以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の全体構成を示すシステム構成図である。図1において、このシステムは、一方のATM多重化装置1と、他方のATM多重化装置2と、ATM多重化装置1とATM多重化装置2とを接続するATM回線3と、ATM多重化装置1に接続されるPBX4と、ATM多重化装置2に接続されるPBX5と、PBX4が収容する複数の内線電話機44と、PBX5が収容する複数の内線電話機54と、PBX5が収容する電子メール装置58と、ATM多重化装置1とATM多重化装置2とを接続する公衆回線6と、公衆回線6に接続される集中管理端末装置7と、ATM多重化装置1に接続される管理端末装置8と、ATM多重化装置2に接続される管理端末装置9とを備えている。
ATM多重化装置1は、PBX4からの一連の音声信号を音声符号圧縮した後、これをATMセル化してATM回線3に送信し、また、ATM回線3から受信したATMセルをデセル化した後、これを音声符号伸張して一連の音声信号に戻してPBX5に送信するものである。また同様に、ATM多重化装置2は、PBX5からの一連の音声信号を音声符号圧縮した後、これをATMセル化してATM回線3に送信し、また、ATM回線3から受信したATMセルをデセル化した後、これを音声符号伸張して一連の音声信号に戻してPBX4に送信するものである。
PBX4は、内線電話機44相互間、又は内線電話機44とATM多重化装置1との間を自在に交換接続するものであり、また同様に、PBX5は、内線電話機54間、内線電話機54とATM多重化装置2との間、内線電話機54と電子メール装置58との間、又はATM多重化装置2と電子メール装置58との間を自在に交換接続するものである。
これを更に説明すると、PBX4は、通話路スイッチ(SW)41と、通話路スイッチ41に接続された内線回路(LIN)43と、通話路スイッチ41に接続されたトランク回路(TRK)42と、中央制御装置(CC)45と、主記憶装置(MM)46とを備えている。
通話路スイッチ41は、内線回路43相互間、又は内線回路43とトランク回路42間を自在に接続し、通話路を設定するものであり、内線回路43は内線電話機44を接続制御するインタフェース機能を有するものであり、また、トランク回路42はATM多重化装置1との接続制御を行うインタフェース機能を有するものである。さらに、中央制御装置45は、通話路スイッチ41、内線回路43、及びトランク回路42を含むPBX4の全体を制御するものであり、主記憶装置46は中央制御装置45がPBX4の全体を制御するために必要な局データ、テーブル、処理プログラム等を格納するものである。
PBX5は、通話路スイッチ(SW)51と、通話路スイッチ51に接続された内線回路(LIN)53と、通話路スイッチ51に接続されたトランク回路(TRK)52と、通話路スイッチ51に接続されたメールインタフェース回路(I/F)57と、中央制御装置(CC)55と、主記憶装置(MM)56とを備えている。
通話路スイッチ51は、内線回路43相互間、内線回路43とトランク回路42間、内線回路54とメールインタフェース回路57との間、又はトランク回路52とメールインタフェース回路57との間を自在に接続し、通話路を設定するものである。内線回路53は、内線電話機54を接続制御するインタフェース機能を有するものであり、トランク回路52は、ATM多重化装置2との接続制御を行うインタフェース機能を有するものであり、また、メールインタフェース回路57は、電子メール装置58との接続制御を行うインタフェース機能を有するものである。さらに、中央制御装置55は、通話路スイッチ51、内線回路53、トランク回路52及びメールインタフェース回路57を含むPBX5の全体を制御するものであり、主記憶装置56は、中央制御装置55がPBX5の全体を制御するために必要な局データ、テーブル及び処理プログラム等を格納するものである。
そして、このような構成によって、ATM多重化装置1とATM多重化装置2とはATM回線3を介してATM通信が行われる。従って、内線電話機44と内線電話機54との間、又は内線電話機44と電子メール装置58との間は、PBX4、ATM多重化装置1、ATM回線3、ATM多重化装置2、及びPBX5を介して音声信号の通信接続(通話接続)が可能になっている。
また、集中管理端末装置7は、ATM多重化装置1及びATM多重化装置2を遠隔地で集中的に管理するものであって、公衆回線6を介してATM多重化装置1及びATM多重化装置2に接続され、ATM多重化装置1及びATM多重化装置2の動作に必要な各種の設定情報を設定し、また、ATM多重化装置1及びATM多重化装置2の通信状態(障害情報)を監視するものである。
さらに、管理端末装置8は、ATM多重化装置1を管理するものであって、ATM多重化装置1の動作に必要な各種の設定情報を設定し、また、ATM多重化装置1の通信状態(障害情報)を監視するものであり、また同様に、管理端末装置9は、ATM多重化装置2を管理するものであって、ATM多重化装置2の動作に必要な各種の設定情報を設定し、また、ATM多重化装置2の通信状態(障害情報)を監視するものである。
図2は、本発明の実施の形態にかかるATM多重化装置の内部構成を示すブロック図である。
図2において、ATM多重化装置1及びATM多重化装置2は同一の構成となっており、ATM多重化装置1及びATM多重化装置2は、互いに、トランク回路インタフェース部101,201と、DTMF信号検出部102,202と、DTMF信号監視部103,203と、音声符号圧縮部104,204と、DTMFセル生成部105,205と、音声セル生成部106,206と、セル多重部107,207と、ATM回線インタフェース部108,208と、セル分離部109,209と、DTMFセル分解部110,210と、音声セル分解部111,211と、出力情報切替部112,212と、DTMF信号発生器113,213と、音声符号伸張部114,214と、無音発生部115,215と、セレクタ(a)116,216と、セレクタ(b)117,217とを有して構成されている。
トランク回路インタフェース部101,201は、PBX4,5(トランク回路42,52)と音声信号を通信接続するためのインタフェース部であり、PBX4,5からの音声信号を、DTMF信号検出部102,202及び音声符号圧縮部104,204に送出し、かつ、セレクタ(b)117,217からの音声信号を、PBX4,5に送出するものである。
DTMF信号検出部102,202は、トランク回路インタフェース部101,201から得た音声信号にDTMF信号が含まれているかどうかを検出し、この検出内容を第1のDTMF検出信号として、DTMF信号監視部103,203とDTMFセル生成部105,205とに送出しており、DTMF信号を検出しているときには、第1のDTMF検出信号を継続的にオン状態にし、また、DTMF信号を検出していないときには、第1のDTMF検出信号を継続的にオフ状態にしている。
DTMF信号監視部103,203は、DTMF信号検出部102,202を透過してきたDTMF信号とDTMF信号検出部102,202から得た第1のDTMF検出信号を受信している。そして、その得た第1のDTMF検出信号をサンプリングして、直前の信号変化点(オン状態からオフ状態に変化した時、又は、オフ状態からオン状態に変化した時)から、次の(新たな)信号変化点までの時間を測定し、これを信号変化検出時間情報としてDTMFセル生成部105,205に送出する。
また、DTMF信号監視部103,203は、常時、DTMF信号の検出と解析とを行い、検出結果と解析結果とをDTMFセル生成部105,205に送出する。すなわち、DTMF信号の検出内容を第2のDTMF検出信号として、DTMFセル生成部105,205に送出しており、DTMF信号を検出しているときには、第2のDTMF検出信号を継続的にオン状態にし、また、DTMF信号を検出していないときには、第2のDTMF検出信号を継続的にオフ状態にすると共に、DTMF信号の解析結果として、DTMF信号の値情報(DTMFコード情報)をDTMFセル生成部105,205に通知するものである。
なお、DTMF信号監視部103,203は、予め定められた間隔(例えば1秒間隔)で、定期的にDTMF信号が検出されている状態か又は未検出の状態かを示すDTMF信号状態情報をDTMFセル生成部105,205に通知する機能を有している。
DTMFセル生成部105,205は、DTMF信号検出部102,202から得た第1のDTMF検出信号と、DTMF信号監視部103,203から得た信号変化検出時間情報、第2のDTMF検出信号及びDTMF信号の値情報(DTMFコード情報)とに基づいてATMセルを生成するものであって、DTMFセルを示す識別情報とDTMF信号の内容情報とを含むATMセルを、元のDTMF信号を送出させる情報として送出するものである。なお、DTMF信号伝送用のATMセル(以下「DTMFセル」という。)フォーマットの詳細構成は後述する。
音声符号圧縮部104,204は、トランク回路インタフェース部101,201から得た音声信号を、所定の規則、アルゴリズムに従って音声符号圧縮し、これを音声セル生成部106,206に送出するものである。
音声セル生成部106,206は、音声符号圧縮部104,204からの音声符号圧縮された音声信号を受信し、これに基づいてATMセルを生成するものであって、音声セルを示す識別情報と音声符号圧縮された音声信号の内容情報とを含むATMセルを音声情報として送出するものである。なお、音声信号伝送用のATMセル(以下「音声セル」という。)フォーマットの詳細構成は後述する。
セル多重部107,207は、DTMFセル生成部105,205及び音声セル生成部106,206からのATMセルを発生順に多重し、これをATM回線インタフェース部108,208に送出するものである。
ATM回線インタフェース部108,208は、ATM回線3と物理的、電気的及び論理的に整合をとり、セル多重部107,207から受信したATMセルをATM回線3に送出して、対向装置としてのATM多重化装置1又は2にそのATMセルを送信し、また、対向装置としてのATM多重化装置1又は2からATM回線3を介して受信したATMセルを、セル分離部109,209に送出するものである。
セル分離部109,209は、ATM回線インタフェース部108,208から受信したATMセルのセル種別を認識してこれを分別し、ATMセルがDTMFセルである場合には、このATMセルをDTMFセル分解部110,210に送出し、また、ATMセルが音声セルである場合には、このATMセルを音声セル分解部111,211に送出するものである。
DTMFセル分解部110,210は、DTMFセルを受信すると、このDTMFセルが自装置宛のセルかどうかの認識、セル抜け判定(エラー検出)を含むATMヘッダー処理及びチャネル識別、シーケンス番号の判定(エラー検出)を含むCPS−PH処理を行い、この後、受信したDTMFセルに含まれているDTMF信号の内容情報を認識/解析して、DTMF信号の信号変化検出時間及びDTMF信号の値情報(DTMFコード情報)をDTMF信号発生器113,213に通知すると共に、セレクタ(a)116,216及びセレクタ(b)117,217を制御するためのセレクタ制御信号を出力情報切替部112,212に通知するものである。
音声セル分解部111,211は、音声セルを受信すると、DTMFセル分解部110,210と同様にATMヘッダー処理及びCPS−PH処理を行い、その後、音声符号圧縮されている音声信号を抽出し、これを音声符号伸張部114,214に送出するものである。
出力情報切替部112,212は、DTMF信号分解部110,210から受信した、セレクタ制御信号により、セレクタ(a)116,216及びセレクタ(b)117,217の出力を制御するものであり、トランク回路インタフェース部101,201を介してPBX4,5に出力する音声信号の内容を切り替えるものである。
DTMF信号発生部113,213は、DTMFセル分解部110,210から信号変化検出時間情報及びDTMF値情報(DTMFコード情報)を受信し、そのDTMF値情報(DTMFコード情報)に対応するDTMF信号を発生させ、このDTMF信号を信号変化検出時間情報として通知された時間と同一の時間の間、セレクタ(b)117,217に送出するものである。
音声符号伸張部114,214は、音声セル分解部111,211から受信した音声符号圧縮されている音声信号を音声符号伸張し、これをセレクタ(a)116,216に送出するものである。
無音発生部115,215は、常時、無音信号を発生しており、これをセレクタ(a)116,216に送出するものである。なお、無音信号は人間が音声を聴取するときに、違和感なく無音状態を感じることができる信号であり、一般的に低レベルの雑音信号が用いられている。
セレクタ(a)116,216は、出力情報切替部112,212からの制御に従い、音声符号伸張部114,214からの音声信号若しくは無音発生部115,215からの無音信号のいずれか一方をセレクタ(b)177,217に送出するものである。
そして、セレクタ(b)117,217は、DTMF信号発生部113,213からのDTMF信号、又はセレクタ(b)177,217からの音声信号若しくは無音信号のいずれか一方をトランク回路インタフェース部101,201に送出するものである。
次に、本発明で用いられるATMセルのフォーマット構成を説明する。
図3は、ATM・アダプション・レイヤ2(AAL2)セルフォーマットの基本構成を示す図である。図3において、AAL2セルは、5バイトのATMヘッダ部F301と、1バイトのスタート・フィールド(STF)部F302と、転送する音声信号又はDTMF信号の具体的内容情報を格納する47バイトのコモン・パス・サブレイヤ・プロトコル・データ・ユニット・ペイロード(CPS−PDU Payload)部F303とで構成されている。
ATMヘッダ部F301は、ITU−T勧告のI.361「公帯域ISDNATMレイヤ仕様」において規定されているように、4ビットのGFC領域と、8ビットのVPI領域と、16ビットのVCI領域と、3ビットのPT領域と、1ビットのCLP領域と、8ビットのHEC領域とから構成されている。
また、STF部F302は、コモン・パス・サブレイヤ・プロトコル・データ・ユニット部の格納位置を指定する6ビットのOSF領域と、シーケンス・ナンバーを格納する1ビットのSN領域と、パリティピットを格納する1ビットのP領域とから構成されている。なお、図3のコモン・パス・サブレイヤ・プロトコル・データ・ユニット・ペイロード部F303の構成は図4により説明する。
図4は、図3に示すコモン・パス・サブレイヤ・プロトコル・データ・ユニット・ペイロード部F303のフォーマット構成を示す図である。図4において、(a)は音声及びファクシミリ信号等の音声信号を伝送するときに用いる音声セル用CPS−PDU Payload部のフォーマット構成を示す図であり、(b)はDTMF信号及びSS/SR信号を含むDTMF信号を伝送するときに用いるDTMFセル用CPS−PDU Payload部のフォーマット構成を示す図である。
図4(a)において、この音声セル用CPS−PDU Payload部は、ITU−T勧告のI.363.2「B−ISDN ATM アダプション・レイヤ・タイプ2」にほぼ準拠しているものであり、コモン・パス・サブレイヤ・パケット・ヘッダ(CPS−PH)部F401と、コモン・パス・サブレイヤ・パケット・ペイロード(CPS−PP)部F402とから構成されている。
CPS−PH部F401は、セル種別を示すものであり、送信する音声信号の内容が通常の音声信号のときは識別子「00」を格納し、音声信号の内容がファクシミリ信号のときは識別子「10」を格納する2ビットのセル識別(VF)領域と、チャネル識別子を格納する6ビットのチャネル・アイデンティフィー(CID)領域と、有効な情報の範囲を示す情報を格納する6ビットのレングス・インディケーター(LI)領域と、音声のフレーム番号情報を格納する4ビットのシーケンス・ナンバー(SN)領域と、エラー制御情報を格納する5ビットのヘッダ・エラー・コントロール(HEC)領域とから構成され、また、コモン・パス・サブレイヤ・パケット・ペイロード部F402は、音声符号圧縮された音声信号を格納する音声符号情報格納領域として構成されている。なお、この音声セル用CPS−PDU Payload部を含む音声セルは、図2に示す音声セル生成部106,206で生成されるものである。
図4(b)において、このDTMFセル用CPS−PDU Payload部は、図4(a)と同様に、CPS−PH部F403と、CPS−PP部F404とから構成されている。
CPS−PH部F403は、図4(a)のCPS−PH部F401と同一の構成であるが、CPS−PDU Payload部がDTMFセル用である場合、VF領域には、このATMセルがDTMFセルでありCPS−PP部F404には、DTMF音声信号に関する情報又はSS/SR信号の情報が格納されていることを示す識別子「11」が格納される。また、CPS−PP部F404は、SS/SR制御信号を格納するSS/SR領域と、DTMF信号監視部103,203が測定した信号変化検出時間を格納する信号変化検出時間(DTMF TIME)領域と、DTMF信号の有り又は無し信号を格納するDTMF信号有無(DV)領域と、DTMF値情報(DTMFコード情報)を格納するDTMFコード(DTMF CODE)領域とから構成されている。なお、このDTMFセル用CPS−PDU Payload部を含むDTMFセルは、図2に示すDTMFセル生成部105,205で生成されるものである。
図5は、図4(b)に示すDTMFセル用CPS−PDU Payload中のCPS−PP部F404の具体的構成を示す図である。
図5において、SS/SR領域F501は、トランク回路が用いる通信制御信号であるSS/SR制御信号を格納するSS/SR領域である。DTMF TIME領域F502は、前記したようにDTMF信号監視部103,203が測定した信号変化検出時間を格納する領域であって、0から126msまでの時間情報を格納する領域である。DV領域F503は、前記したようにDTMF信号の有り又は無し信号を格納する領域であって、信号無しのときは「0」が格納され、信号有りのときは「1」が格納される領域である。
また、DTMF CODE領域F504は、その上位4ビットをDTMFセルの種別情報を通知するDTMFセル種領域F504aとして用い、また、その下位4ビットをDTMF信号の値情報(DTMFコード情報)を通知するDTMFコード領域F504bとして用いられている。すなわち、DTMFセル種領域F504aによって、このDTMFセルが、DTMF信号の送出又は停止の信号を送出するためのDTMFオン/オフセルか、無音信号の送出を行うことを示す無音セルか又は無音信号の送出停止を示す無音解除セルかを通知している。また、DTMFコード領域F504bによって、DTMF信号のDTMFコードである「0」〜「9」、「*」、「#」又は「A」〜「D」の内の一つを通知するようにしている。なお、無音セル、無音解除セル及びDTMFオン/オフセルについての詳細説明は後述する。
図1において、PBX4が収容する内線電話機44が、PBX5が収容する電子メール装置58にアクセスし、PBX4、ATM多重化装置1、ATM回線3、ATM多重化装置2、及びPBX5を介してその通話接続が行われ、内線電話機44からDTMF信号の一つとなるPB信号が送出され、電子メール装置58を制御する場合がある。
以下、このような場合を例にして、PBX4側からPBX5側に、DTMF信号を伝送するDTMF信号伝送方式について説明する。
図6は、本発明のDTMF伝送方式の動作にかかる第1の実施の形態を説明する動作シーケンス図である。
図2及び図6において、PBX4のトランク42を介して、内線電話機44からの音声信号がATM多重化装置1に入力されると、ATM多重化装置1は、トランク回路インタフェース部101を介してその音声信号が、入力音声信号として音声符号圧縮部104とDTMF信号検出部102とに入力される。
なお、本実施の形態においては、その入力音声信号が、図6に示すように「音声1」、「DTMF信号(音声2)」、「音声3」という順序に送出された音声信号を例に説明する。
音声符号圧縮部104は、「音声1」、「DTMF信号(音声2)」、「音声3」の何れも音声信号として音声符号圧縮を行う。従って、DTMF信号(音声2)も一つの音声信号として処理されるため、図6に示すように、音声符号圧縮された音声信号が音声符号圧縮部104から音声セル生成部106に送出される。ここで、音声符号圧縮部104は、音声符号圧縮の処理に処理時間Vaを要するものとする。
音声セル生成部106は、受信したその音声符号圧縮されている音声信号により、逐次、図4(a)に示す音声セル用CPS−PDU Payloadを作成すると共に、これにATMヘッダとSTFを付加して音声セルを生成し、これをセル多重化部107に送出する。
一方、DTMF信号検出部102は、音声信号(入力音声信号)を受信して、その信号内容を常時監視している。そして、DTMF判定に要する判定時間DtでDTMF信号の判定を行なっており、DTMF信号(音声2)を受信したとき、第1のDTMF検出信号をオン状態にしてこれを出力する。
DTMFセル生成部105は、DTMF信号検出部102から出力された第1のDTMF検出信号のオン状態を認識すると、図4(b)に示すDTMFセル用CPS−PDU Payloadを作成すると共に、図5に示すDTMF CODE領域F504のDTMFセル種領域F504aに、無音セルのコードを格納し、これにATMヘッダとSTFを付加してDTMFセル(以下「無音セル」という。)を生成し、これをセル多重部107に送出する。
また、DTMF信号監視部103は、DTMF信号検出部102からの第1のDTMF検出信号を、例えば1msでサンプリングして第1のDTMF検出信号のオン/オフ状態の変化点検出を行い、その変化を検出したとき(オンからオフに変化したとき、又は、オフからオンに変化したとき)、DTMFセル生成部105にDTMFセルの送出を要求をする。なお、DTMF信号監視部103には、DTMFガード機能が設定されており、予め設定されているガード時間Gt以上のオン状態が継続しない場合は、第1のDTMF検出信号がオフ状態からオン状態に変化したと見なさない処理を行なっている。
従って、DTMF信号検出部102が図6に示すようにDTMF信号(音声2)を検出し、ガード時間Gt以上、第1のDTMF検出信号のオン状態を継続して出力した場合、DTMF信号監視部103は、第2のDTMF検出信号をオン状態として出力する。また同時に、DTMF信号監視部103は、DTMF信号検出時点(第2のDTMF検出信号がオン状態になった時点)からDTMF信号検出部102からの第1のDTMF検出信号がオン状態からオフ状態に変化した時点までの時間に、ガード時間Gtを加算した信号変化検出時間と、DTMF信号の値情報(DTMFコード情報)とをDTMFセル生成部105に通知する。
なお、ガード時間Gtは、DTMF信号監視部103内に設けられたフラッシュROMに設定(記憶)されているものであって、これは管理端末装置8又は集中管理端末装置7によって、適宜、設定できるものであるが、この設定に係る詳細な説明は後述する。
DTMFセル生成部105は、DTMF信号監視部103からの第2のDTMF検出信号がオン状態に変化したことを認識し、また、DTMF信号監視部103から信号変化検出時間及びDTMF信号の値情報(DTMFコード情報)を受信すると、図4(b)に示すDTMFセル用CPS−PDU Payloadを作成すると共に、図5に示すDTMF TIME領域F502にその信号変化検出時間を、DV領域にDTMF信号有りを意味する「1」を、DTMF CODE領域F504のDTMFセル種領域F504aにDTMFオン/オフセルを示すコードを、更に、DTMFコード領域F504bに受信したDTMF信号の値を示すDTMFコードを格納し、これにATMヘッダとSTFを付加してDTMFセル(以下「DTMFオンセル」という。)を生成し、これをセル多重部107に送出する。
また、DTMF信号検出部102が、DTMF信号の未検出を認識し、第1のDTMF検出信号をオン状態からオフ状態に変化させ、DTMFセル生成部105がその第1のDTMF検出信号がオフ状態に変化したことを検出すると、図4(b)に示すDTMFセル用CPS−PDU Payloadを作成すると共に、図5に示すDTMF CODE領域F504のDTMFセル種領域F504aに、無音解除セルのコードを格納し、これにATMヘッダとSTFを付加してDTMFセル(以下「無音解除セル」という。)を生成し、これをセル多重部107に送出する。
更に、DTMF信号監視部103が、DTMF信号の未検出を認識し、第2のDTMF検出信号をオン状態からオフ状態に変化させ、DTMFセル生成部105がその第2のDTMF検出信号がオフ状態に変化したことを検出すると、図4(b)に示すDTMFセル用CPS−PDU Payloadを作成すると共に、図5に示すDV領域にDTMF信号無しを意味する「0」を、また、DTMFCODE領域F504のDTMFセル種領域F504aにDTMFオン/オフセルを示すコードを格納し、これにATMヘッダとSTFを付加してDTMFセル(以下「DTMFオフセル」という。)を生成し、これをセル多重部107に送出する。
セル多重部107では、DTMFセル生成部105、音声セル生成部106にて生成されたATMセル(DTMFセル又は音声セル)をセル送出要求順に、ATM回線インタフェース部108及びATM回線3を介して対向するATM多重化装置2に伝送する。なお、DTMFセル生成部105及び音声セル生成部106からセル送出要求が同時に発生した場合は、DTMFセル生成部105からのDTMFセルを優先して処理する。従って、ATM多重化装置1からは、図6の(イ)から継続的に音声セルが送出されるが、その送出中における時点(ロ)で無音セル、時点(ハ)でDTMFオンセル、時点(二)で無音解除セル、時点(ホ)でDTMFオフセルが送出されることになる。
次に、ATMセル受信側のATM多重化装置2側の動作を説明する。
ATM多重化装置2には、中継回線等による伝送遅延時間Dを経て、ATMセル(音声セル又はDTMFセル)を受信する。
セル分離部209は、ATM回線インタフェース部208を介してATMセルを受信すると、図4(a)又は(b)に示すATMセルのCPS−PH部F401内のVF領域に格納されている情報を読み取り、受信したATMセルが音声セルか又はDTMFセルかを判別して、音声セルである場合にはこの受信したATMセルを音声セル分解部211送出し、また、DTMFセルである場合にはこの受信したATMセルをDTMFセル分解部210送出する。
音声セル分解部211は、音声セルを受信すると(受信音声セル)、ATMヘッダー処理、CPS−PH処理等を行い、音声符号圧縮されている音声信号を抽出し、これを音声符号伸張部214に送出する。
音声符号伸長部214は、音声符号圧縮されている音声信号を受信すると、これを復号化/伸張し、音声符号伸張部出力として、セレクタ(a)216に送信する。ここで、復号化/伸張には復号処理時間Vbを要している。
一方、DTMFセル分解部210が、図6における時点(ロ)で送信されたDTMFセルを受信し、これが無音セルであることを認識すると、出力情報切替部212にセレクタ(a)216の切り替え指示を行う。すなわち、出力情報切替部212は、無音セルが到達したことを認識し、セレクタ(a)216の出力が無音発生部215から送出される無音信号になるように、セレクタ(a)216を切り替える。
次に、DTMFセル分解部210が、図6における時点(ハ)で送信されたDTMFセルを受信し、これがDTMFオンセルであることを認識すると、出力情報切替部212にセレクタ(b)217の切り替え指示を行う。すなわち、出力情報切替部212は、DTMFオンセルが到達したことを認識し、セレクタ(b)217の出力がDTMF信号発生部213から送出されるDTMF信号になるように、セレクタ(b)217を切り替える。
また、これと同時に、DTMFセル分解部210は、受信したDTMFオンセルに含まれる信号変化検出時間及びDTMF信号の値情報(DTMFコード情報)をDTMF信号発生部213に通知し、これらの情報内容に対応するDTMFコードを発生し、DTMF信号発生部出力として送出するように指示する。従って、このとき、セレクタ(b)217からは、受信したDTMFオンセルに含まれる信号変化検出時間及びDTMF信号の値情報(DTMFコード情報)に応じたDTMF信号が再生、出力される。
次に、DTMFセル分解部210が、図6における時点(二)で送信されたDTMFセルを受信し、これが無音解除セルであることを認識すると、出力情報切替部212にセレクタ(a)216の切り替え指示を行う。すなわち、出力情報切替部212は、無音解除セルが到達したことを認識し、セレクタ(a)216の出力が音声符号伸張部214から送出される音声信号になるように、セレクタ(a)217を切り替える。
そして、DTMFセル分解部210が、図6における時点(ホ)で送信されたDTMFセルを受信し、これがDTMFオフセルであることを認識すると、出力情報切替部212にセレクタ(a)216及びセレクタ(b)217の切り替え指示を行う。すなわち、出力情報切替部212はDTMFオフセルが到達したことを認識し、セレクタ(a)216の出力が無音発生部215が発生する無音信号になるようにし、また、セレクタ(b)217の出力がセレクタ(a)216からの出力になるようにして、セレクタ(b)217から無音信号が出力されるようにする。そして、出力情報切替部212は、セレクタ(b)217から無音信号を一定時間Et送出させたことをタイマでカウントし、この後、セレクタ(a)216を切り替えて、セレクタ(b)217からの出力がセレクタ(a)216からの出力(音声符号伸張部214からの音声信号出力)になるように、セレクタ(b)217を切り替える。
なお、一定時間Etは、DTMF信号発生器213が送出したDTMF信号の回り込みによるエコーを防止するためのものである。
以上の動作により、セレクタ(b)217からの出力は、図6に示す出力音声信号となり、この出力音声信号が、トランク回路インタフェース部201を介してPBXに送信される。従って、音声圧縮/伸長されたDTMF信号がPBX等の音声端末装置に入力されることなく、正確にDTMF信号が伝送できるようになる。
次に、DTMF信号監視部103にガード時間Gtを設定するための構成とその方法について説明する。
図8は、ガード時間Gtを任意に設定可能にするシステム構成及びATM多重化装置の構成を示す図である。
図8において、ATM多重化装置1には、前記したようにDTMF信号監視部103が備えられており、このDTMF信号監視部103内には、ガード時間Gtを記憶するフラッシュROM(F−ROM)103aが設けられている。またこの他に、ATM多重化装置1には、ATM多重化装置管理部118と、管理端末装置8とのインタフェースをとる管理端末インタフェース部119と、ISDN等の公衆回線6とのインタフェースをとる公衆回線インタフェース部120とが備えられている。
ATM多重化装置管理部118は、DTMF信号監視部103内のフラッシュROM103aに内容(データ)を書き込む(又は内容を書き換える)機能を有しているものであって、これは管理端末インタフェース部119に接続された管理端末装置8又は公衆回線インタフェース部120及び公衆回線6を介して接続された集中管理端末装置7からによる設定操作に応じて動作する。即ち、人為的に、集中管理端末装置7又は管理端末装置8を操作することで、そのフラッシュROM103aに、システム全体の構成に最も適するガード時間Gtを設定(記憶)可能にしている。
また、ATM多重化装置2についてもATM多重化装置1と同様に、DTMF信号監視部203内には、ガード時間Gtを記憶するフラッシュROM(F−ROM)203aが設けられており、更に、ATM多重化装置管理部218と、管理端末装置9とのインタフェースをとる管理端末インタフェース部219と、ISDN等の公衆回線6とのインタフェースをとる公衆回線インタフェース部220とを備えることによって、フラッシュROM203aに、システム全体の構成に最も適するガード時間Gtを設定(記憶)可能にしている。
本実施の形態においては、ガード時間Gtとして、30ms(ミリ秒)、40ms、50ms、60ms、80ms、100ms、120ms、150ms、180ms、200ms、又は250msの内のいずれか一つが選択的に設定できるように構成している。このように、ガード時間Gtを適宜設定可能にすることで、各種通信規格に適合させることができ、DTMF信号の送受信時間規定が45ms以上と規定されている通信規格の場合には、処理に要する遅延時間を考慮に入れて、ガード時間Gtを40msに設定しておけば、その通信規格に適合させることができる。
また、接続される音声端末のDTMF信号送出時間として、例えば100ms以上を保証している場合には、ガード時間Gtを100msというような大きな値にすることもできようになるため、音声入力(例えば、肉声の入力)にDTMF信号の周波数成分が含まれている場合又はDTMF信号の周波数成分に近似する周波数成分が含まれている場合であっても、誤ってこれをDTMF信号として検出する確率が極めて小さくなり、動作の信頼性を向上させることができる。
さらに、このガード時間Gtは、遠隔地に設置された集中管理装置7によって設定可能であるため、システムが運用状態に入った後でも容易にその値を変更することができ、音声入力にも拘わらずDTMF信号と誤った検出してしまう現象が発生しても、集中管理装置7を用いて遠隔地から迅速にガード時間Gtの値をより大きく変更して、音声入力を誤ってDTMF信号として検出しないようにすることができるためサービス性が向上する。
なお、ガード時間Gtは呼接続の際に使用される値(基本値)と、通話中に使用される値との両方を切り替えて使用することもできる。従って、呼接続の際には、呼接続処理を迅速に行うために、DTMF信号の送受信時間規定が45ms以上と規定されている通信規格においては、DTMF信号の送出時間が45ms以上であって、その通信規格に適合する最小の時間になるように、ガード時間Gtを40msとし、通話中は、音声信号を誤ってDTMF信号として検出してしまうことを防止するために、ガード時間Gtの値を大きくして100msとすることもできる。
さらに、DTMF信号監視部103において、フラッシュROM103aにガード時間Gtが設定されていない場合又は呼接続の場合は、DTMF信号の送受信時間が通信規格に適合する最小の値(例えば40ms)をガード時間Gtとして固定的に使用するように構成することもでき、このようにすることで、集中管理端末装置7又は管理端末装置8からのシステム設定を効率良く行えるようになる。
次に、ATM多重化装置1のDTMF信号監視部103にDTMFガード機能が設定されていない場合の第2の実施の形態の動作を説明する。
図7は、本発明のDTMF伝送方式の動作にかかる第2の実施の形態を説明する動作シーケンス図である。
以下、図2及び図7において、音声符号圧縮部104は、「音声1」、「DTMF信号(音声2)」、「音声3」の何れも音声信号として音声符号圧縮を行い、図7に示すように、音声符号圧縮された音声信号が音声符号圧縮部104から音声セル生成部106に送出される。ここで、音声符号圧縮部104は、音声符号圧縮の処理に処理時間Vaを要するものとする。
DTMF信号検出部102は、音声信号(入力音声信号)を受信して、その信号内容を常時監視している。そして、DTMF判定に要する判定時間DtでDTMF信号の判定を行なっており、DTMF信号(音声2)を受信したとき、第1のDTMF検出信号をオン状態にする。
一方、DTMFセル生成部105は、DTMF信号検出部102から第1のDTMF検出信号がオン状態に変化したことを認識すると無音セルを生成し、これをセル多重部107に送出する。
また、DTMF信号検出部102が図7に示すようにDTMF信号(音声2)を検出したとき、DTMF信号監視部103も、ほぼ同時に、DTMF信号(音声2)を検出するので、第2のDTMF検出信号をオン状態からオフ状態に変化させると共に、信号変化検出時間とDTMFの値情報(DTMFコード情報)とをDTMFセル生成部105に通知する。
DTMFセル生成部105は、DTMF信号監視部103からの第2のDTMF検出信号がオン状態に変化したことを認識し、また、DTMF信号監視部103から信号変化検出時間及びDTMF信号の値情報(DTMFコード情報)を受信すると、図5に示すDTMF TIME領域F502にその信号変化検出時間を、DV領域にDTMF信号有りを意味する「1」を、DTMF CODE領域F504のDTMFセル種領域F504aにDTMFオン/オフセルを示すコードを、更に、DTMFコード領域F504bに受信したDTMF信号の値を示すDTMFコードを格納したDTMFオンセルを生成し、これをセル多重部107に送出する。
また、DTMF信号検出部102が、DTMF信号の未検出を認識し、第1のDTMF検出信号をオン状態からオフ状態に変化させ、DTMFセル生成部105がその第1のDTMF検出信号のオフ状態を検出すると、無音解除セルを生成し、これをセル多重部107に送出する。
更に、DTMF信号監視部103が、DTMF信号の未検出を認識し、第2のDTMF検出信号をオン状態からオフ状態に変化させ、DTMFセル生成部105がその第2のDTMF検出信号のオフ状態を検出すると、DTMFオフセルを生成し、これをセル多重部107に送出する。
セル多重部107では、前述したようにDTMFセル生成部105、音声セル生成部106にて生成されたATMセル(DTMFセル又は音声セル)をセル送出要求順に、ATM回線インタフェース部108及びATM回線3を介して対向するATM多重化装置2に伝送する。なお、DTMFセル生成部105及び音声セル生成部106からセル送出要求が同時に発生した場合は、DTMFセル生成部105からのDTMFセルを優先して処理する。従って、ATM多重化装置1からは、図7の(へ)から継続的に音声セルが送出されるが、その送出中における時点(ト)で無音セル及びDTMFオンセルが送出され、時点(チ)で無音解除セル及びDTMFオフセルが送出されることになる。
次に、ATMセル受信側のATM多重化装置2側の動作を説明する。
ATM多重化装置2には、中継回線等による伝送遅延時間Dを経て、ATMセル(音声セル又はDTMFセル)を受信する。
セル分離部209は、ATM回線インタフェース部208を介してATMセルを受信すると、受信したATMセルが音声セルか又はDTMFセルかを判別して、音声セルである場合にはこの受信したATMセルを音声セル分解部211に送出し、また、DTMFセルである場合にはこの受信したATMセルをDTMFセル分解部210に送出する。
音声セル分解部211は、音声セルを受信すると(受信音声セル)、ATMヘッダー処理、CPS−PH処理等を行い、音声符号圧縮されている音声信号を抽出し、これを音声符号伸張部214に送出する。
音声符号伸長部214は、音声符号圧縮されている音声信号を受信すると、これを復号化し、これを音声符号伸張部出力として、セレクタ(a)216に送信する。ここで、復号化には復号処理時間Vbを要している。
一方、DTMFセル分解部210が、図7における時点(ト)で送信された無音セルとDTMFオンセルとを認識すると、出力情報切替部212にセレクタ(a)216及びセレクタ(b)217の切り替え指示を行い、セレクタ(a)216からの出力が無音発生部215から送出される無音信号になるようにすると共に、セレクタ(b)217からの出力がDTMF信号発生部213から送出されるDTMF信号になるようにする。
また、これと同時に、DTMFセル分解部210は、DTMF信号発生器213に受信したDTMFオンセルに含まれる信号変化検出時間及びDTMF信号の値情報(DTMFコード情報)をDTMF信号発生部213に通知し、これらの情報内容に対応するDTMFコードを発生し、DTMF信号発生部出力として送出するように指示する。従って、このとき、セレクタ(b)217からは、受信したDTMFオンセルに含まれる信号変化検出時間及びDTMF信号の値情報(DTMFコード情報)に応じたDTMF信号が出力される。
次に、DTMFセル分解部210が、図7における時点(チ)で送信された無音解除セルとDTMFオフセルとを認識すると、出力情報切替部212にセレクタ(b)217の切り替え指示を行い、セレクタ(b)217の出力がセレクタ(a)216からの出力になるようして、セレクタ(b)217から無音信号が送出されるようにする。
また、出力情報切替部212は、DTMFオフセルの受信を認識してから一定時間Et経過したことをタイマでカウントし、この後、セレクタ(a)216を切り替えて、セレクタ(b)217の出力がセレクタ(a)216からの出力(音声符号伸張部214からの音声信号出力)になるように、セレクタ(b)217を切り替える。
以上の動作により、セレクタ(b)217からの出力は、図7に示す出力音声信号となり、この出力音声信号が、トランク回路インタフェース部201を介してPBXに送信される。従って、音声圧縮/伸長されたDTMF信号がPBX等の音声端末装置に入力されることなく、短時間で、正確にDTMF信号が伝送できるようになる。
このようにして、PBX4の内線電話機44から音声信号のみならず、DTMF信号をも音声メール装置58に正確に伝達することができる。
なお、前述したように、DTMF信号監視部103,203は、予め定められた間隔(例えば1秒間隔)で、定期的にDTMF信号が検出されている状態か又は未検出の状態かを示すDTMF信号状態情報をDTMFセル生成部105,205に通知する機能を有している。そして、DTMFセル生成部105,205は、この通知に基づいて、DTMFオンセル又はDTMFオフセルを送出している。
この機能は、本発明の実施の形態において、DTMFオンセルを受信したATM多重化装置がDTMF信号を送出した後、DTMFオフセルを受信してDTMF信号を停止するように構成されているために必要なものである。すなわち、ATM回線の障害や誤動作により、ATM回線でDTMFオフセルを紛失し、ATM多重化装置がDTMFオフセルを受信することができず、DTMF信号を送出し続ける状態を防ぐものである。