本発明は、医療用具に対して所定の動作を行わせしめる駆動手段を有する医療用制御装置に関する。
従来より、医療用具として内視鏡は、広く利用されている。内視鏡は、細長の挿入部を体腔内に挿入することにより、体腔内臓器などを観察したり、必要に応じて処置具チャンネル内に挿通した処置具を用いて各種治療処置ができる。また、工業分野においても、内視鏡は、細長の挿入部を挿入することにより、ボイラ,タービン,エンジン,化学プラントなどの内部の傷や腐蝕などを観察したり検査することができる。
このような内視鏡には、細長な挿入部の先端部基端側に湾曲自在な湾曲部が連設されている。前記内視鏡において、使用者は、操作部に設けられた湾曲操作レバー等の湾曲操作入力手段を操作することにより、湾曲部を湾曲動作させるための湾曲駆動手段に、前記湾曲部の湾曲方向や湾曲の速度を湾曲量として指示入力される。そして、前記湾曲駆動手段は、前記湾曲操作レバーによる湾曲量に基づき、湾曲操作ワイヤを機械的に牽引弛緩させることにより、前記湾曲部を湾曲動作させる。
このような内視鏡は、湾曲駆動手段として内視鏡内部に内蔵したモータを電気的に回動制御してこのモータの駆動力により前記湾曲操作ワイヤを牽引弛緩して前記湾曲部を湾曲動作される電気的湾曲駆動方式、つまり電動湾曲の内視鏡がある。
例えば、特許2917263号公報には、電動湾曲の内視鏡において、前記湾曲操作ワイヤを牽引するプーリを有しこのプーリに対応するモータのトルクを内視鏡挿入部の種類に合うように設定できる制御手段等が開示されている。また、特許2845255号公報には、電動湾曲の内視鏡において、湾曲部の全操作範囲のモータにかかる負荷を均一にできる内視鏡の湾曲操作装置が開示されている。さらに、米国特許549620号公報には、電動湾曲の内視鏡において、所定のトルクを越えると湾曲操作ノブ(湾曲操作レバー)がスリップするトルクオーバーライド手段等が開示されている。
特許2917263号公報
特許2845255号公報
米国特許549620号公報
しかしながら、上記従来の電動湾曲内視鏡は、前記湾曲入力手段を操作して指示入力される湾曲量に基づき前記湾曲駆動手段としてのモータを電気的に制御することにより、前記湾曲部を湾曲動作させるといった能動的な駆動制御方法を行っているため、前記湾曲部に、例えば前記挿入部を体腔内に挿入した際の操作力量、あるいは体腔内の管腔との接触による力等が加わった場合には、前記挿入部の体腔内への挿入がしずらくなってしまうといった不都合があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、医療用具の挿入部の挿入性及び操作性を向上できる医療用制御装置を提供することを目的とする。
請求項1の発明の医療用制御装置は、被検体内に挿入される挿入部を有する医療用具と、前記医療用具に対して所定の動作を行わせしめる駆動手段と、前記医療用具に対して所定の動作を指示入力する操作部を有し、この操作部の指示に応じて制御量を決定する入力手段と、前記被検体側から前記挿入部に及ぼされる力によって変化する前記挿入部の変化量を検出する検出手段と、前記入力手段による制御量及び前記検出手段による変化量に基づいて、前記駆動手段を受動的に制御する制御手段と、を備えたことを特徴とするものである。
請求項2の発明の内視鏡用制御装置は、請求項1に記載の医療用制御装置において、前記医療用具は、前記挿入部の先端側に湾曲部を有する内視鏡であり、前記駆動手段は、前記湾曲部を湾曲動作させる湾曲駆動手段であることを特徴とするものである。
請求項3の発明の医療用制御装置は、請求項1または請求項2に記載の医療用制御装置において、前記医療用具は、前記挿入部を有する内視鏡であり、前記駆動手段は、前記内視鏡の挿入部に対して進退動作及びひねり動作の少なくとも1つの動作を行わせしめる駆動手段であることを特徴とするものである。
請求項4の発明の医療用制御装置は、請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載の医療用制御装置において、前記医療用具は、前記被検体内で処置動作を行う処置具であり、前駆駆動手段は、前記処置具を処置動作させる処置駆動手段であることを特徴とするものである。
請求項5の発明の医療用制御装置は、請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載の医療用制御装置において、前記医療用具は、前記被検体内で処置動作を行う処置具であり、前駆駆動手段は、前記処置具の挿入部に対して進退動作及びひねり動作の少なくとも1の動作を行わせしめる駆動手段であることを特徴とするものである。
本発明の医療用制御装置は、医療用具の挿入部の挿入性及び操作性を向上できるといった利点がある。
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
図1乃至図8は本発明に係る医療用制御装置としての内視鏡用制御装置の概念を説明するためのもので、図1は本発明の内視鏡用制御装置の簡略化したブロック線図、図2及び図3は内視鏡用制御装置によって制御される湾曲駆動手段の具体的な構成を示し、図2は前記湾曲駆動手段の斜視図、図3は図2の湾曲駆動手段の側面図、図4は操作力量に伴う内視鏡用制御装置の物理的な特性を示す説明図、図5は従来のコントローラの具体的な構成例を示すブロック図、図6は内視鏡用制御装置のサーボ特性を説明するための特性図であり、図6(a)はローパスフィルタに相当する内視鏡制御装置によるサーボ特性を示す特性図、図6(b)はハイパスフィルタに相当する通常の制御装置によるサーボ特性を示す特性図である。図7は内視鏡制御用装置をモータ駆動機構に適用した場合の具体的な構成を示すブロック図、図8は本発明の内視鏡用制御装置全体の構成例を示すブロック図である。
図1に示すように、内視鏡用制御装置は、図示しない内視鏡操作部により例えば、医療用具としての内視鏡の湾曲部の位置指令信号が供給されるコントローラ8と、このコントローラ8によって駆動制御される、例えば湾曲部を駆動するためのモータなどの制御対象部9と、を有し、この制御対象部9を介して、例えば、内視鏡挿入部の体腔内での挿入操作時などに湾曲操作を行うための内視鏡湾曲位置指示信号が出力されるようになっている。
ここで、本発明の特徴であるコントローラ内部の説明を行う。
従来の電動内視鏡におけるコントローラのブロック線図を図5に示す。位置指令入力部への信号入力は、ジョイスティック(以下、JSと称す)等で操作したときの信号入力部であり、図5中に示した通り、位置指令コントローラ10、速度指令コントローラ11、トルク指令コントローラ12をシリーズに構成され、モータへのエネルギを供給する構成になっている。
モータにはエンコーダが連結されており、モータ回転が行われるときに、位置指令コントローラ10、速度指令コントローラ11にフィードバックされる構成になっている。ただし、トルク指令コントローラ12へのフィードバックは、モータ駆動時の電流値をフィードバックする構成になっている。速度指令コントローラ11へのフィードバックには、エンコーダ信号の微分値を用いるため、エンコーダ信号の微分を行うための微分器11aが配置されている。これにより、位置、速度、トルクに対して応答性が良く、なめらかな動作が可能になる構成となる。
このような構成にした場合、位置指令入力部からモータ駆動指令部までの伝達特性を周波数領域におけるゲイン特性で見た場合には、図6(a)の通りとなる(ローパスフィルタ特性)。また、操作入力部からモータ駆動司令部までの伝達特性は、図6(b)の通りとなる(ハイパスフィルタ特性)。
以上のように前記コントローラのゲイン特性、位相特性を決定している。
しかしながら、本発明のコントローラにおいては、位置指令入力部からモータ駆動司令部までの伝達特性及び操作入力部からモータ駆動司令部までの伝達特性双方を、図6(a)のような特性に設定しているのが特徴である。特に、操作入力部からモータ駆動司令部までの伝達特性を図6(a)の特性にすることで、図4のようなばね9a及びダンパ9bで組み合わせた力学モデル特性を有することになる。換言すれば、ばね9a及びダンパ9bによる粘弾性作用により、図4中に示す力量Fが操作入力部に加わえられると、柔らかな特性、すなわち、コンプライアンス特性を有することができる。
本発明においては、前記示した通りのコンプライアンス特性を有するようにもコントローラの周波数特性を設定している。
さて、本発明のコントローラを用いた内視鏡操作部の一構成を示す。
図2及び図3に示すように、前記湾曲駆動手段1は、図示しない内視鏡操作部に配され、湾曲部(図示せず)を操作するためのアングルノブ2と、このアングルノブ2による操作に連動可能に設けられ、後述する対となる湾曲用ワイヤ4、4の基端部を巻き付けて固定し、対の湾曲用ワイヤ4、4を牽引及び弛援するスプロケット3と、このスプロケット3に基端部を巻き付けて固定し、湾曲部(図示せず)を観察視野の上下、左右の方向に湾曲するために図示しない内視鏡挿入部内に挿通された2対の4本の湾曲操作ワイヤ(図2及び図3では簡略化のため、上下方向又は左右方向の1対のみ、つまり2本)4、4と、前記スプロケット3を回動させるサーボモータ7と、このサーボモータ7の駆動力を前記スプロケット3に伝達する駆動ギア5A、5Bと、前記スプロケット3の同軸上に設けられ、このスプロケット3の回転位置検出手段として回転位置を検出するためのポテンショメータ6と、を有している。
なお、前記サーボモータ7は、モータ駆動時にフィードバック制御が可能なものであり、またこのサーボモータ7は、図示はしないがこのサーボモータ7の回転位置検出手段としてその回転位置を検出するエンコーダを取付けている。
前記サーボモータ7、ポテンショメータ6、エンコーダ(図示せず)は、それぞれ図示しない信号線を介して前記コントローラ8に接続される。このポテンショメータ6は、検出したスプロケット3の回転位置を示す回転位置信号(以下、位置信号と称す)を図示しない信号線を介して前記コントローラ8に出力するようになっている。また、前記エンコーダ(図示せず)は、検出したサーボモータ7の回転位置を示す回転位置信号(以下、位置信号と称す)を図示しない信号線を介して前記コントローラ8に出力するようになっている。
そして、コントローラ8は、図示はしないが例えばジョイスティック等の内視鏡操作部からの位置指令信号(湾曲操作信号)に従って、回転位置検出手段としてのエンコーダ(図示せず)及びポテンショメータ6からの位置信号に基づき、サーボモータ7を回転駆動させ、図示しない湾曲部を電動で湾曲動作させることができるようになっている。
図7は前記内視鏡用制御装置をモータ駆動制御に適用した場合の具体的な構成例を示している。
図7に示すように、前記内視鏡用制御装置は、例えば複数の内視鏡を前記コントローラ8に接続し、これら内視鏡のモータ駆動制御をそれぞれ行う場合を想定すると、前記コントローラ8と、このコントローラ8に接続された複数の内視鏡毎のサーボモータ7、7a…7n及び駆動ギア5B…を含む湾曲駆動手段1、1a、…1nと、前記複数の内視鏡毎に設けられ、前記サーボモータ7からの位置信号(エンコーダ信号)を入力し、この位置信号(エンコーダ信号)に応じて前記コントローラ8からの位置指令信号に補正処理してモータ駆動制御信号を生成する信号処理手段としてのDSP(Digital Signal Processorで、以下、DSPと称す)17、17a、…17nと、このDSP17からのモータ駆動制御信号を増幅しサーボモータ7に供給して駆動させるためのモータアンプ18、18a、…18nと、前記複数の内視鏡毎に設けられたジョイスティック、アングルノブ、あるいは内視鏡挿入部のセンサー等の入力手段インターフェイス19、19a、…19nと、を有している。
前記コントローラ8は、内部に統合管理ユニット13を有し、この統合管理ユニット13は、前記入力手段インターフェイス19、19a、…19nからの位置指令信号(湾曲操作信号等)を入力する指令信号入力部14と、この指令信号入力部14により取り込まれた位置指令信号にパラメータ変換演算処理を施して各内視鏡の湾曲駆動手段の物理的パラメータを得る駆動機構パラメータ変換演算ユニット15と、この駆動機構パラメータ変換演算ユニット15からのパラメータにモータ位置指令演算処理を施してモータの位置指令信号を得るモータ位置指令演算ユニット16と、を有している。
また、前記DSP17は、上述したようにモータ駆動制御信号を生成してサーボモータ7を駆動させる他に、後述するがサーボモータ7からの位置信号(エンコーダ信号)、及びポテンショメータ6からの位置信号を基に、内視鏡挿入部の体腔内への挿入時にこの内視鏡挿入部に対し挿入操作に伴う外界の力(例えば管腔との接触による力)がかかわったことを判断し、この判断結果に基づき前記湾曲駆動手段、あるいは内視鏡挿入部の進退を駆動する駆動手段(図示せず)を受動的に制御する受動コントローラ20(図8参照)を有している。
つまり、前記受動コントローラ20は、前記サーボモータ7からの位置信号(エンコーダ信号)、及びポテンショメータ6からの位置信号を基に、内視鏡挿入部の体腔内への挿入時にこの内視鏡挿入部に対し挿入操作に伴う外界の力が印加されたことを判断すると、その操作力量に対応した反力を発生するように、前記湾曲駆動手段、あるいは内視鏡挿入部の進退を駆動する駆動手段(図示せず)を受動的に制御するようになっている。すなわち、前記受動コントローラ20は、通常のモータ駆動制御信号と操作力量反力の印加時のモータ駆動制御信号との差分に応じて、例えば湾曲駆動手段におけるサーボモータ7をフィードバック制御することで、このサーボモータ7、駆動ギア5A、5B、及びスプロケット3を介して、術者が操作するアングルノブ2に前記反力を伝えるようになっている。
なお、本発明において、前記コントローラ20による前記サーボモータ7のフィードバック制御は、前記位置信号に応じて前記サーボモータ7の駆動量を変化させるもので、例えばサーボモータ7の駆動を一度停止し、負方向に駆動させた後、再度正方向に駆動させる。これにより、前記反力を発生することができるようになっている。このとき、操作入力部から一出力部までの周波数伝達特性がローパスフィルタであるため、フィードバック制御によるモータ駆動部の発振等が発生することなく、スムーズに動作を行わせることが可能となる。
図8はこのような受動コントローラを備えた内視鏡用制御装置全体の基本構成を示すブロック図である。なお、図8は、1つの内視鏡がコントローラ8に接続された構成例を示している。
図8に示すように、内視鏡用制御装置は、上述した受動コントローラ20を有するコントローラ8と、このコントローラ8からのモータ駆動制御信号により駆動されるサーボモータ及びエンコーダに相当するモータダイナミクス21と、このモータダイナミクス21によるモータ駆動力を図示しない湾曲部へと伝達するための駆動ギア5A、5B、スプロケット3及びポテンショメータに相当するギアダイナミクス22と、このギアダイナミクス22により駆動力が伝達されることにより湾曲動作する内視鏡挿入部の湾曲部、あるいは内視鏡挿入部を体腔内に進退させる駆動手段に相当する内視鏡ダイナミクス23と、を有している。
前記モータダイナミクス21は、上述したようにサーボモータ7に設けられたエンコーダからの位置信号(エンコーダ信号)を前記コントローラ8内の受動コントローラ20に供給する。また、前記ギアダイナミクス22は、前記ポテンショメータ6からの位置信号を同様に前記受動コントローラ20に供給する。
前記コントローラ8は、図示はしないが例えばジョイスティック、アングルノブ2等の内視鏡操作部からの位置指令信号(湾曲操作信号)に従って、エンコーダ(図示せず)及びポテンショメータ6からの回転位置信号に基づき、モータダイナミクス21のサーボモータ7を回転駆動させ、ギアダイナミクス22の駆動ギア5A、5B及びスプロケット3を介して内視鏡ダイナミクス23の図示しない湾曲部を電動で湾曲動作させる。あるいは、前記コントローラ8は、内視鏡ダイナミクス23の内視鏡挿入部の進退駆動手段(図示せず)を駆動して内視鏡挿入部を進退させる。
上記構成の内視鏡用制御装置において、内視鏡挿入部の体腔内への挿入時に、例えば前記湾曲部に外部からの力が印加された場合、前記ギアダイナミクス22の駆動ギア5A、5B及びスプロケット3は、前記湾曲部の湾曲用ワイヤ4(図2参照)とが機械的に連結されているため、前記外部からの力、つまり、操作力量が図8に示すように入力されることになる。
すると、前記受動コントローラ20は、供給されたエンコーダ(図示せず)及びポテンショメータ6からの位置信号を基に、通常のモータ駆動制御信号と操作力量の印加時のモータ駆動制御信号との差分を求め、この差分に応じて、例えばモータダイナミクス21のサーボモータ7をフィードバック制御する。
これにより、前記内視鏡用制御装置は、ギアダイナミクス22(スプロケット3)に連動可能に設けられたアングルノブ2に、前記操作力量に対応した反力を発生させることができる(例えば、力覚提示)。また、アングルノブ2に反力を発生させることにより、湾曲部に操作力量が印加させたことを術者に認識させることができ、その後の湾曲部の操作に反映させることで、前記湾曲部の操作性向上及び内視鏡挿入部の挿入性向上を図ることができるようになっている。
次に、このような本発明の医療用制御装置としての内視鏡用制御装置の第1実施例を図9乃至図12を参照しながら説明する。図9乃至図11は本発明の内視鏡用制御装置の第1実施例を示し、図9は内視鏡用制御装置の受動コントローラの概略的な構成を示すブロック図、図10は内視鏡用制御装置を2つ接続して構成した場合のシステム全体の構成を示す構成図、図11は第1実施例のシステムの第1変形例を示す構成図である。
図10に示すように、本システムは、第1の内視鏡に電気的に接続した第1の内視鏡用制御装置と、第2の内視鏡に電気的に接続した第2の内視鏡用制御装置とを有し、前記第1の内視鏡装置と前記第2の内視鏡用制御装置は、接続線20A、20Bを介して電気的に接続されている。
なお、以降の説明は、前記第1の内視鏡をマスター側内視鏡、前記第1の内視鏡用制御装置をマスター側内視鏡用制御装置として説明し、また、前記第2の内視鏡をスレーブ側内視鏡、前記第2の内視鏡用制御装置をスレーブ側内視鏡用制御装置として説明する。
前記マスター側内視鏡用制御装置は、前記マスター側内視鏡と、このマスター側内視鏡に設けられた湾曲駆動手段1と、前記受動コントローラ20を有するマスター側コントローラコントローラ8と、を有している。
前記湾曲駆動手段1は、図2及び図3により説明した構成と略同様ではあるが、スプロケット3と連動可能に軸支された駆動ギア5Cを有している。この駆動ギア5Cは、ポテンショメータ6を設けた駆動ギア5Dに噛合している。この駆動ギア5Dは、アングルノブ2と連動可能に軸支されており、このアングルノブ2の操作に伴う回動を前記駆動ギア5Cを介してスプロケット3に伝達する。一方、前記湾曲駆動手段1のサーボモータ7は、駆動ギア5Bが軸支され、この駆動ギア5Bと噛合する駆動ギア5Aを介して駆動力を前記スプロケット3に伝達する。
前記ポテンショメータ6は、検出した位置信号を前記マスター側コントローラ8の位置信号入力部20aを介してこのマスター側コントローラ8に供給する。また、このマスター側コントローラ8は、モータ駆動信号をモータ駆動信号出力部20bを介して前記サーボモータ7に供給する。
一方、前記スレーブ側内視鏡用制御装置は、前記スレーブ側内視鏡と、このスレーブ側内視鏡に設けられた湾曲駆動手段1Aと、前記マスター側内視鏡用制御装置と略同様の受動コントローラ20Aを有するスレーブ側コントローラ8Aと、を有している。
前記湾曲駆動手段1Aは、前記マスター側内視鏡の湾曲駆動手段1と略同様の構成である。したがって、この湾曲駆動手段1Aは、スプロケット3Aと連動可能に軸支された駆動ギア5C1を有している。この駆動ギア5C1は、ポテンショメータ6を設けた駆動ギア5D1に噛合している。この駆動ギア5D1は、アングルノブ2Aと連動可能に軸支されており、このアングルノブ2Aの操作に伴う回動を前記駆動ギア5C1を介してスプロケット3Aに伝達する。一方、前記湾曲駆動手段1Aのサーボモータ7Aは、駆動ギア5B1が軸支され、この駆動ギア5B1と噛合する駆動ギア5A1を介して駆動力を前記スプロケット3Aに伝達する。
前記ポテンショメータ6Aは、検出した位置信号を前記スレーブ側コントローラ8Aの位置信号入力部20aを介してこのスレーブ側コントローラ8Aに供給する。また、このスレーブ側コントローラ8Aは、モータ駆動信号をモータ駆動信号出力部20bを介して前記サーボモータ7Aに供給する。
図9は前記マスター側コントローラ8及び前記スレーブ側コントローラ8A内にそれぞれ設けられた受動コントローラ20の構成例を示している。
図9に示すように、前記受動コントローラ20は、コントロール部24と、アクチュエータ駆動部25と、スイッチ26と、前記ポテンショメータ6(6A)からの位置信号を入力するための位置信号入力部20aと、前記サーボモータ7(7A)にモータ駆動信号を出力するためのモータ駆動信号出力部20bと、制御対象部9の位置信号などのリファレンス信号を入力するためのリファレンス信号入力部20cと、位置信号を出力するための位置信号出力部20dと、リファレンス信号を出力するためのリファレンス信号出力部20eと、を有している。
前記コントロール部24には、前記位置信号入力部20aを介して位置信号、前記リファレンス信号入力部20cを介してリファレンス信号がそれぞれ入力されるようになっている。このコントロール部24は、供給された位置信号及びリファレンス信号に基づくモータ駆動信号を生成し、前記スイッチ26の一方の入力端に供給する。また、このスイッチ26の他方の入力端には、前記アクチュエータ駆動部25を介してモータ駆動を停止させるための制御信号が供給されるようになっている。つまり、前記アクチュエータ駆動部25は、サーボモータ7の駆動を停止するためのモータ駆動信号を生成し、前記スイッチ26の他方の入力端に供給する。
前記スイッチ26は、前記受動コントローラ20により切替え制御されるようになっており、例えば通常の湾曲動作を行う場合には前記コントロール部24からのモータ駆動信号を選択し、モータ駆動信号出力部26bを介してサーボモータ7に供給する。一方、前記スイッチ26は、例えば湾曲部に操作力量が印加された場合には、アクチュエータ駆動部25からのモータ駆動信号(モータ駆動停止信号)を選択し、上記同様モータ駆動信号出力部26bを介してサーボモータ7に供給する。したがって、前記受動コントローラ20は、例えば湾曲部に操作力量が印加されたと判断した場合に、例えば前記サーボモータ7の駆動を停止させるように前記スイッチ26を切替えることになる。
また、本実施例では、図10に示すように、前記スレーブ側コントローラ8Aの位置信号出力部20dは、接続線20Aを介して前記マスター側コントローラ8のリファレンス信号入力部20cに接続しており、前記スレーブ側内視鏡の位置信号を前記マスター側コントローラ8に供給している。
また、前記マスター側コントローラ8の位置信号出力部20dは、接続線20Bを介して前記スレーブ側コントローラ8Aのリファレンス信号入力部20cに接続しており、前記マスター側内視鏡の位置信号を前記スレーブ側コントローラ8Aに供給している。
なお、本実施例では、前記接続線20A、20Bは、通常の信号線に限定されるものではなく、例えば前記マスター側内視鏡用制御装置と前記スレーブ側内視鏡用制御装置とが院内、あるいは遠隔地に配されたシステムである場合には、院内のネットワーク回線、あるいはインターネット回線を用いて接続しても良い。
次に、本実施例のシステムの作用を図10を参照しながら説明する。
いま、術者がスレーブ側内視鏡用制御装置のスレーブ側内視鏡を用いて、患者の体腔内の観察・処置を行っているものとする。この場合、術者は、図示しない操作部のアングルノブ2Aを適宜操作することにより、スレーブ側コントローラ8Aによるモータ駆動制御により図示しない湾曲部を湾曲動作させ、体腔内に挿入されているスレーブ側内視鏡の挿入部先端部を体腔内の目的部位(被検部)近傍へと配置させる。
このとき、スレーブ側内視鏡を操作する術者が、マスター側内視鏡を操作する熟練術者に指示を仰ぐものとする。このような場合、熟練術者は、マスター側内視鏡の操作部のアングルノブ2を適宜操作して、スレーブ側内視鏡を操作する術者に手技を伝達する。すなわち、マスター側コントローラ8は、このときの熟練術者の操作による手技をポテンショメータ6からの位置信号を位置信号入力部20aを介して取り込み、この取り込んだ位置信号を位置信号出力部20b、接続線20Bを介してスレーブ側コントローラ8Aのリファレンス信号入力部20cに供給する。
すると、スレーブ側コントローラ8Aは、この供給された位置信号に基づき、モータ駆動信号を生成し、サーボモータ7を駆動制御する。これにより、スレーブ側内視鏡の湾曲部(図示せず)は、熟練術者が操作するマスター側内視鏡の湾曲動作と略同様に湾曲動作させることが可能となり、熟練術者の手技を術者に認識させ、指示を与えることができる。
そして、術者は、スレーブ側内視鏡の挿入部をさらに体腔内に挿入しながら、操作部のアングルノブ2Aを操作して湾曲部を体腔内の管腔に沿って湾曲動作させる。このとき、スレーブ側内視鏡において、この挿入部に体腔内への挿入により操作力量が印加され、あるいは、この挿入部の湾曲部に体腔内の管腔との接触により操作力量が印加されたとすると、スレーブ側コントローラ8Aは、供給されたエンコーダ(図示せず)及びポテンショメータ6からの位置信号を基に、通常のモータ駆動制御信号と操作力量の印加時のモータ駆動制御信号との差分を求め、この差分に応じて、サーボモータ7の駆動量を変化させ、あるいは停止するように制御する。同時にスレーブ側コントローラ8Aは、このときの位置信号を位置信号出力部20d、接続線20Aを介してマスター側コントローラ8のリファレンス信号入力部20cに供給する。
すると、マスター側コントローラ8は、前記スレーブ側コントローラ8Aから供給された位置信号に基づき、スレーブ側内視鏡に操作力量が印加されたと判断して、アクチュエータ駆動部25からのモータ駆動信号(モータ駆動停止信号)を選択出力するようにスイッチ26(図9参照)を切替え制御する。これにより、サーボモータ7の駆動が停止することにより、アングルノブ2を介して前記操作力量に対応した反力を発生させることが可能となり、このアングルノブ2に反力を発生させることにより、熟練技術者にスレーブ側内視鏡の湾曲部に操作力量が印加されたことを認識させることができる。
そして、熟練技術者は、再度、マスター側内視鏡の湾曲部の操作を適宜行い、スレーブ側内視鏡を操作する術者に指示(手技)を伝達する。
その後、前記マスター側内視鏡用制御装置と前記スレーブ側内視鏡用制御装置との間で、上述したようなスレーブ側内視鏡用制御装置に対する連動制御(位置指令制御)及び受動制御を繰り返して行うことにより、熟練術者による指示(手技)を確実にスレーブ側内視鏡を操作する術者に伝達することが可能となる。
なお、本実施例では、スレーブ側内視鏡による観察・処置を行っている最中に、マスター側内視鏡用制御装置を用いて、スレーブ側内視鏡用制御装置を制御するように説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、スレーブ側内視鏡用制御装置は、常時マスター側内視鏡用制御装置からの制御に基づき、連動した駆動制御を行うように構成しても良い。つまり、マスター側内視鏡用制御装置及びスレーブ側内視鏡用制御装置とを擬似的な体腔内の観察・処置を行う教育シュミレーションとして構成すれば、大きなシステムを構成しなくても、熟練術者の指示(手技)を確実に他の術者に伝達させることができる。
したがって、本実施例によれば、湾曲駆動手段を受動的に制御可能な受動コントローラ20を設けたことにより、内視鏡単体でもその反力を利用して効果的に湾曲操作を行うことができるので、内視鏡の挿入部の挿入性及び内視鏡の操作性を向上させることが可能となる。また、マスター側とスレーブ側にそれぞれ内視鏡用制御装置を設けてシステムを構成した場合には、スレーブ側内視鏡を操作する術者に対し、マスター側内視鏡を操作する熟練術者の指示(手技を)を確実に伝達させることが可能となるので、例えば教育用シュミレーションとして前記システムを適用すれば有効である。
なお、本実施例のシステムは、図11の第1変形例に示すように、スレーブ側内視鏡用制御装置を、複数(n)個、前記実施例と同様に前記マスター側内視鏡用制御装置に接続し、これら複数(n)個全て、あるいは少なくとも2つのスレーブ側内視鏡用制御装置を受動的に制御するように構成しても良い。この場合、これらのスレーブ側内視鏡用制御装置は、マスター側内視鏡用制御装置による湾曲動作に連動するように湾曲制御が実行されることになるので、教育用シュミレーションとしてシステムを構成すれば特に有効となる。
図12乃至図14は前記第1実施例の内視鏡用制御装置の第2変形例を示し、図12は本変形例の内視鏡用制御装置全体の構成を示すブロック図、図13は本変形例の内視鏡用制御装置の具体的な構成を示す構成図、図14は図13に示すジョイスティックの具体的な構成を示す構成図である。
図12に示すように、本例の内視鏡用制御装置は、前記第1実施例の内視鏡用制御装置(図8参照)と略同様に構成されているが、内視鏡ダイナミクス23には操作手段としてのジョイスティック27が設けられ、このジョイスティック27を介して反力が得られるようになっている。
また、前記内視鏡用制御装置は、図13に示すように、前記第1実施例と同様の受動コントローラ20を有するコントローラ8と、このコントローラ8に電気的に接続されたジョイスティック27と、前記コントローラ8に接続され、アングルノブ2のみを削除して構成した湾曲駆動手段1aと、を有している。なお、この湾曲駆動手段1aは、アングルノブ2以外の構成は前記第1実施例の湾曲駆動手段1と同様である。
前記ジョイスティック27は、内視鏡操作部とは別体に設けられ、湾曲部を所望する方向に湾曲させるための操作手段であり、操作に基づく位置指令信号を生成し、前記コントローラ8に供給する。このジョイスティック27は、例えば操作固定部28と、ジョイスティック操作レバー29と、を有している。このジョイスティック操作レバー29は、前記操作固定部28内に例えば左右2方向に移動可能に取付けられた支持部材29aと、この支持部材29aの先端側に設けられた把持部29bと、を有している。
また、前記操作固定部28は、図14に示すように、前記支持部材29aの基端部が固定された駆動カム30と、この駆動カム30と噛合する駆動ギア31と、この駆動ギア31を軸支し、前記コントローラ8と電気的に接続されるサーボモータ32と、を有している。
上記構成のジョイスティック27は、前記把持部29bを術者が把持しながら、図14中矢印方向に適宜操作すると、この操作に基づき前記支持部材29a、駆動カム30、駆動ギア31を介してサーボモータ32を回動させ、このサーボモータ32に取付けられたエンコーダ(図示せず)によりこの回動に基づく位置指令信号を生成して前記コントローラ8に出力するようになっている。
また、前記ジョイスティック27は、前記第1実施例と同様に、反力が発生した場合には、前記コントローラ8(受動コントローラ20)によって前記操作固定部28内のサーボモータ32を駆動停止するように制御することで、駆動ギア31、駆動カム30、支持部材29aを介して反力が把持部29bに伝達されるようになっている。
その他の構成及び作用については、前記第1実施例と同様である。
したがって、本例によれば、湾曲操作を行う操作手段を、アングルノブ2に変えてジョイスティック27を設けて構成した場合でも、前記第1実施例と同様に作用し、同様の効果を得ることが可能となる。また、ジョイスティック27を内視鏡操作部とは別体に設けたことにより、内視鏡操作部の軽量化を図ることが可能となり、内視鏡操作性の向上化に大きく寄与する。
図15乃至図17は本発明の内視鏡用制御装置の第2実施例を示し、図15は内視鏡用制御装置の全体構成を示す構成図、図16は図15に示す挿入部ドライブユニットの全体構成を示す構成図、図17は図16に示す挿入部ドライブユニットの構成を説明するもので、図17(a)は正面図、図17(b)は上面断面図、図17(c)は正面断面図である。なお、図15乃至図17は、前記第1実施例と同様な構成要素については同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
本実施例の内視鏡用制御装置は、前記第1実施例のように湾曲駆動手段を操作力量に対して受動的に制御するだけでなく、さらに、内視鏡挿入部を体腔内に電動で進退駆動させるための進退駆動手段である挿入部ドライブユニット36を設け、この挿入部ドライブユニット36を、内視鏡挿入部に加わる操作力量に対して受動的に制御するように構成している。
図15に示すように、内視鏡用制御装置は、前記第1実施例の内視鏡用制御装置と略同様に構成されるが、ジョイスティック(以下、JSと称す)操作入力部34及び挿入部進退入力部35を有する操作部33と、この操作部33に接続線33a、コネクタ33bを介して接続され、前記第1実施例と略同様の制御を行うとともに、後述する挿入部ドライブユニット36の駆動制御を行うコントローラ(ドライブユニットコントローラ)8と、このコントローラ8にコネクタ37b、接続線37a及びコネクタ37cを介して接続され、内視鏡挿入部39を体腔内へと電動で進退駆動させるための進退駆動手段である挿入部ドライブユニット36と、を有している。
前記JS操作入力部34は、前記第1実施例の第2変形例(図13参照)のジョイスティック27と略同様に、湾曲操作に伴う位置指令信号をコントローラ8に供給する。
前記挿入部進退入力部35は、前記操作部33の例えば側面側に設けられたスライド式のスイッチであり、このスライド式のスイッチをスライド動作させることにより、前記挿入部ドライブユニット36を駆動制御するための位置指令信号を前記コントローラ8に供給する。また、前記スイッチは、前記操作部33内に設けられた前記内視鏡挿入部39からの反力を伝達するためのサーボモータ45、駆動ギア46(図26参照)に連結されており、これらサーボモータ45、駆動ギアを介して前記コントローラ8による制御により反力が生じるように構成されている。
前記挿入部ドライブユニット36は、図15に示すように、ユニット本体内部に対向配置して固定された第1、第2ユニット37、37と、これらの第1、第2ユニット37、37に挟持された状態で内視鏡挿入部39が挿入可能であり、前記ユニット本体内を連通する内視鏡挿入部挿通口36Aと、を有している。
前記第1、第2ユニット37、37は、図16、図17に示すように、前記内視鏡挿入部39の外周面を挟持しながらこの内視鏡挿入部39を進退駆動するための一対の回転弾性体38、38と、これら回転弾性体38を回動させるためのサーボモータ37A、37Aと、このサーボモータ37A、37Aのモータ駆動力を前記一対の回転弾性体38、38に伝達するための駆動ギア37B、37Bと、を有している。なお、前記回転弾性体38,38は、挟持する内視鏡挿入部39の外周面を適度な押圧力で挟持可能で且つ傷つけない柔らかい材質38a(例えばラバー)により形成されている。
前記サーボモータ37A、37Aは、図示しない信号線により前記コネクタ37cに接続され、このコネクタ37cは接続線37aを介して前記コントローラ8に接続されている。また、このサーボモータ37A、37Aは、前記第1実施例と同様に図示はしないがエンコーダを有し、このエンコーダにより得られる位置信号を前記コントローラ8に供給するようになっている。
前記コントローラ8は、図示はしないが前記第1実施例と略同様に湾曲駆動手段に対して受動制御を行うとともに、前記JS操作入力部34及び前記挿入部進退入力部35からの位置指令信号に基づき、前記挿入部ドライブユニット36の駆動制御を行う。これにより、内視鏡挿入部39の体腔内への自動挿入が可能となる。
また、前記コントローラ8は、前記サーボモータ37A、37Aのエンコーダ(図示せず)及びポテンショメータ6(図示せず)からの位置信号を基に、内視鏡挿入部に体腔内の管腔との接触による操作力量が印加されたか否かを判断し、操作力量が印加されたと判断した場合には、サーボモータ37A、37Aにモータ駆動信号(モータ駆動停止信号)を出力して前記挿入部ドライブユニット36の駆動を一端停止するように制御する。
そして、前記コントローラ8は、前記挿入部ドライブユニット36の駆動を停止するように制御することで内視鏡挿入部39の体腔内への挿入を止め、この際に、前記操作部33の前記挿入部進退入力部35を介して前記操作力量に対応した反力を発生させるように制御する。これにより、この内視鏡を操作する術者に内視鏡挿入部に操作力量が印加されたことを認識させることができる。
さらに、前記コントローラ8は、前記挿入部ドライブユニット36の駆動停止して前記操作部33に反力を発生させる第1の受動制御モードが実行された後に、前記位置信号に基づき前記内視鏡挿入部39を逆方向に少し進退させるように挿入部ドライブユニット36の駆動を制御し、湾曲部(図示せず)を自動的に所定角度で湾曲動作させる第2の受動制御モードを実行するように制御する。
さらに、また前記コントローラ8は、前記第1の受動制御モードを実行した際に、内視鏡挿入部に操作力量が印加されたか否かの判断処理が行えない場合には、前記操作部33の前記JS操作入力部34を用いた術者による湾曲操作指示モードに切替えるように制御することも可能である。
その他の構成は、前記第1実施例と略同様である。
次に、本実施例の内視鏡用制御装置の作用を図15乃至図17を参照しながら説明する。
いま、術者が内視鏡用制御装置の内視鏡を用いて、患者の体腔内の観察・処置を行うものとする。この場合、術者は、操作部33の前記挿入部進退入力部35を適宜スライド操作することにより、前記挿入部ドライブユニット36によるモータ駆動制御により内視鏡挿入部39を体腔内に挿入し、この挿入部先端部を体腔内の目的部位(被検部)近傍へと進退させる。
このとき、前記コントローラ8は、前記第1実施例と同様に湾曲駆動手段1の受動制御が可能であるので、体腔内の管腔に沿って湾曲部を湾曲させながら前記内視鏡挿入部39を進退を行う。
そして、前記コントローラ8は、前記サーボモータ37A、37Aのエンコーダ(図示せず)及びポテンショメータ6(図示せず)からの位置信号を基に、内視鏡挿入部に体腔内の管腔との接触による操作力量が印加されたか否かを判断し、操作力量が印加されたと判断した場合には、サーボモータ37A、37Aにモータ駆動信号(モータ駆動停止信号)を出力して前記挿入部ドライブユニット36の駆動を一端停止するように制御する。 同時に、前記コントローラ8は、前記操作部33内のサーボモータ45(図26参照)の駆動を停止するように制御することにより、このサーボモータ45、駆動ギア46(図26参照)を介して前記挿入部進退入力部35に対し、前記操作力量に対応した反力を発生させる。第1の受動制御モード)。これにより、この内視鏡を操作する術者に内視鏡挿入部に操作力量が印加されたことを認識させることができる。
その後、前記コントローラ8は、前記第1の受動制御モードが実行された後に、前記位置信号に基づき前記内視鏡挿入部39を逆方向に少し進退させるように挿入部ドライブユニット36の駆動を制御し、湾曲部(図示せず)を自動的に所定角度で湾曲動作させる第2の受動制御モードを実行する。これにより、内視鏡挿入部の体腔内への挿入性を向上させることができる。
なお、前記コントローラ8は、前記第1の受動制御モードを実行した際に、内視鏡挿入部に操作力量が印加されたか否かの判断処理が行えない場合には、前記操作部33の前記JS操作入力部34を用いた術者による湾曲操作指示モードに切替えるように制御する。湾曲操作指示モードに切り替えない場合には、図示しないドライブユニットコントローラ8内のブザーにより、術者に警告をならす仕組みとなっている。
本実施例では、サーボモータのみの構成を示しているが、前記示した通り、トルクセンサをサーボモータに機械的に結合させ、挿入進退時の負荷トルクをモータエンコーダにフィードバック検知でなく、直接計測する方法を取っても構わない。
その他の作用は、前記第1実施例と略同様である。
したがって、本実施例によれば、前記第1実施例と略同様の効果が得られる他に、前記操作部33の挿入部進退入力部35によるスライダ操作のみで内視鏡挿入部39の体腔内への挿入が可能となり、内視鏡挿入部の挿入性及び内視鏡の操作性を向上できる。
図18は前記第2実施例の内視鏡制御装置の第1変形例を示し、改良された挿入部ドライブユニットの構成を示す構成図、図19は図18に示す挿入部ドライブユニットの第2変形例を示し、図19(a)は第1変形例の挿入部ドライユニットの平面図、図19(b)は第1変形例の挿入部ドライブユニットの平面図である。
図18に示すように、本例の内視鏡制御装置は、前記第2実施例の内視鏡用制御装置と略同様の構成ではあるが、さらに、内視鏡挿入部39を確実に保持しながら体腔内への挿入性を向上させるために、改良がなされた挿入ドライブユニット36Bを有している。
前記挿入ドライブユニット36Bは、同図に示すように、第1、第2ユニット37、37の内いずれか一方のユニット37が前記回転弾性体38、38の接触方向にスライド可能に取付けられている。また、このスライド可能に取付けられた第1又は第2ユニット37は、ユニット本体内に固定された板状の固定板36C上のばね部材39Aによって、前記接触方向に付勢されるようになっている。
したがって、前記挿入部ドライブユニット36Bは、図19(a)に示すように、内視鏡挿入部挿通口36Aを介して挿入し、前記回転弾性体38、38に挟持させながら進退させる場合に、前記ばね部材39Aの付勢力によって前記回転弾性体38,38の間に挟持した内視鏡挿入部39又は処置具を確実に保持することができるとともに、この保持状態を確保しながら確実に進退させることが可能となる。
また、本例の内視鏡制御装置は、図19(b)の第2変形例に示すように、第1、第2ユニット37、37両方を前記同様にスライド可能に構成するとともに、前記固定板36Cをユニット本体内の前記第1、第2ユニット37、37の外側に2つ配設し且つそれぞれ設けたばね部材39Aによって、前記第1、第2ユニット37、37を前記接触方向に付勢するように挿入部ドライブユニット36B1を構成しても良い。これにより、前記挿入部ドライブユニット36B1は、さらに回転弾性体38、38による内視鏡挿入部39の保持力を向上でき、内視鏡挿入部の挿入性を向上させることができる。
したがって、本例によれば、前記第2実施例と同様の効果が得られる他に、内視鏡挿入部39又は処置具を確実に保持しながら進退させることができるので、さらに、内視鏡挿入部の挿入性を向上させることが可能となる。
第3実施例
図20及び図21は本発明の内視鏡用制御装置の第3実施例を示し、図20は内視鏡用制御装置全体の構成を示す構成図、図21は図20に示す挿入部ドライブユニットの構成を説明するもので、図21(a)は正面図、図21(b)は上面断面図、図21(c)は正面断面図である。また、図22は第3実施例の操作部の第1変形例を示す構成図、図23は第3実施例の操作部の第2変形例を示す構成図である。なお、図20乃至図23は、前記第1、第2実施例と同様に構成要素については同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
本実施例の内視鏡用制御装置は、前記第2実施例の内視鏡用制御装置と略同様に構成されているが、前記内視鏡挿入部の進退動作の際にひねりが生じた場合でも、このひねりを修正して内視鏡挿入部の進退動作を良好に行うための改良を施した挿入部ドライブユニット36Dを有している。
図20に示すように、前記挿入部ドライブユニット36Dは、前記第2実施例の挿入部ドライブユニット36の構成要件の他に、一対の前記回転弾性体38、38に対し鉛直の方向に軸支された一対の回転弾性体41、41を設けている。
前記回転弾性体41、41は、前記回転弾性体38、38を有している第1、第2ユニット37、37の上下方向にそれぞれ配置した図示しない第3、第4ユニットに設けられている。これらの第3、第4ユニットの構成は、前記第2実施例における第1、第2ユニット37、37と同様である。しかしながら、前記第3、第4ユニット(図示せず)は、前記第1、第2ユニット37、37の上下方向に配置されるようにユニット本体内に設けられている。この場合、前記回転弾性体41、41は、前記回転弾性体37、37とともに前記内視鏡挿入部39の外周面を挟持しながらこの内視鏡挿入部39の進退方向におけるひねりを正常に戻すためにその回転軸が内視鏡挿入部39の進退方向となるように配置される(図21参照)。
したがって、前記回転弾性体41、41は、前記回転弾性体37、37と同様にサーボモータ40、40、駆動ギア(図示せず)を介して適宜回転することにより、挟持している内視鏡挿入部39のひねりを戻し、正常な状態で進退動作を行うことができるようになっている。なお、前記サーボモータ40、40は、前記第2実施例と同様にコントローラ8によって駆動制御される。
操作部33内には、ジャイロセンサ32aが配置され、ジャイロセンサ32aで検出した検知信号をドライブユニットコントローラ8内に送信可能な構成となっている。同時にドライブユニットコントローラ8側内では、ジャイロセンサ32aの信号に基づいて、回転弾性体41を駆動する構成になっている。
以上の構成により、例えば、術者がひねり動作を行いたい場合には、操作部33を図中上下方向を軸にひねることでジャイロセンサ32aの検知信号に基づいて、所望の内視鏡挿入部ひねり動作を行わすことが可能となる。したがって、前記第2実施例の内視鏡用制御装置と同様に作用する他に、内視鏡挿入部ひねり動作ね行わせることが可能となるため、体腔内への挿入・進退・ひねり動作と現在の内視鏡操作と同様なことが行えるようになる。
また、ひねり動作についても反力を提示したい場合の構成として、図22もしくは図23のような構成をとっても良い。この場合、前記実施例で示したドライブコントローラ8内でのジャイロセンサ信号に基づいて回転弾性体41を駆動していた部分を前記から示してある受動コントローラとすることで構成されることになる。
図22のように、ひねり操作部用のサーボモータを操作部33と機械的に連結させることとしても良い。この場合、前記操作部33Aは、把持レバー34Aが水平方向に360°回転操作が可能となるように、操作部本体を駆動ギア32B、固定軸42aを介して操作固定部42に固定するようにして構成する。つまり、操作部33Aは、この把持レバー34Aの回転位置に応じた位置信号をコントローラ8に出力することになる。
また、コントローラ8は、前記操作部33A内に設けたサーボモータ32を介して反力を把持レバー34Aに伝達するようになっている。
また、本実施例では、図23の第2変形例に示すように、上述した第1変形例の前記サーボモータ32及び駆動ギア32Bは、前記操作固定部42内に設けて構成しても良い。この場合、操作部33は、把持レバー34による回転操作に伴い、固定軸42aとともに回転することになる。また、コントローラ8の駆動制御により生じる反力は、前記サーボモータ32、駆動ギア32B、固定軸42a、操作部本体を介して前記把持レバー34に伝達されることになる。
第4実施例
図24乃至図26は本発明の内視鏡用制御装置の第4実施例を示し、図24は内視鏡用制御装置全体の構成を示す構成図、図25は図24に示す処置具鉗子操作部の具体的な構成例を示し、図25(a)は処置具鉗子操作部の外観構成を示す構成図、図25(b)は処置具鉗子操作部の内部構成を示す構成図である。また、図26は図24の処置具進退入力部の具体的な構成を示す構成図である。なお、図24乃至図26は、前記第1、第2実施例と同様に構成要素については同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
前記第1乃至第3実施例の内視鏡用制御装置は、内視鏡の湾曲駆動手段1及挿入部ドライブユニット36における受動制御を行った実施例について説明したが、本実施例の内視鏡制御装置は、例えば鉗子などの医療用具としての処置具の進退駆動用として用いることができるようになっている。
図24に示すように、内視鏡用制御装置は、前記第2実施例の内視鏡用制御装置と略同様に構成されるが、図示しない内視鏡の鉗子挿通口に挿通される処置具44Aと、処置具進退入力部44を有する処置具鉗子操作部43と、この処置具鉗子操作部43に接続線33a、コネクタ33bを介して接続され、前記第2実施例と略同様の制御を行うコントローラ8と、このコントローラ8にコネクタ37b、接続線37a及びコネクタ37cを介して接続され、前記処置具44Aを内視鏡の鉗子挿通口を介して内視鏡挿入部内へと電動で進退駆動させるための進退駆動手段である挿入部ドライブユニット36と、前記処置具44Aの鉗子操作部43a1を固定保持するための固定ユニット45Aと(図30参照)、を有している。
図30は前記第4実施例の内視鏡用制御装置の第3変形例を示し、スレーブ側の固定ユニットの構成を示す構成図である。
図30に示すように、前記固定ユニット45Aは、双方の係止部45aによってスレーブ側の鉗子操作部43Aの固定把持部43b1を固定保持する構成については同様であるが、鉗子操作部43Aの鉗子把持部43a1と係止して自動的にスライド操作するためのL字状に形成された係止部材46と、この係止部材46の基端部に設けられた送りネジ46Aと、この送りネジ46Aと噛合する駆動ギア32Bと、この駆動ギア32Bを軸支したサーボモータ32と、有している。
前記サーボモータ32は、前記挿入部ドライブユニット36のサーボモータ7と同様に接続線37aを介してコントローラ8に接続され、このコントローラ8によって駆動が制御されるようになっている。
前記処置具進退入力部44は、前記第2実施例の挿入部進退入力部35と同様に、前記処置具鉗子操作部43の例えば側面側に設けられたスライド式のスイッチ44aを有し、このスライド式のスイッチ44aをスライド動作させることにより、前記挿入部ドライブユニット36を駆動制御するための位置指令信号を前記コントローラ8に供給する。また、前記スイッチ44aは、図26に示すように、前記処置具鉗子操作部43内に設けられたスライドスイッチガイド45によりスライド可能に取付けられており、また、スイッチ44aは、裏面に設けられたギア46aを介して、駆動ギア46に連結されている。この駆動ギア46は、前記処置具進退入力部44内に設けられた、前記処置具44Aからの反力を伝達するためのサーボモータ45に連結されている。これにより、処置具進退入力部44は、これらサーボモータ45、駆動ギア46、ギア46aを介して前記コントローラ8による制御により反力が生じるように構成されている。
また、前記処置具鉗子操作部43は、前記処置具44Aによる鉗子処置を操作するための鉗子把持部43aと、操作部本体上部両側に設けられた固定把持部43bとを有している。つまり、熟練術者が、他の術者の前記処置具44Aによる処置を指示操作する場合には、図25(a)に示すように、前記鉗子把持部43aを押し込み、あるいは引いたりしてスライド操作を行う。前記処置具鉗子操作部43は、図25(b)に示すように、前記鉗子把持部43の指示部材43cに設けられた送りネジ43dが駆動ギア31と噛合してサーボモータ32を駆動させることで、位置信号を前記コントローラ8に供給する。一方、このコントローラ8は、前記第2実施例と同様に、前記処置具44Aの鉗子処置した際に操作力量が印加されたと判断した場合には、前記サーボモータ7をフィードバック制御することにより、駆動ギア31,送りネジ43dを介して前記鉗子把持部43aに対し反力が生じるようになっている。
なお、前記挿入部ドライブユニット36は、前記第2実施例と略同様の構成であるが、処置具44Aの外径に合わせて回転弾性体38が配置されるようになっている。
また、前記処置具44Aは、鉗子操作部43Aを有し、この鉗子操作部43Aは、処置具44による鉗子処置を操作するための鉗子把持部43a1と、操作部本体上部両側に設けられた固定把持部43b1とを有している。この鉗子操作部43Aは、前記固定把持部43b1が前記固定ユニット45Aの前面に設けられた係止部45aに係止されることで、この固定ユニット45Aに固定保持されている。
鉗子把持部43a1は、固定ユニット45Aの46Bに嵌合する構成となっている。
前記処置具44Aは、前記第2実施例と同様に、前記挿入部ドライブユニット36の挿入部挿通口を介して挿通され、図示しない内視鏡の鉗子挿通口を介して内視鏡挿入部に挿通される。
上記構成の内視鏡用制御装置において、前記コントローラ8は、前記第2実施例の内視鏡用制御装置と略同様に作用するが、前記処置具44Aを用いて術者が鉗子処置を行う場合に、前記コントローラ8は、処置具44Aの内視鏡挿入部への進退動作時に、供給された位置信号を基に、この処置具44Aに対し操作力量が印加されたことを判断すると、前記処置具鉗子操作部43内のサーボモータ45、32をフィードバック制御することにより、前記処置具鉗子操作部43のスイッチ44a、鉗子把持部43aに反力を発生させる。これにより、処置具44Aを用いて鉗子処置を行う場合でも、熟練術者が前記処置具鉗子操作部43を用いて前記処置具44Aを操作する術者に対して操作指示を与えることができる。
したがって、本実施例によれば、前記挿入部ドライブユニット36を院内の他の手術室、あるいは遠隔地に配置すれば、前記第1実施例の内視鏡用制御装置と同様に、低コストで実施可能な教育シュミレーションのシステム、あるいは遠隔支援システムとして構成することが可能となる。その他の効果は前記第2実施例と同様である。
なお、本実施例の内視鏡用制御装置は、例えば後述する図27及び図28に示す第1変形例、または図29に示す第2変形例のように、前記処置具鉗子操作部43を改良しても良い。
第1の変形例の内視鏡用制御装置は、図27に示すように、前記スライド操作型の処置具鉗子操作部43(図25参照)に替えて、はさみ操作型の処置具鉗子操作部47を有している。
前記処置具鉗子操作部47は、前記第4実施例と同様にスライド式の処置具進退入力部44を有する他に、図28に示すように、操作部本体内に設けられたサーボモータ32と、このサーボモータ32と軸支された駆動ギア31と、この駆動ギア31と噛合する送りネジ49と、この送りネジ49を基端側に設け、中央近傍に軸48aにより回動可能に軸支された一方のはさみ操作部材48と、前記軸48aに中央近傍が固定された他方のはさみ部材48と、有している。
熟練術者が、前記処置具鉗子操作部47を用い手操作指示を行う場合、前記一対のはさみ部材48、48を把持し、回動可能な一方のはさみ部材48を回動させて操作を行う。
したがって、上記構成の処置具鉗子操作部47は、一方のはさみ部材48の回動に伴い、送りネジ49、駆動ギア31を介してサーボモータ32を駆動させることで、位置信号を前記コントローラ8に供給する。一方、このコントローラ8は、前記第4実施例と同様に、前記処置具44Aの鉗子処置した際に操作力量が印加されたと判断した場合には、前記サーボモータ32をフィードバック制御することにより、駆動ギア31,送りネジ49を介して前記はさみ部材48に対し反力が生じるようになっている。その他の構成、及び作用は前記第4実施例と同様である。
また、図29の第2変形例に示すように、処置具鉗子操作部47Aは、2つのはさみ操作部48、48を回動可能に取付け、さらに、それぞれのはさみ操作部48、48の基端側の所定位置にギア溝51、51を設けて構成する(図29(a)参照)。また、前記処置具鉗子操作部47Aは、内部に前記ギア溝51、51に噛合するように駆動ギア50を設け、この駆動ギア50、50を軸支するようにサーボモータ32、32を設けて構成する(図29(b)参照)。このような構成により、両方のはさみ把持部48、48に反力を発生させることが可能となる。その他の構成、及び作用は前記第4実施例と同様である。
以上のように、本変形例の内視鏡制御装置では、マスター側の熟練術者が処置具鉗子操作部43のスイッチ44をスライド操作すると、コントローラ8は、遠隔地のスレーブ側の挿入部ドライブユニット36を駆動しながら処置具44Aを進退させる。また、熟練術者が処置具鉗子操作部43の鉗子操作部43Aを操作すると、コントローラ8は、その指示信号に基づき、スレーブ側の固定ユニット45Aのサーボモータ32を駆動制御することにより、駆動ギア32B、送りネジ46Aを介して前記係止部材46Bを上下方向に移動させる。これにより、鉗子操作部43Aの鉗子把持部43a1は、熟練術者の操作に対応するように自動的に操作されることになる。
勿論、本例の内視鏡用制御装置は、処置具44Aによる鉗子処置に伴い処置具44Aに操作力量が印加された場合においても、前記第4実施例と同様にマスター側の処置具鉗子操作部43に反力を発生させることができる。
図31は前記第4実施例の内視鏡用制御装置の第4変形例を示し、図30の固定ユニットに改良を施した場合の固定ユニットの構成を示す構成図である。
図31に示すように、前記固定ユニット45Bは、さらに、鉗子把持部43a1を自在に姿勢制御するために、鉗子開閉駆動部47Bを有している。この鉗子開閉駆動部47Bは、前記鉗子把持部43a1を係止する係止部材46Bと、この係止部材46Bを自在に折曲可能な関節部46a1と、この関節部46a1を介して接続された指示部材47aと、この指示部材47aを自在駆動可能な駆動機構部47Aと、この駆動機構部47Aを駆動するサーボモータ32、駆動ギア32B(図示せず)と、を有している。
したがって、上記構成の固定ユニット45Bをスレーブ側に設けた構成とすることにより、スレーブ側の処置具44Aの鉗子操作を、さらに、マスター側の熟練術者の指示操作に忠実に再現するように指示制御が可能となり、効率を向上させることができる。
図32は前記4実施例の内視鏡用制御装置の第5変形例を示し、図32(a)はマスター側の処置具鉗子操作部に替えて設けたデータグローブの構成を示す構成図、図32(b)は前記固定ユニットに替えて設けたマニピュレータの構成を示す構成図である。
図32(a)、図32(b)に示すように、本例の内視鏡用制御装置は、マスター側の処置具鉗子操作部43(図24参照)に替えて設けられた、処置具44Aの操作入力手段としてのデータグローブ50と、スレーブ側の前記固定ユニット45(45A、45B)に替えて設けたマニピュレータ53と、を有している。
前記データグローブ50は、図32(a)に示すように、熟練術者による処置具44Aの鉗子処置操作に基づく位置信号を生成するための3次元デジタイザ51と、データグローブ50全体に配され、前記マニピュレータ53を受動的に駆動制御するために前記処置具44Aからの反力をフィードバックさせる形状記憶合金(SMA)ワイヤ及び光ファイバーセンサ52と、を有している。このデータグローブ50は、前記コントローラ8に接続され、このコントローラ8は前記第4実施例と同様に、供給された位置信号に基づき前記マニピュレータ53の姿勢制御を行う。
一方、前記マニピュレータ53は、前記マニピュレータ53自体を所定位置に固定する駆動機構部47Aと、前記鉗子把持部43a1を係止する第1係止部材53aと、前記2つの固定把持部43b1をそれぞれ把持固定する第2係止部材53bと、前記第1係止部材53aを自在に駆動可能な第1関節部54Aと、前記2つの第2係止部材53bをそれぞれ自在に駆動可能な第2関節部54Bと、前記第1関節部54Aと前記第2関節部54Bを介して配された複数の腕部55と、これらの腕部55を自在に駆動可能な第3関節部53Aと、この第3関節部53Aと前記駆動機構部47Aとの間に設けられ、前記第3関節部53Aを自在に駆動可能とする複数の指示部材56及び複数の関節部57と、を有している。
なお、前記第3関節部53Aより手先部分、つまり、第1係止部材53a、第2係止部材53b、第1関節部54A、第2関節部54B及び第3関節部53Aより構成される部分が、受動制御可能になっている。
前記コントローラ8は、前記データグローブ50からの位置信号に基づき、前記第1関節部54A、前記第2関節部54B及び複数の関節部57を駆動制御することにより、前記マニピュレータ53の姿勢制御を行う。また、このマニピュレータ53は、処置具鉗子操作を行っている際に操作力量が印加された場合には、そのときの位置信号を前記コントローラ8にフィードバックする。そして、このコントローラ8は、その位置信号が前記マニピュレータ53に操作力量が印加されたことを判断し、前記データグローブ50を介して反力を発生させる。
なお、前記マニピュレータ53のダイナミクスは、一般に、
H(q)*(dq/dt)2+h(q,dq/dt)+g(q)=τ …(式1)
と表現される。ただし、qはマニピュレータリンク関節座標ベクトル、H(q)はイナーシャマトリクス、h(q,dq/dt)はコリオリカ・摩擦を含むダイナミクス項、g(q)は重力項、τはスレーブ調整入力トルクとする。
一方で、前記マニピュレータ53の前記第1関節部54Aから前記第1、第2係止部材53a、53bまでの手先に対する所望インピーダンス(エンドフェクターのメカニカルインピーダンス)を、
M*(dx/dt)2+D(dx/dt−dxd/dt)+K(x−xd)=F …(式2)
とする。ただし、Mはインピーダンスモデルの質量、Dは粘性係数、Kは弾性係数、xは作業座標ベクトル、xdは目標位置軌道とする。
ここで、スレーブマニピュレータ手先に加わる力をFとすれば、τF =JTF(Jはヤコビアン、Tは転置をあらわす)の関係から、
(式1)の左辺=τ+τF …(式3)
となる。
以上の事を用いて、(式3)の恒等式τについて解けば、所望のインピーダンス制御が可能となる。
なお、前記マニピュレータは、各関節部が3次元方向に駆動可能になされているが、これに限定されるものではなく、1次元方向、または2次元方向のみ駆動可能なものであっても良い。
したがって、本例によれば、前記第4変形例と同様に、マスター側の熟練術者の指示操作に基づき、スレーブ側の処置具44Aの処置操作を全て自動的に指示制御が可能となり、効率を向上させることができる。
第5実施例
図33及び図34は本発明の内視鏡用制御装置の第5実施例を示し、図33は内視鏡用制御装置全体の構成を示す構成図、図34は図33に示す処置具鉗子操作部の具体的な構成例を示す構成図である。また、図35は前記処置具鉗子操作部の第1変形例を示す構成図、図36は前記処置具鉗子操作部の第2変形例を示す構成図である。なお、図33乃至図36は、前記第1乃至第4実施例と同様に構成要素については同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
本実施例の内視鏡用制御装置は、前記第4実施例の内視鏡用制御装置と略同様に構成されているが、図33に示すように、処置具44Aの進退動作の自由度を向上させるために、前記挿入部ドライブユニット36を、前記第3実施例にて用いた挿入部ドライブユニット36D(図20参照)に替えて構成している。また、前記内視鏡用制御装置は、前記第4実施例の第2変形例における処置具鉗子操作部47A(図29参照)に改良施した処置具鉗子操作部47Bを有している。
前記処置具鉗子操作部47Bは、図29に示す処置具鉗子操作部47Aの構成要件に加え、図34に示すように、操作部本体内の下端部に処置具44Aのひねりが生じた際に反力を発生するためのサーボモータ32A、駆動ギア32Bを有している。つまり、このサーボモータ32Aは、処置具44Aのひねり方向に回転駆動を行うように設けられており、前記コントローラ8によって処置具44Aにひねりが生じたと判断されると、フィードバック制御されることで、駆動ギア32Bを介して処置具44Aをひねり方向に回動させて、反力を発生させる。
なお、前記挿入部ドライブユニット36Dは、図20に示す挿入部ドライブユニット36Dと略同様に構成されているが、処置具44Aの外径に合わせて各回転弾性体38、41が配置されるようになっている。
その他の構成、及び作用は、前記第4実施例と同様である。
したがって、本実施例によれば、前記第4実施例と同様の効果が得られる他に、処置具44Aのひねりが生じた場合でもこれを修正して処置具44Aの進退動作を行うことができるので、処置具44Aの挿入時の自由度が増し、すなわち、さらに処置具44Aの挿入性を向上させることができる。
なお、本実施例では、前記処置具鉗子操作部47Bは、図35の第1変形例に示すように、はさみ操作部48、48による鉗子処置操作及び処置具44Aのひねり修正操作とを合わせて実行可能となるように構成しても良い。この場合、前記処置具鉗子操作部47Bは、はさみ操作部48、48が水平方向に360°回転操作が可能となるように、操作部本体を駆動ギア32B、固定軸42aを介して操作固定部42に固定するようにして構成する。つまり、処置具鉗子操作部47Bは、このはさみ操作部48、48の回転位置に応じた位置信号をコントローラ8に出力することになる。
また、コントローラ8は、前記処置具鉗子操作部47B内に設けたサーボモータ32Aを介して反力をはさみ操作部48、48に伝達するようになっている。
また、本実施例では、図36の第2変形例に示すように、上述した第1変形例の前記サーボモータ32A及び駆動ギア32Bは、前記操作固定部42内に設けて構成しても良い。この場合、処置具鉗子操作部47Bは、はさみ操作部48、48による回転操作に伴い、固定軸42aとともに回転することになる。また、コントローラ8の駆動制御により生じる反力は、前記サーボモータ32、駆動ギア32B、固定軸42a、操作部本体を介して前記はさみ操作部48、48に伝達されることになる。
したがって、前記第1、第2変形例によれば、処置具44Aの挿入性、及び操作性を向上することができ、また、遠隔支援システムとして構成すれば、効率が向上する。
第6実施例
図37は本発明の内視鏡用制御装置の第6実施例を示し、内視鏡用制御装置全体の構成を示すブロック図である。なお、図37は、前記第1実施例と同様に構成要素については同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
図37に示すように、本実施例の内視鏡制御装置は、前記第1実施例と略同様に構成されているが、内視鏡ダイナミクス23の内視鏡から湾曲ワイヤ4のテンション状態を検出し、検出結果を前記コントローラ8の受動コントローラ20に供給することにより、この湾曲ワイヤ4のテンション情報に基づき、前記湾曲駆動手段1を受動的に制御するようになっている。
すなわち、前記内視鏡ダイナミクス23は、図37に示すように、前記湾曲駆動手段1のスプロケット近傍に相当する手元駆動ダイナミクス23Aと、図示しない内視鏡操作部から内視鏡挿入部の湾曲部近傍までの全体に配された湾曲ワイヤ4に相当するワイヤーダイナミクス23Bと、内視鏡挿入部先端部に設けられた湾曲部に相当する先端湾曲ダイナミクス23Cと、を有し、前記手元駆動ダイナミクス23Aには、前記湾曲ワイヤ4のテンション状態を検出するテンションセンサ(図示せず)が設けられている。
したがって、前記手元駆動ダイナミクス23Aは、内部のテンションセンサを用いて常時湾曲ワイヤ4のテンション状態を検出し、前記受動コントローラ20にフィードバックしている。そして、前記受動コントローラ20は、この供給されたテンション情報を元に、前記湾曲部に操作力量が印加されたか否かを判断し、印加された場合には、前記第1実施例と同様に、湾曲駆動手段1のサーボモータ7をフィードバック制御することで、アングルノブ2に反力発生させるように制御する。
したがって、本実施例によれば、湾曲ワイヤ4のテンション情報を元に、湾曲駆動手段1の受動制御を行うので、さらに前記内視鏡挿入部の挿入性及び内視鏡の操作性を向上させることができる。
なお、本発明に係る前記第1乃至第5の実施例において、内視鏡用制御装置は、内視鏡単体、処置具単体を受動制御することも可能であり、また、マスター側とスレーブ側にそれぞれ設けて接続することにより、遠隔支援システムとして、あるいは境域シュミレーションシステムとして構成することも可能であり、必要に応じて適宜必要な構成要件を組み合わせて構成しても良い。
また、被検体側から及ぼされる力によって変化する挿入部の変化量を検出する検出手段として、エンコーダ、ポテンショメータまたはトルクセンサを用いる例で説明したが、これら限定されるものではなく、挿入部に圧力センサ等のセンサを設けても良いし、挿入部に位置検出素子を内蔵して挿入部の位置を検出することで変化量を検出しても良い。
本発明は、上述した第1乃至第5実施例、変形例に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
[付記]
(1)被検体内に挿入される挿入部と、前記挿入部先端側に設けた湾曲部を湾曲動作させる電気的な湾曲駆動手段と、前記湾曲部に対する湾曲動作を指示入力する操作部を有し、この操作部の指示に応じて制御量を決定する入力手段と、前記湾曲駆動手段の変化量を検出する検出手段と、前記入力手段による制御量及び前記検出手段による変化量に基づいて前記湾曲駆動手段を制御する制御手段とを有する内視鏡用制御装置において、
前記制御手段は、前記被検体側から前記挿入部に及ぼす力を受けて、前記変化量に基づいて前記湾曲駆動手段を受動的に制御することを特徴とする内視鏡用制御装置。
(2)前記内視鏡用制御装置は、少なくとも2つの第1、第2の内視鏡用制御装置を電気的に接続してシステムを構成し、前記第1の内視鏡用制御装置の前記制御手段は、前記制御量及び前記変化量に基づいて前記第2の内視鏡用制御装置の湾曲駆動手段を制御するとともに、前記被検体側から前記挿入部に及ぼす力を受けて前記第2の内視鏡用制御装置の湾曲駆動手段を受動的に制御することを特徴とする付記(1)に記載の内視鏡用制御装置。
(3)前記第1の内視鏡用制御装置は熟練術者が使用する主検査室手術室に配置され、前記第2の内視鏡用制御装置は前記熟練術者とは別の術者が使用するもので、前記主検査室手術室とは遠隔の副検査室手術室に配置されたことを特徴とする付記(2)に記載の内視鏡用制御装置。
(4)前記制御手段は、前記制御量とは異なる別の力が前記湾曲駆動手段に印加された場合には、前記湾曲駆動手段をフィードバック制御することにより、前記別の力に対応する反力を前記操作部に発生させることを特徴とする付記(1)乃至付記(3)のいずれか1つに記載の内視鏡用制御装置。
(5)さらに、前記挿入部を進退動作させる電気的な進退駆動手段と、前記入力手段に設けられ、前記挿入部に対する進退動作を指示入力する進退操作部と、前記進退駆動手段の変化量を検出する検出手段とを有し、前記制御手段は、前記被検体側から前記挿入部に及ぼす力を受けて、前記変化量に基づいて前記湾曲駆動手段と前記進退駆動手段との少なくとも一方を受動的に制御することを特徴とする付記(1)に記載の内視鏡用制御装置。
(6)前記制御手段は、前記制御量とは異なる別の力が前記湾曲駆動手段と前記進退駆動手段との少なくとも一方に印加された場合には、前記湾曲駆動手段と前記進退駆動手段との少なくとも一方をフィードバック制御することにより、前記別の力に対応する反力を前記操作部と前記進退操作部との少なくとも一方に発生させることを特徴とする付記(5)に記載の内視鏡用制御装置。
(7)前記進退駆動手段は、前記挿入部をひねり動作させるためのひねり駆動手段を有していることを特徴とする付記(5)に記載の内視鏡用制御装置。
(8)前記制御手段は、前記制御量とは異なる別の力が前記進退駆動手段に印加された場合には、前記進退駆動手段をフィードバック制御することにより、前記別の力に対応する反力を前記進退操作部に発生させることを特徴とする付記(5)に記載の内視鏡用制御装置。
(9)さらに、前記挿入部に挿通する処置具を進退動作させる電気的な処置具進退駆動手段と、前記入力手段に設けられ、前記処置具に対する進退動作を指示入力する処置具進退操作部と、前記処置具進退駆動手段の変化量を検出する検出手段とを有し、前記制御手段は、前記被検体側から前記処置具に及ぼす力を受けて、前記変化量に基づいて前記進退駆動手段を受動的に制御することを特徴とする付記(1)に記載の内視鏡用制御装置。
(10)前記処置具進退駆動手段は、前記処置具をひねり動作させるためのひねり駆動手段を有していることを特徴とする付記(9)に記載の内視鏡用制御装置。
(11)前記制御手段は、前記制御量とは異なる別の力が前記処置具進退駆動手段に印加された場合には、前記処置具進退駆動手段をフィードバック制御することにより、前記別の力に対応する反力を前記処置具進退操作部に発生させることを特徴とする付記(9)に記載の内視鏡用制御装置。
(12)前記挿入部に挿通する処置具を全方向に駆動するマニピュレータ駆動手段と、前記処置具に対する操作を全方向に駆動させるための指示入力を行う操作部を有し、この操作部の指示に応じて制御量を決定するとともに、前記処置具の把持力覚提示が可能な入力手段と、前記マニピュレータ駆動手段の変化量を検出する検出手段と、前記入力手段による制御量及び前記検出手段による変化量に基づき前記マニピュレータ駆動手段を自動制御する制御手段とを有し、
前記制御手段は、前記変化量に基づいて前記マニピュレータ駆動手段を、前記制御量とは異なる別の力に対して受動的に制御することを特徴とする内視鏡用制御装置。
(13)前記入力手段は熟練術者が使用する主検査室手術室に配置され、前記マニピュレータ駆動手段は前記熟練術者とは別の術者が使用する、前記主検査室手術室とは遠隔の副検査室手術室に配置されたことを特徴とする付記(12)に記載の内視鏡用制御装置。
(14)前記制御手段は、前記制御量とは異なる別の力が前記マニピュレータ駆動手段に印加された場合には、前記マニピュレータ駆動手段をフィードバック制御することにより、前記別の力に対応する反力を前記入力手段に発生させることを特徴とする付記(12)に記載の内視鏡用制御装置。
(15)前記入力手段は3次元方向に対して指示入力可能な3次元入力手段であることを特徴とする(12)に記載の内視鏡用制御装置。
(16)前記3次元入力手段は、データグローブであることを特徴とする付記(15)に記載の内視鏡用制御装置。
本発明の医療用制御装置は、制御対象部である内視鏡の湾曲駆動手段、挿入部進退駆動手段、あるいは処置具進退駆動手段に対し加えられる力量を受動的に制御できるので、医療用具の内視鏡挿入部の挿入性及び操作性を向上させるのに有効であり、また、医療用制御装置を遠隔支援システムとして構成すれば、熟練術者の手技を確実に遠隔の術者に伝達可能で、低コストで実施可能な教育シュミレーションに適用できる。
本発明の内視鏡用制御装置の簡略化したブロック線図。
内視鏡用制御装置によって制御される湾曲駆動手段の具体的な構成を示す斜視図。
図2に示す湾曲駆動手段の側面図。
操作力量に伴う内視鏡用制御装置の物理的な特性を示す説明図。
従来のコントローラの具体的な構成例を示すブロック図。
内視鏡用制御装置のサーボ特性を説明するための特性図。
内視鏡制御用装置をモータ駆動機構に適用した場合の具体的な構成を示すブロック図。
本発明の内視鏡用制御装置全体の構成例を示すブロック図。
本発明の内視鏡用制御装置の第1実施例を示し、内視鏡用制御装置の受動コントローラの概略的な構成を示すブロック図。
内視鏡用制御装置を2つ接続して構成した場合のシステム全体の構成を示す構成図。
第1実施例のシステムの第1変形例を示す構成図。
第1実施例の内視鏡用制御装置の第2変形例を示し、内視鏡用制御装置全体の構成を示すブロック図。
第2変形例の内視鏡用制御装置の具体的な構成を示す構成図。
図13に示すジョイスティックの具体的な構成を示す構成図。
本発明の内視鏡用制御装置の第2実施例を示し、内視鏡用制御装置の全体構成を示す構成図。図
図15に示す挿入部ドライブユニットの全体構成を示す構成図。
図16に示す挿入部ドライブユニットの構成を説明するための構成図。
第2実施例の内視鏡制御装置の第1変形例を示し、改良された挿入部ドライブユニットの構成を示す構成図。
図18に示す挿入部ドライブユニットの第2変形例を示す平面図。
本発明の内視鏡用制御装置の第3実施例を示し、内視鏡用制御装置全体の構成を示す構成図。
図20に示す挿入部ドライブユニットの構成を説明するための構成図。
第3実施例の操作部の第1変形例を示す構成図。
第3実施例の操作部の第2変形例を示す構成図。
本発明の内視鏡用制御装置の第4実施例を示し、内視鏡用制御装置全体の構成を示す構成図。
図24に示す処置具鉗子操作部の具体的な構成例を示す構成図。
図24に示す処置具進退入力部の具体的な構成を示す構成図。
第4実施例の内視鏡制御装置の第1変形例を示す全体構成図。
図27の処置具鉗子操作部の具体的な構成を示す構成図。
第4実施例の処置具鉗子操作部の第2変形例を示す構成図。
第4実施例の内視鏡用制御装置の第3変形例を示し、スレーブ側の固定ユニットの構成を示す構成図。
第4実施例の内視鏡用制御装置の第4変形例を示し、図30の固定ユニットに改良を施した場合の固定ユニットの構成を示す構成図。
第4実施例の内視鏡用制御装置の第5変形例を示し、内視鏡用制御装置の全体構成を示す構成図。
本発明の内視鏡用制御装置の第5実施例を示し、内視鏡用制御装置全体の構成を示す構成図。
図33に示す処置具鉗子操作部の具体的な構成例を示す構成図。
第5実施例の処置具鉗子操作部の第1変形例を示す構成図。
第5実施例の処置具鉗子操作部の第2変形例を示す構成図。
本発明の内視鏡用制御装置の第6実施例を示し、内視鏡用制御装置全体の構成を示すブロック図。
符号の説明
1、1A、1a…湾曲駆動手段、
2、2A…アングルノブ、
3、3A…スプロケット、
4…湾曲ワイヤ、
5A、5B、5B1、5C、5C1、5D、5D1…駆動ギア、
6、6A…ポテンショメータ、
7…サーボモータ、
8…コントローラ(マスター側コントローラコントローラ)、
8A…スレーブ側コントローラ、
9…制御対象部、
9a…ばね、
9b…ダンパ、
10…位置指令コントローラ、
11…速度指令コントローラ、
12…トルク指令コントローラ、
13…統合管理ユニット、
14…指令信号入力部、
15…駆動機構パラメータ変換演算ユニット、
16…モータ位置指令演算ユニット、
18、18a…モータアンプ、
19、19a…入力手段インターフェイス、
20、20A…受動コントローラ、
20A、20B…接続線、
20a…位置信号入力部、
20b…モータ駆動信号出力部、
20b…位置信号出力部、
20c…リファレンス信号入力部、
20d…位置信号出力部<
20e…リファレンス信号出力部、
21…モータダイナミクス、
22…ギアダイナミクス、
23…内視鏡ダイナミクス、
25…アクチュエータ駆動部、
26…スイッチ、
26b…モータ駆動信号出力部、
27…ジョイスティック、
28…操作固定部、
29…ジョイスティック操作レバー、
29a…支持部材、
29b…把持部、
30…駆動カム、
31…駆動ギア、
32…サーボモータ、
35…挿入部進退入力部、
36…挿入部ドライブユニット。
代理人 弁理士 伊 藤 進