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JP2005112297A - 車両用空調装置 - Google Patents

車両用空調装置 Download PDF

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Yukio Ueno
幸雄 上野
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Abstract

【課題】 暖房用吹出口から吹き出される温風が乗員の上半身にあたらないように気流を起こさせることで暖房時の快適性を損なうことがなくなる車両用空調装置を実現する。
【解決手段】 車両屋根部に設置される空調ユニット10、蒸発器24、および加熱用熱交換器27を備えて車室内を空調する車両用空調装置において、空調ユニット10に形成され各吹出モードに応じて空気通路を開口する複数の吹出開口部13〜17と、車両天井部に設けられ吹出開口部13〜17のそれぞれに連通するように接続され温度調節された空調風を車室内に吹き出す複数の吹出口13a〜17aと、吹出口13a〜17aのうち温風が車室内下方に向けて吹き出されるフット吹出口14aと、フット吹出口14aから吹き出される温風を吸い込んで乗員の足元に向けて吹き出し可能な送風ユニット40とを有する。これにより、暖房時の快適性を損なうことがない。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば、トラックなどの車両に搭載される車両用空調装置に関するものであり、特に、空調ユニットが車両屋根部に設置されて、暖房時に車両天井部から吹き出される空調風の快適性に関する。
従来、この種の車両用空調装置に構成される空気通路を形成する空調ユニットを車両の天井部もしくは屋根部に設置されたものとして、例えば、特許文献1に記載されたものが知られている。この車両用空調装置では、建設機械などの小型特殊車両の運転室内を空調する空調装置であって、各種吹出モードに応じた複数の吹出口を乗員の頭部よりも上方の天井部に複数の吹出口およびこの吹出口に接続されて空調ユニットからの空調風を導入する吹出ダクトを設けている。
因みに、この特殊車両の場合は、車両前面の窓ガラスの内側面に沿って下方に空気を吹き出すフット・デフロスタ用吹出口を有する吹出ダクトを、車室天井部の最前部に配置し、この吹出ダクトに、車室内乗員の上半身に向けて空気を吹き出すフェイス吹出口を有するフェイス用吹出ダクトを連結し、上記吹出ダクトより車室後方側に空調ユニットを配置するように構成している。これにより、乗員の頭部スペースを確保するとともに、冷房運転のときと、暖房運転のときとは異なる吹出口から空調風を吹き出させて乗員の快適性を損なわないようにしている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平09−249020号公報
しかしながら、一般的に、乗員の上半身に向けて温風を吹き出させて暖房を行なうと、乗員に対する快適性を損なう問題がある。そこで、上記特許文献1によれば、温風を吹き出すフット・デフロスタ用吹出口を車室天井部の最前部に配置させて車両前面の窓ガラスの内側面に沿って下方に吹き出すようにしているが、この小型特殊車両に比べて、トラック車両においては、車両の走行性能を高めるために車両屋根部および車両天井部の前面側の形状が、概して流線状に形成されており、この部分に吹出口および吹出ダクトを設置するための取り付け空間を形成するには困難な問題がある。
また、トラック車両においては、各種吹出モードが上記特許文献1のように、冷房運転におけるフェイスモードと暖房運転におけるフット・デフロスタモードの2通りの他に、前面窓ガラスの曇りを晴らすためのデフロスタモード、左右側面の窓ガラスの曇りを晴らすためのサイドデフロスタモード、暖房運転におけるフットモード、および乗員席の後方に設けられた仮眠室を空調するための仮眠モードなどがあって、これらに応じた吹出口および吹出ダクトの配設が車両天井部に必要となってくる。
そこで、本発明は、上記点を鑑みたものであり、第一の目的として暖房用吹出口から吹き出される温風が乗員の上半身にあたらないように気流を起こさせることで暖房時の快適性を損なうことがなく、第二の目的として車両天井部に吹出口ダクトが配設されないように空調ユニットを構成させることで頭部スペースの確保を可能とする車両用空調装置を提供することにある。
上記、目的を達成するために、請求項1ないし請求項10に記載の技術的手段を採用する。すなわち、請求項1に記載の発明では、車両屋根部に設置され、空気通路を形成する空調ユニット(10)と、この空調ユニット(10)に配設され、空気を冷却する蒸発器(24)およびこの蒸発器(24)を通過した空気を加熱する加熱用熱交換器(27、50)とを備えて車室内を空調する車両用空調装置において、
空調ユニット(10)に形成され、各種吹出モードに応じて空気通路を開口する複数の吹出開口部(13〜17)と、車両天井部に設けられ、吹出開口部(13〜17)のそれぞれに連通するように接続されて、空調ユニット(10)により温度調節された空調風を車室内に吹き出す複数の吹出口(13a〜17a)と、この複数の吹出口(13a〜17a)のうち、車室内を暖房するための温風が車室内下方に向けて吹き出される暖房用吹出口(14a、15a)と、この暖房用吹出口(14a、15a)から吹き出される温風を吸い込んで乗員の足元に向けて吹き出し可能な送風ユニット(40、40a)とを有することを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、送風ユニット(40、40a)により暖房用吹出口(14a、15a)からの温風を吸い込んで乗員の足元に向けて吹き出すことで、乗員の上半身にあたる温風が極力低減できるとともに、足元側に温風が吹き出されることで暖房時における快適性が損なわれることはない。また、従来のように暖房用吹出口(14a、15a)を車両の前方側に設けなくても、車両前面の窓ガラスと乗員の間に設ければよいので、暖房用吹出口(14a、15a)の搭載が困難となる恐れはない。
請求項2に記載の発明では、暖房用吹出口(14a)は、乗員と車両前面の窓ガラスとの間に、下方に向けて温風を吹き出すように設けられ、送風ユニット(40)は、上方端に吸込口(42)を有し、吸込口(42)が暖房用吹出口(14a)から吹き出される温風の吹出範囲内に設置されることを特徴としている。
請求項2に記載の発明によれば、具体的には、吸込口(42)が暖房用吹出口(14a)から吹き出される温風の吹出範囲内に設置されることにより、暖房用吹出口(14a)からの温風を吸い込んで足元側に温風が吹き出されることで暖房時における快適性が損なわれることはない。
請求項3に記載の発明では、送風ユニット(40)は、車両前面のインストルメントパネル内に配設されたことを特徴としている。請求項3に記載の発明によれば、送風ユニット(40)がインストルメントパネル内に一体で構成されるため車両側の内装を損なうことなく、しかも送風ユニット(40)が低コストで収容できる。
請求項4に記載の発明では、暖房用吹出口(15a)は、車両側面の窓ガラスの内側面に沿って下方に向けて温風を吹き出すように設けられ、送風ユニット(40a)は、上方端に吸込口(42)を有し、この吸込口(42)が暖房用吹出口(15a)から吹き出される温風の吹出範囲内に設置されることを特徴としている。請求項4に記載の発明によれば、上述した請求項2と同様に、暖房用吹出口(15a)からの温風を吸い込んで足元側に温風が吹き出されることで暖房時における快適性が損なわれることはない。
請求項5に記載の発明では、送風ユニット(40a)は、車両のドアトリム内に配設されたことを特徴としている。請求項5に記載の発明によれば、上述した請求項3と同様に、送風ユニット(40)がドアトリム内に一体で構成されるため車両側の内装を損なうことなく、しかも送風ユニット(40a)が低コストで収容できる。
請求項6に記載の発明では、空調ユニット(10)には、蒸発器(24)の他に、車両用動力源の駆動により発電される電気を蓄電する蓄電手段(33)または外部商用電源(34)のいずれかの電源により駆動される電動圧縮機(21)、凝縮器(22)および減圧手段(23)からなる冷凍サイクル装置(20)を一体に構成したことを特徴としている。
請求項6に記載の発明によれば、蓄電手段(33)または外部商用電源(34)のいずれかの電源により駆動される電動圧縮機(21)を用いることで、車両停車時に車両用動力源が停止されても、蓄電された蓄電手段(33)または外部商用電源(34)のいずれかの電源により冷凍サイクル装置(20)を作動させることで車室内の空調が可能である。これにより、近年のアイドリング規制による荷物の受け渡しによる車両用エンジンなどの車両用動力源が停止されたときにおいても車室内の空調ができる。
また、空調ユニット(10)は、電動圧縮機(21)を含め冷凍サイクル装置(20)を一体に収容するように構成して車両屋根部に設置されることにより、エンジンルーム側と空調ユニット(10)との間に設けられる冷凍サイクル装置(20)を構成する配管部材を一切必要としないため、車両への空調ユニット(10)の搭載が容易にできるとともに、空調装置の部品点数を低減することができる。
請求項7に記載の発明では、冷凍サイクル装置(20)は、冷房運転と暖房運転とによって冷媒の流れ方向が切り換えられるヒートポンプサイクルであって、蒸発器(24)には、暖房運転のときに、電動圧縮機(21)により圧縮された高温高圧の冷媒が流入されることを特徴としている。請求項7に記載の発明によれば、従来周知の蒸発器(24)と車両用エンジンの冷却水を熱源とするヒータコアを組み合わせて冷房と暖房を行なう装置では、ヒータコアに冷却水を流通させるための車両屋根部まで施設する配管部材が必要であるが、ヒートポンプサイクルにすることでこの配管部材が不要となり、より車両への空調ユニット(10)の搭載が容易にできるとともに、空調装置の部品点数を低減することができる。
請求項8に記載の発明では、冷凍サイクル装置(20)は、圧縮機(21)で圧縮された高温高圧の冷媒の一部が加熱用熱交換器(27)に流入するように構成されたことを特徴としている。請求項8に記載の発明によれば、蒸発器(24)を通過した空気を加熱する加熱用熱交換器(27)が設けられたことにより、外気温が比較的低いときの車両の窓ガラスが曇るときなど除湿暖房が要求される車両用空調装置では、冷凍サイクル装置(20)における冷媒の一部を加熱用に活用することで容易に機能向上することができる。
請求項9に記載の発明では、空調ユニット(10)は、上段と下段とを区画する区画部材(12)が形成され、上段に冷凍サイクル装置(20)を配設するとともに、区画部材(12)に複数の吹出開口部(13〜17)を形成し、かつ下段にそれぞれの吹出開口部(13〜17)とそれぞれの吹出口(13a〜17a)とが連通する空気通路が形成されていることを特徴としている。請求項9に記載の発明によれば、吹出口(13a〜17a)と吹出開口部(13〜17)とを接続する吹出ダクトが空調ユニット(10)内で形成できることで車両天井部に吹出ダクトを配設することもなく、乗員頭上と天井部との頭上スペースを確保することが可能となる。
請求項10に記載の発明では、車両はトラック車両であって、複数の吹出口(13a〜17a)は、車両前面の窓ガラスの内側面に沿って下方に向けて温風を吹き出すデフロスタ吹出口(13a)、車両側面の窓ガラスの内側面に沿って下方に向けて温風を吹き出すサイドデフロスタ吹出口(15a)、乗員の上半身に向けて冷風を吹き出すフェイス吹出口(16a)、乗員と車両前面の窓ガラスとの間に下方に向けて温風を吹き出すフット吹出口(14a)および乗員席の後方に設けられた仮眠室に向けて空調風を吹き出す仮眠用吹出口(17a)であって、空調ユニット(10)は、各種吹出モードに応じて複数の吹出口(13a〜17a)のうちから選定するように制御されることを特徴としている。
請求項10に記載の発明によれば、トラック車両においては、一般的に運転の疲れを癒すための仮眠室が乗員席の後部に設けられている。そこで、仮眠室向けに空調風を吹き出すようにすることで、車両停車時に、車両用動力源が停止されても仮眠室内を空調することができる。また、上記、各種の吹出口(13a〜17a)を設けることでトラック車両における各種吹出モードに応じた快適な空調が可能となる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態の具体的手段との対応関係を示すものである。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態による車両用空調装置を図1ないし図4に基づいて説明する。図1は本発明をトラック車両に適用した車両用空調装置の概略構成を示す模式図、図2および図3はトラック車両の屋根部に搭載された空調ユニット10の全体構成を示す模式図、図4は空調ユニット10に構成される冷凍サイクル装置20の全体構成を示す模式図である。
本実施形態の車両用空調装置は、図1に示すように、車両屋根部に搭載される空調ユニット10、車両天井部に配設される複数の吹出口13a〜17a、車室内空気を吸い込む吸込口18a、および車両のインストルメントパネル内に配設される送風ユニット40から構成されている。空調ユニット10は、吸込口18aから車室内空気を吸い込んで温度調節された空調風を複数の吹出口13a〜17aに吹き出すユニットであり、空調ケース11内を上段と下段とに区画部材12により区画して、その上段に圧縮機21、凝縮器22などの冷凍サイクル装置20を一体に配設するとともに、各種吹出モードに応じて空気通路を開口する複数の吹出開口部13〜17を形成し、下段に、その吹出開口部13〜17からそれぞれの吹出口13a〜17aに連通する空気通路を形成している。
本実施形態の冷凍サイクル装置20は、図4に示すように、冷房運転と暖房運転とにより、冷媒の流れ方向を切り換えるヒートポンプサイクルであって、圧縮機21、凝縮器22、減圧手段23、蒸発器24と環状に構成する冷房向けの冷凍サイクルに、四方弁29、およびアキュームレータ25を設けたものである。四方弁29は、圧縮機21により圧縮された高圧冷媒を冷房運転の時に凝縮器22側に流入させ、暖房運転の時に蒸発器24側に流入させるように切り換えるとともに、冷房運転の時に蒸発器24もしくは暖房運転の時に凝縮器22により蒸発された低圧冷媒が圧縮機21の吸入側に切り換えられるように接続している。
また、アキュームレータ25は、冷房運転の時に蒸発器24もしくは暖房運転の時に凝縮器22により蒸発された低圧冷媒を吸入し、気液分離させたガス冷媒を圧縮機21に吸入させる容器であり、四方弁29と圧縮機21の吸入側との間に設けられている。これにより、冷房運転のときは図中に実線で示す矢印aの方向に冷媒が循環され、暖房運転のときは図中に破線で示す矢印bの方向に冷媒が循環されるものである。
ここで、本実施形態の圧縮機21は、電動機を有する電動圧縮機であり、インバータ21aを介して外部商用電源34および車両用エンジンまたは電動機などの車両用動力源の駆動により発電される電気を蓄電する蓄電手段33に電気的に接続され、外部商用電源34または蓄電手段33のいずれか一方の電源により駆動される。因みに、トラック車両が走行しているときは車両用動力源の駆動により蓄電される蓄電手段33からインバータ21aに電源の供給を受けて圧縮機21が駆動され、車両が停止して車両用動力源が停止したときは、蓄電された蓄電手段33または外部商用電源34のいずれか一方からインバータ21aに電源の供給を受けて圧縮機21が駆動されるようにしている。
インバータ21aは、圧縮機21に内蔵される電動機に出力する電源の回転数を制御するものであり、後述する制御装置30に制御されるように電気的に接続されている。なお、インバータ21aが外部商用電源34から電源の供給を受けるときは、図示しない電源元から電源コード(図示せず)を介して外部商用電源34に電源が供給されるようにしている。
そして、凝縮器22は、冷房運転時に圧縮機21により圧縮された高温高圧の冷媒ガスを凝縮するものであり、凝縮ファン22aと組み合わせ、空調ユニット10の外部の空気を取り入れて、凝縮器22と熱交換させて凝縮させるように構成している。減圧手段23は凝縮された冷媒を減圧させて膨張させるものであり、ここではキャピラリチューブなどで形成している。そして、減圧手段23により減圧された冷媒は蒸発器24に流入する。
蒸発器24は、減圧された冷媒を蒸発する熱交換器であり、送風機24aと組み合わせ、蒸発器24および送風機24aが車室内と連通するように構成されて、送風機24aの作動により車室内の空気を取り入れて蒸発器24と熱交換させて複数の吹出口13a〜17aのいずれかにより車室内に空調風が吹き出すようにしている。そして、蒸発器24により蒸発された冷媒は、圧縮機21の吸入側に流入するようにしている。
また、本実施形態の冷凍サイクル装置20には、冷房運転のときに、圧縮機21により圧縮された高圧冷媒の一部が凝縮器22を迂回するように迂回回路26が設けられとともに、この迂回回路26には、加熱用熱交換器27、電磁弁28、および逆止弁28aが設けられている。加熱用熱交換器27は、蒸発器24により冷却された空気と高圧冷媒とを熱交換させて加熱する熱交換器である。
また、電磁弁28は、この加熱用熱交換器27に流通する高圧冷媒の流通を開閉する制御弁であり、制御装置30に電気的に接続されて制御されるようになっている。因みに、冷房運転のときに開弁するように制御される。なお、逆止弁28aは、凝縮器22により凝縮された冷媒が加熱用熱交換器27側に流入するのを防止する弁である。なお、インバータ21aの他に四方弁29、凝縮ファン22a、送風機24a、および電磁弁28などの電気部品は、制御装置30により制御されるように電気的に接続されている。
制御装置30は、周知のようにコンピュータからなり、内気温度センサ、外気温度センサ、日射センサなどの各種センサ31からの検知信号および操作パネル32からの操作信号に基づいて、予め設定されたプログラムに従って所定の演算処理を行なって上述した電気部品を制御するものである。そして、インバータ21a、蓄電手段33、外部商用電源34および制御装置30は、冷凍サイクル装置20と同様に空調ユニット10内に収容している。
具体的には、図1および図2に示すように、圧縮機21は、空調ケース11の車両左方側に配設し、その車両前方側に凝縮ファン22aおよび凝縮器22を配設させている。そして、空調ケース11に形成された前面開口部11aから取り入れた空気が凝縮器22を通過し、凝縮ファン22aにより凝縮器22を通過した空気が外部に排出されるとともに、凝縮器22を通過した一部の空気が圧縮機21を通過して空調ケース11に形成されたグリル11bから排出されるように構成している。
これにより、凝縮器22を通過した一部の空気により圧縮機21側の電動機の冷却ができる。なお、車両が走行しているときには前面開口部11aから走行風が取り入れられる。また、圧縮機21の近傍には、図示していないが四方弁29、電磁弁28およびアキュームレータ25を配設している。これにより、これらの冷凍サイクル部品を接続する冷媒配管が簡素となる。
次に、圧縮機21に隣接して車両右方側に区画された部位に送風機24a、および蒸発器24が配設されている。また、送風機24aの空気流れの上流側には車室内と連通する吸込開口部18が区画部材12に形成され、その上流端が車両天井部に設けられた吸込口18aに接続されるように空気通路を形成している。これにより、送風機24aにより吸込口18aから吸い込んだ車室内の空気は、蒸発器24に吹き出される。なお、減圧手段23はこの蒸発器24の流入側に設けられこの蒸発器24近傍に配設されている。
また、図中に示す19は外気導入口であって、吸込開口部18の後方側の空調ケース11側に形成される。この外気導入口19と吸込開口部18との間には図示しない内外気切換ドアが設けられ、この内外気切換ドアを制御することで、送風機24aに吸い込まれる内外気が切り換えられるようにしている。
そして、蒸発器24の空気流れの下流側には、エアミックスドア121と加熱用熱交換器27とが配設されて、これらの下流側に空気混合部12aを形成している。エアミックスドア121は、周知のように、加熱用熱交換器27を迂回した空気と加熱用熱交換器27を通過した空気との混合比を調節して温度調節する制御ドアである。また、空気混合部12aは、エアミックスドア121から流入する冷風と、加熱用熱交換器27を通過した温風とが混合されるエアーチャンバーであり、ここには複数の吹出開口部13〜17が区画部材12に形成している。
複数の吹出開口部13〜17は、後述する複数の吹出口13a〜17aにそれぞれが連通するように接続される位置に形成されている。より具体的には、車両前方側から車両後方側に、例えば、デフロスタ開口部13、フット開口部14、サイドデフロスタ開口部15、フェイス開口部16および仮眠用開口部17の順に形成している。そして、これらの吹出開口部13〜17のうち、デフロスタ開口部13、フット開口部14、サイドデフロスタ開口部15は車両の左右方向の略中央側に形成され、フェイス開口部16、仮眠用開口部17は車両右方の運転席側に形成している。
これは、図3に示すように、車両天井部に設けられた複数の吹出口13a〜17aに連通するように空気通路を空調ケース11の下段に形成するためである。因みに、デフロスタ開口部13は、車両前面の窓ガラスの内側面に沿って下方に向けて温風を吹き出すデフロスタ吹出口13aと連通するように空気通路を形成している。
以下、同じように、フット開口部14は、乗員と車両前面の窓ガラスとの間に下方に向けて温風を吹き出すフット吹出口14aと連通するように空気通路を形成し、サイドデフロスタ開口部15は、車両側面の窓ガラスの内側面に沿って下方に向けて温風を吹き出すサイドデフロスタ吹出口15aと連通するように空気通路を形成し、フェイス開口部16は、乗員の上半身に向けて冷風を吹き出すフェイス吹出口16aと連通するように空気通路を形成し、仮眠用開口部17は、乗員席の後方に設けられた仮眠室に向けて空調風を吹き出す仮眠用吹出口17aと連通するように空気通路を形成している。
なお、図中に示す一点鎖線は運転席、助手席、および仮眠室に着座している乗員であって、これらの複数の吹出口13a〜17aは運転席、助手席、および仮眠室との位置関係に基づいて車両天井部に設けられて、仮眠用吹出口17aを除いて、運転席用と助手席用の左右2個対向した位置に設けられている。また、フット吹出口14aおよびサイドデフロスタ吹出口15aは温風を吹き出すための吹出口であるため請求項で称する暖房用吹出口である。一方、吸込口18aは助手席側の右斜め後方に位置しており、空調ケース11に形成された吸込開口部18の略真下の位置に合致する位置である。
ところで、区画部材12に形成される複数の吹出開口部13〜17には、それぞれの空気流れの上流側に制御ドア(図示せず)が設けられるとともに、この制御ドア(図示せず)を駆動するアクチュエータが設けられ、各種吹出モードに応じて開口するように制御装置30により制御されるようにしている。この吹出モードは、デフロスタモード、冷房モード、暖房モード、除湿暖房モード、および仮眠室モードなどの運転モードであり、それぞれの吹出モードに応じて吹出開口部13〜17のいずれかが開口するようにしている。
因みに、デフロスタモードのときは、デフロスタ開口部13が開口し、冷房モードのときはフェイス開口部16が開口する。また、暖房モードのときはフット開口部14が開口する。さらに、除湿暖房モードのときは、デフロスタ開口部13およびサイドデフロスタ開口部15が開口し、仮眠室モードのときは、仮眠用開口部17が開口するようにしている。なお、暖房モードのときは、フット開口部14の他にデフロスタ開口部13およびサイドデフロスタ開口部15の一部を開口して車両の窓ガラスの曇り止めをしても良い。
さらに、以上の構成のうち、インバータ21a、蓄電手段33、外部商用電源34および制御装置30などの電気部品は、図示していないが空気混合部12a内の空間(例えば、空気流れの支障の無い位置)に収容している。また、蓄電手段33については、空調ケース11内に配設するよりも車両のエンジンルーム内に配設させても良い。この場合の方が車両側の発電手段と蓄電手段33とを接続する線径の太い電源線の長さを短くすることができるため部品コストの低減が図れる。
次に、本発明の要部である車両のインストルメントパネル内に配設される送風ユニット40について説明する。本発明では、吹出モードが暖房モードのときに、フット吹出口14aから吹き出される空調風は温風であるため、乗員と車両前面の窓ガラスとの間に下方に向けて温風を吹き出す位置にフット吹出口14aを設けるとともに、このフット吹出口14aから吹き出された温風を吸い込んで乗員の足元に向けて吹き出す送風ユニット40をインストルメントパネル内に配設したものである。
この送風ユニット40は、図1に示すように、送風機41、吸込口42、および吹出口43からなり、インストルメントパネル内に一体に構成されている。上端の吸込口42は、フット吹出口14aから吹き出される空調風の吹出範囲内に設けられ、下端の吹出口43は乗員の足元に向けて吹き出すようにしている。そして、送風機41は、フット開口部14が開口する吹出モードのときに、連動して制御されるように制御装置30に電気的に接続されている。
次に、以上の構成による車両用空調装置の作動について説明する。まず、トラック走行中(車両用動力源が駆動中)における車室内を冷房する吹出モードのときは、操作パネル32内の図示しない吹出モードスイッチより冷房モードおよび空調スイッチを操作すると、制御装置30により、四方弁29が冷房運転に切り換えられて、インバータ21aが車両用動力源の駆動により蓄電された蓄電手段33から電源を受けるように制御されて圧縮機21が駆動される。
この圧縮機21の駆動により冷凍サイクル装置20内の冷媒が循環する。一方、送風機24aの作動により、車室内の空気が蒸発器24に取り入れられ、蒸発器24により冷却された空調風がフェイス開口部16を介してフェイス吹出口16aから冷風が乗員の上半身に向けて吹き出される。これにより、トラック車両の車室内の通常の冷房が行なえる。
一方、荷物の受け渡しのために車両用動力源を停止して長時間車両を停止させるときにおいて、トラック車両の車室内を冷房したいときは、図示しない吹出モードスイッチおよび空調スイッチを操作すると、制御装置30により、インバータ21aが車両用エンジンの駆動により蓄電された蓄電手段33から電源を受けるように制御されて圧縮機21が駆動される。これにより、車両用エンジンを停止させても上述の走行中と同様に、圧縮機21の駆動により冷凍サイクル装置20内の冷媒が循環して、送風機24aの作動により、トラックの車室内の冷房が継続して行なえる。ただし、この場合は、蓄電手段33に蓄えられた蓄電量に応じた時間分だけの空調運転が行なえるものである。
また、車両用動力源を停止したときに、図示しない電源コードを用いて、インバータ21aが外部商用電源34から電源の供給を受けるときは、外部商用電源34から電源の供給の信号を受けて制御装置30により、インバータ21aが外部商用電源34から電源を受けるように制御して圧縮機21が駆動されて、トラックの車室内の冷房が行なえるものである。
また、荷物の受け渡しの他に、車両用動力源を停止して運転席の乗員が仮眠室にて仮眠を取りたいときは、図示しない吹出モードスイッチより仮眠モードおよび空調スイッチを操作すると、制御装置30により、圧縮機21が駆動されるとともに、仮眠用開口部17が開口し、仮眠用吹出口17aより冷風が仮眠室に向けて吹き出される。これにより、仮眠室を冷房することができる。
また、外気温度が比較的低く、かつ湿度が高いときの吹出モードが除湿暖房モードのときは、図示しない吹出モードスイッチより除湿暖房モードおよび空調スイッチを操作すると、制御装置30により、電磁弁28が開弁して加熱用熱交換器27に高温高圧の冷媒の一部が循環するとともに、デフロスタ開口部13およびサイドデフロスタ開口部15が開口し、デフロスタ吹出口13aおよびサイドデフロスタ吹出口15aから除湿された空調風が吹き出されてトラック車両の窓ガラスの曇りを晴らすことができる。
ところで、暖房モードにおいては、図示しない吹出モードスイッチより暖房モードおよび空調スイッチを操作すると、制御装置30により、四方弁29が暖房運転に切り換えられて圧縮機21が駆動され、蒸発器24側に圧縮機21からの高圧ガスが流入される。一方、フット開口部14が開口し、送風機24aによりフット吹出口14aから温風が吹き出されるとともに、送風ユニット40の送風機41が作動してフット吹出口14aより吹き出された温風を吸い込んで乗員の足元に温風を吹き出す。これにより、乗員の頭上から吹き出される温風を乗員の足元に導くことができる。
以上の第1実施形態による車両用空調装置によれば、蓄電手段33または外部商用電源34のいずれかの電源により駆動される電動機を有する圧縮機21を用いることで、アイドリング規制により車両停車時に車両用動力源が停止されても、蓄電された蓄電手段33または外部商用電源34のいずれかの電源により冷凍サイクル装置20を作動させることで車室内の空調が可能である。
また、空調ユニット10は、圧縮機21を含め冷凍サイクル装置20を一体に収容するように構成して車両屋根部に設置されることにより、エンジンルーム側と空調ユニット10との間に設けられる冷凍サイクル装置20を構成する配管部材を一切必要としないため、車両への空調ユニット10の搭載が容易にできるとともに、空調装置の部品点数を低減することができる。
また、車両屋根部に設置される空調ユニット10と、車両天井部に設けられる複数の吹出口13a〜17aと、車両のインストルメントパネル内に送風ユニット40を設けることにより、吹出モードが暖房モードにおいては、特に、乗員の頭上から温風が吹き出されるため、フット吹出口14aからの温風を吸い込んで乗員の足元に向けて吹き出すことで、乗員の上半身にあたる温風が極力低減できるとともに、足元側に温風が吹き出されることで暖房時における快適性が損なわれることはない。また、従来のようにフット吹出口14aを車両の前方側に設けなくても、車両前面の窓ガラスと乗員の間に設ければよいので、フット吹出口14aの搭載が困難となる恐れはない。
また、送風ユニット40の吸込口42がフット吹出口14aから吹き出される温風の吹出範囲内に設置されることにより、フット吹出口14aからの温風を吸い込んで足元側に温風が吹き出されることで暖房時における快適性が損なわれることはない。さらに、送風ユニット40は、車両前面のインストルメントパネル内に配設されたことにより、送風ユニット40がインストルメントパネル内に一体で構成されるため車両側の内装を損なうことなく、しかも送風ユニット40が低コストで収容できる。
また、冷凍サイクル装置20は、冷房運転と暖房運転とによって冷媒の流れ方向が切り換えられるヒートポンプサイクルであって、蒸発器24には、暖房運転のときに、電動圧縮機21により圧縮された高温高圧の冷媒が流入されることにより、従来周知の蒸発器24と車両用エンジンの冷却水を熱源とするヒータコアを組み合わせて冷房と暖房を行なう装置では、ヒータコアに冷却水を流通させるための車両屋根部まで施設する配管部材が必要であるが、ヒートポンプサイクルにすることでこの配管部材が不要となり、より車両への空調ユニット10の搭載が容易にできるとともに、空調装置の部品点数を低減することができる。
また、冷凍サイクル装置20は、圧縮機21で圧縮された高温高圧の冷媒の一部が加熱用熱交換器27に流入するように構成されたことにより、外気温が比較的低く車両の窓ガラスが曇るときなどの除湿暖房が要求される車両用空調装置では、冷凍サイクル装置20における冷媒の一部を加熱用に活用することで容易に機能向上させることが可能である。
空調ユニット10は、上段と下段とを区画する区画部材12が形成され、上段に冷凍サイクル装置20を配設するとともに、区画部材12に複数の吹出開口部13〜17を形成し、かつ下段にそれぞれの吹出開口部13〜17とそれぞれの吹出口13a〜17aとが連通する空気通路が形成されていることにより、吹出口13a〜17aと吹出開口部13〜17とを接続する吹出ダクトが空調ユニット10内で形成できることで車両天井部に吹出ダクトを配設することもなく、乗員頭上と天井部との頭上スペースを確保することが可能となる。
また、車両前面の窓ガラスの内側面に沿って下方に向けて温風を吹き出すデフロスタ吹出口13a、車両側面の窓ガラスの内側面に沿って下方に向けて温風を吹き出すサイドデフロスタ吹出口15a、乗員の上半身に向けて冷風を吹き出すフェイス吹出口16a、乗員と車両前面の窓ガラスとの間に下方に向けて温風を吹き出すフット吹出口14aおよび乗員席の後方に設けられた仮眠室に向けて空調風を吹き出す仮眠用吹出口17aを設けるとともに、制御装置30により、各種吹出モードに応じて複数の吹出口13a〜17aのうちから選定するように制御されることにより、トラック車両においては、一般的に運転の疲れを癒すための仮眠室が乗員席の後部に設けられている。そこで、仮眠室向けに空調風を吹き出すようにすることで、車両停車時に、車両用動力源が停止されても仮眠室内を空調することができる。また、上記、各種の吹出口13a〜17aを設けることでトラック車両における各種吹出モードに応じた快適な空調が可能となる。
(第2実施形態)
以上の第1実施形態では、送風ユニット40を車両前面のインストルメントパネル内に配設させたが、これに限らず、車両のドアトリム内に配設させても良い。具体的には、図5に示すように、車両左右のドアトリム内にそれぞれ送風ユニット40aを配設させたものであり、上端の吸込口42は、サイドデフロスタ吹出口15aから吹き出される空調風の吹出範囲内に設けられ、下端の吹出口43は乗員の足元に向けて吹き出すようにしている。また、送風機41は、サイドデフロスタ開口部15が開口する吹出モードのときに、連動して制御されるように制御装置30に電気的に接続させている。
これにより、上述した第1実施形態と同様に、サイドデフロスタ吹出口15aからの温風を吸い込んで足元側に温風が吹き出されることで暖房時における快適性が損なわれることはない。また、送風ユニット40aを車両のドアトリム内に配設させることにより、送風ユニット40aがドアトリム内に一体で構成されるため車両側の内装を損なうことなく、しかも送風ユニット40aが低コストで収容できる。
(第3実施形態)
以上の実施形態では、空調ユニット10内に収容される冷凍サイクル装置20を冷房運転と暖房運転とによって冷媒の流れ方向が切り換えられるヒートポンプサイクルで構成させたが、これに限らず、図6に示すように、冷房運転のみを行なう冷凍サイクル装置20と、蒸発器24の空気流れの下流側に車両用エンジンの冷却水を熱源とする加熱用熱交換器であるヒータコア50とを組み合わせて冷房運転と暖房運転とを行なう装置でも良い。なお、このときには、凝縮器22と減圧手段23の間には受液器25aが設けられ、減圧手段23には膨張弁が設けられている。これにより、車両の走行中には暖房運転が全く問題はないが車両用動力源である車両用エンジンが停止したときには、長時間の暖房を所望するには困難だが、車両エンジンの停止後暫くの間においては車室内を暖房することができる。
(他の実施形態)
以上の実施形態では、冷凍サイクル装置20を空調ユニット10内に一体に配設させたが、これに限らず、冷凍サイクル装置20のうち、圧縮機21、凝縮器22、および凝縮ファン22aを車両のエンジンルーム内に配設させても良い。また、以上の実施形態では圧縮機21をインバータ21aおよびインバータ21aに供給する電源により駆動する電動圧縮機で構成させたが、周知の車両用エンジンにより駆動する圧縮機21でも良い。ただし、この場合は、車両用エンジンが停止したときに車室内を空調することができない。
また、以上の実施形態では、本発明をトラック車両に適用させたが、これに限らず、ワンボックス車両において、アウトドアキャンプなど車室後部の空間を駐車時に車両用エンジンを停止させて冷房、暖房するような用途に本発明装置を用いても良い。
本発明の第1実施形態における車両用空調装置の概略構成を示す模式図である。 図1に示す車両屋根部に設置した空調ユニット10の全体構成を示す模式図である。 図1に示す空調ユニット10の吹出開口部と吹出口との空気通路の形成を示す模式図である。 本発明の第1実施形態における冷凍サイクル装置20の全体構成を示す模式図である。 本発明の第2実施形態における車両用空調装置の概略構成を示す模式図である。 本発明の第3実施形態における冷凍サイクル装置20の全体構成を示す模式図である。
符号の説明
10…空調ユニット
12…区画部材
13…デフロスタ開口部(吹出開口部)
13a…デフロスタ吹出部(吹出口)
14…フット開口部(吹出開口部)
14a…フット吹出部(吹出口、暖房用吹出口)
15…サイドデフロスタ開口部(吹出開口部)
15a…サイドデフロスタ吹出部(吹出口、暖房用吹出口)
16…フェイス開口部(吹出開口部)
16a…フェイス吹出部(吹出口)
17…仮眠用開口部(吹出開口部)
17a…仮眠用吹出部(吹出口)
20…冷凍サイクル装置
21…圧縮機(電動圧縮機)
22…凝縮器
23…減圧手段
24…蒸発器
27…加熱用熱交換器
33…蓄電手段
34…外部商用電源
40、40a…送風ユニット
42…吸込口
50…ヒータコア(加熱用熱交換器)

Claims (10)

  1. 車両屋根部に設置され、空気通路を形成する空調ユニット(10)と、
    前記空調ユニット(10)に配設され、空気を冷却する蒸発器(24)および前記蒸発器(24)を通過した空気を加熱する加熱用熱交換器(27、50)とを備えて車室内を空調する車両用空調装置において、
    前記空調ユニット(10)に形成され、各種吹出モードに応じて空気通路を開口する複数の吹出開口部(13〜17)と、
    車両天井部に設けられ、前記吹出開口部(13〜17)のそれぞれに連通するように接続されて、前記空調ユニット(10)により温度調節された空調風を車室内に吹き出す複数の吹出口(13a〜17a)と、
    前記複数の吹出口(13a〜17a)のうち、車室内を暖房するための温風が車室内下方に向けて吹き出される暖房用吹出口(14a、15a)と、
    前記暖房用吹出口(14a、15a)から吹き出される温風を吸い込んで乗員の足元に向けて吹き出し可能な送風ユニット(40、40a)とを有することを特徴とする車両用空調装置。
  2. 前記暖房用吹出口(14a)は、乗員と車両前面の窓ガラスとの間に、下方に向けて温風を吹き出すように設けられ、前記送風ユニット(40)は、上方端に吸込口(42)を有し、前記吸込口(42)が前記暖房用吹出口(14a)から吹き出される温風の吹出範囲内に設置されることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  3. 前記送風ユニット(40)は、車両前面のインストルメントパネル内に配設されたことを特徴とする請求項2に記載の車両用空調装置。
  4. 前記暖房用吹出口(15a)は、車両側面の窓ガラスの内側面に沿って下方に向けて温風を吹き出すように設けられ、前記送風ユニット(40a)は、上方端に吸込口(42)を有し、前記吸込口(42)が前記暖房用吹出口(15a)から吹き出される温風の吹出範囲内に設置されることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  5. 前記送風ユニット(40a)は、車両のドアトリム内に配設されたことを特徴とする請求項4に記載の車両用空調装置。
  6. 前記空調ユニット(10)には、前記蒸発器(24)の他に、車両用動力源の駆動により発電される電気を蓄電する蓄電手段(33)または外部商用電源(34)のいずれかの電源により駆動される電動圧縮機(21)、凝縮器(22)および減圧手段(23)からなる冷凍サイクル装置(20)を一体に構成したことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の車両用空調装置。
  7. 前記冷凍サイクル装置(20)は、冷房運転と暖房運転とによって冷媒の流れ方向が切り換えられるヒートポンプサイクルであって、前記蒸発器(24)には、暖房運転のときに、前記電動圧縮機(21)により圧縮された高温高圧の冷媒が流入されることを特徴とする請求項6に記載の車両用空調装置。
  8. 前記冷凍サイクル装置(20)は、前記圧縮機(21)で圧縮された高温高圧の冷媒の一部が前記加熱用熱交換器(27)に流入するように構成されたことを特徴とする請求項6または請求項7に記載の車両用空調装置。
  9. 前記空調ユニット(10)は、上段と下段とを区画する区画部材(12)が形成され、上段に前記冷凍サイクル装置(20)を配設するとともに、前記区画部材(12)に前記複数の吹出開口部(13〜17)を形成し、かつ下段にそれぞれの前記吹出開口部(13〜17)とそれぞれの前記吹出口(13a〜17a)とが連通する空気通路が形成されていることを特徴とする請求項6ないし請求項8のいずれか一項に記載の車両用空調装置。
  10. 前記車両はトラック車両であって、前記複数の吹出口(13a〜17a)は、車両前面の窓ガラスの内側面に沿って下方に向けて温風を吹き出すデフロスタ吹出口(13a)、車両側面の窓ガラスの内側面に沿って下方に向けて温風を吹き出すサイドデフロスタ吹出口(15a)、乗員の上半身に向けて冷風を吹き出すフェイス吹出口(16a)、乗員と車両前面の窓ガラスとの間に下方に向けて温風を吹き出すフット吹出口(14a)および乗員席の後方に設けられた仮眠室に向けて空調風を吹き出す仮眠用吹出口(17a)であって、前記空調ユニット(10)は、各種吹出モードに応じて前記複数の吹出口(13a〜17a)のうちから選定するように制御されることを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか一項に記載の車両用空調装置。
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