JP2005176737A - 食用油脂組成物 - Google Patents
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Abstract
風味、起泡性、抱水力、口溶け感、保存時外観などが高いレベルで達成しており、ショートニング、マーガリン用などとして好適な油脂組成物を提供すること。
【解決手段】
ジアシルグリセリドを、油脂全量に基づき1質量%以上5質量%未満含有する油脂組成物であって、前記ジアシルグリセリドが、
(1)その全脂肪酸残基中のパルミチン酸残基とステアリン酸残基の合計含有量が50質量%以下、
(2)その全脂肪酸残基中のオレイン酸残基の含有量が70質量%以下、及び
(3)融点が15℃以下、
である食用油脂組成物である。
【選択図】 なし
Description
また、マーガリンは、精製した動植物油脂、硬化油に対し、水及び乳化剤、その他諸原料を加えて乳化組成物を調製し、冷却・固化させることにより得られる可塑性油脂食品であって、業務用マーガリンと一般家庭用マーガリンに大別することができる。
一方、油中水型乳化油脂組成物は、外相が油脂であるため、微生物が繁殖しにくく、保型性に優れ、日持ちが良いなどの特徴を有し、製菓、製パン用のフィリング、トッピング剤として用いられる。例えば起泡させないタイプの油中水型乳化油脂組成物は、スプレッドなどとして、また起泡させたタイプの油中水型乳化油脂組成物は、バタークリームなどとして用いられている。
これらは、ジグリセリド含有量の高い油脂を用いることにより、油中水型乳化物の安定性を高めるために、水分の染み出しや保型性の低下については改善されているものの、ジグリセリドの含有量が5重量%以上と高く、風味や呈味発現については、必ずしも満足し得るものではない。ジグリセリド含量5%以上の食用可塑性含水油脂組成物(特許文献4参照)や、マーガリン(特許文献5参照)も知られているが、これらの場合も同様に、ジグリセリド含量が多いために、風味、呈味の発現が満足し得ない。
また、ジグリグリセリド含量2〜15%の液体油脂組成物(特許文献8参照)、ジグリセリドが全油量を基準にして5〜99%含まれる食用油脂組成物(特許文献9参照)については、全油脂中の飽和脂肪酸含量が低く結晶量が低いために、ショートニングおよび、マーガリンとして用いられるには不適である。また、天然に存在するジアシルグリセロール含量が多いパーム油やオリーブ油をそのまま用いて、ジアシルグリセリンの含量を1〜5%に調整した場合においても、特に保存時おいてジアシルグリセロールの結晶化により、ショートニングおよびマーガリンとしての性能の低下が生じる。
すなわち、本発明は、ジアシルグリセリドを、油脂全量に基づき1質量%以上5質量%未満含有する食用油脂組成物であって、前記ジアシルグリセリドが、
(1)その全脂肪酸残基中のパルミチン酸残基とステアリン酸残基の合計含有量が50質量%以下、
(2)その全脂肪酸残基中のオレイン酸残基の含有量が70質量%以下、及び
(3)融点が15℃以下、
である食用油脂組成物を提供する。
このように、ジアシルグリセリドの含有量が上記の範囲にあり、かつ該ジアシルグリセリドの脂肪酸組成及び融点が上記の範囲にある油脂を用いることにより、風味、起泡性、抱水力、口溶け感、保存時外観などが高いレベルで達成してなる食用油脂組成物が得られ、本発明の目的が達せられる。
パルミチン酸残基とステアリン酸残基の合計含有量が50質量%を超える、又は、オレイン酸残基の含有量が70質量%を超える場合、油脂組成物中でジグリセリドが結晶化して、口溶け性等の効果を発揮しづらくなる。そのため、天然に存在するジアシルグリセロール含量が多いパーム油やオリーブ油をそのまま用いても、結晶化により性能の低下が生じ適当でない。
また、ジアシルグリセリドにおける全脂肪酸残基中のオレイン酸残基の含有量は、好ましくは0〜50質量%、より好ましくは0〜45質量%である。
さらに、ジアシルグリセリドの融点は、好ましくは−30〜15℃ であり、より好ましくは、−30〜10℃である。ジアシルグリセリドの融点は、上昇融点法(基準油脂分析法、DSC法等)で測定できる。
このジアシルグリセリドは、植物油脂を起源とするものが好ましく、さらに風味の点からコーン油、大豆油及びナタネ油の中から選ばれる少なくとも一種を起源とするものが好適である。
また、当該油脂における全脂肪酸残基中の飽和脂肪酸残基の含有量は、好ましくは20質量%以上80質量%未満、より好ましくは20質量%〜70質量%、さらに好ましくは20質量%〜60質量%である。さらに、当該油脂における全脂肪酸残基中のパルミチン酸残基の含有量は、好ましくは40質量%以下、より好ましくは35質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下であり、その下限は15質量%程度である。
また風味の点から、当該油脂における、全脂肪酸残基中のリノレン酸残基は10質量%以下、好ましくは5%質量以下、さらに好ましくは3%質量以下、またリノール酸残基は、5質量%〜40質量%、好ましくは5質量%〜30質量%、さらに好ましくは5質量%〜15質量%である。
この際、乳化剤としては、例えばグリセリン脂肪酸モノエステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル及びレシチンなどが好ましく用いられる。これらの乳化剤は一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、前記グリセリン脂肪酸モノエステルは、HLB(親水基と親油基のバランス)が4以下、特に3〜4のものが好適であり、ポリグリセリン脂肪酸エステルは、HLBが7以下、特に3〜5のものが好適であり、ショ糖脂肪酸エステルは、HLBが8以上、好ましくは9以上、特に10〜12のものが好適である。
これらの乳化剤の使用量は、油脂に対して、通常0.01質量%〜5質量%、好ましくは0.05質量%〜3質量%、より好ましくは0.05質量%〜2質量%、さらに好ましくは0.05質量%〜1質量%の範囲で選定される。
また、本発明の食用油脂組成物は、風味、起泡性、抱水性、口溶け感、保存時外観などが高いレベルで達成されており、例えばショートニングやマーガリンなどの用途に好適に用いられ、油中水型乳化油脂組成物はスプレッド、バタークリームなどの用途に用いられる。
また、ショートニング用途に用いる場合には、従来公知の方法、例えば油脂に食塩、乳化剤、着色料、着香料、乳製品などを加え加温して油脂組成物を調製し、急冷工程中に10〜20体積%程度のガス(窒素ガス、炭酸ガス、空気など)を含ませることでショートニングを製造することができる。
(1)起泡性
油脂組成物200gを、「ホバートミキサー」(モデルN−50:ホバートコーポレーション製)にて20分間撹拌し、起泡させた際のクリーミング価を、下記の式
クリーミング価=クリーミング化前の比重/クリーミング化後の比重
より求め、以下に示す判定基準に従って、起泡性を評価した。
○:クリーミング価が3.0以上
△:クリーミング価が2.7以上3.2未満
×:クリーミング価が2.7未満
上記(1)のクリーミング価を測定した後、さらに「ホバートミキサー」にて撹拌しながら、20mL/分の割合で水を加え、水と油脂組成物が混和しなくなった状態を終点とし、吸水量指数を、下記の式
吸水量指数=吸水量(mL)/油脂組成物質量(g)
より求め、以下に示す判定基準に従って、抱水力を評価した。
○:7以上
△:4以上7未満
×:4未満
油脂組成物の摂食時の口溶け感を、専門パネラー20人が比較し、以下に示す判定基準に従って、評価した。
○:良好
△:普通
×:悪い
上記(1)の起抱性評価に使用した油脂気泡物100gに、糖濃度70%の糖液200gを加えて攪拌したものについて、専門パネラー20人で、風味発現を以下に示す判定基準に従って、評価した。
○:良好
△:普通
×:悪い
油脂組成物を5℃で3ヶ月間保存したものに対して目視観察し、以下に示す判定基準に従って、保存時外観(5℃)を評価した。
○:なめらかで光沢有り
△:表面が少し荒れる
×:表面が荒れる、ざらざら感有り
表1及び表2に示す配合組成の各油脂組成物を調製し、その特性を評価した。結果を表1及び表2に示す。
1)ジアシルグリセリド組成物:ジアシルグリセリドとトリアシルグリセリドの混合物で、そのジアシルグリセリド純度が80質量%、起源:ナタネ油及び大豆油
2)ショ糖脂肪酸エステル:商品名「リョートーシュガーエステルS−1170S」、三菱化学フーズ株式会社、HLB11
3)グリセリン脂肪酸モノエステル:商品名「O−95R」、花王株式会社、HLB3.5
Claims (5)
- ジアシルグリセリドを、油脂全量に基づき1質量%以上5質量%未満含有する食用油脂組成物であって、前記ジアシルグリセリドが、
(1)その全脂肪酸残基中のパルミチン酸残基とステアリン酸残基の合計含有量が50質量%以下、
(2)その全脂肪酸残基中のオレイン酸残基の含有量が70質量%以下、及び
(3)融点が15℃以下、
である食用油脂組成物。 - ジアシルグリセリドが、動植物油脂を起源とするものである請求項1記載の食用油脂組成物。
- ジアシルグリセリドが、コーン油、大豆油、ナタネ油及び魚油の中から選ばれる少なくとも一種を起源とするものである請求項1又は2記載の食用油脂組成物。
- 油脂中の80質量%以上98質量%以下がトリアシルグリセリドである請求項1〜3のいずれかに記載の食用油脂組成物。
- 油脂における全脂肪酸残基中の飽和脂肪酸残基の含有量が、20質量%以上90質量%未満である請求項1〜4記載の食用油脂組成物。
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