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JP2005039485A - 画像抽出方法、プログラム、記録媒体及び画像処理装置 - Google Patents

画像抽出方法、プログラム、記録媒体及び画像処理装置 Download PDF

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JP2005039485A JP2003199371A JP2003199371A JP2005039485A JP 2005039485 A JP2005039485 A JP 2005039485A JP 2003199371 A JP2003199371 A JP 2003199371A JP 2003199371 A JP2003199371 A JP 2003199371A JP 2005039485 A JP2005039485 A JP 2005039485A
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Abstract

【課題】余白ブロックがない原稿について原稿画像の傾きを修正し、読取画像周辺に発生する境界ノイズを含まない原稿画像を抽出する。
【解決手段】デジタル複合機は、原稿画像に原稿に相当しない画像領域が発生するとき、原稿の画像領域と原稿以外の画像領域の境界情報により原稿の画像領域の傾きを検知し(S1)、傾きが生じている場合は、傾きのない方向に回転させる(S2)。傾きが修正された入力画像から、原稿の画像領域を抽出する(S3)。この画像領域から原稿境界部の原稿以外の画像領域(境界ノイズ)を検出する(S4)。そして、境界ノイズの色置換を行い(S5)、出力画像として出力する。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、入力画像から原稿の画像領域を抽出する画像抽出方法、プログラム、記録媒体、これらプログラム等を搭載した画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、文字認識装置により文書や帳票の画像を処理するとき、画像に傾きがあると、認識率に悪影響し、また画像読取り、ファクシミリ受信、コピー等の機能を有するデジタル複合装置により画像形成を行うとき、画像以外のノイズ画像があると、画像形成に悪影響する。そこで、画像の傾きを検出し、検出した傾きを考慮して文字認識を行い、ノイズ画像を検出、消去して画像形成を行うことが行われている。
【0003】
文書画像の傾きを検出する手法の例として、文字図形ブロックと余白ブロックとがほぼ直線状の境界をなす可能性が高い部分として、文書画像の角隅部分を選択し、次に、この角隅部分において、文字図形ブロックに外接する外接矩形を検出し、検出した外接矩形の一辺と文字図形ブロックの一辺の交点を中心として、横方向走査線の走査方向(文字図形ブロックの一辺)を回転させる。そして、走査線上で文字図形要素を検出しなかった最大の回転角度を、文書画像の傾き候補として検出する。これを文書画像の4つの角隅部分の画像について行い、その平均値を文書画像の傾きとして検出する発明がなされている(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開平8−320916号公報(要約書、段落(0027) ̄(0031)、図7)
【0005】
また、画像ノイズを消去する手法の例として、デジタル複写機において、スキャナによるプレスキャンで原稿を読取り、読取った画像のアナログ信号をデジタル信号に変換し、更にデジタル信号のRGB色成分をCMYの色成分に変換する。この色成分の信号から、色成分ごとに、階調分布に関するヒストグラムを作成し、このヒストグラムに基いて原稿の地肌色を表す地肌色データ及び領域判定処理に用いるしきい値を決定する。本スキャンにより原稿を読取るとき、コピーすべき画像領域に属する画素の画素データには何らの処理も行わず、地肌領域に属する画素の画素データはプレスキャンで得た地肌色データで且つしきい値に基いて地肌色変換処理、つまり消去する。このため地肌汚れ、裏写りが防止できる、という発明が開示されている(特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献2】特開2001−45297号公報(段落(0031)乃至(0035))
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に開示された発明は、文字図形ブロックと余白ブロックを利用して画像の傾き検知を行うので、情報領域が原稿の端部まで一杯にかかっているような原稿では傾きの検知が行えないということがあった。
【0008】
また、特許文献2に開示された発明は、原稿のコピーにおいて、プレスキャンにより、コピーすべき画像領域と地肌領域とを区別しておき、地肌領域をプレスキャンで得た地肌色データで且つしきい値に基いて色変換処理するので、画像読取装置が、例えば黒い圧板の下に置かれた原稿を読取るとき、原稿のサイズが読取領域のサイズより小さいなどサイズが異なる場合、読取画像の周辺に原稿以外に相当する黒画素の画像領域が発生することがあり、この画像領域を消去することは行っていない。
【0009】
本発明は、上述のような実状に鑑みてなされたもので、第1の目的は、余白ブロックがない原稿の場合においても原稿画像の傾きを修正し、読取画像の周辺に原稿以外に相当する黒画素の画像領域が発生する場合においても、境界ノイズを含まない原稿画像を抽出することであり、そして、第2の目的は、前記抽出を効率的に行うことである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、入力画像から原稿の画像を抽出する画像抽出方法において、
入力画像から原稿の画像領域と原稿以外の画像領域との第1の境界情報を取得する工程と、第1の境界情報に基いて入力画像中の原稿画像の傾き角度を算出する工程と、算出した傾き角度に基いて原稿画像の傾きがなくなるように原稿画像の位置を修正する工程と、修正した原稿画像を抽出する工程と、抽出した原稿画像から原稿の画像領域と原稿以外の画像領域との第2の境界情報を取得する工程と、第2の境界情報に基いて原稿画像の画像周辺部のノイズ領域を決定する工程と、 決定したノイズ領域を色置換する工程と、を有することを特徴とする画像抽出方法である。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1記載の画像抽出方法において、前記入力画像から原稿の画像領域と原稿以外の画像領域との第1の境界情報を取得する工程は、第1の境界情報を取得するための探索領域を設定する工程と、探索領域内で原稿以外の画像領域と原稿の画像領域との境界の位置情報を取得する工程と、を有することを特徴とする画像抽出方法である。
【0012】
請求項3の発明は、請求項1記載の画像抽出方法において、前記抽出した原稿画像から原稿の画像領域と原稿以外の画像領域との第2の境界情報を取得する工程は、抽出された原稿画像の大きさに応じて第2の境界情報を取得するための探索領域を設定する工程と、探索領域内で原稿以外の画像領域と原稿の画像との境界の位置情報を取得する工程と、を有することを特徴とする画像抽出方法である。
【0013】
請求項4な発明は、請求項3記載の画像抽出方法において、前記探索領域内で原稿以外の画像領域と原稿の画像との境界の位置情報を取得する工程は、入力画像の上下端又は左右端から連続する所定色の画素の長さが増加傾向から減少傾向へ、又は減少傾向から増加傾向へ変化する点の位置情報から第2の境界情報を取得する工程であることを特徴とする画像抽出方法である。
【0014】
請求項5の発明は、請求項3記載の画像抽出方法において、前記第2の境界情報に基いて決定される原稿画像の画像周辺部のノイズ領域は、画像領域の端部から第2の境界情報に基いて定められる位置までであることを特徴とする画像抽出方法である。
【0015】
請求項6の発明は、請求項3又は5記載の画像抽出方法において、前記第2の境界情報に基いて決定される原稿画像の画像周辺部のノイズ領域は、原稿画像の情報領域と接触するノイズ領域において所定色画素のランレングスが変化する点までの領域であることを特徴とする画像抽出方法である。
【0016】
請求項7の発明は、コンピュータを、入力画像から原稿の画像領域と原稿以外の画像領域との第1の境界情報を取得する手段、第1の境界情報に基いて入力画像中の原稿画像の傾き角度を算出する手段、算出した傾き角度に基いて原稿画像の傾きがなくなるように原稿画像の位置を修正する手段、修正した原稿画像を抽出する手段、抽出した原稿画像から原稿の画像領域と原稿以外の画像領域との第2の境界情報を取得する手段、第2の境界情報に基いて原稿画像の画像周辺部のノイズ領域を決定する手段、決定したノイズ領域を色置換する手段、として機能させるためのプログラムである。
【0017】
請求項8の発明は、請求項7記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態に係るFAX機能やコピー機能を持つデジタル複合機における原稿画像の抽出について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る多機能形デジタル複合機の画像処理部の概略構成を示すブロック図であり、図中、1は、スキャナ等の汎用の画像読取装置、2は、画像抽出処理を制御する中央演算処理装置(CPU)、3は、デジタル複合機を起動するためのプログラムや画像抽出処理を制御するプログラムを記憶するROM及びNVRAM、4は、画像抽出処理のために読取り画像を一時的に記憶するRAM、5は、読取り画像や処理済みの画像を記憶する大容量メモリ(HDD)、6は、画像抽出を制御するためのプログラムが搭載されたCD−ROMやDVD−ROM等を駆動するドライバ、7は、画像抽出処理の命令や画像抽出の状況等を表示する表示装置、8は、不図示のインターフェースを介して他のパソコンやデジタル複合機と画像データをやり取りするネットワーク、9は、これらの各装置間でコマンドやデータのやり取りするバスである。
【0019】
(実施形態1)本実施形態では、多機能型デジタル複合機は、原稿が2値画像であって、画像読取装置1から入力された原稿画像が、その周縁部に原稿以外の画像領域を有しているとき、原稿以外の画像領域による境界ノイズを消去して見かけ上境界ノイズを含まない原稿画像を抽出する。
図2は、原稿の画像領域と該画像領域に発生する原稿以外の画像領域の関係を示す図であり、図中、11は原稿、12は原稿11に記録された文字、図形、写真、グラフ等の情報領域である(図2(A))。14は、画像読取装置1により読取られ、RAM4に展開された入力画像を模式的に示し、15は、原稿11の画像領域、16は、画像読取装置1の、不図示の圧板の着色等により原稿画像の周縁部に発生した原稿以外の画像領域である(図2(B))。
【0020】
図3は、原稿画像を抽出する形態を説明する図である。CPU3は、RAM4上で前記画像領域16の発生を監視しており、画像領域16が発生したとき、原稿の画像領域の傾きを検知し(図3(A))、傾きが生じている場合は、検知した傾きの分だけ、画像領域15を傾きのない方向に回転させる(図3(B))。傾きが修正された入力画像から、CPU3は、原稿の画像領域だけを切り出し、つまり抽出する(図3(C))。このとき、抽出された原稿の画像領域15は、原稿の画像領域に含まれる原稿以外の画像領域(境界ノイズ)17を含んでいる。そこで、境界ノイズ17を適当な色に置き換え(図2(D))、見かけ上境界ノイズが消去された画像にする。
【0021】
なお、傾きの検知、境界の検出、画像抽出、境界ノイズの検出、色置換の具体的形態については後述する。
【0022】
図4は、入力画像から原稿画像を抽出する処理のフロー図であり、フロー図を参照して処理の手順を説明する。以下の説明において、Sは、処理のステップを示す。CPU3は、画像領域16が発生したとき、原稿の画像領域の傾きを検知し(S1)、傾きが生じている場合は、傾きのない方向に回転させる(S2)。傾きが修正された入力画像から、原稿の画像領域を抽出する(S3)。そして原稿境界部の原稿以外の画像領域を検出する(S4)。そして、原稿の画像領域に含まれる原稿以外の画像領域(境界ノイズ)の色置換を行い(S5)、出力画像として出力する。
【0023】
本実施形態によれば、原稿画像15周辺に原稿以外の画像領域(境界ノイズ)17が含まれる場合、その境界ノイズ17を消去し、見かけ上原稿11に相当する画像領域15のみを抽出することができる。
【0024】
(実施形態2)本実施形態では、多機能型デジタル複合機は、原稿がグレースケールやカラー画像であって、画像読取装置1から入力された原稿画像が、その周縁部に原稿以外の画像領域を有しているとき、原稿以外の画像領域による境界ノイズを消去して見かけ上境界ノイズを含まない原稿画像を抽出する。原稿がグレースケールやカラー画像のような多値画像の場合、この多値画像を汎用の変換手段により2値画像に変換する。2値画像に変換した後は、実施形態1で述べた手法と同じ手法により、原稿以外の画像領域を含まない原稿画像を抽出する。
【0025】
本実施形態によれば、原稿が多値画像の場合であっても、2値画像として原稿以外の画像領域を抽出処理するので、高速で抽出を行うことができる。このときRAM4の容量は小さくて済む。
【0026】
(実施形態3)本実施形態では、多機能型デジタル複合機は、画像読取装置1から入力された原稿画像のサイズが大きく、その画像の周縁部に原稿以外の画像領域を有しているとき、原稿以外の画像領域による境界ノイズを消去して見かけ上境界ノイズを含まない原稿画像を抽出する。CPU3は、RAM4に展開された入力画像のサイズを監視しており、所定のサイズを超えたと判断するとき、入力画像のサイズを所定のサイズまで縮小する。縮小された入力画像に対して実施形態1で述べた手法と同じ手法により、原稿以外の画像領域を含まない原稿画像を抽出する。このとき、原稿が2値画像の場合、画像変換することなく、実施形態1で述べた手法と同じ手法で、また原稿が多値画像の場合、実施形態2で述べた画像変換を行ったあと、実施形態1で述べた手法と同じ手法により、原稿以外の画像領域を含まない原稿画像を抽出する。
【0027】
本実施形態によれば、入力画像14のサイズが大きい場合でも、高速且つRAM4の容量を大きくすることなく、原稿以外の画像領域を抽出することができる。
【0028】
(実施形態4)本実施形態では、多機能型デジタル複合機は、原稿画像の傾きを画像の境界情報、即ち原稿の画像領域と原稿以外の画像領域との境界辺の位置情報、及び原稿の画像領域の4隅の位置情報から検知する。
【0029】
図5は、境界情報から原稿画像の傾き角度を検知する形態を説明するための入力画像を示す図である。図5において、入力画像14がRAM4に展開されると、CPU3は、原稿の画像領域15の上下及び左右の、原稿以外の画像領域との境界(白黒画像における白と黒の境)の辺e,f,g,hについて位置情報(座標情報)を取得する。或いは、角隅a,b,c,dを結ぶ辺について位置情報(座標情報)を取得する。そして、この位置情報の上辺eと下辺fのY軸方向の勾配、又は左辺gと右辺hのX軸方向の勾配から原稿画像の傾き角度を決定する。
【0030】
また、原稿画像の傾き角度は、本願出願人の出願に係る特許第3281469号に開示された文字列矩形から作成した傾きのヒストグラムにより求める、或いは同じく特許第3338537号に開示された読取画像中の文字の上端における白黒境界点の座標を点列とし、その座標から回帰直線を求め、その回帰係数から求める手法を用いることができる。
【0031】
よって、上述の各手法によって得られる傾きの角度から総合的に求めてもよい。即ち、それぞれの角度の平均値、中央値、確からしい値から角度を決定する。また各辺、4つの角隅を結ぶ辺から上下と左右のペアに分け、それぞれ得られた角度において、差異が小さい方を角度として決定する。
【0032】
本実施形態によれば、原稿画像の傾きを、原稿の画像領域15の上下及び左右のe,f,g,hの位置情報(座標情報)、及び原稿の画像領域15の4隅a,b,c,dの位置情報から算出するので、手軽に求めることができる。また、位置情報を平均値、中央値等から総合的に算出するので正確に求めることができる。
【0033】
(実施形態5)本実施形態では、多機能型デジタル複合機は、予め、原稿の画像領域と原稿以外の画像領域との境界を求めるときのための探索範囲を設定する。
【0034】
図6は、入力画像において予め設定する探索範囲を示す図である。図6において、入力画像14のうち、入力画像上辺から下辺に向けて所定の幅によって構成される矩形範囲(上部探索範囲U)、入力画像下辺から上辺に向けて所定の幅によって構成される矩形範囲(下部探索範囲D)、入力画像左辺から右辺に向けて所定の幅によって構成される矩形範囲(左側探索範囲L)、入力画像右辺から左辺に向けて所定の幅によって構成される矩形範囲(右側探索範囲R)をそれぞれ境界検出のための探索範囲とする。これら探索範囲は、原稿サイズに対応した固定値により設定してもよいし、原稿サイズに対応して動的に決まる値を利用してもよい。原稿の画像領域と原稿以外の画像領域との境界を求めるとき、入力画像全体について境界を探索するのではなく、設定された探索範囲内で境界を検出する。
【0035】
本実施形態によれば、境界検出の処理を限定された範囲U,D,L,R内で行えばよいので、無駄な検出動作を行わず、高速で境界を検出することができる。
【0036】
(実施形態6)本実施形態では、多機能型デジタル複合機は、連続する色の終点情報により境界検出を行う。
図7は、境界検出を行う形態を説明するための入力画像を示す図である。図7において、実施形態6で述べた境界探索範囲U,D,L,Rが設定される。例えば2値画像の場合は、原稿以外の画像領域は黒色であるので、上下及び左右の辺から黒画素が連続する領域を求める(図7(A)の太矢印)。例えば、左側探索範囲L内で求めるケースで説明すると、入力画像の左辺から図面右方向に黒画素が連続する領域を求め、連続が途絶える点を終点としてその情報(終点位置情報)を取得する。これを上辺から下辺に向けて所定の間隔で走査し、取得した終点位置情報を連続することにより境界検出を行う(図7(B)参照)。同じようにして下辺から上辺へ、左辺から右辺へ、右辺から左辺へ黒画素が連続する領域を求め、終点位置情報を取得する。このとき、原稿以外の画像領域にノイズとして白画素が発生することもあり得るので、白画素数が所定値、例えば3個以内であれば、これを無視して黒画素の連続領域とする(図7(C)参照)。
【0037】
本実施形態によれば、簡単に境界検出を行うことができる。
【0038】
(実施形態7)本実施形態では、多機能型デジタル複合機は、原稿の画像領域の、4つの角隅の位置情報(角隅位置情報)から境界を検出する。
図8は、原稿の画像領域の角隅位置情報から境界を検出する形態を説明する図である。ここで、4つの角隅の各角隅位置情報は、終点位置情報が大きく変化する位置から求める。例えば、左上角隅の位置情報は、X,Y方向の座標値の増減が変化する箇所になる。即ち、原稿の画像領域が右下がりに傾いている場合は、下辺側からの終点位置情報を右辺方向へ走査すると、Y方向の座標値が減り続け、左上角隅に当たる点Saで急に増え始めるように変化する。従って、CPU2は、この変化する位置を左上角隅としその位置情報を取得する。同様にして、他の角隅位置情報も取得することができる。これらの角隅位置情報を結ぶ辺により境界を検出する。
【0039】
また、原稿の画像領域が左下がりに傾いている場合は、左辺側からの終点位置情報を上辺方向へ走査すると、X方向の座標値が減り続け、左上角隅に当たる点Saから、急に増え始めるように変化する。従って、CPU2は、この変化する位置を左上角隅としその位置情報を取得する。同様にして、他の角隅位置情報も取得することができ、境界を検出することができる。
【0040】
原稿の画像領域が右下がりか又は左下がりかは、座標値の変化を、例えば前のX軸座標値又はY軸座標値と比較して、増える場合は+1、減る場合は−1として予め検知しておけばよい。
【0041】
本実施形態によれば、容易に境界を検出することができる。
【0042】
(実施形態8)本実施形態では、多機能型デジタル複合機は、原稿の角隅がステープル留め等のために折れ、又は破れ、或いは欠けていることがあることに徴し、角隅近辺の終点位置情報を除く終点位置情報により境界検出を行う。
【0043】
図9は、角隅近辺の終点位置情報を除いて境界検出を行う形態を説明する図であり、図中、14aは、左上角隅が欠けている原稿の画像領域15aの入力画像である。欠けた左上角隅の位置情報は、左辺と上辺の交差点を求めることにより大まかに求めておく。そして、各角隅を結ぶ両角隅からそれぞれ4分の1程度の範囲を除いた範囲p,q,r,sの終点位置情報を求め、境界として検知する。
【0044】
本実施形態によれば、角隅が欠けている原稿の画像領域の境界を検出するとき、検出精度を上げることができる。
【0045】
(実施形態9)本実施形態では、多機能型デジタル複合機は、境界が決定された原稿の画像領域から原稿に相当する画像領域を抽出する。この抽出は、地肌色に注目した外接矩形の抽出と、抽出した外接矩形同士の統合によって行うものである。この場合の地肌色は、原稿の画像領域の地肌色である。2値画像においては、地肌色が白色であるため白画素に着目した外接矩形を求める。求められた外接矩形を包含するように統合し、最終的に統合された最大の矩形を原稿の画像領域として決定し、この画像領域を抽出する。このとき、ノイズ領域も想定されるので、所定のサイズ以下の矩形はノイズとして統合しないなどの処理を行うことができる。
【0046】
本実施形態によれば、容易に抽出対象となる画像領域を決定することができる。
【0047】
(実施形態10)本実施形態では、多機能型デジタル複合機は、抽出された原稿の画像領域から境界ノイズを検出、消去するために、境界ノイズ探索範囲を決定し、その探索範囲内で境界と接する外接矩形を検出し、境界ノイズを検出する。
【0048】
抽出された原稿の画像領域には、原稿の画像領域が傾いている場合、原稿以外の画像領域が原稿の画像領域の境界部に含まれる。従って、これを消去する必要があるが、この消去処理のために抽出された原稿の画像領域全域を境界ノイズ検出対象領域とするのではなく、境界ノイズ探索範囲を決定し、その探索範囲内で境界と接する外接矩形について境界ノイズを消去する。境界ノイズ探索範囲は、抽出された原稿の画像領域の上下及び左右の境界から所定の幅の範囲とする。探索範囲の決め方は、予め画像サイズに応じた固定値、又は画像情報に応じて、動的に決まる値、例えば幅、高さ等により計算によって求められる値、とする。
【0049】
本実施形態によれば、所定の範囲内に存在する外接矩形を検出するので、境界ノイズの検出及び消去を高速で行うことができる。
【0050】
(実施形態11)本実施形態では、多機能型デジタル複合機は、抽出された、境界に接する外接矩形をそのまま境界ノイズと判断しないで、再度、黒画素のランレングスの変化を調べ、変化の大きい個所で境界ノイズと情報領域を区別する。
【0051】
図10は、境界に接する外接矩形をそのまま境界ノイズと判断しない理由を説明するための原稿と、境界と接する外接矩形との関係を示す図である。最近、雑誌などで原稿の周辺に余白(マージン)を設けていないものがあり、原稿用紙の端部まで写真がレイアウトされるような原稿がある。図10(A)は、原稿用紙の左上端、及び左端まで文字、図形、写真、表、グラフ等の情報領域30がレイアウトされた原稿を示す。図10(B)は、このような原稿を外接矩形として検出したとき、境界ノイズ17と情報領域30が接触している状態を示し、情報領域30と境界ノイズ17とを強制的に分離しないと情報領域30まで境界ノイズ17として消去されてしまうおそれがある。そこで、黒画素のランレングスの変化を調べ、変化の大きい個所で強制的に分離する。
【0052】
図11は、情報領域と境界ノイズとを区別する形態を説明する図である。図11において、CPU3は、外接矩形の情報領域30が境界ノイズ17と接触しているか否かを判断し、接触していると判断したとき、接触部分が存在する1つの角隅31について黒画素の連続領域(ランレングス)の変化の調査を開始する。この調査は、左上端から右方向へ、更に下方向へ走査するように連続する黒画素の数をチェックする。このときm−1ライン目のランレングスとmライン目のランレングスとでランレングスの長さが急に変化するので、この変化点の位置を取得し、この位置で情報領域30と境界ノイズ17を分離する。
【0053】
本実施形態によれば、境界ノイズを消し残すことはあっても、情報領域まで誤って消去することはかなり少なくなる。従って、原稿周辺にマージンがないような原稿の場合においても、情報領域を消去することなく原稿画像を抽出することができる。
【0054】
(実施形態12)本実施形態では、多機能型デジタル複合機は、境界ノイズとして検出された画素に対して色置換を行う。この色は、ユーザーが指定する白、黒又はその他の色であってよい。或いは色置換を行うことなく、そのまま出力することも可能である。もちろん、ユーザーによる色指定を行わない場合は、白とすることも可能である。
【0055】
本実施形態によれば、置換色を任意に決定できるので、境界ノイズの消去の程度をコントロールすることができる。
【0056】
(実施形態13)本実施形態では、多機能型デジタル複合機は、境界ノイズとして検出された画素に対して色置換を行うとき、その画素の周辺に存在する一番近い地肌色に置換する。地肌色は、色のヒストグラムを求め、一番多い色を地肌色とする方法がある。このとき一番多い地肌色に近い色を周辺の画素から見つけ、その色に置換してもよい。色は、画像の位置により微妙に異なるため、一番自然な地肌色に置換するために周辺の色に置換する。もちろん、このような処理を実行するか或いは実行しないかの決定をユーザーに任せてもよい。
【0057】
本実施形態によれば、境界ノイズを周辺画素の地肌色に一番近い色に置換するので、原稿の画像領域を自然体のまま抽出することができる。
【0058】
(実施形態14)一般の多機能型デジタル複合機のコンピュータを、実施形態1乃至13で述べた画像処理を実施する手段として機能させるために、その手順を汎用のプログラム言語によりコンピュータプログラムとして記述し、かつ、このプログラムをフレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROM、MO等の任意の記録媒体に記録し、これを一般のデジタル複合機のコンピュータに読取らせることで本発明に係る画像処理を容易に実施することができる。本プログラムは、記録媒体に記録する以外に、インターネット、イントラネット等の任意のネットワークを介して、デジタル複合機のコンピュータに直接読取らせることも可能である。
【0059】
以上述べた実施形態は、本発明が、FAX機能、コピー機能を有する多機能型のデジタル複合機において実施されることを前提としているが、パソコンから受信した画像情報を処理するデジタル複合機、スキャナとパソコンの組み合わせからなる画像処理装置において実施してもよい。
【0060】
【発明の効果】
請求項1,2,3,4,5の発明に対応する効果: 余白ブロックがない原稿の場合においても原稿画像の傾きを修正し、読取画像の周辺に原稿以外に相当する黒画素の画像領域が発生する場合においても、境界ノイズを含まない原稿画像を抽出することができる。従って、画像抽出を効率的に行うことができる。
請求項6の発明に対応する効果: 情報領域がノイズ領域に接している場合、情報領域がノイズ領域とされることがなくなる。
請求項7,8に対応する効果: 一般の画像処理装置において、請求項1,2,3,4,5、6の発明を容易に実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る多機能形デジタル複合機の画像処理部の概略構成を示すブロック図である。
【図2】原稿の画像領域と該画像領域に発生する原稿以外の画像領域の関係を示す図である。
【図3】原稿画像を抽出する形態を説明する図である。
【図4】入力画像から原稿画像を抽出する処理のフロー図である。
【図5】境界情報から原稿画像の傾き角度を検知する形態を説明するための入力画像を示す図である。
【図6】入力画像において予め設定する探索範囲を示す図である。
【図7】境界検出を行う形態を説明するための入力画像を示す図である。
【図8】原稿の画像領域の角隅位置情報から境界を検出する形態を説明する図である。
【図9】角隅近辺の終点位置情報を除いて境界検出を行う形態を説明する図である。
【図10】境界に接する外接矩形をそのまま境界ノイズと判断しない理由を説明するための原稿と、境界と接する外接矩形との関係を示す図である。
【図11】情報領域と境界ノイズとを区別する形態を説明する図である。
【符号の説明】
1・・・スキャナ、2・・・CPU3、3・・・ROM、4・・・RAM、5・・・大規模メモリ、6・・・CD−ROMドライバ、7・・・ディスプレイ装置、8・・・ネットワーク接続線、9・・・バス制御線。

Claims (9)

  1. 入力画像から原稿の画像を抽出する画像抽出方法において、
    入力画像から原稿の画像領域と原稿以外の画像領域との第1の境界情報を取得する工程と、
    第1の境界情報に基いて入力画像中の原稿画像の傾き角度を算出する工程と、
    算出した傾き角度に基いて原稿画像の傾きがなくなるように原稿画像の位置を修正する工程と、
    修正した原稿画像を抽出する工程と、
    抽出した原稿画像から原稿の画像領域と原稿以外の画像領域との第2の境界情報を取得する工程と、
    第2の境界情報に基いて原稿画像の画像周辺部のノイズ領域を決定する工程と、
    決定したノイズ領域を色置換する工程と、
    を有することを特徴とする画像抽出方法。
  2. 請求項1記載の画像抽出方法において、
    前記入力画像から原稿の画像領域と原稿以外の画像領域との第1の境界情報を取得する工程は、
    第1の境界情報を取得するための探索領域を設定する工程と、
    探索領域内で原稿以外の画像領域と原稿の画像領域との境界の位置情報を取得する工程と、
    を有することを特徴とする画像抽出方法。
  3. 請求項1記載の画像抽出方法において、
    前記抽出した原稿画像から原稿の画像領域と原稿以外の画像領域との第2の境界情報を取得する工程は、
    抽出された原稿画像の大きさに応じて第2の境界情報を取得するための探索領域を設定する工程と、
    探索領域内で原稿以外の画像領域と原稿の画像との境界の位置情報を取得する工程と、
    を有することを特徴とする画像抽出方法。
  4. 請求項3記載の画像抽出方法において、
    前記探索領域内で原稿以外の画像領域と原稿の画像との境界の位置情報を取得する工程は、
    入力画像の上下端又は左右端から連続する所定色の画素の長さが増加傾向から減少傾向へ、又は減少傾向から増加傾向へ変化する点の位置情報から第2の境界情報を取得する工程であることを特徴とする画像抽出方法。
  5. 請求項3記載の画像抽出方法において、
    前記第2の境界情報に基いて決定される原稿画像の画像周辺部のノイズ領域は、画像領域の端部から第2の境界情報に基いて定められる位置までであることを特徴とする画像抽出方法。
  6. 請求項3又は5記載の画像抽出方法において、
    前記第2の境界情報に基いて決定される原稿画像の画像周辺部のノイズ領域は、原稿画像の情報領域と接触するノイズ領域において所定色画素のランレングスが変化する点までの領域であることを特徴とする画像抽出方法。
  7. コンピュータを、
    入力画像から原稿の画像領域と原稿以外の画像領域との第1の境界情報を取得する手段、
    第1の境界情報に基いて入力画像中の原稿画像の傾き角度を算出する手段、
    算出した傾き角度に基いて原稿画像の傾きがなくなるように原稿画像の位置を修正する手段、
    修正した原稿画像を抽出する手段、
    抽出した原稿画像から原稿の画像領域と原稿以外の画像領域との第2の境界情報を取得する手段、
    第2の境界情報に基いて原稿画像の画像周辺部のノイズ領域を決定する手段、
    決定したノイズ領域を色置換する手段、
    として機能させるためのプログラム。
  8. 請求項7記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  9. 請求項7記載のプログラムを搭載した画像処理装置。
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