JP2005010730A - 透過型スクリーン及び投写型表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】レンズシート内での不所望な反射による迷光の影響を低減でき、画質の向上が図れる透過型スクリーン及び投写型表示装置を提供する。
【解決手段】この透過型スクリーン111では、ガラスにより形成された前面板11に水平レンチキュラーレンズシート12を貼り合わせて高い剛性を有する水平レンチキュラーレンズ板10を形成し、その水平レンチキュラーレンズ板10に対してフレネルレンズシート20を張力を付与した状態で金属枠30により固定している。
【選択図】図6
【解決手段】この透過型スクリーン111では、ガラスにより形成された前面板11に水平レンチキュラーレンズシート12を貼り合わせて高い剛性を有する水平レンチキュラーレンズ板10を形成し、その水平レンチキュラーレンズ板10に対してフレネルレンズシート20を張力を付与した状態で金属枠30により固定している。
【選択図】図6
Description
本発明は、デジタル・マイクロミラー・デバイス(Digital Micromirror Device)や透過型液晶パネル及び反射型液晶パネル等のライトバルブを用いた投写型表示装置に用いられる透過型スクリーン、及びそれを用いた投写型表示装置に関する。
従来の透過型スクリーンにおいては、アクリル樹脂からなる投写光束入射側が平坦面となるように配設したフレネルレンズスクリーンと、同じくアクリル樹脂からなる垂直方向配光用レンチキュラーレンズスクリーンと、同じくアクリル樹脂からなる水平方向配光用レンチキュラーレンズスクリーンとから透過型スクリーンを構成している(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上述の従来技術では、樹脂製の板状部材によりフレネルレンズスクリーンを形成するため、レンズスクリーンの厚みが大きい。このため、レンズスクリーンを正当に通過せずに、レンズスクリーン内で何度か反射されて実像から離れた位置にて観測者側に出射する迷光成分の影響が大きくなり、画像劣化が生じている(この迷光成分による画像劣化の発生原理は、実施の形態にて詳細に説明する)。
また、上述の従来技術では、各レンズスクリーンにたわみが生じ、レンズスクリーンの平面度が損なわれるおそれがある。このようなレンズスクリーンのたわみは、画像の画質劣化の原因となる(この点についても実施の形態にて詳述する)。
本発明は、かかる問題点を鑑みてなされたものであり、レンズシート内での不所望な反射による迷光の影響を低減でき、画質の向上が図れる透過型スクリーン及び投写型表示装置を提供することを第1の目的とする。
また、温湿度の影響等により生じるレンズシートの変形量を抑制することができ、画質の向上が図れる透過型スクリーン及び投写型表示装置を提供することを第2の目的とする。
請求項1に記載の発明に係る透過型スクリーンは、投写光束を観測者側に集光する作用を有するフレネルレンズと、入射光を水平方向に屈折させる作用を有する水平レンチキュラーレンズとが設けられる透過型スクリーンであって、樹脂基材の一方の面に前記水平レンチキュラーレンズが形成された水平レンチキュラーレンズシートと、光透過性を有する高剛性の材料により板状に形成された基板部材とが重ね合わされて構成された水平レンチキュラーレンズ板と、前記水平レンチキュラーレンズ板の前記投写光束の入射側に配置され、樹脂基材の一方の面に前記フレネルレンズが形成されたフレネルレンズシートと、前記フレネルレンズシートと前記水平レンチキュラーレンズ板とを固定する固定具と、を備える。
請求項20に記載の発明に係る透過型スクリーンは、入射した投写光束を観測者側に透過させる透過型スクリーンであって、樹脂で形成された薄いシート状の形態を有し、入射した前記投写光束を略平行な光に変換して前記観測者側に出射させるフレネルレンズシートと、前記フレネルレンズシートと対向して配置され、入射した前記投写光束を水平方向又は垂直方向に屈折させるレンチキュラーレンズ板と、を備える。
請求項1に記載の透過型スクリーンによれば、高い剛性を有する材料により板状に形成された基板部材に水平レンチキュラーレンズシートを貼り合わせて高い剛性を有する水平レンチキュラーレンズ板を形成し、その水平レンチキュラーレンズ板に対してフレネルレンズシートを固定具により固定している。このため、透過型スクリーンの剛性(強度)の低下を生じることなく、フレネルレンズシートの厚みを薄くして、フレネルレンズシート内での不所望な反射による迷光の影響を低減でき、画質の向上が図れる。
請求項20に記載の透過型スクリーンによれば、フレネルレンズシートが樹脂で形成された薄いシート状の形態を有しているため、フレネルレンズシート内での不所望な反射による迷光の影響を低減でき、画質の向上が図れる。
また、薄くすることにより、フレネルレンズシートの線膨張係数を金属なみに低減できる。その結果、フレネルレンズシートを金属製の枠体により保持する場合に、枠体とフレネルレンズシートとの熱膨張差によってフレネルレンズシートにたわみが生じ、たわみの影響により画質が劣化するのを防止することができる。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1に係る透過型スクリーンの観測者側から見た一部破断正面図であり、図2は図1のA−A線に沿った横断面図である。本実施の形態1に係る透過型スクリーン111は、図1及び図2に示すように、水平レンチキュラーレンズ板10と、フレネルレンズシート20とを備えている。
図1は本発明の実施の形態1に係る透過型スクリーンの観測者側から見た一部破断正面図であり、図2は図1のA−A線に沿った横断面図である。本実施の形態1に係る透過型スクリーン111は、図1及び図2に示すように、水平レンチキュラーレンズ板10と、フレネルレンズシート20とを備えている。
水平レンチキュラーレンズ板10は、ガラス基材で形成された前面板(基板部材)11と、入射光を水平方向に屈折させる作用を有する水平レンチキュラーレンズシート12とが貼り合わされて構成されている。水平レンチキュラーレンズシート12は、シート状の樹脂基材13の片面に水平レンチキュラーレンズ14が形成されて構成され、レンズ14が設けられる面(レンズ面)と反対側の平坦面が前面板11と対応するようにして、透明な接着剤15により前面板11に貼り合わされている。水平レンチキュラーレンズ14は、上下方向に沿って延設され、略蒲鉾形の断面形状を有する複数のレンズ部14a(図3参照)によって構成されている。
水平レンチキュラーレンズ14の形成は、例えば、予め作成された樹脂基材13と紫外線硬化性樹脂とをレンズ形成用の金型上に配置し、紫外線照射を行い、紫外線硬化性樹脂を硬化させることにより行われる。樹脂基材13は、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂等により形成される。なお、水平レンチキュラーレンズ14の形成は、紫外線硬化性樹脂を用いる方法に限定されず、押し出し成型による方法も可能である。
また、水平レンチキュラーレンズシート12の平坦面には、図3に示すように、水平レンチキュラーレンズ14の延設方向に沿って延びる複数の黒色遮光層16がストライプ状に設けられている。この黒色遮光層16は、シート12の平坦面上において、水平レンチキュラーレンズ14の各レンズ部14aに対応して、その各レンズ部14aによって正当に集光された光(投写光束115)が通過する領域(集光部)以外の領域に設けられている。この黒色遮光層16により、水平レンチキュラーレンズシート12を透過する入射光のうち、各レンズ部14aによって正当に集光された投写光束115以外の光を効果的に遮断することができ、表示画像のコントラストの向上等が図れる。
この水平レンチキュラーレンズシート12に入射した投写光束115は、図3に示すように、各レンズ部14aによって屈折されて一旦集光された後、水平方向に拡散される。
また、本実施の形態1では、水平レンチキュラーレンズシート12と前面板11とを接着する接着剤15(接着層)に、光拡散材が混入されている。この混入された光拡散材により、投写光束115が効果的に四方に拡散され、これによって、垂直レンチキュラーレンズを使用しなくとも、スクリーン111の視野角が水平方向だけでなく、上下方向にも拡大される。本実施の形態1の変形例として、接着層(15)の代わりに、水平レンチキュラーレンズシート12又はフレネルレンズシート20に光拡散材を混入させてもよく、あるいは、接着層(15)、水平レンチキュラーレンズシート12及びフレネルレンズシート20のうちの2つ以上に光拡散材を混入させてもよい。
また、水平レンチキュラーレンズ板10の少なくとも片面には、ハードコート処理、帯電防止処理、反射防止処理のうち少なくとも1つの処理が施されている。
フレネルレンズシート20は、図2及び図4に示すように、シート状の樹脂基材21の一方の面にフレネルレンズ22が形成されて構成されている。フレネルレンズ22の形成は、例えば、予め作成された樹脂基材21と紫外線硬化性樹脂とをレンズ形成用の金型上に配置し、紫外線照射を行い、紫外線硬化性樹脂を硬化させることにより行われる。樹脂基材21は、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂等により形成される。なお、フレネルレンズ22の形成は、紫外線硬化性樹脂を用いる方法に限定されず、押し出し成型による方法も可能である。
フレネルレンズ22は、図4及び図5に示すように、同心円状の屈折フレネルレンズ部23と、同心円状の全反射フレネルレンズ部24とからなる屈折全反射構造25が所定のピッチPで複数列設けられて構成されている。屈折フレネルレンズ部23は、入射する投写光束115を屈折する屈折斜面26と、その屈折斜面26の内周側に隣接配置される無効ファセット面27との組み合わせにより構成される。全反射フレネルレンズ部24は、投写光束115を透過させる透過斜面28と、その透過斜面28の外周側に隣接配置され、透過斜面28を透過した投写光束115を全反射する全反射傾斜面29との組み合わせにより構成される。
フレネルレンズシート20におけるフレネルレンズ22の構成及び配設位置については、この透過型スクリーン111が適用される投写型表示装置の構成に応じて、光利用効率のよい構成を選択する必要がある。
なお、本実施の形態1では、屈折フレネルレンズ部23及び全反射フレネルレンズ部24とによってフレネルレンズ22を構成したが、屈折フレネルレンズ部23又は全反射フレネルレンズ部24のいずれか一方のみによってフレネルレンズ22を構成してもよい。
また、本実施の形態1では、フレネルレンズ22をフレネルレンズシート20の光入射側に配置される面に設けたが、レンズ22をシート20の光出射側に配置される面に設けるようにしてもよい。その場合のフレネルレンズ22の構成については、全反射フレネルレンズ部24のみ、及び屈折フレネルレンズ部23のみ、及び全反射フレネルレンズ部24と屈折フレネルレンズ部23との組み合わせのいずれの構成を採用してもよい。
このようなフレネルレンズ22に入射した投写光束115は、フレネルレンズ22のレンズ作用により略平行な光に変換される。
また、本実施の形態1では、フレネルレンズシート20の少なくとも片面には、反射防止処理が施されている。
水平レンチキュラーレンズ板10とフレネルレンズシート20とは、図1及び図6に示すように、固定具である金属枠30によって互いに固定されている。この固定状態において、水平レンチキュラーレンズ板10とフレネルレンズシート20とは、水平レンチキュラーレンズ板10の水平レンチキュラーレンズ14が設けれたレンズ面と、フレネルレンズシート20の前記平坦面とが隙間40をあけて互いに対向するように配置されて固定されている。なお、隙間40を設けるのは、水平レンチレンチキュラーレンズ板10とフレネルレンズシート20との間に空気層を形成するためのものである。
本実施形態では、2つの金属枠30によって水平レンチキュラーレンズ板10とフレネルレンズシート20とを上下の端縁部で固定しているが、左右の端縁部を固定するようにしてもよく、あるいは、1又は複数の金属枠30を用いて水平レンチキュラーレンズ板10とフレネルレンズシート20とを上下左右の全周に渡って固定するようにしてもよい。
金属枠30の具体的な構成及び固定形態については種々の形態が考えられるが、一例として図6に示すものが考えられる。この図6の構成では、水平レンチキュラーレンズ板10の上下端面に、略板状の金属枠30が接着剤31により固定され、その金属枠30にフレネルレンズシート20の上下端部がネジ32及びナット33等によって固定されている。この場合、フレネルレンズシート20の上下の端部には、投写光束115の入射側に向けて直角方向に延設された固定部20aが設けられており、その固定部20aがネジ32等によって金属枠30に固定されるようになっている。
このような固定状態において、フレネルレンズシート20は、水平レンチキュラーレンズ板10と所定の隙間40をあけて平行になるように所定の張力を付与された状態で固定されている。このため、フレネルレンズシート20は平坦な状態で水平レンチキュラーレンズ板10と固定されている。
ここで、金属枠30の金属材料とフレネルレンズシート20の樹脂基材21の樹脂材料とは、線膨張係数の近い材料が選択される。実際には、金属枠30を形成する金属材料が決定されると、その金属材料と線膨張係数が近い樹脂材料が樹脂基材21の材料として選択される。具体的には、例えば金属枠30の材料としてアルミニウムが採用された場合には、樹脂基材21の材料としてはポリエチレンテレフタレートが採用される。アルミニウムの線膨張係数は23×10-6/Kであるのに対して、ポリエチレンテレフタレートの線膨張係数は25×10-6/Kであり、両者の線膨張係数は互いに近似している。
このため、温湿度の影響によって金属枠30及びフレネルレンズシート20が膨張した場合であっても、金属枠30及びフレネルレンズシート20の変形量がほぼ等しい量になり、フレネルレンズシート20にたわみ等が生じるのを防止できるようになっている。
このような構成の透過型スクリーン111は、水平レンチキュラーレンズ板10の前面板11が観測者側に面するように設定される。
図7は図1の透過型スクリーン111が用いられる斜め投写方式の投写型表示装置110を側面から見た構成を模式的に示す図である。この投写型表示装置110は、反射型ライトバルブ(図示せず)を用いるものであり、図7に示すように、投写光学系112から出射した光束115が反射鏡113で反射された後、下から打ち上げる方向で平面ミラー114に入射し、平面ミラー114で反射された後、透過型スクリーン111に入射される。透過型スクリーン111に入射した光束115は、スクリーン111に備えられるフレネルレンズシート20により略平行な光に変換された後、水平レンチキュラーレンズシート12により水平方向に拡散され、前面板11を介して観測者側に出射されるようになっている。また、水平レンチキュラーレンズシート12と前面板11との間の接着層(15)に混入された光拡散材によっても、光束115が四方に拡散されるようになっている。
ここで、反射鏡113は、投写光束115を収差特性の劣化を抑制しつつ大きく拡大して反射するために、非球面で構成することも可能である。
本実施の形態1においては、薄型化を実現するために、平面ミラー114をスクリーン111と平行に配置しているが、平面ミラー114を透過型スクリーン111に対していくらか傾けて配置して構成してもよい。このように、スクリーン111に投写される投写光束の光軸がスクリーン111の法線方向に対して斜めに傾いている投写方式を「斜め投写方式」と呼ぶこととする。
また、本実施の形態1に係る透過型スクリーン111を図8に示す中心投写方式の投写型表示装置110Aに適用することも可能である。この投写型表示装置110Aは、一般的に採用されているものであり、図8に示すように、平面ミラー114が、透過型スクリーン111の法線方向に対して45度に傾斜配置されている。このため、この投写型表示装置110Aでは、投写光学系112によって下方から平面ミラー114に出射された光束115は、平面ミラー114によって反射されて透過型スクリーン111に90度の方向から入射し、透過型スクリーン111を透過して観測者側に出射する。
しかし、この中心投写方式を用いた投写型表示装置110Aは、図8からも分かるように、大面積の平面ミラー114が必要であるとともに、平面ミラー114を傾けて配置するために、図7の表示装置110に比して、表示装置110Aの薄型化を実現することが難しいという特性を有している。
なお、図8の投写型表示装置110Aでは、平面ミラー114を透過型スクリーン111の法線方向から45度傾けて配置しているが、特に45度に限定するものではなく、例えば40度に傾斜配置してもよい。
図9は図7の投写型表示装置110における投写光束115の透過型スクリーン111への入射角度を概念的に示す図であり、図10は図8の投写型表示装置110Aにおける投写光束115の透過型スクリーン111への入射角度を概念的に示す図である。なお、本来なら投写型表示装置110,110Aは平面ミラー114を用いて投写光束115を折り返す構成であるが、透過型スクリーン111への入射角度を概略的に知るために、図9及び図10においては、投写光学系112から透過型スクリーン111に直接投写する直投レイアウトにより示している。
まず、図9の構成において、透過型スクリーン111の横寸法をW、縦寸法をH、投写光学系112の投写光軸から透過型スクリーン111の下端までの距離をS、透過型スクリーン111の下端より距離Sの位置から投写光学系112の瞳までの距離をLとすると、この条件に応じて、投写光学系112の瞳位置から出射された投写光束115の透過型スクリーン111の中心への入射角度θ1、透過型スクリーン111の左右上端のコーナ部への入射角度θ2、透過型スクリーン111の中央下端への入射角度θ3が決定される。このとき、入射角度θ1は0度よりも大きな値となり、入射角度θ2が光束115のスクリーン111への最大入射角となり、入射角度θ3が光束115のスクリーン111への最小入射角度となる。
また、図10の構成においては、中心投写方式が採用されるため、投写光学系112の投写光軸と透過型スクリーン111の中心とは一致しており、スクリーン111から距離Lだけ離れた投写光学系112の瞳位置から出射された投写光束115の透過型スクリーン111の中心への入射角度θ4が最小入射角度(0度)となり、投写光束115のスクリーン111の四隅への入射角度が透過型スクリーン111への最大入射角θ5となる。
図9に示す構成における中心入射角度θ1、最大入射角度θ2及び最小入射角度θ3は次の(1)式で、図10に示す構成における最大入射角度θ5は次の(2)式で算出される。
例えば、透過型スクリーン111の対角寸法が60インチの投写型表示装置110においては、図9の斜め投写方式を採用した場合、透過型スクリーン111の対角寸法X、アスペクト比A、横寸法W、縦寸法H、投写光学系112の投写光軸から透過型スクリーン111の下端までの距離S、透過型スクリーン111の下端より距離Sの位置から投写光学系112の瞳までの距離L、透過型スクリーン111への中心入射角度θ1及び最大入射角度θ2、最小入射角度θ3の関係を表1に示す。
また、透過型スクリーン111の対角寸法が60インチの投写型表示装置110において、図10の中心投写方式を採用した場合の透過型スクリーン111の対角寸法X、アスペクト比A、横寸法W、縦寸法H、透過型スクリーン111の中心から投写光学系112の瞳までの距離L、透過型スクリーン111への中心入射角度θ4及び最大入射角度θ5の関係を表2に示す。なお、中心投写方式の場合、図8からも明らかなように中心入射角度θ4が最低入射角度となり0度で入射される。また、投写光学系112によって投写光束115が遮られるのを避けるために透過型スクリーン111の中心から投写光学系112の瞳までの距離Lを、斜め投写方式よりも長く構成する必要がある。
表1と表2の比較からも分かるように、投写型表示装置110の薄型化を実現するために斜め投写方式を採用すると、透過型スクリーン111への中心入射角度が0度ではなくかつ例えば47.9度と大きな角度となるとともに、最大入射角度θ2が中心投写方式における最大入射角度θ5と比較して大きくなるように構成される。
次に、温湿度の影響を受けフレネルレンズシート20の中央部が観測者側に膨れることによる影響について、図11を参照して説明する。本来フレネルレンズシート20が平面性を保って保持されている場合には、図11に示すように、投写光束115はフレネルレンズシート20上の115Aの位置に入射する。しかし、フレネルレンズシート20の周辺部が固定保持された状態において、温湿度の影響を受けた場合には、図11におけるフレネルレンズシート20Aのように中央部が観測者側又は入射側に膨れてしまう。この場合、シート20Aの中央部において最も大きなたわみ量L2が発生するため、光束115の到達点のずれ量L3が発生する。以下の表3において、たわみ変形が発生しているフレネルレンズシート20の中心部から距離L1の各点における、光束115のシート20への入射角度θ及び光束115の到達点のずれ量L3の関係を示す。なお、表3では、斜め投写方式が採用され、フレネルレンズシート20の中央部のたわみ量L2が3mmの場合における各値の関係を示している。表3において、中央部からの距離L1が0の位置がフレネルレンズシート20の中央部であり、中央部からの距離L1が457mmの位置がフレネルレンズシート20の周辺部を示している。
表3からも分かるように、本実施の形態1における投写型表示装置110のように、薄型化を実現するために斜め投写方式を採用した場合、光束115の透過型スクリーン111への入射角度θが大きくなるため、透過型スクリーン111の中心入射角度θ1も0度ではなく大きな値を有している。このため、フレネルレンズシート20の中央部に温湿度の影響により3mmのたわみが生じた場合、フレネルレンズシート20上の投写光束115の到達点は透過型スクリーン111の中央部で3.81mm、最大で4mm以上ずれてしまい大きな画像の劣化が発生してしまう。
さらに、温湿度の影響によるフレネルレンズシート20等のたわみにより、フレネルレンズシート20と水平レンチキュラーレンズ板10との間の隙間40間隔にばらつきが生じると、いわゆるボケと呼ばれる画像の劣化が生じる場合もある。
本実施の形態1においては、主に斜め投写方式におけるフレネルレンズシート20のたわみについて説明したが、中心投写方式の場合でも、温湿度の影響を受けてフレネルレンズシート20がたわんだ場合、画像の劣化が発生することは同じである。ただし、たわみ量が斜め投写方式と比較すると小さくなるため、画像の劣化量も少ない。また、フレネルレンズシート20と水平レンチキュラーレンズ板10との間の隙間40間隔のばらつきにより、画像の劣化が発生することについても劣化量は少ないが同様に発生する。
一方、フレネルレンズシート20の厚みが厚い場合の弊害について、図12を参照して説明する。図12に示すように、フレネルレンズシート20の厚みをmとして以下の説明を行う。例えば、フレネルレンズ22の屈折フレネルレンズ部23における迷光成分300と全反射フレネルレンズ部24における迷光成分310は、フレネルレンズ22において略平行光化されることなくフレネルレンズシート20の出射面において全反射された後、さらにフレネルレンズ22で反射されて、フレネルレンズシート20の出射面を透過し、実画像(正当な投写光束115)から距離Mだけ離れた部分より観測者側に出射する。この迷光成分300,310は二重像と呼ばれる迷光成分であり、画像劣化の大きな要因となる。
図12からも分かるように、実画像と二重像との距離Mはフレネルレンズシート20の厚みmにほぼ比例するため、フレネルレンズシート20の厚みmが大きくなると距離Mが大きくなり、二重像成分がはっきりと認識されてしまう。よって、フレネルレンズシート20の厚みmを小さく構成すればするほど、距離Mが小さくなり二重像成分が視覚的に目立たなくなり、好ましい画像となる。
そこで、本実施の形態1では、上述のように、ガラス基材より構成される前面板11及び金属枠30等を用いて透過型スクリーン111を構成することにより、フレネルレンズシート20の薄厚化を実現するとともに、フレネルレンズシート20の温湿度の影響によるたわみ変形を抑制している。
すなわち、本実施の形態1では、高い剛性を有する材料であるガラスにより形成された前面板11に水平レンチキュラーレンズシート12を貼り合わせて高い剛性を有する水平レンチキュラーレンズ板10を形成し、その水平レンチキュラーレンズ板10に対してフレネルレンズシート20を金属枠30により固定している。このため、透過型スクリーン111の剛性(強度)の低下を生じることなく、フレネルレンズシート20の厚みを薄くして、フレネルレンズシート20内での不所望な反射による迷光の影響を低減でき、画質の向上が図れる。
また、前面板11を形成するガラスは、高い剛性を有するだけでなく、線膨張係数も非常に小さいため、温湿度の影響により変形することのない強固な透過型スクリーン111を構成することができる。この点について、ガラス基材の線膨張係数は9×10-6/Kであるのに対して、ポリエステルのような樹脂基材の線膨張係数は55〜100×10-6/Kであり、温湿度に対する特性としてはガラス基材の方が樹脂基材よりも格段に優れていることが分かる。なお、この点についての変形例として、線膨張係数が小さく、高い剛性を有する高剛性樹脂により前面板11を形成してもよい。この場合、前面板11が樹脂製のため、容易に前面板10の加工(成型等)を行うことができる。
また、フレネルレンズシート20は張力を与えられた状態で金属枠30により水平レンチキュラーレンズ板10と固定されているため、その張力により温湿度の影響によるフレネルレンズシート20の膨張が吸収され、温湿度の影響によりフレネルレンズシート20にたわみが生じるのを防止することができる。
また、固定具として金属枠30を用いるため、金属枠30の剛性を容易に高めることができ、水平レンチキュラーレンズ板10とフレネルレンズシート20との固定を強固に行うことができる。なお、この点についての変形例として、金属枠30の代わりに、高い剛性を有する高剛性樹脂により形成した固定具(樹脂製の枠部材等)によって水平レンチキュラーレンズ板10とフレネルレンズシート20との固定を行うようにしてもよい。この場合、固定具が樹脂製のため、容易に固定具の成型を行うことができる。
また、金属枠30とフレネルレンズシート20の樹脂基材21とが、互いに線膨張係数の近い材料により形成されている(本実施の形態1では、一例として金属枠30がアルミニウムで形成され、樹脂基材21がポリエチレンテレフタレートにより形成されている)ため、温湿度の影響によって金属枠30及びフレネルレンズシート20が膨張した場合であっても、金属枠30及びフレネルレンズシート20の変形量がほぼ等しい量になり、フレネルレンズシート20にたわみ等が生じるのを防止できる。なお、本実施の形態1では、一例として金属枠30がアルミニウムで形成され、樹脂基材21がポリエチレンテレフタレートにより形成されているが、これらの材料に限定されるものではない。
また、本実施の形態1では、フレネルレンズシート20のフレネルレンズ22が、屈折フレネルレンズ部23と全反射フレネルレンズ部24とからなる屈折全反射構造25が複数列設けられて構成されているため、屈折フレネルレンズ部23と全反射フレネルレンズ部24との組み合わせにより、投写光束115を効率良く略平行な光に変換できる。なお、変形例として、上述のように、屈折フレネルレンズ部23又は全反射フレネルレンズ部24のいずれか一方のみによってフレネルレンズ22を構成してもよい。
また、水平レンチキュラーレンズシート12と前面板11とを接着する接着剤15(接着層)に、光拡散材が混入されており、この混入された光拡散材により、投写光束115が効果的に四方に拡散されるため、垂直レンチキュラーレンズを使用しなくとも、スクリーン111の視野角が水平方向だけでなく、上下方向にも拡大される。なお、この点についての変形例として、上述のように水平レンチキュラーレンズシート12又はフレネルレンズシート20に光拡散材を混入させてもよい。
また、水平レンチキュラーレンズシート12の平坦面には、図3に示すように、水平レンチキュラーレンズ14に対応してその延設方向に沿って延びる複数の黒色遮光層16がストライプ状に設けられているため、水平レンチキュラーレンズシート12を透過する入射光のうち、各レンズ部14aによって正当に集光された投写光束115以外の光を効果的に遮断することができ、表示画像のコントラストの向上等が図れる。
また、水平レンチキュラーレンズ板10の少なくとも片面には、ハードコート処理、帯電防止処理、反射防止処理のうち少なくとも1つの処理が施されているため、傷、静電気、不所望な表面反射等の影響を抑制できる。
また、フレネルレンズシート20の少なくとも片面に反射防止処理が施されているため、不所望な表面反射等の影響を抑制できる。
また、本実施の形態1の変形例として、フレネルレンズシート20の観測者側に向けられる面に、入射光を垂直方向に屈折させる作用を有する垂直レンチキュラーレンズを形成してもよい。これによって、垂直方向に対する視野角の拡大が図れる。
実施の形態2.
図13は本発明の実施の形態2に係る透過型スクリーンの横断面図であり、図14は図13の透過型スクリーンの要部の構成を示す正面図である。本実施の形態2に係る透過型スクリーン111Aが前述の実施の形態1に係る透過型スクリーン111と実質的に異なる点は、水平レンチキュラーレンズ板10とフレネルレンズシート20との固定構造及びその両者の間の隙間空間40A内の気圧を調節可能とした点等のみであり、互いに対応する部分には同一の参照符号を付して説明を省略する。
図13は本発明の実施の形態2に係る透過型スクリーンの横断面図であり、図14は図13の透過型スクリーンの要部の構成を示す正面図である。本実施の形態2に係る透過型スクリーン111Aが前述の実施の形態1に係る透過型スクリーン111と実質的に異なる点は、水平レンチキュラーレンズ板10とフレネルレンズシート20との固定構造及びその両者の間の隙間空間40A内の気圧を調節可能とした点等のみであり、互いに対応する部分には同一の参照符号を付して説明を省略する。
本実施の形態2に係る透過型スクリーン111Aでは、図13に示されるように、水平レンチキュラーレンズ板10とフレネルレンズシート20との間の隙間空間40A内が封止部材41により封止されて、外界から密閉されている。この封止部材41は、水平レンチキュラーレンズ板10及びフレネルレンズシート20との間の隙間空間40Aの周縁部を封止するように、透過型スクリーン111Aの全周に渡って設けられている。本実施の形態2では、この封止部材41によって水平レンチキュラーレンズ板10とフレネルレンズシート20との固定も行うようになっているため、前述の金属枠30は省略されているが、金属枠30による固定を併用してもよい。
また、封止部材41の構成材料としては、樹脂、ゴム等の種々のものが利用可能であり、封止部材41の水平レンチキュラーレンズ板10及びフレネルレンズシート20への固定手段としては、接着剤や粘着テープなどが利用可能である。あるいは、封止部材41として、水平レンチキュラーレンズ板10とフレネルレンズシート20との間に注入され、その後固化するシール材等を用いてもよい。
透過型スクリーン111Aの周縁部の少なくとも1箇所には、図14に示すように、隙間空間40A内の気圧を調節するための内外に連通可能な連通口42が設けられている。この連通口42は、例えば、その連通口42内に閉鎖部材(開閉手段)43を挿入して接着すること等によって閉鎖される。閉鎖された連通口42は、例えばその閉鎖部材43を除去することにより開通される。すなわち、閉鎖部材43を着脱すること等により連通口42を開閉し、開放した連通口42を介して隙間空間40A内の気圧調節が可能となっている。
本実施の形態2では、この連通口42を介して隙間空間40A内を外界(大気圧)よりも気圧の低い低圧雰囲気に晒した状態で、連通口42を閉鎖し、隙間空間40A内の気圧を外界よりも低圧にした状態に保持している。これによって、透過型スクリーン111Aの組立状態において、隙間空間40A内と外界との気圧差がフレネルレンズシート20を水平レンチキュラーレンズ板10に押し付けるようにして作用するため、実施の形態1のようにフレネルレンズシート20に積極的に張力を付与しなくとも、フレネルレンズシート20の平坦度を保持できるようになっている。また、フレネルレンズシート20の水平レンチキュラーレンズ板10への固定(接合)を、隙間空間40A内の気圧を外界よりも低圧に保持した状態で行うことにより、フレネルレンズシート20に積極的に張力を付与しておかなくとも、フレネルレンズシート20の平坦度を保持した状態で容易に固定を行うことができるようになっている。
また、適宜連通口42を開放し、その開放された連通口42を介して隙間空間40A内の気圧を調節することにより、フレネルレンズシート20と水平レンチキュラーレンズ板10との間の距離を容易に調節できるようになっている。
以上のように、本実施の形態2によれば、前述の実施の形態1とほぼ同様な効果が得られるとともに、水平レンチキュラーレンズ板10とフレネルレンズシート20との間の隙間空間40Aが外界から密閉され、外界より低圧に保持されているため、実施の形態1のようにフレネルレンズシート20に積極的に張力を付与しなくとも、フレネルレンズシート20の平坦度を保持できる。また、フレネルレンズシート20の水平レンチキュラーレンズ板10への固定(接合)を、隙間空間40A内の気圧を外界よりも低圧に保持した状態で行うことにより、フレネルレンズシート20に積極的に張力を付与しておかなくとも、フレネルレンズシート20の平坦度を保持した状態で容易に固定を行うことができる。
また、連通口42を開閉して隙間空間40A内の気圧を調節することにより、フレネルレンズシート20と水平レンチキュラーレンズ板10との間の距離を容易に調節でき、透過型スクリーン111Aの設定状態の調節等を容易に行うことができる。
実施の形態3.
図15は、本発明の実施の形態3に係る透過型スクリーンの分解斜視図である。本実施の形態3に係る透過型スクリーン111Bは、図15に示すように、フレネルレンズシート51と、水平レンチキュラーレンズ板52と、枠体53と、下側及び左右の弾性部材54〜56と、上下左右の押さえ部材57〜60とを備えている。この透過型スクリーン111Bは、前述の実施の形態1に係る透過型スクリーン111とほぼ同様に、前述の図7の透過型表示装置110等に組み込まれる。
図15は、本発明の実施の形態3に係る透過型スクリーンの分解斜視図である。本実施の形態3に係る透過型スクリーン111Bは、図15に示すように、フレネルレンズシート51と、水平レンチキュラーレンズ板52と、枠体53と、下側及び左右の弾性部材54〜56と、上下左右の押さえ部材57〜60とを備えている。この透過型スクリーン111Bは、前述の実施の形態1に係る透過型スクリーン111とほぼ同様に、前述の図7の透過型表示装置110等に組み込まれる。
フレネルレンズシート51は、図16及び図17に模式的に示すように、矩形の薄いシート状の樹脂基材511と、樹脂基材511の一方の面に形成されたフレネルレンズ512と、樹脂基材511の他方の面に形成された垂直レンチキュラーレンズ513とを備えており、樹脂により形成されている。フレネルレンズ512は、入射した投写光束115を略平行な光に変換する。垂直レンチキュラーレンズ513は、入射した投写光束115を垂直方向に屈折させる。
より具体的には、樹脂基材511は、例えば厚さ0.25mmのポリエチレンテレフタレート(以下PET)製の薄いシートによって形成されている。フレネルレンズ512は、図16及び図17に示すように、スクリーン下部中央を中心として同心円状に形成された断面形状がのこぎり歯状の複数のレンズ要素を有している。このフレネルレンズ512は、例えば最大厚さ0.25mmの紫外線(以下UV)硬化型アクリル樹脂によって形成されている。垂直レンチキュラーレンズ513は、図16及び図17に示すように、左右方向に沿って形成された断面形状がかまぼこ状の複数のレンズ要素を有している。この垂直レンチキュラーレンズ513は、例えば最大厚さ0.125mmのUV硬化型アクリル樹脂によって形成されている。
フレネルレンズシート51の上下左右の4辺には、枠体53に対する取付用の掛かり部514〜517が設けられている。この各掛かり部514〜517は、フレネルレンズシート51の上下左右の各辺の縁部が、投写光束115の入射側に屈曲されて形成されている。
このようなフレネルレンズシート51は、フレネルレンズ511側の面が投写光束115の入射側に向けられた状態で枠体53に保持される。
フレネルレンズシート51の作製は、例えば以下の手順で行われる。まず、予め形成した樹脂基材511の一方の面にUV硬化型アクリル樹脂を塗布する。続いて、その上をかまぼこ状のレンズ形状が形成されたローラ状の金型を加圧・回転させる転造成形を行いながらUVを照射し、UV硬化型アクリル樹脂を硬化させることにより垂直レンチキュラーレンズ513を形成する。続いて、のこぎり歯状のレンズ形状が形成された金型上にUV硬化型アクリル樹脂を塗布し、その上に樹脂基材511の他方の面を密着させ、加圧しながらUVを照射し、UV硬化型アクリル樹脂を硬化させることにより、フレネルレンズ512を形成する。最後に、フレネルレンズシート51の上下左右の四辺を投射光束115の入射側に折り曲げ加工して掛かり部514〜517を形成する。
水平レンチキュラーレンズ板52は、図16及び図17に模式的に示すように、矩形板状のガラス基材521と、そのガラス基材521の片面に形成された水平レンチキュラーレンズ522とを備えている。水平レンチキュラーレンズ522は、入射した投射光束115を水平方向に屈折させる。
ガラス基材521は、例えば厚さ3mmの板ガラスによって形成されている。水平レンチキュラーレンズ522は、図16及び図17に示すように、上下方向に沿って形成された断面形状がかまぼこ状の複数のレンズ要素を有している。この水平レンチキュラーレンズ522は、例えば最大厚さ0.125mmのUV硬化型アクリル樹脂によって形成されている。
このような水平レンチキュラーレンズ板52は、水平レンチキュラーレンズ522側の面が投写光束115の入射側に向けられた状態で、枠体53に保持される。この取付状態において、水平レンチキュラーレンズ板52は、フレネルレンズシート51の観測者側に、フレネルレンズシート51に対向して配置されている。
水平レンチキュラーレンズ板52の作製は、例えば以下の手順で行われる。まず、樹脂シート基材(図示せず)の一方の面にUV硬化型アクリル樹脂を塗布し、その上をかまぼこ状のレンズ形状が形成されたローラ状の金型を加圧・回転させる転造成形を行いながらUVを照射し、UV硬化型アクリル樹脂を硬化させ、これによって水平レンチキュラーレンズ522を形成する。続いて、このレンチキュラーレンズ522をガラス基材521に貼合することにより水平レンチキュラーレンズ板52を形成する。
枠体53は、フレネルレンズシート51及び水平レンチキュラーレンズ板52を保持するためのものであり、略矩形枠状の形態を有し、高剛性材料である金属、例えばアルミ合金(又はアルミニウム)により形成される。フレネルレンズシート51及び水平レンチキュラーレンズ板52の上下左右の4辺が、枠体53の対応する上下左右の各枠部531〜534に保持されるようになっている。
枠体53の上側の枠部531には、図18に示すように、観測者側に突出するフック部535が設けられている。フック部535は、フレネルレンズシート51の上側の辺に沿って延びている。このフック部535には、フレネルレンズシート51の上側の辺に設けられた掛かり部514が引っ掛けられて保持される。掛かり部514を構成するフレネルレンズシート51の上側の辺における縁部が、フック部535の先端部の係合面535aと略平行になるような角度で屈曲されている。
水平レンチキュラーレンズ板52の上側の辺は、図18及び図19に示すように、押さえ部材57により枠体53側に押さえ付けられられて保持される。押さえ部材57の観測者側の先端部には、水平レンチキュラーレンズ板52の上側の辺に係合してそれを保持する掛かり部571が設けらている。この押さえ部材57は、図19に示すように、水平レンチキュラーレンズ板52の上側の辺に沿って延びており、押さえ部材57の長さL57は水平レンチキュラレンズ板52の左右方向の長さL52よりも若干短く設定されている。なお、上側の枠部531の長さは、水平レンチキュラーレンズ板52の左右方向の長さL52よりも若干長く設定されている。また、フック部535の左右方向の長さは、フレネルレンズシート51の上側の辺の長さにほぼ対応させて設けられている。このため、フレネルレンズシート51の上側の掛かり部514は、その内周が全長に渡ってフック部535の係合面535aと常に接触した状態で保持される。押さえ部材57の枠部531への固定は、複数のネジ61によって行われる。
枠体53の下側の枠部532には、図20及び図21に示すように、弾性部材54が取り付けられ、フレネルレンズシート51の下側の辺がこの弾性部材54を介して枠体53に保持されるようになっている。弾性部材54は、ばね弾性を有し、一方向に沿って延びる板状部材によって構成され、枠部532の観測者側に面する側面部に複数のネジ62によって固定されている。また、弾性部材54は、ネジ62により固定されたその固定部541の縁部(屈曲部P1)で観測者側に向けて略くの字形に屈曲されているとともに、観測者側の先端部が下方に向けて屈曲されて係止部542が設けられている。このため、この弾性部材54は、図20に示す方向A1に屈曲部P1を支点として弾性変形して、その屈曲角度が変化するようになっている。
これに対応して、フレネルレンズシート51の下側の辺の縁部は、投写光束115の入射側に向けて略180度の屈曲角度で、略U字形に屈曲され、この屈曲部によって掛かり部515が形成されている。このため、この掛かり部515の先端部は、係合状態において、弾性部材54の係止部542と略平行になるようになっている。弾性部材54の全長L541は、図21に示すように、フレネルレンズシート51の下辺長さL51よりも若干短く形成されており、フレネルレンズシート51の掛かり部515が、その内周の全長に渡って弾性部材54の係止部542に常に接触した状態で保持される。
また、下側の枠部532には、水平レンチキュラーレンズ板52を保持するための押さえ部材58が複数のネジ64によって固定されている。押さえ部材58は、断面略L字形の形状を有し、水平レンチキュラーレンズ板52の下側の辺に沿って延びている。押さえ部材58の観測者側端部には、水平レンチキュラーレンズ板52の下辺に係合する掛かり部581が設けられている。そして、水平レンチキュラーレンズ板52の下側の辺が押さえ部材58の掛かり部581によって枠体53側に押さえ付けられて保持されるようになっている。
枠体53の左右の枠部533,534には、図22及び図23に示すように、弾性部材55,56が取り付けられ、フレネルレンズシート51の左右の辺がこの弾性部材55,56を介して枠体53に保持されるようになっている。弾性部材55,56は、ばね弾性を有し、一方向に沿って延びる板状部材によって構成され、枠部533,534の内側の側面部に複数のネジ65によって固定されている。また、弾性部材55,56は、ネジ65により固定されたその固定部551,561の縁部(屈曲部P2)で斜め外方に向けて略くの字形に屈曲されている。このため、この弾性部材55,56は、図22及び図23に示す方向A2に屈曲部P2を支点として弾性変形して、その屈曲角度が変化するようになっている。弾性部材55,56の観測者側の先端部は、フレネルレンズシート51の左右の掛かり部516,517が係合される係止部552,562となっている。
これに対応して、フレネルレンズシート51の左右の辺の縁部は、投写光束115の入射側に斜め内方に向けて屈曲され、この屈曲部によって掛かり部516,517が形成されている。この掛かり部516,517の屈曲角度は、掛かり部516,517の先端部が、係合状態において、弾性部材55,56の係止部552,562と略平行になるように設定されている。弾性部材55,56の全長L561は、図23に示すように、フレネルレンズシート51の左右の辺の長さL512よりも若干短く形成されており、フレネルレンズシート51の左右の掛かり部516,517が、その内周の全長に渡って弾性部材55,56の係止部552,562に常に接触した状態で保持される。
また、左右の枠部533,534には、水平レンチキュラーレンズ板52を保持するための押さえ部材59,60が複数のネジ66によって固定されている。押さえ部材59は、水平レンチキュラーレンズ板52の左右の辺に沿って延びる略板状の部材であり、その観測者側端部には、水平レンチキュラーレンズ板52の左右の辺に係合する掛かり部591が設けられている。押さえ部材60も押さえ部材59と同様な形態を有し、図示しない掛かり部が設けられている。そして、水平レンチキュラーレンズ板52の左右の辺が押さえ部材59,60の掛かり部591によって枠体53側に押さえ付けられて保持されるようになっている。
次に、図24及び図25を参照して弾性部材54〜56の具体的な構成について説明する。なお、ここでは左右の弾性部材55,56のうちの左側の弾性部材55のみについて説明するが、右側の弾性部材56も実質的に同様な構成である。
下側の弾性部材54は、図24に示すように、板厚t54=0.2mmのベリリウム銅を用いて形成される。また、弾性部材54は、屈曲部P1を支点としてばね長L542が15.5mmに設定され、水平方向に対する初期状態のたわみ角θ54が15°の片持ち梁状の取付形態で下側の枠部532に固定され、たわみ角θ54の変化量に比例したばね力を発生する。このばね力は、図21に示す弾性部材54の全長L541に渡って均一に発生する。このため、フレネルレンズシート51の下辺には、その全長L511=1200mmに渡って均一なテンションが印加される。また、弾性部材54の係止部542は、そのたわみ量(わたみ角θ54の変化量)に略比例した大きさの張力をフレネルレンズシート51に付与するようになっている。
フレネルレンズシート51の取付時には、弾性部材54を図20の上方向にたわませた状態で、係止部542にフレネルレンズシート51の下辺の掛かり部515が引っ掛けるようにして取り付けられる。これによって、フレネルレンズシート51に対して下方向A3に引っ張るテンションが印加される。なお、弾性部材54のばね力は、倉庫での保管下限温度(−20℃)でのフレネルレンズシート51の最大たわみを除去できるように最大で45.5kgfを発生するように設計されている。
左側の弾性部材55は、図25に示すように、板厚t55=0.2mmのベリリウム銅を用いて形成される。また、弾性部材55は、屈曲部P2を支点としてばね長L552が15.5mmに設定され、観測者側正面方向に対する初期状態のたわみ角θ55が42°の片持ち梁状の取付形態で左側の枠部533に固定され、たわみ角θ55の変化量に比例したばね力を発生する。このばね力は、図23に示す弾性部材56の全長L561に渡って均一に発生する。このため、左右の弾性部材55,56により、フレネルレンズシート51には、左右辺の全長L512=900mmに渡って均一なテンションが印加される。また、弾性部材55,56の係止部552,562は、そのたわみ量(わたみ角θ55の変化量)に略比例した大きさの張力をフレネルレンズシート51に付与するようになっている。
フレネルレンズシート51の取付時には、弾性部材55,56を左右方向の内方にたわませた状態で、弾性部材55,56の係止部552,562に、フレネルレンズシート51の左右の掛かり部516,517が引っ掛けるようにして取り付けられる。これによって、フレネルレンズシート51に対して左右方向の外方(方向A4)に引っ張るテンションが印加される。なお、左右の弾性部材55,56のばね力は、倉庫での保管下限温度(−20℃)でのフレネルレンズシート51の最大たわみを除去できるように最大で60kgfを発生するように設計されている。
ここで、弾性部材54,55,56は、フレネルレンズシート51の下辺及び左右辺のほぼ全長に渡って実質的に同一断面形状で形成されているため、全長に渡って均一なばね力を発生することができるようになっている。
水平レンチキュラーレンズ板52は、押さえ部材57〜60により、フレネルレンズシート51に観測者側から押し付けれた状態で枠体53に保持されている。
このように構成された透過型スクリーン111Bは、例えば図7に示す投写型表示装置110に用いられる。この場合、投写光学系112から出射した光束115が反射鏡113で反射された後、下から打ち上げる方向で平面ミラー114に入射し、平面ミラー114で反射された後、透過型スクリーン111Bに入射される。透過型スクリーン111Bに入射した光束115は、スクリーン111Bに備えられるフレネルレンズシート51の入射側に設けられたフレネルレンズ512により略平行な光に変換された後、フレネルレンズシート51の観測者側に設けられた垂直レンチキュラーレンズ513により垂直方向に屈折されて拡散されて、水平レンチキュラーレンズ板52に入射する。水平レンチキュラーレンズ板52に入射した光は、水平方向に屈折されて拡散され、観測者側に出射されるようになっている。
ところで、従来のフレネルレンズスクリーンのように樹脂基材が厚い場合には、以下に説明する理由によって迷光成分による画像劣化が発生していた。フレネルレンズ712に入射する光束115の大部分は、図26に示すように、正当な投写光束115aとしてフレネルレンズ712により略平行な光に変換されて観測者側に出射し実画像を形成する。しかし、一部の光束はそのまま直進する迷光成分115bとなる。迷光成分115bは、樹脂基材711の出射面で全反射された後、さらにフレネルレンズ712で反射されて、フレネルレンズスクリーン71の出射面を透過し、実画像から距離Mだけ上部の観測者側に出射する。この迷光成分115bによる画像は二重像と呼ばれており、画質劣化の大きな要因となる。図26からも分かるように、実画像と二重像との距離Mはフレネルレンズスクリーン71の厚さmにほぼ比例する。そのため、従来のフレネルレンズスクリーン71の樹脂基材712のように厚さm=3mmのアクリル板で形成されている場合には、距離Mが大きくなり、二重像成分がはっきりと認識され画質劣化が問題になる。
この点に関し、本実施の形態3のように、フレネルレンズスクリーン71の樹脂基材711をPET樹脂製の薄いシートによって形成し、例えば厚さm=0.25mmにまで薄くすれば、距離Mが小さくなり二重像成分が視覚的に目立たなくなり、迷光成分による画質劣化を問題ない程度にまで低減することができる。
また、温湿度の影響を受けた従来のフレネルレンズスクリーン71の中央部は、以下に説明する理由によって観測者側にたわむため、画質劣化が発生していた。フレネルレンズスクリーン71が所定の平面度で保持されている場合には、投写光束115は、図27に示すように、フレネルレンズスクリーン71上の正常入射位置P3に入射し、観測者側に向いた矢印方向に平行光が出射する。しかし、温湿度の影響を受けると、後述する理由により破線72に示すようにフレネルレンズスクリーン71中央部において観測者側あるいは投射光束入射側に最大たわみL11が発生する(図27には観測者側にたわんだ例を示す)。これに伴って、光束115のフレネルレンズスクリーン71への入射位置はP4にずれ、これによって出射する光束115の到達点が、上方に距離L12だけずれる。
図7に示す構成のように、投写光学系112がフレネルレンズスクリーン71の中央部よりも下方に配置されており、光束115がスクリーン71に下方から斜めに入射する場合、スクリーン71の中央部においても出射する光束115のずれは発生する。例えば、フレネルレンズスクリーン71の中央部(L13=0mm)にL11=3mmのたわみが生じると、中央部でずれ量L12=3.81mm、中央部からの距離L13=100mmの位置でずれ量L12が最大値4.20mm、中央部からの距離L13が最大になるスクリーン71の周辺部でずれ量L12が最小値0mmとなる。このように、温湿度の影響でフレネルレンズスクリーン71の中央部がたわむことによって光束115の到達点が最大で4mm以上ずれるため、大きな画質劣化が発生する。さらに、フレネルレンズスクリーン71とレンチキュラーレンズ板52との間隔にばらつきが生じるため、いわゆるボケと呼ばれる画質劣化も生じる。
また、温湿度差の影響を受けた従来のフレネルレンズスクリーン71には、以下に説明する理由によってたわみが発生していた。従来のフレネルレンズスクリーン71の樹脂基材711を厚さm=3mmのアクリル板で形成し、その四辺を直接アルミ合金製の金属枠に取り付けた場合について検討する。常温(20℃)では、フレネルレンズスクリーン71の四辺の長さと金属枠の取付部の長さが同一に形成されており、フレネルレンズスクリーン71がたわむことなく取り付けられている。しかし、アクリル板の線膨張係数が80×10-6/Kであるのに対して、アルミ合金の線膨張係数が23×10-6/Kであるため、例えばフレネルレンズスクリーン81の寸法が1200mm×900mmとして1200mmの辺の熱膨張量を比較すると、投写型表示装置の動作保証上限温度(40℃)ではフレネルレンズスクリーン71の方が1.4mm(=1200mm×(40−20)℃×(80−23)×10-6/K)だけ長くなり、倉庫での保管上限温度(60℃)ではフレネルレンズスクリーン71の方が2.7mm(=1200mm×(60−20)℃×(80−23)×10-6/K)長くなった。さらに湿度が上昇すると、金属枠には吸湿による膨張が発生しないにもかかわらず、アクリル板は吸湿によっても膨張するため、この差はさらに大きくなった。このような場合、フレネルレンズスクリーン71の四辺は剛性の高い金属枠に固定されており、金属枠が伸びることによってこの熱膨張差を吸収することができない。このため、熱膨張量の差の分だけフレネルレンズスクリーン71は図27の例に示すように観測者側にたわみ、画質劣化が発生していた。
この点に関し、本実施の形態3では、例えば、フレネルレンズシート51の樹脂基材511は厚さm=0.25mmのPETシートで形成されている。PETシートの線膨張係数は15×10-6/Kであり、アルミ合金の線膨張係数は23×10-6/Kと同等であるため、例えばフレネルレンズシート51の1200mmの辺の常温(20℃)からの熱膨張量を比較すると、動作保証上限温度(40℃)ではフレネルレンズシート51の方が0.2mm(=1200mm×(40−20)℃×(23−15)×10-6/K)短くなり、倉庫での保管上限温度(60℃)ではフレネルレンズシート51の方が0.4mm(=1200mm×(60−20)℃×(23−15)×10-6/K)短くなる。いずれの場合も、フレネルレンズシート51が剛性の高い枠体53によって引っ張られることになるため、フレネルレンズシート51にたわみは一切発生せず、たわみによる画質劣化を一掃することができる。また、この程度の引張り力ではPETシートの引張り強度を超えることはないので、フレネルレンズシート51が破断することもない。
また、動作保証下限温度(10℃)ではフレネルレンズシート51の方が0.1mm(=1200mm×(20−10)℃×(23−15)×10-6/K)長くなり、倉庫での保管下限温度(−20℃)ではフレネルレンズシート51の方が0.4mm(=1200mm×(20−(−20))℃×(23−15)×10-6/K)長くなる。この程度の熱収縮量の差であれば、弾性部材54〜56を介して枠体53に取付け、弾性部材54〜56によってフレネルレンズシート51の周辺を引っ張る保持構造によって、フレネルレンズシート51のたわみを除去できるため、やはりたわみによる画質劣化を一掃することができる。
このように、フレネルレンズシート51の樹脂基材511をPETシートで形成することによって、倉庫での保管下限温度(−20℃)〜常温(20℃)〜倉庫での保管上限温度(60℃)の広い温度範囲全域でたわみによる画質劣化を一掃することが実現できる。また、PETシートはアクリル板に比べて吸湿も少なく殆ど無視できるため、温湿度が原因のたわみによる画質劣化を一掃することができる。
また、本実施の形態3では、フレネルレンズシート51の掛かり部515〜517と弾性部材54〜56とは係合のみで保持されている。このため、フレネルレンズシート51の掛かり部514〜517は、弾性部材54〜56との接触部において掛かり部514〜517の長手方向に摺動可能となっている。これによって、上述のフレネルレンズシート51及び枠体53の温湿度変化が原因で生じる膨張・収縮量の差が、掛かり部514〜517の摺動によって逃がせるようになっている。その結果、温湿度が原因のたわみによる画質劣化を一掃することができる。同様の理由で、フレネルレンズスクリーン81を金属枠7に取り付けた時の組立初期のしわも除去できるので、組立初期のしわによる画質劣化も一掃することができる。
同様にして、フレネルレンズシート51の上側の掛かり部514と枠体53のフック部535の先端部の係合面535aとの間も摺動可能となっているため、フレネルレンズシート51及び枠体53の間の温湿度による膨張差が原因のたわみによる画質劣化を一掃できるようになっているとともに、組立初期のしわによる画質劣化も一掃することができる。
以上のように、本実施の形態3によれば、フレネルレンズシート51が樹脂で形成された薄いシート状の形態を有しているため、フレネルレンズシート51内での不所望な反射による迷光の影響を低減でき、画質の向上が図れる。
また、薄くすることにより、フレネルレンズシート51の線膨張係数を金属なみに低減できる。その結果、金属製の枠体53とフレネルレンズシート51との熱膨張差によってフレネルレンズシート51にたわみが生じ、たわみの影響により画質が劣化するのを防止することができる。
また、フレネルレンズシート51の垂直レンチキュラーレンズ513が一体的に設けられるため、その垂直レンチキュラーレンズ513によって投写光束115を垂直方向に拡散させることができるとともに、部品点数の抑制効果も得られる。
また、フレネルレンズシート51の上下及び左右方向には常に弾性部材54〜56による張力が印加されるため、枠体53との温湿度の影響による熱膨張差によって発生するフレネルレンズシート51の上下及び左右方向のたわみ、及び剛性の低いフレネルレンズシート51の初期状態で発生する上下及び左右方向のしわによる画質劣化をなくすことができる。
また、フレネルレンズシート51の上下左右の掛かり部514〜517を枠体53のフック部535及び弾性部材54〜56に引っ掛けるだけで容易に組み立てを行うことができる。
また、フレネルレンズシート51の掛かり部514〜517が、シート51の上下左右の辺の縁部を屈曲させて形成する構成であるため、掛かり部514〜517を容易に形成することができる。
また、フレネルレンズシート51の掛かり部514〜517の先端部が、フック部535の先端部の係合面535a及び弾性部材54〜56の係止部542〜562と略平行になるように屈曲されているため、掛かり部514〜517を外れにくくすることができるとともに、弾性部材54〜56による張力を掛かり部515〜517の内周部に安定して付与することができ、その結果、フレネルレンズシート51のたわみによる画質劣化を防止することができる。
また、フレネルレンズシート51の掛かり部514〜517が、フック部535及び弾性部材54〜56に対して各掛かり部514〜517の延びる方向に沿って摺動可能に保持されているため、フレネルレンズシート51と枠体53の温湿度の影響による熱膨張差によって発生するフレネルレンズシート51の上下方向及び左右方向のたわみを確実に防止でき、そのたわみによる画質劣化をなくすことができる。
また、弾性部材54〜56が係合されるフレネルレンズシート51の下側及び左右の各辺(掛かり部515〜517)の実質的に全長を網羅するようにその各辺に沿って延びているため、フレネルレンズシート51の各辺に対してその全長に渡って均等に弾性部材54〜56による張力を付与できる。その結果、張力のばらつきが原因となるフレネルレンズシート51のたわみによる画質劣化を防止することができる。
また、弾性部材54〜56の係止部542,552,562は、そのたわみ量(わたみ角θ54,θ55の変化量)に略比例した大きさの張力をフレネルレンズシート51に付与するようになっているため、弾性部材54〜56によってフレネルレンズシート51に付与される張力の大きさを、フレネルレンズシート51の樹脂基材511の機械的特性に応じた適切な値に容易に設定することができる。
なお、ここではフレネルレンズシート51の樹脂基材511をPETで形成したが、ポリスチレン、ポリカーボネート、アクリル、シクロオレフィンポリマ(COP)など他のどのような樹脂で形成しても構わない。
また、ここでは垂直レンチキュラーレンズ513、水平レンチキュラーレンズ522をUV硬化型アクリル樹脂の転造によって形成したが、他のどのような樹脂を用いても構わないし、押し出し成形など他のどのような成形方法を用いても構わない。
また、フレネルレンズシート51の上側の掛かり部514の曲げ角度は、フック部535から外れることがなければ、フック部535の先端部のかかり面と平行でなくても構わないし、何度に形成しても構わない。
また、フレネルレンズシート51の左右の掛かり部516,517の曲げ角度は、弾性部材55,56から外れることがなければ、弾性部材55,56の係止部552,562と平行でなくても構わないし、何度に形成しても構わない。
また、ここでは弾性部材54〜56の材料としてベリリウム銅を用いた例を示したが、りん青銅、ステンレスなど他のどのような材料を用いて形成しても構わない。
また、弾性部材54〜56の形状は所定のばね力が得られるのであれば、どのような形状でも構わない。
また、弾性部材54〜56の板厚は所定のばね力が得られるのであれば、どのような板厚でも構わない。
また、ここでは枠体53の材料はアルミ合金(又はアルミニウム)を用いた例を示したが、ステンレス、鉄など他のどのような材料で形成しても構わないし、剛性の高い非金属材料でも構わない。
また、枠体53の材料とフレネルレンズシート51の樹脂基材511の材料とは、線膨張係数が近い材料であればどのような材料の組合せであっても構わない。
実施の形態4.
本発明の実施の形態4に係る透過型スクリーンでは、上述の実施の形態3に係る透過型スクリーン111Bにおいて、フレネルレンズシート51の掛かり部514〜517とフック部535及び弾性部材54〜56との接触部に、摩擦抵抗を低下させるための処理が施されている。具体的には、フレネルレンズシート51の掛かり部515〜517の内周部における弾性部材54〜56との接触面B1〜B3(図20、図22、図23参照)に、その全長に渡ってテフロン(R)コーティングが施されている。また、フック部535の係合面535aにも、その全長に渡ってテフロン(R)コーティングが施されている。その他の構成は、実施の形態3に係る透過型スクリーン111Bと同様である。
本発明の実施の形態4に係る透過型スクリーンでは、上述の実施の形態3に係る透過型スクリーン111Bにおいて、フレネルレンズシート51の掛かり部514〜517とフック部535及び弾性部材54〜56との接触部に、摩擦抵抗を低下させるための処理が施されている。具体的には、フレネルレンズシート51の掛かり部515〜517の内周部における弾性部材54〜56との接触面B1〜B3(図20、図22、図23参照)に、その全長に渡ってテフロン(R)コーティングが施されている。また、フック部535の係合面535aにも、その全長に渡ってテフロン(R)コーティングが施されている。その他の構成は、実施の形態3に係る透過型スクリーン111Bと同様である。
これによって、フレネルレンズシート51の掛かり部514〜517と、フック部535及び弾性部材54〜56との接触部の摩擦抵抗が低減され、掛かり部514〜517がシート51の伸縮に応じてフック部53及び弾性部材554〜56に対して容易に摺動できるようになる。その結果、フレネルレンズシート51と枠体53の温湿度の影響による熱膨張差によって発生するフレネルレンズシート51のたわみによる画質劣化を確実になくすことができる。また、小さな張力によりフレネルレンズシート51のしわやたわみを解消することができるため、弾性部材54〜56の所要ばね力を低減することが可能になり、弾性部材54〜56の設計の自由度を大きくできる。
なお、摩擦抵抗を低減するための処理としては、フレネルレンズシート51の掛かり部514〜517の内周の接触面の低摩擦化が実現できるのであれば、接触面の面祖度を粗くする、接触面に低摩擦材料を挟む、接触面にグリスを塗布するなど他のどのような方法を用いても構わない。
実施の形態5.
図28及び図29は、本発明の実施の形態5に係る透過型スクリーンに用いる下側及び右側の弾性部材の斜視図である。
図28及び図29は、本発明の実施の形態5に係る透過型スクリーンに用いる下側及び右側の弾性部材の斜視図である。
本実施の形態5では、図28及び図29に示すように、下側及び右側の弾性部材54,56の固定部541,561よりも先端側(観測者側)の部分には、その弾性部材54,56の長手方向に対して略垂直に延びる複数のスリット543,563が設けられている。これによって、弾性部材54,56の係止部542,562を含む固定部541,561よりも先端側の部分が、複数の部分に分断されている。なお、スリット543,563の幅は弾性部材54,56の全長に対して小さく設定される。なお、図示は省略するが、左側の弾性部材55にも右側の弾性部材56と同様に複数のスリットが設けられている。その他の構成は、実施の形態3に係る透過型スクリーン111Bと同様である。
これによって、フレネルレンズシート51の掛かり部515〜517の内周部における弾性部材54〜56との接触部の直線性などの形状精度が悪くても、弾性部材54〜56の分断された係止部542,552,562の各部分が個々に接触部の形状に追従し接触できる。このため、弾性部材54〜56を、その全長に渡って常に掛かり部515〜517の内周部に確実に接触させることができ、その結果、フレネルレンズシート51の掛かり部515〜517の内周部に対して、その全長に渡って弾性部材54〜56のばね力を常に印加することができる。なお、スリット543,563の幅は弾性部材54〜56の全長に対して小さく形成されているので、スリット543,563の影響によるばね力の低下は無視できる。これによって、フレネルレンズシート51の掛かり部515〜517の形状精度が悪くてもたわみによる画質劣化のないスクリーン保持構造を実現することができる。
なお、スリット543,563の寸法、形状、本数は所定の機能が確保できればいくつでも構わない。
また、スリット543,563は必ずしも等間隔に形成する必要はなく、フレネルレンズシート51の掛かり部515〜517の形状精度に対応してどこに形成しても構わない。
実施の形態6.
図30は本発明の実施の形態6に係る透過型スクリーンにおけるフレネルレンズシートの右側取付部の構成を示す斜視図であり、図31はその左側取付部の構成を示す断面図である。
図30は本発明の実施の形態6に係る透過型スクリーンにおけるフレネルレンズシートの右側取付部の構成を示す斜視図であり、図31はその左側取付部の構成を示す断面図である。
本実施の形態6では、図30及び図31に示すように、フレネルレンズシート51の掛かり部516,517には、その掛かり部516,517の長手方向に延びる複数の長孔75,76が設けられている。この各長孔75,76には、弾性部材55,56に取り付けられる取付具である締結部材77,78が通されている。締結部材77,78は、抜けと止めされた状態で長孔75,76に挿通されて弾性部材55,56に取り付けられている。このため、掛かり部516,517は、弾性部材55,56に対して外れ止めされた状態で、かつその長手方向に摺動可能な状態で係合されている。この長孔75,76及び締結部材77,78と同様な構成を、掛かり部514,515と、それらに係合するフック部535及び弾性部材54との係合部に設けるようにしてもよい。その他の構成は、実施の形態3に係る透過型スクリーン111Bと同様である。
これによって、弾性部材55,56の係止部552,562がフレネルレンズシート51の掛かり部516,517から外れにくくなり、弾性部材55,56のばね力が常にフレネルレンズシート51の掛かり部516,517の内周に印加されるため、フレネルレンズシート51のたわみによる画質劣化のないスクリーン保持構造を実現することができる。
なお、長孔75,76及び締結部材77,78の寸法、形状、本数はいくつでも構わない。
また、長孔75,76及び締結部材77,78は必ずしも等間隔に形成する必要はなく、どこに形成しても構わない。
また、長孔75,76及び締結部材77,78を必要に応じて複数列形成しても構わない。
実施の形態7.
図32は本発明の実施の形態7に係る透過型スクリーンにおけるフレネルレンズシートの右側取付部の構成を示す斜視図であり、図33はその左側取付部の構成を示す断面図である。
図32は本発明の実施の形態7に係る透過型スクリーンにおけるフレネルレンズシートの右側取付部の構成を示す斜視図であり、図33はその左側取付部の構成を示す断面図である。
本実施の形態7では、図32及び図33に示すように、弾性部材55,56の先端部の外側面には外れ止め部材81,82が設けられている。外れ止め部材81,82は、その固定部811,821にて弾性部材55,56に固定されている。外れ止め部材81,82の固定部811,821から先端側の部分である押さえ部812,822が、弾性部材55,56の係止部552,562と略平行に所定間隔D1をあけて片持ち梁状に、係止部552,562の先端側に向けて延びている。外れ止め部材81,82の押さえ部812,822の全長L81は、弾性部材55,56の全長よりも若干短い大きさに設定されている。フレネルレンズシート51の掛かり部516,517は、弾性部材55,56の係止部552,562と押さえ部812,822との間に挿入され、その両者の間に挟まれた状態で、係止部552,562に係合される。これによって、フレネルレンズシート51の掛かり部516,517が係止部552,562から離反して外れかけた場合、掛かり部516,517が押さえ部812,822によって係止部552,562側に押さえられて外れ止めされる。なお、押さえ部812,822と係止部552,562との間隔D1は、掛かり部516,517の厚みt51よりも若干大きく設定されており、これによって掛かり部516,517の摺動が阻害されないようになっている。その他の構成は、実施の形態3に係る透過型スクリーン111Bと同様である。
これによって、弾性部材55,56の係止部552,562がフレネルレンズシート51の掛かり部516,517から外れにくくなり、弾性部材55,56のばね力が常にフレネルレンズシート51の掛かり部516,517の内周に印加されるため、フレネルレンズシート51のたわみによる画質劣化のないスクリーン保持構造を実現することができる。
なお、外れ止め部材81,82の長手方向の全長L811は、外れ止めができればいくらでも構わない。
また、係止部552,562と押さえ部812,822との間の隙間の間隔D2は、外れ止めができればどのような値でも構わない。
また、外れ止め部材81,82の押さえ部812,822の張り出し方向に対する長さL812は、外れ止めができればどのような値でも構わない。
また、外れ止め部材81,82の板厚などのその他の寸法、形状は、外れ止めができればどのようなものも構わない。
また、外れ止め部材81,82の材料は、外れ止めができれば何を用いても構わない。
また、外れ止め部材81,82は、弾性部材55,56の全長に渡って形成せず、一部にだけ形成しても構わないし、複数に分割して形成しても構わない。
また、外れ止め部材81,82をフレネルレンズシート51の下辺と係合する弾性部材54に設けても構わない。
また、外れ止め部材81,82をフレネルレンズシート51の上辺と係合する枠体53のフック部535に設けても構わない。
10 水平レンチキュラーレンズ板、11 前面板、12 水平レンチキュラーレンズシート、13 樹脂基材、14 水平レンチキュラーレンズ、15 接着剤、16 黒色遮光層、20 フレネルレンズシート、21 樹脂基材、22 フレネルレンズ、30 金属枠、40A 隙間空間、41 封止部材、42 連通口、43 閉鎖部材、51 フレネルレンズシート、52 水平レンチキュラーレンズ板、53 枠体、54〜56 弾性部材、57〜60 押さえ部材、75,76 長孔、77,78 締結部材、81,82 外れ止め部材、110,110A 透過型表示装置、111,111A,111B 透過型スクリーン、112 投写光学系、113 反射鏡、114 平面ミラー、115 投写光束、511 樹脂基材、512 フレネルレンズ、513 垂直レンチキュラーレンズ、514〜517 掛かり部、521 ガラス基材、522 水平レンチキュラーレンズ、535 フック部、543,563 スリット。
Claims (35)
- 投写光束を観測者側に集光する作用を有するフレネルレンズと、入射光を水平方向に屈折させる作用を有する水平レンチキュラーレンズとが設けられる透過型スクリーンであって、
樹脂基材の一方の面に前記水平レンチキュラーレンズが形成された水平レンチキュラーレンズシートと、光透過性を有する高剛性の材料により板状に形成された基板部材とが重ね合わされて構成された水平レンチキュラーレンズ板と、
前記水平レンチキュラーレンズ板の前記投写光束の入射側に配置され、樹脂基材の一方の面に前記フレネルレンズが形成されたフレネルレンズシートと、
前記フレネルレンズシートと前記水平レンチキュラーレンズ板とを固定する固定具と、
を備える、透過型スクリーン。 - 請求項1に記載の透過型スクリーンにおいて、
前記フレネルレンズは、
同心円状の屈折フレネルレンズ部と、同心円状の全反射フレネルレンズ部とからなる屈折全反射構造を複数列備え、
前記屈折フレネルレンズ部は、前記投写光束を屈折する屈折斜面と、その屈折斜面に隣接配置される無効ファセット面との組み合わせにより構成され、
前記全反射フレネルレンズ部は、前記投写光束を透過させる透過斜面と、その透過斜面を透過した前記投写光束を全反射する全反射傾斜面との組み合わせにより構成される、透過型スクリーン。 - 請求項1に記載の透過型スクリーンにおいて、
前記フレネルレンズは、同心円状に形成された複数列の全反射フレネルレンズ部を備え、
前記全反射フレネルレンズ部は、前記投写光束を透過させる透過斜面と、その透過斜面を透過した前記投写光束を全反射する全反射傾斜面との組み合わせにより構成される、透過型スクリーン。 - 請求項1に記載の透過型スクリーンにおいて、
前記フレネルレンズは、同心円状に形成された複数列の屈折フレネルレンズ部を備え、
前記屈折フレネルレンズ部は、前記投写光束を屈折する屈折斜面と、その屈折斜面に隣接配置される無効ファセット面との組み合わせにより構成される、透過型スクリーン。 - 請求項1ないし4のいずれかに記載の透過型スクリーンにおいて、
前記フレネルレンズは、前記フレネルレンズシートの前記投写光束の入射側に向けられる面に設けられ、
前記フレネルレンズシートの前記観測者側に向けられる面に、入射光を垂直方向に屈折させる作用を有する垂直レンチキュラーレンズが形成される、透過型スクリーン。 - 請求項1ないし5のいずれかに記載の透過型スクリーンにおいて、
前記フレネルレンズシートは、張力を与えられた状態で前記固定具により前記水平レンチキュラーレンズ板と固定されている、透過型スクリーン。 - 請求項1ないし6のいずれかに記載の透過型スクリーンにおいて、
前記水平レンチキュラーレンズ板と前記フレネルレンズシートとの間の隙間空間は、外界から密閉され、かつ外界よりも低圧に保たれている、透過型スクリーン。 - 請求項7に記載の透過型スクリーンにおいて、
前記隙間空間内の内外に連通可能な連通口と、
その連通口を開閉する開閉手段と、
が設けられる、透過型スクリーン。 - 請求項1ないし8のいずれかに記載の透過型スクリーンにおいて、
前記基板部材はガラスにより形成されている、透過型スクリーン。 - 請求項1ないし8のいずれかに記載の透過型スクリーンにおいて、
前記基板部材は、高剛性樹脂により形成されている、透過型スクリーン。 - 請求項1ないし10のいずれかに記載の透過型スクリーンにおいて、
前記固定具は金属により構成される、透過型スクリーン。 - 請求項1ないし10のいずれかに記載の透過型スクリーンにおいて、
前記固定具は高剛性樹脂により構成される、透過型スクリーン。 - 請求項1ないし12のいずれかに記載の透過型スクリーンにおいて、
前記固定具と前記フレネルレンズシートにおける前記樹脂基材とが、線膨張係数の近い材料により形成されている、透過型スクリーン。 - 請求項1ないし13のいずれかに記載の透過型スクリーンにおいて、
前記水平レンチキュラーレンズ板の前記基板部材に光拡散材が混入されている、透過型スクリーン。 - 請求項1ないし13のいずれかに記載の透過型スクリーンにおいて、
前記水平レンチキュラーレンズ板における前記基板部材と前記水平レンチキュラーレンズシートとを接着する接着層に光拡散材が混入されている、透過型スクリーン。 - 請求項1ないし15のいずれかに記載の透過型スクリーンにおいて、
前記水平レンチキュラーレンズは、前記水平レンチキュラーレンズ板の前記投写光束の入射側に向けられる面に形成され、
前記水平レンチキュラーレンズ板の前記観測者側に向けられる平坦面における、前記水平レンチキュラーレンズの各レンズ部に対応して、その各レンズ部によって正当に集光された光が通過する領域以外の領域に黒色遮光層がストライプ状に設けられる、透過型スクリーン。 - 請求項1ないし16のいずれかに記載の透過型スクリーンにおいて、
前記フレネルレンズシートに光拡散材が混入されている、透過型スクリーン。 - 請求項1ないし17のいずれかに記載の透過型スクリーンにおいて、
前記水平レンチキュラーレンズ板の少なくとも片面に、ハードコート処理、帯電防止処理、反射防止処理のうち少なくとも1つの処理が施されている、透過型スクリーン。 - 請求項1ないし18のいずれかに記載の透過型スクリーンにおいて、
前記フレネルレンズシートの少なくとも片面に反射防止処理が施されている、透過型スクリーン。 - 入射した投写光束を観測者側に透過させる透過型スクリーンであって、
樹脂で形成された薄いシート状の形態を有し、入射した前記投写光束を略平行な光に変換して前記観測者側に出射させるフレネルレンズシートと、
前記フレネルレンズシートと対向して配置され、入射した前記投写光束を水平方向又は垂直方向に屈折させるレンチキュラーレンズ板と、
を備える、透過型スクリーン。 - 請求項20に記載の透過型スクリーンにおいて、
前記フレネルレンズシートは、
薄いシート状の樹脂基材と、
前記樹脂基材の一方の面に形成され、入射した前記投写光束を略平行な光に変換するフレネルレンズと、
前記樹脂基材の他方の面に形成され、入射した前記投写光束を垂直方向に屈折させる垂直レンチキュラーレンズと、
を備え、
前記レンチキュラーレンズ板は、入射した前記投写光束を水平方向に屈折させる水平レンチキュラーレンズ板である、透過型スクリーン。 - 請求項20又は21に記載の透過型スクリーンにおいて、
高剛性材料により形成され、前記フレネルレンズシート及び前記レンチキュラーレンズ板の外縁部の少なくとも一部を保持する枠体を、さらに備える、透過型スクリーン。 - 請求項20ないし22のいずれかに記載の透過型スクリーンにおいて、
前記枠体に固定され、フレネルレンズシートの上下2辺のうちの少なくとも1辺を、前記フレネルレンズシートに対して張力を付与した状態で保持する第1の弾性部材を、さらに備える、透過型スクリーン。 - 請求項20ないし23のいずれかに記載の透過型スクリーンにおいて、
前記枠体に固定され、フレネルレンズシートの左右2辺のうちの少なくとも1辺を、前記フレネルレンズシートに対して張力を付与した状態で保持する第2の弾性部材を、さらに備える、透過型スクリーン。 - 請求項23又は24に記載の透過型スクリーンにおいて、
前記弾性部材により保持される前記フレネルレンズシートの前記辺の端部には、前記弾性部材の先端部に引っ掛けられる掛かり部が設けられる、透過型スクリーン。 - 請求項25に記載の透過型スクリーンにおいて、
前記掛かり部は、前記フレネルレンズシートの前記辺の端部が屈曲されて形成されている、透過型スクリーン。 - 請求項25又は26に記載の透過型スクリーンにおいて、
前記弾性部材はばね弾性を有する板状部材により形成され、
前記掛かり部を構成する前記フレネルレンズシートの前記辺における前記掛かり部の先端部は、係合対象である前記弾性部材の前記先端部と略平行になるような屈曲角度で屈曲されている、透過型スクリーン。 - 請求項23ないし27のいずれかに記載の透過型スクリーンにおいて、
前記フレネルレンズシートの前記辺は、その辺に沿った方向に摺動可能な状態で前記弾性部材により保持されている、透過型スクリーン。 - 請求項23ないし28のいずれかに記載の透過型スクリーンにおいて、
前記弾性部材は、係合される前記フレネルレンズシートの前記辺の実質的に全長を網羅するように、前記辺に沿って延びている、透過型スクリーン。 - 請求項25又は26に記載の透過型スクリーンにおいて、
前記弾性部材は、ばね弾性を有する板状部材により形成され、
前記弾性部材の前記先端部は、そのたわみ量に略比例した大きさの張力を前記フレネルレンズシートに付与する、透過型スクリーン。 - 請求項28に記載の透過型スクリーンにおいて、
前記弾性部材と前記フレネルレンズシートの前記辺との摺接部には、摩擦抵抗を低下させるための処理が施されている、透過型スクリーン。 - 請求項25又は26に記載の透過型スクリーンにおいて、
前記弾性部材は、係合される前記フレネルレンズシートの前記辺に沿って延び、ばね弾性を有する板状部材により形成され、
前記弾性部材の前記先端部は、前記弾性部材の長手方向に対して略垂直な方向に延びる複数のスリットが設けられて複数の部分に分割されている、透過型スクリーン。 - 請求項28に記載の透過型スクリーンにおいて、
前記フレネルレンズシートの前記辺には、その辺の延びる方向に沿って延びる長孔が設けられ、
前記長孔に通されて係合される取付具が前記弾性部材に取り付けられている、透過型スクリーン。 - 請求項25又は26に記載の透過型スクリーンにおいて、
前記弾性部材の前記先端部には、前記フレネルレンズシートに設けられる前記掛かり部が前記先端部から離反して外れるのを押させて防止する外れ止め部が設けられている、透過型スクリーン。 - 請求項1ないし34のいずれかに記載の透過型スクリーンを用いる、投写型表示装置。
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