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JP2005080004A - 動画像符号化装置 - Google Patents

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JP2005080004A
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成烈 具
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昌利 高嶋
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Abstract

【課題】
本発明は、画質の低下を防止し得ると共に標準的な復号化装置により復号化し得る符号化データを生成できるようにする。
【解決手段】
本発明は、VBVバッファにおける占有量を算出するVBV占有量算出部21と、VBVバッファがアンダーフローを生じる場合にスキップコードD12を出力させるスキップ制御部23及びスキップコード生成部13とを設けるようにしたことにより、実際に符号化した符号量が予測以上に増加した場合に、符号化データD6の代わりにMPEG2方式に従ったデータで構成されたスキップコードD12を出力できるので、VBVバッファのアンダーフローを防止できると共に、特別な検出回路等を用いること無く復号化装置によって正常に認識できる出力符号化データD13を生成し出力することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は動画像符号化装置に関し、例えばディジタルビデオ録画再生装置に適用して好適なものである。
従来、動画像符号化装置は、外部から供給される連続した複数の画像からなる信号(以下これを動画像信号と呼ぶ)をディジタル化した後、所定の画像符号化方式に準拠した符号化処理を施すことにより、例えば1フレーム等の所定単位の符号化データを生成するようになされている。
かかる画像符号化方式としては、ISO/IECの符号化専門家グループMPEG(Moving Picture Expert Group)により汎用画像の符号化を目的として標準化されたMPEGと呼ばれる画像符号化方式が知られている。
このMPEG符号化方式の一つとして標準化されているMPEG2方式では、実際に符号化した動画像信号(以下これを符号化データと呼ぶ)の符号量の遷移を監視するために、図示しない動画像復号化装置における内部バッファに相当する仮想的なVBV(Video Buffering Verifier)バッファを想定し、当該VBVバッファにおける符号化データの符号量(以下これを占有量と呼ぶ)を随時算出するようになされており、当該占有量に応じ量子化ステップの制御等を行って符号化データの符号量を調整することにより、符号化データのビットレートを設定された値とするようになされている。
例えば動画像符号化装置においては、図7に示すように、フレーム(n−1)における符号化データを出力した後、フレーム(n)における符号化データを出力するまでの間に、VBVバッファにおける符号化データの符号量a(n)を算出する。
次に動画像符号化装置は、フレーム(n−1)の符号化データを基にフレーム(n)の符号化データの符号量b(n)を算出することにより予測し、フレーム(n−1)におけるVBVバッファの占有量V(n−1)と予め設定されたビットレートとに基づいて、フレーム(n)の符号化データを出力するときに当該VBVバッファの上限及び下限を超えないように(図7)、フレーム(n)における量子化スケール等を調整してから、当該フレーム(n)の画像を符号化する。
しかし、実際に動画像信号を符号化する際には、例えばシーン切換の場面等で、符号化後の実際の符号量が予測結果の符号量を超えてしまう場合がある。
このため動画像符号化装置は、フレーム(n)の画像の上端から順次符号化していく途中でもVBVバッファを監視しており、例えば当該画像上端での符号量を基に算出した当該フレーム(n)の予測符号量be(n)(図7)が当初予測した符号量b(n)を超えてしまいVBVバッファのアンダーフローが生じてしまうことを認識すると、徐々に量子化スケールを上げて生成する符号量を削減し、生成する符号量を符号量b(n)程度に抑えることによってVBVバッファのアンダーフローを防止するようになされている。
しかし、復号化装置等によってこのような符号化データを復号化した場合、フレーム(n)の画像は上部から下部にかけてだんだんと画質が荒くなってしまい、動画像としての画質が低下してしまうという問題があった。
かかる問題を解決するための従来手法として、MPEGのユーザデータ領域等を利用して、1フレーム分の画像を前フレームの画像で代用することを示すコードを予め独自に設定しておき、動画像信号の符号化時にVBVバッファのアンダーフローが生じそうになった際に、符号化データの代わりに当該コードをユーザデータ領域に出力するようになされた動画像符号化装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許第2871316号公報(第6頁、第1図)
ところが、かかる手法を適用した動画像符号化装置においては、MPEG方式で規定されていない独自のコードをユーザデータ領域に格納しているために、復号化装置側で当該コードを検出するための専用の検出回路等を設ける必要があった。
このため、広く普及している一般的な(検出装置を搭載していない)復号化装置では、上述のスキップコードを含んだ符号化データを正しく復号化することができないという問題があった。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、画質の低下を防止させることなく容易に復号化装置で復号化し得る動画像符号化装置を提案しようとするものである。
かかる課題を解決するため本発明においては、動画像データを所定の符号化方式に従って符号化処理を実行し、所定単位ごとに順次生成した符号化データを外部に出力する動画像符号化装置において、復号側のバッファに蓄積された際の符号化データの占有量を、予測占有量として算出する予測占有量算出手段と、予測占有量算出手段により算出された予測占有量が所定の閾値を超えた時点に生成された符号化データに代えて、当該時点よりも前の上記符号化データの復号結果を再表示させるための指示コードを、符号化方式に従って生成し出力するコード出力手段とを設けるようにしたことにより、符号化データの符号量が予測占有量以上に増加した場合に、当該コード出力手段が、当該符号化データの代わりに符号化方式に従ったデータ構成でなる指示コードを生成し出力するようにした。
この結果この動画像符号化装置では、符号化データの符号量が所定の閾値を超えないように抑えることができると共に、特別な検出回路等を用いることなく復号化装置によって正常に認識できる符号化データを生成することができる。
本発明によれば、実際に符号化した符号量が予測以上に増加した場合に、符号化データの代わりに符号化方式に従ったデータで構成された指示コードを出力できるので、符号化データの符号量が所定の閾値を超えないように抑えることができると共に、特別な検出回路等を用いることなく復号化装置によって正常に認識でき、画質の低下を防止できる符号化データを生成し得る動画像符号化装置を実現できる。
以下、図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
(1)動画像符号化装置の構成
図1に示すように、1は全体として動画像符号化装置を示し、MPEG2方式に従って、外部から供給される画像のデータ(以下、これをフレームデータD1と呼ぶ)ごとに順次符号化処理を実行するようになされている。
この場合、減算器2は、動き補償回路12から予測データD2が与えられない場合には、フレームデータD1をそのまま差分データD3として直交変換処理部3へ送出する。
直交変換処理部6は、差分データD3に対して離散コサイン変換等の直交変換処理を施すことにより直交変換係数データD4を生成し、これを量子化処理部4へ送出する。
量子化処理部4は、直交変換係数データD4に対して、符号化制御部5によるフィードバック制御に従って与えられる量子化制御信号S1の量子化パラメータ値に応じて、量子化処理を施すことにより量子化データD5を生成し、これを可変長符号化制御部6及び逆量子化処理部8へそれぞれ送出する。
可変長符号化制御部6は、量子化処理部4から与えられる量子化データD5に対して可変長符号化処理を施すことにより符号化データD6を生成し、これをバッファ7に蓄積する。
一方、逆量子化処理部8は、量子化処理部4から与えられる量子化データD5に対して逆量子化処理を施すことにより、直交変換係数データD4に相当する直交変換係数データD8を復元し、これを逆直交変換処理部9へ送出する。
逆直交変換処理部9は、逆量子化処理部8から与えられる直交変換係数データD8に対して逆直交変換処理を施すことにより、差分データD3に相当する差分データD9を復元し、これを加算器10へ送出する。
加算器10は、動き補償処理部12から予測データD2が与えられる場合、逆直交変換処理部9から与えられる差分データD9に対して、当該差分データD9に対応する予測データD2を必要に応じて加算することによりフレームデータD1に相当するフレームデータD10を復元し、これをフレームメモリ11へ記憶する。
動き補償処理部12は、フレームメモリ11から1フレーム分のフレームデータD11を逐次読み出し、所定の動き補償処理に基づいて予測データD2を生成し、これを減算器2及び加算器10へ送出する。
ここで減算器2は、動き補償回路12での動き補償結果として予測データD2が与えられる場合、フレームデータD1から当該フレームデータD1に対応する予測データD2を減算することにより差分データD3を生成し、これを直交変換処理部3へ送出する。
そして差分データD3は、上述の場合と同様に、直交変換処理、量子化処理、可変長符号化処理が順次施され、この結果、符号化データD6としてバッファ7に蓄積される。
このように動画像符号化装置1は、入力されたフレームデータD1ごとに符号化処理を実行し、バッファ7に蓄積される符号化データD6を、切換器14を介して順次出力符号化データD13として出力するようになされている。
(2)符号化制御部5の構成
ここで、動画像符号化装置1の符号化制御部5は、図2に示すように、VBV占有量算出部21と、スキップ判定部22と、レート制御部23とによって構成される。
VBV占有量算出部21は、仮想的なVBVバッファにおける占有量を算出するようになされており、例えばフレーム(n)について着目すると、1つ前のフレームであるフレーム(n−1)の符号化データD6を送出した時点で、図3に示すような当該符号化データD6の符号量b(n−1)及びこのときのVBVバッファの占有量V(n−1)を認識しており、当該占有量V(n−1)と当該符号量b(n−1)とを占有符号量データD21としてレート制御部22へ送出する。
そしてVBV占有量算出部21は、バッファ7から符号化データD6を取得してその符号量b(n)を認識し、フレーム(n)の出力符号化データD13を出力する時点でのVBVバッファにおける占有量V(n)を次式
Figure 2005080004
に基づいて算出し、これを占有量データD22としてスキップ制御部23へ送出する。
またVBV占有量算出部21は、スキップ制御部23からスキップコードD12を出力したことの通知(詳しくは後述する)を受け取ると、当該スキップコードD12をフレーム(n)の符号化データD6として認識するようになされている。
レート制御部22は、予測占有符号量データD21として与えられた符号量b(n−1)と予め設定されたビットレートとに基づいて、フレーム(n)のフレームデータD1を可変長符号化処理部6によって符号化データD6に変換したときの予測符号量be(n)を算出する。
さらにレート制御部22は、フレーム(n−1)の符号化データD6を出力してからフレーム(n)の符号化データD6を出力するまでの間にVBVバッファに蓄積される符号化データ量a(n)と、フレーム(n)の予測符号量be(n)とを用いて、フレーム(n)に相当する符号化データD6を送出する時点でのVBVバッファの予測占有量Ve(n)を次式
Figure 2005080004
によって算出する。
ここでレート制御部22は、VBVバッファのアンダーフローを発生させないために、予測占有量Ve(n)>0を満たすような予測符号量be(n)となるように量子化パラメータを決定し、量子化制御信号S1として量子化処理部4へ送出する。
この結果、量子化処理部4では、VBVバッファのアンダーフローが生じないような量子化データD5として直交変換処理部6へ送出される。
スキップ制御部23は、VBV占有量算出部21から与えられる占有符号量データD22に基づき、占有量V(n)<0であるか否か、すなわちVBVバッファのアンダーフローが発生するか否かを判定する。
ここでスキップ制御部23は、占有量V(n)<0である場合は、スキップコード生成信号S3をスキップコード生成部13へ出力することによって、当該スキップコード生成部13(図1)にスキップコードD12を生成させると共に、出力切換信号S2を出力することによって切換器14(図1)をk側に切り換え(図1)、スキップコードD12を符号化データD13として出力させ、さらにVBV占有量算出部21に対してスキップコードD12を出力したことを通知する。
一方スキップ制御部23は、占有量V(n)<0でない場合は、出力切換信号S2を出力することによって切換器14(図1)をj側に切り換え(図1)、符号化データD6をそのまま符号化データD13として出力させる。
このように符号化制御部5は、符号化データD6を用いてVBVバッファの占有量V(n)を算出し、量子化処理部4の量子化パラメータを決定すると共に、必要に応じて当該符号化データD6の代わりにスキップコードD12を出力符号化データD13として出力させるようになされている。
(3)スキップコードD12の構成
このスキップコードD12は、通常の(画像を示すデータを含む)符号化データと同様に1フレーム分の画像に相当するデータによって構成されており、例えば1フレームが480ラインで構成される場合、1マクロブロックを16×16画素で構成すると、当該1フレームはライン方向に30個のスライスに分割されることになる。
このスライスは、図4に示すようなデータ構成となっており、(m)番目のスライス30は、ヘッダ部31とデータ部32とから構成されている。
ヘッダ部31はスライススタートコード31A、量子化スケールコード31B、マクロブロックタイプ31C、及びフレームモーションタイプ31Dからなっており、MPEG2方式に準拠した構成となっている。
またデータ部32は、マクロブロックエスケープ32A、マクロブロックアドレス加算32B、マクロブロックタイプ32C、フレームモーションタイプ32Dからなっており、通常のスライス層のデータ部から画像を表すデータを削除したような構成となっている。
すなわちスライス30は、標準的なスライス層のヘッダ等を維持したままで画像を示すデータのみを取り除いた、いわば「画像データの無いスライス」を構成していることになり、このような構成のスライス30は、MPEG規格の規定に基づき、復号化装置において「1つ前のフレームにおける同じ位置のスライスと同じ内容を繰り返す」旨のデータであると解釈される。
ちなみにこの「画像データの無いスライス」のようなデータは、本来、あるフレーム(p)のあるスライス(q)が1つ前のフレーム(p−1)における同じ位置を表すスライス(q)と全く同じ符号となる際に、冗長を避けて符号量を削減するために、MPEG2方式において規定されている。
またスライス30は、画像を表す符号化データを削除したような構成となっているため、1スライス分のデータとして必要最小限の符号量となっている。
そしてスキップコードD12は、このようなスライス30と同様のスライス40等を例えば30個組み合わせた構成となっており、このため当該スキップコードD12は、その符号量bscがフレーム(n)の符号量b(n)よりも非常に少なくなるようになされている(図3)。
さらにスキップコードD12は、MPEG2方式に従って構成されているため、特別な検出回路等を具えない動画像復号化装置(以下これを標準的な動画像復号化装置と呼ぶ)によって、フレーム(n)を表示すべきタイミングにおいて1つ前のフレーム(n−1)と同じ画像を再度表示し得るようになされている。
(4)動画像符号化処理手順
次に、必要に応じて符号化データD6に代えてスキップコードD12を出力するときの動画像符号化処理手順について、図5のフローチャートを用いて詳細に説明する。
すなわち動画像符号化装置1は、ルーチンRT1の開始ステップSP0から入ってステップSP1へ移り、図6(A)に示すようなフレーム(n)のフレームデータD1を基に、量子化処理部4、可変長符号化処理部6等によって、図6(B)に示すようなフレーム(n)の符号化データD6を生成するまで待機し、当該符号化データD6を生成した時点で次のステップSP2へ移る。
なお符号化制御部5は、フレーム(n)の符号化データD6を1フレーム分生成する途中では、VBVバッファの予測占有量Ve(n)を算出しないようになされており、当該符号化制御部5における処理負荷を軽減するようになされている。
ステップSP2において符号化制御部5は、フレーム(n)の出力符号化データD13を出力する時点での占有量V(n)<0であるか否かを判定する。
ここで否定結果が得られると、このことはフレーム(n)の符号化データD6を出力する時点においてVBVバッファのアンダーフローが発生しないことを表しており、このとき符号化制御部5は次のステップSP3へ移る。
ステップSP3において符号化制御部5は、出力切換信号S2を出力することによって切換器14をj側に切り換え(図1)、符号化データD6をそのまま符号化データD13として出力して次のステップSP5へ移る。
これに対してステップSP2において肯定結果が得られると、このことは、フレーム(n)の符号化データD6を出力する時点においてVBVバッファのアンダーフローが発生することを表しており(図3)、このとき符号化制御部5は次のステップSP4へ移る。
ステップSP4において符号化制御部5は、スキップコード生成信号S3をスキップコード生成部13へ出力してスキップコードD12を生成させて切換器14へ送出させ、さらに出力切換信号S2を出力することによって切換器14をk側に切り換えて(図1)、スキップコードD12を符号化データD13として出力して次のステップSP5へ移る。
ステップSP5において符号化制御部5は、フレームデータD1を全て符号化したか否かを判定し、ここで否定結果が得られると再度ステップSP1へ戻って上述したステップSP1〜SP4の処理を繰り返し、一方ここで肯定結果が得られると次のステップSP6へ移って当該動画像符号化処理手順を終了する。
(5)スキップコードの復号化
次に、このようなスキップコードD12を含む符号化データを復号化する場合について説明する。
すなわち上述したように、フレーム(n)のフレームデータD1(図6(A))を単純に符号化した場合、符号化データD6が生成される(図6(B))。
しかし、フレーム(n)においてVBVバッファのアンダーフローが生じる場合、符号化データ(n)の代わりにスキップコードD12が挿入された出力符号化データD13が生成される(図6(C))。
一方、このような出力符号化データD13を一般的な動画像復号化装置(図示せず)によって復号化する場合、当該動画像復号化装置は、フレーム(n)に相当する箇所においてスキップコードD12を認識すると、当該スキップコードD12に画像を示すデータが含まれていないため、MPEG2方式の規定に従って、フレーム(n)のタイミングで再度フレーム(n−1)の画像を表示する(図6(D))。
このとき動画像復号化装置は、フレーム(n)を表示するタイミングにおいて、標準的なデータによって構成されたスキップコードD12を正常に認識でき、1フレーム前のフレーム(n−1)の画像を再度表示させることによって、画質劣化のない動画像を復号化することができる。
(6)動作及び効果
以上の構成において動画像符号化装置1は、入力されたフレームデータD1を順次符号化し、出力符号化データD13として出力すると共に、符号化制御部5のVBV占有量算出部21によって符号化データD6の実際の符号量b(n)を用いてVBVバッファにおける占有量を監視しており、当該VBVバッファにおいてアンダーフローが発生することが判明したフレーム(n)については、符号化データD6に代えてスキップコードD12を挿入する(図6(B)、(C))。
このとき動画像符号化装置1は、画像を示すデータ以外のヘッダ等のデータによってスキップコードD12を構成するようにしたことにより、フレーム(n)の画像をそのまま符号化した場合の符号化データ(n)の符号量と比較して、当該スキップコードD12の符号量を少なく抑えることができるので、VBVバッファのアンダーフローを防止できると共に、送出する符号量が少ないために当該VBVバッファの占有量を回復させる(増やす)ことができ、以降の符号化におけるVBVバッファのアンダーフローの発生頻度を低減させることができる(図3)。
さらに動画像符号化装置1は、符号化データD6を常時監視するのではなく、1フレーム分を蓄積した時点でVBVバッファの占有量を算出するようにしたことにより、符号化制御部5の処理負荷を軽減させることができ、代わりに量子化パラメータの高精度な算出等の処理を行うことができるので、動画像の画質を向上させることができる。
そのうえ生成されたスキップコードD12は、MPEG2方式のユーザデータ領域等に独自のコードを設定するのではなく、MPEG2方式に従った標準的なデータによって構成するようにしたことにより、特別な検出回路等を具えない標準的な動画像復号化装置によって当該スキップコードD12を認識できるので、当該標準的な動画像復号化装置でフレーム(n)の画像を表示すべきタイミングにフレーム(n−1)の画像を再度表示させることができ、動画像の画質を低下させることがない。
以上の構成によれば、動画像符号化装置1は、符号化データD6の実際の符号量を用いてVBVバッファの占有量を算出し、当該VBVバッファにおいてアンダーフローの発生を検出したフレームについては、符号化データD6に代えて、MPEG2方式に従ったデータで構成されて符号量が少ないスキップコードD12を挿入することにより、VBVバッファのアンダーフローを防止できると同時に占有量を増加させることができ、さらに一般的な動画像復号化装置によって当該スキップコードD12を正常に認識できるので、復号化した際の動画像の画質低下を防止することができる。
(7)他の実施の形態
なお上述の実施の形態においては、図4に示したデータ構成でなるスキップコードD12を生成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、MPEG2方式に従ったシンタックスでなるこの他の種々のデータ構成でなるスキップコードを指示コードとして生成するようにしても良い。
また上述の実施の形態においては、指示コードとして、1フレーム前の画像を再表示させるスキップコードD12を出力するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば2フレーム前の画面を再表示させるコード等、他の種々のコードを指示コードとして出力するようにしても良い。
さらに上述の実施の形態においては、符号化データD6に基づいてVBVバッファの予測占有量Veを算出するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、この他の種々の算出方式によって予測占有量Veを算出するようにしても良く、また例えば符号量と量子化パラメータとの関係を示した所定のテーブルを参照することによって予測占有量Veを得るようにしても良い。
さらに上述の実施の形態においては、本発明をMPEG2方式に準拠した動画像符号化装置1に適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えばMPEG4等の、他の種々の符号化方式に準拠した符号化装置に適用するようにしても良い。
本発明は、動画像符号化機能を有したパーソナルコンピュータ等にも適用できる。
動画像符号化装置の構成を示すブロック図である。 符号化制御部の処理を示す機能ブロック図である。 実施の形態によるVBVバッファの占有量の説明に供する略線図である。 実施の形態によるスキップコードのデータ構成を示す略線図である。 動画像符号化処理手順を示すフローチャートである。 画像の符号化及び復号化の様子を示す略線図である。 従来のVBVバッファの占有量の説明に供する略線図である。
符号の説明
1……動画像符号化装置、5……符号化制御部、13……スキップコード生成部、14……切換器、21……VBV占有量算出部、22……レート制御部、23……スキップ制御部。

Claims (4)

  1. 動画像データを所定の符号化方式に従って符号化処理を実行し、所定単位ごとに順次生成した符号化データを外部に出力する動画像符号化装置において、
    復号側のバッファに蓄積された際の上記符号化データの占有量を、予測占有量として算出する予測占有量算出手段と、
    予測占有量算出手段により算出された上記予測占有量が所定の閾値を超えた時点に生成された上記符号化データに代えて、当該時点よりも前の上記符号化データの復号結果を再表示させるための指示コードを、上記符号化方式に従って生成し出力するコード出力手段と
    を具えることを特徴とする動画像符号化装置。
  2. 上記指示コードは、上記符号化方式に従って規定されたヘッダの一部(又は全部)で構成された
    ことを特徴とする請求項1に記載の動画像符号化装置。
  3. 上記指示コードは、上記符号化方式に規定されたスキップコードでなる
    ことを特徴とする請求項1に記載の動画像符号化装置。
  4. 上記予測占有量算出手段は、1フレーム又は1フィールド単位の上記符号化データの実際の符号量に基づいて算出される
    ことを特徴とする請求項1に記載の動画像符号化装置。
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