JP2005017216A - 3軸加速度センサ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】可動電極12に対向する固定電極21〜24を2つまたは1つに並列接続するとともに、その並列接続の組み合わせを順次切り替え、各接続状態ごとに並列接続された固定電極の容量変化により、上記可動電極の3次元的位置変位を方向成分別に検出する。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、加速度を3次元の方向成分別に検出する3軸加速度センサに関し、とくに、MEMS(Micro Electro Mechanical System :マイクロ電子技術システム)により微細加工された超小型の容量型3軸加速度センサに適用して有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
容量型の3軸加速度センサは、たとえば特開2002−31644あるいは特開平5−203667に記載されているように、加速度を3軸方向から受けて3次元的位置変位が生じるように懸架された可動電極と、この可動電極を共通の対向電極とするように配置された複数の固定電極を用いて構成される。
【0003】
複数の固定電極は可動電極に対向する同一平面上に配置されて、それぞれに可動電極との間に静電容量を形成する。その静電容量は可動電極と固定電極間の相対的位置関係により変化する。したがって、各固定電極にてそれぞれに現れる静電容量の変化を個別に測定することにより、加速度による可動電極の位置変位を3軸の方向成分別に定量検出することができる。この検出結果を電圧で出力させれば、加速度に応じた検出電圧を得ることができる。
【0004】
上記可動電極は、XYの2軸方向からの加速度に対してはその2軸方向に傾斜する位置変位を生じ、XYの2軸方向と直交するZ軸方向からの加速度に対してはそのZ軸方向へ移動する位置変位を生じるように懸架されている。固定電極は上記可動電極の対向面となる同一平面上に複数配置されている。可動電極と固定電極は、たとえばシリコン基板上にMEMSにより微細加工される。
【0005】
ここで、特開2002−31644に記載のものにおいては、第1〜第5の5つの固定電極を可動電極に対向する同一平面上に配置する。この場合、第1〜第4の固定電極はXYの2方向に広がって対称配置される。第5の固定電極は第1〜第4の固定電極に囲まれた中央部に配置される。加速度による可動電極の位置変位は、その可動電極に対して第1〜第5の固定電極がそれぞれに形成する静電容量の変化状態により、3軸の方向成分別に検出することができる。すなわち、第1〜第4の固定電極は、可動電極がXYの2軸方向からの加速度によって傾斜することにより生じる位置変位分を検出する。第5の固定電極は、可動電極がZ軸方向からの加速度によってZ軸方向へ移動することにより生じる位置変位分を検出する。
【0006】
上記センサはMEMSによる微細加工等により小型化をはかることができる。しかし、小型化に伴い、可動電極およびその可動電極に対向する面積も小さくなってくる。その小さくなった面積内に第1から第5までの5つの固定電極を設けると、各固定電極が可動電極に対して個別に形成できる静電容量が小さくなって、その静電容量の変化を高感度かつ高精度に検出することが困難になってしまう、という問題が生じる。つまり、この種の加速度センサでは、その小形化・軽量化に伴って検出の感度および精度が得難くなるという背反が生じる。静電容量が小さいと、浮遊容量やノイズ等の外乱影響が相対的に大きくなったりするため、高感度かつ高精度の検出が困難になる。
【0007】
一方、特開平5−203667に記載のものにおいては、XYの2方向にマトリックス状に配置された4つの固定電極だけで上記可動電極の3次元的位置変位を方向成分別に検出するようにしている。すなわち、4つの固定電極が可動電極に対してそれぞれに形成する静電容量(加速度検出容量)を個別に定量検出して電圧変換する。この4種類の容量検出電圧を所定の組み合わせで加算または減算するとともに、その演算の方法および組み合わせを変える後処理により、3軸の方向成分別加速度検出電圧を得ることができる。
【0008】
上記構成(特開平5−203667)では、可動電極の対向面に配置する固定電極が4つで済むため、その分、各固定電極が可動電極に対して個別に形成できる静電容量が大きくなる。したがって、その大きくなった分だけ、静電容量変化の検出感度と精度を高めることが可能になる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、特開平5−203667のものは、特開2002−31644のものに対して固定電極の数を4/5に減らすことができる分だけ、各固定電極がそれぞれに形成する静電容量を大きくして検出の感度および精度を高めることが可能になっている。しかし、3軸加速度センサが目的とする検出出力は3軸の方向成分別加速度検出電圧である。この方向成分別加速度検出電圧を得るためには、4つの固定電極における静電容量変化を個別に検出してそれぞれに電圧変換した後、その4種類の容量検出電圧から3軸の方向成分加速度検出電圧を生成するための後処理が別途必要となる。この後処理は、前述したように、4種類の容量検出電圧を所定の組み合わせで加算または減算するとともに、その演算の方法および組み合わせを変えて行うが、このような後処理は構成の簡単化および低コスト化を阻害する。つまり、後処理負担が重く、構成が複雑あるいは高コストになりやすいという問題があった。
【0010】
また、固定電極の数が5つから4つに減ったとしても、個々に検出すべき静電容量の大きさはその減数分(4/5)しか減らず、したがって、その検出の感度と精度についてはそれほどの向上は期待できず、むしろ、上述した後処理における誤動作要因の介在の方が懸念される。
【0011】
この発明は以上のような問題を鑑みてなされたもので、その目的は、容量型の3軸加速度センサにおいて、構成の複雑化あるいは高コスト化の要因となる後処理の負担を軽くすることができるとともに、構成の小形・軽量化を推進しつつ、高感度かつ高精度の検出動作を実現できるようにした3軸加速度センサを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の手段は、加速度を3軸方向から受けて3次元的位置変位が生じるように懸架された可動電極と、この可動電極を共通の対向電極とするように配置された複数の固定電極とを有し、これらの固定電極に現れる静電容量の変化を測定して上記可動電極の位置変位を3軸の方向成分別に定量検出し、この検出結果を3軸の方向成分別に電圧変換して出力するようにした3軸加速度センサにおいて、次の構成手段(1)〜(6)を備えたことを特徴とする。
【0013】
(1)XYの2軸方向からの加速度に対してはその2軸方向に傾斜する位置変位を生じ、そのXYの2軸方向と直交するZ軸方向からの加速度に対してはそのZ軸方向に移動する位置変位を生じるように懸架された上記可動電極。
(2)上記可動電極の対向面となる同一平面上にマトリックス状に配置された4つの固定電極。
(3)上記4つの固定電極が上記可動電極に対して形成する静電容量とほぼ等値の容量を持つ参照容量。
(4)第1と第2の2つの入力容量の差を電圧変換して出力する差動型容量検出手段。
(5)上記4つの固定電極をX方向に並ぶ2組に分けて各組ごとにそれぞれ等価的に一つの電極を形成すべく並列接続するとともに、この2組の並列接続電極が上記可動電極に対して形成する2つの静電容量を上記容量検出手段に差動入力させる第1の接続モードと、上記4つの固定電極をY方向に並ぶ2組に分けて各組ごとにそれぞれ等価的に一つの電極を形成すべく並列接続するとともに、この2組の並列接続電極が上記可動電極に対して形成する2つの静電容量を上記容量検出手段に差動入力させる第2の接続モードと、上記4つの固定電極を等価的に一つの電極を形成すべく並列接続するとともに、この並列接続電極が上記可動電極に対して形成する静電容量と上記参照容量を上記容量検出手段に差動入力させる第3の接続モードとを順次スイッチ切り替えする切替手段。
(6)上記容量検出手段の出力電圧を上記第1〜第3の各接続モードごとに個別に保持して出力する電圧保持手段。
【0014】
上記手段により、構成の複雑化あるいは高コスト化の要因となる後処理の負担を軽くすることができるとともに、構成の小形・軽量化を推進しつつ、高感度かつ高精度の検出動作を行わせることができる。
【0015】
上記手段は、さらに、次の構成手段(7)〜(9)を備えることにより、たとえば容量検出手段の主要部を演算増幅器一つで構成できるなど、構成の一層の簡単化をはかることができる。
(7)上記容量検出手段は、スイッチド・キャパシタを介して行われる負帰還によって入力が仮想短絡されるようにしたアナログ演算増幅器を有し、その仮想短絡される入力に上記可動電極と上記参照容量の一方極端子とが接続されている。
(8)上記切替手段は、X方向に並ぶ2組の並列接続電極を上記演算増幅器の動作基準電位に対して対称な正負2つの検出用基準電圧に振り分けて接続する第1の接続モードと、Y方向に並ぶ2組の並列接続電極を上記2つの検出用基準電圧に振り分けて接続する第2の接続モードと、上記4つの固定電極の並列接続端子と上記参照容量の他方極端子を上記2つの検出用基準電圧に振り分けて接続する第3の接続モードとを順次スイッチ切り替えするように構成されている。
(9)上記電圧保持手段は、上記第1〜第3の各接続モードに対応して設けられた第1〜第3の容量素子と、上記演算増幅器から上記接続モードごとに出力される検出電圧をその接続モードに対応して設けられた容量素子に個別に伝達してアナログ保持させる選択スイッチ手段とを備える。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1および図2は本発明による3軸加速度センサの実施例を示す。
まず、図1はセンサ部10の実施例を示す。同図において、(a)は可動電極12の部分を示す上面図、(b)は固定電極21〜24の部分を示す上面図である。また、(c)は地球重力以外の加速度を受けていない静状態にあるときの可動電極12の状態を示す側断面図、(d)と(e)はそれぞれXY方向(面方向)の加速度による可動電極12の変位状態を示す側断面図、(f)と(g)はそれぞれZ方向(鉛直方向)の加速度による可動電極12の変位状態を示す側断面図である。
【0017】
センサ部10はシリコン等の半導体基板11上にMEMSによる微細加工により形成され、可動電極12と固定電極21〜24を有する。可動電極12は有意の慣性質量を持つように形成された正方形板状の錘体であって、その4隅部がそれぞれリード状梁部14〜17の先端部に連結されることにより、基板11上に所定の空隙を置いた平行支持状態で空中懸架されている。
【0018】
リード状梁部14〜17は可動電極12と共にMEMSによる微細加工されたものであって、その基端部はそれぞれ上記基板11に連結している。各リード状梁部14〜17はそれぞれ所定の可撓性およびバネ弾性を有している。これにより、上記可動電極12は3軸の加速度を受けたときに、その加速度の方向成分別大きさに応じて3次元的位置変位が生じるように可動懸架されている。各梁部14〜17は可動電極12のリード導体(接続導体)を兼ねている。
【0019】
これにより、可動電極12は、XYの2軸方向からの加速度に対しては、図1の(d)または(e)に示すように、その2軸方向に傾斜する位置変位を生じる。また、そのXYの2軸方向と直交するZ軸方向からの加速度に対しては、図1の(f)と(g)に示すように、そのZ軸方向に移動する位置変位を生じる。
【0020】
基板11上であって上記可動電極12の対向面となる同一平面上には、第1〜第4の4つの固定電極21〜24が2×2のマトリックス状に配置されて形成されている。各固定電極21〜24はそれぞれ正方形状に形成され、4つ全体の配列パターンが上記可動電極12と同面積となるように形成されている。各固定電極21〜24は上記可動電極12との間でそれぞれ静電容量C1〜C4を形成する。この静電容量C1〜C4は、 図1の(c)に示す静状態(無感状態)のときに、それぞれ同じ値となるように形成される。
【0021】
図2は回路部30の実施例を示す。この回路部30は、非反転入力(+)と反転入力(−)を有するアナログ演算増幅器31、MOSトランジスタなどを用いたスイッチ回路S1a,S1b,S2a,S2b,S3a,S3b,S4a,S4b,Sca,Scb,S5,Sx,Sy,Sz、シーケンス制御回路(あるいはタイミング制御回路)32、参照用容量素子Cc、負帰還用容量素子Cfと、電圧保持用容量素子Cx,Cy,Cz、および上記演算増幅器31の動作基準電位(GND)に対して対称な正負2つの検出用基準電圧Vr+とVr−を生成する基準電圧発生回路(図示省略)などにより構成され、上記静電容量C1〜C4の変化を検出して3軸の方向別加速度検出電圧Xx,Vy,Vzを生成する。この回路部30は、上記基板11上に上記センサ部10とともに集積形成可能である。
【0022】
ここで、演算増幅器31は、スイッチ回路S5と容量素子Cfによるスイッチド・キャパシタを介して行われる負帰還により、非反転入力(+)と反転入力(−)が仮想短絡されるようになっている。非反転入力(+)は基準電位(GNDまたは接地電位)に接続されている。反転入力(−)は上記可動電極12と参照用容量素子Ccの一方極端子に接続されている。
【0023】
スイッチ回路S1a,S1b,S2a,S2b,S3a,S3b,S4a,S4b,Sca,Scb,S5,Sx,Sy,Szは、所定周期のクロックをタイミング基準にして動作するシーケンス制御回路32により、所定のタイミングスケジュールにしたがってオン/オフ制御されるようになっている。図3は各スイッチ回路のオン/オフ動作タイミングチャートを示す。
【0024】
この場合、スイッチ回路S1a,S1b,S2a,S2b,S3a,S3b,S4a,S4b,Sca,Scbは、上記4つの固定電極21〜24および上記参照用容量素子Ccの他方極端子と上記検出用基準電圧Vr+,Vr−との間に介在して両者間の回路接続を可変設定する。
【0025】
スイッチ回路S5は、負帰還用容量素子Cfを上記タイミングに合わせて周期的に短絡リセットする。そのスイッチ回路S5がオンからオフに復帰したときに、上記演算増幅器31は、容量素子Cfを介して行われる負帰還により、反転入力(−)が非反転入力(−)に仮想短絡されるように動作させられる。この負帰還動作により、演算増幅器31の出力には、上記仮想短絡をなすための電圧が現われる。これにより、演算増幅器31は、第1と第2の2つの入力容量(被検出容量)の差を電圧変換して出力する差動型容量検出手段として動作する。
【0026】
スイッチ回路Sx,Sy,Szは、上記演算増幅器31の出力電圧(Vx,Vy,Vz)を所定のタイミング(図3参照)でサンプリングして電圧保持用容量素子Cx,Cy,Czに保持させる。
【0027】
上述した回路部30は、上記スイッチ回路S1a,S1b,S2a,S2b,S3a,S3b,S4a,S4b,Sca,Scb,S5,Sx,Sy,Szのオン/オフ動作により、後述する第1〜第3の各接続モードを順次切り替えながら3軸の方向成分別加速度検出電圧(Vx,Vy,Vz)を出力する。以下、各接続モードについて説明する。
【0028】
====第1の接続モード====
このモードでは、上記4つの固定電極21〜24をX方向に並ぶ2組(21と23、22と24)に分けて各組ごとにそれぞれに等価的に一つの電極を形成すべく並列接続するとともに、この2組の並列接続電極(21−23,22−24)を2つの検出用基準電圧Vr+,V−に振り分けて接続する。
【0029】
2組の並列接続電極(21−23,22−24)がそれぞれに形成する静電容量(C1+C3),(C2+C4)は、上記演算増幅器31に被検出容量として差動入力される。演算増幅器31からは、その2つの入力容量(C1+C3)と(C2+C4)の差ΔCxに応じた電圧Vx=Vr・ΔCx=Vr(C1+C3)−Vr(C2+C4)が出力される。
【0030】
上記容量(C1+C3),(C2+C4)は、上記可動電極12がX方向の加速度を受けて生じる位置変位により相補的に変化する。上記出力電圧VxはそのX方向の加速度成分に対応して変化する。これにより、X方向の加速度成分を電圧変換しながら検出することができる。このX方向加速度の検出出力電圧Vxは、スイッチ回路Sxを介して容量素子Cxに充電・保持される。
【0031】
====第2の接続モード====
このモードでは、上記4つの固定電極21〜24をY方向に並ぶ2組(21と22、23と24)に分けて各組ごとにそれぞれに等価的に一つの電極を形成すべく並列接続するとともに、この2組の並列接続電極(21−22,23−24)を2つの検出用基準電圧Vr+,V−に振り分けて接続する。
【0032】
2組の並列接続電極(21−22,23−24)がそれぞれに形成する静電容量(C1+C2),(C3+C3)は、上記演算増幅器31に被検出容量として差動入力される。演算増幅器31からは、その2つの入力容量(C1+C2)と(C3+C4)の差ΔCyに応じた電圧Vy=Vr・ΔCy=Vr(C1+C2)−Vr(C3+C4)が出力される。
【0033】
上記容量(C1+C2),(C3+C4)は、上記可動電極12がY方向の加速度を受けて生じる位置変位により相補的に変化する。上記出力電圧VyはそのY方向の加速度成分に対応して変化する。これにより、Y方向の加速度成分を電圧変換しながら検出することができる。このY方向加速度の検出出力電圧Vyは、スイッチ回路Syを介して容量素子Cyに充電・保持される。
【0034】
====第3の接続モード====
このモードでは、上記4つの固定電極21〜24を一つに並列接続するとともに、この並列接続電極(21−22−23−24)と上記参照容量素子Ccの他方極端子を上記2つの検出用基準電圧Vr+,V−に振り分けて接続する。
【0035】
この場合、その並列接続電極(21−22−23−24)が形成する静電容量(C1+C2+C3+C4)と容量素子Ccの容量(Cc)が、上記演算増幅器31に被検出容量として差動入力される。演算増幅器31からは、その2つの入力容量(C1+C2+C3+C4)と(Cc)の差ΔCzに応じた電圧Vz=Vr・ΔCz=Vr(C1+C2+C3+C4)−Vr・Ccが出力される。
【0036】
上記並列接続電極(21−22−23−24)の静電容量(C1+C2+C3+C4)は、上記可動電極12がZ方向の加速度を受けて生じる位置変位により相補的に変化する。したがって、上記出力電圧VzはそのZ方向の加速度成分に対応して変化する。これにより、Z方向の加速度成分を電圧変換しながら検出することができる。このZ方向加速度の検出出力電圧Vzは、スイッチ回路Szを介して容量素子Czに充電・保持される。
【0037】
上述した第1〜第3の接続モードを順次切り替えることにより、可動電極12の3次元的位置変位を並列接続された固定電極の静電容量変化として検出することができる。これにより、その可動電極12が受ける加速度を3軸(XYZ)の方向成分別に電圧変換した検出出力(Vx,Vy,Vz)を得ることができる。
【0038】
ここで注目すべきことは、可動電極12の3次元的位置変位を検出するための固定電極21〜24の数については、特開平5−203667に記載のものと同じく4つであるが、その固定電極21〜24が形成する静電容量(C1,C2,C3,C4)の検出は、一つ一つの固定電極がそれぞれに形成する容量に対してではなく、2つ以上が並列接続されて形成する容量に対して行えばよいということである。つまり、加速度検出のための容量検出は、2倍または4倍に並列加算された静電容量に対して行えばよい。これにより、検出の感度と精度を大幅に向上させることが可能になる。さらに、3軸の方向成分別加速度検出電圧(Vx,Vy,Vz)は、その並列加算された大きな容量に対する比較的単純な検出動作により直接的に得ることができ、複雑な後処理は不要にできる。
【0039】
以上のように、上述した実施例では、容量型の3軸加速度センサにおいて、構成の複雑化あるいは高コスト化の要因となる後処理の負担を軽くすることができるとともに、構成の小形・軽量化を推進しつつ、高感度かつ高精度の検出動作を行わせることができる。
【0040】
以上、本発明をその代表的な実施例に基づいて説明したが、本発明は上述した以外にも種々の態様が可能である。たとえば、可動電極の懸架方法、可動電極や固定電極の形態、接続モードの切替順等については、必要に応じて適宜変更してよい。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、容量型の3軸加速度センサにおいて、構成の複雑化あるいは高コスト化の要因となる後処理の負担を軽くすることができるとともに、構成の小形・軽量化を推進しつつ、高感度かつ高精度の検出動作を行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による3軸加速度センサのセンサ部分の一実施例を示す上面図および側断面図である。
【図2】本発明による3軸加速度センサの回路部分の一実施例を示す回路図である。
【図3】回路部分の動作例を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
10 センサ部
12 可動電極
14〜17 リード状梁部
21〜24 固定電極
30 回路部
31 演算増幅器
32 シーケンス制御回路
C1〜C4 固定電極21〜24が個別に形成する静電容量
Cc 参照用容量素子
Cf 負帰還用容量素(スイッチド・キャパシタ)
Cx,Cy,Cz 電圧保持用容量素子(電圧保持手段)
S1a,S1b,S2a,S2b,S3a,S3b,S4a,S4b,Sca, Scb スイッチ回路(切替手段)
S5 スイッチ回路(スイッチド・キャパシタ)
Sx,Sy,Sz スイッチ回路(電圧保持手段)
Vr+,Vr− 検出用基準電圧
Claims (2)
- 加速度を3軸方向から受けて3次元的位置変位が生じるように懸架された可動電極と、この可動電極を共通の対向電極とするように配置された複数の固定電極とを有し、これらの固定電極に現れる静電容量の変化を測定して上記可動電極の位置変位を3軸の方向成分別に定量検出し、この検出結果を3軸の方向成分別に電圧変換して出力するようにした3軸加速度センサにおいて、次の構成手段(1)〜(6)を備えたことを特徴とする3軸加速度センサ。
(1)XYの2軸方向からの加速度に対してはその2軸方向に傾斜する位置変位を生じ、そのXYの2軸方向と直交するZ軸方向からの加速度に対してはそのZ軸方向に移動する位置変位を生じるように懸架された上記可動電極。
(2)上記可動電極の対向面となる同一平面上にマトリックス状に配置された4つの固定電極。
(3)上記4つの固定電極が上記可動電極に対して形成する静電容量とほぼ等値の容量を持つ参照容量。
(4)第1と第2の2つの入力容量の差を電圧変換して出力する差動型容量検出手段。
(5)上記4つの固定電極をX方向に並ぶ2組に分けて各組ごとにそれぞれ等価的に一つの電極を形成すべく並列接続するとともに、この2組の並列接続電極が上記可動電極に対して形成する2つの静電容量を上記容量検出手段に差動入力させる第1の接続モードと、上記4つの固定電極をY方向に並ぶ2組に分けて各組ごとにそれぞれ等価的に一つの電極を形成すべく並列接続するとともに、この2組の並列接続電極が上記可動電極に対して形成する2つの静電容量を上記容量検出手段に差動入力させる第2の接続モードと、上記4つの固定電極を等価的に一つの電極を形成すべく並列接続するとともに、この並列接続電極が上記可動電極に対して形成する静電容量と上記参照容量を上記容量検出手段に差動入力させる第3の接続モードとを順次スイッチ切り替えする切替手段。
(6)上記容量検出手段の出力電圧を上記第1〜第3の各接続モードごとに個別に保持して出力する電圧保持手段。 - 請求項1において、次の構成手段(7)〜(9)を備えたことを特徴とする3軸加速度センサ。
(7)上記容量検出手段は、スイッチド・キャパシタを介して行われる負帰還によって入力が仮想短絡されるようにしたアナログ演算増幅器を有し、その仮想短絡される入力に上記可動電極と上記参照容量の一方極端子とが接続されている。
(8)上記切替手段は、X方向に並ぶ2組の並列接続電極を上記演算増幅器の動作基準電位に対して対称な正負2つの検出用基準電圧に振り分けて接続する第1の接続モードと、Y方向に並ぶ2組の並列接続電極を上記2つの検出用基準電圧に振り分けて接続する第2の接続モードと、上記4つの固定電極の並列接続端子と上記参照容量の他方極端子を上記2つの検出用基準電圧に振り分けて接続する第3の接続モードとを順次スイッチ切り替えするように構成されている。
(9)上記電圧保持手段は、上記第1〜第3の各接続モードに対応して設けられた第1〜第3の容量素子と、上記演算増幅器から上記接続モードごとに出力される検出電圧をその接続モードに対応して設けられた容量素子に個別に伝達してアナログ保持させる選択スイッチ手段とを備える。
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