JP2005020851A - 電動機の引出し線処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】各相巻線の引出し線を、最低本数引出してプリント基板の所定の回路パターンに最短距離にて接続することにより、電動機組立作業の迅速・容易化を図ることにある。
【解決手段】固定子鉄心の所定の磁気ティースに、各相巻線の第1,第2の素巻線を巻回して巻線を形成し、前記各相巻線の第1,第2の素巻線の各巻終り線同士を結線して第1の引出し線を引出し、前記第1,第2の素巻線の巻始め線同士を結線して第2の引出し線を引出し、前記第1の引出し線と第2の引出し線とを、それぞれ固定子鉄心に設けたインシュレータ上に配置したプリント基板の端子部材に、最短距離にて接続するようにしたことを特徴とする。
【選択図】 図2
【解決手段】固定子鉄心の所定の磁気ティースに、各相巻線の第1,第2の素巻線を巻回して巻線を形成し、前記各相巻線の第1,第2の素巻線の各巻終り線同士を結線して第1の引出し線を引出し、前記第1,第2の素巻線の巻始め線同士を結線して第2の引出し線を引出し、前記第1の引出し線と第2の引出し線とを、それぞれ固定子鉄心に設けたインシュレータ上に配置したプリント基板の端子部材に、最短距離にて接続するようにしたことを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動機の巻線から導出した引出し線の接続作業を迅速・確実に行うようにした引出し線処理装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電動ポンプ等の始動時において、高トルクを必要とする電動機においては、太いコイル素線を用いて巻線を巻回していたが、太いコイル素線を使用している関係上、コイル素線の巻回作業は非常に手間がかかることはもとより、巻線自体にコイル素線の巻き太り現象が生じるため、コイル素線を巻回する固定子鉄心においては、磁気ティースの間隔を広くしなければならない等、太いコイル素線を使用する場合、電動機の生産性を損なうばかりか、電動機自体が大形化し非常に不経済であった。
【0003】
また、前記の問題に鑑み、細いコイル素線を固定子鉄心の磁気ティースに各相毎に2回に分けて巻回することにより、巻線の巻回作業の円滑化をはかるとともに、電動機自体の小形化を図っていた。しかし、この場合、細いコイル素線を用いて巻線を2回に亘り巻回するため、巻線からの引出し線が非常に多くなることはもとより、各相巻線間の結線に際しては、巻線の端部(巻終り線)同士を半田付けにより接続した後、接続部に絶縁チューブを被せてこの部位を縛り糸により縛り付けてチューブを巻線に固定する作業を必要としていたので、非常に作業性が悪く、電動機を効率的に製造することが難しかった。
【0004】
このため、最近では、巻線の引出し線の端部(巻終り線)同士を結線した後、その結線部分を、例えば、固定子鉄心のスロットと固定子鉄心の上下面を覆うインシュレータ上に設けた金属板からなる円筒状のリングに接続することにより、巻線の引出し線の一部を処理することが提案されている(特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−218694号公報(第2,3頁、図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記特開2001−218694号公報に記載されている円筒状のリングは、固定子鉄心の上下面のいずれか一方を覆うインシュレータ上に設けられているので、インシュレータとの固定に際しては、インシュレータ自体をリングとの固定部分を他の部位より肉厚に形成しなければならず、かつ、インシュレータの形成時に事前にリングを準備して金型内に納めてから、インシュレータの成形加工を行うようにしていたので、インシュレータの成形加工は非常に手間がかかり面倒であるとともに、インシュレータの材料費が嵩む等の問題があった。
【0007】
また、リングは金属板で形成されているので、巻線との絶縁距離をある程度必要とするため、固定子鉄心の径寸法を大きくしなければならず、電動機を必然的に大形化するという問題も存在していた。
【0008】
本発明は、前記の種々の問題点に鑑み、巻線から導出される複数の引出し線の端末同士の接続をはじめとした前記巻線における引出し線の処理作業を、巻線及びこの巻線を備える電動機を特に大形化することなく迅速容易に行うことを可能とした、電動機の引出し線処理装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、固定子鉄心の継鉄部内周に設けた複数の磁気ティースと、前記磁気ティースの先端を除く磁気ティースの全域及び固定子鉄心の内周並びに固定子鉄心の上下面をインシュレータにより被覆して前記磁気ティースに巻線を巻装した固定子と、前記固定子鉄心の回転子挿入孔に回転自在に挿入した回転子と、前記回転子の回転子軸を軸支する軸受を有して、前記固定子の両側から取付けられたケースとを備えた電動機において、前記固定子鉄心の所要の磁気ティースに第1,第2のコイル素巻線を個別に、かつ、所要相分巻回して巻線を形成し、前記巻線各相の第1,第2のコイル素巻線の各巻終り線同士を直列に結線して第1の引出し線を各相毎に引出し、前記第1,第2のコイル素巻線の巻始め線同士を直列に結線して第2の引出し線を各相毎に引出し、前記第1の引出し線と第2の引出し線とをそれぞれ固定子鉄心の一方の面を覆うインシュレータ上に配置したプリント基板に対称位置で接続するようにしたことを特徴とする。
【0010】
請求項1記載の発明においては、各相巻線を構成する第1,第2のコイル素巻線をそれぞれ固定子鉄心の所要の磁気ティースに巻回し、各相巻線の中性点となる第1の引出し線と各相巻線に通電を行うための第2の引出し線とをそれぞれ固定子鉄心に設けたインシュレータ上に配置したプリント基板に対称位置で引出して接続するように構成したので、前記第1の引出し線と第2の引出し線は、第1,第2のコイル素巻線を巻回することによって導出されるにもかかわらず、互いに対称位置から引出すように構成されているため、固定子鉄心の各相磁気ティースに所要相のコイル素巻線が複数個存在することによって引出し線の数が増えたとしても、その引出し位置を対称位置に設定することにより、第1,第2のコイル素巻線の巻回作業は、各引出し線に特に妨げられることなく、固定子鉄心の所要相の磁気ティースに円滑に、かつ、迅速・容易に巻回することができるので、この種巻線の巻回作業を効率的に、しかも、経済的に行うことができ、利便である。
【0011】
請求項2記載の発明は、前記巻線の第1,第2の引出し線を接続するプリント基板は、固定子鉄心に設けたインシュレータの固定子鉄心の軸方向に突設する支持突起に、巻線のコイルエンド上方において係脱自在に係止するようにしたことを特徴とする。
【0012】
請求項2記載の発明においては、巻線から導出された第1,第2の引出し線を接続するプリント基板を、インシュレータの支持突起を利用して前記第1,第2の引出し線の近傍において取り付けるように構成したので、第1,第2の各引出し線は、巻線から最短距離の位置において引出して接続することができるので、各引出し線のプリント基板への接続作業を迅速確実に行うことができる。
【0013】
請求項3記載の発明は、前記プリント基板は、固定子鉄心の外周縁側に位置する外周側に第1,第2の引出し線を個別に引出し案内する案内溝を備えるとともに、巻線のコイルエンド側に位置する裏面側には、前記巻線の各相から引出した第1の引出し線を同電位で接続する回路パターンと、前記巻線の第2の引出し線を各相毎に個別に接続する回路パターンをそれぞれ備えて構成したことを特徴とする。
【0014】
請求項3記載の発明においては、プリント基板の第1,第2の引出し線の引出し側に位置する外側縁に各相毎の引出し線の引出し位置に対応して各引出し線をプリント基板の所定の接続位置に引出し案内する案内溝が形成されているので、各引出し線は確実にプリント基板の所定の引出し部位に引出すことができるとともに、各相巻線の中性点から引出した第1の引出し線と接続するプリント基板の回路パターンと、第2の引出し線と接続する回路パターンが、それぞれ各引出し線と対応した位置においてプリント基板に形成されているので、巻線の各引出し線は、プリント基板の所定位置に迅速・確実に接続することができ利便である。
【0015】
請求項4記載の発明は、前記プリント基板は、その表面に第1の引出し線及び第2の引出し線をそれぞれ個別に接続する位置において、所定の回路パターンに電気的に接続されて前記各引出し線を脱落不能にからげ、かつ、半田を介して所要の回路パターンと電気的に接続する端子部材を突設して構成したことを特徴とする。
【0016】
請求項4記載の発明においては、第1,第2の引出し線と接続する回路パターンを備えたプリント基板上に、前記第1,第2の引出し線を所要の回路パターンと接続するための端子部材が、回路パターンと接続された状態で突設されているので、巻線から最適な引出し部位より引出された各相の第1,第2の引出し線は、それぞれ回路パターンと接続する位置に突設されている所定の端子部材に、他の引出し線と交錯することなく、円滑・良好にからげ、かつ、半田にてからげ部を半田処理することにより端子部材に強固に接続することができるため、巻線から引出された第1,第2の引出し線とプリント基板の回路パターンとの電気的接続作業を迅速・確実に行うことができる。
【0017】
請求項5記載の発明は、前記プリント基板の回路パターンに突設した端子部材は、上部側に巻線から引出した第1,第2の引出し線を脱落不能にからげるためのからげ部を有し、このからげ部の下部にはプリント基板に設けた取付孔に挿通する端子ピンを所定数備えて構成したことを特徴とする。
【0018】
請求項5記載の発明においては、巻線から引出された引出し線を脱落不能にからげるための断面U字形をしたからげ部を、上部に備えて端子ピンをプリント基板の所定の回路パターンに設けた取付孔に挿通し、回路パターンと端子ピンとを半田接続することにより、端子ピンをプリント基板に取付けるようにしたので、端子部材はその上部のからげ部が上方に向けて拡開した状態で形成されているため、引出し線はからげ部から抜脱することなく効率よくからげ部と絡めることができる結果、引出し線と端子部材とのからげ接続が迅速・確実に行えるとともに、端子ピンは複数本をプリント基板の所定の回路パターンに設けた取付孔に挿入することにより、安定して植設することが可能となり、これにより、引出線のからげ作業を迅速・容易に行うことが可能であるばかりでなく、からげ部と端子ピンの部分を同時に半田にて固定することができるので、引出線のからげと接続作業を効率的に行うことができ、利便である。
【0019】
請求項6記載の発明は、前記巻線は、第1及び第2の素巻線を各相毎に同一の磁気ティースにて同一方向に、かつ、同一巻回数で巻回するとともに、各相巻線の巻終りの引出線となる第1の引出し線をスター結線するようにしたことを特徴とする。
【0020】
請求項6記載の発明においては、線径の細いコイル素線を各相毎に同一方向で、かつ、同じ巻回数にて2回に亘り巻回して2つのコイル素巻線からなる巻線を形成するとともに、前記巻線の巻終り部分から導出される第1の引出線を相互に接続するスター結線を施すようにしたので、各相巻線における引出線の引出数は最小限でよく、しかも、コイル素巻線の巻回方向を全て同一方向として巻回することができるため、巻線作業を簡易に行うことができる。その上、各相巻線の巻終り線となる第1の引出線は、プリント基板の同電位の回路パターンを利用することにより容易にスター結線することができるとともに、これにより、各相巻線を全て同一方向で巻回するようにしているので、電流の流れる方向を同じにすることができることはもとより、各相巻線の巻始め線となる第1の引出線を近接して引出すことができるため、各相巻線の端末処理を容易に行うことができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図1ないし図7によって説明する。最初に、図1は本発明の引出し線処理装置を備えた電動機を示す縦断面図である。前記図1において、1は本発明の電動機Aにおける固定子を示し、この固定子1は、図2,3で示すように、所定形状に打抜き加工したけい素鋼板等の電磁鋼板を所定数積層して形成した固定子鉄心11と、前記固定子鉄心11にコイル素線を巻装した巻線12とを備えて構成されている。
【0022】
前記固定子鉄心11には、その外周及び回転子挿入孔11aを除く略全域(各磁気ティース、固定子鉄心の両端面)に、絶縁性に優れた合成樹脂(例えば、ポリブチレンテレフタレート等)を射出成形等することにより、インシュレータ13が形成されている。そして、前記インシュレータ13は、固定子鉄心11の一方端側(図3の上側)の外周縁側に、所定の高さ寸法で形成した支持壁13a1〜13a4と、後述するプリント基板14に接続される複数のリード線15を、その導出途中において蛇行状態で係止するための係止部13bと、前記複数のリード線15を一纏めにした状態で導出するための導出部13cとを備えて構成されている。なお、前記支持壁13a2〜13a4には、その上端縁にそれぞれ後述するプリント基板14を載置・係止する役目を果たすための支持突起13dが上方に向けて突設されており、また、支持壁13a1においては、リード線15の引出しガイドの役目を果たすものである。
【0023】
そして、前記プリント基板14は、後述する所要の回路パターンを備えて図2に示すように、ほぼ半円状に形成されている。そして、インシュレータ13の前記支持壁13a2〜13a4に突設した支持突起13dと対応する外周縁のそれぞれの位置には、前記支持突起13dに形成した係止爪13d1を係脱自在に係止させるための係合溝14aが凹設されており、これら各係合溝14aに係止爪13d1を係合させることにより、プリント基板14は巻線12のコイルエンド上において、支持壁13a2〜13a4の上端縁に水平状態で係脱自在に乗載・保持される。
【0024】
次に、固定子鉄心11に巻回する巻線12について説明する。固定子鉄心11は図4に示すように、リング状のステータヨーク11bと、このステータヨーク11bの内周側に等間隔に形成された複数の磁気ティース(本例では12個)a〜lとからなり、この固定子鉄心11には、前記ステータヨーク11bの外周部分と磁気ティースa〜lの先端を除いて前記インシュレータ13にて被覆されている。
【0025】
そして、巻線12は固定子鉄心11の所定の磁気ティースを起点としてU,V,Wの各相毎に例えば、コイル素線を2回巻回することにより形成する。これは、例えば、始動時に高トルクを必要とする電動機においては、巻線に太いコイル素線(例えば、0.6mm)を使用するからに他ならない。しかし、太いコイル素線を用いて巻線を巻回することは、従来から種々の問題があるため、本件では、巻回に適した所定の太さ(例えば、0.3mm)を有するコイル素線を各相毎に例えば、2回巻回することによって、太いコイル素線の場合と同様の電流の通電を可能とすることで、電動機始動時所定のトルクが得られる電動機の製造を可能としたものである。
【0026】
つづいて、巻線12の巻回を図4によって説明する。はじめにU相の巻線を巻回する場合について説明する。U相の巻線は固定子鉄心11の磁気ティースa,d,g,jに巻回するもので、コイル素線を磁気ティースaに所定回数巻回したら、次の磁気ティースdに移り、そこでも前回と同様の回数コイル素線を巻回する。磁気ティースg,jにおいても同様に巻回し、U相の巻線Uaを構成する第1のコイル素巻線U1〜U4を固定子鉄心11の磁気ティースa,d,g,jに巻回して形成する。
【0027】
次に、前記U相の第1のコイル素巻線U1〜U4を巻回した磁気ティースa,d,g,jに、第2のコイル素巻線U5〜U8を、第1のコイル素巻線U1〜U4と同径のコイル素線を、前記第1のコイル素巻線U1〜U4の外側に順次重ね巻を行うことにより、U相の巻線Uaを設ける。
【0028】
また、V相の巻線Vaに際しては、固定子鉄心11の磁気ティースb,e,h,kに第1の素巻線V1〜V4と第2のコイル素巻線V5〜V8をそれぞれ巻回する。更に、W相の巻線Waについても、U相,V相の各巻線Ua,Vaと同様に、磁気ティースc,f,j,lにそれぞれ第1,第2のコイル素巻線W1〜W4,W5〜W8を巻回する。このように、U,V,Wの各相の巻線Ua,Va,Waはそれぞれ固定子鉄心11の所定の磁気ティースa〜lに第1,第2のコイル素巻線U1〜U8,V1〜V8,W1〜W8を巻回することにより巻線12を形成するものである。
【0029】
そして、各相巻線Ua,Va,Waの第1,第2のコイル素巻線U1〜U8,V1〜V8,W1〜W8における巻終り線同士を結線してなる第1の引出し線U12,V12,W12と、各相巻線Ua,Va,Waの第1,第2のコイル素巻線U1〜U8,V1〜V8,W1〜W8における巻始め線同士を結線してなる第2の引出し線U11,V11,W11とを、それぞれ巻線12から引出し、インシュレータ13上に係止したプリント基板14の所定の回路パターン14c,14dに接続する。
【0030】
前記プリント基板14には、図6に示すように、各相巻線Ua,Va,Waの第1の引出し線U12,V12,W12と接続する第1の回路パターン14cと、前記各相巻線Ua,Va,Waの第2の引出し線U11,V11,W11を接続する第2の回路パターン14dとを備えている。また、プリント基板14の固定子鉄心11外周面側に位置する外側縁には、第1の引出し線U12,V12,W12の導出位置とほぼ対応して引出し線を引出し案内して係止する案内溝14eと、第2の引出し線U11,V11,W11を導出する位置とほぼ対応して引出し線を引出し案内して係止するための第2の案内溝14fとが、互いに相対向して形成されている。
【0031】
前記プリント基板14には、前記各相巻線Ua,Va,Waから引出した第1,第2の各引出し線U12,V12,W12,U11,V11,W11をそれぞれからげて接続するための端子部材16が、各案内溝14e,14fの先方において、回路パターン14c,14dの所定位置毎に通電可能に接続されて植設されている。
【0032】
また、前記プリント基板14に植設される端子部材16は、図7の(a),(b)に示すように、導電板により上部側を例えば、断面U字状にからげ部16aを曲成し、その曲成したからげ部16aの下部には、2本の端子ピン16bを下方に向けて突設し、この端子ピン16bを各回路パターン14c,14dの所定位置に穿孔した取付孔14bに挿通し、端子ピン16bを挿通した取付孔14bを半田にて埋め込むことにより、端子ピン16bと所要の第1あるいは第2の回路パターン14c,14dとを接続する。
【0033】
更に、各相巻線Ua,Va,Waから導出した第1,第2の各引出し線U12,V12,W12,U11,V11,W11を対応する端子ピン16bのからげ部16aに巻付け、このからげ部16aを半田付けすることにより、巻線12を電気的に接続するものである。
【0034】
次に、図1において、2は固定子鉄心11の回転子挿入孔11aに回転自在に挿入される回転子であり、前記回転子2は、回転子軸21と、前記回転子軸21の所定位置に圧入等することにより回転不能に固着した回転子鉄心22と、前記回転子鉄心22の外周に接着剤等により固定した回転子磁石23と、前記回転子軸21の軸方向基端部(図1の上側)及び中央部付近に取付けた軸受24a,24bとを備えて構成されている。
【0035】
また、図1において、3,4は固定子1を収容し、かつ、前記回転子2を回転自在に支承する一対のケースである。前記一対のケース3,4は、図1で示すように、例えば、鋼板をプレス成形することにより、固定子鉄心11を収容することが可能な径寸法で深椀状に形成されており、その底面中央部には、回転子軸21に取付けた軸受24a,24bを収容するための軸受筐3a,4aが、また、開口部外周縁には、ケース3,4同士を固定するためのフランジ3b,4bがそれぞれ形成されている。
【0036】
なお、前記一対のケース3,4のうち、一方のケース3の所定位置には、回路基板14にコネクタ14gを介して接続した第2の引出し線U11,V11,W11に給電を行うためのリード線15を外部に引出すための引出し孔5aが穿孔されており、また、ケース3の軸受筐3aには、回転子2の回転子軸21が貫通する貫通孔3dが穿設されている。5はケース3に穿孔した引出し孔5aに嵌着したリード線15引出し用のリードブッシュである。
【0037】
次に、本発明の電動機Aの組立について説明する。最初に固定子鉄心11に巻線12を巻回する場合について説明する。固定子鉄心11の磁気ティースa,d,g,jに、コイル素線を用いてU相の巻線Uaを構成する第1の素巻線U1〜U4と、第2の素巻線U5〜U8を2回に分けて巻回することによりU相の巻線Uaを形成する。また、V相の巻線Vaは磁気ティースb,e,h,kに、W相の巻線Waは磁気ティースc,f,i,lに、それぞれ前記U相の巻線Uaと同様コイル素線を用いて第1,第2のコイル素巻線V1〜V4,V5〜V8,W1〜W4,W5〜W8を巻回することによって、3相の巻線12を固定子鉄心11に形成する。
【0038】
前記各相の巻線Ua,Va,Waを固定子鉄心11に巻回したら、次にプリント基板14をその第1,第2の回路パターン14c,14dが、各相巻線Ua,Va,Waから引出した第1,第2の引出し線U12,V12,W12,U11,V11,W11と対応するように位置させて、インシュレータ13の支持壁13a2〜13a4上に乗載し、支持壁13a2〜13a4に突設した支持突起13dを、それぞれプリント基板14に設けた係合溝14aに係合させることにより、プリント基板14はインシュレータ13の支持壁13a2〜13a4上に揺動不能に乗載保持される。
【0039】
前記プリント基板14をインシュレータ13に取付けたら、各相巻線Ua,Va,Waから引出した第1,第2の引出し線U12,V12,W12,U11,V11,W11をプリント基板14の所定の回路パターン14c,14dに接続する。接続に当っては、はじめに、第1の引出し線U12,V12,W12を相対応するプリント基板14の案内溝14eからプリント基板14上に引出し、第1の引出し線U12,V12,W12を引出した位置に設けた第1の回路パターン14cに共通して接続されて、プリント基板14に植設した端子部材16のからげ部16aにそれぞれ巻付ける。
【0040】
また、各相巻線Ua,Va,Waから引出した第2の引出し線U11,V11,W11は、前記第1の引出し線U12,V12,W12と同様にプリント基板14の案内溝14fを介してプリント基板14上に引出し、第2の回路パターン14dに個別に接続してプリント基板14上に植設した端子部材16のからげ部16aにそれぞれ巻付ける。
【0041】
このように、端子部材16に第1,第2の引出し線U12〜W12,U11〜W11をからげたら、前記からげ部16を半田にてろう付けを行い、端子部材16と第1,第2の各引出し線U12〜W12,U11〜W11とを接続することにより、巻線12から引出した第1,第2の各引出し線U12〜W12,U11〜W11をプリント基板14に接続する。
【0042】
前記各引出し線U11〜W11,U12〜W12のプリント基板14への接続は、各引出し線U11〜W11,U12〜W12が、これをからげるプリント基板14の所定の端子部材16と相対応する位置に引出されていることと、巻線12が第1,第2のコイル素巻線U1〜U8,V1〜V8,W1〜W8によって構成されているにもかかわらず、各相巻線Ua,Va,Waより引出される第1,第2の引出し線U12〜W12,U11〜W11は、各相巻線Ua,Va,Wa毎に処理されて、プリント基板14の所定の端子部材16と接続する位置に引出すことができるように固定子鉄心11に巻回されているので、各相巻線Ua,Va,Waの引出し線U11〜W11,U12〜W12は最短距離で効率よくプリント基板14に接続することが可能となり、電動機組立作業の機械化を容易に実施することができる。
【0043】
なお、前記プリント基板14には、電動機Aの駆動方式が回転子の回転位置検出を行って駆動する場合は、回転子の回転位置を検出するホール素子等を取付けるためのスペースが用意されており、また、ホール素子等の回転位置を検出するセンサを使用しない、所謂センサレスドライブ方式においては、プリント基板14はホール素子等のセンサが不要なため、センサの取付スペースを軽減することができ、本実施例においてはセンサレス駆動方式を採用していることにより、プリント基板14は第1,第2の引出し線U12〜W12,U11〜W11を接続するための端子部材16が具備されているだけであるので、スペースとしては最小限でよいことは云うまでもない。
【0044】
そして、前記各引出し線U11〜W11,U12〜W12をプリント基板14に接続した後、プリント基板14にコネクタ14gを介して接続したリード線15を、それぞれ支持壁13a1に沿って係止部13bの位置まで導出することにより、その途中を前記係止部13bに蛇行状態で係止させ、この後、前記係止部13bにおいて係止したリード線15を導出部13cの位置まで導出し、この導出部13cから図2に示すように、リード線15を90°曲成して固定子鉄心11の外方に引出す。
【0045】
つづいて、図1に示すように、ケース3に穿設した引出し孔5aに、リードブッシュ5を嵌着する。この後、リードブッシュ5の導出孔5bからリード線15を導出した状態で固定子鉄心11をケース3に圧入・固定する。
【0046】
この状態で、回転子軸21の所定位置に軸受24a,24bを取付けた回転子2を、ケース3に圧入・固定した固定子鉄心11の回転子挿入孔11aに回転自在に挿入するとともに、前記回転子軸21の先端側をケース3の軸受筐3aに穿設した貫通孔3dから突出させた状態で、その軸方向中央部付近に取付けた軸受24aを前記軸受筐3aに嵌着する。この後、ケース3の開口端側にケース4を被着し、その軸受筐4aに回転子軸21の基端部に取付けた軸受24bを嵌着するとともに、前記ケース3,4の開口部外周縁に周設したフランジ3b,4b同士を当接させ、図示しないねじ等の締付部材を用いて締着・固定することにより、電動機Aの組立を終了する。
【0047】
このように、本発明においては、固定子鉄心11の磁気ティースa〜lに各相の巻線Ua,Va,Waを巻回して巻線12を形成し、この巻線12から導出される各相巻線Ua,Va,Waの第1,第2の引出し線U12〜W12,U11〜W11を、プリント基板14に実装した所定の端子部材16に最短位置より引出して接続するように構成したので、各相巻線Ua,Va,Waの第1,第2の引出し線U12〜W12,U11〜W11の処理(接続)を迅速に行うことができるとともに、巻線12自体は各磁気ティースa〜lに所定の線径を有するコイル素線を用いて各相の巻線Ua,Va,Waを2回以上巻回することにより、太い線径を有するコイル素線を使用した場合と同様の電流を通電することが可能となり、これにより、始動時大きな駆動トルクを必要とする電動機を線径の太いコイル素線を巻回する場合に比べ、巻線12の巻回作業が円滑・良好に行うことができ、電動機Aの製造を迅速に、かつ、経済的に行うことができ利便である。
【0048】
【発明の効果】
本発明は以上説明したように、各相巻線を細いコイル素線を用いて固定子鉄心の所定の磁気ティースに第1,第2のコイル素巻線を巻回することにより、1本の太いコイル素線を巻回した場合と同様の巻線を巻回することができるので利便であるとともに、各磁気ティースには、各相巻線を第1,第2というように複数回連続して巻回することにより、各相巻線の引出し線を最小本数(巻始めと巻終りの引出し線)で引出すことができるので、巻線作業を円滑・良好に行うことができる。
【0049】
また、前記巻線から引出した各相巻線は、これを接続するプリント基板の端子部材とは、最短距離の位置から引出して接続することができるように巻線が形成されているので、引出し線自体の引出し本数の低減と相まって、各相引出し線の接続作業等、引出し線の処理を迅速・容易に行うことができる。
【0050】
更に、本発明においては、プリント基板に植設した各相引出し線を接続する端子部材は、上部のからげ部を断面U字状に形成してあるので、引出し線のからげ部に対するからげ作業が、引出し線をからげることにより容易に脱落することなくからげることができるので、からげ部を支持する端子ピンを複数本備えていることと相まって、引出し線と端子部材との半田付け作業は、端子ピンによる支持作用により容易に自動化することができ、電動機の組立作業を効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の引出し線処理装置を備えた電動機の縦断面図である。
【図2】本発明の引出し線処理装置を備えた電動機の要部を示す平面図である。
【図3】本発明の引出し線処理装置を備えた電動機の要部を示す側面図である。
【図4】本発明の引出し線処理装置を備えた電動機における巻線の巻回状態を示す平面図である。
【図5】各相巻線の配線状態を示す説明図である。
【図6】プリント基板の回路パターンを説明する説明図である。
【図7】端子部材の構成を示すもので、(a)は斜視図、(b)は側面図である。
【符号の説明】
1 固定子
2 回転子
3,4 ケース
11 固定子鉄心
12 巻線
13 インシュレータ
14 プリント基板
15 リード線
16 端子部材
16a からげ部
16b 端子ピン
A 電動機
U12,V12,W12 第1の引出し線
U11,V11,W11 第2の引出し線
U1〜U4,V1〜V4,W1〜W4 第1のコイル素巻線
U5〜U8,V5〜V8,W5〜W8 第2のコイル素巻線
Ua U相巻線
Va V相巻線
Wa W相巻線
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動機の巻線から導出した引出し線の接続作業を迅速・確実に行うようにした引出し線処理装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電動ポンプ等の始動時において、高トルクを必要とする電動機においては、太いコイル素線を用いて巻線を巻回していたが、太いコイル素線を使用している関係上、コイル素線の巻回作業は非常に手間がかかることはもとより、巻線自体にコイル素線の巻き太り現象が生じるため、コイル素線を巻回する固定子鉄心においては、磁気ティースの間隔を広くしなければならない等、太いコイル素線を使用する場合、電動機の生産性を損なうばかりか、電動機自体が大形化し非常に不経済であった。
【0003】
また、前記の問題に鑑み、細いコイル素線を固定子鉄心の磁気ティースに各相毎に2回に分けて巻回することにより、巻線の巻回作業の円滑化をはかるとともに、電動機自体の小形化を図っていた。しかし、この場合、細いコイル素線を用いて巻線を2回に亘り巻回するため、巻線からの引出し線が非常に多くなることはもとより、各相巻線間の結線に際しては、巻線の端部(巻終り線)同士を半田付けにより接続した後、接続部に絶縁チューブを被せてこの部位を縛り糸により縛り付けてチューブを巻線に固定する作業を必要としていたので、非常に作業性が悪く、電動機を効率的に製造することが難しかった。
【0004】
このため、最近では、巻線の引出し線の端部(巻終り線)同士を結線した後、その結線部分を、例えば、固定子鉄心のスロットと固定子鉄心の上下面を覆うインシュレータ上に設けた金属板からなる円筒状のリングに接続することにより、巻線の引出し線の一部を処理することが提案されている(特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−218694号公報(第2,3頁、図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記特開2001−218694号公報に記載されている円筒状のリングは、固定子鉄心の上下面のいずれか一方を覆うインシュレータ上に設けられているので、インシュレータとの固定に際しては、インシュレータ自体をリングとの固定部分を他の部位より肉厚に形成しなければならず、かつ、インシュレータの形成時に事前にリングを準備して金型内に納めてから、インシュレータの成形加工を行うようにしていたので、インシュレータの成形加工は非常に手間がかかり面倒であるとともに、インシュレータの材料費が嵩む等の問題があった。
【0007】
また、リングは金属板で形成されているので、巻線との絶縁距離をある程度必要とするため、固定子鉄心の径寸法を大きくしなければならず、電動機を必然的に大形化するという問題も存在していた。
【0008】
本発明は、前記の種々の問題点に鑑み、巻線から導出される複数の引出し線の端末同士の接続をはじめとした前記巻線における引出し線の処理作業を、巻線及びこの巻線を備える電動機を特に大形化することなく迅速容易に行うことを可能とした、電動機の引出し線処理装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、固定子鉄心の継鉄部内周に設けた複数の磁気ティースと、前記磁気ティースの先端を除く磁気ティースの全域及び固定子鉄心の内周並びに固定子鉄心の上下面をインシュレータにより被覆して前記磁気ティースに巻線を巻装した固定子と、前記固定子鉄心の回転子挿入孔に回転自在に挿入した回転子と、前記回転子の回転子軸を軸支する軸受を有して、前記固定子の両側から取付けられたケースとを備えた電動機において、前記固定子鉄心の所要の磁気ティースに第1,第2のコイル素巻線を個別に、かつ、所要相分巻回して巻線を形成し、前記巻線各相の第1,第2のコイル素巻線の各巻終り線同士を直列に結線して第1の引出し線を各相毎に引出し、前記第1,第2のコイル素巻線の巻始め線同士を直列に結線して第2の引出し線を各相毎に引出し、前記第1の引出し線と第2の引出し線とをそれぞれ固定子鉄心の一方の面を覆うインシュレータ上に配置したプリント基板に対称位置で接続するようにしたことを特徴とする。
【0010】
請求項1記載の発明においては、各相巻線を構成する第1,第2のコイル素巻線をそれぞれ固定子鉄心の所要の磁気ティースに巻回し、各相巻線の中性点となる第1の引出し線と各相巻線に通電を行うための第2の引出し線とをそれぞれ固定子鉄心に設けたインシュレータ上に配置したプリント基板に対称位置で引出して接続するように構成したので、前記第1の引出し線と第2の引出し線は、第1,第2のコイル素巻線を巻回することによって導出されるにもかかわらず、互いに対称位置から引出すように構成されているため、固定子鉄心の各相磁気ティースに所要相のコイル素巻線が複数個存在することによって引出し線の数が増えたとしても、その引出し位置を対称位置に設定することにより、第1,第2のコイル素巻線の巻回作業は、各引出し線に特に妨げられることなく、固定子鉄心の所要相の磁気ティースに円滑に、かつ、迅速・容易に巻回することができるので、この種巻線の巻回作業を効率的に、しかも、経済的に行うことができ、利便である。
【0011】
請求項2記載の発明は、前記巻線の第1,第2の引出し線を接続するプリント基板は、固定子鉄心に設けたインシュレータの固定子鉄心の軸方向に突設する支持突起に、巻線のコイルエンド上方において係脱自在に係止するようにしたことを特徴とする。
【0012】
請求項2記載の発明においては、巻線から導出された第1,第2の引出し線を接続するプリント基板を、インシュレータの支持突起を利用して前記第1,第2の引出し線の近傍において取り付けるように構成したので、第1,第2の各引出し線は、巻線から最短距離の位置において引出して接続することができるので、各引出し線のプリント基板への接続作業を迅速確実に行うことができる。
【0013】
請求項3記載の発明は、前記プリント基板は、固定子鉄心の外周縁側に位置する外周側に第1,第2の引出し線を個別に引出し案内する案内溝を備えるとともに、巻線のコイルエンド側に位置する裏面側には、前記巻線の各相から引出した第1の引出し線を同電位で接続する回路パターンと、前記巻線の第2の引出し線を各相毎に個別に接続する回路パターンをそれぞれ備えて構成したことを特徴とする。
【0014】
請求項3記載の発明においては、プリント基板の第1,第2の引出し線の引出し側に位置する外側縁に各相毎の引出し線の引出し位置に対応して各引出し線をプリント基板の所定の接続位置に引出し案内する案内溝が形成されているので、各引出し線は確実にプリント基板の所定の引出し部位に引出すことができるとともに、各相巻線の中性点から引出した第1の引出し線と接続するプリント基板の回路パターンと、第2の引出し線と接続する回路パターンが、それぞれ各引出し線と対応した位置においてプリント基板に形成されているので、巻線の各引出し線は、プリント基板の所定位置に迅速・確実に接続することができ利便である。
【0015】
請求項4記載の発明は、前記プリント基板は、その表面に第1の引出し線及び第2の引出し線をそれぞれ個別に接続する位置において、所定の回路パターンに電気的に接続されて前記各引出し線を脱落不能にからげ、かつ、半田を介して所要の回路パターンと電気的に接続する端子部材を突設して構成したことを特徴とする。
【0016】
請求項4記載の発明においては、第1,第2の引出し線と接続する回路パターンを備えたプリント基板上に、前記第1,第2の引出し線を所要の回路パターンと接続するための端子部材が、回路パターンと接続された状態で突設されているので、巻線から最適な引出し部位より引出された各相の第1,第2の引出し線は、それぞれ回路パターンと接続する位置に突設されている所定の端子部材に、他の引出し線と交錯することなく、円滑・良好にからげ、かつ、半田にてからげ部を半田処理することにより端子部材に強固に接続することができるため、巻線から引出された第1,第2の引出し線とプリント基板の回路パターンとの電気的接続作業を迅速・確実に行うことができる。
【0017】
請求項5記載の発明は、前記プリント基板の回路パターンに突設した端子部材は、上部側に巻線から引出した第1,第2の引出し線を脱落不能にからげるためのからげ部を有し、このからげ部の下部にはプリント基板に設けた取付孔に挿通する端子ピンを所定数備えて構成したことを特徴とする。
【0018】
請求項5記載の発明においては、巻線から引出された引出し線を脱落不能にからげるための断面U字形をしたからげ部を、上部に備えて端子ピンをプリント基板の所定の回路パターンに設けた取付孔に挿通し、回路パターンと端子ピンとを半田接続することにより、端子ピンをプリント基板に取付けるようにしたので、端子部材はその上部のからげ部が上方に向けて拡開した状態で形成されているため、引出し線はからげ部から抜脱することなく効率よくからげ部と絡めることができる結果、引出し線と端子部材とのからげ接続が迅速・確実に行えるとともに、端子ピンは複数本をプリント基板の所定の回路パターンに設けた取付孔に挿入することにより、安定して植設することが可能となり、これにより、引出線のからげ作業を迅速・容易に行うことが可能であるばかりでなく、からげ部と端子ピンの部分を同時に半田にて固定することができるので、引出線のからげと接続作業を効率的に行うことができ、利便である。
【0019】
請求項6記載の発明は、前記巻線は、第1及び第2の素巻線を各相毎に同一の磁気ティースにて同一方向に、かつ、同一巻回数で巻回するとともに、各相巻線の巻終りの引出線となる第1の引出し線をスター結線するようにしたことを特徴とする。
【0020】
請求項6記載の発明においては、線径の細いコイル素線を各相毎に同一方向で、かつ、同じ巻回数にて2回に亘り巻回して2つのコイル素巻線からなる巻線を形成するとともに、前記巻線の巻終り部分から導出される第1の引出線を相互に接続するスター結線を施すようにしたので、各相巻線における引出線の引出数は最小限でよく、しかも、コイル素巻線の巻回方向を全て同一方向として巻回することができるため、巻線作業を簡易に行うことができる。その上、各相巻線の巻終り線となる第1の引出線は、プリント基板の同電位の回路パターンを利用することにより容易にスター結線することができるとともに、これにより、各相巻線を全て同一方向で巻回するようにしているので、電流の流れる方向を同じにすることができることはもとより、各相巻線の巻始め線となる第1の引出線を近接して引出すことができるため、各相巻線の端末処理を容易に行うことができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図1ないし図7によって説明する。最初に、図1は本発明の引出し線処理装置を備えた電動機を示す縦断面図である。前記図1において、1は本発明の電動機Aにおける固定子を示し、この固定子1は、図2,3で示すように、所定形状に打抜き加工したけい素鋼板等の電磁鋼板を所定数積層して形成した固定子鉄心11と、前記固定子鉄心11にコイル素線を巻装した巻線12とを備えて構成されている。
【0022】
前記固定子鉄心11には、その外周及び回転子挿入孔11aを除く略全域(各磁気ティース、固定子鉄心の両端面)に、絶縁性に優れた合成樹脂(例えば、ポリブチレンテレフタレート等)を射出成形等することにより、インシュレータ13が形成されている。そして、前記インシュレータ13は、固定子鉄心11の一方端側(図3の上側)の外周縁側に、所定の高さ寸法で形成した支持壁13a1〜13a4と、後述するプリント基板14に接続される複数のリード線15を、その導出途中において蛇行状態で係止するための係止部13bと、前記複数のリード線15を一纏めにした状態で導出するための導出部13cとを備えて構成されている。なお、前記支持壁13a2〜13a4には、その上端縁にそれぞれ後述するプリント基板14を載置・係止する役目を果たすための支持突起13dが上方に向けて突設されており、また、支持壁13a1においては、リード線15の引出しガイドの役目を果たすものである。
【0023】
そして、前記プリント基板14は、後述する所要の回路パターンを備えて図2に示すように、ほぼ半円状に形成されている。そして、インシュレータ13の前記支持壁13a2〜13a4に突設した支持突起13dと対応する外周縁のそれぞれの位置には、前記支持突起13dに形成した係止爪13d1を係脱自在に係止させるための係合溝14aが凹設されており、これら各係合溝14aに係止爪13d1を係合させることにより、プリント基板14は巻線12のコイルエンド上において、支持壁13a2〜13a4の上端縁に水平状態で係脱自在に乗載・保持される。
【0024】
次に、固定子鉄心11に巻回する巻線12について説明する。固定子鉄心11は図4に示すように、リング状のステータヨーク11bと、このステータヨーク11bの内周側に等間隔に形成された複数の磁気ティース(本例では12個)a〜lとからなり、この固定子鉄心11には、前記ステータヨーク11bの外周部分と磁気ティースa〜lの先端を除いて前記インシュレータ13にて被覆されている。
【0025】
そして、巻線12は固定子鉄心11の所定の磁気ティースを起点としてU,V,Wの各相毎に例えば、コイル素線を2回巻回することにより形成する。これは、例えば、始動時に高トルクを必要とする電動機においては、巻線に太いコイル素線(例えば、0.6mm)を使用するからに他ならない。しかし、太いコイル素線を用いて巻線を巻回することは、従来から種々の問題があるため、本件では、巻回に適した所定の太さ(例えば、0.3mm)を有するコイル素線を各相毎に例えば、2回巻回することによって、太いコイル素線の場合と同様の電流の通電を可能とすることで、電動機始動時所定のトルクが得られる電動機の製造を可能としたものである。
【0026】
つづいて、巻線12の巻回を図4によって説明する。はじめにU相の巻線を巻回する場合について説明する。U相の巻線は固定子鉄心11の磁気ティースa,d,g,jに巻回するもので、コイル素線を磁気ティースaに所定回数巻回したら、次の磁気ティースdに移り、そこでも前回と同様の回数コイル素線を巻回する。磁気ティースg,jにおいても同様に巻回し、U相の巻線Uaを構成する第1のコイル素巻線U1〜U4を固定子鉄心11の磁気ティースa,d,g,jに巻回して形成する。
【0027】
次に、前記U相の第1のコイル素巻線U1〜U4を巻回した磁気ティースa,d,g,jに、第2のコイル素巻線U5〜U8を、第1のコイル素巻線U1〜U4と同径のコイル素線を、前記第1のコイル素巻線U1〜U4の外側に順次重ね巻を行うことにより、U相の巻線Uaを設ける。
【0028】
また、V相の巻線Vaに際しては、固定子鉄心11の磁気ティースb,e,h,kに第1の素巻線V1〜V4と第2のコイル素巻線V5〜V8をそれぞれ巻回する。更に、W相の巻線Waについても、U相,V相の各巻線Ua,Vaと同様に、磁気ティースc,f,j,lにそれぞれ第1,第2のコイル素巻線W1〜W4,W5〜W8を巻回する。このように、U,V,Wの各相の巻線Ua,Va,Waはそれぞれ固定子鉄心11の所定の磁気ティースa〜lに第1,第2のコイル素巻線U1〜U8,V1〜V8,W1〜W8を巻回することにより巻線12を形成するものである。
【0029】
そして、各相巻線Ua,Va,Waの第1,第2のコイル素巻線U1〜U8,V1〜V8,W1〜W8における巻終り線同士を結線してなる第1の引出し線U12,V12,W12と、各相巻線Ua,Va,Waの第1,第2のコイル素巻線U1〜U8,V1〜V8,W1〜W8における巻始め線同士を結線してなる第2の引出し線U11,V11,W11とを、それぞれ巻線12から引出し、インシュレータ13上に係止したプリント基板14の所定の回路パターン14c,14dに接続する。
【0030】
前記プリント基板14には、図6に示すように、各相巻線Ua,Va,Waの第1の引出し線U12,V12,W12と接続する第1の回路パターン14cと、前記各相巻線Ua,Va,Waの第2の引出し線U11,V11,W11を接続する第2の回路パターン14dとを備えている。また、プリント基板14の固定子鉄心11外周面側に位置する外側縁には、第1の引出し線U12,V12,W12の導出位置とほぼ対応して引出し線を引出し案内して係止する案内溝14eと、第2の引出し線U11,V11,W11を導出する位置とほぼ対応して引出し線を引出し案内して係止するための第2の案内溝14fとが、互いに相対向して形成されている。
【0031】
前記プリント基板14には、前記各相巻線Ua,Va,Waから引出した第1,第2の各引出し線U12,V12,W12,U11,V11,W11をそれぞれからげて接続するための端子部材16が、各案内溝14e,14fの先方において、回路パターン14c,14dの所定位置毎に通電可能に接続されて植設されている。
【0032】
また、前記プリント基板14に植設される端子部材16は、図7の(a),(b)に示すように、導電板により上部側を例えば、断面U字状にからげ部16aを曲成し、その曲成したからげ部16aの下部には、2本の端子ピン16bを下方に向けて突設し、この端子ピン16bを各回路パターン14c,14dの所定位置に穿孔した取付孔14bに挿通し、端子ピン16bを挿通した取付孔14bを半田にて埋め込むことにより、端子ピン16bと所要の第1あるいは第2の回路パターン14c,14dとを接続する。
【0033】
更に、各相巻線Ua,Va,Waから導出した第1,第2の各引出し線U12,V12,W12,U11,V11,W11を対応する端子ピン16bのからげ部16aに巻付け、このからげ部16aを半田付けすることにより、巻線12を電気的に接続するものである。
【0034】
次に、図1において、2は固定子鉄心11の回転子挿入孔11aに回転自在に挿入される回転子であり、前記回転子2は、回転子軸21と、前記回転子軸21の所定位置に圧入等することにより回転不能に固着した回転子鉄心22と、前記回転子鉄心22の外周に接着剤等により固定した回転子磁石23と、前記回転子軸21の軸方向基端部(図1の上側)及び中央部付近に取付けた軸受24a,24bとを備えて構成されている。
【0035】
また、図1において、3,4は固定子1を収容し、かつ、前記回転子2を回転自在に支承する一対のケースである。前記一対のケース3,4は、図1で示すように、例えば、鋼板をプレス成形することにより、固定子鉄心11を収容することが可能な径寸法で深椀状に形成されており、その底面中央部には、回転子軸21に取付けた軸受24a,24bを収容するための軸受筐3a,4aが、また、開口部外周縁には、ケース3,4同士を固定するためのフランジ3b,4bがそれぞれ形成されている。
【0036】
なお、前記一対のケース3,4のうち、一方のケース3の所定位置には、回路基板14にコネクタ14gを介して接続した第2の引出し線U11,V11,W11に給電を行うためのリード線15を外部に引出すための引出し孔5aが穿孔されており、また、ケース3の軸受筐3aには、回転子2の回転子軸21が貫通する貫通孔3dが穿設されている。5はケース3に穿孔した引出し孔5aに嵌着したリード線15引出し用のリードブッシュである。
【0037】
次に、本発明の電動機Aの組立について説明する。最初に固定子鉄心11に巻線12を巻回する場合について説明する。固定子鉄心11の磁気ティースa,d,g,jに、コイル素線を用いてU相の巻線Uaを構成する第1の素巻線U1〜U4と、第2の素巻線U5〜U8を2回に分けて巻回することによりU相の巻線Uaを形成する。また、V相の巻線Vaは磁気ティースb,e,h,kに、W相の巻線Waは磁気ティースc,f,i,lに、それぞれ前記U相の巻線Uaと同様コイル素線を用いて第1,第2のコイル素巻線V1〜V4,V5〜V8,W1〜W4,W5〜W8を巻回することによって、3相の巻線12を固定子鉄心11に形成する。
【0038】
前記各相の巻線Ua,Va,Waを固定子鉄心11に巻回したら、次にプリント基板14をその第1,第2の回路パターン14c,14dが、各相巻線Ua,Va,Waから引出した第1,第2の引出し線U12,V12,W12,U11,V11,W11と対応するように位置させて、インシュレータ13の支持壁13a2〜13a4上に乗載し、支持壁13a2〜13a4に突設した支持突起13dを、それぞれプリント基板14に設けた係合溝14aに係合させることにより、プリント基板14はインシュレータ13の支持壁13a2〜13a4上に揺動不能に乗載保持される。
【0039】
前記プリント基板14をインシュレータ13に取付けたら、各相巻線Ua,Va,Waから引出した第1,第2の引出し線U12,V12,W12,U11,V11,W11をプリント基板14の所定の回路パターン14c,14dに接続する。接続に当っては、はじめに、第1の引出し線U12,V12,W12を相対応するプリント基板14の案内溝14eからプリント基板14上に引出し、第1の引出し線U12,V12,W12を引出した位置に設けた第1の回路パターン14cに共通して接続されて、プリント基板14に植設した端子部材16のからげ部16aにそれぞれ巻付ける。
【0040】
また、各相巻線Ua,Va,Waから引出した第2の引出し線U11,V11,W11は、前記第1の引出し線U12,V12,W12と同様にプリント基板14の案内溝14fを介してプリント基板14上に引出し、第2の回路パターン14dに個別に接続してプリント基板14上に植設した端子部材16のからげ部16aにそれぞれ巻付ける。
【0041】
このように、端子部材16に第1,第2の引出し線U12〜W12,U11〜W11をからげたら、前記からげ部16を半田にてろう付けを行い、端子部材16と第1,第2の各引出し線U12〜W12,U11〜W11とを接続することにより、巻線12から引出した第1,第2の各引出し線U12〜W12,U11〜W11をプリント基板14に接続する。
【0042】
前記各引出し線U11〜W11,U12〜W12のプリント基板14への接続は、各引出し線U11〜W11,U12〜W12が、これをからげるプリント基板14の所定の端子部材16と相対応する位置に引出されていることと、巻線12が第1,第2のコイル素巻線U1〜U8,V1〜V8,W1〜W8によって構成されているにもかかわらず、各相巻線Ua,Va,Waより引出される第1,第2の引出し線U12〜W12,U11〜W11は、各相巻線Ua,Va,Wa毎に処理されて、プリント基板14の所定の端子部材16と接続する位置に引出すことができるように固定子鉄心11に巻回されているので、各相巻線Ua,Va,Waの引出し線U11〜W11,U12〜W12は最短距離で効率よくプリント基板14に接続することが可能となり、電動機組立作業の機械化を容易に実施することができる。
【0043】
なお、前記プリント基板14には、電動機Aの駆動方式が回転子の回転位置検出を行って駆動する場合は、回転子の回転位置を検出するホール素子等を取付けるためのスペースが用意されており、また、ホール素子等の回転位置を検出するセンサを使用しない、所謂センサレスドライブ方式においては、プリント基板14はホール素子等のセンサが不要なため、センサの取付スペースを軽減することができ、本実施例においてはセンサレス駆動方式を採用していることにより、プリント基板14は第1,第2の引出し線U12〜W12,U11〜W11を接続するための端子部材16が具備されているだけであるので、スペースとしては最小限でよいことは云うまでもない。
【0044】
そして、前記各引出し線U11〜W11,U12〜W12をプリント基板14に接続した後、プリント基板14にコネクタ14gを介して接続したリード線15を、それぞれ支持壁13a1に沿って係止部13bの位置まで導出することにより、その途中を前記係止部13bに蛇行状態で係止させ、この後、前記係止部13bにおいて係止したリード線15を導出部13cの位置まで導出し、この導出部13cから図2に示すように、リード線15を90°曲成して固定子鉄心11の外方に引出す。
【0045】
つづいて、図1に示すように、ケース3に穿設した引出し孔5aに、リードブッシュ5を嵌着する。この後、リードブッシュ5の導出孔5bからリード線15を導出した状態で固定子鉄心11をケース3に圧入・固定する。
【0046】
この状態で、回転子軸21の所定位置に軸受24a,24bを取付けた回転子2を、ケース3に圧入・固定した固定子鉄心11の回転子挿入孔11aに回転自在に挿入するとともに、前記回転子軸21の先端側をケース3の軸受筐3aに穿設した貫通孔3dから突出させた状態で、その軸方向中央部付近に取付けた軸受24aを前記軸受筐3aに嵌着する。この後、ケース3の開口端側にケース4を被着し、その軸受筐4aに回転子軸21の基端部に取付けた軸受24bを嵌着するとともに、前記ケース3,4の開口部外周縁に周設したフランジ3b,4b同士を当接させ、図示しないねじ等の締付部材を用いて締着・固定することにより、電動機Aの組立を終了する。
【0047】
このように、本発明においては、固定子鉄心11の磁気ティースa〜lに各相の巻線Ua,Va,Waを巻回して巻線12を形成し、この巻線12から導出される各相巻線Ua,Va,Waの第1,第2の引出し線U12〜W12,U11〜W11を、プリント基板14に実装した所定の端子部材16に最短位置より引出して接続するように構成したので、各相巻線Ua,Va,Waの第1,第2の引出し線U12〜W12,U11〜W11の処理(接続)を迅速に行うことができるとともに、巻線12自体は各磁気ティースa〜lに所定の線径を有するコイル素線を用いて各相の巻線Ua,Va,Waを2回以上巻回することにより、太い線径を有するコイル素線を使用した場合と同様の電流を通電することが可能となり、これにより、始動時大きな駆動トルクを必要とする電動機を線径の太いコイル素線を巻回する場合に比べ、巻線12の巻回作業が円滑・良好に行うことができ、電動機Aの製造を迅速に、かつ、経済的に行うことができ利便である。
【0048】
【発明の効果】
本発明は以上説明したように、各相巻線を細いコイル素線を用いて固定子鉄心の所定の磁気ティースに第1,第2のコイル素巻線を巻回することにより、1本の太いコイル素線を巻回した場合と同様の巻線を巻回することができるので利便であるとともに、各磁気ティースには、各相巻線を第1,第2というように複数回連続して巻回することにより、各相巻線の引出し線を最小本数(巻始めと巻終りの引出し線)で引出すことができるので、巻線作業を円滑・良好に行うことができる。
【0049】
また、前記巻線から引出した各相巻線は、これを接続するプリント基板の端子部材とは、最短距離の位置から引出して接続することができるように巻線が形成されているので、引出し線自体の引出し本数の低減と相まって、各相引出し線の接続作業等、引出し線の処理を迅速・容易に行うことができる。
【0050】
更に、本発明においては、プリント基板に植設した各相引出し線を接続する端子部材は、上部のからげ部を断面U字状に形成してあるので、引出し線のからげ部に対するからげ作業が、引出し線をからげることにより容易に脱落することなくからげることができるので、からげ部を支持する端子ピンを複数本備えていることと相まって、引出し線と端子部材との半田付け作業は、端子ピンによる支持作用により容易に自動化することができ、電動機の組立作業を効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の引出し線処理装置を備えた電動機の縦断面図である。
【図2】本発明の引出し線処理装置を備えた電動機の要部を示す平面図である。
【図3】本発明の引出し線処理装置を備えた電動機の要部を示す側面図である。
【図4】本発明の引出し線処理装置を備えた電動機における巻線の巻回状態を示す平面図である。
【図5】各相巻線の配線状態を示す説明図である。
【図6】プリント基板の回路パターンを説明する説明図である。
【図7】端子部材の構成を示すもので、(a)は斜視図、(b)は側面図である。
【符号の説明】
1 固定子
2 回転子
3,4 ケース
11 固定子鉄心
12 巻線
13 インシュレータ
14 プリント基板
15 リード線
16 端子部材
16a からげ部
16b 端子ピン
A 電動機
U12,V12,W12 第1の引出し線
U11,V11,W11 第2の引出し線
U1〜U4,V1〜V4,W1〜W4 第1のコイル素巻線
U5〜U8,V5〜V8,W5〜W8 第2のコイル素巻線
Ua U相巻線
Va V相巻線
Wa W相巻線
Claims (6)
- 固定子鉄心の継鉄部内周に設けた複数の磁気ティースと、この磁気ティースの先端を除く磁気ティースの全域及び固定子鉄心の内周並びに固定子鉄心の上下面をインシュレータにより被覆して前記磁気ティースに巻線を巻装した固定子と、前記固定子鉄心の回転子挿入孔に回転自在に挿入した回転子と、前記回転子の回転子軸を軸支する軸受を有して、前記固定子の両側から取付けられたケースとを備えた電動機において、前記固定子鉄心の所要の磁気ティースに第1,第2のコイル素巻線を個別に、かつ、所要相分巻回して巻線を形成し、前記巻線の各相の第1,第2のコイル素巻線の各巻終り線同士を直列に結線して第1の引出し線を各相毎に引出し、前記第1,第2のコイル素巻線の各巻始め線同士を直列に結線して第2の引出し線を各相毎に引出し、前記第1の引出し線と第2の引出し線とを、それぞれ固定子鉄心の一方の面を覆うインシュレータ上に配置したプリント基板に対称位置で接続するようにしたことを特徴とする電動機の引出し線処理装置。
- 前記巻線の第1,第2の引出し線を接続するプリント基板は、固定子鉄心に設けたインシュレータの固定子鉄心の軸方向に突設する支持突起に、巻線のコイルエンド上方において係脱自在に係止するようにしたことを特徴とする請求項1記載の電動機の引出し線処理装置。
- 前記プリント基板は、固定子鉄心の外周縁側に位置する外周側に第1,第2の引出し線を個別に引出し案内する案内溝を備えるとともに、巻線のコイルエンド側に位置する裏面側には、前記巻線の各相から引出した第1の引出し線を同電位で接続する回路パターンと、前記巻線の第2の引出し線を各相毎に個別に接続する回路パターンをそれぞれ備えて構成したことを特徴とする請求項2記載の電動機の引出し線処理装置。
- 前記プリント基板は、その表面に第1の引出し線及び第2の引出し線をそれぞれ個別に接続する位置において、所定の回路パターンに電気的に接続されて前記各引出し線を脱落不能にからげ、かつ、半田を介して所要の回路パターンと電気的に接続する端子部材を突設して構成したことを特徴とする請求項3記載の電動機の引出し線処理装置。
- 前記プリント基板の回路パターンに突設した端子部材は、上部側に巻線から引出した第1,第2の引出し線を脱落不能にからげるためのからげ部を有し、このからげ部の下部にはプリント基板に設けた取付孔に挿通する端子ピンを所定数備えて構成したことを特徴とする請求項4記載の電動機の引出し線処理装置。
- 前記巻線は、第1及び第2のコイル素巻線を各相毎に同一の磁気ティースにて同一方向に、かつ、同一巻回数で巻回するとともに、各相巻線の第1の引出し線をスター結線するようにしたことを特徴とする請求項1記載の電動機の引出し線処理装置。
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