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JP2005069244A - Washer, its manufacturing method and automatic transmission - Google Patents

Washer, its manufacturing method and automatic transmission Download PDF

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JP2005069244A
JP2005069244A JP2003208209A JP2003208209A JP2005069244A JP 2005069244 A JP2005069244 A JP 2005069244A JP 2003208209 A JP2003208209 A JP 2003208209A JP 2003208209 A JP2003208209 A JP 2003208209A JP 2005069244 A JP2005069244 A JP 2005069244A
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washer
resin
hydraulic oil
oil
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Tomohito Ota
智仁 太田
Tomihito Hashimoto
富仁 橋本
Makoto Kano
眞 加納
Yutaka Mabuchi
豊 馬渕
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Nissan Motor Co Ltd
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To provide an inexpensive synthetic resin thrust washer having superior abrasion resistance and low coefficient of friction, and its manufacturing method, and to provide an automatic transmission contributing on the reduction in size and weight, and the improvement in efficiency. <P>SOLUTION: This washer has a disc-shaped synthetic resin as a base material, its sliding face is coated with a hard carbon thin film, and lubricant and working fluid, including fatty acid ester ashless friction adjusting agent and aliphatic amine ashless friction adjusting agent, are applied to the sliding face. This washer is manufactured by molding the synthetic resin into the shape of the washer, and then coating its surface with diamond-like carbon by a plasma CDV method to form the hard carbon thin film. This automatic transmission applies the washer, and the lubricant and the working fluid. <P>COPYRIGHT: (C)2005,JPO&NCIPI

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワッシャ、その製造方法及び自動変速装置に係り、更に詳細には、摺動面の低摩擦特性に優れ、相対回転部の回転差やスラスト力の吸収を行うワッシャ、その製造方法及び自動変速装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車用変速機においては、小型化、軽量化、原価低減の観点から、スラストニードルベアリングが合成樹脂スラストワッシャに代替されている。樹脂製スラストワッシャにおいては、耐摩耗性と低摩擦係数に優れることが要求されるため、従来は母材である樹脂や充填材の最適化によって対策を実施してきた(例えば特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−170397号公報
【0004】
ところが、上記母材樹脂、充填材の最適化は、一般的に高価な材料を使用することになるため、コスト面への跳ね返りが大きく、そのためスラストニードルベアリングを合成樹脂製スラストワッシャに代替する場合は、コストメリットが大幅に圧縮されてしまうという問題点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、低コストで且つ耐摩耗性と低摩擦係数に優れた合成樹脂製スラストワッシャ及びその製造方法を提供すること、並びに小型化、軽量化及び効率向上に貢献する自動変速装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、ワッシャの摺動面を硬質炭素薄膜で被覆すると共に、潤滑油や作動油に特定の無灰摩擦調整剤を添加することによって、相手部材との摺接部の摩擦トルクの低減が可能になることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について、更に詳細に説明する。なお、本明細書において「%」は、特記しない限り質量百分率を示すものとする。
【0008】
本発明のワッシャは、円板状の合成樹脂を基材とし、摺動面を硬質炭素薄膜で被覆して成る。このような構成により、相手部材との摺接部の摩擦トルクが低減される。例えば、図1に示すようなワッシャが挙げられる。
【0009】
ここで、上記硬質炭素薄膜としては、例えば炭素原子を主として構成されるDLC材料を用いることができ、例えばプラズマCVD法により成膜することができる。
このDLC材料は、非晶質のものであって、炭素同士の結合形態がダイヤモンド構造(SP結合)とグラファイト結合(SP結合)の両方から成る。具体的には、炭素元素だけから成るa−C(アモルファスカーボン)、水素を含有するa−C:H(水素アモルファスカーボン)、及びチタン(Ti)やモリブデン(Mo)等の金属元素を一部に含むMeCなどを好適に用いることができる。
【0010】
また、本発明のワッシャの基材(母材)として用いる合成樹脂は、代表的には、スラストワッシャとして要求が高まってきている耐熱性、具体的には150℃以上の耐熱性を有する樹脂が望ましく、更に耐摩耗性にも優れることが望ましい。
このような樹脂としては、例えばポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリイミド樹脂又はフェノール樹脂、及びこれらの任意の組み合わせを挙げることができる。かかる樹脂を用いた場合には、軟化や溶損の危険性が低減されうる。
【0011】
上記樹脂には、他の樹脂や、充填材としてのアルミナ粉末やグラファイト粉末、繊維強化材としてのガラス繊維や炭素繊維、放熱性向上のための金属粉としてブロンズ粉やステンレス鋼粉などを添加することができるが、ワッシャ形状とするための成形性、加工性を確保する観点から、融点150℃以上の上記熱可塑性樹脂の含有量を最低限40%とすることが望ましい。
【0012】
したがって、本発明のワッシャは、例えば上記樹脂を含有する円板状部材を基材として、当該基材の内周面、外周面及び両側面のうちの少なくともいずれか、具体的には少なくとも相手部材との摺接面に、プラズマCVD法によってDLCを成膜することによって製造することができる。
【0013】
また、本発明のワッシャは、摺動面に潤滑油、作動油のいずれか一方又は双方を介在させて使用される。これより、低摩擦特性に優れ、相対回転部の回転差やスラスト力の吸収に優れるものとなる。また、この潤滑油又は作動油は、基油(ベースオイル)に、脂肪酸エステル系無灰摩擦調整剤、脂肪族アミン系無灰摩擦調整剤のいずれか一方又は双方を含有させたものが用いられる。
【0014】
ここで、上記基油としては特に限定されるものではなく、鉱油、合成油、油脂及びこれらの混合物など、作動油の基油として通常使用されるものであれば、種類を問わず使用することができる。
鉱油としては、具体的には、原油を常圧蒸留及び減圧蒸留して得られた作動油留分を溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、水素化精製、硫酸洗浄、白土処理等の精製処理等を適宜組み合わせて精製したパラフィン系又はナフテン系等の油やノルマルパラフィン等が使用でき、溶剤精製、水素化精製処理したものが一般的であるが、芳香族分をより低減することが可能な高度水素化分解プロセスやGTL Wax(ガス・トウー・リキッド・ワックス)を異性化した手法で製造したものを用いることがより好ましい。
【0015】
合成油としては、具体的には、ポリ−α−オレフィン(例えば、1−オクテンオリゴマー、1−デセンオリゴマー、エチレン−プロピレンオリゴマー等)、ポリ−α−オレフィンの水素化物、イソブテンオリゴマー、イソブテンオリゴマーの水素化物、イソパラフィン、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、ジエステル(例えば、ジトリデシルグルタレート、ジオクチルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジトリデシルアジペート、ジオクチルセバケート等)、ポリオールエステル(例えば、トリメチロールプロパンカプリレート、トリメチロールプロパンペラルゴネート、トリメチロールプロパンイソステアリネート等のトリメチロールプロパンエステル;ペンタエリスリトール2−エチルヘキサノエート、ペンタエリスリトールペラルゴネート等のペンタエリスリトールエステル)、ポリオキシアルキレングリコール、ジアルキルジフェニルエーテル、ポリフェニルエーテル等が挙げられる。中でも、1−オクテンオリゴマー、1−デセンオリゴマー等のポリ−α−オレフイン又はその水素化物が好ましい例として挙げられる。
【0016】
上記基油は、鉱油系基油又は合成系基油を単独あるいは混合して用いる以外に、2種類以上の鉱油系基油、あるいは2種類以上の合成系基油の混合物であっても差し支えない。また、上記混合物における2種類以上の基油の混合比も特に限定されず任意に選ぶことができる。
【0017】
上記基油中の硫黄分について、特に制限はないが、基油全量基準で、0.2%以下であることが好ましく、より好ましくは0.1%以下、さらには0.05%以下であることが好ましい。特に、水素化精製鉱油や合成系基油の硫黄分は、0.005%以下、あるいは実質的に硫黄分を含有していない(5ppm以下)ことから、これらを基油として用いることが好ましい。
【0018】
また、基油中の芳香族含有量についても、特に制限はないが、例えば自動車用自動変速機の作動油として長期間低摩擦特性を維持するためには、全芳香族含有量が15%以下であることが好ましく、より好ましくは10%以下、さらには5%以下であることが好ましい。即ち、作動油基油の全芳香族含有量が15%を超える場合には、酸化安定性が劣るため好ましくない。
なお、ここで言う全芳香族含有量とは、ASTM D2549に規定される方法に準拠して測定される芳香族留分(aromatics fraction)含有量を意味している。
【0019】
基油の動粘度にも、特に制限はないが、上記のような自動変速機の作動油として使用する場合には、100℃における動粘度が2mm/s以上であることが好ましく、より好ましくは3mm/s以上である。一方、その動粘度は、20mm/s以下であることが好ましく、10mm/s以下、特に8mm/s以下であることが好ましい。基油の100℃における動粘度が2mm/s未満である場合には、十分な耐摩耗性が得られない上に蒸発特性が劣る可能性があるため好ましくない。一方、動粘度が20mm/sを超える場合には低摩擦性能を発揮しにくく、低温性能が悪くなる可能性があるため好ましくない。本発明においては、上記基油の中から選ばれる2種以上の基油を任意に混合した混合物等が使用でき、100℃における動粘度が上記の好ましい範囲内に入る限りにおいては、基油単独の動粘度が上記以外のものであっても使用可能である。
【0020】
また、基油の粘度指数にも、特別な制限はないが、80以上であることが好ましく、100以上であることがさらに好ましく、特に自動変速機の作動油として使用する場合には、120以上であることが好ましい。基油の粘度指数を高めることでよりオイル消費が少なく、低温粘度特性、省燃費性能に優れた潤滑油や作動油を得ることができる。
【0021】
上記脂肪酸エステル系無灰摩擦調整剤及び/又は脂肪族アミン系無灰摩擦調整剤としては、炭素数6〜30、好ましくは炭素数8〜24、特に好ましくは炭素数10〜20の直鎖状又は分枝状炭化水素基を有する脂肪酸エステル、脂肪酸アミン化合物、及びこれらの任意混合物を挙げることができる。炭素数が6〜30の範囲外のときは、摩擦低減効果が十分に得られない可能性がある。
【0022】
炭素数6〜30の直鎖状又は分枝状炭化水素基としては、具体的には、へキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラコシル基、ペンタコシル基、ヘキサコシル基、ヘプタコシル基、オクタコシル基、ノナコシル基、トリアコンチル基等のアルキル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基、ノナデセニル基、イコセニル基、ヘンイコセニル基、ドコセニル基、トリコセニル基、テトラコセニル基、ペンタコセニル基、ヘキサコセニル基、ヘプタコセニル基、オクタコセニル基、ノナコセニル基、トリアコンテニル基等のアルケニル基などを挙げることができる。
なお、上記アルキル基及びアルケニル基には、考えられる全ての直鎖状構造及び分枝状構造が含まれ、また、アルケニル基における二重結合の位置は任意である。
【0023】
また、上記脂肪酸エステルとしては、かかる炭素数6〜30の炭化水素基を有する脂肪酸と脂肪族1価アルコール又は脂肪族多価アルコールとのエステルなどを例示でき、具体的には、グリセリンモノオレート、グリセリンジオレート、ソルビタンモノオレート、ソルビタンジオレートなどを特に好ましい例として挙げることができる。
上記脂肪族アミン化合物としては、脂肪族モノアミン又はそのアルキレンオキシド付加物、脂肪族ポリアミン、イミダゾリン化合物等、及びこれらの誘導体等を例示できる。具体的には、ラウリルアミン、ラウリルジエチルアミン、ラウリルジエタノールアミン、ドデシルジプロパノールアミン、パルミチルアミン、ステアリルアミン、ステアリルテトラエチレンペンタミン、オレイルアミン、オレイルプロピレンジアミン、オレイルジエタノールアミン、N−ヒドロキシエチルオレイルイミダゾリン等の脂肪族アミン化合物や、これら脂肪族アミン化合物のN,N−ジポリオキシアルキレン−N−アルキル(又はアルケニル)(炭素数6〜28)等のアミンアルキレンオキシド付加物、これら脂肪族アミン化合物に炭素数2〜30のモノカルボン酸(脂肪酸等)や、シュウ酸、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の炭素数2〜30のポリカルボン酸を作用させて、残存するアミノ基及び/又はイミノ基の一部又は全部を中和したりアミド化した、いわゆる酸変性化合物等が挙げられる。好適な例としては、N,N−ジポリオキシエチレン−N−オレイルアミン等が挙げられる。
【0024】
また、上記脂肪酸エステル系無灰摩擦調整剤及び/又は脂肪族アミン系無灰摩擦調整剤の含有量は、特に制限はないが、潤滑油及び/又は作動油の全量基準で、0.05〜3.0%であることが好ましく、更に好ましくは0.1〜2.0%、特に好ましくは0.5〜1.4%であることがよい。上記含有量が0.05%未満であると摩擦低減効果が小さくなり易く、3.0%を超えると作動油への溶解性や貯蔵安定性が著しく悪化し、沈殿物が発生し易いので、好ましくない。
【0025】
一方、本発明に用いる潤滑油、作動油のいずれか一方又は双方は、ポリブテニルコハク酸イミド及び/又はその誘導体を含有することが好適である。
上記ポリブテニルコハク酸イミドとしては、次の化学式(1)及び(2)
【0026】
【化1】

Figure 2005069244
【0027】
【化2】
Figure 2005069244
【0028】
で表される化合物が挙げられる。これら化学式におけるPIBは、ポリブテニル基を示し、高純度イソブテン又は1−ブテンとイソブテンの混合物をフッ化ホウ素系触媒又は塩化アルミニウム系触媒で重合させて得られる数平均分子量が900〜3500、望ましくは1000〜2000のポリブテンから得られる。上記数平均分子量が900未満の場合は清浄性効果が劣り易く、3500を超える場合は低温流動性に劣り易いため、望ましくない。
また、上記化学式におけるnは、清浄性に優れる点から1〜5の整数、より望ましくは2〜4の整数であることがよい。更に、上記ポリブテンは、製造過程の触媒に起因して残留する微量のフッ素分や塩素分を吸着法や十分な水洗等の適切な方法により、50ppm以下、より望ましくは10ppm以下、特に望ましくは1ppm以下まで除去してから用いることもよい。
【0029】
更に、上記ポリブテニルコハク酸イミドの製造方法としては、特に限定はないが、例えば、上記ポリブテンの塩素化物又は塩素やフッ素が充分除去されたポリブテンと無水マレイン酸とを100〜200℃で反応させて得られるポリブテニルコハク酸を、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン等のポリアミンと反応させることにより得ることができる。
【0030】
一方、上記ポリブテニルコハク酸イミドの誘導体としては、上記化学式(1)又は(2)で表される化合物に、ホウ素化合物や含酸素有機化合物を作用させて、残存するアミノ基及び/又はイミノ基の一部又は全部を中和したり、アミド化した、いわゆるホウ素変性又は酸変性化合物を例示できる。その中でもホウ素含有ポリブテニルコハク酸イミド、特にホウ素含有ビスポリブテニルコハク酸イミドが最も好ましいものとして挙げられる。
【0031】
上記ホウ素化合物としては、ホウ酸、ホウ酸塩、ホウ酸エステル等が挙げられる。具体的には、上記ホウ酸として、オルトホウ酸、メタホウ酸及びテトラホウ酸などが挙げられる。また、上記ホウ酸塩としては、アンモニウム塩等、具体的には、例えばメタホウ酸アンモニウム、四ホウ酸アンモニウム、五ホウ酸アンモニウム、八ホウ酸アンモニウム等のホウ酸アンモニウムが好適例として挙げられる。また、ホウ酸エステルとしては、ホウ酸と好ましくは炭素数1〜6のアルキルアルコールとのエステル、より具体的には例えば、ホウ酸モノメチル、ホウ酸ジメチル、ホウ酸トリメチル、ホウ酸モノエチル、ホウ酸ジエチル、ホウ酸トリエチル、ホウ酸モノプロピル、ホウ酸ジプロピル、ホウ酸トリププロピル、ホウ酸モノブチル、ホウ酸ジブチル、ホウ酸トリブチル等が好適例として挙げられる。なお、ホウ素含有ポリブテニルコハク酸イミドにおけるホウ素含有量Bと窒素含有量Nとの質量比「B/N」は、通常0.1〜3であり、好ましくは、0.2〜1である。
また、上記含酸素有機化合物としては、具体的には、例えばぎ酸、酢酸、グリコール酸、プロピオン酸、乳酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ノナデカン酸、エイコサン酸等の炭素数1〜30のモノカルボン酸や、シュウ酸、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の炭素数2〜30のポリカルポン酸並びにこれらの無水物、又はエステル化合物、炭素数2〜6のアルキレンオキサイド、ヒドロキシ(ポリ)オキシアルキレンカーボネート等が挙げられる
【0032】
なお、本発明に用いる作動油において、ポリブテニルコハク酸イミド及び/又はその誘導体の含有量は特に制限されないが、0.1〜15%が望ましく、より望ましくは1.0〜12%であることが好ましい。0.1%未満では清浄性効果に乏しくなることがあり、15%を超えると含有量に見合う清浄性効果が得られにくく、抗乳化性が悪化し易い。
【0033】
更にまた、本発明に用いる潤滑油、作動油のいずれか一方又は双方は、次の化学式(3)
【0034】
【化3】
Figure 2005069244
【0035】
で表されるジチオリン酸亜鉛を含有することが好適である。
上記化学式(3)中のR、R、R及びRは、それぞれ別個に炭素数1〜24の炭化水素基を示す。これら炭化水素基としては、炭素数1〜24の直鎖状又は分枝状のアルキル基、炭素数3〜24の直鎖状又は分枝状のアルケニル基、炭素数5〜13のシクロアルキル基又は直鎖状若しくは分枝状のアルキルシクロアルキル基、炭素数6〜18のアリール基又は直鎖状若しくは分枝状のアルキルアリール基、炭素数7〜19のアリールアルキル基等のいずれかであることが望ましい。また、アルキル基やアルケニル基は、第1級、第2級及び第3級のいずれであってもよい。
【0036】
上記R、R、R及びRとしては、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、へキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラコシル基等のアルキル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ブタジエニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オレイル基等のオクタデセニル基、ノナデセニル基、イコセニル基、ヘンイコセニル基、ドコセニル基、トリコセニル基、テトラコセニル基等のアルケニル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル基、メチルシクロペンチル基、ジメチルシクロペンチル基、エチルシクロペンチル基、プロピルシクロペンチル基、エチルメチルシクロペンチル基、トリメチルシクロペンチル基、ジエチルシクロペンチル基、エチルジメチルシクロペンチル基、プロピルメチルシクロペンチル基、プロピルエチルシクロペンチル基、ジ−プロピルシクロペンチル基、プロピルエチルメチルシクロペンチル基、メチルシクロへキシル基、ジメチルシクロへキシル基、エチルシクロへキシル基、プロピルシクロへキシル基、エチルメチルシクロへキシル基、トリメチルシクロへキシル基、ジエチルシクロヘキシル基、エチルジメチルシクロヘキシル基、プロピルメチルシクロヘキシル基、プロピルエチルシクロヘキシル基、ジ−プロピルシクロへキシル基、プロピルエチルメチルシクロヘキシル基、メチルシクロヘプチル基、ジメチルシクロヘプチル基、エチルシクロヘプチル基、プロピルシクロヘプチル基、エチルメチルシクロヘプチル基、トリメチルシクロヘプチル基、ジエチルシクロヘプチル基、エチルジメチルシクロヘプチル基、プロピルメチルシクロヘプチル基、プロピルエチルシクロヘプチル基、ジ−プロピルシクロヘプチル基、プロピルエチルメチルシクロヘプチル基等のアルキルシクロアルキル基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、トリル基、キシリル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、エチルメチルフェニル基、トリメチルフェニル基、ブチルフェニル基、プロピルメチルフェニル基、ジエチルフェニル基、エチルジメチルフェニル基、テトラメチルフェニル基、ペンチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、デシルフェニル基、ウンデシルフェニル基、ドデシルフェニル基等のアルキルアリール基、ベンジル基、メチルベンジル基、ジメチルベンジル基、フェネチル基、メチルフェネチル基、ジメチルフェネチル基等のアリールアルキル基、等が例示できる。
なお、R、R、R及びRがとり得る上記炭化水素基には、考えられる全ての直鎖状構造及び分枝状構造をが含まれ、また、アルケニル基の二重結合の位置、アルキル基のシクロアルキル基への結合位置、アルキル基のアリール基への結合位置、及びアリール基のアルキル基への結合位置は任意である。また、上記炭化水素基の中でも、その炭化水素基が、直鎖状又は分柱状の炭素数1〜18のアルキル基である場合若しくは炭素数6〜18のアリール基、又は直鎖状若しくは分枝状アルキルアリール基である場合が特に好ましい。
【0037】
上記ジチオリン酸亜鉛の好適な具体例としては、例えば、ジイソプロピルジチオリン酸亜鉛、ジイソブチルジチオリン酸亜鉛、ジ−sec−ブチルジチオリン酸亜鉛、ジ−sec−ペンチルジチオリン酸亜鉛、ジ−n−ヘキシルジチオリン酸亜鉛、ジ−sec−ヘキシルジチオリン酸亜鉛、ジ−オクチルジチオリン酸亜鉛、ジ−2−エチルヘキシルジチオリン酸亜鉛、ジ−n−デシルジチオリン酸亜鉛、ジ−n−ドデシルジチオリン酸亜鉛、ジイソトリデシルジチオリン酸亜鉛、及びこれらの任意の組合せに係る混合物等が挙げられる。
【0038】
また、上記ジチオリン酸亜鉛の含有量は、特に制限されないが、より高い摩擦低減効果を発揮させる観点から、潤滑油及び/又は作動油の全量基準且つリン元素換算量で、0.1%以下であることが好ましく、また0.06%以下であることがより好ましく、更にはジチオリン酸亜鉛が含有されないことが特に好ましい。ジチオリン酸亜鉛の含有量がリン元素換算量で0.1%を超えると、DLC部材と鉄基部材との摺動面における上記脂肪酸エステル系無灰摩擦調整剤や上記脂肪族アミン系無灰摩擦調整剤の優れた摩擦低減効果が阻害されるおそれがある。
【0039】
上記ジチオリン酸亜鉛の製造方法としては、従来方法を任意に採用することができ、特に制限されないが、具体的には、例えば、上記R、R、R及びRに対応する炭化水素基を持つアルコール又はフェノールを五二硫化りんと反応させてジチオリン酸とし、これを酸化亜鉛で中和させることにより合成することができる。なお、上記ジチオリン酸亜鉛の構造は、使用する原料アルコールによって異なることは言うまでもない。
本発明においては、上記化学式(3)に包含される2種以上のジチオリン酸亜鉛を任意の割合で混合して使用することもできる。
【0040】
上述のように、本発明に使用する作動油は、DLCなどの硬質炭素薄膜との摺動面に用いた場合に、極めて優れた低摩擦特性を示すものであるが、特に自動変速機の作動油として必要な性能を高める目的で、金属系清浄剤、酸化防止剤、粘度指数向上剤、他の無灰摩擦調整剤、他の無灰分散剤、磨耗防止剤若しくは極圧剤、防錆剤、非イオン系界面活性剤、抗乳化剤、金属不活性化剤、消泡剤等を単独で又は複数種を組合せて配合し、必要な性能を高めることができる。
【0041】
上記金属系清浄剤としては、潤滑油などの金属系清浄剤として通常用いられる任意の化合物が使用できる。例えば、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のスルホネート、フェネート、サリシレート、ナフテネート等を単独で又は複数種を組合せて使用できる。ここで、上記アルカリ金属としてはナトリウム(Na)やカリウム(K)等、上記アルカリ土類金属としてはカルシウム(Ca)やマグネシウム(Mg)等が例示できる。また、具体的な好適例としては、Ca又はMgのスルフォネート、フェネート及びサリシレートが挙げられる。
なお、これら金属系清浄剤の全塩基価及び添加量は、要求される作動油の性能に応じて任意に選択できる。通常、全塩基価は、過塩素酸法で0〜500mgKOH/g、望ましくは150〜400mgKOH/gであり、その添加量は潤滑油及び/又は作動油の全量基準で、通常0.1〜10%である。
【0042】
また、上記酸化防止剤としては、潤滑油などの酸化防止剤として通常用いられる任意の化合物を使用できる。例えば、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等のフェノール系酸化防止剤、フェニル−α−ナフチルアミン、アルキルフェニル−α−ナフチルアミン、アルキルジフェニルアミン等のアミン系酸化防止剤、並びにこれらの任意の組合せに係る混合物等が挙げられる。また、かかる酸化防止剤の添加量は、潤滑油及び/又は作動油の全量基準で、通常0.01〜5%である。
【0043】
更に、上記粘度指数向上剤としては、具体的には、各種メタクリル酸エステルから選ばれる1種又は2種以上のモノマーの共重合体やその水添物等のいわゆる非分散型粘度指数向上剤、及び更に窒素化合物を含む各種メタクリル酸エステルを共重合させたいわゆる分散型粘度指数向上剤等が例示できる。また、他の粘度指数向上剤の具体例としては、非分散型又は分散型エチレン−α−オレフィン共重合体(α−オレフィンとしては、例えばプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン等)及びその水素化物、ポリイソブチレン及びその水添物、スチレン−ジエン水素化共重合体、スチレン−無水マレイン酸エステル共重合体、並びにポリアルキルスチレン等も例示できる。
これら粘度指数向上剤の分子量は、せん断安定性を考慮して選定することが必要である。具体的には、粘度指数向上剤の数平均分子量は、例えば分散型及び非分散型ポリメタクリレートでは5000〜1000000、好ましくは100000〜800000がよく、ポリイソブチレン又はその水素化物では800〜5000、エチレン−α−オレフィン共重合体又はその水素化物では800〜300000、好ましくは10000〜200000がよい。また、かかる粘度指数向上剤は、単独で又は複数種を任意に組合せて含有させることができるが、通常その含有量は、作動油全量基準で0.1〜40.0%であることが望ましい。
【0044】
更にまた、他の無灰摩擦調整剤としては、ホウ酸エステル、高級アルコール、脂肪族エーテル等の無灰摩擦調整剤、ジチオリン酸モリブデン、ジチオカルバミン酸モリブデン、二硫化モリブデン等の金属系摩擦調整剤等が挙げられる。
また、他の無灰分散剤としては、数平均分子量が900〜3500のポリブテニル基を有するポリブテニルベンジルアミン、ポリブテニルアミン、数平均分子量が900未満のポリブテニル基を有するポリブテニルコハク酸イミド等及びそれらの誘導体等が挙げられる。
【0045】
更に、上記磨耗防止剤又は極圧剤としては、ジスルフィド、硫化油脂、硫化オレフィン、炭素数2〜20の炭化水素基を1〜3個含有するリン酸エステル、チオリン酸エステル、亜リン酸エステル、チオ亜リン酸エステル及びこれらのアミン塩等が挙げられる。
更にまた、上記防錆剤としては、アルキルベンゼンスルフォネート、ジノニルナフタレンスルフォネート、アルケニルコハク酸エステル、多価アルコールエステル等が挙げられる。
【0046】
また、上記非イオン系界面活性剤及び抗乳化剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルナフチルエーテル等のポリアルキレングリコール系非イオン系界面活性剤等が挙げられる。
更に、上記金属不活性化剤としては、イミダゾリン、ピリミジン誘導体、チアジアゾール、ベンゾトリアゾール、チアジアゾール等が挙げられる。
更にまた、上記消泡剤としては、シリコーン、フルオロシリコーン、フルオロアルキルエーテル等が挙げられる。
【0047】
なお、上記各添加剤を本発明に用いる作動油に含有させる場合には、その含有量は、作動油全量基準で、他の摩擦調整剤、他の無灰分散剤、磨耗防止剤又は極圧剤、防錆剤、及び抗乳化剤については0.01〜5%、金属不活性剤については0.005〜1%、消泡剤については0.0005〜1%の範囲から適宜選択できる。
【0048】
以上に説明した本発明のワッシャは、金属製部品又はセラミックス製部品を摺動相手材として使用されることが好ましく、更にこの摺動相手材の摺動面の表面粗さは、Rz(JIS B 0601−2001の最大平均粗さ)で2μm以下であることが好ましい。これより、長期に亘って安定な摺動状態が維持され易い。なお、摺接面のRzが2μmを超えると、摺接面により硬質炭素薄膜が基材から剥離し易くなり、硬質炭素薄膜によるフリクション低減効果及び耐摩擦性向上効果が得られなくなることがある。
また、摺動相手材の材質としては、例えば炭素鋼、ステンレス鋼、鋳鉄等の金属材料や、SiC、TiC、Al等のセラミックス材料などが挙げられる。
【0049】
次に、本発明のワッシャの製造方法について、更に詳細に説明する。
本製造方法では、合成樹脂をワッシャ形状に成形後、その表面にプラズマCDV法によりダイヤモンドライクカーボンを被覆して硬質炭素薄膜を設けてワッシャを得る。このとき、硬質炭素薄膜は、合成樹脂表面の全体に必ずしも被覆しなくて良く、高圧負荷のかかる部位のみに被覆しても良い。
また、硬質炭素薄膜を被覆する前の合成樹脂表面は、摺動相手材への攻撃性を抑制する観点から、表面粗さがJIS B 0601−2001の算術平均粗さRaで5.0μm以下であることが望ましい。
更に、硬質炭素薄膜の厚さは、0.01〜1μmとすることが望ましい。
【0050】
次に、本発明の自動変速装置について、更に詳細に説明する。
本発明の自動変速装置は、上述のワッシャと潤滑油及び/又は作動油を用いて構成される。このため、相手材側の摩耗量が大幅に軽減されることから、自動変速装置の小型化、軽量化が達成され、更には効率が向上する。
【0051】
図2は、ワッシャを組み込んだ自動車用自動変速機の構造を示す断面図であって、自動車の流体式トルクコンバータの要部に油中スラストワッシャ1と、これより小径の油中スラストワッシャ9と、両面に突起を有しない油中スラストワッシャ10を装着した状態を示す。
このトルクコンバータの要部は、タービン側のボス11とインペラ側のハブ12の間で回転動力(トルク)を伝達する。そして、油中スラストワッシャ10は、コンバータカバー13とタービンハブ14とのスラスト力を受け持ちまた摺接し、油中スラストワッシャ9は、タービンハブ14とワンウェイクラッチ15のタービン側面部材16とのスラスト力を受け持ちまた摺接し、そして、油中スラストワッシャ1は、ワンウェイクラッチ15のインペラ側面部材17とインペラ側のハブ18とのスラスト力を受け持ちまた摺接する。
【0052】
【実施例】
以下、本発明を実施例と比較例によって、更に具体的に説明するが、本発明は、これら実施例のみに限定されるものではない。
【0053】
(作動油の調整)
〔1〕作動油A
ベースオイルとしてのポリアルファオレフィン(1−オクテンオリゴマー)に、エステル系無灰摩擦調整剤としてグリセリンモノオレートを1.0%、無灰系分散剤としてポリブテニルコハク酸イミドを5.0%、その他添加剤として粘度指数向上剤、酸化防止剤、防錆剤、抗乳化剤、非イオン系界面活性剤、金属不活性化剤、消泡剤等を合計で7.0%それぞれ添加し、作動油Aとした。
〔2〕作動油B
ベースオイルとしてのポリアルファオレフィン(1−オクテンオリゴマー)のみから成る作動油を調整し、作動油Bとした。
【0054】
(実施例1)
事前にガラス繊維33%をコンパウンドさせたポリアミド66樹脂(ザイテル70G33HS1L デゥポン社製)のペレットを乾燥後、射出成形機を用いて、図3に示すような、ワッシャ試験片10を成形した。その後、このワッシャ試験片10の側面を研磨して表面粗さRaを3μm程度とした。
次に、プラズマCVD装置にワッシャ試験片10を入れ、真空に引いた後、Hプラズマにより成膜面であるワッシャ試験片側面の洗浄後、CHプラズマにより硬質炭素薄膜を成膜した。なお、硬質炭素薄膜の膜厚は0.7〜0.8μmとした。
リング試験片及び作動油Aを用いて後述する摩耗試験を行った。
【0055】
(実施例2)
事前にガラス繊維30%をコンパウンドさせたポリエーテルエーテルケトン樹脂(ビクトレックスエムシー社製 450GL30)のペレットを用いた以外は、実施例1と同様の操作を繰り返して、ワッシャ試験片を得た。また、同様に後述する摩耗試験を行った。
【0056】
(比較例1)
実施例1と同様の操作を繰り返して、ワッシャ試験片を得た。また、作動油Bを用いた以外は実施例1と同様に後述する摩耗試験を行った。
【0057】
(比較例2)
実施例2と同様の操作を繰り返して、ワッシャ試験片を得た。また、作動油Bを用いた以外は実施例1と同様に後述する摩耗試験を行った。
【0058】
(比較例3)
硬質炭素薄膜を設けないこと以外は、実施例1と同様の操作を繰り返して、ワッシャ試験片を得た。また、実施例1と同様に後述する摩耗試験を行った。
【0059】
(性能評価)
本発明の摺動特性改善効果を確認するため、ワッシャ試験片を用いた摩耗試験を油中で実施した。摺接する相手材としては一般的な炭素鋼(S55C調質材 HRA=70)を選定した。試験装置に取り付けるため炭素鋼の試験片形状は、直径60mm、厚さ10mmのディスク38とし、摺接面の表面粗さはRz(最大粗さ)=2μmとした。
【0060】
この摩耗試験に使用した縦型ピンオンディスク方式の摩擦摩耗試験機の概要を図4に示す。
当該試験機は、上部にリングホルダー34を有し、このリングホルダー34は、摺動時にワッシャ試験片10の径方向の移動が生じないように、ワッシャ試験片内周面側に設置したスナップリング35のバネ力によって、ワッシャ試験片外周面をホルダー溝部に押し付けて固定するようになっている。
一方、当該試験機の下部には回転軸40に結合されたディスクホルダー39を備え、ディスク38をディスクホルダー39にボルトで固定すると、ディスク38はワッシャ試験片10に対して回転自在となる。次に、リングホルダー34を下降させることでワッシャ試験片10とディスク38を摺接関係とさせ、さらにリングホルダー34の軸線方向から圧力Pを加えることによって、ワッシャ試験片10とディスク38とが圧接することになる。この際、ワッシャ試験片10とディスク38の摺接部は、作動油41中に浸漬されている。なお、符号36はロードセル、符号37はトルク検出器を示している。
【0061】
上記試験機を用いて、圧接面圧:3MPa、摩擦速度:10m/秒、試験時間:6時間の試験条件で行った摩耗試験の結果を表1に示す。
【0062】
【表1】
Figure 2005069244
【0063】
表1より、本発明の模擬実施形態である、実施例1及び2に係るワッシャ試験片及び作動油の組み合わせは、優れた低摩擦特性を示すことが明らかである。
【0064】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、ワッシャの摺動面を硬質炭素薄膜で被覆すると共に、潤滑油や作動油に特定の無灰摩擦調整剤を添加することとしたため、低コストで且つ耐摩耗性と低摩擦係数に優れた合成樹脂製スラストワッシャ及びその製造方法を提供すること、並びに小型化、軽量化及び効率向上に貢献する自動変速装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のワッシャの一例を示す概略図である。
【図2】本発明のワッシャを用いた自動変速装置の一例を示す断面図である。
【図3】実施例において摩耗試験に用いたワッシャ試験片の形状を示す斜視図である。
【図4】実施例において摩耗試験に用いた縦型ピンオンディスク方式の摩擦摩耗試験機の概略図である。
【符号の説明】
1 油中スラストワッシャ
9 油中スラストワッシャ(1より小径)
10 油中スラストワッシャ(両面に突起を有しない)
11 タービン側のボス
12 インペラ側のハブ
13 コンバータカバー
14 タービンハブ
15 ワンウェイクラッチ
16 タービン側面部材
17 インペラ側面部材
18 インペラ側のハブ[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a washer, a manufacturing method thereof, and an automatic transmission, and more specifically, a washer that excels in low friction characteristics of a sliding surface and absorbs a rotational difference of a relative rotating portion and a thrust force, a manufacturing method thereof, and The present invention relates to an automatic transmission.
[0002]
[Prior art]
In recent years, in a transmission for an automobile, a thrust needle bearing has been replaced with a synthetic resin thrust washer from the viewpoint of size reduction, weight reduction, and cost reduction. Since resin thrust washers are required to have excellent wear resistance and a low coefficient of friction, countermeasures have conventionally been taken by optimizing the base resin and filler (for example, Patent Document 1).
[0003]
[Patent Document 1]
Japanese Patent Laid-Open No. 11-170397
However, the optimization of the base resin and filler generally involves using expensive materials, so there is a large rebound to the cost. Therefore, the thrust needle bearing is replaced with a synthetic resin thrust washer. However, the cost merit is greatly reduced.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has been made in view of such problems of the prior art, and an object of the present invention is a synthetic resin thrust washer that is low in cost and excellent in wear resistance and a low friction coefficient, and its manufacture. It is an object of the present invention to provide a method and an automatic transmission that contributes to reduction in size, weight, and efficiency.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies to solve the above-mentioned problems, the inventors have coated the washer sliding surface with a hard carbon thin film and added a specific ashless friction modifier to the lubricating oil or hydraulic oil. Thus, it has been found that the friction torque at the sliding contact portion with the mating member can be reduced, and the present invention has been completed.
[0007]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in more detail. In the present specification, “%” indicates mass percentage unless otherwise specified.
[0008]
The washer of the present invention comprises a disc-shaped synthetic resin as a base material and a sliding surface covered with a hard carbon thin film. With such a configuration, the friction torque of the sliding contact portion with the counterpart member is reduced. For example, a washer as shown in FIG.
[0009]
Here, as the hard carbon thin film, for example, a DLC material mainly composed of carbon atoms can be used. For example, the hard carbon thin film can be formed by a plasma CVD method.
This DLC material is amorphous, and the bonding form between carbons consists of both a diamond structure (SP 3 bond) and a graphite bond (SP 2 bond). Specifically, aC (amorphous carbon) consisting only of carbon elements, aC: H (hydrogen amorphous carbon) containing hydrogen, and some metal elements such as titanium (Ti) and molybdenum (Mo). MeC contained in can be preferably used.
[0010]
In addition, the synthetic resin used as the base material (base material) of the washer of the present invention is typically a resin having a heat resistance that is increasingly demanded as a thrust washer, specifically a resin having a heat resistance of 150 ° C. or higher. Desirably, it is also desirable to have excellent wear resistance.
Examples of such resins include polyamide resins, polyester resins, polyphenylene sulfide resins, polyether sulfone resins, polyamide imide resins, polyether imide resins, polyether ether ketone resins, polyimide resins or phenol resins, and any of these. Combinations can be mentioned. When such a resin is used, the risk of softening and erosion can be reduced.
[0011]
Other resins, alumina powder or graphite powder as a filler, glass fiber or carbon fiber as a fiber reinforcement, bronze powder or stainless steel powder as a metal powder for improving heat dissipation are added to the resin. However, from the viewpoint of ensuring moldability and workability for forming a washer shape, it is desirable that the content of the thermoplastic resin having a melting point of 150 ° C. or higher is at least 40%.
[0012]
Accordingly, the washer according to the present invention has, for example, a disk-shaped member containing the above resin as a base material, and at least one of the inner peripheral surface, outer peripheral surface, and both side surfaces of the base material, specifically, at least the counterpart member Can be manufactured by forming a DLC film on the slidable contact surface by a plasma CVD method.
[0013]
The washer of the present invention is used with either or both of lubricating oil and hydraulic oil interposed on the sliding surface. Accordingly, the low friction characteristic is excellent, and the rotation difference of the relative rotating part and the absorption of the thrust force are excellent. As the lubricating oil or hydraulic oil, a base oil (base oil) containing either or both of a fatty acid ester-based ashless friction modifier and an aliphatic amine-based ashless friction modifier is used.
[0014]
Here, the base oil is not particularly limited, and any base oil can be used as long as it is normally used as a base oil for hydraulic oil such as mineral oil, synthetic oil, fats and oils, and mixtures thereof. Can do.
Specifically, as mineral oil, the working oil fraction obtained by atmospheric distillation and vacuum distillation of crude oil can be desolvated, solvent extraction, hydrocracking, solvent dewaxing, hydrorefining, sulfuric acid washing, clay Oils such as paraffinic or naphthenic oils or normal paraffins, etc., which are refined by appropriately combining purification treatments, etc., can be used. Solvent refining and hydrorefining treatments are generally used, but the aromatic content is further reduced. It is more preferable to use an advanced hydrocracking process that can be carried out or a GTL Wax (gas tow liquid wax) produced by isomerization.
[0015]
Specific examples of synthetic oils include poly-α-olefins (eg, 1-octene oligomers, 1-decene oligomers, ethylene-propylene oligomers), poly-α-olefin hydrides, isobutene oligomers, and isobutene oligomers. Hydride, isoparaffin, alkylbenzene, alkylnaphthalene, diester (eg, ditridecyl glutarate, dioctyl adipate, diisodecyl adipate, ditridecyl adipate, dioctyl sebacate, etc.), polyol ester (eg, trimethylolpropane caprylate, trimethylolpropane pelargol And trimethylolpropane esters such as trimethylolpropane isostearinate; pentaerythritol 2-ethylhexanoate, pentaerythritol Pentaerythritol esters such as largonate), polyoxyalkylene glycols, dialkyldiphenyl ethers, polyphenyl ethers and the like. Among them, preferred examples include poly-α-olefins such as 1-octene oligomers and 1-decene oligomers or hydrides thereof.
[0016]
The base oil may be a mixture of two or more kinds of mineral base oils or two or more kinds of synthetic base oils, in addition to using a mineral base oil or a synthetic base oil alone or in combination. . Further, the mixing ratio of two or more kinds of base oils in the above mixture is not particularly limited and can be arbitrarily selected.
[0017]
Although there is no restriction | limiting in particular about the sulfur content in the said base oil, It is preferable that it is 0.2% or less on a base oil whole quantity basis, More preferably, it is 0.1% or less, Furthermore, it is 0.05% or less. It is preferable. In particular, since the sulfur content of hydrorefined mineral oil or synthetic base oil is 0.005% or less, or contains substantially no sulfur content (5 ppm or less), these are preferably used as the base oil.
[0018]
Also, the aromatic content in the base oil is not particularly limited. For example, in order to maintain a low friction characteristic for a long period of time as a hydraulic oil for an automobile automatic transmission, the total aromatic content is 15% or less. More preferably, it is preferably 10% or less, more preferably 5% or less. That is, when the total aromatic content of the hydraulic oil base oil exceeds 15%, oxidation stability is inferior, which is not preferable.
In addition, the total aromatic content said here means the aromatic fraction content measured based on the method prescribed | regulated to ASTMD2549.
[0019]
The kinematic viscosity of the base oil is not particularly limited, but when used as a hydraulic oil for an automatic transmission as described above, the kinematic viscosity at 100 ° C. is preferably 2 mm 2 / s or more, more preferably. Is 3 mm 2 / s or more. On the other hand, the kinematic viscosity is preferably 20 mm 2 / s or less, preferably 10 mm 2 / s or less, and particularly preferably 8 mm 2 / s or less. When the kinematic viscosity at 100 ° C. of the base oil is less than 2 mm 2 / s, it is not preferable because sufficient wear resistance cannot be obtained and the evaporation characteristics may be inferior. On the other hand, when the kinematic viscosity exceeds 20 mm 2 / s, it is difficult to exhibit low friction performance, and low temperature performance may be deteriorated. In the present invention, a mixture of any two or more base oils selected from the above base oils can be used, and the base oil alone is used as long as the kinematic viscosity at 100 ° C. falls within the above preferred range. Even if the kinematic viscosity is other than the above, it can be used.
[0020]
Further, the viscosity index of the base oil is not particularly limited, but is preferably 80 or more, more preferably 100 or more, particularly 120 or more when used as hydraulic oil for an automatic transmission. It is preferable that By increasing the viscosity index of the base oil, it is possible to obtain a lubricating oil or hydraulic oil with less oil consumption and excellent low-temperature viscosity characteristics and fuel saving performance.
[0021]
The fatty acid ester ashless friction modifier and / or the aliphatic amine ashless friction modifier is a straight chain having 6 to 30 carbon atoms, preferably 8 to 24 carbon atoms, and particularly preferably 10 to 20 carbon atoms. Or the fatty acid ester which has a branched hydrocarbon group, a fatty-acid amine compound, and these arbitrary mixtures can be mentioned. When the carbon number is outside the range of 6 to 30, there is a possibility that the friction reducing effect cannot be obtained sufficiently.
[0022]
Specific examples of the straight chain or branched hydrocarbon group having 6 to 30 carbon atoms include hexyl group, heptyl group, octyl group, nonyl group, decyl group, undecyl group, dodecyl group, tridecyl group, tetradecyl group. Group, pentadecyl group, hexadecyl group, heptadecyl group, octadecyl group, nonadecyl group, icosyl group, heicosyl group, docosyl group, tricosyl group, tetracosyl group, pentacosyl group, hexacosyl group, heptacosyl group, octacosyl group, nonacosyl group, triaconyl group, etc. Alkyl group, hexenyl group, heptenyl group, octenyl group, nonenyl group, decenyl group, undecenyl group, dodecenyl group, tridecenyl group, tetradecenyl group, pentadecenyl group, hexadecenyl group, heptadecenyl group, octadecenyl group, nonadecenyl group, icosenyl group, N'ikoseniru group include docosenyl, tricosenyl group, tetracosenyl group, Pentakoseniru group, Hekisakoseniru group, Heputakoseniru group, Okutakoseniru group, Nonakoseniru group, an alkenyl group such as tri container group.
The alkyl group and alkenyl group include all possible linear structures and branched structures, and the position of the double bond in the alkenyl group is arbitrary.
[0023]
Moreover, as said fatty acid ester, the ester of the fatty acid which has this C6-C30 hydrocarbon group, and aliphatic monohydric alcohol or aliphatic polyhydric alcohol etc. can be illustrated, Specifically, glycerol monooleate, Particularly preferred examples include glycerine diolate, sorbitan monooleate, sorbitan diolate, and the like.
Examples of the aliphatic amine compound include aliphatic monoamines or their alkylene oxide adducts, aliphatic polyamines, imidazoline compounds, and derivatives thereof. Specifically, fats such as laurylamine, lauryldiethylamine, lauryldiethanolamine, dodecyldipropanolamine, palmitylamine, stearylamine, stearyltetraethylenepentamine, oleylamine, oleylpropylenediamine, oleyldiethanolamine, N-hydroxyethyloleylimidazoline, etc. Amine alkylene compounds, amine alkylene oxide adducts such as N, N-dipolyoxyalkylene-N-alkyl (or alkenyl) (carbon number 6 to 28) of these aliphatic amine compounds, carbon numbers in these aliphatic amine compounds Residual amino group and / or imino by reacting 2-30 monocarboxylic acid (fatty acid, etc.) or polycarboxylic acid having 2-30 carbon atoms such as oxalic acid, phthalic acid, trimellitic acid, pyromellitic acid, etc. Base Some or amidated or neutralize all, so-called acid-modified compounds, and the like. Preferable examples include N, N-dipolyoxyethylene-N-oleylamine.
[0024]
Further, the content of the fatty acid ester-based ashless friction modifier and / or the aliphatic amine-based ashless friction modifier is not particularly limited, but is 0.05 to 5 based on the total amount of the lubricating oil and / or hydraulic oil. It is preferably 3.0%, more preferably 0.1 to 2.0%, particularly preferably 0.5 to 1.4%. If the content is less than 0.05%, the friction reducing effect tends to be small, and if it exceeds 3.0%, the solubility in hydraulic oil and storage stability are significantly deteriorated, and precipitates are easily generated. It is not preferable.
[0025]
On the other hand, it is preferable that one or both of the lubricating oil and hydraulic oil used in the present invention contain polybutenyl succinimide and / or a derivative thereof.
Examples of the polybutenyl succinimide include the following chemical formulas (1) and (2)
[0026]
[Chemical 1]
Figure 2005069244
[0027]
[Chemical 2]
Figure 2005069244
[0028]
The compound represented by these is mentioned. PIB in these chemical formulas represents a polybutenyl group, and the number average molecular weight obtained by polymerizing a high purity isobutene or a mixture of 1-butene and isobutene with a boron fluoride catalyst or an aluminum chloride catalyst is 900 to 3500, preferably 1000. Obtained from ˜2000 polybutenes. When the number average molecular weight is less than 900, the cleanability effect tends to be poor, and when it exceeds 3500, the low temperature fluidity tends to be poor.
Further, n in the chemical formula is preferably an integer of 1 to 5, more preferably an integer of 2 to 4, from the viewpoint of excellent cleanliness. Further, the polybutene is used to remove a trace amount of fluorine and chlorine remaining due to the catalyst in the production process by an appropriate method such as an adsorption method or sufficient water washing, and is preferably 50 ppm or less, more preferably 10 ppm or less, and particularly preferably 1 ppm. It is also possible to use after removing to the following.
[0029]
Furthermore, the method for producing the polybutenyl succinimide is not particularly limited. For example, the polybutene chlorinated product or polybutene from which chlorine or fluorine is sufficiently removed and maleic anhydride are reacted at 100 to 200 ° C. The polybutenyl succinic acid thus obtained can be obtained by reacting with polyamines such as diethylenetriamine, triethylenetetramine, tetraethylenepentamine, pentaethylenehexamine and the like.
[0030]
On the other hand, as a derivative of the polybutenyl succinimide, a boron compound or an oxygen-containing organic compound is allowed to act on the compound represented by the chemical formula (1) or (2), thereby remaining amino group and / or imino. Examples thereof include so-called boron-modified or acid-modified compounds in which part or all of the groups are neutralized or amidated. Among them, boron-containing polybutenyl succinimide, particularly boron-containing bispolybutenyl succinimide is most preferable.
[0031]
Examples of the boron compound include boric acid, borates, and borate esters. Specifically, examples of the boric acid include orthoboric acid, metaboric acid, and tetraboric acid. Moreover, as said borate, ammonium borate, such as ammonium salt etc., specifically, for example, ammonium metaborate, ammonium tetraborate, ammonium pentaborate, ammonium octaborate, etc. are mentioned as a suitable example. As the boric acid ester, an ester of boric acid and preferably an alkyl alcohol having 1 to 6 carbon atoms, more specifically, for example, monomethyl borate, dimethyl borate, trimethyl borate, monoethyl borate, boric acid Preferred examples include diethyl, triethyl borate, monopropyl borate, dipropyl borate, triplypropyl borate, monobutyl borate, dibutyl borate, tributyl borate and the like. In addition, the mass ratio “B / N” of the boron content B and the nitrogen content N in the boron-containing polybutenyl succinimide is usually 0.1 to 3, preferably 0.2 to 1. .
Specific examples of the oxygen-containing organic compound include formic acid, acetic acid, glycolic acid, propionic acid, lactic acid, butyric acid, valeric acid, caproic acid, enanthic acid, caprylic acid, pelargonic acid, capric acid, undecyl. C1-C30 monocarboxylic acid such as acid, lauric acid, tridecanoic acid, myristic acid, pentadecanoic acid, palmitic acid, margaric acid, stearic acid, oleic acid, nonadecanoic acid, eicosanoic acid, oxalic acid, phthalic acid, Examples thereof include C2-C30 polycarponic acids such as trimellitic acid and pyromellitic acid, and anhydrides or ester compounds thereof, alkylene oxides having 2 to 6 carbon atoms, and hydroxy (poly) oxyalkylene carbonates.
In the hydraulic oil used in the present invention, the content of polybutenyl succinimide and / or its derivative is not particularly limited, but is preferably 0.1 to 15%, more preferably 1.0 to 12%. It is preferable. If it is less than 0.1%, the cleaning effect may be poor, and if it exceeds 15%, it is difficult to obtain a cleaning effect corresponding to the content, and the demulsibility tends to deteriorate.
[0033]
Furthermore, one or both of the lubricating oil and hydraulic oil used in the present invention are represented by the following chemical formula (3):
[0034]
[Chemical 3]
Figure 2005069244
[0035]
It is preferable to contain the zinc dithiophosphate represented by these.
R 4 , R 5 , R 6 and R 7 in the chemical formula (3) each independently represent a hydrocarbon group having 1 to 24 carbon atoms. Examples of these hydrocarbon groups include linear or branched alkyl groups having 1 to 24 carbon atoms, linear or branched alkenyl groups having 3 to 24 carbon atoms, and cycloalkyl groups having 5 to 13 carbon atoms. Or a linear or branched alkylcycloalkyl group, an aryl group having 6 to 18 carbon atoms, a linear or branched alkylaryl group, an arylalkyl group having 7 to 19 carbon atoms, or the like. It is desirable. The alkyl group or alkenyl group may be any of primary, secondary, and tertiary.
[0036]
Specific examples of R 4 , R 5 , R 6 and R 7 include a methyl group, an ethyl group, a propyl group, a butyl group, a pentyl group, a hexyl group, a heptyl group, an octyl group, a nonyl group, and a decyl group. Undecyl group, dodecyl group, tridecyl group, tetradecyl group, pentadecyl group, hexadecyl group, heptadecyl group, octadecyl group, nonadecyl group, icosyl group, heicosyl group, docosyl group, tricosyl group, tetracosyl group, alkyl group, propenyl group, Isopropenyl group, butenyl group, butadienyl group, pentenyl group, hexenyl group, heptenyl group, octenyl group, nonenyl group, decenyl group, undecenyl group, dodecenyl group, tridecenyl group, tetradecenyl group, pentadecenyl group, hexadecenyl group, heptadecenyl group, oleyl Octadeseni Group, nonadecenyl group, icocenyl group, heicosenyl group, dococenyl group, tricocenyl group, tetracocenyl group and other alkenyl groups, cyclopentyl group, cyclohexyl group, cycloheptyl group and other cycloalkyl groups, methylcyclopentyl group, dimethylcyclopentyl group, ethyl Cyclopentyl group, propylcyclopentyl group, ethylmethylcyclopentyl group, trimethylcyclopentyl group, diethylcyclopentyl group, ethyldimethylcyclopentyl group, propylmethylcyclopentyl group, propylethylcyclopentyl group, di-propylcyclopentyl group, propylethylmethylcyclopentyl group, methylcyclohexyl Group, dimethylcyclohexyl group, ethylcyclohexyl group, propylcyclohexyl group, ethylmethylcyclohexyl , Trimethylcyclohexyl group, diethylcyclohexyl group, ethyldimethylcyclohexyl group, propylmethylcyclohexyl group, propylethylcyclohexyl group, di-propylcyclohexyl group, propylethylmethylcyclohexyl group, methylcycloheptyl group, dimethylcycloheptyl group, Ethylcycloheptyl group, propylcycloheptyl group, ethylmethylcycloheptyl group, trimethylcycloheptyl group, diethylcycloheptyl group, ethyldimethylcycloheptyl group, propylmethylcycloheptyl group, propylethylcycloheptyl group, di-propylcycloheptyl group Alkylcycloalkyl groups such as propylethylmethylcycloheptyl group, aryl groups such as phenyl group and naphthyl group, tolyl group, xylyl group, Nyl group, propylphenyl group, ethylmethylphenyl group, trimethylphenyl group, butylphenyl group, propylmethylphenyl group, diethylphenyl group, ethyldimethylphenyl group, tetramethylphenyl group, pentylphenyl group, hexylphenyl group, heptylphenyl group , Alkylaryl groups such as octylphenyl group, nonylphenyl group, decylphenyl group, undecylphenyl group, dodecylphenyl group, benzyl group, methylbenzyl group, dimethylbenzyl group, phenethyl group, methylphenethyl group, dimethylphenethyl group, etc. An arylalkyl group etc. can be illustrated.
The hydrocarbon groups that R 4 , R 5 , R 6, and R 7 can include all possible linear structures and branched structures, and also include double bonds of alkenyl groups. The position, the bonding position of the alkyl group to the cycloalkyl group, the bonding position of the alkyl group to the aryl group, and the bonding position of the aryl group to the alkyl group are arbitrary. Further, among the hydrocarbon groups, when the hydrocarbon group is a linear or branched alkyl group having 1 to 18 carbon atoms, an aryl group having 6 to 18 carbon atoms, or a linear or branched group Particularly preferred is a linear alkylaryl group.
[0037]
Preferred examples of the zinc dithiophosphate include, for example, zinc diisopropyldithiophosphate, zinc diisobutyldithiophosphate, zinc di-sec-butyldithiophosphate, zinc di-sec-pentyldithiophosphate, zinc di-n-hexyldithiophosphate. , Zinc di-sec-hexyldithiophosphate, zinc di-octyldithiophosphate, zinc di-2-ethylhexyldithiophosphate, zinc di-n-decyldithiophosphate, zinc di-n-dodecyldithiophosphate, zinc diisotridecyldithiophosphate , And mixtures according to any combination thereof.
[0038]
In addition, the content of the zinc dithiophosphate is not particularly limited, but from the viewpoint of exerting a higher friction reduction effect, it is 0.1% or less in terms of the total amount of the lubricating oil and / or hydraulic oil and in terms of phosphorus element. It is preferable that it is 0.06% or less, and it is particularly preferable that zinc dithiophosphate is not contained. When the zinc dithiophosphate content exceeds 0.1% in terms of phosphorus element, the fatty acid ester-based ashless friction modifier and the aliphatic amine-based ashless friction on the sliding surface between the DLC member and the iron base member There exists a possibility that the outstanding friction reduction effect of a regulator may be inhibited.
[0039]
As a method for producing the zinc dithiophosphate, a conventional method can be arbitrarily adopted, and is not particularly limited. Specifically, for example, hydrocarbons corresponding to R 4 , R 5 , R 6 and R 7 are used. It can be synthesized by reacting a group-containing alcohol or phenol with phosphorus pentasulfide to dithiophosphoric acid and neutralizing it with zinc oxide. In addition, it cannot be overemphasized that the structure of the said zinc dithiophosphate changes with raw material alcohol to be used.
In the present invention, two or more kinds of zinc dithiophosphates included in the chemical formula (3) may be mixed and used at an arbitrary ratio.
[0040]
As described above, the hydraulic oil used in the present invention exhibits extremely excellent low friction characteristics when used on a sliding surface with a hard carbon thin film such as DLC. For the purpose of enhancing the performance required as oil, metallic detergents, antioxidants, viscosity index improvers, other ashless friction modifiers, other ashless dispersants, antiwear or extreme pressure agents, rust inhibitors, A nonionic surfactant, a demulsifier, a metal deactivator, an antifoamer, etc. can be mix | blended individually or in combination of multiple types, and required performance can be improved.
[0041]
As said metallic detergent, the arbitrary compounds normally used as metallic detergents, such as lubricating oil, can be used. For example, alkali metal or alkaline earth metal sulfonates, phenates, salicylates, naphthenates, and the like can be used alone or in combination. Here, examples of the alkali metal include sodium (Na) and potassium (K), and examples of the alkaline earth metal include calcium (Ca) and magnesium (Mg). Specific preferred examples include Ca or Mg sulfonates, phenates and salicylates.
In addition, the total base number and addition amount of these metal detergents can be arbitrarily selected according to the required performance of the hydraulic oil. Usually, the total base number is 0 to 500 mgKOH / g, preferably 150 to 400 mgKOH / g by the perchloric acid method, and the amount added is usually 0.1 to 10 based on the total amount of the lubricating oil and / or hydraulic oil. %.
[0042]
Moreover, as said antioxidant, the arbitrary compounds normally used as antioxidant, such as lubricating oil, can be used. For example, phenolic antioxidants such as 4,4′-methylenebis (2,6-di-tert-butylphenol) and octadecyl-3- (3,5-di-tert-butyl-4-hydroxyphenyl) propionate, phenyl Examples thereof include amine-based antioxidants such as -α-naphthylamine, alkylphenyl-α-naphthylamine, and alkyldiphenylamine, as well as mixtures according to any combination thereof. Moreover, the addition amount of this antioxidant is 0.01 to 5% normally on the basis of the total amount of lubricating oil and / or hydraulic oil.
[0043]
Furthermore, as the above viscosity index improver, specifically, a so-called non-dispersion type viscosity index improver such as a copolymer of one or more monomers selected from various methacrylic acid esters and hydrogenated products thereof, Furthermore, a so-called dispersion type viscosity index improver obtained by copolymerizing various methacrylic acid esters containing a nitrogen compound can be exemplified. Specific examples of other viscosity index improvers include non-dispersed or dispersed ethylene-α-olefin copolymers (eg, α-olefins include propylene, 1-butene, 1-pentene, etc.) and hydrogen thereof. Examples thereof include a compound, polyisobutylene and a hydrogenated product thereof, a styrene-diene hydrogenated copolymer, a styrene-maleic anhydride ester copolymer, and a polyalkylstyrene.
The molecular weight of these viscosity index improvers needs to be selected in consideration of shear stability. Specifically, the number average molecular weight of the viscosity index improver is, for example, 5,000 to 1,000,000, preferably 100,000 to 800,000 for dispersed and non-dispersed polymethacrylates, 800 to 5,000 for polyisobutylene or a hydride thereof, ethylene- In the case of an α-olefin copolymer or a hydride thereof, 800 to 300,000, preferably 10,000 to 200,000 is preferable. Further, such a viscosity index improver can be contained alone or in any combination of plural kinds, but the content is usually preferably 0.1 to 40.0% based on the total amount of hydraulic oil. .
[0044]
Furthermore, other ashless friction modifiers include ashless friction modifiers such as boric acid esters, higher alcohols, aliphatic ethers, metal friction modifiers such as molybdenum dithiophosphate, molybdenum dithiocarbamate, and molybdenum disulfide. Is mentioned.
Other ashless dispersants include polybutenylbenzylamine and polybutenylamine having a polybutenyl group having a number average molecular weight of 900 to 3500, and polybutenyl succinimide having a polybutenyl group having a number average molecular weight of less than 900. And derivatives thereof.
[0045]
Furthermore, as the antiwear agent or extreme pressure agent, disulfide, sulfurized fat and oil, sulfurized olefin, phosphate ester containing 1 to 3 hydrocarbon groups having 2 to 20 carbon atoms, thiophosphate ester, phosphite ester, Examples thereof include thiophosphite esters and amine salts thereof.
Furthermore, examples of the rust preventive include alkylbenzene sulfonate, dinonyl naphthalene sulfonate, alkenyl succinate, polyhydric alcohol ester and the like.
[0046]
Examples of the nonionic surfactant and demulsifier include polyalkylene glycol nonionic surfactants such as polyoxyethylene alkyl ether, polyoxyethylene alkylphenyl ether, polyoxyethylene alkyl naphthyl ether, and the like. .
Furthermore, examples of the metal deactivator include imidazoline, pyrimidine derivatives, thiadiazole, benzotriazole, thiadiazole and the like.
Furthermore, examples of the antifoaming agent include silicone, fluorosilicone, and fluoroalkyl ether.
[0047]
When each of the above additives is contained in the hydraulic oil used in the present invention, the content is based on the total amount of the hydraulic oil, and other friction modifiers, other ashless dispersants, antiwear agents, or extreme pressure agents. Further, it can be appropriately selected from the range of 0.01 to 5% for the rust inhibitor and the demulsifier, 0.005 to 1% for the metal deactivator, and 0.0005 to 1% for the antifoaming agent.
[0048]
In the washer of the present invention described above, it is preferable to use a metal part or a ceramic part as a sliding counterpart, and the surface roughness of the sliding surface of this sliding counterpart is Rz (JIS B). The maximum average roughness (0601-2001) is preferably 2 μm or less. Thus, a stable sliding state is easily maintained over a long period of time. In addition, when Rz of the sliding contact surface exceeds 2 μm, the hard carbon thin film is easily peeled off from the substrate by the sliding contact surface, and the friction reducing effect and the friction resistance improving effect by the hard carbon thin film may not be obtained.
Further, examples of the material of the sliding partner material include metal materials such as carbon steel, stainless steel, and cast iron, and ceramic materials such as SiC, TiC, and Al 2 O 3 .
[0049]
Next, the washer manufacturing method of the present invention will be described in more detail.
In this manufacturing method, a synthetic resin is molded into a washer shape, and then a diamond-like carbon is coated on the surface by a plasma CDV method to provide a hard carbon thin film to obtain a washer. At this time, the hard carbon thin film does not necessarily have to be coated on the entire surface of the synthetic resin, and may be coated only on a portion to which a high-pressure load is applied.
In addition, the surface of the synthetic resin before coating the hard carbon thin film has an arithmetic average roughness Ra of 5.0 μm or less with an arithmetic average roughness Ra of JIS B 0601-2001 from the viewpoint of suppressing the aggressiveness to the sliding partner material. It is desirable to be.
Furthermore, it is desirable that the thickness of the hard carbon thin film be 0.01 to 1 μm.
[0050]
Next, the automatic transmission according to the present invention will be described in more detail.
The automatic transmission according to the present invention is configured using the above-described washer and lubricating oil and / or hydraulic oil. For this reason, since the amount of wear on the counterpart material side is greatly reduced, the automatic transmission can be reduced in size and weight, and the efficiency can be further improved.
[0051]
FIG. 2 is a cross-sectional view showing the structure of an automatic transmission for an automobile incorporating a washer. An oil-in-water thrust washer 1 and a smaller-diameter oil-in-oil thrust washer 9 are provided in the main part of a fluid torque converter of the automobile. The state which mounted | wore the thrust washer 10 in oil which does not have a processus | protrusion on both surfaces is shown.
The main part of the torque converter transmits rotational power (torque) between the turbine-side boss 11 and the impeller-side hub 12. The in-oil thrust washer 10 is responsible for the thrust force between the converter cover 13 and the turbine hub 14 and is in sliding contact with the in-oil thrust washer 9. The in-oil thrust washer 1 receives and thrusts the thrust force between the impeller side member 17 of the one-way clutch 15 and the hub 18 on the impeller side.
[0052]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, although an Example and a comparative example demonstrate this invention further more concretely, this invention is not limited only to these Examples.
[0053]
(Adjusting hydraulic oil)
[1] Hydraulic oil A
Polyalphaolefin (1-octene oligomer) as base oil, 1.0% glycerin monooleate as ester ashless friction modifier, 5.0% polybutenyl succinimide as ashless dispersant, etc. A total of 7.0% of a viscosity index improver, antioxidant, rust inhibitor, anti-emulsifier, nonionic surfactant, metal deactivator, antifoaming agent, etc. are added as additives. It was.
[2] Hydraulic oil B
A hydraulic oil consisting only of polyalphaolefin (1-octene oligomer) as a base oil was prepared as hydraulic oil B.
[0054]
(Example 1)
After drying pellets of polyamide 66 resin (Zytel 70G33HS1L DuPont) compounded with glass fiber 33% in advance, a washer test piece 10 as shown in FIG. 3 was molded using an injection molding machine. Thereafter, the side surface of the washer test piece 10 was polished to have a surface roughness Ra of about 3 μm.
Next, the washer test piece 10 was put in a plasma CVD apparatus, vacuumed, and then the side surface of the washer test piece, which is a film formation surface, was washed with H 2 plasma, and then a hard carbon thin film was formed with CH 4 plasma. The film thickness of the hard carbon thin film was 0.7 to 0.8 μm.
A wear test described later was performed using the ring test piece and the hydraulic oil A.
[0055]
(Example 2)
A washer test piece was obtained by repeating the same operation as in Example 1 except that a pellet of polyetheretherketone resin (450GL30 manufactured by Victorex MC Corporation) in which 30% glass fiber was previously compounded was used. Similarly, a wear test described later was performed.
[0056]
(Comparative Example 1)
The same operation as in Example 1 was repeated to obtain a washer test piece. Moreover, the abrasion test mentioned later was done similarly to Example 1 except having used hydraulic oil B.
[0057]
(Comparative Example 2)
The same operation as Example 2 was repeated to obtain a washer test piece. Moreover, the abrasion test mentioned later was done similarly to Example 1 except having used hydraulic oil B.
[0058]
(Comparative Example 3)
A washer test piece was obtained by repeating the same operation as in Example 1 except that the hard carbon thin film was not provided. Moreover, the abrasion test mentioned later was done like Example 1. FIG.
[0059]
(Performance evaluation)
In order to confirm the effect of improving the sliding characteristics of the present invention, a wear test using a washer test piece was performed in oil. A general carbon steel (S55C tempered material HRA = 70) was selected as the mating material for sliding contact. In order to attach to a test apparatus, the shape of the test piece of carbon steel was a disk 38 having a diameter of 60 mm and a thickness of 10 mm, and the surface roughness of the sliding surface was Rz (maximum roughness) = 2 μm.
[0060]
FIG. 4 shows an outline of a vertical pin-on-disk type friction wear tester used for this wear test.
The tester has a ring holder 34 at the top, and this ring holder 34 is a snap ring installed on the inner peripheral surface side of the washer test piece so that radial movement of the washer test piece 10 does not occur during sliding. With the spring force of 35, the outer peripheral surface of the washer test piece is pressed against the holder groove and fixed.
On the other hand, a disk holder 39 coupled to the rotating shaft 40 is provided at the lower part of the test machine. When the disk 38 is fixed to the disk holder 39 with bolts, the disk 38 is rotatable with respect to the washer test piece 10. Next, the washer test piece 10 and the disk 38 are brought into a sliding contact relationship by lowering the ring holder 34, and the washer test piece 10 and the disk 38 are pressed against each other by applying pressure P from the axial direction of the ring holder 34. Will do. At this time, the sliding contact portion between the washer test piece 10 and the disk 38 is immersed in the hydraulic oil 41. Reference numeral 36 denotes a load cell, and reference numeral 37 denotes a torque detector.
[0061]
Table 1 shows the results of a wear test performed using the above tester under the test conditions of pressure contact surface pressure: 3 MPa, friction speed: 10 m / sec, test time: 6 hours.
[0062]
[Table 1]
Figure 2005069244
[0063]
From Table 1, it is clear that the combination of the washer test piece and the working oil according to Examples 1 and 2 which are simulation embodiments of the present invention exhibits excellent low friction characteristics.
[0064]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, the sliding surface of the washer is covered with a hard carbon thin film, and a specific ashless friction modifier is added to the lubricating oil or hydraulic oil. Further, it is possible to provide a synthetic resin thrust washer excellent in wear resistance and a low friction coefficient and a method for manufacturing the same, and an automatic transmission that contributes to reduction in size, weight, and efficiency.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic view showing an example of the washer of the present invention.
FIG. 2 is a sectional view showing an example of an automatic transmission using the washer of the present invention.
FIG. 3 is a perspective view showing the shape of a washer test piece used in an abrasion test in Examples.
FIG. 4 is a schematic view of a vertical pin-on-disk type friction wear tester used for wear tests in Examples.
[Explanation of symbols]
1 Thrust washer in oil 9 Thrust washer in oil (smaller than 1)
10 Thrust washer in oil (no protrusions on both sides)
11 Turbine-side boss 12 Impeller-side hub 13 Converter cover 14 Turbine hub 15 One-way clutch 16 Turbine side member 17 Impeller side member 18 Impeller-side hub

Claims (10)

円板状の合成樹脂を基材として成るワッシャであって、
摺動面が硬質炭素薄膜で被覆されているとともに、当該摺動面に脂肪酸エステル系無灰摩擦調整剤及び/又は脂肪族アミン系無灰摩擦調整剤を含有する潤滑油及び/又は作動油を介在させることを特徴とするワッシャ。
A washer comprising a disk-shaped synthetic resin as a base material,
The sliding surface is coated with a hard carbon thin film, and a lubricating oil and / or hydraulic fluid containing a fatty acid ester-based ashless friction modifier and / or an aliphatic amine-based ashless friction modifier is applied to the sliding surface. A washer characterized by interposition.
上記脂肪酸エステル系無灰摩擦調整剤及び/又は脂肪族アミン系無灰摩擦調整剤が、炭素数6〜30の炭化水素基を有し、潤滑油及び/又は作動油の全量基準で0.05〜3.0%含有されることを特徴とする請求項1に記載のワッシャ。The fatty acid ester-based ashless friction modifier and / or the aliphatic amine-based ashless friction modifier has a hydrocarbon group having 6 to 30 carbon atoms and is 0.05 on the basis of the total amount of lubricating oil and / or hydraulic oil. The washer according to claim 1, which is contained in an amount of ˜3.0%. 上記潤滑油及び/又は作動油が、ポリブテニルコハク酸イミド及び/又はその誘導体を含有して成ることを特徴とする請求項1又は2に記載のワッシャ。The washer according to claim 1 or 2, wherein the lubricating oil and / or hydraulic oil contains polybutenyl succinimide and / or a derivative thereof. 上記ポリブテニルコハク酸イミド及び/又はその誘導体を、潤滑油及び/又は作動油の全量基準で0.1〜15%含有して成ることを特徴とする請求項3に記載のワッシャ。The washer according to claim 3, comprising 0.1 to 15% of the polybutenyl succinimide and / or derivative thereof based on the total amount of lubricating oil and / or hydraulic oil. 上記潤滑油及び/又は作動油が、ジチオリン酸亜鉛を、潤滑油及び/又は作動油の全量基準且つリン元素換算量で0.1%以下含有して成ることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つの項に記載のワッシャ。The lubricating oil and / or hydraulic oil contains zinc dithiophosphate in an amount of 0.1% or less in terms of the total amount of the lubricating oil and / or hydraulic oil and in terms of phosphorus element. The washer according to any one of the items. 上記合成樹脂が、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリイミド樹脂及びフェノール樹脂から成る群より選ばれた少なくとも1種の樹脂であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つの項に記載のワッシャ。The synthetic resin is at least one selected from the group consisting of polyamide resin, polyester resin, polyphenylene sulfide resin, polyethersulfone resin, polyamideimide resin, polyetherimide resin, polyetheretherketone resin, polyimide resin, and phenol resin. The washer according to any one of claims 1 to 5, wherein the washer is a seed resin. 上記硬質炭素薄膜が、プラズマCVD法により成膜されたダイヤモンドライクカーボンであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つの項に記載のワッシャ。The washer according to any one of claims 1 to 6, wherein the hard carbon thin film is diamond-like carbon formed by a plasma CVD method. 金属製部品又はセラミックス製部品を摺動相手材とし、この摺動相手材の摺動面の表面粗さが、Rz(最大平均粗さ)で2μm以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つの項に記載のワッシャ。A metal part or a ceramic part is used as a sliding member, and the surface roughness of the sliding surface of this sliding member is 2 μm or less in terms of Rz (maximum average roughness). The washer according to any one of 7 items. 請求項1〜8のいずれか1つの項に記載のワッシャを製造するに当たり、
合成樹脂をワッシャ形状に成形後、表面の一部又は全部にプラズマCDV法によりダイヤモンドライクカーボンを被覆して硬質炭素薄膜を設けることを特徴とするワッシャの製造方法。
In manufacturing the washer according to any one of claims 1 to 8,
A method for producing a washer, comprising forming a hard carbon thin film by coating a diamond-like carbon on a part or all of a surface by a plasma CDV method after molding a synthetic resin into a washer shape.
請求項1〜8のいずれか1つの項に記載のワッシャと潤滑油及び/又は作動油を用いることを特徴とする自動変速装置。An automatic transmission comprising the washer according to any one of claims 1 to 8, a lubricating oil, and / or a hydraulic oil.
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