JP2005166227A - 光ピックアップ装置、光情報記録再生装置、エキスパンダーレンズ、カップリングレンズ、及び色収差補正用光学素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】レーザ光源波長が異なる高密度光ディスク等の複数種類の光ディスクに対して互換性を維持しつつ、且つ小型化等に適した光ピックアップ装置、光情報記録再生装置、エキスパンダーレンズ、カップリングレンズ、及び色収差補正用光学素子を提供する。
【解決手段】光ピックアップ装置が、波長λ1と波長λ2の光束を射出する光源、対物レンズユニット、光源と対物レンズユニットとの間であって第1光束及び第2光束の共通光路中に配置される色収差補正用光学ユニット及び球面収差補正用光学ユニットを備える。そして、球面収差補正用光学ユニットが、その構成レンズ群と対物レンズユニットとの間隔を可変調整することで、対物レンズユニットへの入射光束のマージナル光線の傾角を変化させる。また、色収差補正用光学ユニットが回折面を有し、最大の回折効率を有する第2光束の回折次数が、第1光束の回折次数より低くなるように設計される。
【選択図】図1
【解決手段】光ピックアップ装置が、波長λ1と波長λ2の光束を射出する光源、対物レンズユニット、光源と対物レンズユニットとの間であって第1光束及び第2光束の共通光路中に配置される色収差補正用光学ユニット及び球面収差補正用光学ユニットを備える。そして、球面収差補正用光学ユニットが、その構成レンズ群と対物レンズユニットとの間隔を可変調整することで、対物レンズユニットへの入射光束のマージナル光線の傾角を変化させる。また、色収差補正用光学ユニットが回折面を有し、最大の回折効率を有する第2光束の回折次数が、第1光束の回折次数より低くなるように設計される。
【選択図】図1
Description
本発明は、光ピックアップ装置、光情報記録再生装置、エキスパンダーレンズ、カップリングレンズ、及び色収差補正用光学素子に関する。
近年、映像情報などの光記録媒体として急速に普及しつつあるDVD(デジタルバーサタイルディスク)は、波長650nmの赤色半導体レーザと開口数(NA)0.6の対物レンズを使用することで1面あたり4.7GBの情報を記録が可能であるが、より高密度な情報を高い転送レートで記録/再生するために、更なる高密度化・大容量化の要望が強くなってきている。光ディスクの高密度化・大容量化を達成するためには、周知のように対物レンズで集光されるスポットの径を小さくすればよく、そのためには、レーザ光源の短波長化や対物レンズの高開口数化が必要となる。
レーザ光源の短波長化に関しては、波長405nmの青紫色半導体レーザや青紫色SHGレーザ等が実用化されつつあり、これらの青紫色レーザ光源とNA0.6の対物レンズとの組合せにより、直径12cmの光ディスクに対して、1面あたり15GB程度の情報の記録が可能となる(以下、本明細書では、青紫色レーザ光源を使用する光ディスクを総称して「高密度光ディスク」と呼ぶ)。
また、対物レンズの高NA化に関しては、青紫色レーザ光源からの光束をNA0.85の対物レンズにより集光して情報の記録/再生を行う光ディスクの規格が提案されており、この規格の光ディスクでは、直径12cmの光ディスクに対して、1面あたり23GB程度の情報の記録が可能である。
また、対物レンズの高NA化に関しては、青紫色レーザ光源からの光束をNA0.85の対物レンズにより集光して情報の記録/再生を行う光ディスクの規格が提案されており、この規格の光ディスクでは、直径12cmの光ディスクに対して、1面あたり23GB程度の情報の記録が可能である。
高密度光ディスクに対して適切に情報を記録/再生できるようにするためには、色収差を補正する手段を設けることで、モードホッピングとよばれるレーザ光源の瞬間的な波長変化による集光性能の劣化を防ぐ必要がある。これは、青紫色領域におけるレンズ材料の波長分散が非常に大きくなるため、わずかな波長変化に対してもフォーカス誤差が大きく発生するためである。低コスト化、軽量化、小型化に適した色収差補正用の光学部品として、屈折レンズの表面に回折構造を形成した回折レンズがある。
ところで、このような高密度光ディスクに対して適切に情報の記録/再生ができると言うだけでは、光ディスクプレーヤの製品としての価値は十分なものとはいえない。現在において、多種多様な情報を記録したDVDやCD(コンパクトディスク)が販売されている現実をふまえると、高密度光ディスクに対して情報の記録/再生ができるだけでは足らず、例えばユーザが所有しているDVDやCDに対しても同様に適切に情報の記録/再生ができるようにすることが、高密度光ディスク用の光ディスクプレーヤとしての商品価値を高めることに通じるのである。このような背景から、高密度光ディスク用の光ディスクプレーヤに搭載される光ピックアップ装置は、高密度光ディスク、DVD、及びCD何れに対しても互換性を維持しながら適切に情報を記録/再生できる性能を有することが望まれる。
高密度光ディスク、DVD、及びCD何れに対しても互換性を維持しながら適切に情報を記録/再生できるようにする方法として、高密度光ディスク用の光学部品とDVDやCD用の光学部品とを情報を記録/再生する光ディスクの記録密度に応じて選択的に切り替える方法が考えられるが、複数の光学部品が必要となるので、小型化に不利であり、また、コストが増大する。
従って、光ピックアップ装置の構成を簡素化し、低コスト化を図るためには、互換性を有する光ピックアップ装置においても、高密度光ディスク用の光学部品とDVDやCD用の光学部品とを共通化して、光ピックアップ装置を構成する光学部品点数を極力減らすのが好ましい。
従って、光ピックアップ装置の構成を簡素化し、低コスト化を図るためには、互換性を有する光ピックアップ装置においても、高密度光ディスク用の光学部品とDVDやCD用の光学部品とを共通化して、光ピックアップ装置を構成する光学部品点数を極力減らすのが好ましい。
従って、青紫色領域における色収差を補正するのための回折レンズを、互換性を有する光ピックアップ装置内に配置する場合には、高密度光ディスク用の青紫色レーザ光源からの光束のみが通過する光路中に配置するよりも、高密度光ディスク用の青紫色レーザ光源と、DVDやCD用のレーザ光源からの光束が通過する光路中に配置した方が、光ピックアップ装置の構成が簡素となり、光学部品点数が削減できるので小型化、低コスト化が可能となる。
このように、高密度光ディスク用の青紫色レーザ光源と、DVDやCD用のレーザ光源からの光束が通過する光路中に回折レンズを配置して青紫色領域における色収差を行うことで高密度光ディスクに対して適切に情報を記録/再生できる光ピックアップ装置の例は、例えば以下の特許文献1に記載されている。
特開2001−60336号公報
このように、高密度光ディスク用の青紫色レーザ光源と、DVDやCD用のレーザ光源からの光束が通過する光路中に回折レンズを配置して青紫色領域における色収差を行うことで高密度光ディスクに対して適切に情報を記録/再生できる光ピックアップ装置の例は、例えば以下の特許文献1に記載されている。
ところが、特許文献1においては、その図面及び記載から、高密度光ディスクに対して情報の記録/再生を行う際の球面収差補正をどうするかについて開示がない。光ピックアップ装置において発生する球面収差は、対物レンズのNAの4乗と波長の逆数に比例して大きくなるので、高密度光ディスクに対して適切に情報を記録/再生できるようにするためには、上述の色収差補正に加え、球面収差を補正する手段を設けることで、高密度光ディスクの保護層の厚さ誤差、2層ディスクの記録層間のフォーカスジャンプ、青紫色レーザ光源の波長誤差等で発生する球面収差の補正も行う必要がある。即ち、特許文献1に記載されている光ピックアップ装置では、高密度光ディスク、DVD、及びCDのうち、少なくとも高密度光ディスクに対しては適切に情報を記録/再生することはできない。
本発明の課題は、上述の問題を考慮したものであり、レーザ光源波長が異なる高密度光ディスク、DVD、及びCD等の複数種類の光ディスクに対して互換性を維持しながら適切に情報を記録/再生を行え、小型化、軽量化、低コスト化に適した光ピックアップ装置、光情報記録再生装置、エキスパンダーレンズ、カップリングレンズ、及び色収差補正用光学素子を提供することにある。
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、450nm以下の第1波長λ1の第1光束を射出する第1光源及び前記第1波長λ1の1.3倍より長い第2波長λ2の第2光束を射出する第2光源の少なくとも2種類の光源と、前記2種類の光源から射出された光束を記録密度が互いに異なる少なくとも2種類の光ディスクの情報記録面上に集光するための対物レンズユニットと、前記2種類の光源と前記対物レンズユニットとの間であって前記第1光束及び第2光束の共通光路中に配置された色収差補正用光学ユニット及び球面収差補正用光学ユニットと、を有する光ピックアップ装置において、前記球面収差補正用光学ユニットは、その構成レンズ群のうち少なくとも1つのレンズ群と前記対物レンズユニットとの間隔を可変調整することで、前記対物レンズユニットへの入射光束のマージナル光線の傾角を変化させると共に、前記色収差補正用光学ユニットは、微細な段差により分割された複数の輪帯からなる回折構造が形成された回折面を少なくとも1つ有するレンズ群を少なくとも1つ有し、前記段差の光軸方向の深さは、前記第1光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数に対して、前記第2光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数がより低次数となるように設計されていることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、球面収差補正用光学ユニットの構成レンズ群のうち少なくとも1つのレンズ群と対物レンズユニットとの間隔を可変調整することで、対物レンズユニットへの入射光束のマージナル光線の傾角(マージナル光線と光軸とのなす角)を変化させることが可能である。このことは、球面収差補正用光学ユニットにより、対物レンズユニットの倍率を可変調整することに対応し、高密度光ディスクの情報記録面上のスポットの球面収差変化量に対応して、対物レンズユニットの倍率を変化させることで、光ディスクの情報記録面上のスポットの球面収差変化を補正することが可能である。これにより、高密度光ディスクの情報記録面上に形成されたスポットは常に球面収差が補正された状態を維持することができるので、高密度光ディスクに対する良好な記録/再生特性が得られる。
また、球面収差補正用光学ユニットは、450nm以下の第1波長λ1の第1光束と第2波長λ2の第2光束との両方が通過する共通光路中に配置されているので、上述の球面収差補正は、高密度光ディスクに対する情報の記録/再生時だけでなく、例えばDVDやCD等の記録密度が低い光ディスクに対する情報の記録/再生時にも行うことが可能である。これにより記録密度が低い光ディスクに対する記録/再生特性がさらに改善されるので、光ピックアップ装置としての信頼性が向上する。
そして、色収差補正用光学ユニットの構成レンズ群上に形成された回折面は、その輪帯の段差の光軸方向の深さが、第1光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数に対して、第2光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数がより低次数となるように設計されている。これにより、光源の波長差が1.3倍より大きい場合にも、それぞれの光源の波長領域において十分な回折効率が得られるので、かかる色収差補正用光学ユニットを第1光束と第2波長λ2の第2光束との両方が通過する光路中に配置することが可能となり、小型化、軽量化、低コスト化に適した光ピックアップ装置を得ることができる。
そして、色収差補正用光学ユニットの構成レンズ群上に形成された回折面は、その輪帯の段差の光軸方向の深さが、第1光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数に対して、第2光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数がより低次数となるように設計されている。これにより、光源の波長差が1.3倍より大きい場合にも、それぞれの光源の波長領域において十分な回折効率が得られるので、かかる色収差補正用光学ユニットを第1光束と第2波長λ2の第2光束との両方が通過する光路中に配置することが可能となり、小型化、軽量化、低コスト化に適した光ピックアップ装置を得ることができる。
尚、本明細書において、高密度光ディスクとは、上述したように、情報の記録/再生用の光源として、青紫色レーザ光源を使用する光ディスクの総称であり、DVDとは、DVD−ROM、DVD−Video、DVD−Audio、DVD−RAM、DVD−R、DVD−RW、DVD+R、DVD+RW等のDVD系列の光ディスクの総称であり、CDとは、CD−ROM、CD−Audio、CD−Video、CD−R、CD−RW等のCD系列の光ディスクの総称である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の光ピックアップ装置において、前記球面収差補正用光学ユニットと前記色収差補正用光学ユニットは、同一の光学ユニットであることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の光ピックアップ装置において、前記光ピックアップ装置は、少なくとも前記第1光源から射出された光束の発散角を変換して前記対物レンズユニットに導くためのカップリングレンズを更に有し、前記球面収差補正用光学ユニットは、前記カップリングレンズと、前記対物レンズユニットの間の光路中に配設された、正レンズ群と負レンズ群とから構成されるエキスパンダーレンズであることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1又は2に記載の光ピックアップ装置において、前記球面収差補正用光学ユニットは、前記2種類の光源から射出された各光束の発散角を変換して前記対物レンズユニットに導くためのカップリングレンズであることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、球面収差補正用光学ユニットと色収差補正用光学ユニットとを同一の光学ユニットとして構成することで、光学部品点数を削減することができ、小型化、軽量化、低コスト化をより一層達成できる。
球面収差補正用光学ユニットと色収差補正用光学ユニットとを同一の光学ユニットとして構成する場合の例として、請求項3にあるように、その構成レンズ群のうち少なくとも1つのレンズ群を光軸方向に変位可能とし、更に、いずれかの光学面を上述のようにその輪帯段差の深さが設計された回折面とした、正レンズ群と負レンズ群とから構成されるエキスパンダーレンズがある。
尚、ここでいうエキスパンダーレンズとは、入射光束の径を拡大して射出する拡大系の他に、入射光束の径を縮小して射出する縮小系も含むものとする。
球面収差補正用光学ユニットと色収差補正用光学ユニットとを同一の光学ユニットとして構成する場合の例として、請求項3にあるように、その構成レンズ群のうち少なくとも1つのレンズ群を光軸方向に変位可能とし、更に、いずれかの光学面を上述のようにその輪帯段差の深さが設計された回折面とした、正レンズ群と負レンズ群とから構成されるエキスパンダーレンズがある。
尚、ここでいうエキスパンダーレンズとは、入射光束の径を拡大して射出する拡大系の他に、入射光束の径を縮小して射出する縮小系も含むものとする。
また、球面収差補正用光学ユニットと色収差補正用光学ユニットとを同一の光学ユニットとして構成する場合の別の例として、請求項4にあるように、その構成レンズ群のうち少なくとも1つのレンズ群を光軸方向に変位可能とし、更に、いずれかの光学面を上述のようにその輪帯段差の深さが設計された回折面としたカップリングレンズがある。このようにレーザ光源から射出された発散光束を変換して対物レンズユニットに導くためのカップリングレンズに、球面収差補正用光学ユニットと色収差補正用光学ユニットとしての機能を持たせる場合は、光学部品点数を大きく削減することができ、小型化、軽量化、低コスト化に対して非常に有効である。
尚、ここでいうカップリングレンズとは、レーザ光源から射出された発散光束をほぼ平行光束に変換するコリメートレンズを含むものとする。
尚、ここでいうカップリングレンズとは、レーザ光源から射出された発散光束をほぼ平行光束に変換するコリメートレンズを含むものとする。
請求項5に記載の発明は、450nm以下の第1波長λ1の第1光束を射出する第1光源及び前記第1波長λ1の1.3倍より長い第2波長λ2の第2光束を射出する第2光源の少なくとも2種類の光源と、前記2種類の光源から射出された光束を記録密度が互いに異なる少なくとも2種類の光ディスクの情報記録面上に集光するための対物レンズユニットと、前記2種類の光源と前記対物レンズユニットとの間であって前記第1光束及び第2光束の共通光路中に配置された色収差補正用光学ユニット及び球面収差補正用光学ユニットと、を有する光ピックアップ装置において、前記球面収差補正用光学ユニットは、電極と液晶分子層とが交互に積層された構造を有し、前記電極に所定の電圧を印可して、前記液晶分子層の屈折率分布を変化させることが可能であるように構成されると共に、前記色収差補正用光学ユニットは、微細な段差により分割された複数の輪帯からなる回折構造が形成された回折面を少なくとも1つ有するレンズ群を少なくとも1つ有し、前記段差の光軸方向の深さは、前記第1光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数に対して、前記第2光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数がより低次数となるように設計されていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明においては、球面収差補正用光学ユニットとして、液晶素子を利用する。液晶分子層を挟むように配置された電極に電圧を印可することで、液晶分子層内には屈折率分布が発生する。このように、屈折率分布が形成された液晶分子層を透過した波面には球面収差が付加されるが、このとき、高密度光ディスクの情報記録面上のスポットの球面収差変化とが逆符号の球面収差がその透過波面に付加されるように、液晶分子層内の屈折率分布を制御する。これにより、高密度光ディスクの情報記録面上に形成されたスポットは常に球面収差が補正された状態を維持することができるので、高密度光ディスクに対する良好な記録/再生特性が得られる。
このように球面収差補正用光学ユニットとして、液晶素子を利用すると、機械的可動部が不要となるので、小型化、軽量化、低コスト化に有利となる。
このように球面収差補正用光学ユニットとして、液晶素子を利用すると、機械的可動部が不要となるので、小型化、軽量化、低コスト化に有利となる。
また、請求項1に記載の光ピックアップ装置と同じように、上述の球面収差補正は、高密度光ディスクに対する情報の記録/再生時だけでなく、例えばDVDやCD等の記録密度が低い光ディスクに対する情報の記録/再生時にも行ってもよい。
そして、色収差補正用光学ユニットの構成レンズ群上に形成された回折面は、その輪帯の段差の光軸方向の深さが、第1光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数に対して、第2光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数がより低次数となるように設計されている。これにより、光源の波長差が1.3倍より大きい場合にも、それぞれの光源の波長領域において十分な回折効率が得られるので、かかる色収差補正用光学ユニットを第1光束と第2波長λ2の第2光束との両方が通過する光路中に配置することが可能となり、小型化、軽量化、低コスト化に適した光ピックアップ装置を得ることができる。
そして、色収差補正用光学ユニットの構成レンズ群上に形成された回折面は、その輪帯の段差の光軸方向の深さが、第1光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数に対して、第2光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数がより低次数となるように設計されている。これにより、光源の波長差が1.3倍より大きい場合にも、それぞれの光源の波長領域において十分な回折効率が得られるので、かかる色収差補正用光学ユニットを第1光束と第2波長λ2の第2光束との両方が通過する光路中に配置することが可能となり、小型化、軽量化、低コスト化に適した光ピックアップ装置を得ることができる。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の光ピックアップ装置において、前記対物レンズユニットは前記球面収差補正用光学ユニットと一体となってトラッキングを行うことを特徴とする。
請求項6に記載の発明によれば、球面収差補正用光学ユニットとして液晶素子を利用する場合、球面収差補正用光学ユニットを透過して対物レンズユニットに入射する光束の波面は、球面収差を持っている。このような場合、対物レンズユニットのトッラキングにより、対物レンズユニットと球面収差補正用光学ユニットとの光軸がずれると、コマ収差が発生し良好なトラッキング特性が得られない。そのため、対物レンズユニットは、球面収差補正用光学ユニットと一体となってトラッキングを行うように構成することが好ましい。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置において、前記球面収差補正用光学ユニットは、前記第1波長λ1と前記第2波長λ2の波長差に起因して前記対物レンズユニットで発生する球面収差を補正することを特徴とする。
請求項7に記載の発明によれば、本発明による第1の光ピックアップ装置及び第2の光ピックアップ装置において、対物レンズユニットの波長分散の影響で、第1波長λ1と第2波長λ2の波長差に起因して発生する球面収差を、球面収差補正用光学素子で補正するようにすると、高密度光ディスク、DVD、及びCD等の複数種類の光ディスクに対して互換性を維持しながら適切に情報を記録/再生を行うことのできる光ピックアップ装置を提供できる。
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置において、前記球面収差補正用光学ユニットは、前記第1波長λ1が±10nmの範囲内で変化した際に、前記対物レンズユニットの色収差に起因して発生する球面収差を補正することを特徴とする。
請求項8に記載の発明によれば、第1光源の製造誤差や環境温度変化により第1波長λ1が変化した場合に、対物レンズユニットの波長分散の影響で発生する球面収差を、球面収差補正用光学素子で補正するようにすると、高密度光ディスクに対して適切に情報を記録/再生を行うことのできる光ピックアップ装置を提供できる。特に、高密度光ディスクに対する情報の記録/再生を行う際の対物レンズユニットの開口数が大きいと、第1光源の波長変化に対して球面収差が容易に発生するので、上述のような構成が有効である。
請求項9に記載の発明は、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置において、前記2種類の光ディスクのうち、記録密度が最も高い光ディスクを第1光ディスクとしたとき、前記第1光ディスクはその情報記録面上に第1保護層を有し、前記球面収差補正用光学ユニットは、前記第1保護層の厚さ誤差に起因して発生する球面収差を補正することを特徴とする。
請求項9に記載の発明によれば、記録密度が最も高い第1光ディスクの保護層の厚さ誤差の影響で発生する球面収差を、球面収差補正用光学素子で補正するようにすると、高密度光ディスクに対して適切に情報を記録/再生を行うことのできる光ピックアップ装置を提供できる。特に、高密度光ディスクに対する情報の記録/再生を行う際の対物レンズユニットの開口数が大きいと、第1光ディスクの保護層の厚さが対物レンズユニットの設計時の基準保護層の厚さからわずかに変化しただけで、球面収差が容易に発生する。そのため、光ディスクの保護層の厚さを高精度に管理する必要があるので、光ディスクの量産時における歩留まりに悪影響を及ぼす可能性がある。上述のように、球面収差補正用光学ユニットでかかる保護層の厚さ誤差による球面収差の発生を補正する構成とすると、保護層の厚さ誤差に対する公差を緩和することができるので光ディスクの量産時の歩留まりを向上することが可能となる。
請求項10に記載の発明は、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置において、前記2種類の光ディスクのうち、記録密度が最も高い光ディスクを第1光ディスクとしたとき、前記第1光ディスクは前記光源側から順に、光学的透明層と情報記録面とが交互に積層された多層構造を有し、前記多層構造において前記光源に最も近い情報記録面から順に、第1情報記録面、第2情報記録面、・・・、第n情報記録面としたとき、前記球面収差補正用光学ユニットは、前記対物レンズが前記第i情報記録面から前記j情報記録面にフォーカスジャンプする際に発生する球面収差を補正することを特徴とする。
但し、iは1≦i≦nを満たす任意の整数であり、jは1≦i≦nを満たし、且つiとは異なる任意の整数である。
但し、iは1≦i≦nを満たす任意の整数であり、jは1≦i≦nを満たし、且つiとは異なる任意の整数である。
請求項10に記載の発明は、複数の情報記録面層を有するタイプの高密度光ディスクに対して適切に情報を記録/再生を行うことのできる光ピックアップ装置である。請求項9の説明にも記載したように、高密度光ディスクに対する情報の記録/再生を行う際の対物レンズユニットの開口数が大きいと、第1光ディスクの保護層の厚さが対物レンズユニットの設計時の基準保護層の厚さからわずかに変化しただけで、球面収差が容易に発生する。そのため、対物レンズユニットがある情報記録面から別の情報記録面にフォーカスジャンプすると、球面収差が大きく変化する。請求項10にあるように、このフォーカスジャンプ時に発生する球面収差変化を球面収差補正用光学ユニットで補正する構成とすると、複数の情報記録面層を有するタイプの高密度光ディスクに対して適切に情報を記録/再生を行うことが可能となる。
請求項11に記載の発明は、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置において、前記2種類の光ディスクのうち、記録密度が最も高い光ディスクを第1光ディスクとし、前記第1光ディスクはその情報記録面上に第1保護層を有し、前記2種類の光ディスクのうち、前記第1光ディスクよりも記録密度が低い光ディスクを第2光ディスクとしたとき、前記第2光ディスクはその情報記録面上に前記第1保護層よりも厚い第2保護層を有し、前記球面収差補正用光学ユニットは、前記第1保護層と前記第2保護層の厚さの違いに起因して発生する球面収差を補正することを特徴とする。
請求項12に記載の発明は、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置において、前記対物レンズユニットはプラスチックレンズを少なくとも1つ有し、前記球面収差補正用光学ユニットは前記対物レンズユニットに含まれるプラスチックレンズの環境温度変化に伴う屈折率変化、及び/又は、前記プラスチックレンズ内の温度分布に伴う屈折率分布に起因する球面収差を補正することを特徴とする。
請求項13に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置において、前記2種類の光ディスクのうち、記録密度が最も高い光ディスクを第1光ディスクとし、前記第1光ディスクはその情報記録面上に第1保護層を有し、前記2種類の光ディスクのうち、前記第1光ディスクよりも記録密度が低い光ディスクを第2光ディスクとし、前記第1光ディスクに対して情報の記録及び/又は再生を行う際の前記対物レンズユニットの倍率を第1倍率とし、前記第2光ディスクに対して情報の記録及び/又は再生を行う際の前記対物レンズユニットの倍率を第2倍率としたとき、前記第1倍率と前記第2倍率は互いに異なり、前記球面収差補正用光学ユニットは、前記第1倍率と前記第2倍率との違いに応じて前記対物レンズユニットの物点位置を変化させることを特徴とする。
請求項11に記載の発明によれば、高密度光ディスクとDVDやCDの保護層の厚さの違いに起因して発生する球面収差を、球面収差補正用光学素子で補正するようにすると、高密度光ディスク、DVD、及びCD等の複数種類の光ディスクに対して互換性を維持しながら適切に情報を記録/再生を行うことのできる光ピックアップ装置を提供できる。
また、対物レンズユニットにプラスチックレンズが含まれる場合、光ピックアップ装置の環境温度の変化やアクチュエータの発熱に伴いプラスチックレンズの屈折率が変化するため、その影響で球面収差が変化する。従って、高密度光ディスクに対する情報の記録/再生を行う際の対物レンズユニットの開口数が大きいと、この球面収差変化が大きくなるため、対物レンズユニットの使用可能な温度範囲が非常に狭くなり実用上問題となる。また、対物レンズユニットの開口数が大きい場合には、プラスチックレンズ内に、光軸方向の温度分布や、光軸に関して回転対称な温度分布に伴う屈折率分布が発生した際の球面収差変化も問題となる。請求項12に記載の光ピックアップ装置は、球面収差補正用光学ユニットで環境温度の変化や、温度分布に伴う対物レンズユニットの球面収差変化を補正する構成であるので、高密度光ディスクに対して情報の記録/再生を行っている時に、環境温度の変化やアクチュエータの発熱が起こっても情報記録面上に集光されたスポットの球面収差は常に良好に補正された状態となる。
また、対物レンズユニットにプラスチックレンズが含まれる場合、光ピックアップ装置の環境温度の変化やアクチュエータの発熱に伴いプラスチックレンズの屈折率が変化するため、その影響で球面収差が変化する。従って、高密度光ディスクに対する情報の記録/再生を行う際の対物レンズユニットの開口数が大きいと、この球面収差変化が大きくなるため、対物レンズユニットの使用可能な温度範囲が非常に狭くなり実用上問題となる。また、対物レンズユニットの開口数が大きい場合には、プラスチックレンズ内に、光軸方向の温度分布や、光軸に関して回転対称な温度分布に伴う屈折率分布が発生した際の球面収差変化も問題となる。請求項12に記載の光ピックアップ装置は、球面収差補正用光学ユニットで環境温度の変化や、温度分布に伴う対物レンズユニットの球面収差変化を補正する構成であるので、高密度光ディスクに対して情報の記録/再生を行っている時に、環境温度の変化やアクチュエータの発熱が起こっても情報記録面上に集光されたスポットの球面収差は常に良好に補正された状態となる。
また、球面収差補正用光学ユニットとして、構成レンズと対物レンズユニットとの間隔を可変調整することで、対物レンズユニットへの入射光束のマージナル光線の傾角を変化させるように構成された光学ユニットを使用する場合は、対物レンズユニットの物点位置を変化させることが可能である。この機能を利用すると、請求項13にあるように、高密度光ディスクとDVDやCDとに対する情報の記録/再生を行う際の対物レンズユニットの倍率が互いに異なる光ピックアップ装置において、それぞれの倍率に対応して対物レンズユニットの物点位置を変化させることができる。
請求項14に記載の発明は、請求項1乃至13のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置において、前記第2波長λ2は600nmから700nmの範囲内の波長であり、前記色収差補正用光学ユニットに前記第1光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数をn1とし、前記第2光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数をn2としたとき、前記回折次数n1と前記回折次数n2の組合せが、(n1,n2)=(2,1)、(3,2)、(4,2)、(5,3)、(6,4)、(7,4)(8,5)、(10、6)のいずれかであることを特徴とする。
請求項14に記載の発明のように、450nm以下の第1波長λ1と、600nmから700nmの範囲内の波長である第2波長λ2とに対して、第1光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数n1と、第2光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数n2の組合せが、(n1,n2)=(2,1)、(3,2)、(4,2)、(5,3)、(6,4)、(7,4)(8,5)、(10、6)のいずれかであるように、色収差補正用光学ユニットの輪帯段差の深さを設計すると、それぞれの波長領域において十分な回折効率が得られるので、かかる色収差補正用光学ユニットを第1光束と第2波長λ2の第2光束との両方が通過する光路中に配置することが可能となり、小型化、軽量化、低コスト化に適した光ピックアップ装置を得ることができる。また、第1波長λ1の波長領域で色収差を補正した場合でも、第2波長λ2の波長領域における色収差補正が過剰になりすぎないので、高密度光ディスクとDVDの何れに対しても良好な記録特性を有する光ピックアップ装置を提供できる。
また、対物レンズやコリメートレンズなどの非球面を利用した光学部品はモールド成形で製造されるのが一般的である。モールド成形において、回折構造のような微細な構造を精度良く光学部品の光学面上に転写するには、光学部品をプラスチックレンズとするのが好ましい。青紫色領域において使用可能なプラスチックレンズは、その青紫色領域での屈折率が1.5〜1.6の範囲内であるものが多い。
プラスチックレンズの光学面上に、回折次数n1及び回折次数n2の組合せが請求項14にあるような回折構造を形成する場合には、具体的には、回折構造の段差のうち光軸に最も近い段差の光軸方向の深さd0が次式(1)乃至(8)のいずれか1つを満たすようにすると良い。
1.2μm<d0<1.7μm・・・(1)
1.9μm<d0<2.6μm・・・(2)
2.6μm<d0<3.2μm・・・(3)
3.3μm<d0<4.2μm・・・(4)
4.4μm<d0<5.0μm・・・(5)
4.7μm<d0<5.7μm・・・(6)
5.6μm<d0<6.5μm・・・(7)
6.9μm<d0<8.1μm・・・(8)
ここで、(1)〜(8)式は、それぞれ、(n1,n2)=(2,1)、(3,2)、(4,2)、(5,3)、(6,4)、(7,4)(8,5)、(10、6)に対応する段差深さの範囲である。
プラスチックレンズの光学面上に、回折次数n1及び回折次数n2の組合せが請求項14にあるような回折構造を形成する場合には、具体的には、回折構造の段差のうち光軸に最も近い段差の光軸方向の深さd0が次式(1)乃至(8)のいずれか1つを満たすようにすると良い。
1.2μm<d0<1.7μm・・・(1)
1.9μm<d0<2.6μm・・・(2)
2.6μm<d0<3.2μm・・・(3)
3.3μm<d0<4.2μm・・・(4)
4.4μm<d0<5.0μm・・・(5)
4.7μm<d0<5.7μm・・・(6)
5.6μm<d0<6.5μm・・・(7)
6.9μm<d0<8.1μm・・・(8)
ここで、(1)〜(8)式は、それぞれ、(n1,n2)=(2,1)、(3,2)、(4,2)、(5,3)、(6,4)、(7,4)(8,5)、(10、6)に対応する段差深さの範囲である。
請求項15に記載の発明は、請求項14に記載の光ピックアップ装置において、前記2種類の光ディスクのうち、記録密度が最も高い光ディスクを第1光ディスクとし、前記第1光ディスクの次に記録密度が高い光ディスクを第2光ディスクとし、更に、前記第2光ディスクの次に記録密度が高い光ディスクを第3光ディスクとしたとき、
前記光ピックアップ装置は、730nmから830nmの範囲内の第3波長λ3の第3光束を射出する第3光源を更に有するとともに、前記第1光束及び前記第2光束は、それぞれ、前記色収差補正用光学ユニットを透過した後に、前記対物レンズユニットに入射するとともに、前記第3光束は、前記色収差補正用光学ユニットを介さずに前記対物レンズユニットに入射する構成を有し、
前記対物レンズユニットは、前記第1光束を前記第1光ディスクの情報記録面上に集光させ、前記第2光束を前記第2光ディスクの情報記録面上に集光させ、前記第3光束を前記第3光ディスクの情報記録面上に集光させることを特徴とする。
前記光ピックアップ装置は、730nmから830nmの範囲内の第3波長λ3の第3光束を射出する第3光源を更に有するとともに、前記第1光束及び前記第2光束は、それぞれ、前記色収差補正用光学ユニットを透過した後に、前記対物レンズユニットに入射するとともに、前記第3光束は、前記色収差補正用光学ユニットを介さずに前記対物レンズユニットに入射する構成を有し、
前記対物レンズユニットは、前記第1光束を前記第1光ディスクの情報記録面上に集光させ、前記第2光束を前記第2光ディスクの情報記録面上に集光させ、前記第3光束を前記第3光ディスクの情報記録面上に集光させることを特徴とする。
高密度光ディスク、DVD及びCDに対してコンパチブルに記録/再生を行うことが可能な対物レンズのレンズ設計においては、高密度光ディスクとDVDとに対して情報の記録/再生する際の倍率を同じ(より好ましくは、倍率を略ゼロとする)とし、CDに対して情報の記録/再生する際の倍率を、高密度光ディスクとDVDとに対して情報の記録/再生する際の倍率よりも小さい負の倍率とすると、それぞれの光束に対する特性を高められると同時に回折効率も高くでき、更に、製造誤差に対する公差が最も大きいレンズとすることが出来る。
従って、請求項15に記載の発明のように、かかる対物レンズを使用する光ピックアップ装置においては、色収差補正用光学ユニットを第1光束及び第2光束の共通光路に配置することで、第1光束及び第2光束は、それぞれ、色収差補正用光学ユニットを透過した後に対物レンズに入射し、第3光束は、色収差補正用光学ユニットを介さずに対物レンズに入射する構成とするのが好ましい。
かかる構成を有する光ピックアップ装置においては、色収差補正用光学ユニットを他の機能を有する光学ユニットと一体化するのが部品点数を削減する上で好ましい。例えば、第1光源及び第2光源から射出された発散光束を平行光束に変換して対物レンズに導くコリメートレンズの光学面上に回折構造を形成することで、コリメートレンズと色収差補正用光学ユニットとを一体化することが出来る。更に、かかる色収差補正用光学ユニットと一体化されたコリメートレンズをアクチュエータにより光軸方向に移動可能な構成とするのがより好ましく、これにより、コリメートレンズに色収差補正用光学ユニットとしての機能に加えて、球面収差補正用光学ユニットの機能を持たせることが可能となる。
或いは、光軸方向に移動可能とされたエキスパンダーレンズの光学面上に回折構造を形成することで、球面収差補正用光学ユニットの機能を有するエキスパンダーレンズに色収差補正用光学ユニットの機能を持たせても良い。
また、本発明のように、色収差補正用光学ユニットを第3光束が通過しない構成の場合は、色収差補正用光学ユニットの第1光束の回折次数n1と第2光束の回折次数n2の組合せを(n1,n2)=(5,3)とするのが好ましい。色収差補正用光学ユニットをプラスチックレンズとした場合には、かかる組合せの回折次数を選択することで第1光束の5次回折光の回折効率と第2光束の3次回折光の回折効率を共に100%とすることが可能となり、何れの波長に対しても高い回折効率を確保することが可能となる。
これに対して、色収差補正用光学ユニットを第3光束が通過する構成とした場合には、第1光束の回折次数n1と第2光束の回折次数n2と第3光束の回折次数n3との組合せを(n1,n2,n3)=(10,6,5)とすることで、各光束の回折次数を何れも100%とすることが可能であるが、第1光束の回折次数n1が高次であるため、第1光源が±5nmの波長誤差を持った場合に回折効率が6%程度低下する。このような光源の波長誤差による回折効率の低下が小さい次数の組合せは、(n1,n2,n3)=(2,1,1)であるが、この時の各光束の回折効率は、それぞれ、100%、87%、100%であり第2光束の回折効率が低い。尚、上述した(n1,n2)=(5,3)の組合せにおける第1光源の±5nmの波長誤差に対する回折効率低下は、1.5%程度である。
以上より、色収差補正用光学ユニットを通過する光束の回折効率及び、波長誤差に対する回折効率の低下の観点からも、第1光束と第2光束とを色収差補正用光学ユニットを通過させ、第3光束は色収差補正用光学ユニットを通過しない構成とするのが好ましい。
従って、請求項15に記載の発明のように、かかる対物レンズを使用する光ピックアップ装置においては、色収差補正用光学ユニットを第1光束及び第2光束の共通光路に配置することで、第1光束及び第2光束は、それぞれ、色収差補正用光学ユニットを透過した後に対物レンズに入射し、第3光束は、色収差補正用光学ユニットを介さずに対物レンズに入射する構成とするのが好ましい。
かかる構成を有する光ピックアップ装置においては、色収差補正用光学ユニットを他の機能を有する光学ユニットと一体化するのが部品点数を削減する上で好ましい。例えば、第1光源及び第2光源から射出された発散光束を平行光束に変換して対物レンズに導くコリメートレンズの光学面上に回折構造を形成することで、コリメートレンズと色収差補正用光学ユニットとを一体化することが出来る。更に、かかる色収差補正用光学ユニットと一体化されたコリメートレンズをアクチュエータにより光軸方向に移動可能な構成とするのがより好ましく、これにより、コリメートレンズに色収差補正用光学ユニットとしての機能に加えて、球面収差補正用光学ユニットの機能を持たせることが可能となる。
或いは、光軸方向に移動可能とされたエキスパンダーレンズの光学面上に回折構造を形成することで、球面収差補正用光学ユニットの機能を有するエキスパンダーレンズに色収差補正用光学ユニットの機能を持たせても良い。
また、本発明のように、色収差補正用光学ユニットを第3光束が通過しない構成の場合は、色収差補正用光学ユニットの第1光束の回折次数n1と第2光束の回折次数n2の組合せを(n1,n2)=(5,3)とするのが好ましい。色収差補正用光学ユニットをプラスチックレンズとした場合には、かかる組合せの回折次数を選択することで第1光束の5次回折光の回折効率と第2光束の3次回折光の回折効率を共に100%とすることが可能となり、何れの波長に対しても高い回折効率を確保することが可能となる。
これに対して、色収差補正用光学ユニットを第3光束が通過する構成とした場合には、第1光束の回折次数n1と第2光束の回折次数n2と第3光束の回折次数n3との組合せを(n1,n2,n3)=(10,6,5)とすることで、各光束の回折次数を何れも100%とすることが可能であるが、第1光束の回折次数n1が高次であるため、第1光源が±5nmの波長誤差を持った場合に回折効率が6%程度低下する。このような光源の波長誤差による回折効率の低下が小さい次数の組合せは、(n1,n2,n3)=(2,1,1)であるが、この時の各光束の回折効率は、それぞれ、100%、87%、100%であり第2光束の回折効率が低い。尚、上述した(n1,n2)=(5,3)の組合せにおける第1光源の±5nmの波長誤差に対する回折効率低下は、1.5%程度である。
以上より、色収差補正用光学ユニットを通過する光束の回折効率及び、波長誤差に対する回折効率の低下の観点からも、第1光束と第2光束とを色収差補正用光学ユニットを通過させ、第3光束は色収差補正用光学ユニットを通過しない構成とするのが好ましい。
請求項16に記載の発明は、請求項1乃至13のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置において、前記第1波長λ1及び前記第2波長λ2とは異なる第3波長λ3の第3光束を射出する第3光源を有し、前記色収差補正用光学ユニットは、前記第1光源乃至前記第3光源と前記対物レンズユニットとの間であって前記第1光束乃至前記第3光束の共通光路中に配置され、前記第2波長λ2は600nmから700nmの範囲内、前記第3波長λ3は730nmから830nmの範囲内の波長であり、前記色収差補正用光学ユニットに前記第1光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数をn1とし、前記第2光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数をn2とし、前記第3光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数をn3としたとき、前記回折次数n1と前記回折次数n2と前記回折次数n3の組合せが、(n1,n2、n3)=(2,1,1)、(4,2,2)、(6,4,3)、(8,5,4)、(10,6,5)のいずれかであることを特徴とする。
請求項16に記載の発明のように、回折次数n1と回折次数n2と回折次数n3の組合せが、(n1,n2、n3)=(2,1,1)、(4,2,2)、(6,4,3)、(8,5,4)、(10,6,5)のいずれかであるように、色収差補正用光学ユニットの輪帯段差の深さを設計すると、それぞれの波長領域において十分な回折効率が得られるので、かかる色収差補正用光学ユニットを第1光束と第2波長λ2の第2光束との両方が通過する光路中に配置することが可能となり、小型化、軽量化、低コスト化に適した光ピックアップ装置を得ることができる。また、第1波長λ1の波長領域で色収差を補正した場合でも、600nmから700nmの範囲内、及び730nmから830nmの範囲内の波長領域における色収差補正が過剰になりすぎないので、高密度光ディスクとDVDとCDの何れに対しても良好な記録特性を有する光ピックアップ装置を提供できる。
また、プラスチックレンズの光学面上に、回折次数n1、回折次数n2及び回折次数n3の組合せが請求項16にあるような回折構造を形成する場合には、具体的には、回折構造の段差のうち光軸に最も近い段差の光軸方向の深さd0が次式(9)乃至(13)のいずれか1つを満たすようにすると良い。
1.2μm<d0<1.7μm・・・(9)
2.6μm<d0<3.0μm・・・(10)
4.4μm<d0<5.0μm・・・(11)
5.6μm<d0<6.5μm・・・(12)
6.9μm<d0<8.1μm・・・(13)
ここで、(9)〜(13)式は、それぞれ、(n1,n2、n3)=(2,1,1)、(4,2,2)、(6,4,3)、(8,5,4)、(10,6,5)に対応する段差深さの範囲である。
1.2μm<d0<1.7μm・・・(9)
2.6μm<d0<3.0μm・・・(10)
4.4μm<d0<5.0μm・・・(11)
5.6μm<d0<6.5μm・・・(12)
6.9μm<d0<8.1μm・・・(13)
ここで、(9)〜(13)式は、それぞれ、(n1,n2、n3)=(2,1,1)、(4,2,2)、(6,4,3)、(8,5,4)、(10,6,5)に対応する段差深さの範囲である。
請求項17記載の発明は、請求項1乃至16のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置において、前記色収差補正用光学ユニットは、前記波長が互いに異なる少なくとも2種類の光源から射出された光束の発散角を変換して前記対物レンズユニットに導くためのカップリングレンズであることを特徴とする。
請求項18記載の発明は、請求項17に記載の光ピックアップ装置において、前記カップリングレンズは少なくとも1つのプラスチックレンズを有すると共に、前記回折面は、前記カップリングレンズから射出される前記第1光束の、温度変化に対する発散角又は収束角の変化を抑制するための機能を更に有することを特徴とする。
光ピックアップ装置では、光源から射出される発散光束の発散角を変換するカップリングレンズが対物レンズに前置される。カップリングレンズにはNAが0.05乃至0.2程度の無収差レンズが用いられ、レーザ光源から射出される発散光束を平行光束にコリメートするものが一般的である。
上述のカップリングレンズをプラスチックレンズとすると、安価に安定した性能で大量生産できるが、プラスチックレンズは、温度変化によって焦点距離に変化を生じるため、カップリングレンズから射出される光束の発散度が温度変化に伴って変化してしまう。この結果、対物レンズの物点位置が変化し、球面収差が劣化するという問題があった。この球面収差の劣化は、対物レンズのNAの4乗に比例して増大するため、NA0.85の対物レンズを使用する高密度光ディスクでは、上述の問題がより一層顕在化する。
請求項18の発明によれば、温度変化に伴うカップリングレンズの屈折率変化に起因する射出光束の発散度変化が、温度変化に伴う青紫色半導体レーザの波長変化による回折パワーの変化により補償されるように、回折面の近軸パワーを決定することで、環境温度が変化してもカップリングレンズから射出される光束の発散度変化をほぼゼロとすることができる。これにより、NA0.85の対物レンズを使用する場合でも、温度変化に伴って対物レンズの倍率変化しないので球面収差が劣化しない。また、温度変化に伴うカップリングレンズからの射出光束の発散度変化を補償するために必要な回折面の近軸パワーと、青紫色領域における色収差を補正するために必要な回折面の近軸パワーの符号は同じ正方向であるので、青紫色領域における色収差補正と、温度変化に伴うカップリングレンズからの射出光束の発散度変化の補償を両立させることが可能である。
上述のカップリングレンズをプラスチックレンズとすると、安価に安定した性能で大量生産できるが、プラスチックレンズは、温度変化によって焦点距離に変化を生じるため、カップリングレンズから射出される光束の発散度が温度変化に伴って変化してしまう。この結果、対物レンズの物点位置が変化し、球面収差が劣化するという問題があった。この球面収差の劣化は、対物レンズのNAの4乗に比例して増大するため、NA0.85の対物レンズを使用する高密度光ディスクでは、上述の問題がより一層顕在化する。
請求項18の発明によれば、温度変化に伴うカップリングレンズの屈折率変化に起因する射出光束の発散度変化が、温度変化に伴う青紫色半導体レーザの波長変化による回折パワーの変化により補償されるように、回折面の近軸パワーを決定することで、環境温度が変化してもカップリングレンズから射出される光束の発散度変化をほぼゼロとすることができる。これにより、NA0.85の対物レンズを使用する場合でも、温度変化に伴って対物レンズの倍率変化しないので球面収差が劣化しない。また、温度変化に伴うカップリングレンズからの射出光束の発散度変化を補償するために必要な回折面の近軸パワーと、青紫色領域における色収差を補正するために必要な回折面の近軸パワーの符号は同じ正方向であるので、青紫色領域における色収差補正と、温度変化に伴うカップリングレンズからの射出光束の発散度変化の補償を両立させることが可能である。
請求項19記載の発明は、請求項18に記載の光ピックアップ装置において、前記2種類の光ディスクのうち、記録密度が最も高い光ディスクである第1光ディスクに対して情報の記録及び/又は再生を行う場合の前記対物レンズユニットの開口数をNA1、前記第1光ディスクに対して情報の記録及び/又は再生を行う場合の前記対物レンズユニットの倍率をm1、前記第1光ディスクに対して情報の記録及び/又は再生を行う場合の前記対物レンズユニットの前記λ1に対する焦点距離をf1(mm)、前記第1波長をλ1(mm)、前記カップリングレンズの前記λ1に対する焦点距離をfC(mm)、前記カップリングレンズの前記λ1に対する屈折率をn、前記カップリングレンズの線膨張係数をα、前記回折面の前記λ1に対する近軸パワーをPD(mm-1)、前記カップリングレンズの前記λ1に対する近軸パワーをPC(mm-1)、前記カップリングレンズの温度変化に対する屈折率変化率をdn/dt、前記カップリングレンズの波長変化に対する屈折率変化率をdn/dλ、前記第1光源の温度変化に対する波長変化率をdλ/dt、としたとき、次式(14)を満たすことを特徴とする。
[NA1・(1−m1)]4・(f12/fC)・|c1+(c2−c1)・PD/PC|<0.13・λ1・・・(14)
但し、
c1=1/(n−1)・dn/dt+1/(n−1)・dn/dλ・dλ/dt−α
c2=1/λ1・dλ/dt−2α
であり、前記PDは、前記回折構造による光路長付加量を次上記数1で表される光路差関数で定義し、前記回折構造に前記第1光束が入射した場合に発生する回折光のうち、最大の回折効率を有する回折光の回折次数をn1としたとき、
PD=−2・n1・B2・(λ1/λB)
で表されるものとする。ここで、n1は、前記回折面に前記第1光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数である。
尚、上記数1において、h(mm)は光軸に垂直な方向の高さ、B2jは光路差関数係数、nは入射光束の回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数、λ(nm)は前記回折構造に入射する光束の波長、λB(nm)は前記回折構造の製造波長を表す。
[NA1・(1−m1)]4・(f12/fC)・|c1+(c2−c1)・PD/PC|<0.13・λ1・・・(14)
但し、
c1=1/(n−1)・dn/dt+1/(n−1)・dn/dλ・dλ/dt−α
c2=1/λ1・dλ/dt−2α
であり、前記PDは、前記回折構造による光路長付加量を次上記数1で表される光路差関数で定義し、前記回折構造に前記第1光束が入射した場合に発生する回折光のうち、最大の回折効率を有する回折光の回折次数をn1としたとき、
PD=−2・n1・B2・(λ1/λB)
で表されるものとする。ここで、n1は、前記回折面に前記第1光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数である。
尚、上記数1において、h(mm)は光軸に垂直な方向の高さ、B2jは光路差関数係数、nは入射光束の回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数、λ(nm)は前記回折構造に入射する光束の波長、λB(nm)は前記回折構造の製造波長を表す。
温度変化に伴うカップリングレンズからの射出光束の発散度変化の補償するためには、具体的には、以下の式を満たすように、回折面の近軸パワーを設定するのが好ましい。
[NA1・(1−m1)]4・(f12/fC)・|c1+(c2−c1)・PD/PC|<0.13・λ1
但し、
c1=1/(n−1)・dn/dt+1/(n−1)・dn/dλ・dλ/dt−α、
c2=1/λ1・dλ/dt−2α
[NA1・(1−m1)]4・(f12/fC)・|c1+(c2−c1)・PD/PC|<0.13・λ1
但し、
c1=1/(n−1)・dn/dt+1/(n−1)・dn/dλ・dλ/dt−α、
c2=1/λ1・dλ/dt−2α
温度変化によってカップリングレンズの焦点距離が変化した時の、対物レンズの波面収差の変化を求める。
まず、対物レンズとカップリングレンズとから構成される光学系において、カップリングレンズの焦点距離の変化によって、対物レンズの物点位置が変化し、対物レンズの倍率が変化することによって生じる対物レンズの波面収差の変化を考える。尚、倍率変化時に対物レンズはデフォーカス成分がゼロとなるようにフォーカシングされるものとする。
対物レンズの波長λ1に対する倍率m1の変化による、対物レンズの波面収差WO(mm単位のRMS値)の変化の割合dWO/dmOは、高密度光ディスクに対して情報の記録及び/又は再生を行う場合の対物レンズの開口数をNA1、波長λ1に対する対物レンズの焦点距離をf1(mm)、比例係数をβとして、次式で表される。
dWO/dmO=β・[NA1・(1−m1)]4・f1
尚、NA1=0.85、λ1=405nmの単玉レンズで検討したところ、βの絶対値は0.018程度であった。
また、カップリングレンズの焦点距離の変化による対物レンズの倍率の変化の割合dmO/dfCを求めると、カップリングレンズからの射出光束が平行光束に近い場合、近似的に次式が得られる。
dmO/dfC=−f1/fC 2
まず、対物レンズとカップリングレンズとから構成される光学系において、カップリングレンズの焦点距離の変化によって、対物レンズの物点位置が変化し、対物レンズの倍率が変化することによって生じる対物レンズの波面収差の変化を考える。尚、倍率変化時に対物レンズはデフォーカス成分がゼロとなるようにフォーカシングされるものとする。
対物レンズの波長λ1に対する倍率m1の変化による、対物レンズの波面収差WO(mm単位のRMS値)の変化の割合dWO/dmOは、高密度光ディスクに対して情報の記録及び/又は再生を行う場合の対物レンズの開口数をNA1、波長λ1に対する対物レンズの焦点距離をf1(mm)、比例係数をβとして、次式で表される。
dWO/dmO=β・[NA1・(1−m1)]4・f1
尚、NA1=0.85、λ1=405nmの単玉レンズで検討したところ、βの絶対値は0.018程度であった。
また、カップリングレンズの焦点距離の変化による対物レンズの倍率の変化の割合dmO/dfCを求めると、カップリングレンズからの射出光束が平行光束に近い場合、近似的に次式が得られる。
dmO/dfC=−f1/fC 2
次に、温度変化によるカップリングレンズの焦点距離の変化について説明する。まず、カップリングレンズの屈折レンズとしての近軸パワーをPR(mm-1)、カップリングレンズの回折面の近軸パワーをPD(mm-1)として、カップリングレンズ全系の近軸パワーをPC=PR+PD(mm-1)とする。ただし、複数の光学面を回折面とする場合には、回折面の近軸パワーの総和をPDとする。
波長λ1に対するカップリングレンズの屈折率をn、αを線膨張係数、tを温度、波長λ1に対するカップリングレンズの焦点距離をfC(mm)とすると、温度変化によるカップリングレンズの焦点距離の変化の割合dfC/dtは次式で表される。
dfC/dt=−fC 2・dPC/dt=−fC 2・(c1・PR+c2・PD)
但し、
c1=1/(n−1)・dn/dt+1/(n−1)・dn/dλ・dλ/dt−α、
c2=1/λ1・dλ/dt−2α
波長λ1に対するカップリングレンズの屈折率をn、αを線膨張係数、tを温度、波長λ1に対するカップリングレンズの焦点距離をfC(mm)とすると、温度変化によるカップリングレンズの焦点距離の変化の割合dfC/dtは次式で表される。
dfC/dt=−fC 2・dPC/dt=−fC 2・(c1・PR+c2・PD)
但し、
c1=1/(n−1)・dn/dt+1/(n−1)・dn/dλ・dλ/dt−α、
c2=1/λ1・dλ/dt−2α
または、PR=PC−PDを用いると、次式となる。
dfC/dt=−fC 2・[c1・(PC−PD)+c2・PD]
=−fC 2・PC・[c1+(c2−c1)・(PD/PC)]
=−fC・[c1+(c2−c1)・(PD/PC)]
以上をまとめると、この光学系において、温度変化Δtに対する対物レンズの波面収差の変化ΔWO(mm単位のRMS値)は次式となる。
ΔWO=(dWO/dmO)・|(dmO/dfC)・(dfC/dt)・Δt|
dfC/dt=−fC 2・[c1・(PC−PD)+c2・PD]
=−fC 2・PC・[c1+(c2−c1)・(PD/PC)]
=−fC・[c1+(c2−c1)・(PD/PC)]
以上をまとめると、この光学系において、温度変化Δtに対する対物レンズの波面収差の変化ΔWO(mm単位のRMS値)は次式となる。
ΔWO=(dWO/dmO)・|(dmO/dfC)・(dfC/dt)・Δt|
請求項19の発明によれば、カップリングレンズに適切な近軸パワーを有する回折面を設けることにより、この変化ΔWOを小さく抑えることができる。
即ち、対物レンズの基準状態の波面収差をゼロと仮定し、30度の温度変化に対して、波面収差の変化を0.07・λ1RMS未満に抑えることが必要として、次の条件を得る。
ΔWO=(dWO/dmO)・|(dmO/dfC)・(dfC/dt)・30|<0.07・λ1
この式に前述の関係を用いると、次の条件式が得られる。
[NA1・(1−m1)]4・(f12/fC)・|c1+(c2−c1)・PD/PC|<0.13・λ1
上記の関係式を満たすように回折面の近軸パワーを設定することにより、温度が変化してもレーザ光源の発光点とカップリングレンズの焦点位置との位置関係がほとんど変わらないようにすることが可能となるため、温度変化に伴うカップリングレンズからの射出光束の発散度変化を補償することができる。
即ち、対物レンズの基準状態の波面収差をゼロと仮定し、30度の温度変化に対して、波面収差の変化を0.07・λ1RMS未満に抑えることが必要として、次の条件を得る。
ΔWO=(dWO/dmO)・|(dmO/dfC)・(dfC/dt)・30|<0.07・λ1
この式に前述の関係を用いると、次の条件式が得られる。
[NA1・(1−m1)]4・(f12/fC)・|c1+(c2−c1)・PD/PC|<0.13・λ1
上記の関係式を満たすように回折面の近軸パワーを設定することにより、温度が変化してもレーザ光源の発光点とカップリングレンズの焦点位置との位置関係がほとんど変わらないようにすることが可能となるため、温度変化に伴うカップリングレンズからの射出光束の発散度変化を補償することができる。
請求項20記載の発明は、請求項19に記載の光ピックアップ装置において、次式(15)を満たすことを特徴とする。
|c1+(c2−c1)・PD/PC|/fC<0.08・λ1(mm)・・・(15)
|c1+(c2−c1)・PD/PC|/fC<0.08・λ1(mm)・・・(15)
また、NA1=0.85、f1=1.765mm、m1=0の標準的仕様の対物レンズを使用する光ピックアップ装置に対応できるためには、請求項20の発明のように、カップリングレンズとしての実用的な条件範囲として、
|c1+(c2−c1)・PD/PC|/fC<0.08・λ1
を満たすことが必要である。
|c1+(c2−c1)・PD/PC|/fC<0.08・λ1
を満たすことが必要である。
請求項21記載の発明は、請求項1乃至16のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置において、前記色収差補正用光学ユニットは、近軸パワーが負である光学面を少なくとも1つ有し、光軸に対して略平行の状態で入射する前記第1光束を略平行の状態で射出する1群構成の光学素子であることを特徴とする。
請求項21に記載の発明によると、1群構成の光学素子において、屈折レンズとしての第1波長λ1に対する近軸パワーと、回折面の第1波長λ1に対する近軸パワーの絶対値をほぼ同じとすることで、平行光束中に配置可能な色収差補正用光学ユニットを得ることができる。このような構成の色収差補正用光学ユニットは、球面収差補正用光学ユニットとして、液晶素子を利用する光ピックアップ装置に最適である。
請求項21に記載の発明によると、1群構成の光学素子において、屈折レンズとしての第1波長λ1に対する近軸パワーと、回折面の第1波長λ1に対する近軸パワーの絶対値をほぼ同じとすることで、平行光束中に配置可能な色収差補正用光学ユニットを得ることができる。このような構成の色収差補正用光学ユニットは、球面収差補正用光学ユニットとして、液晶素子を利用する光ピックアップ装置に最適である。
請求項22に記載の発明は、請求項1乃至21のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置において、前記対物レンズユニットは、前記2種類の光ディスクのうち、所定の記録密度を有する光ディスクに対して情報の記録及び/又は再生を行うために使用される第1対物レンズと、前記所定の記録密度を有する光ディスク以外の光ディスクに対して情報の記録及び/又は再生を行うために使用される第2対物レンズの、少なくとも2種類の対物レンズと、これら対物レンズを選択的に切り替えるための対物レンズ切り替え手段と、から構成されることを特徴とする。
光ピックアップ装置の構成を簡略化し、低コスト化を図るためには、本来的には対物レンズを含む光学部品を、高密度光ディスクとDVD、CDとに対して共通化するのが好ましい。しかしながら、高密度光ディスクでは、使用可能な光源が限られていることから、情報の記録/再生に使用する波長は概ね決まっているのの、保護層の厚さや開口数などの光学的仕様に関しては、未だ決まっていないという実情がある。
従って、高密度光ディスクに対する情報の記録/再生に用いる対物レンズに関しては、ある程度設計の冗長性をも越しておく必要があり、かかる場合、共通の対物レンズを用いて、DVDやCDに対しても情報の記録/再生を適切に行うことは、収差特性上、極めて困難であるといえる。
従って、高密度光ディスクに対する情報の記録/再生に用いる対物レンズに関しては、ある程度設計の冗長性をも越しておく必要があり、かかる場合、共通の対物レンズを用いて、DVDやCDに対しても情報の記録/再生を適切に行うことは、収差特性上、極めて困難であるといえる。
そこで、請求項22にあるように、対物レンズユニットを、所定の記録密度を有する光ディスクに対して情報の記録/再生を行うために使用される第1対物レンズと、それ以外の光ディスクに対して情報の記録/再生を行うために使用される第2対物レンズの、少なくとも2種類の対物レンズと、対物レンズ切り替え手段と、から構成し、光ディスクの記録密度に応じて使用する対物レンズを選択的に切り替えることで、高密度光ディスク、DVD、及びCD等の複数種類の光ディスクに対して互換性を維持しながら適切に情報を記録/再生を行うことのできる光ピックアップ装置を提供できる。
光ピックアップ装置の光学部品点数を削減するためには、本来的には、色収差補正のための回折構造を高密度光ディスクに対する情報の記録/再生を行う際に使用する対物レンズの光学面上に形成するのが好ましい。しかしながら、高密度光ディスク用の対物レンズは大きなパワーを必要とするので光学面の曲率が小さくなる傾向がある。このように曲率が小さい光学面上に回折構造を形成すると、輪帯段差により光線のけられにより光利用効率が低下するので、光利用効率の観点からは、色収差補正のための回折構造は対物レンズ以外の光学部品の光学面上に形成するのが好ましい。
しかるに、青紫色領域で最適化された回折構造が形成された光学部品を青紫色レーザ光源からの光束のみが通過する光路中に配置するのは、光学部品点数の観点からは好ましくないといえる。
しかるに、青紫色領域で最適化された回折構造が形成された光学部品を青紫色レーザ光源からの光束のみが通過する光路中に配置するのは、光学部品点数の観点からは好ましくないといえる。
このような理由から、色収差補正用光学ユニットは、高密度光ディスク用の青紫色レーザ光源と、DVDやCD用のレーザ光源からの光束が通過する光路中に配置した方が好ましいが、本発明による光ピックアップ装置では、色収差補正用光学ユニットの回折構造の輪帯段差の深さを上述のように設計しているので、それぞれの光源の波長領域において十分な回折効率が得られるので、かかる色収差補正用光学ユニットを、高密度光ディスク用の青紫色レーザ光源と、DVDやCD用のレーザ光源からの光束が通過する光路中に配置することが可能となり、小型化、軽量化、低コスト化に適した光ピックアップ装置を得ることができる。
請求項23に記載の発明は、請求項1乃至22のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置において、前記2種類の光ディスクのうち、記録密度が最も高い光ディスクを第1光ディスクとしたとき、前記第1光ディスクに対する情報の記録及び/又は再生を行う際の前記対物レンズユニットの開口数が0.8以上であることを特徴とする。
請求項24に記載の発明は、請求項1乃至23のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置において、前記2種類の光ディスクのうち、記録密度が最も高い光ディスクを第1光ディスクとし、前記第1光ディスクの次に記録密度が高い光ディスク第2光ディスクとしたとき、前記第1光ディスクはその情報記録面上にその厚さが0.07〜0.13mmの範囲内である第1保護層を有し、前記第2光ディスクはその情報記録面上にその厚さが0.55〜0.65mmの範囲内である第2保護層を有し、前記第1光束を前記第1光ディスク及び第2光ディスクそれぞれの情報記録面上に集光することにより、前記第1光ディスク及び前記第2光ディスクに対する情報の記録及び/又は再生を行うことが可能となっていることを特徴とする。
上述したように、高密度光ディスクでは、使用可能な光源が限られていることから、情報の記録/再生に使用する波長は概ね決まっているのの、保護層の厚さや開口数などの光学的仕様に関しては、未だ決まっていない。高密度光ディスクとして、開口数NA0.85、保護層の厚さ0.1mmの仕様や、開口数NA0.65、保護層の厚さ0.6mmの仕様が検討されている。高密度光ディスク用の光ディスクプレーヤにおいては、これら規格の異なる複数種類の高密度光ディスクに対しても適切に情報の記録/再生を行えることが、その製品価値を高めることにつながる。本発明による光ピックアップ装置において、請求項24にあるような構成とすることで、これら規格の異なる複数種類の高密度光ディスクに対しても適切に情報の記録/再生を行うことが可能となる。
請求項25に記載の発明は、請求項1乃至24のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置を搭載し、前記光ディスクに対する情報の記録と前記光ディスクに記録された情報の再生とのうち、少なくとも一方を実行可能であることを特徴とする。
請求項26に記載の発明は、請求項3に記載の光ピックアップ装置における球面収差補正用光学ユニットに適用可能であることを特徴とする。
請求項27に記載の発明は、請求項4に記載の光ピックアップ装置における球面収差補正用光学ユニットに適用可能であることを特徴とする。
請求項26に記載の発明は、請求項3に記載の光ピックアップ装置における球面収差補正用光学ユニットに適用可能であることを特徴とする。
請求項27に記載の発明は、請求項4に記載の光ピックアップ装置における球面収差補正用光学ユニットに適用可能であることを特徴とする。
請求項28に記載の発明は、450nm以下の第1波長λ1の第1光束を射出する第1光源及び前記第1波長λ1の1.3倍より長い第2波長λ2の第2光束を射出する第2光源の少なくとも2種類の光源と、前記2種類の光源から射出された光束を記録密度が互いに異なる少なくとも2種類の光ディスクの情報記録面上に集光するための対物レンズユニットとの間であって、前記第1光束及び第2光束の共通光路中に配置され、正レンズ群と負レンズ群とから構成されるエキスパンダーレンズにおいて、前記エキスパンダーレンズは、微細な段差により分割された複数の輪帯からなる回折構造が形成された回折面を少なくとも1つ有するレンズ群を少なくとも1つ有し、前記段差の光軸方向の深さは、前記第1光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数に対して、前記第2光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数がより低次数となるように設計されていると共に、その構成レンズ群のうち少なくとも1つのレンズ群と前記対物レンズユニットとの間隔を可変調整することで、前記対物レンズユニットへの入射光束のマージナル光線の傾角を変化させることを特徴とする。
請求項28に記載の発明によれば、その構成レンズ群のうち少なくとも1つのレンズ群と前記対物レンズユニットとの間隔を可変調整することで、上記請求項1と同様の効果を得られる。
請求項29に記載の発明は、請求項28に記載のエキスパンダーレンズにおいて、前記第2波長λ2は600nmから700nmの範囲内の波長であり、前記第1光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数をn1とし、前記第2光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数をn2としたとき、前記回折次数n1と前記回折次数n2の組合せが、(n1,n2)=(2,1)、(3,2)、(4,2)、(5,3)、(6,4)、(7,4)(8,5)、(10、6)のいずれかであることを特徴とする。
請求項30に記載の発明は、請求項29に記載のエキスパンダーレンズにおいて、前記エキスパンダーレンズの構成レンズのうち、前記回折面を有する構成レンズの前記第1波長λ1に対する屈折率が1.5〜1.6の範囲内であって、前記回折面を有する構成レンズのd線(587.6nm)に対するアッベ数が50〜60の範囲内であると共に、前記段差のうち光軸に最も近い段差の光軸方向の深さd0が次式(1)〜(8)のいずれか1つを満たすことを特徴とする。
1.2μm<d0<1.7μm・・・(1)
1.9μm<d0<2.6μm・・・(2)
2.6μm<d0<3.2μm・・・(3)
3.3μm<d0<4.2μm・・・(4)
4.4μm<d0<5.0μm・・・(5)
4.7μm<d0<5.7μm・・・(6)
5.6μm<d0<6.5μm・・・(7)
6.9μm<d0<8.1μm・・・(8)
請求項29及び請求項30に記載の発明によれば、請求項14と同様の効果を得られる。
1.2μm<d0<1.7μm・・・(1)
1.9μm<d0<2.6μm・・・(2)
2.6μm<d0<3.2μm・・・(3)
3.3μm<d0<4.2μm・・・(4)
4.4μm<d0<5.0μm・・・(5)
4.7μm<d0<5.7μm・・・(6)
5.6μm<d0<6.5μm・・・(7)
6.9μm<d0<8.1μm・・・(8)
請求項29及び請求項30に記載の発明によれば、請求項14と同様の効果を得られる。
請求項31に記載の発明は、請求項28に記載のエキスパンダーレンズにおいて、前記エキスパンダーレンズは、前記第1光源、前記第2光源、及び前記第1波長λ1及び前記第2波長λ2とは異なる第3波長λ3の第3光束を射出する第3光源の3種類の光源と、前記3種類の光源から射出された光束を記録密度が異なる少なくとも3種類の光ディスクの情報記録面上に集光するための対物レンズユニットとの間であって、前記第1光束乃至前記第3光束の共通光路中に配置され、前記第2波長λ2は600nmから700nmの範囲内の波長であり、第3光源から射出される第3光束の第3波長λ3は730nmから830nmの範囲内の波長であり、前記第1光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数をn1とし、前記第2光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数をn2とし、前記第3光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数をn3としたとき、前記回折次数n1と前記回折次数n2と前記回折次数n3の組合せが、(n1,n2、n3)=(2,1,1)、(4,2,2,)、(6,4,3)、(8,5,4)、(10,6,5)のいずれかであることを特徴とする。
請求項32に記載の発明は、請求項31に記載のエキスパンダーレンズにおいて、前記エキスパンダーレンズの構成レンズのうち、前記回折面を有する構成レンズの前記第1波長λ1に対する屈折率が1.5〜1.6の範囲内であって、前記回折面を有する構成レンズのd線(587.6nm)に対するアッベ数が50〜60の範囲内であると共に、前記段差のうち光軸に最も近い段差の光軸方向の深さd0が次式(9)乃至(13)のいずれか1つを満たすことを特徴とする。
1.2μm<d0<1.7μm・・・(9)
2.6μm<d0<3.0μm・・・(10)
4.4μm<d0<5.0μm・・・(11)
5.6μm<d0<6.5μm・・・(12)
6.9μm<d0<8.1μm・・・(13)
請求項31及び請求項32に記載の発明によれば、請求項16と同様の効果を得られる。
1.2μm<d0<1.7μm・・・(9)
2.6μm<d0<3.0μm・・・(10)
4.4μm<d0<5.0μm・・・(11)
5.6μm<d0<6.5μm・・・(12)
6.9μm<d0<8.1μm・・・(13)
請求項31及び請求項32に記載の発明によれば、請求項16と同様の効果を得られる。
請求項33に記載の発明は、450nm以下の第1波長λ1の第1光束を射出する第1光源及び前記第1波長λ1の1.3倍より長い第2波長λ2の第2光束を射出する第2光源の少なくとも2種類の光源と、前記2種類の光源から射出された光束を記録密度が互いに異なる少なくとも2種類の光ディスクの情報記録面上に集光するための対物レンズユニットとの間であって、前記第1光束及び第2光束の共通光路中に配置され、前記2種類の光源から射出された各光束の発散角を変換して前記対物レンズユニットに導くためのカップリングレンズにおいて、前記カップリングレンズは、微細な段差により分割された複数の輪帯からなる回折構造が形成された回折面を少なくとも1つ有するレンズ群を少なくとも1つ有し、前記段差の光軸方向の深さは、前記第1光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数に対して、前記第2光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数がより低次数となるように設計されていると共に、その構成レンズ群のうち少なくとも1つのレンズ群と前記対物レンズユニットとの間隔を可変調整することで、前記対物レンズユニットへの入射光束のマージナル光線の傾角を変化させることを特徴とする。
請求項33に記載の発明によれば、上記請求項1と同様の効果を得られる。
請求項33に記載の発明によれば、上記請求項1と同様の効果を得られる。
請求項34に記載の発明は、請求項33に記載のカップリングレンズにおいて、前記第2波長λ2は600nmから700nmの範囲内の波長であり、前記第1光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数をn1とし、前記第2光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数をn2としたとき、前記回折次数n1と前記回折次数n2の組合せが、(n1,n2)=(2,1)、(3,2)、(4,2)、(5,3)、(6,4)、(7,4)(8,5)、(10、6)のいずれかであることを特徴とする。
請求項35に記載の発明は、請求項34に記載のカップリングレンズにおいて、前記カップリングレンズの構成レンズのうち、前記回折面を有する構成レンズの前記第1波長λ1に対する屈折率が1.5〜1.6の範囲内であって、前記回折面を有する構成レンズのd線(587.6nm)に対するアッベ数が50〜60の範囲内であると共に、前記段差のうち光軸に最も近い段差の光軸方向の深さd0が次式(1)〜(8)のいずれか1つを満たすことを特徴とする。
1.2μm<d0<1.7μm・・・(1)
1.9μm<d0<2.6μm・・・(2)
2.6μm<d0<3.2μm・・・(3)
3.3μm<d0<4.2μm・・・(4)
4.4μm<d0<5.0μm・・・(5)
4.7μm<d0<5.7μm・・・(6)
5.6μm<d0<6.5μm・・・(7)
6.9μm<d0<8.1μm・・・(8)
請求項34及び請求項35に記載の発明によれば、上記請求項14と同様の効果を得られる。
1.2μm<d0<1.7μm・・・(1)
1.9μm<d0<2.6μm・・・(2)
2.6μm<d0<3.2μm・・・(3)
3.3μm<d0<4.2μm・・・(4)
4.4μm<d0<5.0μm・・・(5)
4.7μm<d0<5.7μm・・・(6)
5.6μm<d0<6.5μm・・・(7)
6.9μm<d0<8.1μm・・・(8)
請求項34及び請求項35に記載の発明によれば、上記請求項14と同様の効果を得られる。
請求項36に記載の発明は、請求項33に記載のカップリングレンズにおいて、前記カップリングレンズは、前記第1光源、前記第2光源、及び前記第1波長λ1及び前記第2波長λ2とは異なる第3波長λ3の第3光束を射出する第3光源の3種類の光源と、前記3種類の光源から射出された光束を記録密度が異なる少なくとも3種類の光ディスクの情報記録面上に集光するための対物レンズユニットとの間であって、前記第1光束乃至前記第3光束の共通光路中に配置され、前記第2波長λ2は600nmから700nmの範囲内の波長であり、第3光源から射出される第3光束の第3波長λ3は730nmから830nmの範囲内の波長であり、前記第1光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数をn1とし、前記第2光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数をn2とし、前記第3光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数をn3としたとき、前記回折次数n1と前記回折次数n2と前記回折次数n3の組合せが、(n1,n2、n3)=(2,1,1)、(4,2,2)、(6,4,3)、(8,5,4)、(10,6,5)のいずれかであることを特徴とする。
請求項37に記載の発明は、請求項36に記載のカップリングレンズにおいて、前記カップリングレンズの構成レンズのうち、前記回折面を有する構成レンズの前記第1波長λ1に対する屈折率が1.5〜1.6の範囲内であって、前記回折面を有する構成レンズのd線(587.6nm)に対するアッベ数が50〜60の範囲内であると共に、前記段差のうち光軸に最も近い段差の光軸方向の深さd0が次式(9)乃至(13)のいずれか1つを満たすことを特徴とする。
1.2μm<d0<1.7μm・・・(9)
2.6μm<d0<3.0μm・・・(10)
4.4μm<d0<5.0μm・・・(11)
5.6μm<d0<6.5μm・・・(12)
6.9μm<d0<8.1μm・・・(13)
請求項36及び請求項37に記載の発明によれば、請求項16と同様の効果を得られる。
1.2μm<d0<1.7μm・・・(9)
2.6μm<d0<3.0μm・・・(10)
4.4μm<d0<5.0μm・・・(11)
5.6μm<d0<6.5μm・・・(12)
6.9μm<d0<8.1μm・・・(13)
請求項36及び請求項37に記載の発明によれば、請求項16と同様の効果を得られる。
請求項38に記載の発明は、450nm以下の第1波長λ1の第1光束を射出する第1光源及び600nm乃至700nmの範囲内の第2波長λ2の第2光束を射出する第2光源の少なくとも2種類の光源と、前記2種類の光源から射出された光束を記録密度が互いに異なる少なくとも2種類の光ディスクの情報記録面上に集光するための対物レンズユニットとの間であって、前記第1光束及び第2光束の共通光路中に配置され、前記2種類の光源から射出された各光束の発散角を変換して前記対物レンズユニットに導くためのカップリングレンズにおいて、
前記カップリングレンズは、微細な段差により分割された複数の輪帯からなる回折構造が形成された回折面を少なくとも1つ有するレンズ群を少なくとも1つ有し、前記段差の光軸方向の深さは、前記第1光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数n1に対して、前記第2光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数n2がより低次数となるように設計されていると共に、前記回折次数n1と前記回折次数n2の組合せが、(n1,n2)=(5,3)、(7,4)、(8,5)、(10,6)のいずれかであることを特徴とする。
請求項39に記載の発明は、請求項38に記載のカップリングレンズにおいて、
前記カップリングレンズの構成レンズのうち、前記回折面を有する構成レンズの前記第1波長λ1に対する屈折率が1.5〜1.6の範囲内であって、前記回折面を有する構成レンズのd線(587.6nm)に対するアッベ数が50〜60の範囲内であると共に、前記段差のうち光軸に近い段差の光軸方向の深さd0が次式(4)式、(6)式、及び(8)式のいずれか1つを満たすことを特徴とする。
3.3μm<d0<4.2μm (4)
4.7μm<d0<5.7μm (6)
6.9μm<d0<8.1μm (8)
請求項40に記載の発明は、450nm以下の第1波長λ1の第1光束を射出する第1光源及び600nm乃至700nmの範囲内の第2波長λ2の第2光束を射出する第2光源及び730nm乃至830nmの範囲内の第3波長λ3の第3光束を射出する第3光源の少なくとも3種類の光源と、前記3種類の光源から射出された光束を記録密度が互いに異なる少なくとも3種類の光ディスクの情報記録面上に集光するための対物レンズユニットとの間であって、前記第1光束及び第2光束及び前記第3光束の共通光路中に配置され、前記3種類の光源から射出された各光束の発散角を変換して前記対物レンズユニットに導くためのカップリングレンズにおいて、
前記カップリングレンズは、微細な段差により分割された複数の輪帯からなる回折構造が形成された回折面を少なくとも1つ有するレンズ群を少なくとも1つ有し、前記段差の光軸方向の深さは、前記第1光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数n1に対して、前記第2光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数n2及び前記第3光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数n3及がより低次数となるように設計されていると共に、前記回折次数n1と前記回折次数n2と前記回折次数n3との組合せが、(n1,n2,n3)=(2,1,1)、(8,5,4)、(8,5)、(10,6,5)のいずれかであることを特徴とする。
請求項41に記載の発明は、請求項40に記載のカップリングレンズにおいて、前記カップリングレンズの構成レンズのうち、前記回折面を有する構成レンズの前記第1波長λ1に対する屈折率が1.5〜1.6の範囲内であって、前記回折面を有する構成レンズのd線(587.6nm)に対するアッベ数が50〜60の範囲内であると共に、前記段差のうち光軸に近い段差の光軸方向の深さd0が次式(9)式、(12)式、及び(13)式のいずれか1つを満たすことを特徴とする。
1.2μm<d0<1.7μm (9)
5.6μm<d0<6.5μm (12)
6.9μm<d0<8.1μm (13)
前記カップリングレンズは、微細な段差により分割された複数の輪帯からなる回折構造が形成された回折面を少なくとも1つ有するレンズ群を少なくとも1つ有し、前記段差の光軸方向の深さは、前記第1光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数n1に対して、前記第2光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数n2がより低次数となるように設計されていると共に、前記回折次数n1と前記回折次数n2の組合せが、(n1,n2)=(5,3)、(7,4)、(8,5)、(10,6)のいずれかであることを特徴とする。
請求項39に記載の発明は、請求項38に記載のカップリングレンズにおいて、
前記カップリングレンズの構成レンズのうち、前記回折面を有する構成レンズの前記第1波長λ1に対する屈折率が1.5〜1.6の範囲内であって、前記回折面を有する構成レンズのd線(587.6nm)に対するアッベ数が50〜60の範囲内であると共に、前記段差のうち光軸に近い段差の光軸方向の深さd0が次式(4)式、(6)式、及び(8)式のいずれか1つを満たすことを特徴とする。
3.3μm<d0<4.2μm (4)
4.7μm<d0<5.7μm (6)
6.9μm<d0<8.1μm (8)
請求項40に記載の発明は、450nm以下の第1波長λ1の第1光束を射出する第1光源及び600nm乃至700nmの範囲内の第2波長λ2の第2光束を射出する第2光源及び730nm乃至830nmの範囲内の第3波長λ3の第3光束を射出する第3光源の少なくとも3種類の光源と、前記3種類の光源から射出された光束を記録密度が互いに異なる少なくとも3種類の光ディスクの情報記録面上に集光するための対物レンズユニットとの間であって、前記第1光束及び第2光束及び前記第3光束の共通光路中に配置され、前記3種類の光源から射出された各光束の発散角を変換して前記対物レンズユニットに導くためのカップリングレンズにおいて、
前記カップリングレンズは、微細な段差により分割された複数の輪帯からなる回折構造が形成された回折面を少なくとも1つ有するレンズ群を少なくとも1つ有し、前記段差の光軸方向の深さは、前記第1光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数n1に対して、前記第2光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数n2及び前記第3光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数n3及がより低次数となるように設計されていると共に、前記回折次数n1と前記回折次数n2と前記回折次数n3との組合せが、(n1,n2,n3)=(2,1,1)、(8,5,4)、(8,5)、(10,6,5)のいずれかであることを特徴とする。
請求項41に記載の発明は、請求項40に記載のカップリングレンズにおいて、前記カップリングレンズの構成レンズのうち、前記回折面を有する構成レンズの前記第1波長λ1に対する屈折率が1.5〜1.6の範囲内であって、前記回折面を有する構成レンズのd線(587.6nm)に対するアッベ数が50〜60の範囲内であると共に、前記段差のうち光軸に近い段差の光軸方向の深さd0が次式(9)式、(12)式、及び(13)式のいずれか1つを満たすことを特徴とする。
1.2μm<d0<1.7μm (9)
5.6μm<d0<6.5μm (12)
6.9μm<d0<8.1μm (13)
請求項42に記載の発明は、請求項33乃至41のいずれか一項に記載のカップリングレンズにおいて、前記カップリングレンズは少なくとも1つのプラスチックレンズを有すると共に、前記回折面は、前記カップリングレンズから射出される前記第1光束の、温度変化に対する発散角又は収束角の変化を抑制するための機能を更に有することを特徴とする。
請求項42の発明によれば、請求項18と同様の効果を得られる。
請求項42の発明によれば、請求項18と同様の効果を得られる。
請求項43に記載の発明は、請求項42に記載のカップリングレンズにおいて、前記第1波長をλ1(mm)、前記カップリングレンズの前記λ1に対する焦点距離をfC(mm)、前記カップリングレンズの前記λ1に対する屈折率をn、前記カップリングレンズの線膨張係数をα、前記回折面の前記λ1に対する近軸パワーをPD(mm-1)、前記カップリングレンズの前記λ1に対する近軸パワーをPC(mm-1)、前記カップリングレンズの温度変化に対する屈折率変化率をdn/dt、前記カップリングレンズの波長変化に対する屈折率変化率をdn/dλ、前記第1光源の温度変化に対する波長変化率をdλ/dt、としたとき、次式を満たすことを特徴とする。
|c1+(c2−c1)・PD/PC|/fC<0.08・λ1(mm)
但し、
c1=1/(n−1)・dn/dt+1/(n−1)・dn/dλ・dλ/dt−α、
c2=1/λ1・dλ/dt−2α
であり、前記PDは、前記回折構造による光路長付加量を次上記数1で表される光路差関数で定義し、前記回折構造に前記第1光束が入射した場合に発生する回折光のうち、最大の回折効率を有する回折光の回折次数をn1としたとき、
PD=−2・n1・B2・(λ1/λB)
で表されるものとする。ここで、n1は、前記回折面に前記第1光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数である。
尚、上記数1において、h(mm)は光軸に垂直な方向の高さ、B2jは光路差関数係数、nは入射光束の回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数、λ(nm)は前記回折構造に入射する光束の波長、λB(nm)は前記回折構造の製造波長を表す。
請求項43の発明によれば、請求項19と同様の効果を得られる。
|c1+(c2−c1)・PD/PC|/fC<0.08・λ1(mm)
但し、
c1=1/(n−1)・dn/dt+1/(n−1)・dn/dλ・dλ/dt−α、
c2=1/λ1・dλ/dt−2α
であり、前記PDは、前記回折構造による光路長付加量を次上記数1で表される光路差関数で定義し、前記回折構造に前記第1光束が入射した場合に発生する回折光のうち、最大の回折効率を有する回折光の回折次数をn1としたとき、
PD=−2・n1・B2・(λ1/λB)
で表されるものとする。ここで、n1は、前記回折面に前記第1光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数である。
尚、上記数1において、h(mm)は光軸に垂直な方向の高さ、B2jは光路差関数係数、nは入射光束の回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数、λ(nm)は前記回折構造に入射する光束の波長、λB(nm)は前記回折構造の製造波長を表す。
請求項43の発明によれば、請求項19と同様の効果を得られる。
請求項44に記載の発明は、450nm以下の第1波長λ1の第1光束を射出する第1光源と、前記第1波長λ1の1.3倍より長い第2波長λ2の第2光束を射出する第2光源と、の波長が互いに異なる少なくとも2種類の光源と、前記波長が互いに異なる少なくとも2種類の光源から射出された光束を、記録密度が互いに異なる少なくとも2種類の光ディスクの情報記録面上に集光するための対物レンズユニットとの間であって、前記第1光束及び第2光束の共通光路中に配置され、光軸に対して略平行の状態で入射する前記第1光束を略平行の状態で射出する色収差補正用光学素子であって、
前記色収差補正用光学素子は、微細な段差により分割された複数の輪帯からなる回折構造が形成された回折面と、近軸パワーが負である光学面とを少なくとも1つずつ有する1群構成の光学素子であって、前記段差の光軸方向の深さは、前記第1光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数に対して、前記第2光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数がより低次数となるように設計されていることを特徴とする。
請求項44の発明によれば、請求項1と同様の効果を得られる。
前記色収差補正用光学素子は、微細な段差により分割された複数の輪帯からなる回折構造が形成された回折面と、近軸パワーが負である光学面とを少なくとも1つずつ有する1群構成の光学素子であって、前記段差の光軸方向の深さは、前記第1光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数に対して、前記第2光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数がより低次数となるように設計されていることを特徴とする。
請求項44の発明によれば、請求項1と同様の効果を得られる。
請求項45に記載の発明は、請求項44に記載の色収差補正用光学素子において、前記回折構造は、巨視的に平面状である光学面上に形成され、その反対側の光学面は、近軸パワーが負であって前記回折構造が形成されない光学面であることを特徴とする。
請求項46に記載の発明は、請求項44又は45に記載の色収差補正用光学素子において、前記第2波長λ2は600nmから700nmの範囲内の波長であり、前記第1光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数をn1とし、前記第2光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数をn2としたとき、前記回折次数n1と前記回折次数n2の組合せが、(n1,n2)=(2,1)、(3,2)、(4,2)、(5,3)、(6,4)、(7,4)(8,5)、(10、6)のいずれかであることを特徴とする。
請求項47に記載の発明は、請求項46に記載の色収差補正用光学素子において、前記色収差補正用光学素子の構成レンズのうち、前記回折面を有する構成レンズの前記第1波
長λ1に対する屈折率が1.5〜1.6の範囲内であって、前記回折面を有する構成レンズのd線(587.6nm)に対するアッベ数が50〜60の範囲内であると共に、前記段差のうち光軸に最も近い段差の光軸方向の深さd0が次式(1)〜(8)のいずれか1つを満たすことを特徴とする。
1.2μm<d0<1.7μm・・・(1)
1.9μm<d0<2.6μm・・・(2)
2.6μm<d0<3.2μm・・・(3)
3.3μm<d0<4.2μm・・・(4)
4.4μm<d0<5.0μm・・・(5)
4.7μm<d0<5.7μm・・・(6)
5.6μm<d0<6.5μm・・・(7)
6.9μm<d0<8.1μm・・・(8)
請求項46及び請求項47の発明によれば、請求項14と同様の効果を得られる。
長λ1に対する屈折率が1.5〜1.6の範囲内であって、前記回折面を有する構成レンズのd線(587.6nm)に対するアッベ数が50〜60の範囲内であると共に、前記段差のうち光軸に最も近い段差の光軸方向の深さd0が次式(1)〜(8)のいずれか1つを満たすことを特徴とする。
1.2μm<d0<1.7μm・・・(1)
1.9μm<d0<2.6μm・・・(2)
2.6μm<d0<3.2μm・・・(3)
3.3μm<d0<4.2μm・・・(4)
4.4μm<d0<5.0μm・・・(5)
4.7μm<d0<5.7μm・・・(6)
5.6μm<d0<6.5μm・・・(7)
6.9μm<d0<8.1μm・・・(8)
請求項46及び請求項47の発明によれば、請求項14と同様の効果を得られる。
請求項48に記載の発明は、請求項44に記載の色収差補正用光学素子において、前記色収差補正用光学素子は、前記第1光源、前記第2光源、及び前記第1波長λ1及び前記第2波長λ2とは異なる第3波長λ3の第3光束を射出する第3光源の3種類の光源と、前記3種類の光源から射出された光束を記録密度が異なる少なくとも3種類の光ディスクの情報記録面上に集光するための対物レンズユニットとの間であって、前記第1光束乃至前記第3光束の共通光路中に配置され、前記第2波長λ2は600nmから700nmの範囲内の波長であり、第3光源から射出される第3光束の第3波長λ3は730nmから830nmの範囲内の波長であり、前記第1光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数をn1とし、前記第2光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数をn2とし、前記第3光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数をn3としたとき、前記回折次数n1と前記回折次数n2と前記回折次数n3の組合せが、(n1,n2、n3)=(2,1,1)、(4,2,2)、(6,4,3)、(8,5,4)、(10,6,5)のいずれかであることを特徴とする。
請求項49に記載の発明は、請求項48に記載の色収差補正用光学素子において、前記色収差補正用光学素子の構成レンズのうち、前記回折面を有する構成レンズの前記第1波長λ1に対する屈折率が1.5〜1.6の範囲内であって、前記回折面を有する構成レンズのd線(587.6nm)に対するアッベ数が50〜60の範囲内であると共に、前記段差のうち光軸に最も近い段差の光軸方向の深さd0が次式(9)乃至(13)のいずれか1つを満たすことを特徴とする。
1.2μm<d0<1.7μm・・・(9)
2.6μm<d0<3.0μm・・・(10)
4.4μm<d0<5.0μm・・・(11)
5.6μm<d0<6.5μm・・・(12)
6.9μm<d0<8.1μm・・・(13)
請求項48及び請求項49の発明によれば、請求項16と同様の効果を得られる。
1.2μm<d0<1.7μm・・・(9)
2.6μm<d0<3.0μm・・・(10)
4.4μm<d0<5.0μm・・・(11)
5.6μm<d0<6.5μm・・・(12)
6.9μm<d0<8.1μm・・・(13)
請求項48及び請求項49の発明によれば、請求項16と同様の効果を得られる。
本発明によれば、レーザ光源波長が異なる高密度光ディスク、DVD、及びCD等の複数種類の光ディスクに対して互換性を維持しながら適切に情報を記録/再生を行え、小型化、軽量化、低コスト化に適した光ピックアップ装置、光情報記録再生装置、エキスパンダーレンズ、カップリングレンズ、及び色収差補正用光学素子を得られる。
以下、図を参照して本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、高密度光ディスクHDとDVDとCDとの何れに対しても適切に情報の記録/再生を行える第1の光ピックアップ装置PU1の構成を概略的に示す平面図である。
高密度光ディスクHDの光学的仕様は、波長405nm、保護層の厚さ0.6mm、開口数NA0.65であり、DVDの光学的仕様は、波長655nm、保護層の厚さ0.6mm、開口数NA0.63であり、CDの光学的仕様は、波長785nm、保護層の厚さ1.2mm、開口数0.50である。但し、波長、保護層の厚さ、及び開口数の組合せはこれに限られない。
光ピックアップ装置PU1は、高密度光ディスクHDに対して情報の記録/再生を行う場合に発光され405nmのレーザ光束を射出する青紫色半導体レーザLD1と光検出器PD1とが一体化された高密度光ディスクHD用モジュールMD1、DVDに対して情報の記録/再生を行う場合に発光され655nmのレーザ光束を射出する第1の発光点EP1と、CDに対して情報の記録/再生を行う場合に発光され785nmのレーザ光束を射出する第2の発光点EP2と、DVDの情報記録面RL2からの反射光束を受光する第1の受光部DS1と、CDの情報記録面RL3からの反射光束を受光する第2の受光部DS2と、プリズムPSとから構成されたレーザモジュールLM、対物レンズOBJと2軸アクチュエータAC2と高密度光ディスクHDの開口数NA0.65に対応した絞りSTOとから構成された対物レンズユニットOU、偏光ビームスプリッタBS、コリメートレンズCOL、負レンズNLと正レンズPLとから構成されたエキスパンダーレンズEXPと、1軸アクチュエータAC1とから構成されたエキスパンダーレンズユニットEUとから構成されている。
[第1の実施の形態]
図1は、高密度光ディスクHDとDVDとCDとの何れに対しても適切に情報の記録/再生を行える第1の光ピックアップ装置PU1の構成を概略的に示す平面図である。
高密度光ディスクHDの光学的仕様は、波長405nm、保護層の厚さ0.6mm、開口数NA0.65であり、DVDの光学的仕様は、波長655nm、保護層の厚さ0.6mm、開口数NA0.63であり、CDの光学的仕様は、波長785nm、保護層の厚さ1.2mm、開口数0.50である。但し、波長、保護層の厚さ、及び開口数の組合せはこれに限られない。
光ピックアップ装置PU1は、高密度光ディスクHDに対して情報の記録/再生を行う場合に発光され405nmのレーザ光束を射出する青紫色半導体レーザLD1と光検出器PD1とが一体化された高密度光ディスクHD用モジュールMD1、DVDに対して情報の記録/再生を行う場合に発光され655nmのレーザ光束を射出する第1の発光点EP1と、CDに対して情報の記録/再生を行う場合に発光され785nmのレーザ光束を射出する第2の発光点EP2と、DVDの情報記録面RL2からの反射光束を受光する第1の受光部DS1と、CDの情報記録面RL3からの反射光束を受光する第2の受光部DS2と、プリズムPSとから構成されたレーザモジュールLM、対物レンズOBJと2軸アクチュエータAC2と高密度光ディスクHDの開口数NA0.65に対応した絞りSTOとから構成された対物レンズユニットOU、偏光ビームスプリッタBS、コリメートレンズCOL、負レンズNLと正レンズPLとから構成されたエキスパンダーレンズEXPと、1軸アクチュエータAC1とから構成されたエキスパンダーレンズユニットEUとから構成されている。
尚、図1には、レーザモジュールLMの側面図も示されている。
また、高密度光ディスクHD用の光源として、上述の青紫色半導体レーザLD1の他に青紫色SHGレーザを使用することもできる。
また、対物レンズOBJは高密度光ディスクHDに対して最適化された両面非球面プラスチックレンズであり、その光源側の光学面上には、波長選択性を有するフィルタが形成されている。このフィルタは波長に応じて光束の通過領域を制限することで、DVDに対しては開口数NA0.63を実現し、CDに対しては開口数NA0.50を実現する。
かかる波長選択性を有するフィルタの代わりに、第27回光学シンポジウム講演予稿集の55〜56頁に記載されているような回折構造を対物レンズOBJの光源側の光学面上に形成しても良い。
更に、対物レンズユニットOUには、図示は省略するが、2軸アクチュエータAC2の動作制御を行う動作制御回路が設けられている。
また、高密度光ディスクHD用の光源として、上述の青紫色半導体レーザLD1の他に青紫色SHGレーザを使用することもできる。
また、対物レンズOBJは高密度光ディスクHDに対して最適化された両面非球面プラスチックレンズであり、その光源側の光学面上には、波長選択性を有するフィルタが形成されている。このフィルタは波長に応じて光束の通過領域を制限することで、DVDに対しては開口数NA0.63を実現し、CDに対しては開口数NA0.50を実現する。
かかる波長選択性を有するフィルタの代わりに、第27回光学シンポジウム講演予稿集の55〜56頁に記載されているような回折構造を対物レンズOBJの光源側の光学面上に形成しても良い。
更に、対物レンズユニットOUには、図示は省略するが、2軸アクチュエータAC2の動作制御を行う動作制御回路が設けられている。
エキスパンダーレンズユニットEUは、色収差補正用光学ユニットとしての機能と球面収差補正用光学ユニットとしての機能を兼ね備えている。つまり、色収差補正用光学ユニットと球面収差補正用光学ユニットとは同一の光学ユニットとなっている。
また、エキスパンダーレンズEXPの正レンズPLの光学面上には、青紫色領域における対物レンズOBJの色収差を補正するための回折構造が形成されており、図1中の拡大図に示すように、その輪帯の段差の光軸方向の深さdは、波長405nmのレーザ光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数に対して、波長655nm及び波長785nmの光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数がより低次数となるように設計されている。これにより、それぞれの波長領域において十分な回折効率が得られるとともに、青紫色領域で色収差を補正した場合でも、波長655nm及び波長785nmの波長領域における色収差補正が過剰になりすぎない。
また、エキスパンダーレンズEXPの正レンズPLの光学面上には、青紫色領域における対物レンズOBJの色収差を補正するための回折構造が形成されており、図1中の拡大図に示すように、その輪帯の段差の光軸方向の深さdは、波長405nmのレーザ光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数に対して、波長655nm及び波長785nmの光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数がより低次数となるように設計されている。これにより、それぞれの波長領域において十分な回折効率が得られるとともに、青紫色領域で色収差を補正した場合でも、波長655nm及び波長785nmの波長領域における色収差補正が過剰になりすぎない。
また、エキスパンダーレンズEXPの負レンズNLは、1軸アクチュエータAC1により光軸に沿って変移することで、対物レンズOBJへの入射光束のマージナル光線の傾角を変化させることが可能となっているため、詳しい説明は後述するが、様々な要因で発生する高密度光ディスクの情報記録面上のスポットの球面収差変化を補正することができる。
尚、エキスパンダーレンズユニットEUには、図示は省略するが、1軸アクチュエータAC1の動作制御を行う動作制御回路が設けられている。
光ピックアップ装置PU1において、高密度光ディスクHDに対して情報の記録/再生を行う場合には、図1において実線でその光線経路を描いたように、高密度光ディスクHD用モジュールMD1を作動させて青紫色半導体レーザLD1を発光させる。青紫色半導体レーザLD1から射出された発散光束は、偏光ビームスプリッタBSを透過し、コリメートレンズCOLを経て平行光束とされ、エキスパンダーレンズEXPを透過することで光束径が拡大された後、絞りSTOにより光束径が規制され、対物レンズOBJによって高密度光ディスクHDの保護層PL1を介して情報記録面RL1上に形成されるスポットとなる。対物レンズOBJは、その周辺に配置された2軸アクチュエータACによってフォーカシングやトッラキングを行う。情報記録面RL1で情報ピットにより変調された反射光束は、再び対物レンズOBJ、絞りSTO、エキスパンダーレンズEXP、及びコリメートレンズCOLを透過した後、収斂光束となり、偏光ビームスプリッタBSを透過した後、高密度光ディスク用HD用モジュールMD1の光検出器PD1の受光面上に収束する。そして、光検出器PD1の出力信号を用いて高密度光ディスクHDに記録された情報を読み取ることができる。
尚、エキスパンダーレンズユニットEUには、図示は省略するが、1軸アクチュエータAC1の動作制御を行う動作制御回路が設けられている。
光ピックアップ装置PU1において、高密度光ディスクHDに対して情報の記録/再生を行う場合には、図1において実線でその光線経路を描いたように、高密度光ディスクHD用モジュールMD1を作動させて青紫色半導体レーザLD1を発光させる。青紫色半導体レーザLD1から射出された発散光束は、偏光ビームスプリッタBSを透過し、コリメートレンズCOLを経て平行光束とされ、エキスパンダーレンズEXPを透過することで光束径が拡大された後、絞りSTOにより光束径が規制され、対物レンズOBJによって高密度光ディスクHDの保護層PL1を介して情報記録面RL1上に形成されるスポットとなる。対物レンズOBJは、その周辺に配置された2軸アクチュエータACによってフォーカシングやトッラキングを行う。情報記録面RL1で情報ピットにより変調された反射光束は、再び対物レンズOBJ、絞りSTO、エキスパンダーレンズEXP、及びコリメートレンズCOLを透過した後、収斂光束となり、偏光ビームスプリッタBSを透過した後、高密度光ディスク用HD用モジュールMD1の光検出器PD1の受光面上に収束する。そして、光検出器PD1の出力信号を用いて高密度光ディスクHDに記録された情報を読み取ることができる。
ここで、高密度光ディスクHDに対して情報の記録/再生を行う際に、例えば、青紫色半導体レーザLD1の波長変化、保護層PL1の厚さ誤差、2層ディスクの情報記録面間のフォーカスジャンプ、環境温度変化や2軸アクチュエータAC2の発熱に伴う対物レンズOBJの屈折率変化、等の影響で情報記録面RL1上のスポットの球面収差が補正過剰方向に変化した場合は、対物レンズOBJとの間隔を狭めるように、エキスパンダーレンズEXPの負レンズNLを1軸アクチュエータAC1により変移させる。逆に、情報記録面RL1上のスポットの球面収差が補正不足方向に変化した場合は、対物レンズOBJとの間隔を広げるように、エキスパンダーレンズEXPの負レンズNLを1軸アクチュエータAC1により変移させる。これにより、情報記録面RL1上のスポットは常に球面収差が補正された状態となるので、高密度光ディスクHDに対して良好な記録/再生特性が得られる。
また、回折構造が形成された、エキスパンダーレンズEXPの正レンズPLと対物レンズOBJとを透過した波面は色収差が良好に補正された状態となるので、情報の再生から記録へと切り替える際に青紫色半導体レーザLD1がモードホッピングを起こしても、情報記録面RL1上に集光されたスポット径が大きくなることはない。
また、光ピックアップ装置PU1において、DVDに対して情報の記録/再生を行う場合には、発光点EP1を発光させる。発光点EP1から射出された発散光束は、図1において破線でその光線経路を描いたように、プリズムPSで反射された後、偏光ビームスプリッタBSにより反射され、コリメートレンズCOLによって平行光束とされる。その後、エキスパンダーレンズEXPにより光束径が拡大され、絞りSTOにより光束径が規制された後、波長選択性を有するフィルタにより更に光束径が規制される。その後、対物レンズOBJによってDVDの保護層PL2を介して情報記録面RL2上に形成されるスポットとなる。対物レンズOBJは、その周辺に配置された2軸アクチュエータACによってフォーカシングやトッラキングを行う。情報記録面RL2で情報ピットにより変調された反射光束は、再び対物レンズOBJ、絞りSTO、エキスパンダーレンズEXP、及びコリメートレンズCOLを透過した後、収斂光束となり、偏光ビームスプリッタBSにより反射された後、プリズムPS内部で2回反射され受光部DS1に集光する。そして、受光部DS1の出力信号を用いてDVDに記録された情報を読み取ることができる。
また、光ピックアップ装置PU1において、DVDに対して情報の記録/再生を行う場合には、発光点EP1を発光させる。発光点EP1から射出された発散光束は、図1において破線でその光線経路を描いたように、プリズムPSで反射された後、偏光ビームスプリッタBSにより反射され、コリメートレンズCOLによって平行光束とされる。その後、エキスパンダーレンズEXPにより光束径が拡大され、絞りSTOにより光束径が規制された後、波長選択性を有するフィルタにより更に光束径が規制される。その後、対物レンズOBJによってDVDの保護層PL2を介して情報記録面RL2上に形成されるスポットとなる。対物レンズOBJは、その周辺に配置された2軸アクチュエータACによってフォーカシングやトッラキングを行う。情報記録面RL2で情報ピットにより変調された反射光束は、再び対物レンズOBJ、絞りSTO、エキスパンダーレンズEXP、及びコリメートレンズCOLを透過した後、収斂光束となり、偏光ビームスプリッタBSにより反射された後、プリズムPS内部で2回反射され受光部DS1に集光する。そして、受光部DS1の出力信号を用いてDVDに記録された情報を読み取ることができる。
上述したように、対物レンズOBJは、高密度光ディスクHDに対して最適化された両面非球面プラスチックレンズであるので、対物レンズOBJに対して655nmの光束が入射した場合、DVDの情報記録面RL2上に集光されるスポットは、対物レンズOBJの波長分散の影響で球面収差が補正過剰方向に変化する。そこで、DVDに対して情報の記録/再生を行う場合には、この球面収差変化が補正されるように、対物レンズOBJとの間隔を狭めて、エキスパンダーレンズEXPの負レンズNLと対物レンズOBJとの間隔を最適化してから(即ち、対物レンズOBJの物点位置を最適化してから)DVDに対する情報の記録/再生を行う。
更に、光ピックアップ装置PU1において、CDに対して情報の記録/再生を行う場合には、発光点EP2を発光させる。発光点EP2から射出された発散光束は、図1において2点鎖線でその光線経路を描いたように、プリズムPSで反射された後、偏光ビームスプリッタBSにより反射され、コリメートレンズCOLによって平行光束とされる。その後、エキスパンダーレンズEXPにより光束径が拡大され、絞りSTOにより光束径が規制された後、波長選択性を有するフィルタにより更に光束径が規制される。その後、対物レンズOBJによってCDの保護層PL3を介して情報記録面RL3上に形成されるスポットとなる。対物レンズOBJは、その周辺に配置された2軸アクチュエータACによってフォーカシングやトッラキングを行う。情報記録面RL3で情報ピットにより変調された反射光束は、再び対物レンズOBJ、絞りSTO、エキスパンダーレンズEXP、及びコリメートレンズCOLを透過した後、収斂光束となり、偏光ビームスプリッタBSにより反射された後、プリズムPS内部で2回反射され受光部DS2に集光する。そして、受光部DS2の出力信号を用いてCDに記録された情報を読み取ることができる。
対物レンズOBJは、高密度光ディスクHDに対して最適化された両面非球面プラスチックレンズであるので、対物レンズOBJに対して785nmの光束が入射した場合、CDの情報記録面RL3上に集光されるスポットは、対物レンズOBJの波長分散と高密度光ディスクの保護層PL1とCDの保護層PL3の違いの影響で球面収差が補正過剰方向に変化する。そこで、CDに対して情報の記録/再生を行う場合には、この球面収差変化が補正されるように、対物レンズOBJとの間隔を狭めて、エキスパンダーレンズEXPの負レンズNLと対物レンズOBJとの間隔を最適化してから(即ち、対物レンズOBJの物点位置を最適化してから)CDに対する情報の記録/再生を行う。
[第2の実施の形態]
図2は、規格の異なる2種類の高密度光ディスクである第1の高密度光ディスクHD1及び第2の高密度光ディスクHD2と、DVDと、CDの何れに対しても適切に情報の記録/再生を行える第2の光ピックアップ装置PU2の構成を概略的に示す平面図である。第1の高密度光ディスクHD1の光学的仕様は、波長405nm、保護層の厚さ0.1mm、開口数NA0.85であり、第2の高密度光ディスクHD2の光学的仕様は、波長405nm、保護層の厚さ0.6mm、開口数NA0.65であり、DVDの光学的仕様は、波長655nm、保護層の厚さ0.6mm、開口数NA0.63であり、CDの光学的仕様は、波長785nm、保護層の厚さ1.2mm、開口数NA0.50である。但し、波長、保護層の厚さ、及び開口数の組合せはこれに限られない。
図2は、規格の異なる2種類の高密度光ディスクである第1の高密度光ディスクHD1及び第2の高密度光ディスクHD2と、DVDと、CDの何れに対しても適切に情報の記録/再生を行える第2の光ピックアップ装置PU2の構成を概略的に示す平面図である。第1の高密度光ディスクHD1の光学的仕様は、波長405nm、保護層の厚さ0.1mm、開口数NA0.85であり、第2の高密度光ディスクHD2の光学的仕様は、波長405nm、保護層の厚さ0.6mm、開口数NA0.65であり、DVDの光学的仕様は、波長655nm、保護層の厚さ0.6mm、開口数NA0.63であり、CDの光学的仕様は、波長785nm、保護層の厚さ1.2mm、開口数NA0.50である。但し、波長、保護層の厚さ、及び開口数の組合せはこれに限られない。
光ピックアップ装置PU2は、第1の高密度光ディスクHD1と第2の高密度光ディスクHD2とに対して情報の記録/再生を行う場合に発光され405nmのレーザ光束を射出する青紫色半導体レーザLD1と光検出器PD1とが一体化された高密度光ディスクHD用モジュールMD1、DVDに対して情報の記録/再生を行う場合に発光され655nmのレーザ光束を射出する第1の発光点EP1と、CDに対して情報の記録/再生を行う場合に発光され785nmのレーザ光束を射出する第2の発光点EP2と、DVDの情報記録面RL2からの反射光束を受光する第1の受光部DS1と、CDの情報記録面RL3からの反射光束を受光する第2の受光部DS2と、プリズムPSとから構成されたレーザモジュールLM、対物レンズユニットOU、偏光ビームスプリッタBS、コリメートレンズCOLと1軸アクチュエータAC1とから構成されたコリメートレンズユニットCUとから構成されている。
尚、図2には、レーザモジュールLMの側面図も示されている。
また、高密度光ディスクHD用の光源として、上述の青紫色半導体レーザLD1の他に青紫色SHGレーザを使用することもできる。
更に、対物レンズユニットOUは、第1の高密度光ディスクHD1に対する情報の記録/再生を行うための第1対物レンズOBJ1と、第1の高密度光ディスクHD1の開口数NA0.85に対応した第1の絞りSTO1と、第2の高密度光ディスクHD2とDVDとCDとに対する情報の記録/再生を行うための第2対物レンズOBJ2と、第2の高密度光ディスクHD2の開口数NA0.65に対応した第2の絞りSTO2と、2軸アクチュエータAC2と、図2中に矢印で示すように、情報の記録/再生を行う光ディスクの記録密度に応じて選択的に第1対物レンズOBJ1と第2対物レンズOBJ2とを切り替える対物レンズ切り替え手段(図示せず)とから構成されている。
尚、図2には、レーザモジュールLMの側面図も示されている。
また、高密度光ディスクHD用の光源として、上述の青紫色半導体レーザLD1の他に青紫色SHGレーザを使用することもできる。
更に、対物レンズユニットOUは、第1の高密度光ディスクHD1に対する情報の記録/再生を行うための第1対物レンズOBJ1と、第1の高密度光ディスクHD1の開口数NA0.85に対応した第1の絞りSTO1と、第2の高密度光ディスクHD2とDVDとCDとに対する情報の記録/再生を行うための第2対物レンズOBJ2と、第2の高密度光ディスクHD2の開口数NA0.65に対応した第2の絞りSTO2と、2軸アクチュエータAC2と、図2中に矢印で示すように、情報の記録/再生を行う光ディスクの記録密度に応じて選択的に第1対物レンズOBJ1と第2対物レンズOBJ2とを切り替える対物レンズ切り替え手段(図示せず)とから構成されている。
また、第1対物レンズOBJ1は第1の高密度光ディスクHD1に対して最適化された両面非球面プラスチックレンズであり、その光源側の光学面上には、波長選択性を有するフィルタが形成されている。このフィルタは波長に応じて光束の通過領域を制限することで、DVDに対しては開口数NA0.63を実現し、CDに対しては開口数NA50を実現する。
かかる波長選択性を有するフィルタの代わりに、第27回光学シンポジウム講演予稿集の55〜56頁に記載されているような回折構造を第2対物レンズOBJ2の光源側の光学面上に形成しても良い。
かかる波長選択性を有するフィルタの代わりに、第27回光学シンポジウム講演予稿集の55〜56頁に記載されているような回折構造を第2対物レンズOBJ2の光源側の光学面上に形成しても良い。
図3は、第2の光ピックアップ装置PU2に用いる対物レンズユニットOUの斜視図である。図3に示される対物レンズユニットOUは、第1の高密度光ディスクHD1に対する情報の記録/再生を行うための第1対物レンズOBJ1と、第1の高密度光ディスクHD1の開口数NA0.85に対応した第1の絞りSTO1(図示せず)と、第2の高密度光ディスクHD2とDVDとCDとに対する情報の記録/再生を行うための第2対物レンズOBJ2と、第2の高密度光ディスクHD2の開口数NA0.65に対応した第2の絞りSTO2(図示せず)と、これらの第1対物レンズOBJ1及び第2対物レンズOBJ2の光軸を、同一円周上CL上に保持するボビンBと、このボビンBを円周CLの中心軸の位置に設けられた支軸Pを介して回転移動させる対物レンズ切り替え手段としてのステッピングモータSM(図示せず)と、このボビンBを円周CLの中心軸の位置に設けられた支軸Pを介して回転自在に、且つこの回転の中心軸に沿って往復移動自在に保持するシャーシSと、ボビンBを支軸Pに沿った方向に往復移動させるフォーカシングアクチュエータFA(図示せず)と、ボビンBに回転動作を付勢して第1対物レンズOBJ1及び第2対物レンズOBJ2の位置決めを行うトラッキングアクチュエータTAとを備えている。この対物レンズユニットOUには、図示は省略するが、2軸アクチュエータAC2(フォーカシングアクチュエータFA及びトラッキングアクチュエータTA)の動作制御を行う動作制御回路が設けられている。
第1対物レンズOBJ1及び第2対物レンズOBJ2は、それぞれ円板状のボビンBの平面部を貫通した孔部に装備されており、ボビンBの中心からそれぞれ等しい距離で配設されている。このボビンBは、その中心部でシャーシSから立設された支軸Pの上端部と回転自在に係合されており、この支軸Pの下方には、図示を省略したフォーカシングアクチュエータFAが配設されている。このフォーカシングアクチュエータFAは、支軸Pの下端部に設けられたマグネットFMと、この周囲に設けられたフォーカシングコイルFCとから構成されており、第1対物レンズOBJ1及び第2対物レンズOBJ2のフォーカシングを行う。
また、上述したように、このボビンBは、トラッキングアクチュエータTAによって、光軸と平行な軸線を有する支軸Pを中心とした回転動作が付与される。このトラッキングアクチュエータTAは、ボビンBの端縁部に支軸Pを挟んで対称に設けられた一対のトラッキングコイルTCA、TCBと、ボビンBの端縁部に近接してシャーシS上の支軸Pを挟んで対称となる位置に設けられた二組の対をなすマグネットTMA、TMB、TMC、TMDを備えている。
また、上述したように、このボビンBは、トラッキングアクチュエータTAによって、光軸と平行な軸線を有する支軸Pを中心とした回転動作が付与される。このトラッキングアクチュエータTAは、ボビンBの端縁部に支軸Pを挟んで対称に設けられた一対のトラッキングコイルTCA、TCBと、ボビンBの端縁部に近接してシャーシS上の支軸Pを挟んで対称となる位置に設けられた二組の対をなすマグネットTMA、TMB、TMC、TMDを備えている。
そして、トラッキングコイルTCA、TCBが、一方の対をなすマグネットTMA、TMBと個々に対向するときには、第1対物レンズOBJ1が、レーザ光源からの光束の光路上となるように、マグネットTMA、TMBの位置が設定されており、また、トラッキングコイルTCA、TCBが、もう一方の対をなすマグネットTMC、TMDと個々に対向するときには、第2対物レンズOBJ2が、レーザ光源からの光束の光路上となるように、マグネットTMA、TMBの位置が設定されている。
また、上述のボビンBには、トラッキングコイルTCAと、マグネットTMAまたはマグネットTMD、及びトラッキングコイルTCBと、マグネットTMBまたはマグネットTMCとが対向しないように、その回転範囲を制限する図示しないストッパーが設けられている。
また、上述のボビンBには、トラッキングコイルTCAと、マグネットTMAまたはマグネットTMD、及びトラッキングコイルTCBと、マグネットTMBまたはマグネットTMCとが対向しないように、その回転範囲を制限する図示しないストッパーが設けられている。
更に、トラッキングアクチュエータTAは、円形のボビンBの外周の接線方向が光ディスクのトラックの接線方向と直交するように配設され、このボビンBに微小単位で回転動作を付勢することによりトラックに対するスポット位置のずれの補正(トラッキング)を行う。
コリメートレンズユニットCUは、色収差補正用光学ユニットとしての機能と球面収差補正用光学ユニットとしての機能を兼ね備えており、コリメートレンズCOLの光学面上には、青紫色領域における第1対物レンズOBJ1と第2対物レンズOBJ2の色収差を補正するための回折構造が形成されており、図2中の拡大図に示すように、その輪帯の段差の光軸方向の深さdは、波長405nmのレーザ光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数に対して、波長655nm及び波長785nmの光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数がより低次数となるように設計されている。これにより、それぞれの波長領域において十分な回折効率が得られるとともに、青紫色領域で色収差を補正した場合でも、波長655nm及び波長785nmの波長領域における色収差補正が過剰になりすぎない。
コリメートレンズユニットCUは、色収差補正用光学ユニットとしての機能と球面収差補正用光学ユニットとしての機能を兼ね備えており、コリメートレンズCOLの光学面上には、青紫色領域における第1対物レンズOBJ1と第2対物レンズOBJ2の色収差を補正するための回折構造が形成されており、図2中の拡大図に示すように、その輪帯の段差の光軸方向の深さdは、波長405nmのレーザ光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数に対して、波長655nm及び波長785nmの光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数がより低次数となるように設計されている。これにより、それぞれの波長領域において十分な回折効率が得られるとともに、青紫色領域で色収差を補正した場合でも、波長655nm及び波長785nmの波長領域における色収差補正が過剰になりすぎない。
また、コリメートレンズCOLは、1軸アクチュエータAC1により光軸に沿って変移することで、第1対物レンズOBJ1と第2対物レンズOBJ2への入射光束のマージナル光線の傾角を変化させることが可能であり、詳しい説明は後述するが、様々な要因で発生する、高密度光ディスクの情報記録面上のスポットの球面収差変化を補正することができる。
尚、コリメートレンズユニットCUには、図示は省略するが、1軸アクチュエータAC1の動作制御を行う動作制御回路が設けられている。
尚、コリメートレンズユニットCUには、図示は省略するが、1軸アクチュエータAC1の動作制御を行う動作制御回路が設けられている。
光ピックアップ装置PU2において、第1の高密度光ディスクHD1に対して情報の記録/再生を行う場合には、対物レンズユニットOUの対物レンズ切り替え手段により、第1対物レンズOBJ1を青紫色半導体レーザLD1からの光束の光路中に挿入する。その後、図2において実線でその光線経路を描いたように、高密度光ディスクHD用モジュールMD1を作動させて青紫色半導体レーザLD1を発光させる。青紫色半導体レーザLD1から射出された発散光束は、偏光ビームスプリッタBSを透過し、コリメートレンズCOLを経て平行光束とされた後、第1の絞りSTO1により光束径が規制され、第1対物レンズOBJ1によって第1の高密度光ディスクHD1の保護層PL1Aを介して情報記録面RL1A上に形成されるスポットとなる。第1対物レンズOBJ1は、その周辺に配置された2軸アクチュエータACによってフォーカシングやトッラキングを行う。情報記録面RL1Aで情報ピットにより変調された反射光束は、再び第1対物レンズOBJ1、第1の絞りSTO1、コリメートレンズCOLを透過した後、収斂光束となり、偏光ビームスプリッタBSを透過した後、高密度光ディスク用HD用モジュールMD1の光検出器PD1の受光面上に収束する。そして、光検出器PD1の出力信号を用いて第1の高密度光ディスクHD1に記録された情報を読み取ることができる。
更に、光ピックアップ装置PU2において、第2の高密度光ディスクHD2に対して情報の記録/再生を行う場合には、対物レンズユニットOUの対物レンズ切り替え手段により、第2対物レンズOBJ2を青紫色半導体レーザLD1からの光束の光路中に挿入する。その後、図2において実線でその光線経路を描いたように、高密度光ディスクHD用モジュールMD1を作動させて青紫色半導体レーザLD1を発光させる。青紫色半導体レーザLD1から射出された発散光束は、偏光ビームスプリッタBSを透過し、コリメートレンズCOLを経て平行光束とされた後、第2の絞りSTO2により光束径が規制され、第2対物レンズOBJ2によって第2の高密度光ディスクHD2の保護層PL1Bを介して情報記録面RL1B上に形成されるスポットとなる。第2対物レンズOBJ2は、その周辺に配置された2軸アクチュエータACによってフォーカシングやトッラキングを行う。情報記録面RL1Bで情報ピットにより変調された反射光束は、再び第2対物レンズOBJ2、第2の絞りSTO2、コリメートレンズCOLを透過した後、収斂光束となり、偏光ビームスプリッタBSを透過した後、高密度光ディスク用HD用モジュールMD1の光検出器PD1の受光面上に収束する。そして、光検出器PD1の出力信号を用いて第2の高密度光ディスクHD2に記録された情報を読み取ることができる。
第1の高密度光ディスクHD1(或いは、第2の高密度光ディスクHD2)に対して情報の記録/再生を行う際に、例えば、青紫色半導体レーザLD1の波長変化、保護層PL1A(PL1B)の厚さ誤差、2層ディスクの情報記録面間のフォーカスジャンプ、環境温度変化や2軸アクチュエータAC2の発熱に伴う第1対物レンズOBJ1(第2対物レンズOBJ2)の屈折率変化、等の影響で情報記録面RL1A(RL1B)上のスポットの球面収差が補正過剰方向に変化した場合は、第1対物レンズOBJ1(第2対物レンズOBJ2)との間隔を広げるように、コリメートレンズCOLを1軸アクチュエータAC1により変移させる。逆に、情報記録面RL1A(RL2B)上のスポットの球面収差が補正不足方向に変化した場合は、第1対物レンズOBJ1(第2対物レンズOBJ2)との間隔を狭めるように、コリメートレンズCOLを1軸アクチュエータAC1により変移させる。これにより、情報記録面RL1A(RL1B)上のスポットは常に球面収差が補正された状態となるので、第1の高密度光ディスクHD1(第2の高密度光ディスクHD2)に対して良好な記録/再生特性が得られる。
また、回折構造が形成されたコリメートレンズCOLと対物レンズOBJとを透過した波面は色収差が良好に補正された状態となるので、情報の再生から記録へと切り替える際に青紫色半導体レーザLD1がモードホッピングを起こしても、情報記録面RL1A(RL1B)上に集光されたスポット径が大きくなることはない。
また、光ピックアップ装置PU2において、DVDに対して情報の記録/再生を行う場合には、対物レンズユニットOUの対物レンズ切り替え手段により、第2対物レンズOBJ2を発光点EP1からの光束の光路中に挿入した後、発光点EP1を発光させる。発光点EP1から射出された発散光束は、図2において破線でその光線経路を描いたように、プリズムPSで反射された後、偏光ビームスプリッタBSにより反射され、コリメートレンズCOLによって平行光束とされる。その後、第2の絞りSTO2により光束径が規制された後、波長選択性を有するフィルタにより更に光束径が規制される。そして、第2対物レンズOBJ2によってDVDの保護層PL2を介して情報記録面RL2上に形成されるスポットとなる。第2対物レンズOBJ2は、その周辺に配置された2軸アクチュエータACによってフォーカシングやトッラキングを行う。情報記録面RL2で情報ピットにより変調された反射光束は、再び第2対物レンズOBJ2、第2の絞りSTO2、コリメートレンズCOLを透過した後、収斂光束となり、偏光ビームスプリッタBSにより反射された後、プリズムPS内部で2回反射され受光部DS1に集光する。そして、受光部DS1の出力信号を用いてDVDに記録された情報を読み取ることができる。
また、光ピックアップ装置PU2において、DVDに対して情報の記録/再生を行う場合には、対物レンズユニットOUの対物レンズ切り替え手段により、第2対物レンズOBJ2を発光点EP1からの光束の光路中に挿入した後、発光点EP1を発光させる。発光点EP1から射出された発散光束は、図2において破線でその光線経路を描いたように、プリズムPSで反射された後、偏光ビームスプリッタBSにより反射され、コリメートレンズCOLによって平行光束とされる。その後、第2の絞りSTO2により光束径が規制された後、波長選択性を有するフィルタにより更に光束径が規制される。そして、第2対物レンズOBJ2によってDVDの保護層PL2を介して情報記録面RL2上に形成されるスポットとなる。第2対物レンズOBJ2は、その周辺に配置された2軸アクチュエータACによってフォーカシングやトッラキングを行う。情報記録面RL2で情報ピットにより変調された反射光束は、再び第2対物レンズOBJ2、第2の絞りSTO2、コリメートレンズCOLを透過した後、収斂光束となり、偏光ビームスプリッタBSにより反射された後、プリズムPS内部で2回反射され受光部DS1に集光する。そして、受光部DS1の出力信号を用いてDVDに記録された情報を読み取ることができる。
上述したように、第2対物レンズOBJ2は、第2の高密度光ディスクHD2に対して最適化された両面非球面プラスチックレンズであるので、第2対物レンズOBJ2に対して655nmの光束が入射した場合、DVDの情報記録面RL2上に集光されるスポットは、第2対物レンズOBJ2の波長分散の影響で球面収差が補正過剰方向に変化する。そこで、DVDに対して情報の記録/再生を行う場合には、この球面収差変化が補正されるように、第2対物レンズOBJ2との間隔を広げてコリメートレンズCOLと第2対物レンズOBJ2との間隔を最適化してから(即ち、第2対物レンズOBJ2の物点位置を最適化してから)DVDに対する情報の記録/再生を行う。
更に、光ピックアップ装置PU2において、CDに対して情報の記録/再生を行う場合には、対物レンズユニットOUの対物レンズ切り替え手段により、第2対物レンズOBJ2を発光点EP2からの光束の光路中に挿入した後、発光点EP2を発光させる。発光点EP2から射出された発散光束は、図2において2点鎖線でその光線経路を描いたように、プリズムPSで反射された後、偏光ビームスプリッタBSにより反射され、コリメートレンズCOLによって平行光束とされる。その後、第2の絞りSTO2により光束径が規制された後、波長選択性を有するフィルタにより更に光束径が規制される。そして、第2対物レンズOBJ2によってCDの保護層PL3を介して情報記録面RL3上に形成されるスポットとなる。第2対物レンズOBJ2は、その周辺に配置された2軸アクチュエータAC2によってフォーカシングやトッラキングを行う。情報記録面RL3で情報ピットにより変調された反射光束は、再び第2対物レンズOBJ、第2の絞りSTO2、コリメートレンズCOLを透過した後、収斂光束となり、偏光ビームスプリッタBSにより反射された後、プリズムPS内部で2回反射され受光部DS2に集光する。そして、受光部DS2の出力信号を用いてCDに記録された情報を読み取ることができる。
第2対物レンズOBJ2は、第2の高密度光ディスクHD2に対して最適化された両面非球面プラスチックレンズであるので、第2対物レンズOBJ2に対して785nmの光束が入射した場合、CDの情報記録面RL3上に集光されるスポットは、第2対物レンズOBJ2の波長分散と、第2の高密度光ディスクの保護層PL1BとCDの保護層PL3の違いの影響で球面収差が補正過剰方向に変化する。そこで、CDに対して情報の記録/再生を行う場合には、この球面収差変化が補正されるように、第2対物レンズOBJ2との間隔を広げて、コリメートレンズCOLと第2対物レンズOBJ2との間隔を最適化してから(即ち、第2対物レンズOBJ2の物点位置を最適化してから)CDに対する情報の記録/再生を行う。
[第3の実施の形態]
図4は、高密度光ディスクHDとDVDとCDとの何れに対しても適切に情報の記録/再生を行える第3の光ピックアップ装置PU3の構成を概略的に示す図である。高密度光ディスクHDの光学的仕様は、波長405nm、保護層の厚さ0.6mm、開口数NA0.65であり、DVDの光学的仕様は、波長655nm、保護層の厚さ0.6mm、開口数NA0.63であり、CDの光学的仕様は、波長785nm、保護層の厚さ1.2mm、開口数NA0.50である。但し、波長、保護層の厚さ、及び開口数の組合せはこれに限られない。
光ピックアップ装置PU3は、高密度光ディスクHDに対して情報の記録/再生を行う場合に発光され405nmのレーザ光束を射出する第1の発光点EP1と、DVDに対して情報の記録/再生を行う場合に発光され655nmのレーザ光束を射出する第2の発光点EP2と、CDに対して情報の記録/再生を行う場合に発光され785nmのレーザ光束を射出する第3の発光点EP3と、高密度光ディスクHDの情報記録面RL1からの反射光束を受光する第1の受光部DS1と、DVDの情報記録面RL2からの反射光束を受光する第2の受光部DS2と、CDの情報記録面RL3からの反射光束を受光する第3の受光部DS3と、プリズムPSとから構成されたレーザモジュールLM、対物レンズOBJと2軸アクチュエータAC2と高密度光ディスクHDの開口数NA0.65に対応した絞りSTOとから構成された対物レンズユニットOU、コリメートレンズCOL、一対の光学的透明基板T1とT2に挟まれるように配設された一対の電極ELP1とELP2と、これらの電極ELP1及びELP2に更に挟まれるように配設された液晶分子層LCと、電極ELP1及びELP2に電圧を印可するための電源(図示せず)とを備える液晶素子LCDとから構成されている。
図4は、高密度光ディスクHDとDVDとCDとの何れに対しても適切に情報の記録/再生を行える第3の光ピックアップ装置PU3の構成を概略的に示す図である。高密度光ディスクHDの光学的仕様は、波長405nm、保護層の厚さ0.6mm、開口数NA0.65であり、DVDの光学的仕様は、波長655nm、保護層の厚さ0.6mm、開口数NA0.63であり、CDの光学的仕様は、波長785nm、保護層の厚さ1.2mm、開口数NA0.50である。但し、波長、保護層の厚さ、及び開口数の組合せはこれに限られない。
光ピックアップ装置PU3は、高密度光ディスクHDに対して情報の記録/再生を行う場合に発光され405nmのレーザ光束を射出する第1の発光点EP1と、DVDに対して情報の記録/再生を行う場合に発光され655nmのレーザ光束を射出する第2の発光点EP2と、CDに対して情報の記録/再生を行う場合に発光され785nmのレーザ光束を射出する第3の発光点EP3と、高密度光ディスクHDの情報記録面RL1からの反射光束を受光する第1の受光部DS1と、DVDの情報記録面RL2からの反射光束を受光する第2の受光部DS2と、CDの情報記録面RL3からの反射光束を受光する第3の受光部DS3と、プリズムPSとから構成されたレーザモジュールLM、対物レンズOBJと2軸アクチュエータAC2と高密度光ディスクHDの開口数NA0.65に対応した絞りSTOとから構成された対物レンズユニットOU、コリメートレンズCOL、一対の光学的透明基板T1とT2に挟まれるように配設された一対の電極ELP1とELP2と、これらの電極ELP1及びELP2に更に挟まれるように配設された液晶分子層LCと、電極ELP1及びELP2に電圧を印可するための電源(図示せず)とを備える液晶素子LCDとから構成されている。
尚、高密度光ディスクHD用の光源として、上述の青紫色半導体レーザLD1の他に青紫色SHGレーザを使用することもできる。
また、対物レンズOBJは高密度光ディスクHDに対して最適化された両面非球面プラスチックレンズであり、その光源側の光学面上には、波長選択性を有するフィルタが形成されている。このフィルタは波長に応じて光束の通過領域を制限することで、DVDに対しては開口数NA0.63を実現し、CDに対しては開口数NA0.50を実現する。
かかる波長選択性を有するフィルタの代わりに、第27回光学シンポジウム講演予稿集の55〜56頁に記載されているような回折構造を対物レンズOBJの光源側の光学面上に形成しても良い。
更に、対物レンズユニットOUには、図示は省略するが、2軸アクチュエータAC2の動作制御を行う動作制御回路が設けられている。
また、対物レンズOBJは高密度光ディスクHDに対して最適化された両面非球面プラスチックレンズであり、その光源側の光学面上には、波長選択性を有するフィルタが形成されている。このフィルタは波長に応じて光束の通過領域を制限することで、DVDに対しては開口数NA0.63を実現し、CDに対しては開口数NA0.50を実現する。
かかる波長選択性を有するフィルタの代わりに、第27回光学シンポジウム講演予稿集の55〜56頁に記載されているような回折構造を対物レンズOBJの光源側の光学面上に形成しても良い。
更に、対物レンズユニットOUには、図示は省略するが、2軸アクチュエータAC2の動作制御を行う動作制御回路が設けられている。
また、対物レンズOBJは、フォルダFにより液晶素子LCDと一体化されており、対物レンズOBJは液晶素子LCDと一体となってトラッキングやフォーカシングを行う。
コリメートレンズCOLは、色収差補正用光学ユニットとしての機能を備えており、コリメートレンズCOLの光学面上には、青紫色領域における対物レンズOBJの色収差を補正するための回折構造が形成されており、図4中の拡大図に示すように、その輪帯の段差の光軸方向の深さdは、波長405nmのレーザ光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数に対して、波長655nm及び波長785nmの光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数がより低次数となるように設計されている。これにより、それぞれの波長領域において十分な回折効率が得られるとともに、青紫色領域で色収差を補正した場合でも、波長655nm及び波長785nmの波長領域における色収差補正が過剰になりすぎない。
コリメートレンズCOLは、色収差補正用光学ユニットとしての機能を備えており、コリメートレンズCOLの光学面上には、青紫色領域における対物レンズOBJの色収差を補正するための回折構造が形成されており、図4中の拡大図に示すように、その輪帯の段差の光軸方向の深さdは、波長405nmのレーザ光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数に対して、波長655nm及び波長785nmの光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数がより低次数となるように設計されている。これにより、それぞれの波長領域において十分な回折効率が得られるとともに、青紫色領域で色収差を補正した場合でも、波長655nm及び波長785nmの波長領域における色収差補正が過剰になりすぎない。
また、液晶素子LCDは、球面収差補正用光学ユニットとしての機能を備えており、詳しい説明は後述するが、様々な要因で発生する、高密度光ディスクの情報記録面上のスポットの球面収差変化を補正することができる。このような液晶素子LCDにより球面収差変化を補正する技術は、例えば特開2001−43549号公報に記載されているので、ここでは詳細な記述はしない。
光ピックアップ装置PU3において、高密度光ディスクHDに対して情報の記録/再生を行う場合には、まず発光点EP1を発光させる。発光点EP1から射出された発散光束は、図4において実線でその光線経路を描いたように、プリズムPSで反射された後、偏光ビームスプリッタBSを透過し、コリメートレンズCOLによって平行光束とされる。その後、液晶素子LCDを透過し、絞りSTOにより光束径が規制された後、対物レンズOBJによって高密度光ディスクHDの保護層PL1を介して情報記録面RL1上に形成されるスポットとなる。対物レンズOBJは、その周辺に配置された2軸アクチュエータAC2によってフォーカシングやトッラキングを行う。情報記録面RL1で情報ピットにより変調された反射光束は、再び対物レンズOBJ、絞りSTO、液晶素子LCD、及びコリメートレンズCOLを透過した後、収斂光束となり、偏光ビームスプリッタBSにより反射された後、プリズムPS内部で2回反射され受光部DS1に集光する。そして、受光部DS1の出力信号を用いて高密度光ディスクHDに記録された情報を読み取ることができる
光ピックアップ装置PU3において、高密度光ディスクHDに対して情報の記録/再生を行う場合には、まず発光点EP1を発光させる。発光点EP1から射出された発散光束は、図4において実線でその光線経路を描いたように、プリズムPSで反射された後、偏光ビームスプリッタBSを透過し、コリメートレンズCOLによって平行光束とされる。その後、液晶素子LCDを透過し、絞りSTOにより光束径が規制された後、対物レンズOBJによって高密度光ディスクHDの保護層PL1を介して情報記録面RL1上に形成されるスポットとなる。対物レンズOBJは、その周辺に配置された2軸アクチュエータAC2によってフォーカシングやトッラキングを行う。情報記録面RL1で情報ピットにより変調された反射光束は、再び対物レンズOBJ、絞りSTO、液晶素子LCD、及びコリメートレンズCOLを透過した後、収斂光束となり、偏光ビームスプリッタBSにより反射された後、プリズムPS内部で2回反射され受光部DS1に集光する。そして、受光部DS1の出力信号を用いて高密度光ディスクHDに記録された情報を読み取ることができる
高密度光ディスクHDに対して情報の記録/再生を行う際に、例えば、発光点EP1から射出させる青紫色レーザ光束の波長変化、保護層PL1の厚さ誤差、2層ディスクの情報記録面間のフォーカスジャンプ、環境温度変化や2軸アクチュエータAC2の発熱に伴う対物レンズOBJの屈折率変化、等の影響で情報記録面RL1上のスポットの球面収差が補正過剰方向に変化した場合は、電源により電極ELP1とELP2に電圧を印可して、液晶分子層LC内の屈折率分布を変化させることで、液晶素子LCDを透過する青紫色レーザ光束に補正不足の球面収差波面を付加させる。逆に、情報記録面RL1上のスポットの球面収差が補正不足方向に変化した場合は、電源により電極ELP1とELP2に電圧を印可して、液晶分子層LC内の屈折率分布を変化させることで、液晶素子LCDを透過する青紫色レーザ光束に補正過剰の球面収差波面を付加させる。これにより、情報記録面RL1上のスポットは常に球面収差が補正された状態となるので、高密度光ディスクHDに対して良好な記録/再生特性が得られる。
また、回折構造が形成された、コリメートレンズCOLと対物レンズOBJとを透過した波面は色収差が良好に補正された状態となるので、情報の再生から記録へと切り替える際に青紫色半導体レーザLD1がモードホッピングを起こしても、情報記録面RL1上に集光されたスポット径が大きくなることはない。
また、光ピックアップ装置PU3において、DVDに対して情報の記録/再生を行う場合には、発光点EP2を発光させる。発光点EP2から射出された発散光束は、図4において破線でその光線経路を描いたように、プリズムPSで反射された後、偏光ビームスプリッタBSにより反射され、コリメートレンズCOLによって平行光束とされる。その後、液晶素子LCDを透過し、絞りSTOにより光束径が規制され、対物レンズOBJによってDVDの保護層PL2を介して情報記録面RL2上に形成されるスポットとなる。対物レンズOBJは、その周辺に配置された2軸アクチュエータAC2によってフォーカシングやトッラキングを行う。情報記録面RL2で情報ピットにより変調された反射光束は、再び対物レンズOBJ、絞りSTO、液晶素子LCD、及びコリメートレンズCOLを透過した後、収斂光束となり、偏光ビームスプリッタBSにより反射された後、プリズムPS内部で2回反射され受光部DS1に集光する。そして、受光部DS1の出力信号を用いてDVDに記録された情報を読み取ることができる。
また、光ピックアップ装置PU3において、DVDに対して情報の記録/再生を行う場合には、発光点EP2を発光させる。発光点EP2から射出された発散光束は、図4において破線でその光線経路を描いたように、プリズムPSで反射された後、偏光ビームスプリッタBSにより反射され、コリメートレンズCOLによって平行光束とされる。その後、液晶素子LCDを透過し、絞りSTOにより光束径が規制され、対物レンズOBJによってDVDの保護層PL2を介して情報記録面RL2上に形成されるスポットとなる。対物レンズOBJは、その周辺に配置された2軸アクチュエータAC2によってフォーカシングやトッラキングを行う。情報記録面RL2で情報ピットにより変調された反射光束は、再び対物レンズOBJ、絞りSTO、液晶素子LCD、及びコリメートレンズCOLを透過した後、収斂光束となり、偏光ビームスプリッタBSにより反射された後、プリズムPS内部で2回反射され受光部DS1に集光する。そして、受光部DS1の出力信号を用いてDVDに記録された情報を読み取ることができる。
上述したように、対物レンズOBJは、高密度光ディスクHDに対して最適化された両面非球面プラスチックレンズであるので、対物レンズOBJに対して655nmの光束が入射した場合、DVDの情報記録面RL2上に集光されるスポットは、対物レンズOBJの波長分散の影響で球面収差が補正過剰方向に変化する。そこで、DVDに対して情報の記録/再生を行う場合には、この球面収差変化が補正されるように、電源により電極ELP1とELP2に電圧を印可して、液晶分子層LC内の屈折率分布を変化させることで、液晶素子LCDを透過する655nmの光束に補正不足の球面収差波面を付加する。これにより、液晶素子LCDと対物レンズOBJとを透過してDVDの情報記録面RL2上に集光した655nmの光束は、球面収差が補正された状態となるのでDVDに対する情報の記録/再生が可能となる。
更に、光ピックアップ装置PU3において、CDに対して情報の記録/再生を行う場合には、発光点EP3を発光させる。発光点EP3から射出された発散光束は、図4において2点鎖線でその光線経路を描いたように、プリズムPSで反射された後、偏光ビームスプリッタBSにより反射され、コリメートレンズCOLによって平行光束とされる。その後、液晶素子LCDを透過し、絞りSTOにより光束径が規制され、対物レンズOBJによってCDの保護層PL3を介して情報記録面RL3上に形成されるスポットとなる。対物レンズOBJは、その周辺に配置された2軸アクチュエータAC2によってフォーカシングやトッラキングを行う。情報記録面RL3で情報ピットにより変調された反射光束は、再び対物レンズOBJ、絞りSTO、液晶素子LCD、及びコリメートレンズCOLを透過した後、収斂光束となり、偏光ビームスプリッタBSにより反射された後、プリズムPS内部で2回反射され受光部DS3に集光する。そして、受光部DS3の出力信号を用いてCDに記録された情報を読み取ることができる。
対物レンズOBJは、高密度光ディスクHDに対して最適化された両面非球面プラスチックレンズであるので、対物レンズOBJに対して785nmの光束が入射した場合、CDの情報記録面RL3上に集光されるスポットは、対物レンズOBJの波長分散と高密度光ディスクの保護層PL1とCDの保護層PL3の違いの影響で球面収差が補正過剰方向に変化する。そこで、CDに対して情報の記録/再生を行う場合には、この球面収差変化が補正されるように、電源により電極ELP1とELP2に電圧を印可して、液晶分子層LC内の屈折率分布を変化させることで、液晶素子LCDを透過する785nmの光束に補正不足の球面収差波面を付加する。これにより、液晶素子LCDと対物レンズOBJとを透過してCDの情報記録面RL3上に集光した785nmの光束は、球面収差が補正された状態となるのでCDに対する情報の記録/再生が可能となる。
[第4の実施の形態]
図5は、高密度光ディスクHDとDVDとCDとの何れに対しても適切に情報の記録/再生を行える第4の光ピックアップ装置PU4の構成を概略的に示す図である。高密度光ディスクHDの光学的仕様は、波長405nm、保護層の厚さ0.1mm、開口数NA0.85であり、DVDの光学的仕様は、波長655nm、保護層の厚さ0.6mm、開口数NA0.65であり、CDの光学的仕様は、波長785nm、保護層の厚さ1.2mm、開口数NA0.50である。但し、波長、保護層の厚さ、及び開口数の組合せはこれに限られない。
図5は、高密度光ディスクHDとDVDとCDとの何れに対しても適切に情報の記録/再生を行える第4の光ピックアップ装置PU4の構成を概略的に示す図である。高密度光ディスクHDの光学的仕様は、波長405nm、保護層の厚さ0.1mm、開口数NA0.85であり、DVDの光学的仕様は、波長655nm、保護層の厚さ0.6mm、開口数NA0.65であり、CDの光学的仕様は、波長785nm、保護層の厚さ1.2mm、開口数NA0.50である。但し、波長、保護層の厚さ、及び開口数の組合せはこれに限られない。
光ピックアップ装置PU4は、高密度光ディスクHDに対して情報の記録/再生を行う場合に発光され405nmのレーザ光束を射出する青紫色半導体レーザLD1、DVDに対して情報の記録/再生を行う場合に発光され655nmのレーザ光束を射出する赤色半導体レーザLD2、高密度光ディスクHDとDVDとの共用の光検出器PD1/PD2、CDに対して情報の記録/再生を行う場合に発光され785nmのレーザ光束を射出する赤外半導体レーザLD3と光検出器PD3とが一体化されたCD用モジュールMD3、対物レンズユニットOU、第1の偏光ビームスプリッタBS1、第2の偏光ビームスプリッタBS2、第3の偏光ビームスプリッタBS3、第1コリメートレンズCOL1と1軸アクチュエータAC1とから構成されたコリメートレンズユニットCU、第2コリメートレンズCOL2、センサーレンズSEN、ビーム整形素子SH、とから構成されている。
尚、高密度光ディスクHD用の光源として、上述の青紫色半導体レーザLD1の他に青紫色SHGレーザを使用することもできる。
尚、高密度光ディスクHD用の光源として、上述の青紫色半導体レーザLD1の他に青紫色SHGレーザを使用することもできる。
対物レンズユニットOUは、高密度光ディスクHDとDVDとに対する情報の記録/再生を行うための第1対物レンズOBJ1と、高密度光ディスクHDの開口数NA0.85に対応した第1の絞りSTO1と、CDに対する情報の記録/再生を行うための第2対物レンズOBJ2と、CDの開口数NA0.50に対応した第2の絞りSTO2と、2軸アクチュエータAC2と、図5中に矢印で示すように、情報の記録/再生を行う光ディスクの記録密度に応じて選択的に第1対物レンズOBJ1と第2対物レンズOBJ2とを切り替える対物レンズ切り替え手段(図示せず)とから構成されている。なお、対物レンズユニットOUの構造は、図3に示したものと同様であるため説明は省略する。
第1対物レンズOBJ1は、回折レンズL1と、この回折レンズL1を透過したレーザ光束を光ディスクの情報記録面上に集光させる機能を有する両面が非球面とされた集光レンズL2とから構成されている。回折レンズL1はプラスチックレンズであり、集光レンズL2はガラスレンズである。それぞれのレンズは保持部材HBを介して一体化されている。
第1対物レンズOBJ1は、回折レンズL1と、この回折レンズL1を透過したレーザ光束を光ディスクの情報記録面上に集光させる機能を有する両面が非球面とされた集光レンズL2とから構成されている。回折レンズL1はプラスチックレンズであり、集光レンズL2はガラスレンズである。それぞれのレンズは保持部材HBを介して一体化されている。
第1対物レンズOBJ1を設計する際に仮定した高密度光ディスクHD及びDVDの光学的仕様は、高密度光ディスクHDが、波長λ1=405nm、保護層PL1の厚さt1=0.1mm、開口数NA1=0.85であり、DVDが、波長λ2=655nm、保護層PL2の厚さt2=0.6mm、開口数NA2=0.65である。但し、波長、保護層の厚さ、及び開口数の組合せはこれに限られない。
更に、対物レンズユニットOUには、図示は省略するが、2軸アクチュエータAC2の動作制御を行う動作制御回路が設けられている。
更に、対物レンズユニットOUには、図示は省略するが、2軸アクチュエータAC2の動作制御を行う動作制御回路が設けられている。
回折レンズL1の光源側の光学機能面S1は、NA2内の領域に対応する第1領域AREA1(図示略)と、NA2からNA1までの領域に対応する第2領域AREA2(図示略)とに分割されており、その内部に階段構造が形成された複数の輪帯が、光軸を中心として配列された構造である階段型回折構造DOEが第1領域AREA1に形成されている。
第1領域AREA1に形成された階段型回折構造DOEにおいて、各輪帯内に形成された階段構造の1段あたりの深さdは、
d=2・λ1/(n1−1)(μm)
で算出される値に設定され、各輪帯の分割数Nは5に設定されている。但し、λ1は青紫色半導体レーザから射出されるレーザ光束の波長をミクロン単位で表したものであり(ここでは、λ1=0.405μm)、n1は回折レンズL1の波長λ1に対する屈折率である(ここでは、n1=1.524694)。
第1領域AREA1に形成された階段型回折構造DOEにおいて、各輪帯内に形成された階段構造の1段あたりの深さdは、
d=2・λ1/(n1−1)(μm)
で算出される値に設定され、各輪帯の分割数Nは5に設定されている。但し、λ1は青紫色半導体レーザから射出されるレーザ光束の波長をミクロン単位で表したものであり(ここでは、λ1=0.405μm)、n1は回折レンズL1の波長λ1に対する屈折率である(ここでは、n1=1.524694)。
この階段型回折構造DOEに対して、波長λ1のレーザ光束が入射した場合、隣接する階段間では2×λ1(μm)の光路差が発生し、波長λ1のレーザ光束は実質的に位相差が与えられないので回折されずにそのまま透過する。尚、以下の説明では、階段型回折構造により実質的に位相差が与えられずにそのまま透過する光束を0次回折光という。
一方、この階段型回折構造DOEに対して、赤色半導体レーザから射出される波長λ2(ここでは、λ2=0.655m)のレーザ光束が入射した場合、隣接する階段間ではd×(n2−1)−λ2=0.13μmの光路差が生じることになり、5分割された輪帯1つ分では、0.13×5=0.65μmと波長λ2の1波長分の光路差が生じるので、隣接する輪帯を透過した波面がそれぞれ1波長ずれて重なり合うことになる。即ち、この階段型回折構造DOEにより波長λ2の光束は1次方向に回折される回折光となる。対物レンズOBJでは、階段型回折構造DOEの波長λ2に対する回折作用を利用して、高密度光ディスクHDの保護層PL1とDVDの保護層PL2との厚さの違いに起因して発生する球面収差を補正している。尚、n2は回折レンズL2の波長λ2に対する屈折率である(ここでは、n2=1.506513)。このときの波長λ2のレーザ光束の1次回折光の回折効率は、87.3%となるが、DVDに対する情報の記録/再生には十分な光量である。
一方、この階段型回折構造DOEに対して、赤色半導体レーザから射出される波長λ2(ここでは、λ2=0.655m)のレーザ光束が入射した場合、隣接する階段間ではd×(n2−1)−λ2=0.13μmの光路差が生じることになり、5分割された輪帯1つ分では、0.13×5=0.65μmと波長λ2の1波長分の光路差が生じるので、隣接する輪帯を透過した波面がそれぞれ1波長ずれて重なり合うことになる。即ち、この階段型回折構造DOEにより波長λ2の光束は1次方向に回折される回折光となる。対物レンズOBJでは、階段型回折構造DOEの波長λ2に対する回折作用を利用して、高密度光ディスクHDの保護層PL1とDVDの保護層PL2との厚さの違いに起因して発生する球面収差を補正している。尚、n2は回折レンズL2の波長λ2に対する屈折率である(ここでは、n2=1.506513)。このときの波長λ2のレーザ光束の1次回折光の回折効率は、87.3%となるが、DVDに対する情報の記録/再生には十分な光量である。
尚、階段型回折構造DOEは、光軸を含む第1領域AREA1に形成されているので、保護層PL1と保護層PL2との厚さの違いに起因して発生する球面収差は、第1領域AREA1通過する波長λ2の光束に対してのみ補正され、その周囲を囲む第2領域AREA2を通過する波長λ2の光束に対しては補正されない。従って、対物レンズOBJに入射した波長λ2の光束のうち、第2領域AREA2を通過する光束は、DVDの情報記録面RL2上へのスポット形成に寄与しないフレア成分となる。
これは、自動的にNA2に対応した開口制限がなされることと透過であるので、第4の光ピックアップ装置PU4においては、DVDの開口数NA2に対応した開口制限素子を別途設ける必要がない。
これは、自動的にNA2に対応した開口制限がなされることと透過であるので、第4の光ピックアップ装置PU4においては、DVDの開口数NA2に対応した開口制限素子を別途設ける必要がない。
第1コリメートレンズCOL1は、色収差補正用光学ユニットとしての機能と球面収差補正用光学ユニットとしての機能を兼ね備えている。つまり、色収差補正用光学ユニットと球面収差補正用光学ユニットとは同一の光学ユニットとなっている。
また、第1コリメートレンズCOL1の出射面上には、青紫色領域における第1対物レンズOBJ1の色収差を補正するための回折構造が形成されており、図5中の拡大図に示すように、その輪帯の段差の光軸方向の深さdは、波長405nmのレーザ光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数に対して、波長655nmの光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数がより低次数となるように設計されている。これにより、それぞれの波長領域において十分な回折効率が得られるとともに、青紫色領域で色収差を補正した場合でも、波長655nmの波長領域における色収差補正が過剰になりすぎない。
また、第1コリメートレンズCOL1の出射面上には、青紫色領域における第1対物レンズOBJ1の色収差を補正するための回折構造が形成されており、図5中の拡大図に示すように、その輪帯の段差の光軸方向の深さdは、波長405nmのレーザ光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数に対して、波長655nmの光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数がより低次数となるように設計されている。これにより、それぞれの波長領域において十分な回折効率が得られるとともに、青紫色領域で色収差を補正した場合でも、波長655nmの波長領域における色収差補正が過剰になりすぎない。
また、第1コリメートレンズCOL1は、1軸アクチュエータAC1により光軸に沿って変移することで、第1対物レンズOBJ1への入射光束のマージナル光線の傾角を変化させることが可能となっているため、詳しい説明は後述するが、様々な要因で発生する高密度光ディスクの情報記録面上のスポットの球面収差変化を補正することができる。
尚、コリメートレンズユニットCUには、図示は省略するが、1軸アクチュエータAC1の動作制御を行う動作制御回路が設けられている。
尚、コリメートレンズユニットCUには、図示は省略するが、1軸アクチュエータAC1の動作制御を行う動作制御回路が設けられている。
光ピックアップ装置PU4において、高密度光ディスクHDに対して情報の記録/再生を行う場合には、図5において実線でその光線経路を描いたように、青紫色半導体レーザLD1を発光させる。青紫色半導体レーザLD1から射出された発散光束は、ビーム整形素子SHを透過することによりその断面形状が楕円形から円形に整形された後、第1及び第2の偏光ビームスプリッタBS1及びBS2を透過した後、第1コリメートレンズCOL1により平行光束に変換され、第3の偏光ビームスプリッタBS3を通過して、絞りSTO1により光束径が規制され、第1対物レンズOBJ1によって高密度光ディスクHDの保護層PL1を介して情報記録面RL1上に形成されるスポットとなる。第1対物レンズOBJ1は、その周辺に配置された2軸アクチュエータAC2によってフォーカシングやトラッキングを行う。
情報記録面RL1で情報ピットにより変調された反射光束は、再び第1対物レンズOBJ1、第3の偏光ビームスプリッタBS3、第1コリメートレンズCOL1を透過した後、第2の偏光ビームスプリッタBS2により反射され、センサーレンズSENにより、非点収差が与えられるとともに収斂光束に変換され、光検出器PD1/PD2の受光面上に収束する。そして、光検出器PD1/PD2の出力信号を用いて高密度光ディスクHDに記録された情報を読み取ることができる。
情報記録面RL1で情報ピットにより変調された反射光束は、再び第1対物レンズOBJ1、第3の偏光ビームスプリッタBS3、第1コリメートレンズCOL1を透過した後、第2の偏光ビームスプリッタBS2により反射され、センサーレンズSENにより、非点収差が与えられるとともに収斂光束に変換され、光検出器PD1/PD2の受光面上に収束する。そして、光検出器PD1/PD2の出力信号を用いて高密度光ディスクHDに記録された情報を読み取ることができる。
ここで、高密度光ディスクHDに対して情報の記録/再生を行う際に、例えば、青紫色半導体レーザLD1の波長変化、保護層PL1の厚さ誤差、2層ディスクの情報記録面間のフォーカスジャンプ、環境温度変化や2軸アクチュエータAC2の発熱に伴う対物レンズOBJの屈折率変化、等の影響で情報記録面RL1上のスポットの球面収差が補正過剰方向に変化した場合は、第1対物レンズOBJ1との間隔を広げるように、第1コリメートレンズCOL1を1軸アクチュエータAC1により変移させる。逆に、情報記録面RL1上のスポットの球面収差が補正不足方向に変化した場合は、第1対物レンズOBJ1との間隔を狭めるように、第1コリメートレンズCOL1を1軸アクチュエータAC1により変移させる。これにより、情報記録面RL1上のスポットは常に球面収差が補正された状態となるので、高密度光ディスクHDに対して良好な記録/再生特性が得られる。
また、回折構造が形成された、第1コリメートレンズCOL1と第1対物レンズOBJ1とを透過した波面は色収差が良好に補正された状態となるので、情報の再生から記録へと切り替える際に青紫色半導体レーザLD1がモードホッピングを起こしても、情報記録面RL1上に集光されたスポット径が大きくなることはない。
更に、第1コリメートレンズCOL1は、環境温度変化に伴う第1コリメートレンズCOL1の屈折率変化(屈折パワー変化)に起因する射出光束の発散度変化を、環境温度変化に伴う青紫色半導体レーザLD1の波長変化による回折パワーの変化により補償する機能を有するので、環境温度が変化しても第1コリメートレンズCOL1から射出される光束の発散度はほとんど変化しない。これにより、温度変化に伴う第1対物レンズOBJ1の倍率が変化しないので球面収差が劣化しない。
更に、第1コリメートレンズCOL1は、環境温度変化に伴う第1コリメートレンズCOL1の屈折率変化(屈折パワー変化)に起因する射出光束の発散度変化を、環境温度変化に伴う青紫色半導体レーザLD1の波長変化による回折パワーの変化により補償する機能を有するので、環境温度が変化しても第1コリメートレンズCOL1から射出される光束の発散度はほとんど変化しない。これにより、温度変化に伴う第1対物レンズOBJ1の倍率が変化しないので球面収差が劣化しない。
また、光ピックアップ装置PU4において、DVDに対して情報の記録/再生を行う場合には、図5において破線でその光線経路を描いたように、赤色半導体レーザLD2を発光させる。赤色半導体レーザLD2から射出された発散光束は、第1の偏光ビームスプリッタBS1により反射された後、第2の偏光ビームスプリッタBS2を透過し、第1コリメートレンズCOL1により平行光束に変換され、第3の偏光ビームスプリッタBS3を通過して、絞りSTO1により光束径が規制され、第1対物レンズOBJ1によってDVDの保護層PL2を介して情報記録面RL2上に形成されるスポットとなる。第1対物レンズOBJ1は、その周辺に配置された2軸アクチュエータAC2によってフォーカシングやトラッキングを行う。
情報記録面RL2で情報ピットにより変調された反射光束は、再び第1対物レンズOBJ1、第3の偏光ビームスプリッタBS3、第1コリメートレンズCOL1を透過した後、第2の偏光ビームスプリッタBS2により反射され、センサーレンズSENにより、非点収差が与えられるとともに収斂光束に変換され、光検出器PD1/PD2の受光面上に収束する。そして、光検出器PD1/PD2の出力信号を用いてDVDに記録された情報を読み取ることができる。
情報記録面RL2で情報ピットにより変調された反射光束は、再び第1対物レンズOBJ1、第3の偏光ビームスプリッタBS3、第1コリメートレンズCOL1を透過した後、第2の偏光ビームスプリッタBS2により反射され、センサーレンズSENにより、非点収差が与えられるとともに収斂光束に変換され、光検出器PD1/PD2の受光面上に収束する。そして、光検出器PD1/PD2の出力信号を用いてDVDに記録された情報を読み取ることができる。
また、光ピックアップ装置PU4において、CDに対して情報の記録/再生を行う場合には、対物レンズユニットOUの対物レンズ切り替え手段により、第2対物レンズOBJ2を赤外半導体レーザLD3からの光束の光路中に挿入する。その後、図5において二点鎖線でその光線経路を描いたように、CD用モジュールMD3を作動させて赤外半導体レーザLD3を発光させる。赤外半導体レーザLD3から射出された発散光束は、第2コリメートレンズCOL2により平行光束に変換された後、第3の偏光ビームスプリッタBS3により反射され、絞りSTO2により光束径が規制され、第2対物レンズOBJ2によってCDの保護層PL3を介して情報記録面RL3上に形成されるスポットとなる。第2対物レンズOBJ2は、その周辺に配置された2軸アクチュエータAC2によってフォーカシングやトラッキングを行う。
情報記録面RL3で情報ピットにより変調された反射光束は、再び第2対物レンズOBJ2を通過した後、第3の偏光ビームスプリッタBS3により反射され、CD用モジュールMD3の光検出器PD3の受光面上に収束する。そして、光検出器PD3の出力信号を用いてCDに記録された情報を読み取ることができる。
情報記録面RL3で情報ピットにより変調された反射光束は、再び第2対物レンズOBJ2を通過した後、第3の偏光ビームスプリッタBS3により反射され、CD用モジュールMD3の光検出器PD3の受光面上に収束する。そして、光検出器PD3の出力信号を用いてCDに記録された情報を読み取ることができる。
[第5の実施の形態]
図6は、高密度光ディスクHDとDVDとに対して適切に情報の記録/再生を行える第5の光ピックアップ装置PU5の構成を概略的に示す図である。高密度光ディスクHDの光学的仕様は、波長405nm、保護層の厚さ0.1mm、開口数NA0.85であり、DVDの光学的仕様は、波長655nm、保護層の厚さ0.6mm、開口数NA0.65である。但し、波長、保護層の厚さ、及び開口数の組合せはこれに限られない。
図6は、高密度光ディスクHDとDVDとに対して適切に情報の記録/再生を行える第5の光ピックアップ装置PU5の構成を概略的に示す図である。高密度光ディスクHDの光学的仕様は、波長405nm、保護層の厚さ0.1mm、開口数NA0.85であり、DVDの光学的仕様は、波長655nm、保護層の厚さ0.6mm、開口数NA0.65である。但し、波長、保護層の厚さ、及び開口数の組合せはこれに限られない。
光ピックアップ装置PU5は、高密度光ディスクHDに対して情報の記録/再生を行う場合に発光され405nmのレーザ光束を射出する青紫色半導体レーザLD1、DVDに対して情報の記録/再生を行う場合に発光され655nmのレーザ光束を射出する赤色半導体レーザLD2、高密度光ディスクHDとDVDとの共用の光検出器PD1/PD2、対物レンズOBJと2軸アクチュエータACと高密度光ディスクHDの開口数NA0.85に対応した絞りSTOとから構成された対物レンズユニットOU、コリメートレンズCOL、一対の光学的透明基板T1とT2に挟まれるように配設された一対の電極ELP1とELP2と、これらの電極ELP1及びELP2に更に挟まれるように配設された液晶分子層LCと、電極ELP1及びELP2に電圧を印可するための電源(図示せず)とを備える液晶素子LCD、色収差補正用光学素子HOE、第1の偏光ビームスプリッタBS1、第2の偏光ビームスプリッタBS2、センサーレンズSEN、ビーム整形素子SH、とから構成されている。
尚、高密度光ディスクHD用の光源として、上述の青紫色半導体レーザLD1の他に青紫色SHGレーザを使用することもできる。
尚、高密度光ディスクHD用の光源として、上述の青紫色半導体レーザLD1の他に青紫色SHGレーザを使用することもできる。
対物レンズOBJは、回折レンズL1と、この回折レンズL1を透過したレーザ光束を光ディスクの情報記録面上に集光させる機能を有する両面が非球面とされた集光レンズL2とから構成されている。回折レンズL1はプラスチックレンズであり、集光レンズL2はガラスレンズである。それぞれのレンズは保持部材HBを介して一体化されている。
対物レンズOBJを設計する際に仮定した高密度光ディスクHD及びDVDの光学的仕様は、高密度光ディスクHDが、波長λ1=405nm、保護層PL1の厚さt1=0.1mm、開口数NA1=0.85であり、DVDが、波長λ2=655nm、保護層PL2の厚さt2=0.6mm、開口数NA2=0.65である。但し、波長、保護層の厚さ、及び開口数の組合せはこれに限られない。
対物レンズOBJを設計する際に仮定した高密度光ディスクHD及びDVDの光学的仕様は、高密度光ディスクHDが、波長λ1=405nm、保護層PL1の厚さt1=0.1mm、開口数NA1=0.85であり、DVDが、波長λ2=655nm、保護層PL2の厚さt2=0.6mm、開口数NA2=0.65である。但し、波長、保護層の厚さ、及び開口数の組合せはこれに限られない。
更に、対物レンズユニットOUには、図示は省略するが、2軸アクチュエータAC2の動作制御を行う動作制御回路が設けられている。
回折レンズL1の光源側の光学機能面S1は、NA2内の領域に対応する第1領域AREA1(図示略)と、NA2からNA1までの領域に対応する第2領域AREA2(図示略)とに分割されており、その内部に階段構造が形成された複数の輪帯が、光軸を中心として配列された構造である階段型回折構造DOEが第1領域AREA1に形成されている。なお、階段型回折構造DOEの形状及び機能については、第4の実施の形態と同様であるため、説明を省略する。
回折レンズL1の光源側の光学機能面S1は、NA2内の領域に対応する第1領域AREA1(図示略)と、NA2からNA1までの領域に対応する第2領域AREA2(図示略)とに分割されており、その内部に階段構造が形成された複数の輪帯が、光軸を中心として配列された構造である階段型回折構造DOEが第1領域AREA1に形成されている。なお、階段型回折構造DOEの形状及び機能については、第4の実施の形態と同様であるため、説明を省略する。
色収差補正用光学素子HOEは、色収差補正用光学ユニットとしての機能を備えており、液晶素子LCDは、球面収差補正用光学ユニットとしての機能を備えている。
また、色収差補正用光学素子HOEの入射面上には、青紫色領域における対物レンズOBJの色収差を補正するための回折構造が形成されており、図6中の拡大図に示すように、その輪帯の段差の光軸方向の深さdは、波長405nmのレーザ光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数に対して、波長655nmの光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数がより低次数となるように設計されている。これにより、それぞれの波長領域において十分な回折効率が得られるとともに、青紫色領域で色収差を補正した場合でも、波長655nmの波長領域における色収差補正が過剰になりすぎない。
また、色収差補正用光学素子HOEの入射面上には、青紫色領域における対物レンズOBJの色収差を補正するための回折構造が形成されており、図6中の拡大図に示すように、その輪帯の段差の光軸方向の深さdは、波長405nmのレーザ光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数に対して、波長655nmの光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数がより低次数となるように設計されている。これにより、それぞれの波長領域において十分な回折効率が得られるとともに、青紫色領域で色収差を補正した場合でも、波長655nmの波長領域における色収差補正が過剰になりすぎない。
また、液晶素子LCDは、球面収差補正用光学ユニットとしての機能を備えており、詳しい説明は後述するが、様々な要因で発生する、高密度光ディスクの情報記録面上のスポットの球面収差変化を補正することができる。このような液晶素子LCDにより球面収差変化を補正する技術は、例えば特開2001−43549号公報に記載されているので、ここでは詳細な記述はしない。
光ピックアップ装置PU5において、高密度光ディスクHDに対して情報の記録/再生を行う場合には、図6において実線でその光線経路を描いたように、青紫色半導体レーザLD1を発光させる。青紫色半導体レーザLD1から射出された発散光束は、ビーム整形素子SHを透過することによりその断面形状が楕円形から円形に整形された後、第1及び第2の偏光ビームスプリッタBS1及びBS2を透過した後、コリメートレンズCOLにより平行光束に変換され、色収差補正用光学素子HOEを通過して、絞りSTOにより光束径が規制され、液晶素子LCDを透過し、対物レンズOBJによって高密度光ディスクHDの保護層PL1を介して情報記録面RL1上に形成されるスポットとなる。対物レンズOBJは、その周辺に配置された2軸アクチュエータACによってフォーカシングやトラッキングを行う。
情報記録面RL1で情報ピットにより変調された反射光束は、再び対物レンズOBJ、液晶素子LCD、色収差補正用光学素子HOE、コリメートレンズCOLを透過した後、第2の偏光ビームスプリッタBS2により反射され、センサーレンズSENにより、非点収差が与えられるとともに収斂光束に変換され、光検出器PD1/PD2の受光面上に収束する。そして、光検出器PD1/PD2の出力信号を用いて高密度光ディスクHDに記録された情報を読み取ることができる。
情報記録面RL1で情報ピットにより変調された反射光束は、再び対物レンズOBJ、液晶素子LCD、色収差補正用光学素子HOE、コリメートレンズCOLを透過した後、第2の偏光ビームスプリッタBS2により反射され、センサーレンズSENにより、非点収差が与えられるとともに収斂光束に変換され、光検出器PD1/PD2の受光面上に収束する。そして、光検出器PD1/PD2の出力信号を用いて高密度光ディスクHDに記録された情報を読み取ることができる。
高密度光ディスクHDに対して情報の記録/再生を行う際に、例えば、青紫色半導体レーザLD1から射出させる青紫色レーザ光束の波長変化、保護層PL1の厚さ誤差、2層ディスクの情報記録面間のフォーカスジャンプ、環境温度変化や2軸アクチュエータACの発熱に伴う対物レンズOBJの屈折率変化、等の影響で情報記録面RL1上のスポットの球面収差が補正過剰方向に変化した場合は、電源により電極ELP1とELP2に電圧を印可して、液晶分子層LC内の屈折率分布を変化させることで、液晶素子LCDを透過する青紫色レーザ光束に補正不足の球面収差波面を付加させる。逆に、情報記録面RL1上のスポットの球面収差が補正不足方向に変化した場合は、電源により電極ELP1とELP2に電圧を印可して、液晶分子層LC内の屈折率分布を変化させることで、液晶素子LCDを透過する青紫色レーザ光束に補正過剰の球面収差波面を付加させる。これにより、情報記録面RL1上のスポットは常に球面収差が補正された状態となるので、高密度光ディスクHDに対して良好な記録/再生特性が得られる。
また、回折構造が形成された、色収差補正用光学素子HOEと対物レンズOBJとを透過した波面は色収差が良好に補正された状態となるので、情報の再生から記録へと切り替える際に青紫色半導体レーザLD1がモードホッピングを起こしても、情報記録面RL1上に集光されたスポット径が大きくなることはない。
また、光ピックアップ装置PU5において、DVDに対して情報の記録/再生を行う場合には、図6において破線でその光線経路を描いたように、赤色半導体レーザLD2を発光させる。赤色半導体レーザLD2から射出された発散光束は、第1の偏光ビームスプリッタBS1により反射された後、第2の偏光ビームスプリッタBS2を透過し、コリメートレンズCOLにより平行光束に変換され、色収差補正用光学素子HOEを通過して、絞りSTOにより光束径が規制され、液晶素子LCDを透過し、対物レンズOBJによってDVDの保護層PL2を介して情報記録面RL2上に形成されるスポットとなる。対物レンズOBJは、その周辺に配置された2軸アクチュエータACによってフォーカシングやトラッキングを行う。
情報記録面RL2で情報ピットにより変調された反射光束は、再び対物レンズOBJ、液晶素子LCD、色収差補正用光学素子HOE、コリメートレンズCOLを透過した後、第2の偏光ビームスプリッタBS2により反射され、センサーレンズSENにより、非点収差が与えられるとともに収斂光束に変換され、光検出器PD1/PD2の受光面上に収束する。そして、光検出器PD1/PD2の出力信号を用いてDVDに記録された情報を読み取ることができる。
尚、上述した第1乃至第5の光ピックアップ装置では、球面収差補正用光学ユニットにより、高密度光ディスクHDに対して情報の記録/再生を行う際の情報記録面上のスポットの球面収差を補正する例を説明したが、DVDやCDに対して情報の記録/再生を行う際にも球面収差を補正するような構成としても良い。
情報記録面RL2で情報ピットにより変調された反射光束は、再び対物レンズOBJ、液晶素子LCD、色収差補正用光学素子HOE、コリメートレンズCOLを透過した後、第2の偏光ビームスプリッタBS2により反射され、センサーレンズSENにより、非点収差が与えられるとともに収斂光束に変換され、光検出器PD1/PD2の受光面上に収束する。そして、光検出器PD1/PD2の出力信号を用いてDVDに記録された情報を読み取ることができる。
尚、上述した第1乃至第5の光ピックアップ装置では、球面収差補正用光学ユニットにより、高密度光ディスクHDに対して情報の記録/再生を行う際の情報記録面上のスポットの球面収差を補正する例を説明したが、DVDやCDに対して情報の記録/再生を行う際にも球面収差を補正するような構成としても良い。
[第6の実施の形態]
図24は、高密度光ディスクHDとDVDとCDとに対して適切に情報の記録/再生を行える第6の光ピックアップ装置PU6の構成を概略的に示す図である。高密度光ディスクHDの光学的仕様は、波長405nm、保護層の厚さ0.0875mm、開口数NA0.85であり、DVDの光学的仕様は、波長655nm、保護層の厚さ0.6mm、開口数NA0.60であり、CDの光学的仕様は、波長785nm、保護層の厚さ1.2mm、開口数NA0.45である。但し、波長、保護層の厚さ、及び開口数の組合せはこれに限られない。
図24は、高密度光ディスクHDとDVDとCDとに対して適切に情報の記録/再生を行える第6の光ピックアップ装置PU6の構成を概略的に示す図である。高密度光ディスクHDの光学的仕様は、波長405nm、保護層の厚さ0.0875mm、開口数NA0.85であり、DVDの光学的仕様は、波長655nm、保護層の厚さ0.6mm、開口数NA0.60であり、CDの光学的仕様は、波長785nm、保護層の厚さ1.2mm、開口数NA0.45である。但し、波長、保護層の厚さ、及び開口数の組合せはこれに限られない。
光ピックアップ装置PU6は、高密度光ディスクHDに対して情報の記録/再生を行う場合に発光され405nmのレーザ光束(第1光束)を射出する第1の発光点EP1(第1光源)と、DVDに対して情報の記録/再生を行う場合に発光され655nmのレーザ光束(第2光束)を射出する第2の発光点EP2(第2光源)と、高密度光ディスクHDの情報記録面RL1からの反射光束を受光する第1の受光部DS1と、DVDの情報記録面RL2からの反射光束を受光する第2の受光部DS2と、プリズムPSとから構成された高密度光ディスクHD/DVD用レーザモジュールLM1、CDに対して情報の記録/再生を行う場合に発光され785nmのレーザ光束(第3光束)を射出する赤外半導体レーザLD3(第3光源)と光検出器PD3とが一体化されたCD用モジュールMD3、対物レンズOBJとCD用の開口制限素子APと2軸アクチュエータAC2と高密度光ディスクHDの開口数NA0.85に対応した絞りSTOと保持部材HBとから構成された対物レンズユニットOU、偏光ビームスプリッタBS、コリメートレンズCOLと1軸アクチュエータAC1とから構成されたコリメートレンズユニットCU、ビーム整形素子SHとから構成されている。
光ピックアップ装置PU6において、高密度光ディスクHDに対して情報の記録/再生を行う場合には、高密度光ディスクHD/DVD用レーザモジュールLM1を作動させて第1の発光点EP1を発光させる。第1の発光点EP1から射出された発散光束は、図24において実線でその光線経路を描いたように、プリズムPSで反射され、ビーム整形素子SHを透過することにより、その断面形状が楕円形から円形に整形され、コリメートレンズCOLを経て平行光束とされた後、偏光ビームスプリッタBSを透過し、絞りSTOにより光束径が規制され、開口制限素子APを透過し、対物レンズOBJによって高密度光ディスクHDの保護層PL1を介して情報記録面RL1上に形成されるスポットとなる。対物レンズOBJは、その周辺に配置された2軸アクチュエータAC2によってフォーカシングやトラッキングを行う。情報記録面RL1で情報ピットにより変調された反射光束は、再び対物レンズOBJ、開口制限素子AP、偏光ビームスプリッタBSを透過し、コリメートレンズCOLによって収斂光束とされ、ビーム整形素子SHを透過した後、プリズムPS内部で2回反射され受光部DS1に集光する。そして、受光部DS1の出力信号を用いて高密度光ディスクHDに記録された情報を読み取ることができる。
また、光ピックアップ装置PU6においてDVDに対して情報の記録/再生を行う場合には、第2光束が平行光束の状態でコリメートレンズCOLから射出されるように、対物レンズOBJとコリメートレンズCOLとの間の距離が、高密度光ディスクHDに対して情報の記録/再生を行う場合よりも小さくなるように1軸アクチュエータAC2によりコリメートレンズCOLを移動させる。その後、対物レンズOBJと第1高密度光ディスクHD/DVD用レーザモジュールLM1を作動させて第2の発光点EP2を発光させる。第2の発光点EP2から射出された発散光束は、図24において点線でその光線経路を描いたように、プリズムPSで反射され、ビーム整形素子SHを透過することにより、その断面形状が楕円形から円形に整形され、コリメートレンズCOLを経て平行光束とされた後、偏光ビームスプリッタBSを透過し、開口制限素子APを透過し、対物レンズOBJによってDVDの保護層PL2を介して情報記録面RL2上に形成されるスポットとなる。対物レンズOBJは、その周辺に配置された2軸アクチュエータAC2によってフォーカシングやトラッキングを行う。情報記録面RL2で情報ピットにより変調された反射光束は、再び対物レンズOBJ、開口制限素子AP、偏光ビームスプリッタBSを透過し、コリメートレンズCOLによって収斂光束とされ、ビーム整形素子SHを透過した後、プリズムPS内部で2回反射され受光部DS2に集光する。そして、受光部DS2の出力信号を用いてDVDに記録された情報を読み取ることができる。
また、CDに対して情報の記録/再生を行う場合には、図24において二点鎖線でその光線経路を描いたように、CD用モジュールMD3を作動させて赤外半導体レーザLD3を発光させる。赤外半導体レーザLD3から射出された発散光束は、偏光ビームスプリッタBSにより反射され、開口制限素子APにより光束径が規制され、対物レンズOBJによってCDの保護層PL3を介して情報記録面RL3上に形成されるスポットとなる。対物レンズOBJは、その周辺に配置された2軸アクチュエータAC2によってフォーカシングやトラッキングを行う。情報記録面RL3で情報ピットにより変調された反射光束は、再び対物レンズOBJ、開口制限素子APを透過した後、偏光ビームスプリッタBSにより反射され、CD用モジュールMD1の光検出器PD3の受光面上に収束する。そして、光検出器PD3の出力信号を用いてCDに記録された情報を読み取ることができる。
対物レンズOBJは、回折レンズL1と、この回折レンズL1を透過したレーザ光束を光ディスクの情報記録面上に集光させる機能を有する両面が非球面とされた集光レンズL2とから構成されている。それぞれのレンズは共にプラスチックレンズであり、光学面と一体に成形されたフランジ部を接合することで一体化されている。
対物レンズユニットOUには、図示は省略するが、2軸アクチュエータAC2の動作制御を行う動作制御回路が設けられている。
回折レンズL1の光源側の光学機能面S1は、NA2内の領域に対応する第1領域AREA1(図示略)と、NA2からNA1までの領域に対応する第2領域AREA2(図示略)とに分割されており、その内部に階段構造が形成された複数の輪帯が、光軸を中心として配列された構造である階段型回折構造DOEが第1領域AREA1に形成されている。
第1領域AREA1に形成された階段型回折構造DOEにおいて、各輪帯内に形成された階段構造の1段あたりの深さdは、
d=2・λ1/(n1−1)(μm)
で算出される値に設定され、各輪帯の分割数Nは5に設定されている。但し、λ1は青紫色半導体レーザから射出されるレーザ光束の波長をミクロン単位で表したものであり(ここでは、λ1=0.405μm)、n1は回折レンズL1の波長λ1に対する屈折率である(ここでは、n1=1.524694)。
回折レンズL1の光源側の光学機能面S1は、NA2内の領域に対応する第1領域AREA1(図示略)と、NA2からNA1までの領域に対応する第2領域AREA2(図示略)とに分割されており、その内部に階段構造が形成された複数の輪帯が、光軸を中心として配列された構造である階段型回折構造DOEが第1領域AREA1に形成されている。
第1領域AREA1に形成された階段型回折構造DOEにおいて、各輪帯内に形成された階段構造の1段あたりの深さdは、
d=2・λ1/(n1−1)(μm)
で算出される値に設定され、各輪帯の分割数Nは5に設定されている。但し、λ1は青紫色半導体レーザから射出されるレーザ光束の波長をミクロン単位で表したものであり(ここでは、λ1=0.405μm)、n1は回折レンズL1の波長λ1に対する屈折率である(ここでは、n1=1.524694)。
この階段型回折構造DOEに対して、波長λ1のレーザ光束が入射した場合、隣接する階段間では2×λ1(μm)の光路差が発生し、波長λ1のレーザ光束は実質的に位相差が与えられないので回折されずにそのまま透過する。尚、以下の説明では、階段型回折構造により実質的に位相差が与えられずにそのまま透過する光束を0次回折光という。
また、この階段型回折構造DOEに対して、波長λ3のレーザ光束が入射した場合には、λ3≒2×λ1であるので、隣接する階段間では1×λ3(μm)の光路差が発生し、波長λ3のレーザ光束も波長λ1のレーザ光束と同様に、実質的に位相差が与えらずにそのまま透過する。
一方、この階段型回折構造DOEに対して、赤色半導体レーザから射出される波長λ2(ここでは、λ2=0.655m)のレーザ光束が入射した場合、隣接する階段間ではd×(n2−1)−λ2=0.13μmの光路差が生じることになり、5分割された輪帯1つ分では、0.13×5=0.65μmと波長λ2の1波長分の光路差が生じるので、隣接する輪帯を透過した波面がそれぞれ1波長ずれて重なり合うことになる。即ち、この階段型回折構造DOEにより波長λ2の光束は1次方向に回折される回折光となる。対物レンズOBJでは、階段型回折構造DOEの波長λ2に対する回折作用を利用して、高密度光ディスクHDの保護層PL1とDVDの保護層PL2との厚さの違いに起因して発生する球面収差を補正している。尚、n2は回折レンズL2の波長λ2に対する屈折率である(ここでは、n2=1.506513)。このときの波長λ2のレーザ光束の1次回折光の回折効率は、87.3%となるが、DVDに対する情報の記録/再生には十分な光量である。
また、この階段型回折構造DOEに対して、波長λ3のレーザ光束が入射した場合には、λ3≒2×λ1であるので、隣接する階段間では1×λ3(μm)の光路差が発生し、波長λ3のレーザ光束も波長λ1のレーザ光束と同様に、実質的に位相差が与えらずにそのまま透過する。
一方、この階段型回折構造DOEに対して、赤色半導体レーザから射出される波長λ2(ここでは、λ2=0.655m)のレーザ光束が入射した場合、隣接する階段間ではd×(n2−1)−λ2=0.13μmの光路差が生じることになり、5分割された輪帯1つ分では、0.13×5=0.65μmと波長λ2の1波長分の光路差が生じるので、隣接する輪帯を透過した波面がそれぞれ1波長ずれて重なり合うことになる。即ち、この階段型回折構造DOEにより波長λ2の光束は1次方向に回折される回折光となる。対物レンズOBJでは、階段型回折構造DOEの波長λ2に対する回折作用を利用して、高密度光ディスクHDの保護層PL1とDVDの保護層PL2との厚さの違いに起因して発生する球面収差を補正している。尚、n2は回折レンズL2の波長λ2に対する屈折率である(ここでは、n2=1.506513)。このときの波長λ2のレーザ光束の1次回折光の回折効率は、87.3%となるが、DVDに対する情報の記録/再生には十分な光量である。
尚、階段型回折構造DOEは、光軸を含む第1領域AREA1に形成されているので、保護層PL1と保護層PL2との厚さの違いに起因して発生する球面収差は、第1領域AREA1通過する波長λ2の光束に対してのみ補正され、その周囲を囲む第2領域AREA2を通過する波長λ2の光束に対しては補正されない。従って、対物レンズOBJに入射した波長λ2の光束のうち、第2領域AREA2を通過する光束は、DVDの情報記録面RL2上へのスポット形成に寄与しないフレア成分となる。
これは、自動的にNA2に対応した開口制限がなされることと等価であるので、第4の光ピックアップ装置PU4においては、DVDの開口数NA2に対応した開口制限素子を別途設ける必要がない。
これは、自動的にNA2に対応した開口制限がなされることと等価であるので、第4の光ピックアップ装置PU4においては、DVDの開口数NA2に対応した開口制限素子を別途設ける必要がない。
コリメートレンズユニットCUは、色収差補正用光学ユニットとしての機能と球面収差補正用光学ユニットとしての機能を兼ね備えている。つまり、色収差補正用光学ユニットと球面収差補正用光学ユニットとは同一の光学ユニットとなっている。
コリメートレンズCOLの出射面上には、青紫色領域における対物レンズOBJの色収差を補正するための回折構造HOEが形成されており、図中の拡大図に示すように、その輪帯の段差の光軸方向の深さdは、波長405nmのレーザ光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数に対して、波長655nmの光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数がより低次数となるように設計されている。これにより、それぞれの波長領域において十分な回折効率が得られるとともに、青紫色領域で色収差を補正した場合でも、波長655nmの波長領域における色収差補正が過剰になりすぎない。
また、コリメートレンズCOLは、1軸アクチュエータAC1により光軸に沿って変移することで、対物レンズOBJへの入射光束のマージナル光線の傾角を変化させることが可能となっているため、第1波長λ1と第2波長λ2との間の色収差を吸収し、何れの波長の光束も平行光束の状態でコリメートレンズCOLから射出することが出来る。更に、高密度光ディスクHDに対する情報の記録/再生時にコリメートレンズCOLを光軸方向に変移させることで、高密度光ディスクHDの情報記録面RL1上に形成されたスポットの球面収差を補正することが可能となるので、高密度光ディスクHDに対して常に良好な記録/再生特性を維持することができる。
コリメートレンズCOLの出射面上には、青紫色領域における対物レンズOBJの色収差を補正するための回折構造HOEが形成されており、図中の拡大図に示すように、その輪帯の段差の光軸方向の深さdは、波長405nmのレーザ光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数に対して、波長655nmの光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数がより低次数となるように設計されている。これにより、それぞれの波長領域において十分な回折効率が得られるとともに、青紫色領域で色収差を補正した場合でも、波長655nmの波長領域における色収差補正が過剰になりすぎない。
また、コリメートレンズCOLは、1軸アクチュエータAC1により光軸に沿って変移することで、対物レンズOBJへの入射光束のマージナル光線の傾角を変化させることが可能となっているため、第1波長λ1と第2波長λ2との間の色収差を吸収し、何れの波長の光束も平行光束の状態でコリメートレンズCOLから射出することが出来る。更に、高密度光ディスクHDに対する情報の記録/再生時にコリメートレンズCOLを光軸方向に変移させることで、高密度光ディスクHDの情報記録面RL1上に形成されたスポットの球面収差を補正することが可能となるので、高密度光ディスクHDに対して常に良好な記録/再生特性を維持することができる。
コリメートレンズCOLの位置調整により補正する球面収差の発生原因は、例えば、青紫色半導体レーザLD1の製造誤差による波長ばらつき、温度変化に伴う対物レンズOBJの屈折率変化や屈折率分布、2層ディスク、4層ディスク等の多層ディスクに対する記録/再生時における層間のフォーカスジャンプ、保護層PL1の製造誤差による厚みばらつきや厚み分布、等である。
以上の説明では、高密度光ディスクHDの情報記録面RL1上に形成されたスポットの球面収差を補正する場合について説明したが、DVDの情報記録面RL2上に形成されたスポットの球面収差をコリメートレンズCOLの位置調整により補正するようにしても良い。
以上の説明では、高密度光ディスクHDの情報記録面RL1上に形成されたスポットの球面収差を補正する場合について説明したが、DVDの情報記録面RL2上に形成されたスポットの球面収差をコリメートレンズCOLの位置調整により補正するようにしても良い。
また、本実施の形態では、NA3に対応した開口制限を行うための開口素子として、接合部材HBを介して対物レンズOBJと一体化された開口制限素子APを備えている。そして、2軸アクチュエータAC2により、開口制限素子APと対物レンズOBJとを一体にトラッキング駆動させるようになっている。
開口制限素子APの光学面上には、透過率の波長選択性を有する波長選択フィルタWFが形成されている。この波長選択フィルタWFは、NA3内の領域では第1波長λ1乃至第3波長λ3の全ての波長を透過させ、NA3からNA1の領域では第3波長λ3のみを遮断し、第1波長λ1及び第2波長λ2を透過する透過率の波長選択性を有しているので、かかる波長選択性によりNA3に対応した開口制限を行うことができる。
なお、回折レンズL1の光学機能面上に波長選択フィルタWFを形成してもよく、あるいは、集光レンズL2の光学機能面上に形成してもよい。
開口制限素子APの光学面上には、透過率の波長選択性を有する波長選択フィルタWFが形成されている。この波長選択フィルタWFは、NA3内の領域では第1波長λ1乃至第3波長λ3の全ての波長を透過させ、NA3からNA1の領域では第3波長λ3のみを遮断し、第1波長λ1及び第2波長λ2を透過する透過率の波長選択性を有しているので、かかる波長選択性によりNA3に対応した開口制限を行うことができる。
なお、回折レンズL1の光学機能面上に波長選択フィルタWFを形成してもよく、あるいは、集光レンズL2の光学機能面上に形成してもよい。
[第7の実施の形態]
図25は、高密度光ディスクHDとDVDとCDとに対して適切に情報の記録/再生を行える第7の光ピックアップ装置PU7の構成を概略的に示す図である。高密度光ディスクHDの光学的仕様は、波長405nm、保護層の厚さ0.0875mm、開口数NA0.85であり、DVDの光学的仕様は、波長655nm、保護層の厚さ0.6mm、開口数NA0.60であり、CDの光学的仕様は、波長785nm、保護層の厚さ1.2mm、開口数NA0.45である。但し、波長、保護層の厚さ、及び開口数の組合せはこれに限られない。
図25は、高密度光ディスクHDとDVDとCDとに対して適切に情報の記録/再生を行える第7の光ピックアップ装置PU7の構成を概略的に示す図である。高密度光ディスクHDの光学的仕様は、波長405nm、保護層の厚さ0.0875mm、開口数NA0.85であり、DVDの光学的仕様は、波長655nm、保護層の厚さ0.6mm、開口数NA0.60であり、CDの光学的仕様は、波長785nm、保護層の厚さ1.2mm、開口数NA0.45である。但し、波長、保護層の厚さ、及び開口数の組合せはこれに限られない。
光ピックアップ装置PU7は、高密度光ディスクHDに対して情報の記録/再生を行う場合に発光され405nmのレーザ光束(第1光束)を射出する青紫色半導体レーザLD1とDVDに対して情報の記録/再生を行う場合に発光され655nmのレーザ光束(第2光束)を射出する赤色半導体レーザLD2とが一体化された光源ユニットLDU、高密度光ディスクHDとDVDとの共用の光検出器PD、CDに対して情報の記録/再生を行う場合に発光され785nmのレーザ光束(第3光束)を射出する赤外半導体レーザLD3と光検出器PD3とが一体化されたCD用モジュールMD3、対物レンズOBJとCD用の開口制限素子APと2軸アクチュエータAC2と高密度光ディスクHDの開口数NA0.85に対応した絞りSTOと保持部材HBとから構成された対物レンズユニットOU、第1の偏光ビームスプリッタBS1、第2の偏光ビームスプリッタBS2、コリメートレンズCOL、負レンズE1と正レンズE2とから構成されるエキスパンダーレンズEXPと1軸アクチュエータAC1とから構成されたエキスパンダーレンズユニットEU、情報記録面RL1及びRL2からの反射光束を分割するためのセンサーレンズSEN、ビーム整形素子SHとから構成されている。
光ピックアップ装置PU7において、高密度光ディスクHDに対して情報の記録/再生を行う場合には、図25において実線でその光線経路を描いたように、青紫色半導体レーザLD1を発光させる。青紫色半導体レーザLD1から射出された発散光束は、ビーム整形素子SHを透過することによりその断面形状が楕円形から円形に整形された後、第1の偏光ビームスプリッタBS1を透過し、コリメートレンズCOLにより平行光束に変換され、エキスパンダーレンズEXP、第2の偏光ビームスプリッタBS2を透過した後、絞りSTOにより光束径が規制され、開口制限素子APを透過し、対物光学系OBJによって高密度光ディスクHDの保護層PL1を介して情報記録面RL1上に形成されるスポットとなる。対物光学系OBJは、その周辺に配置された2軸アクチュエータAC2によってフォーカシングやトラッキングを行う。
情報記録面RL1で情報ピットにより変調された反射光束は、再び対物光学系OBJ、開口制限素子AP、第2の偏光ビームスプリッタBS2、エキスパンダーレンズEXP、コリメートレンズCOLを通過した後、第1の偏光ビームスプリッタBS1により反射され、センサーレンズSENにより非点収差が与えられ、光検出器PDの受光面上に収束する。そして、光検出器PDの出力信号を用いて高密度光ディスクHDに記録された情報を読み取ることができる。
また、DVDに対して情報の記録/再生を行う場合には、第2光束が平行光束の状態でビームエキスパンダーEXPから射出されるように、エキスパンダーレンズEXPの負レンズE1と正レンズE2との距離が、高密度光ディスクHDに対して情報の記録/再生を行う場合よりも大きくなるように1軸アクチュエータAC1により負レンズE1を移動させる。その後、図25において点線でその光線経路を描いたように、赤色半導体レーザLD2を発光させる。赤色半導体レーザLD2から射出された発散光束は、ビーム整形素子SHを透過することによりその断面形状が楕円形から円形に整形された後、第1の偏光ビームスプリッタBS1を透過し、コリメートレンズCOLにより弱発散光束に変換され、エキスパンダーレンズEXPにより平行光束に変換され、第2の偏光ビームスプリッタBS2、開口制限素子APを透過した後、対物光学系OBJによってDVDの保護層PL2を介して情報記録面RL2上に形成されるスポットとなる。対物光学系OBJは、その周辺に配置された2軸アクチュエータAC2によってフォーカシングやトラッキングを行う。
情報記録面RL2で情報ピットにより変調された反射光束は、再び対物光学系OBJ、開口制限素子AP、第2の偏光ビームスプリッタBS2、エキスパンダーレンズEXP、コリメートレンズCOLを通過した後、第1の偏光ビームスプリッタBS1により反射され、センサーレンズSENにより非点収差が与えられ、光検出器PDの受光面上に収束する。そして、光検出器PDの出力信号を用いてDVDに記録された情報を読み取ることができる。
情報記録面RL2で情報ピットにより変調された反射光束は、再び対物光学系OBJ、開口制限素子AP、第2の偏光ビームスプリッタBS2、エキスパンダーレンズEXP、コリメートレンズCOLを通過した後、第1の偏光ビームスプリッタBS1により反射され、センサーレンズSENにより非点収差が与えられ、光検出器PDの受光面上に収束する。そして、光検出器PDの出力信号を用いてDVDに記録された情報を読み取ることができる。
また、CDに対して情報の記録/再生を行う場合には、図25において二点鎖線でその光線経路を描いたように、CD用モジュールMD3を作動させて赤外半導体レーザLD3を発光させる。赤外半導体レーザLD3から射出された発散光束は、第2の偏光ビームスプリッタBS2により反射された後、開口制限素子APにより光束径が規制され、対物光学系OBJによってCDの保護層PL3を介して情報記録面RL3上に形成されるスポットとなる。対物光学系OBJは、その周辺に配置された2軸アクチュエータAC2によってフォーカシングやトラッキングを行う。
情報記録面RL3で情報ピットにより変調された反射光束は、再び対物光学系OBJ、開口制限素子APを透過した後、第2の偏光ビームスプリッタBS2により反射され、CD用モジュールMD1の光検出器PD3の受光面上に収束する。そして、光検出器PD3の出力信号を用いてCDに記録された情報を読み取ることができる。
対物光学系OBJの構成や機能は、第6の実施の形態における対物光学系OBJと同じであるのでここでは詳細な説明は割愛する。
また、開口制限素子APの構成や機能は、第6の実施の形態における開口制限素子APと同じであるのでここでは詳細な説明は割愛する。
対物光学系OBJの構成や機能は、第6の実施の形態における対物光学系OBJと同じであるのでここでは詳細な説明は割愛する。
また、開口制限素子APの構成や機能は、第6の実施の形態における開口制限素子APと同じであるのでここでは詳細な説明は割愛する。
本実施の形態においては、エキスパンダーレンズユニットEUは、色収差補正用光学ユニットとしての機能と球面収差補正用光学ユニットとしての機能を兼ね備えている。つまり、色収差補正用光学ユニットと球面収差補正用光学ユニットとは同一の光学ユニットとなっている。
また、エキスパンダーレンズEXPの正レンズE2の出射面上には、青紫色領域における第1対物レンズOBJの色収差を補正するための回折構造HOEが形成されており、図中の拡大図に示すように、その輪帯の段差の光軸方向の深さdは、波長405nmのレーザ光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数に対して、波長655nmの光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数がより低次数となるように設計されている。これにより、それぞれの波長領域において十分な回折効率が得られるとともに、青紫色領域で色収差を補正した場合でも、波長655nmの波長領域における色収差補正が過剰になりすぎない。
また、エキスパンダーレンズEXPの正レンズE2の出射面上には、青紫色領域における第1対物レンズOBJの色収差を補正するための回折構造HOEが形成されており、図中の拡大図に示すように、その輪帯の段差の光軸方向の深さdは、波長405nmのレーザ光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数に対して、波長655nmの光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数がより低次数となるように設計されている。これにより、それぞれの波長領域において十分な回折効率が得られるとともに、青紫色領域で色収差を補正した場合でも、波長655nmの波長領域における色収差補正が過剰になりすぎない。
また、エキスパンダーレンズEXPの負レンズE1は、1軸アクチュエータAC2により光軸方向にその位置が変移可能であるように構成されており、上述したように、第1波長λ1と第2波長λ2との間の色収差を吸収し、何れの波長の光束も平行光束の状態でエキスパンダーレンズEXPから射出することが出来る。更に、高密度光ディスクHDに対する情報の記録/再生時に負レンズE1を光軸方向に変移させることで、高密度光ディスクHDの情報記録面RL1上に形成されたスポットの球面収差を補正することが可能となるので、高密度光ディスクHDに対して常に良好な記録/再生特性を維持することができる。
負レンズE1の位置調整により補正する球面収差の発生原因は、例えば、青紫色半導体レーザLD1の製造誤差による波長ばらつき、温度変化に伴う対物光学系OBJの屈折率変化や屈折率分布、2層ディスク、4層ディスク等の多層ディスクに対する記録/再生時における層間のフォーカスジャンプ、保護層PL1の製造誤差による厚みばらつきや厚み分布、等である。
以上の説明では、高密度光ディスクHDの情報記録面RL1上に形成されたスポットの球面収差を補正する場合について説明したが、DVDの情報記録面RL2上に形成されたスポットの球面収差を負レンズE1の位置調整により補正するようにしても良い。
負レンズE1の位置調整により補正する球面収差の発生原因は、例えば、青紫色半導体レーザLD1の製造誤差による波長ばらつき、温度変化に伴う対物光学系OBJの屈折率変化や屈折率分布、2層ディスク、4層ディスク等の多層ディスクに対する記録/再生時における層間のフォーカスジャンプ、保護層PL1の製造誤差による厚みばらつきや厚み分布、等である。
以上の説明では、高密度光ディスクHDの情報記録面RL1上に形成されたスポットの球面収差を補正する場合について説明したが、DVDの情報記録面RL2上に形成されたスポットの球面収差を負レンズE1の位置調整により補正するようにしても良い。
[実施例]
次に、上述した光ピックアップ装置PU1におけるエキスパンダーレンズEXP及び対物レンズOBJとして好適な光学系である実施例1と、光ピックアップ装置PU2におけるコリメートレンズCOL、第1の対物レンズOBJ1、及び第2の対物レンズOBJ2として好適な光学系である実施例2と、光ピックアップ装置PU4における第1コリメートレンズCOL1及び第1対物レンズOBJ1として好適な光学系である実施例3と、光ピックアップ装置PU5における色収差補正用光学素子HOE及び対物レンズOBJとして好適な光学系である実施例4と、光ピックアップ装置PU6におけるコリメートレンズCOL及び対物レンズOBJとして好適な光学系である実施例5について説明する。
各実施例における非球面は、その面の頂点に接する平面からの変形量をX(mm)、光軸に垂直な方向の高さをh(mm)、曲率半径をr(mm)とするとき、次の数2で表される。ただし、κを円錐係数、A2iを非球面係数とする。
次に、上述した光ピックアップ装置PU1におけるエキスパンダーレンズEXP及び対物レンズOBJとして好適な光学系である実施例1と、光ピックアップ装置PU2におけるコリメートレンズCOL、第1の対物レンズOBJ1、及び第2の対物レンズOBJ2として好適な光学系である実施例2と、光ピックアップ装置PU4における第1コリメートレンズCOL1及び第1対物レンズOBJ1として好適な光学系である実施例3と、光ピックアップ装置PU5における色収差補正用光学素子HOE及び対物レンズOBJとして好適な光学系である実施例4と、光ピックアップ装置PU6におけるコリメートレンズCOL及び対物レンズOBJとして好適な光学系である実施例5について説明する。
各実施例における非球面は、その面の頂点に接する平面からの変形量をX(mm)、光軸に垂直な方向の高さをh(mm)、曲率半径をr(mm)とするとき、次の数2で表される。ただし、κを円錐係数、A2iを非球面係数とする。
実施例1は、光ピックアップ装置PU1におけるエキスパンダーレンズEXP及び対物レンズOBJとして好適な光学系であって、波長405nm、0.6mmの厚さの保護層に対して、収差補正が最適化されたプラスチックレンズである対物レンズOBJと、負レンズNLと正レンズPLの2枚のプラスチックレンズから構成されたエキスパンダーレンズEXPと、から構成されている。
表1に、この光学系の具体的なレンズデータを示し、図7に、高密度光ディスクHDに対して情報の記録/再生を行うときの光路図を示し、図8に、DVDに対して情報の記録/再生を行うときの光路図を示し、図9に、CDに対して情報の記録/再生を行うときの光路図を示す。
表1に、この光学系の具体的なレンズデータを示し、図7に、高密度光ディスクHDに対して情報の記録/再生を行うときの光路図を示し、図8に、DVDに対して情報の記録/再生を行うときの光路図を示し、図9に、CDに対して情報の記録/再生を行うときの光路図を示す。
表1において、f1、NA1、λ1、m1、n1は高密度光ディスクHD使用時の、対物レンズOBJの焦点距離、対物レンズOBJの開口数、光学系の設計波長、対物レンズOBJの倍率、エキスパンダーレンズEXPの正レンズPLに形成した回折構造で発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数であり、f2、NA2、λ2、m2、n2はDVD使用時の同様の値であり、f3、NA3、λ3、m3、n3はCD使用時の同様の値である。また、d2、d6、d7はそれぞれの光ディスク使用時における負レンズNLと正レンズPLの間隔、保護層の厚さ、作動距離である。また、r(mm)は曲率半径、d(mm)は面間隔、Nλ1は波長λ1における屈折率、Nλ2は波長λ2における屈折率、Nλ3は波長λ3における屈折率、νdはd線におけるアッベ数を、λBは回折構造の製造波長を表す。
正レンズPLの対物レンズOBJ側の光学面(表1において第4面)には、回折構造が形成されており、その光軸に最も近い段差の深さは、7.6μmである。この回折構造に青紫色半導体レーザLD1からのレーザ光束が入射すると、10次回折光が最大の回折効率を有するように発生し、レーザモジュールLMの第1の発光点EP1からのレーザ光束が入射すると、6次回折光が最大の回折効率を有するように発生し、レーザモジュールLMの第2の発光点EP2からのレーザ光束が入射すると、5次回折光が最大の回折効率を有するように発生する。
この構成によると、各波長の各回折次数での回折効率は、それぞれ、405nmに対する10次回折光が100%、655nmに対する6次回折光が99.7%、785nmに対する5次回折光が99.6%となり、いずれの波長に対しても高い回折効率を確保できる。
この構成によると、各波長の各回折次数での回折効率は、それぞれ、405nmに対する10次回折光が100%、655nmに対する6次回折光が99.7%、785nmに対する5次回折光が99.6%となり、いずれの波長に対しても高い回折効率を確保できる。
この回折構造による青紫色領域での対物レンズOBJの色収差補正効果を図10に示す。図中、「OBJ+EXP」は、対物レンズOBJとエキスパンダーレンズEXPから構成される光学系の特性を示し、「OBJ」は対物レンズOBJの特性を示す。また、波面収差を計算する際には、対物レンズOBJは405nmでの最良像面位置に固定されている。図10から、対物レンズOBJとエキスパンダーレンズEXPから構成される光学系は、青紫色半導体レーザLD1のモードホッピングによる波長変化(+1nm程度)に対して十分な性能を有するといえる。
この光学系においては、高密度光ディスクHDに対する情報の記録/再生中に、エキスパンダーレンズEXPの負レンズNLと正レンズPLとの間隔を可変調整することで、様々な要因で発生する球面収差を補正することが可能である。
この光学系においては、高密度光ディスクHDに対する情報の記録/再生中に、エキスパンダーレンズEXPの負レンズNLと正レンズPLとの間隔を可変調整することで、様々な要因で発生する球面収差を補正することが可能である。
図11に、その一例として、温度変化により対物レンズOBJで発生する球面収差の補正結果を示す。図中、「OBJ+EXP」は、対物レンズOBJとエキスパンダーレンズEXPから構成される光学系の特性を示し、「OBJ」は対物レンズOBJの特性を示し、「EXP間隔」は、各温度に対する負レンズNLと正レンズPLの最適間隔を示す。対物レンズOBJの温度変化に対する屈折率の変化量は、−1.1×10-5/℃である。図11から、対物レンズOBJとエキスパンダーレンズEXPから構成される光学系は、環境温度変化や2軸アクチュエータAC2の発熱により対物レンズOBJの温度が変化した場合でも良好な性能を維持できるといえる。
また、DVDに対しては、負レンズNLと正レンズPLの間隔を1.51mmとし、対物レンズOBJに対して発散光束が入射するようにして、対物レンズOBJの波長分散で発生する球面収差を補正した状態で、情報の記録/再生を行う。
また、DVDに対しては、負レンズNLと正レンズPLの間隔を1.51mmとし、対物レンズOBJに対して発散光束が入射するようにして、対物レンズOBJの波長分散で発生する球面収差を補正した状態で、情報の記録/再生を行う。
更に、CDに対しては、負レンズNLと正レンズPLの間隔を0.10mmとし、対物レンズOBJに対して発散光束が入射するようにして、対物レンズOBJの波長分散で発生する球面収差と、高密度光ディスクHDとCDの保護層の厚さ違いによる球面収差を補正した状態で、情報の記録/再生を行う。
実施例2は、光ピックアップ装置PU2におけるコリメートレンズCOL、第1対物レンズOBJ1及び第2対物レンズOBJ2として好適な光学系であって、波長405nm、0.1mmの厚さの保護層に対して、収差補正が最適化された2群2枚構成のプラスチックレンズである第1対物レンズOBJ1と、波長405nm、0.6mmの厚さの保護層に対して、収差補正が最適化されたプラスチックレンズである第2対物レンズOBJ2と、プラスチックレンズであるコリメートレンズCOLと、から構成されている。
表2に、第1対物レンズOBJ1とコリメートレンズCOLとから構成される光学系の具体的なレンズデータを示し、表3に、第2対物レンズOBJ2とコリメートレンズCOLとから構成される光学系の具体的なレンズデータを示し、図12に、第1の高密度光ディスクHD1に対して情報の記録/再生を行うときの光路図を示し、図13に、第2の高密度光ディスクHD2に対して情報の記録/再生を行うときの光路図を示し、図14に、DVDに対して情報の記録/再生を行うときの光路図を示し、図15に、CDに対して情報の記録/再生を行うときの光路図を示す。
表2において、f1、NA1、λ1、m1、n1は第1の高密度光ディスクHD1使用時の、第1対物レンズOBJ1の焦点距離、第1対物レンズOBJ1の開口数、光学系の設計波長、第1対物レンズOBJ1の倍率、コリメートレンズCOLに形成した回折構造で発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数である。また、r(mm)は曲率半径、d(mm)は面間隔、Nλ1は波長λ1における屈折率、Nλ2は波長λ2における屈折率、Nλ3は波長λ3における屈折率、νdはd線におけるアッベ数を表し、λBは、回折構造の製造波長を表す。
表3において、f1、NA1、λ1、m1、n1は第2の高密度光ディスクHD2使用時の、第2対物レンズOBJ2の焦点距離、第2対物レンズOBJ2の開口数、光学系の設計波長、第2対物レンズOBJ2の倍率、コリメートレンズCOLに形成した回折構造で発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数であり、f2、NA2、λ2、m2、n2はDVD使用時の同様の値であり、f3、NA3、λ3、m3、n3はCD使用時の同様の値である。また、d0、d2、d4、d5はそれぞれの光ディスク使用時における物体距離、コリメートレンズCOLと第2対物レンズOBJ2の間隔、保護層の厚さ、作動距離である。また、r(mm)は曲率半径、d(mm)は面間隔、Nλ1は波長λ1における屈折率、Nλ2は波長λ2における屈折率、Nλ3は波長λ3における屈折率、νdはd線におけるアッベ数を表す。
コリメートレンズCOLの対物レンズOBJ側の光学面(表2、及び表3において第2面)には、回折構造が形成されており、その光軸に最も近い段差の深さは、1.48μmである。この回折構造に青紫色半導体レーザLD1からのレーザ光束が入射すると、2次回折光が最大の回折効率を有するように発生し、レーザモジュールLMの第1の発光点EP1からのレーザ光束が入射すると、1次回折光が最大の回折効率を有するように発生し、レーザモジュールLMの第2の発光点EP2からのレーザ光束が入射すると、1次回折光が最大の回折効率を有するように発生する。
この構成によると、各波長の各回折次数での回折効率は、それぞれ、405nmに対する2次回折光が97.7%、655nmに対する1次回折光が93.4%、785nmに対する1次回折光が99.2%となり、いずれの波長に対しても高い回折効率を確保できる。
この構成によると、各波長の各回折次数での回折効率は、それぞれ、405nmに対する2次回折光が97.7%、655nmに対する1次回折光が93.4%、785nmに対する1次回折光が99.2%となり、いずれの波長に対しても高い回折効率を確保できる。
この回折構造による青紫色領域での第1対物レンズOBJ1の色収差補正効果を図16に示す。図中、「OBJ+COL」は、第1対物レンズOBJ1とコリメートレンズCOLから構成される光学系の特性を示し、「OBJ」は第1対物レンズOBJ1の特性を示す。
更に、この回折構造による青紫色領域での第2対物レンズOBJ2の色収差補正効果を図17に示す。図中、「OBJ+COL」は、第2対物レンズOBJ2とコリメートレンズCOLから構成される光学系の特性を示し、「OBJ」は第2対物レンズOBJ2の特性を示す。
図16及び図17において、波面収差を計算する際には、これらの対物レンズOBJ1、OBJ2は405nmでの最良像面位置に固定されている。図16及び図17から、第1対物レンズOBJ1とコリメートレンズCOLから構成される光学系と第2対物レンズOBJ2とコリメートレンズCOLから構成される光学系は、共に、青紫色半導体レーザLD1のモードホッピングによる波長変化(+1nm程度)に対して十分な性能を有するといえる。
この光学系においては、第1の高密度光ディスクHD1及び第2の高密度光ディスクHD2に対する情報の記録/再生中に、コリメートレンズCOLと対物レンズOBJ1、OBJ2との間隔を可変調整することで、様々な要因で発生する球面収差を補正することが可能である。
更に、この回折構造による青紫色領域での第2対物レンズOBJ2の色収差補正効果を図17に示す。図中、「OBJ+COL」は、第2対物レンズOBJ2とコリメートレンズCOLから構成される光学系の特性を示し、「OBJ」は第2対物レンズOBJ2の特性を示す。
図16及び図17において、波面収差を計算する際には、これらの対物レンズOBJ1、OBJ2は405nmでの最良像面位置に固定されている。図16及び図17から、第1対物レンズOBJ1とコリメートレンズCOLから構成される光学系と第2対物レンズOBJ2とコリメートレンズCOLから構成される光学系は、共に、青紫色半導体レーザLD1のモードホッピングによる波長変化(+1nm程度)に対して十分な性能を有するといえる。
この光学系においては、第1の高密度光ディスクHD1及び第2の高密度光ディスクHD2に対する情報の記録/再生中に、コリメートレンズCOLと対物レンズOBJ1、OBJ2との間隔を可変調整することで、様々な要因で発生する球面収差を補正することが可能である。
図18に、その一例として、第1の高密度光ディスクHD1の保護層の厚さ変化により発生する球面収差の補正結果を示す。図中、「OBJ+COL」は、第1対物レンズOBJ1とコリメートレンズCOLから構成される光学系の特性を示し、「OBJ」は第1対物レンズOBJ1の特性を示し、「COL−OBJ間隔」は、各保護層厚さに対するコリメートレンズCOLと第1対物レンズOBJ1との最適間隔を示す。図18から、第1対物レンズOBJ1とコリメートレンズCOLから構成される光学系は、複数の情報記録面層を有するタイプの第1の高密度光ディスクHD1に対しても良好な性能を維持できるといえる。
また、DVDに対しては、第2対物レンズOBJ2とコリメートレンズCOLから構成される光学系において、コリメートレンズCOLと第2対物レンズOBJ2の間隔を7.55mm(従って、レーザモジュールLMの第1の発光点EP1とコリメートレンズCOLとの間隔は12.8785mm)とし、第2対物レンズOBJ2に対して発散光束が入射するようにして、第2対物レンズOBJ2の波長分散で発生する球面収差を補正した状態で、情報の記録/再生を行う。
また、DVDに対しては、第2対物レンズOBJ2とコリメートレンズCOLから構成される光学系において、コリメートレンズCOLと第2対物レンズOBJ2の間隔を7.55mm(従って、レーザモジュールLMの第1の発光点EP1とコリメートレンズCOLとの間隔は12.8785mm)とし、第2対物レンズOBJ2に対して発散光束が入射するようにして、第2対物レンズOBJ2の波長分散で発生する球面収差を補正した状態で、情報の記録/再生を行う。
更に、CDに対しては、第2対物レンズOBJ2とコリメートレンズCOLから構成される光学系において、コリメートレンズCOLと第2対物レンズOBJ2の間隔を14.3mm(従って、レーザモジュールLMの第2の発光点EP2とコリメートレンズCOLとの間隔は6.1285mm)とし、第2対物レンズOBJ2に対して発散光束が入射するようにして、第2対物レンズOBJ2の波長分散で発生する球面収差と、第2の高密度光ディスクHD2とCDの保護層の厚さ違いによる球面収差を補正した状態で、情報の記録/再生を行う。
尚、上述の実施例2における、コリメートレンズCOLと第2対物レンズOBJ2から構成される光学系は、光ピックアップ装置PU3におけるコリメートレンズCOL及び対物レンズOBJとして使用することが可能である。
尚、上述の実施例2における、コリメートレンズCOLと第2対物レンズOBJ2から構成される光学系は、光ピックアップ装置PU3におけるコリメートレンズCOL及び対物レンズOBJとして使用することが可能である。
実施例3は、光ピックアップ装置PU4における第1コリメートレンズCOL1及び第1対物レンズOBJ1として好適な光学系であって、波長405nm、0.1mmの厚さの保護層、開口数0.85の規格の高密度光ディスクHDと、波長655nm、0.6mmの厚さの保護層、開口数0.65の規格のDVDとに対して互換性を有する第1対物レンズOBJ1と、第1対物レンズOBJ1側の光学面が回折面とされたプラスチックレンズである第1コリメートレンズCOL1と、から構成されている。
表4に、この光学系の具体的なレンズデータを示し、図19に光路図を示す。
表4に、この光学系の具体的なレンズデータを示し、図19に光路図を示す。
表4において、f1、NA1、λ1、m1、n1は高密度光ディスクHD使用時の、第1対物レンズOBJ1の焦点距離、第1対物レンズOBJ1の開口数、光学系の設計波長、第1対物レンズOBJ1の倍率、第1コリメートレンズCOL1に形成した回折構造で発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数であり、f2、NA2、λ2、m2、n2はDVD使用時の同様の値である。尚、高密度光ディスクHD使用時に、回折レンズL1に形成した階段型回折構造DOEで発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数は0であり(高密度光ディスクHD使用時においては回折作用を受けない0次回折光となる)、DVD使用時に、回折レンズL1に形成した階段型回折構造DOEで発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数は1である。
また、d0、d6、d7はそれぞれの光ディスク使用時におけるレーザ光源の発光点と第1コリメートレンズCOL1との間隔、保護層の厚さ、作動距離である。また、r(mm)は曲率半径、d(mm)は面間隔、Nλ1は波長λ1における屈折率、Nλ2は波長λ2における屈折率、Nλ3は波長λ3における屈折率、νdはd線におけるアッベ数を、λBは、回折構造の製造波長を表す。また、図19において、実線で示した光路は、高密度光ディスクHDに対して情報の記録/再生を行うときの光路であり、点線で示した光路は、DVDに対して情報の記録/再生を行うときの光路である。
また、d0、d6、d7はそれぞれの光ディスク使用時におけるレーザ光源の発光点と第1コリメートレンズCOL1との間隔、保護層の厚さ、作動距離である。また、r(mm)は曲率半径、d(mm)は面間隔、Nλ1は波長λ1における屈折率、Nλ2は波長λ2における屈折率、Nλ3は波長λ3における屈折率、νdはd線におけるアッベ数を、λBは、回折構造の製造波長を表す。また、図19において、実線で示した光路は、高密度光ディスクHDに対して情報の記録/再生を行うときの光路であり、点線で示した光路は、DVDに対して情報の記録/再生を行うときの光路である。
第1対物レンズOBJ1は、階段型回折構造DOEが形成されたプラスチックレンズである回折レンズL1と、両面が非球面とされたNA0.85のガラスレンズである集光レンズL2とから構成されており、階段型回折構造DOEの作用により、保護層PL1とPL2との厚さの違いに起因する球面収差を補正することで高密度光ディスクHDとDVDとの互換を達成している。
第1コリメートレンズCOL1の第1対物レンズOBJ1側の光学面(表4において第2面)には、回折構造が形成されており、その光軸に最も近い段差の深さは、2.43μmである。この回折構造に青紫色半導体レーザLD1からのレーザ光束が入射すると、3次回折光が最大の回折効率を有するように発生し、赤色半導体レーザLD2からのレーザ光束が入射すると、2次回折光が最大の回折効率を有するように発生する。
この構成によると、各波長の各回折次数での回折効率は、それぞれ、405nmに対する3次回折光が92.9%、655nmに対する2次回折光が95.3%となり、いずれの波長に対しても高い回折効率を確保できる。
第1コリメートレンズCOL1の第1対物レンズOBJ1側の光学面(表4において第2面)には、回折構造が形成されており、その光軸に最も近い段差の深さは、2.43μmである。この回折構造に青紫色半導体レーザLD1からのレーザ光束が入射すると、3次回折光が最大の回折効率を有するように発生し、赤色半導体レーザLD2からのレーザ光束が入射すると、2次回折光が最大の回折効率を有するように発生する。
この構成によると、各波長の各回折次数での回折効率は、それぞれ、405nmに対する3次回折光が92.9%、655nmに対する2次回折光が95.3%となり、いずれの波長に対しても高い回折効率を確保できる。
この回折構造による青紫色領域での第1対物レンズOBJ1の色収差補正効果を図20に示す。図中、「OBJ1+COL1」は、第1対物レンズOBJ1と第1コリメートレンズCOL1から構成される光学系の特性を示し、「OBJ1」は第1対物レンズOBJ1の特性を示す。また、波面収差を計算する際には、第1対物レンズOBJ1は405nmでの最良像面位置に固定されている。図20から、第1対物レンズOBJ1と第1コリメートレンズCOL1から構成される光学系は、青紫色半導体レーザLD1のモードホッピングによる波長変化(+1nm程度)に対して十分な性能を有するといえる。
また、この光学系においては、実施例1及び実施例2の光学系と同様に、高密度光ディスクHDに対する情報の記録/再生中に、第1コリメートレンズCOL1と第1対物レンズOBJ1との間隔を可変調整することで、様々な要因で発生する球面収差を補正することが可能である。
また、この光学系においては、実施例1及び実施例2の光学系と同様に、高密度光ディスクHDに対する情報の記録/再生中に、第1コリメートレンズCOL1と第1対物レンズOBJ1との間隔を可変調整することで、様々な要因で発生する球面収差を補正することが可能である。
更に、この光学系においては、第1コリメートレンズCOL1の回折面の近軸パワーを(14)式及び(15)式を満たすように設定することで、温度変化に伴う第1コリメートレンズCOL1からの射出光束の発散度変化をほぼゼロとしている。図21に、この光学系の温度特性を示す。図中、「OBJ1+COLR」は、第1コリメートレンズCOL1と焦点距離が同じで回折構造を有さない屈折レンズCOLRと、第1対物レンズOBJとから構成される光学系の温度特性を示し、「OBJ1+COL1」は、温度変化に伴う射出光束の発散度変化が回折構造により補償された第1コリメートレンズCOL1と、第1対物レンズOBJ1とから構成される光学系の温度特性を示す。尚、上記の温度特性を計算する場合には、屈折レンズCOLR、第1コリメートレンズCOL1及び回折レンズL1の温度変化に伴う屈折率変化率を−11×10-5/℃、線膨張係数を7.0×10-5、青紫色半導体レーザLD1の温度変化に伴う波長変化率を+0.05nm/℃としている。図21から、第1コリメートレンズCOL1と第1対物レンズOBJ1とから構成される光学系においては、温度が変化しても第1対物レンズOBJ1の球面収差がほとんど変化しないので、高密度光ディスクHDに対して良好な記録/再生特性を維持することができる。
尚、この光学系における上記(14)式及び(15)式に関する値を以下に示す。
NA1=0.85、m1=0、f1=1.765(mm)、λ1=0.000405mm、fC=20mm、|β|=0.018、n=1.524694、α=7.0×10-5
、dn/dt=−11×10-5/℃、dn/dλ=−153/mm、dλ/dt=0.000005mm/℃、PD=0.0333mm-1、PC=0.05mm-1、c1=−2.94×10-4、c2=−1.65×10-5、
(14)式=0.0219・λ1(λ1=0.000405nm)
(15)式=0.0135・λ1(λ1=0.000405nm)
NA1=0.85、m1=0、f1=1.765(mm)、λ1=0.000405mm、fC=20mm、|β|=0.018、n=1.524694、α=7.0×10-5
、dn/dt=−11×10-5/℃、dn/dλ=−153/mm、dλ/dt=0.000005mm/℃、PD=0.0333mm-1、PC=0.05mm-1、c1=−2.94×10-4、c2=−1.65×10-5、
(14)式=0.0219・λ1(λ1=0.000405nm)
(15)式=0.0135・λ1(λ1=0.000405nm)
実施例4は、光ピックアップ装置PU5における色収差補正用光学素子HOE及び対物レンズOBJとして好適な光学系であって、波長405nm、0.1mmの厚さの保護層、開口数0.85の規格の高密度光ディスクHDと、波長655nm、0.6mmの厚さの保護層、開口数0.65の規格のDVDとに対して互換性を有する対物レンズOBJと、レーザ光源側の光学面が回折面とされたプラスチックレンズである色収差補正用光学素子HOEと、から構成されている。
表5に、この光学系の具体的なレンズデータを示し、図22に光路図を示す。
表5に、この光学系の具体的なレンズデータを示し、図22に光路図を示す。
表5において、f1、NA1、λ1、m1、n1は高密度光ディスクHD使用時の、対物レンズOBJの焦点距離、対物レンズOBJの開口数、光学系の設計波長、対物レンズOBJの倍率、色収差補正用光学素子HOEの回折構造で発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数であり、f2、NA2、λ2、m2、n2、n2’はDVD使用時の同様の値である。尚、高密度光ディスクHD使用時に、回折レンズL1に形成した階段型回折構造DOEで発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数は0であり(高密度光ディスクHD使用時においては回折作用を受けない0次回折光となる)、DVD使用時に、回折レンズL1に形成した階段型回折構造DOEで発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数は1である。
また、d6、d7はそれぞれの光ディスク使用時における保護層の厚さ、作動距離である。また、r(mm)は曲率半径、d(mm)は面間隔、Nλ1は波長λ1における屈折率、Nλ2は波長λ2における屈折率、Nλ3は波長λ3における屈折率、νdはd線におけるアッベ数を、λBは、回折構造の製造波長を表す。また、図22において、実線で示した光路は、高密度光ディスクHDに対して情報の記録/再生を行うときの光路であり、点線で示した光路は、DVDに対して情報の記録/再生を行うときの光路である。
また、d6、d7はそれぞれの光ディスク使用時における保護層の厚さ、作動距離である。また、r(mm)は曲率半径、d(mm)は面間隔、Nλ1は波長λ1における屈折率、Nλ2は波長λ2における屈折率、Nλ3は波長λ3における屈折率、νdはd線におけるアッベ数を、λBは、回折構造の製造波長を表す。また、図22において、実線で示した光路は、高密度光ディスクHDに対して情報の記録/再生を行うときの光路であり、点線で示した光路は、DVDに対して情報の記録/再生を行うときの光路である。
対物レンズOBJは、階段型回折構造DOEが形成されたプラスチックレンズである回折レンズL1と、両面が非球面とされたNA0.85のガラスレンズである集光レンズL2とから構成されており、階段型回折構造DOEの作用により、保護層PL1とPL2との厚さの違いに起因する球面収差を補正することで高密度光ディスクHDとDVDとの互換を達成している。
色収差補正用光学素子HOEのレーザ光源側の光学面(表5において第1面)は平面状の光学面上に回折構造が形成された回折面となっており、その光軸に最も近い段差の深さは、3.86μmである。この回折構造に青紫色半導体レーザLD1からのレーザ光束が入射すると、5次回折光が最大の回折効率を有するように発生し、赤色半導体レーザLD2からのレーザ光束が入射すると、3次回折光が最大の回折効率を有するように発生する。
色収差補正用光学素子HOEのレーザ光源側の光学面(表5において第1面)は平面状の光学面上に回折構造が形成された回折面となっており、その光軸に最も近い段差の深さは、3.86μmである。この回折構造に青紫色半導体レーザLD1からのレーザ光束が入射すると、5次回折光が最大の回折効率を有するように発生し、赤色半導体レーザLD2からのレーザ光束が入射すると、3次回折光が最大の回折効率を有するように発生する。
この構成によると、各波長の各回折次数での回折効率は、それぞれ、405nmに対する5次回折光が100%、655nmに対する3次回折光が99.9%となり、いずれの波長に対しても高い回折効率を確保できる。
更に、δφD={n1・λ1/(Nλ1−1)}/{n2・λ2/(Nλ2−1)}で定
義される、回折構造によりλ1に付加される光路長とλ2に付加される光路長の比δφDが1に近い値となるように、高密度光ディスクHDの記録/再生用ビームの回折次数n1と、DVDの記録/再生ビームの回折次数n2を選択しているので、λ1の回折角とλ2の回折角はほぼ同じとなっている。これにより、本実施例における色収差補正用光学素子HOEを、λ1とλ2とが共に平行光束である光路中に配置するのが容易となる。
尚、色収差補正用光学素子HOEとして、青紫色領域における屈折率が1.5〜1.6の範囲内であって、且つd線(587.6nm)に対するアッベ数が50〜60の範囲内である材料を使用する場合には、δφDがλ1とλ2とに対して1に近い値となる回折次数n1とn2の組合せ(n1,n2)として、本実施例で用いた(5,3)の他に(10,5)であっても良い。
更に、δφD={n1・λ1/(Nλ1−1)}/{n2・λ2/(Nλ2−1)}で定
義される、回折構造によりλ1に付加される光路長とλ2に付加される光路長の比δφDが1に近い値となるように、高密度光ディスクHDの記録/再生用ビームの回折次数n1と、DVDの記録/再生ビームの回折次数n2を選択しているので、λ1の回折角とλ2の回折角はほぼ同じとなっている。これにより、本実施例における色収差補正用光学素子HOEを、λ1とλ2とが共に平行光束である光路中に配置するのが容易となる。
尚、色収差補正用光学素子HOEとして、青紫色領域における屈折率が1.5〜1.6の範囲内であって、且つd線(587.6nm)に対するアッベ数が50〜60の範囲内である材料を使用する場合には、δφDがλ1とλ2とに対して1に近い値となる回折次数n1とn2の組合せ(n1,n2)として、本実施例で用いた(5,3)の他に(10,5)であっても良い。
また、色収差補正用光学素子HOEの対物レンズOBJ側の光学面(表5において第2面)は、近軸パワーが負である非球面となっており、その近軸パワーの絶対値は、回折面の近軸パワーと同じとなっているので、平行光束の状態で入射する波長λ1の光束は平行光束の状態で射出される。
この回折構造による青紫色領域での対物レンズOBJの色収差補正効果を図23に示す。図中、「OBJ+COL」は、対物レンズOBJと色収差補正用光学素子HOEから構成される光学系の特性を示し、「OBJ」は対物レンズOBJの特性を示す。また、波面収差を計算する際には、対物レンズOBJは405nmでの最良像面位置に固定されている。図23から、対物レンズOBJと色収差補正用光学素子HOEから構成される光学系は、青紫色半導体レーザLD1のモードホッピングによる波長変化(+1nm程度)に対して十分な性能を有するといえる。
この回折構造による青紫色領域での対物レンズOBJの色収差補正効果を図23に示す。図中、「OBJ+COL」は、対物レンズOBJと色収差補正用光学素子HOEから構成される光学系の特性を示し、「OBJ」は対物レンズOBJの特性を示す。また、波面収差を計算する際には、対物レンズOBJは405nmでの最良像面位置に固定されている。図23から、対物レンズOBJと色収差補正用光学素子HOEから構成される光学系は、青紫色半導体レーザLD1のモードホッピングによる波長変化(+1nm程度)に対して十分な性能を有するといえる。
実施例5は、光ピックアップ装置PU6におけるコリメートレンズCOL及び対物レンズOBJとして好適な光学系であって、波長408nm、0.0875mmの厚さの保護層、開口数0.85の規格の高密度光ディスクHDと、波長658nm、0.6mmの厚さの保護層、開口数0.60の規格のDVDと、波長785nm、1.2mmの厚さの保護層、開口数0.45の規格のCDとに対して互換性を有する対物レンズOBJと、対物レンズOBJ側の光学面が回折面とされたプラスチックレンズであるコリメートレンズCOLとから構成されている。
表6に、この光学系の具体的なレンズデータを示し、図26及び図27に光路図を示す。
表6に、この光学系の具体的なレンズデータを示し、図26及び図27に光路図を示す。
表6において、f1、NA1、λ1、m1、n1は高密度光ディスクHD使用時の、対物レンズOBJの焦点距離、対物レンズOBJの開口数、光学系の設計波長、対物レンズOBJの倍率、コリメートレンズCOLに形成した回折構造で発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数であり、f2、NA2、λ2、m2、n2はDVD使用時の同様の値である。また、d0、d2、d6、d7はそれぞれの光ディスク使用時におけるレーザ光源の発光点とコリメートレンズCOLとの間隔、コリメートレンズCOLと対物レンズOBJの間隔、保護層の厚さ、作動距離である。また、r(mm)は曲率半径、d(mm)は面間隔、Nλ1は波長λ1における屈折率、Nλ2は波長λ2における屈折率、Nλ3は波長λ3における屈折率、νdはd線におけるアッベ数を、λBは、回折構造の製造波長を表す。
また、図26において、実線で示した光路は、高密度光ディスクHDに対して情報の記録/再生を行うときの光路であり、点線で示した光路は、DVDに対して情報の記録/再生を行うときの光路であり、図27において、2点鎖線で示した光路は、CDに対して情報の記録/再生を行うときの光路である。
また、図26において、実線で示した光路は、高密度光ディスクHDに対して情報の記録/再生を行うときの光路であり、点線で示した光路は、DVDに対して情報の記録/再生を行うときの光路であり、図27において、2点鎖線で示した光路は、CDに対して情報の記録/再生を行うときの光路である。
対物レンズOBJは、階段型回折構造DOEが形成されたプラスチックレンズである回折レンズL1と、両面が非球面とされたNA0.85のプラスチックレンズである集光レンズL2とから構成されており、階段型回折構造DOEの作用により、保護層PL1とPL2との厚さの違いに起因する球面収差を補正することで高密度光ディスクHDとDVDとの互換を達成している。
コリメートレンズCOLの対物レンズOBJ側の光学面(表6において第2面)には、回折構造が形成されており、その光軸に最も近い段差の深さは、3.89μmである。この回折構造に第1の発光点EP1からの第1光束が入射すると、5次回折光が最大の回折効率を有するように発生し、第2の発光点EP2からの第2光束が入射すると、3次回折光が最大の回折効率を有するように発生する。この構成によると、各波長の各回折次数での回折効率は、それぞれ、408nmに対する3次回折光が100%、658nmに対する2次回折光が100%となり、いずれの波長に対しても高い回折効率を確保できる。
コリメートレンズCOLの対物レンズOBJ側の光学面(表6において第2面)には、回折構造が形成されており、その光軸に最も近い段差の深さは、3.89μmである。この回折構造に第1の発光点EP1からの第1光束が入射すると、5次回折光が最大の回折効率を有するように発生し、第2の発光点EP2からの第2光束が入射すると、3次回折光が最大の回折効率を有するように発生する。この構成によると、各波長の各回折次数での回折効率は、それぞれ、408nmに対する3次回折光が100%、658nmに対する2次回折光が100%となり、いずれの波長に対しても高い回折効率を確保できる。
この回折構造による青紫色領域での対物レンズOBJの色収差補正効果を図28に示す。図中、「OBJ+COL」は、対物レンズOBJとコリメートレンズCOLから構成される光学系の特性を示し、「OBJ」は対物レンズOBJの特性を示す。また、波面収差を計算する際には、対物レンズOBJは408nmでの最良像面位置に固定されている。図28から、対物レンズOBJとコリメートレンズCOLから構成される光学系は、青紫色半導体レーザLD1のモードホッピングによる波長変化(+1nm程度)に対して十分な性能を有するといえる。
また、この光学系においては、実施例1乃至実施例4の光学系と同様に、高密度光ディスクHDに対する情報の記録/再生中に、コリメートレンズCOLと対物レンズOBJとの間隔を可変調整することで、様々な要因で発生する球面収差を補正することが可能である。
また、この光学系においては、実施例1乃至実施例4の光学系と同様に、高密度光ディスクHDに対する情報の記録/再生中に、コリメートレンズCOLと対物レンズOBJとの間隔を可変調整することで、様々な要因で発生する球面収差を補正することが可能である。
尚、この光学系においては、第1の発光点EP1と第2の発光点EP2とが近接して配置されたレーザモジュールLMを使用するため、第2光束がコリメートレンズCOLに入射した場合、色収差の影響でコリメートレンズCOLから射出される第2光束は完全な平行光束にはならないので、対物レンズOBJで球面収差が発生する。そこで、この光学系では、DVDに対して情報の記録/再生を行う際には、コリメートレンズCOLから射出される第2光束が平行光束となるように、色収差に対応した量である0.678mmだけコリメートレンズCOLを対物レンズOBJに近づくように移動させてから、DVDに対する情報の記録/再生を行う。
OU 対物レンズユニット
PU 光ピックアップ装置
EXP エキスパンダーレンズ
CU カップリングレンズ
PU 光ピックアップ装置
EXP エキスパンダーレンズ
CU カップリングレンズ
Claims (49)
- 450nm以下の第1波長λ1の第1光束を射出する第1光源及び前記第1波長λ1の1.3倍より長い第2波長λ2の第2光束を射出する第2光源の少なくとも2種類の光源と、前記2種類の光源から射出された光束を記録密度が互いに異なる少なくとも2種類の光ディスクの情報記録面上に集光するための対物レンズユニットと、前記2種類の光源と前記対物レンズユニットとの間であって前記第1光束及び第2光束の共通光路中に配置された色収差補正用光学ユニット及び球面収差補正用光学ユニットと、を有する光ピックアップ装置において、
前記球面収差補正用光学ユニットは、その構成レンズ群のうち少なくとも1つのレンズ群と前記対物レンズユニットとの間隔を可変調整することで、前記対物レンズユニットへの入射光束のマージナル光線の傾角を変化させると共に、
前記色収差補正用光学ユニットは、微細な段差により分割された複数の輪帯からなる回折構造が形成された回折面を少なくとも1つ有するレンズ群を少なくとも1つ有し、前記段差の光軸方向の深さは、前記第1光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数に対して、前記第2光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数がより低次数となるように設計されていることを特徴とする光ピックアップ装置。 - 前記球面収差補正用光学ユニットと前記色収差補正用光学ユニットは、同一の光学ユニットであることを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置。
- 前記光ピックアップ装置は、少なくとも前記第1光源から射出された光束の発散角を変換して前記対物レンズユニットに導くためのカップリングレンズを更に有し、前記球面収差補正用光学ユニットは、前記カップリングレンズと、前記対物レンズユニットの間の光路中に配設された、正レンズ群と負レンズ群とから構成されるエキスパンダーレンズであることを特徴とする請求項1又は2に記載の光ピックアップ装置。
- 前記球面収差補正用光学ユニットは、前記2種類の光源から射出された各光束の発散角を変換して前記対物レンズユニットに導くためのカップリングレンズであることを特徴とする請求項1又は2に記載の光ピックアップ装置。
- 450nm以下の第1波長λ1の第1光束を射出する第1光源及び前記第1波長λ1の1.3倍より長い第2波長λ2の第2光束を射出する第2光源の少なくとも2種類の光源と、前記2種類の光源から射出された光束を記録密度が互いに異なる少なくとも2種類の光ディスクの情報記録面上に集光するための対物レンズユニットと、前記2種類の光源と前記対物レンズユニットとの間であって前記第1光束及び第2光束の共通光路中に配置された色収差補正用光学ユニット及び球面収差補正用光学ユニットと、を有する光ピックアップ装置において、
前記球面収差補正用光学ユニットは、電極と液晶分子層とが交互に積層された構造を有し、前記電極に所定の電圧を印可して、前記液晶分子層の屈折率分布を変化させることが可能であるように構成されると共に、
前記色収差補正用光学ユニットは、微細な段差により分割された複数の輪帯からなる回折構造が形成された回折面を少なくとも1つ有するレンズ群を少なくとも1つ有し、前記段差の光軸方向の深さは、前記第1光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数に対して、前記第2光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数がより低次数となるように設計されていることを特徴とする光ピックアップ装置。 - 前記対物レンズユニットは前記球面収差補正用光学ユニットと一体となってトラッキングを行うことを特徴とする請求項5に記載の光ピックアップ装置。
- 前記球面収差補正用光学ユニットは、前記第1波長λ1と前記第2波長λ2の波長差に起因して前記対物レンズユニットで発生する球面収差を補正することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
- 前記球面収差補正用光学ユニットは、前記第1波長λ1が±10nmの範囲内で変化した際に、前記対物レンズユニットの色収差に起因して発生する球面収差を補正することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
- 前記2種類の光ディスクのうち、記録密度が最も高い光ディスクを第1光ディスクとしたとき、前記第1光ディスクはその情報記録面上に第1保護層を有し、前記球面収差補正用光学ユニットは、前記第1保護層の厚さ誤差に起因して発生する球面収差を補正することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
- 前記2種類の光ディスクのうち、記録密度が最も高い光ディスクを第1光ディスクとしたとき、前記第1光ディスクは前記光源側から順に、光学的透明層と情報記録面とが交互に積層された多層構造を有し、前記多層構造において前記光源に最も近い情報記録面から順に、第1情報記録面、第2情報記録面、・・・、第n情報記録面としたとき、前記球面収差補正用光学ユニットは、前記対物レンズが前記第i情報記録面から前記j情報記録面にフォーカスジャンプする際に発生する球面収差を補正することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
但し、iは1≦i≦nを満たす任意の整数であり、jは1≦i≦nを満たし、且つiとは異なる任意の整数である。 - 前記2種類の光ディスクのうち、記録密度が最も高い光ディスクを第1光ディスクとし、前記第1光ディスクはその情報記録面上に第1保護層を有し、前記2種類の光ディスクのうち、前記第1光ディスクよりも記録密度が低い光ディスクを第2光ディスクとしたとき、前記第2光ディスクはその情報記録面上に前記第1保護層よりも厚い第2保護層を有し、前記球面収差補正用光学ユニットは、前記第1保護層と前記第2保護層の厚さの違いに起因して発生する球面収差を補正することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
- 前記対物レンズユニットはプラスチックレンズを少なくとも1つ有し、前記球面収差補正用光学ユニットは前記対物レンズユニットに含まれるプラスチックレンズの環境温度変化に伴う屈折率変化、及び/又は、前記プラスチックレンズ内の温度分布に伴う屈折率分布に起因する球面収差を補正することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
- 前記2種類の光ディスクのうち、記録密度が最も高い光ディスクを第1光ディスクとし、前記第1光ディスクはその情報記録面上に第1保護層を有し、前記2種類の光ディスクのうち、前記第1光ディスクよりも記録密度が低い光ディスクを第2光ディスクとし、前記第1光ディスクに対して情報の記録及び/又は再生を行う際の前記対物レンズユニットの倍率を第1倍率とし、前記第2光ディスクに対して情報の記録及び/又は再生を行う際の前記対物レンズユニットの倍率を第2倍率としたとき、前記第1倍率と前記第2倍率は互いに異なり、前記球面収差補正用光学ユニットは、前記第1倍率と前記第2倍率との違いに応じて前記対物レンズユニットの物点位置を変化させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
- 前記第2波長λ2は600nmから700nmの範囲内の波長であり、前記色収差補正用光学ユニットに前記第1光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数をn1とし、前記第2光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数をn2としたとき、前記回折次数n1と前記回折次数n2の組合せが、(n1,n2)=(2,1)、(3,2)、(4,2)、(5,3)、(6,4)、(7,4)(8,5)、(10、6)のいずれかであることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
- 前記2種類の光ディスクのうち、記録密度が最も高い光ディスクを第1光ディスクとし、前記第1光ディスクの次に記録密度が高い光ディスクを第2光ディスクとし、更に、前記第2光ディスクの次に記録密度が高い光ディスクを第3光ディスクとしたとき、
前記光ピックアップ装置は、730nmから830nmの範囲内の第3波長λ3の第3光束を射出する第3光源を更に有するとともに、前記第1光束及び前記第2光束は、それぞれ、前記色収差補正用光学ユニットを透過した後に、前記対物レンズユニットに入射するとともに、前記第3光束は、前記色収差補正用光学ユニットを介さずに前記対物レンズユニットに入射する構成を有し、
前記対物レンズユニットは、前記第1光束を前記第1光ディスクの情報記録面上に集光させ、前記第2光束を前記第2光ディスクの情報記録面上に集光させ、前記第3光束を前記第3光ディスクの情報記録面上に集光させることを特徴とする請求項14に記載の光ピックアップ装置。 - 前記第1波長λ1及び前記第2波長λ2とは異なる第3波長λ3の第3光束を射出する第3光源を有し、前記色収差補正用光学ユニットは、前記第1光源乃至前記第3光源と前記対物レンズユニットとの間であって前記第1光束乃至前記第3光束の共通光路中に配置され、前記第2波長λ2は600nmから700nmの範囲内、前記第3波長λ3は730nmから830nmの範囲内の波長であり、前記色収差補正用光学ユニットに前記第1光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数をn1とし、前記第2光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数をn2とし、前記第3光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数をn3としたとき、前記回折次数n1と前記回折次数n2と前記回折次数n3の組合せが、(n1,n2、n3)=(2,1,1)、(4,2,2)、(6,4,3)、(8,5,4)、(10,6,5)のいずれかであることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
- 前記色収差補正用光学ユニットは、前記波長が互いに異なる少なくとも2種類の光源から射出された光束の発散角を変換して前記対物レンズユニットに導くためのカップリングレンズであることを特徴とする請求項1乃至16のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
- 前記カップリングレンズは少なくとも1つのプラスチックレンズを有すると共に、前記回折面は、前記カップリングレンズから射出される前記第1光束の、温度変化に対する発散角又は収束角の変化を抑制するための機能を更に有することを特徴とする請求項17に記載の光ピックアップ装置。
- 前記2種類の光ディスクのうち、記録密度が最も高い光ディスクである第1光ディスクに対して情報の記録及び/又は再生を行う場合の前記対物レンズユニットの開口数をNA1、前記第1光ディスクに対して情報の記録及び/又は再生を行う場合の前記対物レンズユニットの倍率をm1、前記第1光ディスクに対して情報の記録及び/又は再生を行う場合の前記対物レンズユニットの前記λ1に対する焦点距離をf1(mm)、前記第1波長をλ1(mm)、前記カップリングレンズの前記λ1に対する焦点距離をfC(mm)、前記カップリングレンズの前記λ1に対する屈折率をn、前記カップリングレンズの線膨張係数をα、前記回折面の前記λ1に対する近軸パワーをPD(mm-1)、前記カップリングレンズの前記λ1に対する近軸パワーをPC(mm-1)、前記カップリングレンズの温度変化に対する屈折率変化率をdn/dt、前記カップリングレンズの波長変化に対する屈折率変化率をdn/dλ、前記第1光源の温度変化に対する波長変化率をdλ/dt、としたとき、次式を満たすことを特徴とする請求項18に記載の光ピックアップ装置。
[NA1・(1−m1)]4・(f12/fC)・|c1+(c2−c1)・PD/PC|<0.13・λ1
但し、
c1=1/(n−1)・dn/dt+1/(n−1)・dn/dλ・dλ/dt−α
c2=1/λ1・dλ/dt−2α
であり、前記PDは、前記回折構造による光路長付加量を次の数1で表される光路差関数で定義し、前記回折構造に前記第1光束が入射した場合に発生する回折光のうち、最大の回折効率を有する回折光の回折次数をn1としたとき、
PD=−2・n1・B2・(λ1/λB)
で表されるものとする。
ここで、n1は、前記回折面に前記第1光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数である。
- 次式を満たすことを特徴とする請求項19に記載の光ピックアップ装置。
|c1+(c2−c1)・PD/PC|/fC<0.08・λ1(mm) - 前記色収差補正用光学ユニットは、近軸パワーが負である光学面を少なくとも1つ有し、光軸に対して略平行の状態で入射する前記第1光束を略平行の状態で射出する1群構成の光学素子であることを特徴とする請求項1乃至16のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
- 前記対物レンズユニットは、前記2種類の光ディスクのうち、所定の記録密度を有する光ディスクに対して情報の記録及び/又は再生を行うために使用される第1対物レンズと、前記所定の記録密度を有する光ディスク以外の光ディスクに対して情報の記録及び/又は再生を行うために使用される第2対物レンズの、少なくとも2種類の対物レンズと、これら対物レンズを選択的に切り替えるための対物レンズ切り替え手段と、から構成されることを特徴とする請求項1乃至21のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
- 前記2種類の光ディスクのうち、記録密度が最も高い光ディスクを第1光ディスクとしたとき、前記第1光ディスクに対する情報の記録及び/又は再生を行う際の前記対物レンズユニットの開口数が0.8以上であることを特徴とする請求項1乃至22のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
- 前記2種類の光ディスクのうち、記録密度が最も高い光ディスクを第1光ディスクとし、前記第1光ディスクの次に記録密度が高い光ディスク第2光ディスクとしたとき、前記第1光ディスクはその情報記録面上にその厚さが0.07〜0.13mmの範囲内である第1保護層を有し、前記第2光ディスクはその情報記録面上にその厚さが0.55〜0.65mmの範囲内である第2保護層を有し、前記第1光束を前記第1光ディスク及び第2光ディスクそれぞれの情報記録面上に集光することにより、前記第1光ディスク及び前記第2光ディスクに対する情報の記録及び/又は再生を行うことが可能となっていることを特徴とする請求項1乃至23のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
- 請求項1乃至24のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置を搭載し、前記光ディスクに対する情報の記録と前記光ディスクに記録された情報の再生とのうち、少なくとも一方を実行可能であることを特徴とする光情報記録再生装置。
- 請求項3に記載の光ピックアップ装置における球面収差補正用光学ユニットに適用可能であることを特徴とするエキスパンダーレンズ。
- 請求項4に記載の光ピックアップ装置における球面収差補正用光学ユニットに適用可能であることを特徴とするカップリングレンズ。
- 450nm以下の第1波長λ1の第1光束を射出する第1光源及び前記第1波長λ1の1.3倍より長い第2波長λ2の第2光束を射出する第2光源の少なくとも2種類の光源と、前記2種類の光源から射出された光束を記録密度が互いに異なる少なくとも2種類の光ディスクの情報記録面上に集光するための対物レンズユニットとの間であって、前記第1光束及び第2光束の共通光路中に配置され、正レンズ群と負レンズ群とから構成されるエキスパンダーレンズにおいて、
前記エキスパンダーレンズは、微細な段差により分割された複数の輪帯からなる回折構造が形成された回折面を少なくとも1つ有するレンズ群を少なくとも1つ有し、前記段差の光軸方向の深さは、前記第1光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数に対して、前記第2光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数がより低次数となるように設計されていると共に、その構成レンズ群のうち少なくとも1つのレンズ群と前記対物レンズユニットとの間隔を可変調整することで、前記対物レンズユニットへの入射光束のマージナル光線の傾角を変化させることを特徴とするエキスパンダーレンズ。 - 前記第2波長λ2は600nmから700nmの範囲内の波長であり、前記第1光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数をn1とし、前記第2光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数をn2としたとき、前記回折次数n1と前記回折次数n2の組合せが、(n1,n2)=(2,1)、(3,2)、(4,2)、(5,3)、(6,4)、(7,4)(8,5)、(10、6)のいずれかであることを特徴とする請求項28に記載のエキスパンダーレンズ。
- 前記エキスパンダーレンズの構成レンズのうち、前記回折面を有する構成レンズの前記第1波長λ1に対する屈折率が1.5〜1.6の範囲内であって、前記回折面を有する構成レンズのd線(587.6nm)に対するアッベ数が50〜60の範囲内であると共に、前記段差のうち光軸に最も近い段差の光軸方向の深さd0が次式(1)〜(8)のいずれか1つを満たすことを特徴とする請求項29に記載のエキスパンダーレンズ。
1.2μm<d0<1.7μm・・・(1)
1.9μm<d0<2.6μm・・・(2)
2.6μm<d0<3.2μm・・・(3)
3.3μm<d0<4.2μm・・・(4)
4.4μm<d0<5.0μm・・・(5)
4.7μm<d0<5.7μm・・・(6)
5.6μm<d0<6.5μm・・・(7)
6.9μm<d0<8.1μm・・・(8) - 前記エキスパンダーレンズは、前記第1光源、前記第2光源、及び前記第1波長λ1及び前記第2波長λ2とは異なる第3波長λ3の第3光束を射出する第3光源の3種類の光源と、前記3種類の光源から射出された光束を記録密度が異なる少なくとも3種類の光ディスクの情報記録面上に集光するための対物レンズユニットとの間であって、前記第1光束乃至前記第3光束の共通光路中に配置され、前記第2波長λ2は600nmから700nmの範囲内の波長であり、第3光源から射出される第3光束の第3波長λ3は730nmから830nmの範囲内の波長であり、前記第1光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数をn1とし、前記第2光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数をn2とし、前記第3光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数をn3としたとき、前記回折次数n1と前記回折次数n2と前記回折次数n3の組合せが、(n1,n2、n3)=(2,1,1)、(4,2,2)、(6,4,3)、(8,5,4)、(10,6,5)のいずれかであることを特徴とする請求項28に記載のエキスパンダーレンズ。
- 前記エキスパンダーレンズの構成レンズのうち、前記回折面を有する構成レンズの前記第1波長λ1に対する屈折率が1.5〜1.6の範囲内であって、前記回折面を有する構成レンズのd線(587.6nm)に対するアッベ数が50〜60の範囲内であると共に、前記段差のうち光軸に最も近い段差の光軸方向の深さd0が次式(9)乃至(13)のいずれか1つを満たすことを特徴とする請求項31に記載のエキスパンダーレンズ。
1.2μm<d0<1.7μm・・・(9)
2.6μm<d0<3.0μm・・・(10)
4.4μm<d0<5.0μm・・・(11)
5.6μm<d0<6.5μm・・・(12)
6.9μm<d0<8.1μm・・・(13) - 450nm以下の第1波長λ1の第1光束を射出する第1光源及び前記第1波長λ1の1.3倍より長い第2波長λ2の第2光束を射出する第2光源の少なくとも2種類の光源と、前記2種類の光源から射出された光束を記録密度が互いに異なる少なくとも2種類の光ディスクの情報記録面上に集光するための対物レンズユニットとの間であって、前記第1光束及び第2光束の共通光路中に配置され、前記2種類の光源から射出された各光束の発散角を変換して前記対物レンズユニットに導くためのカップリングレンズにおいて、
前記カップリングレンズは、微細な段差により分割された複数の輪帯からなる回折構造が形成された回折面を少なくとも1つ有するレンズ群を少なくとも1つ有し、前記段差の光軸方向の深さは、前記第1光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数に対して、前記第2光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数がより低次数となるように設計されていると共に、その構成レンズ群のうち少なくとも1つのレンズ群と前記対物レンズユニットとの間隔を可変調整することで、前記対物レンズユニットへの入射光束のマージナル光線の傾角を変化させることを特徴とするカップリングレンズ。 - 前記第2波長λ2は600nmから700nmの範囲内の波長であり、前記第1光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数をn1とし、前記第2光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数をn2としたとき、前記回折次数n1と前記回折次数n2の組合せが、(n1,n2)=(2,1)、(3,2)、(4,2)、(5,3)、(6,4)、(7,4)(8,5)、(10、6)のいずれかであることを特徴とする請求項33に記載のカップリングレンズ。
- 前記カップリングレンズの構成レンズのうち、前記回折面を有する構成レンズの前記第1波長λ1に対する屈折率が1.5〜1.6の範囲内であって、前記回折面を有する構成レンズのd線(587.6nm)に対するアッベ数が50〜60の範囲内であると共に、前記段差のうち光軸に最も近い段差の光軸方向の深さd0が次式(1)〜(8)のいずれか1つを満たすことを特徴とする請求項34に記載のカップリングレンズ。
1.2μm<d0<1.7μm・・・(1)
1.9μm<d0<2.6μm・・・(2)
2.6μm<d0<3.2μm・・・(3)
3.3μm<d0<4.2μm・・・(4)
4.4μm<d0<5.0μm・・・(5)
4.7μm<d0<5.7μm・・・(6)
5.6μm<d0<6.5μm・・・(7)
6.9μm<d0<8.1μm・・・(8) - 前記カップリングレンズは、前記第1光源、前記第2光源、及び前記第1波長λ1及び前記第2波長λ2とは異なる第3波長λ3の第3光束を射出する第3光源の3種類の光源と、前記3種類の光源から射出された光束を記録密度が異なる少なくとも3種類の光ディスクの情報記録面上に集光するための対物レンズユニットとの間であって、前記第1光束乃至前記第3光束の共通光路中に配置され、前記第2波長λ2は600nmから700nmの範囲内の波長であり、第3光源から射出される第3光束の第3波長λ3は730nmから830nmの範囲内の波長であり、前記第1光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数をn1とし、前記第2光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数をn2とし、前記第3光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数をn3としたとき、前記回折次数n1と前記回折次数n2と前記回折次数n3の組合せが、(n1,n2、n3)=(2,1,1)、(4,2,2)、(6,4,3)、(8,5,4)、(10,6,5)のいずれかであることを特徴とする請求項33に記載のカップリングレンズ。
- 前記カップリングレンズの構成レンズのうち、前記回折面を有する構成レンズの前記第1波長λ1に対する屈折率が1.5〜1.6の範囲内であって、前記回折面を有する構成レンズのd線(587.6nm)に対するアッベ数が50〜60の範囲内であると共に、前記段差のうち光軸に最も近い段差の光軸方向の深さd0が次式(9)乃至(13)のいずれか1つを満たすことを特徴とする請求項36に記載のカップリングレンズ。
1.2μm<d0<1.7μm・・・(9)
2.6μm<d0<3.0μm・・・(10)
4.4μm<d0<5.0μm・・・(11)
5.6μm<d0<6.5μm・・・(12)
6.9μm<d0<8.1μm・・・(13) - 450nm以下の第1波長λ1の第1光束を射出する第1光源及び600nm乃至700nmの範囲内の第2波長λ2の第2光束を射出する第2光源の少なくとも2種類の光源と、前記2種類の光源から射出された光束を記録密度が互いに異なる少なくとも2種類の光ディスクの情報記録面上に集光するための対物レンズユニットとの間であって、前記第1光束及び第2光束の共通光路中に配置され、前記2種類の光源から射出された各光束の発散角を変換して前記対物レンズユニットに導くためのカップリングレンズにおいて、
前記カップリングレンズは、微細な段差により分割された複数の輪帯からなる回折構造が形成された回折面を少なくとも1つ有するレンズ群を少なくとも1つ有し、前記段差の光軸方向の深さは、前記第1光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数n1に対して、前記第2光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数n2がより低次数となるように設計されていると共に、前記回折次数n1と前記回折次数n2の組合せが、(n1,n2)=(5,3)、(7,4)、(8,5)、(10,6)のいずれかであることを特徴とするカップリングレンズ。 - 前記カップリングレンズの構成レンズのうち、前記回折面を有する構成レンズの前記第1波長λ1に対する屈折率が1.5〜1.6の範囲内であって、前記回折面を有する構成レンズのd線(587.6nm)に対するアッベ数が50〜60の範囲内であると共に、前記段差のうち光軸に近い段差の光軸方向の深さd0が次式(4)式、(6)式、及び(8)式のいずれか1つを満たすことを特徴とする請求項38に記載のカップリングレンズ。
3.3μm<d0<4.2μm (4)
4.7μm<d0<5.7μm (6)
6.9μm<d0<8.1μm (8) - 450nm以下の第1波長λ1の第1光束を射出する第1光源及び600nm乃至700nmの範囲内の第2波長λ2の第2光束を射出する第2光源及び730nm乃至830nmの範囲内の第3波長λ3の第3光束を射出する第3光源の少なくとも3種類の光源と、前記3種類の光源から射出された光束を記録密度が互いに異なる少なくとも3種類の光ディスクの情報記録面上に集光するための対物レンズユニットとの間であって、前記第1光束及び第2光束及び前記第3光束の共通光路中に配置され、前記3種類の光源から射出された各光束の発散角を変換して前記対物レンズユニットに導くためのカップリングレンズにおいて、
前記カップリングレンズは、微細な段差により分割された複数の輪帯からなる回折構造が形成された回折面を少なくとも1つ有するレンズ群を少なくとも1つ有し、前記段差の光軸方向の深さは、前記第1光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数n1に対して、前記第2光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数n2及び前記第3光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数n3及がより低次数となるように設計されていると共に、前記回折次数n1と前記回折次数n2と前記回折次数n3との組合せが、(n1,n2,n3)=(2,1,1)、(8,5,4)、(8,5)、(10,6,5)のいずれかであることを特徴とするカップリングレンズ。 - 前記カップリングレンズの構成レンズのうち、前記回折面を有する構成レンズの前記第1波長λ1に対する屈折率が1.5〜1.6の範囲内であって、前記回折面を有する構成レンズのd線(587.6nm)に対するアッベ数が50〜60の範囲内であると共に、前記段差のうち光軸に近い段差の光軸方向の深さd0が次式(9)式、(12)式、及び(13)式のいずれか1つを満たすことを特徴とする請求項40に記載のカップリングレンズ。
1.2μm<d0<1.7μm (9)
5.6μm<d0<6.5μm (12)
6.9μm<d0<8.1μm (13) - 前記カップリングレンズは少なくとも1つのプラスチックレンズを有すると共に、前記回折面は、前記カップリングレンズから射出される前記第1光束の、温度変化に対する発散角又は収束角の変化を抑制するための機能を更に有することを特徴とする請求項33乃至41のいずれか一項に記載のカップリングレンズ。
- 前記第1波長をλ1(mm)、前記カップリングレンズの前記λ1に対する焦点距離をfC(mm)、前記カップリングレンズの前記λ1に対する屈折率をn、前記カップリングレンズの線膨張係数をα、前記回折面の前記λ1に対する近軸パワーをPD(mm-1)、前記カップリングレンズの前記λ1に対する近軸パワーをPC(mm-1)、前記カップリングレンズの温度変化に対する屈折率変化率をdn/dt、前記カップリングレンズの波長変化に対する屈折率変化率をdn/dλ、前記第1光源の温度変化に対する波長変化率をdλ/dt、としたとき、次式を満たすことを特徴とする請求項42に記載のカップリングレンズ。
|c1+(c2−c1)・PD/PC|/fC<0.08・λ1(mm)
但し、
c1=1/(n−1)・dn/dt+1/(n−1)・dn/dλ・dλ/dt−α、
c2=1/λ1・dλ/dt−2α
であり、前記PDは、前記回折構造による光路長付加量を次の数1で表される光路差関数で定義し、前記回折構造に前記第1光束が入射した場合に発生する回折光のうち、最大の回折効率を有する回折光の回折次数をn1としたとき、
PD=−2・n1・B2・(λ1/λB)
で表されるものとする。
ここで、n1は、前記回折面に前記第1光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数である。
- 450nm以下の第1波長λ1の第1光束を射出する第1光源と、前記第1波長λ1の1.3倍より長い第2波長λ2の第2光束を射出する第2光源と、の波長が互いに異なる少なくとも2種類の光源と、前記波長が互いに異なる少なくとも2種類の光源から射出された光束を、記録密度が互いに異なる少なくとも2種類の光ディスクの情報記録面上に集光するための対物レンズユニットとの間であって、前記第1光束及び第2光束の共通光路中に配置され、光軸に対して略平行の状態で入射する前記第1光束を略平行の状態で射出する色収差補正用光学素子であって、
前記色収差補正用光学素子は、微細な段差により分割された複数の輪帯からなる回折構造が形成された回折面と、近軸パワーが負である光学面とを少なくとも1つずつ有する1群構成の光学素子であって、前記段差の光軸方向の深さは、前記第1光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数に対して、前記第2光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数がより低次数となるように設計されていることを特徴とする色収差補正用光学素子。 - 前記回折構造は、巨視的に平面状である光学面上に形成され、その反対側の光学面は、近軸パワーが負であって前記回折構造が形成されない光学面であることを特徴とする請求項44に記載の色収差補正用光学素子。
- 前記第2波長λ2は600nmから700nmの範囲内の波長であり、前記第1光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数をn1とし、前記第2光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数をn2としたとき、前記回折次数n1と前記回折次数n2の組合せが、(n1,n2)=(2,1)、(3,2)、(4,2)、(5,3)、(6,4)、(7,4)(8,5)、(10、6)のいずれかであることを特徴とする請求項44又は45に記載の色収差補正用光学素子。
- 前記色収差補正用光学素子の構成レンズのうち、前記回折面を有する構成レンズの前記第1波長λ1に対する屈折率が1.5〜1.6の範囲内であって、前記回折面を有する構成レンズのd線(587.6nm)に対するアッベ数が50〜60の範囲内であると共に、前記段差のうち光軸に最も近い段差の光軸方向の深さd0が次式(1)〜(8)のいずれか1つを満たすことを特徴とする請求項46に記載の色収差補正用光学素子。
1.2μm<d0<1.7μm・・・(1)
1.9μm<d0<2.6μm・・・(2)
2.6μm<d0<3.2μm・・・(3)
3.3μm<d0<4.2μm・・・(4)
4.4μm<d0<5.0μm・・・(5)
4.7μm<d0<5.7μm・・・(6)
5.6μm<d0<6.5μm・・・(7)
6.9μm<d0<8.1μm・・・(8) - 前記色収差補正用光学素子は、前記第1光源、前記第2光源、及び前記第1波長λ1及び前記第2波長λ2とは異なる第3波長λ3の第3光束を射出する第3光源の3種類の光源と、前記3種類の光源から射出された光束を記録密度が異なる少なくとも3種類の光ディスクの情報記録面上に集光するための対物レンズユニットとの間であって、前記第1光束乃至前記第3光束の共通光路中に配置され、前記第2波長λ2は600nmから700nmの範囲内の波長であり、第3光源から射出される第3光束の第3波長λ3は730nmから830nmの範囲内の波長であり、前記第1光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数をn1とし、前記第2光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数をn2とし、前記第3光束が入射した場合に発生する回折光のうち最大の回折効率を有する回折光の回折次数をn3としたとき、前記回折次数n1と前記回折次数n2と前記回折次数n3の組合せが、(n1,n2、n3)=(2,1,1)、(4,2,2)、(6,4,3)、(8,5,4)、(10,6,5)のいずれかであることを特徴とする請求項44に記載の色収差補正用光学素子。
- 前記色収差補正用光学素子の構成レンズのうち、前記回折面を有する構成レンズの前記第1波長λ1に対する屈折率が1.5〜1.6の範囲内であって、前記回折面を有する構成レンズのd線(587.6nm)に対するアッベ数が50〜60の範囲内であると共に、前記段差のうち光軸に最も近い段差の光軸方向の深さd0が次式(9)乃至(13)のいずれか1つを満たすことを特徴とする請求項48に記載の色収差補正用光学素子。
1.2μm<d0<1.7μm・・・(9)
2.6μm<d0<3.0μm・・・(10)
4.4μm<d0<5.0μm・・・(11)
5.6μm<d0<6.5μm・・・(12)
6.9μm<d0<8.1μm・・・(13)
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