JP2005123468A - 電子線照射架橋セパレート用フィルムおよびそれを用いたフレキシブルプリント配線基板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ホットプレス方式によってフレキシブルプリント配線基板(FPC)を製造する際に、高分子材料からなるセパレート用フィルムが、接着剤付カバーレイフィルム(CL)の開口部から露出した銅貼り積層板(CCL)の銅配線回路に付着する問題をなくし、前記銅配線回路へのメッキ不良を生じないようにすること。また銅配線回路と前記CLの接着剤との間に空隙(ボイド)が生じない製造方法とすること。そして前記製造方法に用いてもCCLの銅配線回路に付着することがない、電子線照射架橋した高分子材料からなるセパレート用フィルムを提供することにある。
【解決手段】 ホットプレス方式によってフレキシブルプリント配線基板を製造する際に用いる、高分子材料からなるセパレート用フィルムであって、前記セパレート用フィルムは電子線照射架橋されているセパレート用フィルムとすることによって、解決される。
【選択図】 なし
【解決手段】 ホットプレス方式によってフレキシブルプリント配線基板を製造する際に用いる、高分子材料からなるセパレート用フィルムであって、前記セパレート用フィルムは電子線照射架橋されているセパレート用フィルムとすることによって、解決される。
【選択図】 なし
Description
本発明は、フレキシブルプリント配線基板のホットプレスによる製造方法およびその製造方法に用いる、高分子材料からなる電子線照射架橋セパレート用フィルムに関するものである。
フレキシブルプリント配線基板(FPC)は、通常銅貼り積層板(CCL)の銅層を種々の方法により銅配線回路を形成した後、前記銅配線回路の必要部分が露出するように開口部分を形成した接着剤付カバーレイフィルム(CL)と貼り合わせ、これをキュアーすることによって製造されている。そしてキュアー方式としては、ホットプレス方式やホット・コールドプレス方式が知られている。これらの方式は、通常CCLの銅配線回路の必要部分が露出するように開口部分を形成したCLを重ね合わせた両側に、セパレート用フィルムを接触させ、それらの上からホットプレス成形等を行うものである。そして前記セパレート用フィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、4−メチルペンテン−1等のポリオレフィン系樹脂が使用されている。このような製造方法の一例が特許文献1に見られる。しかしながらこのような製造方式でFPCを製造すると、ポリオレフィン系樹脂等からなるセパレート用フィルムの軟化温度がホットプレス温度よりも低いために、溶融してCCLの銅回路表面に付着する問題がある。このように銅回路表面にセパレート用フィルムが付着すると、その後の銅回路への金メッキ等のメッキ処理においてメッキ不良を生じる原因となる。また特許文献1の製造方法は、プロセスが2段階となるので製造コストが高くなる問題もある。
特開2001−308500号公報
よって本発明が解決しようとする課題は、ホットプレス方式によってFPCを製造する際に、高分子材料からなるセパレート用フィルムが、CLの開口部から露出したCCLの銅配線回路に付着する問題をなくし、前記銅配線回路へのメッキ不良を生じないようにすること。また銅配線回路と前記CLの接着剤との間に空隙(ボイド)が生じない製造方法とすること。そして前記製造方法に用いてもCCLの銅配線回路に付着することがない、電子線照射架橋した高分子材料からなるセパレート用フィルムを提供することにある。
前記解決しようとする課題は、請求項1に記載されるように、ホットプレス方式によってFPCを製造する際に用いる高分子材料からなるセパレート用フィルムであって、前記セパレート用フィルムは電子線照射架橋されているセパレート用フィルムとすることによって、解決される。
また請求項2に記載されるように、前記電子線照射架橋された高分子材料からなるセパレート用フィルムが、ホットプレス温度よりも軟化温度が低い高分子材料であるポリエチレン、ポリプロピレン、α−オレフィン系樹脂の単独または混合物からなる1層構造であるセパレート用フィルムとすることによって、解決される。
さらに請求項3に記載されるように、前記電子線照射架橋された高分子材料からなるセパレート用フィルムが、CLに接触する側は、ホットプレス温度よりも軟化温度が高い高分子材料で構成され、その反対側はホットプレス温度より軟化温度が低い高分子材料で構成された多層構造のセパレート用フィルムとすることによって、さらには請求項4に記載されるように、ホットプレス温度よりも軟化温度が低い高分子材料が、ポリエチレン、ポリプロピレン、α−オレフィン系樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンエチルアクリレート共重合体、エチレンメタクリレート共重合体、エチレンメチルメタクリレート共重合体の単独または混合物からなり、かつホットプレス温度よりも軟化温度が高い高分子材料が、ポリエチレン、ポリプロピレン、α−オレフィン系樹脂の単独、または高融点高分子材料との混合物からなるセパレート用フィルムとすることによって、解決される。
そして請求項5に記載されるように、前記電子線照射架橋された高分子材料からなるセパレート用フィルムの架橋度が、70%以下である請求項1〜4のいずれかに記載のセパレート用フィルムとすることによって、解決される。
さらに請求項6に記載されるように、前記CCLと前記CLを貼り合わせてFPCを製造する方法において、電子線照射架橋された高分子材料からなるセパレート用フィルムをCLに形成した開口部分を覆って接触するように配置し、ついでホットプレスするFPCの製造方法とすることによって、解決される。
以上のように、ホットプレス方式によってFPCを製造する際に用いる高分子材料のセパレート用フィルムを、電子線照射架橋したセパレート用フィルムとすることによって、前記セパレート用フィルムがCLの開口部から露出したCCLの銅配線回路に付着する問題がなくなる。
また、前記電子線照射架橋された高分子材料のセパレート用フィルムが、ホットプレス温度よりも軟化温度が低い高分子材料であるポリエチレン、ポリプロピレン、α−オレフィン系樹脂の単独または混合物からなる1層構造であるセパレート用フィルムとすることによって、ホットプレス方式によってFPCを製造しても、セパレート用フィルムがCLの開口部から露出したCCLの銅配線回路に付着する問題がなく、このことによって銅配線回路へのメッキ不良を生じないようにすることができる。
さらに、前記電子線照射架橋された高分子材料からなるセパレート用フィルムが、CLに接触する面はホットプレス温度よりも軟化温度が高い高分子材料で構成され、その反対側の面は、ホットプレス温度より軟化温度が低い高分子材料で構成された多層構造であるセパレート用フィルムとすることによって、さらには高分子材料が、ホットプレス温度よりも軟化温度が低い高分子材料として、ポリエチレン、ポリプロピレン、α−オレフィン系樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンエチルアクリレート共重合体、エチレンメタクリレート共重合体、エチレンメチルメタクリレート共重合体の単独または混合物からなり、かつホットプレス温度よりも軟化温度が高い高分子材料が、ポリエチレン、ポリプロピレン、α−オレフィン系樹脂の単独、または高融点高分子材料との混合物からなるセパレート用フィルムとすることによって、ホットプレス方式によってFPCを製造しても、セパレート用フィルムがCLの開口部から露出したCCLの銅配線回路に付着する問題がなく、銅配線回路へのメッキ不良を生じないようにすることができる。
さらに好ましくは、前記電子線照射架橋された高分子材料からなるセパレート用フィルムの架橋度が、70%以下であるセパレート用フィルムとすることによって、前記高分子材料からなるセパレート用フィルムが、CLの開口部から露出したCCLの銅配線回路に付着する問題がなく、また銅配線回路へのメッキ不良を生じることがなくなり、さらに銅配線回路とCLの接着剤との間に空隙(ボイド)が生じないFPC製造用のセパレート用フィルムとして好ましいものとなる。
そして、CCLとCLを貼り合わせてFPCを製造する方法において、前記電子線照射架橋された高分子材料からなるセパレート用フィルムを、CLに形成した開口部分を覆って接触するように配置し、ついでホットプレスするFPCの製造方法とすることによって、前記セパレート用フィルムがCLの開口部から露出したCCLの銅配線回路に付着する問題がなく、また銅配線回路へのメッキ不良を生じることがなくなり、さらに前記銅配線回路とCLの接着剤との間に空隙(ボイド)が生じないFPCの製造方法とすることができる。
以下に本発明を詳細に説明する。請求項1に記載される発明は、ホットプレス方式によってFPCを製造する際に用いる高分子材料のセパレート用フィルムであって、前記セパレート用フィルムは電子線照射架橋されているセパレート用フィルムとしたので、ホットプレス方式によってFPCを製造しても、高分子材料のセパレート用フィルムが、CLの開口部から露出したCCLの銅配線回路に付着する問題がなく、また銅配線回路へのメッキ不良を生じることがなくなる。これは前記セパレート用フィルムを、電子線照射によって架橋することによって成し得たものである。高分子材料からなる従来のセパレート用フィルムは、通常FPCの製造工程におけるホットプレス温度よりも軟化温度が低いために、ホットプレス工程で溶融してCCLの銅配線回路上に付着するものと考えられるので、この問題の解決方法として、用いるセパレート用フィルムの軟化温度を向上させればよいことが考えられる。このための手段としては、セパレート用フィルムを架橋することが考えられるが、高分子材料の架橋方法としては有機過酸化物架橋、シラン架橋、電子線照射架橋等がある。
そこで、前述した架橋方法によって架橋したセパレート用フィルムの効果を確認した。その結果、セパレート用フィルムの架橋方法としては、電子線照射架橋以外は好ましくないことが確認された。すなわち有機過酸化物架橋では、架橋温度を200℃以上としないと十分な架橋が行われないので、セパレート用フィルムが溶融してフィルム形状を維持できないことがわかった。またシラン架橋の場合は、フィルム形状に架橋させることはできるが、架橋剤として用いるシランカップリング剤がCCLの銅配線回路表面と化学結合するために、接着強度が増加して目的とする離型性の点から問題があった。これに対して電子線照射架橋によるものは、室温等においてフィルム形状を維持させたまま架橋することができると共に、架橋助剤を添加することによって電子線の照射量も少なくすることができ、離型性も問題がないものであった。またセパレート用フィルムの厚さが2mm程度のものまで、比較的簡単に製造することができた。このようにセパレート用フィルムを架橋して軟化温度を向上させるためには、電子線照射架橋したものが好ましいことが確認された。
以上の電子線照射架橋処理したセパレート用フィルムは、請求項2に記載される発明のように、電子線照射架橋された高分子材料からなるセパレート用フィルムが、ホットプレス温度よりも軟化温度が低い高分子材料(低軟化点材料)であるポリエチレン、ポリプロピレン、α−オレフィン系樹脂の単独または混合物からなる1層構造のセパレート用フィルムとすることによって、ホットプレス方式によってFPCを製造する場合に、前記高分子材料からなるセパレート用フィルムがCLの開口部から露出したCCLの銅配線回路に付着する問題がなく、また銅配線回路へのメッキ不良を生じることがなくなる。より詳細に述べると、ポリエチレン、ポリプロピレン、α−オレフィン系樹脂の単独または混合物からなる1層構造のセパレート用フィルムを用いる場合には、比較的高めの架橋度を選択することによって、CCLの銅配線回路との剥離性とクッション性を兼ね備えたセパレート用フィルムとすることができ、ホットプレス方式によってFPCを製造した場合、前記高分子からなるセパレート用フィルムは、CLの開口部から露出したCCLの銅配線回路への付着量を殆どなくすことができると共に、銅配線回路のCLへの埋り込み性を向上させることができる。
また請求項3に記載されるように、電子線照射架橋された高分子材料からなるセパレート用フィルムが、CLに接触する側はホットプレス温度よりも軟化温度が高い高分子材料(高軟化点材料)で構成され、その反対側はホットプレス温度より軟化温度が低い高分子材料(低軟化点材料)で構成された多層構造であるセパレート用フィルムとすることによって、さらには請求項4に記載されるように、前記低軟化点材料がポリエチレン、ポリプロピレン、α−オレフィン系樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンエチルアクリレート共重合体、エチレンメタクリレート共重合体、エチレンメチルメタクリレート共重合体の単独または混合物からなり、かつ高軟化点材料がポリエチレン、ポリプロピレン、α−オレフィン系樹脂の単独、または高融点高分子材料との混合物からなるセパレート用フィルムとすることによって、前記1層構造のセパレート用フィルムと同様に、高分子材料からなるセパレート用フィルムが、CLの開口部から露出したCCLの銅配線回路への付着量を殆どなくすことができると共に、銅配線回路のCLへの埋り込み性を向上させることができることになる。
そしてこのような多層構造の中でも、例えば3層構造のセパレート用フィルムの場合には、中間層となる高分子材料の層も電子線照射架橋することによって、中間層の高分子材料にゴム弾性を付与することができ、前記セパレート用フィルムにクッション性をより向上させることができるようになる。このような特性を付与された多層構造のセパレート用フィルムは、特にCCLの銅配線回路の埋め込み性が良くなる。すなわち、銅配線回路とCLの接着剤層との界面にボイドが発生しなくなり、FPCとしての特性が安定し品質が良好となる。さらにCLに接触する側には、高軟化点材料であるポリエチレン、ポリプロピレン、α−オレフィン系樹脂の単独、または高融点高分子材料との混合物からなる高分子材料で構成したので、セパレート用フィルムはCLの開口部から露出したCCLの銅配線回路に付着し難くなっている。
以上のセパレート用フィルムはその架橋度を、請求項5に記載されるように、電子線照射架橋によって架橋度が70%以下である高分子からなるセパレート用フィルムとすることによって、ホットプレス方式によってFPCを製造する際にセパレート用フィルムが、CLの開口部から露出したCCLの銅配線回路に付着する問題がなく、また銅配線回路へのメッキ不良を生じることがなくなり、さらに銅配線回路とCLの接着剤との間に空隙(ボイド)が生じることがなく、銅配線回路の埋め込み性が良いFPC製造用のセパレート用フィルムとして好ましいものとなる。これは、架橋度が70%を超えるとセパレート用フィルムが硬くなり過ぎて、セパレート用フィルムの押し込みが十分に行われないために、銅配線回路とCLの接着剤との間に空隙(ボイド)ができ易くなるためである。なお前記架橋度は、120℃のO−ジクロルベンゼンに24時間浸漬した後、80℃で乾燥した試料重量を、元の試料重量で除した残量重量率として求めた。
つぎに、前記セパレート用フィルムを使用したFPCの製造方法について述べる。請求項6に記載するように、CCLとCLを貼り合わせてFPCを製造する方法において、電子線照射架橋された高分子材料からなるセパレート用フィルムを、CLに形成した開口部分を覆って接触するように配置し、ついでホットプレスするFPCの製造方法とすることによって、前記セパレート用フィルムがCCLの銅配線回路に付着する問題がなく、銅配線回路へのメッキ不良を生じない。また銅配線回路とCLの接着剤との間に空隙(ボイド)が生じない製造方法とすることができ、実用的なFPCの製造方法とすることができる。
以上のようなホットプレス方式によるFPCの製造方法は、通常熱板の間に、FPCを構成するCLとCCLを複数枚重ね合わせ、その両側にセパレート用フィルムを接触させそれらの上からクッション材を介してプレスするものである。そしてCLには、CCLの必要な銅配線回路部分に対応した開口が形成されるようになっている。また通常の製造条件としては、大気中或いは真空雰囲気とし、温度150〜200℃、圧力が1〜6MPaで、100〜200分の加圧成形とされる。そして前記セパレート用フィルムとしては、通常ポリエチレン、ポリプロピレン、4−メチルペンテン−1等のポリオレフィン系樹脂やスチレン系樹脂が、耐熱性、離型性等から使用されている。このようなFPCの製造方法においては、前記ポリオレフィン系樹脂等からなるセパレート用フィルムの軟化温度がホットプレス温度よりも低いために、溶融してCCLの銅回路表面に付着し、このように銅回路表面にセパレート用フィルムが付着すると、その後の銅回路への金メッキ等のメッキ処理においてメッキ不良を生じる原因となっていた。これに対して本発明のFPCの製造方法では、電子線照射架橋されたセパレート用フィルム、並びに電子線照射架橋されると共にホットプレス温度よりも軟化点が高いセパレート用フィルムが前記CLと接触して用いられるので、前記の問題を生じないFPCの製造方法とすることができる。
表1に記載する実施例並びに比較例によって、本発明の効果を確認した。試料Aとして、ポリプロピレン(PP)70:ポリエチレン(PE)30の混合物からなる25μm厚さの上下のフィルム層間に、厚さ100μmのエチレン酢酸ビニル共重合体の層を設けた3層構造のセパレート用フィルムを用意した。また試料Bとして、厚さ150μmのポリエチレンからなる1層構造のセパレート用フィルムを用意した。なお前記PEは、ビカット軟化点が102℃でMFR(メルトフローレシオ)が0.7の特性のものを用いた。また前記PPは、ビカット軟化点が155℃で、MFRが0.7の特性のものである。これらのセパレート用フィルムに電子線照射して、種々の架橋度の電子線照射架橋したセパレート用フィルムを作製した。
この電子線照射架橋したセパレート用フィルムを使用して、CCLとCLからなるFPCをホットプレス方式によって製造した。すなわち、厚さ25μmのポリイミドフィルムに10μmの接着剤層を介して18μmの銅箔を接着し、銅配線回路を形成したCCLと銅配線回路に対応して必要な開口を形成した25μmのポリイミドフィルムに、30μm厚さの接着剤層を形成したCLを重ね合わせ、CLと接触して電子線照射架橋したセパレート用フィルムを配置した。これをホットプレスによって、165℃で70分間キュアー処理してFPCとした。
前記のキュアー処理が終了したFPCについて、銅配線回路上へのセパレート用フィルムの付着量を、実体顕微鏡によって観察した。比較例として示した未架橋のセパレート用フィルムの場合に付着する量を基準として、この量の半分以下の付着量である場合を、合格として○印で記載した。さらに前記FPCについて、銅配線回路とCLの接着剤との界面の空隙(ボイド)を実体顕微鏡で観察して、銅箔回路の埋り込み性を調べた。ボイドが発生していないものを合格として、○印で示した。また比較例として、未架橋のセパレート用フィルムを用いたFPCについて同様の測定を行った。結果は、表1のとおりである。
表1から明らかなとおり、実施例1〜6に示すような電子線照射架橋したセパレート用フィルムを用いてFPCの製造方法によれば、前記セパレート用フィルムがCCLの銅配線回路に付着しその後に行われるメッキ処理が不良となるような問題は生じない。また銅配線回路の埋り込み性の問題も生じない、好ましいものであることがわかる。より詳細に説明すると、実施例1〜3に示される3層構造からなるセパレート用フィルムの場合は、架橋度を2%程度与えることによって、その付着量が未架橋の場合の半分以下となっており、その後に行われる金メッキ処理も実用上問題がないものであった。さらに銅配線回路の埋り込み性も、ボイドが見られず良好であった。また実施例4〜6のポリエチレン単独の1層からなるセパレート用フィルムも、70%程度の架橋度までとすることによって、付着量が未架橋の場合に比較して半分以下で、その後に行われる金メッキ処理も不良を生じない実用上問題がないものであった。さらに銅配線回路の埋り込み性においても、ボイドが見られず良好であった。
これに対して、比較例1および3のように未架橋の場合は、PPとPEの混合物からなる層を両サイドに配置した3層構造のセパレート用フィルムおよびPE単層のセパレート用フィルム共に、CCLの銅配線回路上にかなり付着し、その後に行う金メッキ処理において不都合(問題あり)となった。また比較例2および4のように電子線照射架橋を施した場合でも、その架橋度が78%以上となると付着量は低減するが、銅配線回路の埋り込み性においてボイドの発生が多く見られ、十分な接着性が得られない問題が生じていた。
本発明の電子線照射架橋された高分子材料からなるセパレート用フィルムを用い、ホットプレスによってFPCを製造することによって、前記セパレート用フィルムはCCLの銅配線回路に殆ど付着することがなく、その後のメッキ処理による不良の問題がないと共に、銅配線回路の埋り込み性も良好な、種々の用途に実用的なFPCを得ることができる。
Claims (6)
- ホットプレス方式によってフレキシブルプリント配線基板を製造する際に用いる高分子材料からなるセパレート用フィルムであって、前記セパレート用フィルムは電子線照射架橋されていることを特徴とするセパレート用フィルム。
- 前記電子線照射架橋された高分子材料からなるセパレート用フィルムが、前記ホットプレス温度よりも軟化温度が低い高分子材料であるポリエチレン、ポリプロピレン、α−オレフィン系樹脂の単独または混合物からなる1層構造であることを特徴とする請求項1に記載のセパレート用フィルム。
- 前記電子線照射架橋された高分子材料からなるセパレート用フィルムが、接着剤付カバーレイフィルムに接触する側は前記ホットプレス温度よりも軟化温度が高い高分子材料で構成され、その反対側は前記ホットプレス温度より軟化温度が低い高分子材料で構成された多層構造であることを特徴とする請求項1に記載のセパレート用フィルム。
- 前記ホットプレス温度よりも軟化温度が低い高分子材料が、ポリエチレン、ポリプロピレン、α−オレフィン系樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンエチルアクリレート共重合体、エチレンメタクリレート共重合体、エチレンメチルメタクリレート共重合体の単独または混合物からなり、かつ前記ホットプレス温度よりも軟化温度が高い高分子材料が、ポリエチレン、ポリプロピレン、α−オレフィン系樹脂の単独、または高融点高分子材料との混合物からなることを特徴とする請求項3に記載されるセパレート用フィルム。
- 前記電子線照射架橋された高分子材料からなるセパレート用フィルムの架橋度が、70%以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のセパレート用フィルム。
- 銅貼り積層板と接着剤付カバーレイフィルムを貼り合わせてフレキシブルプリント配線基板を製造する方法において、前記電子線照射架橋された高分子材料からなるセパレート用フィルムを前記接着剤付カバーレイフィルムに形成した開口部分を覆って接触するように配置し、ついでホットプレスすることを特徴とするフレキシブルプリント配線基板の製造方法。
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