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JP2005129327A - イオン発生素子並びにそれを備えたイオン発生装置及び電気機器 - Google Patents

イオン発生素子並びにそれを備えたイオン発生装置及び電気機器 Download PDF

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JP2005129327A
JP2005129327A JP2003362876A JP2003362876A JP2005129327A JP 2005129327 A JP2005129327 A JP 2005129327A JP 2003362876 A JP2003362876 A JP 2003362876A JP 2003362876 A JP2003362876 A JP 2003362876A JP 2005129327 A JP2005129327 A JP 2005129327A
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Yoshinori Sekoguchi
美徳 世古口
Ichiro Tokai
伊知郎 東海
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Abstract

【課題】 オゾン発生量の低減及び放電状態の安定化を図ることができるイオン発生素子を提供する。
【解決手段】 誘電体1と、誘電体1の内部に形成された誘導電極2と、誘電体1の表面に形成された放電電極3と、を備え、放電電極3は複数の突出部3aと複数の突出部3aを連結する連結部3bとから成り、複数の突出部3aのみが誘導電極2と対向する箇所を有し、連結部3bは誘導電極2と対向する箇所を有さないことを特徴とするイオン発生素子。
【選択図】 図1

Description

本発明は、イオン発生素子並びにそれを備えたイオン発生装置及び電気機器に関するものである。
一般に、事務所や会議室など、換気の少ない密閉化された部屋では、室内の人数が多いと、呼吸により排出される二酸化炭素、タバコの煙、埃などの空気汚染物質が増加するため、人間をリラックスさせる効能を有するマイナスイオンが空気中から減少していく。特に、タバコの煙が存在すると、マイナスイオンは通常の1/2〜1/5程度にまで減少することがあった。そこで、空気中のマイナスイオンを補給するため、従来から種々のイオン発生装置が市販されている。
しかしながら、従来の放電現象を利用したイオン発生装置は、主として負電位の直流高電圧方式でマイナスイオンを発生させるものであり、その目的はリラックス効果を訴求するものであった。そのため、このようなイオン発生装置では、空気中にマイナスイオンを補給することはできるものの、空気中の浮遊細菌等を積極的に除去することはできなかった。
この問題点を解決する発明として、プラスイオン、マイナスイオンの両極性のイオンを放出して、空気中にプラスイオンであるH+(H2O)mと、マイナスイオンであるO2 -(H2O)n(m、nは自然数)を略同等量発生させることにより、両イオンが空気中の浮遊カビ菌やウィルスの周りを取り囲み、その際に生成される活性種の水酸基ラジカル(・OH)の作用により、前記浮遊カビ菌等を不活化することが可能なイオン発生装置に関する発明が本発明者等によってすでになされている(例えば、特許文献1を参照)。
なお、上記の発明については、本願出願人によって既に実用化され、実用機には、セラミックの誘電体を挟んで外側に放電電極、内側に誘導電極を配設した構造のイオン発生装置、及びこれを搭載した空気清浄機や空気調和機などがある。
誘電体を挟んで放電電極と誘導電極の間に高圧電圧を印加して放電させる電極構造において電界集中させるために放電電極に先鋭部を設けることはオゾナイザ、イオン発生器に共通して用いられる方策であるが、イオン発生器の場合オゾンの発生を極力抑え、かつ、イオン量を多く発生するようにしなければならない。本発明者等は、イオン発生器においてオゾンの発生を極力抑え、かつ、イオン量を多く発生するためには放電電極に設ける先鋭部の適度なピッチ(間隔)及び放電電極と誘導電極との配置を考慮する必要があることを見出し、これに関する発明についての特許出願が本出願人によって既になされている(特許文献1)。
特開2003−47651号公報 特開平2−164377号公報
特許文献1に開示されているイオン発生素子はイオン発生効率の向上とオゾン発生量を低減させるために放電箇所のピッチ(間隔)を最適化するとともに放電電極と誘導電極とが交差する箇所を少なくする構成となっているが、電極の放電状態や電界分布を確認すると、本来放電させるべき設計上の電界集中部以外にも放電電極と誘導電極との交差部で放電が起きていることがわかった。
特許文献1に開示されているイオン発生素子の一部を拡大した上面図を模式的に示した図5を参照して具体的に説明すると、本来放電させるべき設計上の電界集中部は放電電極10の先鋭部の先端付近12であるが、放電電極10と誘導電極11との交差部における放電電極のエッジ付近13でも、印加電圧がある値以上になると放電が起きている。ここで、放電電極10と誘導電極11とが交差するとは、イオン発生素子を放電電極10側から2次元的に見たとき、放電電極10と誘導電極11が十文字(交差する角度にかかわらず)に交わることを意味する。
そして、この放電電極と誘導電極との交差部における放電が余計なオゾンの発生要因や放電状態のばらつきの要因になっていた。
本発明は、上記の問題点に鑑み、オゾン発生量の低減及び放電状態の安定化を図ることができるイオン発生素子並びにそれを備えたイオン発生装置及び電気機器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明に係るイオン発生素子においては、誘電体と、前記誘電体の内部に形成された誘導電極と、前記誘電体の表面に形成された放電電極と、を備え、前記放電電極は複数の放電部と前記複数の放電部を連結する連結部とから成り、前記複数の放電部のみが前記誘導電極と対向する箇所を有し、前記連結部は前記誘導電極と対向する箇所を有さない構成としている。このような構成によると、放電電極の不要な部分と誘導電極とが交差しないので、余計なオゾンの発生要因や放電状態のばらつき要因となる放電が起きなくなり、オゾン発生量の低減及び放電状態の安定化を図ることができる。
また、前記複数の放電部を三角形形状にしてもよい。放電部を三角形形状にすると、三角形形状の先端で電界集中度を上げることができ、よりイオンを発生させやすくすることができる。
また、前記放電電極と略帯形状の前記誘導電極との位置関係が設計に対して前記誘導電極の短手方向にずれた場合に、前記複数の放電部において前記誘導電極と対向する面積が増加する放電部と前記誘導電極と対向する面積が減少する放電部が存在するように、前記複数の放電部を配設するようにしてもよい。これにより、誘導電極と放電電極との位置関係が設計に対してずれても電界集中度の変動を少なくすることができる。
上記目的を達成するために本発明に係るイオン発生素子においては、上記いずれかの構成のイオン発生素子と、前記イオン発生素子に電圧を供給して電圧印加回路と、を備える構成とする。これにより、イオンを発生する際のオゾン発生量の低減及び放電状態の安定化を図ることができる。
また、上記構成のイオン発生装置は、プラスイオンとマイナスイオンを発生する構成にするとよい。より具体的には、プラスイオンとしてH+(H2O)mを発生し、マイナスイオンとしてO2 -(H2O)n(m、nは自然数であり、H2Oが複数個付いていることを意味する)を発生する構成にするとよい。このように空気中にH+(H2O)mとO2 -(H2O)nを略同等量発生させることにより、両イオンを空気中の浮遊細菌等に付着させ、その際に生成させる活性種の水酸基ラジカル(・OH)の作用により、前記浮遊細菌等を不活性化することが可能となる。
上記目的を達成するために本発明に係る電気機器においては、上記構成のイオン発生装置と、前記イオン発生装置で発生したイオンを空気中に送出する送出手段と、を備える構成とする。このような構成によると、機器本来の機能に加えて、搭載したイオン発生装置で空気中のイオン量やイオンバランスを変化させ、室内等の環境を所望の雰囲気状態とすることが可能となる。
本発明によると、オゾン発生量の低減及び放電状態のばらつき低減を図ることができるイオン発生素子並びにそれを備えたイオン発生装置及び電気機器を実現することができる。
本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。本発明の第一実施形態に係るイオン発生素子の上面図、X−X断面図、Y−Y断面図、Z−Z断面図をそれぞれ図1(a)〜図1(d)に示す。
誘電体1内部に帯状形状の誘導電極2が形成され、誘電体1表面に放電電極3を形成される。放電電極3は、複数の突出部3aとその複数の突出部を連結する帯状形状の連結部3bとから成る。そして、複数の突出部3a各々の一部のみが誘導電極2に対向し、放電電極の連結部3bは誘導電極2に対向しないように、誘導電極2と放電電極3の位置決めがなされている。
誘導電極2と放電電極3との間に交番電圧が印加されると、複数の突出部3aの先端付近4に電界が集中し、その電界強度が空気の絶縁破壊レベルに達すると、複数の突出部3aの先端付近4にコロナ放電が起こり、プラスイオンとマイナスイオンが生成される。突出部3aの数はイオン発生素子全体のサイズに左右される。突出部3aの数が増えれば、イオン発生量も増加するが、その反面突出部3aのピッチ(間隔)pが小さくなると、電界集中が妨げられ、放電が弱くなり、イオン発生量が減少する。したがって突出部3aの数とピッチ(間隔)pを適度な設定にすることが望ましい。
図1のイオン発生素子では、誘導電極2と放電電極3の突出部以外の箇所では交差しないので、複数の突出部3aの先端付近4でのみ放電が起こり、余計なオゾンの発生要因や放電状態のばらつき要因となる放電が起きなくなる。これにより、オゾン発生量の低減及び放電状態のばらつきの低減化を図ることができる。
次に、本発明の第二実施形態に係るイオン発生素子の上面図を図2に示す。なお、図2において図1と同一の部分には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。図2のイオン発生素子が図1のイオン発生素子と異なる点は、突出部3aの形状を三角形にしたことである。図2にイオン発生素子では、突出部3aの形状は底辺が連結部3bに接する2等辺三角形であるが、正三角形や不等辺三角形にしてもよい。
突出部3aの形状を三角形にすることによって、突出部3aの先端で電界集中度を上げることができ、図1のイオン発生素子と比較して、イオン発生をさせやすくすることができる。
図1及び図2のイオン発生素子では、放電電極の連結部と誘導電極が直線の帯状形状であったが、本発明はこれに限定されることはなく、放電電極が有する複数の突出部3aの先端付近でのみ放電が起こる構成で有ればよいので、例えば図3に示すような形状の放電電極及び誘導電極を有するイオン発生素子であっても構わない。なお、図3において図1と同一の部分には同一の符号を付し詳細な説明を省略する。
ここで、イオン発生素子の製造方法について図1を参照して簡単に説明する。シート状の誘電体(例えばアルミナ)1bに誘導電極2をスクリーン印刷し、シート状の誘電体(例えばアルミナ)1aをあわせ、プレスする。シート状の誘電体1aの表面に放電電極3をスクリーン印刷し、さらにその上に放電電極3を保護するコーティング層5を印刷する。このようにして製造されたイオン発生素子は焼成によって強固となる。イオン発生素子は焼成によって全体的に縮むことが知られており、この縮小に伴って誘導電極2と放電電極3との位置関係が設計に対してずれる可能性がある。特に、本発明に係るイオン発生素子のように、誘導電極2と放電電極3との対向箇所が放電電極の突出部3aの一部に限定されているとずれ発生によって電界集中度が大きく変わってしまうおそれがあった。
この問題点を解決することができるイオン発生装置を本発明の第三実施形態に係るイオン発生素子として説明する。本発明の第三実施形態に係るイオン発生素子の上面図を図4(a)に示す。なお、図4(a)において図1と同一の部分には同一の符号を付し詳細な説明を省略する。
放電電極3は、+y方向に先鋭部が向いている三角形状の突出部3a’を3つ有し、−y方向に先鋭部が向いている三角形状の突出部3a’’を3つ有し、さらにこの6つの突出部を連結する連結部3bを有する。そして、設計上、突出部3a’の誘導電極2と対向する箇所の面積と、突出部3a’’の誘導電極2と対向する箇所の面積とが等しくなるように誘導電極2が配置される。すなわち誘導電極2の帯状部分のy軸方向の中心線に対しその両側に放電電極の三角形状の突出部3a’、3a’’が配置される。
このような構成によると、例えば誘導電極2が+y方向にずれた場合、突出部3a’の電界集中が弱くなる一方で突出部3a’’の電界集中が強くなり、電界集中度が平均化される。逆に、誘導電極2が−y方向にずれた場合、突出部3a’の電界集中が強くなる一方で突出部3a’’の電界集中が弱くなり、電界集中度が平均化される。したがって、誘導電極2と放電電極3との位置関係が設計に対してずれても電界集中度の変動を少なくすることができる。なお、電界集中度を平均化する観点から、突出部3a’と突出部3a’’を同数にすることが望ましい。
また、図4(a)の代わりに図4(b)に示す構成としても良い。なお、図4(b)において図4(a)と同一の部分には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
本発明に係るイオン発生装置は、イオン発生素子と、イオン発生素子に対して所定の電圧印加を行う電圧印加回路と、を有している。イオン発生素子が1つの場合にプラスイオンとマイナスイオンの双方を発生させるためには、電圧印加回路による放電電極と誘導電極との間の印加電圧が交番電圧であることが必要であるが、この交番電圧は一般的に商用電源に用いられるような正弦波状の交番電圧に限られず、矩形波状の交番電圧であっても良く、さらに他の波形を用いて交番電圧を印加しても良い。
また、上述した本発明に係るイオン発生装置は、空気調和機、除湿器、加湿器、空気清浄機、冷蔵庫、ファンヒータ、電子レンジ、洗濯乾燥機、掃除機、殺菌装置などの電気機器に搭載するとよい。そして、かかる電気機器にはイオン発生装置で発生したイオンを空気中に送出する送出手段(例えば、送風ファン)を搭載するとよい。このような電気機器であれば、機器本来の機能に加えて、搭載したイオン発生装置で空気中の浮遊細菌等を除去することが可能となる。
なお、本実施形態では、プラスイオンとマイナスイオンを発生するイオン発生装置について説明したが、本発明はリラックス効果を訴求することを目的としてマイナスイオンを発生するイオン発生装置にも適用することができる。この場合、電圧印加回路として、負電位の直流高電圧を出力する回路や負にバイアスされた交流電圧を出力する回路等を用いると良い。
は、本発明の第一実施形態に係るイオン発生素子の上面図及び断面図である。 は、本発明の第二実施形態に係るイオン発生素子の上面図である。 は、本発明に係るイオン発生素子の上面図である。 は、本発明の第三実施形態に係るイオン発生素子の上面図である。 は、従来のイオン発生素子の上面図である。
符号の説明
1 誘電体
2 誘導電極
3 放電電極
3a、3a’、3a’’ 突出部
3b 連結部

Claims (7)

  1. 誘電体と、前記誘電体の内部に形成された誘導電極と、前記誘電体の表面に形成された放電電極と、を備えたイオン発生素子において、
    前記放電電極は複数の放電部と前記複数の放電部を連結する連結部とから成り、前記複数の放電部のみが前記誘導電極と対向する箇所を有し、前記連結部は前記誘導電極と対向する箇所を有さないことを特徴とするイオン発生素子。
  2. 前記複数の放電部が三角形形状である請求項1記載のイオン発生素子。
  3. 前記放電電極と略帯形状の前記誘導電極との位置関係が設計に対して前記誘導電極の短手方向にずれた場合に、前記複数の放電部において前記誘導電極と対向する面積が増加する放電部と前記誘導電極と対向する面積が減少する放電部が存在するように、前記複数の放電部が配設されている請求項1又は請求項2に記載のイオン発生素子。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のイオン発生素子と、前記イオン発生素子に電圧を供給して電圧印加回路と、を備えることを特徴とするイオン発生装置。
  5. プラスイオンとマイナスイオンを発生する請求項4に記載のイオン発生装置。
  6. 前記プラスイオンはH+(H2O)mであり、前記マイナスイオンはO2 -(H2O)n(m、nは自然数)であることを特徴とする請求項5に記載のイオン発生装置。
  7. 請求項4〜6のいずれかに記載のイオン発生装置と、前記イオン発生装置で発生したイオンを空気中に送出する送出手段と、を備えることを特徴とする電気機器。
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