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JP2005131036A - センサシート - Google Patents

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Abstract

【課題】検出精度を確保しつつ、携帯性も実現し、被験者が自宅での検査のために持ち運びすることが容易になるセンサシートを提供する。
【解決手段】センサシート2は、上PUフィルム20、感圧素子層22、PVCシート、下PUフィルム21が積層されて形成され、感圧素子層22及びPVCシートが3分割されていることで、折り曲げ部28にてセンサシート2を折り曲げ可能である。人間の頸側点高と股下高との間の範囲にて測定すれば、呼吸周波数が出現する範囲のほぼ全体を捉えることができ、例えば平均的な日本人の成人であれば800mm程度の長さが相当する。したがって、センサシート2の縦長を例えば800mmとすれば、セミダブルベッドに設置する場合でも横幅は1200mm程度であるため、3つ折りすれば、400mm×800mmのサイズとなり、十分に携帯容易なサイズとなる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、生体情報検出に用いるセンサシートに関する。
従来より、例えば睡眠時無呼吸症候群による、就寝者の無呼吸状態もしくは低呼吸状態を測定する装置として特許文献1に記載されたものがある。この従来装置は、寝具の下部に挿入された複数の感圧素子を有するセンサシート、制御器、及び就寝者の呼吸数、血中酸素飽和度の低下回数等の表示を行うモニタ等を備えている。
この内、センサシートは、印加加重に応じて電気抵抗が変化する感圧素子を等間隔に複数個シート状部材に配置したものであり、ベッドに設置された敷き布団等の寝具の下部に挿入される。制御器は、各感圧素子の出力する荷重信号から就寝者の呼吸数に対応する周波数帯域の信号成分である呼吸体動信号を生成する。この呼吸体動信号の振幅の変化パターンから、閉塞性無呼吸時に発生する血中酸素飽和度の低下を判定するとともに、その血中酸素飽和度の低下の回数をモニタに表示する。
特開2001−37742号公報
しかしながら、このような従来装置においては、センサシートをベッド全面に配置することとなり、基本的にそのような検査用のベッドとして固定的に備えておくケースに対応している。ところが、現実的には、被験者(患者も含む意味)が検査の度にそのようなベッドが設置された病院等の施設に来ることは不便であり、被験者が自宅に持ち帰って自宅のベッド等で就寝しながら検査できることが望ましい。このようなタイプの検査装置としては、人体に各種センサを貼り付けて行うものがあるが、これはセッティングに時間がかかり、使い勝手が悪い。
それに対して従来装置のようなセンサシートタイプは、その上に就寝するだけでよいため、使い勝手はよいが、上述のようにセンサシートをベッド全面に配置するため大型のシートとなり、そのようなセンサシートを含む検査装置一式を病院等の施設から自宅に持ち帰ることは容易ではない。
もちろん、小型なだけで検出精度が悪くなっては意味がない。
そこで本発明は、このような問題に鑑みなされたものであり、検出精度を確保しつつ、携帯性も実現し、被験者が自宅での検査のために持ち運びすることが容易になるセンサシートを提供することを目的とする。
上記目的を達成するためになされた本発明のセンサシートは、例えば呼吸情報等の生体情報を検出装置に用いられるものであり、略長方形状のシート状部材に所定の分布で配置され、圧力又は振動を感知する複数の感知素子を備えている。そして、そのシート状部材の横幅は、就寝者が寝返り等によって横方向に移動した場合の所定範囲内において感知素子が存在する最低限の長さとされており、一方、シート状部材の縦長は、就寝者の胴部に対応する所定範囲内において感知素子が存在する最低限の長さとされている。
従来のセンサシートはベッド全面に配置されていたため検査用のベッドとして固定的に備えておくケースに対応していたが、本発明のセンサシートは、上述のようなサイズである上に折りたたみ可能であるため、コンパクトとなって携帯性が上がり、例えば被験者が自宅に持ち帰って使用することも容易にできる。なお、被験者が自宅に持ち帰って自宅のベッド等で就寝しながら検査するタイプの従来装置としては人体に各種センサを貼り付けて行うものがあるが、セッティングに時間がかかって使い勝手が悪い。それに対して本発明の場合には、単に就寝者下に敷くだけでよく、セッティングは非常に簡単である。
また、それでいて、呼吸情報等を検出する上で必要な胴部に対応する所定範囲及び就寝中に寝返り等で横方向に移動した場合の所定範囲においては感知素子が存在するようにされているため、検出精度もよい。
ところで、シート状部材の横幅に関しては、現実的には例えばセミダブルのベッドに配置することを想定すれば、ベッド幅の1200mmあれば十分であり、シングルベッドであれば当然ながら対応可能である。
一方、縦長については、検出対象や精度等を勘案して例えば次のような工夫が考えられる。なお、(1)〜(3)はサイズが大きい順に説明してある。
(1)就寝者の頸側点高と股下高との間隔に基づいて規定する。
これは、「胴部全体」に対応する長さであり、例えば生体情報として呼吸情報を検出する場合を想定すれば、呼吸運動はそれ自身の運動に伴い重心が縦方向に若干移動する。それにより、胸部下、及び臀部下で強く呼吸に伴う周波数が位相違いで出現する。この呼吸周波数が出現する範囲全体を捉え、呼吸による荷重変化すべてを検出することができ、そのような目的であればこのようなサイズが好ましい。例えば、平均的な日本人の成人であれば、800mm程度の長さが相当する。
(2)就寝者の頸側点高と腰骨との間隔に基づいて規定する。
これは、「上胴部」に対応する長さであり、例えば生体情報として呼吸情報を検出する場合を想定すれば、このような上胴部のみについての呼吸情報を得ても十分な精度の検出結果が得られる。例えば、平均的な日本人の成人であれば、450mm程度の長さが相当する。
(3)就寝者の身長方向における胸部の長さに基づいて規定する。
これは、「胸部」に対応する長さであり、例えば生体情報として呼吸情報を検出する場合を想定すれば、胸部呼吸周波数のみを検出することを目的とする場合には、このような範囲の検出のみで十分である。例えば、平均的な日本人の成人であれば、60mm程度の長さが相当する
このように、例えば60mm程度の長さであれば、横方向に折りたたむことによってセンサシート全体として非常にコンパクトになり、携帯性が非常に向上する。もちろん、これは胸部呼吸周波数のみを検出するような場合であるが、そのような検出で十分な被験者(患者)にとっては、非常に有効である。そして、(1)に示すサイズが最大の場合であるが、それでも800mm程度であるため、やはり容易に携帯可能なレベルである。
また、折りたたみ可能な構成に関してさらに説明すると、この折りたたみは、2つ折りであってもよいし、3つ折り以上であってもよい。その場合、折りたたむ場合の山(あるいは谷)部分には感知素子が存在しないように配置する必要がある。このような配置自体は簡単に実現できるが、感知素子として、例えばシート状部材の片面側に突出して配置された伝達子がシート状部材内部に配置されたセンサ部に圧力又は振動を伝達する構成を採用した場合には、次の点については考慮が必要である。つまり、伝達子が突出している面同士が対向するように折りたたむ場合、伝達子同士が当接した状態が継続するとセンサ部の精度が低下してしまう。例えばセンサ部をフィルム樹脂で構成した場合には長年にわたる使用、保管を考えるとクリープが起こり精度が低下するのである。これによって、感知素子としての耐久特性に影響を及ぼしてしまう。そこで、伝達子同士が対向するようにシート状部材を折りたたむ際、伝達子同士が当接しないよう、感知素子単体単位又は複数の感知素子で構成される感知素子列単位で略千鳥状に配置すればよい。
なお、伝達子同士の当接を防止するためには、上述のように感知素子単体単位又は複数の感知素子で構成される感知素子列単位で略千鳥状に配置すればよいが、感知素子単体で千鳥状に配置すれば、シート状部材において感知素子を均一に配置することができ、生体情報を適切に検出する上では、このような均一配置の方が好ましいと考えられる。
ところで、このようなセンサシートは、ベッド等の寝具の上に敷いて使用することとなるが、その寝具の状態によっては感知素子の圧力又は振動変化のばらつきが生じる場合がある。つまり、柔らかい寝具の場合には就寝者の重みによってその部分の感知素子が下方に過剰に移動してしまい、真の荷重又は振動に対応した検出信号を出力できなくなってしまう。そこで、硬質シート部によって寝具の柔軟性による感知素子の下変位のばらつきを低減し、感知素子の圧力又は振動変化のばらつきを低減することが考えられる。なお、感知素子の下変位を完全になくすためには剛性が非常に高い硬質シート部を採用すればよいが、それでは就寝時の寝心地が悪く、入眠自体を妨げる可能性もあるため、感知素子の圧力又は振動変化のばらつきが許容できる程度低減できれば、寝心地の方も考慮した硬さのシート部とすることが好ましい。そして、このような硬質シート部がシート状部材の全面に配置されると折りたたみできなくなるため、折りたたみ部分において分割するとよい。
また、シート状部材については、上面及び下面にフィルム状保護部を配置され、そのフィルム状保護部の間に感知素子を配置して外部雰囲気から隔離させることも考えられる。このようにすれば、例えば就寝者の失禁、汗等によって感知素子の検出性能が影響されないようにすることができ、また耐久性の面でも有効である。
そして、このフィルム状保護部を透明にすれば、内部構造が見やすくなり、例えば断線その他の不具合が生じた場合にその原因を発見し易くなる。なお、透明は、無色透明でも良いし有色透明であっても良い。
なお、その他にも、フィルム状保護部の内部に、メンテナンスが必要な部位(例えば制御ボックス等)を配置した場合には、その部分をメンテナンスする際の利便性のために、開閉可能なメンテナンス孔を設けることも好ましい。
以下、本発明が適用された実施例について図面を用いて説明する。尚、本発明の実施の形態は、下記の実施例に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
図1は実施例のセンサシート2を備えた生体情報検出装置1の概略構成を示す説明図であり、図2(a)は、その一部分の断面(図1のA−A断面)図である。
図1に示すように、生体情報検出装置1はセンサシート2と制御部3とを備えており、長方形状のセンサシート2の端部(本実施例では正面から見て右肩部分)に制御部3が取り付けられている。本実施例の生体情報検出装置1は、例えば図4に示すようにベッド50に敷いて使用される。このベッド50は、敷布団等の敷き寝具60を載置するための載置部51と、載置部51の端部から立設された背板部52とからなり、生体情報検出装置1はベッド50の載置部51に設置された敷き寝具60の下部に挿入されて使用される。
なお、生体情報検出装置1は、ベッド50上に就寝者が横になったときに就寝者の胴部に対応するように、載置部51の中央部より背板部52側に設置される。
[センサシート2について]
図1及び図2を参照して、まずセンサシート2について説明する。
センサシート2は、図2(a)の断面図に示すように複数の層から構成されており、上から順番に、上PUフィルム20、感圧素子層22、PVCシート26、下PUフィルム21が積層されて形成されている。
上PUフィルム20及び下PUフィルム21は、軟質且つ透明のポリウレタン樹脂フィルムであり、「フィルム状保護部」に相当する。この上PUフィルム20及び下PUフィルム21はセンサシート2全体の形状と同じ長方形状をしており、それら4辺同士が接続している。その結果、内部の感圧素子層22等が外部雰囲気から隔離されることとなる。
感圧素子層22は、長方形状のセンサシート2の長手方向に3等分されて配置されている。それら3等分された各感圧素子層22は同じ構成となっており、印加荷重に応じて電気抵抗が変化(減少)する「感知素子」としての感圧素子221がそれぞれ55個、規則的に配置されている。具体的には、センサシート2の長手方向と直交する方向に6個並ぶ列と5個並ぶ列とが交互に総計10列配置されると共に、隣接する列同士において感圧素子221が千鳥状に配置されている。各感圧素子層22において感圧素子221の配置は同じであり、3等分された各感圧素子層22同士の境界部分においても、一方の感圧素子層22における6個感圧素子221が並んだ列と、他方の感圧素子層22における5個感圧素子221が並んだ列とが隣接することとなるため、やはりこれらの列同士においても感圧素子221が千鳥状に配置されることとなる。また、これら各感圧素子221の上面側には、図2(a)に示すように「伝達子」としてのゴム圧子221aが粘着剤や接着剤等によって固定されている。
なお、感圧素子層22は、センサシート2をベッド50の載置部51に設置した場合に背板部52側に位置する所定範囲には感圧素子221が配置されておらず、その部分にセンサ選択部23が配置されている。そして、3つの感圧素子層22それぞれに配置されたセンサ選択部23同士はフィルム型配線24によって接続されており、図1中において再右側のセンサ選択部23は制御部3と接続されている。また、図1では、各感圧素子221とセンサ選択部23とを電気的に接続する配線パターンの図示は省略しているが、各感圧素子221を含む回路に電圧が印加されているときに、印加荷重に応じて感圧素子221の電気抵抗が変化することにより、感圧素子221による降下電圧値が増減するので、この降下電圧値の変化に基づいて印加荷重を感圧素子221毎に独立して検出できるようになっている。
なお、上PUフィルム20には、センサ選択部23が配置されている各部分において開閉可能なメンテナンス孔25が形成されている。具体的には、センサ選択部23よりもやや大きめのメンテナンス孔25を形成し、そのメンテナンス孔25よりもやや大きな上PUフィルム20によってそのメンテナンス孔25を開閉可能に覆うようにする。このようにすれば、センサ選択部23やそれら同士を接続するフィルム型配線24等のメンテナンスを行う場合に利便性が向上する。
一方、PVCシート26は、硬質の塩化ビニール樹脂シートであり、「硬質シート部」に相当する。PVCシート26も感圧素子層22と同様の形状をしており、長方形状のセンサシート2の長手方向に3等分されて配置されている。このPVCシート26の硬質度合いに関しては、次のような点を考慮することが好ましい。つまり、センサシート2は、上述のようにベッド50等の上に敷いて使用することとなるが、その寝具の状態によっては感圧素子221の圧力変化のばらつきが生じる場合がある。つまり、柔らかい寝具の場合には就寝者の重みによってその部分の感圧素子221が下方に過剰に移動してしまい、真の加重に対応した圧力信号を出力できなくなってしまう。そこで、このPVCシート26によって寝具の柔軟性による感圧素子221の下変位のばらつきを低減し、感圧素子221の圧力変化のばらつきを低減するようにした。感圧素子221の下変位を完全になくすためには剛性が非常に高いPVCシート26を採用すればよいが、それでは就寝時の寝心地が悪く、入眠自体を妨げる可能性もあるため、感圧素子221の圧力変化のばらつきが許容できる程度低減できれば、寝心地の方も考慮した硬さとすることが好ましい。
なお、上PUフィルム20及び下PUフィルム21としてポリウレタン樹脂フィルム、PVCシート26として塩化ビニール樹脂シートを具体例として挙げたが、これに限定されることなく、他の樹脂フィルムや樹脂シートであってもよい。さらには樹脂製でないフィルムやシートであってもよい。
上述したような上PUフィルム20、感圧素子層22、PVCシート26、下PUフィルム21の構成であるため、図1に示す折り曲げ部28においては感圧素子層22及びPVCシート26が存在せず、上PUフィルム20及び下PUフィルム21のみ存在する。そして、図2(a)に示すように、これら上PUフィルム20及び下PUフィルム21同士は接合されており、その折り曲げ部28においてセンサシート2を折り曲げ可能に構成されている。なお、一部にはフィルム型配線24が存在するが、このフィルム型配線24は折り曲げ耐久性の強いものと使用しているため、折り曲げに際しては特に支障はない。本実施例では、図1における右側の折り曲げ部28を谷折り、左側の折り曲げ部28を山折りにし、図2(b)に示すように3つに折りたたむことができるようになっている。そして、このように折りたたんだ場合、上PUフィルム20が設けられている面同士が当接することとなるが、図1に示すように感圧素子221が千鳥状に配置されているため、折りたたんだ際にゴム圧子221a同士が当接(干渉)することはない。
[センサシート2のサイズについて]
ここで、センサシート2のサイズに関してさらに説明する。本実施例では、横幅はベッド50の幅に合わせてあるが、縦長については、検出対象や精度等を勘案していくつかのバリエーションが考えられる。図5には、就寝者の身体部位に対応する呼吸周波数のパワースペクトルを示した。本来はカラー画像であるが、概略的に説明すると、身体形状内において色が付いている部分が所定レベル以上のパワースペクトルが得られた部位である。その内、胸付近は強いパワースペクトルが得られ、腰の中心付近にやや強いパワースペクトルが得られ、それ以外は弱いパワースペクトルが得られた。このような呼吸周波数のパワースペクトルの発生分布及び強度分布を勘案して、次の3種類のバリエーションを説明する。
(A)就寝者の頸側点高と股下高との間隔に基づいて規定する。
図5を参照すると、頸側点高と股下高との間の範囲にて測定すれば、呼吸周波数が出現する範囲のほぼ全体を捉えることができ、呼吸による荷重変化すべてを検出することができる。例えば、平均的な日本人の成人であれば800mm程度の長さが相当する。なお、ベッドをセミダブルと想定すると幅が1200mm程度であるため、3つ折りすれば、400mm×800mmのサイズとなり、十分に携帯容易なサイズとなる。
(B)就寝者の頸側点高と腰骨との間隔に基づいて規定する。
図5を参照すると、腰の部分の情報がなくても十分な精度の呼吸情報が得られると考えられるため、いわゆる「上胴部」部分の呼吸情報を検出してサイズダウンと計ったものである。例えば、平均的な日本人の成人であれば450mm程度の長さが相当し、上述の場合と同様に3つ折りすれば、400mm×450mmのサイズとなって、携帯が非常に容易となる。
(C)就寝者の身長方向における胸部の長さに基づいて規定する。
図5を参照すると、胸部分において強いパワースペクトルが得られているため、最低限この部分の情報が検出できれば、それなりの精度での呼吸情報を得ることができる。したがって、よりサイズダウン(ひいてはコストダウン)を望む場合には、このようなサイズであってもよい。例えば、平均的な日本人の成人であれば60mm程度の長さが相当し、上述の場合と同様に3つ折りすれば、400mm×60mmというバッグ等にも簡単に収納できるサイズとなり、携帯がより一層容易となる。
[感圧素子221の配置ピッチについて]
感圧素子221を配置する場合の間隔(ピッチ)については、次の観点で工夫することが考えられる。図6は、呼吸周波数成分が他周波数成分より10dB以上の胸部長内面積より算出した結果を示している。実験の詳細は省略するが、本実験からは、体重と呼吸周波数が出現する最低限の面積との関係として、
体重が15キログラムの小児で0.0056m2
体重が40キログラムの成人で0.025m2
という結果が得られた。したがって、このような面積に対応するよう、感圧素子221の配置ピッチとしては、小児は7cm以下、成人は15cm以下とすることが考えられる。なお、小児用、成人用という専用の配置ピッチのセンサシート2を準備してもよいが、例えば小児用の細かい配置ピッチにしておき、成人用として使用する場合は、一つおきの感圧素子221を有効にして使用しても良い。このようにすれば、小児用、成人用というように別々のセンサシート2を準備しなくてもよい。
[制御部3について]
次に、制御部3について説明する。
制御部3は、図3のブロック図に示すように、A/D変換器31、マイコン32、メモリ33及び表示部34によって構成される。そして、制御部3においては、感圧素子層22の各感圧素子221の荷重信号をセンサ選択部23によって順次選択していき、A/D変換器31によってアナログ値である荷重信号をデジタル値に変換した値(以下、AD値)をマイコン32に取り込む。このとき、 マイコン32は、入力すべき荷重信号を切り換えるためにセンサ選択部23にスイッチング信号を与える。このような動作を繰り返すことにより、マイコン32は、全ての感圧素子221から周期的に荷重信号を取り込みメモリ33に記憶させる。
そして、マイコン32は記憶された荷重信号に基づき、所定の処理プログラムに基づく手順に従って処理を行い、呼吸曲線(呼吸信号)を生成するとともに、その呼吸曲線に基づいて判定される無呼吸状態や低呼吸状態の発生回数や時間等を表示部34に出力する。表示部34では、呼吸曲線、無呼吸状態や低呼吸状態の発生回数や時間等を数値あるいはグラフ表示する。
[効果]
(1)本実施例のセンサシート2は、上述の[センサシート2のサイズについて]における(A)の場合であっても、縦長が800mmのサイズで済み、3つ折りした場合には400mm×800mmのサイズとなって十分に携帯容易なサイズとなる。
従来のセンサシートはベッド全面に配置されていたため検査用のベッドとして固定的に備えておくケースに対応していたが、本実施例の場合にはコンパクトとなって携帯性が上がり、例えば被験者が自宅に持ち帰って使用することも容易にできる。なお、被験者が自宅に持ち帰って自宅のベッド等で就寝しながら検査するタイプの従来装置としては人体に各種センサを貼り付けて行うものがあるが、セッティングに時間がかかって使い勝手が悪い。それに対して本実施例のセンサシート2の場合には、単に就寝者下に敷くだけでよく、セッティングは非常に簡単である。
また、それでいて、呼吸情報等を検出する上で必要な胴部に対応する所定範囲及び就寝中に寝返り等で横方向に移動した場合の所定範囲においては感圧素子が存在するようにされているため、検出精度もよい。
(2)感圧素子221が千鳥状に配置されているため、折りたたんだ際にゴム圧子221a同士が当接(干渉)することはない。ゴム圧子221a同士が当接した状態が継続すると感圧素子221としての耐久特性に影響を及ぼしてしまいセンサ精度が低下してしまうが、このような配置にすることでゴム圧子221a同士の干渉を防止し、耐久特性を向上させることができる。
(3)上PUフィルム20及び下PUフィルム21によって内部の感圧素子層22等が外部雰囲気から隔離されているため、例えば就寝者の失禁、汗等によって感圧素子の検出性能が影響されないようにすることができ、また耐久性の面でも有効である。
また、上PUフィルム20及び下PUフィルム21は透明であるため、感圧素子221やゴム圧子221a、センサ選択部23やフィルム型配線24等の内部構造が見やすくなり、例えば断線その他の不具合が生じた場合にその原因を発見し易くなる。
[他の実施例]
(a)上記実施例ではセンサシート2を3つ折りにたたんだが、2つ折りでもよいし、4つ折り以上であっても良い。折りたたみ数に応じた数だけ、感圧素子層22及びPVCシート26を分割して配置すればよい。
(b)上記実施例では、感圧素子221単体単位で千鳥状に配置されるようにして、折りたたんだ際のゴム圧子221a同士の干渉を防止するようにした。しかし、例えば図7に示すように、列単位で千鳥状に配置しても同様の効果が得られる。例えば図7(a)の場合には、横方向、したがって、ベッド等に設置した場合には就寝者の身長方向と直交する方向に所定数の感圧素子が並んだ列の単位で千鳥状に配置されている。一方、図7(b)の場合には、縦方向、したがって、ベッド等に設置した場合には就寝者の身長方向に所定数の感圧素子が並んだ列の単位で千鳥状に配置されている。これらの場合であっても、折り曲げ部28にて折り曲げた場合、列単位の感圧素子同士は干渉しない。
但し、感圧素子221をより均一な配置をする場合には上記実施例にて説明したように、感圧素子221単体単位で千鳥状に配置した方が好ましい。呼吸情報等の生体情報を適切に検出する上では、均一配置の方が好ましいと考えられる。
(c)上記実施例では、感知素子の例として感圧素子221を採用したが、圧力を感知する代わりに振動を感知する感知素子を採用することもできる。その場合の振動感知素子としては、ピエゾフィルム素子やPVDF素子等を用いることが考えられる。
実施例のセンサシート2を備えた生体情報検出装置1の概略構成を示す説明図である。 (a)は図1のA−A断面図、(b)はセンサシート2を折りたたむ場合の説明図である。 生体情報検出装置1における制御部3の回路構成を示すブロック 図である。 生体情報検出装置1をベッドに設置した状態を示す説明図である。 就寝者の身体部位に対応する呼吸周波数のパワースペクトルを示す説明図である。 呼吸周波数成分が他周波数成分より10dB以上の胸部長内面積より算出した結果を示す説明図である。 列単位で感圧素子を千鳥状に配置する場合の説明図である。
符号の説明
1…生体情報検出装置、2…センサシート、3…制御部、20…上PUフィルム、21…下PUフィルム、22…感圧素子層、23…センサ選択部、24…フィルム型配線、25…メンテナンス孔、26…PVCシート、28…折り曲げ部、31…A/D変換器、32…マイコン、33…メモリ、34…表示部、50…ベッド、51…載置部、52…背板部、60…敷き寝具、221…感圧素子、221a…ゴム圧子。

Claims (8)

  1. 略長方形状のシート状部材と、当該シート状部材に所定の分布で配置され、圧力又は振動を感知する複数の感知素子を備え、就寝者下に配置して前記就寝者からの荷重又は振動に対応した信号を出力するセンサシートであって、
    前記シート状部材の横幅は、前記就寝者が寝返り等によって横方向に移動した場合の所定範囲内において前記感知素子が存在する最低限の長さとされ、一方、前記シート状部材の縦長は、前記就寝者の胴部に対応する所定範囲内において前記感知素子が存在する最低限の長さとされ、
    さらに、前記シート状部材は、少なくとも前記横幅方向に折りたたみ可能に形成されていること
    を特徴とするセンサシート。
  2. 請求項1に記載のセンサシートにおいて、
    前記シート状部材の縦長は、前記就寝者の頸側点高と股下高との間隔に基づいて規定されていること
    を特徴とするセンサシート。
  3. 請求項1に記載のセンサシートにおいて、
    前記シート状部材の縦長は、前記就寝者の頸側点高と腰骨との間隔に基づいて規定されていること
    を特徴とするセンサシート。
  4. 請求項1に記載のセンサシートにおいて、
    前記シート状部材の縦長は、前記就寝者の身長方向における胸部の長さに基づいて規定されていること
    を特徴とするセンサシート。
  5. 請求項1〜4の何れかに記載のセンサシートにおいて、
    前記感知素子は、前記シート状部材の片面側に突出して配置された伝達子がシート状部材内部に配置されたセンサ部に圧力又は振動を伝達するよう構成されており、さらに前記感知素子は、前記伝達子同士が対向するように前記シート状部材を折りたたむ際、前記伝達子同士が当接しないよう、前記感知素子単体単位又は複数の感知素子で構成される感知素子列単位で略千鳥状に配置されていること
    を特徴とするセンサシート。
  6. 請求項1〜5の何れかに記載のセンサシートにおいて、
    前記シート状部材は、ベッド等の寝具上に敷いた場合に当該寝具の柔軟性によって前記感知素子の下変位のばらつきを低減可能な程度の硬質シート部を備えており、
    さらに、前記硬質シート部は、前記折りたたみ部分において分割されていること
    を特徴とするセンサシート
  7. 請求項1〜6の何れかに記載のセンサシートにおいて、
    前記シート状部材は、上面及び下面にフィルム状保護部が配置され、そのフィルム状保護部の間に前記感知素子を配置して外部雰囲気から隔離させたこと
    を特徴とするセンサシート。
  8. 請求項1〜6の何れかに記載のセンサシートにおいて、
    前記フィルム状保護部は透明であることを特徴とするセンサシート。
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