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JP2005285866A - 多数個取り配線基板 - Google Patents

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JP2005285866A
JP2005285866A JP2004093855A JP2004093855A JP2005285866A JP 2005285866 A JP2005285866 A JP 2005285866A JP 2004093855 A JP2004093855 A JP 2004093855A JP 2004093855 A JP2004093855 A JP 2004093855A JP 2005285866 A JP2005285866 A JP 2005285866A
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誠 橋元
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Abstract

【課題】 薄型化した広面積のセラミック母基板において、反り等の不具合が生じることを防止できるとともに、分割時に欠けやクラック等の発生がなく、縦横に複数配列形成した電気的な接続信頼性に優れた配線基板を作製可能な多数個取り配線基板を提供すること。
【解決手段】 多数個取り配線基板は、主面の中央部に複数の配線基板領域2が縦横に全体として四角形状に配列形成されるとともに、外周部に枠状の捨て代領域4が形成された四角形状の母基板1と、各配線基板領域2に形成された配線導体3と、配線基板領域2の境界5に形成された分割溝5’と、捨て代領域4の分割溝5’の延長線上に形成された貫通導体11と、隣接する貫通導体11間を連結するとともに捨て代領域4の上下面に交互に全周にわたって形成された外周メタライズ層6とを具備している。
【選択図】 図1

Description

本発明は、広面積の母基板の中央部に各々が半導体素子や水晶振動子等の電子部品を搭載するための小型の配線基板となる多数の配線基板領域を縦横の並びに一体的に配列形成して成る多数個取り配線基板に関するものである。
従来、例えば半導体素子や水晶振動子等の電子部品を収納するための電子部品収納用パッケージに用いられる小型の配線基板は、酸化アルミニウム質焼結体等のセラミック材料から成り、表面に配線導体が形成された四角平板状のセラミック絶縁層を複数層、上下に積層した構造である。この配線基板に電子部品を収納し、電子部品の電極を配線導体の露出部分に半田やボンディングワイヤ等を介して電気的に接続することにより電子装置が形成される。
ところで、このような配線基板は近時の電子装置の小型化の要求に伴い、その大きさが数mm角程度の極めて小さなものとなってきており、多数個の配線基板の取り扱いを容易とするために、また配線基板および電子装置の製作を効率よくするために1枚の広面積の母基板中から多数個の配線基板を同時集約的に得るようになした、いわゆる多数個取り配線基板の形態で製作されている。
このような多数個取り配線基板の一例を図2(a),(b)に示す。ここで、図2(a)は多数個取り配線基板の平面図であり、図2(b)はそのB−B’における断面図である。
同図において、多数個取り配線基板は、四角形状の配線基板領域32が縦横に複数配列形成されるとともに外周部に枠状の捨て代領域34が形成された四角形状の母基板31と、各配線基板領域32に形成された配線導体33と、配線基板領域32の境界35に形成された分割溝35’とを具備した構造である。
各配線基板領域32の上面には、電子部品を搭載し収容するための凹部から成る搭載部42が形成されており、配線導体33は、一部が配線基板領域32の上面の搭載部42、またはその周辺に露出するとともに、他の一部が配線基板領域32の下面や側面等に露出するようにして形成されている。
そして、配線基板領域32の搭載部42に電子部品(図示せず)を搭載固定するとともに電子部品の電極をボンディングワイヤや半田等の電気的接続手段を介して搭載部42またはその周辺に露出している配線導体33に電気的に接続し、配線基板領域32の上面に搭載部42を塞ぐようにして金属やガラス等から成る蓋体を接合したり、搭載部42内にエポキシ樹脂等から成る樹脂製充填材を充填することにより、搭載部42の内部に電子部品を気密に収納することによって、多数の電子装置が縦横の並びに配列形成された多数個取りの状態で形成される。しかる後、この多数個取りの状態の電子装置を個々の配線基板領域32に分割することにより多数個の製品としての電子装置が形成される。なお、配線基板領域32への電子部品の搭載は、多数個取り配線基板を個々の配線基板領域32に分割した後に行われる場合もある。
この場合、配線導体33は、その露出する表面に、あらかじめニッケルや金等のめっき層(図示せず)が被着されている。配線導体33にめっき層を被着させておくと、配線導体33の酸化を効果的に防止することができるとともに、配線導体33に対するボンディングワイヤのボンディング性や、半田の濡れ性等の特性を向上させることができる。
配線導体33にめっきを施すには、多数個取り配線基板をニッケル,金等のめっき液中に浸漬し、配線導体33に所定のめっき用の電流を供給する。母基板31の一対の辺部等にはめっき導通用パターン38が、配線導体33と電気的に接続するようにして形成されており、めっき用治具(ラック)に設けられた導通用端子(図示せず)をめっき導通用パターン38に接触させるとともに、導通用端子の一対の端部でめっき導通用パターン38を上下から挟み込むことにより、電源から導通用端子とめっき導通用パターン38とを介して配線導体33にめっき用の電流が供給される。
なお、めっき導通用パターン38は図2に示すように、母基板31の一対の端面に形成された楕円弧状、または円弧状の切り欠き部39の内面にメタライズ層等の導体層を被着形成することにより形成されている。
この場合、一般に、電解めっき法においては、被めっき部位の外周部に近いほど電流が流れ易く電流密度が高くなること、また、めっき液の循環供給がされやすいこと等から、めっき速度が速く、めっき厚みが厚くなることが知られている。
そのため、配線基板領域32の配線導体33に被着形成されるニッケルや金等のめっきの厚みを均一なものとするために、母基板31の捨て代領域34の主面(通常は、電子部品が搭載される上側の主面)には枠状の外周メタライズ層36が、めっき導通用パターン38および配線導体33と電気的に接続して形成されている。
外周メタライズ層36は、その内側の被めっき部位に被着しようとするニッケル,金等のめっき金属を、自身のほうに被着させて、被めっき部位のめっき厚みのばらつきを抑える、いわゆる補助陰極として機能し、内側の配線基板領域32の配線導体33に被着されるめっきの厚みばらつきが生じることを防止している。
なお、隣接する配線基板領域32の境界35上には、ビア導体40が形成されており、このビア導体40は、隣接する配線基板領域32の配線層間や上下の配線層間を電気的に接続するように形成されており、個々の配線基板領域32に分割する際に縦に分割されることにより、配線基板の側面に位置する側面導体(キャスタレーション導体)となる。
特開2000−340898号公報
しかしながら、近年、電子部品収納用パッケージ等に用いられる小型の配線基板は、電子装置に対する小型化,低背化の要求のため、より一層の小型化、特に薄型化が必要となってきており、これに応じて母基板31は、例えば厚みが0.5mm以下と非常に薄型化されるようになってきている。
このように母基板31が薄型化されると、外周メタライズ層36と成る金属ペーストと母基板31と成るセラミックグリーンシートとの焼成時の収縮率の違いにより、母基板31の上面等の一つの主面の外周部分の各辺において、各辺の全長にわたる大きな応力が一方向に作用し、この応力により母基板31が凹状、または凸状に反ってしまい、各配線基板領域32を個片状に分割する際に、各配線基板領域32の間や、配線基板領域32と捨て代領域34との間の境界線が歪むため個々の配線基板においてクラックやバリが発生するという問題点を有していた。
本発明はかかる問題点に鑑み案出されたものであり、その目的は、より一層の小型化、特に薄型化が進んだ配線基板32において、母基板31の外周の捨て代領域34の主面にめっき厚みのばらつきを防止するための外周メタライズ層36を設けたとしても、母基板31において反り等の不具合が生じることを防止できるとともに、各配線基板領域32を分割する際にクラックや欠けが発生することを防止することが可能であり、かつ配線導体33の表面に良好なめっき層を被着させることが可能な多数個取り配線基板を提供することにある。
本発明の多数個取り配線基板は、主面の中央部に複数の配線基板領域が縦横に全体として四角形状に配列形成されるとともに、外周部に枠状の捨て代領域が形成された四角枠状の母基板と、前記各配線基板領域に形成された配線導体と、前記配線基板領域の境界に形成された分割溝と、前記捨て代領域の前記分割溝の延長線上に形成された貫通導体と、隣接する該貫通導体間を連結するとともに前記捨て代領域の上下主面に交互に全周にわたって形成された外周メタライズ層とを具備していることを特徴とするものである。
また、本発明の多数個取り配線基板は、好ましくは、前記外周メタライズ層は、前記配線基板領域全体の一つの辺部において、その辺部に沿っているものの形状が全て同じであるとともに、平面視で全体として直線状に形成されていることを特徴とするものである。
本発明の多数個取り配線基板によれば、外周部に枠状の捨て代領域が形成された四角形状の母基板と、各配線基板領域に形成された配線導体と、配線基板領域の境界に形成された分割溝と、捨て代領域の分割溝の延長線上に形成された貫通導体と、隣接する該貫通導体間を連結するとともに捨て代領域の上下主面に交互に全周にわたって形成された外周メタライズ層とを具備していることから、外周メタライズ層と母基板との間で焼成時の収縮率の違いに起因して応力が生じたとしても、その応力は捨て代領域の上下主面に交互に全周にわたって形成された外周メタライズ層の各部位ごとに断続して生じるとともに、上側の主面と下側の主面との間で応力が相殺することになるので、母基板の一つの主面の各辺の全長にわたって一方向に大きな応力が作用することはなく、母基板の反りを防止することが可能となる。これにより、各配線基板領域を個片状に分割する際にクラックやバリが発生することを防止できる。また、母基板を分割しない状態で半導体素子等の電子部品を実装する際に、搭載精度の悪化を防止して実装不良を防止することができる。
また、形成された外周メタライズ層がいわゆる補助陰極として作用することから、各配線導体に流れる電流が均一になり、広面積の母基板の縦横に複数配列形成した配線基板領域の主面の配線導体に被着されるめっき層の厚みを均一で安定したものとすることができる。
また、捨て代領域の分割溝の延長線上に貫通導体が形成されていることから、母基板の捨て代領域の外周メタライズ層を越えて分割溝を形成したとしても、上下主面の外周メタライズ層が分割溝で分断されて電気的導通が阻害されることがなく、母基板の上下主面の外周メタライズ層の全周にわたって確実に通電させて配線導体に被着させるめっき層の厚さのバラつきを確実に抑えることができるとともに母基板の各配線基板領域を効率良く個片状に分割することができる。
さらに、例えば、捨て代領域に形成された貫通導体を、貫通孔内に導体が完全に充填されたものとせず、貫通孔の内壁にのみ導体が被着されたものとすることにより、母基板が大きくなったとしても、貫通導体の内側の空洞を介して母基板の表裏面間のめっき液の循環をスムーズに行わせることができることから、広面積の母基板の縦横に複数配列形成した配線基板領域の主面の配線導体に被着されるめっき層の厚みを均一で安定したものとすることができる。
また、本発明の多数個取り配線基板によれば、好ましくは、外周メタライズ層は、配線基板領域全体の一つの辺部において、その辺部に沿っているものの形状が全て同じであるとともに、平面視で全体として直線状に形成されていることから、母基板の上下各主面のそれぞれの全周にわたって外周メタライズ層と母基板との間で焼成時の収縮率の違いに起因して発生する応力がほぼ等しくなり、より一層確実に母基板の反りを防止することが可能となる。その結果、電気的な接続信頼性に優れた配線基板を作製可能な多数個取り配線基板を提供することができる。
次に、本発明の多数個取り配線基板を添付の図面を基に説明する。図1(a)は本発明の多数個取り配線基板の実施の形態の一例を示す平面図であり、図1(b)は図1(a)の多数個取り配線基板のA−A’線における断面図ある。同図において1は母基板、2は配線基板領域、3は配線導体、4は捨て代領域、6は外周メタライズ層、8はめっき導通用パターン、11は貫通導体である。なお、各配線基板領域2の配線導体3は、実際には複雑なパターンであるが、図面を見易くするために、四角形状のパターンに略して示している。
そして、主として母基板1、配線基板領域2、配線導体3、外周メタライズ層6、貫通導体11で本発明の多数個取り配線基板が構成されている。
母基板1は、酸化アルミニウム質焼結体や窒化アルミニウム質焼結体,ムライト質焼結体,ガラスセラミックス等のセラミック材料から成るセラミック層を積層して成り、主面の中央部に複数の配線基板領域2が縦横に全体として四角形状に配列形成されている。
また、各配線基板領域2は、例えば一辺の長さが2〜20mm程度で厚みが0.4〜2mm程度の四角形状である。そして、各配線基板領域2の上面中央部に電子部品を収納し搭載するための凹部から成る搭載部12が設けられている。
また、母基板1の外周部には、枠状の捨て代領域4が形成されている。捨て代領域4は、多数個取り配線基板の取り扱いを容易とすることや、後述するように、配線導体3にめっき層を被着させる際のめっき層の形成を容易、かつ均一で安定したものとすること等のために形成されている。
このような母基板1は、例えば酸化アルミニウム質焼結体から成る場合であれば、酸化アルミニウム等の原料粉末をシート状に成形したセラミックグリーンシートを複数枚準備するとともに縦横に区画して配線基板領域2および捨て代領域4を設け、次に、このセラミックグリーンシートの一部のものについて適当な打ち抜き加工を施した後、積層、焼成することによって作製される。
各配線基板領域2には、配線導体3が形成されている。配線導体3は、搭載部に搭載される電子部品の電極とボンディングワイヤや半田等を介して電気的に接続され、これを配線基板領域2の下面や側面に導出する導電路として機能する。
配線導体3は、タングステンやモリブデン,銅,銀等の金属材料から成り、例えば、タングステンから成る場合であれば、タングステンの金属ペーストを母基板1となるセラミックグリーンシートに所定の配線導体3のパターンで印刷しておき、セラミックグリーンシートと同時焼成することにより形成される。
また、母基板1は、配線基板領域2の境界5に沿って、主面(図1の例では上面)に分割溝5’が形成されている。
分割溝5’は、母基板1を各配線基板領域2に分割する際の分割の作業を容易とするためのものである。分割溝5’を中心として母基板1をたわませることにより、分割溝5’の底面から対向する母基板1の主面(図1の例では下面)にかけて母基板1が破断し、分割が行われる。なお、分割溝5’は母基板1の上下両主面に形成してもよい。また、配線基板領域2と捨て代領域4との境界5に沿った部分にも形成することが望ましい。
このような分割溝5’は、例えば、母基板1となるセラミックグリーンシートの積層体の主面に、配線基板領域2の境界5に沿って金属刃を押圧して所定の深さで切り込みを入れること等により形成される。
そして、配線基板領域2の搭載部に電子部品(図示せず)を搭載固定するとともに電子部品の電極をボンディングワイヤや半田等の電気的接続手段を介して搭載部またはその周辺に露出している配線導体3に電気的に接続し、配線基板領域2の上面に搭載部を塞ぐようにして金属やガラス等から成る蓋体を接合したり、搭載部内にエポキシ樹脂等から成る樹脂製充填材を充填することにより、搭載部の内部に電子部品を気密に収納することによって、多数の電子装置が縦横の並びに配列形成された多数個取りの状態で形成される。しかる後、この多数個取りの状態の電子装置を個々の配線基板領域2に分割することにより多数個の製品としての電子装置が形成される。なお、配線基板領域2への電子部品の搭載は、多数個取り配線基板を個々の配線基板領域2に分割した後に行うようにしてもよい。
この場合、配線導体3の露出した表面には、酸化腐食を防止するとともに、半田やボンディングワイヤを接続する際の半田の濡れ性、ボンディングワイヤのボンディング性等の特性を向上させるために、ニッケルや金等のめっき層(図示せず)があらかじめ被着されている。
なお、配線導体3にめっきを施すには、多数個取り配線基板をニッケル,金等のめっき液中に浸漬し、配線導体3に所定のめっき用の電流を供給する。母基板1の一対の辺部等にはめっき導通用パターン8が、配線導体3と電気的に接続するようにして形成されており、めっき用治具(ラック)に設けられた導通用端子(図示せず)をめっき導通用パターン8に接触させるとともに、導通用端子の一対の端部でめっき導通用パターン8を上下から挟み込むことにより、電源から導通用端子とめっき導通用パターン8とを介して配線導体3にめっき用の電流が供給されることとなる。
この場合、配線基板領域2同士の間や、配線基板領域2と外周メタライズ層6との間にビア導体10を形成し、これらの間の電気的な接続を容易とするようにしてもよい。
ビア導体10は、母基板1となるセラミックグリーンシートに貫通孔を形成し、この貫通孔の内部や内側面に、配線導体3を形成するのと同様の金属ペーストを印刷塗布または充填することにより形成される。
外周メタライズ層6は、配線導体3に被着されるめっき層のばらつきを低減し、均一にするためのものである。すなわち、外周メタライズ層6は、いわゆる補助陰極として機能し、これにより、内側の配線基板領域2の配線導体3に被着されるめっき厚みが外周部で厚くなってめっき層の厚さにばらつきが生じることを防止している。
外周メタライズ層6は、配線導体3のめっき厚みのばらつきを防止するためには、2mm以上の幅で形成することが好ましい。
なお、外周メタライズ層6は、配線導体3を形成するのと同様の金属ペーストを、セラミックグリーンシートの外周の捨て代領域4の主面に所望の形状に印刷塗布しておき、セラミックグリーンシートと同時焼成することにより形成される。外周メタライズ層6は、生産性等を考慮すると、配線導体3と同じ材料で形成することが好ましい。
本発明の多数個取り配線基板において、外周メタライズ層6は、捨て代領域4の分割溝5’の延長線上に形成された貫通導体11の隣接するもの同士の間を連結するとともに、捨て代領域4の上下主面に交互に全周にわたるようにして形成されている。
この構成により、外周メタライズ層6と母基板1との間で焼成時の収縮率の違いに起因して応力が生じたとしても、その応力は捨て代領域4の上下主面に交互に全周にわたって形成された外周メタライズ層6の各部位ごとに断続して生じるとともに、上側の主面と下側の主面との間で応力が相殺することになるので、母基板1の一つの主面の各辺の全長にわたって一方向に大きな応力が作用することはなく、母基板1の反りを防止することが可能となる。これにより、各配線基板領域2を個片状に分割する際にクラックやバリが発生することを防止できる。
また、母基板1を分割しない状態で半導体素子等の電子部品を実装する際に、搭載精度の悪化を防止して実装不良を防止することができる。
また、形成された外周メタライズ層6がいわゆる補助陰極として作用することから、各配線導体3に流れる電流が均一になり、広面積の母基板1の縦横に複数配列形成した配線基板領域2の主面の配線導体3に被着されるめっき層の厚みを均一で安定したものとすることができる。
なお、貫通導体11は、母基板1の上下主面の外周メタライズ層6同士を電気的に接続し、全体として一つの枠状の導体とするためのものである。外周メタライズ層6を母基板1の上下主面間で一つの枠状の導体とすることにより、配線基板領域2の全体を取り囲む枠状の補助陰極として確実に機能させることができ、配線導体3に被着されるめっき層の厚みを均一で安定したものとすることができる。
この場合、貫通導体11を形成する方法としては、例えばセラミックグリーンシートを複数枚準備するとともに搭載部、および捨て代領域4に形成する貫通導体11を形成するために所定の位置を金型等により打ち抜き加工を施した後、この打ち抜かれたセラミックグリーンシートの貫通孔の内壁に導電性ペーストをスクリーン印刷法等により塗布するとともに、このメタライズ層が貫通孔の内壁に塗布されたセラミックグリーンシートと、導電性ペーストが所定の位置に印刷されたセラミックグリーンシートとを積層,密着して焼成すること等により作製することができる。
このように、貫通導体11を、貫通孔内に導体が完全に充填されたものとせず、貫通孔の内壁にのみ導体が被着されたものとすることにより、母基板1が大きくなったとしても、貫通導体11の内側の空洞を介して母基板1の表裏面間のめっき液の循環をスムーズに行わせることができることから、広面積の母基板1の縦横に複数配列形成した配線基板領域2の主面の配線導体3に被着されるめっき層の厚みを均一で安定したものとすることができる。
ここで、捨て代領域4の上下主面に交互に全周にわたって形成する外周メタライズ層6は、その幅が2〜5mm程度に形成することが望ましい。外周メタライズ層6の幅が2mm未満となると、補助電極としての機能が低下しやすくなり、配線基板領域2の配線導体3に厚みばらつきが生じやすくなる。また、捨て代領域4の上下主面に交互に全周にわたって外周メタライズ層6を電気的に接続するための貫通導体11の大きさが小さくなり、貫通導体11を介して母基板1の表裏面をめっき液が循環することが妨げられてしまい、配線基板領域2の主面の配線導体3に被着されるめっき層の厚みが安定しなくなる可能性がある。
また、外周メタライズ層6の幅が5mmを越えると、母基板1に形成する配線基板領域2の取り個数が減少するため生産性が悪く、また、補助陰極として作用する外周メタライズ層6にめっき成分(ニッケルや金等)が被着されて消費されるため、めっき液の寿命が短くなりやすい。
また、本発明の多数個取り配線基板は、外周メタライズ層6は、配線基板領域2全体の一つの辺部において、その辺部に沿っているものの形状が全て同じであるとともに、平面視で全体として直線状に形成されていることが好ましい。
これにより、母基板1の上下各主面のそれぞれの全周にわたって外周メタライズ層6と母基板1との間で焼成時の収縮率の違いに起因して発生する応力がほぼ等しくなり、より一層確実に母基板1の反りを防止することが可能となる。
この場合、外周メタライズ層6は、捨て代領域4の上下各主面の全周で、その厚みを5〜20μmの厚みとなるように形成することが望ましい。外周メタライズ層6の厚みが5μm未満となると、各貫通導体11との接続厚みが薄くなってしまい、電気的接続性が悪化する恐れがある。また、外周メタライズ層6の厚みが20μmを超えると、母基板1の厚みが1mm以下と薄い場合において、局所的に基板の反りが発生する可能性があるためである。
また、外周メタライズ層6は、搭載部が形成されている側の主面(図1の例では上面)の各辺で、配線基板領域2の四角形状の配列の角部に接する部位まで形成するようにしておくことが好ましい。
これにより、配線導体3に被着されるめっき層の厚さが特に厚くなる傾向のある四角形状の配列の角部において、搭載部に露出する配線導体3にめっき層が厚く形成されることをより有効に防止できるので、配線導体3の露出部分に対する電子部品の電気的な接続の信頼性をより高く確保することができる。電子部品の電極がボンディングワイヤや半田等を介して電気的に接続される配線導体3に被着されるめっき層が厚くなり過ぎると、めっき層の内部応力が大きくなるので、ボンディングや半田付け時の応力と合わさって配線導体3が母基板1から剥がれ易くなるおそれがある。
以上の結果、電気的な接続信頼性に優れた配線基板を作製可能な多数個取り配線基板を提供することができる。
なお、本発明は以上の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えても何ら差し支えない。例えば、この例では7行×5列の35個の配線基板領域2で構成された母基板1としたが、その他の配列個数の母基板で構成してもよいのは言うまでもない。
また、貫通導体11は、母基板1に形成した貫通孔の内壁面だけではく、貫通孔内を充填するようにして形成してもよい。この場合、母基板1の上下の主面間のめっき液の流通を良好に確保するために、ダミーの貫通孔(図示せず)を捨て代領域4に形成してもよい。
また、図1に示した例では、全部の分割溝5’の延長線上に貫通導体11を形成しているが、貫通導体11は、全部の分割溝5’の延長線上に形成する必要はなく、複数の分割溝5’の延長線間に形成するようにしてもよい。ただし、この場合には、分割溝5’は、外周メタライズ層6を分断しないように、外周メタライズ層6よりも内側までの部位で外周メタライズ層6に達しないようにして形成する必要がある。
(a)は本発明の多数個取り配線基板の実施の形態の一例を示す平面図、(b)は(a)の多数個取り配線基板のA−A’線における断面図である (a)は従来の多数個取り配線基板の実施の形態の一例を示す平面図、(b)は(a)の多数個取り配線基板のB−B’線における断面図である
符号の説明
1・・・・・母基板
2・・・・・配線基板領域
3・・・・・配線導体
4・・・・・捨て代領域
5・・・・・境界
5’・・・・分割溝
6・・・・・外周メタライズ層
11・・・・貫通導体

Claims (2)

  1. 主面の中央部に複数の配線基板領域が縦横に全体として四角形状に配列形成されるとともに、外周部に枠状の捨て代領域が形成された四角形状の母基板と、前記各配線基板領域に形成された配線導体と、前記配線基板領域の境界に形成された分割溝と、前記捨て代領域の前記分割溝の延長線上に形成された貫通導体と、隣接する該貫通導体間を連結するとともに前記捨て代領域の上下主面に交互に全周にわたって形成された外周メタライズ層とを具備していることを特徴とする多数個取り配線基板。
  2. 前記外周メタライズ層は、前記配線基板領域全体の一つの辺部において、その辺部に沿っているものの形状が全て同じであるとともに、平面視で全体として直線状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の多数個取り配線基板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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