JP2005012877A - 配線用ボックスおよび配線用ボックスカバー、並びに、配線用ボックスまたは配線用ボックスカバーに用いられる係合体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】配線用ボックス10は、前面に開口11aを有するボックス本体11と、そのボックス本体11に配線器具2を前方側からビス4を用いて取付固定するための固定部5とを備える。この固定部5は、相対向する第1係合片6と第2係合片7とを有する。それら第1および第2係合片6、7には、それぞれビス4のねじ山4aと係合する係合部6a、7aが設けられている。また、第1および第2係合片6、7は、弾性変形可能で、相対的に、第1係合片6のばね定数が大で、第2係合片7のばね定数が小となるように形成されている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、配線器具を簡単かつ確実に固定することができる、配線用ボックスおよび配線用ボックスカバー、並びに、配線用ボックスまたは配線用ボックスカバーに用いられる係合体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、建物の壁表側から配線器具等を固定するには、取付け用のビスを、前記配線器具等が取着された器具枠に挿通するとともに、壁内に隠蔽もしくは埋設された配線用ボックスに設けられたナット、またはそのボックスに取り付けられたボックスカバーに設けられたナットに、前記ビスをねじ込んでいた。
【0003】
しかし、前記ビスによるねじ込み作業は、ビスをドライバーで回転させて締め込んでゆかなければならず、大変面倒でかつ時間のかかるものであった。
【0004】
そこで、ナットの替わりに鉄板材を用いたスイッチボックスが考案された(例えば、特許文献1参照)。この鉄板材には、孔が明けられており、その孔の周囲に、放射状に切れ目が入れられることで、多数のたわみ片が形成されていた。そして、ビスを、ドライバーで回転させることなく、孔に押し込むことで、ビスの山が、たわみ片の先端部分に係合し、こうして、配線器具を固定することができた。
【0005】
【特許文献1】
実開昭52−64393号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、スイッチボックスにおいて、前記たわみ片とビスとの係合のみにより配線器具を固定する場合には、たわみ片には、例えば、配線器具にプラグを抜き差しする際の力やプラグが電気機器により引っ張られる力に耐え得る強度が要求される。しかし、前記たわみ片は、ビスの挿入により容易に変形可能な弾性を有していなければならず、かかる構成のたわみ片では、前記配線器具に作用する力により前記係合が解除されてビスが抜け出してしまい、配線器具の確実な固定を確保することは困難であった。
【0007】
この発明は、上記した従来の欠点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、配線器具を簡単かつ確実に固定することができる、配線用ボックスおよび配線用ボックスカバー、並びに、配線用ボックスまたは配線用ボックスカバーに用いられる係合体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る配線用ボックスおよび配線用ボックスカバー、並びに、配線用ボックスまたは配線用ボックスカバーに用いられる係合体は、前記目的を達成するために、次の構成からなる。すなわち、
請求項1に記載の発明に係る配線用ボックスは、前面に開口を有するボックス本体と、そのボックス本体に配線器具を前方側から、軸部に被係合部を有する取付部材を用いて、取付固定するための固定部とを備える。この固定部は、少なくとも、相対向する第1係合片と第2係合片とを有し、それら第1および第2係合片には、それぞれ前記被係合部と係合する係合部が設けられている。また、前記固定部への前記軸部の進入を許容すべく、前記第1および第2係合片のうちの少なくとも第2係合片は、前記軸部に押された前記各係合部が前記被係合部から離脱するように、弾性変形可能に形成され、かつ、前記第1係合片と前記第2係合片とは、前記第1係合片が弾性変形不能で、前記第2係合片が弾性変形可能となるように形成され、あるいは、それら第1および第2係合片が弾性変形可能で、その弾性変形において、相対的に、前記第1係合片のばね定数が大で、前記第2係合片のばね定数が小となるように形成されている。
【0009】
これにより、この配線用ボックスに配線器具を取り付ける場合には、この配線用ボックスの固定部に、前方側から取付部材を押し込むように押圧する。こうすることで、第1および第2係合片に設けられた係合部が取付部材の軸部に押圧され、それに共なって、第2係合片、あるいは、第1および第2係合片が、弾性変形して、各係合部は、軸部の被係合部から離脱し、軸部は、固定部へ進入する。そして、取付部材の押し込みを終えると、係合部は、取付部材における被係合部と係合し、配線器具は、ボックス本体、つまりは配線用ボックスに取付固定される。ここにおいて、相対向する第1係合片と第2係合片とは、第1係合片が弾性変形不能で、第2係合片が弾性変形可能となるように形成され、あるいは、それら第1および第2係合片が弾性変形可能で、その弾性変形において、相対的に、第1係合片のばね定数が大で、第2係合片のばね定数が小となるように形成されている。このように、これら相対向する第1係合片と第2係合片とは、その剛性が、第1係合片が大で、第2係合片が小となるように、異なっているため、第1係合片が、取付部材の抜けに対して大きな抵抗力を発揮し、全体として、取付部材が抜け難い構造となっている。
【0010】
また、請求項2に記載の発明に係る配線用ボックスのように、請求項1に記載の配線用ボックスにおいて、前記第1および第2係合片は、前記第1係合片が前記開口側となり、前記第2係合片が前記開口側とは反対側となるように配備されるのが望ましい。第2係合片が、弾性変形可能に形成されたり、また、相対的にばね定数が小となるように形成されているのに対し、第1係合片は、弾性変形不能に形成されたり、相対的にばね定数が大となるように形成されており、一般に、その第1係合片の占める領域は、第2係合片に比して小さくなる。したがって、取付部材の位置を変えることができない場合に、第1係合片を開口側に、そして、第2係合片を開口側とは反対側に配備することで、この開口を広く取ることが可能となる。
【0011】
また、請求項3に記載の発明に係る配線用ボックスのように、請求項1または2に記載の配線用ボックスにおいて、前記第1および第2係合片は、前記ボックス本体とは別体となる係合体に設けられてもよい。このように、第1係合片と第2係合片とが、ボックス本体とは別体の係合体に設けられることから、これら第1および第2係合片の形状の自由度が増加し、この配線用ボックスの製造が容易となる。
【0012】
また、請求項4に記載の発明に係る配線用ボックスのように、請求項3に記載の配線用ボックスにおいて、前記係合体は、板材からなり、その板材に、前記軸部が挿通される孔が形成され、前記第1および第2係合片の先端部分が、前記係合部となって、前記孔の周縁を形成し、前記第1および第2係合片の、前記弾性変形が可能となる係合片は、前記孔から延びる切り込みあるいは切り欠きに挟まれるようにして形成されてもよい。
【0013】
また、請求項5に記載の発明に係る配線用ボックスのように、請求項1または2に記載の配線用ボックスにおいて、前記第1および第2係合片は、前記固定部とともに、前記ボックス本体と一体成形されてもよい。このように、第1および第2係合片が、固定部とともに、ボックス本体と一体成形されることで、この配線用ボックスは、簡単な構成となる。
【0014】
また、請求項6記載の発明に係る配線用ボックスのように、請求項1ないし5いずれか1項に記載の配線用ボックスにおいて、前記取付部材は、ビスであって、前記被係合部は、そのビスのねじ山からなり、前記係合部が前記ねじ山と係合した状態で前記ビスを回動することで、前記ビスが進退移動してもよい。これにより、配線用ボックスに配線器具を取り付ける際に、配線用ボックスの固定部に、ビスの軸部を押し込んだ後、さらに、そのビスを、その締付け方向に回動することが可能となる。そして、配線用ボックスから配線器具を取り外すことも可能となる。すなわち、ねじ山が係合部に係合されたビスを、その緩み方向に回動する。こうすることで、ビスは、後退し、固定部から取り除かれて、配線器具は、ボックス本体、つまりは配線用ボックスから取り外される。
【0015】
また、請求項7記載の発明に係る配線用ボックスのように、請求項4記載の配線用ボックスにおいて、前記取付部材は、ビスであって、前記被係合部は、そのビスのねじ山からなり、前記係合部が前記ねじ山と係合した状態で前記ビスを回動することで、前記ビスが進退移動し、かつ、前記係合体は、ばね性を有するとともに、前記軸部の進入方向側に凸となるように湾曲もしくは屈曲して形成されてもよい。これにより、配線用ボックスに配線器具を取り付ける際に、配線用ボックスの固定部に、ビスの軸部を押し込んだ後、さらに、そのビスを、その締付け方向に回動することが可能となる。このとき、係合体は、その凸形状が、平面となる側に変形する。ここで、係合体は、ばね性を有しているので、元の凸形状に戻ろうとする係合体のばね力が、ビスを引き込むように作用する。また、配線用ボックスから配線器具を取り外すことも可能となる。すなわち、ねじ山が係合部に係合されたビスを、その緩み方向に回動する。こうすることで、ビスは、後退し、固定部から取り除かれて、配線器具は、ボックス本体、つまりは配線用ボックスから取り外される。
【0016】
また、請求項8に記載の発明に係る配線用ボックスカバーは、前後に開口する開口孔を有するカバー本体と、そのカバー本体に配線器具を前方側から、軸部に被係合部を有する取付部材を用いて、取付固定するための固定部とを備える。この固定部は、少なくとも、相対向する第1係合片と第2係合片とを有し、それら第1および第2係合片には、それぞれ前記被係合部と係合する係合部が設けられている。また、前記固定部への前記軸部の進入を許容すべく、前記第1および第2係合片のうちの少なくとも第2係合片は、前記軸部に押された前記各係合部が前記被係合部から離脱するように、弾性変形可能に形成され、かつ、前記第1係合片と前記第2係合片とは、前記第1係合片が弾性変形不能で、前記第2係合片が弾性変形可能となるように形成され、あるいは、それら第1および第2係合片が弾性変形可能で、その弾性変形において、相対的に、前記第1係合片のばね定数が大で、前記第2係合片のばね定数が小となるように形成されている。
【0017】
これにより、この配線用ボックスカバーに配線器具を取り付ける場合には、この配線用ボックスカバーの固定部に、前方側から取付部材を押し込むように押圧する。こうすることで、第1および第2係合片に設けられた係合部が取付部材の軸部に押圧され、それに共なって、第2係合片、あるいは、第1および第2係合片が、弾性変形して、各係合部は、軸部の被係合部から離脱し、軸部は、固定部へ進入する。そして、取付部材の押し込みを終えると、係合部は、取付部材における被係合部と係合し、配線器具は、カバー本体、つまりは配線用ボックスカバーに取付固定される。ここにおいて、相対向する第1係合片と第2係合片とは、第1係合片が弾性変形不能で、第2係合片が弾性変形可能となるように形成され、あるいは、それら第1および第2係合片が弾性変形可能で、その弾性変形において、相対的に、第1係合片のばね定数が大で、第2係合片のばね定数が小となるように形成されている。このように、これら相対向する第1係合片と第2係合片とは、その剛性が、第1係合片が大で、第2係合片が小となるように、異なっているため、第1係合片が、取付部材の抜けに対して大きな抵抗力を発揮し、全体として、取付部材が抜け難い構造となっている。
【0018】
また、請求項9記載の発明に係る配線用ボックスカバーのように、請求項8に記載の配線用ボックスカバーにおいて、前記第1および第2係合片は、前記第1係合片が前記開口孔側となり、前記第2係合片が前記開口孔側とは反対側となるように配備されるのが望ましい。第2係合片が、弾性変形可能に形成されたり、また、相対的にばね定数が小となるように形成されているのに対し、第1係合片は、弾性変形不能に形成されたり、相対的にばね定数が大となるように形成されており、一般に、その第1係合片の占める領域は、第2係合片に比して小さくなる。したがって、取付部材の位置を変えることができない場合に、第1係合片を開口孔側に、そして、第2係合片を開口孔側とは反対側に配備することで、この開口孔を広く取ることが可能となる。
【0019】
また、請求項10に記載の発明に係る配線用ボックスカバーのように、請求項8または9に記載の配線用ボックスカバーにおいて、前記第1および第2係合片は、前記カバー本体とは別体となる係合体に設けられてもよい。このように、第1係合片と第2係合片とが、カバー本体とは別体の係合体に設けられることから、これら第1および第2係合片の形状の自由度が増加し、この配線用ボックスカバーの製造が容易となる。
【0020】
また、請求項11に記載の発明に係る配線用ボックスカバーのように、請求項10に記載の配線用ボックスカバーにおいて、前記係合体は、板材からなり、その板材に、前記軸部が挿通される孔が形成され、前記第1および第2係合片の先端部分が、前記係合部となって、前記孔の周縁を形成し、前記第1および第2係合片の、前記弾性変形が可能となる係合片は、前記孔から延びる切り込みあるいは切り欠きに挟まれるようにして形成されてもよい。
【0021】
また、請求項12に記載の発明に係る配線用ボックスカバーのように、請求項8または9に記載の配線用ボックスカバーにおいて、前記第1および第2係合片は、前記固定部とともに、前記カバー本体と一体成形されてもよい。このように、第1および第2係合片が、固定部とともに、カバー本体と一体成形されることで、この配線用ボックスカバーは、簡単な構成となる。
【0022】
また、請求項13に記載の発明に係る配線用ボックスカバーのように、請求項8ないし12のいずれか1項に記載の配線用ボックスカバーにおいて、前記取付部材は、ビスであって、前記被係合部は、そのビスのねじ山からなり、前記係合部が前記ねじ山と係合した状態で前記ビスを回動することで、前記ビスが進退移動してもよい。これにより、配線用ボックスカバーに配線器具を取り付ける際に、配線用ボックスカバーの固定部に、ビスの軸部を押し込んだ後、さらに、そのビスを、その締付け方向に回動することが可能となる。そして、配線用ボックスカバーから配線器具を取り外すことも可能となる。すなわち、ねじ山が係合部に係合されたビスを、その緩み方向に回動する。こうすることで、ビスは、後退し、固定部から取り除かれて、配線器具は、カバー本体、つまりは配線用ボックスカバーから取り外される。
【0023】
また、請求項14に記載の発明に係る配線用ボックスカバーのように、請求項11に記載の配線用ボックスカバーにおいて、前記取付部材は、ビスであって、前記被係合部は、そのビスのねじ山からなり、前記係合部が前記ねじ山と係合した状態で前記ビスを回動することで、前記ビスが進退移動し、かつ、前記係合体は、ばね性を有するとともに、前記軸部の進入方向側に凸となるように湾曲もしくは屈曲して形成されてもよい。これにより、配線用ボックスカバーに配線器具を取り付ける際に、配線用ボックスカバーの固定部に、ビスの軸部を押し込んだ後、さらに、そのビスを、その締付け方向に回動することが可能となる。このとき、係合体は、その凸形状が、平面となる側に変形する。ここで、係合体は、ばね性を有しているので、元の凸形状に戻ろうとする係合体のばね力が、ビスを引き込むように作用する。また、配線用ボックスカバーから配線器具を取り外すことも可能となる。すなわち、ねじ山が係合部に係合されたビスを、その緩み方向に回動する。こうすることで、ビスは、後退し、固定部から取り除かれて、配線器具は、カバー本体、つまりは配線用ボックスカバーから取り外される。
【0024】
また、請求項15に記載の発明に係る、配線用ボックスまたは配線用ボックスカバーに用いられる係合体は、配線用ボックスまたは配線用ボックスカバーに、配線器具を前方側から、軸部に被係合部を有する取付部材を用いて、取付固定するために、前記配線用ボックスまたは配線用ボックスカバーの固定部に備えられる。この係合体は、少なくとも、相対向する第1係合片と第2係合片とを有し、それら第1および第2係合片には、それぞれ前記被係合部と係合する係合部が設けられている。また、前記軸部の進入を許容すべく、前記第1および第2係合片のうちの少なくとも第2係合片は、前記軸部に押された前記各係合部が前記被係合部から離脱するように、弾性変形可能に形成され、かつ、前記第1係合片と前記第2係合片とは、前記第1係合片が弾性変形不能で、前記第2係合片が弾性変形可能となるように形成され、あるいは、それら第1および第2係合片が弾性変形可能で、その弾性変形において、相対的に、前記第1係合片のばね定数が大で、前記第2係合片のばね定数が小となるように形成されている。
【0025】
これにより、配線用ボックスまたは配線用ボックスカバーに配線器具を取り付ける場合には、この配線用ボックスまたは配線用ボックスカバーの固定部に備えられる係合体に、前方側から取付部材を押し込むように押圧する。こうすることで、第1および第2係合片に設けられた係合部が取付部材の軸部に押圧され、それに共なって、第2係合片、あるいは、第1および第2係合片が、弾性変形して、各係合部は、軸部の被係合部から離脱し、軸部は、係合体へ進入する。そして、取付部材の押し込みを終えると、係合部は、取付部材における被係合部と係合し、配線器具は、配線用ボックスまたは配線用ボックスカバーに取付固定される。ここにおいて、相対向する第1係合片と第2係合片とは、第1係合片が弾性変形不能で、第2係合片が弾性変形可能となるように形成され、あるいは、それら第1および第2係合片が弾性変形可能で、その弾性変形において、相対的に、第1係合片のばね定数が大で、第2係合片のばね定数が小となるように形成されている。このように、これら相対向する第1係合片と第2係合片とは、その剛性が、第1係合片が大で、第2係合片が小となるように、異なっているため、第1係合片が、取付部材の抜けに対して大きな抵抗力を発揮し、全体として、取付部材が抜け難い構造となっている。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、この発明に係る配線用ボックスおよび配線用ボックスカバー、並びに、配線用ボックスまたは配線用ボックスカバーに用いられる係合体の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0027】
図1ないし図6は、本発明の第一の実施の形態として、配線用ボックス、および、配線用ボックスに用いられる係合体の、一実施の形態を示す。図中符号1は、建物の壁である。2は、コンセントとかスイッチ等の配線器具である。3は、その配線器具2を保持する保持材としての保持パネルである。4は、取付部材としてのビスであり、その軸部4bに、その軸方向に並ぶ被係合部としてのねじ山4aを有している。10は、配線用ボックスである。
【0028】
保持パネル3は、枠状に形成されており、その枠内に、配線器具2が取り付けられる。そして、保持パネル3は、その各側、例えば上下の各側に、ビス4が挿通される孔3aが形成されている。
【0029】
配線用ボックス10は、例えば合成樹脂製であって、前面に開口11aを有するボックス本体11と、そのボックス本体11に配線器具2を前方側からビス4、4を用いて取付固定するための固定部5、5とを備える。この固定部5は、少なくとも、相対向する第1係合片6と第2係合片7とを有する。ここで、それら第1および第2係合片6、7には、それぞれ前記ビス4のねじ山4aと係合する係合部6a、7aが設けられている。また、これら第1および第2係合片6、7のうちの少なくとも第2係合片7は、固定部5への、ビス4の軸部4bの進入を許容すべく、軸部4bに押された各係合部6a、7aがねじ山4aから離脱するように、弾性変形可能に形成されている。図示実施の形態においては、これら第1および第2係合片6、7が弾性変形可能で、その弾性変形において、相対的に、第1係合片6のばね定数が大で、第2係合片7のばね定数が小となるように形成されている。そして、第1および第2係合片6、7は、第1係合片6がボックス本体11の開口11a側となり、第2係合片7が開口11a側とは反対側となるように配備される。また、ここで、係合部6a、7aがねじ山4aと係合した状態で、ビス4を回動することで、そのビス4が進退移動するようになっている。
【0030】
具体的には、ボックス本体11は、前方が開放した箱形形状、例えば直方体形状をしている。そして、固定部5は、ボックス本体11の、例えば上下の各側に設けられており、図示実施の形態においては、ボックス本体11の側壁11bから開口11a側に突出するようにして形成されている。この固定部5には、側壁11bの表側から、後述する係合体8を収容する収容孔5aが形成されている。そして、この収容孔5aは、図4に示すように、前側の幅広部5bと、後側の幅狭部5cとから構成されている。また、固定部5には、前記収容孔5aと交差するようにして、前記ビス4の軸部4bが挿通される挿通孔5dが形成されている。そして、この挿通孔5dは、図示実施の形態においては、収容孔5aよりも前側が径小となり、収容孔5aよりも後側が径大となっている。
【0031】
ここにおいて、前記第1および第2係合片6、7は、ボックス本体11とは別体となる係合体8に設けられている。そして、この係合体8が、配線用ボックス10の固定部5に備えられる。この係合体8は、ばね性を有するとともに、ビス4の軸部4bの進入方向側に凸となるように湾曲もしくは屈曲して形成されている。
【0032】
詳細には、この係合体8は、例えば、鋼板とか銅合金板等の板材からなり、その板材に、前記ビス4の軸部4bが挿通される孔8aが形成されている。そして、第1および第2係合片6、7の先端部分が、前記係合部6a、7aとなって、孔8aの周縁を形成している。また、第1および第2係合片6、7の、前記弾性変形が可能となる係合片、すなわち、図示実施の形態においては、第1係合片6と第2係合片7とは、孔8aから延びる切り込み8b、8b、8c、8cに挟まれるようにして形成されている。
【0033】
より詳細には、係合体8は、略長方形形状の矩形状であって、その長手方向に対して湾曲もしくは屈曲(図示実施の形態においては、湾曲)して形成されている。そして、係合体8には、中央よりも長手方向の一方側に寄った位置に、前記孔8aが形成されている。そして、第1係合片6を形成する切り込みとなる第1の切り込み8b、8bは、この係合体8の幅方向における孔8aの両端部分から、係合体8の長手方向の前記一方側に延びている。一方、第2係合片7を形成する切り込みとなる第2の切り込み8c、8cは、同じく係合体8の幅方向における孔8aの両端部分から、係合体8の長手方向の他方側に延びている。ここで、第1の切り込み8b、8bが、第2の切り込み8c、8cに比して短く形成されることで、相対的に、第1係合片6のばね定数が大で、第2係合片7のばね定数が小となっている。そして、第1および第2係合片6、7は、その先端が前記軸部4bの進入方向側となるように、傾いて形成されている。また、第1および第2係合片6、7の先端は、略V字状に形成されて、孔8aは、略四角形状となっている。さらに、係合体8には、例えばその係合体8の長手方向の他方側に、前記軸部4bの進入方向側に折れ曲った折曲り片8dが形成されている。
【0034】
そこで、この係合体8は、その幅方向の両側部分が、収容孔5aにおける幅広部5bの両側部分に収容され、そして、第1および第2係合片6、7と折曲り片8dとが、収容孔5aにおける幅広部5bの中央部分および幅狭部5cに収容される。
【0035】
次に、以上の構成からなる配線用ボックス10および係合体8の作用効果について説明する。この配線用ボックス10は、予め、壁1の裏側の柱等に、木ねじ等の固着具により取り付けられている。そこで、この配線用ボックス10に配線器具2を取り付けるには、配線用ボックス10に対応して、壁1に明けられた壁孔1a部分における、壁1の表側に、配線器具2が取り付けられた保持パネル3を宛がう。その後、ビス4、4(詳細には、軸部4b、4b)を保持パネル3の孔3a、3aに通し、この配線用ボックス10の固定部5、5に、前方側からそのビス4、4を押し込むように押圧する。こうすることで、ビス4の軸部4bは、固定部5の挿通孔5dを通り、その軸部4bによって、第1および第2係合片6、7に設けられた係合部6a、7aが押圧される。そして、その押圧に共なって、第1および第2係合片6、7が、弾性変形して、各係合部6a、7aは、ねじ山4aから離脱する。こうして、ビス4の軸部4bは、固定部5へ進入することができる。そして、ビス4の押し込みを終えると、係合部6a、7aは、ビス4のねじ山4aと係合し、配線器具2は、ボックス本体11、つまりは配線用ボックス10に、保持パネル3を介して取付固定される。このように、ビス4、4を押し込むことで、この配線用ボックス10に配線器具2を簡単に固定することができる。
【0036】
ここにおいて、相対向する第1係合片6と第2係合片7とは、それら第1および第2係合片6、7が弾性変形可能で、その弾性変形において、相対的に、第1係合片6のばね定数が大で、第2係合片7のばね定数が小となるように形成されている。このように、これら相対向する第1係合片6と第2係合片7とは、その剛性が、第1係合片が大で、第2係合片が小となるように、異なっているため、第1係合片6が、ビス4の抜けに対して大きな抵抗力を発揮し、全体として、ビス4が抜け難い構造となっている。すなわち、この構造により、配線器具2を配線用ボックス10に確実に固定することができる。
【0037】
ところで、配線用ボックス10に配線器具2を取り付ける際に、配線用ボックス10の固定部5に、ビス4の軸部4bを押し込んだ後、さらに、そのビス4を、その締付け方向に回動してもよい。このように、ビス4の回動を加えることで、この配線用ボックス10に配線器具2を強固に固定することが可能となる。特に、図示実施の形態においては、配線用ボックス10の固定部5に、ビス4の軸部4bを押し込んだ後、そのビス4を、その締付け方向に回動すると、係合体8は、その凸形状が、平面となる側に変形する。このとき、係合体8は、ばね性を有しているので、元の凸形状に戻ろうとする係合体8のばね力が、ビス4を引き込むように作用する。したがって、この作用により、このビス4が緩むのを防止することができる。
【0038】
反対に、配線用ボックス10から配線器具2を取り外す場合には、ねじ山4aが係合部6a、7aに係合されたビス4を、その緩み方向に回動する。こうすることで、ビス4は、後退し、固定部5から取り除かれて、配線器具2は、保持パネル3とともに、ボックス本体11、つまりは配線用ボックス10から取り外される。
【0039】
ここにおいて、第1係合片6と第2係合片7とが、ボックス本体11とは別体の係合体8に設けられている。したがって、これら第1および第2係合片6、7の形状の自由度が増加し、この配線用ボックス10の製造を容易に行うことができる。
【0040】
また、第2係合片7が、相対的にばね定数が小となるように形成されているのに対し、第1係合片6は、相対的にばね定数が大となるように形成されており、一般に、その第1係合片6の占める領域は、第2係合片7に比して小さくなる。したがって、ビス4の位置を変えることができない場合に(例えば、図示実施の形態のように、ビス4、4間の間隔を変えることができない場合に)、第1係合片6を開口11a側に、そして、第2係合片7を開口11a側とは反対側に配備することで、この開口11aを、詳しくは固定部5、5間の開口を、広く取ることが可能となる。
【0041】
図7および図8は、本発明の第二の実施の形態として、配線用ボックスカバー、および、配線用ボックスカバーに用いられる係合体の、一実施の形態を示す。この実施の形態においては、配線用ボックス20に、その前方から、配線用ボックスカバー30が組み付けられ、そして、その配線用ボックスカバー30に、第一の実施の形態と同様の固定部5、つまり、第1および第2係合片6、7(係合体8)等を有する固定部5が設けられる。
【0042】
詳細には、配線用ボックスカバー30は、例えば合成樹脂製であって、前後に開口する開口孔31aを有するカバー本体31と、そのカバー本体31に配線器具2を前方側から、取付部材としてのビス4、4を用いて、取付固定するための前記固定部5、5とを備える。ここにおいて、第1および第2係合片6、7は、第一の実施の形態と同様にして、カバー本体31とは別体となる係合体8に設けられている。そして、この係合体8が、配線用ボックスカバー30の固定部5に備えられる。
【0043】
具体的には、この配線用ボックスカバー30においては、カバー本体31は、例えば長方形をした枠状に形成されて、その内側が、前記開口孔31aとなっている。そして、カバー本体31は、その内周側から前方に突出する第1周壁31bと、外周側から後方に突出する第2周壁31cとを備えている。そして、前記固定部5は、カバー本体31における第1周壁31bの、例えば上下の各側に設けられている。また、第2周壁31cの内面には、例えば上下の各側に、凹部31dが形成されている。
【0044】
一方、配線用ボックス20は、前方が開放した箱形形状、例えば直方体形状をしている。そして、その配線用ボックス20の側壁20aには、例えば上下の各側に、突起20bが形成されている。ここで、突起20bは、配線用ボックスカバー30の凹部31dに係合し、こうして、配線用ボックスカバー30は、配線用ボックス20に取付固定される。そして、図示実施の形態においては、配線用ボックスカバー30と配線用ボックス20とが組み付けられて、例えばコンクリートからなる壁1に、開口孔31aが壁1の表側に臨むようにして埋設される。そして、この配線用ボックスカバー30においても、第一の実施の形態の配線用ボックス10と同様に、配線器具2が、カバー本体31、つまりは配線用ボックスカバー30に、保持パネル3を介して取付固定される。こうして、この配線用ボックスカバー30は、第一の実施の形態の配線用ボックス10と同様の作用効果を有する。
【0045】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるわけではなく、その他種々の変更が可能である。例えば、第一および第二の実施の形態における固定部5には、相対向する第1係合片6と第2係合片7とが設けられているが、それ以外の係合片が設けられてもよい。
【0046】
また、係合体8において、第1および第2係合片6、7は、孔8aから延びる切り込み8b、8b、8c、8cに挟まれるようにして形成されなくとも、孔8aから延びる切り欠きに挟まれるようにして形成されてもよい。また、係合体8は、それ自身が一体に形成されなくとも、例えば、第1係合片6側と第2係合片7側とに分割されて形成されてもよい。
【0047】
また、係合体8において、例えば、第1係合片6側の第1の切り込み8b、8bを無くし、第2係合片7側の第2の切り込み8c、8cを残すことで、第1係合片6が弾性変形不能で、第2係合片7が弾性変形可能となるように形成されてもよい。そして、このように、第1および第2係合片6、7を形成した場合においても、第一および第二の実施の形態のような、両係合片6、7が弾性変形可能で、それら係合片6、7のばね定数に差を設けた場合と、同様の作用効果を有する。
【0048】
また、係合体8は、湾曲(もしくは屈曲)して形成されているが、真直ぐに形成されてもよい。そして、係合体8には、折曲げ片8dが設けられているが、この折曲げ片8dは、無くともよい。
【0049】
また、図9に示すように、第1および第2係合片6、7は、固定部5とともに、ボックス本体11と一体成形されてもよい。このように、第1および第2係合片6、7が、固定部5とともに、ボックス本体11と一体成形されることで、この配線用ボックス10は、簡単な構成となり、この配線用ボックス10のコストを低減することができる。また、この図9においては、第1係合片6は、弾性変形不能で、第2係合片7が弾性変形可能となるように形成されているが、第一の実施の形態と同様に、両係合片6、7が弾性変形可能で、その弾性変形において、相対的に、第1係合片6のばね定数が大で、第2係合片7のばね定数が小となるように形成されてもよい。また、これらのことは、配線用ボックス10における係合片6、7のみならず、配線用ボックスカバー30における係合片6、7についても、同様に適用できる。
【0050】
また、配線器具2は、ボックス本体11(配線用ボックス10)あるいはカバー本体31(配線用ボックスカバー30)に、保持パネル3を介して取付固定されるが、直接取付固定されるものであってもよい。
【0051】
また、取付部材は、軸部4bにその軸方向に並ぶ被係合部が設けられていれば、ビス4でなくとも、例えば、被係合部として、リング状の凸条が、軸方向に並んで設けられるものであってもよい。もっとも、場合によっては、この取付部材の代わりに、軸部に凹凸のない平滑な被係合部を設けることで、係合部が、その平滑な被係合部と係合してもよい。
【0052】
【発明の効果】
以上、詳述したところから明らかなように、この発明に係る配線用ボックスおよび配線用ボックスカバー、並びに、配線用ボックスまたは配線用ボックスカバーに用いられる係合体によれば、次の効果がある。
【0053】
請求項1に記載された配線用ボックスによれば、取付部材を押し込むことで、この配線用ボックスに配線器具を簡単に固定することができる。そして、第1係合片が、取付部材の抜けに対して大きな抵抗力を発揮し、全体として、取付部材が抜け難い構造となっているため、配線器具を確実に固定することができる。
【0054】
また、請求項2に記載された配線用ボックスによれば、請求項1の効果に加えて、取付部材の位置を変えることができない場合に、第1係合片を開口側に、そして、第2係合片を開口側とは反対側に配備することで、この開口を広く取ることができる。
【0055】
また、請求項3および4に記載された配線用ボックスによれば、請求項1または2の効果に加えて、第1係合片と第2係合片とが、ボックス本体とは別体の係合体に設けられることから、これら第1および第2係合片の形状の自由度が増加し、この配線用ボックスの製造を容易に行うことができる。
【0056】
また、請求項5に記載された配線用ボックスによれば、請求項1または2の効果に加えて、係合片が、固定部とともに、ボックス本体と一体成形されて、配線用ボックスは、簡単な構成となっているため、この配線用ボックスのコストを低減することができる。
【0057】
また、請求項6に記載された配線用ボックスによれば、請求項1ないし5のいずれか1項の効果に加えて、配線用ボックスに配線器具を取り付ける際に、配線用ボックスの固定部に、取付部材となるビスを押し込んだ後、さらに、そのビスを、その締付け方向に回動することで、この配線用ボックスに配線器具を強固に固定することが可能となる。しかも、取付部材がビスであることから、そのビスを緩み方向に回動することで、配線用ボックスから配線器具を取り外すことができる。
【0058】
また、請求項7に記載された配線用ボックスによれば、請求項4の効果に加えて、配線用ボックスに配線器具を取り付ける際に、配線用ボックスの固定部に、取付部材となるビスを押し込んだ後、さらに、そのビスを、その締付け方向に回動することで、係合体の凸形状が平面となる側に変形するが、係合体は、元の凸形状に戻ろうとするばね力が、ビスを引き込むように作用するので、このビスが緩むのを防止することができる。しかも、取付部材がビスであることから、そのビスを緩み方向に回動することで、配線用ボックスから配線器具を取り外すことができる。
【0059】
請求項8に記載された配線用ボックスカバーによれば、取付部材を押し込むことで、この配線用ボックスカバーに配線器具を簡単に固定することができる。そして、第1係合片が、取付部材の抜けに対して大きな抵抗力を発揮し、全体として、取付部材が抜け難い構造となっているため、配線器具を確実に固定することができる。
【0060】
また、請求項9に記載された配線用ボックスカバーによれば、請求項8の効果に加えて、取付部材の位置を変えることができない場合に、第1係合片を開口孔側に、そして、第2係合片を開口孔側とは反対側に配備することで、この開口孔を広く取ることができる。
【0061】
また、請求項10および11に記載された配線用ボックスカバーによれば、請求項8または9の効果に加えて、第1係合片と第2係合片とが、カバー本体とは別体の係合体に設けられることから、これら第1および第2係合片の形状の自由度が増加し、この配線用ボックスカバーの製造を容易に行うことができる。
【0062】
また、請求項12に記載された配線用ボックスカバーによれば、請求項8または9の効果に加えて、係合片が、固定部とともに、カバー本体と一体成形されて、配線用ボックスカバーは、簡単な構成となっているため、この配線用ボックスカバーのコストを低減することができる。
【0063】
また、請求項13に記載された配線用ボックスカバーによれば、請求項8ないし12のいずれか1項の効果に加えて、配線用ボックスカバーに配線器具を取り付ける際に、配線用ボックスカバーの固定部に、取付部材となるビスを押し込んだ後、さらに、そのビスを、その締付け方向に回動することで、この配線用ボックスカバーに配線器具を強固に固定することが可能となる。しかも、取付部材がビスであることから、そのビスを緩み方向に回動することで、配線用ボックスカバーから配線器具を取り外すことができる。
【0064】
また、請求項14に記載された配線用ボックスカバーによれば、請求項11の効果に加えて、配線用ボックスカバーに配線器具を取り付ける際に、配線用ボックスカバーの固定部に、取付部材となるビスを押し込んだ後、さらに、そのビスを、その締付け方向に回動することで、係合体の凸形状が平面となる側に変形するが、係合体は、元の凸形状に戻ろうとするばね力が、ビスを引き込むように作用するので、このビスが緩むのを防止することができる。しかも、取付部材がビスであることから、そのビスを緩み方向に回動することで、配線用ボックスカバーから配線器具を取り外すことができる。
【0065】
また、請求項15に記載された、配線用ボックスまたは配線用ボックスカバーに用いられる係合体によれば、取付部材を押し込むことで、配線用ボックスまたは配線用ボックスカバーに配線器具を簡単に固定することができる。そして、第1係合片が、取付部材の抜けに対して大きな抵抗力を発揮し、全体として、取付部材が抜け難い構造となっているため、配線器具を確実に固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る配線用ボックスおよび係合体の一実施の形態の、縦断面図である。
【図2】同じく、配線用ボックスの正面図である。
【図3】同じく、図1におけるA部拡大図である。
【図4】同じく、図3におけるB矢視図である。
【図5】同じく、係合体の拡大図である。
【図6】同じく、図5におけるC−C線による断面図である。
【図7】この発明に係る配線用ボックスカバーおよび係合体の一実施の形態の、縦断面図である。
【図8】同じく、図7におけるD部拡大図である。
【図9】この発明に係る配線用ボックスの他の実施の形態の、図3相当図である。
【符号の説明】
2 配線器具 4 ビス(取付部材)
4a ねじ山(被係合部) 4b 軸部
5 固定部
6 第1係合片 6a 係合部
7 第2係合片 7a 係合部
8 係合体 8a 孔
8b 第1の切り込み(切り込み) 8c 第2の切り込み(切り込み)
10 配線用ボックス 11 ボックス本体
11a 開口
30 配線用ボックスカバー 31 カバー本体
31a 開口孔
Claims (15)
- 前面に開口を有するボックス本体と、そのボックス本体に配線器具を前方側から、軸部に被係合部を有する取付部材を用いて、取付固定するための固定部とを備える、配線用ボックスであって、
前記固定部は、少なくとも、相対向する第1係合片と第2係合片とを有し、それら第1および第2係合片には、それぞれ前記被係合部と係合する係合部が設けられており、
前記固定部への前記軸部の進入を許容すべく、前記第1および第2係合片のうちの少なくとも第2係合片は、前記軸部に押された前記各係合部が前記被係合部から離脱するように、弾性変形可能に形成され、かつ、
前記第1係合片と前記第2係合片とは、前記第1係合片が弾性変形不能で、前記第2係合片が弾性変形可能となるように形成され、あるいは、それら第1および第2係合片が弾性変形可能で、その弾性変形において、相対的に、前記第1係合片のばね定数が大で、前記第2係合片のばね定数が小となるように形成されていることを特徴とする配線用ボックス。 - 前記第1および第2係合片は、前記第1係合片が前記開口側となり、前記第2係合片が前記開口側とは反対側となるように配備されることを特徴とする請求項1に記載の配線用ボックス。
- 前記第1および第2係合片は、前記ボックス本体とは別体となる係合体に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の配線用ボックス。
- 前記係合体は、板材からなり、その板材に、前記軸部が挿通される孔が形成され、前記第1および第2係合片の先端部分が、前記係合部となって、前記孔の周縁を形成し、
前記第1および第2係合片の、前記弾性変形が可能となる係合片は、前記孔から延びる切り込みあるいは切り欠きに挟まれるようにして形成されていることを特徴とする請求項3に記載の配線用ボックス。 - 前記第1および第2係合片は、前記固定部とともに、前記ボックス本体と一体成形されていることを特徴とする請求項1または2に記載の配線用ボックス。
- 前記取付部材は、ビスであって、前記被係合部は、そのビスのねじ山からなり、前記係合部が前記ねじ山と係合した状態で前記ビスを回動することで、前記ビスが進退移動することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の配線用ボックス。
- 前記取付部材は、ビスであって、前記被係合部は、そのビスのねじ山からなり、前記係合部が前記ねじ山と係合した状態で前記ビスを回動することで、前記ビスが進退移動し、
前記係合体は、ばね性を有するとともに、前記軸部の進入方向側に凸となるように湾曲もしくは屈曲して形成されていることを特徴とする請求項4に記載の配線用ボックス。 - 前後に開口する開口孔を有するカバー本体と、そのカバー本体に配線器具を前方側から、軸部に被係合部を有する取付部材を用いて、取付固定するための固定部とを備える、配線用ボックスカバーであって、
前記固定部は、少なくとも、相対向する第1係合片と第2係合片とを有し、それら第1および第2係合片には、それぞれ前記被係合部と係合する係合部が設けられており、
前記固定部への前記軸部の進入を許容すべく、前記第1および第2係合片のうちの少なくとも第2係合片は、前記軸部に押された前記各係合部が前記被係合部から離脱するように、弾性変形可能に形成され、かつ、
前記第1係合片と前記第2係合片とは、前記第1係合片が弾性変形不能で、前記第2係合片が弾性変形可能となるように形成され、あるいは、それら第1および第2係合片が弾性変形可能で、その弾性変形において、相対的に、前記第1係合片のばね定数が大で、前記第2係合片のばね定数が小となるように形成されていることを特徴とする配線用ボックスカバー。 - 前記第1および第2係合片は、前記第1係合片が前記開口孔側となり、前記第2係合片が前記開口孔側とは反対側となるように配備されることを特徴とする請求項8に記載の配線用ボックスカバー。
- 前記第1および第2係合片は、前記カバー本体とは別体となる係合体に設けられていることを特徴とする請求項8または9に記載の配線用ボックスカバー。
- 前記係合体は、板材からなり、その板材に、前記軸部が挿通される孔が形成され、前記第1および第2係合片の先端部分が、前記係合部となって、前記孔の周縁を形成し、
前記第1および第2係合片の、前記弾性変形が可能となる係合片は、前記孔から延びる切り込みあるいは切り欠きに挟まれるようにして形成されていることを特徴とする請求項10に記載の配線用ボックスカバー。 - 前記第1および第2係合片は、前記固定部とともに、前記カバー本体と一体成形されていることを特徴とする請求項8または9に記載の配線用ボックスカバー。
- 前記取付部材は、ビスであって、前記被係合部は、そのビスのねじ山からなり、前記係合部が前記ねじ山と係合した状態で前記ビスを回動することで、前記ビスが進退移動することを特徴とする請求項8ないし12のいずれか1項に記載の配線用ボックスカバー。
- 前記取付部材は、ビスであって、前記被係合部は、そのビスのねじ山からなり、前記係合部が前記ねじ山と係合した状態で前記ビスを回動することで、前記ビスが進退移動し、
前記係合体は、ばね性を有するとともに、前記軸部の進入方向側に凸となるように湾曲もしくは屈曲して形成されていることを特徴とする請求項11に記載の配線用ボックスカバー。 - 配線用ボックスまたは配線用ボックスカバーに、配線器具を前方側から、軸部に被係合部を有する取付部材を用いて、取付固定するために、前記配線用ボックスまたは配線用ボックスカバーの固定部に備えられる、係合体であって、
少なくとも、相対向する第1係合片と第2係合片とを有し、それら第1および第2係合片には、それぞれ前記被係合部と係合する係合部が設けられており、
前記軸部の進入を許容すべく、前記第1および第2係合片のうちの少なくとも第2係合片は、前記軸部に押された前記各係合部が前記被係合部から離脱するように、弾性変形可能に形成され、かつ、
前記第1係合片と前記第2係合片とは、前記第1係合片が弾性変形不能で、前記第2係合片が弾性変形可能となるように形成され、あるいは、それら第1および第2係合片が弾性変形可能で、その弾性変形において、相対的に、前記第1係合片のばね定数が大で、前記第2係合片のばね定数が小となるように形成されていることを特徴とする、配線用ボックスまたは配線用ボックスカバーに用いられる係合体。
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