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JP2005008701A - Polymer film and method for producing the same - Google Patents

Polymer film and method for producing the same Download PDF

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JP2005008701A
JP2005008701A JP2003172351A JP2003172351A JP2005008701A JP 2005008701 A JP2005008701 A JP 2005008701A JP 2003172351 A JP2003172351 A JP 2003172351A JP 2003172351 A JP2003172351 A JP 2003172351A JP 2005008701 A JP2005008701 A JP 2005008701A
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JP
Japan
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block copolymer
substrate
film
polymer film
resin
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Application number
JP2003172351A
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Japanese (ja)
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Takeji Hashimoto
竹治 橋本
Sivania Ethan
シバニア イーサン
Kenji Fukunaga
謙二 福永
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Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a method for preparing a polymer film having a microdomain structure oriented vertically to a substrate surface by using a mixture of at least two or more kinds of block copolymer resins having different molecular weights as a resin, placing the resin on a substrate having at least ≥1 nm surface roughness and heat-treating the resin. <P>SOLUTION: The polymer film is a block copolymer film in which a block copolymer resin composed of at least two or more kinds of mutually incompatible polymers bonded at mutual ends is placed on the substrate having at least ≥1 nm surface roughness, where the film has a microdomain structure oriented vertically to the substrate surface. The block copolymer resin is the mixture of at least two or more kinds of block copolymer resins having different molecular weights. The method for preparing the polymer film is provided. <P>COPYRIGHT: (C)2005,JPO&NCIPI

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リソグラフィー等の工程によらず、膜表面に対して垂直に配向したパターン構造を自己組織化により形成する材料とその方法に関する。
【0002】
膜を形成する高分子成分のうち、特定の成分を選択的に分解除去することにより基板表面の微細なパターニングに適用できる。
また特定の高分子成分に他の機能性材料、例えば触媒微粒子などを選択的に導入することにより高活性な触媒表面の構築などに適用される。更にはミクロドメイン構造が膜面に対して特定の方向に配向していることを利用して偏向フィルムや導波路用部材として適用される。
【0003】
【従来の技術】
近年、電子部品の小型化に代表されるように、リソグラフィー技術を始めとする微細なパターン加工技術の重要性は非常に高まっている。しかしながら、リソグラフィー技術では加工寸法が小さくなるほど加工装置が複雑且つ大型化し、膨大な投資が必要となってくるため、加工サイズの微細化とそのコストをバランスさせる新しい技術の創出が待望されてきた。
【0004】
このような観点からリソグラフィーのような機械的手法ではなく、特定の材料が示す自己組織的に形作る構造を材料の微細加工に利用しようとする機運が高まってきた。
自己組織化を示す代表的な材料の一つとしてブロック共重合体を挙げることができる(例えば非特許文献1参照)。
【0005】
ブロック共重合体とは、複数の高分子(ブロック)が互いの末端で結合した材料である。なおブロック共重合体1分子を形成するブロック成分の種類は3種類以上であってもよい。
【0006】
ブロック共重合体をなす異種のブロック成分が互いに混じり合わない(非相溶な)場合、これらのブロックの相分離(ミクロ相分離)により、特定の秩序を持ったミクロドメイン構造が自己組織化される。このようなミクロドメイン構造を微細加工の雛型として利用しようとする試みはこれまでも為されてきた(例えば非特許文献2参照)。
ミクロ相分離を生じるブロック共重合体を基板上で成膜することによって、ミクロドメイン構造を表面のパターニングや微細加工に利用しようとする試みも行われてきた(例えば特許文献1参照)。
【0007】
ブロック共重合体の膜内部では基板に対してより親和性の高いブロックが基板に接するように、一方では自由表面(基板と反対側の表面)に対してより親和性の高いブロックが自由表面に接するように、ミクロドメインが配列しようとする。その結果、ブロック共重合体膜のミクロドメイン構造は、しばしば膜表面に対して平行に配向したミクロドメイン構造を示す。
【0008】
特にブロック共重合体のミクロドメイン構造がラメラ構造である場合、膜表面に対してラメラが平行に並んだ構造が通常観察される。このような高分子膜は膜の面内方向には特徴的な構造を持たず、表面のパターニングなどに用いることはできない。
【0009】
一方で、ブロック共重合体の膜に、膜面に垂直な方向に極めて高い電界を印加することにより、ミクロドメインを電界の方向へ配向させ、膜表面に対して垂直に配向したミクロドメイン構造を得る方法が提案されている(例えば非特許文献3参照)。
【0010】
しかしブロック共重合体の膜に高電界を印加するには、膜表面に電極を密着させ非常に狭いギャップ間で該膜に電圧を印加するなど特別の工程あるいは設備が必要であった。
【0011】
あるいは基板表面を化学的に修飾しブロック共重合体の各ブロックに対して等しい親和性を持つように処理する方法(例えば非特許文献4参照)により、ミクロドメイン構造が膜表面に対して垂直に配向した構造が得られている。
【0012】
しかし、基板表面をブロック共重合体の各ブロックに対して等しい親和性を持つように処理するのは一般に容易ではない。このような点から、これらの方法を、実際にミクロ相分離構造を膜表面に対して垂直に配向させる方法として採用するのは現実的ではなかった。
【0013】
あるいは基板の表面に100nm以下の繰返し周期を持った微細なパターニングを施すことによって、ミクロドメイン構造が膜表面に対して垂直に配向したパターニング膜を形成する方法が考えられてきた(例えば特許文献2参照)。
【0014】
しかしこの方法では予め何らかの手法により、基板の表面に規則的かつ微細なパターンを形成しなければならないため、結局従来の機械的手法の利用無しには実施できないものであった。
【0015】
このような現状を鑑み、本願発明人らの一部はこれまでに、所定の特性表面粗さを有する基板上にブロック共重合体樹脂を載置した後、該樹脂を熱処理することにより、ブロック共重合体の膜面に垂直に配向したラメラ構造を形成する方法を見出してきた(特許文献3参照)。
【0016】
【特許文献1】特開2001−151834公報
【特許文献2】米国特許5948470号公報
【特許文献3】特願2002−260512号
【非特許文献1】Physics Today 52(1999)p.32
【非特許文献2】Langmuir 13(1997)p.3866
【非特許文献3】Macromolecules 24(1991)p.6546
【非特許文献4】Macromolecules 32(1999)p.5299
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の手法ではブロック共重合体の膜の表面に形成される微細パターンのサイズが、該ブロック共重合体の分子構造から導かれるミクロドメイン構造の周期によって決定されるため、いくつかの異なるサイズのパターニングを実施しようとした場合、それぞれの場合についてそのサイズのミクロドメイン構造を生じせしめるブロック共重合体を設計し、合成する必要があった。
【課題を解決するための手段】
樹脂として分子量が異なる少なくとも2種類以上のブロック共重合体樹脂の混合物を用い、前記樹脂を少なくとも1nm以上の表面粗さを有する基板上に載置した後、該樹脂を熱処理することにより、基板表面に対して垂直に配向したミクロドメイン構造を有する高分子膜を作製する方法である。
【0017】
特に本願発明では、ブロック共重合体を構成する各ブロックが、各々のラメラドメインにミクロ相分離し、各々のラメラ界面が基板に対して垂直かつ交互に配列した膜を形成する。本明細書(特許請求の範囲を含む)では、これを垂直配向ラメラ構造を有するブロック共重合体膜と呼ぶ。
【0018】
すなわち、本発明は、少なくとも1nm以上の表面粗さを有する基板上に、少なくとも2種類以上の互いに非相溶な高分子が互いの末端で結合してなるブロック共重合体樹脂を載置され、基板表面に対して垂直に配向したミクロドメイン構造を有するブロック共重合体膜であって、該ブロック共重合体樹脂が分子量の異なる少なくとも2種類以上のブロック共重合体樹脂の混合物であることを特徴とする高分子膜に関する。
【0019】
また、本発明は、少なくとも1nm以上の表面粗さを有する基板上に、少なくとも2種類以上の互いに非相溶な高分子が互いの末端で結合してなるブロック共重合体樹脂を載置した後、該樹脂を熱処理することにより、基板表面に対して垂直に配向したミクロドメイン構造を有するブロック共重合体膜を作製する方法であって、ブロック共重合体樹脂として分子量が異なる少なくとも2種類以上のブロック共重合体樹脂の混合物を用いることを特徴とする高分子膜の作製方法に関する。
【0020】
また、本発明は、熱処理として溶媒処理を用いることを特徴とする上記の高分子膜の作製方法に関する。
【0021】
また、本発明は、少なくとも2種類以上のブロック共重合体樹脂の混合物であって前記ブロック共重合体樹脂がマクロ相分離を生じていないことを特徴とする上記の高分子膜の作製方法に関する。
【0022】
また、本発明は、基板の表面粗さの凹凸周期が、混合するブロック共重合体樹脂成分のうちで最も小さい分子量を有するブロック共重合体のミクロドメイン構造の周期と同等以上であることを特徴とする上記の高分子膜の作製方法に関する。
【0023】
また、本発明は、混合物をなすブロック共重合体樹脂のそれぞれで、互いに非相溶な高分子ブロックの一方がなす体積分率が35〜65%であることを特徴とする上記の高分子膜の作製方法に関する。
【0024】
また、本発明は、混合物をなすブロック共重合体樹脂が芳香環を含有するモノマーとメタクリレートモノマーから重合されていることを特徴とする上記の高分子膜の作製方法に関する。
【0025】
また、本発明は、高分子膜の厚さがブロック共重合体のミクロドメイン構造の周期の2倍以上であり、且つ、1μm以下であることを特徴とする上記の高分子膜の作製方法に関する。
【0026】
また、本発明は、ミクロドメイン構造がラメラ構造であることを特徴とする上記の高分子膜の作製方法に関する。
【0027】
【発明の実施の形態】
本願発明のブロック共重合体に用いられるモノマー成分としては、アクリロニトリル、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸、ビニルピロリドン、エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ビニルスルホン酸、ビニルホスホン酸、ビニルピリジンなどのブロック共重合体の合成に供しえるモノマーがいずれも使用可能である。
【0028】
好適には、スチレン、クロロスチレン、メチルスチレン、ヒドロキシスチレン、ビニルナフタレン、スチレンスルホン酸など芳香環含有モノマーからなるブロックと、メタクリル酸メチルやブチルメタクリル酸メチルなどのアクリル系モノマーからなるブロックの組合せなどが用いられる。
【0029】
ブロック共重合体は、前記モノマー成分を、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合、リビングラジカル重合などの手法により各ブロックの順番に重合していくことによって供される。
または、上記ブロック共重合体は、予めモノマーから重合された高分子鎖の末端に重合開始基が付加したマクロ開始剤を用いて、他のモノマーを更に重合することによってことによっても得ることができる。
【0030】
あるい上記ブロック共重合体は、予め重合された高分子鎖の末端に反応性基が付加したマクロマー同士を反応させ結合させることなどによっても得ることができる。
【0031】
前記の方法などによって合成したブロック共重合体を更に化学的に修飾した樹脂も本願発明に供することができる。
【0032】
例えばスチレンを含むブロック共重合体に対して、スチレン部位にスルホン酸基を導入したものを用いることができる。
【0033】
ブロック共重合体を構成する各ブロックの体積分率によりミクロドメイン構造の形態が変化する。
【0034】
例えば、互いに非相溶なAとBの2種類のモノマーからなるABブロック共重合体について説明する。ここでAモノマーからなるブロック(Aブロック)の体積分率φがBのモノマーからなるブロック(Bブロック)の体積分率φより大きくならないようにAとBを定める。
【0035】
このときφが概略17%以下ではAからなる球状ミセルがBからなるマトリックス中に分散した構造(ミセル構造)が、φが概略17%から33%の間ではAからなるシリンダーがBからなるマトリックス中に分散した構造(シリンダー構造)が、φが概略33%以上ではAからなるラメラとBからなるラメラが交互に積層した構造(ラメラ構造)がそれぞれ形成される。
【0036】
ブロック共重合体を構成するブロックの種類が3種類以上の場合、更に多様な構造が形成できる。
ブロック共重合体を構成する各ブロックの化学成分およびそれらの体積分率を一定とした場合、ミクロドメイン構造のサイズはブロック共重合体の分子量により変化する。
【0037】
ここでブロック共重合体の分子量とは、ブロック共重合体1分子中に含まれる各ブロックの分子量の総和をいう。
【0038】
本願発明でいう少なくとも2種類以上のブロック共重合体樹脂の混合物とは、分子量Mのブロック共重合体1とそれより大きい分子量Mをもったブロック共重合体2の混合物であり、ブロック共重合体1と2は同じモノマー成分の組合せからなるものをいう。
【0039】
ブレンドした少なくとも2種類以上のブロック共重合体樹脂は、製膜工程や後述する熱処理工程で、おのおののブロック共重合体樹脂のみからなるマクロなドメインを形成しないことが好ましい。
【0040】
ここでいう「マクロな」とは前記ブロック共重合体樹脂が形成するミクロ相分離構造の周期より大きいサイズであることをいう。
【0041】
マクロなドメインが生じる場合、前記ドメイン中ではそのドメインを構成している一方のブロック共重合体樹脂のみからなるミクロ相分離構造が形成され、本願発明が目的とするブレンドを用いてパターンのサイズを制御する効果が失われる。
【0042】
マクロなドメインを生じないためには、ブレンドする2種類以上のブロック共重合体樹脂が、それぞれ単独で形成するミクロドメイン構造の種類が異ならないことが好ましい。
【0043】
共にラメラ構造を形成するブロック共重合体樹脂の組合せを好適に用いることができる。
【0044】
マクロなドメインを生じないためには、ブレンドする2種類以上のブロック共重合体樹脂の比率にもよるが、前記樹脂の中で最も分子量が小さいものSの分子量Mと最も分子量が大きいものLの分子量Mの比M/Mが概略9を超えないことが好ましい。
【0045】
更に好ましくは上記M/Mが概略5を超えないものが用いられる。
【0046】
但し、仮にM/Mが5より大きな値であったとしても、前記SとLのブレンド比が所定の範囲内にある場合は、マクロなドメインが形成されず本願発明に用いることができる。
【0047】
例えば、ポリスチレンとポリメタクリル酸メチルのブロック共重合体PS−PMMAについて、M/Mが5.7の場合、Lの重量分率が概略40%より大きい範囲ではマクロなドメインが形成されないことが分かっている。
【0048】
更に、例えば、ポリスチレンとポリメタクリル酸メチルのブロック共重合体PS−PMMAについて、M/Mが9.4の場合、Lの重量分率が概略50%より大きい範囲ではマクロなドメインが形成されないことが分かっている。
基板としては、ガラス、シリコン、シリコン酸化物、チタニアやインジウム錫酸化物(ITO)などの各種金属酸化物、カーボンや各種金属などからなる無機基板や、各種の樹脂基板などを使用目的に応じていずれも選択することができる。
【0049】
前記基板の表面は以下で具体的に説明する表面粗さを有するものとする。
【0050】
ここで必要とされる基板表面の表面粗さについて本願発明の原理に基づいて説明する。
【0051】
基板上にAブロックから成るラメラ及びBブロックから成るラメラの2種のラメラから成る交互ラメラ構造を有するブロック共重合体膜が存在する場合を考える。
【0052】
平坦な基板上にブロック共重合体膜を作製した場合、基板との親和性が良い方のAブロックからなるラメラが基板に接するように、ブロック共重合体膜は基板に平行に配向したラメラ構造をとる(以下これを平行配向ラメラ構造と呼ぶ)。これは、基板とAブロックから成るラメラとの間の界面張力が基板とBブロックから成るラメラとの間の界面張力よりも小さいことを意味する。
【0053】
基板の表面を徐々に粗くしてゆくと、各ラメラはその表面形状に沿ってうねらなければならなくなり、基板とAブロックから成るラメラとの間の界面自由エネルギー及びABラメラ間の界面自由エネルギーが増加する。基板の表面粗さが所定の値(これを臨界値と呼ぶ)を超えたとき、垂直配向ラメラ構造をった方が系全体の自由エネルギーが低くなる。すなわち、表面粗さが臨界値よりも小さい場合には平行配向ラメラ構造が好まれ、臨界値よりも大きい場合には垂直配向ラメラ構造が好まれる。
【0054】
この臨界値は、ブロック共重合体膜が形成される雰囲気(例えば空気中)とブロック共重合体膜を構成する各ブロックとの表面張力、基板と各ブロックとの界面張力、異種ブロック間の界面張力、及び分子量により決まる。これらの関係は次の式で表される。
【数1】

Figure 2005008701
【0055】
γA,air、γB,airはそれぞれブロック共重合体膜のAブロック、Bブロックと空気との間の表面張力、γA,subs、γA,subsはそれぞれAブロック、Bブロックと基板との間の界面張力、γA,BはAブロックとBブロックの間の界面張力である。f(d/dref)はブロック共重合体膜内のブロックのラメラ間距離d(詳しくは、所定の基準ラメラ間距離drefに対する比)に依存する値であり、d=drefのときf(d/dref)=1であり、(qR)は一般にdに依存する。
また、d/drefの値が小さくなるとf(d/dref)の値は大きくなる。すなわち、ラメラ間距離dが小さくなると臨界特性表面粗さの値は大きくなる。
【0056】
なお、基板表面から膜表面まで垂直な配向ラメラ構造が形成されるためには、γA,airとγB,airの差は小さいことが望ましく、∂air、∂subsの値は0.5mN/mより小さくなければならない。ポリスチレン−ポリメタクリル酸メチルのブロック共重合体の場合は∂air=│γPS,air−γPMMA,air│=0.1mN/mである。
【0057】
上式における表面粗さ(の臨界値)は、特性表面粗さで表されるものである。
【0058】
特性表面粗さとは、基板表面の断面形状に基づき、基板面と平行な方向をx方向、基板面と垂直な方向をz方向としたときの、x方向における表面の凹凸の平均周期λの逆数とz方向の振幅から得られる数値である。
【0059】
具体的に特性表面粗さは、q=2π/λと、基板表面の平均面mからの個々の場所における表面の偏差Δzの二乗平均根で定義されるRとの積qRで得ることができる。
この特性表面粗さは単位を持たない無次元値であり、λやΔzの絶対的な大きさによらず形状だけを表すものである。
【0060】
基板の特性表面粗さをこの臨界値以下として基板上に垂直配向ラメラ構造を有するブロック共重合体膜を作製した場合、それを加熱すると、(qR)の大きさに依存する或る特定の時間の後にブロック共重合体膜は平行配向ラメラ構造に変化する。
【0061】
例えば、ITO基板上に分子量約38,000のポリスチレンと分子量約36,800のポリメタクリル酸メチルのブロック共重合体PS−PMMAからなる膜を載置した場合について、特性表面粗さの値が0.3では前記膜には200℃で200分程度熱処理を行うと平行ラメラ構造が発現する。
【0062】
しかし特性表面粗さの値が0.38以上になると、前記膜のミクロドメイン構造はいくら長時間加熱しても平行配向ラメラ構造とはならず、恒久的に垂直配向ラメラ構造が維持された。
【0063】
このように恒久的に垂直配向ラメラ構造が維持される特性表面粗さを臨界特性表面粗さ(又は臨界値)という。
【0064】
一方、前記式1右辺のf(d/dref)を除いた項に各表面張力及び界面張力γA,air、γA,air、γA,subs、γA,subs、γA,Bの値を入れて計算すると、(qR)=0.36となる。これは、実験的に見積もられた臨界値と符合する。
【0065】
従って、PS−PMMAの場合、PSブロックの分子量38,000、PMMAブロックの分子量36,800のPS−PMMAのラメラ間距離dがほぼ基準ラメラ間距離drefとなることがわかる。これより、任意の分子量のPS−PMMAに対して臨界特性表面粗さ(qR)を決定することができる。なお、PS−PMMAの場合、ラメラ間距離dはブロック共重合体の平均重合度Nとの関係で、Nが280以上の場合、d=0.3N0.75[nm]で近似されることがわかっている。
【0066】
また、上記臨界値0.36の値は、PSブロックの分子量とPMMAブロックのそれぞれの分子量が概略18,000まで小さいものであっても当てはまることが分かっている。
【0067】
上記臨界値以上の表面粗さを基板表面に導入する方法としては、真空蒸着やスパッタリングなどを用いて適当な基材の上に基板材料を乱雑に堆積することによって得ることが出来る。例えばガラス基材上に真空蒸着されたITO基板は、蒸着条件を適当に選ぶことにより本願発明で必要とされる特性表面粗さを有するものが容易に得られる。
【0068】
あるいは基板表面を、摩擦、化学エッチング、陽極酸化、レーザー照射、イオン衝撃などの各種の手法により適度に荒らすことによって臨界値以上の表面粗さを基板表面に導入することができる。
または、予め臨界値以上の表面粗さを有する表面を先に挙げた手法などを用いて用意しておき、この表面のレプリカを樹脂などを用いて作製することにより臨界値以上の表面粗さを有する基板を複製することができる。
【0069】
例えば、真空蒸着によって作製した所定の表面粗さを有するITO基板上に、ポリイミド樹脂の前駆体であるポリアミック酸樹脂溶液を塗布製膜し、次いで加熱により溶媒を除去すると共に前記ポリアミック酸樹脂をイミド化し、上記ポリイミド膜をITO基板から剥離することによって、本願発明に供される臨界値以上の表面粗さを有するポリイミド樹脂基板を作製することができる。
【0070】
ブロック共重合体を前記基板上に載置する方法としては、該ブロック共重合体を揮発性有機溶剤に溶解させた樹脂溶液を調整した後、スピンコート法、溶媒キャスト法、ロールコート法、浸漬コーティング法、カーテンコート法などの一般的な塗布方法を採用することができる。
【0071】
このようにブロック共重合体の膜を該樹脂の溶液を用いて基板上に載置する場合、前記基板は有機溶剤に対して安定な材質でなければならない。この点から各種の無機基板やポリイミド樹脂など耐溶剤性に優れた材質からなる基板が好適に用いられる。
【0072】
更に塗布工程中にブロック共重合体の膜が基板から脱濡れして不均一な膜になることを防止するために、前記基板はブロック共重合体樹脂と親和性を持ったものが選択される。
【0073】
溶液から塗布され乾燥されたブロック共重合体の膜は、しばしば無秩序で熱的に不安定な構造を示す。これは該溶液が塗布されて乾燥される工程で、ブロック間のミクロ相分離過程を完了させ秩序だったミクロドメイン構造を形成させるのに必要な時間が不足するためによる。
【0074】
このため、ブロック共重合体の膜を基板上に載置した後、必要に応じて前記膜の熱処理を行う。この熱処理工程によりブロック共重合体のミクロドメイン構造を配列させることができる。
【0075】
熱処理温度はブロック共重合体を構成する各ブロック成分のガラス転移温度のうち、最も高いものと同程度あるいはそれ以上とする。
【0076】
熱処理温度が上記ガラス転移温度に比べて高いほど熱処理を行う時間は短くてよくなるが、ブロック共重合体樹脂の熱劣化が生じないように該樹脂の熱分解温度より低く設定する。
例えば、ポリスチレンとポリメタアクリル酸メチルからなるブロック共重合体について、熱処理として温度140℃以上の加熱処理が用いられる。更に好適には190〜270℃において10分以上の加熱処理が用いられる。
【0077】
加熱によるブロック共重合体膜の酸化劣化を防ぐため、不活性雰囲気または真空中における熱処理が好適に用いられる。
【0078】
ブロック共重合体膜の基板はこの熱処理に耐え得るものでなければならない。この点でも各種の無機基板や、ポリイミドなど耐熱樹脂からなる基板が好適に用いられる。
【0079】
ブロック共重合体混合物の平均分子量及びその種類に応じた適当な特性表面粗さを有する基板を使用することにより、容易にミクロドメイン構造が基板表面に対して垂直に配向した構造を有する膜を作製することが可能である。
【0080】
ブロック共重合体がラメラ構造を形成する場合、本願発明により容易にラメラ構造が基板表面に対して垂直に配向した構造を有する膜を作製することが可能となる。
【0081】
このようにして作製された膜の垂直に配向した構造は、該膜を前記基板から剥離しても、全てのブロック成分のガラス転移温度以上に長時間加熱処理されない限り維持される。
【0082】
更には剥離した膜を別の適当な基板上に担持し直して用いることが可能である。この場合も全てのブロック成分のガラス転移温度以上に長時間加熱処理されない限り垂直に配向した構造は維持される。
【0083】
例えば本願発明の方法を用いれば、膜に平行な方向と膜に垂直な方向で屈折率に差が生じることを利用した偏光フィルムなどの光学材料の製造が可能である。
【0084】
またブロック共重合体の成分として、イオン伝導性のモノマーと非イオン伝導性のモノマーを用いることにより、イオン伝導性ドメインが膜面に垂直に配向した固体電解質膜を製造することが可能である。この膜はイオンを伝導するドメインがイオンを流したい方向に沿って膜を貫通して配列している構造を有しており、リチウム電池や燃料電池などに好適に用いられる。
【0085】
ここでプロトン伝導性に優れたブロック成分Xと機械的強度に優れたブロック成分Yからなるブロック共重合体膜を本願発明に従って製造し燃料電池用電解質膜として用いれば、Yにより運転条件下でのXの膨潤が抑制されることにより優れた機能が発揮できることが期待される。例えば直接メタノール分解型の燃料電池用固体電解質膜として好適に用いられることが期待される。
【0086】
更に、垂直配向ラメラ構造を有する膜に対しては、特定の試薬での処理、プラズマ処理、紫外線照射等で当該試薬等に耐性を持たない一方の部位のみを侵食除去することにより、膜の微細加工を行うことが可能である。
【0087】
ナノレベルの精度が要求される様々な微細加工分野においてこの方法を適用することができる。
【0088】
例えばこの方法を用いて、回折格子、ナノオーダーのパターンを作製するためのレジスト及びこのレジストを使用して作製される電子デバイス、樹脂の除去部分を磁性体や光学材料により置き換えることにより高密度メモリなどの製造に適用できる。
【実施例】
以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0089】
なお、基板の特性表面粗さは原子間力顕微鏡(AFM)により測定を行い、膜の配向構造は、AFMならびに透過型電子顕微鏡(TEM)による断面観察によって行った。
【0090】
【実施例1】
ガラス上に蒸着された表面粗さ15nmであって、特性表面粗さ0.6のITOを基板として用いた。
ブレンドするPS−PMMA樹脂として、アニオン重合により合成したPSブロックの分子量18,000、PMMAブロックの分子量18,000のもの(これ以降18k−18kと呼ぶ)と、PSブロックの分子量50,000、PMMAブロックの分子量54,000のもの(これ以降50k−54kと呼ぶ)を用いた。
18k−18kと50k−54kを種々の重量比w/wでブレンドし、トルエンに溶解し均一溶液とした。
【0091】
上記溶液を前記ITO基板上にスピンコートし、有機溶剤を揮発させた後、230℃で2時間、窒素ガス雰囲気下で加熱することにより各ブロック共重合体を配列させた。
高分子膜の厚みは約300〜700nmであり、18k−18kを単独で用いた場合に形成されるラメラ周期d、50k−54kを単独で用いた場合に形成されるラメラ周期dのそれぞれに対して2倍以上の大きさであった。
【0092】
TEMによる膜断面観察から、ミクロドメイン構造において垂直配向ラメラ構造が形成されていることが確認された。
AFMによる膜表面観察から、図1に示すように、dとdの間のラメラ周期dを有する膜を作製することができた。ブレンドの平均分子量<N>に応じてdとdの間で任意のdの値を有する膜が作製できた。
【0093】
【実施例2】
ブレンドするPS−PMMA樹脂として、18k−18kの代わりにPSブロックの分子量106,000、PMMAブロックの分子量99,000のもの(これ以降106k−99kと呼ぶ)を用いた以外は実施例1と同様にして、ブロック共重合体樹脂の膜を作製した。作製された膜は全て垂直配向ラメラ構造を有しており、図2に示すようにブレンドの平均分子量<N>に依存して、dと106k−99kを単独で用いた場合に形成されるラメラ周期dの間で任意のラメラ周期dを有する膜を作製することができた。
【実施例3】
ブレンドするPS−PMMA樹脂として、50k−54kの代わりにPSブロックの分子量170,000、PMMAブロックの分子量168,000のもの(これ以降170k−168kと呼ぶ)を用いた以外は実施例2と同様にして、ブロック共重合体樹脂の膜を作製した。
作製された膜は全て垂直配向ラメラ構造を有しており、図3に示すようにブレンドの平均分子量<N>に依存して、dと170k−168kを単独で用いた場合に形成されるラメラ周期dの間で任意のラメラ周期dを有する膜を作製することができた。
【実施例4】
ブレンドするPS−PMMA樹脂として、170k−168kの代わりにPSブロックの分子量37,000、PMMAブロックの分子量46,000のもの(これ以降37k−46kと呼ぶ)を用いた以外は実施例3と同様にして、ブロック共重合体樹脂の膜を作製した。
作製された膜は全て垂直配向ラメラ構造を有しており、図4に示すようにブレンドの平均分子量<N>に依存して、dと37k−46kを単独で用いた場合に形成されるラメラ周期dの間で任意のラメラ周期dを有する膜を作製することができた。
【実施例5】
ブレンドするPS−PMMA樹脂として、106k−99kの代わりに37k−46kを用いた以外は実施例3と同様にして、ブロック共重合体樹脂の膜を作製した。
作製された膜は全て垂直配向ラメラ構造を有しており、図5に示すようにブレンドの平均分子量<N>に依存して、dとdの間で任意のラメラ周期dを有する膜を作製することができた。
【実施例6】
実施例1〜5で用いたITO基板の表面に、ビフェニルテトラカルボン酸(BPDA)とオキシジアニリン(ODA)からなるポリイミド前駆体のジメチルアセトアミド(DMAc)溶液を流延し、次いで大気中で加熱処理を行うことによって、前記前駆体をイミド化し、ITO基板上にポリイミドフィルムを得た。
【0094】
上記ポリイミドフィルムをITO基板から剥離することによって、該ITO基板表面の形状が、該ITO基板に接触していた側の表面に転写されたポリイミド基板を得た。
【0095】
基板として上記ポリイミド基板を用いた以外は実施例1〜5と同様にして、ブロック共重合体樹脂の膜を作製した。
作製された膜は、ITO基板を用いた場合と同じく、垂直配向ラメラ構造を有しており、ブレンドの平均分子量<N>に依存したラメラ周期を示した。
【実施例7】
ポリイミドとして、BPDAとp−フェニレンジアミン(PDA)を用いた以外は実施例6と同様にして、ブロック共重合体樹脂の膜を作製した。
作製された膜は、垂直配向ラメラ構造を有しており、ブレンドの平均分子量<N>に依存したラメラ周期を示した。
【比較例1】
特性表面粗さ0.03のITO基板を用いた以外は実施例1〜5と同様にしてブロック共重合体樹脂の膜を作製した。しかしながらこの場合、いずれの重量比のブレンドにおいても膜内部には、垂直配向ラメラ構造ではなく、平面配向ラメラ構造が形成された。
【0096】
【比較例2】
ブレンドするPS−PMMA樹脂として、18k−18kと106k−99kを用い、ブレンド中における106k−99kの重量分率を40%より小さくした以外は実施例1と同様にして、ブロック共重合体樹脂の膜を作製した。
作製された膜中では、18k−18kと106k−99kがマクロなドメインを形成して分かれていた。この膜表面のパターンのサイズはほぼdに等しいままであり、ブレンドの比率に依らなかった。
【比較例3】
ブレンドするPS−PMMA樹脂として、18k−18kと170k−168kを用い、ブレンド中における170k−168kの重量分率を50%より小さくした以外は実施例1と同様にして、ブロック共重合体樹脂の膜を作製した。
作製された膜中では、18k−18kと170k−168kがマクロなドメインを形成して分かれていた。この膜表面のパターンのサイズはほぼdに等しいままであり、ブレンドの比率に依らなかった。
【0097】
【発明の効果】
ブロック共重合体樹脂混合物に応じて適当な特性表面粗さを有する基板を使用することにより、容易にミクロドメインが基板に対して垂直に配向した構造を有する膜を作製することが可能となる。
ブロック共重合体混合物の混合比を変更することにより、混合に用いたブロック共重合樹脂がそれぞれ単独で形成するパターンのサイズの間で、任意のサイズを持ったパターンを形成することが可能となる。
基板の表面粗さは、例えば通常のリソグラフィーによる制御など、一般的な基板製作工程の中で用いられている各種方法により制御することが可能である。
このような垂直配向ラメラ構造を有する膜に対しては、特定の試薬での処理、プラズマ処理、紫外線照射等で当該試薬等に耐性を持たない一方の部位のみを侵して、除去することにより、膜の微細加工を行うことが可能である。ナノレベルの精度が要求される様々な技術分野においてこのような方法を適用することによって、微細加工を施した製品を作製することができるが、本発明に係る方法により、その適用範囲が大きく広がる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1のブロック共重合体樹脂の混合物の平均分子量<N>と高分子膜表面のラメラ周期dとの関係を示したものである。
【図2】本発明の実施例2のブロック共重合体樹脂の混合物の平均分子量<N>と高分子膜表面のラメラ周期dとの関係を示したものである。
【図3】本発明の実施例3のブロック共重合体樹脂の混合物の平均分子量<N>と高分子膜表面のラメラ周期dとの関係を示したものである。
【図4】本発明の実施例4のブロック共重合体樹脂の混合物の平均分子量<N>と高分子膜表面のラメラ周期dとの関係を示したものである。
【図5】本発明の実施例5のブロック共重合体樹脂の混合物の平均分子量<N>と高分子膜表面のラメラ周期dとの関係を示したものである。
【図6】本発明の比較例2のブロック共重合体樹脂の混合物の平均分子量<N>と高分子膜表面のラメラ周期dとの関係を示したものである。
【図7】本発明の比較例3のブロック共重合体樹脂の混合物の平均分子量<N>と高分子膜表面のラメラ周期dとの関係を示したものである。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a material and a method for forming a pattern structure oriented perpendicularly to a film surface by self-organization irrespective of a process such as lithography.
[0002]
It can be applied to fine patterning of the substrate surface by selectively decomposing and removing specific components among the polymer components forming the film.
Further, it is applied to the construction of a highly active catalyst surface by selectively introducing other functional materials such as catalyst fine particles into a specific polymer component. Furthermore, it is applied as a deflecting film or a waveguide member by utilizing the fact that the microdomain structure is oriented in a specific direction with respect to the film surface.
[0003]
[Prior art]
In recent years, as typified by miniaturization of electronic components, the importance of fine pattern processing technology including lithography technology has been greatly increased. However, in lithography technology, as the processing dimension becomes smaller, the processing apparatus becomes more complicated and larger, and enormous investment is required. Therefore, creation of a new technology that balances the miniaturization of processing size and its cost has been awaited.
[0004]
From such a point of view, there has been an increased momentum for using a self-organized structure represented by a specific material for microfabrication of the material, rather than a mechanical method such as lithography.
A block copolymer can be given as one of typical materials exhibiting self-assembly (see, for example, Non-Patent Document 1).
[0005]
A block copolymer is a material in which a plurality of macromolecules (blocks) are bonded to each other at their ends. Three or more types of block components may be used to form one molecule of the block copolymer.
[0006]
If the different block components that make up the block copolymer do not mix with each other (incompatible), the microdomain structure with a specific order is self-organized by phase separation (microphase separation) of these blocks. The Attempts to use such a microdomain structure as a template for microfabrication have been made (see Non-Patent Document 2, for example).
Attempts have also been made to use the microdomain structure for surface patterning and microfabrication by forming a block copolymer that causes microphase separation on a substrate (see, for example, Patent Document 1).
[0007]
Inside the block copolymer film, blocks with higher affinity to the substrate touch the substrate, while blocks with higher affinity to the free surface (surface opposite to the substrate) Microdomains try to align so that they touch. As a result, the microdomain structure of the block copolymer film often exhibits a microdomain structure oriented parallel to the film surface.
[0008]
In particular, when the microdomain structure of the block copolymer is a lamella structure, a structure in which lamellae are arranged in parallel to the film surface is usually observed. Such a polymer film does not have a characteristic structure in the in-plane direction of the film and cannot be used for surface patterning or the like.
[0009]
On the other hand, by applying an extremely high electric field to the block copolymer film in the direction perpendicular to the film surface, the microdomains are oriented in the direction of the electric field, and the microdomain structure is oriented perpendicular to the film surface. A method of obtaining is proposed (see, for example, Non-Patent Document 3).
[0010]
However, in order to apply a high electric field to the block copolymer film, a special process or equipment such as applying an electrode to the film surface and applying a voltage to the film in a very narrow gap is required.
[0011]
Alternatively, the microdomain structure is perpendicular to the film surface by a method in which the substrate surface is chemically modified and treated so as to have equal affinity for each block of the block copolymer (for example, see Non-Patent Document 4). An oriented structure is obtained.
[0012]
However, it is generally not easy to treat the substrate surface to have equal affinity for each block of the block copolymer. From these points, it is not practical to adopt these methods as methods for actually orienting the microphase separation structure perpendicularly to the film surface.
[0013]
Alternatively, a method of forming a patterned film in which the microdomain structure is oriented perpendicular to the film surface by performing fine patterning with a repetition period of 100 nm or less on the surface of the substrate has been considered (for example, Patent Document 2). reference).
[0014]
However, in this method, since a regular and fine pattern must be formed on the surface of the substrate by some method in advance, it cannot be implemented without using a conventional mechanical method.
[0015]
In view of such a current situation, some of the inventors of the present application have hitherto made a block by placing a block copolymer resin on a substrate having a predetermined characteristic surface roughness and then heat-treating the resin. A method for forming a lamellar structure oriented perpendicular to the film surface of the copolymer has been found (see Patent Document 3).
[0016]
[Patent Document 1] Japanese Patent Laid-Open No. 2001-151834 [Patent Document 2] US Pat. No. 5,948,470 [Patent Document 3] Japanese Patent Application No. 2002-260512 [Non-Patent Document 1] Physics Today 52 (1999) p. 32
[Non-Patent Document 2] Langmuir 13 (1997) p. 3866
[Non-Patent Document 3] Macromolecules 24 (1991) p. 6546
[Non-patent Document 4] Macromolecules 32 (1999) p. 5299
[Problems to be solved by the invention]
However, in the above method, since the size of the fine pattern formed on the surface of the block copolymer film is determined by the period of the microdomain structure derived from the molecular structure of the block copolymer, there are some differences. When size patterning was to be performed, it was necessary to design and synthesize a block copolymer that produced a microdomain structure of that size for each case.
[Means for Solving the Problems]
Using a mixture of at least two types of block copolymer resins having different molecular weights as a resin, placing the resin on a substrate having a surface roughness of at least 1 nm, and then heat-treating the resin, the substrate surface This is a method for producing a polymer film having a microdomain structure oriented perpendicular to the film.
[0017]
In particular, in the present invention, each block constituting the block copolymer is microphase-separated into each lamellar domain to form a film in which each lamellar interface is arranged perpendicularly and alternately to the substrate. In the present specification (including claims), this is referred to as a block copolymer film having a vertically aligned lamellar structure.
[0018]
That is, in the present invention, on a substrate having a surface roughness of at least 1 nm or more, a block copolymer resin in which at least two kinds of mutually incompatible polymers are bonded at each end is placed, A block copolymer film having a microdomain structure oriented perpendicular to a substrate surface, wherein the block copolymer resin is a mixture of at least two types of block copolymer resins having different molecular weights It relates to a polymer film.
[0019]
In addition, the present invention is a method in which a block copolymer resin in which at least two kinds of mutually incompatible polymers are bonded to each other on a substrate having a surface roughness of at least 1 nm is mounted. , A method for producing a block copolymer film having a microdomain structure oriented perpendicular to the substrate surface by heat-treating the resin, wherein the block copolymer resin has at least two kinds of different molecular weights. The present invention relates to a method for producing a polymer film characterized by using a mixture of block copolymer resins.
[0020]
The present invention also relates to a method for producing the polymer film described above, wherein a solvent treatment is used as the heat treatment.
[0021]
The present invention also relates to a method for producing the above-described polymer film, which is a mixture of at least two types of block copolymer resins, and the block copolymer resin does not cause macrophase separation.
[0022]
Further, the present invention is characterized in that the irregularity period of the surface roughness of the substrate is equal to or greater than the period of the microdomain structure of the block copolymer having the smallest molecular weight among the block copolymer resin components to be mixed. The present invention relates to a method for producing the polymer film.
[0023]
Further, the present invention provides the above-described polymer film, wherein each of the block copolymer resins forming the mixture has a volume fraction of 35 to 65% formed by one of the incompatible polymer blocks. It relates to a manufacturing method.
[0024]
The present invention also relates to a method for producing the polymer film, wherein the block copolymer resin forming the mixture is polymerized from a monomer containing an aromatic ring and a methacrylate monomer.
[0025]
The present invention also relates to the above-described method for producing a polymer film, wherein the thickness of the polymer film is not less than twice the period of the microdomain structure of the block copolymer and not more than 1 μm. .
[0026]
The present invention also relates to a method for producing the above polymer film, wherein the microdomain structure is a lamellar structure.
[0027]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
As monomer components used in the block copolymer of the present invention, acrylonitrile, vinyl acetate, vinyl chloride, acrylic acid, vinyl pyrrolidone, ethylene, propylene, isoprene, butadiene, ethylene oxide, propylene oxide, vinyl sulfonic acid, vinyl phosphonic acid, Any monomer that can be used for the synthesis of a block copolymer such as vinylpyridine can be used.
[0028]
Preferably, a combination of a block composed of an aromatic ring-containing monomer such as styrene, chlorostyrene, methylstyrene, hydroxystyrene, vinylnaphthalene, styrenesulfonic acid and a block composed of an acrylic monomer such as methyl methacrylate or butyl methyl methacrylate. Is used.
[0029]
The block copolymer is provided by polymerizing the monomer components in the order of each block by a technique such as radical polymerization, anionic polymerization, cationic polymerization, and living radical polymerization.
Alternatively, the block copolymer can be obtained by further polymerizing another monomer using a macroinitiator in which a polymerization initiating group is added to the end of a polymer chain polymerized from the monomer in advance. .
[0030]
Alternatively, the block copolymer can also be obtained by reacting and bonding macromers each having a reactive group added to the terminal of a polymer chain polymerized in advance.
[0031]
A resin obtained by further chemically modifying the block copolymer synthesized by the above method can also be used in the present invention.
[0032]
For example, a block copolymer containing styrene having a styrene group introduced with a sulfonic acid group can be used.
[0033]
The form of the microdomain structure changes depending on the volume fraction of each block constituting the block copolymer.
[0034]
For example, an AB block copolymer composed of two types of monomers A and B that are incompatible with each other will be described. Here defining the A and B to be no greater than the volume fraction phi B of consisting of A monomer block volume fraction phi A of (A block) consists of monomers of the B block (B block).
[0035]
In this case phi A is a 17% roughly described below were dispersed in a matrix spherical micelles consisting of A consists B structure (micellar structure), phi A consists of A is between 33% from the coarse 17% cylinder from B structure dispersed in a matrix comprising (cylinder structure), phi a is a schematic 33% or more lamellae composed of lamellae and B consisting of a are alternately stacked structure (lamellar structure) is formed.
[0036]
When there are three or more types of blocks constituting the block copolymer, more various structures can be formed.
When the chemical components of the blocks constituting the block copolymer and the volume fraction thereof are constant, the size of the microdomain structure varies depending on the molecular weight of the block copolymer.
[0037]
Here, the molecular weight of the block copolymer refers to the sum of the molecular weights of the respective blocks contained in one molecule of the block copolymer.
[0038]
The mixture of at least two types of block copolymer resins referred to in the present invention is a mixture of a block copolymer 1 having a molecular weight M 1 and a block copolymer 2 having a molecular weight M 2 larger than that. Polymers 1 and 2 are composed of the same combination of monomer components.
[0039]
It is preferable that the blended at least two or more types of block copolymer resins do not form a macro domain consisting only of each block copolymer resin in the film forming step or the heat treatment step described later.
[0040]
Here, “macro” means that the size is larger than the period of the microphase separation structure formed by the block copolymer resin.
[0041]
When a macro domain occurs, a micro phase separation structure composed of only one block copolymer resin constituting the domain is formed in the domain, and the size of the pattern is adjusted using the blend intended by the present invention. The control effect is lost.
[0042]
In order not to generate a macro domain, it is preferable that two or more types of block copolymer resins to be blended do not differ in the type of microdomain structure formed independently.
[0043]
A combination of block copolymer resins that together form a lamella structure can be suitably used.
[0044]
In order not to generate a macro domain, depending on the ratio of two or more kinds of block copolymer resins to be blended, the molecular weight M S of the resin having the smallest molecular weight and the molecular weight L of the largest molecular weight of the resin L It is preferable that the ratio M L / M S of the molecular weight M L of does not exceed about 9.
[0045]
More preferably those in which the M L / M S does not exceed the outline 5 is used.
[0046]
However, even if M L / M S was greater than 5, if the blending ratio of the S and L is within a predetermined range can be used in the present invention without macroscopic domains are formed .
[0047]
For example, for a block copolymer PS-PMMA of polystyrene and polymethyl methacrylate, when M L / M S is 5.7, no macro domain is formed when the weight fraction of L is larger than approximately 40%. I know.
[0048]
Furthermore, for example, in the block copolymer PS-PMMA of polystyrene and polymethyl methacrylate, when M L / M S is 9.4, a macro domain is formed when the weight fraction of L is larger than about 50%. I know it wo n’t.
As substrates, glass, silicon, silicon oxide, various metal oxides such as titania and indium tin oxide (ITO), inorganic substrates made of carbon and various metals, various resin substrates, etc., depending on the intended use Either can be selected.
[0049]
The surface of the substrate has a surface roughness specifically described below.
[0050]
The required surface roughness of the substrate surface will be described based on the principle of the present invention.
[0051]
Consider a case in which a block copolymer film having an alternating lamella structure composed of two types of lamellae, that is, a lamella composed of an A block and a lamella composed of a B block is present on the substrate.
[0052]
When a block copolymer film is prepared on a flat substrate, the block copolymer film is aligned in parallel with the substrate so that the lamella composed of the A block having better affinity with the substrate contacts the substrate. (Hereinafter, this is referred to as a parallel-aligned lamellar structure). This means that the interfacial tension between the substrate and the lamella composed of the A block is smaller than the interfacial tension between the substrate and the lamella composed of the B block.
[0053]
As the surface of the substrate is gradually roughened, each lamella must swell along its surface shape, and the interface free energy between the substrate and the lamella composed of the A block and the interface free energy between the AB lamellae are reduced. To increase. When the surface roughness of the substrate exceeds a predetermined value (this is referred to as a critical value), the free energy of the entire system becomes lower when the vertical alignment lamellar structure is used. That is, when the surface roughness is smaller than the critical value, the parallel alignment lamella structure is preferred, and when the surface roughness is larger than the critical value, the vertical alignment lamella structure is preferred.
[0054]
This critical value is the surface tension between the atmosphere in which the block copolymer film is formed (for example, in the air) and each block constituting the block copolymer film, the interfacial tension between the substrate and each block, and the interface between different blocks. Determined by tension and molecular weight. These relationships are expressed by the following formula.
[Expression 1]
Figure 2005008701
[0055]
γ A, air , γ B, air are the A block of the block copolymer film, surface tension between the B block and air, γ A, subs , γ A, subs are the A block, B block and the substrate, respectively. The interfacial tension between γ A and B is the interfacial tension between the A block and the B block. f (d / d ref ) is a value depending on the interlamellar distance d of the block in the block copolymer film (specifically, the ratio to a predetermined reference interlamellar distance dref ), and when d = dref , f (D / d ref ) = 1, and (qR) c generally depends on d.
Further, as the value of d / d ref decreases, the value of f (d / d ref ) increases. That is, as the distance between lamellas becomes smaller, the value of the critical characteristic surface roughness becomes larger.
[0056]
In order to form an alignment lamella structure perpendicular from the substrate surface to the film surface , the difference between γ A, air and γ B, air is preferably small, and the values of ∂ air and ∂ subs are 0.5 mN / Must be less than m. Polystyrene - the case of the block copolymer of poly (methyl methacrylate) is ∂ air = │γ PS, air -γ PMMA, air │ = 0.1mN / m.
[0057]
The surface roughness (its critical value) in the above equation is expressed by the characteristic surface roughness.
[0058]
The characteristic surface roughness is the reciprocal of the average period λ of surface irregularities in the x direction when the direction parallel to the substrate surface is the x direction and the direction perpendicular to the substrate surface is the z direction based on the cross-sectional shape of the substrate surface. And a numerical value obtained from the amplitude in the z direction.
[0059]
Specifically, the characteristic surface roughness can be obtained by the product qR of q = 2π / λ and R defined by the root mean square of the deviation Δz of the surface at each location from the average surface m of the substrate surface. .
This characteristic surface roughness is a dimensionless value having no unit, and represents only the shape regardless of the absolute size of λ and Δz.
[0060]
When a block copolymer film having a vertically aligned lamella structure is produced on the substrate with the characteristic surface roughness of the substrate being less than or equal to this critical value, when the block copolymer film is heated, a certain time depending on the magnitude of (qR) After this, the block copolymer film changes to a parallel-aligned lamellar structure.
[0061]
For example, when a film made of a block copolymer PS-PMMA of polystyrene having a molecular weight of about 38,000 and polymethyl methacrylate having a molecular weight of about 36,800 is placed on an ITO substrate, the value of the characteristic surface roughness is 0. .3, a parallel lamellar structure is developed when the film is heat-treated at 200 ° C. for about 200 minutes.
[0062]
However, when the value of the characteristic surface roughness was 0.38 or more, the microdomain structure of the film did not become a parallel alignment lamella structure even when heated for a long time, and the vertical alignment lamella structure was permanently maintained.
[0063]
The characteristic surface roughness in which the vertically aligned lamella structure is permanently maintained in this way is called critical characteristic surface roughness (or critical value).
[0064]
Meanwhile, the equation 1 right side of f the surface tension and interfacial tension in the section excluding the (d / d ref) γ A , air, γ A, air, γ A, subs, γ A, subs, the gamma A, B When the value is calculated, (qR) c = 0.36. This is consistent with the experimentally estimated critical value.
[0065]
Therefore, in the case of PS-PMMA, it can be seen that the distance d between lamellae of PS-PMMA having a molecular weight of 38,000 in the PS block and a molecular weight of 36,800 in the PMMA block is substantially the reference interlamellar distance d ref . Accordingly, the critical property surface roughness (qR) c can be determined for PS-PMMA having an arbitrary molecular weight. In the case of PS-PMMA, the distance between lamellae is related to the average degree of polymerization N of the block copolymer, and when N is 280 or more, it should be approximated by d = 0.3N 0.75 [nm]. I know.
[0066]
Further, it has been found that the critical value of 0.36 is applicable even when the molecular weight of the PS block and the molecular weight of the PMMA block are as small as about 18,000.
[0067]
As a method for introducing a surface roughness equal to or higher than the above critical value to the substrate surface, it can be obtained by randomly depositing a substrate material on an appropriate base material by using vacuum vapor deposition or sputtering. For example, an ITO substrate vacuum-deposited on a glass substrate can be easily obtained having the characteristic surface roughness required by the present invention by appropriately selecting the deposition conditions.
[0068]
Alternatively, a surface roughness higher than the critical value can be introduced into the substrate surface by appropriately roughening the substrate surface by various methods such as friction, chemical etching, anodizing, laser irradiation, ion bombardment and the like.
Alternatively, a surface having a surface roughness greater than or equal to the critical value is prepared in advance using the above-described method, and the surface roughness greater than or equal to the critical value is obtained by making a replica of this surface using a resin or the like. The substrate having it can be replicated.
[0069]
For example, a polyamic acid resin solution, which is a polyimide resin precursor, is formed on an ITO substrate having a predetermined surface roughness produced by vacuum deposition, and then the solvent is removed by heating and the polyamic acid resin is imide Then, by peeling the polyimide film from the ITO substrate, a polyimide resin substrate having a surface roughness equal to or higher than the critical value provided for the present invention can be produced.
[0070]
As a method of placing the block copolymer on the substrate, after preparing a resin solution in which the block copolymer is dissolved in a volatile organic solvent, a spin coating method, a solvent casting method, a roll coating method, an immersion method is prepared. A general coating method such as a coating method or a curtain coating method can be employed.
[0071]
Thus, when the block copolymer film is placed on the substrate using the resin solution, the substrate must be made of a material that is stable with respect to the organic solvent. In this respect, a substrate made of a material excellent in solvent resistance such as various inorganic substrates and polyimide resins is preferably used.
[0072]
Further, in order to prevent the block copolymer film from dewetting from the substrate into a non-uniform film during the coating process, the substrate is selected to have an affinity for the block copolymer resin. .
[0073]
Block copolymer films applied from solution and dried often exhibit disordered and thermally unstable structures. This is because the solution is applied and dried, and the time required to complete the microphase separation process between the blocks and form an ordered microdomain structure is insufficient.
[0074]
Therefore, after the block copolymer film is placed on the substrate, the film is heat-treated as necessary. By this heat treatment step, the microdomain structure of the block copolymer can be arranged.
[0075]
The heat treatment temperature is about the same as or higher than the highest glass transition temperature of each block component constituting the block copolymer.
[0076]
As the heat treatment temperature is higher than the glass transition temperature, the heat treatment time may be shorter. However, the heat treatment temperature is set lower than the thermal decomposition temperature of the block copolymer resin so as not to cause thermal degradation.
For example, for a block copolymer made of polystyrene and polymethyl methacrylate, a heat treatment at a temperature of 140 ° C. or higher is used as the heat treatment. More preferably, a heat treatment at 190 to 270 ° C. for 10 minutes or more is used.
[0077]
In order to prevent oxidative deterioration of the block copolymer film due to heating, heat treatment in an inert atmosphere or vacuum is preferably used.
[0078]
The substrate of the block copolymer film must be able to withstand this heat treatment. Also in this respect, various inorganic substrates and substrates made of a heat resistant resin such as polyimide are preferably used.
[0079]
By using a substrate having an appropriate molecular surface roughness according to the average molecular weight and the type of the block copolymer mixture, a film having a structure in which the microdomain structure is oriented perpendicular to the substrate surface can be easily produced. Is possible.
[0080]
When the block copolymer forms a lamellar structure, the present invention makes it possible to easily produce a film having a structure in which the lamellar structure is oriented perpendicular to the substrate surface.
[0081]
The vertically oriented structure of the film thus produced is maintained as long as it is not heat-treated for a long time above the glass transition temperature of all the block components even if the film is peeled off from the substrate.
[0082]
Furthermore, the peeled film can be re-supported on another appropriate substrate and used. Also in this case, a vertically oriented structure is maintained unless heat treatment is performed for a long time above the glass transition temperature of all the block components.
[0083]
For example, when the method of the present invention is used, it is possible to manufacture an optical material such as a polarizing film utilizing the difference in refractive index between a direction parallel to the film and a direction perpendicular to the film.
[0084]
Further, by using an ion conductive monomer and a non-ion conductive monomer as a component of the block copolymer, it is possible to produce a solid electrolyte membrane in which ion conductive domains are oriented perpendicular to the film surface. This membrane has a structure in which domains that conduct ions are arranged through the membrane along the direction in which ions are desired to flow, and is suitably used for lithium batteries, fuel cells, and the like.
[0085]
Here, if a block copolymer membrane composed of a block component X having excellent proton conductivity and a block component Y having excellent mechanical strength is produced according to the present invention and used as an electrolyte membrane for a fuel cell, Y can be used under operating conditions. It is expected that an excellent function can be exhibited by suppressing the swelling of X. For example, it is expected to be suitably used as a direct methanol decomposition type solid electrolyte membrane for fuel cells.
[0086]
Furthermore, for a film having a vertical alignment lamellar structure, the film is finely removed by eroding and removing only one part that is not resistant to the reagent by treatment with a specific reagent, plasma treatment, ultraviolet irradiation, etc. Processing is possible.
[0087]
This method can be applied in various microfabrication fields that require nano-level accuracy.
[0088]
For example, by using this method, a diffraction grating, a resist for producing a nano-order pattern, an electronic device produced using this resist, and a resin-removed portion are replaced with a magnetic material or an optical material to obtain a high-density memory. It can be applied to manufacturing such as.
【Example】
Examples of the present invention are shown below, but the present invention is not limited thereto.
[0089]
The characteristic surface roughness of the substrate was measured by an atomic force microscope (AFM), and the alignment structure of the film was observed by cross-sectional observation using an AFM and a transmission electron microscope (TEM).
[0090]
[Example 1]
ITO having a surface roughness of 15 nm deposited on glass and having a characteristic surface roughness of 0.6 was used as the substrate.
As PS-PMMA resin to be blended, PS block molecular weight 18,000 synthesized by anionic polymerization, PMMA block molecular weight 18,000 (hereinafter referred to as 18k-18k), PS block molecular weight 50,000, PMMA A block having a molecular weight of 54,000 (hereinafter referred to as 50k-54k) was used.
18k-18k and 50k-54k were blended at various weight ratios w 1 / w 2 and dissolved in toluene to obtain a uniform solution.
[0091]
The above solution was spin-coated on the ITO substrate to volatilize the organic solvent, and then each block copolymer was arranged by heating at 230 ° C. for 2 hours in a nitrogen gas atmosphere.
The thickness of the polymer film is about 300 to 700 nm, and each of the lamellar period d 1 formed when 18k-18k is used alone and the lamellar period d 2 formed when 50k-54k is used alone. The size was more than twice as large.
[0092]
From observation of the film cross-section by TEM, it was confirmed that a vertically aligned lamella structure was formed in the microdomain structure.
From observation of the film surface by AFM, a film having a lamellar period d between d 1 and d 2 could be produced as shown in FIG. A film having an arbitrary value of d between d 1 and d 2 could be produced depending on the average molecular weight <N> of the blend.
[0093]
[Example 2]
PS-PMMA resin to be blended is the same as in Example 1 except that PS block molecular weight 106,000 and PMMA block molecular weight 99,000 (hereinafter referred to as 106k-99k) were used instead of 18k-18k. Thus, a block copolymer resin film was prepared. All prepared membrane has a vertical alignment lamellar structure, depending on the average molecular weight of the blend, as shown in FIG. 2 <N>, are formed when using d 2 and 106k-99k alone It was able to produce a membrane having any lamella period d between the lamellae period d 3.
[Example 3]
As PS-PMMA resin to be blended, the same as Example 2 except that PS block molecular weight 170,000 and PMMA block molecular weight 168,000 (hereinafter referred to as 170k-168k) were used instead of 50k-54k. Thus, a block copolymer resin film was prepared.
All prepared membrane has a vertical alignment lamellar structure, depending on the average molecular weight of the blend <N>, as shown in FIG. 3, is formed in the case of using the d 3 and 170k-168k alone A film having an arbitrary lamella cycle d between lamella cycles d 4 could be produced.
[Example 4]
PS-PMMA resin to be blended is the same as in Example 3 except that PS block molecular weight 37,000 and PMMA block molecular weight 46,000 (hereinafter referred to as 37k-46k) were used instead of 170k-168k. Thus, a block copolymer resin film was prepared.
All prepared membrane has a vertical alignment lamellar structure, depending on the average molecular weight of the blend <N>, as shown in FIG. 4, is formed in the case of using the d 3 and 37k-46k alone It was able to produce a membrane having any lamella period d between the lamellae period d 5.
[Example 5]
A block copolymer resin film was prepared in the same manner as in Example 3 except that 37k-46k was used instead of 106k-99k as the PS-PMMA resin to be blended.
All the films produced have a vertically oriented lamellar structure and have an arbitrary lamellar period d between d 4 and d 5 depending on the average molecular weight <N> of the blend as shown in FIG. Was able to be produced.
[Example 6]
A dimethylacetamide (DMAc) solution of a polyimide precursor composed of biphenyltetracarboxylic acid (BPDA) and oxydianiline (ODA) was cast on the surface of the ITO substrate used in Examples 1 to 5, and then heated in the atmosphere. By performing the treatment, the precursor was imidized to obtain a polyimide film on the ITO substrate.
[0094]
The polyimide film was peeled from the ITO substrate to obtain a polyimide substrate in which the shape of the ITO substrate surface was transferred to the surface on the side that was in contact with the ITO substrate.
[0095]
A block copolymer resin film was prepared in the same manner as in Examples 1 to 5 except that the polyimide substrate was used as the substrate.
The produced film had a vertically aligned lamellar structure as in the case of using the ITO substrate, and exhibited a lamellar period depending on the average molecular weight <N> of the blend.
[Example 7]
A block copolymer resin film was prepared in the same manner as in Example 6 except that BPDA and p-phenylenediamine (PDA) were used as polyimide.
The prepared film had a vertically aligned lamellar structure and exhibited a lamellar period depending on the average molecular weight <N> of the blend.
[Comparative Example 1]
A block copolymer resin film was prepared in the same manner as in Examples 1 to 5 except that an ITO substrate having a characteristic surface roughness of 0.03 was used. However, in this case, in any blend of weight ratios, not a vertically aligned lamella structure but a planar aligned lamella structure was formed inside the film.
[0096]
[Comparative Example 2]
As the PS-PMMA resin to be blended, 18k-18k and 106k-99k were used, and the block copolymer resin was prepared in the same manner as in Example 1 except that the weight fraction of 106k-99k in the blend was less than 40%. A membrane was prepared.
In the produced film, 18k-18k and 106k-99k formed a macro domain and were separated. The size of the film surface pattern remained approximately equal to d 1 and did not depend on the blend ratio.
[Comparative Example 3]
As the PS-PMMA resin to be blended, 18k-18k and 170k-168k were used, and in the same manner as in Example 1 except that the weight fraction of 170k-168k in the blend was less than 50%, A membrane was prepared.
In the produced film, 18k-18k and 170k-168k formed a macro domain and were separated. The size of the film surface pattern remained approximately equal to d 1 and did not depend on the blend ratio.
[0097]
【The invention's effect】
By using a substrate having an appropriate characteristic surface roughness according to the block copolymer resin mixture, it is possible to easily produce a film having a structure in which microdomains are oriented perpendicular to the substrate.
By changing the mixing ratio of the block copolymer mixture, it becomes possible to form a pattern having an arbitrary size between the sizes of the patterns formed independently by the block copolymer resin used for mixing. .
The surface roughness of the substrate can be controlled by various methods used in a general substrate manufacturing process, such as control by ordinary lithography.
For a film having such a vertically aligned lamellar structure, by eroding and removing only one part that is not resistant to the reagent, etc. by treatment with a specific reagent, plasma treatment, ultraviolet irradiation, etc., It is possible to perform microfabrication of the film. By applying such a method in various technical fields that require nano-level accuracy, it is possible to produce a finely processed product. However, the scope of application of the present invention greatly expands. .
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 shows the relationship between the average molecular weight <N> of the mixture of block copolymer resins of Example 1 of the present invention and the lamellar period d on the surface of the polymer film.
FIG. 2 shows the relationship between the average molecular weight <N> of the block copolymer resin mixture of Example 2 of the present invention and the lamellar period d on the surface of the polymer film.
FIG. 3 shows the relationship between the average molecular weight <N> of the block copolymer resin mixture of Example 3 of the present invention and the lamellar period d on the surface of the polymer film.
FIG. 4 shows the relationship between the average molecular weight <N> of the block copolymer resin mixture of Example 4 of the present invention and the lamellar period d on the surface of the polymer film.
FIG. 5 shows the relationship between the average molecular weight <N> of the block copolymer resin mixture of Example 5 of the present invention and the lamellar period d on the surface of the polymer film.
FIG. 6 shows the relationship between the average molecular weight <N> of the block copolymer resin mixture of Comparative Example 2 of the present invention and the lamellar period d on the surface of the polymer film.
FIG. 7 shows the relationship between the average molecular weight <N> of the block copolymer resin mixture of Comparative Example 3 of the present invention and the lamellar period d on the surface of the polymer film.

Claims (9)

少なくとも1nm以上の表面粗さを有する基板上に、少なくとも2種類以上の互いに非相溶な高分子が互いの末端で結合してなるブロック共重合体樹脂を載置され、基板表面に対して垂直に配向したミクロドメイン構造を有するブロック共重合体膜であって、該ブロック共重合体樹脂が分子量の異なる少なくとも2種類以上のブロック共重合体樹脂の混合物であることを特徴とする高分子膜。On a substrate having a surface roughness of at least 1 nm or more, a block copolymer resin formed by bonding at least two kinds of mutually incompatible polymers at the ends of each other is placed, and is perpendicular to the substrate surface. A block copolymer film having a microdomain structure oriented in the form of a polymer film, wherein the block copolymer resin is a mixture of at least two types of block copolymer resins having different molecular weights. 少なくとも1nm以上の表面粗さを有する基板上に、少なくとも2種類以上の互いに非相溶な高分子が互いの末端で結合してなるブロック共重合体樹脂を載置した後、該樹脂を熱処理することにより、基板表面に対して垂直に配向したミクロドメイン構造を有するブロック共重合体膜を作製する方法であって、ブロック共重合体樹脂として分子量が異なる少なくとも2種類以上のブロック共重合体樹脂の混合物を用いることを特徴とする高分子膜の作製方法。On a substrate having a surface roughness of at least 1 nm or more, a block copolymer resin in which at least two kinds of mutually incompatible polymers are bonded to each other is placed on the substrate, and then the resin is heat treated A block copolymer film having a microdomain structure oriented perpendicular to the substrate surface, comprising at least two types of block copolymer resins having different molecular weights as the block copolymer resin. A method for producing a polymer film, comprising using a mixture. 熱処理として溶媒処理を用いることを特徴とする請求項1に記載の高分子膜の作製方法。The method for producing a polymer film according to claim 1, wherein a solvent treatment is used as the heat treatment. 少なくとも2種類以上のブロック共重合体樹脂の混合物であって前記ブロック共重合体樹脂がマクロ相分離を生じていないことを特徴とする請求項1又は2に記載の高分子膜の作製方法。The method for producing a polymer film according to claim 1 or 2, wherein the block copolymer resin is a mixture of at least two kinds of block copolymer resins, and the block copolymer resin does not cause macrophase separation. 基板の表面粗さの凹凸周期が、混合するブロック共重合体樹脂成分のうちで最も小さい分子量を有するブロック共重合体のミクロドメイン構造の周期と同等以上であることを特徴とする請求項1〜3に記載の高分子膜の作製方法。The irregularity period of the surface roughness of the substrate is equal to or greater than the period of the microdomain structure of the block copolymer having the smallest molecular weight among the block copolymer resin components to be mixed. 4. A method for producing a polymer film according to 3. 混合物をなすブロック共重合体樹脂のそれぞれで、互いに非相溶な高分子ブロックの一方がなす体積分率が35〜65%であることを特徴とする請求項1〜4に記載の高分子膜の作製方法。5. The polymer film according to claim 1, wherein each of the block copolymer resins forming the mixture has a volume fraction of 35 to 65% formed by one of the incompatible polymer blocks. Manufacturing method. 混合物をなすブロック共重合体樹脂が芳香環を含有するモノマーとメタクリレートモノマーから重合されていることを特徴とする請求項1〜5に記載の高分子膜の作製方法。The method for producing a polymer film according to claim 1, wherein the block copolymer resin forming the mixture is polymerized from a monomer containing an aromatic ring and a methacrylate monomer. 高分子膜の厚さがブロック共重合体のミクロドメイン構造の周期の2倍以上であり、且つ、1μm以下であることを特徴とする請求項1〜6に記載の高分子膜の作製方法。The method for producing a polymer film according to claim 1, wherein the thickness of the polymer film is not less than twice the period of the microdomain structure of the block copolymer and not more than 1 μm. ミクロドメイン構造がラメラ構造であることを特徴とする請求項1〜7に記載の高分子膜の作製方法。The method for producing a polymer film according to claim 1, wherein the microdomain structure is a lamellar structure.
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