JP2005116977A - 薄膜トランジスタおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 薄膜トランジスタは、基板1上に形成された半導体層2と、半導体層2上に形成されたゲート絶縁膜3と、ゲート絶縁膜3上に形成されたゲート電極4と、ゲート電極4の両側に形成されたサイドウォール膜6aと、半導体層2にそれぞれ接続されたソース電極7およびドレイン電極8と有する。半導体層2は、平面視において、ゲート電極4と重なる第1領域2cと、第1領域2cの外側に隣接し、かつサイドウォール膜6aと重なる第2領域と、第2領域の外側に隣接し、かつソース電極7またはドレイン電極8と直接接続されている第3領域とを含む。
【選択図】 図2
Description
「フラットパネルディスプレイ大辞典」,株式会社工業調査会,2001年,p.214-219
図1は、実施形態1のN型薄膜トランジスタのレイアウトを示す平面図であり、図2は図1中のA−A' 線断面図である。図3および図4は、本実施形態のTFTの製造工程を示す断面図であり、図3は工程(a)〜(c)を、図4は工程(d)〜(f)をそれぞれ示している。以下、図1〜図4を参照しながら、本実施形態のTFT基板の製造工程とともに、TFTの構造を説明する。
LPCVD法(減圧化学的気相成長法)により、絶縁性の石英基板1上に厚さ70nmの非晶質シリコン膜を成膜した後、600℃、20時間の条件の熱処理を行なって非晶質シリコン膜を結晶化させる。さらに所定の形状にエッチングして、半導体層2を形成する(図3(a))。
石英基板1上に膜厚80nmのSiO2 膜からなるゲート酸化膜3を成膜して、半導体層2を被覆する。リン等の不純物が高濃度にドーピングされた膜厚150nmの多結晶シリコン膜および膜厚150nmのWSi膜をゲート酸化膜3上に順次積層する。さらに、この積層膜上に膜厚500nmの絶縁膜を成膜する。フォトエッチング技術を用いて、絶縁膜と積層膜を同時にパターニングすることによって、第1絶縁膜5とゲート電極4を形成する(図3(b))。
ゲート電極4および第1絶縁膜5をマスクとして、リン等の不純物を3×1015原子/cm2 、75Kevの条件で注入する。これにより、半導体層2に高濃度不純物領域であるソース領域2aおよびドレイン領域2bが形成される。またゲート電極4に重畳するチャネル領域2cが形成される(図3(c))。
ゲート電極4および第1絶縁膜5を被覆する第2絶縁膜6を600nmの膜厚で形成する(図4(d))。
第2絶縁膜6をエッチバック処理して、ゲート電極4の両側にサイドウォール膜6aを形成する。その後、ゲート電極4、第1絶縁膜5およびサイドウォール膜6aをマスクとし、ゲート酸化膜3をエッチングする。これにより、サイドウォール膜6aよりも平面視において外側の半導体層2が露出する(図4(e))。
膜厚80nmのTiW膜、膜厚400nmのAl−Si膜および膜厚150nmのTiW膜を順次積層した積層膜を成膜する。フォトエッチング技術により、サイドウォール膜6aよりも平面視において外側のソース領域2aおよびドレイン領域2bの全面を少なくとも覆うように積層膜をパターニングして、ソース電極7およびドレイン電極8を形成する(図4(f))。これにより、ソース電極7はソース領域2aに、ドレイン電極8はドレイン領域2bにそれぞれコンタクトホールを介さずに直接接続される。
実施形態1ではサイドウォール膜が単層構造であるが、これに限定されない。本実施形態では、実施形態1と異なり、ゲート電極側面のサイドウォール膜が第1サイドウォール膜106cと第2サイドウォール膜106dの2層構造で形成されている場合について説明する。
ゲート電極104および第1絶縁膜105上に、膜厚100nmの窒化シリコン膜106cおよび膜厚500nmの酸化シリコン膜106bを順次形成する(図5(d))。なお、窒化シリコン膜106cは後の工程(f)を経て第1サイドウォール膜となり、酸化シリコン膜106bは後の工程(e)を経て第2サイドウォール膜となる。
酸化シリコン膜106bをエッチバック処理することで第2サイドウォール膜106eを形成する(図5(e))。この際、窒化シリコン膜106cをエッチバック処理のストッパ膜として、エッチバック処理のオーバーエッチングによってゲート酸化膜103および半導体層102がエッチングされないようにする。
ゲート電極104、第1絶縁膜105および第2のサイドウォール膜106eをマスクとして、窒化シリコン膜106cをエッチングし、第1のサイドウォール膜106dを形成する(図5(f))。この際、NF3 +Cl2 混合ガスを使用するのが好ましい。ゲート酸化膜103がエッチストッパ膜となるので、エッチング処理のオーバーエッチングによって半導体層102がエッチングされないからである。
ゲート電極104、第1絶縁膜105、第1サイドウォール膜106dおよび第2サイドウォール膜106eをマスクとして、ゲート酸化膜103をエッチングする。これにより、第1サイドウォール膜106dおよび第2サイドウォール膜106eよりも平面視において外側の半導体層102が露出する(図6(g))。ゲート酸化膜103をエッチングする際、半導体層102までオーバーエッチングされないようにするために、CF4 +H2 混合ガスを使用するのが好ましい。これにより、半導体層102を露出させるためのSiO2 エッチング時のオーバーエッチ量を減らすことができる。また、半導体層102の膜減りを少なくすることができるとともに、TFT下層の下地膜のオーバーエッチングによる掘り下げ量も低減することができる。したがって、歩留まり向上やプロセスの安定化を図ることができる。
実施形態1の工程(f)と同様に、膜厚80nmのTiW膜、膜厚400nmのAl−Si膜および膜厚150nmのTiW膜を順次積層した積層膜を成膜する。フォトエッチング技術により、サイドウォール膜106aよりも平面視において外側のソース領域102aおよびドレイン領域102bの全面を少なくとも覆うように積層膜をパターニングして、ソース電極107およびドレイン電極108を形成する(図6(h))。これにより、ソース電極107はソース領域102aに、ドレイン電極108はドレイン領域102bにそれぞれコンタクトホールを介さずに直接接続される。
図7は、実施形態3のN型薄膜トランジスタの断面図である。図7において、実施形態1のN型TFTの構成要素と実質的に同じ機能を有する構成要素は、実施形態1で付された参照番号に200を加えた参照番号で示し、その説明を省略する。例えば、実施形態1で示したサイドウォール膜6aと実質的に同じ機能を有する構成要素を参照番号206aで示す。
図8は、実施形態4のN型薄膜トランジスタの断面図である。図8において、実施形態1のN型TFTの構成要素と実質的に同じ機能を有する構成要素は、実施形態1で付された参照番号に300を加えた参照番号で示し、その説明を省略する。例えば、実施形態1で示したサイドウォール膜6aと実質的に同じ機能を有する構成要素を参照番号306aで示す。
実施形態5では、実施形態1と異なり、サイドウォール膜406aよりも平面視において外側の半導体層402がシリサイド層402eであるTFTについて説明する。図9は、本実施形態のN型薄膜トランジスタの製造工程を示す断面図である。なお、絶縁性の石英基板401上に半導体層402を形成する工程、半導体層402上にゲート酸化膜403、ゲート電極404および第1絶縁膜405を形成する工程、半導体層402にソース領域402a、ドレイン領域402bおよびチャネル領域402cを形成する工程、第2絶縁膜を形成する工程、第2絶縁膜からサイドウォール膜406aを形成し、さらにゲート酸化膜403をエッチングする工程は、実施形態1の工程(a)〜工程(e)とそれぞれ同じであるので、説明を省略する。
石英基板401上に膜厚50nmのTi膜406cを成膜し、約500℃の第1の熱処理を行う。この処理により、ソース領域402aおよびドレイン領域402bのうちTi膜406cに接触している領域がシリサイド層402e(TiSi)になる(図9(f))。
熱処理後、未反応で残っているTi膜406cをNH4 OH+H2 O2 によって除去する。その後、約700℃で第2の熱処理を行うことにより、シリサイド層402eのTiSiが低抵抗なTiSi2 となる(図9(g))。
実施形態1の工程(f)と同様に、膜厚80nmのTiW膜、膜厚400nmのAl−Si膜および膜厚150nmのTiW膜を順次積層した積層膜を成膜する。フォトエッチング技術により、シリサイド層402eの全面を少なくとも覆うように、積層膜をパターニングして、ソース電極407およびドレイン電極408を形成する。ソース電極407はソース領域402a側のシリサイド層402eに、ドレイン電極408はドレイン領域402b側のシリサイド層402eに、それぞれコンタクトホールを介さずに、直接接続される。以上の工程を経て、本実施形態の薄膜トランジスタが作製される(図9(h)。なお、本実施形態は本発明により作製されるTFTの一例であり、本発明は本実施形態に記載された材料や膜厚、形成方法などに限定されない。
2,102,202、302,402,502 半導体層
2a,102a,202a,302a,402a,502a ソース領域
2b,102b,202b,302b,402b,502b ドレイン領域
2c,102c,202c,302c,402c,502c チャネル領域
202d 低濃度不純物領域
402e シリサイド層
3,103,203,303,403,503 ゲート酸化膜
4,104,204,304,404,504 ゲート電極
5,105,205,305,405 第1絶縁膜
6,406,506 第2絶縁膜
6a,206a,306a,406a サイドウォール膜
106b 酸化シリコン膜
106c 窒化シリコン膜
106d 第1サイドウォール膜
106e 第2サイドウォール膜
406c Ti膜
7,107,207,307,407,507 ソース電極
8,108,208,308,408,508 ドレイン電極
507a ソースコンタクトホール
508a ドレインコンタクトホール
Claims (6)
- 基板上に形成された半導体層と、前記半導体層上に形成されたゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極と、前記ゲート電極の両側に形成されたサイドウォール膜と、前記半導体層にそれぞれ接続されたソース電極およびドレイン電極と有する薄膜トランジスタであって、
前記半導体層は、平面視において、前記ゲート電極と重なる第1領域と、前記第1領域の外側に隣接し、かつ前記サイドウォール膜と重なる第2領域と、前記第2領域の外側に隣接し、かつ前記ソース電極または前記ドレイン電極と直接接続されている第3領域とを含む薄膜トランジスタ。 - 前記サイドウォール膜は、前記ゲート電極および前記ゲート絶縁膜と接している第1サイドウォール膜と、前記第1サイドウォール膜上に形成された第2サイドウォール膜とを有しており、
前記第1サイドウォール膜は、前記第2サイドウォール膜および前記ゲート絶縁膜と異なる種類の材料から形成されている、請求項1に記載の薄膜トランジスタ。 - 請求項1に記載の薄膜トランジスタと、前記ドレイン電極と接続された画素電極とを有する薄膜トランジスタ基板。
- 請求項3に記載の薄膜トランジスタ基板と、前記薄膜トランジスタに対向して配置される対向電極と、前記素子基板と前記対向電極との間に介在する表示媒体層とを有する表示装置。
- 請求項1に記載の薄膜トランジスタを製造する方法であって、
前記半導体層上に前記ゲート絶縁膜および前記ゲート電極を形成する工程と、
前記ゲート電極の両側面にエッチバック法にて前記サイドウォール膜を形成する工程と、
前記ゲート電極および前記サイドウォール膜をマスクにして、前記ゲート絶縁膜をエッチングすることにより、前記サイドウォール膜よりも外側の前記半導体層を露出させる工程と、
露出した前記半導体層の全面を覆う前記ソース電極または前記ドレイン電極を形成する工程とを有する薄膜トランジスタの製造方法。 - 請求項2に記載の薄膜トランジスタを製造する方法であって、
前記半導体層上に前記ゲート絶縁膜および前記ゲート電極を形成する工程と、
前記ゲート電極および前記ゲート絶縁膜上に、前記ゲート絶縁膜と異なる種類の材料を含む第1絶縁膜を形成する工程と、
前記第1絶縁膜上に、前記第1絶縁膜と異なる種類の材料を含む第2絶縁膜を形成する工程と、
前記第1絶縁膜をエッチストッパ膜とし、エッチバック法にて前記第2絶縁膜をサイドウォール形状にエッチングすることによって、前記第2サイドウォール膜を形成する工程と、
前記第2サイドウォール膜をマスクとし、前記ゲート絶縁膜をエッチストッパ膜として、前記第1絶縁膜をエッチングすることによって、前記第1サイドウォール膜を形成する工程と、
前記ゲート電極ならびに前記第1および前記第2サイドウォール膜をマスクとし、前記ゲート絶縁膜をエッチングして、前記第1および前記第2サイドウォール膜よりも外側の前記半導体層を露出させる工程と、
露出した前記半導体層を覆う前記ソース電極または前記ドレイン電極を形成する工程とを有する薄膜トランジスタの製造方法。
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