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JP2005037741A - アクティブマトリクス基板、表示装置、及び電子機器 - Google Patents

アクティブマトリクス基板、表示装置、及び電子機器 Download PDF

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JP2005037741A JP2003275450A JP2003275450A JP2005037741A JP 2005037741 A JP2005037741 A JP 2005037741A JP 2003275450 A JP2003275450 A JP 2003275450A JP 2003275450 A JP2003275450 A JP 2003275450A JP 2005037741 A JP2005037741 A JP 2005037741A
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Abstract

【課題】 製造工程の効率化及びそれに伴う製造コストの低減を可能にし、かつ画素の高精細化に対応しつつ表示の高品位化を実現することができるアクティブマトリクス基板、及びこれを備えた表示装置を提供する
【解決手段】 本発明のアクティブマトリクス基板の画素領域41には、薄膜トランジスタ30と、この薄膜トランジスタに接続された蓄積容量70とが設けられており、前記薄膜トランジスタ30は、半導体層42に設けられたチャネル領域と、このチャネル領域に絶縁膜を介して対向するゲート電極部32,33とを備えている。そして、前記半導体層42を挟んで前記ゲート電極部32,33と反対側に、遮光膜及びバックゲート電極部として機能するバックゲート配線15b、及び前記蓄積容量70の電極を成す容量電極部15aとが形成されている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、アクティブマトリクス基板、表示装置、及び電子機器に関するものである。
液晶装置、EL(エレクトロルミネッセンス)装置等の表示装置として、アクティブマトリクス方式のものが従来から知られている。この種の表示装置に用いられるアクティブマトリクス基板では、平面視マトリクス状に配置された多数の画素からなる画像表示領域を備え、前記各画素に対応してTFT(薄膜トランジスタ)等のスイッチング素子が設けられている。また、画像表示領域のスイッチング素子に対して画像信号や走査信号を供給する駆動回路や検査回路等の周辺回路を、画像表示領域の外周部に設けた構成のものもある。
前記画素や周辺回路に用いられるTFTとしては、多結晶シリコンが広く用いられているが、近年、その製造プロセスとして、半導体層を比較的低温にて形成する低温プロセスが注目されている。
このような低温プロセスを用いて作製された半導体層(低温p−Si)では、高温でシリコン薄膜を多結晶化して作製された半導体層(高温p−Si)に比して、製造時の加熱温度や半導体層の表面粗度などのプロセス上の制限が多く、また係る低温p−Siを用いたTFTは、比較的安価な表示装置に適用されることが多いことから、製造工程の簡素化、効率化が必須のものとなりつつある。さらに、この種の表示装置においても、表示の高品位化という一般的な要請は強く、画素の開口率や保持特性を損なうことなく高精細化(画素の狭ピッチ化)することが求められている。
そこで、特許文献1に記載の電気光学装置では、工程数の増加や、画素の非開口領域の拡大を伴うことなく画素の蓄積容量を増加させ、高精細化に対応するべく、TFTの光リークを防止するために設けられる遮光層と、画素の蓄積容量を構成する電極部とを、半導体層の下側(基板側)の同層に形成した構成が採用されている。
特開2000−267131号公報
上記特許文献1に記載の技術は、画素の開口率を低下させることなく蓄積容量の増大を実現できることから、画素の高精細化に有効な技術である。しかしながら、画素を高精細化する場合、蓄積容量の効率化のみならず、画素のスイッチング素子の小型化や、表示装置の表示エリア外に設けられる周辺回路における集積度の向上が要求される。ところが、TFT等のスイッチング素子に接続される配線やゲート電極を単に小型化、狭ピッチ化すると、それらの加工性が限界に達し、動作の安定性や信頼性に影響を及ぼすおそれがある。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであって、画素の高精細化、並びに表示画像の高品位化を実現でき、かつ簡便な製造工程にて製造可能なアクティブマトリクス基板、及びこれを備えた表示装置を提供することを目的としている。
本発明は、上記課題を解決するために、基材と、該基材上に配列形成された複数の画素領域とを備え、前記画素領域に、薄膜トランジスタと、該薄膜トランジスタに接続された蓄積容量とが設けられたアクティブマトリクス基板であって、前記薄膜トランジスタが、前記画素領域内の半導体層に形成されたチャネル領域と、該チャネル領域と絶縁膜を介して対向するゲート電極部とを備えてなり、前記半導体層を挟んで前記ゲート電極部と反対側に、複数の遮光部材を配置してなる遮光部材層が設けられ、前記遮光部材が、前記チャネル領域と対向する遮光膜と、バックゲート電極部と、前記蓄積容量の電極を成す容量電極部とを含むことを特徴とするアクティブマトリクス基板を提供する。
この構成によれば、同一の遮光部材層に同一の遮光性材料を用いて形成した遮光膜、バックゲート電極部、容量電極部とを備えたことで、遮光膜による薄膜トランジスタの光リークの防止、及びバックゲート電極部による薄膜トランジスタのオフ電流低減、動作安定化、並びに、容量電極部による蓄積容量の増大作用を得ることができ、画素の高精細化を実現することができるようになっている。すなわち、薄膜トランジスタのリーク電流、オフ電流の低減により保持特性を向上させて蓄積容量を小さくすることが可能になるとともに、蓄積容量自体の容量を増加させることで、蓄積容量の平面積を縮小することができる。これにより、画素領域における非開口領域を縮小し、画素の開口率を高めることができるようになっている。
また、上記遮光部材は、同一の遮光部材層に形成され、同一工程にて形成することができるため、工程数の増加を伴うことなく、アクティブマトリクス基板の高性能化を実現できる。
本発明のアクティブマトリクス基板は、前記薄膜トランジスタに対して電気信号を供給するべく前記画素領域の辺端部に延設された信号配線を備え、前記遮光部材層に、前記信号配線と平面的に重なって配置された遮光部材が設けられている構成とすることもできる。
これにより、画素領域を区画する遮光部材を備えた構成とすることができ、例えば液晶装置に当該アクティブマトリクス基板を適用する場合に、対向配置される基板側に、画素領域を区画するための遮光手段(ブラックマトリクス)を設ける必要が無くなる。対向基板側にブラックマトリクスを設ける場合、基板同士の組ずれを考慮して、アクティブマトリクス基板側の画素領域間の境界部より太くブラックマトリクスを形成する必要があるが、本構成では、上記組ずれを考慮する必要がないため、ブラックマトリクスとして機能する遮光部材が必要以上に太くならず、従って、画素領域の開口率を高めて、明るい表示を得ることができる。
本発明のアクティブマトリクス基板は、前記信号配線と平面的に重なって配置された遮光部材が、前記容量電極部の一部を成しており、前記半導体層が、前記信号配線と平面的に重なって配置された容量電極部と層厚方向で対向する位置まで沿設されている構成とすることができる。
この構成によれば、前記半導体層と、遮光部材とからなる容量を、信号配線と重なる位置で形成できるため、画素の開口率を低下させることなく蓄積容量を増大させることができ、高精細化に好適な構成を備えたアクティブマトリクス基板を提供することができる。
本発明のアクティブマトリクス基板は、前記遮光部材層に、前記バックゲート電極部と電気的に接続されたバックゲート配線が設けられており、前記バックゲート配線が、前記バックゲート電極部とその周辺領域を除く領域において、前記バックゲート配線に沿って延びる前記信号配線と、平面視において離間されている構成とすることができる。
この構成によれば、前記バックゲート配線と信号配線とのクロストークを防止することができるとともに、バックゲート配線と、信号配線との間の絶縁膜の膜厚を薄くすることができるため、バックゲート電極部を薄膜トランジスタに対して効果的に機能させることができ、また、遮光部材層に設けられた容量電極部を電極とする容量を増大させることができる。
本発明のアクティブマトリクス基板は、前記半導体層を挟んで前記容量電極部と反対側の層に、前記蓄積容量の電極を成す容量線が設けられており、前記容量線と、前記容量電極部とが電気的に接続されている構成とすることができる。
この構成によれば、半導体層を挟んで両側に、容量電極部と容量線とが配置されるため、容量電極部と半導体層、及び半導体層と容量線との間にそれぞれ容量が形成され、画素領域の蓄積容量を増大させることができる。これにより、蓄積容量の平面領域を縮小でき、画素の開口率を高めることができる。
本発明のアクティブマトリクス基板は、前記容量線を挟んで前記半導体層と反対側の層に、前記半導体層と電気的に接続された中間電極層が設けられ、前記中間電極層と、容量線とが、平面的に重なって配置されている構成とすることができる。
この構成によれば、前記中間電極層と、容量線とにより形成される容量を蓄積容量に付加することができるので、蓄積容量の増大により、その平面領域の縮小を実現でき、開口率のさらなる向上を実現することができる。
本発明のアクティブマトリクス基板は、前記蓄積容量を構成する容量電極部、半導体層、容量線、及び/又は中間電極層の平面領域が、層厚方向において前記基材側から順次狭くなるように形成されている構成とすることが好ましい。
この構成によれば、複数の導電膜(上記容量電極部、半導体層等)が積層された構造を有する蓄積容量を構成するに際して、1つの導電膜を覆って形成された絶縁膜の段差部を避けて、上層を形成することができる。これにより、導電膜間での容量リークが生じ難い蓄積容量を形成することができる。前記段差部では、絶縁膜の被覆性が不十分なものとなり易いため、この段差部を介して導電膜が対向していると、この段差部で電荷が貫通し、容量リークを生じることがある。本構成は、係る段差部による容量リークを防止することができる構成である。
本発明のアクティブマトリクス基板は、前記薄膜トランジスタが、複数の前記ゲート電極部と、該複数のゲート電極部と対向する複数のチャネル領域を備える構成とすることもできる。すなわち、マルチゲート構造の薄膜トランジスタを備えた構成とすることができ、画素用薄膜トランジスタのオフ電流を低減し、画素の保持特性を向上させることができる。
本発明のアクティブマトリクス基板は、上記マルチゲート構造において、前記ゲート電極部が、基板上に延在する走査線から分岐して、該走査線と交差する方向に延びる走査線分岐部に設けられている構成とすることができる。また、前記半導体層が、平面視蛇行形状を成して前記走査線と複数箇所で交差しており、該交差部に前記ゲート電極部が設けられている構成とすることもできる。
本発明のアクティブマトリクス基板は、前記バックゲート電極部が、前記チャネル領域と対向して配置されている構成とすることができる。この構成によれば、バックゲート電極部による薄膜トランジスタの動作安定、及びオフリーク電流の低減作用に加え、遮光部材であるバックゲート電極部により、チャネル領域を遮光することができるという利点が得られる。また、ゲート電極部と、バックゲート電極部とが協働してチャネル領域に電界を印加するように駆動することもできるため、薄膜トランジスタを小型化してもオン電流を確保することができる。
本発明のアクティブマトリクス基板は、前記画素領域の薄膜トランジスタに対して電気信号を供給する周辺回路をさらに備え、前記周辺回路に設けられた回路用薄膜トランジスタが、前記遮光部材層に形成されたバックゲート電極部を備えている構成とすることもできる。
このように回路用薄膜トランジスタにバックゲート電極部を設けることで、回路用薄膜トランジスタのゲート電極部との組み合わせにより、周辺回路の薄膜トランジスタの高密度化や小型化を実現できる。これにより、画素の高精細化に容易に対応できる、高集積化された周辺回路が得られる。
またこの構成によれば、前記遮光部材層を形成する際に、同時に回路用薄膜トランジスタのバックゲート電極部も形成でき、工程数の増加を伴わずに、係るバックゲート電極部を設けることができる。
本発明のアクティブマトリクス基板は、前記回路用薄膜トランジスタのチャネル領域と対向する位置に、前記遮光部材層に形成された遮光膜が設けられている構成とすることができる。この構成によれば、周辺回路の薄膜トランジスタの遮光膜も、前記遮光部材層を形成する際に同時に形成できるアクティブマトリクス基板とすることができる。
本発明のアクティブマトリクス基板は、前記回路用薄膜トランジスタを構成する半導体層の層厚方向両側に、それぞれゲート電極部と、前記バックゲート電極部とが形成されている構成とすることができる。
この構成によれば、バックゲート電極部によるオフ電流の低減作用を得ることができるとともに、バックゲート電極をゲートとして機能させ、マルチゲート構造の回路用薄膜トランジスタを形成することもできる
本発明のアクティブマトリクス基板は、前記周辺回路において、隣接して配置された前記回路用薄膜トランジスタのうち、一方の回路用薄膜トランジスタは、そのチャネル領域と対向配置されたゲート電極部を備え、他方の回路用薄膜トランジスタは、そのチャネル領域と対向配置された前記バックゲート電極部を備えている構成とすることもできる。
この構成によれば、隣接して配置された回路用薄膜トランジスタのそれぞれのゲートが、異なる層に形成されるので、ゲート電極部、バックゲート電極部の加工限界に制限されることなく回路用薄膜トランジスタを高密度に配置することができ、高精細化による駆動画素数の増加にも容易に対応可能な高集積の周辺回路を構成することができる。
本発明のアクティブマトリクス基板は、前記回路用薄膜トランジスタのゲート電極部及びバックゲート電極部のいずれかが複数設けられており、当該回路用薄膜トランジスタの動作方向で、前記ゲート電極部とバックゲート電極部とが交互に配置されている構成とすることができる。
この構成は、複数のゲートを備えた回路用薄膜トランジスタにおいて、複数のゲートを構成する電極部を、トランジスタの動作方向に沿って交互に別の層に形成した構成である。このような構成とすることで、ゲートの間隔を狭くした場合にも、同一層に形成されるゲート電極部あるいはバックゲート電極部同士の間隔は、上記ゲートの間隔の2倍以上となるため、これらの電極部の加工限界を超えてゲートの間隔を狭くでき、回路用薄膜トランジスタの小型化、及び周辺回路の高集積化を実現できる。
本発明のアクティブマトリクス基板は、前記回路用薄膜トランジスタに設けられたゲート電極部と、バックゲート電極部とが、平面視略同一位置に形成されている構成とすることができる。
この構成によれば、バックゲート電極部とゲート電極部とが協働して1つのチャネル領域への電界の印加を行うようにすることができ、従って薄膜トランジスタを小型化してもオン電流を確保できるようになる。
本発明のアクティブマトリクス基板は、前記画素用薄膜トランジスタに設けられたバックゲート電極部と、回路用薄膜トランジスタに設けられたバックゲート電極部とが、互いに異なる電圧を印加可能とされている構成とすることが好ましい。この構成によれば、例えば、画素用薄膜トランジスタにおいては動作の安定化、及びオフ電流の低減に用い、一方、周辺回路では、回路用薄膜トランジスタのゲートとして用いるといったバックゲート電極部の利用形態が適用可能になる。
次に、本発明の表示装置は、先に記載の本発明のアクティブマトリクス基板を備えたことを特徴とする。係る表示装置によれば、本発明のアクティブマトリクス基板を用いたことで、高輝度、高精細の表示を得ることができる。
次に、本発明の電子機器は、先に記載の本発明の表示装置を備えたことを特徴とする。この構成によれば、高輝度、高精細の表示部を備えた電子機器が提供される。
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態を、図面を参照して説明する。
図1(a)は、本発明に係るアクティブマトリクス基板を備えた表示装置の一例である液晶装置を各構成要素とともに対向基板側からみた平面構成図、図1(b)は、図1(a)に示すH−H線に沿う断面構成図、図2は、液晶装置を構成するアクティブマトリクス基板上に設けられた各種配線や周辺回路等の電気的な構成を示すブロック図である。
[液晶装置の全体構成]
図1(a)及び図1(b)に示すように、本実施形態の液晶装置は、TFTアレイ基板(アクティブマトリクス基板)10と、対向基板20とが平面視略矩形枠状のシール材52によって貼り合わされ、このシール材52に囲まれた領域内に液晶層50が封入された構成を備えている。シール材52内周側に沿って平面視矩形枠状の周辺見切り53が形成され、この周辺見切りの内側の領域が画像表示領域51とされている。シール材52の外側の領域には、データ線駆動回路201及び外部回路実装端子202がTFTアレイ基板10の1辺(図示下辺)に沿って形成されており、この1辺に隣接する2辺に沿ってそれぞれ走査線駆動回路204,204が形成されて周辺回路を成している。TFTアレイ基板10の残る1辺(図示上辺)には、画像表示領域51の両側の走査線駆動回路204,204間を接続する複数の配線205が設けられている。また、対向基板20の各角部においては、TFTアレイ基板10と対向基板20との間の電気的導通をとるための基板間導通材206が配設されている。本実施形態の液晶装置は、透過型の液晶装置として構成され、TFTアレイ基板10側に配置された光源(図示略)からの光を変調して対向基板20側から出射するようになっている。
なお、データ線駆動回路201あるいは走査線駆動回路204,204をTFTアレイ基板10の上に形成する代わりに、例えば、駆動用LSIが実装されたCOF(Chip On Film)基板とTFTアレイ基板10の周辺部に形成された端子群とを異方性導電膜を介して電気的及び機械的に接続するようにしてもよい。また、液晶装置においては、使用する液晶の種類、すなわち、TN(Twisted Nematic)モード、STN(Super Twisted Nematic)モード、垂直配向モード等の動作モードや、ノーマリホワイトモード/ノーマリブラックモードの別に応じて、位相差板、偏光板等が所定の向きに配置されるが、ここでは図示を省略する。
このような構造を有する液晶装置の画像表示領域51には、図3に示すように、走査線3a及びデータ線6aがそれぞれX方向、Y方向に複数本形成されており、各走査線3a、データ線6aの交差部には、TFT(薄膜トランジスタ)30と、画素電極9と、蓄積容量70とからなる画素領域41がマトリクス状に配列形成されている。このTFT30のゲート及びソースは、それぞれ走査線3a、データ線6aに接続され、ドレインは画素電極9に接続されている。また、画素の保持特性を高めるべく付与されている蓄積容量70は、画素電極9と並列に接続されている。
走査線駆動回路204は、主に垂直シフトレジスタから構成され、クロック信号線(図示略)を介して外部制御装置から入力される基準クロックに基づくパルス状の走査信号G1,G2,…Gmを、一垂直走査期間内に線順次に走査線3aに印加するようになっている。また、必要に応じて、容量線3bに対して所定の電圧、ないしパルス状の電気信号を印加できるようになっている。
データ線駆動回路201は、クロック信号線(図示略)を介して外部制御装置から入力される基準クロックに基づいて、各サンプリング駆動信号線111にサンプリング駆動信号S1,S2,…Snを順次供給する水平シフトレジスタ201aと、画像信号線112を介して供給された画像信号VID1〜VID6をサンプリングするサンプルホールド回路201bとを備えて構成されている。
サンプルホールド回路201bは、データ線毎に設けられたサンプリングスイッチ(回路用薄膜トランジスタ)131を備えており、各サンプリングスイッチ131は、水平シフトレジスタ110からサンプリング駆動信号S1,S2,…Snが入力されると、6つの画像信号線112のそれぞれについてサンプリングされた画像信号VID1〜VID6を6つの隣接するデータ線6aからなるグループ毎に順次印加するようになっている。これにより、一水平走査期間(走査線駆動回路204により1本の走査線3aに走査信号が供給されている期間)に、各データ線6aに対してサンプリングされた画像信号が供給されるようになっている。
[画素の詳細構成]
図3は、本実施形態の液晶装置を構成するTFTアレイ基板10上の1画素領域を示す平面構成図であり、図4は、図3のA−A’線に沿う断面構成図、図5は、同、B−B’線に沿う断面構成図である。
図3に示すように、TFTアレイ基板上には、データ線6aと、走査線3aとが互いに交差して設けられ、これらのデータ線6aと走査線3aとによって区画された略矩形状の画素領域41に、大略平面鈎形の半導体層42が設けられている。走査線3aは、データ線6aと交差する方向に延びる走査線本線部31と、この本線部31から画素領域41中央側へ延出された複数本(図3では2本)のゲート電極部(走査線分岐部)32,33とを有しており、これらのゲート電極部32,33が、前記半導体層42の走査線本線部31と平行に延びる部分と交差して配置されることで、デュアルゲート(ダブルゲート)構造のTFTを構成している。
平面視略L形の半導体層42の一端は、データ線6aとの交差部に設けられたソースコンタクトホール55を介してデータ線6aと電気的に接続される一方、他端は画素領域41の内側へ延設され、平面視L形の半導体容量電極42aを構成している。
この半導体容量電極42aは、前記走査線本線部31と平行に延びる容量線3bと、平面的に重なって配置されている。平面視L形の半導体容量電極42aの図示上下方向に延びる部分は、データ線6aと平面視で重なって画素領域41の辺端部に延在している。
画素領域41とほぼ重なる平面領域に形成された画素電極9は、ITO等の透明導電材料からなり、半導体層42に、中間電極層58を介して電気的に接続されている。すなわち、画素コンタクトホール57を介して画素電極9と中間電極層58とが電気的に接続され、ドレインコンタクトホール56を介して中間電極層58とTFT30の半導体層42とが電気的に接続されることにより、画素電極9とTFT30とが電気的に接続されている。また、上記中間電極層58は、容量線3bと平面的に重なる位置に配置されている。
画素領域41には、平面視L形の半導体容量電極42aと概略同形状で、この半導体容量電極42aと平面視略同一位置に配置された容量電極部15aと、走査線3aに沿って延在し、半導体層42の図示左右方向に延びる部分と平面的に重なって配置されたバックゲート配線15bとが設けられている。これら容量電極部15aとバックゲート配線15bとは、同一の遮光性材料を用いて、半導体層42の下側の同層に形成されており、本発明に係る遮光部材層に形成された遮光部材15を構成している。バックゲート配線15bは、半導体層42と対向する位置にて、TFT30のバックゲート電極部として機能するようになっている。
容量電極部15aは、半導体容量電極42aと平面的にほぼ重なって配置されており、上記した容量線3bとコンタクトホール59を介して電気的に接続されている。このように、容量線3bと容量電極部15aとの導電接続部を、画素領域41内に設けることで、容量電極部15aを画像表示領域外まで引き回す必要が無くなり、各層の段差による配線(特にデータ線6a)の断線や、配線間のクロストークを効果的に防止できる。
次に、図4及び図5に示す断面構造を見ると、TFTアレイ基板10は、例えば石英、ガラス、プラスチック等からなる基板本体(基材)10aの一面側に、下地絶縁膜11と、この下地絶縁膜11上に部分的に遮光部材15(容量電極部15a、バックゲート配線15b)が形成されている。この遮光部材15及び基板本体10aを覆って第1層間絶縁膜12が形成され、この第1層間絶縁膜12上にTFT30が設けられている。すなわち、この下地絶縁膜11と第1層間絶縁膜12との間の層が、本発明に係る遮光部材層となっている。
下地絶縁膜11は、遮光部材15のパターニング工程におけるオーバーエッチングに対するバッファ層として機能し、第1層間絶縁膜12は遮光部材15とTFT30とを絶縁する。また下地絶縁膜11及び第1層間絶縁膜12は、基板本体10aの表面の荒れや汚染等によるTFT30の特性劣化を抑える作用を奏する。
TFT30は、上述したようにデュアルゲート構造であり、かつLDD構造を有している。より詳細には、TFT30は、ゲート電極部32,33と、半導体層42の前記ゲート電極部32,33と対向する領域に形成された2箇所のチャネル領域1aと、ゲート電極部32,33と半導体層42とを絶縁するゲート絶縁膜を構成する絶縁薄膜2とを主体として構成されている。そして、前記2箇所のチャネル領域1aの両側にそれぞれ形成されてLDD部を成す低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1cと、これらのLDD部の両側に形成された高濃度ソース領域1d及び高濃度ドレイン領域1eと、チャネル領域1a間に形成された高濃度ソース/ドレイン領域1fとを備えている。
本実施形態に係る半導体層42は多結晶シリコンにより形成されており、基板上に成膜したアモルファスシリコンを、レーザーアニール法や、Ni助長固相成長法等の低温プロセスにより多結晶化したものを用いることが好ましい。
走査線3a、容量線3b、及び絶縁薄膜2を覆って第2層間絶縁膜13が形成されており、第2層間絶縁膜13上には、データ線6a及び中間電極層58が同層で形成されている。データ線6a及び中間電極層58は、例えばAl等の低抵抗金属を用いて形成される。
また、第2層間絶縁膜13を貫通するソースコンタクトホール55が形成され、このソースコンタクトホール55を介してデータ線6aと半導体層42の高濃度ソース領域1dとが電気的に接続されている。一方、第2層間絶縁膜13を貫通するドレインコンタクトホール56が形成され、このドレインコンタクトホール56を介して中間電極層58と半導体層42の高濃度ドレイン領域1eとが電気的に接続されている。
データ線6a及び中間電極層58を覆うように第3層間絶縁膜14が形成されており、第3層間絶縁膜14上に画素電極9が形成されている。そして、前記中間電極層58の平面領域において、上記第3層間絶縁膜14を貫通する画素コンタクトホール57が形成され、この画素コンタクトホール57を介して画素電極9と中間電極層58とが電気的に接続されている。以上の構成により、中間電極層58を介して半導体層42の高濃度ドレイン領域1eと画素電極9とが電気的に接続されている。
また、画素電極9及び第3層間絶縁膜14上に、ラビング処理等の配向処理が施されたポリイミド膜などからなる配向膜17が設けられている。
図3ないし図5に示したように、本実施形態の液晶装置では、半導体層42の高濃度ドレイン領域1eが画素領域41の中央部側へ延出されて形成された半導体容量電極42aの平面領域において、絶縁薄膜2,及び層間絶縁膜12〜14を介して複数の導電材料からなる部材が積層されて蓄積容量70を構成している。
より詳細には、蓄積容量70の形成領域において、上記半導体容量電極42aの下層側には、第1層間絶縁膜12を介して遮光部材層の容量電極部15aが対向配置され、上記半導体容量電極42aの一部と、容量電極部15aの一部は、データ線6a側へ延出され、データ線6a平面的に重なる位置で対向している。半導体容量電極42aの上側には、絶縁薄膜2を介して容量線3bが対向配置されている。また第2層間絶縁膜13を介して、容量線3bと中間電極層58が対向配置されている。
そして、図5に示すように、半導体容量電極42aを挟持する容量電極部15aと容量線3bとがコンタクトホール59を介して電気的に接続され、図4に示すように、半導体容量電極42aと中間電極層58とがドレインコンタクトホール57を介して電気的に接続されている。
このように、蓄積容量70は、容量電極部15aと、半導体容量電極42aとからなる第1の蓄積容量部と、半導体容量電極42aと容量線3bとからなる第2の蓄積容量部と、容量線3bと中間電極層58とからなる第3の蓄積容量部とを層厚方向に重畳した積層構造を有している。この構成により、蓄積容量70では、画素領域41に占める平面積を節約しつつ、大きな容量が得られるようになっており、その結果、画素領域41の開口率を高めることができ、画素ピッチを狭くして高精細化した際にも明るい表示が得られるようになっている。
また、本実施形態の液晶装置では、図3及び図5に示すように、容量電極部15b、半導体容量電極42a、容量線3b、及び中間電極層58の平面領域において、蓄積容量70を形成している領域が、基板本体10a側から順次小さく(狭く)なるように形成されている。これにより、1つの部材上に積層される部材の形成領域が、絶縁膜の段差部に掛からないようにすることができ、段差部による容量リークを防止することができるようになっている。
他方、対向基板20は、基板本体20aの液晶層50側にベタ状に形成された共通電極21と、この共通電極21を覆って形成された配向膜22とを備えている。共通電極21は、ITO等の透明導電材料により形成でき、配向膜22は、先のTFTアレイ基板10の配向膜17と同様の構成とすることができる。また、カラー表示を行う場合には、各画素領域41に対応して例えばR(赤)、G(緑)、B(青)の色材層を備えたカラーフィルタを基板本体10a又は20a上に形成すればよい。
上記構成の画像表示領域を備えた本実施形態の液晶装置では、半導体層42と基板本体10aとの間の遮光部材層に、遮光性材料からなるバックゲート配線15bと、容量電極部15bとを設けたことを大きな特徴としている。上記バックゲート配線15bは、TFT30のチャネル領域を基板本体10a側から覆うように形成されており、基板本体10a側からTFT30に入射する光を遮断する遮光膜としても機能する。
また、バックゲート配線15bは、半導体層42と平面的に重なる領域でTFT30のバックゲート電極部として機能できるようになっており、このバックゲート電極部に対して、負の電位を与えることで、TFT30のオフリーク電流を抑えることができるようになっている。また、バックゲート電極部を負電位としない場合も、定電位に保持することで、TFT30の動作を安定化することが可能である。
さらに、本実施形態の液晶装置では、TFT30をマルチゲート構造とすることにより、1つのチャネル領域1aの両側の電圧を低減し、オフリーク電流を低減しており、また各チャネル領域1aを挟んで両側に低濃度ソース領域1b、低濃度ドレイン領域1cを形成したLDD構造を採用したことでオフ電流を低減することができるようになっている。
高精細液晶装置では、画素の液晶容量と蓄積容量との和が小さくなるため、スイッチング素子であるTFT30のリーク電流が大きいと、その電荷漏れにより表示品質を保つことができなくなる。多結晶シリコンTFTでは、オン電流も大きいがオフ電流も大きいため、特にリーク電流を抑えることが重要になる。本実施形態の液晶装置では、上記に挙げた作用によりリーク電流を低レベルに抑えることができるようになっている。そして、このようにリーク電流を効果的に低減できること、及び上述の積層構造の蓄積容量70とにより、蓄積容量70の平面積を縮小することが可能になり、画素の開口率を高めることができるようになっている。
本実施形態では、図3に示したように、バックゲート配線15bと、走査線3bとが、平面的に離間されて配置されている。この構成により、電気信号を入力可能とされたバックゲート配線15bと走査線3bとのクロストークを防止することができる。このように両者を平面的に離間する構成とすることで、バックゲート配線15bと走査線3bとの間の絶縁膜(第1層間絶縁膜12及び絶縁薄膜2)を薄くすることができるため、バックゲート配線15bと同層に形成された容量電極部15aと、半導体容量電極42aとにより形成される容量を増加させることができ、蓄積容量面積の縮小に寄与する。
またさらに、上記蓄積容量70の平面積を縮小できることは、低温プロセスを用いる場合における製造歩留まりの向上に有効に作用する。各層の絶縁膜を形成する際の成膜温度が低い場合には、絶縁膜の被覆性が低下しやすく、特に膜厚の薄い絶縁薄膜(ゲート絶縁膜)2では、ピンホールが発生しやすくなり、容量線3bとの間に形成している容量においてリークを生じ易くなる。そこで、上記蓄積容量70の平面積を縮小できれば、容量線3bと半導体容量電極42aとの間に、上記ピンホールが配置され難くなり、その結果、容量リークによる動作不具合が低減され、高い製造歩留まりにて液晶装置を製造することが可能になる。
上記容量電極部15a及びバックゲート配線15bを、TFT30の下層側の同層に、同一の遮光性材料を用いて形成されているので、TFT30を形成する以前に、基板本体10a上に、上記容量電極部15a及びバックゲート配線15bを、例えばWSi等の金属材料を用いてパターン形成することで、容易に形成することが可能であり、これにより、上記液晶装置の高精細化に有効な構成を実現することが可能になっている。
特許文献1にも記載されているように、従来の液晶装置においてもTFTの基板側に遮光膜が形成されており、この遮光膜は、通常金属薄膜を基板全面に形成した後、パターニングすることで形成される。そこで、この遮光膜の形成工程において、上記容量電極部15a及びバックゲート配線15bをパターン形成するならば、従来に比して工程数の増加を伴うことなく製造することができる。このように、本実施形態の液晶装置は、製造容易性にも優れた液晶装置となっている。
また、図3に示したように、上記容量電極部15aの一部は、データ線6aと平面視で重なって延在しており、かつ容量電極部15aは、遮光性材料からなるものであるので、容量電極部15aは、TFTアレイ基板10において画素領域41を区画するBM(ブラックマトリクス)としても機能する。このような構成とすることで、データ線6aに沿う方向のBMを、対向基板20に設ける必要が無くなり、画素領域41の開口率を向上させることができる。これは、対向基板20側に設けるBMは、TFTアレイ基板10と対向基板20との組ずれを考慮してデータ線6aの幅より太く形成されるが、TFTアレイ基板10側にBMを設ける場合には、上記組ずれのマージンを取る必要が無くなり、図3に示したようにデータ線6aと同程度以下の幅まで狭くすることが可能だからである。
[周辺回路]
次に、本実施形態の液晶装置における周辺回路(データ線駆動回路201、走査線駆動回路204)に実装される回路用薄膜トランジスタについて説明する。図6ないし図8は、図1及び図2に示した周辺回路に実装可能な回路用TFTの第1〜第3構成例をそれぞれ示す図である。
<第1構成例>
図6(a)は、第1構成例の回路用TFTの平面構成図であり、図6(b)は、同図に示すF−F’線に沿う断面構成図である。図6(a)に示すように、本例は、2つの回路用TFT80,81が隣接して配置されている場合に好適に用いることができる構成である。
回路用TFT80は、平面視矩形状の半導体層800と、この半導体層800の中央部に配置されたゲート電極部810と、チャネル領域800aと、このチャネル領域800aの両側にそれぞれ設けられたソース領域800b、及びドレイン領域800cとを備えて構成されている。そして、図6(b)に示すように、絶縁薄膜2と第2層間絶縁膜13とを貫通して設けられた2つのコンタクトホール830を介して、ソース領域800bと、ソース配線820とが電気的に接続され、ドレイン領域800cとドレイン配線840とが、2つのコンタクトホール850を介して電気的に接続されている。
回路用TFT81は、上記回路用TFT81と略平行に配置されており、平面視矩形状の半導体層801と、この半導体層801の中央部に配置されたバックゲート電極部811と、チャネル領域801aと、その両側に形成されたソース領域801b、及びドレイン領域801cとを備えて構成されている。図6(b)に示すように、絶縁薄膜2と第2層間絶縁膜13とを貫通して設けられた2つのコンタクトホール831を介して、ソース領域801bと、ソース配線821とが電気的に接続され、ドレイン領域801cと、ドレイン配線841とが、2つのコンタクトホール851を介して電気的に接続されている。
このように2つの回路用TFTが隣接して配置されている場合に、一方の回路用TFT80のゲートを、半導体層800の上層側に設けられたゲート電極部810により構成し、他方の回路用TFT81のゲートを、半導体層800の下層側に設けられたバックゲート電極811により構成することで、半導体層80,81間の距離を短くしたとしても、ゲート電極部810とバックゲート電極部811とが異なる層に形成されていることから、加工性の限界により制限されることなく、ゲート電極部を配置することができる。従って、本構成の回路用TFTを採用するならば、高密度に回路用TFTが配置された、高精細液晶装置に好適な周辺回路を実現できる。
また、回路用TFT81のバックゲート電極部811は、図6(b)に示すように、基板本体10a上の下地絶縁膜11と第1層間絶縁膜12との間の層に形成されており、画素領域41に設けられたバックゲート配線15bと同層に、同一の遮光性材料を用いて形成されている。従って、本構成の回路用TFT80,81を作製するに際しても、画素領域41の遮光部材15と同時にバックゲート電極811を形成することができ、工程数の増加を伴うことなく、高集積度の周辺回路を形成することができる。
<第2構成例>
図7(a)は、第2構成例の回路用TFTの平面構成図であり、図7(b)は、同図に示すG−G’線に沿う断面構成図である。
本例の回路用TFT90は、平面視長方形状の半導体層900と、この半導体層900と交差する2本のゲート電極部910,920と、これらのゲート電極部910,920の間に配置されて半導体層900と交差するバックゲート電極部930とを備えて構成されている。
これらのゲート電極部910,920とバックゲート電極部930と対向する半導体層900の領域に3つのチャネル領域900aが形成されており、半導体層900の両端部に、それぞれソース領域900bと、ドレイン領域900cとが形成され、チャネル領域900a、900a間にソース/ドレイン領域900dが形成されている。絶縁薄膜2と第2層間絶縁膜13とを貫通して設けられたコンタクトホール950を介してソース領域900bとソース配線950とが電気的に接続されており、同様に貫設されたコンタクトホール970を介してドレイン領域900cとドレイン配線960とが電気的に接続されている。
そして、上記バックゲート電極部930は、図7(b)に示すように基板本体10a上の下地絶縁膜11と第1層間絶縁膜12との間の層に形成されており、先の画素領域41に設けられたバックゲート配線15bと同層に、同一の遮光性材料を用いて形成されている。バックゲート電極部930は、2つのゲート電極部910,920とは独立に回路用TFT90のゲートとして機能するようになっている。
上記構成の本構成例の回路用TFT90では、図7に示したように、ゲート電極部910,920と、バックゲート電極部930とが、TFT90の動作方向(図7では半導体層900の延在方向)において、平面視で交互に配置されている。この構成により、回路用TFT90を小型化した場合に、ゲート電極部910,920間には、半導体層900を挟んで反対側のバックゲート電極部930が配置されるため、ゲートの間隔を狭くしても、同層のゲート電極部910,920同士の距離は確保される。従って、加工限界を超えてTFT90を小型化でき、周辺回路の高集積化を実現することができる。
また、先の構成例と同様、バックゲート電極930には、画素領域41の遮光部材15と同工程にて形成でき、工程数の増加を伴わず形成できるという利点もある。
<第3構成例>
図8(a)は、第3構成例の回路用TFTの平面構成図であり、図8(b)は、同図に示すG−G’線に沿う断面構成図である。
本例の回路用TFT100は、平面視長方形状の半導体層1000と、この半導体層1000に対して図8(a)上側から延出されて半導体層1000と交差するゲート電極部1010と、図8(a)下側から延出されて半導体層1000と交差するバックゲート電極部1020とを備えて構成され、上記ゲート電極部1010と、バックゲート電極部1020とは、平面視略同位置にて半導体層1000と交差している。そして、これらのゲート電極部1010とバックゲート電極部1020とに挟まれた領域に半導体層1000のチャネル領域1000aが形成されている。チャネル領域1000aの両側に、それぞれソース領域1000b、ドレイン領域1000cが形成されており、図8(b)に示すように、絶縁薄膜2と第2層間絶縁膜13とを貫通して設けられたコンタクトホール1050,1070を介して、それぞれ、ソース領域1000bとソース配線1040とが電気的に接続され、ドレイン領域1000cとドレイン配線1060とが電気的に接続されている。
上記バックゲート電極部1020は、図8(b)に示すように基板本体10a上の下地絶縁膜11と第1層間絶縁膜12との間の層に形成されており、先の画素領域41に設けられたバックゲート配線15bと同層に、同一の遮光性材料を用いて形成されている。従って、先の構成例同様、画素領域の遮光部材15と同工程にて形成することができる。
上記構成の回路用TFT100は、1つのチャネル領域を挟持してゲート電極部1010とバックゲート電極部1020とが配置されており、これらの電極部1010,1020が協働してチャネル領域に電界を印加できるようになっている。これにより、TFT100を小型化した場合にも、チャネル領域に対して十分な電界を印加でき、オン電流を確保できる。従って駆動能力を低下させることなくTFT100の小型化を実現でき、周辺回路の高集積化を実現することができる。
上記第1〜第3構成例の回路用TFTは、例えば図2に示したサンプルホールド回路201bのサンプリングスイッチ131や、水平シフトレジスタ201a、走査線駆動回路204に適用されるラッチ回路のインバータ(相補型TFT)、トランスミッションゲート等に適用することができる。そして、本実施形態に係る回路用TFTを用いることで、TFTの小型化、高密度化を実現でき、画素の高精細化による駆動画素数の増加に対応した周辺回路の高集積化を実現できる。
以上、詳細に説明したように、本実施形態の液晶装置は、その画像表示領域では、半導体層42の下層側に、遮光性材料からなる容量電極部15a及びバックゲート電極15bが設けられたことで、TFT30のリーク電流の低減、及び蓄積容量70の平面積の縮小を実現でき、もって画素領域41を高開口率化することができる。また周辺回路においては、回路用TFTにバックゲート電極部が設けられたことで、回路用TFTの小型化、及び高密度化を達成でき、これにより高精細化に伴う駆動画素数の増加にも十分対応可能な周辺回路を実現できる。従って、上記画像表示領域及び周辺回路を備えた本実施形態の液晶装置によれば、画素を高精細化しても高品質の表示を得ることが可能である。
(第2の実施形態)
図9は、本発明の第2の実施形態による液晶装置の画素領域を示す平面構成図である。本実施の形態は、本発明に係る液晶装置の変形例であり、画素領域の構成が異なっている以外は、上記第1の実施形態の液晶装置と同様の構成を備えている。図9に示す構成要素のうち、図1ないし図5と同一の符号が付されたものは、これらの図に示す構成要素と概略同等の機能を有している。以下では、必要に応じて図1ないし図5を参照しつつ、この画素領域の構成について詳細に説明する。
また、本実施形態の画素領域の断面構造については、先の第1実施形態の液晶装置とほぼ同様であり、図9のD−D’線に沿う断面構造は、図4に示す断面構造と概略一致している。また、図9のE−E’線に沿う断面構造は、図5に示す断面構造と概略一致している(但し、本実施形態では、コンタクトホール59は形成されていない。)。
図9に示す画素領域は、互いに交差して設けられたデータ線6aと、走査線3aとにより区画された領域であり、図示左右方向に延在する走査線3aと交差するように半導体層42が配置されてデュアルゲート構造のTFT30を構成している。具体的には、画素領域41の図示左下側に配置された半導体層42の平面視略U字状(蛇行形状)のTFT形成部42bが、走査線3aと2箇所で交差し、これらの交差部の走査線3aが、TFT30のゲート電極部32,33となっている。
TFT形成部42bの一端は、データ線6aとの交差部に設けられたソースコンタクトホール55を介してデータ線6aと電気的に接続され、他端は、画素領域の内側へ延設されて平面視略矩形状の半導体容量電極42aを成している。半導体容量電極42aは、走査線3aと略平行に延びる容量線3bと平面視でほぼ重なって配置されている。この容量線3bの上側には、中間電極層58が、容量線3bと平面視で重なって設けられており、中間電極層58は、ドレインコンタクトホール56を介してTFT形成部42b(半導体層42)と電気的に接続され、画素コンタクトホール57を介して画素電極9と電気的に接続されている。
半導体容量電極42aと部分的に重なる領域を有する平面視略U字状の容量電極部15bが設けられている。容量電極部15aは、半導体容量電極42aと平面視で重なる位置で容量を形成するとともに、係る位置を基端にデータ線6aに沿って延びる部分は、TFTアレイ基板10のBM(ブラックマトリクス)として機能するようになっている。
尚、容量電極部15aは、1画素領域を見ると平面視U字状であるが、走査線3aの延在方向に延びて形成されており、図9左右方向に延びる平面視櫛歯状の部材となっており、画像表示領域の外側にて周辺回路と接続可能に構成されている。
図9に示す画素領域の蓄積容量70は、絶縁膜を挟持して積層された容量電極部15b、半導体容量電極42a、容量線3b、及び中間電極層58により形成されており、先の実施形態と同様、3つの容量電極部が層厚方向で積層された構造により大容量の蓄積容量を実現している。これにより、画素の保持特性を損なうことなく蓄積容量70の占有面積を縮小することが可能になり、その結果、高い開口率を得ることができるようになっている。
半導体容量電極42aと、走査線3aとの間に、走査線3aと部分的に重なる領域を有するバックゲート配線15bが設けられている。バックゲート配線15bは、図9に示すように画素領域内で蛇行しており、TFT30の形成領域では走査線3b及びTFT形成部42bと平面的に重なって配置され、それ以外の領域では、走査線3aと平面的に離間されて延びる配線となっている。すなわち、バックゲート配線15bは、上記TFT形成部42bと重なる位置にて、TFT30のバックゲート電極部、及び遮光膜として機能するようになっており、それ以外の領域では、走査線3aとのクロストークを防止すべく平面的に離間されている。
これらの容量電極部15aと、バックゲート配線15bとは、先の第1実施形態と同様に、半導体層42の下側の同層に、同一の遮光性材料を用いて形成された遮光部材15である。従って、これら容量電極部15aと縛ゲート配線15bとは、従来遮光膜の形成工程とされていた工程にて同時に形成することができる。
上記構成を備えた本実施形態の液晶装置によれば、先の第1実施形態の液晶装置と同様、TFT30のリーク電流を低レベルに抑えることができ、また、蓄積容量70の平面積を縮小できることで、画素領域の開口率を向上させることができ、高精細の液晶装置に好適な構成となっている。
また、本実施形態では、画素領域内に容量線3bと容量電極部15aとを導電接続するためのコンタクトホールが設けられていないため、第1実施形態に係る画素領域に比して蓄積容量70の面積を拡大することが可能である。またさらに、容量電極部15aのBMとして機能する部分を、データ線6aの延在領域の大部分に配置しているので、第3層間絶縁膜13表面におけるデータ線6aの形成領域で段差の形成が抑制される。これにより、データ線6aに断線が生じ難くなり、液晶装置の信頼性向上に寄与し得る。
(電子機器)
図10は、本発明に係る電子機器の一例を示す斜視図である。この図に示す携帯電話1300は、上記実施形態の液晶装置を小サイズの表示部1301として備え、複数の操作ボタン1302、受話口1303、及び送話口1304を備えて構成されている。
上記各実施の形態の表示装置は、上記携帯電話に限らず、電子ブック、パーソナルコンピュータ、ディジタルスチルカメラ、液晶テレビ、ビューファインダ型あるいはモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等々の画像表示手段として好適に用いることができ、いずれの電子機器においても、明るく、高精細の表示が可能になっている。
図1(a)は、第1実施形態の液晶装置の平面構成図、(b)は、(a)のH−H線に沿う断面構成図。 図2は、同、液晶装置の回路構成図。 図3は、同、1画素領域を示す平面構成図。 図4は、図3のA−A’線に沿う断面構成図。 図5は、図3のB−B’線に沿う断面構成図。 図6(a)は、第1構成例の回路用TFTの平面構成図、(b)は、同図(a)のF−F’線に沿う断面構成図。 図7(a)は、第2構成例の回路用TFTの平面構成図、(b)は、同図(a)に示すG−G’線に沿う断面構成図。 図8(a)は、第3構成例の回路用TFTの平面構成図、(b)は、同図(a)に示すJ−J’線に沿う断面構成図。 図9は、第2実施形態の液晶装置の1画素領域を示す平面構成図。 図10は、電子機器の一例を示す斜視構成図。
符号の説明
10 TFTアレイ基板(アクティブマトリクス基板)、20 対向基板、10a、20a 基板本体、1a チャネル領域、3a 走査線、3b 容量線、6a データ線、9 画素電極、15 遮光部材、15a 容量電極部、15b バックゲート配線(バックゲート電極部、遮光膜)、30 (画素用)TFT、41 画素領域、50 液晶層、58 中間電極層、70 蓄積容量、201 データ線駆動回路(周辺回路)、204 走査線駆動回路(周辺回路)、80,81,90,100 回路用TFT、811,930,1020 バックゲート電極部

Claims (20)

  1. 基材と、該基材上に配列形成された複数の画素領域とを備え、前記画素領域に、薄膜トランジスタと、該薄膜トランジスタに接続された蓄積容量とが設けられたアクティブマトリクス基板であって、
    前記薄膜トランジスタが、前記画素領域内の半導体層に形成されたチャネル領域と、該チャネル領域と絶縁膜を介して対向するゲート電極部とを備えており、
    前記半導体層を挟んで前記ゲート電極部と反対側に、複数の遮光部材を配置してなる遮光部材層が設けられ、
    前記遮光部材が、前記チャネル領域と対向する遮光膜と、バックゲート電極部と、前記蓄積容量の電極を成す容量電極部とを含むことを特徴とするアクティブマトリクス基板。
  2. 前記薄膜トランジスタに対して電気信号を供給するべく前記画素領域の辺端部に延設された信号配線を備え、
    前記遮光部材層に、前記信号配線と平面的に重なって配置された遮光部材が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のアクティブマトリクス基板。
  3. 前記信号配線と平面的に重なって配置された遮光部材が、前記容量電極部の一部を成しており、
    前記半導体層が、前記信号配線と平面的に重なって配置された容量電極部と層厚方向で対向する位置まで沿設されていることを特徴とする請求項2に記載のアクティブマトリクス基板。
  4. 前記遮光部材層に、前記バックゲート電極部と電気的に接続されたバックゲート配線が設けられており、
    前記バックゲート配線が、前記バックゲート電極部とその周辺領域を除く領域において、前記バックゲート配線に沿って延びる前記信号配線と、平面視において離間されていることを特徴とする請求項2又は3に記載のアクティブマトリクス基板。
  5. 前記半導体層を挟んで前記容量電極部と反対側の層に、前記蓄積容量の電極を成す容量線が設けられており、前記容量線と、前記容量電極部とが電気的に接続されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のアクティブマトリクス基板。
  6. 前記容量線を挟んで前記半導体層と反対側の層に、前記半導体層と電気的に接続された中間電極層が設けられ、前記中間電極層と、容量線とが、平面的に重なって配置されていることを特徴とする請求項5に記載のアクティブマトリクス基板。
  7. 前記蓄積容量を構成する容量電極部、半導体層、容量線、及び/又は中間電極層の平面領域が、層厚方向において前記基材側から順次狭くなるように形成されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載のアクティブマトリクス基板。
  8. 前記薄膜トランジスタが、複数の前記ゲート電極部と、該複数のゲート電極部と対向する複数のチャネル領域とを備えることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載のアクティブマトリクス基板。
  9. 前記ゲート電極部が、基板上に延在する走査線から分岐して、該走査線と交差する方向に延びる走査線分岐部に設けられていることを特徴とする請求項8に記載のアクティブマトリクス基板。
  10. 前記半導体層が、平面視蛇行形状を成して前記走査線と複数箇所で交差しており、該交差部に前記ゲート電極部が設けられていることを特徴とする請求項8に記載のアクティブマトリクス基板。
  11. 前記バックゲート電極部が、前記チャネル領域と対向して配置されていることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載のアクティブマトリクス基板。
  12. 前記画素領域の薄膜トランジスタに対して電気信号を供給する周辺回路をさらに備え、
    前記周辺回路に設けられた回路用薄膜トランジスタが、前記遮光部材層に形成されたバックゲート電極部を備えていることを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1項に記載のアクティブマトリクス基板。
  13. 前記回路用薄膜トランジスタのチャネル領域と対向する位置に、前記遮光部材層に形成された遮光膜が設けられていることを特徴とする請求項12に記載のアクティブマトリクス基板。
  14. 前記回路用薄膜トランジスタを構成する半導体層の層厚方向両側に、それぞれゲート電極部と、前記バックゲート電極部とが形成されていることを特徴とする請求項12又は13に記載のアクティブマトリクス基板。
  15. 前記周辺回路において、隣接して配置された前記回路用薄膜トランジスタのうち、一方の回路用薄膜トランジスタは、そのチャネル領域と対向配置されたゲート電極部を備え、他方の回路用薄膜トランジスタは、そのチャネル領域と対向配置された前記バックゲート電極部を備えていることを特徴とする請求項12ないし14のいずれか1項に記載のアクティブマトリクス基板。
  16. 前記回路用薄膜トランジスタのゲート電極部及びバックゲート電極部のいずれかが複数設けられており、当該回路用薄膜トランジスタの動作方向で、前記ゲート電極部とバックゲート電極部とが交互に配置されていることを特徴とする請求項14に記載のアクティブマトリクス基板。
  17. 前記回路用薄膜トランジスタに設けられたゲート電極部と、バックゲート電極部とが、平面視略同一位置に形成されていることを特徴とする請求項14ないし16のいずれか1項に記載のアクティブマトリクス基板。
  18. 前記画素用薄膜トランジスタに設けられたバックゲート電極部と、回路用薄膜トランジスタに設けられたバックゲート電極部とが、互いに異なる電圧を印加可能とされていることを特徴とする請求項12ないし17のいずれか1項に記載のアクティブマトリクス基板。
  19. 請求項1ないし18のいずれか1項に記載のアクティブマトリクス基板を備えたことを特徴とする表示装置。
  20. 請求項19に記載の表示装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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