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JP2005128362A - レンズ駆動装置およびカメラ付き携帯機器 - Google Patents

レンズ駆動装置およびカメラ付き携帯機器 Download PDF

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JP2005128362A
JP2005128362A JP2003365445A JP2003365445A JP2005128362A JP 2005128362 A JP2005128362 A JP 2005128362A JP 2003365445 A JP2003365445 A JP 2003365445A JP 2003365445 A JP2003365445 A JP 2003365445A JP 2005128362 A JP2005128362 A JP 2005128362A
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coil
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Katsuo Hashimoto
勝夫 橋元
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Nidec Instruments Corp
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Sankyo Seiki Manufacturing Co Ltd
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Abstract

【課題】構成が簡単で部品点数が少なく小型化に適し、かつ、組み立て作業が容易なレンズ駆動装置およびカメラ付き携帯機器を提供すること。
【解決手段】レンズ12を有する移動レンズ体10と、移動レンズ体10をレンズ12の光軸F方向に沿って移動させる駆動機構と、移動レンズ体10および駆動機構を支持する支持体50とを有するレンズ駆動装置1は、駆動機構として移動レンズ体10側に配置される一方の駆動部材(駆動マグネット19)と、この一方の駆動部材と関係して移動レンズ体を光軸F方向に沿って移動させる他方の駆動部材(第1、第2駆動コイル22,23)とを有し、他方の駆動部材を位置決めする位置決め部材40を設け、位置決め部材40と支持体50との間に挟持させることによってこの他方の駆動部材を支持体50に支持させている。また、このカメラ付き携帯機器は、レンズ駆動装置1と、レンズ駆動装置1によって得られた画像を表示する表示手段とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、カメラ付き携帯電話のカメラなどに用いられるレンズ駆動装置およびカメラ付き携帯機器に関する。
カメラ付き携帯電話では、片手で携帯電話を持って自己の顔やその他の近接位置となる被写体を撮影する場合が多い。このため、カメラ付き携帯電話に用いられる撮影レンズ系は、接写撮影機能を有しているものが多い。このような接写撮影機能を有する撮影レンズ系の場合、通常の撮影を行うときのレンズ位置と接写撮影すなわちマクロ撮影を行うときのレンズ位置が異なるものとなる。接写撮影時のレンズ位置は、通常撮影時のレンズ位置よりも僅かに一定の距離だけ被写体側に近づけた位置になる。
このため、接写撮影機能を有する撮影レンズ系では、レンズ位置を通常撮影の位置とマクロ撮影の位置との間で移動させるための駆動機構を備え、スイッチの切り換えによって駆動機構を駆動し、これら2つの撮影位置の間をレンズが移動するようになっている。
このような2つの撮影位置の間をレンズが移動するレンズ駆動装置の例として、レンズを取り付けたケースを光軸の周りに回転させながらケースを光軸方向に移動させるように構成したものが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
さらに別の例として、コイルが巻かれた可動部を軸に揺動自在に取り付け、その可動部を、軸方向両側からマグネットとヨークで挟むように対向させて配置し、コイルとマグネットとの間に生じ、かつ対向面に平行な方向に生じる電磁的推力によって、可動部を上述の軸中心に揺動させ、この揺動をカム機構によってレンズ系の直線移動に変換するように構成したカメラ用電磁アクチュエータが提案されている(たとえば、特許文献2参照)。
特開平4−222444号公報(要約) 特開2001−91981号公報(要約)
特許文献1に記載されているものは、ケースを光軸の周りに回転させながらケースを回転軸線方向すなわち光軸方向に移動させる形式のレンズ駆動装置であるため、回転力を直線移動に変換するための機構が複雑になり、かつ、部品点数が多くなり、携帯電話などの携帯機器に搭載するには適していないという問題点がある。
また、特許文献2に記載されているカメラ用電磁アクチュエータは、可動部を電磁力によって揺動させる機構と、この揺動を直線移動に変換するカム機構を備える必要があるため、構成が複雑で部品点数が多くなると共に、これらの機構がレンズ系の外方に広がり、小型化しづらく、携帯電話などの携帯機器に搭載するには適していないという問題点がある。
本発明は、以上のような従来技術の問題点を解消するためになされたもので、構成が簡単で部品点数が少なく小型化に適し、かつ、組み立て作業が容易なレンズ駆動装置およびカメラ付き携帯機器を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明は、レンズを有する移動レンズ体と、移動レンズ体をレンズの光軸方向に沿って移動させる駆動機構と、移動レンズ体および駆動機構を支持する支持体とを有するレンズ駆動装置において、駆動機構として移動レンズ体側に配置される一方の駆動部材と、一方の駆動部材と関係して移動レンズ体を光軸方向に沿って移動させる他方の駆動部材とを有し、他方の駆動部材を位置決めする位置決め部材を設け、位置決め部材と支持体との間に挟持させることによって他方の駆動部材を支持体に支持させたレンズ駆動装置である。
この発明では、レンズ駆動装置の構成が簡単となり、部品点数を少なくでき、小型化に適したものとなる。また、接着剤により駆動部材を固定しなくてすむため、組み立てが容易である。特に、小型化されたレンズ駆動装置の組み立てに適している。しかも、位置決め部材により前記他方の駆動部材が位置決めされているため、レンズ駆動装置の組み立て作業が容易になると共に、移動レンズ体の移動を繰り返しても前記他方の駆動部材の位置ずれを抑えることができる。
一方の駆動部材をマグネットとし、他方の駆動部材をコイルとし、コイルと一体の磁性体を位置決め部材と支持体とによって挟持してコイルを支持体に支持させる構成を採用することができる。この構成によって、電磁機構により移動レンズ体を駆動させることができるため、レンズ駆動装置の構成が簡単となり、より小型化に適したものとなる。また、直接コイルを位置決め部材と支持体とによって挟持するのではなく、コイルと一体の磁性体を位置決め部材と支持体とによって挟持するため、コイルの本体部分が変形するのを防ぐことができる。
また、他方の駆動部材をコイルとし、位置決め部材は、コイルの外周に沿って光軸周りに筒状に形成し、コイルからの配線を位置決め部材の外周に沿って配設する構成を採用することができる。この構成によって、コイルからの主な配線部分を、位置決め部材によって移動レンズ体から分離できるため、配線部分が移動レンズ体に干渉しない。したがって、配線部分と移動レンズ体とが絡み合ったり、配線部分が移動レンズ体に干渉して断線することがない。
磁性体は、リング形状をしていると共に、光軸を中心とした径方向に突出した複数の突出部を有し、突出部の外周が支持体に当接してコイルを調芯している構成を採用することができる。この構成によって、磁性体の突出部の外周を支持体に当接するという簡易な手法で、コイルの中心と光軸とを略一致させることができる。
位置決め部材は、筒形状を有していると共に、コイルの本体の外周を囲むようにコイルの周りに配置され、位置決め部材と支持体とで突出部を挟持することによってコイルを支持体に支持させ、突出部の間の磁性体の外壁と、位置決め部材の内壁との間に、径方向の隙間を形成し、コイルの一部は、この隙間を通過して位置決め部材の外側に延伸している構成を採用することができる。この構成によれば、コイルの一部が、突出部の間の磁性体の外壁と、位置決め部材の内壁との間の径方向の隙間を通過しているので、コイルの本体とこのコイルの一部とが断線することを防止できる。また、突出部の大きさを調整することによって、この隙間を広範囲にわたって形成できるため、このコイルの一部を通過させる位置の自由度を増すことができる。
上述の目的を達成するための他の発明は、レンズを有する移動レンズ体と、移動レンズ体の周囲に保持されたマグネットと、マグネットを挟むようにレンズの光軸方向に対向配置された2つのコイルと、外周に複数の突出部を有し、コイルをマグネットに対向させるように保持する2つの磁性体と、移動レンズ体とマグネットとコイルとを囲むと共に、複数の突出部に当接して磁性体の位置決めをする位置決め部材と、移動レンズ体とマグネットとコイルと磁性体と位置決め部材とを収納する支持体と、を有するレンズ駆動装置である。
この発明では、レンズ駆動装置の構成が簡単となり、部品点数を少なくでき、小型化に適したものとなる。しかも、移動レンズ体を光軸方向に移動させる各部品の配置位置の精度を高くすると共に、組み立て作業が容易になる。
上述の目的を達成するための他の発明は、上記のレンズ駆動装置と、このレンズ駆動装置によって得られた画像を表示する表示手段とを有するカメラ付き携帯機器である。この発明では、レンズ駆動装置部分の構成が簡単となり、部品点数を少なくできるため、小型のカメラ付き携帯機器が容易に得られる。
本発明によれば、構成が簡単で部品点数が少なく小型化に適し、かつ、組み立て作業が容易なレンズ駆動装置およびカメラ付き携帯機器を提供することができる。
以下、図面を参照しながら本発明に係るレンズ駆動装置の実施の形態について説明する。各実施の形態に係るレンズ駆動装置は、カメラ付き携帯電話等の携帯機器のカメラ部分として搭載するのに適した構成となっているが、PDA(Personal Degital Assistance)等の他の携帯機器に搭載してもよい。また、本発明に係るカメラ付き携帯機器については、レンズ駆動装置と併せて説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るレンズ駆動装置1の断面図である。このレンズ駆動装置1は、主に、移動レンズ体10と、移動レンズ体10をレンズ12の光軸F方向に沿って移動させる駆動機構(駆動マグネット19、第1駆動コイル22、第2駆動コイル23)と、駆動機構の一部を位置決めする位置決め部材40と、これらを収納するケース体でもある駆動機構を支持する支持体50とから構成されている。
移動レンズ体10は、レンズ12と、レンズ12を保持する第1レンズ保持部材14および第2レンズ保持部材15からなるレンズホルダ16と、スペーサとしての中間部材17とから構成されている。
レンズ12は、カメラの撮影レンズで、複数枚のレンズ部材が組み合わせられることによって構成されている。図1の上側(レンズ駆動装置1の前側)が被写体側レンズ部材12aで、下側(レンズ駆動装置1の後側)がカメラボディ側レンズ部材12bである。なお、本実施の形態に係るレンズ駆動装置1では、移動レンズ体10が、レンズ12とレンズホルダ16(第1レンズ保持部材14、第2レンズ保持部材15)と中間部材17という複数の部材から構成されているが、これらが同一部材で一体に構成されていても良い。
被写体側レンズ部材12aは、中央にレンズ機能を持つ円形のレンズ部を有し、外周にレンズ部を保持して支えるためのホルダ部を有している。ホルダ部は後述する中間部材17に当接している。カメラボディ側レンズ部材12bは、中央にレンズ機能を持つレンズ部を有し、外周にレンズ部を保持して支えるためのホルダ部を有している。カメラボディ側レンズ部材12bのホルダ部も中間部材17に当接している。
被写体側レンズ部材12aおよびカメラボディ側レンズ部材12bのレンズ部は、樹脂製の非球面レンズとされており、ホルダ部とレンズ部は樹脂で一体成型されて形成されている。
レンズホルダ16が、第1レンズ保持部材14と第2レンズ保持部材15とから構成され、また、中間部材17が存在することによって、レンズ12の取り付け作業を簡易にしている。第1レンズ保持部材14は底部に孔が設けられた有底筒形状をしており、レンズ10がその筒部内に嵌め込まれている。第2レンズ保持部材15は、第1レンズ保持部材14に組み込まれたレンズ12を後側から押さえつけて支持している。
第2レンズ保持部材15は、第1レンズ保持部材14の後方の開口端部に嵌められている。第2レンズ保持部材15の内周側の先端は、カメラボディ側レンズ部材12bのホルダ部に当接し、レンズ12がレンズホルダ16内の所定位置からずれないようにしている。移動レンズ体10が最も後側に移動した位置(以下、通常撮影位置という。)は、支持体50を構成している第1ケース分割体60の内側張出部61に突き当たる位置となる。
中間部材17は、中央に孔17aを有する円板状部材とされている。この中間部材17によって被写体側レンズ部材12aとカメラ側レンズ部材12bの間隔を一定に保持している。
第1レンズ保持部材14の外周は、前側が大径に、後側が小径になっており、その境界には段部が形成されている。後側の小径部の周囲であって、前側の大径部と第2レンズ保持部材15との間の位置には、リング状に形成された駆動マグネット19が嵌められている。この段部に当接された状態では、駆動マグネット19は、第2レンズ保持部材15との間にわずかな隙間を有している。なお、第1レンズ保持部材14の後端面と、この後端面と光軸F方向に対向している第2レンズ保持部材15の面との間には隙間が形成されている。これは、レンズ12に第2レンズ保持部材15が確実に当接するようにするためである。
第1レンズ保持部材14の前面には、移動レンズ体10が最も前方に進出した位置(以下、マクロ撮影位置という。)で、移動レンズ体10の位置決めをするための突起部20が形成されている。突起部20は、第1レンズ保持部材14の前面に円周形状に設けられている。なお、突起部20は、第1レンズ保持部材14の前面には設けず平らな面とし、第2ケース分割体70の底部71の後側面71aの方に設けても良い。
また、第1レンズ保持部材14の前面には、被写体からの反射光をレンズ10に取り込む円形の入射窓21が形成されている。入射窓21の前方には、図示されないレンズ保持用の開閉自在のバリヤが設けられている。
移動レンズ体10をレンズ12の光軸F方向に沿って移動させる駆動機構は、少なくとも、一方の駆動部材と、この一方の駆動部材と関係して移動レンズ体10を光軸F方向に沿って移動させる他方の駆動部材とからなる。本実施の形態に係るレンズ駆動装置1では、一方の駆動部材が駆動マグネット19から構成され、他方の駆動部材が第1駆動コイル22および第2駆動コイル23から構成されている。
第1、第2駆動コイル22,23は、図2に示すように、1本の導線を互いに逆向きに巻くことによって、それぞれリング状に形成されている。第1、第2駆動コイル22,23の本体から引き出されている一方の導線同士は連結線24として互いにつながっており、他方の導線、すなわち、第1駆動コイル22の巻線端末25および第2駆動コイル23の巻線端末26は、レンズ駆動装置1の外部にある図示されない電源にそれぞれ接続されている。第1、第2駆動コイル22,23の形成方法の詳細および巻線端末25,26の第1、第2駆動コイル22,23の本体から電源までの配置についは後述する。
第1、第2駆動コイル22,23は、被写体側から見た巻回方向が互いに同じになるように、駆動マグネット19を挟んで光軸F方向に対向配置されている。第1、第2駆動コイル22,23に通電することによって、駆動マグネット19との間で電磁力が発生し、移動レンズ体10が光軸F方向に移動する。この移動の仕組みについては後述する。
駆動マグネット19は、リング状となっており、図3に示すように中央の孔を囲む部分がN極に着磁され、全体の外周部分がS極にそれぞれ単極着磁されている。なお、この着磁関係は、NSが逆となるようにしても良い。
図1に示すように、第1駆動コイル22の後側には、リング状の第1磁性体32が配置されている。また、第2駆動コイル23の前側には、リング状の第2磁性体33が配置されている。したがって、駆動マグネット19を挟んで光軸F方向に並んだ第1駆動コイル22と第2駆動コイル23の光軸F方向の外側にそれぞれ第1磁性体32と第2磁性体33が配置されている。
第1駆動コイル22は、第1駆動コイル22と第1磁性体32との中心がほぼ一致するように、第1磁性体32に固着されている。同様に、第2駆動コイル26は、第2駆動コイル26と第2磁性体33との中心がほぼ一致するように、第2磁性体33に固着されている。
次に、第1、第2磁性体32,33の形状について図4および図5を参照しながら説明する。なお、第1、第2磁性体32,33の形状は、基本的に同一であるため、主に第1磁性体32について説明する。
図4に示すように、第1磁性体32の第1駆動コイル22との固着面には、凸部32aと凹部32bを有する凹凸形状が設けられている。図1には示されていないが、図5の第1駆動コイル22と第1磁性体32との固着部付近の断面図に示すように、この凹凸形状の凹部32bの少なくとも一部には接着剤30が充填されており、この接着剤30によって第1駆動コイル22が第1磁性体32に固着されている。
この構成によって、第1駆動コイル22と第1磁性体32とは凹凸形状の凸部32aで接触するので、平面全体で接触する場合と比べて接触面積が少なくなる。したがって、第1駆動コイル22の導線の絶縁被膜に孔が開いていたり、絶縁被膜の一部が剥離している場合でも、第1駆動コイル22の導線と第1磁性体32とが短絡する確率を減少させることができる。また、凹凸形状の凹部32bは接着剤の充填部として使用でき、第1駆動コイル22と第1磁性体32とを確実に固着することができる。なお、第1駆動コイル22の導線の絶縁被膜に孔が開いていたり、絶縁被膜の一部が剥離している可能性と、第1磁性体32の表面を凹凸加工するコストや困難性とを比較考量して、第1磁性体32の表面を平坦にしても良い。
第1磁性体32の外周部には、図4に示すように、光軸Fを中心とした径方向に突出した複数の突出部34が設けられている。後述するように、この突出部34が、位置決め部材40で抑えられて、第1磁性体32、すなわち第1磁性体32に固着されている第1駆動コイル22が位置決めされる。
突出部34の外周が第1ケース分割体60の内壁に当接されることによって第1駆動コイル22の中心と光軸Fとが略一致するように、第1ケース分割体60が加工されている。この構成によって、レンズ駆動装置1の組み立て時に、第1駆動コイル22の中心と光軸Fとの位置合わせを容易に行うことができる。
複数の隣接する突出部34の間の1つには、リング形状を横断するスリット35が形成されている。第1駆動コイル22の本体から引き出され第2駆動コイル23につながっている連結線24は、このスリット35を通過している。すなわち、第1駆動コイル22の内周端末は、第1駆動コイル22の内周の底部に存在する第1磁性体32の一方のスリット端35aから他方のスリット端35bに向かい、連結線24となり、第2駆動コイル23の本体につながる。第2駆動コイル23の巻線端末26も同様にスリット35を通過することとなる。
連結線24や巻線端末26がスリット35を通過しているため、スリット35がない場合と比べて、コイル導線の直径の2倍分だけレンズ駆動装置1の前後方向(厚さ方向)の小型化が可能になる。なお、第1磁性体32と同様に、第2磁性体33にも突出部34およびスリット35が形成されている。
次に、位置決め部材40について図6から図8を参照しながら詳しく説明する。
位置決め部材40は筒形状をしており、第1、第2駆動コイル22,23の本体を囲むように配置されていると共に、第1、第2駆動コイル22,23の光軸F方向の位置決めをしている。本実施の形態では、位置決め部材40は、樹脂シート材を図6の平面展開図に示すような形状にプレス成型して、これを筒状に丸めて作成している。シート材のプレス成型品を用いることによって、低コストかつ高精度で第1、第2駆動コイル22,23を位置決めできる。なお、位置決め部材40の材質は樹脂に限らず、金属板、ゴムシート、紙等でも良い。
図6に示すように、位置決め部材40は、光軸F方向の両端に等脚台形状の後側の張出部42と前側の張出部44とを有する。後側の張出部42は、後方に行けば行くほど幅が狭くなる、いわゆるテーパ状になっている。前側の張出部44も同様に、前方に行けば行くほど幅が狭くなっている。張出部42,44をテーパ形状にしたため、位置決め部材40を平面の状態から筒状に丸めて支持体50に収納したときに、筒の側面形状が多角形になりにくく円形になりやすい。
本実施の形態では、張出部42と張出部44の位置は円周方向で同じ位置に配置されているが、これらは円周方向で異なる位置に配置しても良い。また、シート材の両端には張出部42,44の半分を形成する分割張出部42a,44aが形成され、丸めたときに1つの張出部42,44を形成するように構成されている。また、張出部42,44はそれぞれ4つ形成されているが、3つや5つ等の他の個数であっても良い。
位置決め部材40には、スリット46,48を設けるようにしても良い。スリット46は、後述するように、第1駆動コイル22の本体から引き出された巻線端末25が、位置決め部材40の内側から外側に通過するためのものである。スリット46を設けると、巻線端末25は、第1駆動コイル22の本体の外周と位置決め部材40の内壁との間を通過しなくてすむ。スリット46を設けない場合、巻線端末25は第1駆動コイル22の外周に沿って位置決め部材40の内壁との間を通過した後、位置決め部材40と第1磁性体32との隙間を通って位置決め部材40の外に導き出されることとなる。
スリット48を設けた場合、スリット48は、後述するように、第1、第2駆動コイル22,23の本体同士をつないでいる連結線24が、第2駆動コイル23付近で位置決め部材40の外側から内側に通過するためのものとなる。このスリット48があると、連結線24は、第2駆動コイル26の本体の外周と位置決め部材40との間を通過しなくてすむ。
レンズ駆動装置1の支持体50の内部では、図7および図8に示すように、隣接する張出部42の間および張出部44の間に、第1磁性体32および第2磁性体33の突出部34がそれぞれ配置されている。なお、突出部34の数が、隣接している張出部42,44の間の数より少ない場合には、隣接している張出部42,44の間であっても、突出部34が存在しない箇所がある。
図1に示すように、第1磁性体32は、支持体50(詳しくは第1ケース分割体60)と、位置決め部材40によって挟持されている。すなわち、第1磁性体32の突出部34の前面側は、位置決め部材40の隣接する張出部42の間に入り、位置決め部材40の端面に当接し、第1磁性体32の後面側は、第1ケース分割体60の内側張出部61の高段部61bの上面61dに当接し支持されている。第2磁性体33も第1磁性体32と同様に、突出部34は、位置決め部材40の隣接する張出部44の間の端面と、第2ケース分割体70の底部71とで挟持されている。
このように、位置決め部材40を用いることによって、支持体50との間で接着剤を使わずに第1、第2磁性体32,33および第1、第2駆動コイル22,23を位置決めすることができる。支持体50との間で接着剤を使わないので、レンズ駆動装置1の組み立て時に発生する問題点、すなわち、部品の位置ずれ、接着剤の乾燥時間待機、接着剤の過剰な塗布による接着剤の他の部品(特にレンズ12)への付着等が解消される。
また、本実施の形態に係るレンズ駆動装置1では、第1、第2駆動コイル22,23の本体の外径は、駆動マグネット19の外径より大きいので、移動レンズ体10が駆動マグネット19と共に光軸F方向に移動しても、駆動マグネット19と位置決め部材40とが接触することはない。
移動レンズ体10と、駆動マグネット19と、第1、第2駆動コイル22,23と、第1、第2磁性体32,33と、位置決め部材40とを収納するケース体となる支持体50は、それぞれ有底筒形状を主体とする後側の第1ケース分割体60と前側の第2ケース分割体70とからなる。第1、第2ケース分割体60,70は、図1に示すように、それぞれの円筒状の開口突出部60a,70aが互いに係合するように接合されている。なお、本実施の形態に係るレンズ駆動装置1では、支持体50を2つに分割してあるが、3つ以上に分割しても良い。
第1ケース分割体60は、図1,図9および図10に示すように、筒の後側に内側張出部61と外側張出部62が設けられた形状をしている。内側張出部61は、中央側のリング状の低段部61aと、外周側のリング状の高段部61bから構成されている。内側張出部61の高段部61bには、位置決め部材40の張出部42を嵌合する円形状の溝64が形成されている。溝64は、位置決め部材40の外壁と第1ケース分割体60の内壁とが接するような位置に形成されている。さらに、図1に示すように、第1ケース分割体60の内壁面には、巻線端末25,26と連結線24をそれぞれ配置するための溝66,67が、また、第1ケース分割体60の開口突出部60aには、第1、第2駆動コイル22,23のそれぞれ本体から引き出された巻線端末25,26が通過するための切欠部68が形成されている。
すなわち、第1駆動コイル22の本体から引き出された巻線端末25は、第1磁性体32と位置決め部材40との間の隙間から、またスリット48が存在する場合には位置決め部材40のスリット48から位置決め部材40の外周に引き出され、位置決め部材40の外壁と第1ケース分割体60の内壁との間の溝66を経由し、第1ケース分割体60の切欠部68を通過して第1ケース分割体60の外部に延伸している。外部に延伸した巻線端末25は、第1ケース分割体60の外周に設けられた導線保護部69に囲まれた孔を通過して、後述する回路基板84上の給電端子86に接続されている。
図11および図12に示すように、第1磁性体32の突出部34の間の外壁32cと位置決め部材40の内壁40aとの間に、光軸Fを中心とした径方向の隙間41が形成され、第1駆動コイル22の巻線端末25が、隙間41を通過して位置決め部材40の外側に延伸されている。この構成によれば、隙間41を広範囲にわたって形成できるため、巻線端末25を通過させる位置の自由度を増すことができる。
第1ケース分割体60の低段部61aの上面61cは、レンズホルダ16が突き当たるホルダ基準面とされている。また、高段部61bの上面61dは、第1磁性体32が当接するヨーク挟持面とされている。さらに、内側張出部61の下面61eは、後述する撮像素子82を含む撮像素子ユニット80の高さ方向の基準面とされている。
第2ケース分割体70は、図1,図13,図14および図15に示すように、レンズ窓73となる孔部が形成された底部71が前側となる有底筒形状をしている。底部71には、位置決め部材40の張出部44を嵌合する円形状の溝74が形成されている。溝74は、位置決め部材40の外壁と第2ケース分割体70の内壁とが接するような位置に形成されている。さらに、図1に示すように、第2ケース分割体70の内壁面には、巻線端末26を配置するための溝76が形成されている。溝74と溝76は、図14に示すように、一体的に設けられると共に、溝76が溝74の外周の一部を形成している。
溝76と光軸Fを中心とした対称位置に、連結線24を収納するための溝77が設けられている。溝77は、溝67に対応する位置に配置され、溝74と一体的に設けられる。第2ケース分割体70の中央下端面には、わずかに突出した移動レンズ体10の上端の突起部20が突き当たる上端基準面71aが設けられている。
第2駆動コイル23の本体から引き出された巻線端末26は、第2磁性体33のスリット35、第2磁性体33の隣接する突出部34の間、位置決め部材40の隣接する前側の張出部44の間、位置決め部材40の外壁と第2ケース分割体70の内壁との間の溝76を経由し、第1ケース分割体60の切欠部68を通過して第2ケース分割体70の外部に延伸している。外部に延伸した第2駆動コイル23の巻線端末26は、第1駆動コイル22の巻線端末25と同様に、導線保護部69に囲まれた孔を通過して、後述する回路基板84上の巻線端末25が接続されている給電端子86とは別の給電端子88に接続されている。
また、図1に示すように、第1、第2駆動コイル22,23の本体同士をつないでいる連結線24は、第1駆動コイル22、第1磁性体32のスリット35、第1磁性体32の隣接する突出部34の間、位置決め部材40の隣接する後側の張出部42の間、位置決め部材40の外周と第1ケース分割体60の内壁との間の溝67、第2磁性体33の隣接する突出部34の間、位置決め部材40の隣接する前側の張出部44の間、第2駆動コイル23の本体の外壁と位置決め部材40の内壁の間を経由し、第2駆動コイル23の本体につながっている。
このように、移動レンズ体10に保持された駆動マグネット19の移動空間には、第1、第2駆動コイル22,23の巻線端末25,26や第1、第2駆動コイル22,23の本体同士をつないでいる連結線24が存在しないので、駆動マグネット19と巻線端末25,26や連結線24とが絡み合うことがない。
レンズ駆動装置1の光軸Fに沿った後側には、撮像素子ユニット80が配置されている。撮像素子ユニット80は、フィルタ81、撮像素子82および回路基板84等を有する。フィルタ81は、撮像素子82の検出波長に対応させて所定の波長の光をカットするためのものである。撮像素子82は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)で構成されており、その検知信号を回路基板84へ送る。検知信号となる画像信号は、回路基板84上の画像信号端子から図示されないマイクロコンピュータ等で構成されている制御部へ送られる。なお、撮像素子82としては、CMOS以外にCCDやVMIS等を採用することができる。
また、回路基板84には、上述のように第1、第2駆動コイル22,23に給電するための給電端子86,88も設けられており、画像信号伝達用の回路基板84と給電端子86,88を形成する基板とを兼用することで部品数の削減を図っている。なお、巻線端末25,26をツイスト(ねじり巻き)させたり、らせん状にして導線保護部69内を通過させることで断線のおそれを減少させることができる。また、回路基板84上に給電端子86,88を設けず、第1、第2駆動コイル22,23の巻線端末25,26のうち導線保護部69を通過している部分をねじり巻いたり、らせん状等にして導線保護部69内に接着剤等で固定して、それから先は、金属端子を利用して接続しても良い。この構成によれば、巻線端末25,26を回路基板84に固定しなくても断線するおそれがほとんどない。
次に、第1の実施の形態に係るレンズ駆動装置1の組み立て方法について図2を用いて説明する
まず、円柱形状の巻回治具を2つ並べ、巻線端末26側から第2駆動コイル23を形成して行く。すなわち、第2駆動コイル23の内側から巻回していく。そして、図2(a)に示すように、時計方向に巻いていき、第2駆動コイル23の形成が終了したら、その最外周から連結線24を引き伸ばし、次に第1駆動コイル22を形成する。第1駆動コイル22は、内側から外側に向けて巻回していき、その最外周から巻線端末25を引き出す。第1、第2駆動コイル22,23が所定の巻数となるように巻回し、第1、第2駆動コイル22,23を作成したら、巻回治具を外す(図2(a)(b))。
その後、第1駆動コイル22の本体を第1磁性体32に、第2駆動コイル23の本体を第2磁性体33にそれぞれ接着剤等で固着する(図2(c))。この際、第1、第2駆動コイル22,23の本体同士をつなぐ連結線24は第1磁性体32に設けられたスリット35を通過させ、第2駆動コイル23から引き出された巻線端末26は第2磁性体33に設けられたスリット35を通過させている。
そして、第1ケース分割体60の中に、第1磁性体32に固着された第1駆動コイル22を配置する。この際、第1、第2駆動コイル22,23の本体同士をつないでいる連結線24が第1ケース分割体60の内壁の溝67に配置され、第1駆動コイル22の本体から引き出された巻線端末25が第1ケース分割体60の内壁の溝66に配置されるようにする。
次いで、位置決め部材40を、第1ケース分割体60の溝64に嵌め込む。この際、位置決め部材40の後側の張出部42は、第1磁性体32の隣接している突出部34の間に配置されるようにする。その後、駆動マグネット19を保持した移動レンズ体10を、第2レンズ保持部材15が第1ケース分割体60の内側張出部61の低段部61aの上面61cに当接するように、第1ケース分割体60内に挿入する。
そして、第2磁性体33に固着された第2駆動コイル23を第1駆動コイル22と同じ巻回方向になるように位置決め部材40の内側に配置する。この際、第2磁性体33の突出部34が位置決め部材40の隣接している前側の張出部44の間に位置するようにする。さらに、第1、第2駆動コイル22,23の本体同士をつないでいる連結線24が位置決め部材40の端面をまたぎ、また、第2駆動コイル23から引き出された巻線端末26が第1ケース分割体60の切欠部68をそれぞれ通過するように配置する。
その後、第2ケース分割体70を、第2ケース分割体70の開口突出部70aと第1ケース分割体60の開口突出部60aとが係合するように、第1ケース分割体60に嵌め込む。この際、第2ケース分割体70の底部71の大径内壁71bが移動レンズ体10の第1レンズ保持部材14の外周に当接するように、また、第2ケース分割体70の溝74が位置決め部材40の前側の張出部44に嵌合するように配置される。第2ケース分割体70の内壁の溝76および図15で示すその下方のスペース78が、第2駆動コイル23から引き出された巻線端末26の収納スペースとなるように配置する。この時点では、第1、第2ケース分割体60,70同士は仮固定となっている。
次に、上述の組立工程にて組み立てられた移動レンズ体10や駆動機構等が組み込まれている支持体50に、撮像素子ユニット80を嵌め込む。この際、図1に示したように、第1ケース分割体60の外側張出部62と一体のユニット寸法保持部65の内壁65aと撮像素子ユニットの外壁80aとが係合するように行う。この時点では、第1ケース分割体60と撮像素子ユニットとは仮固定となっている。
その後、第1、第2駆動コイル22,23に通電して移動レンズ体10を通常撮影位置に移動した状態で、支持体50または撮像素子ユニット80のいずれか一方を光軸F方向に移動しながら、通常撮影画像が最適となる位置で第1ケース分割体60と撮像素子ユニット80とをレーザ溶接や接着等で本固定する。
そして、第1、第2駆動コイル22,23に通電して移動レンズ体10をマクロ撮影位置に移動した状態で、第1ケース分割体60または第2ケース分割体70のいずれか一方を光軸F方向に移動しながら、マクロ撮影画像が最適となる位置で第1ケース分割体60と第2ケース分割体70とをレーザ溶接や接着等で本固定する。
その後、第1、第2駆動コイル22,23から引き出された巻線端末25,26を第1ケース分割体60の外周の導線保護部69に通過させて、回路基板84上の給電端子86,88にそれぞれ接続する。
次に、図16を参照しながら、このレンズ駆動装置1を含むカメラ90のシステム構成を説明する。
このカメラ90は、レンズ12を有する移動レンズ体10を駆動して切り換え動作を実現するドライバ91と、撮像素子82から得られる画像信号を処理するISP(Image Signal Processor)92と、画像データを保存するストレージデバイス93と、コントロールロジック部94と、電子処理をするための画像を一時保管する単数または複数のメモリ95と、光学画像や電子処理された電子画像を表示する表示手段96と、これらの各部材をコントロールするシステムコントローラとしてのMPU(Micro Processing Unit)97とを有している。
ここで、レンズ駆動装置1に相当するカメラモジュールは、レンズ12を有する移動レンズ体10等からなるレンズ駆動装置1のメカ部分と、撮像素子82と、ドライバ91と、ISP92とから構成される。撮像素子82とドライバ91とISP92とは回路基板84に設置される。コントロールロジック部94とMPU97とで制御部が構成される。撮像素子82とISP92と制御部とで、画像取得手段が構成される。MPU97は、切り換え指令を読み取る切り換え指令読取手段となり、レンズ12の操作位置を確認する操作位置確認手段となり、また、レンズ12の位置を検出する現在位置検出手段ともなる。
なお、レンズ12の位置、すなわち移動レンズ体10の位置を検出するセンサを設けることで、そのセンサが現在位置検出手段の一部を構成するようにしても良いが、特別なセンサを設けず、第1、第2駆動コイル22,23をセンサとして使用するようにしても良い。その場合、第1、第2駆動コイル22,23が現在位置検出手段の一部を構成することとなる。
また、コントロールロジック部94は、MPU97の内部に組み込むようにしても良い。また、表示手段96は、液晶からなる表示素子とその表示素子を駆動する表示ドライバとからなる。表示ドライバは、回路基板84内に配置するようにしても良い。なお、表示素子は、LED(Light Emitting Diode)やEL(Electro Luminescence)としたり、その他の表示素子としても良い。また、メモリ95を図16に示すように複数設けると、一時的に保存した画像を利用して、よりスムーズな電子処理(デジタル処理)を行ってデジタルズーム(徐々に画像が拡大したり縮小したりするズーミング)を実行したり、複数の異なる解像度の画像を合成することができる。
このようなカメラ90を携帯電話などの携帯機器に組み込む。この携帯機器は、接着剤の使用が減少し、気化ガスや糸引きでレンズが汚濁する現象が少なくなるため、得られる画像の品質を高いものに維持できる。また、接着剤の使用が減少しているため、落下衝撃での接着部の剥離が少なくなり、接着による寸法不安定化が減少し、動作不良や動作量不足の問題が減少する。
次に、レンズ駆動装置1における移動レンズ体10の光軸F方向の移動の仕組みについて説明する。
図1に示す状態では、駆動マグネット19が移動レンズ体10と共に後側に移動し、第1、第2駆動コイル22,23に通電されなくても、駆動マグネット19と第1磁性体32との間に生じる磁気吸引力によって通常撮影位置に保持されている。このとき、図1に示すように、第1駆動コイル22と駆動マグネット19との間にわずかな隙間が生じている。これは第1駆動コイル22と駆動マグネット19とが衝突すると、いずれか一方または両者が損傷してしまうためであり、その衝突を防止しているのである。
図1に示す状態において、図示されない所定のマクロ切り換えスイッチが操作されると、第1、第2駆動コイル22,23に通電され、電流の向きと駆動マグネット19による磁界の向きとによって、フレミングの左手の法則により駆動マグネット19を前方に押し出す向きの力が働き、駆動マグネット19と共に移動レンズ体10が前方に進出し、移動レンズ体10がマクロ撮影位置となる。なお、フレミングの左手の法則は、磁界中に線電流が流れているときに、その線電流を流している物体に働く力の関係を示すものであるが、この実施の形態では、第1、第2駆動コイル22,23が共に固定されているため反作用として駆動マグネット19に力が働くこととなる。
マクロ撮影位置における移動レンズ体10は、第1、第2駆動コイル22,23が通電されなくても、駆動マグネット19と第2磁性体33との間に生じる磁気吸引力によって保持される。このとき、第2駆動コイル23と駆動マグネット19との間にはわずかな隙間を発生させている。これは第2駆動コイル23と駆動マグネット19とが衝突し、それらが損傷することを防止するためである。
前方への移動の際に生ずる電磁力は、第1駆動コイル22への通電では駆動マグネット19を前側に押し出す向きに発生させ、第2駆動コイル23への通電では駆動マグネット19を前側に引き寄せる向きに発生させる。なお、本実施の形態に係るレンズ駆動装置1では、第1、第2駆動コイル22,23が連結線24でつながっているが、第1、第2駆動コイル22,23のそれぞれに独立して給電するような構成にして、移動レンズ体10を光軸F方向の移動する際には、第1、第2駆動コイル22,23のいずれか一方に通電するようにしても良い。
移動レンズ体10をマクロ撮影位置から通常撮影位置に切り換えるには、切り換えスイッチを通常撮影位置に切り換える。この切り換えによって、第1、第2駆動コイル22,23に逆向きに通電され、この電流の向きと駆動マグネット19による磁界の向きとによって、フレミングの左手の法則により駆動マグネット19を後方に引き戻す向きの力が働き、駆動マグネット19と共に移動レンズ体10が後退して、図1に示す通常撮影位置となる。
本実施の形態のレンズ駆動装置1は、第1、第2駆動コイル22,23(第1、第2磁性体32,33)と支持体50とが接着剤固定ではなく、位置決め部材40で位置決めされているため、第1、第2駆動コイル22,23の間隔が正確となる。位置決め部材40がシート材のプレス品であるため低コストで高精度にコイル間隔を確保できる。
第1、第2磁性体32,33の外周の一部に突出部34を設けたため、第1、第2ケース分割体60,70の内壁と、突出部34以外の部分との間に隙間ができ巻線端末25,26や連結線24の引き回しが可能となる。また、突出部34が第1、第2ケース分割体60,70の内壁に突き当るので、第1、第2磁性体32,33等の内部に生ずる駆動空間が安定したものとなる。
以上に説明した実施の形態は、本発明の好適な例であるが、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更実施可能である。たとえば、本発明は、撮影位置を3箇所、たとえば、テレ,ワイド,マクロや4箇所以上で切り換えるレンズ駆動装置にも適用可能である。テレ,マクロ,ワイドを切り換える場合としては、図17(A)(B)に示すように、1−2相通電を利用して移動レンズ体10をマクロ撮影位置と通常撮影位置との中間で停止させる。すなわち、停止させたい位置における駆動マグネット19の周辺であって、位置決め部材40の内壁面にゴム製等の磁性体シート100または金属部材を貼着またはインサートすれば良い。ゴムマグネット110をインサートした例を図18(A)(B)に示す。
また、本発明は、マクロ撮影位置と通常撮影位置とを切り替えるレンズ駆動装置に限らず、2つのレンズを駆動モータ等で独立に駆動するズーム撮影機能を有するレンズ駆動装置にも適用することもできる。
また、本実施の形態では、可動側に駆動マグネット19を、固定側に第1、第2駆動コイル22,23を配置したムービングマグネット型の構成となっているが、これに代えて、可動側に駆動コイルを、固定側に駆動マグネットを配置したムービングコイル型の構成、すなわち、一方の駆動部材が駆動コイルを、他方の駆動部材が2つの駆動マグネットをそれぞれ有している構成としても良い。
ムービングコイル型レンズ駆動装置は、たとえば次の構成を採用することができる。レンズを有する移動レンズ体は、レンズの光軸方向に移動可能な駆動コイルと磁性体を備え、支持体の内部には、上記駆動コイルを挟んでレンズの光軸方向に配置された第1駆動マグネットおよび第2駆動マグネットを備えると共に、上記駆動マグネットと磁気回路を構成し、駆動コイルへの通電を停止したときに第1駆動マグネットと第2駆動マグネットの一方と磁性体との磁気吸着により移動体を所定の位置に保持し、駆動コイルへの通電によって移動レンズ体を第1駆動マグネットと第2駆動マグネットとの間で移動させる。
本実施の形態では、第1、第2駆動コイル22,23は、図2に示すように、互いに逆方向に巻いているが、同方向に巻いて形成した駆動コイルの一方を180°回転(コイルの上面と下面を反転)させてから上下方向に重ねるように配置しても良い。
また、上述の実施の形態では、レンズ駆動装置1をカメラ付き携帯電話のカメラ部分の機能として組み込んだ例を示したが、これらのレンズ駆動装置や薄型カメラは、モバイルコンピュータ、PDA等の他の携帯機器に使用したり、監視カメラ、医療用カメラ等他のカメラ装置や、自動車、テレビ等の電子機器にも組み込むことができる。
本発明は、カメラ装置に応用できる。また、カメラ機能を有する携帯電話等の携帯機器に適用できる。さらには、レンズの位置切り換え機構を備えている電子機器であれば、すべての電子機器に組み込むことが可能である。
本発明の実施の形態に係るレンズ駆動装置を示す断面図である。 本発明の実施の形態に係るレンズ駆動装置の第1、第2駆動コイルを示す図で、(a)は両コイルの平面図、(b)は両コイルの側面断面図、(c)は両コイルが第1、第2磁性体に固着された状態の側面断面図である。 本発明の実施の形態に係るレンズ駆動装置の駆動マグネットを示す平面図である。 本発明の実施の形態に係るレンズ駆動装置の磁性体を示す平面図である。 本発明の実施の形態に係るレンズ駆動装置の駆動コイルと磁性体との固着面付近を示す拡大断面模式図である。 本発明の実施の形態に係るレンズ駆動装置の位置決め部材の平面展開図である。 本発明の実施の形態に係るレンズ駆動装置の第1、第2磁性体と位置決め部材との配置関係を示す外観模式図である。 図7の上部を斜めから見た図を模式的に現した要部斜視図である。 本発明の実施の形態に係るレンズ駆動装置の第1ケース分割体の平面図である。 図9のA−O−B線断面図である。 本発明の実施の形態に係るレンズ駆動装置の第1ケース分割体に第1磁性体(第1駆動コイルは固着されていない)と位置決め部材を組み込んだ状態で、第1ケース分割体の最前面で切断した断面図である。 図11のA−O−B線断面図で、第1駆動コイルを第1磁性体に固着した状態のものである。 本発明の実施の形態に係るレンズ駆動装置の第2ケース分割体の断面図で図12のA−B線断面図である。 図13の矢示X方向から見た図で、一部を省略して示す図である。 本発明の実施の形態に係るレンズ駆動装置の第2ケース分割体の部分拡大図である。 図1のレンズ駆動装置を含むカメラのシステム構成を示すブロック図である。 本発明の他の実施の形態に係るレンズ駆動装置の第1、第2駆動コイル周辺部を示す模式図と第1、第2駆動コイルの通電方向を示す模式図で、(A)はテレ,マクロ,ワイドの3箇所の位置で停止する状態を示す図、(B)は第1、第2駆動コイルの通電方向を示す図である。 本発明の他の実施の形態に係るレンズ駆動装置の位置決め部材にゴムマグネットシートをインサートした状態を示す図で、(A)は平面展開図、(B)は断面図である。
符号の説明
1 レンズ駆動装置
10 移動レンズ体
12 レンズ
16 レンズホルダ
19 駆動マグネット
22 第1駆動コイル
23 第2駆動コイル
24 連結線
25 第1駆動コイルの巻線端末
26 第2駆動コイルの巻線端末
32 第1磁性体
36 第2磁性体
40 位置決め部材
50 支持体
60 第1ケース分割体
70 第2ケース分割体
80 撮像素子ユニット
81 フィルタ
82 撮像素子
84 回路基板

Claims (7)

  1. レンズを有する移動レンズ体と、上記移動レンズ体を上記レンズの光軸方向に沿って移動させる駆動機構と、上記移動レンズ体および上記駆動機構を収納するケース体とを有するレンズ駆動装置において、
    上記駆動機構として上記移動レンズ体側に配置される一方の駆動部材と、上記一方の駆動部材と関係して上記移動レンズ体を上記光軸方向に沿って移動させる他方の駆動部材とを有し、上記他方の駆動部材を位置決めする位置決め部材を設け、上記位置決め部材と上記支持体との間に挟持させることによって上記他方の駆動部材を上記支持体に支持させたことを特徴とするレンズ駆動装置。
  2. 前記一方の駆動部材をマグネットとし、前記他方の駆動部材をコイルとし、上記コイルと一体の磁性体を前記位置決め部材と前記支持体とによって挟持して上記コイルを前記支持体に支持させたことを特徴とする請求項1記載のレンズ駆動装置。
  3. 前記他方の駆動部材をコイルとし、前記位置決め部材は、上記コイルの外周に沿って前記光軸周りに筒状に形成し、上記コイルからの配線を前記位置決め部材の外周に沿って配設したことを特徴とする請求項1記載のレンズ駆動装置。
  4. 前記磁性体は、リング形状をしていると共に、前記光軸を中心とした径方向に突出した複数の突出部を有し、上記突出部の外周が前記支持体に当接して前記コイルを調芯していることを特徴とする請求項2記載のレンズ駆動装置。
  5. 前記位置決め部材は、筒形状を有していると共に、前記コイルの本体の外周を囲むように前記コイルの周りに配置され、
    前記位置決め部材と前記支持体とで前記突出部を挟持することによって前記コイルを前記支持体に支持させ、
    前記突出部の間の前記磁性体の外壁と、前記位置決め部材の内壁との間に、前記径方向の隙間を形成し、
    前記コイルの一部は、上記隙間を通過して前記位置決め部材の外側に延伸していることを特徴とする請求項4記載のレンズ駆動装置。
  6. レンズを有する移動レンズ体と、
    上記移動レンズ体の周囲に保持されたマグネットと、
    上記マグネットを挟むように上記レンズの光軸方向に対向配置された2つのコイルと、
    外周に複数の突出部を有し、上記コイルを上記マグネットに対向させるように保持する2つの磁性体と、
    上記移動レンズ体と上記マグネットと上記コイルとを囲むと共に、上記複数の突出部に当接して上記磁性体の位置決めをする位置決め部材と、
    上記移動レンズ体と上記マグネットと上記コイルと上記磁性体と上記位置決め部材とを収納する支持体と、
    を有することを特徴とするレンズ駆動装置。
  7. 請求項1から6のいずれか1項記載のレンズ駆動装置と、このレンズ駆動装置によって得られた画像を表示する表示手段とを有することを特徴とするカメラ付き携帯機器。
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