にスペーサ部材12を介して容器体1を取着・固定する際は、スペーサ部材12の上面を半田等の導電性接合材を介して容器体下面の対応する接合電極に当接させ、しかる後、前記導電性接合材を熱の印加によって溶融させる等して両者を電気的・機械的に接続することにより容器体1が実装用基体6上に取り付けられる。
そして、先に述べた容器体1と実装用基体6との間には、IC素子7に温度補償データを書き込むための書込制御端子11が複数個、介在されている。
前記書込制御端子11は、上述したスペーサ部材12と同様に、銅等の金属材料を柱状に成形した金属ポストによって形成されており、側面の一部が容器体側面と実装用基体側面との間より露出するようにして実装用基体6の上面に取着されている。
これらの書込制御端子11は、実装用基体6のエッジに沿って並設されており、実装用基体6の配線導体等を介してIC素子7に電気的に接続されている。本実施形態において書込制御端子11の個数は2N個(Nは自然数)、例えば、4個に設定され、これら4個の書込制御端子11は実装用基体6の平行な2辺に沿って2個ずつ、前記2辺と平行な中心線に対して線対称に配置されている。
従って、温度補償型水晶発振器を組み立てた後、これらの書込制御端子11に側方より温度補償データ書込装置のプローブ針16を当て、水晶振動素子5の温度特性に応じた温度補償データを書き込むことによってIC素子7のメモリ内に温度補償データが格納される。
この場合、4個の書込制御端子11は、実装用基体6の平行な2辺に沿って2個ずつ、前記2辺と平行な中心線に対して線対称に配置されていることから、4個の書込制御端子11に側方より温度補償データ書込装置のプローブ針16を当てて、IC素子7に温度補償データを書き込む際、プローブ針16からの力が実装用基体6や容器体1の両側よりバランス良く印加されることとなる。このため、書き込み時に実装用基体6や容器体1を良好に保持することができるとともに、プローブ針16との接触による偏った応力に起因した書込制御端子11の破損を有効に防止することができる。
またここで、書込制御端子11の上端部を容器体1の下面に設けられるダミーの接合パッドに接合材を介して接合させておけば、実装用基体6と容器体1との接合強度が向上されるようになり、これによって温度補償型水晶発振器の信頼性を高く維持することができる。従って、書込制御端子11の上端部を容器体1の下面に設けられる接合パッドに接合材を介して接合することにより書込制御端子11を容器体1と機械的に接続させておくことが好ましい。
また更に、上述したIC素子7は、例えばエポキシ樹脂等から成る樹脂材13によって封止されており、該樹脂材13の外周部は実装用基体6の外周部まで延在された上、隣接するスペーサ部材間やスペーサ部材12−書込制御端子11間の間隙に充填され、その一部は上述したIC素子7の露出面にも被着されている。
このように、樹脂材13を隣接するスペーサ部材間12−12、並びに、スペーサ部材12−書込制御端子11間の間隙に充填させておくことにより、IC素子7や書込制御端子11,スペーサ部材12等の実装用基体6に対する取着強度を補強することができるとともに、IC素子7の回路形成面を樹脂材13でもって良好に保護することができ、温度補償型水晶発振器の機械的強度、並びに信頼性を高く維持することが可能となる。
またこの場合、樹脂材13を透明材料により形成しておけば、隣接するスペーサ部材間12−12より露出されているIC素子7の側面が樹脂材13で被覆されていても、実装用基体6に対する接合部を直視できることから、製品の検査等に際してIC素子の接合状態を目視等によって容易に確認することができ、検査の作業性を良好となすことが可能となる。
かくして上述した温度補償型水晶発振器は、マザーボード等の外部配線基板上に半田付け等によって搭載され、IC素子7の温度補償回路によって発振出力を補正しながら、水晶振動素子5の共振周波数に応じた所定の発振信号を出力することによって温度補償型水晶発振器として機能する。
以上のような本実施形態の温度補償型水晶発振器によれば、温度補償データをIC素子7に書き込むための書込制御端子11を金属ポストにて形成するとともに、該書込制御端子11の一部を容器体側面と実装用基体側面との間より露出させるようにしたことから、温度補償型水晶発振器を組み立てる際、金属ポストから成る書込制御端子11を実装用基体上面の所定位置に取着させておくだけで温度補償型水晶発振器を製作することができ、従来の温度補償型水晶発振器において膜状の書込制御端子を実装用基体の外側面に形成する場合のような煩雑な加工プロセスは一切不要となることから、温度補償型水晶発振器の生産性を向上させることが可能となる。
またこの場合、温度補償型水晶発振器が実装されるマザーボードの配線と書込制御端子11との間で浮遊容量を発生したり、温度補償型水晶発振器を半田付け等によってマザーボード上に搭載する際に、溶融した半田の一部が書込制御端子11に接触して短絡を起こすこともないことから、温度補償型水晶発振器の取り扱いが簡便なものとなる利点もある。
尚、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。
例えば、上述した実施形態においては、スペーサ部材12を金属ポストで形成するようにしたが、これに代えて、スペーサ部材12を実装用基体6と同材質の絶縁材料を用いて実装用基体6と一体的に形成するようにしても良い。この場合、スペーサ部材12の上端面にはスペーサ部材12を容器体下面の接合電極と導電性接合材を介して電気的・機械的に接続させるための接合パッドが設けられることとなる。
また上述した実施形態においては、容器体1と実装用基体6上のスペーサ部材12とを接合するのに導電性接合材を用いるようにしたが、この導電性接合材は半田等の一般的な導電材料に限られるものではなく、例えば、導電性接合材として異方性導電接着材等を用いるようにしても良く、その場合、実装用基体6に対する容器体1の取着作業が極めて簡単になり、温度補償型水晶発振器の組立工程が更に簡略化される利点もある。
更に上述した実施形態においては、実装用基体上面の四隅部に4個のスペーサ部材12を取着させた例について説明したが、スペーサ部材12の個数は4個に限られるものではなく、例えば、スペーサ部材12を実装用基体6と同材質の絶縁材料によって形成する場合は、実装用基体6の外周に沿ってコの字状に形成される1個のスペーサ部材12で容器体1を支持するようにしても良いし、2個、3個、或いは5個以上のスペーサ部材12で容器体1を支持するようにしても構わない。
また更に上述した実施形態においては、複数個の書込制御端子11を2グループに分けて実装用基体6の平行な2辺に沿って配置させるようにしたが、これに代えて、複数個の書込制御端子11を例えば図3に示すように実装用基体6の1辺に沿って一列に配置させるようにしても構わない。
更にまた上述した実施形態においては、書込制御端子の個数を2N個、具体的には4個としたが、これに代えて、書込制御端子の個数を2個や6個、或いは、3個や5個等の奇数個としても良い。
また更に上述した実施形態においては、容器体1の蓋体4をシールリング3を介して基板2に接合させるようにしたが、これに代えて、基板2の上面に接合用のメタライズパターンを形成しておき、このメタライズパターンに対して蓋体4をダイレクトに溶接するようにしても構わない。
更にまた上述した実施形態においては、容器体1の基板上面に直接シールリング3を取着させるようにしたが、これに代えて、基板2の上面に基板2と同材質のセラミック材料等から成る枠体を一体的に取着させた上、該枠体の上面にシールリング3を取着させるようにしても構わない。
また更に上述した実施形態において、隣接するスペーサ部材間12−12に位置する実装用基体6の上面にノイズ除去用のチップ状コンデンサ等を配置させても良いことは言うまでもない。
本発明の一実施形態に係る温度補償型水晶発振器の分解斜視図である。 図1の温度補償型水晶発振器の断面図である。 本発明の他の実施形態に係る温度補償型水晶発振器の分解斜視図である。 従来の温度補償型水晶発振器の分解斜視図である。
符号の説明
1・・・容器体
2・・・基板
3・・・シールリング
4・・・蓋体
5・・・水晶振動素子
6・・・実装用基体
7・・・IC素子
7a・・・接続パッド
10・・・外部端子
11・・・書込制御端子
12・・・スペーサ部材
13・・・樹脂材
16・・・プローブ針

Claims (6)

  1. 内部に水晶振動素子が収容された矩形状の容器体を、下面に複数個の外部端子を有し、前記水晶振動素子の振動に基づいて発振出力を制御するIC素子を上面に搭載した矩形状の実装用基体上に、スペーサ部材を介して載置・固定してなり、前記IC素子内に格納される温度補償データに基づいて発振出力を制御する温度補償型水晶発振器であって、
    前記容器体及び前記実装用基体間に、金属ポストから成り、且つ、前記IC素子に温度補償データを書き込むための書込制御端子を介在させるとともに、該書込制御端子の一部を容器体側面と実装用基体側面との間より露出させたことを特徴とする温度補償型水晶発振器。
  2. 前記スペーサ部材が前記実装用基体上面の四隅部に取着される4個の金属ポストにて構成されていることを特徴とする請求項1に記載の温度補償型水晶発振器。
  3. 前記書込制御端子が2N個(Nは自然数)設けられており、且つこれら2N個の書込制御端子を、前記実装用基体の平行な2辺に沿ってN個ずつ、前記2辺と平行な中心線に対して線対称に配置させたことを特徴とする請求項1に記載の温度補償型水晶発振器。
  4. 前記IC素子を樹脂材で封止するとともに、該樹脂材の外周部を前記実装用基体の外周部まで延在させ、この延在部を隣接するスペーサ部材間、並びに、スペーサ部材−書込制御端子間の間隙に充填したことを特徴とする請求項2に記載の温度補償型水晶発振器。
  5. 前記IC素子が矩形状を成すフリップチップ型ICにより構成されており、該IC素子を封止するための前記樹脂材を透明材料により形成するとともに、略平行に配されている前記IC素子の2個の端面を前記樹脂材により被覆した状態で隣接するスペーサ部材間より露出させたことを特徴とする請求項4に記載の温度補償型水晶発振器。
  6. 前記書込制御端子が、その上端部を前記容器体の下面に設けられる接合パッドに接合材を介して接合することによって容器体に機械的に接続されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の温度補償型水晶発振器。
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