JP2005269824A - ハイブリッドシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】蓄電装置としてニッケル水素電池を使用するハイブリッドシステムにおいて、ニッケル水素電池の充電状態(SOC)や充放電電流の大小に関わらず、正確なSOCの推定を可能とすることにより、ニッケル水素電池の過放電・過充電を防止するとともに効率の良い電池容量の使用を可能とする。また、ニッケル水素電池の充電時において、充電電流を調整することによって過充電を防止する。
【解決手段】システムコントローラ1によって演算されるニッケル水素電池27のSOCが、ニッケル水素電池27が定電圧特性を示す定電圧SOC範囲内にある場合は、ニッケル水素電池27の充放電電流の積算値に基づいてSOCを推定し、演算されるSOCが、定電圧SOC範囲を下回っている場合は、予め設定される、ニッケル水素電池27の放電電圧特性曲線Dの傾きに基づいて、SOCを推定するとともにニッケル水素電池27の放電終止を決定する。
【選択図】図2
【解決手段】システムコントローラ1によって演算されるニッケル水素電池27のSOCが、ニッケル水素電池27が定電圧特性を示す定電圧SOC範囲内にある場合は、ニッケル水素電池27の充放電電流の積算値に基づいてSOCを推定し、演算されるSOCが、定電圧SOC範囲を下回っている場合は、予め設定される、ニッケル水素電池27の放電電圧特性曲線Dの傾きに基づいて、SOCを推定するとともにニッケル水素電池27の放電終止を決定する。
【選択図】図2
Description
本発明は、エンジンから少なくとも機械的駆動力と電力を取り出すハイブリッドシステムに関し、特に、エンジンをアシストする電動機(モータ)への電力の供給及び発電機からの発電電力の蓄電を行う蓄電装置として、ニッケル水素電池を備えるハイブリッドシステムに関する。
近年、自動車や、建設機械などの作業機などにおいては、エンジンを駆動源とする発電機と、この発電機による発電電力を蓄電する蓄電装置としてのバッテリ(二次電池)と、このバッテリから供給される電力が用いられて駆動するモータ(電動機)とを備え、発電機によるバッテリの蓄電と、モータによるエンジンのトルクアシストとを行うことで、省エネルギー化を図りつつ、エンジンを有効に使用することによって効率的な運転を可能とする、いわゆるハイブリッドシステムが採用されており、このような技術が今後の主流となりつつある。
このようなハイブリッドシステムにおいては、蓄電装置として用いられるバッテリとして、大電流放電が可能であり使用可能な温度範囲が広い等の理由から、ニッケル水素電池が一般的に使用されている(例えば、特許文献1参照。)。
そして、こうしたハイブリッドシステムにおいては、加速時や高い作業負荷がかかったとき等の高負荷状態では、バッテリからモータへ電力が供給されモータによるトルクアシストが行われ、減速時や作業負荷がかかってないとき等の低負荷状態では、発電機からの発電電力がバッテリに蓄電される。つまり、エンジンの高負荷状態ではバッテリの放電が行われ、低負荷状態ではバッテリの充電が行われており、エンジンの負荷状態に応じてバッテリの充放電電流が変化する。そこで、このようなバッテリの充放電に対応するため、バッテリの残存容量(充電状態:SOC)は50%程度に維持されることが好ましく、そのため、SOCは検出する必要がある。
また、バッテリが満充電状態付近及び完全放電状態付近にある場合は、バッテリの過充電及び過放電を防止するため、バッテリのSOC検出のより高い正確性が要求される。
そして、こうしたハイブリッドシステムにおいては、加速時や高い作業負荷がかかったとき等の高負荷状態では、バッテリからモータへ電力が供給されモータによるトルクアシストが行われ、減速時や作業負荷がかかってないとき等の低負荷状態では、発電機からの発電電力がバッテリに蓄電される。つまり、エンジンの高負荷状態ではバッテリの放電が行われ、低負荷状態ではバッテリの充電が行われており、エンジンの負荷状態に応じてバッテリの充放電電流が変化する。そこで、このようなバッテリの充放電に対応するため、バッテリの残存容量(充電状態:SOC)は50%程度に維持されることが好ましく、そのため、SOCは検出する必要がある。
また、バッテリが満充電状態付近及び完全放電状態付近にある場合は、バッテリの過充電及び過放電を防止するため、バッテリのSOC検出のより高い正確性が要求される。
しかし、前記特許文献1にも示されているように、ハイブリッドシステムの蓄電装置としてニッケル水素電池を使用した場合、SOCの検出について、及びニッケル水素電池の充電時において次のような不具合がある。
まず、ニッケル水素電池のSOCの検出について説明する。
図2はニッケル水素電池の放電時におけるSOCに対する電圧特性を示す図であるが、この図に示すように、ニッケル水素電池を放電させると、SOCの減少にともない電池電圧も低下する。SOCが大きいときは、SOCの減少にともなう電池電圧の低下は小さく、電池電圧は略一定の電圧を保つ。つまり、SOCが大きい領域ではニッケル水素電池は定電圧特性を示す。ところが、SOCが少なくなってニッケル水素電池が完全放電状態に近付くと、電池電圧は急激に低下する。
このように、SOCがある程度よりも大きい領域では、ニッケル水素電池は定電圧特性を示し、SOCの変化にともなって電池電圧はほとんど変化しないため、SOCを検出する際、電池電圧に基づいて推定することが困難であった。
図2はニッケル水素電池の放電時におけるSOCに対する電圧特性を示す図であるが、この図に示すように、ニッケル水素電池を放電させると、SOCの減少にともない電池電圧も低下する。SOCが大きいときは、SOCの減少にともなう電池電圧の低下は小さく、電池電圧は略一定の電圧を保つ。つまり、SOCが大きい領域ではニッケル水素電池は定電圧特性を示す。ところが、SOCが少なくなってニッケル水素電池が完全放電状態に近付くと、電池電圧は急激に低下する。
このように、SOCがある程度よりも大きい領域では、ニッケル水素電池は定電圧特性を示し、SOCの変化にともなって電池電圧はほとんど変化しないため、SOCを検出する際、電池電圧に基づいて推定することが困難であった。
次に、ニッケル水素電池の充電時について説明する。
図5はニッケル水素電池の充電時における電圧特性を示す図であるが、この図における従来の電圧特性曲線に示すように、ニッケル水素電池は充電時間が経過していくと、満充電状態付近に至るまでは、略一定の電池電圧を保ち、満充電状態付近のある時点から急激に電池電圧が上昇する。そして、電池電圧が頂点に達した後、電圧が下降する時点をニッケル水素電池の満充電状態として充電完了、即ち充電終止としていた。
このように、ニッケル水素電池を充電する際の充電終止を、ニッケル水素電池の電圧特性のみに基づいて決定すると、満充電状態付近で大電流による充電が行われた場合など、ニッケル水素電池の過充電を引き起こしてしまうおそれがある。
図5はニッケル水素電池の充電時における電圧特性を示す図であるが、この図における従来の電圧特性曲線に示すように、ニッケル水素電池は充電時間が経過していくと、満充電状態付近に至るまでは、略一定の電池電圧を保ち、満充電状態付近のある時点から急激に電池電圧が上昇する。そして、電池電圧が頂点に達した後、電圧が下降する時点をニッケル水素電池の満充電状態として充電完了、即ち充電終止としていた。
このように、ニッケル水素電池を充電する際の充電終止を、ニッケル水素電池の電圧特性のみに基づいて決定すると、満充電状態付近で大電流による充電が行われた場合など、ニッケル水素電池の過充電を引き起こしてしまうおそれがある。
そこで、本発明は、これらの不具合を解消するためのものであり、蓄電装置としてニッケル水素電池を使用するハイブリッドシステムにおいて、ニッケル水素電池のSOCや充放電電流の大小に関わらず、正確なSOCの推定を可能とすることにより、ニッケル水素電池の過放電・過充電を防止するとともに効率の良い電池容量の使用を可能とすることを目的とする。また、ニッケル水素電池の充電時において、充電電流を調整することによって過充電を防止することを目的とする。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、エンジンと、該エンジンをアシストするモータと、これらを制御する制御手段と、前記エンジンを駆動源とする発電機と、前記モータへの電力の供給及び前記発電機からの発電電力の蓄電を行う蓄電装置としてのニッケル水素電池と、を有するハイブリッドシステムにおいて、前記制御手段は、該制御手段によって演算される前記ニッケル水素電池の充電状態が、ニッケル水素電池が定電圧特性を示す所定の充電状態範囲内にある場合は、ニッケル水素電池の充放電電流の積算値に基づいてニッケル水素電池の充電状態を推定し、前記演算される充電状態が、前記所定の充電状態範囲を下回った場合は、予め設定される、ニッケル水素電池の充電状態に対する放電時の電池電圧の特性を示す放電電圧特性曲線の傾きに基づいて、ニッケル水素電池の充電状態を推定するとともにニッケル水素電池の放電終止を決定するものである。
請求項2においては、前記制御手段は、前記ニッケル水素電池の放電電流が大きくなるに従い、前記放電電圧特性曲線の放電終止充電状態を、高充電状態側に推移させ、ニッケル水素電池の放電電流が小さくなるに従い、前記放電電圧特性曲線の放電終止充電状態を、低充電状態側に推移させるものである。
請求項3においては、前記制御手段は、前記ニッケル水素電池の充電時、ニッケル水素電池の電池電圧値が、予め設定される規定値を上回った場合、ニッケル水素電池への充電電流を減少させ、前記電池電圧値の時間変化率が負の値となった時に、ニッケル水素電池の充電を停止させるものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1においては、定電圧特性を示すため電圧に基づいて推定することが困難であったニッケル水素電池のSOCを、正確に推定することが可能となる。
請求項2においては、定電圧特性を示すため電圧に基づいて推定することが困難であったニッケル水素電池のSOCを、正確に推定することが可能となるとともに、ニッケル水素電池の充放電電流の大小に応じてSOCを推定することができる。これにより、ニッケル水素電池の電池容量を効率良く使用することができ、ニッケル水素電池の過放電・過充電を防止することができる。
請求項3においては、ニッケル水素電池の過充電を防止することができる。これにより、ニッケル水素電池の寿命を延ばすことができる。また、ニッケル水素電池のSOCが100%付近の充電末期では、充電電流を少量にすることにより、ニッケル水素電池の容量密度及び充電精度を高めることができる。
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明に係るハイブリッドシステムの構成の一例を示す図、図2はニッケル水素電池の放電時におけるSOCに対する電圧特性を示す図、図3は電解液の比重と電池回路電圧の関係を示す図、図4は電解液の比重とニッケル水素電池の放電深度(DOD)の関係を示す図、図5はニッケル水素電池の充電時における電圧特性を示す図である。
図1は本発明に係るハイブリッドシステムの構成の一例を示す図、図2はニッケル水素電池の放電時におけるSOCに対する電圧特性を示す図、図3は電解液の比重と電池回路電圧の関係を示す図、図4は電解液の比重とニッケル水素電池の放電深度(DOD)の関係を示す図、図5はニッケル水素電池の充電時における電圧特性を示す図である。
まず、本発明に係るハイブリッドシステムの概略構成について図1を用いて説明する。
なお、本実施例においては、モータ及び発電機の機能を兼ね備えたモータジェネレータ11を有するハイブリッドシステムを用いて説明するが、これに限定されず、モータと発電機とを別々に備えた構成のハイブリッドシステム等においても本発明の効果を得ることができる。つまり、本発明は、エンジンをアシストするモータへの電力の供給及び発電機からの発電電力の蓄電を行う蓄電装置として、ニッケル水素電池を有するハイブリッドシステムにおいて適用可能である。
なお、本実施例においては、モータ及び発電機の機能を兼ね備えたモータジェネレータ11を有するハイブリッドシステムを用いて説明するが、これに限定されず、モータと発電機とを別々に備えた構成のハイブリッドシステム等においても本発明の効果を得ることができる。つまり、本発明は、エンジンをアシストするモータへの電力の供給及び発電機からの発電電力の蓄電を行う蓄電装置として、ニッケル水素電池を有するハイブリッドシステムにおいて適用可能である。
本ハイブリッドシステムは、エンジン2の出力軸部の駆動を、エンジン2と、モータ及び発電機として機能するモータジェネレータ11との両方により可能としている。前記出力軸部から取り出された駆動力は、クラッチ部や動力伝達装置などを介して、自動車や作業機などにおける走行部や各種作業部などの負荷7に伝達される。
モータジェネレータ11は、エンジン2のクランク軸にその駆動軸が連結された状態で付設されており、インバータコンバータ12を介して蓄電システム部20と電気的に接続されている。
また、モータジェネレータ11は、モータまたは発電機として機能するものであり、モータとして機能することによって負荷7を駆動するエンジン2のトルクアシストを行い、発電機として機能することによってその発電電力及び負荷7側の慣性力などによる回生発電を蓄電装置へと蓄電する。
前記インバータコンバータ12は、インバータまたはコンバータとして機能するものであり、入力される電力を直流または交流に変換するとともに、所定の電圧及び周波数に変換するものである。
前記蓄電システム部20には、蓄電装置としてのニッケル水素電池27と、該ニッケル水素電池27の出入力電圧を昇降圧する昇降圧チョッパ22と、ニッケル水素電池27の充放電電流の検出及びニッケル水素電池27の端子電圧の検出を行う電流・電圧センサ25とが設けられている。
前記電流・電圧センサ25によって検出される電流値及び電圧値は、昇降圧チョッパ22を介してシステムコントローラ1に入力される。
また、モータジェネレータ11は、モータまたは発電機として機能するものであり、モータとして機能することによって負荷7を駆動するエンジン2のトルクアシストを行い、発電機として機能することによってその発電電力及び負荷7側の慣性力などによる回生発電を蓄電装置へと蓄電する。
前記インバータコンバータ12は、インバータまたはコンバータとして機能するものであり、入力される電力を直流または交流に変換するとともに、所定の電圧及び周波数に変換するものである。
前記蓄電システム部20には、蓄電装置としてのニッケル水素電池27と、該ニッケル水素電池27の出入力電圧を昇降圧する昇降圧チョッパ22と、ニッケル水素電池27の充放電電流の検出及びニッケル水素電池27の端子電圧の検出を行う電流・電圧センサ25とが設けられている。
前記電流・電圧センサ25によって検出される電流値及び電圧値は、昇降圧チョッパ22を介してシステムコントローラ1に入力される。
以上のエンジン2、インバータコンバータ12、及び昇降圧チョッパ22は、制御手段としてのシステムコントローラ1と通信接続されており、該システムコントローラ1によって本ハイブリッドシステムが制御される構成となっている。
このような構成のハイブリッドシステムにおいて、前述したようにモータ及び発電機としての機能を有するモータジェネレータ11は、作業状況などに応じて各機能を発揮する。
モータジェネレータ11をモータとして作動させる場合には、ニッケル水素電池27から電力が供給される。ニッケル水素電池27から供給される電力は、インバータコンバータ12に入力される。このとき、インバータコンバータ12はインバータとして機能して、入力された電力を所定に変換し、この変換された電力をモータジェネレータ11に供給する。
このように、モータジェネレータ11がモータとして作動することにより、その駆動力が、エンジン2のクランク軸と連結しているモータジェネレータ11の駆動軸からエンジン2に伝達され、エンジン2の起動時のスタータとしての利用や高負荷時のトルクアシストが行われる。
モータジェネレータ11をモータとして作動させる場合には、ニッケル水素電池27から電力が供給される。ニッケル水素電池27から供給される電力は、インバータコンバータ12に入力される。このとき、インバータコンバータ12はインバータとして機能して、入力された電力を所定に変換し、この変換された電力をモータジェネレータ11に供給する。
このように、モータジェネレータ11がモータとして作動することにより、その駆動力が、エンジン2のクランク軸と連結しているモータジェネレータ11の駆動軸からエンジン2に伝達され、エンジン2の起動時のスタータとしての利用や高負荷時のトルクアシストが行われる。
一方、モータジェネレータ11を発電機として作動させる場合には、エンジン2の駆動力によりモータジェネレータ11が作動して発電が行われる。モータジェネレータ11で発電される電力は、インバータコンバータ12に入力される。この際、インバータコンバータ12はコンバータとして機能する。そして、インバータコンバータ12によって所定の変換が行われた電力は、ニッケル水素電池27に蓄電される。
このようなモータジェネレータ11によるトルクアシスト及び発電は、システムコントローラ1からインバータコンバータ12へ送信される速度指令(モータ指令)及びエンジン2の燃料噴射量や機関回転数などを基準にして、エンジン2にかかる負荷に応じて行われる。つまり、エンジン2にかかる負荷が一定値より高くなった場合に、ニッケル水素電池27から電力を供給してモータジェネレータ11をモータとして作動させ、エンジン2のトルクアシストを行い、エンジン2にかかる負荷が一定値より低くなった場合に、モータジェネレータ11を発電機として作動させ、該モータジェネレータ11による発電電力をニッケル水素電池27へと蓄電するように制御されている。
以上のような構成のハイブリッドシステムにおいて、前述したように、蓄電装置としてのニッケル水素電池27は、エンジン2をアシストするモータとして作動するモータジェネレータ11への電力の供給、及び発電機として作動するモータジェネレータ11からの発電電力の蓄電を行うものであり、これらの所作にともなって充放電を行う。そのため、ニッケル水素電池27の残存容量(充電状態:State of Charge、以下、「SOC」とする。)は、正確に推定される必要がある。つまり、ハイブリッドシステムにおける蓄電装置のSOCは、ハイブリッドシステムが適用される自動車や作業機などの走行や作業などに密接に関わっているため、蓄電装置のSOCをより正確に推定してこれを走行や作業などに反映させることにより、ハイブリッドシステムの電気効率の向上や、蓄電装置の過放電・過充電を防止することができる。以下、本発明のハイブリッドシステムにおける蓄電装置としてのニッケル水素電池27のSOCの推定、及びニッケル水素電池27の充電方法について説明する。
まず、ニッケル水素電池27のSOCの推定について説明する。
本発明においては、SOCがある所定の値より大きい領域にある場合は、略一定の電池電圧値を示すというニッケル水素電池27の定電圧特性に鑑み、ニッケル水素電池27が定電圧特性を示すSOCの領域にある場合は、SOCの推定をニッケル水素電池27の充放電電流に基づいて行い、定電圧特性を示すSOCの領域を下回ると、SOCの推定をニッケル水素電池27の電池電圧に基づいて行うこととしている。
本発明においては、SOCがある所定の値より大きい領域にある場合は、略一定の電池電圧値を示すというニッケル水素電池27の定電圧特性に鑑み、ニッケル水素電池27が定電圧特性を示すSOCの領域にある場合は、SOCの推定をニッケル水素電池27の充放電電流に基づいて行い、定電圧特性を示すSOCの領域を下回ると、SOCの推定をニッケル水素電池27の電池電圧に基づいて行うこととしている。
すなわち、本ハイブリッドシステムにおいては、システムコントローラ1によって演算されるニッケル水素電池27のSOCが、ニッケル水素電池27が定電圧特性を示す所定のSOC範囲内にある場合は、ニッケル水素電池27の充放電電流の積算値に基づいてニッケル水素電池27のSOCを推定し、システムコントローラ1によって演算されるSOCが、前記所定のSOCの範囲を下回った場合は、ニッケル水素電池27のSOCに対する放電時の電池電圧の特性を示す曲線の傾きに基づいて、ニッケル水素電池27のSOCを推定するとともにニッケル水素電池27の放電終止を決定している。以下、詳細に説明する。
まず、システムコントローラ1によるニッケル水素電池27のSOCの演算方法について説明する。
ニッケル水素電池27のSOCは、ニッケル水素電池27の起電力とニッケル水素電池27の電解液の比重との関係から、システムコントローラ1にて演算される。
具体的に説明すると、充放電中の電池電圧(ニッケル水素電池27の端子電圧)VNIは、次式(1)により表される。
VNI=EO±ICD・RO ・・・(1)
この式を用いてニッケル水素電池27のSOCを算出する。式(1)において、EOはニッケル水素電池27の起電力(電池開路電圧)、ICDはニッケル水素電池27の充放電電流、ROはニッケル水素電池27の内部抵抗である。ニッケル水素電池27の充放電電流ICDは、電流の向きによって充電電流または放電電流となり、式(1)においては、正(+)の場合には、充電電流であり、負(−)の場合には放電電流である。
ニッケル水素電池27のSOCは、ニッケル水素電池27の起電力とニッケル水素電池27の電解液の比重との関係から、システムコントローラ1にて演算される。
具体的に説明すると、充放電中の電池電圧(ニッケル水素電池27の端子電圧)VNIは、次式(1)により表される。
VNI=EO±ICD・RO ・・・(1)
この式を用いてニッケル水素電池27のSOCを算出する。式(1)において、EOはニッケル水素電池27の起電力(電池開路電圧)、ICDはニッケル水素電池27の充放電電流、ROはニッケル水素電池27の内部抵抗である。ニッケル水素電池27の充放電電流ICDは、電流の向きによって充電電流または放電電流となり、式(1)においては、正(+)の場合には、充電電流であり、負(−)の場合には放電電流である。
前記電流・電圧センサ25によって検出される電池電圧VNI、及び充放電電流ICDは、昇降圧チョッパ22からシステムコントローラ1に送信される。システムコントローラ1は、入力された電池電圧VNI及び充放電電流ICDに基づいてニッケル水素電池27の内部抵抗ROを演算する。この算出された内部抵抗ROに基づき、式(1)から電池開路電圧EOを演算する。そして、予めシステムコントローラ1には、図3に示すような、電池開路電圧EOとニッケル水素電池27の電解液の比重との関係と、図4に示すような、電解液の比重とニッケル水素電池27の放電深度(Depth of Discharge、以下、「DOD」とする。)との関係が記憶されている。なお、システムコントローラ1には、電解液とDODとの関係に代えて、電解液とSOCとの関係を予め記憶させておいてもよい。このDODとSOCとは、ともにニッケル水素電池27の充電状態を表す量であり、両者の間には、DOD+SOC=100%という関係がある。
電池開路電圧EOが分かると、システムコントローラ1は、電池開路電圧EOと電解液の比重との関係により、ある電池温度(周囲温度)に対するニッケル水素電池27の比重が算出される。そして、算出された電解液の比重から、電解液の比重とDODとの関係によりニッケル水素電池27のDODが演算され、このDODに対するニッケル水素電池27のSOCが演算される。なお、このニッケル水素電池27のSOCの演算方法は一例であり、システムコントローラ1によって一定以上の正確性を有するニッケル水素電池27のSOCが随時演算できる方法であれば、予め記憶される計算式を用いる等の他の方法を採用してもよく、前記演算方法に限定されるものではない。
このようにして、システムコントローラ1において演算されるニッケル水素電池27のSOCが、前記所定のSOC範囲(以下、「定電圧SOC範囲」とする。)内にある場合は、ニッケル水素電池27の充放電電流の積算値に基づいてSOCを推定する。以下、この充放電電流の積算値に基づいて推定するSOCをSOC1とする。
この場合、ニッケル水素電池27の充放電電流ICDを積分してSOC1を推定する。具体的には、前記定電圧SOC範囲は、例えば、約80%〜60%に設定される。
まず、システムコントローラ1からの指示により、ニッケル水素電池27の充放電電流ICDを電流・電圧センサ25により検出する。このとき、検出された充放電電流ICDはシステムコントローラ1に入力される。次に、システムコントローラ1は、ニッケル水素電池27の充放電電流ICDを積分(電流積算)することにより、ICD・Δtを求める。ここで、Δtは、充放電電流ICDの検出時間である。
この場合、ニッケル水素電池27の充放電電流ICDを積分してSOC1を推定する。具体的には、前記定電圧SOC範囲は、例えば、約80%〜60%に設定される。
まず、システムコントローラ1からの指示により、ニッケル水素電池27の充放電電流ICDを電流・電圧センサ25により検出する。このとき、検出された充放電電流ICDはシステムコントローラ1に入力される。次に、システムコントローラ1は、ニッケル水素電池27の充放電電流ICDを積分(電流積算)することにより、ICD・Δtを求める。ここで、Δtは、充放電電流ICDの検出時間である。
そして、SOC1を次式により推定する。
SOC1=SOC±ICD・Δt ・・・(2)
式(2)の右辺のSOCは、前述したように、ニッケル水素電池27の電池電圧VNI及び充放電電流ICDを検出することにより算出されるSOCである。また、右辺の±(プラスマイナス)の符号は、前述の式(1)の場合と同様に、ニッケル水素電池27の充放電電流の向きによって定まり、充電電流のときは+(プラス)となり、放電電流のときは−(マイナス)となる。そして、式(2)によれば、ニッケル水素電池27にて充放電が行われている場合には、SOCに変動があることを示しており、その変動後のSOCをSOC1としている。SOC1は、ニッケル水素電池27が充電状態の場合には増加し、放電状態の場合には減少するため、このSOC1からニッケル水素電池27の状態の変化を知ることができる。
このように、ニッケル水素電池27のSOCが前記定電圧SOC範囲内にある場合、充放電電流の積算値に基づいてSOC1を推定することにより、ニッケル水素電池27が定電圧特性を示すSOCの範囲においても、正確なSOCの推定が可能となる。
SOC1=SOC±ICD・Δt ・・・(2)
式(2)の右辺のSOCは、前述したように、ニッケル水素電池27の電池電圧VNI及び充放電電流ICDを検出することにより算出されるSOCである。また、右辺の±(プラスマイナス)の符号は、前述の式(1)の場合と同様に、ニッケル水素電池27の充放電電流の向きによって定まり、充電電流のときは+(プラス)となり、放電電流のときは−(マイナス)となる。そして、式(2)によれば、ニッケル水素電池27にて充放電が行われている場合には、SOCに変動があることを示しており、その変動後のSOCをSOC1としている。SOC1は、ニッケル水素電池27が充電状態の場合には増加し、放電状態の場合には減少するため、このSOC1からニッケル水素電池27の状態の変化を知ることができる。
このように、ニッケル水素電池27のSOCが前記定電圧SOC範囲内にある場合、充放電電流の積算値に基づいてSOC1を推定することにより、ニッケル水素電池27が定電圧特性を示すSOCの範囲においても、正確なSOCの推定が可能となる。
一方、システムコントローラ1において演算されるニッケル水素電池27のSOCが、前記定電圧SOC範囲(約80%〜60%)を下回った場合は、ニッケル水素電池27の電池電圧VNIに基づいてSOCを推定する。以下、この電池電圧VNIに基づいて推定するSOCをSOC2とする。
この場合、図2に示すような、ニッケル水素電池27のSOCに対する放電時の電池電圧VNIの特性を示す曲線(以下、「放電電圧特性曲線D」とする。)の傾きに基づいて推定する。
図2に示す放電電圧特性曲線Dからわかるように、ニッケル水素電池27のSOCが前記定電圧SOC範囲を下回った場合は、ニッケル水素電池27の電池電圧VNIは、SOCの減少にともなって除々に低下していく。そして、SOCが少なくなってニッケル水素電池27が完全放電状態に近付くと、電池電圧VNIは急激に低下する。このように、SOCが前記定電圧SOC範囲を下回ると、ニッケル水素電池27の電池電圧VNIはSOCの減少にともなって変化(低下)するため、この電池電圧VNIの変化率、即ち放電電圧特性曲線Dの傾きに基づいてSOC2を推定する。
この場合、図2に示すような、ニッケル水素電池27のSOCに対する放電時の電池電圧VNIの特性を示す曲線(以下、「放電電圧特性曲線D」とする。)の傾きに基づいて推定する。
図2に示す放電電圧特性曲線Dからわかるように、ニッケル水素電池27のSOCが前記定電圧SOC範囲を下回った場合は、ニッケル水素電池27の電池電圧VNIは、SOCの減少にともなって除々に低下していく。そして、SOCが少なくなってニッケル水素電池27が完全放電状態に近付くと、電池電圧VNIは急激に低下する。このように、SOCが前記定電圧SOC範囲を下回ると、ニッケル水素電池27の電池電圧VNIはSOCの減少にともなって変化(低下)するため、この電池電圧VNIの変化率、即ち放電電圧特性曲線Dの傾きに基づいてSOC2を推定する。
具体的には、システムコントローラ1に、前記放電電圧特性曲線Dを予めマップとして(グラフを)記憶させておく。そして、前述したようにシステムコントローラ1において演算されるニッケル水素電池27のSOCが、前記定電圧SOC範囲(範囲内の最小設定値)を下回った場合、システムコントローラ1は、ニッケル水素電池27の電池電圧VNIのSOCに対する変化率(dVNI/dSOC)を算出する。そして、この電池電圧VNIの変化率(傾き)に対応する放電電圧特性曲線Dの位置からSOC2を推定する。
また、このようにして推定されるSOC2が、ニッケル水素電池27の完全放電状態(SOC=0%)となった場合、この時点をニッケル水素電池27の放電終止としている。
この場合、放電電圧特性曲線Dにおいて、ニッケル水素電池27が放電終止となるSOCに対応する位置の傾きを、規定値(以下、「放電終止変化率」とする。)としてシステムコントローラ1に予め設定しておく。
通常は、ハイブリッドシステムにおいてニッケル水素電池27の充放電を両立させるため、ニッケル水素電池27のSOCは50%程度に維持するのが好ましいが、例えば、モータのみを駆動源として電動走行を行う場合など、ニッケル水素電池27からの電力の供給が多くなりSOCが低下した場合、放電電圧特性曲線Dに沿って電池電圧VNIが低下していく。そして、電池電圧VNIのSOCに対する変化率が、前記放電終止変化率に達した時点で、システムコントローラ1は、ニッケル水素電池27の放電を停止させる。つまり、予め設定される前記放電終止変化率により、ニッケル水素電池27の放電終止を決定している。
この場合、放電電圧特性曲線Dにおいて、ニッケル水素電池27が放電終止となるSOCに対応する位置の傾きを、規定値(以下、「放電終止変化率」とする。)としてシステムコントローラ1に予め設定しておく。
通常は、ハイブリッドシステムにおいてニッケル水素電池27の充放電を両立させるため、ニッケル水素電池27のSOCは50%程度に維持するのが好ましいが、例えば、モータのみを駆動源として電動走行を行う場合など、ニッケル水素電池27からの電力の供給が多くなりSOCが低下した場合、放電電圧特性曲線Dに沿って電池電圧VNIが低下していく。そして、電池電圧VNIのSOCに対する変化率が、前記放電終止変化率に達した時点で、システムコントローラ1は、ニッケル水素電池27の放電を停止させる。つまり、予め設定される前記放電終止変化率により、ニッケル水素電池27の放電終止を決定している。
このうように、ニッケル水素電池27のSOCを推定する場合において、SOCが、電池電圧VNIが定電圧特性を示す定電圧SOC範囲内にある場合は、SOCの推定をニッケル水素電池27の充放電電流の積算値に基づいて行い、SOCが、前記定電圧SOC範囲を下回った場合は、ニッケル水素電池27の電池電圧VNIの変化率に基づいて推定することにより、定電圧特性を示すため電圧に基づいて推定することが困難であったニッケル水素電池27のSOCを、正確に推定することが可能となる。
以上説明したようなSOCの推定により、ニッケル水素電池27のSOCを正確に推定することができるのであるが、例えば、ニッケル水素電池27を大電流で放電させた場合、電池電圧VNIは低下し、放電電圧特性曲線Dは、図2のDHに示すような特性曲線となる。つまり、ニッケル水素電池27からの放電電流が大電流となることにより、電池電圧VNIは低下し放電可能な時間も短くなる。
このような場合、前述したように、予め設定される放電電圧特性曲線Dの傾きに基づいてSOC2を推定すると、推定されるべきSOC2よりも多く推定してしまうこととなる。つまり、ニッケル水素電池27の放電電流が大きくなると、電池電圧VNIの変化率、特にSOCが完全放電状態付近では、その変化率が高くなるため、この場合の電池電圧VNIの変化率を放電電圧特性曲線Dに対応させてSOC2を推定すると、放電電流が大きい程、推定されるべきSOC2よりも大きい値を推定することとなってしまう。
逆に、放電電流が小さくなると、電池電圧VNIの変化率が小さくなるため、放電電流が小さい程、推定されるべきSOC2よりも小さい値を推定することとなる。
このような場合、前述したように、予め設定される放電電圧特性曲線Dの傾きに基づいてSOC2を推定すると、推定されるべきSOC2よりも多く推定してしまうこととなる。つまり、ニッケル水素電池27の放電電流が大きくなると、電池電圧VNIの変化率、特にSOCが完全放電状態付近では、その変化率が高くなるため、この場合の電池電圧VNIの変化率を放電電圧特性曲線Dに対応させてSOC2を推定すると、放電電流が大きい程、推定されるべきSOC2よりも大きい値を推定することとなってしまう。
逆に、放電電流が小さくなると、電池電圧VNIの変化率が小さくなるため、放電電流が小さい程、推定されるべきSOC2よりも小さい値を推定することとなる。
そこで、本発明においては、前述したように、放電電圧特性曲線Dの傾きに基づいてSOC2を推定するSOCの範囲、即ち、定電圧SOC範囲を下回る範囲でのSOC2の推定に際しては、ニッケル水素電池27の放電電流が大きくなるに従い、放電終止時のSOC(以下、「放電終止SOC」とする。)を、高SOC側に推移させ、逆に、放電電流が小さくなるに従い、放電終止SOCを低SOC側に推移させることとしている。
ここで、「放電終止SOC」とは、放電電圧特性曲線Dの傾き(変化率)が前記放電終止変化率となる時点でのSOCであり、本実施例においては放電終止SOC=0%としている。
また、「放電終止SOCを推移する」とは、放電電圧特性曲線Dの傾きに対応する放電終止SOCの値を変化させることであり、放電終止SOCのみを推移させることと、前記定電圧SOC範囲を下回る範囲において、放電電圧特性曲線Dの傾きに対応するSOCの値の範囲(目盛り)を縮小または拡大することとを含む概念とする。
ここで、「放電終止SOC」とは、放電電圧特性曲線Dの傾き(変化率)が前記放電終止変化率となる時点でのSOCであり、本実施例においては放電終止SOC=0%としている。
また、「放電終止SOCを推移する」とは、放電電圧特性曲線Dの傾きに対応する放電終止SOCの値を変化させることであり、放電終止SOCのみを推移させることと、前記定電圧SOC範囲を下回る範囲において、放電電圧特性曲線Dの傾きに対応するSOCの値の範囲(目盛り)を縮小または拡大することとを含む概念とする。
図2においては、放電電流が大きくなった場合の放電電圧特性曲線DHに対応させるため、放電終止SOCを高SOC側に推移させた(SOCの値の範囲を縮小させた)場合を示す。この場合、放電終止SOCを推移させないとすると、実際はSOCが放電終止SOC付近に達しているにも関わらずSOCを20%付近であると推定することとなるが、放電終止SOCを推移させることにより、より正確なSOCの推定を行うことが可能となる。
また、図示は省略するが、例えば、微小な電流による放電が継続するような場合、電池電圧VNIは上昇し、放電電圧特性曲線は高電圧側かつSOCの範囲が拡大する方向になだらかな曲線となる。この場合、放電終止SOCを低SOC側に推移させる(SOCの値の範囲を拡大させる)ことにより、推定されるべきSOCよりも少なく推定することもなくなる。
このように、ニッケル水素電池27の充放電電流の大小に応じて放電終止SOCを推移させることにより、充放電電流に応じて放電電圧特性曲線を設定する必要もなくなり、基準となる放電電圧特性曲線Dを設定することにより、充放電電流の大きさに応じて正確なSOCを推定することが可能となる。
また、図示は省略するが、例えば、微小な電流による放電が継続するような場合、電池電圧VNIは上昇し、放電電圧特性曲線は高電圧側かつSOCの範囲が拡大する方向になだらかな曲線となる。この場合、放電終止SOCを低SOC側に推移させる(SOCの値の範囲を拡大させる)ことにより、推定されるべきSOCよりも少なく推定することもなくなる。
このように、ニッケル水素電池27の充放電電流の大小に応じて放電終止SOCを推移させることにより、充放電電流に応じて放電電圧特性曲線を設定する必要もなくなり、基準となる放電電圧特性曲線Dを設定することにより、充放電電流の大きさに応じて正確なSOCを推定することが可能となる。
つまり、本発明におけるニッケル水素電池27のSOCの推定は、SOCが前記定電圧SOC範囲内にある場合は、充放電電流の大小に関わらず、この充放電電流の積算値に基づいて行い、SOCが定電圧SOC範囲を下回った場合は、充放電電流の大小に応じて放電終止SOCを推移させながら、前記放電電圧特性曲線Dの傾きに基づいて行う。
このように、ニッケル水素電池27のSOCを推定することにより、定電圧特性を示すため電圧に基づいて推定することが困難であったニッケル水素電池27のSOCを、正確に推定することが可能となるとともに、ニッケル水素電池27の充放電電流の大小に応じてSOCを推定することができる。これにより、ニッケル水素電池27の電池容量を効率良く使用することができ、ニッケル水素電池27の過放電・過充電を防止することができる。
次に、ニッケル水素電池27の充電方法について図5を用いて説明する。
図5には、ニッケル水素電池27の充電時における電池電圧VNIの時間変化(充電電圧特性)を表しており、太線で示すのが本発明における充電電圧特性曲線Cであり、細線で示すのが従来の充電電圧特性曲線である。これらを比較しながら、本発明におけるニッケル水素電池27の充電方法について説明する。
図5には、ニッケル水素電池27の充電時における電池電圧VNIの時間変化(充電電圧特性)を表しており、太線で示すのが本発明における充電電圧特性曲線Cであり、細線で示すのが従来の充電電圧特性曲線である。これらを比較しながら、本発明におけるニッケル水素電池27の充電方法について説明する。
まず、従来のニッケル水素電池27の充電方法について説明する。
ニッケル水素電池27の充電時においては、通常、ニッケル水素電池27の電池電圧VNIは、略一定の電圧値となる電圧特性を示す。そして、充電される時間が経過してニッケル水素電池27の満充電状態に近付くと、ある時点から電池電圧VNIが急激に上昇する。この急激に上昇した電池電圧VNIが頂点に達し、その後、下降し始める時点をニッケル水素電池27の充電終止時としていた。つまり、ニッケル水素電池27を充電する際システムコントローラ1は、充電電流の大きさに関わらず、充電していく過程のニッケル水素電池27の充電特性によって、電池電圧VNIが自動的に下降し始める時点を充電終止と判断し、この時点をニッケル水素電池27の満充電状態としてニッケル水素電池27への充電電流を停止していた。
ニッケル水素電池27の充電時においては、通常、ニッケル水素電池27の電池電圧VNIは、略一定の電圧値となる電圧特性を示す。そして、充電される時間が経過してニッケル水素電池27の満充電状態に近付くと、ある時点から電池電圧VNIが急激に上昇する。この急激に上昇した電池電圧VNIが頂点に達し、その後、下降し始める時点をニッケル水素電池27の充電終止時としていた。つまり、ニッケル水素電池27を充電する際システムコントローラ1は、充電電流の大きさに関わらず、充電していく過程のニッケル水素電池27の充電特性によって、電池電圧VNIが自動的に下降し始める時点を充電終止と判断し、この時点をニッケル水素電池27の満充電状態としてニッケル水素電池27への充電電流を停止していた。
しかし、このようにニッケル水素電池27の充電終止を判断すると、充電電流の大きさが制限されていないため、例えばニッケル水素電池27の満充電状態付近で大電流の充電が行われた場合、ニッケル水素電池27が過充電となるおそれがある。そこで、本発明においては、ニッケル水素電池27充電時、ニッケル水素電池27が満充電状態に近付くと充電電流を減少させ、この後、電池電圧が下降し始める時点を充電終止として、ニッケル水素電池27の過充電を防止する。
具体的には、ニッケル水素電池27の充電時において、略一定の電圧値となる電圧特性を示す範囲から電池電圧VNIが急激に上昇し始めるが、この付近の電池電圧を上限値VNIMAXとして予めシステムコントローラ1に設定しておく。
そして、ニッケル水素電池27の充電時、電池電圧VNIが上限値VNIMAXを超えるまでは、充電電流ICを最大電流としてニッケル水素電池27の充電を行う。ニッケル水素電池27の充電時間が経過していくことにより、ニッケル水素電池27のSOCは除々に大きくなる。そして、電池電圧VNIが上昇して前記上限値VNIMAXとなった時、充電電流ICを減少させる。ここでの充電電流ICの減少の程度は限定されるものではないが、例えば、一定時間経過毎に充電電流ICを半減させて行く等の方法がある。
そして、ニッケル水素電池27の充電時、電池電圧VNIが上限値VNIMAXを超えるまでは、充電電流ICを最大電流としてニッケル水素電池27の充電を行う。ニッケル水素電池27の充電時間が経過していくことにより、ニッケル水素電池27のSOCは除々に大きくなる。そして、電池電圧VNIが上昇して前記上限値VNIMAXとなった時、充電電流ICを減少させる。ここでの充電電流ICの減少の程度は限定されるものではないが、例えば、一定時間経過毎に充電電流ICを半減させて行く等の方法がある。
このようにして、充電電流ICを減少させニッケル水素電池27の充電を継続していくと、図5に示す充電電圧特性曲線Cに示すように、ニッケル水素電池27のSOCが、満充電状態となる100%に近付くため、充電電流ICを減少させても電池電圧VNIが変化しなくなる(充電電圧特性曲線Cの頂点近傍)。この状態では、充電電流ICも微小電流となる。そして、除々に電流が流れなくなり、電池電圧VNIが一定となるため、この状態では特別な制御を必要としない。その後、電池電圧VNIが下降し始めた時点、即ち電池電圧の時間変化率(dVNI/dt)が負の値となった時点をニッケル水素電池27の充電終止とする。
このように、ニッケル水素電池27の充電時において、満充電状態付近になると充電電流を減少させることにより、ニッケル水素電池27の過充電を防止することができる。これにより、ニッケル水素電池27の寿命を延ばすことができる。また、ニッケル水素電池27のSOCが100%付近の充電末期では、充電電流を少量にすることにより、ニッケル水素電池27の容量密度及び充電精度を高めることができる。
1 システムコントローラ
2 エンジン
11 モータジェネレータ
25 電流・電圧センサ
27 ニッケル水素電池
2 エンジン
11 モータジェネレータ
25 電流・電圧センサ
27 ニッケル水素電池
Claims (3)
- エンジンと、該エンジンをアシストするモータと、これらを制御する制御手段と、前記エンジンを駆動源とする発電機と、前記モータへの電力の供給及び前記発電機からの発電電力の蓄電を行う蓄電装置としてのニッケル水素電池と、を有するハイブリッドシステムにおいて、
前記制御手段は、
該制御手段によって演算される前記ニッケル水素電池の充電状態が、ニッケル水素電池が定電圧特性を示す所定の充電状態範囲内にある場合は、ニッケル水素電池の充放電電流の積算値に基づいてニッケル水素電池の充電状態を推定し、
前記演算される充電状態が、前記所定の充電状態範囲を下回った場合は、予め設定される、ニッケル水素電池の充電状態に対する放電時の電池電圧の特性を示す放電電圧特性曲線の傾きに基づいて、ニッケル水素電池の充電状態を推定するとともにニッケル水素電池の放電終止を決定することを特徴とするハイブリッドシステム。 - 前記制御手段は、
前記ニッケル水素電池の放電電流が大きくなるに従い、前記放電電圧特性曲線の放電終止充電状態を、高充電状態側に推移させ、
ニッケル水素電池の放電電流が小さくなるに従い、前記放電電圧特性曲線の放電終止充電状態を、低充電状態側に推移させることを特徴とする請求項1記載のハイブリッドシステム。 - 前記制御手段は、
前記ニッケル水素電池の充電時、
ニッケル水素電池の電池電圧値が、予め設定される規定値を上回った場合、ニッケル水素電池への充電電流を減少させ、前記電池電圧値の時間変化率が負の値となった時に、ニッケル水素電池の充電を停止させることを特徴とする請求項1記載のハイブリッドシステム。
Priority Applications (1)
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JP2004081250A JP2005269824A (ja) | 2004-03-19 | 2004-03-19 | ハイブリッドシステム |
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- 2004-03-19 JP JP2004081250A patent/JP2005269824A/ja active Pending
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