【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スレーブ媒体に磁気転写すべき情報に応じた転写パターンを有する磁気転写用マスター担体、および該マスター担体を用いた磁気転写方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
磁気記録媒体においては一般に、情報量の増加に伴い、多くの情報を記録する大容量で、安価で、かつ、好ましくは短時間で必要な箇所が読み出せる、いわゆる高速アクセスが可能な媒体が望まれており、この一例として、ハードディスク、ZIP(アイオメガ社)等のフレキシブルディスクからなる高密度磁気記録媒体が知られている。これらの高密度磁気記録媒体は情報記録領域が狭トラックで構成されており、狭いトラック幅を正確に磁気ヘッドにより走査させて高いS/Nで信号を再生するためには、いわゆるトラッキングサーボ技術が大きな役割を担っている。
【0003】
トラック位置決めのためのサーボ信号や、そのトラックのアドレス信号、再生クロック信号等のサーボ情報は、磁気記録媒体の製造時にプリフォーマットとして予め磁気記録媒体に記録する必要がある。このプリフォーマットを正確にかつ効率よく行う方法として、マスター担体に形成されたサーボ情報を担持するパターンを磁気記録媒体へ磁気転写により転写する方法が、例えば特許文献1および2等において提案されている。
【0004】
磁気転写は、転写すべき情報を担持するマスター担体を磁気ディスク媒体等の磁気記録媒体(スレーブ媒体)と密着させた状態で、転写用磁界を印加することにより、マスター担体の有する転写パターンに対応する磁気パターンをスレーブ媒体に磁気的に転写するもので、マスター担体とスレーブ媒体との相対的な位置を変化させることなく静的に記録を行うことができ、正確なプリフォーマット記録が可能であり、しかも記録に要する時間も極めて短時間であるという利点を有している。
【0005】
マスター担体としては、転写情報に応じた凹凸パターンが形成された基板と該基板の少なくとも凸部上に設けられた磁性層とからなるもの、あるいは、凹凸パターンが形成された基板と該基板の凹部に埋め込まれた磁性層とからなるもの等が提案されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−40544号公報
【0007】
【特許文献2】
特開平10−269566号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
磁性層は、一般にスパッタリング法で成膜されるが、高密度化のために基板表面の凹凸の凸部上面のトラック幅が短くなるにつれて、該凸部上に設けられる磁性層の被膜不良の問題が顕著となるため、トラック幅が例えば100nm以下となるような微小な凹凸パターンの凸部に磁性層が被膜できない場合が発生する。凸部上面に設けられる磁性層の被膜状態は転写品質を左右するものであり、凸部上面に良好な状態で磁性層が形成されなければ、転写不良を生じることとなる。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑み、良好な磁性層の成膜がなされ転写不良を抑制した磁気転写用マスター担体および該マスター担体を用いた磁気転写方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らによる磁性層形成条件および凹凸形状の比較検討の結果、磁性層膜剥離は磁性層の膜応力が基板・磁性層間の密着力より大きくなることにより発生するものであり、磁性層剥離(被膜不良)の発生は凸部のトラック幅と磁性層膜厚との関係に大きく依存することがわかった。本発明はこの知見に基づいてなされたものである。
【0011】
本発明の第1の磁気転写用マスター担体は、トラック方向に配列されたパターン状の凹凸を表面に有する基板と、該基板上の少なくとも凸部上面に設けられた磁性層とを備えてなる磁気転写用マスター担体であって、
前記凸部上面の前記トラック方向幅をLとし、前記凸部上面に設けられた前記磁性層の厚みをMtとしたとき、Mt/L<1.8であり、かつ、前記基板の凹部表面の前記凸部内側への延長面と前記凸部の側面とのなす該凸部内側の角度θが、75°≦θ<90°であることを特徴とするものである。
【0012】
本発明の第2の磁気転写用マスター担体は、トラック方向に配列されたパターン状の凹凸を表面に有する基板と、該基板上の少なくとも凸m部上面に設けられた磁性層とを備えてなる磁気転写用マスター担体であって、
前記凸部上面の前記トラック方向幅をLとし、前記凸部上面に設けられた前記磁性層の厚みをMtとしたとき、前記Lが80nm以下、Mt/L<2.0であり、かつ、前記基板の凹部表面の前記凸部内側への延長面と前記凸部の側面とのなす該凸部内側の角度θが、75°≦θ<90°であることを特徴とするものである。
【0013】
なお、Lが80nm以下である場合には、θが85°≦θ<90°であり、Mt/L<1.6であることがより望ましい。
【0014】
また、各磁気転写用マスター担体は、その磁性層が基板上の少なくとも凸部上面に設けられていればよいが、基板表面の凹凸に沿って連続的に磁性層が形成されていることがより望ましい。
【0015】
本発明の磁気転写方法は、本発明の磁気転写用マスター担体の表面と、磁性層を有する記録媒体の該磁性層とを密着させた状態で、該記録媒体および前記マスター担体に磁界を印加して前記情報を前記記録媒体に転写することを特徴とするものである。
【0016】
【発明の効果】
本発明の第1の磁気転写用マスター担体は、パターン状の凹凸を表面に有する基板の凸部上面のトラック方向幅をLとし、凸部上面に設けられた磁性層の厚みをMtとしたとき、Mt/L<1.8とし、かつ、基板の凹部表面の凸部内側への延長面と凸部の側面とのなす該凸部内側の角度θを、75°≦θ<90°としたことにより、磁性層成膜時の磁性層剥離を効果的に抑制し、良好な磁性層被膜を有するものとすることができる。磁性層の厚みMtが厚くなるにつれ膜応力が大きくなり剥れやすくなるが、トラック方向幅Lが大きくなるほど基板と磁性層との接触面積が大きくなるために両者の密着力も大きくなる。そこで、上記Mt/L<1.8とすることにより、膜応力を基板・磁性層の密着力より小さくすることができ、磁性層剥離を抑制して良好に磁性層を成膜することができる。
【0017】
また、θが90°以上であると、磁性層が凸部上面から凹部に掛けて連続的に形成することができないために磁性層が剥離しやすくなり、θが90°より小さい方が凸部壁面に磁性層が堆積しやすくなって磁性層と基板の接触面積が大きくなるために磁性層剥離が抑制されると考えられる。一方、θが75°未満であると、転写信号の品位が低下するという問題が生じ好ましくない。
【0018】
本発明の第2の磁気転写用マスター担体は、パターン状の凹凸を表面に有する基板の凸部上面のトラック方向幅をLとし、凸部上面に設けられた磁性層の厚みをMtとしたとき、Lを80nm以下、Mt/L<2.0とし、かつ、基板の凹部表面の凸部内側への延長面と凸部の側面とのなす凸部内側の角度θを、75°≦θ<90°としたことにより、磁性層成膜時の磁性層剥離を効果的に抑制し、良好な磁性層被膜を有するものとすることができる。
【0019】
すなわち、トラック方向幅Lが80nm以下である微細な凹凸を有する場合、上記Mt/L<2.0とすることで磁性層の膜応力を基板・磁性層の密着力より小さくすることができ、磁性層剥離を抑制することができる。
【0020】
Lが80nm以下である場合、さらにθを85°≦θ<90°とし、Mt/L<1.6とすれば、微細凹凸パターンの場合に剥離を抑制すると同時に高品位な転写品質を得ることができる。非常に微細であるために、θを85°以上とした方が転写パターンを鮮鋭なものとすることができ、転写品質を向上させることができる。また、特にθを上記範囲とする場合には、Mt/L<1.6とすることにより磁性層の被膜を良好に行うことができる。
【0021】
本発明の磁気転写方法によれば、良好に被膜された磁性層を有する上述の本発明の磁気転写用マスター担体を用いているため、転写不良を抑制し、転写品質のよい記録媒体を製造することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて詳細に説明する。
【0023】
図1は、本実施形態の磁気転写用マスター担体の表面の一部斜視図を示し、図2は、図1のマスター担体の一部断面図を示すものである。
【0024】
本実施形態のマスター担体3は、後述の図3に示すように円盤状に形成されており、その表面にスレーブ媒体である磁気記録媒体に転写すべき情報に応じてトラック方向に配列されたパターン状の凹凸36(以下、凹凸パターン36という)を転写パターンとして有するものである。転写すべき情報としては、例えばサーボ信号が挙げられるが、その他種々のデータを含むものであってもよい。凹凸パターン36の一部パターンは例えば図1に示すようなものである。図1において、矢印Xは円周方向(トラック方向)、矢印Yは半径方向を示す。
【0025】
図2は、図1に示したマスター担体3のII−II断面図、すなわち、面に垂直かつトラック方向Xに平行な面に沿った断面図を示す。
【0026】
マスター担体3は、凸部37の上面37aのトラック方向幅がLである凹凸パターン36を表面に有する基板31の表面に、凸部上面37aにおいて、Mt/L<1.8を満たす厚みMtで磁性層32が形成されてなるものである。なお、現実のパターンにおいては、凸部37のトラック方向長さには種々の長さのものが存在するが、そのうち最短のものをLとする。
【0027】
また、本実施形態においてはマスター担体3の基板31の凹凸パターン36が、その凹部38表面38aの凸部37内への延長面38bと凸部37の側面37bとのなす該凸部37内側の角度θが、75°≦θ<90°を満たすように形成されている。
【0028】
マスター担体3は、基板31の凹凸パターンが角度θが上記関係を満たす形状で形成されており、磁性層32がその厚みと凸部37上面37aのトラック方向幅Lとが上記関係となるように形成されているため、磁性層成膜時に膜剥離を発生することなく良好な状態で磁性層32が被膜されている。したがって、このマスター担体3を用いれば良好な再生信号品位を有する磁気パターンの転写が可能である。
【0029】
基板31の材料としては、Ni、Si、石英板、ガラス、Al、セラミックス、合成樹脂等が用いられる。基板材料として特に好ましいのは、Ni、もしくはNiを主成分とする強磁性を有する合金である。表面に凹凸パターンを有する基板31の作製は、スタンパー法、フォトリソグラフィー法等を用いて行うことができる。
【0030】
基板31の作製方法の概略を説明する。まず、表面が平滑なガラス板(または石英板)の上にスピンコート等でフォトレジストを形成し、このガラス板を回転させながらサーボ信号に対応して変調したレーザー光(または電子ビーム)を照射し、フォトレジスト全面に所定のパターン、例えば各トラックに回転中心から半径方向に線状に延びるサーボ信号に相当するパターンを円周上の各フレームに対応する部分に露光し、その後、フォトレジストを現像処理し、露光部分を除去しフォトレジストによる凹凸形状を有する原盤を得る。次に、原盤の表面の凹凸パターンをもとに、この表面にメッキ(電鋳)を施し、ポジ状凹凸パターンを有するNi基板を作製し、原盤から剥離する。
【0031】
また、前記原盤にメッキを施して第2の原盤を作製し、この第2の原盤を使用してメッキを行い、ネガ状凹凸パターンを有する基板を作製してもよい。さらに、第2の原盤にメッキを行うか樹脂液を押し付けて硬化を行って第3の原盤を作製し、第3の原盤にメッキを行い、ポジ状凹凸パターンを有する基板を作製してもよい。
【0032】
前記メッキとしては、無電解メッキ、電鋳、スパッタリング、イオンプレーティングを含む各種の金属成膜法が適用できる。基板の凸部高さ(凹凸パターンの深さ)は、50〜800nmの範囲が好ましく、より好ましくは80〜600nmである。この凹凸パターンがサンプルサーボ信号である場合は、円周方向よりも半径方向に長い矩形状の凸部が形成される。具体的には、半径方向の長さは0.05〜20μm、円周方向は0.05〜5μmが好ましく、この範囲で半径方向の方が長い形状となる値を選ぶことがサーボ信号の情報を担持するパターンとして好ましい。
【0033】
磁性層32の磁性材料としては、Co、Co合金(CoNi、CoNiZr、CoNbTaZr等)、Fe、Fe合金(FeCo、FeCoNi、FeNiMo、FeAlSi、FeAl、FeTaN)、Ni、Ni合金(NiFe)を用いることができ、特に好ましいのはFeCo、FeCoNiである。なお、磁性層32としては、軟磁性もしくは半硬質磁性等の保磁力の小さい磁性層を用いることにより、より良好な転写を行うことができる。さらに、磁性層32は、基板31の飽和磁化よりも高い飽和磁化値を有するものであることが好ましい。磁性層の厚み(凸部上面の磁性層の厚み)Mtは、50〜500nmの範囲が好ましく、さらに好ましくは80〜300nmである。なお、厚みMtは、該範囲の中から凹凸パターンの凸部上面のトラック方向幅Lとの関係において、上述のMt/L<1.8を満たすように定める。
【0034】
基板31上への磁性層32の形成は、前述したスパッタリング法の他、磁性材料を真空蒸着法、イオンプレーティング法等の真空成膜手段、メッキ法などを用いて行うことができる。
【0035】
なお、磁性層32の上に5〜30nmのダイヤモンドライクカーボン(DLC)等の保護膜を設けることが好ましく、さらに潤滑剤層を設けても良い。また、磁性層と保護膜の間に、Si等の密着強化層を設けてもよい。潤滑剤を設けることにより、スレーブ媒体との接触過程で生じるずれを補正する際の、摩擦による傷の発生などを抑制し、耐久性を向上させることができる。
【0036】
次に、本発明の磁気転写用マスター担体を用いてスレーブ媒体へ情報を転写する磁気転写方法の実施形態について説明する。
【0037】
図3は、スレーブ媒体2とマスター担体3、4とを示す斜視図である。スレーブ媒体は、例えば、両面または片面に磁気記録層が形成されたハードディスク、フレキシブルディスク等の円盤状磁気記録媒体である。また、本実施形態においては、円盤状の基板21の両面にそれぞれ面内磁気記録層22を備えた、記録面2b,2cが形成されたものを示している。
【0038】
また、マスター担体3は上記実施形態に示したものであり、スレーブ媒体2の下側記録面2b用の凹凸パターンとして、サーボ領域35にサーボ信号に応じた凹凸パターンが形成されている。また、マスター担体4は、マスター担体3と同様の層構成からなる、スレーブ媒体2の上側記録面2c用の凹凸パターンが形成されたものである。
【0039】
図3では、磁気記録媒体2とマスター担体3,4が互いに離間した状態を示しているが、実際の磁気転写は、磁気記録媒体2の記録面2b、2cとマスター担体3,4の転写パターン面とを密着させた状態で行う。
【0040】
図4は、本発明の磁気転写用マスター担体を用いて磁気転写を行うための磁気転写装置の概略構成を示す斜視図である。磁気転写装置1は、マスター担体3,4とスレーブ媒体2とを密着させて保持する転写ホルダー10および該転写ホルダー10の内部空間のエアを真空吸引し内部を減圧状態として密着力を得る図示しない真空吸引手段からなる密着圧力印加手段と、転写ホルダー10を回転させつつ転写用磁界を印加する磁界印加手段55とを備えてなる。
【0041】
磁界印加手段55は、転写ホルダー10の両側に配設された電磁石装置50,50を備えてなり、この電磁石装置50の転写ホルダー10の半径方向に延びるギャップ51を有するコア52にコイル53が巻き付けられてなる。両電磁石装置50,50はトラック方向と平行な同一の向きの磁界を発生させるものである。また、磁界印加手段55としては、電磁石装置に代えて永久磁石装置で構成してもよい。垂直記録の場合の磁界印加手段は、転写ホルダー10の両側に配設された、極性の異なる電磁石または永久磁石から構成することができる。すなわち、垂直記録の場合は、トラック面に垂直な方向に転写用磁界を発生させるものである。
【0042】
また、磁界印加手段55は、転写ホルダー10の開閉動作を許容するように、両側の電磁石装置50,50が接離移動するか、電磁石装置50,50間に転写ホルダー10が挿入されるように電磁石装置50,50またはホルダー10が移動するようになっている。
【0043】
転写ホルダー10は、相対的に接離移動可能な左側の片側ホルダー11と右側の他側ホルダー12とを備え、その内部に形成される内部空間に、スレーブ媒体2およびマスター担体3を収容して、この内部空間の減圧によりスレーブ媒体2とマスター担体3とを中心位置を合わせた状態で重ね合わせて対峙密着させるものである。
【0044】
片側ホルダー11の押圧面には、スレーブ媒体2の片面にサーボ信号等の情報を転写する一方のマスター担体3およびスレーブ媒体2を吸着等により保持し、他側ホルダー12の押圧面には、スレーブ媒体2の他面にサーボ信号等の情報を転写する他方のマスター担体4を吸着等により保持する。
【0045】
片側ホルダー11および他側ホルダー12の背面の中心位置には、それぞれ支持軸が突設され、装置本体に支持され、回転機構に連係されて磁気転写時に回転駆動される。
【0046】
また、転写ホルダー10の内部空間は、密着時には所定の真空度に減圧されて、スレーブ媒体2とマスター担体3,4との密着力を得るととともに、密着面のエア抜きを行って密着性を高めるとともに、大気開放時および剥離時には圧縮空気の導入が行われる。また、密着力の印加のために、真空吸引に加えて、転写ホルダーを外部から機械的に加圧してもよい。
【0047】
次に、上記磁気転写装置1による磁気転写方法について説明する。上記磁気転写装置の転写ホルダー10は、一組のマスター担体3,4により複数のスレーブ媒体2に対する磁気転写を行うものであり、まず片側ホルダー11および他側ホルダー12にマスター担体3,4をそれぞれ位置を合わせて保持させておく。そして、片側ホルダー11と他側ホルダー12とを離間した開状態で、予め面内方向または垂直方向の一方に初期磁化したスレーブ媒体2を中心位置を合わせてセットした後、他側ホルダー12を片側ホルダー11に接近移動させ閉状態とする。スレーブ媒体2およびマスター担体3,4を収容した転写ホルダー10の内部空間を真空吸引することにより減圧し、スレーブ媒体2とマスター担体3,4とに均一に密着力を加え密着させる。密着力の印加のために、真空吸引に加えて、転写ホルダーを外部から機械的に加圧してもよい。
【0048】
その後、転写ホルダー10の両側に電磁石装置50を接近させ、転写ホルダー10を回転させつつ電磁石装置50によって初期磁化とほぼ反対方向に転写用磁界を印加し、マスター担体3の転写パターンに応じた磁化パターンをスレーブ媒体2の磁気記録層に転写記録する。
【0049】
図5は、面内磁気記録媒体への磁気転写の基本工程を説明するための図であり、図5(a)は磁界を一方向に印加してスレーブ媒体を初期直流磁化する工程、(b)はマスター担体とスレーブ媒体とを密着させて初期直流磁界とは略反対方向に磁界を印加する工程、(c)は磁気転写後のスレーブ媒体の記録再生面の状態をそれぞれ示す図である。なお、図5においてスレーブ媒体2についてはその下面記録面2b側のみを示している。
【0050】
図5(a)に示すように、予めスレーブ媒体2にトラック方向の一方向の初期直流磁界Hinを印加して磁気記録層22の磁化を初期直流磁化させておく。その後、図5(b)に示すように、このスレーブ媒体2の記録面2bとマスター担体3の転写パターン面とを密着させ、スレーブ媒体2のトラック方向に前記初期直流磁界Hinとは逆方向の転写用磁界Hduを印加する。スレーブ媒体2とマスター担体3の転写パターンの密着した箇所において、転写用磁界Hduは、マスター担体3の凸部に吸い込まれ、この部分に対応するスレーブ媒体2の磁化は反転せずその他の部分の初期磁化が反転する。その結果、図5(c)に示すように、スレーブ媒体2の下側記録面2bの磁気記録層22にはマスター担体3の凹凸パターンに応じた情報(例えばサーボ信号)が磁気的に転写記録される。ここでは、スレーブ媒体2の下側記録面2bへの下側マスター担体3による磁気転写について説明したが、磁気記録媒体2の上側記録面2cについても上側マスター担体4と密着させて同様に磁気転写を行う。なお、磁気記録媒体2の上下記録面2b、2cへの磁気転写は同時になされてもよいし、片面ずつ順次なされてもよい。
【0051】
なお、初期直流磁界および転写用磁界は、スレーブ媒体の保磁力、マスター担体およびスレーブ媒体の比透磁率等を勘案して定められた値を採用する必要がある。
【0052】
図5に示して説明した磁気転写の基本工程は、スレーブ媒体が面内記録媒体である場合のものであるが、スレーブ媒体が垂直記録媒体である場合には、初期磁化方向および転写磁界の印加方向を面に垂直な方向とすればよい。なお、垂直記録の場合は、マスター担体の凸部と密着した部分の初期磁化が反転し、その他の部分の初期磁化は反転しない結果として凹凸パターンに応じた磁化パターンが転写される。
【0053】
スレーブ媒体2としては、ハードディスク、高密度フレキシブルディスクなどの、塗布型磁気記録層あるいは金属薄膜型磁気記録層を備えた円盤状磁気記録媒体を使用することができる。
【0054】
なお、金属薄膜型磁気記録層を備えた磁気記録媒体の場合、磁性材料として、Co、Co合金(CoPtCr、CoCr、CoPtCrTa、CoPtCrNbTa、CoCrB、CoNi、Co/Pd等)、Fe、Fe合金(FeCo、FePt、FeCoNi)を用いることができる。磁性層としては、磁束密度が大きいこと、面内記録なら面内方向、垂直記録なら垂直方向の磁気異方性を有することが、明瞭な転写を行えるため好ましい。好ましい磁性層厚は10〜500nmであり、さらに好ましくは20〜200nmである。
【0055】
また、磁性層の下(基板側)には、該磁性層に必要な磁気異方性を持たせるために非磁性の下地層を設けることが好ましい。下地層としては、Cr、CrTi、CoCr、CrTa、CrMo、NiAl、Ru、Pd等を用いることができるが、結晶構造および格子定数が、その上に設けられる磁性層の結晶構造および格子定数と一致するものを選択する必要がある。好ましい非磁性層の厚みは、10〜150nmであり、さらに好ましくは20〜80nmである。
【0056】
さらに、垂直磁気記録媒体の場合には、磁性層の垂直磁化状態を安定化させ、記録再生時の感度を向上させるために非磁性の下地層の下に軟磁性の裏打ち層を設けてもよい。この裏打ち層としては、NiFe、CoCr、FeTaC、FeAlSi等を用いることができる。好ましい裏打ち層の厚みは、50〜2000nmであり、さらに好ましくは60〜400nmである。
【0057】
次に、本発明の第2の実施形態の磁気転写用マスター担体についてその一部断面図を図6に示して説明する。第2の実施形態のマスター担体を用いた磁気転写方法は上記第1の実施形態と同様であるので詳細な説明を省略する。
【0058】
図6に示すように、第2の実施形態の磁気転写用マスター担体3’は、凸部47上面47aのトラック方向幅がLである凹凸パターン46を表面に有する基板41の表面に、凸部47の上面47aにおいて、Mt/L<1.8を満たす厚みMtで磁性層42が形成されてなるものであり、基板41、磁性層42を構成する材料、作製方法等はいずれも上記第1の実施形態のマスター担体のものと同様である。
【0059】
但し、本実施形態の磁気転写用マスター担体3’は、の基板41の凹凸パターン46の凸部上面47aのトラック方向幅Lは80nm以下であり、凸部上面47aに設けられて磁性層42の厚みMtとトラック方向幅Lとの関係が、Mt/L<2.0であり、かつ、基板41の凹部表面48aの凸部47内側への延長面48bと凸部47の側面47bとのなす該凸部47内側の角度θが、75°≦θ<90°である。なお、さらには、85°≦θ<90°かつ、Mt/L<1.6であることが望ましい。
【0060】
マスター担体3’は、基板41の凹凸パターン46が角度θが上記関係を満たす形状で形成されており、磁性層42がその厚みと凸部上面のトラック方向幅Lとが上記関係となるように形成されているため、磁性層成膜時に膜剥離を発生することなく良好な状態で磁性層42が被膜されている。したがって、このマスター担体3’を用いれば良好な再生信号品位を有する磁気パターンの転写が可能である。
【0061】
【実験結果】
次に、それぞれ異なる条件で作製したマスター担体について、磁性層成膜後の磁性層の被膜状態を観察して評価を行った実験結果について説明する。
【0062】
磁気転写用マスター担体は以下の手順で作製した。
【0063】
基板として、表面に微小凹凸パターンを有するNi基板を用いた。微小凹凸パターンの凸部上面のトラック方向幅Lとして、150nm、80nmおよび50nmのNi基板をそれぞれ複数枚作製した。さらに、このとき、基板の凹部表面の凸部内側への延長面と凸部の側面とのなす該凸部内側の角度θが、75°≦θ≦85°の基板と、85°≦θ≦90°の基板をそれぞれ作成した。いずれの基板も凹凸パターンの凸部高さ(溝深さ)は100nm、凸部の半径方向長さは100μmとした。
【0064】
磁性層成膜前に基板クリーニングを実施した。クリーニング方法としては、イオンビームガンによる酸素プラズマ処理を用い、Ar流量=O2流量=40sccm、加速電圧=85V、放電時間=30sec、の条件で実施した。本実験例は前記条件下でクリーニングを実施したが、実施形態としては、酸素プラズマ処理条件は、Ar流量=20〜80sccm、O2流量=20〜80sccm、放電時間=30〜300secの範囲であればよく、クリーニング後のNi基板表面エネルギーが75mN/m程度になっていることが好ましい。
【0065】
基板のクリーニング後、基板表面への磁性層の成膜を行った。磁性層成膜は、DCスパッタリング法を用い、ターゲットにはFe−Co(70−30at%)を使用して行った。なお、基板のクリーニングと磁性層成膜は、同チャンバー内で連続して行った。代表的な磁性層成膜条件として、圧力=0.29Pa(Ar流量=50sccm)、DCパワー=1.5kW、基板−ターゲット間距離を200mm、成膜圧力を0.29Paに設定した。
【0066】
凹凸パターンの凸部のトラック方向Lの複数の基板に対して、それぞれ異なる厚みの磁性層を成膜し、成膜後のマスター担体表面を電子顕微鏡で観察し、基板凸部上面の磁性層被膜状態(磁性層剥離状態)を観察した結果を表1および表2に示す。表1は75°≦θ<85°の内角θの基板を備えたマスター担体についての結果であり、表2は85°≦θ<90°の内角θの基板を備えたマスター担体についての結果を示すものである。凸部上面において膜剥離が全く見られない場合を良好(○)、凸部上面端部(パターンエッジ)における剥離面積が、全凸部上面における端部の1%以内であれば可(△)、凸部上面端部における剥離面積が1%より大きければ不良(×)として評価した。なお、表1および表2中()内は、各実験例におけるMt/Lの値である。
【0067】
【表1】
【表2】
表1に示すとおり、75°≦θ<85°であるマスター担体の場合は、Lにかかわらず、Mt/L<1.8であれば良好な結果が得られた。一方、Lが80nm、50nmの場合には、Mt/L<2.0であれば良好な結果が得られた。
【0068】
また、表2に示すとおり、85°≦θ<90°であるマスター担体の場合、Lが80nm、50nmについては、Mt/L<1.6のとき良好な結果が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁気転写用マスター担体の表面の一部斜視図
【図2】図1の磁気転写用マスター担体の断面図
【図3】マスター担体とスレーブ媒体とを示す斜視図
【図4】磁気転写装置の概略構成を示す斜視図
【図5】面内磁気記録媒体への磁気転写方法の基本工程を示す図
【図6】本発明の第2の実施形態に係る磁気転写用マスター担体の一部断面図
【符号の説明】
1 磁気転写装置
2 スレーブ媒体
2a スレーブ媒体の基板
2b,2c 磁性層(磁気記録層)
3,4 マスター担体
10 転写ホルダー
31 基板
32 磁性層
36 凹凸パターン
37 凸部
38 凹部
50 電磁石装置
55 磁界印加手段[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a magnetic transfer master carrier having a transfer pattern corresponding to information to be magnetically transferred to a slave medium, and a magnetic transfer method using the master carrier.
[0002]
[Prior art]
In general, with the increase in the amount of information, a magnetic recording medium is desired that has a large capacity for recording a large amount of information, is inexpensive, and can read out a necessary portion preferably in a short time and can perform so-called high-speed access. As an example of this, a high-density magnetic recording medium made of a flexible disk such as a hard disk or ZIP (Iomega Corporation) is known. These high-density magnetic recording media have an information recording area composed of narrow tracks. In order to reproduce a signal with a high S / N by accurately scanning a narrow track width with a magnetic head, a so-called tracking servo technique is used. It plays a big role.
[0003]
Servo information such as a track positioning servo signal, a track address signal, and a reproduction clock signal must be recorded in advance on the magnetic recording medium as a preformat when the magnetic recording medium is manufactured. As a method for accurately and efficiently performing this preformatting, for example, Patent Documents 1 and 2 propose a method of transferring a pattern carrying servo information formed on a master carrier to a magnetic recording medium by magnetic transfer. .
[0004]
Magnetic transfer corresponds to the transfer pattern of the master carrier by applying a magnetic field for transfer with the master carrier carrying the information to be transferred in close contact with a magnetic recording medium (slave medium) such as a magnetic disk medium. The magnetic pattern to be transferred is magnetically transferred to the slave medium, and can be recorded statically without changing the relative position of the master carrier and the slave medium, enabling accurate preformat recording. Moreover, there is an advantage that the time required for recording is extremely short.
[0005]
The master carrier includes a substrate on which a concavo-convex pattern corresponding to transfer information is formed and a magnetic layer provided on at least the convex portion of the substrate, or a substrate on which the concavo-convex pattern is formed and a concave portion of the substrate. A material composed of a magnetic layer embedded in the substrate has been proposed.
[0006]
[Patent Document 1]
JP 10-40544 A
[0007]
[Patent Document 2]
Japanese Patent Laid-Open No. 10-269566
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
The magnetic layer is generally formed by a sputtering method. However, as the track width of the upper surface of the concavo-convex portion of the substrate surface becomes shorter to increase the density, the problem of poor coating of the magnetic layer provided on the bulge portion. Therefore, there is a case where the magnetic layer cannot be coated on the convex portion of the minute uneven pattern having a track width of, for example, 100 nm or less. The coating state of the magnetic layer provided on the top surface of the convex portion affects the transfer quality, and if the magnetic layer is not formed in a good state on the top surface of the convex portion, a transfer failure will occur.
[0009]
In view of the above circumstances, an object of the present invention is to provide a magnetic transfer master carrier in which a good magnetic layer is formed and transfer defects are suppressed, and a magnetic transfer method using the master carrier.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
As a result of the comparison of the magnetic layer formation conditions and the concavo-convex shape by the present inventors, the magnetic layer film peeling is caused by the fact that the film stress of the magnetic layer becomes larger than the adhesion force between the substrate and the magnetic layer. It was found that the occurrence of (film defect) greatly depends on the relationship between the track width of the convex portion and the thickness of the magnetic layer. The present invention has been made based on this finding.
[0011]
A first magnetic transfer master carrier of the present invention includes a substrate having a pattern-like unevenness arranged in the track direction on the surface, and a magnetic layer provided on at least the upper surface of the protrusion on the substrate. A transfer master carrier,
When the width in the track direction of the upper surface of the convex portion is L and the thickness of the magnetic layer provided on the upper surface of the convex portion is Mt, Mt / L <1.8 and the concave surface of the substrate The angle θ inside the convex portion formed by the extension surface toward the inner side of the convex portion and the side surface of the convex portion is 75 ° ≦ θ <90 °.
[0012]
A second magnetic transfer master carrier of the present invention comprises a substrate having patterned irregularities arranged on the surface in the track direction, and a magnetic layer provided on at least the upper surface of the convex m portion on the substrate. A master carrier for magnetic transfer,
L is 80 nm or less, Mt / L <2.0, where L is the width in the track direction of the upper surface of the convex portion, and Mt is the thickness of the magnetic layer provided on the upper surface of the convex portion, and The angle θ inside the convex portion formed by the surface extending from the concave portion surface of the substrate to the convex portion inside and the side surface of the convex portion is 75 ° ≦ θ <90 °.
[0013]
When L is 80 nm or less, θ is more preferably 85 ° ≦ θ <90 ° and Mt / L <1.6.
[0014]
In addition, each magnetic transfer master carrier only needs to have the magnetic layer provided on at least the upper surface of the convex portion on the substrate, but it is more preferable that the magnetic layer is continuously formed along the unevenness of the substrate surface. desirable.
[0015]
The magnetic transfer method of the present invention applies a magnetic field to the recording medium and the master carrier in a state where the surface of the magnetic transfer master carrier of the present invention and the magnetic layer of the recording medium having a magnetic layer are in close contact. The information is transferred to the recording medium.
[0016]
【The invention's effect】
In the first magnetic transfer master carrier of the present invention, when the width in the track direction of the upper surface of the convex portion of the substrate having pattern-like irregularities on the surface is L and the thickness of the magnetic layer provided on the upper surface of the convex portion is Mt Mt / L <1.8, and the angle θ inside the convex portion formed by the surface extending from the convex portion inside the concave portion and the side surface of the convex portion is set to 75 ° ≦ θ <90 °. Thus, it is possible to effectively suppress peeling of the magnetic layer during the formation of the magnetic layer and to have a good magnetic layer coating. As the thickness Mt of the magnetic layer increases, the film stress increases and becomes easy to peel off. However, as the track width L increases, the contact area between the substrate and the magnetic layer increases, so that the adhesion between them increases. Therefore, by setting Mt / L <1.8, the film stress can be made smaller than the adhesion force between the substrate and the magnetic layer, and the magnetic layer can be satisfactorily formed while suppressing the peeling of the magnetic layer. .
[0017]
If θ is 90 ° or more, the magnetic layer cannot be continuously formed from the upper surface of the convex portion to the concave portion, so that the magnetic layer is easily peeled off, and the convex portion is smaller than θ of 90 °. It is considered that separation of the magnetic layer is suppressed because the magnetic layer easily deposits on the wall surface and the contact area between the magnetic layer and the substrate increases. On the other hand, if θ is less than 75 °, there is a problem that the quality of the transfer signal is lowered, which is not preferable.
[0018]
In the second magnetic transfer master carrier of the present invention, when the width in the track direction of the upper surface of the convex portion of the substrate having pattern-like irregularities on the surface is L and the thickness of the magnetic layer provided on the upper surface of the convex portion is Mt , L is 80 nm or less, Mt / L <2.0, and the angle θ inside the convex portion formed by the surface extending from the convex portion inside the concave portion and the side surface of the convex portion is 75 ° ≦ θ < By setting the angle to 90 °, it is possible to effectively suppress peeling of the magnetic layer during the formation of the magnetic layer and to have a good magnetic layer coating.
[0019]
That is, in the case where there are fine irregularities with a track direction width L of 80 nm or less, the film stress of the magnetic layer can be made smaller than the adhesion force of the substrate / magnetic layer by setting Mt / L <2.0. Magnetic layer peeling can be suppressed.
[0020]
When L is 80 nm or less and θ is set to 85 ° ≦ θ <90 ° and Mt / L <1.6, peeling can be suppressed and high-quality transfer quality can be obtained in the case of a fine uneven pattern. Can do. Since it is very fine, when the angle θ is 85 ° or more, the transfer pattern can be sharpened and the transfer quality can be improved. In particular, when θ is in the above range, it is possible to satisfactorily coat the magnetic layer by setting Mt / L <1.6.
[0021]
According to the magnetic transfer method of the present invention, since the above-mentioned master carrier for magnetic transfer of the present invention having a well-coated magnetic layer is used, a transfer medium with reduced transfer quality and high transfer quality is produced. be able to.
[0022]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
[0023]
FIG. 1 is a partial perspective view of the surface of the magnetic transfer master carrier of the present embodiment, and FIG. 2 is a partial cross-sectional view of the master carrier of FIG.
[0024]
The master carrier 3 of the present embodiment is formed in a disk shape as shown in FIG. 3 to be described later, and a pattern arranged on the surface in the track direction according to information to be transferred to a magnetic recording medium as a slave medium. Having a concavo-convex shape 36 (hereinafter referred to as a concavo-convex pattern 36) as a transfer pattern. The information to be transferred includes, for example, a servo signal, but may include other various data. A partial pattern of the concavo-convex pattern 36 is, for example, as shown in FIG. In FIG. 1, an arrow X indicates a circumferential direction (track direction), and an arrow Y indicates a radial direction.
[0025]
FIG. 2 is a cross-sectional view of the master carrier 3 shown in FIG. 1 taken along the line II-II, that is, a cross-sectional view taken along a plane perpendicular to the plane and parallel to the track direction X.
[0026]
The master carrier 3 has a thickness Mt satisfying Mt / L <1.8 on the upper surface 37a of the convex portion upper surface 37a on the surface of the substrate 31 having the concave and convex pattern 36 having a track direction width L of the upper surface 37a of the convex portion 37 on the surface. The magnetic layer 32 is formed. In the actual pattern, there are various lengths in the track direction of the convex portion 37, and the shortest one is L.
[0027]
In the present embodiment, the concave / convex pattern 36 of the substrate 31 of the master carrier 3 is formed on the inner side of the convex portion 37 formed by the extended surface 38b of the concave portion 38 surface 38a into the convex portion 37 and the side surface 37b of the convex portion 37. The angle θ is formed so as to satisfy 75 ° ≦ θ <90 °.
[0028]
In the master carrier 3, the concave / convex pattern of the substrate 31 is formed so that the angle θ satisfies the above relationship, and the thickness of the magnetic layer 32 and the track direction width L of the upper surface 37 a of the convex portion 37 have the above relationship. Thus, the magnetic layer 32 is coated in a good state without causing film peeling when the magnetic layer is formed. Therefore, if this master carrier 3 is used, a magnetic pattern having a good reproduction signal quality can be transferred.
[0029]
As the material of the substrate 31, Ni, Si, quartz plate, glass, Al, ceramics, synthetic resin, or the like is used. Particularly preferable as the substrate material is Ni or a ferromagnetic alloy containing Ni as a main component. The substrate 31 having a concavo-convex pattern on the surface can be produced using a stamper method, a photolithography method, or the like.
[0030]
An outline of a method for manufacturing the substrate 31 will be described. First, a photoresist is formed on a glass plate (or quartz plate) with a smooth surface by spin coating or the like, and laser light (or electron beam) modulated in response to a servo signal is irradiated while rotating the glass plate. Then, a predetermined pattern on the entire surface of the photoresist, for example, a pattern corresponding to a servo signal extending linearly in the radial direction from the center of rotation to each track is exposed to a portion corresponding to each frame on the circumference, and then the photoresist is applied. Development is performed to remove the exposed portion, and a master having a concavo-convex shape by a photoresist is obtained. Next, based on the concavo-convex pattern on the surface of the master, the surface is plated (electroformed) to produce a Ni substrate having a positive concavo-convex pattern and peeled off from the master.
[0031]
Alternatively, the master may be plated to produce a second master, and the second master may be used for plating to produce a substrate having a negative uneven pattern. Furthermore, the second master may be plated or a resin solution may be pressed and cured to produce a third master, and the third master may be plated to produce a substrate having a positive uneven pattern. .
[0032]
As the plating, various metal film forming methods including electroless plating, electroforming, sputtering, and ion plating can be applied. The height of the convex portion of the substrate (depth of the concave / convex pattern) is preferably in the range of 50 to 800 nm, more preferably 80 to 600 nm. When this uneven pattern is a sample servo signal, a rectangular convex portion that is longer in the radial direction than in the circumferential direction is formed. Specifically, the length in the radial direction is preferably 0.05 to 20 μm, and the circumferential direction is preferably 0.05 to 5 μm. The value of the servo signal is to select a value that has a longer shape in the radial direction within this range. It is preferable as a pattern for supporting.
[0033]
As the magnetic material for the magnetic layer 32, Co, Co alloy (CoNi, CoNiZr, CoNbTaZr, etc.), Fe, Fe alloy (FeCo, FeCoNi, FeNiMo, FeAlSi, FeAl, FeTaN), Ni, Ni alloy (NiFe) should be used. Particularly preferred are FeCo and FeCoNi. As the magnetic layer 32, a magnetic layer having a small coercive force such as soft magnetism or semi-hard magnetism can be used for better transfer. Furthermore, the magnetic layer 32 preferably has a saturation magnetization value higher than that of the substrate 31. The thickness of the magnetic layer (the thickness of the magnetic layer on the upper surface of the convex portion) Mt is preferably in the range of 50 to 500 nm, more preferably 80 to 300 nm. The thickness Mt is determined so as to satisfy the above-described Mt / L <1.8 in the relationship with the track direction width L of the upper surface of the convex portion of the concave / convex pattern.
[0034]
The magnetic layer 32 can be formed on the substrate 31 by using a sputtering method as described above, a magnetic material using a vacuum film forming means such as a vacuum deposition method or an ion plating method, a plating method, or the like.
[0035]
Note that a protective film such as diamond-like carbon (DLC) of 5 to 30 nm is preferably provided on the magnetic layer 32, and a lubricant layer may be further provided. Further, an adhesion reinforcing layer such as Si may be provided between the magnetic layer and the protective film. By providing the lubricant, it is possible to suppress the occurrence of scratches due to friction when correcting the deviation caused in the contact process with the slave medium, and to improve the durability.
[0036]
Next, an embodiment of a magnetic transfer method for transferring information to a slave medium using the magnetic transfer master carrier of the present invention will be described.
[0037]
FIG. 3 is a perspective view showing the slave medium 2 and the master carriers 3 and 4. The slave medium is, for example, a disk-shaped magnetic recording medium such as a hard disk or a flexible disk having a magnetic recording layer formed on both sides or one side. Further, in the present embodiment, the recording surface 2b, 2c provided with the in-plane magnetic recording layer 22 on both surfaces of the disc-shaped substrate 21 is shown.
[0038]
The master carrier 3 is the same as that shown in the above embodiment, and a concavo-convex pattern corresponding to the servo signal is formed in the servo area 35 as the concavo-convex pattern for the lower recording surface 2b of the slave medium 2. Further, the master carrier 4 is formed with an uneven pattern for the upper recording surface 2 c of the slave medium 2, which has the same layer structure as the master carrier 3.
[0039]
Although FIG. 3 shows a state where the magnetic recording medium 2 and the master carriers 3 and 4 are separated from each other, the actual magnetic transfer is performed by using the transfer patterns of the recording surfaces 2 b and 2 c of the magnetic recording medium 2 and the master carriers 3 and 4. This is done with the surface in close contact.
[0040]
FIG. 4 is a perspective view showing a schematic configuration of a magnetic transfer apparatus for performing magnetic transfer using the magnetic transfer master carrier of the present invention. The magnetic transfer apparatus 1 obtains an adhesive force by vacuum-sucking the air in the internal space of the transfer holder 10 that holds the master carrier 3 and 4 and the slave medium 2 in close contact with each other and the internal space of the transfer holder 10 to obtain an adhesive force (not shown) A contact pressure applying means including a vacuum suction means and a magnetic field applying means 55 for applying a transfer magnetic field while rotating the transfer holder 10 are provided.
[0041]
The magnetic field applying means 55 includes electromagnet devices 50, 50 disposed on both sides of the transfer holder 10, and a coil 53 is wound around a core 52 having a gap 51 extending in the radial direction of the transfer holder 10 of the electromagnet device 50. It will be. Both electromagnet devices 50, 50 generate magnetic fields in the same direction parallel to the track direction. Further, the magnetic field applying means 55 may be constituted by a permanent magnet device instead of the electromagnet device. The magnetic field applying means in the case of perpendicular recording can be composed of electromagnets or permanent magnets having different polarities disposed on both sides of the transfer holder 10. That is, in the case of perpendicular recording, a transfer magnetic field is generated in a direction perpendicular to the track surface.
[0042]
Further, the magnetic field applying unit 55 is configured so that the electromagnet devices 50 and 50 on both sides move toward and away from each other or the transfer holder 10 is inserted between the electromagnet devices 50 and 50 so as to allow the opening and closing operation of the transfer holder 10. The electromagnet devices 50 and 50 or the holder 10 are adapted to move.
[0043]
The transfer holder 10 includes a left-side holder 11 and a right-side other holder 12 that can be moved toward and away from each other, and the slave medium 2 and the master carrier 3 are accommodated in an internal space formed therein. The slave medium 2 and the master carrier 3 are overlapped and brought into close contact with each other in a state where the center positions are matched by the decompression of the internal space.
[0044]
One master carrier 3 and slave medium 2 for transferring information such as servo signals to one surface of the slave medium 2 are held by suction or the like on the pressing surface of the one side holder 11, and the slave surface is The other master carrier 4 for transferring information such as servo signals to the other surface of the medium 2 is held by suction or the like.
[0045]
Support shafts project from the center positions of the back surfaces of the one-side holder 11 and the other-side holder 12, are supported by the apparatus main body, are linked to a rotation mechanism, and are rotated during magnetic transfer.
[0046]
In addition, the internal space of the transfer holder 10 is depressurized to a predetermined degree of vacuum at the time of close contact to obtain close contact between the slave medium 2 and the master carriers 3 and 4, and the close contact surface is vented to improve the close contact. In addition to increasing the pressure, compressed air is introduced when the atmosphere is released and when it is peeled off. In addition to applying vacuum suction, the transfer holder may be mechanically pressurized from the outside in order to apply adhesion.
[0047]
Next, a magnetic transfer method using the magnetic transfer apparatus 1 will be described. The transfer holder 10 of the magnetic transfer apparatus performs magnetic transfer to a plurality of slave media 2 by a set of master carriers 3 and 4. First, the master carriers 3 and 4 are respectively attached to the one-side holder 11 and the other-side holder 12. Keep the position aligned. Then, in a state where the one-side holder 11 and the other-side holder 12 are separated from each other, the slave medium 2 that has been initially magnetized in advance in one of the in-plane direction and the vertical direction is set with the center position aligned, The holder 11 is moved close to the closed state. The internal space of the transfer holder 10 containing the slave medium 2 and the master carriers 3 and 4 is depressurized by vacuum suction, and the slave medium 2 and the master carriers 3 and 4 are evenly adhered to each other by applying an even adhesion force. In order to apply the adhesion, in addition to vacuum suction, the transfer holder may be mechanically pressurized from the outside.
[0048]
Thereafter, the electromagnet device 50 is brought close to both sides of the transfer holder 10, and a magnetic field for transfer is applied in a direction almost opposite to the initial magnetization by the electromagnet device 50 while rotating the transfer holder 10, and magnetization according to the transfer pattern of the master carrier 3. The pattern is transferred and recorded on the magnetic recording layer of the slave medium 2.
[0049]
FIG. 5 is a diagram for explaining a basic process of magnetic transfer to the in-plane magnetic recording medium. FIG. 5A is a process of applying a magnetic field in one direction to initially DC magnetize the slave medium. ) Is a process of applying a magnetic field in a direction substantially opposite to the initial DC magnetic field by closely contacting the master carrier and the slave medium, and (c) is a diagram showing a state of the recording / reproducing surface of the slave medium after magnetic transfer. In FIG. 5, only the lower recording surface 2b side of the slave medium 2 is shown.
[0050]
As shown in FIG. 5A, an initial direct current magnetic field Hin in one direction of the track is applied to the slave medium 2 in advance to cause the magnetic recording layer 22 to undergo initial direct current magnetization. Thereafter, as shown in FIG. 5 (b), the recording surface 2b of the slave medium 2 and the transfer pattern surface of the master carrier 3 are brought into close contact with each other, and in the track direction of the slave medium 2, the direction of the initial DC magnetic field Hin is opposite. A transfer magnetic field Hdu is applied. At the place where the transfer pattern of the slave medium 2 and the master carrier 3 is in close contact, the transfer magnetic field Hdu is sucked into the convex portion of the master carrier 3, and the magnetization of the slave medium 2 corresponding to this portion is not reversed and other portions The initial magnetization is reversed. As a result, as shown in FIG. 5C, information (for example, servo signals) corresponding to the uneven pattern of the master carrier 3 is magnetically transferred and recorded on the magnetic recording layer 22 of the lower recording surface 2b of the slave medium 2. Is done. Here, the magnetic transfer by the lower master carrier 3 to the lower recording surface 2b of the slave medium 2 has been described, but the upper recording surface 2c of the magnetic recording medium 2 is also brought into close contact with the upper master carrier 4 in the same manner. I do. Note that the magnetic transfer to the upper and lower recording surfaces 2b and 2c of the magnetic recording medium 2 may be performed simultaneously or sequentially one by one.
[0051]
Note that the initial DC magnetic field and the transfer magnetic field need to adopt values determined in consideration of the coercivity of the slave medium, the relative permeability of the master carrier and the slave medium, and the like.
[0052]
The basic process of magnetic transfer shown in FIG. 5 is for the case where the slave medium is an in-plane recording medium. However, when the slave medium is a perpendicular recording medium, the initial magnetization direction and the application of the transfer magnetic field are applied. The direction may be a direction perpendicular to the surface. In the case of perpendicular recording, the initial magnetization of the portion in close contact with the convex portion of the master carrier is reversed and the initial magnetization of the other portion is not reversed. As a result, the magnetization pattern corresponding to the concavo-convex pattern is transferred.
[0053]
As the slave medium 2, a disk-shaped magnetic recording medium having a coating type magnetic recording layer or a metal thin film type magnetic recording layer, such as a hard disk or a high-density flexible disk, can be used.
[0054]
In the case of a magnetic recording medium having a metal thin film type magnetic recording layer, Co, Co alloy (CoPtCr, CoCr, CoPtCrTa, CoPtCrNbTa, CoCrB, CoNi, Co / Pd, etc.), Fe, Fe alloy (FeCo FePt, FeCoNi) can be used. The magnetic layer preferably has a high magnetic flux density, and has magnetic anisotropy in the in-plane direction for in-plane recording and in the vertical direction for perpendicular recording, because clear transfer can be achieved. The preferred magnetic layer thickness is 10 to 500 nm, more preferably 20 to 200 nm.
[0055]
In addition, a nonmagnetic underlayer is preferably provided under the magnetic layer (on the substrate side) in order to give the magnetic layer the necessary magnetic anisotropy. As the underlayer, Cr, CrTi, CoCr, CrTa, CrMo, NiAl, Ru, Pd, etc. can be used, but the crystal structure and lattice constant coincide with the crystal structure and lattice constant of the magnetic layer provided thereon. You need to choose what you want. The thickness of the preferable nonmagnetic layer is 10 to 150 nm, more preferably 20 to 80 nm.
[0056]
Further, in the case of a perpendicular magnetic recording medium, a soft magnetic backing layer may be provided under the nonmagnetic underlayer in order to stabilize the perpendicular magnetization state of the magnetic layer and improve the sensitivity during recording and reproduction. . As this backing layer, NiFe, CoCr, FeTaC, FeAlSi, or the like can be used. The thickness of the preferable backing layer is 50 to 2000 nm, more preferably 60 to 400 nm.
[0057]
Next, a partial sectional view of the magnetic transfer master carrier according to the second embodiment of the present invention will be described with reference to FIG. Since the magnetic transfer method using the master carrier of the second embodiment is the same as that of the first embodiment, detailed description is omitted.
[0058]
As shown in FIG. 6, the magnetic transfer master carrier 3 ′ of the second embodiment has a convex portion on the surface of a substrate 41 having a concave and convex pattern 46 having a track direction width L on the convex portion 47 upper surface 47 a on the surface. The magnetic layer 42 is formed with a thickness Mt satisfying Mt / L <1.8 on the upper surface 47a of the substrate 47, and the material and the manufacturing method of the substrate 41 and the magnetic layer 42 are all the above-mentioned first. It is the same as that of the master carrier of the embodiment.
[0059]
However, in the magnetic transfer master carrier 3 ′ of this embodiment, the track direction width L of the convex upper surface 47a of the concave / convex pattern 46 of the substrate 41 is 80 nm or less, and the magnetic transfer master carrier 3 ′ is provided on the convex upper surface 47a. The relationship between the thickness Mt and the track direction width L is Mt / L <2.0, and the extension surface 48b of the concave portion surface 48a of the substrate 41 to the inside of the convex portion 47 and the side surface 47b of the convex portion 47 are formed. The angle θ inside the convex portion 47 is 75 ° ≦ θ <90 °. Further, it is desirable that 85 ° ≦ θ <90 ° and Mt / L <1.6.
[0060]
In the master carrier 3 ′, the concave / convex pattern 46 of the substrate 41 is formed in such a shape that the angle θ satisfies the above relationship, and the thickness of the magnetic layer 42 and the track direction width L of the upper surface of the convex portion have the above relationship. Therefore, the magnetic layer 42 is coated in a good state without causing film peeling when the magnetic layer is formed. Therefore, when this master carrier 3 'is used, a magnetic pattern having a good reproduction signal quality can be transferred.
[0061]
【Experimental result】
Next, experimental results obtained by observing and evaluating the coating state of the magnetic layer after the formation of the magnetic layer for the master carriers produced under different conditions will be described.
[0062]
A master carrier for magnetic transfer was prepared by the following procedure.
[0063]
As the substrate, a Ni substrate having a micro uneven pattern on the surface was used. A plurality of 150 nm, 80 nm, and 50 nm Ni substrates were prepared as the track direction width L on the upper surface of the convex portion of the fine concavo-convex pattern. Furthermore, at this time, the angle θ inside the convex portion formed by the surface extending from the concave portion surface to the convex portion inside and the side surface of the convex portion is 75 ° ≦ θ ≦ 85 °, and 85 ° ≦ θ ≦. Each 90 ° substrate was prepared. In any substrate, the height (groove depth) of the concavo-convex pattern was 100 nm, and the radial length of the bulge was 100 μm.
[0064]
Substrate cleaning was performed before forming the magnetic layer. As a cleaning method, oxygen plasma treatment using an ion beam gun is used, and Ar flow rate = O. 2 The flow rate was 40 sccm, the acceleration voltage was 85 V, and the discharge time was 30 seconds. In this experimental example, cleaning was performed under the above-described conditions. As an embodiment, the oxygen plasma treatment conditions were Ar flow rate = 20 to 80 sccm, O 2 The flow rate may be in the range of 20 to 80 sccm and the discharge time may be in the range of 30 to 300 sec. The Ni substrate surface energy after cleaning is preferably about 75 mN / m.
[0065]
After cleaning the substrate, a magnetic layer was formed on the substrate surface. The magnetic layer was formed by using a DC sputtering method and using Fe—Co (70-30 at%) as a target. The substrate cleaning and the magnetic layer deposition were performed continuously in the same chamber. As typical magnetic layer deposition conditions, pressure = 0.29 Pa (Ar flow rate = 50 sccm), DC power = 1.5 kW, substrate-target distance was set to 200 mm, and deposition pressure was set to 0.29 Pa.
[0066]
Magnetic layers having different thicknesses are formed on a plurality of substrates in the track direction L of the convex portions of the concavo-convex pattern, and the surface of the master carrier after the film formation is observed with an electron microscope. The results of observing the state (magnetic layer peeling state) are shown in Tables 1 and 2. Table 1 shows the results for a master carrier having a substrate having an inner angle θ of 75 ° ≦ θ <85 °, and Table 2 shows the results for a master carrier having a substrate having an inner angle θ of 85 ° ≦ θ <90 °. It is shown. Good when no film peeling is observed on the upper surface of the convex part (◯), acceptable if the peeling area at the upper edge part (pattern edge) of the convex part is within 1% of the edge part on the upper surface of all convex parts (Δ) When the peeled area at the upper end of the convex portion was larger than 1%, it was evaluated as defective (x). In Tables 1 and 2, the values in parentheses are the values of Mt / L in each experimental example.
[0067]
[Table 1]
[Table 2]
As shown in Table 1, in the case of a master carrier in which 75 ° ≦ θ <85 °, good results were obtained if Mt / L <1.8 regardless of L. On the other hand, when L was 80 nm and 50 nm, good results were obtained if Mt / L <2.0.
[0068]
Further, as shown in Table 2, in the case of a master carrier where 85 ° ≦ θ <90 °, good results were obtained when L was 80 nm and 50 nm when Mt / L <1.6.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a partial perspective view of the surface of a master carrier for magnetic transfer.
2 is a cross-sectional view of the magnetic transfer master carrier of FIG.
FIG. 3 is a perspective view showing a master carrier and a slave medium.
FIG. 4 is a perspective view showing a schematic configuration of a magnetic transfer apparatus.
FIG. 5 is a diagram showing basic steps of a magnetic transfer method to an in-plane magnetic recording medium.
FIG. 6 is a partial cross-sectional view of a magnetic transfer master carrier according to a second embodiment of the present invention.
[Explanation of symbols]
1 Magnetic transfer device
2 Slave media
2a Slave media board
2b, 2c Magnetic layer (magnetic recording layer)
3,4 Master carrier
10 Transfer holder
31 substrates
32 Magnetic layer
36 Uneven pattern
37 Convex
38 recess
50 Electromagnet device
55 Magnetic field application means