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JP2005075691A - リチウムマンガン複合酸化物粒子、その製造方法並びにそれを用いた二次電池用正極及び二次電池 - Google Patents

リチウムマンガン複合酸化物粒子、その製造方法並びにそれを用いた二次電池用正極及び二次電池 Download PDF

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JP2005075691A JP2003309164A JP2003309164A JP2005075691A JP 2005075691 A JP2005075691 A JP 2005075691A JP 2003309164 A JP2003309164 A JP 2003309164A JP 2003309164 A JP2003309164 A JP 2003309164A JP 2005075691 A JP2005075691 A JP 2005075691A
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泉 谷口
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Mikuni Color Ltd
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Abstract

【課題】
球状で中実粒子であり、比表面積が小さく結晶性に優れたスピネル型リチウムマンガン複合酸化物粉体の製造法を提供する。
【解決手段】
本発明の球状で中実粒子であり比表面積が小さく結晶性に優れたスピネル型リチウムマンガン複合酸化物粉体の製造法は、LiとMnとCr或はFeとの硝酸塩を量論比で蒸留水に溶解させ、これを800℃で噴霧熱分解するのが好ましい。この際、Fe、Cr、Al、Co、 Li、Ni、Zu、Cu、Mg、Tiの置換量は、LiMxM’yMn(2-x-y)O (ただしMはCr及びFeのうち一種以上、M’はCr、Fe、Al、Co、Li、Ni、Zu、Cu、Mg、Tiのうちの1種以上、0.1≦x+y≦0.4、0≦y≦x、0.1≦x≦0.4)

Description

本発明はリチウムマンガン複合酸化物粒子及びその製造、これを用いたリチウム二次電池用正極並びにリチウム二次電池に関する。
近年、携帯電話、ノート型パソコン、ビデオカメラなどの携帯用電子機器の小型化、軽量化およびコードレス化にともない、それに用いられる二次電池のさらなる高性能化が求められている。ところで、リチウム二次電池は、重量エネルギー密度および体積エネルギー密度が大きいため上述の要求に答える二次電池として、近年特に注目されている。現在、この電池の正極材料としてはLiCoO2が用いられているが、コバルトが希少価値で高価であるため、これに変わる材料として安価なマンガンを用いたスピネル型リチウムマンガン複合酸化物が開発され、実用化に向けこの材料の改良が試みられている。しかしながら、LiMn2O4の実際の電気容量はLiCoO2に比べて約20〜40%ほど小さいため、この問題を解決した、より電気容量の大きいスピネル型リチウムマンガン複合酸化物の開発が望まれている。
現在、主なLiMn2O4粉体の合成法としては以下のものが挙げられる。
(1) 原料の炭酸塩、酸化物、水酸化物を出発原料とし、これらを高温の電気炉内で焼成し目的物質を得る固相反応法。
(2) 電解合成により得られた多孔質酸化マンガンに比較的低温で溶融するLiNO3やLiOHを含浸させて焼成して目的物質を得る溶融含浸法。
(3) リチウムとマンガンの酢酸塩をエタノールに溶解させ、これに酒石酸やアジピン酸を加えて50〜100℃で加熱してゾル化し、さらにこれを300℃で加熱しゲル化させる。このゲルを800℃で焼成することにより目的物質であるLiMn2O4を得るゾル・ゲル法。
しかしながら、上述の従来技術には各々、以下の問題がある。
(1)の場合:
出発原料として、炭酸塩や酸化物、水酸化物などの粉末を用いるため、粉体の組成を分子レベルで均一にするには、長時間の焼成と粉砕を繰り返して目的物質を合成する。従って、粉体の結晶性は良く、比表面積も小さいが焼成時に粒子成長が起き、最終的には様々な形態を有する粒子径分布の広い粉体が合成される。
(2)の場合:
合成にあたって予め多孔質酸化マンガンを準備しなければならず、この原料を得るためには粉砕処理が必要となる。従って、粉砕時における不純物の混入の問題が指摘されている。また、この方法では多孔質酸化マンガンを粉砕処理しているため粒子形態が様々で、最終的な粉体の形態も様々であり粒子径分布も広い。
(3)の場合:
合成操作が多段であるため連続合成が困難であること、液相での微粒子合成のため結晶性が低く、それを向上させるために粒子を長時間焼成しなければならない。従って(1)と同様に様々な粒子形態を持つ粒径分布の広い粉体が合成される。
そこで、リチウムマンガン複合酸化物の製造に噴霧熱分解法を使用することが提案されている(特許文献1、非特許文献1〜4)。この方法は、加熱した炉内に原料溶液を噴霧して熱分解反応により目的とする酸化物粒子を得るものであるが、原料を液相で調整するため組成の制御が容易であり、原料溶液の濃度を変えることによりある程度は粒子径が制御できるという利点がある。さらに、粉体合成が連続で行え、合成時間も短いなどの長所を有している。しかしながら、この方法では粒子の形態の制御法は全く確立されていなかった。特に、二流体ノズルを用いて噴霧熱分解法により合成されたLiMn2O4は多孔質の中空粒子で嵩高く比表面積が大きいため、電極にした場合に体積エネルギー密度が小さくなるとともに、サイクル特性が悪いという欠点があった。
なお本発明者によりLiMn2O4のMnの一部をCo、Al又はNiで置換することにより粒子形状を変化させることが提案されている(非特許文献4)。しかし得られたリチウムマンガン複合酸化物粒子の電気特性は未だ十分とは言えなかった。
特開平10-255804号公報 化学と工業、52巻11号(1999)1424頁 化学工学会研究発表講演要旨集(1999)274頁 Hosokawa PowderTechnology Foundation, Annual Report No.9 (2001) 69-74 I. Taniguchi, D. Song, M.Wakihara, J. Power Sources, 109(2002) 333-339
本発明の目的は、このような課題に鑑みてなされたものであり、電池特性としては好ましい、結晶性が良く、比表面積が小さく、充填特性に優れた球状で中実なスピネル型リチウムマンガン複合酸化物粒子の新規な製造方法を提供することを目的とする。
発明を解決するための手段
本発明者は上記課題に鑑みて鋭意検討を重ねた。意外なことに、リチウムマンガン複合酸化物のマンガンの一部を他の所定の元素で置換した組成のものを用いて噴霧熱分解法により粒子を製造すると、中実の球形粒子が得られ、このものは比表面積が小さく粒径分布が狭く充填性に優れたものとなることがわかった。そしてこの粒子は結晶子サイズが大きく電気化学特性が優れていることがわかった。したがってこの粒子を電池材料に適用すればより優れた物性の二次電池を得ることができると推測される。
また置換量をコントロールすることにより粒子の形状をコントロールできることがわかった。特に、粒子の空隙率その他の物性を変化させることができ、中実で嵩密度の大きい粒子まで自由に得ることができることがわかった。
より具体的には、LiMn2O4のMnの一部をCr及び/又はFeでドープすることにより、粒子形態、結晶子サイズ、比表面積および平均径に関して、以下の効果が得られることがわかった。
Mnの一部をCr及び/又はFeで置換することにより、粒子形態が多孔質状の粒子形態から球状の中実粒子に変化すると共に、置換しない場合に比べ、結晶性が良く、比表面積、平均径が小さい粒子を得ることができた。
すなわち、本発明は、
(1)少なくともLi、Mn並びにCr及び/又はFeの各々の塩を含有する原料溶液を噴霧熱分解することを特徴とするリチウムマンガン複合酸化物粒子の製造方法、
(2)原料溶液中のCr及び/又はFeとMnとのモル比が0.05≦(Cr+Fe)/Mn≦0.25である上記(1)記載のリチウムマンガン複合酸化物粒子の製造方法、
(3)少なくともLi、Mn並びにCr及び/又はFeの各々の塩を含有する溶液を噴霧熱分解して得られるリチウムマンガン複合酸化物粒子、
(4)化学式 LiMxM’yMn(2-x-y)(ただしMはCr及びFeのうち一種以上、M’はCr、Fe、Al、Co、Li、Ni、Zu、Cu、Mg、Tiのうちの1種以上、0.1≦x+y≦0.4、0≦y≦x、0.1≦x≦0.4)で表されるリチウムマンガン複合酸化物粒子。
(5)粒子形態が球状で内部構造が一次粒子の集合体から成る中実粒子である上記(3)又は(4)に記載のリチウムマンガン複合酸化物粒子、
(6)比表面積が0.5m2/g〜8m3/gである上記(3)〜(5)のいずれかに記載のリチウムマンガン複合酸化物粒子、
(7)粒子形態が球状で内部構造が一次粒子の集合体から成る中実粒子であり、比表面積が0.5m2/g〜8m3/gであるリチウムマンガン複合酸化物粒子、
(8)平均粒子径が0.5μm〜5μm、幾何標準偏差が1.3〜1.5である上記(3)〜(7)のいずれかに記載のリチウムマンガン複合酸化物粒子、
(9)Cr及び/又はFeとMnとのモル比率が0.05≦(Cr+Fe)/Mn≦0.25である上記(3)〜(8)のいずれかに記載のリチウムマンガン複合酸化物粒子、
(10)上記(3)〜(9)のいずれかに記載のリチウムマンガン複合酸化物粒子を空気雰囲気で1時間〜24時間、焼成してなるリチウムマンガン複合酸化物粒子、
(11)結晶子サイズが27nm以上である上記(3)〜(10)のいずれかに記載のリチウムマンガン複合酸化物粒子、
(12)タップかさ密度が0.4〜4.3
g/cm3未満である上記(3)〜(11)のいずれかに記載のリチウムマンガン複合酸化物粒子、
(13)上記(3)〜(12)のいずれかに記載のリチウムマンガン複合酸化物粒子を含有するリチウム二次電池用正極、
(14)上記(13)記載の二次電池用正極を用いたリチウム二次電池、
に存する。
本発明は、新規な形態のリチウムマンガン複合酸化物粒子及びその用途に関する。ここでリチウムマンガン複合酸化物粒子とは、マンガン酸リチウム(LiMnO)のMnの一部が他の金属で置換されていてもよい、スピネル構造の複合酸化物をいう。
〔組成〕
本願に係る第一の発明は、リチウムマンガン複合酸化物粒子であって、化学式LiMxM’yMn(2-x-y)O4で表されるものである。
式中、MはCr 及びFeのうちいずれか一種以上である。すなわちMの全量がCr でもよく、Mの全量がFeでもよく、MがCr及び Feの双方を含んでいてもよい。
M’はAl、Co、Li、 Ni、Zu、Cu、Mg、Tiのうちの1種以上である。すなわちこれらの金属の1種でも複数でもよい。
また0.1≦x+y≦0.4、0≦y≦x、0.1≦x≦0.4である。つまりドープ成分M、M’のうち一定量以上のMすなわちCr及びFeのうち一種以上を含有させることにより、後述する、本発明の優れた特性を発揮する特殊な形態の粒子を得ることができることが見出されたのである。
特に好ましいドープ量としては、MがCrのとき好ましくは0.1<x≦0.4、さらに好ましくは0.12≦x≦0.3、 MがFeのとき好ましくは0.1<x≦0.4、さらに好ましくは0.12≦x≦0.3である。
〔原料〕
本発明の複合酸化物粒子を得るために用いることのできる原料は、所定の元素を含み噴霧熱分解法で使用できるものであれば特に限定されない。目的とする酸化物の組成に応じて元素を量論比で含有する均一な液状態として用いればよい。一般には、原料である金属の硝酸塩を水やエタノールに溶解させた原料を用いるが、酸化物および炭酸塩であれば硝酸水溶液中に溶解させて用いればよい。原料である金属の塩としては、硝酸リウチム、硝酸マンガン、電解二酸化マンガン、炭酸マンガン、炭酸リウチム等が挙げられるがこれらに限定されない。
少なくともLi、Mn及び、CrとFeのうち一種以上の、各々の硝酸塩を、量論比で溶解させた原料溶液を用いれば特に好適であり、さらにAl、Co、Li、
Ni、Zu、Cu、Mg、Tiのうちの1種以上の塩、特にこれらの硝酸塩を量論比で溶解させていてもよい。
液のpHは限定されないがpH3以下とすることが本発明の中実で比表面積の小さいリチウムマンガン複合酸化物粒子を得るためには好適である。特に好ましくはpH2以下とする。特に、前述した各種の金属塩のうち硝酸塩を用いた場合にpHの調整が容易である。その他、特に酸化物及び/又は炭酸塩を硝酸水溶液に溶解させpHを2以下に調整した原料溶液も用いてもよい。
本願に係る第二の発明では少なくともLi、Mn並びにCr及び/又はFeの各々の塩を含有する原料溶液を用いて以下に説明する噴霧熱分解法により酸化物粒子を製造する。つまり、Li及びMnを必須金属成分とし、さらに他の金属成分として、Cr及びFeの一方あるいは双方を存在させる。さらに他の金属成分を含有させていてもよい。具体的には、前述した原料溶液を用いて噴霧熱分解法により粒子を製造すればよい。
また、本願に係る第三の発明はこのような原料溶液を用い噴霧熱分解法により得られたリチウムマンガン複合酸化物粒子である。
上記本願に係る第一の発明である所定の化学式で示される複合酸化物粒子を得る場合には、目的物の化学式に応じた量論比で各々の金属を含有させたものを原料溶液として用いればよい。特に好ましくは、モル比で0.05≦(Cr+Fe)/Mn≦0.25、さらに好ましくは0.081≦(Cr+Fe)/Mn≦0.18となるように含有させるのが望ましい。特にこの範囲とすることにより、得られる粒子を中実で比表面積の小さい球状とすることが容易であり、体積エネルギー密度の大きな正極材料を提供できる。
〔製造方法〕
上記の原料を用いて噴霧熱分解法により複合酸化物粒子を製造することができる。噴霧熱分解法は、所定の元素を量論比で含有する液体を加熱した炉内に噴霧する。噴霧手段は限定されず、例えば超音波噴霧器や二流体ノズルを用いて微小液滴とすることができ、キャリアーガスと共に炉内に導入すれば、得られた微粒子を炉の出口より容易に回収できる。
炉内に噴霧された微小液滴は一般に、溶媒の蒸発、溶質の析出、乾燥、熱分解反応及び焼結のプロセスを経て微粒子となる。
〔粒子径及び幾何標準偏差〕
これら本願に係る第一の発明及び第三の発明に係るリチウムマンガン複合酸化物粒子においては、平均粒子径は0.5μm〜5μmが好ましい。特に好ましくは0.8μm〜3μmである。幾何標準偏差は1.3〜2.0が好ましく、特に好ましくは1.3〜1.5である。
本願に係る第四の発明は、リチウムマンガン複合酸化物粒子であって、平均粒子径が0.5μm〜5μm、幾何標準偏差が1.3〜2.0のものである。原料及び製造方法としては上述のものを用いることができる。
〔粒子形態〕
本発明のリチウムマンガン複合酸化物粒子は、内部構造が一次粒子の集合体から成る、中実粒子とすることができる。特に、粒子形態が球状のものとすることができる。これは、電子顕微鏡で確認できる。このような構造をとることにより、正極活物質として用いた際の充填率を向上することができ、それにより正極中の正極活物質の量を高めることができ、体積当りの電気容量を上げることができる。
〔結晶子サイズ〕
粉体の結晶性を評価する指標の一つとして結晶子サイズがある。結晶子サイズは電池材料として電気化学特性に影響があり、一般的に結晶子サイズが大きいほどサイクル特性が良好である。本発明のリチウムマンガン複合酸化物粒子は、結晶子サイズが27nm以上、特に35nm以上、さらに55nm以上とすることもできる。これは、サイクル特性を向上させるという効果がある。
〔タップかさ密度及び比表面積〕
本発明のリチウムマンガン複合酸化物粒子は、タップかさ密度が0.4〜4.3 g/cm3未満、特に好ましくは0.8〜4.3 g/cm3である。さらに好ましくは1.5〜4.3g/cm3である。また本発明の複合酸化物粒子は、比表面積が7.92m2/g以下、特に好ましくは6.45m2/g以下、さらに好ましくは3.02m2/g以下である。
〔焼成〕
以上説明した本発明のリチウムマンガン複合酸化物粒子をさらに650℃〜850℃、中でも700〜750℃、1時間〜24時間、特に4時間〜8時間で焼成することができる。それにより、さらに結晶子を成長させ、60nm以上、さらには100nm以上とすることもできる。また、比表面積に関しては、3m2/g以下、さらには2m2/g未満にすることができる。焼成することにより結晶子が成長し比表面積が減少すると共に、嵩密度が増加する。これらの効果が相乗して体積当りの電気容量をさらに向上させることにつながる。本願に係る第五の発明は、このようにして得られるリチウムマンガン複合酸化物粒子である。
〔用途〕
以上説明した本発明のリチウムマンガン複合酸化物粒子を含有する二次電池用正極を得ることができる。本願に係る第六の発明は、上述した本発明のリチウムマンガン複合酸化物粒子を含有するリチウム二次電池用正極にある。具体的には、本発明のリチウムマンガン複合酸化物粒子を正極の活物質として用い、公知の方法で正極を形成すればよい。
本願に係る第七の発明は斯かる二次電池用正極を用いたリチウム二次電池にある。
リチウム二次電池は、正極、負極、セパレータ及びリチウム塩を含有する電解液を有して構成されている。図1にリチウム二次電池の具体的な構造例の概略図を示す。図中、1はシート状の積層体として構成されたリチウム二次電池であり、正極集電板2と、正極活物質を含む正極3と、電解質シート4と、負極活物質を含む負極5と、負極集電板6とをこの順序で積層したものである。
〔負極〕
負極活物質としては、炭素材料、金属複合酸化物、カルコゲン化合物を含む物質や、軽金属からなる活物質を使用することができる。炭素材料としては、コークス、炭素繊維、熱分解気相炭素物質、黒鉛、樹脂焼成体、メソフェーズピッチ系炭素繊維(MCF)、メソフェーズ球状カーボンの焼成体等が挙げられる。カルコゲン化合物としては、二硫化チタン、二硫化モリブデン、セレン化ニオブ等が挙げられる。軽金属としては、アルミニウム、アルミニウム合金、リチウム金属、リチウム合金等が挙げられる。負極は、これら負極活物質及び結着剤を有機溶媒に懸濁し、この懸濁物を負極集電板に塗布し、乾燥した後にプレス圧着することにより作製される。負極集電板としては、銅箔、ステンレス箔、ニッケル箔等から形成したものを使用する。バインダとしてはPTFE、PVDF EPDM、SBR、カルボキシメチルセルロース等を使用することができる。
〔電解質シート〕
電解質シート4はポリエチレンオキシド系のシートが多く用いられ、電解液が含有されている。
〔正極〕
リチウム二次電池正極は一般に、リチウムマンガン複合酸化物と導電材料とをバインダを用いて成形して作製する。電極強度を向上させるためにフィラーを添加することもできる。
導電材料としては、公知のものを特に制限なく用いることができ、通常、天然黒鉛(鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛、土状黒鉛等)、人工黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、炭素繊維や金属、ニッケル粉などの導電性材料を一種またはこれらの混合物として含有することができる。これらの中でも特に、黒鉛とアセチレンブラックの併用が好ましい。その添加量は、特に制限されないが、1〜50重量%、特に2〜30重量%が好ましい。
バインダーとしては、通常、でんぷん、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、再生セルロース、ジアセチルセルロース、ポリビニルピロリドン、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)、スルホン化EPDM、スチレンブタジエンゴム、フッ素ゴム、ポリエチレンオキシド等の多糖類、熱可塑性樹脂、ゴム弾性を有するポリマーなどの一種又はこれらの混合物が挙げられる。バインダの添加量は、2〜30重量%が好ましい。
フィラーは、構成された電池において化学変化を起こさない繊維状材料であれば何でも用いることができるが、通常ポリプロピレン、ポリエチレンなどのオレフィン系ポリマー、ガラス、炭素などの繊維が用いられる。フィラーの添加量は一般に、30重量%以下が好ましい。
これら、リチウムマンガン複合酸化物粒子、導電材料、バインダ等を有機溶媒に分散させて混練ペーストとし、これをドクターブレード等によりアルミ箔等の導電性基板に塗布した後、乾燥し、加圧して適宜形状を切断して正極を得る。
次に、正極集電板と、正極と、セパレーター及び非水電解液を含む電解質シートと、負極活物質を含む負極と、負極集電板とをこの順序で積層することによりシート状のリチウム二次電池が得られる。正極集電板としては、アルミニウム箔、ステンレス鋼箔、ニッケル箔等が挙げられる。
〔セパレーター〕
セパレーターは一般に、合成樹脂製不織布、ポリエチレン多孔質フィルム、ポリプロピレン多孔質フィルム等から形成される。
〔電解液〕
電解液としては、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、プロピレンカーボネート(PC)等環状カーボネート、ジメチルカーボネート(DMC)、メチルエチルカーボネート等の鎖状カーボネート、γ−ブチロラクトン、ジメトキシエタンエーテル等の脂肪酸エステル、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロキシフラン、2−メチルテトラヒドロフランジメチルスルフォキシド、1,3−ジオキソラン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキソラン、アセトニトリル等の窒素化合物、スルホラン、ジメチルスルホキシド等の硫化物等、ニトロメタン、ぎ酸メチル、酢酸メチル、リン酸トリエステルなどの非プロトン性溶媒の少なくとも一種以上を混合した溶媒と、その溶媒に溶けるリチウム塩が使用される。電解質としては、過塩素酸リチウム、六フッ化リン酸リチウム、ほうフッ化リチウム、六フッ化砒素リチウム、トリフルオロメタスルホン酸リチウム、ビストリフルオロメチルスルフォニルイミドリチウム等のリチウム塩が例示される。中でも、プロピレンカーボネイトあるいはエチレンカーボネイトと1,2−ジメトキシエタン及び/又はジエチレンカーボネートの混合液にLiCF3SO3、LiClO4 、LiBF4及び/又は
LiPF6を含む電解質が好ましい。
また、上述した電解液の他に有機固体電解質を用いることができる。有機固体電解質としては、例えばポリエチレン誘導体またはこれを含むポリマー、ポリプロピレンオキサイド誘導体又はこれを含むポリマー、リン酸エステルポリマーなどが挙げられる。
リチウム二次電池の形状は、ボタン、シート、シリンダー、角などいずれにも適用できる。
本発明のリチウム二次電池の用途は特に限定されず、例えば、ノートパソコン、ラップトップパソコン、ポケットワープロ、携帯電話、コードレス子機、ポータブルCD、ラジオなどの電子機器、自動車、電動車両、ゲーム機器などの民生用電子機器など種々の機器に用いることができる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。なお本発明はこれら実施例に限定されるものではないことは勿論である。
(実施例1〜9、比較例1)
まず、実験装置および方法について説明する。
図2は実験装置の概略を示したものである。本実験装置は、主に液滴生成部、熱分解反応炉、微粒子回収部から構成されている。
液滴生成部:
液滴生成部は、周波数1.7MHzの医療用超音波ネブライザ−11( オムロン(株)製 , NE-U12型)、原料溶液13を超音波ネブライザーに供給するためのマイクロチューブポンプ12(
EYELA製 , MP-3N型 )および恒温水循環システムからなっている。
図中、14は恒温槽、15は冷凍機である。
熱分解反応炉:
熱分解反応炉17は、200℃に設定された内径20mm、長さ500mmの予熱区間18と、800℃に設定された内径90mm、長さ1500mmの熱分解反応区間16からなっている。
微粒子回収部
生成粒子の回収は、自作の拡散型静電捕集器20を用いた。排出ガスは液体窒素で冷却され、それに含まれているNOxが除去された後に系外に放出される。
図中、7は空気ボンベ、8は充填カラム、9はフィルター、10は流量計、19は高圧直流電源、21は冷却トラップ、22は真空ポンプである。
次に、実験方法について説明する。
原料溶液の調製:
原料溶液の調製は次のように行った。原料塩としては、硝酸リチウム(LiNO3)、硝酸マンガン六水和物(Mn(NO3)2・6H2O)、硝酸鉄九水和物(Fe(NO3)3・9H2O)、硝酸クロム九水和物(Cr(NO3)3・9H2O)、硝酸コバルト六水和物(Co(NO3)2・6H2O)、硝酸アルミニウム九水和物(Al(NO3)3・9H2O)を用いた。これらを量論比(LiMxMn2-xO4を合成するのであれば、Li:M:Mn=1:x:2-x)で蒸留水に溶解させ、金属成分の総モル数が0.9mol/dm3になるように調製した。この原料溶液は、マイクロチューブポンプ12を用いて定常的に超音波噴霧器に供給された。
粒子の合成および回収:
粒子の合成は、前述の原料溶液を超音波ネブライザー11によりミストにし、2dm3/min(室温基準)の空気に同伴させ、熱分解反応炉17に供給することにより行われた。この際、反応炉へのミストの供給速度は、30ml/hである。 反応炉に供給されたミストは、その予熱区間で、微小液滴表面から溶媒が蒸発し、溶質の析出、乾燥のプロセスを、熱分解反応区間で、熱分解および焼成のプロセスを経て、最終的に反応炉出口で目的とする微粒子が得られる。これらの微粒子は、拡散荷電型静電捕集器20により回収される。なお、粒子の捕集は印加電圧9.5Vで行った。
次に、微粒子の評価法について説明する。
粒子の表面形態、粒子径分布
粒子の表面形態はFE型走査電子顕微鏡(SEM、日立製作所、S-800)を用いて、10,000倍から30,000倍で観察した。粒子径および粒径分布はSEM写真から500個の粒子を無作為に抽出して計測した。
粒子の内部構造
粒子の内部構造は透過型電子顕微鏡(TEM, フィリップス製, EDAXV99001型)を用いて観察した。なお、試料は、粒子とエポキシ混合液を混ぜ合わせ、60℃で1日間加熱した後に固化させ、microtom
ultracutを用いて厚さ60nm、幅0.1mm x 0.3mmに切断することにより作製した。観察は、これを200メッシュの銅グリッドにのせて行った。なお、エポキシ混合液はMNA(Methyl Nadic Anhydride)、DDSA Dodecenyl Succinic Anhydride)及びEPOK 812を1:1:2の容量比で混合し、これにDMP-30 (Tri-Dimethyl Aminomethyl Phenol)
を1.5 〜 2 vol%加えたものを用いた。
比表面積
粒子の比表面積の測定は、BET法 ( 島津製作所 , フローソーブII2300 ) により行った。測定には、150〜250mg の試料を200℃で約30分乾燥したものを用い、測定は3回〜5回行い、脱着時の値の平均値を用いた。
結晶相の同定
微粒子の結晶相の同定は粉末X線回折(Philips社製、PW1700システム)を用いて行った。測定はCuKα1およびCuKα2線を用い、約50〜80mgの試料について以下の条件で行った。
電圧 :40kV
電流 :30mA
走査速度 :0.04゜/s
測定範囲 :4゜≦2θ≦70゜
結晶子サイズの測定では以下の条件で測定を行った。
電圧 :40kV
電流 :30mA
走査速度 :0.01゜/s
測定範囲 :40゜≦2θ≦50゜
結晶子サイズは、X線回折パターンの(400)面の回折ピークからScherrer式:R=0.9λ/[(H-h)cosθ]を用いて計算した。ここで、Rは結晶サイズ
[Å]、λはX線回折に用いられたビームの波長 [Å]、θは回折角度、Hは半値幅、hは補正定数である。
以下、各実施例及び比較例で得られた粒子の物性について説明する。
図3に実施例1〜3で得られた粒子のXRD回折パターンを示す。Crのドープ量をx=0.1,0.2,0.3としたいずれの場合でも、スピネル型LiMn2O4の回折ピークが見られる。 図4に実施例4および5のXRD回折パターンを示す。Crで置換した実施例1〜3と同様にスピネル型LiMn2O4の回折ピークが見られる。実施例6〜9についても図5に示したように同様な結果が得られた。
粉体の結晶性を評価する指標の一つに結晶子サイズがある。 各々の実施例及び比較例で得られた粉体の結晶性について、この結晶子サイズを指標に用いて検討を行った。その結果を表1に示す。
Crで置換した実施例1〜3、Feで置換した実施例4〜5、Crと他の金属(Al,Fe,Co)で置換した実施例6,8,9、FeとAlで置換した実施例7、置換を行っていない比較例1との結果からわかるように、Cr及び/又はFeで置換した場合、さらにはCrあるいはFeと他の金属(Al,Co)で置換した場合でも、置換しない場合に比べ結晶子サイズが大きくなっており、粉体の結晶性が向上していることがわかる。また、前述の非公知文献4に記載されている結晶子サイズと比較しても今回合成した粒子のほうが明らかに結晶子サイズが大きい粒子が合成されていることが分る。
ところで、一般に、3価のMnを4価のMnのイオン半径に近い金属でドープすると、スピネル型LiMn2O4が本来有している格子のひずみを緩和させることができるので、結晶性が向上すると考えられる。従って、この考え方からすると、4価のMnのイオン半径に近いCoやAlをドープした場合、ドープしない場合に比べ結晶性が向上すると予想されるが、そのような結果(非特許文献4)にはなっていない。また、CoやAlに比べイオン半径の大きいCrやFeをドープした場合、上述の推論からすると結晶性の向上は期待できないのにも関わらず、実際は表1のごとく明確な結晶性の向上が見られる。このことから、本発明により従来技術からは予想し得ない顕著な効果が得られていることがわかる。
図6は置換を行っていない比較例1で得られた粒子のSEM写真(30,000倍)である。また、図7は実施例2、図8は実施例4、図9は実施例7得られた粒子のSEM写真(30,000倍)である。これらの写真から、Mnの一部をCr、Fe、或はFeとAlで置換することにより多孔質状の表面形態から球状のスムーズな表面形態に変化していることがわかる。
これらの粒子の平均径を測定したところ、表1に示したようにドープ量を増加させるに伴い平均径が小さくなり、Crの場合ではx=0.1以上でほぼ収束値(一定値)に達している。これは、Crをドープすることにより嵩高い多孔質粒子から中実粒子に変化した結果ではないかと考え、実施例2の粒子の内部構造をTEMにより観察した。その結果を示したものが、図10である。このTEM写真(41,000倍)からも明らかなように、一次粒子が集合した中実な粒子構造となっている。 図11は実施例4で得られた粒子の41,000倍のTEM写真である。Feで置換したものについても、一次粒子が集合した中実な粒子構造となっている。
これに対し比較例1で得られた置換を行っていない粒子のTEM写真(41,000倍)を図12に示すが、中空であることがわかる。
比表面積については、表1に示したようにいずれの実施例においてもドープしない場合よりも比表面積が小さくなっている。
これらの結果より、FeあるいはCrをドープすることよりかさ高い多孔質粒子から球状の中実粒子にその形態が変化し、金属をドープしない場合に比べ結晶性が良く、比表面積、平均径が小さくなっていることが判る。特にCrのx=0.2の場合では、ドープしない場合と比較して結晶子サイズが1.75倍、比表面積が0.75倍、平均径で0.77倍(体積で0.45倍)で、Feのx=0.3では、結晶子サイズが1.56倍、比表面積が0.47倍、平均径で0.74倍(体積で0.40倍)、Fe(x=0.1)とAl (y=0.1)をそれぞれドープした場合では、結晶子サイズが1.9倍、比表面積が0.36倍、平均径で0.78倍(体積で0.47倍)、Cr(x=0.1)とFe(y=0.1)をそれぞれドープした場合では、結晶子サイズが2.2倍、比表面積が0.65倍、平均径で0.78倍(体積で0.47倍)となっている。
なお、上記実施例においては、スピネル型リチウムマンガン複合酸化物がLiMxM’yMn(2-x-y)O (M=CrあるいはFe、0.1≦x≦0.3、M’=Co又はAl、y=0.1)の場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。一般式LiMxM’yMn2-x-yO4(但し、MはCr及びFeのうち一種以上、M’はCr、Fe、Al、Co、Li、Ni、Zu、Cu、Mg、Tiのうちの1種以上、0.1≦x+y≦0.4、0≦y≦x、0.1≦x≦0.4)で表されるスピネル型リチウムマンガン複合酸化物全般について、同様の効果を得ることができる。
本発明により安価なリチウム二次電池用正極活物質として期待の大きいリチウムマンガン酸化物粒子であって電気容量の向上したものを簡易な方法で得ることができる。
リチウム二次電池の具体例の一つの構造の概略図 実施例及び比較例で用いた実験装置の概略図 LiMn2O4のMnの一部をCrで置換した場合のXRD回折パターンを示す図 LiMn2O4のMnの一部をFeで置換した場合のXRD回折パターンを示す図 実施例6〜9で得られた粒子 (LiMn2O4のMnの一部をCr、Fe、Co、Alで置換したもの)のXRD回折パターンを示す図 比較例1で得られた粒子のTEM写真(30,000倍)を示す図 実施例2で得られた粒子のSEM写真(30,000倍)を示す図 実施例4で得られた粒子のSEM写真(30,000倍)を示す図 実施例7で得られた粒子のSEM写真(30,000倍)を示す図 実施例2で得られた粒子の41,000倍のTEM写真を示す図 実施例4で得られた粒子の41,000倍のTEM写真を示す図 比較例で得られた粒子の41,000倍のTEM写真を示す図
符号の説明
1 リチウム二次電池
2 正極集電板
3 正極
4 電解質シート
5 負極
6 負極集電板
7 空気ボンベ
8 充填カラム
9 フィルター
10 流量計
11 ネブライザ−
12 マイクロチューブポンプ
13 原料溶液
14 恒温槽
15 冷凍機
16 熱分解反応区間
17 熱分解反応炉
18 予熱区間
19 高圧直流電源
20 拡散型静電捕集器
21 冷却トラップ
22 真空ポンプ

Claims (14)

  1. 少なくともLi、Mn並びにCr及び/又はFeの各々の塩を含有する原料溶液を噴霧熱分解することを特徴とするリチウムマンガン複合酸化物粒子の製造方法。
  2. 原料溶液中のCr及び/又はFeとMnとのモル比が0.05≦(Cr+Fe)/Mn≦0.25である請求項1記載のリチウムマンガン複合酸化物粒子の製造方法。
  3. 少なくともLi、Mn並びにCr及び/又はFeの各々の塩を含有する溶液を噴霧熱分解して得られるリチウムマンガン複合酸化物粒子。
  4. 化学式 LiMxM’yMn(2-x-y)(ただしMはCr及びFeのうち一種以上、M’はCr、Fe、Al、Co、Li、Ni、Zu、Cu、Mg、Tiのうちの1種以上、0.1≦x+y≦0.4、0≦y≦x、0.1≦x≦0.4)で表されるリチウムマンガン複合酸化物粒子。
  5. 粒子形態が球状で内部構造が一次粒子の集合体から成る中実粒子である請求項3又は4に記載のリチウムマンガン複合酸化物粒子。
  6. 比表面積が0.5m2/g〜8m3/gである請求項3〜5のいずれかに記載のリチウムマンガン複合酸化物粒子。
  7. 粒子形態が球状で内部構造が一次粒子の集合体から成る中実粒子であり、比表面積が0.5m2/g〜8m3/gであるリチウムマンガン複合酸化物粒子。
  8. 平均粒子径が0.5μm〜5μm、幾何標準偏差が1.3〜1.5である請求項3〜7のいずれかに記載のリチウムマンガン複合酸化物粒子。
  9. Cr及び/又はFeとMnとのモル比率が0.05≦(Cr+Fe)/Mn≦0.25である請求項3〜8のいずれかに記載のリチウムマンガン複合酸化物粒子。
  10. 請求項3〜9のいずれかに記載のリチウムマンガン複合酸化物粒子を空気雰囲気で1時間〜24時間、焼成してなるリチウムマンガン複合酸化物粒子。
  11. 結晶子サイズが27nm以上である請求項3〜10のいずれかに記載のリチウムマンガン複合酸化物粒子。
  12. タップかさ密度が0.4〜4.3g/cm3未満である請求項3〜11のいずれかに記載のリチウムマンガン複合酸化物粒子。
  13. 請求項3〜12のいずれかに記載のリチウムマンガン複合酸化物粒子を含有するリチウム二次電池用正極。
  14. 請求項13記載の二次電池用正極を用いたリチウム二次電池。
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