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JP2005029983A - 道路清掃車 - Google Patents

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Tsuyoshi Nakagawa
剛志 中川
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Kato Works Co Ltd
Kato Seisakusho Co Ltd
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Kato Works Co Ltd
Kato Seisakusho Co Ltd
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Abstract

【課題】センタブラシの清掃または格納の際の負担を軽減し、センタブラシを円滑に清掃位置にセットし、または格納位置に収納できるようにした道路清掃車を提供する。
【解決手段】センタブラシ5を格納位置から清掃位置に移動させるとき、旋回用シリンダ25により清掃位置の上方に上記センタブラシ5を移動し、規定位置に達したとき、上記昇降用シリンダ31により上記センタブラシ5を清掃位置の路面まで降下させると共に、上記センタブラシ5を清掃位置から格納位置に移動させるとき、上記昇降用シリンダ31により清掃位置の路面から上方へ上記センタブラシ5を上昇させ、規定位置に達したとき、上記旋回用シリンダ25により上記センタブラシ5を格納位置まで旋回させるようにした。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転するブラシにより路面を清掃する道路清掃車に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、道路清掃車は、車両の中央寄りに配置した掃き寄せ用センタブラシと、車両の片側に配置したガッタブラシとを備える(特許文献1を参照)。そして、センタブラシで、路面中央寄りのごみを路肩寄りの吸込み口側に掃き寄せると共に、路肩寄りのごみを、ガッタブラシで、吸込み口側へ掻き寄せ、この吸込み口により、ごみを吸い込みつつ車両を走行させ、路面を清掃する。
【0003】
特許文献1の道路清掃車にあっては、中央寄りに配置した掃き寄せ用センタブラシの保持枠が、上下に変形自在な平行リンク(パンタグラフ)を構成するアーム機構によって支持されると共に、シャシに吊られた左右一対の上下シリンダの下端それぞれに掃き寄せ用センタブラシの保持枠を吊るようにしている。また、掃き寄せ用センタブラシの保持枠を昇降自在に支持するアーム機構は、旋回軸を中心として全体が左側または右側に傾け得るように構成されていて、左右方向転換シリンダによって、左右方向に回動させられるようになっている。そして、道路の左側を清掃するときは、掃き寄せブラシを降下させると共に、その掃き寄せブラシを左側に傾けて清掃状態とする。道路の右側を清掃するときにも、掃き寄せ用センタブラシを降下させると共に、掃き寄せ用センタブラシの左側に傾けて清掃状態とする。
【0004】
【特許文献1】特公平5−39201号公報(第2頁3欄第2行目乃至第2頁4欄第9行目の個所、第1図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、道路清掃車にあっては、掃き寄せ用センタブラシを格納する際、清掃位置で、路面に接地した掃き寄せ用センタブラシの左右の傾きを直すため、掃き寄せ用センタブラシが真正面を向くまで路面上を引き摺ってしまう。その結果、掃き寄せ用センタブラシを組み付けた保持枠やアーム等の支持部またはシリンダ等の駆動系に負荷をかけ、故障の原因となる虞があった。
【0006】
また、特許文献1に示すような道路清掃車にあっては、掃き寄せ用センタブラシを保持する枠が、シャシに吊られた上下シリンダの下端に連結され、上下シリンダによって吊られた状態にあるため、上下左右のいずれの向きにも揺動自在である。このため、左右方向転換シリンダを伸長または縮小して、中央に位置する掃き寄せ用センタブラシを傾けるとき、左右一対の上下シリンダは、上端を支点にして左右に傾き、上下シリンダの鉛直方向の長さ成分が短くなってしまい、その長さ分、作業位置から掃き寄せ用センタブラシを持ち上げてしまう。つまり、掃き寄せ用センタブラシを、左右いずれかに傾けるとき、いわばブランコのように動作して、掃き寄せブラシが持ち上がってしまい、不安定な状態を経なければ、所定の清掃位置に安定して設置させることができなかった。
【0007】
また、清掃作業後、清掃位置から格納位置に掃き寄せ用センタブラシを移動させる場合にあっても、左右方向転換シリンダを伸長または縮小し、掃き寄せ用センタブラシを中央に位置させようとするとき、上下シリンダが傾く。格納位置になると、上下シリンダの鉛直方向の長さ成分が長くなって上下シリンダにより清掃位置から最上位置まで、掃き寄せ用センタブラシを引き上げても、中央位置に格納するときには、掃き寄せ用センタブラシの位置が下がってしまい、再度、引き上げ動作を行わないと、本来の格納位置に収めることができなかった。
【0008】
本発明は、上記課題に着目してなされたものであり、その目的とするところは、掃き寄せ用センタブラシの清掃または格納の際の負担を軽減し、掃き寄せ用センタブラシを円滑に清掃位置にセットし、または格納位置に収納できるようにした道路清掃車を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明、掃き寄せ用センタブラシを有し、上記掃き寄せ用センタブラシを清掃位置と格納位置に移動させるようにした道路清掃車において、
上記掃き寄せ用センタブラシを昇降させる昇降用シリンダと、上記掃き寄せ用センタブラシを水平な向きに旋回させる旋回用シリンダとを備え、上記掃き寄せ用センタブラシを格納位置から清掃位置に移動させるとき、旋回用シリンダにより清掃位置の上方に上記掃き寄せ用センタブラシを移動し、規定位置に達したとき、上記昇降用シリンダにより上記掃き寄せ用センタブラシを清掃位置の路面まで降下させると共に、上記掃き寄せ用センタブラシを清掃位置から格納位置に移動させるとき、上記昇降用シリンダにより清掃位置の路面から上方へ上記掃き寄せ用センタブラシを上昇させ、規定位置に達したとき、上記旋回用シリンダにより上記掃き寄せ用センタブラシを格納位置まで旋回させるようにしたことを特徴とする。
請求項2に係る発明は、車体フレーム側の部材に、水平な向きに旋回自在に枢着された揺動ブロックと、上記揺動ブロック側の部材に昇降自在に枢着され、上記センタブラシを取り付けたブラシ保持枠とを備え、上記旋回用シリンダは、車体フレーム側の部材と上記揺動ブロックの間に装着され、上記昇降用シリンダは、上記揺動ブロックと上記ブラシ保持枠の間に装着されたことを特徴とする請求項1に記載の道路清掃車である。
【0010】
【発明の実施の形態】
図面を参照して、本発明の一実施形態に係る道路清掃車について説明する。本実施形態の道路清掃車は、道路の左右いずれかの清掃サイドを選択して清掃できる、いわゆる両ガッタ形式のものである。
【0011】
図1は、道路清掃車の平面図である。この図1において示す符号1は、車体フレームである。この車体フレーム1には、走行用車輪2や図示しない車体等が装備されている。さらに、この車体フレーム1には、車両の略中央に位置した掃き寄せ用のセンタブラシ5と、車両の左右それぞれに配置された左右一対のガッタブラシ6と、車両の左右それぞれに位置して設置された左右一対の吸込み口7とが設けられている。なお、吸込み口7の前面には、図示しないが、吸込みブラシを設けても良い。
【0012】
図1及び図3に示すように、上記センタブラシ5は、上下方向に回動自在なブラシ保持枠10に取り付けた水平な軸11によって回転自在に軸支されている。このセンタブラシ5は、ブラシ保持枠10に保持されたブラシ回転駆動用モータ12によって回転させられるようになっている。このセンタブラシ5は、後述する昇降機構と揺動機構によって、格納位置または清掃位置に移動させられる。つまり、図1に示すように、中央位置で上昇し、かつ真正面に向いて正位した格納位置と、図2に示すように、左側へ傾き降下した清掃位置または図示しないが右側へ傾き降下した清掃位置のいずれかを選択できる。
【0013】
また、ガッタブラシ6は、図1に示すように、車両中心側に引き寄せて上昇した格納位置と、左側のものについては図2に示すように左側へ張り出して降下した清掃位置または右側のものについては右側へ張り出して降下した清掃位置のいずれかをそれぞれ選択できる。
【0014】
図1〜図3に示すように、左右の車体フレーム1に架設されたクロスメンバ13には下方へ向けて延長したロッド状のブラケット(ピローブロック)14が一体的に設けられている。このブラケット14の下端には、鉛直な向きの軸15に軸支された揺動ブロック16が設けられていて、この揺動ブロック16は、軸15回りに水平な向きの左右に傾く回動ができるように取り付けられている。この揺動ブロック16からは2本の支持アーム17が左右に広がるように前方へ延びており、この左右の支持アーム17の先端には上記ブラシ保持枠10が軸支されている。すなわち、図3に示すように、支持アーム17の先端には、軸受け部材18が取り付けられ、この軸受け部材18には水平な向きで軸19が設けられている。この軸19に上記ブラシ保持枠10が軸支され、上記ブラシ保持枠10は上下に揺動自在になっている。このように保持枠10を上下に揺動させ得る構成とすることにより、上記センタブラシ5を上下に昇降させることができる。
【0015】
また、図3に示すように、上記センタブラシ5は、支持アーム17の先端に取り付けたブラシカバー20によってその上面側が覆われる。ここでのブラシカバー20は、支持アーム17に取り付けているため、センタブラシ5と一緒には昇降しない。しかし、センタブラシ5とブラシ保持枠10と一緒に昇降させるように構成しても良い。
【0016】
次に、上記センタブラシ5を移動させる昇降機構と揺動機構とその駆動手段について具体的に説明する。図1に示すように、揺動ブロック16は、左右方向旋回用シリンダ25によって揺動操作される。すなわち、左右方向旋回用シリンダ25のロッド26をブラケット14に枢着して連結し、左右方向旋回用シリンダ25のシリンダ基部を、揺動ブロック16から延長した操作アーム27の先端に枢着して連結し、左右方向旋回用シリンダ25を、ブラケット14と揺動ブロック16の間に架設した構成になっている。そして、左右方向旋回用シリンダ25のロッド26を伸縮させることにより、揺動ブロック16が回動して、センタブラシ5を左右いずれかの作業位置に対応した向きに傾動させると共に、格納するときはセンタ位置に戻すことができる。
【0017】
上記センタブラシ5の保持枠10は、図3に示すような昇降用シリンダ31によって昇降操作される。すなわち、昇降用シリンダ31のロッド32を、保持枠10から延長した操作アーム33の延出先端に枢着して連結すると共に、シリンダ基部を、上記揺動ブロック16に枢着して連結し、これにより、昇降用シリンダ31を、センタブラシ5の保持枠10と揺動ブロック16の間に架設する構成になっている。そして、昇降用シリンダ31のロッド32を伸縮させることにより、センタブラシ5の保持枠10が上下に揺動し、センタブラシ5を昇降させるようになっている。つまり、昇降用シリンダ31のロッド32を伸長させると、図3の2点鎖線で示すように、センタブラシ5が路面35まで降下し、清掃位置になる。また、図3の実線で示すように、昇降用シリンダ31のロッド32を縮小させると、センタブラシ5が路面35から離れ、格納する高さまで上昇する。しかして、各シリンダ25,31は、後述する図5に示す駆動装置50で駆動され、昇降機構と揺動機構を操作し、センタブラシ5を所定の清掃位置と格納位置に移動させるようになっている。
【0018】
図3及び図4に示すように、上記吸込み口7は、吸込み部を構成する保持ブロック28の下面に形成されている。保持ブロック28は、上記車体フレーム1に昇降自在に取り付けられていて、後述する昇降操作機構によって、図3に示すように、路面35から吸込み口7を上昇退避させた格納位置と、図4に示すように上記吸込み口7を路面35に近接させた清掃位置とのいずれかの位置を選択するように操作される。
【0019】
吸込み部を昇降させる操作機構は、次のように構成されている。すなわち、図1に示すように、保持ブロック28は、支持アーム29によって車体フレーム1によって支持されている。車体フレーム1には、支持アーム29の先端を連結する球面軸受を有した保持部が設けられ、また、保持ブロック28にも支持アーム29の基端を連結する球面軸受が設けられている。
【0020】
そして、上記保持ブロック28は、吸込み部張出し用シリンダ30によって、図1に示す格納位置と図2左側に示す清掃位置に移動させるようになっている。吸込み部張出し用シリンダ30は、車体フレーム1と保持ブロック28の間に斜めに架設されている。このため、図1に示すように、吸込み部張出し用シリンダ30のロッドを縮小させると、保持ブロック28は格納位置まで斜めに引き上げられる。また、図2に示すように、吸込み部張出し用シリンダ30のロッドを伸長させると、保持ブロック28を斜めに降下させながら作業位置まで張り出させる。この吸込み部の格納位置と清掃位置への移動操作は後述するシリンダ駆動装置によってシリンダ30を操作することにより行われる。
【0021】
図3に示すように、吸込み部の保持ブロック28には補助車40が設けられていて、この補助車40は、吸込み部の保持ブロック28と一緒に昇降する。上記吸込み部の吸込み口7には、吸込みホース41が接続されている。この吸込みホース41は、道路清掃車のごみ収納室(図示せず)に接続されている。
【0022】
図4に示すように、この吸込み部の保持ブロック28には、パンタグラフを構成する昇降機構42を介して上記ガッタブラシ6が取り付けられている。上記ガッタブラシ6はその昇降機構42によって昇降自在に支持されている。このガッタブラシ6は、図4に実線で示すように、上昇させた格納位置と、図4に点線で示すように、路面35に接地させた清掃位置に選択的に移動させられる。この格納位置と清掃位置は図示しないシリンダによる駆動によって操作され、または手動によっても操作可能である。また、ガッタブラシ6または吸込み口7を、清掃位置と格納位置にそれぞれ位置決め固定する場合において、ピンまたはワイヤを用いて所定位置に固定するようにしてもよい。なお、上記ガッタブラシ6はモータ43によって駆動される。
【0023】
上記各ブラシ5,6の位置はブラシ位置センサによって検出される。図6はそのブラシ位置センサの一例を示す。このブラシ位置センサ44は複数のリミットスイッチまたは近接センサ等のセンサ素子により、シリンダのロッドの伸縮した位置からブラシ5,6の位置を検出する。
【0024】
図6(a)のブラシ位置センサ44は、センタブラシ5の左右方向の位置を検出するものであり、3つのセンサ素子45a,45b,45cを備え、それぞれ左右方向旋回用シリンダ25のロッド26の先端をそれぞれ検出するようになっている。つまり、センサ素子45aは左側を清掃するときの清掃位置を検出し、中央のセンサ素子45cは中央(格納)位置を検出し、右側のセンサ素子45bは右側を清掃するときの清掃位置を検出する。また、各センサ素子45a,45b,45cは左右方向旋回用シリンダ25のシリンダ基体を支持するフレーム46に取り付けられていて、センサ素子45a,45b,45cと、左右方向旋回用シリンダ25のシリンダ基体との相対的な位置は変動しない。
【0025】
また、図6(b)のブラシ位置センサ44は、センタブラシ5の昇降位置を検出するものであり、2つのセンサ素子47a,47bを備え、昇降用シリンダ31のロッド32の収縮する2位置を検出するようになっている。つまり、センサ素子47aは上昇させたセンタブラシ5の格納位置を検出し、センサ素子47bは降下させたセンタブラシ5の清掃位置を検出する。また、センサ素子47a,47bはシリンダ31のシリンダ基体を支持するフレーム46に取り付けられていて、センサ素子47a,47bと、シリンダ31のシリンダ基体の相対的な位置は変動しないようになっている。
【0026】
次に、上記各シリンダ25,30,31を駆動するシリンダ駆動装置50について説明する。図5に示すように、このシリンダ駆動装置50は、各シリンダ25,30,31の操作ロッドを伸縮させる動作を所定の手順で制御し、清掃位置または格納位置に移動させる操作を行う。各シリンダ25,30,31及びその駆動手段は、空圧駆動方式でも油圧駆動方式でもよいが、ここでは、図7に示すように油圧駆動方式のものを採用する。
【0027】
上記油圧駆動方式のシリンダ駆動装置50の油圧回路は、図7に示すように、油圧源としての油圧ポンプ48及びタンク47を備え、この油圧ポンプ48から各シリンダ25,30,31への接続は、第1〜4の切換弁51,52,53,54の切り換えが所定の手順で行われることにより達成される。
【0028】
上記切換弁51,52,53,54はいずれも同様な構成とした4ポート3ポジションの電磁切換え方式のものであって、中立の待機ポジションcと、第1ポジションaと、第2ポジションbの3つのポジションを有し、各ポジションa,b,cに切り換えるための切換え操作用ソレノイド55(A〜H)と、中立位置に復帰させるスプリング56との組が逆向きに2組ずつ設けられている。上記切換弁51,52,53,54の待機ポジションcでは、圧油の流れを遮断する。第1の切換弁51の第1ポジションaではシリンダ内からロッドを押し出す向きに給油し、第2ポジションbではシリンダ内からロッドを押し出す向きに給油する。第2〜4の切換弁52,53,54の第1ポジションaではシリンダ内にロッドを引き込む向きに給油し、第2ポジションbではシリンダ内からロッドを押し出す向きに給油する。
【0029】
図7に示すように、油圧回路には、油圧源側からパイロット付リリーフ弁61を経て、上記各電磁切換弁51,52,53,54を迂回すると共に、各電磁切換弁51,52,53,54から排出する圧油をタンク47に逃がすタンク戻り回路62が設けられている。切換弁51,52,53,54とシリンダ25,30,31の間の圧油供給回路の部分にはパイロット操作式のチェック弁65が設けられている。また、各電磁切換弁51,52,53,54への給油回路66にもチェック弁67が設けられている。
【0030】
図7に示すように、上記各切換弁51,52,53,54が、中立の待機ポジションcにあるとき、油圧源側からの圧油は、各切換弁51,52,53,54のオープンセンタを通ってタンク47に逃げる。また、ソレノイド55に信号を通電させしたとき、励磁されたソレノイド55により、切換弁51,52,53,54はそれに応じて切り換わり、所定のポジションを選択する。また、ソレノイド55を消磁すると、復帰用スプリング56の作用によって中立の待機ポジションcに自動的に復帰する。
【0031】
図8は上記各切換弁51,52,53,54の操作装置の機能ブロックを示す。この操作装置はコントローラ70を備え、このコントローラ70には清掃・格納選択スイッチ71及び清掃側選択スイッチ72を含む操作盤によって作業の種類の入力がなされる。また、コントローラ70には、上記各ブラシ位置センサ44で検出した信号が入力される。
【0032】
そして、コントローラ70は、制御手順を記憶したメモリ(ROM)と、演算回路(CPU)と、入出力回路などを内蔵しており、後で述べる制御演算を行い、所定の手順で作業に応じた駆動信号を出力し、各切換弁51,52,53,54のソレノイド55に入力させ、ブラシを清掃位置または格納位置に移動させる。
【0033】
図9〜図11に上記メモリ(ROM)に記憶された制御手順のフローチャートを示す。
以下、図9〜図11に従い、その制御手順を説明する。まず、清掃または格納を開始する場合、清掃側選択スイッチ72により左右いずれかの清掃サイドを選択し、清掃・格納選択スイッチ71を清掃側に投入操作する。
【0034】
図9に示すステップ100において、清掃・格納選択スイッチ71が清掃側にあるか格納側にあるかを判断する。そして、清掃・格納選択スイッチ71が清掃側に位置しておれば、ステップ200の清掃処理の制御に移る。また、清掃・格納選択スイッチ71が格納側に位置しておれば、ステップ300のブラシ格納処理の制御に移る。
【0035】
次に、ステップ200の清掃処理内容を、図10の制御ブロック201として示す。清掃処理を実行する場合、まず、ステップ202において、予め、清掃側選択スイッチ72が選んだ清掃サイドが右側か左側かを判断し、左側を選択したとき、左側を清掃するステップ203に移る。
【0036】
ステップ203において、第3の切換弁53が待機ポジションcから第1ポジションaに切り換わり、この第1ポジションaを経て、左右方向旋回用シリンダ25へ圧油が送り込まれ、シリンダ25はロッド26を引き込む。このようにロッド26を引き込むことによって揺動ブロック16を水平方向の左側へ旋回させる。揺動ブロック16に取り付けた支持アーム17によってブラシ保持枠10とセンタブラシ5は一緒に水平方向の左向きに旋回する。このセンタブラシ5は規定角度の位置に達するまで旋回する。
【0037】
次に、ステップ204において、センタブラシ5の旋回が規定の角度位置に達すると、その位置がブラシ位置センサ44によって検出され、ステップ205に移り、第3の切換弁53は第1ポジションaから待機ポジションcに復帰し、センタブラシ5の旋回を停止させる。そして、センタブラシ5は路面35に接しないが、清掃位置の略真上に位置し、図2に示すように掃き寄せ可能な角度に傾斜した状態になる。
【0038】
この後、ステップ206に移り、センタブラシ5を降下させ始める。つまり、ステップ206において、第4の切換弁54を待機ポジションcから第2ポジションbに切り換え、その第2ポジションbを経て、昇降用シリンダ31へ圧油を送り込み、ロッド32を押し出し、保持枠10と共に、センタブラシ5を降下させる。
【0039】
ステップ207において、センタブラシ5が路面35まで降下して清掃位置になると、その位置がブラシ位置センサ44によって検出され、ステップ208に移る。
【0040】
ステップ208において、第4の切換弁54が待機ポジションcに戻り、給油が停止し、それ以上のセンタブラシ5の降下が止まる。
【0041】
以上により、センタブラシ5が路面35上に位置して所定の角度で左側へ傾斜する清掃位置に設置させることができる。そして、センタブラシ5が路面35を擦ることなく、所定の角度で傾斜する清掃状態にセンタブラシ5を設置できる。
【0042】
次に、左側のガッタブラシ6を張り出し清掃位置に設置する。まず、ステップ209において、第1の切換弁51を待機ポジションcから第1ポジションaに切り換え、シリンダ30のロッドを押し出す。これによって、吸込み口7の吸込み部と一緒に保持ブロック28に取り付けたガッタブラシ6が車体の左側へ張り出す。
【0043】
ステップ210において、所定の張り出し位置に達したところで、その位置がブラシ位置センサ44によって検出され、ステップ211に移る。
【0044】
ステップ211において、第1の切換弁51は第1ポジションaから待機ポジションcに復帰し、ガッタブラシ6の張り出し動作を停止する。
この後、昇降機構42を操作して上記ガッタブラシ6を路面35まで下ろす。また、縁石等の位置に合わせてガッタブラシ6のみを左側へさらに張り出す調整を行っても良い。
【0045】
ステップ212において、センタブラシ5及び左側のガッタブラシ6を回転させながら走行し、左側の清掃を始める。
【0046】
一方、右側の清掃を行うべく、清掃側選択スイッチ72を操作した場合には、ステップ202からステップ223に移る。この清掃処理のステップ224〜233は左右逆向きの動作ではあるが、先に述べた清掃処理のステップ204〜213に準じて行われる。
【0047】
次に、格納処理を実行する場合について説明する。この場合は、図9のステップ300のブラシ格納処理の制御に移る。このステップ300の格納処理内容を図11の制御ブロック301として示す。
【0048】
この格納処理を実行する場合、まず、ステップ302において、センタブラシ5及び左側のガッタブラシ6の回転を停止させる。
【0049】
次に、ステップ303において、路面35上の清掃位置にあったセンタブラシ5を旋回させることなく、上昇させる。つまり、第4の切換弁54を待機ポジションcから第1ポジションaに切り換え、その第1ポジションaを経て、昇降用シリンダ31へ圧油を送り込み、ロッド32を引き込み、保持枠10と共に、センタブラシ5を上昇させる。
【0050】
ステップ304において、格納位置の高さに見合う規定位置に達すると、それがブラシ位置センサ44によって検出される。
そして、ステップ305において、第4の切換弁54が待機ポジションcに戻り、給油が停止し、それ以上のセンタブラシ5の上昇を停止させる。
【0051】
次に、ステップ306において、清掃サイドが右側か左側かを判断し、左側を選択してあったときは、ステップ310とステップ320に移る。また、右側を選択してあったときは、ステップ330とステップ340に移る。
【0052】
ステップ310において、路面35から上昇したセンタブラシ5の右旋回が行われる。つまり、第3の切換弁53が待機ポジションcから第2ポジションbに切り換わり、この第2ポジションbを経て、左右方向旋回用シリンダ25へ圧油が送り込まれ、シリンダ25のロッド26を押し出す。ロッド26を押し出すことによって揺動ブロック16が水平方向の右側へ旋回し、ブラシ保持枠10に保持されたセンタブラシ5は水平方向の右向きに旋回する。このセンタブラシ5の旋回は規定の中央位置に達するまで行われる。
【0053】
次に、ステップ311において、センタブラシ5が中央の格納位置に達すると、それがブラシ位置センサ44によって検出され、そして、ステップ312に移り、センタブラシ5の旋回を停止する。つまり、第3の切換弁53は第2ポジションbから待機ポジションcに復帰し、センタブラシ5の旋回を停止させる。その結果、センタブラシ5は路面35に接しない清掃位置の略真上の位置から図1に示すように正面を向いた格納位置に戻る。
【0054】
また、ステップ310〜312までの動作と並行して、ステップ320〜322までの左側のガッタブラシ6の格納動作が行われる。
【0055】
すなわち、ステップ320において、まず、昇降機構42を操作して上記ガッタブラシ6を路面35から引き上げると共に車体側へ引き寄せる。その上で、第1の切換弁51を待機ポジションcから第2ポジションbに切り換え、シリンダ30のロッドを引き込む。これによって、吸込み部の吸込み口7と一緒に保持ブロック28に取り付けたガッタブラシ6を車体側へさらに引き寄せることができる。
【0056】
ステップ322において、ガッタブラシ6が格納位置まで引き寄せられたところで、ブラシ位置センサ44によって検出がなされ、第1の切換弁51が待機ポジションcに戻り、給油が停止し、格納動作が停止する。
【0057】
一方、右側の清掃を選択してあったときは、ステップ330とステップ340に移る。ステップ330〜332のセンタブラシ5の左旋回動作は、先に述べたセンタブラシ5の右旋回動作のステップ310〜312に準じて行われる。また、ステップ340〜342の右側ガッタブラシ6の格納動作は、先に述べた左側のガッタブラシ6の格納動作のステップ320〜322に準じて行われる。
【0058】
上記道路清掃車にあっては、例えば、道路の左側を清掃する場合、清掃に使用するセンタブラシ5と、左側のガッタブラシ6は、図2に示すように配置される。ここで、センタブラシ5の左側への掃き寄せ幅はD1で示され、左側のガッタブラシ6による吸込み口7側への掻き寄せ幅はD2で示される。また、センタブラシ5による掃き寄せ幅D1の領域と、左側のガッタブラシ6による掻き寄せ幅D2の領域は略一致し、または一部が重なるように設置するようにした。
【0059】
道路を清掃する場合、中央付近のごみをセンタブラシ5によって左側へ掃き寄せ、縁石寄りのごみを左側のガッタブラシ6によって中央側に掻き寄せる。そして、清掃対象の路面全体をセンタブラシ5と左側のガッタブラシ6によって覆うことができる。このため、清掃路面にこびり付いたごみをセンタブラシ5とガッタブラシ6の両方またはいずれかによって掻き落とすことができる。
【0060】
また、センタブラシ5による掃き寄せ幅D1の領域と、左側のガッタブラシ6による掻き寄せ幅D2の領域が重なるようにした場合、センタブラシ5による掻き落し作用と、左側のガッタブラシ6による掻き落とし作用が二重に加わるので、ごみを効率的に取り除くことができる。特に、センタブラシ5とガッタブラシ6の間の領域はごみが集まり、ごみの取り残しを起こし易いが、こびり付いたごみを十分に掻き落とし、吸込み口7に収集させることができる。センタブラシ5の掃き寄せ幅D1の領域と、ガッタブラシ6による掻き寄せ幅D2の領域とは、重なり合うことが好ましい。
【0061】
なお、本発明は、上述した実施形態そのままのものに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記各実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより、種々の発明を構成できる。例えば、上記各実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せて構成してもよい。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、掃き寄せ用センタブラシの清掃または格納の際に掃き寄せ用センタブラシが路面を擦らないので、掃き寄せ用センタブラシ及びこれを支持する部位に加わる負担を軽減する。また、掃き寄せ用センタブラシを円滑に清掃位置にセットし、または格納位置に収納することができるようになる。
また、他の発明は、車体フレーム側の部材に、水平な向きに旋回自在に揺動ブロックを枢着し、この揺動ブロック側の部材に、センタブラシを取り付けたブラシ保持枠を昇降自在に枢着し、上記車体フレーム側の部材と上記揺動ブロックの間に旋回用シリンダを装着し、上記揺動ブロックと上記ブラシ保持枠の間に昇降用シリンダを装着したので、センタブラシの昇降と水平な向きの旋回に振れが少なく、安定した動作で清掃位置と格納位置に設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る道路清掃車のブラシ格納時の平面図。
【図2】本実施形態に係る道路清掃車の左サイド清掃時の平面図。
【図3】本実施形態に係る道路清掃車におけるセンタブラシ付近の要部の側面図。
【図4】本実施形態に係る道路清掃車におけるガッタブラシ付近の要部の側面図。
【図5】本実施形態に係る道路清掃車におけるシリンダ用駆動装置の機能ブロック図。
【図6】本実施形態に係る道路清掃車におけるブラシ位置センサの説明図。
【図7】本実施形態に係る道路清掃車におけるシリンダ駆動装置の油圧回路の説明図。
【図8】本実施形態に係る道路清掃車におけるシリンダ駆動装置の切換弁を制御する制御装置の機能ブロック図。
【図9】本実施形態に係る道路清掃車における制御装置による制御手順のフローチャート。
【図10】本実施形態に係る道路清掃車における制御装置による制御手順のフローチャート。
【図11】本実施形態に係る道路清掃車における制御装置による制御手順のフローチャート。
【符号の説明】
1…車体フレーム、5…センタブラシ、6…ガッタブラシ、
7…吸込み口、10…ブラシ保持枠、16…揺動ブロック、
17…支持アーム、19…軸、25…左右方向旋回用シリンダ、
27…操作アーム、28…保持ブロック、29…支持アーム、
31…昇降用シリンダ、35…路面、41…吸込みホース、
42…昇降機構、44…ブラシ位置センサ、50…シリンダ駆動装置、
70…コントローラ。

Claims (2)

  1. 掃き寄せ用センタブラシを有し、上記掃き寄せ用センタブラシを清掃位置と格納位置に移動させるようにした道路清掃車において、
    上記掃き寄せ用センタブラシを昇降させる昇降用シリンダと、上記掃き寄せ用センタブラシを水平な向きに旋回させる旋回用シリンダとを備え、
    上記掃き寄せ用センタブラシを格納位置から清掃位置に移動させるとき、旋回用シリンダにより清掃位置の上方に上記掃き寄せ用センタブラシを移動し、規定位置に達したとき、上記昇降用シリンダにより上記掃き寄せ用センタブラシを清掃位置の路面まで降下させると共に、上記掃き寄せ用センタブラシを清掃位置から格納位置に移動させるとき、上記昇降用シリンダにより清掃位置の路面から上方へ上記掃き寄せ用センタブラシを上昇させ、規定位置に達したとき、上記旋回用シリンダにより上記掃き寄せ用センタブラシを格納位置まで旋回させるようにしたことを特徴とする道路清掃車。
  2. 車体フレーム側の部材に、水平な向きに旋回自在に枢着された揺動ブロックと、上記揺動ブロック側の部材に昇降自在に枢着され、上記センタブラシを取り付けたブラシ保持枠とを備え、上記旋回用シリンダは、車体フレーム側の部材と上記揺動ブロックの間に装着され、上記昇降用シリンダは、上記揺動ブロックと上記ブラシ保持枠の間に装着されたことを特徴とする請求項1に記載の道路清掃車。
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