JP2005100476A - 光学ヘッド - Google Patents
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Abstract
【課題】アポダイゼーションによる集光スポットの微細化をねらいながら、簡単な構成で、高い光利用効率を実現することのできる光学ヘッドを提供する。
【解決手段】受発光素子1と対物レンズ4との間に、信号検出を行う受光素子へ光を分岐する回折素子2を配置する。回折素子2は、回折格子が形成された第1の領域と、回折格子が形成されていない第2の領域とを有する。光源から対物レンズ4へ向かう光束の中央部に前記第1の領域を配置し、その領域の透過率を低下させてアポダイゼーションを行うことにより、アポダイゼーション自体を行うことによる光の損失をなくす。
【選択図】 図1
【解決手段】受発光素子1と対物レンズ4との間に、信号検出を行う受光素子へ光を分岐する回折素子2を配置する。回折素子2は、回折格子が形成された第1の領域と、回折格子が形成されていない第2の領域とを有する。光源から対物レンズ4へ向かう光束の中央部に前記第1の領域を配置し、その領域の透過率を低下させてアポダイゼーションを行うことにより、アポダイゼーション自体を行うことによる光の損失をなくす。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスクなどの情報記録媒体に光学的に情報を記録し、あるいは情報記録媒体に記録された情報を光学的に再生する光学ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、光学系の瞳の中央部を遮蔽することによる、いわゆるアポダイゼーションによって光学系の解像度が向上することが知られており、光学ヘッドの分野においても、遮光帯を用いたアポダイゼーションによって情報記録媒体上の集光スポットを微細化するようにした技術が知られている(例えば、特開平10−320820号公報)。以下に、この集光スポットの微細化をねらった光学ヘッドについて、図面を参照しながら説明する。
【0003】
図7に、従来の光学ヘッドの構成を示す。図7において、100は半導体レーザー等の光源、101はコリメータレンズ、102はプリズム、103は不透明な材料からなる遮光帯、104は入射するP偏光を透過させ、S偏光を反射する偏光ビームスプリッタ、105は入射する直線偏光に対して進相軸を45度回転して配置された4分の1波長板、106は対物レンズ、107は情報記録媒体、108はフォーカス/トラッキング検出及び情報信号の再生を行う検出光学系である。
【0004】
光源100は、出射光の広がり角が、紙面に平行な断面で狭く、紙面に垂直な断面で広く、その光強度分布が楕円状のガウス分布となっている。また、光源100は、その偏光の電気ベクトルが紙面に平行な方向を向くように配置されている。光源100から出射した光束は、遮光帯103によってその中央部が遮光され、コリメータレンズ101によって平行光束となる。この平行光束は、プリズム102によって偏向されることにより、紙面に平行な断面の光束幅が拡大されるため、その光強度分布は、より平坦なガウス分布に整形される。以下、このような光束の光強度分布の整形を『ビーム整形』と呼ぶ。プリズム102を経て偏光ビームスプリッタ104に入射する光束は、偏光方向がP偏光であるため、そのまま透過し、4分の1波長板105に入射する。4分の1波長板105を通過して円偏光となった光束は、対物レンズ106によって情報記録媒体107に集光される。情報記録媒体107で反射された光束は、対物レンズ106によって再び平行光束となり、4分の1波長板105に入射する。この平行光束は、4分の1波長板105を通過することにより、電気ベクトルの方向が紙面に垂直な方向を向いた直線偏光に変換される。偏光ビームスプリッタ104に再び入射する偏光は、今度はS偏光となっているため、反射されて検出光学系108に導かれる。
【0005】
図8に、対物レンズ106の瞳上における光強度分布を示す。図8の斜線を施した部分が、遮光帯103によって遮光された領域である。
【0006】
図9に、このようなアポダイゼーションを施した光学系によって集光された光スポットと通常の回折限界光スポットの強度分布断面図を示す。この断面図は、図8の上下方向に対応した方向の断面における強度分布を示している。アポダイゼーションを施した場合には、通常の場合と比べ、光スポットのサイドピークは大きくなるものの、半値幅を微細化することが可能となる。
【0007】
また、特許公報第2778296号に開示されているように、3ビームトラッキング方式のサブビーム発生用回折素子を帯状に作製し、回折格子部分の透過率(0次光の回折効率)を低下させることにより、上記した遮光帯103と同様の効果を与えて、集光スポットを微細化するようにした技術も知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、従来の光学ヘッドの構成では、アポダイゼーションを施すために遮光帯のように光を遮るものを必要とするため、光学ヘッドとして光利用効率(光源から出射する総光量に対する情報記録媒体上の光スポット光量の比)が低下し、高い光出力を有する光源が必要であった。また、サブビーム発生用の回折格子を用いた例では、光学ヘッドとして元々必要な部材を利用してアポダイゼーションを行っているために、アポダイゼーションを施すことに起因する光利用効率の低下を招くことはないが、トラッキング方式が3ビーム方式に限定されてしまう。さらに、従来の構成では、ビーム整形を行い、フォーカス/トラッキング検出及び情報信号の再生を行う検出光学系が別個に設けられている等のために、部品点数が多く複雑な構成となっている。
【0009】
本発明は、従来技術における前記課題を解決するためになされたものであり、アポダイゼーションによる集光スポットの微細化をねらいながらも、簡単な構成で、高い光利用効率を実現することのできる光学ヘッドを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明係る光学ヘッドの構成は、光源と、受光手段と、前記光源からの出射光を情報記録媒体に集光させる集光手段と、前記光源と前記集光手段との間に配置され、前記情報記録媒体で反射され再び前記集光手段を介して入射する光を、回折あるいは偏向を与えて前記受光手段に導く光分岐手段とを備え、前記光分岐手段は、入射する光に回折あるいは偏向を与える第1の領域と、回折あるいは偏向を与えない第2の領域とを有し、前記第1の領域は、前記光分岐手段の中央部に配置されていることを特徴とする。この光学ヘッドの構成によれば、第1の領域の透過率を低下させてアポダイゼーションを行うことができる。そして、信号を検出するための受光手段に向けて光束を分岐する光分岐手段と、アポダイゼーションを施す手段とを兼ね備えるため、回折限界以下に光を絞り込む、簡単な構成の光学ヘッドを実現することができる。
【0011】
また、前記本発明の光学ヘッドの構成においては、前記光源は、出射光の強度分布が楕円状のガウス分布を呈するものであり、かつ、出射光の広がり角が小さい方向が前記情報記録媒体の情報トラックに平行又は垂直となるように配置され、前記光分岐手段の第1の領域は、前記光源からの出射光の広がり角が狭い方向に短い幅を有する形状であるのが好ましい。この好ましい例によれば、さらに、光源から出射する光の広がり角が小さい方向について、集光手段(対物レンズ)の瞳周辺における光強度の低下を補うようにアポダイゼーションを施すことにより、光源側の開口数を従来よりも大きく設定することができるので、高い光利用効率を有する光学ヘッドを実現することができる。
【0012】
また、前記本発明の光学ヘッドの構成においては、前記光分岐手段は、前記第1の領域のみに回折格子が形成された回折素子であるのが好ましい。また、この場合には、前記光分岐手段の第1の領域の透過率をT、その領域の短い幅の長さをW、前記光分岐手段を通過する光束の直径をDとしたとき、下記(数3)、(数4)を満足するのが好ましい。
【0013】
【数3】
0.2<T<0.8
【0014】
【数4】
0.2<W/D<0.8
この好ましい例によれば、信号検出に十分な光量を得ることができると共に、十分なアポダイゼーション効果を得ることができる。また、光スポットの微小化について実質的な効果を得ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態を用いて本発明をさらに具体的に説明する。
【0016】
〈第1の実施の形態〉
図1は本発明の第1の実施の形態における光学ヘッドを示す構成図である。図1において、1は光源と受光素子が一体となった受発光素子、2は光分岐手段としての回折素子、3は光の一部を透過させ一部を反射させるハーフミラー、4は集光手段としての対物レンズ、5は情報記録媒体、6は受光素子である。
【0017】
図2は上記受発光素子1を示す構成図である。図2において、7は光源、8、9、10及び11は3分割受光素子であり、それらの各々の受光部を、8a〜8c、9a〜9c、10a〜10c、11a〜11cと表している。光源7は、図2において紙面に垂直な方向に光を放射するような光源であり、例えば、面発光レーザー、通常の半導体レーザーを紙面に垂直な方向に向けて実装したもの、ミラーで反射した後、紙面に垂直な方向に放射するようにミラーと半導体レーザーを実装したもの等を用いることができる。
【0018】
図3は上記回折素子2を説明するための図である。図3において、12は回折格子が形成された回折格子形成領域であり、回折格子形成領域12aと回折格子形成領域12bとで、形成されている回折格子の平均周期が異なっている。13は回折素子2を通過する光束の外形を示している。回折格子形成領域12の0次回折効率、すなわち透過率は、例えば50パーセントであり、回折格子が形成されていない領域の透過率は、約100パーセントである。
【0019】
受発光素子1の光源7から出射した光束は、回折素子2に入射する。回折格子形成領域12の透過率がその周りよりも小さいため、回折素子2を通過した光束の光強度分布は、中央部が帯状に強度が低下した分布となる。そして、回折素子2を通過した光束は、さらにハーフミラー3を透過し、対物レンズ4によって情報記録媒体5に集光される。このとき、対物レンズ4の瞳上における光強度分布は回折素子2によってアポダイゼーションが施されているため、集光された光は通常よりも小さな光スポットを形成する。情報記録媒体5で反射された光は、対物レンズ4を介してハーフミラー3に入射する。ハーフミラー3で反射された光は受光素子6に入射し、これにより情報信号等が検出される。ハーフミラー3を透過した光は、再び回折素子2に入射し、回折格子形成領域12で回折された光は受発光素子1上の3分割受光素子8〜11に導かれる。回折格子形成領域12aで回折された光は、例えば3分割受光素子9及び10に入射し、回折格子形成領域12bで回折された光は、例えば3分割受光素子8及び11に入射する。情報記録媒体5が対物レンズ4の合焦点位置にあるとき、例えば、3分割受光素子8及び9に入射する光束は、その受光素子よりも回折素子2に近いところに焦点を結び、3分割受光素子10及び11に入射する光束は、その受光素子よりも遠いところに焦点を結ぶ。そして、各3分割受光素子上での各々の光束の、その受光素子の分割線に直交する方向の大きさが、実質的に等しくなるように、回折格子形成領域12a及び12bの内部の回折格子パターンを、回折光に屈折力を与えるパターンとすると、情報記録媒体5の合焦点ずれに応じて、各3分割受光素子上で光束の大きさがそれぞれ異なる大きさに変化する。従って、下記(数5)に示すような演算を行うことにより、フォーカスエラー信号FEを検出することができる。
【0020】
【数5】
また、図3に示すように、回折格子形成領域12a及び12bは、情報記録媒体5のトラック方向と平行な中心線で光束を分割しているため、いわゆるプッシュプル方式のトラッキング検出が可能であり、下記(数6)に示すような演算を行うことにより、トラッキングエラー信号TEを検出することができる。
【0021】
【数6】
TE=8+11−(9+10)
ここでは、3分割受光素子の各受光部で検出された信号を、8a〜11cのように各受光部の名で示し、各3分割受光素子で検出された信号の和信号を、8〜11のように各受光素子名で示している。
【0022】
次に、アポダイゼーションの効果について説明する。本実施の形態では、図3に示すように、情報記録媒体5のトラックと直交する方向に延びた帯状の回折格子形成領域12を用いてアポダイゼーションを行うようにしているため、出射光の強度分布が均一な光源を用いるか、又は楕円状のガウス分布を強度分布とする光源の場合には、出射光の広がり角が大きな方向をトラック方向に設定することにより、対物レンズ4の瞳上における光強度のトラック方向の分布をほぼ均一とすることができる。その結果、情報記録媒体に集光される光スポットのトラック方向の半値幅は、回折限界以下に絞られる。また、回折格子形成領域12の外側の透過率は、約100パーセントであるため、従来のように回折格子が全面に形成されている光学ヘッドの場合よりも、光利用効率を向上させることが可能となる。
【0023】
次に、本発明の効果を確保するための望ましい条件について説明する。図3に示すように、帯状の回折格子形成領域12の幅をW、その透過率(0次回折効率に相当する。)をT、回折素子2を通過する光束の直径をDとした場合、下記(数7)、(数8)が満たされるのが望ましい。
【0024】
【数7】
0.2<T<0.8
【0025】
【数8】
0.2<W/D<0.8
透過率Tが0.2以下になると、情報記録媒体5で反射されて再び回折格子形成領域12に入射する光の強度が小さくなりすぎるため、信号検出に十分な光量を得ることができない。また、透過率Tが0.8以上になると、通過する光束の強度分布に与える変化が小さくなるため、十分なアポダイゼーション効果を得ることができない。
【0026】
次に、上記(数8)について、図4を参照しながら説明する。図4は、対物レンズ4の開口数(NA)が0.6、光源7から出射される光の波長(λ)が650nm、対物レンズ4の瞳上における光強度分布が均一、回折格子形成領域12の透過率(T)が0.5のとき、光スポットの半値幅がW/Dの値に従ってどのように変化するかを計算した結果を示している。図4において、横軸はW/D、縦軸はW=0又はW=1、すなわちアポダイゼーションを行わなかった時の光スポットの半値幅(λ/2/NA=0.542um)で正規化した半値幅である。図4から分かるように、光スポットの微小化について実質的な効果を得るためには、W/Dの値が0.2と0.8との間にあるのが望ましい。それ以外の値では、アポダイゼーションの効果が十分に現れず、また、W/Dの値が0.2よりも小さくなると、信号検出に必要な光量が得られなくなる。
【0027】
以上説明したように、本発明の第1の実施の形態によれば、トラック方向の光スポット径を回折限界以下にまで絞り込むことが可能となるため、線方向記録密度の向上を図ることができる。また、アポダイゼーションを施すための手段として、元々光学ヘッドに必要な信号検出用の回折素子を兼用しているため、構成が簡単で、かつ、光利用効率の高い光学ヘッドを実現することができる。
【0028】
〈第2の実施の形態〉
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。上記第1の実施の形態と異なる点は、出射光の光強度分布が楕円状のガウス分布である光源を用い、その光の広がり角が小さい方向が情報記録媒体のトラック方向と平行になるように光源を配置した点である。光学ヘッドの構成は、上記第1の実施の形態と同様であるため、異なる箇所のみ、図を参照しながら説明する。
【0029】
本実施の形態においては、受発光素子1から出射される光の広がり角が小さい方向が情報記録媒体5のトラック方向と平行になるように、光源7が配置されているため、回折素子2に入射する光束の周辺の光強度は、トラック方向で低く、トラックに垂直な方向で高くなっている。図3に示すように、回折格子形成領域12はトラック方向に狭い幅を有するため、トラック方向の低い周辺光強度を補うようにアポダイゼーションが施される。このため、情報記録媒体5に集光される光は、周辺光強度が十分でないトラック方向でも、アポダイゼーションによって回折限界近くまで絞られ、周辺強度が十分なトラック垂直方向においては、そのまま回折限界まで絞られて、ほぼ円形の光スポットが形成される。
【0030】
ところで、集光手段(対物レンズ4)の瞳周辺における光強度が低いと、回折限界まで光スポットを絞り込むことができないため、従来は、出射光の広がり角が小さい方向の光強度分布を平坦にすべく、ビーム整形プリズムを用いるか、光学ヘッドの光源側の開口数を小さく設定した構成にされていた。しかし、上記のように、集光手段(対物レンズ4)の瞳周辺における光強度の低下を補うようにアポダイゼーションを施せば、ビーム整形プリズムを用いなくても光源側の開口数を比較的大きく設定した構成とすることが可能となるため、光学ヘッドの光利用効率の向上が可能となる。
【0031】
以上説明したように、本発明の第2の実施の形態によれば、ビーム整形用の光学系を必要としない簡単な構成で、回折限界に近い小さな円形の光スポットを形成することができると共に、光利用効率の高い光学ヘッドを実現することができる。
【0032】
尚、上記各実施の形態においては、回折格子形成領域12の形状が情報記録媒体5のトラックに垂直な方向に長い帯状である場合を例に挙げて説明したが、必ずしもこのような形状に限定されるものではない。回折格子形成領域12の形状は、例えば、図5に示すように、情報記録媒体5のトラック方向に長い帯状であってもよいし、図6に示すように、楕円又は他の形状の曲線で囲まれた形状であってもよい。
【0033】
また、上記各実施の形態においては、フォーカス検出方式として、いわゆるSSD方式(Spot Size Detection )を例に挙げて説明したが、いわゆるフーコー方式などの他の方式を用いて本発明を実施することも可能である。
【0034】
また、上記各実施の形態においては、光分岐手段として、回折素子2を例に挙げて説明したが、本発明の光分岐手段としての機能を有していれば、フレネルレンズや複屈折性材料等によって構成された光分岐素子であってもよい。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、信号を検出するための受光手段に向けて光束を分岐する光分岐手段と、アポダイゼーションを施す手段とを兼ね備えるため、回折限界以下に光を絞り込む、簡単な構成の光学ヘッドを実現することができる。さらに、光源から出射する光の広がり角が小さい方向について、集光手段(対物レンズ)の瞳周辺における光強度の低下を補うようにアポダイゼーションを施すことにより、光源側の開口数を従来よりも大きく設定することができるので、高い光利用効率を有する光学ヘッドを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における光学ヘッドを示す構成図
【図2】本発明の一実施の形態における光学ヘッドの光源及び受光手段の配置を示す構成図
【図3】本発明の一実施の形態における光学ヘッドの光分岐手段を説明するための図
【図4】本発明の効果を説明するための図
【図5】本発明の光学ヘッドにおける光分岐手段の他の例を説明するための図
【図6】本発明の光学ヘッドにおける光分岐手段のさらに他の例を説明するための図
【図7】従来の光学ヘッドを示す構成図
【図8】従来の光学ヘッドの対物レンズの瞳上における光強度分布を示す図
【図9】従来のアポダイゼーションを施した光学系によって集光された光スポットと通常の回折限界光スポットの強度分布断面図
【符号の説明】
1 受発光素子
2 回折素子
3 ハーフミラー
4、106 対物レンズ
5、107 情報記録媒体
6、8、9、10、11 受光素子
7、100 光源
12 回折格子形成領域
13 光束外形
101 コリメータレンズ
102 ビーム整形プリズム
103 遮光帯
104 偏光ビームスプリッタ
105 4分の1波長板
108 信号検出光学系
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスクなどの情報記録媒体に光学的に情報を記録し、あるいは情報記録媒体に記録された情報を光学的に再生する光学ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、光学系の瞳の中央部を遮蔽することによる、いわゆるアポダイゼーションによって光学系の解像度が向上することが知られており、光学ヘッドの分野においても、遮光帯を用いたアポダイゼーションによって情報記録媒体上の集光スポットを微細化するようにした技術が知られている(例えば、特開平10−320820号公報)。以下に、この集光スポットの微細化をねらった光学ヘッドについて、図面を参照しながら説明する。
【0003】
図7に、従来の光学ヘッドの構成を示す。図7において、100は半導体レーザー等の光源、101はコリメータレンズ、102はプリズム、103は不透明な材料からなる遮光帯、104は入射するP偏光を透過させ、S偏光を反射する偏光ビームスプリッタ、105は入射する直線偏光に対して進相軸を45度回転して配置された4分の1波長板、106は対物レンズ、107は情報記録媒体、108はフォーカス/トラッキング検出及び情報信号の再生を行う検出光学系である。
【0004】
光源100は、出射光の広がり角が、紙面に平行な断面で狭く、紙面に垂直な断面で広く、その光強度分布が楕円状のガウス分布となっている。また、光源100は、その偏光の電気ベクトルが紙面に平行な方向を向くように配置されている。光源100から出射した光束は、遮光帯103によってその中央部が遮光され、コリメータレンズ101によって平行光束となる。この平行光束は、プリズム102によって偏向されることにより、紙面に平行な断面の光束幅が拡大されるため、その光強度分布は、より平坦なガウス分布に整形される。以下、このような光束の光強度分布の整形を『ビーム整形』と呼ぶ。プリズム102を経て偏光ビームスプリッタ104に入射する光束は、偏光方向がP偏光であるため、そのまま透過し、4分の1波長板105に入射する。4分の1波長板105を通過して円偏光となった光束は、対物レンズ106によって情報記録媒体107に集光される。情報記録媒体107で反射された光束は、対物レンズ106によって再び平行光束となり、4分の1波長板105に入射する。この平行光束は、4分の1波長板105を通過することにより、電気ベクトルの方向が紙面に垂直な方向を向いた直線偏光に変換される。偏光ビームスプリッタ104に再び入射する偏光は、今度はS偏光となっているため、反射されて検出光学系108に導かれる。
【0005】
図8に、対物レンズ106の瞳上における光強度分布を示す。図8の斜線を施した部分が、遮光帯103によって遮光された領域である。
【0006】
図9に、このようなアポダイゼーションを施した光学系によって集光された光スポットと通常の回折限界光スポットの強度分布断面図を示す。この断面図は、図8の上下方向に対応した方向の断面における強度分布を示している。アポダイゼーションを施した場合には、通常の場合と比べ、光スポットのサイドピークは大きくなるものの、半値幅を微細化することが可能となる。
【0007】
また、特許公報第2778296号に開示されているように、3ビームトラッキング方式のサブビーム発生用回折素子を帯状に作製し、回折格子部分の透過率(0次光の回折効率)を低下させることにより、上記した遮光帯103と同様の効果を与えて、集光スポットを微細化するようにした技術も知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、従来の光学ヘッドの構成では、アポダイゼーションを施すために遮光帯のように光を遮るものを必要とするため、光学ヘッドとして光利用効率(光源から出射する総光量に対する情報記録媒体上の光スポット光量の比)が低下し、高い光出力を有する光源が必要であった。また、サブビーム発生用の回折格子を用いた例では、光学ヘッドとして元々必要な部材を利用してアポダイゼーションを行っているために、アポダイゼーションを施すことに起因する光利用効率の低下を招くことはないが、トラッキング方式が3ビーム方式に限定されてしまう。さらに、従来の構成では、ビーム整形を行い、フォーカス/トラッキング検出及び情報信号の再生を行う検出光学系が別個に設けられている等のために、部品点数が多く複雑な構成となっている。
【0009】
本発明は、従来技術における前記課題を解決するためになされたものであり、アポダイゼーションによる集光スポットの微細化をねらいながらも、簡単な構成で、高い光利用効率を実現することのできる光学ヘッドを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明係る光学ヘッドの構成は、光源と、受光手段と、前記光源からの出射光を情報記録媒体に集光させる集光手段と、前記光源と前記集光手段との間に配置され、前記情報記録媒体で反射され再び前記集光手段を介して入射する光を、回折あるいは偏向を与えて前記受光手段に導く光分岐手段とを備え、前記光分岐手段は、入射する光に回折あるいは偏向を与える第1の領域と、回折あるいは偏向を与えない第2の領域とを有し、前記第1の領域は、前記光分岐手段の中央部に配置されていることを特徴とする。この光学ヘッドの構成によれば、第1の領域の透過率を低下させてアポダイゼーションを行うことができる。そして、信号を検出するための受光手段に向けて光束を分岐する光分岐手段と、アポダイゼーションを施す手段とを兼ね備えるため、回折限界以下に光を絞り込む、簡単な構成の光学ヘッドを実現することができる。
【0011】
また、前記本発明の光学ヘッドの構成においては、前記光源は、出射光の強度分布が楕円状のガウス分布を呈するものであり、かつ、出射光の広がり角が小さい方向が前記情報記録媒体の情報トラックに平行又は垂直となるように配置され、前記光分岐手段の第1の領域は、前記光源からの出射光の広がり角が狭い方向に短い幅を有する形状であるのが好ましい。この好ましい例によれば、さらに、光源から出射する光の広がり角が小さい方向について、集光手段(対物レンズ)の瞳周辺における光強度の低下を補うようにアポダイゼーションを施すことにより、光源側の開口数を従来よりも大きく設定することができるので、高い光利用効率を有する光学ヘッドを実現することができる。
【0012】
また、前記本発明の光学ヘッドの構成においては、前記光分岐手段は、前記第1の領域のみに回折格子が形成された回折素子であるのが好ましい。また、この場合には、前記光分岐手段の第1の領域の透過率をT、その領域の短い幅の長さをW、前記光分岐手段を通過する光束の直径をDとしたとき、下記(数3)、(数4)を満足するのが好ましい。
【0013】
【数3】
0.2<T<0.8
【0014】
【数4】
0.2<W/D<0.8
この好ましい例によれば、信号検出に十分な光量を得ることができると共に、十分なアポダイゼーション効果を得ることができる。また、光スポットの微小化について実質的な効果を得ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態を用いて本発明をさらに具体的に説明する。
【0016】
〈第1の実施の形態〉
図1は本発明の第1の実施の形態における光学ヘッドを示す構成図である。図1において、1は光源と受光素子が一体となった受発光素子、2は光分岐手段としての回折素子、3は光の一部を透過させ一部を反射させるハーフミラー、4は集光手段としての対物レンズ、5は情報記録媒体、6は受光素子である。
【0017】
図2は上記受発光素子1を示す構成図である。図2において、7は光源、8、9、10及び11は3分割受光素子であり、それらの各々の受光部を、8a〜8c、9a〜9c、10a〜10c、11a〜11cと表している。光源7は、図2において紙面に垂直な方向に光を放射するような光源であり、例えば、面発光レーザー、通常の半導体レーザーを紙面に垂直な方向に向けて実装したもの、ミラーで反射した後、紙面に垂直な方向に放射するようにミラーと半導体レーザーを実装したもの等を用いることができる。
【0018】
図3は上記回折素子2を説明するための図である。図3において、12は回折格子が形成された回折格子形成領域であり、回折格子形成領域12aと回折格子形成領域12bとで、形成されている回折格子の平均周期が異なっている。13は回折素子2を通過する光束の外形を示している。回折格子形成領域12の0次回折効率、すなわち透過率は、例えば50パーセントであり、回折格子が形成されていない領域の透過率は、約100パーセントである。
【0019】
受発光素子1の光源7から出射した光束は、回折素子2に入射する。回折格子形成領域12の透過率がその周りよりも小さいため、回折素子2を通過した光束の光強度分布は、中央部が帯状に強度が低下した分布となる。そして、回折素子2を通過した光束は、さらにハーフミラー3を透過し、対物レンズ4によって情報記録媒体5に集光される。このとき、対物レンズ4の瞳上における光強度分布は回折素子2によってアポダイゼーションが施されているため、集光された光は通常よりも小さな光スポットを形成する。情報記録媒体5で反射された光は、対物レンズ4を介してハーフミラー3に入射する。ハーフミラー3で反射された光は受光素子6に入射し、これにより情報信号等が検出される。ハーフミラー3を透過した光は、再び回折素子2に入射し、回折格子形成領域12で回折された光は受発光素子1上の3分割受光素子8〜11に導かれる。回折格子形成領域12aで回折された光は、例えば3分割受光素子9及び10に入射し、回折格子形成領域12bで回折された光は、例えば3分割受光素子8及び11に入射する。情報記録媒体5が対物レンズ4の合焦点位置にあるとき、例えば、3分割受光素子8及び9に入射する光束は、その受光素子よりも回折素子2に近いところに焦点を結び、3分割受光素子10及び11に入射する光束は、その受光素子よりも遠いところに焦点を結ぶ。そして、各3分割受光素子上での各々の光束の、その受光素子の分割線に直交する方向の大きさが、実質的に等しくなるように、回折格子形成領域12a及び12bの内部の回折格子パターンを、回折光に屈折力を与えるパターンとすると、情報記録媒体5の合焦点ずれに応じて、各3分割受光素子上で光束の大きさがそれぞれ異なる大きさに変化する。従って、下記(数5)に示すような演算を行うことにより、フォーカスエラー信号FEを検出することができる。
【0020】
【数5】
また、図3に示すように、回折格子形成領域12a及び12bは、情報記録媒体5のトラック方向と平行な中心線で光束を分割しているため、いわゆるプッシュプル方式のトラッキング検出が可能であり、下記(数6)に示すような演算を行うことにより、トラッキングエラー信号TEを検出することができる。
【0021】
【数6】
TE=8+11−(9+10)
ここでは、3分割受光素子の各受光部で検出された信号を、8a〜11cのように各受光部の名で示し、各3分割受光素子で検出された信号の和信号を、8〜11のように各受光素子名で示している。
【0022】
次に、アポダイゼーションの効果について説明する。本実施の形態では、図3に示すように、情報記録媒体5のトラックと直交する方向に延びた帯状の回折格子形成領域12を用いてアポダイゼーションを行うようにしているため、出射光の強度分布が均一な光源を用いるか、又は楕円状のガウス分布を強度分布とする光源の場合には、出射光の広がり角が大きな方向をトラック方向に設定することにより、対物レンズ4の瞳上における光強度のトラック方向の分布をほぼ均一とすることができる。その結果、情報記録媒体に集光される光スポットのトラック方向の半値幅は、回折限界以下に絞られる。また、回折格子形成領域12の外側の透過率は、約100パーセントであるため、従来のように回折格子が全面に形成されている光学ヘッドの場合よりも、光利用効率を向上させることが可能となる。
【0023】
次に、本発明の効果を確保するための望ましい条件について説明する。図3に示すように、帯状の回折格子形成領域12の幅をW、その透過率(0次回折効率に相当する。)をT、回折素子2を通過する光束の直径をDとした場合、下記(数7)、(数8)が満たされるのが望ましい。
【0024】
【数7】
0.2<T<0.8
【0025】
【数8】
0.2<W/D<0.8
透過率Tが0.2以下になると、情報記録媒体5で反射されて再び回折格子形成領域12に入射する光の強度が小さくなりすぎるため、信号検出に十分な光量を得ることができない。また、透過率Tが0.8以上になると、通過する光束の強度分布に与える変化が小さくなるため、十分なアポダイゼーション効果を得ることができない。
【0026】
次に、上記(数8)について、図4を参照しながら説明する。図4は、対物レンズ4の開口数(NA)が0.6、光源7から出射される光の波長(λ)が650nm、対物レンズ4の瞳上における光強度分布が均一、回折格子形成領域12の透過率(T)が0.5のとき、光スポットの半値幅がW/Dの値に従ってどのように変化するかを計算した結果を示している。図4において、横軸はW/D、縦軸はW=0又はW=1、すなわちアポダイゼーションを行わなかった時の光スポットの半値幅(λ/2/NA=0.542um)で正規化した半値幅である。図4から分かるように、光スポットの微小化について実質的な効果を得るためには、W/Dの値が0.2と0.8との間にあるのが望ましい。それ以外の値では、アポダイゼーションの効果が十分に現れず、また、W/Dの値が0.2よりも小さくなると、信号検出に必要な光量が得られなくなる。
【0027】
以上説明したように、本発明の第1の実施の形態によれば、トラック方向の光スポット径を回折限界以下にまで絞り込むことが可能となるため、線方向記録密度の向上を図ることができる。また、アポダイゼーションを施すための手段として、元々光学ヘッドに必要な信号検出用の回折素子を兼用しているため、構成が簡単で、かつ、光利用効率の高い光学ヘッドを実現することができる。
【0028】
〈第2の実施の形態〉
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。上記第1の実施の形態と異なる点は、出射光の光強度分布が楕円状のガウス分布である光源を用い、その光の広がり角が小さい方向が情報記録媒体のトラック方向と平行になるように光源を配置した点である。光学ヘッドの構成は、上記第1の実施の形態と同様であるため、異なる箇所のみ、図を参照しながら説明する。
【0029】
本実施の形態においては、受発光素子1から出射される光の広がり角が小さい方向が情報記録媒体5のトラック方向と平行になるように、光源7が配置されているため、回折素子2に入射する光束の周辺の光強度は、トラック方向で低く、トラックに垂直な方向で高くなっている。図3に示すように、回折格子形成領域12はトラック方向に狭い幅を有するため、トラック方向の低い周辺光強度を補うようにアポダイゼーションが施される。このため、情報記録媒体5に集光される光は、周辺光強度が十分でないトラック方向でも、アポダイゼーションによって回折限界近くまで絞られ、周辺強度が十分なトラック垂直方向においては、そのまま回折限界まで絞られて、ほぼ円形の光スポットが形成される。
【0030】
ところで、集光手段(対物レンズ4)の瞳周辺における光強度が低いと、回折限界まで光スポットを絞り込むことができないため、従来は、出射光の広がり角が小さい方向の光強度分布を平坦にすべく、ビーム整形プリズムを用いるか、光学ヘッドの光源側の開口数を小さく設定した構成にされていた。しかし、上記のように、集光手段(対物レンズ4)の瞳周辺における光強度の低下を補うようにアポダイゼーションを施せば、ビーム整形プリズムを用いなくても光源側の開口数を比較的大きく設定した構成とすることが可能となるため、光学ヘッドの光利用効率の向上が可能となる。
【0031】
以上説明したように、本発明の第2の実施の形態によれば、ビーム整形用の光学系を必要としない簡単な構成で、回折限界に近い小さな円形の光スポットを形成することができると共に、光利用効率の高い光学ヘッドを実現することができる。
【0032】
尚、上記各実施の形態においては、回折格子形成領域12の形状が情報記録媒体5のトラックに垂直な方向に長い帯状である場合を例に挙げて説明したが、必ずしもこのような形状に限定されるものではない。回折格子形成領域12の形状は、例えば、図5に示すように、情報記録媒体5のトラック方向に長い帯状であってもよいし、図6に示すように、楕円又は他の形状の曲線で囲まれた形状であってもよい。
【0033】
また、上記各実施の形態においては、フォーカス検出方式として、いわゆるSSD方式(Spot Size Detection )を例に挙げて説明したが、いわゆるフーコー方式などの他の方式を用いて本発明を実施することも可能である。
【0034】
また、上記各実施の形態においては、光分岐手段として、回折素子2を例に挙げて説明したが、本発明の光分岐手段としての機能を有していれば、フレネルレンズや複屈折性材料等によって構成された光分岐素子であってもよい。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、信号を検出するための受光手段に向けて光束を分岐する光分岐手段と、アポダイゼーションを施す手段とを兼ね備えるため、回折限界以下に光を絞り込む、簡単な構成の光学ヘッドを実現することができる。さらに、光源から出射する光の広がり角が小さい方向について、集光手段(対物レンズ)の瞳周辺における光強度の低下を補うようにアポダイゼーションを施すことにより、光源側の開口数を従来よりも大きく設定することができるので、高い光利用効率を有する光学ヘッドを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における光学ヘッドを示す構成図
【図2】本発明の一実施の形態における光学ヘッドの光源及び受光手段の配置を示す構成図
【図3】本発明の一実施の形態における光学ヘッドの光分岐手段を説明するための図
【図4】本発明の効果を説明するための図
【図5】本発明の光学ヘッドにおける光分岐手段の他の例を説明するための図
【図6】本発明の光学ヘッドにおける光分岐手段のさらに他の例を説明するための図
【図7】従来の光学ヘッドを示す構成図
【図8】従来の光学ヘッドの対物レンズの瞳上における光強度分布を示す図
【図9】従来のアポダイゼーションを施した光学系によって集光された光スポットと通常の回折限界光スポットの強度分布断面図
【符号の説明】
1 受発光素子
2 回折素子
3 ハーフミラー
4、106 対物レンズ
5、107 情報記録媒体
6、8、9、10、11 受光素子
7、100 光源
12 回折格子形成領域
13 光束外形
101 コリメータレンズ
102 ビーム整形プリズム
103 遮光帯
104 偏光ビームスプリッタ
105 4分の1波長板
108 信号検出光学系
Claims (4)
- 光源と、受光手段と、前記光源からの出射光を情報記録媒体に集光させる集光手段と、前記光源と前記集光手段との間に配置され、前記情報記録媒体で反射され再び前記集光手段を介して入射する光を、回折あるいは偏向を与えて前記受光手段に導く光分岐手段とを備え、前記光分岐手段は、入射する光に回折あるいは偏向を与える第1の領域と、回折あるいは偏向を与えない第2の領域とを有し、前記第1の領域は、前記光分岐手段の中央部に配置されていることを特徴とする光学ヘッド。
- 前記光源は、出射光の強度分布が楕円状のガウス分布を呈するものであり、かつ、出射光の広がり角が小さい方向が前記情報記録媒体の情報トラックに平行又は垂直となるように配置され、前記光分岐手段の第1の領域は、前記光源からの出射光の広がり角が小さい方向に短い幅を有する形状である請求項1に記載の光学ヘッド。
- 前記光分岐手段は、前記第1の領域のみに回折格子が形成された回折素子である請求項1又は2に記載の光学ヘッド。
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