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JP2005001691A - 感熱性粘着シート用熱活性化装置 - Google Patents

感熱性粘着シート用熱活性化装置 Download PDF

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JP2005001691A JP2003165212A JP2003165212A JP2005001691A JP 2005001691 A JP2005001691 A JP 2005001691A JP 2003165212 A JP2003165212 A JP 2003165212A JP 2003165212 A JP2003165212 A JP 2003165212A JP 2005001691 A JP2005001691 A JP 2005001691A
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Abstract

【課題】感熱性粘着シートの感熱性粘着剤層を必要に応じて熱活性化可能な熱活性化装置を提供する。
【解決手段】挿入口1から挿入された感熱性粘着シートAを引き込んで搬送する引き込みローラ20と、シートAを所定の長さに切断するカッタユニット110と、搬送されるシートAの感熱性粘着剤層を熱活性化させる熱活性化ユニット40と、感熱性粘着剤層が熱活性化されたシートAを排出口2から排出する排出ローラ50とを筐体3内に設け、未印字又は既印字のシートAの感熱性粘着剤層を必要に応じて熱活性化可能とした。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シート状基材の一方の面に形成された感熱性粘着剤層を加熱して熱活性化させる感熱性粘着シート用熱活性化装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、商品に貼付されるシートの一つに感熱性粘着シートがある。この感熱性粘着シートは、シート基材の一方の面に、通常時は非粘着性を示し、加熱されると粘着性を発現する感熱性粘着剤層が形成され、他方の面の印字可能層が形成された印刷メディアであり、例えば、食品のPOSシート、物流シート、配送シート、医療用シート、バゲッジタグ、ビン類や缶類の表示シートなどとして広く使用されている。
【0003】
上記のような感熱性粘着シートに印字を行う感熱性粘着シート用プリンタとして、サーマルプリンタの印字ヘッドとして利用されているサーマルヘッドのように、セラミック基板上に設けられた複数の抵抗体(発熱素子)を熱源として有するヘッドを感熱性粘着ラベルの感熱性粘着剤層に接触させて加熱するようにした熱活性化機構を備えたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
ここで、従来の感熱性粘着シート用プリンタの一般的な構成について、図4を参照して説明する。図4の感熱性粘着シート用プリンタは、ロール状に巻回されたテープ状の感熱性粘着シート(感熱性粘着ラベルA)を保持するロール収納ユニットBと、感熱性粘着ラベルAに印字する印字ユニットCと、感熱性粘着シートAを所定の長さのラベルに切断するカッタユニットDと、感熱性粘着ラベルAの感熱性粘着剤層を熱活性化させる熱活性化装置としての熱活性化ユニットEと、で構成される。
【0005】
印字ユニットCは、ドット印字が可能なように幅方向に配設された複数の比較的小さな抵抗体で構成された複数の発熱素子Fを有する印字用サーマルヘッドGと、その印字用サーマルヘッドG(発熱素子F)に圧接される印字用プラテンローラHなどで構成される。図4では、印字用プラテンローラHは時計回りに回転され、感熱性粘着ラベルAは右側へ搬送される。
【0006】
カッタユニットDは、印字ユニットCによって印字が行われた感熱性粘着ラベルAを適当な長さで切断するためのものであり、電動モータ等の駆動源(図示省略)によって作動される可動刃I、該可動刃Iと対向された固定刃J等から構成されている。
【0007】
熱活性化ユニットEは、発熱素子Kを有する加熱手段としての熱活性化用サーマルヘッドLと、感熱性粘着ラベルAを搬送する搬送手段としての熱活性化用プラテンローラと、印字ユニットC側から供給された感熱性粘着ラベルAを熱活性化用サーマルヘッドL(発熱素子K)と熱活性化用プラテンローラMとの間に引き込む引き込みローラNなどで構成される。図4では、熱活性化用プラテンローラMは印字用プラテンローラHと反対の方向(反時計回り)に回転され、感熱性粘着ラベルAを所定の方向(右側)へ搬送するようになっている。
【0008】
【特許文献1】
特開平11−79152号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従来の感熱性粘着シート用プリンタは、感熱性粘着シートの印字可能層に印字を行う印字ユニットと、感熱性粘着剤層を熱活性化させる熱活性化ユニットとが一体に設けられているため、次のような課題があった。
【0010】
(1)印字可能層への印字又は感熱性粘着剤層の熱活性化のいずれか一方のみを選択的に行うことができない。従って、予め印字可能層に印字のみを行っておき、必要に応じて感熱性粘着剤層を熱活性化させて対象物に貼り付けるといった作業ができない。すなわち、いわゆる「まとめ張り」ができない。
【0011】
(2)感熱性粘着シート専用ではない汎用プリンタによっても上記印字可能層への印字は可能である。しかし、上記の通り、従来の感熱性粘着シート用プリンタは、印字と熱活性化とを一連に行う構成となっている。従って、汎用プリンタを用いて印字された感熱性粘着シートの熱活性化のみを行うことができない。結局、感熱性粘着シートを使用する場合は、専用の感熱性粘着シート用プリンタを別途用意しなくてはならない。
【0012】
本発明の目的は、感熱性粘着シートの感熱性粘着剤層を必要に応じて熱活性化させることができ、また、必要に応じてプリンタに着脱も可能な感熱性粘着シート用熱活性化装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の感熱性粘着シート用熱活性化装置は、上記目的を達成するため、シート状基材の一方の面に印字可能層が形成され、他方の面に感熱性粘着剤層が形成された感熱性粘着シートが挿入される挿入口と、挿入口に挿入された感熱性粘着シートを搬送する第1の搬送手段と、第1の搬送手段から感熱性粘着シートを引き受けて搬送する第2の搬送手段と、第2の搬送手段によって搬送される感熱性粘着シートの感熱性粘着剤層を加熱して熱活性化させる熱活性化手段と、感熱性粘着シートを所定の長さに切断する切断手段と、熱活性化手段によって感熱性粘着剤層が熱活性化された感熱性粘着シートが排出される排出口と、切断手段と熱活性化手段との間で感熱性粘着シートに一時的な弛みが発生するように、第1の搬送手段と第2の搬送手段とを制御する制御手段と、を少なくとも有することによって、感熱性粘着シートの熱活性化粘着剤層を必要に応じて熱活性化させることを可能とした。また、感熱性粘着シートの弛み部分が熱活性化されている間に他の部分の切断を同時並行で実行することを可能とした。
【0014】
また、本発明の感熱性粘着シート用熱活性化装置は、シート状基材の一方の面に印字可能層が形成され、他方の面に感熱性粘着剤層が形成された感熱性粘着シートの印字可能層に印字を行うプリンタから排出された印字済みの感熱性粘着シートが挿入される挿入口と、挿入口に挿入された感熱性粘着シートを搬送する搬送手段と、搬送手段によって搬送される感熱性粘着シートの感熱性粘着剤層を加熱して熱活性化させる熱活性化手段と、熱活性化手段によって感熱性粘着剤層が熱活性化された感熱性粘着シートが排出される排出口と、プリンタから出力される紙送りピッチ信号に基づいて、搬送手段と熱活性化装置の少なくとも一方を制御する制御手段と、を少なくとも有することによって、プリンタから出力される信号を利用して、プリンタの印字速度に同期した動作をさせたり、印字速度を考慮した動作をさせたりすることを可能とした。
【0015】
また、本発明の感熱性粘着シート用熱活性化装置は、プリンタから送信される情報に基づいて、感熱性粘着シートを所定の長さに切断する切断手段と、プリンタの印字動作開始から熱活性化手段の熱活性化動作開始までの時間Twと、プリンタで印字された感熱性粘着シートの先端が熱活性化手段に到達するまでの時間Ttとを演算し、Tw≧Ttの関係が成立する場合は、プリンタの印字動作開始から時間Tw経過後に熱活性化手段に熱活性化動作を開始させ、Tw<Ttの関係が成立する場合は、感熱性粘着シートの先端が熱活性化手段に到達した時点で熱活性化手段に熱活性化動作を開始させる制御手段と、をさらに有することによって、印字終了から切断までのタイムラグを可及的に短縮することを可能とした。この結果、印字、切断、熱活性化をそれぞれ独立して実行する場合に比べて全体のスループットが大幅に向上する。
【0016】
【発明の実施形態】
以下、本発明の感熱性粘着シート用熱活性化装置の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、シート基材の表面に印字可能層が形成され、裏面に感熱性粘着剤層が形成された感熱性粘着シートAの上記印字可能層に印字可能なプリンタP2に、本発明の感熱性粘着シート用熱活性化装置(以下、「熱活性化装置P1」と表記する)が装着された状態を示す概略図である。図2は、プリンタP2の制御系及び駆動系を示すブロック図である。図3は、熱活性化装置P1の制御系及び駆動系を示すブロック図である。なお、プリンタP2と、熱活性化装置P1とは任意の着脱手段によって着脱可能に接続されており、それぞれ単体でも以下に説明するような動作を実現可能である。また、上記着脱手段は、プリンタP2に設けられていても、熱活性化装置P1に設けられていても、双方に設けられていてもよい。
【0017】
図1に示すプリンタP2は、感熱性粘着シートAが挿入されるプリンタ挿入口80と、感熱性粘着シートAが排出されるプリンタ排出口81とが開口されたプリンタ筐体82を有する。プリンタ筐体82の内部には、感熱性粘着シートAの印字可能層に印字を行う印字ユニット90と、プリンタ挿入口80から挿入された感熱性粘着シートAを印字ユニット90に搬送する送り込みローラ100と、印字済みの感熱性粘着シートAをプリンタ排出口81から外部に送り出す送り出しローラ120とが設けられている。また、図1では省略されているが、プリンタ筐体82の内部には、図2に示す制御系や駆動系も設けられている。図2に示す制御系は、印字ユニット90、送り込みローラ100、及び送り出しローラ120などを統括的に管理する制御手段としてのプリンタCPU130や、プリンタCPU130によって実行される制御プログラムなどが格納されたプリンタROM131や、必要な各種データを入力したり、入力されているデータを呼び出したりするためのプリンタ操作部133や、入出力されるデータやその他のデータを表示するためのプリンタ表示部134などから構成されている。なお、図2に示す駆動系に関しては後述する。
【0018】
ここで、図1に示すプリンタP2によって印字可能な感熱性粘着シートAに特に制限はない。例えば、前述の特許文献1に記載されているような、シート基材の表面に断熱層及び感熱発色層(印字可能層)が形成され、裏面に感熱性粘着剤が塗布乾燥されてなる感熱性粘着剤層が形成された感熱性粘着ラベルも含まれる。一般的な感熱性粘着剤は、熱可塑性樹脂や固体可塑性樹脂などを主成分とするが、感熱性粘着剤の組成にも特に限定はない。また、感熱性粘着シートには、上記感熱発色層の表面に保護層又は有色印字層(予め印字されている層)が形成された感熱性粘着ラベルなども含まれる。
【0019】
図1に示す送り込みローラ100は、感熱性粘着シートAの搬送路を挟んで上側に配置された上送り込みローラ101(能動ローラ)と、下側に配置された下送り込みローラ102(受動ローラ)とから構成されている。上送り込みローラ101には、図2に示す送り込みローラ駆動回路103を介してプリンタCPU130により制御される第1ステッピングモータ104が不図示の伝達機構を介して接続されている。一方、下送り込みローラ102は、回転軸上に回転自在に取付けられている。そして、図2に示すプリンタCUP130から命令を受けた送り込みローラ駆動回路103から出力される駆動信号によって第1ステッピングモータ104が駆動されると、図1に示す上送り込みローラ101が反時計回りに回転を開始する。これによって、プリンタ挿入口80に挿入された印字前の感熱性粘着シートAは、上下の送り込みローラ101、102の間に引き込まれ、印字ユニット90に向けて搬送される。このとき、下送り込みローラ102は、感熱性粘着シートAを上送り込みローラ101に圧接させつつ、感熱性粘着シートAの移動に伴って従動回転する。もっとも、下送り込みローラ102に第1ステッピングモータ104を接続して能動ローラとし、上送り込みローラ101を受動ローラとしてもよい。
【0020】
図1に示す印字ユニット90は、ドット印字が可能なように幅方向に配設された複数の比較的小さな抵抗体で構成された複数の発熱素子91を有する印字用サーマルヘッド92と、感熱性粘着シートAの印字可能層を印字用サーマルヘッド92に圧接させながら搬送する印字用プラテンローラ93と、印字用プラテンローラ93の駆動源である図2に示す第2ステッピングモータ94と、印字用サーマルヘッド92(発熱素子91)及び第2ステッピングモータ94を駆動する印字ユニット駆動回路95と、第2ステッピングモータ94の回転駆動力を印字用プラテンローラ93に伝達する不図示の伝達機構と、などから構成されている。
【0021】
図1に示す印字用サーマルヘッド92は、公知のサーマルプリンタにおいて印字ヘッドとして使用されているサーマルヘッドと同様の構成、すなわち、セラミックス基板の上に薄膜技術又は厚膜技術によって形成された複数の発熱素子(発熱抵抗体)の表面に結晶化ガラスの保護層が設けられたものであるので、詳しい説明は省略する。
【0022】
以上の構成を有する印字ユニット90では、図2に示すプリンタ制御部130から命令を受けた印字ユニット駆動回路95から出力される駆動信号によって第2ステッピングモータ94が駆動されると、その回転駆動力が上記伝達機構を介して印字用プラテンローラ93に伝達され、印字用プラテンローラ93が時計回りに回転を開始する。これによって、送り込みローラ100によって搬送されてきた印字前の感熱性粘着シートAは、印字用サーマルヘッド92と印字用プラテンローラ93との間に引き込まれ、印字可能層が発熱素子91に圧接されながら送り出しローラ120側に送り出される。また、印字用プラテンローラ93の回転開始と同時に、又は回転開始後所定時間経過後に、印字ユニット駆動回路95から出力された駆動信号に従って印字用サーマルヘッド92(発熱素子91)が印字動作(発熱)を開始し、印字可能層に印字が行われる。
【0023】
印字ユニット90は、印字用サーマルヘッド92を印字用プラテンローラ93に向けて押圧するコイルバネや板バネといった加圧手段と、その加圧手段による押圧力を調整する調整手段とを有していることが望ましい。また、印字可能層の幅方向全体が印字用サーマルヘッド92(発熱素子91)に対して均等に圧接されるように、印字用プラテンローラ93の回転軸と、発熱素子91の配列方向とを平行に保つことが望ましい。
【0024】
図1に示す送り出しローラ120は、感熱性粘着シートAの搬送路を挟んで上側に配置された上送り出しローラ121(能動ローラ)と、下側に配置された下送り出しローラ122(受動ローラ)とから構成されている。上送り出しローラ121には、図2に示す送り出しローラ駆動回路123を介してプリンタCPU130により制御される第3ステッピングモータ124が不図示の伝達機構を介して接続されている。一方、下送り出しローラ122は、回転軸上に回転自在に取付けられている。そして、図2に示すプリンタCPU130から命令を受けた送り出しローラ駆動回路123から出力される駆動信号によって第3ステッピングモータ124が駆動されると、上送り出しローラ121が反時計回りに回転を開始する。これによって、印字ユニット90を通過した印字済みの感熱性粘着シートAは、上下の送り出しローラ121、122の間に引き込まれ、プリンタ排出口81から外部に送り出される。このとき下送り出しローラ122は、感熱性粘着シートAを上送り出しローラ121に圧接しつつ、感熱性粘着シートAの移動に伴って従動回転する。もっとも、下送り出しローラ122に第3ステッピングモータ124を接続して能動ローラとし、上送り出しローラ121を受動ローラとしてもよい。
【0025】
以上のようにして図1に示すプリンタP1のプリンタ排出口81から送り出された印字済みの感熱性粘着シートAは、同図に示す熱活性化装置P1に送り込まれ、感熱性粘着剤層が熱活性化される。
【0026】
図1に示す熱活性化装置P1は、プリンタ排出口81から送り出された感熱性粘着シートAが送り込まれる挿入口1と、感熱性粘着剤層が熱活性化された感熱性粘着シートAが排出される排出口2とが開口された筐体3を有する。筐体3の内部には、挿入検知センサ10と、引き込みローラ20と、カッタユニット110と、熱活性化ユニット40と、排出ローラ50と、が感熱性粘着シートAの搬送路に沿って設けられている。また、図1では省略されているが、筐体3の内部には、図3に示す制御系や駆動系も設けられている。図3に示す制御系は、挿入検知センサ10、引き込みローラ20、カッタユニット110、熱活性化ユニット40、及び排出ローラ50などを統括的に管理する制御手段としてのCPU70や、CPU70によって実行される制御プログラムなどが格納されたROM71や、必要な各種データを入力したり、入力されているデータを呼び出したりするための操作部72や、入出力されるデータやその他のデータを表示するための表示部73などから構成されている。なお、図3に示す駆動系に関しては後述する。
【0027】
ここで、熱活性化装置P1によって感熱性粘着剤層が熱活性化される感熱性粘着シートAに特に制限はない。例えば、前述の特許文献1に記載されているような、ラベル基材の表面に断熱層及び感熱発色層(印字可能層)が形成され、裏面に感熱性粘着剤が塗布乾燥されてなる感熱性粘着剤層が形成された感熱性粘着ラベルも含まれる。なお、一般的な感熱性粘着剤は、熱可塑性樹脂や固体可塑性樹脂などを主成分とするが、感熱性粘着剤の組成にも特に限定はない。また、感熱性粘着シートAには、上記感熱発色層の表面に保護層又は有色印字層(予め印字されている層)が形成された感熱性粘着ラベルなども含まれる。
【0028】
図1に示す挿入口1は、略直方体状の筐体3の側面に開口され、排出口2は、挿入口1が開口されている側面と対向する筐体3の側面に開口されている。なお、この挿入口1には、感熱性粘着シートAを手差しで挿入することもできる。また、挿入口1及び排出口2の開口位置に制限はなく、上記以外の位置に開口することもできる。
【0029】
図1に示す挿入検知センサ10は、光学式センサであって、挿入口1よりも所定距離だけ引き込みローラ20寄りの位置に設置されている。挿入検知センサ10は、挿入口1内に所定長以上に挿入された感熱性粘着シートAの先端を光学的に検知し、センサ信号(挿入検知信号)を図3に示すセンサ入力回路74に出力する。センサ入力回路74は、入力された挿入検知信号をインターフェイス(I/F75)を介してCPU70に出力する。もっとも、挿入検知センサは機械式センサやその他のセンサとすることもできる。
【0030】
図1に示す引き込みローラ20は、感熱性粘着シートAの搬送路を挟んで上側に配置された上引き込みローラ21(能動ローラ)と、下側に配置された下引き込みローラ22(受動ローラ)とから構成されている。上引き込みローラ21には、図3に示す引き込みローラ駆動回路23を介してCPU70により制御される第4ステッピングモータ24が不図示の伝達機構を介して接続されている。一方、下引き込みローラ22は、回転軸上に回転自在に取付けられている。そして、図3に示すCPU70から命令を受けた引き込みローラ駆動回路23から出力される駆動信号によって第4ステッピングモータ24が駆動されると、図1に示す上引き込みローラ21が反時計回りに回転し、挿入口1から挿入された感熱性粘着シートAを上下の引き込みローラ21、22の間に引き込み、カッタユニット110側に搬送する。このとき、下引き込みローラ22は、感熱性粘着シートAを上引き込みローラ21に圧接させつつ、感熱性粘着シートAの移動に伴って従動回転する。もっとも、下引き込みローラ22に第4ステッピングモータ24を接続して能動ローラとし、上引き込みローラ21を受動ローラとしてもよい。
【0031】
図1に示すカッタユニット110は、感熱性粘着シートAの搬送路を挟んで下側に配置された固定刃111と、上側に配置され、固定刃111に接離するように往復運動可能な可動刃112と、可動刃112の駆動源である図3に示す電動モータ113と、カッタユニット駆動回路114と、などから構成されている。かかるカッタユニット110では、図3に示すCPU70から命令を受けたカッタユニット駆動回路114によって電動モータ113が駆動されると、可動刃112が固定刃111に接近するように降下し、搬送路上の感熱性粘着シートAを切断し、その後、上昇して元の位置に戻る。
【0032】
図1に示す熱活性化ユニット40は、感熱性粘着シートAの感熱性粘着剤層を加熱して熱活性化させる発熱素子41を複数有する熱活性化用サーマルヘッド42と、上記感熱性粘着層を熱活性化用サーマルヘッド42に圧接させながら感熱性粘着シートAを搬送する熱活性化用プラテンローラ43と、熱活性化用プラテンローラ43の駆動源である図3に示す第5ステッピングモータ44と、熱活性化用サーマルヘッド42(発熱素子41)及び第5ステッピングモータ44を駆動する熱活性化ユニット駆動回路45と、第5ステッピングモータ44の回転駆動力を熱活性化用プラテンローラ43に伝達する不図示の伝達機構と、などから構成されている。
【0033】
熱活性化用サーマルヘッド42は、公知のサーマルプリンタにおいて印字ヘッドとして使用されているサーマルヘッドと同様の構成、すなわち、セラミックス基板の上に薄膜技術又は厚膜技術によって形成された複数の発熱素子(発熱抵抗体)の表面に結晶化ガラスの保護層が設けられたものである。このように、熱活性化用サーマルヘッド42として印字用サーマルヘッドを使用することによって、コストの低廉化を図ることができる。もっとも、熱活性化用サーマルヘッド42の発熱素子41は、印字用サーマルヘッドの発熱素子のようにドット単位で分割されている必要はなく、連続した抵抗体であってもよい。
【0034】
以上の構成を有する熱活性化ユニット40では、図3に示すCPU70から命令を受けた熱活性化ユニット駆動回路45から出力される駆動信号によって第5ステッピングモータ44が駆動されると、図1に示す熱活性化用プラテンローラ43が反時計回りに回転する。これによって、カッタユニット110を通過した感熱性粘着シートAは、熱活性化用サーマルヘッド42と熱活性化用プラテンローラ43との間に引き込まれ、感熱性粘着剤層が発熱素子41に圧接されながら排出ローラ50側に送り出される。これと同時に、熱活性化ユニット駆動回路45から出力された駆動信号に従って熱活性化用サーマルヘッド42(発熱素子41)が熱活性化動作(発熱)を開始し、感熱性粘着シートAの熱活性化粘着剤層が加熱されて熱活性化される。
【0035】
熱活性化ユニット40は、熱活性化用サーマルヘッド42を熱活性化用プラテンローラ43に向けて押圧するコイルバネや板バネといった加圧手段と、その加圧手段による押圧力を調整する調整手段とを有していることが望ましい。また、熱活性化粘着剤層の幅方向全体が熱活性化用サーマルヘッド42(発熱素子41)に対して均等に圧接されるように、熱活性化用プラテンローラ43の回転軸と、発熱素子41の配列方向とを平行に保つことが望ましい。
【0036】
図1に示す排出ローラ50は、感熱性粘着シートAの搬送路を挟んで上側に配置された上排出ローラ51(能動ローラ)と、下側に配置された下排出ローラ52(受動ローラ)とから構成されている。上排出ローラ51には、図3に示す排出ローラ駆動回路53を介してCPU70により制御される第6ステッピングモータ54が不図示の伝達機構を介して接続されている。一方、下排出ローラ52は、回転軸上に回転自在に取付けられている。そして、図3に示すCPU70から命令を受けた排出ローラ駆動回路53から出力される駆動信号によって第6ステッピングモータ54が駆動されると、図1に示す上排出ローラ51が反時計回りに回転する。これによって、熱活性化ユニット40によって熱活性化粘着剤層が熱活性化された熱活性化粘着シートAは、上下の排出ローラ51、52の間に引き込まれ、排出口2から外部に送り出される。このとき、下排出ローラ52は、感熱性粘着シートAを上排出ローラ51に圧接しつつ、感熱性粘着シートAの移動に伴って従動回転する。もっとも、下排出ローラ52に第6ステッピングモータ54を接続して能動ローラとし、上排出ローラ51を受動ローラとしてもよい。
【0037】
ここまでは、説明の便宜上、CPU70と、引き込みローラ20、カッタユニット110、熱活性化ユニット40及び排出ローラ50との関係を個別に説明してきた。しかし実際には、統括的な制御手段であるCPU70は、引き込みローラ20、カッタユニット110、熱活性化ユニット40及び排出ローラ50などをパラレルに制御している。例えば、カッタユニット110による切断が完全に終了してから熱活性化ユニット40による熱活性化を実行するよりも、切断と熱活性化を同時並行で実行した方が全体のスループットは向上する。しかし、カッタユニット110によって感熱性粘着シートAを切断する際には、感熱性粘着シートAの搬送を一時的に停止させなくてはならない。一方、熱活性化ユニット40による熱活性化中に感熱性粘着シートAが停止すると、熱活性化された感熱性粘着剤層が熱活性化用サーマルヘッド42に貼り付くなどの問題が発生する。そこで、CPU70は、カッタユニット110と熱活性化ユニット40との間で感熱性粘着シートAに一時的な弛みが発生するように、引き込みローラ20及び熱活性化用プラテンローラ43を制御している。具体的には、熱活性化用プラテンローラ43の搬送速度よりも引き込みローラ20の搬送速度を早くするか、引き込みローラ20の搬送開始タイミングから熱活性化用プラテンローラ43の駆動開始タイミングを所定の時間遅延させて、感熱性粘着シートAに一時的な弛みを発生させ、引き込みローラ20が停止し感熱性粘着シートAの弛み分が熱活性化されている間に切断を実行する。これによって、熱活性化用プラテンローラ43を停止させることなく(熱活性化を中断することなく)、感熱性粘着シートAの切断を行うことが可能となる。
【0038】
以上のような観点からは、カッタユニット110が感熱性粘着シートAの切断に要するカット時間Tc内に熱活性化用プラテンローラ43によって搬送される感熱性粘着シートAの長さL1(mm)と、カッタユニット40から熱活性化用サーマルヘッド42までの距離Lh(mm)とを合算した長さ以上の弛みを発生させる必要がある。従って、CPU70は、L1+Lh(mm)以上の弛みが発生するように、図3に示す引き込みローラ駆動回路23及び熱活性化ユニット駆動回路45を介して引き込みローラ20及び熱活性化用プラテンローラ43の搬送速度や動作タイミングなどを制御している。
【0039】
さらに、図1に示すような使用態様、すなわち、プリンタP2によって印字可能層に印字がされた感熱性粘着シートAを即座に熱活性化装置P1に送り込んで熱活性化させるような使用態様においてスループットの向上を図るには、感熱性粘着シートAの長さ、印字用サーマルヘッド92から熱活性化用サーマルヘッド42までの距離、カッタユニット40から熱活性化用サーマルヘッド42までの距離、印字速度(=印字用プラテンローラ93の搬送速度)、活性化速度(=熱活性化用プラテンローラ43の搬送速度)、熱活性化用サーマルヘッド42(発熱素子41)の駆動開始タイミングなどを含めたトータルの最適化を指向することが望ましい。
【0040】
ここで、CPU70が熱活性化用サーマルヘッド42(発熱素子41)を作動させるタイミングを計るパラメータの一つとして、上記挿入検知信号入力後の経過時間が考えられる。例えば、印字速度、活性化速度、挿入検知センサ10による挿入検知から熱活性化用サーマルヘッド42(発熱素子41)を作動させるまでの時間を予め設定しておく。この場合、CPU70は、挿入検知信号の入力から時間をカウントし、予め設定された時間が経過した後に、熱活性化ユニット駆動回路45に命令を出力して、熱活性化用サーマルヘッド42(発熱素子41)を作動させる。挿入検知信号入力後の経過時間は、熱活性化用サーマルヘッド42(発熱素子41)を作動させるタイミングを計るパラメータ以外のパラメータとしても利用可能である。例えば、挿入検知信号の入力から所定時間が経過したことを条件に引き込みローラを作動させるといったことも可能である。
【0041】
筐体3の排出口2の手前に、挿入検知センサ10と同様のセンサを設置し、このセンサによって感熱性粘着シートAが検知されなくなるまでは熱活性化ユニット40が次の熱活性化を開始しないように制御することもできる。すなわち、排出口2の直前にセンサを設置しておけば、熱活性化ユニット40を通過した感熱性粘着シートAの先端がそのセンサによって検知され、センサから出力された検知信号がCPU70に入力される。その後、感熱性粘着シートAの後端がセンサを通過すれば(感熱性粘着シートAが排出口2から完全に排出されれば)、検知信号の入力は途絶える。従って、検知信号の入力が途絶えてから熱活性化ユニット40に次の熱活性化を開始させれば、感熱性粘着シートAが詰まることがない。
【0042】
図1に示す熱活性化装置P1では、引き込みローラ20、熱活性化ユニット40及び排出ローラ50の駆動系がそれぞれステッピングモータを備えているが、2以上の駆動系で一つのステッピングモータを共用する構成とすることによって、駆動系の簡略化することもできる。この場合、図3に示す引き込みローラ駆動回路23及び排出ローラ駆動回路53の機能を一つのモータ駆動回路に集約させれば、制御系の簡略化を図ることもできる。さらに、熱活性化ユニットの機能のうち、ステッピングモータの駆動に関する機能も上記モータ駆動回路に集約させ、更なる簡略化を図ることもできる。各駆動系の駆動源は上記ステッピングモータ以外のDCモータなどとすることもできる。プリンタとの間で双方向又は片方向の通信を可能とし、プリンタ側からの制御で動作する構成とすることもできる。
【0043】
図1に示す熱活性化装置P1の挿入口1には、プリンタP2のプリンタ排出口81から排紙された印字済みの感熱性粘着シートAを挿入口1まで案内可能な板材などの引き受け手段を設けることもできる。
【0044】
【発明の他の実施形態】
何らかの搬送手段によってシート材を搬送しながら印字動作を実行する構成のプリンタでは、シート材が所定ピッチ又は所定の長さ搬送されるたびに、信号(紙送りピッチ信号)が出力されるのが通常である。例えば、図1に示すプリンタP2では、図2に示す印字ユニット駆動回路95から第2ステッピングモータ94に出力される駆動信号が上記紙送りピッチ信号に該当する。また、駆動信号に同期して出力される他の信号があれば、その信号も上記紙送りピッチ信号と同一視できる。そこで、プリンタから上記のような紙送り信号を取得する手段と、取得された紙送りピッチ信号を制御手段に入力する手段とを設け、紙送りピッチ信号を利用した制御を実行する熱活性化装置も、本発明の熱活性化装置に含まれる。紙送りピッチ信号を利用した制御の一例について、図1に示すプリンタP2及び熱活性化装置P1を例にとって具体的に説明する。かかる制御を実現する場合は、熱活性化装置P1に、プリンタP2の印字ユニット90から出力される紙送りピッチ信号をハード的に取り出す手段と、取得された信号を図3に示すCPU70に入力する手段とを設け、CPU70に入力される紙送りピッチ信号のカウント数が所定数以上となったら、CPU70から熱活性化ユニット駆動回路45に命令を出力し、熱活性化用サーマルヘッド42を作動させる。また、CPU70への紙送りピッチ信号の入力が途絶えた後に、カッタユニット110を作動させて感熱性粘着シートAの切断を行う。さらに、熱活性化用プラテンローラ43の駆動を紙送りピッチ信号に同期させる。この場合、印字ユニット90と熱活性化ユニット40との間には一定の距離があるため、熱活性化ユニット40の駆動中に紙送りピッチ信号が途絶えるが、紙送りピッチ信号が途絶えた後は、感熱性粘着シートAの熱活性化を完了するまでCPU70が自律的に熱活性化ユニット40の駆動を継続するようにする。
【0045】
プリンタが上記紙送りピッチ信号を外部に送信する手段を備えている場合は、プリンタから送信される紙送りピッチ信号を受信する手段と、受信された紙送りピッチ信号をCPUに入力する手段とを設けることで、先に説明したような制御や動作を実現することもできる。
【0046】
印字から熱活性化までの一連のスループットを可及的に最大化する観点から好適な制御の一例を図1に示すプリンタP2及び熱活性化装置P1を例にとって説明する。熱活性化装置P1に次に挙げる▲1▼〜▲6▼の情報を得るための通信手段を設けるか、予め熱活性化装置P1に▲1▼〜▲6▼の情報を設定しておく。
▲1▼.感熱性粘着シートAの長さ:L(mm)
▲2▼.印字ユニット90の印字速度(印字用プラテンローラ93の搬送速度):Vp(mm/秒)
▲3▼.印字ユニット90からカッタユニット110までの距離:Lp(mm)
▲4▼.カッタユニット90から熱活性化ユニット40までの距離:Lh(mm)
▲5▼.熱活性化ユニットの熱活性化速度(熱活性化用プラテンローラ43の搬送速度):Vh(mm/秒)
▲6▼.カッタユニット110のカット時:Tc(秒)
上記▲1▼〜▲6▼の情報を持つ熱活性化装置P1のCPU70は、印字ユニット90の印字動作開始から熱活性化ユニット40の熱活性化動作開始までの時間Tw(秒)を次式に従って演算する。
Tw=(L+Lp)/Vp−(L−Lh)/Vh+Tc
さらに、CPU70は、印字ユニット90で印字された感熱性粘着シートAの先端が熱活性化ユニット40に到達するまでの時間Tt(秒)を次式に従って演算する。
Tt=(Lp+Lh)/Vp
そして、CPU70は、上記2式の演算結果を比較し、Tw≧Ttの関係が成立する場合は、印字ユニット90の印字動作開始から時間Tw経過後に、熱活性化ユニット40に熱活性化動作を開始させる。一方、Tw<Ttの関係が成立する場合は、感熱性粘着シートAの先端が熱活性化ユニット40に到達した時点で熱活性化ユニット40に熱活性化動作を開始させる。以上のように熱活性化ユニット40の熱活性化動作開始タイミングを決定すれば、印字ユニット90での印字が終了した感熱性粘着シートAの後端がカッタユニット110の位置に到達した時点でカッタユニット110を作動させることができる。
【0047】
上記▲1▼〜▲6▼の情報やその他の情報をプリンタP2との双方通信又は片方向通信によって得る場合には、プリンタP2に装着されると、プリンタP2が備える通信用コネクタと自動的に接続される通信用コネクタなどを熱活性化装置P1に設けておくと便利である。
【0048】
【発明の効果】
本発明の感熱性粘着シート用熱活性化装置は、シート状基材の一方の面に印字可能層が形成され、他方の面に感熱性粘着剤層が形成された感熱性粘着シートが挿入される挿入口と、挿入口に挿入された感熱性粘着シートを搬送する第1の搬送手段と、第1の搬送手段から感熱性粘着シートを引き受けて搬送する第2の搬送手段と、第2の搬送手段によって搬送される感熱性粘着シートの感熱性粘着剤層を加熱して熱活性化させる熱活性化手段と、第1の搬送手段と第2の搬送手段との間に設置され、感熱性粘着シートを所定の長さに切断する切断手段と、熱活性化手段によって感熱性粘着剤層が熱活性化された感熱性粘着シートが排出される排出口と、切断手段と熱活性化手段との間で感熱性粘着シートに一時的な弛みが発生するように、第1の搬送手段と第2の搬送手段とを制御する制御手段と、を有している。従って、
(1)別体のプリンタによって印字された感熱性粘着シートの熱活性化粘着剤層を必要に応じて熱活性化させることが可能となる。また、感熱性粘着シートの熱活性化粘着剤層を先に熱活性化させてから印字可能層に任意の印字手段によって印字したり、手書きしたりすることが可能となる。さらには、感熱性粘着シートを先に対象物に貼り付けてから印字可能層に印字したり、手書きしたりすることも可能となる。
【0049】
(2)感熱性粘着シートの印字可能層に印字可能なプリンタから排出された印字済みの感熱性粘着シートを連続的に、或いは随時に受け入れ、その感熱性粘着シートの感熱性粘着剤層を熱活性化させることが可能となる。
【0050】
(3)感熱性粘着シートの熱活性化と切断が一つの装置で実現され、繰り返し同一図柄を印字されたり、連続する図柄が印字されたりした長尺のシートを必要な分だけカットし、カットされた分だけ熱活性化させるといった使用態様も可能となる。
【0051】
(4)第2の搬送手段によって感熱性粘着シートを搬送しながら切断手段による切断を実行することができるので、スループットが向上する。
【0052】
上記弛みの長さが所定の長さ以上となった後に、切断手段によって感熱性粘着シートが切断されるように、切断手段を制御する制御手段を有する場合は、感熱性粘着シートの熱活性化と切断とを同時並行で実行することが可能となり、全体のスループットがさらに向上する。
【0053】
上記挿入口から挿入された感熱性粘着シートを検知する挿入検知手段と、挿入検知手段によって感熱性粘着シートが検知されてから所定時間経過に熱活性化が開始されるように、上記熱活性化手段を制御する制御手段とを有する場合は、熱活性化の開始タイミングを容易且つ確実に制御することが可能となる。
【0054】
本発明の他の感熱性粘着シート用熱活性化装置は、シート状基材の一方の面に印字可能層が形成され、他方の面に感熱性粘着剤層が形成された感熱性粘着シートの前記印字可能層に印字を行うプリンタから排出された印字済みの感熱性粘着シートが挿入される挿入口と、挿入口に挿入された感熱性粘着シートを搬送する搬送手段と、搬送手段によって搬送される感熱性粘着シートの前記感熱性粘着剤層を加熱して熱活性化させる熱活性化手段と、熱活性化手段によって感熱性粘着剤層が熱活性化された感熱性粘着シートが排出される排出口と、上記プリンタから出力される紙送りピッチ信号に基づいて、搬送手段と熱活性化手段の少なくとも一方を制御する制御手段と、を有している。従って、
(1)プリンタの紙送りピッチに同期させて熱活性化を行うことが可能となり、熱活性化の速度を該熱活性化装置側で設定する必要がなくなる。
【0055】
(2)上記紙送りピッチ信号に基づいて熱活性化手段による熱活性化の開始タイミングや、切断手段による切断のタイミングを制御することができ、該熱活性化装置における制御系をシンプル化することができる。
【0056】
(3)プリンタからハード的に上記紙送り信号を取り出せば、プリンタのソフトウエアに何らの変更も加えることなく、(1)(2)の効果を得ることができる。
【0057】
本発明の感熱性粘着シート用熱活性化装置は、感熱性粘着シートを所定の長さに切断する切断手段と、プリンタの印字動作開始から熱活性化手段の熱活性化動作開始までの時間Twと、プリンタで印字された感熱性粘着シートの先端が熱活性化手段に到達するまでの時間Ttとを演算し、Tw≧Ttの関係が成立する場合は、プリンタの印字動作開始から時間Tw経過後に熱活性化手段に熱活性化動作を開始させ、Tw<Ttの関係が成立する場合は、感熱性粘着シートの先端が熱活性化手段に到達した時点で熱活性化手段に熱活性化動作を開始させる制御手段と、をさらに有する。従って、プリンタでの印字終了から切断までのタイムラグが可及的に短縮され、切断から熱活性化までのトータルのスループットが大幅に向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の感熱性粘着シート用熱活性化装置の概略を示す構成図である。
【図2】図1に示すプリンタP2の制御系及び駆動系のブロック図である。
【図3】図1に示す熱活性化装置P1の制御系及び駆動系のブロック図である。
【図4】従来の感熱性粘着シート用プリンタの概略を示す構成図である。
【符号の説明】
P1 熱活性化装置
P2 プリンタ
A 感熱性粘着シート
1 挿入口
2 排出口
3 筐体
10 挿入検知センサ
20 引き込みローラ
40 熱活性化ユニット
50 排出ローラ
70 CPU
80 プリンタ挿入口
81 プリンタ排出口
82 プリンタ筐体
90 印字ユニット
100送り込みローラ
110カッタユニット
120送り出しローラ

Claims (12)

  1. シート状基材の一方の面に印字可能層が形成され、他方の面に感熱性粘着剤層が形成された感熱性粘着シートが挿入される挿入口と、
    前記挿入口に挿入された前記感熱性粘着シートを搬送する第1の搬送手段と、
    前記第1の搬送手段から前記感熱性粘着シートを引き受けて搬送する第2の搬送手段と、
    前記第1の搬送手段と前記第2の搬送手段の間に配置され、前記感熱性粘着シートを所定の長さに切断する切断手段と、
    前記第2の搬送手段によって搬送される前記感熱性粘着シートの前記感熱性粘着剤層を加熱して熱活性化させる熱活性化手段と、
    前記熱活性化手段によって前記感熱性粘着剤層が熱活性化された前記感熱性粘着シートが排出される排出口と、
    前記切断手段と前記熱活性化手段との間で前記感熱性粘着シートに一時的な弛みが発生するように、前記第1の搬送手段と前記第2の搬送手段とを制御する制御手段と、
    を少なくとも有する感熱性粘着シート用熱活性化装置。
  2. 前記弛みの長さが所定の長さ以上となった後に、前記感熱性粘着シートを切断するように、前記切断手段を制御する制御手段をさらに有する請求項1記載の感熱性粘着シート用熱活性化装置。
  3. 前記弛みの長さが、前記切断手段のカット時間内に前記第2搬送手段によって搬送される前記感熱性粘着シートの長さと、前記切断手段から前記熱活性化手段までの距離とを合算した長さ以上となった後に、前記感熱性粘着シートを切断するように前記切断手段を制御する制御手段と、
    をさらに有する請求項1記載の感熱性粘着シート用熱活性化装置。
  4. 前記挿入口から挿入された前記感熱性粘着シートを検知する挿入検知手段と、
    前記挿入検知手段によって前記感熱性粘着シートが検知されてから所定時間経過後に熱活性化動作を開始するように、前記熱活性化手段を制御する制御手段と、
    をさらに有する請求項1記載の感熱性粘着シート用熱活性化装置。
  5. 前記排出口から排出される前記感熱性粘着シートを検知する排出検知手段と、
    前記排出検知手段によって前記感熱性粘着シートが検知されている間は熱活性化動作を行わないように、前記熱活性化手段を制御する制御手段と、
    をさらに有する請求項1記載の感熱性粘着シート用熱活性化装置。
  6. シート状基材の一方の面に印字可能層が形成され、他方の面に感熱性粘着剤層が形成された感熱性粘着シートの前記印字可能層に印字を行うプリンタから排出された印字済みの感熱性粘着シートが挿入される挿入口と、
    前記挿入口に挿入された前記感熱性粘着シートを搬送する搬送手段と、
    前記搬送手段によって搬送される前記感熱性粘着シートの前記感熱性粘着剤層を加熱して熱活性化させる熱活性化手段と、
    前記熱活性化手段によって前記感熱性粘着剤層が熱活性化された前記感熱性粘着シートが排出される排出口と、
    前記プリンタから出力される紙送りピッチ信号に基づいて、前記搬送手段と前記熱活性化手段の少なくとも一方を制御する制御手段と、
    を少なくとも有する感熱性粘着シート用熱活性化装置。
  7. 前記プリンタから出力される紙送りピッチ信号が入力されている間は搬送速度が前記紙送りピッチ信号に同期した速度となるように、前記搬送手段を制御する制御手段をさらに有する請求項6記載の感熱性粘着シート用熱活性化装置。
  8. 前記挿入口に挿入された前記感熱性粘着シートを検知する挿入検知手段と、
    前記挿入通検知手段によって前記感熱性粘着シートが検知された後に入力された前記紙送りピッチ信号のカウント数が所定数以上となった後に熱活性化動作を開始するように、前記熱活性化手段を制御する制御手段と、
    をさらに有する請求項6記載の感熱性粘着シート用熱活性化装置。
  9. 前記感熱性粘着シートを所定の長さに切断する切断手段と、
    前記紙送りピッチ信号の入力が途絶えた後に前記感熱性粘着シートを切断するように、前記切断手段を制御する制御手段と、
    をさらに有する請求項6記載の感熱性粘着シート用熱活性化装置。
  10. 前記排出口から排出される前記感熱性粘着シートを検知する排出検知手段と、
    前記排出検知手段によって前記感熱性粘着シートが検知されている間は熱活性化動作を行わないように、前記熱活性化手段を制御する制御手段と、
    をさらに有する請求項6記載の感熱性粘着シート用熱活性化装置。
  11. シート状基材の一方の面に印字可能層が形成され、他方の面に感熱性粘着剤層が形成された感熱性粘着シートの前記印字可能層に印字を行うプリンタから排出された印字済みの感熱性粘着シートが挿入される挿入口と、
    前記挿入口に挿入された前記感熱性粘着シートを搬送する搬送手段と、
    前記搬送手段によって搬送される前記感熱性粘着シートの前記感熱性粘着剤層を加熱して熱活性化させる熱活性化手段と、
    前記熱活性化手段によって前記感熱性粘着剤層が熱活性化された前記感熱性粘着シートが排出される排出口と、
    前記プリンタから送信される情報に基づいて、前記熱活性化手段を制御する制御手段と、
    を少なくとも有する感熱性粘着シート用熱活性化装置。
  12. 前記感熱性粘着シートを所定の長さに切断する切断手段と、
    前記プリンタから送信される情報と予め設定されている情報の双方又は一方に基づいて、前記プリンタの印字動作開始から前記熱活性化手段の熱活性化動作開始までの時間Twと、前記プリンタで印字された前記感熱性粘着シートの先端が前記熱活性化手段に到達するまでの時間Ttとを演算し、Tw≧Ttの関係が成立する場合は、前記プリンタの印字動作開始から時間Tw経過後に熱活性化手段に熱活性化動作を開始させ、Tw<Ttの関係が成立する場合は、前記感熱性粘着シートの先端が熱活性化手段に到達した時点で熱活性化手段に熱活性化動作を開始させる制御手段と、
    をさらに有する請求項11記載の感熱性粘着シート用熱活性化装置。
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