JP2005015609A - Semiconductive resin composition, method of producing the same, semiconductive sheet and charge control member - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導電性領域の任意の体積抵抗率を有し、かつ所望の色調に着色可能な成形物を成形することができる半導電性樹脂組成物、その製造方法、該樹脂組成物を溶融成形してなる半導電性シート、及び該樹脂組成物から形成された電荷制御部材に関する。本発明の半導電性樹脂組成物は、電子写真方式やインクジェット方式の画像形成装置における各種部材、塵埃吸着防止性の壁紙やOA機器外装材などの樹脂材料として好適である。
【0002】
本発明において、半導電性樹脂組成物とは、103〜1013Ωcmの範囲内の体積抵抗率を有する樹脂組成物を意味している。また、本発明の半導電性シートには、厚み250μm以上の典型的なシートだけではなく、厚み250μm未満のフィルムをも含まれるものとする。
【0003】
【従来の技術】
半導電性領域の体積抵抗率を有する合成樹脂成形物は、電荷制御部材(Charge Controlling Members)として様々な分野で使用されている。その代表的な分野としては、電子写真方式(静電記録方式を含む)の複写機、レーザービームプリンタ、ファクシミリなどの画像形成装置が挙げられる。
【0004】
例えば、電子写真方式の複写機では、(1)感光体表面を均一かつ一様に帯電させる帯電工程、(2)パターン状に露光することにより、感光体表面に静電潜像を形成する露光工程、(3)感光体表面の静電潜像に現像剤(トナー)を付着させて可視像(トナー像)とする現像工程、(4)感光体表面のトナー像を転写材(転写紙やOHPシートなど)上に転写する転写工程、(5)転写材上のトナー像を融着させる定着工程、(6)感光体表面の残留トナーを清掃するクリーニング工程、(7)感光体表面の残留電荷を消滅させる除電工程などの各工程によって、画像が形成されている。
【0005】
このような画像形成装置においては、前記各工程での機能を担うために、ベルト、ローラ、ドラム、ブレードなどの各種形状を有する多数の部材が配置されている。このような部材としては、例えば、帯電部材(例えば、帯電ベルト、帯電ローラ)、感光体ドラム(例えば、感光体層とそれを支持するためのベルト状またはローラ状支持体)、現像部材(例えば、現像ローラ、現像ベルト)、現像剤層厚規制部材(例えば、トナー層厚規制ブレード)、転写部材(例えば、転写ベルト、中間転写ベルト、転写ローラ)、クリーニング部材(例えば、クリーニングブレード)、除電部材(例えば、除電ブレード、除電ベルト、除電ローラ)、紙搬送部材などが挙げられる。ベルト部材は、通常、エンドレスベルトやチューブの形状を有している。ローラ部材は、ローラ状基体上に樹脂またはゴムの被覆層を有する被覆ローラである。
【0006】
前記各工程では、静電気または電荷を厳密に制御する必要があるため、各工程で使用される部材の多くは、適度の導電性を有することが求められている。例えば、帯電ベルトを用いた帯電方式では、電圧を印加した帯電ベルトを感光体表面に接触させることにより、帯電ベルトから感光体表面に直接電荷を与えて帯電させている。非磁性一成分現像剤を用いた現像方式では、感光体に対向して現像ローラを配置し、現像ローラとトナー供給ローラとの間の摩擦力により、トナーを現像ローラ表面に帯電状態で付着させ、これをトナー層厚規制ブレードで均一な厚みにならした後、感光体表面の静電潜像に対して電気吸引力により移行させている。エンドレスベルトを用いた転写方式では、エンドレスベルトにより転写材を搬送するとともに、該ベルトにトナーとは逆極性の電荷を付与して転写電界を形成し、クーロン力で感光体表面のトナー像を転写材上に転写している。
【0007】
このような各種部材の多くは、それぞれの機能を発揮するために、部材全体または少なくとも表面層が適度の導電性を有すること、より具体的には、半導電性領域に属する103〜1013Ωcmの範囲内の体積抵抗率を有することが求められている。これらの部材は、半導電性であることにより、電荷制御機能を発揮することができるため、電荷制御部材であるということができる。近年、このような電荷制御部材として、適度の導電性を付与した合成樹脂材料により成形されたものが汎用されるに至っている。
【0008】
インクジェット方式のプリンターにおいても、紙搬送部材(例えば、ベルト)等の電荷を制御することによって、紙の吸着、搬送、分離、付着物のクリーニングなどの各工程が実施されており、各種の電荷制御部材が用いられている。合成樹脂製の壁紙やOA機器外装材などでも、塵埃吸着防止のため、半導電性を有することが望まれている。
【0009】
電荷制御部材には、半導電性領域の体積抵抗率を有することが求められているが、その体積抵抗率は、該部材の場所によるバラツキが小さく実質的に均一であることが望ましい。例えば、体積抵抗率のバラツキが大きい帯電ベルトを用いると、感光体表面を均一に帯電させることができない。体積抵抗率のバラツキが大きい転写ベルトを用いると、感光体表面のトナー像を正確に転写材上に転写することができない。その結果、高品質の画像を得ることができなくなる。
【0010】
また、電荷制御部材には、高度の耐久性を有することが求められている。電荷制御部材がエンドレスベルトである場合には、2本以上のロールを用いて長期間にわたって駆動され、ローラ部材である場合には、高速回転させられる。そのため、電荷制御部材には、このような過酷な稼動条件に耐えるだけの十分な耐久性が必要とされる。機械的特性としては、特に引張弾性率と引張破断伸びが共に優れていることが望ましい。例えば、ベルトの引張弾性率が低すぎると、ベルトに歪みが生じて、耐久性が損なわれるだけではなく、中間転写ベルトの場合には、ベルト上に転写されたトナー像の歪みや色ずれの原因となる。電荷制御部材の引引張破断伸びが低すぎると、柔軟性が不足して、異物の巻き込み等による割れが発生し易くなる。
【0011】
電荷制御部材は、高温雰囲気下で使用されることが多く、しかも電子写真複写機に装着されている電荷制御部材などは、100Vから数kVまたはそれ以上の高電圧が印加される場合があるため、スパークや加熱による引火の危険に曝されている。このため、電荷制御部材には、耐熱性と難燃性に優れていることが求められている。
【0012】
さらに、前記の如き諸特性に加えて、電荷制御部材には、任意の色調に着色できることが求められている。例えば、電荷制御部材が塵埃吸着防止性の壁紙、OA機器外装材などである場合は、ユーザーの要望に合った色調に着色する必要がある。フルカラー画像形成装置等における紙搬送ベルトや転写ベルトでは、該ベルト上または転写紙若しくはOHPシート上のカラートナー若しくはカラーインクの色調を確認するために、該ベルトの色調は、白色であることが望ましい。
【0013】
しかし、合成樹脂に半導電性を付与するために、導電性フィラーとして汎用の導電性カーボンブラックを配合すると、得られる樹脂組成物が黒色となり、白色はもとより、黒色以外の所望の色調を有する半導電性組成物を得ることができない。また、導電性カーボンブラックを含有する樹脂組成物を用いて溶融成形した半導電性樹脂組成物は、場所による導電性のばらつきが大きい。
【0014】
従来、体積抵抗率の場所によるバラツキが小さく、環境湿度変化による体積抵抗率と表面抵抗率の変化が小さい半導電性樹脂組成物として、ポリフッ化ビニリデン系樹脂にアルキル四級アンモニウムの硫酸塩または亜硫酸塩を添加したポリフッ化ビニリデン系樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このポリフッ化ビニリデン系樹脂組成物は、該硫酸塩や亜硫酸塩などのイオン性導電剤を用いて半導電性を付与しているため、透明性に優れている。
【0015】
【特許文献1】
特開平11−323052号公報 (第1−2頁)
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に開示されているポリフッ化ビニリデン系樹脂組成物は、透明性に優れているものの、所望の色調に着色することが困難であった。一般に、透明性に優れた樹脂材料を任意の色調に着色する方法としては、各種顔料を配合するのが一般的である。ところが、前記の如きイオン性導電剤を含有する半導電性樹脂組成物に顔料を配合すると、イオン性導電剤と顔料が化学反応を起こして、溶融混練時や成形時に樹脂の発泡や分解が生じ易い。
【0017】
例えば、ポリフッ化ビニリデン系樹脂組成物を白色化する方法としては、酸化チタン、チタン酸バリウムなどの白色無機顔料を配合する方法が一般的である。しかし、イオン性導電剤を含有するポリフッ化ビニリデン系樹脂組成物にこれらの白色無機顔料を配合すると、白色無機顔料がイオン性導電剤と化学反応を起こして、溶融混練時や成形時に樹脂の発泡や分解が生じる。
【0018】
そこで、本発明の課題は、イオン性導電剤を含有するポリフッ化ビニリデン系樹脂組成物であって、半導電性領域の体積抵抗率を有し、体積抵抗率の場所によるバラツキが小さく、引張弾性率や引張破断伸びなどの機械的物性、耐熱性、難燃性、成形性(製膜性)が良好で、しかも白色を含む所望の色調に着色することが可能な半導電性樹脂組成物とその製造方法を提供することにある。
【0019】
また、本発明の課題は、このような優れた特性を有する半導電性樹脂組成物を用いて成形した半導電性シート及び電荷制御部材を提供することにある。
【0020】
本発明者らは、前記課題を達成するために鋭意研究した結果、ポリフッ化ビニリデン系樹脂に、非晶性ポリエステル樹脂、顔料、及びイオン性導電剤を特定割合で組み合わせて配合することにより、白色をはじめとする所望の色調に着色することができる半導電性樹脂組成物が得られることを見出した。本発明の半導電性樹脂組成物は、成形時に分解や発泡が生じることがなく、得られた成形物の引張弾性率や引張破断伸びも良好であり、場所による体積抵抗率のバラツキも極めて小さい。本発明の半導電性樹脂組成物は、ポリフッ化ビニリデン系樹脂を主成分としているため、耐熱性や難燃性にも優れている。本発明は、これらの知見に基づいて完成に至ったものである。
【0021】
【課題を解決するための手段】
かくして、本発明によれば、(A)ポリフッ化ビニリデン系樹脂50〜98.9質量%、(B)非晶性ポリエステル樹脂0.5〜20質量%、(C)顔料0.5〜20質量%、及び(D)イオン性導電剤0.1〜10質量%を含有する半導電性樹脂組成物が提供される。
【0022】
また、本発明によれば、該半導電性樹脂組成物から溶融成形され、体積抵抗率の平均値が103〜1013Ωcmの範囲内にある半導電性シートが提供される。さらに、本発明によれば、該半導電性樹脂組成物から成形された電荷制御部材が提供される。
【0023】
さらにまた、本発明によれば、(A)ポリフッ化ビニリデン系樹脂及び(D)イオン性導電剤を含有する混合物と、(B)非晶性ポリエステル樹脂及び(C)顔料を含有する混合物とを溶融混練し、その際、必要に応じて、ポリフッ化ビニリデン系樹脂または非結晶性ポリエステル樹脂若しくはこれら両者を加えて溶融混練する工程を含むことを特徴とする半導電性樹脂組成物の製造方法が提供される。
【0024】
【発明の実施の形態】
1.ポリフッ化ビニリデン系樹脂:
本発明で使用するポリフッ化ビニリデン系樹脂は、フッ化ビニリデンのホモポリマー(すなわち、ポリフッ化ビニリデン;以下、「PVDF」と略記)、及びフッ化ビニリデン単位を主構成単位とするフッ化ビニリデンと他の共重合可能なモノマーとの共重合体である。ポリフッ化ビニリデン系樹脂は、結晶性ポリマーであることが好ましい。ポリフッ化ビニリデン共重合体は、結晶性ポリマーであるために、他の共重合可能なモノマー(コモノマー)の共重合割合が通常20モル%未満、好ましくは12モル%未満、より好ましくは10モル%未満であることが望ましい。結晶性のポリフッ化ビニリデン系樹脂は、通常、α型結晶構造を有している。ただし、ポリフッ化ビニリデン系樹脂は、例えばテトラアルキルアンモニウム硫酸水素塩を配合すると、β型またはγ型の結晶構造となり易い。
【0025】
フッ化ビニリデン共重合体としては、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン−へキサフルオロプロピレン共重合体が好適なものとして挙げられる。ポリフッ化ビニリデン(PVDF)及びフッ化ビニリデン共重合体は、それぞれ単独で、あるいは2種類以上を組み合わせて使用することができる。
【0026】
ポリフッ化ビニリデン系樹脂の中でも、耐汚染性、耐オゾン性、耐溶剤性の観点からは、フッ化ビニリデンのホモポリマーであるPVDFが好ましい。柔軟性や引き裂き強度の観点からは、フッ化ビニリデンを主構成単位とするフッ化ビニリデン共重合体を単独で、あるいはPVDFとブレンドして使用することが好ましい。接着性を向上させるには、官能基を導入したフッ化ビニリデン共重合体が好適に使用される。ポリフッ化ビニリデン系樹脂は、それ以外の熱可塑性樹脂を本発明の目的を妨げない範囲内でブレンドして用いてもよい。
【0027】
2.イオン性導電剤:
本発明で使用するイオン性導電剤としては、市販のイオン電解質型の帯電防止剤、イオン系界面活性剤、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属、有機イオン電解質などが挙げられるが、これらに限定されない。イオン性導電剤は、ポリフッ化ビニリデン系樹脂の溶融加工温度に耐え得る程度の耐熱性を有するものが好ましい。イオン性導電剤の中でも、パーフルオロアルキルスルホン酸カリウム、パーフルオロアルキルスルホン酸セシウム等のパーフルオロアルキル金属塩;アルキル四級アンモニウム硫酸塩(すなわち、テトラアルキルアンモニウム硫酸塩)、及びアルキル四級アンモニウム亜硫酸塩(すなわち、テトラアルキルアンモニウム亜硫酸塩)が好ましい。
【0028】
テトラアルキルアンモニウム硫酸塩は、下記式(1)
【0029】
【化3】
【0030】
(式中、R1〜R4は、互いに同一または相異なるアルキル基であり、R5は、アルキル基、フルオロアルキル基または水素原子である。)
で表される化合物である。
【0031】
テトラアルキルアンモニウム亜硫酸塩は、下記式(2)
【0032】
【化4】
【0033】
(式中、R6〜R9は、互いに同一または相異なるアルキル基であり、R10は、アルキル基、フルオロアルキル基または水素原子である。)
で表される化合物である。
【0034】
式(1)及び(2)で表される各化合物において、アルキル基の炭素原子数の合計は、好ましくは8〜30、より好ましくは12〜24、特に好ましくは15〜20である。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基などの炭素数1〜6の短鎖アルキル基が好ましい。フルオロアルキル基としては、CF3、C2F5などの短鎖フルオロアルキル基が好ましい。
【0035】
式(1)及び(2)で表される各化合物の具体例としては、(C2H5)4N+、(C3H7)4N+、(C4H9)4N+、(C5H11)4N+などの四級アンモニウムカチオンと、CF3SO4 −、CH3SO4 −、HSO4 −、CF3SO3ー、CH3SO3 −、HSO3−などの硫酸または亜硫酸を含むアニオンとからなる塩を挙げることができる。これらの化合物は、2種類以上のアニオン及び/またはカチオンを組み合わせた塩であってもよい。また、四級アンモニウムが有する4つのアルキル基は、それぞれが同一であっても異なっていてもよい。これらの中でも、テトラアルキルアンモニウムの硫酸水素塩が好ましく、テトラブチルアンモニウム硫酸水素塩が特に好ましい。
【0036】
3.非晶性ポリエステル樹脂:
本発明で使用する非晶性ポリエステル樹脂は、示差走査熱量計(DSC)による熱分析で100〜300℃の範囲内に10J/g以上の結晶融解熱(ΔH)を有するピークが検知されない本質的に非結晶性のポリエステル樹脂であることが好ましい。この結晶融解熱(ΔH)は、好ましくは5J/g以下、より好ましく3J/g以下、最も好ましくは実質的にゼロJ/gである。このように、本発明で使用する非晶性ポリエステル樹脂は、本質的に非結晶性であって、如何なる成形条件によっても結晶化しないものであることが望ましい。
【0037】
非晶性ポリエステル樹脂は、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリブチレンテレフタレート(PBT)などの熱可塑性ポリエステル樹脂のジカルボン酸成分及び/またはジオール成分の一部を他の共重合成分で置き換えて、結晶性を低下または消失させたコポリエステルである。共重合成分の割合は、通常20〜50モル%、好ましくは25〜40モル%、より好ましくは30〜35モル%である。共重合成分の割合が低すぎると、ポリエステル樹脂に結晶性が現われたり、結晶性の程度が高くなり、半導電性シートなどの成形物の引張破断伸びや柔軟性が低下する。
【0038】
非晶性ポリエステル樹脂は、ジカルボン酸成分とジオール成分との等モルの重縮合物である。各成分の共重合割合は、ジカルボン酸成分とジオール成分の合計200モル%を基準として算出する。例えば、PET樹脂を構成するジオール成分のエチレングリコール(EG)の一部を1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)に置き換えて、EG70モル%とCHDM30モル%からなるジオール成分(合計100モル%)とした場合、共重合体中のテレフタル酸とEGから形成される繰り返し単位の割合が70モル%となり、テレフタル酸とCHDMとから形成される繰り返し単位の割合が30モル%となる。この場合、共重合成分であるCHDMの割合を30モル%という。
【0039】
共重合成分としては、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、キシリレングリコール、ビスフェノールA、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサジメタノールなどのジオール成分;イソフタル酸、セバシン酸、アジピン酸などのジカルボン酸成分;などが挙げられる。これらの非晶性ポリエステル樹脂は、それぞれ単独で、あるいは2種類以上を組み合わせて使用することができる。
【0040】
本発明で使用する非晶性ポリエステル樹脂の中でも、ジカルボン酸成分がテレフタル酸を主体とするものであり、かつ、グリコール成分がエチレングリコール(EG)と1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)を主体とするコポリエステルが好ましい。より具体的に、本発明で使用する非晶性ポリエステル樹脂としては、1,4−シクロヘキサンジメタノールを共重合成分とする非晶性ポリエチレンテレフタレート共重合体(PETG)であることが好ましい。PETGは、PET樹脂を構成するグリコール成分であるエチレングリコール(EG)の一部を1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)に置き換えたコポリエステルである。EGの一部をCHDMに置き換えて共重合させると、CHDMの共重合割合がある範囲内で結晶化度が実質的にゼロのコポリエステル(即ち、PETG)が得られる。
【0041】
非結晶性のPETGにおいて、グリコール成分中のCHDMの割合は、EGよりも少なく、好ましくは25〜40モル%、より好ましくは30〜35モル%程度である。これに対応して、EGの割合は、好ましくは60〜75モル%、より好ましくは65〜70モル%となる。PETGは、イーストマンケミカル社からEASTAR PETG6763(CHDM=31±3モル%)の商品名で市販されているものがあり、本発明では、この市販品を好適に用いることができる。もちろん、前記で定義した「DSCによる熱分析で180〜300℃の範囲内に10J/g以上の結晶融解熱(ΔH)を有するピークが検知されない本質的に非結晶性のポリエステル樹脂」であれば、その他のグレードの市販品や合成品も使用することができる。
【0042】
4.顔料:
本発明で使用する顔料は、特に制限されず、各種の有機顔料及び無機顔料を挙げることができるが、樹脂成分と溶融混錬する際の温度で分解しないだけの耐熱性を有することが必要である。本発明で使用する有機顔料としては、例えば、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料等のアゾ系顔料;アントラキノン系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、チオインジゴ系顔料等のスレン系顔料;フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等のフタロシアニン系顔料;ナフトールグリーンB、ナフトールグリーンY等のニトロソ顔料;キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、ピロロピロール系顔料、アニリンブラック、有機蛍光顔料等の各種顔料が挙げられる。
【0043】
本発明で使用する無機顔料としては、例えば、クレー、バライト、雲母、黄土等の天然物;黄鉛、亜鉛黄、バリウム黄等のクロム酸塩;紺青等のフェロシアン化物;硫化亜鉛等の硫化物;硫酸バリウム等の硫酸塩;酸化クロム、酸化亜鉛(亜鉛華)、酸化チタン(チタンホワイト)、弁柄、鉄黒、酸化クロム等の酸化物;水酸化アルミニウム等の水酸化物;ケイ酸カルシウム、群青等のケイ酸塩;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩;カーボンブラック、松煙、ボーンブラック、グラファイト等の炭素;アルミニウム粉、ブロンズ粉、亜鉛末等の金属粉;焼成顔料等が挙げられる。
【0044】
顔料は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。本発明の半導電性樹脂組成物を白色化する場合には、白色顔料として酸化チタン(チタンホワイト;TiO2)が好適に使用される。酸化チタンは、ルチル型結晶形を有するものであることが好ましい。酸化チタンは、白色度及び屈折率が高いことに加えて、一般に粒子径が0.15〜0.3μmと小さく、不透明性の高い半導電性樹脂組成物を形成することができる。
【0045】
5.半導電性樹脂組成物:
本発明の樹脂組成物は、(A)ポリフッ化ビニリデン系樹脂50〜98.4質量%、(B)非晶性ポリエステル1〜20質量%、(C)顔料0.5〜20質量%、及び(D)イオン性導電剤0.1〜10質量%を含有する半導電性樹脂組成物である。
【0046】
ポリフッ化ビニリデン系樹脂の配合割合は、50〜98.9質量%、好ましくは62〜97.9質量%、より好ましくは73〜97質量%、特に好ましくは82〜96質量%の範囲内である。ポリフッ化ビニリデン系樹脂の配合割合が小さすぎると、機械的物性、耐熱性、難燃性などの優れた特性が低下する。ポリフッ化ビニリデン系樹脂の配合割合が大きすぎると、着色性及び導電性が不充分になる。
【0047】
非晶性ポリエステル樹脂の配合割合は、0.5〜20質量%、好ましくは0.8〜15質量%、より好ましくは1〜10質量%、特に好ましくは1〜6質量%の範囲内である。非晶性ポリエステル樹脂の配合割合が小さすぎると、顔料がイオン性導電剤と化学反応を起こし易くなる。非晶性ポリエステル樹脂の配合割合が大きすぎると、各成分の分散性が不良になり易い。特に、非晶性ポリエステル樹脂の配合割合が大きすぎる半導電性樹脂組成物をシートに押出成形すると、該シートの幅方向(TD)の引張破断伸びが著しく低下して、流れ方向に裂け易くなる(すなわち、シートが縦裂きする)。
【0048】
顔料の配合割合は、0.5〜20質量%、好ましくは0.8〜15質量%、より好ましくは1〜10質量%、特に好ましくは1〜6質量%の範囲内である。顔料の配合割合が小さすぎると、着色の程度が不充分となり易く、白色顔料を用いた場合には、樹脂組成物の白色度が低くなり易い。顔料の配合割合が大きすぎると、樹脂組成物が脆くなり易い。
【0049】
イオン性導電剤の配合割合は、0.1〜10質量%、好ましくは0.5〜8質量%、より好ましくは1〜7質量%、特に好ましくは2〜6質量%の範囲内である。イオン性導電剤の配合割合が小さすぎると、半導電性領域の体積抵抗率を有する樹脂組成物を得ることが困難になる。イオン性導電剤の配合割合が大きすぎると、イオン性導電剤が分散不良となり易く、樹脂組成物の機械的物性が低下したり、耐熱性が悪くなる。
【0050】
(B)非晶性ポリエステル樹脂と(C)顔料の配合比(質量比)は、通常1:20〜40:1、好ましくは2:8〜8:2、より好ましくは3:7〜7:3、特に好ましくは4:6〜6:4の範囲内である。非晶性ポリエステル樹脂の配合比率が大きすぎると、着色の程度が不充分になり易く、白色顔料の場合には、充分な白色度を得ることが困難になる。非晶性ポリエステル樹脂の配合比率が小さすぎると、顔料がイオン性導電剤と化学反応を起こし易くなる。
【0051】
本発明の半導電性樹脂組成物は、体積抵抗率(平均値)が通常1.0×103〜1.0×1013Ωcm、好ましくは1.0×105〜1.0×1012Ωcm、より好ましくは1.0×106〜1.5×1011Ωcmの範囲内であり、これらの範囲内の体積抵抗率を示す半導電性シート及び各種成形物を与えることができる。
【0052】
本発明の半導電性樹脂組成物には、所望により、本発明の目的を損なわない範囲内で、酸化防止剤、滑剤、可塑剤、紫外線吸収剤、pH調整剤、カップリング剤、顔料以外の充填剤などを適宜添加することができる。
【0053】
6.半導電性樹脂組成物の製造方法、成形方法、及び成形物
本発明の半導電性樹脂組成物は、前記各成分を溶融混練することにより製造することができる。顔料とイオン性導電剤との間の反応性が高い場合には、非晶性ポリエステル樹脂及び顔料を、一軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ロールミル、ニーダー等の混錬機を用いて溶融混錬して、マスターバッチ(混合物)を調製しておくことが好ましい。他方、ポリフッ化ビニリデン系樹脂及びイオン性導電剤も予め前記の混錬機で溶融混練して混合物としておくことが好ましい。後者の混合物は、ポリフッ化ビニリデン系樹脂に高濃度のイオン性導電剤を溶融混練したマスターバッチであってもよい、これらのマスターバッチや混合物は、通常、ペレット化しておくことが好ましい。
【0054】
したがって、半導電性樹脂組成物の好ましい製造方法は、(A)ポリフッ化ビニリデン系樹脂及び(D)イオン性導電剤を含有する混合物と、(B)非晶性ポリエステル樹脂及び(C)顔料を含有する混合物(マスターバッチ)とを溶融混練する工程を含む製造方法である。これらの混合物を溶融混練するに際し、必要に応じて、ポリフッ化ビニリデン系樹脂及び/または非晶性ポリエステル樹脂をブレンドして、各成分の割合が所望の範囲内となるように調整することができる。
【0055】
非晶性ポリエステル樹脂は、ポリフッ化ビニリデン系樹脂と比較して表面エネルギーが大きいため、顔料の表面を濡らし易い。他方、ポリフッ化ビニリデン系樹脂は、非晶性ポリエステル樹脂と比較して極性が高いため、イオン性導電剤を溶媒和し易い。このため、本発明の半導電性樹脂組成物においては、顔料とイオン性導電剤とが直接的に反応する確率が低くなると考えられる。
【0056】
特に(A)ポリフッ化ビニリデン系樹脂及び(D)イオン性導電剤を含有する混合物と、(B)非晶性ポリエステル樹脂及び(C)顔料を含有する混合物とを溶融混練し、その際、必要に応じて、ポリフッ化ビニリデン系樹脂または非結晶性ポリエステル樹脂若しくはこれら両者を加えて溶融混練する工程を含む製造方法を採用すると、(A)ポリフッ化ビニリデン系樹脂がマトリックスを形成し、該マトリックス中に、(C)顔料を含有する(B)非晶性ポリエステル樹脂と、(D)イオン性導電剤とが、それぞれ分散した半導電性樹脂組成物を得ることができ、それによって、顔料とイオン性導電剤とが接触して直接的に反応する確率をより一層低くすることができると考えられる。
【0057】
本発明の半導電性樹脂組成物の成形方法は、特に制限されるものではなく、射出成形や溶融押出法などの一般的な溶融成形法により、例えば、シート、ファイバー、その他の成形品に成形することができる。成形後、さらに成形物を延伸や熱固定することも可能である。本発明の半導電性樹脂組成物は、それ単独で使用してもよく、また、必要に応じて他の樹脂層などと複合化させて、積層シートや複合糸などにしてもよい。
【0058】
半導電性樹脂組成物を用いて半導電性シートを成形する方法としては、一軸または二軸スクリュー押出機とTダイを用いて、連続的にシート状に溶融押出成形する方法を採用することが好ましい。
【0059】
半導電性シートの成形は、押出機の先端に取り付けたTダイから溶融状態の該樹脂組成物をTダイのリップの直下に押し出し、冷却ドラム上にエアーナイフなどにより密着させつつ冷却固化する方法を採用することが好ましい。半導電性シートは、通常、Tダイからシート状に成形されるが、環状ダイを用いて半導電性シートを直接シームレスベルトまたはチューブなどの形状に成形することもできる。シームレスベルトまたはチューブの望ましい連続的な溶融押出成形法としては、一軸スクリュー押出機とスパイラル環状ダイを用い、溶融樹脂組成物を該環状ダイのリップから直下に環状に押し出し、内部冷却マンドレル方式によって環状体の内径を制御しながら引き取る方法が挙げられる。
【0060】
本発明の半導電性樹脂組成物は、成形時に直接シームレスベルトやチューブに成形することができるが、それ以外の通常のシート状に成形した場合には、得られた半導電性シートを二次加工することにより、各種の電荷制御部材に形成することができる。その一つの方法は、半導電性シートの加熱シームによるエンドレスベルトやチューブの成形である。本発明の半導電性シートを加熱シームで接着してベルト状に成形する場合などは、シートの加熱個所(再溶融個所)は、一部分でもシート全体でもよい。
【0061】
本発明の半導電性シートは、他の素材から形成されたベルト状基体(例えば、ポリイミドフィルムからなるベルト)上に被覆することにより、積層ベルトに形成することができる。また、本発明の半導電性シートは、他の導電性シートや半導電性シート、あるいは絶縁シートなどと2層以上に積層してもよい。積層するには、各層の界面を接着剤で張り合わせても、共押出により多層シートとして成形してもよい。さらに、本発明の半導電性シートは、ローラ状基体(例えば、芯金)上に被覆することにより、被覆ローラを形成することができる。半導電性樹脂組成物から形成されたチューブをローラ状基体上に被覆することもできる。
【0062】
本発明の半導電性シートや電荷制御部材の表面は、用途に応じて、他の樹脂をコーティングしたり、金属蒸着したり、艶消し加工してもよい。ただし、白色等の所望の色調をそのまま利用する場合には、表面加工することなく使用することが好ましい。特に、本発明の半導電性シートを壁紙、OA機器外装材、間仕切りなどとして使用する場合には、色調を発揮する上で、表面加工することなく使用することが好ましい。
【0063】
本発明の半導電性シートの厚みは、用途に応じて適宜定めることができるが、通常20〜1000μm、好ましくは30〜500μm、より好ましくは40〜250μm、特に好ましくは50〜200μmである。半導電性シートの厚みが薄すぎると強度が低下し、厚すぎると柔軟性が低下する。
【0064】
本発明の半導電性シートの体積抵抗率(平均値)は、1.0×103〜1.0×1013Ωcm、好ましくは1.0×105〜1.0×1012Ωcm、より好ましくは1.0×106〜1.5×1011Ωcmの範囲内に調整され、用途に応じて、この範囲内から所望の体積抵抗率となるように、各成分の種類と配合割合を調節する。本発明の電荷制御部材の殆んどは、半導電性シートを二次加工することにより製造することができる。また、壁紙やOA機器外装材などは、半導電性シートをそのままの形状で使用する。
【0065】
そこで、例えば、半導電性シートを現像ローラの被覆チューブ、感光体ベルト若しくはローラの被覆チューブ、除電ベルト若しくはローラの被覆チューブまたは除電ブレードとして使用する場合には、その体積抵抗率を好ましくは1.0×105〜1.0×109Ωcm、より好ましくは1.0×106〜1.0×108Ωcmの範囲内に調節する。半導電性シートを紙搬送ベルトとして使用する場合には、その体積抵抗率を好ましくは1.0×105〜1.0×1013Ωcm、より好ましくは1.0×108〜1.0×1012Ωcmの範囲内に調節する。半導電性シートを転写ベルト若しくはロールの被覆チューブ、帯電ベルト若しくはロールの被覆チューブまたは帯電ブレードとして使用する場合には、その体積抵抗率を好ましくは1.0×105〜1.0×1013Ωcm、より好ましくは1.0×107〜1011Ωcmの範囲内に調節する。
【0066】
半導電性シートは、場所による体積抵抗率のバラツキができるだけ小さいものであることが均一な電荷制御機能を発揮する上で望ましい。半導電性シートが電荷制御部材として満足に機能するには、体積抵抗率の最大値が最小値の30倍以内にあることが必要とされるが、本発明によれば、表面積1m2当たり任意に選んだ20点で測定した体積抵抗率の最大値が最小値の通常10倍以下、好ましくは1〜6倍、より好ましくは1〜4倍、特に好ましくは1〜3倍の範囲内の半導電性シートを得ることができる。このような半導電性シートの体積抵抗率に関する特性は、本発明の半導電性樹脂組成物を用いて形成された電荷制御部材の特性と一致する。
【0067】
電荷制御部材が例えば転写ベルトである場合、該ベルトが歪むと、ベルト上に形成されるトナー画像の歪みや色ずれの原因になる。そのため、半導電性シートは、十分に高い弾性率を有することが望ましい、また、ベルト部材は、異物の巻き込み等によって割れたりすることが無いように、適度な柔軟性を有することが望ましい。本発明の半導電性シートは、引張弾性率と引張破断伸びが共に優れており、上記要求に応えることができるものである。
【0068】
具体的に、本発明の半導電性シートは、引張弾性率が好ましくは0.7GPa以上、より好ましくは0.9GPa以上、特に好ましくは1.0GPa以上であり、多くの場合1.2GPa以上とすることができる。引張弾性率の上限値は、通常4.0GPa、多くの場合2.0GPa程度である。
【0069】
本発明の半導電性シートの引張破断伸びは、押出成形時の押出方向(MD)では、一般に、実質的に測定限界である200%を超える高い値を示す。半導電性シートの横方向(TD)の引張破断伸びは、非晶性ポリエステル樹脂やイオン性導電剤、顔料の配合割合によって変動することが多いが、好ましくは5%以上、より好ましくは10%以上、特に好ましくは20%以上である。非晶性ポリエステル樹脂やイオン性導電剤、顔料の配合割合を選択することにより、横方向(TD)の引張破断伸びを30%以上、さらには40%以上とすることができる。
【0070】
本発明の半導電性シートまたはベルトの平行光線透過率は、通常30%以下、好ましくは15%以下、より好ましくは10%以下、特に好ましくは5%以下である。
【0071】
本発明の半導電性樹脂組成物を中間転写材ベルトや、紙搬送ベルトなどの電荷制御部材として使用する場合には、色調は白色を基調とすることが好ましく、白色を基調とした無彩色が特に好ましく、白色が最も好ましい。本発明の半導電性樹脂組成物の白色度(W)は、通常60%以上、好ましくは65%以上、より好ましくは70%以上である。白色度は、必要に応じて75%以上、さらには80%以上とすることもできる。本発明の半導電性樹脂組成物の黄色度(YI)は、通常−20〜20%、好ましくは−15〜15%、より好ましくは−10〜10%の範囲である。
【0072】
本発明の半導電性シートや電荷制御部材は、使用する顔料に応じて種々の色調に着色されている。本発明の半導電性樹脂組成物は、ポリフッ化ビニリデン系樹脂を主成分としているので、該樹脂組成物から形成された半導電性シートや電荷制御部材は、耐熱性及び難燃性に優れている。
【0073】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。物性の測定方法は、以下の通りである。
(1)厚み測定:
成形物の厚みは、ダイヤルゲージ厚み計(小野測器社製、商品名:DG−911)を用いて測定した。
【0074】
(2)体積抵抗率:
リング状プローブ(三菱化学社製、商品名URSプローブ;内側電極の外径5.9mm、外側電極の内径11.0mm、外側電極の外径17.8mm)と測定ステージ(三菱化学社製、商品名レジテーブルUFL)との間に試料を挟み、約3kg重の圧力で押さえつけつつ、プローブの内側の電極と測定ステージとの間に100Vの電圧を印加し、抵抗率測定装置(三菱化学社製、商品名ハイレスタUP)で体積抵抗率を求めた。リング電極法による体積抵抗率測定法の詳細は、JIS−K6911に記載されている。
【0075】
(3)平均値の算出:
上記した厚み及び体積抵抗率の測定は、これらの値を測定すべき試料の表面積1m2当たり任意に選んだ20点の測定点について測定し、その最大値、最小値及び平均値(算術平均)を求めた。
【0076】
(4)引張弾性率及び引張破断伸び:
JIS K−7113に準拠し、幅10mm、長さ100mmの短冊型試験片を作製して、引張試験機(オリエンテック社製、商品名テンシロンRTM100型)により引張速度50mm/分、チャック間距離50mmの条件で測定した。
【0077】
(5)平行光線透過率:
平行光線透過率は、へイズメータ(日本電色工業社製、商品名Σ80)を用いて「曇価」として測定した。測定方法の詳細は、JIS K−7105に記載されている。
【0078】
(6)示差走査熱量計(DSC)による熱分析:
示差走査熱量測定装置(メトラー社製、製品名DSC30)とデータプロセッサ(メトラー社製、製品名TC10A)とを用い、試料(ペレット)を下記条件により熱分析した。試料は、75℃で10時間コンディショニングした後、測定に供した。ファーストランにより、結晶融解ピーク温度と結晶融解熱(ΔH)を求めた。測定条件は、試料重量10mg、測定開始温度30℃、測定終了温度300℃、昇温速度10℃/分である。
【0079】
(7)白色度及び黄色度:
白色度(W)と黄色度(YI)は、カラーメーター(日本電色工業社製、商品名ZE2000)を用いて測定した。白色度と黄色度の詳細は、JIS P−8715、及びJIS Z−8715に記載されている。
【0080】
[実施例1〜4、比較例1〜6]
表1に示す組成の原料を一軸スクリュー押出機に供給して、リップクリアランス0.7mmのTダイからシート状に溶融押出し、直ちに80℃の冷却ロールによって冷却して、厚みが約50μmのシート(フイルム)に成形した。ただし、イオン性導電剤は、PVDFに所定量のイオン性導電剤を添加したペレットを予め作製しておき、製膜時に他の成分とブレンドした。実施例1〜4では、予め非晶性ポリエステル樹脂に顔料を50質量%の濃度で配合したマスターバッチペレットを作製しておき、製膜時に他の成分とブレンドした。結果を表1及び表2に示す。実施例1〜4の半導電性樹脂組成物は、白色だった。比較例2の割合処方の場合には、樹脂成分が分解、発泡してシートに成形することができなかった。
【0081】
【表1】
【0082】
(脚注)
(1)PVDF:ポリフッ化ビニリデン樹脂(呉羽化学工業製、KF#1000)
(2)TBAHS:テトラブチルアンモニウム硫酸水素塩〔(C4H9)4NHSO4;広栄化学製〕
(3)PETG:非晶性ポリエステル樹脂(イーストマンケミカル製、EASTER6763;100〜300℃の間にDSC結晶融解ピーク温度なし)
(4)TiO2:酸化チタン粉末(デュポン社製、R101)
【0083】
【表2】
【0084】
【発明の効果】
本発明によれば、半導電性領域の任意の体積抵抗率を有し、かつ所望の色調に着色可能な成形物を成形することができる半導電性樹脂組成物、その製造方法、該樹脂組成物を溶融成形してなる半導電性シート、及び該樹脂組成物から形成された電荷制御部材が提供される。本発明の半導電性樹脂組成物は、電子写真方式やインクジェット方式の画像形成装置における各種電荷制御部材、塵埃吸着防止性の壁紙やOA機器外装材などの樹脂材料として好適である。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a semiconductive resin composition capable of forming a molded product having an arbitrary volume resistivity of a semiconductive region and capable of being colored in a desired color tone, a method for producing the same, and the resin composition. The present invention relates to a semiconductive sheet formed by melt molding and a charge control member formed from the resin composition. The semiconductive resin composition of the present invention is suitable as a resin material for various members, dust adsorption-preventing wallpaper, OA equipment exterior materials, and the like in electrophotographic and inkjet image forming apparatuses.
[0002]
In the present invention, the semiconductive resin composition is 103-1013It means a resin composition having a volume resistivity in the range of Ωcm. The semiconductive sheet of the present invention includes not only a typical sheet having a thickness of 250 μm or more but also a film having a thickness of less than 250 μm.
[0003]
[Prior art]
Synthetic resin moldings having a volume resistivity in the semiconductive region are used in various fields as charge control members. Representative fields include image forming apparatuses such as electrophotographic (including electrostatic recording) copying machines, laser beam printers, and facsimiles.
[0004]
For example, in an electrophotographic copying machine, (1) a charging step for uniformly and uniformly charging the surface of the photoconductor, and (2) exposure for forming an electrostatic latent image on the surface of the photoconductor by exposing it to a pattern. (3) a developing step in which a developer (toner) is attached to the electrostatic latent image on the surface of the photosensitive member to form a visible image (toner image); (4) the toner image on the surface of the photosensitive member is transferred to a transfer material (transfer paper (5) a fixing process for fusing the toner image on the transfer material, (6) a cleaning process for cleaning residual toner on the surface of the photoreceptor, and (7) a cleaning process for transferring the toner image on the surface of the photoreceptor. An image is formed by each process such as a charge removal process for eliminating residual charges.
[0005]
In such an image forming apparatus, a large number of members having various shapes such as a belt, a roller, a drum, and a blade are disposed in order to perform functions in the respective steps. Examples of such a member include a charging member (for example, a charging belt and a charging roller), a photosensitive drum (for example, a photosensitive layer and a belt-shaped or roller-shaped support for supporting the photosensitive layer), and a developing member (for example, Developing roller, developing belt), developer layer thickness regulating member (for example, toner layer thickness regulating blade), transfer member (for example, transfer belt, intermediate transfer belt, transfer roller), cleaning member (for example, cleaning blade), static elimination Examples thereof include a member (for example, a static elimination blade, a static elimination belt, a static elimination roller), a paper conveyance member, and the like. The belt member usually has an endless belt or tube shape. The roller member is a coated roller having a resin or rubber coating layer on a roller-shaped substrate.
[0006]
In each of the steps, since it is necessary to strictly control static electricity or electric charge, many of the members used in each step are required to have appropriate conductivity. For example, in a charging method using a charging belt, a charging belt to which a voltage is applied is brought into contact with the surface of the photoconductor to charge the surface of the photoconductor directly from the charging belt. In the development method using a non-magnetic one-component developer, a developing roller is disposed opposite the photoconductor, and the toner is attached to the surface of the developing roller in a charged state by the frictional force between the developing roller and the toner supply roller. After this is made uniform with a toner layer thickness regulating blade, the electrostatic latent image on the surface of the photoreceptor is shifted by an electric attractive force. In the transfer method using an endless belt, a transfer material is conveyed by an endless belt, and a transfer electric field is formed by applying a charge opposite to the toner to the belt, and a toner image on the surface of the photoconductor is transferred by Coulomb force. It is transferred onto the material.
[0007]
Many of these various members exhibit their respective functions so that the entire member or at least the surface layer has appropriate conductivity, more specifically, 10 belonging to the semiconductive region.3-1013It is required to have a volume resistivity in the range of Ωcm. Since these members can exhibit a charge control function by being semiconductive, it can be said that they are charge control members. In recent years, as such charge control members, those formed of a synthetic resin material imparted with appropriate conductivity have been widely used.
[0008]
Even in an ink jet printer, various processes such as paper adsorption, transport, separation, and cleaning of deposits are performed by controlling the charge on a paper transport member (for example, a belt). A member is used. Synthetic resin wallpaper and OA equipment exterior materials are also desired to have semiconductivity in order to prevent dust adsorption.
[0009]
The charge control member is required to have a volume resistivity of a semiconductive region, but it is desirable that the volume resistivity is substantially uniform with little variation depending on the location of the member. For example, if a charging belt with large variations in volume resistivity is used, the surface of the photoreceptor cannot be uniformly charged. If a transfer belt having a large variation in volume resistivity is used, the toner image on the surface of the photoreceptor cannot be accurately transferred onto the transfer material. As a result, a high quality image cannot be obtained.
[0010]
In addition, the charge control member is required to have a high degree of durability. When the charge control member is an endless belt, it is driven for a long time using two or more rolls, and when it is a roller member, it is rotated at a high speed. For this reason, the charge control member is required to have sufficient durability to withstand such severe operating conditions. As mechanical properties, it is particularly desirable that both the tensile modulus and the tensile elongation at break are excellent. For example, if the tensile modulus of the belt is too low, the belt will be distorted and the durability will not be lost. In the case of an intermediate transfer belt, the toner image transferred on the belt may be distorted or misaligned. Cause. When the tensile / tensile elongation at break of the charge control member is too low, the flexibility is insufficient and cracking due to inclusion of foreign matter or the like is likely to occur.
[0011]
The charge control member is often used in a high temperature atmosphere, and the charge control member mounted on the electrophotographic copying machine may be applied with a high voltage of 100 V to several kV or more. , Exposed to danger of sparks and sparks from heating. For this reason, the charge control member is required to have excellent heat resistance and flame retardancy.
[0012]
Furthermore, in addition to the above characteristics, the charge control member is required to be able to be colored in an arbitrary color tone. For example, when the charge control member is a dust adsorption preventing wallpaper, an OA equipment exterior material, or the like, it is necessary to color the tone according to the user's request. In a paper conveyance belt or transfer belt in a full-color image forming apparatus or the like, the color tone of the belt is preferably white in order to check the color tone of the color toner or color ink on the belt or the transfer paper or OHP sheet. .
[0013]
However, when general-purpose conductive carbon black is blended as a conductive filler in order to impart semiconductivity to the synthetic resin, the resulting resin composition becomes black, and a semi-color having a desired color tone other than black as well as white. A conductive composition cannot be obtained. Moreover, the semiconductive resin composition melt-molded using a resin composition containing conductive carbon black has a large variation in conductivity depending on the location.
[0014]
Conventionally, as a semiconductive resin composition with small variations in volume resistivity depending on the location and small changes in volume resistivity and surface resistivity due to changes in environmental humidity, polyvinylidene fluoride resin and alkyl quaternary ammonium sulfate or sulfite A polyvinylidene fluoride resin composition to which a salt is added has been proposed (for example, see Patent Document 1). This polyvinylidene fluoride resin composition is excellent in transparency because it imparts semiconductivity using an ionic conductive agent such as sulfate or sulfite.
[0015]
[Patent Document 1]
JP 11-323052 A (page 1-2)
[0016]
[Problems to be solved by the invention]
Although the polyvinylidene fluoride resin composition disclosed in Patent Document 1 is excellent in transparency, it has been difficult to color in a desired color tone. Generally, as a method of coloring a resin material excellent in transparency to an arbitrary color tone, various pigments are generally blended. However, when a pigment is blended with the semiconductive resin composition containing the ionic conductive agent as described above, the ionic conductive agent and the pigment cause a chemical reaction, which causes foaming or decomposition of the resin during melt kneading or molding. easy.
[0017]
For example, as a method for whitening a polyvinylidene fluoride resin composition, a method of blending a white inorganic pigment such as titanium oxide or barium titanate is generally used. However, when these white inorganic pigments are blended with a polyvinylidene fluoride resin composition containing an ionic conductive agent, the white inorganic pigment causes a chemical reaction with the ionic conductive agent, and foaming of the resin during melt kneading or molding And decomposition occurs.
[0018]
Accordingly, an object of the present invention is a polyvinylidene fluoride-based resin composition containing an ionic conductive agent, which has a volume resistivity in a semiconductive region, has little variation depending on the location of the volume resistivity, and has a tensile elasticity. A semiconducting resin composition having good mechanical properties such as elongation and elongation at break, heat resistance, flame retardancy, moldability (film forming property) and capable of being colored in a desired color tone including white It is in providing the manufacturing method.
[0019]
Moreover, the subject of this invention is providing the semiconductive sheet and electric charge control member which were shape | molded using the semiconductive resin composition which has such an outstanding characteristic.
[0020]
As a result of diligent research to achieve the above-mentioned problems, the present inventors have combined a non-crystalline polyester resin, a pigment, and an ionic conductive agent in a specific ratio with a polyvinylidene fluoride resin to obtain a white color. It was found that a semiconductive resin composition capable of being colored in a desired color tone including the above is obtained. The semiconductive resin composition of the present invention does not decompose or foam at the time of molding, the molded article obtained has good tensile modulus and tensile elongation at break, and has very little variation in volume resistivity depending on location. . Since the semiconductive resin composition of the present invention is mainly composed of a polyvinylidene fluoride resin, it is excellent in heat resistance and flame retardancy. The present invention has been completed based on these findings.
[0021]
[Means for Solving the Problems]
Thus, according to the present invention, (A) polyvinylidene fluoride resin 50 to 98.9% by mass, (B) amorphous polyester resin 0.5 to 20% by mass, and (C) pigment 0.5 to 20% by mass. % And (D) an ionic conductive agent in an amount of 0.1 to 10% by mass is provided.
[0022]
Moreover, according to the present invention, the semiconductive resin composition is melt-molded, and the average value of volume resistivity is 103-1013A semiconductive sheet in the range of Ωcm is provided. Furthermore, according to the present invention, a charge control member molded from the semiconductive resin composition is provided.
[0023]
Furthermore, according to the present invention, (A) a mixture containing a polyvinylidene fluoride resin and (D) an ionic conductive agent, and (B) a mixture containing an amorphous polyester resin and (C) a pigment, A process for producing a semiconductive resin composition comprising a step of melt-kneading, and if necessary, melt-kneading a polyvinylidene fluoride resin or an amorphous polyester resin or both of them as required Provided.
[0024]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
1.Polyvinylidene fluoride resin:
The polyvinylidene fluoride resin used in the present invention includes a homopolymer of vinylidene fluoride (that is, polyvinylidene fluoride; hereinafter abbreviated as “PVDF”), vinylidene fluoride having a main constituent unit of vinylidene fluoride, and others. It is a copolymer with a copolymerizable monomer. The polyvinylidene fluoride resin is preferably a crystalline polymer. Since the polyvinylidene fluoride copolymer is a crystalline polymer, the copolymerization ratio of other copolymerizable monomer (comonomer) is usually less than 20 mol%, preferably less than 12 mol%, more preferably 10 mol%. It is desirable to be less than. Crystalline polyvinylidene fluoride resin usually has an α-type crystal structure. However, a polyvinylidene fluoride resin tends to have a β-type or γ-type crystal structure when, for example, tetraalkylammonium hydrogensulfate is blended.
[0025]
As the vinylidene fluoride copolymer, a vinylidene fluoride-hexafluoropropylene copolymer, a vinylidene fluoride-tetrafluoroethylene copolymer, or a vinylidene fluoride-tetrafluoroethylene-hexafluoropropylene copolymer is preferable. As mentioned. The polyvinylidene fluoride (PVDF) and the vinylidene fluoride copolymer can be used alone or in combination of two or more.
[0026]
Among the polyvinylidene fluoride resins, PVDF which is a homopolymer of vinylidene fluoride is preferable from the viewpoint of contamination resistance, ozone resistance, and solvent resistance. From the viewpoint of flexibility and tear strength, it is preferable to use a vinylidene fluoride copolymer having vinylidene fluoride as a main structural unit alone or blended with PVDF. In order to improve adhesiveness, a vinylidene fluoride copolymer into which a functional group is introduced is preferably used. The polyvinylidene fluoride resin may be used by blending other thermoplastic resins within a range not impeding the object of the present invention.
[0027]
2.Ionic conductive agent:
Examples of the ionic conductive agent used in the present invention include, but are not limited to, commercially available ionic electrolyte type antistatic agents, ionic surfactants, alkali metal salts, alkaline earth metals, and organic ionic electrolytes. . The ionic conductive agent is preferably one having heat resistance enough to withstand the melt processing temperature of the polyvinylidene fluoride resin. Among ionic conductive agents, perfluoroalkyl metal salts such as potassium perfluoroalkyl sulfonate and cesium perfluoroalkyl sulfonate; alkyl quaternary ammonium sulfate (ie, tetraalkyl ammonium sulfate), and alkyl quaternary ammonium sulfite Salts (ie tetraalkylammonium sulfites) are preferred.
[0028]
Tetraalkylammonium sulfate is represented by the following formula (1)
[0029]
[Chemical Formula 3]
[0030]
(Wherein R1~ R4Are the same or different alkyl groups, and R5Is an alkyl group, a fluoroalkyl group or a hydrogen atom. )
It is a compound represented by these.
[0031]
Tetraalkylammonium sulfite is represented by the following formula (2)
[0032]
[Formula 4]
[0033]
(Wherein R6~ R9Are the same or different alkyl groups, and R10Is an alkyl group, a fluoroalkyl group or a hydrogen atom. )
It is a compound represented by these.
[0034]
In each compound represented by the formulas (1) and (2), the total number of carbon atoms of the alkyl group is preferably 8 to 30, more preferably 12 to 24, and particularly preferably 15 to 20. As the alkyl group, a short-chain alkyl group having 1 to 6 carbon atoms such as methyl group, ethyl group, propyl group, isopropyl group, n-butyl group, t-butyl group, pentyl group, and hexyl group is preferable. As the fluoroalkyl group, CF3, C2F5Short chain fluoroalkyl groups such as are preferred.
[0035]
Specific examples of the compounds represented by formulas (1) and (2) include (C2H5)4N+, (C3H7)4N+, (C4H9)4N+, (C5H11)4N+Quaternary ammonium cations such as CF and CF3SO4 −, CH3SO4 −, HSO4 −, CF3SO3-CH3SO3 −, HSO3And a salt composed of sulfuric acid such as-or an anion containing sulfurous acid. These compounds may be salts in which two or more kinds of anions and / or cations are combined. Further, the four alkyl groups of quaternary ammonium may be the same or different. Among these, tetraalkylammonium hydrogen sulfate is preferable, and tetrabutylammonium hydrogen sulfate is particularly preferable.
[0036]
3.Amorphous polyester resin:
The amorphous polyester resin used in the present invention is essentially free from the detection of a peak having a heat of crystal melting (ΔH) of 10 J / g or more in the range of 100 to 300 ° C. by thermal analysis using a differential scanning calorimeter (DSC) It is preferably a non-crystalline polyester resin. The crystal melting heat (ΔH) is preferably 5 J / g or less, more preferably 3 J / g or less, and most preferably substantially zero J / g. Thus, it is desirable that the amorphous polyester resin used in the present invention is essentially non-crystalline and does not crystallize under any molding conditions.
[0037]
Amorphous polyester resin is obtained by replacing a part of dicarboxylic acid component and / or diol component of thermoplastic polyester resin such as polyethylene terephthalate (PET) and polybutylene terephthalate (PBT) with other copolymerization components, thereby improving the crystallinity. Copolyester that has been reduced or disappeared. The ratio of a copolymerization component is 20-50 mol% normally, Preferably it is 25-40 mol%, More preferably, it is 30-35 mol%. When the ratio of the copolymer component is too low, crystallinity appears in the polyester resin, the degree of crystallinity becomes high, and the tensile elongation at break and flexibility of a molded product such as a semiconductive sheet decrease.
[0038]
The amorphous polyester resin is an equimolar polycondensate of a dicarboxylic acid component and a diol component. The copolymerization ratio of each component is calculated based on a total of 200 mol% of the dicarboxylic acid component and the diol component. For example, a part of ethylene glycol (EG) of the diol component constituting the PET resin is replaced with 1,4-cyclohexanedimethanol (CHDM), and diol components composed of 70 mol% EG and 30 mol% CHDM (total 100 mol%) In this case, the proportion of repeating units formed from terephthalic acid and EG in the copolymer is 70 mol%, and the proportion of repeating units formed from terephthalic acid and CHDM is 30 mol%. In this case, the proportion of CHDM as a copolymerization component is referred to as 30 mol%.
[0039]
Examples of copolymer components include diol components such as propylene glycol, 1,4-butanediol, xylylene glycol, bisphenol A, diethylene glycol, and 1,4-cyclohexadimethanol; dicarboxylic acid components such as isophthalic acid, sebacic acid, and adipic acid And so on. These amorphous polyester resins can be used alone or in combination of two or more.
[0040]
Among the amorphous polyester resins used in the present invention, the dicarboxylic acid component is mainly composed of terephthalic acid, and the glycol component is mainly composed of ethylene glycol (EG) and 1,4-cyclohexanedimethanol (CHDM). The copolyester is preferred. More specifically, the amorphous polyester resin used in the present invention is preferably an amorphous polyethylene terephthalate copolymer (PETG) having 1,4-cyclohexanedimethanol as a copolymerization component. PETG is a copolyester in which a part of ethylene glycol (EG), which is a glycol component constituting the PET resin, is replaced with 1,4-cyclohexanedimethanol (CHDM). When a part of EG is replaced with CHDM for copolymerization, a copolyester having a crystallinity of substantially zero within a certain range of CHDM copolymerization (ie, PETG) is obtained.
[0041]
In the amorphous PETG, the proportion of CHDM in the glycol component is less than that of EG, preferably about 25 to 40 mol%, more preferably about 30 to 35 mol%. Correspondingly, the ratio of EG is preferably 60 to 75 mol%, more preferably 65 to 70 mol%. PETG is commercially available from Eastman Chemical Co. under the trade name EASTAR PETG6763 (CHDM = 31 ± 3 mol%). In the present invention, this commercially available product can be suitably used. Of course, if it is “essentially non-crystalline polyester resin in which a peak having a heat of crystal fusion (ΔH) of 10 J / g or more in the range of 180 to 300 ° C. is not detected by thermal analysis by DSC” as defined above. Other grades of commercial products and synthetic products can also be used.
[0042]
4).Pigment:
The pigment used in the present invention is not particularly limited, and various organic pigments and inorganic pigments can be mentioned, but it is necessary to have heat resistance sufficient not to decompose at the temperature when melt kneaded with the resin component. is there. Examples of the organic pigment used in the present invention include azo pigments such as insoluble azo pigments and condensed azo pigments; selenium pigments such as anthraquinone pigments, perinone pigments, perylene pigments, and thioindigo pigments; phthalocyanine blue, phthalocyanine Phthalocyanine pigments such as green; nitroso pigments such as naphthol green B and naphthol green Y; various pigments such as quinacridone pigments, dioxazine pigments, isoindolinone pigments, pyrrolopyrrole pigments, aniline black, and organic fluorescent pigments It is done.
[0043]
Examples of the inorganic pigment used in the present invention include natural products such as clay, barite, mica and ocher; chromates such as chrome lead, zinc yellow and barium yellow; ferrocyanides such as bitumen; and sulfides such as zinc sulfide. Products: sulfates such as barium sulfate; oxides such as chromium oxide, zinc oxide (zinc white), titanium oxide (titanium white), petal, iron black, chromium oxide; hydroxides such as aluminum hydroxide; silicic acid Silicates such as calcium and ultramarine; carbonates such as calcium carbonate and magnesium carbonate; carbon such as carbon black, pine smoke, bone black and graphite; metal powder such as aluminum powder, bronze powder and zinc powder; Can be mentioned.
[0044]
The pigments can be used alone or in combination of two or more. When whitening the semiconductive resin composition of the present invention, titanium oxide (titanium white; TiO2) is used as a white pigment.2) Is preferably used. The titanium oxide is preferably one having a rutile crystal form. In addition to high whiteness and refractive index, titanium oxide generally has a particle size as small as 0.15 to 0.3 μm, and can form a highly conductive semiconductive resin composition.
[0045]
5.Semiconductive resin composition:
The resin composition of the present invention comprises (A) a polyvinylidene fluoride-based resin of 50 to 98.4% by mass, (B) an amorphous polyester of 1 to 20% by mass, (C) a pigment of 0.5 to 20% by mass, and (D) A semiconductive resin composition containing 0.1 to 10% by mass of an ionic conductive agent.
[0046]
The blending ratio of the polyvinylidene fluoride resin is in the range of 50 to 98.9% by mass, preferably 62 to 97.9% by mass, more preferably 73 to 97% by mass, and particularly preferably 82 to 96% by mass. . When the blending ratio of the polyvinylidene fluoride resin is too small, excellent properties such as mechanical properties, heat resistance and flame retardancy are deteriorated. If the blending ratio of the polyvinylidene fluoride resin is too large, the colorability and the conductivity will be insufficient.
[0047]
The blending ratio of the amorphous polyester resin is 0.5 to 20% by mass, preferably 0.8 to 15% by mass, more preferably 1 to 10% by mass, and particularly preferably 1 to 6% by mass. . If the blending ratio of the amorphous polyester resin is too small, the pigment is liable to cause a chemical reaction with the ionic conductive agent. If the blending ratio of the amorphous polyester resin is too large, the dispersibility of each component tends to be poor. In particular, when a semiconductive resin composition in which the blending ratio of the amorphous polyester resin is too large is extruded into a sheet, the tensile break elongation in the width direction (TD) of the sheet is remarkably reduced, and the sheet is easily teared in the flow direction. (That is, the sheet tears longitudinally).
[0048]
The blending ratio of the pigment is in the range of 0.5 to 20% by mass, preferably 0.8 to 15% by mass, more preferably 1 to 10% by mass, and particularly preferably 1 to 6% by mass. If the blending ratio of the pigment is too small, the degree of coloring tends to be insufficient, and when a white pigment is used, the whiteness of the resin composition tends to be low. If the blending ratio of the pigment is too large, the resin composition tends to become brittle.
[0049]
The mixing ratio of the ionic conductive agent is in the range of 0.1 to 10% by mass, preferably 0.5 to 8% by mass, more preferably 1 to 7% by mass, and particularly preferably 2 to 6% by mass. If the blending ratio of the ionic conductive agent is too small, it becomes difficult to obtain a resin composition having a volume resistivity in the semiconductive region. If the blending ratio of the ionic conductive agent is too large, the ionic conductive agent tends to be poorly dispersed, and the mechanical properties of the resin composition are lowered or the heat resistance is deteriorated.
[0050]
The blending ratio (mass ratio) of the (B) amorphous polyester resin and the (C) pigment is usually 1:20 to 40: 1, preferably 2: 8 to 8: 2, more preferably 3: 7 to 7: 3, particularly preferably within the range of 4: 6 to 6: 4. If the blending ratio of the amorphous polyester resin is too large, the degree of coloring tends to be insufficient, and in the case of a white pigment, it becomes difficult to obtain sufficient whiteness. If the blending ratio of the amorphous polyester resin is too small, the pigment is liable to cause a chemical reaction with the ionic conductive agent.
[0051]
The semiconductive resin composition of the present invention usually has a volume resistivity (average value) of 1.0 × 10.3~ 1.0 × 1013Ωcm, preferably 1.0 × 105~ 1.0 × 1012Ωcm, more preferably 1.0 × 106~ 1.5 × 1011A semiconductive sheet and various molded articles that are in the range of Ωcm and exhibit volume resistivity in these ranges can be provided.
[0052]
If desired, the semiconductive resin composition of the present invention can be used other than antioxidants, lubricants, plasticizers, ultraviolet absorbers, pH adjusters, coupling agents, and pigments within the range not impairing the object of the present invention. A filler etc. can be added suitably.
[0053]
6).Process for producing semiconductive resin composition, molding method, and molded product
The semiconductive resin composition of the present invention can be produced by melt-kneading the above components. When the reactivity between the pigment and the ionic conductive agent is high, the amorphous polyester resin and the pigment are mixed using a kneader such as a single screw extruder, a twin screw extruder, a Banbury mixer, a roll mill, or a kneader. It is preferable to prepare a masterbatch (mixture) by melting and kneading. On the other hand, it is preferable that the polyvinylidene fluoride resin and the ionic conductive agent are previously melt-kneaded with the kneader to prepare a mixture. The latter mixture may be a master batch obtained by melting and kneading a high-concentration ionic conductive agent in a polyvinylidene fluoride resin. These master batches and mixtures are usually preferably pelletized.
[0054]
Therefore, a preferred method for producing the semiconductive resin composition is as follows: (A) a mixture containing a polyvinylidene fluoride resin and (D) an ionic conductive agent, (B) an amorphous polyester resin, and (C) a pigment. It is a manufacturing method including the process of melt-kneading the containing mixture (masterbatch). When these mixtures are melt-kneaded, if necessary, a polyvinylidene fluoride resin and / or an amorphous polyester resin can be blended and adjusted so that the ratio of each component is within a desired range. .
[0055]
Amorphous polyester resin has a higher surface energy than polyvinylidene fluoride resin, and therefore easily wets the surface of the pigment. On the other hand, since the polyvinylidene fluoride resin has a higher polarity than the amorphous polyester resin, it is easy to solvate the ionic conductive agent. For this reason, in the semiconductive resin composition of this invention, it is thought that the probability that a pigment and an ionic conductive agent will react directly becomes low.
[0056]
In particular, a mixture containing (A) a polyvinylidene fluoride resin and (D) an ionic conductive agent and a mixture containing (B) an amorphous polyester resin and (C) a pigment are melt-kneaded. Accordingly, when a manufacturing method including a step of adding and melting and kneading a polyvinylidene fluoride resin or an amorphous polyester resin or both of them, (A) the polyvinylidene fluoride resin forms a matrix, In addition, (C) a pigment-containing (B) amorphous polyester resin and (D) an ionic conductive agent can be dispersed to obtain a semiconductive resin composition, whereby the pigment and ions It is considered that the probability that the conductive conductive agent contacts and reacts directly can be further reduced.
[0057]
The method for molding the semiconductive resin composition of the present invention is not particularly limited, and is molded into, for example, a sheet, fiber, or other molded product by a general melt molding method such as injection molding or melt extrusion. can do. After molding, the molded product can be further stretched or heat-set. The semiconductive resin composition of the present invention may be used alone, or may be combined with other resin layers as necessary to form a laminated sheet or composite yarn.
[0058]
As a method of forming a semiconductive sheet using a semiconductive resin composition, a method of continuously extruding into a sheet form using a single or twin screw extruder and a T die may be adopted. preferable.
[0059]
The semiconductive sheet is formed by extruding the molten resin composition directly from the T die attached to the tip of the extruder directly under the lip of the T die, and cooling and solidifying it while closely contacting it with an air knife or the like on the cooling drum. Is preferably adopted. The semiconductive sheet is usually formed into a sheet form from a T die, but the semiconductive sheet can be directly formed into a shape such as a seamless belt or a tube using an annular die. As a desirable continuous melt extrusion method for seamless belts or tubes, a single screw extruder and a spiral annular die are used, and the molten resin composition is extruded from the lip of the annular die in an annular shape and annularly formed by an internal cooling mandrel system. A method of taking out while controlling the inner diameter of the body is mentioned.
[0060]
The semiconductive resin composition of the present invention can be directly molded into a seamless belt or a tube at the time of molding, but when it is molded into other normal sheet shape, the obtained semiconductive sheet is secondary By processing, various charge control members can be formed. One of the methods is forming an endless belt or a tube by a heating seam of a semiconductive sheet. In the case where the semiconductive sheet of the present invention is bonded with a heating seam and formed into a belt shape, the heating part (remelting part) of the sheet may be a part or the whole sheet.
[0061]
The semiconductive sheet of the present invention can be formed into a laminated belt by coating on a belt-like substrate (for example, a belt made of a polyimide film) formed from other materials. Further, the semiconductive sheet of the present invention may be laminated in two or more layers with other conductive sheets, semiconductive sheets, insulating sheets, or the like. For lamination, the interfaces of the layers may be bonded with an adhesive or may be formed as a multilayer sheet by coextrusion. Furthermore, the semiconductive sheet of the present invention can form a coating roller by coating on a roller-shaped substrate (for example, a cored bar). A tube formed from the semiconductive resin composition can be coated on the roller-shaped substrate.
[0062]
The surface of the semiconductive sheet or the charge control member of the present invention may be coated with another resin, vapor-deposited with metal, or matted depending on the application. However, when a desired color tone such as white is used as it is, it is preferably used without surface treatment. In particular, when the semiconductive sheet of the present invention is used as wallpaper, OA equipment exterior material, partition, or the like, it is preferable to use it without surface treatment in order to exhibit color tone.
[0063]
Although the thickness of the semiconductive sheet of this invention can be suitably determined according to a use, it is 20-1000 micrometers normally, Preferably it is 30-500 micrometers, More preferably, it is 40-250 micrometers, Especially preferably, it is 50-200 micrometers. If the thickness of the semiconductive sheet is too thin, the strength is lowered, and if it is too thick, the flexibility is lowered.
[0064]
The volume resistivity (average value) of the semiconductive sheet of the present invention is 1.0 × 103~ 1.0 × 1013Ωcm, preferably 1.0 × 105~ 1.0 × 1012Ωcm, more preferably 1.0 × 106~ 1.5 × 1011It is adjusted within the range of Ωcm, and the type and blending ratio of each component are adjusted so that the desired volume resistivity is obtained from this range depending on the application. Most of the charge control members of the present invention can be produced by secondary processing of a semiconductive sheet. Moreover, a semiconductive sheet is used as it is for wallpaper and OA equipment exterior materials.
[0065]
Thus, for example, when the semiconductive sheet is used as a developing roller coating tube, a photosensitive belt or roller coating tube, a static elimination belt or roller coating tube or a static elimination blade, the volume resistivity is preferably 1. 0x105~ 1.0 × 109Ωcm, more preferably 1.0 × 106~ 1.0 × 108Adjust within the range of Ωcm. When a semiconductive sheet is used as a paper conveying belt, its volume resistivity is preferably 1.0 × 10.5~ 1.0 × 1013Ωcm, more preferably 1.0 × 108~ 1.0 × 1012Adjust within the range of Ωcm. When the semiconductive sheet is used as a transfer tube or roll coating tube, a charging belt or roll coating tube or a charging blade, the volume resistivity is preferably 1.0 × 10.5~ 1.0 × 1013Ωcm, more preferably 1.0 × 107-1011Adjust within the range of Ωcm.
[0066]
It is desirable that the semiconductive sheet has as little variation in volume resistivity as possible in order to exhibit a uniform charge control function. In order for the semiconductive sheet to function satisfactorily as a charge control member, the maximum value of volume resistivity is required to be within 30 times the minimum value. According to the present invention, the surface area is 1 m.2The maximum value of volume resistivity measured at 20 points arbitrarily selected per hit is usually 10 times or less of the minimum value, preferably 1 to 6 times, more preferably 1 to 4 times, particularly preferably 1 to 3 times. The semiconductive sheet can be obtained. The characteristic regarding the volume resistivity of such a semiconductive sheet corresponds with the characteristic of the electric charge control member formed using the semiconductive resin composition of this invention.
[0067]
When the charge control member is a transfer belt, for example, if the belt is distorted, the toner image formed on the belt may be distorted or the color may be shifted. Therefore, it is desirable that the semiconductive sheet has a sufficiently high elastic modulus, and it is desirable that the belt member has an appropriate flexibility so that the belt member does not break due to the inclusion of foreign matter or the like. The semiconductive sheet of the present invention has excellent tensile modulus and tensile elongation at break, and can meet the above requirements.
[0068]
Specifically, the semiconductive sheet of the present invention preferably has a tensile modulus of 0.7 GPa or more, more preferably 0.9 GPa or more, particularly preferably 1.0 GPa or more, and in many cases 1.2 GPa or more. can do. The upper limit of the tensile modulus is usually 4.0 GPa, and in many cases about 2.0 GPa.
[0069]
In general, the tensile elongation at break of the semiconductive sheet of the present invention shows a high value exceeding the measurement limit of 200% in the extrusion direction (MD) during extrusion molding. The tensile elongation at break in the transverse direction (TD) of the semiconductive sheet often varies depending on the blending ratio of the amorphous polyester resin, the ionic conductive agent and the pigment, but is preferably 5% or more, more preferably 10%. Above, particularly preferably 20% or more. By selecting the blending ratio of the amorphous polyester resin, the ionic conductive agent and the pigment, the tensile elongation at break in the transverse direction (TD) can be made 30% or more, further 40% or more.
[0070]
The parallel light transmittance of the semiconductive sheet or belt of the present invention is usually 30% or less, preferably 15% or less, more preferably 10% or less, and particularly preferably 5% or less.
[0071]
When the semiconductive resin composition of the present invention is used as a charge control member such as an intermediate transfer material belt or a paper conveyance belt, the color tone is preferably based on white, and the achromatic color based on white is an achromatic color. Particularly preferred is white, most preferred is white. The whiteness (W) of the semiconductive resin composition of the present invention is usually 60% or more, preferably 65% or more, more preferably 70% or more. The whiteness can be 75% or more, further 80% or more, if necessary. The yellowness (YI) of the semiconductive resin composition of the present invention is usually in the range of -20 to 20%, preferably -15 to 15%, more preferably -10 to 10%.
[0072]
The semiconductive sheet and charge control member of the present invention are colored in various colors according to the pigment used. Since the semiconductive resin composition of the present invention is mainly composed of a polyvinylidene fluoride resin, the semiconductive sheet and the charge control member formed from the resin composition are excellent in heat resistance and flame retardancy. Yes.
[0073]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described more specifically with reference to examples and comparative examples. The measuring method of physical properties is as follows.
(1) Thickness measurement:
The thickness of the molded product was measured using a dial gauge thickness meter (trade name: DG-911, manufactured by Ono Sokki Co., Ltd.).
[0074]
(2) Volume resistivity:
Ring probe (Mitsubishi Chemical Corporation, trade name URS probe; inner electrode outer diameter 5.9 mm, outer electrode inner diameter 11.0 mm, outer electrode outer diameter 17.8 mm) and measurement stage (Mitsubishi Chemical Corporation, product A sample is sandwiched between a nominal register table UFL) and pressed with a pressure of about 3 kg while applying a voltage of 100 V between the electrode inside the probe and the measurement stage, and a resistivity measuring device (Mitsubishi Chemical Co., Ltd.) The volume resistivity was determined under the trade name Hiresta UP). Details of the volume resistivity measurement method by the ring electrode method are described in JIS-K6911.
[0075]
(3) Calculation of average value:
The measurement of the thickness and volume resistivity described above is performed by measuring the surface area of the sample to be measured with these values.2The measurement was performed at 20 measurement points arbitrarily selected per hit, and the maximum value, minimum value, and average value (arithmetic average) were obtained.
[0076]
(4) Tensile modulus and tensile elongation at break:
In accordance with JIS K-7113, a strip-shaped test piece having a width of 10 mm and a length of 100 mm was prepared, and a tensile tester (made by Orientec Co., Ltd., trade name: Tensilon RTM100 type) with a tensile speed of 50 mm / min and a distance between chucks of 50 mm. It measured on condition of this.
[0077]
(5) Parallel light transmittance:
The parallel light transmittance was measured as “cloudiness value” using a Heizometer (manufactured by Nippon Denshoku Industries Co., Ltd., trade name Σ80). Details of the measurement method are described in JIS K-7105.
[0078]
(6) Thermal analysis by differential scanning calorimeter (DSC):
A sample (pellet) was subjected to thermal analysis under the following conditions using a differential scanning calorimeter (Metler, product name DSC30) and a data processor (Metler, product name TC10A). The sample was conditioned at 75 ° C. for 10 hours and then subjected to measurement. From the first run, the crystal melting peak temperature and the crystal melting heat (ΔH) were determined. The measurement conditions are a sample weight of 10 mg, a measurement start temperature of 30 ° C., a measurement end temperature of 300 ° C., and a temperature increase rate of 10 ° C./min.
[0079]
(7) Whiteness and yellowness:
Whiteness (W) and yellowness (YI) were measured using a color meter (manufactured by Nippon Denshoku Industries Co., Ltd., trade name ZE2000). Details of whiteness and yellowness are described in JIS P-8715 and JIS Z-8715.
[0080]
[Examples 1 to 4, Comparative Examples 1 to 6]
A raw material having the composition shown in Table 1 is supplied to a single screw extruder, melt-extruded into a sheet form from a T die having a lip clearance of 0.7 mm, immediately cooled by a cooling roll at 80 ° C., and a sheet having a thickness of about 50 μm ( Film). However, for the ionic conductive agent, pellets obtained by adding a predetermined amount of ionic conductive agent to PVDF were prepared in advance, and blended with other components during film formation. In Examples 1 to 4, master batch pellets in which a pigment was blended in an amorphous polyester resin at a concentration of 50% by mass were prepared in advance and blended with other components during film formation. The results are shown in Tables 1 and 2. The semiconductive resin compositions of Examples 1 to 4 were white. In the case of the ratio formulation of Comparative Example 2, the resin component was decomposed and foamed, and could not be formed into a sheet.
[0081]
[Table 1]
[0082]
(footnote)
(1) PVDF: polyvinylidene fluoride resin (Kureha Chemical Industries, KF # 1000)
(2) TBAHS: Tetrabutylammonium hydrogen sulfate [(C4H9)4NHSO4Manufactured by Guangei Chemical Co., Ltd.)
(3) PETG: Amorphous polyester resin (Eastman Chemical, EASTER6763; no DSC crystal melting peak temperature between 100-300 ° C)
(4) TiO2: Titanium oxide powder (D101, R101)
[0083]
[Table 2]
[0084]
【The invention's effect】
ADVANTAGE OF THE INVENTION According to this invention, the semiconductive resin composition which can shape | mold the molding which has arbitrary volume resistivity of a semiconductive area | region, and can be colored to a desired color tone, its manufacturing method, this resin composition There are provided a semiconductive sheet obtained by melt-molding a product, and a charge control member formed from the resin composition. The semiconductive resin composition of the present invention is suitable as a resin material for various charge control members, dust adsorption-preventing wallpaper and OA equipment exterior materials in electrophotographic and inkjet image forming apparatuses.
Claims (17)
(B)非晶性ポリエステル樹脂0.5〜20質量%、
(C)顔料0.5〜20質量%、及び
(D)イオン性導電剤0.1〜10質量%
を含有する半導電性樹脂組成物。(A) 50-98.9% by mass of polyvinylidene fluoride resin,
(B) Amorphous polyester resin 0.5-20% by mass,
(C) 0.5 to 20% by mass of pigment, and (D) 0.1 to 10% by mass of ionic conductive agent.
Containing a semiconductive resin composition.
で表されるテトラアルキルアンモニウム硫酸塩、式(2)
で表されるテトラアルキルアンモニウム亜硫酸塩、またはこれらの混合物である請求項1乃至5のいずれか1項に記載の半導電性樹脂組成物。(D) The ionic conductive agent has the formula (1)
A tetraalkylammonium sulfate represented by the formula (2)
The semiconductive resin composition according to any one of claims 1 to 5, which is a tetraalkylammonium sulfite represented by the following formula:
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