JP2005022062A - ロボットオフラインシミュレーション装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 与えられた作業点列(作業経路)のデータ等を用いて、ロボットの仮配置可能範囲を選定する。選定条件は、(イ)全作業点列に対して逆運動学の解あり、(ロ)周辺機器との干渉なし、(ハ)全軸の動作余裕度が基準値クリア、である(S1)。各仮配置可能範囲にロボットを配置した条件で、動作プログラムによるシミュレーションを行い、サイクルタイム、デューティ、エネルギ値、加速度/速度推移等のデータを収集する(S2)。収集されたデータを用いて各各仮配置可能範囲について、動作評価を行ない、無理のなりものを動作可能位置とする(S3)。更に、観点に重みを付けた評価関数を用いて絞り込みをかけ、最適動作可能配置を定める(S4)。
【選択図】 図2
Description
ここで、前記作業点列は、位置、位置と方向ベクトル、又は位置と姿勢、のいずれかで与えられたものであって良い。
ここで、前記の作業経路に付加する姿勢要素は、指定なし、方向ベクトル、又は姿勢、のいずれかで与えられるものであって良い。
更に、1つまたは複数の観点についての評価結果を評価関数で評価し、最適配置(場合によっては、複数個)を選び出す。評価関数の例等については、後述する。
ステップS1の説明;
(A)ロボットの仮配置可能範囲の選定を行なうために、図1に示したロボットオフラインシミュレーション装置(以下、単に「装置」とも言う)に、下記のデータを入力する。
(1)ロボット(ハンドがあればそれを含む)のサイズ、形状のデータ
(2)ワーク、周辺機器の配置位置/姿勢、サイズ、形状の各データ
これら(1)、(2)のデータは、例えば外部のCADや電子媒体で用意されたものを装置へ移すことで入力される。
作業点列のデータの種類として、例えば、図3(a)〜(d)に示したような4形態が考えられる。各形態なお、以下の説明で、添字「i」は点列番号を代表し、「i番目の点」という意味を表わす。
(b)3次元位置と、作業面の法線方向(作業点のz軸方向;通常は、ツール座標系のz軸方向):Pni(Xi,Yi,Zi, ni )
(c)3次元位置、作業面の法線方向(作業点のz軸方向;通常は、ツール座標系のz軸方向)及び同法線方向周りの姿勢(例えばツール座標系のz軸方向と、同軸周りの姿勢):Pn θi (Xi,Yi,Zi, ni,θi )
(d)3次元位置と3次元姿勢:PniWPR (Xi,Yi,Zi,Wi,Pi,Ri )
なお、これらいずれかの形態で入力される作業点列を以下、便宜上PI (I=1,2,3・・・)で代表させる。作業点列は、例えば図4の左半部に示したようになる(P1 〜P4 を例示)。
ロボットの配置可能範囲の候補を指定するデータから、その中の格子点を定めてデータを入力する。格子点のデータは、例えば、図5に示したように、その範囲の幅a、奥行きb、高さcを適当な数で分割し、できた格子点を配置可能候補点QK とし、そのデータを入力すれば良い。但し、ロボットの配置姿勢を考慮する場合には、姿勢のデータも入力する。ここでは、下記の3形態を例示する。
jは配置点(例えばベース座標系の原点)を代表し、「j番目の点」という意味を表わす。なお、これら形態のいずれも、適宜点QK で代表表記する。
(e)3次元位置のみ:Qk (Xk,Yk,Zk )
(f)3次元位置とロボットベースの法線方向(通常は、ロボットベース座標系のz軸方向):Qnk(Xk,Yk,Zk, nk )
(g)3次元位置、ロボットベースの法線方向(通常は、ロボットベース座標系のz軸方向)及び同法線方向周りの姿勢(例えばロボットベース座標系のz軸方向と、同軸周りの姿勢):Qn θk (Xk,Yk,Zk, nk,θk )
配置可能候補点群は、例えば図4の右半部(格子点Qk )に示したようになる。
J:Isolve (Q−1P)、但し、Qはワールド座標系から見た配置位置、Pはワールド座標系から見た作業点、Jはロボットの各軸値、Isolve は逆運動学とし、Jが見つかれば「解あり点」とする。
各「解あり点」について、各作業点に対応して求められたロボットの各軸値と、ロボットの形状、寸法データ、更にハンドがある場合にはハンドの形状、寸法データを用いて、作業点毎にロボット(ハンドがある場合にはハンドを含む)によって占拠される体積領域を計算する。その体積領域が、ワークあるいは周辺機器によって占拠される体積領域と一部でも重なれば、その作業点で「干渉あり」であり、当該解あり点は、「干渉あり」の点となる。
この到達可能点でカバーされる範囲(体積領域)を、「到達可能範囲」とする。また、例えば、各仮配置可能位置(点)からこの到達可能範囲の境界までの距離を計算し、干渉に対する余裕指標とすることもできる。これら計算結果はメモリに格納され、後述するように、画面13に適宜表示される。
(作業点について)
(1)作業点の3次元空間上の位置Pi (Xi,Yi,Zi )を入力した場合:
この場合、3次元空間上の姿勢要素が不足しているので、これを与える必要がある。WPRを以下の計算で算出して、このすべての要素を仮配置可能範囲計算の候補とする。
P:(n、o、a、p)と表わせる。nはノーマルベクトル、oはオリエントベクトル、aはアプローチベクトル、pは位置ベクトルである。
図6に示すように、中心位置pを持つ単位球の表面を適当数の緯線、経線で等分割して多数の格子点を作り、球の中心から各格子点へ向かうベクトルをアプローチベクトルaとする。アプローチベクトルaを定義するのに使われた緯度上でaを90゜回転してベクトルをオリエントベクトルoとし、ベクトルaとベクトルoに直交するようにノーマルベクトルnを決める。
このケースは、上記(1)の場合に対して、法線方向、すなわち、アプローチベクトルが決まっていると考えることができる。アプローチベクトルを与えた後は上記(1)と同様に計算される。
(3)作業点の3次元空間上の位置、法線方向と姿勢Pn θi (Xi,Yi,Zi,ni, θi )を入力した場合:
このケースは、上記(1)の場合に対して、法線方向、すなわち、アプローチベクトルの計算範囲が決まっていると考えることができる。アプローチベクトルを求めた後は(1)と同様に計算される。
(4)作業点の3次元空間上の位置、姿勢PniWPR(Xi,Yi,Zi,Wi,Pi,Ri)を入力した場合:
この場合は、3次元空間上の位置姿勢が指定されているのでそのまま逆運動学を計算することができる。
(1)計算候補が指定されている場合は、格子を指定し、その格子点を計算の対象とする。しかし、3次元空間上の位置を格子点とする点列Q、格子点により3次元位置は求まるが、姿勢が求まらず、逆運動学を解く条件が不足する。そこで、作業点の場合にならって姿勢を算出する。
なお、配置可能候補の範囲を指定するデータがない場合は、次のようにして、配置可能候補点を決める(図7参照)。
(イ)全作業点列に対して逆運動学が解け、解があること。
(ロ)周辺機器との干渉が全作業点列で起らないこと。
(ハ)ロボットの全軸について、動作余裕度が基準値をクリアしていること。なお、これら条件以外にも、ユーザの希望等により、配置位置から除外すべき範囲があれば、それを考慮して仮配置可能位置を決めても良い。
上記したステップS1は、いわば一次審査であり、これをパスした配置位置(即ち、仮配置可能位置)であっても、実際の動作に適しているかどうかについて、更にチェックされることが望ましい。そこで、ステップS2では、いわば2次審査のためのデータ収集を行なう。即ち、動作上の支障の有無の観点から、仮配置可能範囲に更にふるいにかけて仮配置可能範囲を選定のためのデータ収集を行なう。
●デューティ(電流値の眼界値に対する割合の1作業サイクル平均値)
●電流ピーク値
●エネルギ値(1作業サイクル当りの消費電力)
●加速度推移(例えば計算周期毎の値)
●加速度ピーク
●速度推移(例えば計算周期毎の値)
●速度ピーク
動作シミュレーションを実行して、得られたこれらデータ(サイクルタイム、デューティ、電流ピーク値、エネルギ値、加速度推移、加速度ピーク、速度推移、速度ピーク)は、メモリに記憶される。また、後述するように、その一部または全部が画面13に表示される。
ステップS2で収集されたデータを用いて、各仮配置可能位置の評価を行なう。評価は、例えば、上記諸データの全部または一部に関する基準値(限界値)を予め設定しておき、これらすべてをクリアできた仮配置可能位置を「配置可能位置」(「仮」は付かないことに注意)に昇格させる。一般的に言えば、ロボットの性能上の限界に関連する量については、基準値(限界値)を設けて、満たせないものは配置可能位置に昇格させないことが実際的と考えられる。
●加速度(絶対値のピーク)の限界値
●速度(絶対値のピーク)の限界値
結局、本実施形態では、仮配置可能位置の内、これら基準をすべてクリアしたものを「配置可能位置」と定める。
ステップS3で定められた配置可能位置について、更に、適当な評価関数を用いて評価し、「最適配置」を決定する。なお、「最適配置」は、必ずしも1つとは限らず、例えば「ベスト3」などを選択しても良い。また、一般に、どの観点を重視するかによってどの配置が最適か変わってくるので、ここでは一例として、重み付けをオペレータが指定、調整できる下記の関数を評価関数F(α;β)として採用する。
ここで、Mは配置可能位置の総数、β1 、β2 ・・・・βu は、順に、1番目、2番目・・・・u場面の観点でそれぞれ付けた順位で、1〜Mのいずれかの値をとる。また、α1 、α2 ・・・・αu は、順に、1番目、2番目・・・・u場面の観点につける重み係数で、オペレータが0.0〜1.0の間の値を指定、設定するものとする。観点は、ステップS3で収集したデータに対応するものの他、場合によっては、ステップS1で求めた動作余裕度を加えても良い。今、動作可能位置の総数MをM100として、一例を示せば、下記の通り。
2番目の観点=デューティの小ささ。デューティが最小となる配置可能位置に、β2 =1を付与する。次に小さい配置可能位置にはβ2 =2を付与する。以下、同様である。デューティが最大の配置可能位置には、β2 =100を付与する。 3番目の観点=エネルギ値(1作業サイクル当りの消費電力)の小ささ。エネルギ値が最小となる配置可能位置に、β3 =1を付与する。次に小さい配置可能位置にはβ3 =2を付与する。以下、同様である。エネルギ値が最大の配置可能位置には、β3 =100を付与する。
以上3つの観点を採用する場合、上記関数Fは、下記のようになる(M=100とする)。
ここで例えば、サイクルタイムのみを重視するのであれば、α1 =1.0、α2 =α3 =0.0と設定すれば良い。同様に、デューティのみを重視するのであれば、α2 =1.0、α1 =α3 =0.0と設定すれば良い。また、エネルギのみを重視するのであれば、α3 =1.0、α1 =α2 =0.0と設定すれば良い。3つの観点を考慮したければ、α1 、α2 、α3 にそれぞれ0.0でない値を設定すれば良い。例えば、α1 =1.0、α2 =α3 =0.5、などを設定すれば良い。以上の設定操作は、例えばキーボード操作等でオペレータが画面13上で行なう。
以上、ステップS1〜ステップS4の計算処理が終わったならば、結果をリストとして、画面13上に、例えば図9のように表示する。なお、ここでは、描示の都合上、リスト中の5配置分のみが表示されているが、必要に応じて全配置可能候補位置、全仮配置可能位置、全配置可能位置等を必要に応じて表示すれば良い。種々の評価結果に関連するデータ表示についても、ここでは、到達可能性の有無、サイクルタイムの値、動作余裕度の値が表示されているが、必要に応じて他の諸データを表示しても良い。例えば、電流ピーク値、加速度ピーク値のチェック結果、エネルギ値やその順位(上述したβ3 )、サイクルタイムの順位(上述したβ1 )、前述した干渉に対する余裕指標等を同一画面あるいは他の画面で表示しても良い。
(1)ロボット(ハンドがあればそれを含む)のサイズ、形状データ
(2)ワーク、周辺機器の配置位置/姿勢、サイズ、形状データ
ステップT2;配置可能範囲候補(配置可能位置の集合)を指定・設定する。指定・設定の仕方の例は、前述した通りである。
ステップT5;作業経路のデータと指定・設定された分割数から、作業点列を生成する。作業点列の生成には、例えば、作業経路P(x、y、z)を媒介変数tを用いた表示の形式P(t)=(Px(t)、Py(t)、Pz(t))の式に変換し、経路始点のt値t0 と経路終点のt値t1 の間を指定された分割数で、分割し、始点、終点を含めて(分割数+1)個の作業点からなる作業点列を生成すれば良い。もちろん、これら作業点は作業経路上の点となる。なお、この場合生成される作業点列についても、(a)3次元位置のみ指定のケース、(b)3次元位置と、作業面の法線方向(作業点のz軸方向)を指定のケース、(c)3次元位置、作業面の法線方向(作業点のz軸方向)及び同法線方向周りの姿勢を指定のケース、(d)3次元位置と3次元姿勢を指定のケースがあり得るが、各ケースにおける対処法は前述したので繰り返さない。
●サイクルタイム
●デューティ(電流値の眼界値に対する割合の1作業サイクル平均値)
●電流ピーク値
●エネルギ値(1作業サイクル当りの消費電力)
●加速度推移(例えば計算周期毎の値)
●加速度ピーク
●速度推移(例えば計算周期毎の値)
●速度ピーク
である。
13 画面(表示部)
14 本体部
15 アニメーション演算表示装置
16 データ記憶装置
17 ロボット動作/配置等演算処理装置
36 ワーク
37 テーブル(周辺機器)
Claims (10)
- ロボット、ワーク及び周辺機器の3次元モデルを画面に配置して同時に表示し、前記ロボットの動作シミュレーションを行うロボットオフラインシミュレーション装置において、
与えられた、前記ロボットの作業点列に基いて、前記ロボットのベースが配置可能となる離散的な位置の集合を求める手段と、
前記作業点列と前記ロボットの動作範囲とに基き、少なくとも前記集合の各要素に対してロボット動作の余裕を表わす指標を求める手段と、
前記集合の各要素と該各要素に対する前記指標とを画面に表示する手段とを備えたことを特徴とする、ロボットオフラインシミュレーション装置。 - 前記作業点列が、位置、位置と方向ベクトル、又は位置と姿勢、のいずれかで与えられることを特徴とする、請求項1に記載のロボットオフラインシミュレーション装置。
- ロボット、ワーク及び周辺機器の3次元モデルを画面に配置して同時に表示し、前記ロボットの動作シミュレーションを行うロボットオフラインシミュレーション装置において、
与えられた、前記ロボットの作業経路に基いて、前記ロボットのベースが配置可能となる離散的な位置の集合を求める手段と、
前記作業経路と前記ロボットの動作範囲とに基き、少なくとも前記集合の各要素に対してロボット動作の余裕を表わす指標を求める手段と、
前記集合の各要素と該各要素に対する前記指標を画面に表示する手段とを備えたことを特徴とするロボットオフラインシミュレーション装置。 - 前記の作業経路に付加する姿勢要素が、指定なし、方向ベクトル、又は姿勢、のいずれかで与えられることを特徴とする、請求項3に記載のロボットオフラインシミュレーション装置。
- 前記集合の要素である各位置に前記ロボットのベースを配置した場合に、前記ロボットと前記ワーク、及び前記ロボットと前記周辺機器との干渉が生じるか否かを計算に基いて判断する手段と、その判断結果を表示する手段とをさらに備えたことを特徴とする、請求項1または請求項3に記載のロボットオフラインシミュレーション装置。
- 前記集合の要素である各位置に前記ロボットのベースを配置した場合に、前記ロボットの動作指令プログラムに基づいて前記ロボットの動作のシミュレーションを行い、評価関数の値を計算する手段と、
前記集合の要素の内、少なくとも前記評価関数の値が最適となる要素を求める手段と、
求めた要素を表示する手段とを備えたことを特徴とする請求項1または請求項3に記載のロボットオフラインシミュレーション装置。 - 前記集合の要素である各位置に前記ロボットのベースを配置した場合に、前記ロボットと前記ワーク、及び前記ロボットと前記周辺機器との干渉が生じるか否かを計算に基いて判断する手段と、その判断結果を表示する手段とをさらに備えたことを特徴とする、請求項6に記載のロボットオフラインシミュレーション装置。
- 前記評価関数が、サイクルタイムに関連する評価関数である、請求項6または請求項7に記載のロボットオフラインシミュレーション装置。
- 前記評価関数が、デューティに関連する評価関数である、請求項6または請求項7に記載のロボットオフラインシミュレーション装置。
- 前記評価関数が、エネルギーに関運する評価関数である、請求項6または請求項7に記載のロボットオフラインシミュレーション装置。
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