JP2005124255A - モータ回転軸、モータ回転軸のスラスト軸受構造、減速機付きモータ及びモータ回転軸の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アーマチャシャフト7は、モータ1のギヤハウジング21に設けられた樹脂部材30に当接してそのスラスト荷重を受けるスラスト受面14aを一端に有する。スラスト受面14aは、荒切削により所定形状とされた切削面にバニシ加工が施されたバニシ仕上げ面からなる。また、アーマチャシャフト7は、ウォームホイール23と噛合するウォーム13を有する。
【選択図】 図1
Description
また、第2の目的は、コスト低減を図りながら高精度のモータ回転軸を製造することができるモータ回転軸の製造方法を提供することにある。
請求項3に記載の発明は、モータ回転軸を回転可能に支持するハウジングに形成され、前記モータ回転軸の先端が挿入される収容部と、前記収容部内に設けられて前記モータ回転軸からのスラスト力を受ける樹脂部材とを備えたモータ回転軸のスラスト軸受構造であって、前記モータ回転軸には前記樹脂部材に当接してそのスラスト荷重を受けるスラスト受面が形成され、該スラスト受面は、荒切削により所定形状とされた切削面にバニシ加工が施されたバニシ仕上げ面からなることを特徴とする。
請求項13に記載の発面は、請求項10〜12のうち何れか1項に記載のモータ回転軸の製造方法において、前記加圧部材の切削面に接触する接触部分はダイヤモンドで形成されていることを特徴とする。
請求項1、3、6又は9に記載の発明によれば、モータ回転軸のスラスト受面は荒切削された切削面にバニシ加工が施されたバニシ仕上げ面として形成されるため、切削加工により生じた切削痕等の凸凹形状はバニシ加工により押し潰されて均一面とされる。つまり、加工された面は切削加工の切削刃具により生じる削り痕が均されるので、面粗さが極めて小さい均一面となり、仕上げ加工として切削加工を行う場合と比較して面粗さが著しく向上し、モータ回転時の回転抵抗が小さくなる。また、スラスト受面の仕上げ加工を切削加工ではなくバニシ加工(塑性加工)により行うため、切削粉を発生させることなく面粗度を向上させることができ、モータ回転軸のスラスト受面とスラスト受部材(樹脂部材)との間に切削粉が挟み込まれることが防止される。この結果、高精度のモータ回転軸とすることができ、スラスト受面の面粗さやスラスト受面とスラスト受部材(樹脂部材)との間に挟み込まれる切削粉に起因するモータ回転時の異音や振動の発生を抑制することができるとともに、スラスト受部材(樹脂部材)の偏磨耗の発生を抑制してモータ回転軸のガタツキを防止することができる。
また、コスト低減を図りながら高精度のモータ回転軸を製造することができるモータ回転軸の製造方法を提供することができる。
図1(a)は、本実施形態のモータ1を示す。本実施形態のモータ1は、車両用ワイパ装置の駆動源として用いられるモータであって、モータ本体2と減速機構が収容される減速部3とが一体に組み付けられる減速機構付きモータである。
次に、上記のアーマチャシャフト7の製造方法について説明する。
前記アーマチャシャフト7は、図3に示すような円柱状の金属製のシャフト用素材40を加工して製造されている。シャフト用素材40は、先ず、図4に示すような鍛造型41を用い、先端側に小径部分12と先端軸受部分14とを形成し、基端端面に収容凹部11dを形成すべく冷間鍛造加工(冷鍛加工)が施される。
その後、先端軸受部分14の先端面にスラスト受面14aが形成される。
次に、図7に示すように、回転状態の先端軸受部分14の先端面に切削刃具53がスライドしながら当てられて荒切削され、切削面14bが形成される。切削刃具53は、図示しないスライド装置に設けられて、シャフト本体11の略軸線方向と、該軸線方向から所定角度傾斜した方向とにスライド移動可能とされている。荒切削は、例えば、回転中の先端軸受部分14に対して、切削刃具53が軸線方向に先端軸受部分14に向かってX1方向に移動された後、軸線方向から所定角度傾斜したX2方向に移動され、X2方向に移動しながら先端軸受部分14を切削する。その後、X1方向と平行で逆方向のX3方向に移動され、X2方向と平行で逆方向のX4方向に移動されて、切削刃具53は元の位置に戻される。
上記したように、本実施形態によれば以下の効果を有する。
(1)本実施形態では、アーマチャシャフトのスラスト受面14aは荒切削された切削面14bにバニシ加工が施されたバニシ仕上げ面として形成されるため、切削加工により生じた切削痕の凸凹形状はバニシ加工により押し潰されて均一面とされる。つまり、加工された面は切削加工のように切削刃具の削り痕が生じないため、面粗さが極めて小さい均一面となり、仕上げ加工として切削加工を行う場合と比較して面粗さが著しく向上し、モータ回転時の回転抵抗が小さくなる。また、スラスト受面14aの仕上げ加工を切削加工ではなくバニシ加工(塑性加工)により行うため、切削粉を発生させることなく面粗度を向上させることができ、アーマチャシャフト7のスラスト受面14aと樹脂部材30との間に切削粉が挟み込まれることが防止される。この結果、高精度のアーマチャシャフト7とすることができ、スラスト受面14aの面粗さやスラスト受面14aと樹脂部材30との間に挟み込まれる切削粉に起因するモータ回転時の異音や振動の発生を抑制することができるとともに、樹脂部材30の偏磨耗の発生を抑制してモータ回転軸のガタツキを防止することができる。
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
○樹脂部材30において、アーマチャシャフト7のスラスト受面14aが接触する部分を樹脂キャップ31とする好ましい例としたが、樹脂部材30のスラスト受面14aに接触する部分を注入樹脂としてもよい。そうすると、注入樹脂は硬化する際にバニシ仕上げにより均一面とされたスラスト受面14aに沿って収縮する(スラスト受面14aの模り状態で収縮する)ため、樹脂部材のアーマチャシャフト7に当接する面を均一面とすることができ、アーマチャシャフト7の回転時に発生するガタツキを抑制することができる。また、樹脂部材は、注入樹脂や樹脂キャップに何ら限定されず、他の態様の樹脂部材としてもよい。
Claims (13)
- モータのハウジングに回転可能に支持されるとともに、前記ハウジングに設けられたスラスト受部材に当接してそのスラスト荷重を受けるスラスト受面を一端に有するモータ回転軸であって、
前記スラスト受面は、荒切削により所定形状とされた切削面にバニシ加工が施されたバニシ仕上げ面からなることを特徴とするモータ回転軸。 - 請求項1に記載のモータ回転軸において、
ウォームホイールと噛合するウォームを有することを特徴とするモータ回転軸。 - モータ回転軸を回転可能に支持するハウジングに形成され、前記モータ回転軸の先端が挿入される収容部と、
前記収容部内に設けられて前記モータ回転軸からのスラスト力を受ける樹脂部材と
を備えたモータ回転軸のスラスト軸受構造であって、
前記モータ回転軸には前記樹脂部材に当接してそのスラスト荷重を受けるスラスト受面が形成され、
該スラスト受面は、荒切削により所定形状とされた切削面にバニシ加工が施されたバニシ仕上げ面からなることを特徴とするモータ回転軸のスラスト軸受構造。 - 請求項3に記載のモータ回転軸のスラスト軸受構造において、
前記樹脂部材は、前記収容部に連通して形成された開口部から、該収容部に注入硬化された注入樹脂を備えたことを特徴とするモータ回転軸のスラスト軸受構造。 - 請求項3に記載のモータ回転軸のスラスト軸受構造において、
前記樹脂部材は、
前記モータ回転軸のスラスト受面を覆う樹脂キャップと、
前記収容部に連通して形成された開口部から該収容部と前記樹脂キャップとの間に注入硬化された注入樹脂と
を備えたことを特徴とするモータ回転軸のスラスト軸受構造。 - ウォームを有するモータ回転軸を回転可能に支持するとともに該ウォームに噛合して減速出力するウォームホイールを収容するハウジングに形成された収容部と、
前記収容部内に設けられて前記モータ回転軸からのスラスト力を受ける樹脂部材と、
前記ハウジングに回転可能に支持されるとともに、前記樹脂部材に当接してそのスラスト荷重を受けるスラスト受面を一端に有するモータ回転軸と
を備えた減速機付きモータであって、
前記スラスト受面は、荒切削により所定形状とされた切削面にバニシ加工が施されたバニシ仕上げ面からなることを特徴とする減速機付きモータ。 - 請求項6に記載の減速機付きモータにおいて、
前記樹脂部材は、
前記収容部に連通して形成された開口部から該収容部に注入硬化された注入樹脂を備えたことを特徴とする減速機付きモータ。 - 請求項6に記載の減速機付きモータにおいて、
前記樹脂部材は、
前記モータ回転軸のスラスト受面を覆う樹脂キャップと、
前記収容部に連通して形成された開口部から該収容部と前記樹脂キャップとの間に注入硬化された注入樹脂と
を備えたことを特徴とする減速機付きモータ。 - モータのハウジングに回転可能に支持されるとともに、前記ハウジングに設けられたスラスト受部材に当接してそのスラスト荷重を受けるスラスト受面を一端に有するモータ回転軸の製造方法であって、
前記モータ回転軸の一端に切削加工により所定形状の切削面を形成した後、該切削面にバニシ加工を施してバニシ仕上げ面とした前記スラスト受面を形成することを特徴とするモータ回転軸の製造方法。 - 請求項9に記載のモータ回転軸の製造方法において、
前記バニシ加工は、加圧部材により前記切削面を所定の加圧力で加圧して行うことを特徴とするモータ回転軸の製造方法。 - 請求項10に記載のモータ回転軸の製造方法において、
前記加圧部材の切削面への加圧力を、該加圧部材の加圧により前記モータ回転軸に撓み変形が発生しない所定値に設定したことを特徴とするモータ回転軸の製造方法。 - 請求項10又は11に記載のモータ回転軸の製造方法において、
前記加圧部材の切削面に接触する接触部分は略球面状であることを特徴とするモータ回転軸の製造方法。 - 請求項10〜12のうち何れか1項に記載のモータ回転軸の製造方法において、
前記加圧部材の切削面に接触する接触部分はダイヤモンドで形成されていることを特徴とするモータ回転軸の製造方法。
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