JP2005068178A - Lubricating film for plastic working and method for forming the same, material for plastic working, method for producing plastic worked product and method for producing metal pipe or bar steel - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、塑性加工用潤滑被膜及びその形成方法、塑性加工用素材、塑性加工品の製造方法、並びに金属管又は棒鋼の製造方法に関する。より詳しくは、本発明は、金属の冷間塑性加工において、被加工材である金属や金型の表面に密着性の高い潤滑被膜を形成して優れた潤滑性を発揮させ、それにより摩擦軽減による加工動力の減少、摩耗や焼付きの抑制によるロールや工具の寿命延長と製品品質の向上を実現できる塑性加工用潤滑被膜及びその形成方法、該塑性加工用潤滑被膜を形成し、塑性加工品の製造に用いられる塑性加工用素材、並びに該塑性加工用素材を用いた塑性加工品の製造方法及び金属管又は棒鋼の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
金属の冷間塑性加工には、板圧延、管圧延、条鋼(形鋼、棒線、線材)圧延、引抜き、鍛造、せん断、プレス成形等がある。そして、被加工材として塑性加工に供される金属には、炭素鋼やステンレス鋼等の各種の鋼、アルミニウム、銅、チタニウム、及びそれらの合金、並びにそれらの複層クラッド等が挙げられる。
【0003】
一般に、金属材料の塑性加工では、被加工材と工具との金属接触により生ずる摩擦を低減し、焼き付きやかじりを防止する目的で、液状又は固体状の潤滑剤が使用されている。通常、冷間での塑性加工における潤滑方法は、被圧延材とロールや工具(以下、ロールと工具を併せて「工具」と称す。)の材質、加工方法、面圧、加工速度、表面粗度、作業環境等に応じて使い分けられている。そして、潤滑処理は、大きく二つに分けることができる。一つは、潤滑剤を金属表面に物理的に付着させる潤滑処理で、もう一つは、化学反応により金属表面にキャリア被膜を生成させた後、滑剤を付着させる潤滑処理である。
【0004】
化学反応により金属表面にキャリア被膜を生成させた後、滑剤を付着させる潤滑処理は、いわゆる化成被膜処理と呼ばれるものである。このような化成被膜処理は、被加工材表面に化学反応によりキャリアとしての役割を持つリン酸塩等の被膜を生成させた後、滑剤としてステアリン酸ナトリウムやステアリン酸カルシウム等の反応石けん又は非反応石けん等による処理が行われる。かかる化成被膜処理による被膜は、キャリアとしての化成被膜と滑剤との二層構造を持っており、非常に高い耐焼き付き性を示す。そのため、かかる化成被膜処理は、伸線、伸管、鍛造等の塑性加工分野において非常に広い範囲で使用されてきた。しかし、上記化成被膜処理は化学反応であるため、化学反応性に乏しい被加工材の処理が難しく、処理可能な被加工材についても複雑な液管理が必要である。また、図1(A)に示すように、形成される化成被膜上に滑剤を塗布するため、水洗や酸洗いまでを含めると、多数の処理工程が必要である。更に、処理の際に使用される水洗水や化成被膜から多量の廃液が出ること、及び化学反応を制御するために加温が必要であることから、設備投資や操業に多額の費用がかかるという問題がある。
【0005】
上記の化成被膜処理の問題点を解決するため、前述の潤滑剤を金属表面に物理的に付着させる潤滑処理について検討されている。そして、かかる検討の結果として、油系潤滑剤又は水系潤滑剤を使用する方法が提案されている。例えば、油系潤滑剤として、下記特許文献1には、塩素化パラフィン、燐酸エステル等の極圧剤と、イソブチレン・n−ブテン共重合物と動植物等を配合した潤滑油に、金属石けんや固体潤滑剤を配合した冷間加工用潤滑剤が開示されている。また、水系潤滑剤として、下記特許文献2には、炭酸水素塩を主成分とし、これに少量の分散剤と界面活性剤と固体潤滑剤とを加えた金属管の冷間乃至温間加工用潤滑剤が開示され、下記特許文献3には、水溶性高分子又はその水性エマルジョンを基材とし、固体潤滑剤と化成被膜形成剤とを配合した潤滑剤組成物等が開示されている。
【0006】
更に、下記特許文献4には、特定のガラス転移点を有する熱硬化型アクリル系樹脂とワックスと界面活性剤とを含有する水溶液である金属の冷間加工用潤滑剤が開示されている。更に、下記特許文献5には、金属表面にりん酸塩等の無機化合物を主成分とする特定の厚さのベース層と、ワックス等の滑剤からなる特定の厚さの滑剤層からなり、滑剤層/ベース層の層厚比を特定の範囲とした傾斜型2層潤滑皮膜を設けた塑性加工用金属材料が開示されている。かかる傾斜型2層潤滑皮膜は、ベース層成分と滑剤成分とを均一に溶解又は分散させた処理液を金属表面に塗布し、適当な熱処理等を行うことにより、成分の濃度勾配を生じさせて、傾斜型2層潤滑皮膜を形成している。
【0007】
【特許文献1】
特公平4−1798号公報
【特許文献2】
特公昭58−30358号公報
【特許文献3】
特開昭52−20967号公報
【特許文献4】
特公平4−37878号公報
【特許文献5】
特開2002−264252号公報(特に〔0015〕、〔0016〕)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1の冷間加工用潤滑剤であっても、従来の化成被膜処理を行う潤滑法との比較して、加工性にやや難があり、また、極圧添加剤を使用しているために、加工時に臭気が発生するという問題がある。また、上記特許文献2の潤滑剤は、化成被膜処理に代わって広く使用されるまでには至っておらず、更に、上記特許文献3の潤滑剤もまた、化成被膜処理に匹敵する潤滑性を有する潤滑剤は得られていない。
【0009】
また、上記特許文献4の冷間加工用潤滑剤の場合、塗布により形成される潤滑被膜は一層の被膜である。一般に、被膜を保護する機能(被膜強度)が高くても、滑りを与える潤滑機能が低いと被膜は摩擦のせん断で容易に剥がれてしまい、その結果焼付きを生じる。一方、潤滑機能が高くとも被膜保護機能が低い場合、厳しい加工では被膜強度不足から焼付きを生じてしまう。よって、潤滑被膜が高い潤滑性を有する被膜とするには、このように両機能の両立が必要であるが、これらの機能を一層の被膜に兼備させるのは実質的に困難である。また、上記特許文献5の塑性加工用金属材料では、ベース層成分と滑剤成分とを均一に溶解又は分散させた処理液を金属表面に塗布した後、濃度勾配を生じさせるために、更に特殊な処理を行わなければならず、製造方法が複雑になるという問題点がある。
【0010】
本発明は、金属の冷間塑性加工において、化成処理による下地を必要とせず、簡便な工程で、被加工材である金属や金型の表面に密着性の高い潤滑被膜を形成して優れた潤滑性を発揮させ、それにより摩擦軽減による加工動力の減少、摩耗や焼付きの抑制によるロールや工具の寿命延長と製品品質の向上を実現できる塑性加工用潤滑被膜及びその形成方法、該塑性加工用潤滑被膜を形成し、塑性加工品の製造に用いられる塑性加工用素材、並びに該塑性加工用素材を用いた塑性加工品の製造方法及び金属管又は棒鋼の製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記のように、一般に、樹脂からなる潤滑被膜が高い潤滑性を有するには、被膜を守る保護機能と滑りを与える潤滑機能の両者が必要であるが、これらの機能を一層の被膜に兼備させるのは実質的に困難である。そこで、本発明者らは、金属の冷間塑性加工において高い潤滑性を得るため、樹脂系被膜を用いた潤滑法について検討した結果、これらの機能を異なる層として、別々の被膜に付与すること考えた。即ち、一層の被膜を形成する上記特許文献4の冷間加工用潤滑剤とは異なり、母材表面に保護機能の高い被膜を形成し、その上に今度は潤滑機能の高い被膜を形成することを考えた。そして、保護機能の高い被膜として、上記特許文献5とは異なり、特定構造を有する樹脂被膜を金属表面に形成し、潤滑機能の高い被膜として、特定のワックス被膜を上記樹脂皮膜表面に形成するという組み合わせにより、加工条件の厳しい塑性加工においても、高い耐焼付き性を得ることを究明し、本発明を完成した。
【0012】
本発明は、以下に示す通りである。
(1)母材表面に形成された樹脂層及び該樹脂層上に形成されたワックス層を備える塑性加工用潤滑被膜であって、上記樹脂層は、(メタ)アクリル酸樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、及びポリフッ化エチレン樹脂のうちの少なくとも1つを含み、上記ワックス層は、40℃以上の軟化点を有するワックス層であることを特徴とする塑性加工用潤滑被膜。
(2)上記樹脂層及び/又は上記ワックス層に、焼付き防止効果を有する微粒子が分散している上記(1)記載の塑性加工用潤滑被膜。
(3)(メタ)アクリル酸樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、及びポリフッ化エチレン樹脂のうちの少なくとも1つを含む樹脂含有液を母材表面に塗布し、乾燥させて樹脂層を形成し、次いで、40℃以上の軟化点を有するワックスの含有液を上記樹脂層表面に塗布し、乾燥させてワックス層を形成することを特徴とする塑性加工用潤滑被膜の形成方法。
(4)任意の形状を有する塑性加工品を製造するための素材の表面に、上記(1)又は(2)記載の塑性加工用潤滑被膜が形成されていることを特徴とする塑性加工用素材。
(5)上記(4)記載の塑性加工用素材を塑性加工することを特徴とする塑性加工品の製造方法。
(6)上記(4)記載の塑性加工用素材を抽伸することを特徴とする金属管又は棒鋼の製造方法。
【0013】
【発明の効果】
本発明の塑性加工用潤滑被膜によると、冷間における金属の塑性加工において、焼付きが発生しやすい厳しい加工条件においても、優れた潤滑性を発揮することができる。また、本発明の塑性加工用潤滑被膜は、鋼、ステンレス、インコネル、チタン、チタン合金、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金、銅、銅合金材料等の種々の金属に適用することができる。
また、本発明の塑性加工用潤滑被膜において、上記樹脂層及び/又は上記ワックス層に微粒子を分散させることにより、被膜のせん断強度及び付着強度が高まり、また、焼付き防止効果を一層向上させることができる。
本発明の塑性加工用潤滑被膜の形成方法は、従来の化成被膜処理と比べて、簡便な被膜形成処理により、潤滑性に優れた被膜を形成することができる。また、本発明の塑性加工用潤滑被膜の形成方法は、従来の化成被膜処理のように、リン酸やシュウ酸による処理が不要であることから、これらを含む廃液による環境汚染を防止でき、また、かかる廃液の処理のための設備を設ける必要がない。
本発明の塑性加工用素材は、本発明の塑性加工用潤滑被膜が形成されていることから、塑性加工の際に良好な耐焼付き性、成形性、及び加工性を示すと共に、搬送中の接触疵から金属材料を保護することができる。
本発明の塑性加工品の製造方法及び本発明の金属管又は棒鋼の製造方法は、本発明の塑性加工用素材を加工することにより、焼き付きやかじりが発生することを抑制することができ、その結果、品質の優れた加工品を得ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
(1)塑性加工用潤滑被膜及び塑性加工用素材
本発明の塑性加工用潤滑被膜は、母材表面に形成された樹脂層及び該樹脂層上に形成されたワックス層を備える塑性加工用潤滑被膜である。また、本発明の塑性加工用素材は、任意の形状を有する塑性加工品を製造するための素材の表面に、本発明の塑性加工用潤滑被膜が形成されている塑性加工用素材である。上記樹脂層は、被膜を守る保護機能を有する被膜として機能し、上記ワックス層は、潤滑機能を有する被膜として機能する。
【0015】
本発明の塑性加工用潤滑被膜は、異なる機能を有する上記樹脂層と上記ワックス層とを別々の被膜として母材に形成することにより、厳しい加工においても十分に強度が得られ、膜切れを起こすことがなく、且つ、せん断に対しては上層に形成された潤滑機能を有する被膜が滑りを与え、剥がれるのを防止すると共に加工時の摩擦抵抗を下げることができる。また、本発明の塑性加工用潤滑被膜が形成された本発明の塑性加工用素材は、加工メーカーでのあらゆる2次加工において良好な耐焼付き性、成形性、及び加工性を示すと共に、搬送中の接触疵から塑性加工用素材を保護することができる。
【0016】
本発明の塑性加工用潤滑被膜を構成する上記樹脂層は、樹脂として、(メタ)アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、及びポリフッ化エチレン樹脂のうちの少なくとも1つを含む。
通常は1種であるが、2種以上でもよい。かかる特定の樹脂を含む樹脂層とすることにより、潤滑機能の高い被膜とすることができる。
【0017】
上記(メタ)アクリル系樹脂としては、アクリル系モノマーの1種又は2種以上を重合して得られるものであれば、その構造について特に限定はない。上記アクリル系モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、及びオクチル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート(好ましくは、アルキル基の炭素数が1〜8);メトキシメチル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシメチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、及びメトキシブチル(メタ)アクリレート等の低級アルコキシ低級アルキル(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ低級アルキル(メタ)アクリレート;アクリルアミド、メタクリルアミド;N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、及びN−ブトキシメチルメタクリルアミド等のN−非置換又は置換(特に低級アルコキシ置換)メチロール基を有する(メタ)アクリルアミド;ホスホニルオキシメチル(メタ)アクリレート、ホスホニルオキシエチル(メタ)アクリレート、及びホスホニルオキシプロピル(メタ)アクリレート等のホスホニルオキシ低級アルキル(メタ)アクリレート;アクリロニトリル;アクリル酸、メタクリル酸等の1種又は2種以上が挙げられる。また、上記(メタ)アクリル系樹脂は、上記アクリル系モノマーの1種又は2種以上と、スチレン、メチルスチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、ビニルトルエン、及びエチレン等の他のエチレン性モノマーの1種又は2種以上との共重合体であって、上記アクリル系モノマー単位を30モル%以上含有する樹脂も含む。尚、上記の低級アルコキシ及び上記低級アルキルとは、通常、炭素数が1〜5、好ましくは炭素数が1〜4、より好ましくは1〜3のアルコキシ及びアルキルを意味する。
【0018】
上記ウレタン樹脂は、ウレタン結合(−NHCOO−)を有する合成樹脂であり、一般にイソシアネート基を2個以上有するポリイソシアネート化合物と活性水素基を2個以上有するポリオールとの重付加反応によって得られるものを用いることができる。上記ポリオールとしては、例えば、ポリエステルポリオール及び/又はポリエーテルポリオールが挙げられる。上記ウレタン樹脂は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0019】
上記ポリエステルポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、3−メチルペンタンジオール、ヘキサメチレングリコール、水添ビスフェノールA、トリメチロールプロパン、及びグリセリン等の低分子量ポリオールと、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバチン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、テトラヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸等の多塩基酸との反応によって得られる末端に水酸基を有するポリエステル化合物の1種又は2種以上が挙げられる。
【0020】
また、上記ポリエーテルポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、3−メチルペンタンジオール、ヘキサメチレングリコール、ビスフェノールA、水添ビスフェノールA、トリメチロールプロパン、及びグリセリン等のポリオール、又はこれらのエチレンオキシド及び/若しくはプロピレンオキシド高付加物、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレン/プロピレングリコール等のポリエーテルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリオレフィンポリオール、並びにポリブタジエンポリオール等の1種又は2種以上が挙げられる。
【0021】
また、上記ポリイソシアネートとしては、直鎖脂肪族、分岐脂肪族、脂環式及び芳香族ポリイソシアネートの1種又は2種以上が挙げられる。具体的には、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートエステル、水添キシリレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,5−テトラヒドロナフタレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、及びテトラメチルキシリレンジイソシアネート等の1種又は2種以上が挙げられる。
【0022】
上記ポリエステル樹脂は、エステル結合を有する合成樹脂であり、一般に、カルボキシル基を2個以上有する多塩基酸とヒドロキシル基を2個以上有するポリオールとの縮合反応によって得られるものを用いることができる。上記ポリエステル樹脂は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記多塩基酸としては、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバチン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、テトラヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、及びヘキサヒドロフタル酸等の1種又は2種以上が挙げられる。一方、上記ポリオールとしては、ポリエステルポリオール及びポリエーテルポリオールが挙げられ、より具体的には、例えば、上記ウレタン樹脂の項で詳述したポリエステルポリオール及びポリエーテルポリオールが例示される。
【0023】
上記酢酸ビニル樹脂は、酢酸ビニルの重合によって得られる樹脂である。また、上記酢酸ビニル樹脂は、ポリ酢酸ビニル樹脂中の50%未満の酢酸ビニル単位が加水分解された樹脂も含む。また、上記酢酸ビニル樹脂は、酢酸ビニルの単独重合体だけでなく、酢酸ビニルと他のモノマー(例えば、エチレン等のオレフィン)とを共重合して得られ、酢酸ビニル単位が50モル%以上である共重合体も含む。上記酢酸ビニル樹脂は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記ポリビニルアルコール樹脂は、通常、ポリ酢酸ビニルを加水分解して得られる。上記ポリビニルアルコール樹脂は、完全加水分解物のみならず50%以上の加水分解度のポリビニルアルコール樹脂も使用できる。更に、上記ポリビニルアルコール樹脂は、ビニルアルコール単位とエチレン単位を含み、ポリビニルアルコール単位が50モル%以上である共重合体も含む。上記ポリビニルアルコール樹脂は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記ポリビニルピロリドン樹脂は、通常、N−ビニル−2−ピロリドンを重合して得られる。上記ポリビニルピロリドン樹脂は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0024】
上記ポリアミド樹脂は、アミド結合を有する合成樹脂であり、一般にカルボキシル基を2個以上有する多塩基酸と、アミノ基を2個以上有するポリアミンの縮合反応によって得られるものを用いることができる。上記多塩基酸としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバチン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、テトラヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸等が挙げられる。一方、ポリアミンとしては、ヒドラジン、メチレンジアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサンジアミン、エチルアミノエチルアミン、メチルアミノプロピルアミン、イミノビスプロピルアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ポリエチレンイミン、ジアミノベンゼン、トリアミノベンゼン、ジアミノエチルベンゼン、トリアミノエチルベンゼン、ジアミノエチルベンゼン、トリアミノエチルベンゼン、ポリアミノナフタレン、ポリアミノエチルナフタレン、及びこれらのN−アルキル誘導体、N−アシル誘導体等が挙げられる。
上記ポリアミド樹脂は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0025】
上記フェノール樹脂として具体的には、例えば、フェノール、クレゾール、及びキシレノール等のフェノール類の1種又は2種以上と、ホルムアルデヒドとの反応によって得られるものが挙げられる。また、上記フェノール樹脂は、ノボラック型樹脂、レゾール型樹脂のいずれであってもよい。上記フェノール樹脂としてノボラック型樹脂を使用する場合には、硬化剤としてヘキサメチレンテトラミン等を共存させる必要がある。上記フェノール樹脂の被膜は、通常、後述の乾燥工程で硬化する。尚、上記フェノール樹脂の分子量については特に制限はない。
上記フェノール樹脂は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0026】
上記エポキシ樹脂として具体的には、例えば、ビスフェノール類、特にビスフェノールA(2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン)とエピクロルヒドリンとを反応させて得られるビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック樹脂のフェノール性水酸基をグリシジルエーテル化したノボラック型エポキシ樹脂、芳香族カルボン酸のグリシジルエステル、及びエチレン性不飽和化合物の二重結合を過酸でエポキシ化した過酸エポキシ型等の1種又は2種以上を挙げることができる。更に、上記の如きエポキシ樹脂の樹脂骨格にエチレンオキシド又はプロピレンオキシドを付加したもの、及び多価アルコールのグリシジルエーテル型等も挙げることができる。これらの中で、ビスフェノールA型エポキシ樹脂が最も好ましい。
【0027】
上記ポリフッ化エチレン樹脂は、分子中にフッ素を含有するエチレン系の樹脂であり、具体的には、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレンヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、及びポリフッ化ビニル等が挙げられる。上記ポリフッ化エチレン樹脂は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0028】
また、本発明の上記樹脂層を構成する樹脂としては、上記の各樹脂の1種又は2種以上で構成される樹脂の他、上記の各樹脂の1種又は2種以上と他の樹脂とで構成される複合樹脂でもよい。該複合樹脂としては、例えば、上記の各樹脂の1種又は2種以上と他の樹脂原料とを混ぜ合わせて得られる樹脂、及び各種樹脂のグラフト化、ブロック化等を行い、1分子内に異なる置換基を有する複数のモノマー由来の構造を有する複合樹脂を使用することができる。
【0029】
本発明の塑性加工用潤滑被膜を構成する上記ワックス層は、潤滑被膜成分として、加工時に発生する熱により融解し被膜の滑り性を向上させる作用を有する。
上記ワックス層を構成するワックスの構造や種類については、軟化点が40℃以上、好ましくは50℃以上、より好ましくは60℃以上であれば特に限定はなく、天然ワックス及び/又は合成ワックスを好ましく使用することができる。具体的には、例えば、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタムワックス、フィッシャー・トロプシュワックス、(酸化)ポリエチレン、(酸化)ポリプロピレン、カルナバワックス、モンタンワックス等の1種又は2種以上を挙げることが出来る。また、本発明の上記ワックス層を構成するワックスには、ポリエチレン樹脂及びポリプロピレン樹脂も含む。
【0030】
本発明の塑性加工用潤滑被膜を形成する上記母材は、塑性加工を行う素材でもよく、あるいは、塑性加工の際に使用する金属型でもよい。即ち、本発明の塑性加工用潤滑被膜は、塑性加工を行う素材表面及び/又は塑性加工の際に使用する金属型の成形面に形成することができる。本発明の塑性加工用潤滑被膜における上記母材及び本発明の塑性加工用素材における上記素材の材質については特に限定はない。上記母材の材質は、通常、主として鉄、炭素鋼やステンレス鋼等の鋼及び鉄合金であるが、その他、インコネル、チタン、チタン合金、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金、銅、及び銅合金等の非鉄金属でもよい。また、上記母材の形状についても、棒材やブロック材等の素材だけでなく、熱間鍛造後の形状物(ギヤやシャフト等)の加工も考えられるので、特に限定されない。
【0031】
本発明の塑性加工用潤滑被膜では、塑性加工時の潤滑効果を更に向上させるため、必要に応じて上記樹脂層及び/又は上記ワックス層に微粒子を含有させることができる。かかる微粒子を含有させることにより、樹脂被膜のせん断強度および付着強度が高まる他、加工界面に微粒子が介在することにより、金属間接触が抑制され、焼付き防止効果が一層顕著になる。尚、上記微粒子は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、上記樹脂層及び上記ワックス層の両層に上記微粒子を含有させる場合、同じ種類の微粒子でもよく、異なる種類の微粒子でもよい。
【0032】
上記微粒子としては、例えば、それ自体が潤滑性を有するときに、摩擦を軽減させる作用が期待できる固形潤滑剤が挙げられる。このような固形潤滑剤として具体的には、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、ステアリン酸カルシウム、マイカ、黒鉛、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)その他の潤滑性樹脂及び酸素欠陥ペロブスカイト構造を持つ複合酸化物(SrxCa1−xCuOy等)等が挙げられる。その他、炭酸塩(Na2CO3、CaCO3、MgCO3等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の炭酸塩等)、ケイ酸塩(MxOySiO2〔M:アルカリ金属、アルカリ土類金属〕等)、酸化物(Al2O3、TiO2、NiO、Cr2O3、CaO、ZnO、SnO、SnO2、CdO、PbO、Bi2O3、Li2O、K2O、Na2O、B2O3、SiO2、MnO2、ZrO2、Fe2O3、Fe3O4、Y2O3、CeO2、Mn3O4、MgO、CuO、MoO3、In2O3、Nd2O3、及びHo2O3等、並びにそれらの複合酸化物〔Al2O3/MgO等〕)、硫化物(PbS等)、フッ化物(CaF2、BaF2等)、炭化物(SiC、TiC)、窒化物(TiN、BN、AlN、Si3N4等)、クラスターダイヤモンド、及びフラーレンC60又はC60とC70との混合物のように、摩擦係数を極端に低下させることなく金属間の直接接触を抑制して、焼付防止作用が期待できる微粒子等も挙げられる。
尚、上記樹脂層中の樹脂に含まれる解離基が遊離形態(例えば、遊離カルボキシル基)である場合には、この遊離基と反応性のある微粒子(例えば、金属化合物)の使用を避けるか、又は遊離基との反応による微粒子の溶解を見越して、その分だけ過剰に微粒子を使用すればよい。
【0033】
上記微粒子の含有量については特に限定はなく、必要に応じて種々の範囲とすることができる。好ましくは、上記樹脂層中に含有させる場合は、上記樹脂層を構成する樹脂分に対して合計で50体積%以下、より好ましくは1〜50体積%であり、上記ワックス層に含有させる場合は、上記ワックス層を構成するワックス分に対して合計で50体積%以下、より好ましくは1〜50体積%である。上記微粒子の含有量を上記範囲とすることにより、乾燥した際に形成される被膜のせん断強度や付着強度を向上させることができるので好ましい。
【0034】
また、上記微粒子の平均粒子径についても特に限定はなく、必要に応じて種々の範囲とすることができる。上記微粒子の平均粒子径は通常、0.005〜10μm、好ましくは0.005〜5μm、より好ましくは0.01〜2μmである。上記微粒子がフレーク状の場合、その平均粒子径は、最大粒子径の平均値とする。また、微粒子の種類によっては、幅広い粒径分布を持つものもあるが、本発明では、体積で上記微粒子全体の80%が上記範囲内に入っていれば、所望の効果が得られる。上記微粒子の平均粒子径を0.005μm以上とすると、粒子同士が樹脂中で凝集することを抑制し、均一分散が容易になると共に、使用後に上記微粒子の除去処理が容易になるので好ましい。一方、上記微粒子の平均粒子径を10μm以下とすると、付着強度が向上し、その結果、金属間接触による焼付き防止効果が向上するので好ましい。
【0035】
上記の平均粒子径を有する微粒子は市販されており、一緒に使用する樹脂及び/又はワックスへの分散性等を考慮して、市販品の中から適宜選択すればよい。
市販品(カッコ内は平均粒子径)の例としては、シーアイ化成製の「NanoTek」からAl2O3(33nm)、TiO2(30nm)、Fe2O3(21nm)、ZnO(31nm)、Y2O3(20nm)、CeO2(11nm)、Mn3O4(38nm)、SiO2(12nm)等、日本触媒製の「シーホスターKE」(非晶質シリカ)からP10(70〜130nm)、P50(0.48〜0.58μm)、P100(0.9〜1.1μm)等、エスイーシー製の「SECファインパウダーSGP」(高純度人造黒鉛3μm)、日本アエロジル製のSiO2から「AEROSIL 50」(30nm)、「AEROSIL 200」(12nm)、「AEROSIL 300」(7nm)、Al2O3から「C」(13nm)、TiO2から「T805」及び「P25」(共に21nm)等、石原テクノ製の超微粒子酸化チタンから「TTO−55(B)」(30〜50nm)等、神島化学工業製の活性炭酸カルシウムから「カルシーズP」(0.15μm)、「カルシーズPL10」(0.09μm)、「PLS2301」(40nm)、軽質炭酸カルシウムから「EC」(1.0〜2.0μm)等、東京プログレスシステムから入手できる「クラスターダイヤモンド」(5nm)等、ダイキン工業製のPTEFから「ルブロンLDW−40」(0.18μm)、「L−2」(5μm)等、三井・デュポンフロロケミカルの「テフロン」から「TLP−10F−1」(2μm)等、住友セメント製のSiC(10nm)、ZrO2(30nm)、大阪造船所製の「二硫化モリブデンCパウダー」(1.2μm)等が挙げられる。
【0036】
尚、本発明の塑性加工用潤滑被膜を構成する上記樹脂層及び上記ワックス層には、本発明の目的を損なわない範囲で、上記樹脂及び上記ワックス以外にも、一般的な塑性加工油剤に添加されている添加剤を添加することができる。このような添加剤としては、例えば、pH調整剤、粘度調整剤、防腐剤、及び消泡剤等が挙げられる。また、必要に応じて他の極圧添加剤、油性剤等を併用しても差し支えない。
【0037】
本発明の塑性加工用潤滑被膜は、板圧延、管圧延、条鋼(形鋼、棒線、線材)圧延、引抜き(抽伸)、鍛造等の金属の冷間塑性加工に好適に利用できる。勿論、塑性加工を受けない、単なる製品出荷時の防錆被膜処理としての用途や被加工材搬送時のローラー、ガイドとの接触による疵防止のための表面保護及び摩擦軽減の用途として使用することもできる。また、本発明の塑性加工用潤滑被膜は、母材の全体に形成してもよいが、塑性加工用工具と被加工材との接触面の特定個所において潤滑性を特に必要とするような塑性加工、例えば、板圧延におけるロール通板エッジ部の焼付や、管圧延における孔型ロールの管外形接触部での焼付の防止を目的とする場合には、その部位にだけ本発明の塑性加工用潤滑被膜を形成してもよい。
【0038】
(2)塑性加工用潤滑被膜の形成方法
本発明の塑性加工用潤滑被膜の形成方法は、(メタ)アクリル酸樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、及びポリフッ化エチレン樹脂のうちの少なくとも1つを含む樹脂含有液を母材表面に塗布し、乾燥させて樹脂層を形成する。次いで、40℃以上の軟化点を有するワックスの含有液を上記樹脂層表面に塗布し、乾燥させてワックス層を形成する。
上記のように、従来の化成被膜処理では、形成される化成被膜上に滑剤を塗布するため、水洗や酸洗までを含めると、多数の処理工程が必要である(図1(A)。これに対し、本発明の塑性加工用潤滑被膜の形成方法によれば、図1(B)に示すように、化成処理及びこれに付随する酸洗や水洗を省略することができるので、簡便に潤滑被膜を形成することができる。
【0039】
上記樹脂含有液は、(メタ)アクリル酸樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、及びポリフッ化エチレン樹脂の1種又は2種以上を含有していればよく、その形態に特に限定はない。例えば、上記樹脂の溶融液でもよく、あるいは、水、有機溶媒(アルコール、鉱油、ミネラルスピリット、メチルエチルケトン、及び「フロン」(商品名)等)、又は水と有機溶媒との混合溶媒に溶解又は分散させた溶解液又は分散液でもよい。また、上記樹脂含有液は、上記樹脂層を形成する樹脂の全てを含む1液型の樹脂含有液でもよく、あるいは、上記樹脂層を形成する樹脂の一部を含む含有液を2種以上調製し、使用時に混合する形態でもよい。
【0040】
上記ワックス含有液は、上述のワックスを含んでいればよく、その形態に特に限定はない。例えば、上記ワックスの水ディスパージョンや水エマルジョンでもよく、上記ワックスを有機溶媒(アルコール、鉱油、ミネラルスピリット、メチルエチルケトン、及び「フロン」(商品名)等)又は水と有機溶媒との混合溶媒に溶解した溶解液でもよく、あるいは、上記ワックスを熱により溶融した溶融液でもよい。
【0041】
上記樹脂又は上記ワックスを溶媒中に懸濁又は分散させる場合、必要に応じて界面活性剤を用いてもよい。かかる界面活性剤を用いることにより、上記樹脂又は上記ワックスを均一に懸濁又は分散させることができる。また、母材表面に形成された上記樹脂層は母材表面に良くなじみ、素材の加工中に容易なことでは表面から剥離しない。また、良好な潤滑性を有し、素材と型が焼き付いてしまうことを効果的に予防することができる。上記界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤及び陽イオン性界面活性剤のいずれをも用いることができる。非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレン(エチレン及び/又はプロピレン)アルキルフェニルエーテル、ポリエチレングリコール(若しくはエチレンオキシド)と高級脂肪酸(例えば、炭素数12〜18の直鎖又は分岐脂肪酸)とから構成されるポリオキシエチレンアルキルエステル、並びにソルビタンとポリエチレングリコールと高級脂肪酸(例えば、炭素数12〜18の直鎖又は分岐脂肪酸)とから構成されるポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル等が挙げられる。陰イオン性界面活性剤としては、例えば、脂肪酸塩、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、リン酸エステル塩、及びジチオリン酸エステル塩等が挙げられる。両性界面活性剤としては、例えば、アミノ酸型及びベタイン型のカルボン酸塩、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、並びにリン酸エステル塩等が挙げられる。陽イオン性界面活性剤としては、例えば、脂肪族アミン塩、第四級アンモニウム塩等が挙げられる。上記界面活性剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0042】
上記のように、上記樹脂層及び/又は上記ワックス層に上記微粒子を含有させる場合、上記樹脂含有液及び/又は上記ワックス液に上記微粒子を混合させることができる。上記微粒子の混合方法は、上記微粒子が均一に分散した混合物が得られる限り特に制限されない。例えば、上記樹脂含有液に上記微粒子を含有させる場合、上記微粒子が、樹脂の合成に用いる反応成分と反応性を持たない微粒子であれば、樹脂の合成時に微粒子を含有させてもよい。また、上記微粒子を合成した樹脂と混合する場合、溶融混練や溶液状態で混合する方法等が可能である。
溶融混練の場合、その温度は特に制限されないが、100℃〜350℃で行うのが好ましい。使用する樹脂にもよるが、100℃以上とすることにより、系の粘度が非常に高くなるのを抑制し、容易に混練することができるので好ましい。また、混練温度を350℃以下とすると、樹脂によって生じることがある加熱による劣化を抑制することができるので好ましい。一方、溶液状態での混合は、水又は有機溶剤に、樹脂と固体微粒子とを同時に混合する方法や、水、有機溶剤又はこれらの混合溶媒に溶解又は分散させた樹脂に固体微粒子を混合する方法により行うことができる。
【0043】
上記樹脂含有液を母材表面に塗布することに先立って、母材について脱脂(通常、アルカリ脱脂剤を使用することができる)、水洗、又は酸洗(金属材料の酸化スケールを除去し、被膜の密着性を高めるために塩酸等を用いて行う)等の前処理を行うことができる。かかる前処理をすることによって、母材表面を清浄にしておくことにより、樹脂含有液が均一に濡れ広がり、母材と潤滑皮膜の密着性が向上し、また、土砂等のコンタミネーションによる加工後の傷の発生を防止する等の好結果が得られるために好ましい。通常は、脱脂、水洗、酸洗及び水洗の順に前処理が行われるが、その順序については特に限定はない。例えば、酸化スケールが付着していない母材の場合であれば、酸洗及び水洗の工程は省いても構わない。上記前処理は常法により行えばよく、特に限定はない。
【0044】
本発明の塑性加工用潤滑被膜の形成方法では、上記樹脂含有液を上記母材、即ち、塑性加工を行う素材表面と塑性加工の際に使用する金属型の成形面の少なくとも一方に塗布し、乾燥させて上記樹脂層を形成後、該樹脂層の表面に上記ワックス含有液を塗布し、乾燥させることにより、上記樹脂層及び上記ワックス層を形成し、本発明の塑性加工用潤滑被膜を形成する。上記樹脂含有液及び上記ワックス含有液の塗布の方法には特に限定はなく、必要に応じて種々の方法を用いることができる。例えば、素材の表面に塗布する場合、素材を上記樹脂含有液又は上記ワックス含有液中に浸漬したり、ブラシで塗ったり、スプレー塗布、又は流しかけ等の任意の方法を採用することができる。また、型の成形面に塗布する場合には、ブラシで塗ったり、スプレー塗布、流しかけ等の方法を採用することができる。上記樹脂含有液及び上記ワックス含有液の塗布は、母材の表面が塑性加工用潤滑被膜で十分に被覆されればよく、塗布する時間に特に制限はない。
【0045】
上記乾燥の方法は、上記樹脂層及び上記ワックス層を形成できる限り特に限定はない。例えば、上記樹脂含有液及び上記ワックス含有液を塗布した素材や型を放置して自然乾燥させてもよいし、必要に応じて強制乾燥させてもよい。強制乾燥させる場合、紫外線を照射する方法、熱風を当てる方法、素材や型を余熱しておく方法、高周波加熱して乾燥させる方法等、任意の方法を採用することができる。かかる強制乾燥の条件としては、60〜150℃で10〜60分程度行うのが好ましい。形成された上記樹脂層及び上記ワックス層の被膜重量は、焼付きを防ぐ観点から各々1g/m2以上が好ましく、また、コスト面から各々30g/m2以下であるのが好ましい。より好ましくは各々3〜20g/m2であり、更に好ましくは各々5〜15g/m2である。
【0046】
(3)塑性加工品の製造方法、及び金属管又は棒鋼の製造方法
本発明の塑性加工品の製造方法は、本発明の塑性加工用素材を塑性加工することを特徴とする。また、本発明の金属管又は棒鋼の製造方法は、本発明の塑性加工用素材を抽伸することを特徴とする。
上記塑性加工としては、板圧延、管圧延、条鋼(形鋼、棒線、線材)圧延、引抜き(抽伸)、鍛造等の金属の冷間塑性加工が挙げられる。塑性加工の条件、方法については特に限定はなく、また、上記塑性加工用潤滑被膜を形成する条件、方法についても特に限定はない。例えば、冷間抽伸では、通常、上記樹脂含有液及び上記ワックスの含有液を入れたタンク内に、抽伸用線材を浸漬するか、又はノズルを用いて、上記樹脂含有液及び上記ワックスの含有液を抽伸用線材に吹きつける等の一般的な塗布方法により、該抽伸用線材表面に上記樹脂含有液及び上記ワックスの含有液を塗布する。次いで、必要に応じて60〜150℃の乾燥帯を通過させ、所望厚みの塑性加工用潤滑被膜を形成した後、ダイスで抽伸する。
また、ハイドロフォーミング(液圧バルジ成形)では、被加工材である素管外面に本発明の塑性加工用潤滑被膜を形成した後、成形することにより、摩擦軽減、被加工材及び金型表面の疵防止を達成することができる。
【0047】
【実施例】
以下、実施例を挙げて、本発明を具体的に説明する。
(1)塑性加工用潤滑被膜を有する塑性加工用素材及びその形成方法
以下の方法により、実施例1〜12及び比較例1の塑性加工用潤滑被膜を有する線材を調製した。尚、実施例1〜12及び比較例1では、被加工材として、直径9mm×長さ2000mmの炭素鋼(S45C)である線材を使用した。この線材は、予め脱脂、酸洗、中和、水洗及び乾燥することにより表面の粗面化処理を施した。また、実施例1〜12における線材表面に形成した樹脂層及びワックス層の各厚み、並びに比較例1における線材表面に形成した潤滑被膜の厚みを表1に併記した。ここで、樹脂層及びワックス層の厚み、並びに潤滑被膜の厚みは、塗布前後の線材の重量差から計算した。
【0048】
実施例1
樹脂溶液として、アクリル酸、メタクリル酸メチル、及びアクリル酸n−ブチルを乳化重合により共重合させて得られた重合物に水酸化ナトリウムを加え、水に可溶化させた樹脂溶液を用いた。該樹脂溶液中の樹脂分は27質量%であり、アクリル樹脂の重量平均分子量は約2万である。また、ワックスとして、軟化点が40℃のパラフィンワックスを界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)で乳化したワックス溶液を使用した。該ワックス溶液のワックス濃度は20質量%であった。
上記樹脂溶液を入れて40℃に加温した容器中に、線材を浸漬することにより、上記アクリル樹脂溶液を線材表面に塗布し、その後、80℃で1時間乾燥することにより、上記線材表面に樹脂層を形成した。次いで、上記ワックス溶液を入れて40℃に加温した容器中に、上記樹脂層が形成された上記線材を浸漬することにより、上記ワックス溶液を塗布した。塗布後、上記線材を60℃で10分間乾燥し、上記樹脂層表面にワックス層を形成することにより、本発明の塑性加工用潤滑被膜を有する線材を得た。
【0049】
実施例2
樹脂溶液として、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、アクリル酸n−ブチル、及びスチレンを乳化重合により共重合させた重合物の水溶液を用いた。該樹脂溶液中の樹脂分は25質量%であり、重合物の重量平均分子量は約40万である。また、ワックスとして、軟化点が40℃のパラフィンワックスを界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム及びポリオキシエチレンアルキルエーテル)で乳化したワックス溶液を用いた。該ワックス溶液のワックス濃度は20%であった。
上記樹脂溶液を40℃に加温し、脱脂・酸洗された線材に均一に付着するように、上記線材を軸方向に回転させながらスプレー塗布した。その後、150℃で10分間乾燥させることにより、上記線材表面に樹脂層を形成した。次いで、上記ワックス溶液を40℃に加温し、上記樹脂層が形成された上記線材に均一に付着するように、上記線材を軸方向に回転させながらスプレー塗布した。塗布後、60℃で10分間乾燥し、上記樹脂層表面にワックス層を形成することにより、本発明の塑性加工用潤滑被膜を有する線材を得た。
【0050】
実施例3
樹脂溶液として、旭電化工業株式会社製のウレタン樹脂ディスパーション(樹脂分25質量%)を用いた。また、ワックスとして、軟化点が136℃の酸化ポリエチレンを界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)で乳化したワックス溶液(ワックス濃度20質量%)を用いた。
常温の上記樹脂ディスパーションを、脱脂した後100℃に加熱した線材にスプレー塗布することにより、線材表面に樹脂層を形成した塗布中、上記線材は、先の実施例と同様に軸方向に回転させた。尚、本実施例では、加熱された線材にスプレー塗布したため、瞬時に被膜は乾燥し、更なる乾燥工程は必要なかった。
次いで、上記ワックス溶液入れて40℃に加温した容器中に、上記樹脂層が形成された上記線材を浸漬することにより、上記ワックス溶液を上記樹脂層表面に塗布した。塗布後、常温で1時間風乾し、上記樹脂層表面にワックス層を形成することにより、本発明の塑性加工用潤滑被膜を有する線材を得た。
【0051】
実施例4
樹脂溶液として、ポリエステル樹脂の1種であるポリエチレンテレフタレートを300℃、窒素雰囲気下で溶融させた樹脂溶融液を用いた。また、ワックスとして、旭化成株式会社製の高密度ポリエチレン樹脂を250℃、窒素雰囲気下で溶融させた溶融液を用いた。
上記樹脂溶融液に、脱脂・酸洗された線材を浸漬することにより、上記樹脂溶融液を上記線材表面に塗布した。その後、常温で30分間風乾することにより、上記線材表面に樹脂層を形成した。次いで、上記溶融液に、上記樹脂層が形成された上記線材を浸漬することにより、上記溶融液を上記樹脂層表面に塗布した。
塗布後、常温で30分間風乾し、上記樹脂層表面にワックス層を形成することにより、本発明の塑性加工用潤滑被膜を有する線材を得た。
【0052】
実施例5
樹脂溶液として、ポリビニルアルコールを保護コロイドとし、乳化重合で酢酸ビニルを重合させた樹脂溶液(不揮発分20%)を用いた。また、ワックスとして、軟化点が140℃の酸化ポリプロピレンワックスを界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)で乳化したワックス溶液(ワックス濃度20質量%)を用いた。
上記樹脂溶液を、脱脂・酸洗された線材表面にブラシで均一になるよう塗布し、その後、150℃で60分間乾燥することにより、上記線材表面に樹脂層を形成した。次いで、上記ワックス溶液を入れて40℃に加温した容器中に、上記樹脂層が形成された上記線材を浸漬することにより、上記溶融液を上記樹脂層表面に塗布した。塗布後、常温で1時間風乾し、上記樹脂層表面にワックス層を形成することにより、本発明の塑性加工用潤滑被膜を有する線材を得た。
【0053】
実施例6
樹脂溶液として、エチレンと酢酸ビニルを共重合させた重合物を含む樹脂溶液(住友化学工業株式会社製、不揮発分50%)を用いた。また、ワックスとして、軟化点が40℃のパラフィンワックス塊を用いた。
常温で、上記樹脂溶液を入れた容器中に脱脂した線材を浸漬することにより、上記樹脂溶液を上記線材表面に塗布し、その後、常温で1時間風乾することにより、上記線材表面に樹脂層を形成した。次いで、上記パラフィンワックス塊を100℃に加温して液状とし、上記樹脂層が形成された上記線材にブラシで均一になるように塗布し、塗布後、常温で30分間風乾し、上記樹脂層表面にワックス層を形成することにより、本発明の塑性加工用潤滑被膜を有する線材を得た。
【0054】
実施例7
樹脂溶液として、完全ケン化されたポリビニルアルコールの水溶液(株式会社クラレ製)を用いた。また、ワックスとして、軟化点が40℃のパラフィンワックスを界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)で乳化したワックス水溶液(ワックス濃度20%)を用いた。
上記樹脂溶液を、脱脂・酸洗された線材表面にブラシで均一になるよう塗布し、その後、150℃で60分間乾燥することにより、上記線材表面に樹脂層を形成した。次いで、上記ワックス水溶液を40℃に加温した容器中に、上記樹脂層が形成された上記線材を浸漬することにより、上記ワックス水溶液を塗布し、塗布後、150℃で60分間乾燥し、上記樹脂層表面にワックス層を形成することにより、本発明の塑性加工用潤滑被膜を有する線材を得た。
【0055】
実施例8
樹脂溶液として、ポリアミド樹脂の1種であるナイロン6を250℃、窒素雰囲気下で溶融させた溶融液を用いた。また、ワックスとして、軟化点が136℃の酸化ポリエチレンを界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)で乳化したワックス水溶液(ワックス濃度20質量%)を用いた。
上記樹脂溶液中に、脱脂・酸洗された線材を浸漬することにより、上記樹脂溶液を塗布し、その後、常温で30分間風乾することにより、上記線材表面に樹脂層を形成した。上記樹脂溶液を均一に塗布できるように、線材はスプレー中、軸方向に回転させた。次いで、上記ワックス水溶液を入れて40℃に加温した容器中に、上記樹脂層が形成された上記線材を浸漬することにより、上記ワックス水溶液を塗布し、塗布後、常温で1時間風乾し、上記樹脂層表面にワックス層を形成することにより、本発明の塑性加工用潤滑被膜を有する線材を得た。
【0056】
実施例9
樹脂溶液として、フェノールノボラック型樹脂をアミノ化して水溶化した樹脂溶液を用いた。また、ワックスとして、旭化成株式会社製の高密度ポリエチレン樹脂を250℃、窒素雰囲気下で溶融させた溶融液を用いた。
上記樹脂溶液を40℃に加温し、脱脂・酸洗された線材に上部から流しかけることにより、上記樹脂溶液を塗布し、十分に液切りした後、60℃の恒温槽で30分間乾燥することにより、上記線材表面に樹脂層を形成した。次いで、上記溶融液に、上記樹脂層が形成された上記線材を浸漬することにより、上記溶融液を塗布し、塗布後、常温で30分間風乾し、上記樹脂層表面にワックス層を形成することにより、本発明の塑性加工用潤滑被膜を有する線材を得た。
【0057】
実施例10
樹脂溶液として、固形のビスフェノールA型エポキシ樹脂をキシレンに溶解した樹脂溶液を用いた。また、ワックスとして、軟化点が40℃のパラフィンワックス塊を用いた。
上記樹脂溶液を、脱脂・酸洗された線材にブラシで均一になるよう塗布し、その後、150℃で60分間乾燥することにより、上記線材表面に樹脂層を形成した。次いで、上記パラフィンワックス塊を80℃に加温して液状とし、上記樹脂層が形成された上記線材に上部から流しかけることにより塗布し、十分に液切りした後、60℃で30分間乾燥し、上記樹脂層表面にワックス層を形成することにより、本発明の塑性加工用潤滑被膜を有する線材を得た。
【0058】
実施例11
樹脂溶液として、BASF社製ポリビニルピロリドン水溶液(樹脂分30%)を用いた。また、ワックスとして、軟化点が40℃のパラフィンワックス塊を用いた。
上記樹脂溶液を、脱脂・酸洗された線材に気泡が入らないようブラシで均一になるよう塗布し、その後、150℃で60分間乾燥することにより、上記線材表面に樹脂層を形成した。次いで、上記パラフィンワックス塊を80℃に加温して液状とし、上記樹脂層が形成された上記線材に上部から流しかけることにより塗布し、十分に液切りした後、60℃で30分間乾燥し、上記樹脂層表面にワックス層を形成することにより、本発明の塑性加工用潤滑被膜を有する線材を得た。
【0059】
実施例12
樹脂溶液として、実施例1の樹脂3部と、住友スリーエム株式会社製のポリフッ化エチレン樹脂サスペンション(樹脂分53質量%)1部の混合樹脂を用いた。また、ワックスとして、旭化成株式会社製の高密度ポリエチレン樹脂を250℃、窒素雰囲気下で溶融させた溶融液を用いた。ここで、ポリフッ化エチレンは、微粒子状であるため、一層の焼付防止効果が期待できる。
上記樹脂溶液を常温のまま、脱脂・酸洗された線材に均一に付着するように、上記線材を軸方向に回転させながらスプレー塗布した。その後、150℃で10分間乾燥させることにより、上記線材表面に樹脂層を形成した。次いで、上記溶融液を、上記樹脂層が形成された上記線材に上部から流しかけることにより塗布し、十分に液切りした後、60℃で30分間乾燥し、上記樹脂層表面にワックス層を形成することにより、本発明の塑性加工用潤滑被膜を有する線材を得た。
【0060】
比較例1
実施例1の樹脂溶液100部に対し、実施例1のワックス溶液を6.75部加え、よくかき混ぜた溶液を調製した。この溶液を入れて40℃に加温した容器中に、脱脂・酸洗された上記実施例1〜12で使用した線材を浸漬することにより上記溶液を塗布した。塗布後、60℃で10分間乾燥させることにより樹脂成分とワックス成分の両者を含んだ1層タイプの塑性加工用潤滑被膜を有する線材を得た。
【0061】
比較例2
一般市販の冷間引抜油(主な成分は、脂肪酸15質量%、硫化油脂70質量%)を用い、脱脂・酸洗された上記実施例1〜12で使用した線材と同じ線材にブラシで均一になるように塗布し、また、冷間抽伸の直前にも、線材表面に上記冷間引抜油を供給することにより、冷間抽伸を行った。
【0062】
(2)性能評価
実施例及び比較例の性能評価は、小型抽伸機による線材の冷間抽伸によって行った。ダイスで抽伸を行った。ダイスの口径は直径7mmであり、加工後の減面率は30.6%となる。そして、抽伸後の線材表面を目視で観察し、焼付きの有無を調べることにより、性能評価を行った。その結果を以下の表1に示す。表1中、「○」は焼付きが認められたかったことを表し、「×」は焼付きが生じたことを表す。
【0063】
【表1】
【0064】
(3)実施例の効果
加工後の線材表面の状態を調査したところ、本発明の塑性加工用潤滑被膜を形成した実施例1〜12では、焼付き等の表面疵を発生させずに抽伸できることを確認した。
一方、従来の冷間引抜き油を使用した比較例2では、線材表面に筋状の焼付き疵が発生していた。また、樹脂成分とワックス成分の両者を含んだ1層タイプの塑性加工用潤滑被膜を形成した比較例1でもやはり、線材表面に筋状の焼付き疵が発生していた。
【0065】
尚、本発明においては、上記具体的実施例に示すものに限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】塑性加工工程及び従来の化成被膜処理の工程の説明図(A)及び本発明の塑性加工用潤滑被膜の形成方法の工程の説明図(B)である。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a lubricating coating for plastic working and a method for forming the same, a raw material for plastic working, a method for producing a plastic processed product, and a method for producing a metal tube or a steel bar. More specifically, the present invention provides excellent lubricity by forming a highly adhesive lubricating film on the surface of a metal or mold, which is a workpiece, in cold plastic working of metal, thereby reducing friction. Lubricant coating for plastic working and its forming method capable of realizing reduction of processing power due to wear, suppression of wear and seizure and extension of life of rolls and tools, and improvement of product quality, forming plastic lubrication coating for plastic working, The present invention relates to a plastic working material used in the manufacture of a plastic material, a method for producing a plastic work product using the plastic working material, and a method for producing a metal tube or steel bar.
[0002]
[Prior art]
Examples of cold plastic working of metal include plate rolling, tube rolling, steel bar (section steel, bar wire, wire rod) rolling, drawing, forging, shearing, press molding and the like. Examples of the metal subjected to plastic working as a workpiece include various steels such as carbon steel and stainless steel, aluminum, copper, titanium, and alloys thereof, and multilayer clads thereof.
[0003]
In general, in plastic working of a metal material, a liquid or solid lubricant is used for the purpose of reducing friction caused by metal contact between a workpiece and a tool and preventing seizure or galling. Usually, the lubrication method in cold plastic working is the material, processing method, surface pressure, processing speed, surface roughness of the material to be rolled and the roll or tool (hereinafter referred to as “tool”). It is used properly according to the degree and working environment. The lubrication process can be roughly divided into two. One is a lubrication treatment in which the lubricant is physically attached to the metal surface, and the other is a lubrication treatment in which a lubricant film is adhered after the carrier film is formed on the metal surface by a chemical reaction.
[0004]
The lubrication treatment in which a carrier film is generated on a metal surface by a chemical reaction and then a lubricant is attached is called a so-called chemical film treatment. Such a chemical conversion film treatment is performed by forming a coating film such as a phosphate having a role as a carrier on the surface of a workpiece by a chemical reaction, and then reacting soap or non-reacting soap such as sodium stearate or calcium stearate as a lubricant. Etc. are performed. A film formed by such a chemical conversion film treatment has a two-layer structure of a chemical conversion film as a carrier and a lubricant, and exhibits very high seizure resistance. Therefore, such a chemical conversion film treatment has been used in a very wide range in the field of plastic working such as wire drawing, pipe drawing and forging. However, since the chemical conversion film treatment is a chemical reaction, it is difficult to treat a workpiece having poor chemical reactivity, and complex liquid management is also required for a treatable workpiece. Further, as shown in FIG. 1 (A), in order to apply a lubricant on the formed chemical conversion film, a number of processing steps are required including water washing and pickling. Furthermore, a large amount of waste liquid comes out from the washing water and chemical conversion coating used in the treatment, and heating is necessary to control the chemical reaction. There's a problem.
[0005]
In order to solve the problems of the chemical conversion film treatment, a lubrication treatment in which the aforementioned lubricant is physically attached to the metal surface has been studied. As a result of such studies, a method using an oil-based lubricant or a water-based lubricant has been proposed. For example, as an oil-based lubricant, the following Patent Document 1 discloses a metal soap or solid in a lubricating oil containing an extreme pressure agent such as chlorinated paraffin and phosphate ester, an isobutylene / n-butene copolymer and animals and plants. A cold work lubricant containing a lubricant is disclosed. In addition, as an aqueous lubricant, the following Patent Document 2 discloses a cold or warm processing of a metal tube, which contains a bicarbonate as a main component and a small amount of a dispersant, a surfactant and a solid lubricant added thereto. A lubricant is disclosed, and the following Patent Document 3 discloses a lubricant composition in which a water-soluble polymer or an aqueous emulsion thereof is used as a base material and a solid lubricant and a chemical film-forming agent are blended.
[0006]
Further, Patent Document 4 below discloses a metal cold working lubricant which is an aqueous solution containing a thermosetting acrylic resin having a specific glass transition point, a wax, and a surfactant. Further, the following Patent Document 5 includes a base layer having a specific thickness mainly composed of an inorganic compound such as phosphate on a metal surface, and a lubricant layer having a specific thickness made of a lubricant such as wax. There is disclosed a metal material for plastic working provided with an inclined two-layer lubricating film with a layer / base layer thickness ratio in a specific range. Such a gradient type two-layer lubricating film is formed by applying a treatment liquid in which a base layer component and a lubricant component are uniformly dissolved or dispersed on a metal surface and performing an appropriate heat treatment, thereby causing a concentration gradient of the component. An inclined two-layer lubricating film is formed.
[0007]
[Patent Document 1]
Japanese Patent Publication No.4-1798
[Patent Document 2]
Japanese Patent Publication No. 58-30358
[Patent Document 3]
Japanese Patent Laid-Open No. 52-20967
[Patent Document 4]
Japanese Examined Patent Publication No. 4-37878
[Patent Document 5]
JP 2002-264252 A (particularly [0015], [0016])
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
However, even the cold working lubricant disclosed in Patent Document 1 has some difficulty in workability as compared with the conventional lubrication method in which chemical conversion coating is performed, and an extreme pressure additive is used. Therefore, there is a problem that odor is generated during processing. Further, the lubricant of Patent Document 2 has not yet been widely used in place of the chemical conversion film treatment, and the lubricant of Patent Document 3 also has lubricity comparable to that of the chemical conversion film treatment. No lubricant has been obtained.
[0009]
In the case of the cold working lubricant disclosed in Patent Document 4, the lubricating coating formed by coating is a single layer coating. In general, even if the function of protecting the coating (coating strength) is high, if the lubricating function for imparting slippage is low, the coating is easily peeled off by frictional shearing, resulting in seizure. On the other hand, if the film protection function is low even if the lubrication function is high, seizure will occur due to insufficient film strength in severe processing. Therefore, in order for the lubricating coating to have a high lubricity, it is necessary to satisfy both functions as described above, but it is substantially difficult to combine these functions in a single coating. In addition, in the metal material for plastic working of Patent Document 5 described above, a special solution is used in order to generate a concentration gradient after applying a treatment liquid in which the base layer component and the lubricant component are uniformly dissolved or dispersed on the metal surface. Processing has to be performed, and there is a problem that the manufacturing method becomes complicated.
[0010]
The present invention does not require a base by chemical conversion treatment in cold plastic working of metal, and is excellent in forming a lubricant film with high adhesion on the surface of a metal or mold as a workpiece in a simple process. Lubricating film for plastic working that can reduce lubrication, reduce machining power by reducing friction, extend the life of rolls and tools by suppressing wear and seizure, and improve product quality, and its forming method, and plastic working An object of the present invention is to provide a plastic working material that is used for manufacturing a plastic work product, a plastic working material manufacturing method using the plastic working material, and a metal tube or steel bar manufacturing method. To do.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
As described above, in general, in order for a lubricating film made of a resin to have high lubricity, both a protective function for protecting the film and a lubricating function for imparting slip are necessary, but these functions are combined in a single film. It is practically difficult. Therefore, the present inventors have studied a lubrication method using a resin-based coating in order to obtain high lubricity in the cold plastic working of metals. As a result, these functions can be imparted to different coatings as different layers. Thought. That is, unlike the cold working lubricant disclosed in Patent Document 4 that forms a single layer of coating, a coating with a high protective function is formed on the surface of the base material, and this time, a coating with a high lubricating function is formed. Thought. And unlike the said patent document 5, as a film with a high protective function, the resin film which has a specific structure is formed in a metal surface, and a specific wax film is formed in the said resin film surface as a film with a high lubrication function By combining it, it was investigated that high seizure resistance can be obtained even in plastic processing with severe processing conditions, and the present invention was completed.
[0012]
The present invention is as follows.
(1) A lubricating film for plastic working comprising a resin layer formed on the surface of a base material and a wax layer formed on the resin layer, wherein the resin layer comprises (meth) acrylic acid resin, urethane resin, polyester Including at least one of resin, vinyl acetate resin, polyvinyl alcohol resin, polyvinyl pyrrolidone resin, polyamide resin, phenol resin, epoxy resin, and polyfluoroethylene resin, the wax layer has a softening point of 40 ° C. or higher A lubricating coating for plastic working, which is a wax layer.
(2) The lubricating film for plastic working according to the above (1), wherein fine particles having an anti-seizure effect are dispersed in the resin layer and / or the wax layer.
(3) Including at least one of (meth) acrylic acid resin, urethane resin, polyester resin, vinyl acetate resin, polyvinyl alcohol resin, polyvinyl pyrrolidone resin, polyamide resin, phenol resin, epoxy resin, and polyfluoroethylene resin A resin-containing liquid is applied to the surface of the base material and dried to form a resin layer, and then a wax-containing liquid having a softening point of 40 ° C. or higher is applied to the surface of the resin layer and dried to form a wax layer. A method for forming a lubricating film for plastic working.
(4) A plastic working material, wherein the plastic working lubricant film according to the above (1) or (2) is formed on the surface of a material for producing a plastic work product having an arbitrary shape. .
(5) A method for producing a plastically processed product, comprising plastically processing the material for plastic processing described in (4) above.
(6) A method for producing a metal tube or steel bar, wherein the plastic working material according to (4) is drawn.
[0013]
【The invention's effect】
According to the lubricating film for plastic working of the present invention, excellent lubricity can be exhibited even under severe processing conditions in which seizure is likely to occur in cold metal plastic working. Further, the lubricating film for plastic working of the present invention can be applied to various metals such as steel, stainless steel, inconel, titanium, titanium alloy, aluminum, aluminum alloy, magnesium, magnesium alloy, copper, and copper alloy material.
Further, in the lubricating film for plastic working of the present invention, by dispersing fine particles in the resin layer and / or the wax layer, the shear strength and adhesion strength of the film are increased, and the seizure prevention effect is further improved. Can do.
The method for forming a lubricating film for plastic working according to the present invention can form a film having excellent lubricity by a simple film forming process as compared with a conventional chemical conversion film process. In addition, the method for forming a lubricating film for plastic working according to the present invention does not require treatment with phosphoric acid or oxalic acid as in the case of conventional chemical coating treatment, and therefore can prevent environmental pollution due to waste liquid containing them. Therefore, it is not necessary to provide facilities for processing such waste liquid.
Since the plastic working material of the present invention is formed with the lubricating film for plastic working of the present invention, the plastic working material exhibits good seizure resistance, formability, and workability during plastic working, and is in contact during conveyance. The metal material can be protected from flaws.
The method for producing a plastic processed product of the present invention and the method for producing a metal tube or steel bar of the present invention can suppress the occurrence of seizure and galling by processing the material for plastic working of the present invention. As a result, a processed product with excellent quality can be obtained.
[0014]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
(1) Lubricating film for plastic working and raw material for plastic working
The lubricating film for plastic working of the present invention is a lubricating film for plastic working comprising a resin layer formed on the surface of a base material and a wax layer formed on the resin layer. The plastic working material of the present invention is a plastic working material in which the plastic film of the present invention is formed on the surface of the material for producing a plastic processed product having an arbitrary shape. The resin layer functions as a film having a protective function for protecting the film, and the wax layer functions as a film having a lubricating function.
[0015]
The lubricating film for plastic working according to the present invention forms sufficient strength even in severe processing by forming the resin layer and the wax layer having different functions as separate films on the base material, and causes film breakage. In addition, the film having a lubricating function formed on the upper layer gives a slip against the shearing, prevents the film from being peeled off, and lowers the frictional resistance during processing. In addition, the plastic working material of the present invention on which the lubricating film for plastic working of the present invention is formed exhibits good seizure resistance, formability, and workability in every secondary processing at a processing manufacturer, and is being conveyed. The plastic working material can be protected from the contact wrinkles.
[0016]
The resin layer constituting the lubricating film for plastic working according to the present invention includes, as a resin, (meth) acrylic resin, urethane resin, polyester resin, vinyl acetate resin, polyvinyl alcohol resin, polyvinylpyrrolidone resin, polyamide resin, phenol resin, epoxy At least one of a resin and a polyfluorinated ethylene resin.
Usually, one type is used, but two or more types may be used. By setting it as the resin layer containing this specific resin, it can be set as a film with a high lubrication function.
[0017]
The (meth) acrylic resin is not particularly limited as long as it is obtained by polymerizing one or more acrylic monomers. Examples of the acrylic monomer include methyl (meth) acrylate, ethyl (meth) acrylate, isopropyl (meth) acrylate, n-butyl (meth) acrylate, 2-ethylhexyl (meth) acrylate, and octyl (meth) acrylate. Alkyl (meth) acrylate (preferably having an alkyl group having 1 to 8 carbon atoms); methoxymethyl (meth) acrylate, methoxyethyl (meth) acrylate, ethoxymethyl (meth) acrylate, ethoxyethyl (meth) acrylate, and Lower alkoxy lower alkyl (meth) acrylates such as methoxybutyl (meth) acrylate; hydroxy lower alkyl (meth) acrylates such as 2-hydroxyethyl (meth) acrylate and 3-hydroxypropyl (meth) acrylate Rate: acrylamide, methacrylamide; N-unsubstituted or substituted (particularly lower alkoxy substituted) methylol groups such as N-methylolacrylamide, N-methylolmethacrylamide, N-butoxymethylacrylamide, and N-butoxymethylmethacrylamide ( Meth) acrylamide; phosphonyloxymethyl (meth) acrylate, phosphonyloxyethyl (meth) acrylate, and phosphonyloxy lower alkyl (meth) acrylates such as phosphonyloxypropyl (meth) acrylate; acrylonitrile; acrylic acid, methacrylic acid 1 type, or 2 or more types, etc. are mentioned. The (meth) acrylic resin is one or more of the above acrylic monomers and one of other ethylenic monomers such as styrene, methylstyrene, vinyl acetate, vinyl chloride, vinyltoluene, and ethylene. Or it is a copolymer with 2 or more types, Comprising: The resin which contains the said acrylic monomer unit 30 mol% or more is also included. In addition, said lower alkoxy and said lower alkyl mean normally C1-C5, Preferably C1-C4, More preferably, C1-C3 alkoxy and alkyl are meant.
[0018]
The urethane resin is a synthetic resin having a urethane bond (-NHCOO-), and generally obtained by a polyaddition reaction of a polyisocyanate compound having two or more isocyanate groups and a polyol having two or more active hydrogen groups. Can be used. Examples of the polyol include polyester polyol and / or polyether polyol. The said urethane resin may be used individually by 1 type, and may use 2 or more types together.
[0019]
Examples of the polyester polyol include ethylene glycol, diethylene glycol, triethylene glycol, 1,2-propylene glycol, 1,3-propylene glycol, neopentyl glycol, 1,2-butylene glycol, 1,3-butylene glycol, 1 , 4-butylene glycol, 3-methylpentanediol, hexamethylene glycol, hydrogenated bisphenol A, trimethylolpropane, glycerin and other low molecular weight polyols, succinic acid, glutaric acid, adipic acid, sebacic acid, phthalic acid, isophthalic acid Polyesterification with hydroxyl groups at the ends obtained by reaction with polybasic acids such as acid, terephthalic acid, trimellitic acid, tetrahydrophthalic acid, endomethylenetetrahydrophthalic acid, hexahydrophthalic acid One or more objects and the like.
[0020]
Examples of the polyether polyol include ethylene glycol, diethylene glycol, triethylene glycol, 1,2-propylene glycol, 1,3-propylene glycol, neopentyl glycol, 1,2-butylene glycol, and 1,3-butylene. Polyols such as glycol, 1,4-butylene glycol, 3-methylpentanediol, hexamethylene glycol, bisphenol A, hydrogenated bisphenol A, trimethylolpropane, and glycerin, or their ethylene oxide and / or propylene oxide high adducts, Polyether glycol such as polyethylene glycol, polypropylene glycol, polyethylene / propylene glycol, polycaprolactone polyol, polyolefin polyol , As well as one or more of such polybutadiene polyol.
[0021]
Examples of the polyisocyanate include one or more of linear aliphatic, branched aliphatic, alicyclic, and aromatic polyisocyanates. Specifically, for example, tetramethylene diisocyanate, hexamethylene diisocyanate, lysine diisocyanate ester, hydrogenated xylylene diisocyanate, 1,4-cyclohexylene diisocyanate, 4,4′-dicyclohexylmethane diisocyanate, 2,4′-dicyclohexylmethane diisocyanate. , Isophorone diisocyanate, 3,3′-dimethoxy-4,4′-biphenylene diisocyanate, 1,5-naphthalene diisocyanate, 1,5-tetrahydronaphthalene diisocyanate, 2,4-tolylene diisocyanate, 2,6-tolylene diisocyanate, 4,4'-diphenylmethane diisocyanate, 2,4'-diphenylmethane diisocyanate, phenylene diisocyanate, xylylene diisocyanate And one or more such tetramethylxylylene diisocyanate.
[0022]
The polyester resin is a synthetic resin having an ester bond, and generally a resin obtained by a condensation reaction between a polybasic acid having two or more carboxyl groups and a polyol having two or more hydroxyl groups can be used. The said polyester resin may be used individually by 1 type, and may use 2 or more types together.
Examples of the polybasic acid include succinic acid, glutaric acid, adipic acid, sebacic acid, phthalic acid, isophthalic acid, terephthalic acid, trimellitic acid, tetrahydrophthalic acid, endomethylenetetrahydrophthalic acid, and hexahydrophthalic acid. 1 type (s) or 2 or more types. On the other hand, examples of the polyol include polyester polyols and polyether polyols. More specifically, examples include the polyester polyols and polyether polyols described in detail in the section of the urethane resin.
[0023]
The vinyl acetate resin is a resin obtained by polymerization of vinyl acetate. The vinyl acetate resin also includes a resin in which less than 50% of vinyl acetate units in the polyvinyl acetate resin are hydrolyzed. The vinyl acetate resin is obtained not only by homopolymer of vinyl acetate but also by copolymerization of vinyl acetate and other monomers (for example, olefin such as ethylene), and the vinyl acetate unit is 50 mol% or more. Some copolymers are also included. The said vinyl acetate resin may be used individually by 1 type, and may use 2 or more types together.
The polyvinyl alcohol resin is usually obtained by hydrolyzing polyvinyl acetate. As the polyvinyl alcohol resin, not only a completely hydrolyzed product but also a polyvinyl alcohol resin having a hydrolysis degree of 50% or more can be used. Furthermore, the polyvinyl alcohol resin includes a copolymer containing a vinyl alcohol unit and an ethylene unit, and the polyvinyl alcohol unit is 50 mol% or more. The said polyvinyl alcohol resin may be used individually by 1 type, and may use 2 or more types together.
The polyvinyl pyrrolidone resin is usually obtained by polymerizing N-vinyl-2-pyrrolidone. The said polyvinyl pyrrolidone resin may be used individually by 1 type, and may use 2 or more types together.
[0024]
The polyamide resin is a synthetic resin having an amide bond, and a resin obtained by a condensation reaction of a polybasic acid having two or more carboxyl groups and a polyamine having two or more amino groups can be used. Examples of the polybasic acid include succinic acid, glutaric acid, adipic acid, sebacic acid, phthalic acid, isophthalic acid, terephthalic acid, trimellitic acid, tetrahydrophthalic acid, endomethylenetetrahydrophthalic acid, hexahydrophthalic acid and the like. . On the other hand, polyamines include hydrazine, methylenediamine, ethylenediamine, propylenediamine, butylenediamine, hexanediamine, ethylaminoethylamine, methylaminopropylamine, iminobispropylamine, diethylenetriamine, triethylenetetramine, polyethyleneimine, diaminobenzene, triamino. Examples thereof include benzene, diaminoethylbenzene, triaminoethylbenzene, diaminoethylbenzene, triaminoethylbenzene, polyaminonaphthalene, polyaminoethylnaphthalene, and N-alkyl derivatives and N-acyl derivatives thereof.
The said polyamide resin may be used individually by 1 type, and may use 2 or more types together.
[0025]
Specific examples of the phenol resin include those obtained by reaction of one or more phenols such as phenol, cresol, and xylenol with formaldehyde. The phenol resin may be a novolac resin or a resole resin. When a novolac resin is used as the phenol resin, hexamethylenetetramine or the like needs to coexist as a curing agent. The above-mentioned phenolic resin film is usually cured in a drying process described later. In addition, there is no restriction | limiting in particular about the molecular weight of the said phenol resin.
The said phenol resin may be used individually by 1 type, and may use 2 or more types together.
[0026]
Specific examples of the epoxy resin include bisphenol type epoxy resins and phenol novolac resins obtained by reacting bisphenols, particularly bisphenol A (2,2-bis (4′-hydroxyphenyl) propane) and epichlorohydrin. One or more of a novolak type epoxy resin obtained by glycidyl etherification of a phenolic hydroxyl group, a glycidyl ester of an aromatic carboxylic acid, and a peracid epoxy type obtained by epoxidizing a double bond of an ethylenically unsaturated compound with a peracid Can be mentioned. Furthermore, the thing which added ethylene oxide or propylene oxide to the resin frame | skeleton of the above epoxy resins, the glycidyl ether type of a polyhydric alcohol, etc. can be mentioned. Of these, bisphenol A type epoxy resins are most preferred.
[0027]
The polyfluorinated ethylene resin is an ethylene-based resin containing fluorine in the molecule. Specifically, for example, polytetrafluoroethylene, polychlorotrifluoroethylene, tetrafluoroethylene hexafluoropropylene copolymer, polyfluoroethylene resin is used. And vinylidene chloride and polyvinyl fluoride. The said polyfluorinated ethylene resin may be used individually by 1 type, and may use 2 or more types together.
[0028]
Moreover, as resin which comprises the said resin layer of this invention, 1 type or 2 types or more of each said resin other than resin comprised by 1 type or 2 types or more of each said resin, and other resin The composite resin comprised by may be sufficient. As the composite resin, for example, a resin obtained by mixing one or more of the above-mentioned resins and other resin raw materials, and various resins are grafted, blocked, etc. A composite resin having a structure derived from a plurality of monomers having different substituents can be used.
[0029]
The wax layer constituting the lubricating film for plastic working of the present invention has an effect of improving the slipping property of the film by being melted by heat generated during processing as a lubricating film component.
The structure and type of the wax constituting the wax layer is not particularly limited as long as the softening point is 40 ° C. or higher, preferably 50 ° C. or higher, more preferably 60 ° C. or higher. Natural wax and / or synthetic wax is preferable. Can be used. Specific examples include one or more of paraffin wax, microcrystalline wax, petrolactam wax, Fischer-Tropsch wax, (oxidized) polyethylene, (oxidized) polypropylene, carnauba wax, montan wax, and the like. I can do it. Further, the wax constituting the wax layer of the present invention includes a polyethylene resin and a polypropylene resin.
[0030]
The base material for forming the lubricating film for plastic working of the present invention may be a raw material for plastic working or a metal mold used for plastic working. That is, the lubricating film for plastic working of the present invention can be formed on the surface of a material to be subjected to plastic working and / or on the molding surface of a metal mold used for plastic working. There are no particular limitations on the material of the base material in the lubricating film for plastic working of the present invention and the material of the raw material for plastic working of the present invention. The material of the base material is usually steel, such as iron, carbon steel, and stainless steel, and an iron alloy, but in addition, Inconel, titanium, titanium alloy, aluminum, aluminum alloy, magnesium, magnesium alloy, copper, and copper Non-ferrous metals such as alloys may be used. Also, the shape of the base material is not particularly limited because it is possible to process not only raw materials such as rods and block materials but also shapes (such as gears and shafts) after hot forging.
[0031]
In the lubricating film for plastic working of the present invention, fine particles can be contained in the resin layer and / or the wax layer as necessary in order to further improve the lubricating effect during plastic working. By containing such fine particles, the shear strength and adhesion strength of the resin coating are increased, and the presence of the fine particles at the processing interface suppresses contact between metals and makes the seizure prevention effect more remarkable. In addition, the said microparticles | fine-particles may be used individually by 1 type, and may use 2 or more types together. When the fine particles are contained in both the resin layer and the wax layer, the same kind of fine particles or different kinds of fine particles may be used.
[0032]
Examples of the fine particles include solid lubricants that can be expected to reduce friction when they themselves have lubricity. Specific examples of such solid lubricants include molybdenum disulfide, tungsten disulfide, calcium stearate, mica, graphite, polytetrafluoroethylene (PTFE), other lubricating resins, and complex oxides having an oxygen-deficient perovskite structure ( Sr x Ca 1-x CuO y Etc.). Other carbonates (Na 2 CO 3 , CaCO 3 , MgCO 3 Alkali metal or alkaline earth metal carbonate, etc.), silicate (M x O y SiO 2 [M: alkali metal, alkaline earth metal] etc.), oxide (Al 2 O 3 TiO 2 , NiO, Cr 2 O 3 , CaO, ZnO, SnO, SnO 2 , CdO, PbO, Bi 2 O 3 , Li 2 O, K 2 O, Na 2 O, B 2 O 3 , SiO 2 , MnO 2 , ZrO 2 , Fe 2 O 3 , Fe 3 O 4 , Y 2 O 3 , CeO 2 , Mn 3 O 4 , MgO, CuO, MoO 3 , In 2 O 3 , Nd 2 O 3 , And Ho 2 O 3 And their complex oxides [Al 2 O 3 / MgO etc.)), sulfides (PbS etc.), fluorides (CaF 2 , BaF 2 Etc.), carbide (SiC, TiC), nitride (TiN, BN, AlN, Si) 3 N 4 Etc.), cluster diamond, and fullerene C 60 Or C 60 And C 70 And a fine particle that can be expected to have an anti-seizure action by suppressing direct contact between metals without extremely reducing the friction coefficient.
When the dissociation group contained in the resin in the resin layer is in a free form (for example, a free carboxyl group), avoid using fine particles (for example, a metal compound) reactive with the free group, Alternatively, in anticipation of dissolution of the fine particles due to the reaction with free radicals, the fine particles may be used in excess.
[0033]
There is no limitation in particular about content of the said fine particle, It can be made into various ranges as needed. Preferably, when contained in the resin layer, the total amount is 50% by volume or less, more preferably 1 to 50% by volume with respect to the resin component constituting the resin layer. The total amount of the wax constituting the wax layer is 50% by volume or less, more preferably 1 to 50% by volume. Setting the content of the fine particles in the above range is preferable because the shear strength and adhesion strength of the coating film formed when dried can be improved.
[0034]
Further, the average particle diameter of the fine particles is not particularly limited, and can be set in various ranges as necessary. The average particle diameter of the fine particles is usually 0.005 to 10 μm, preferably 0.005 to 5 μm, more preferably 0.01 to 2 μm. When the fine particles are flaky, the average particle size is the average value of the maximum particle sizes. In addition, some types of fine particles have a wide particle size distribution, but in the present invention, a desired effect can be obtained if 80% of the total fine particles are within the above range by volume. When the average particle diameter of the fine particles is 0.005 μm or more, it is preferable that the particles are prevented from aggregating in the resin, uniform dispersion is facilitated, and the removal treatment of the fine particles is facilitated after use. On the other hand, when the average particle diameter of the fine particles is 10 μm or less, the adhesion strength is improved, and as a result, the effect of preventing seizure by metal-to-metal contact is improved, which is preferable.
[0035]
Fine particles having the above average particle diameter are commercially available, and may be appropriately selected from commercially available products in consideration of dispersibility in the resin and / or wax used together.
Examples of commercially available products (average particle size in parentheses) include “NanoTek” manufactured by C.I. 2 O 3 (33 nm), TiO 2 (30 nm), Fe 2 O 3 (21 nm), ZnO (31 nm), Y 2 O 3 (20 nm), CeO 2 (11 nm), Mn 3 O 4 (38 nm), SiO 2 (12 nm), etc., from Nippon Shokubai "Sea Hoster KE" (amorphous silica) to P10 (70-130 nm), P50 (0.48-0.58 μm), P100 (0.9-1.1 μm), etc. "SEC Fine Powder SGP" (high purity artificial graphite 3μm) manufactured by ESC, SiO manufactured by Nippon Aerosil 2 To “AEROSIL 50” (30 nm), “AEROSIL 200” (12 nm), “AEROSIL 300” (7 nm), Al 2 O 3 To “C” (13 nm), TiO 2 From “T805” and “P25” (both 21 nm), from ultra-fine titanium oxide made by Ishihara Techno to “TTO-55 (B)” (30-50 nm), etc. ”(0.15 μm),“ CALCIES PL10 ”(0.09 μm),“ PLS2301 ”(40 nm),“ EC ”(1.0-2.0 μm) from light calcium carbonate, etc.“ Cluster ”available from Tokyo Progress System From “Teflon” of Mitsui / Dupont Fluorochemicals to “TLP-10F-” such as “Diamond” (5 nm), etc. 1 ”(2 μm), etc., SiC (10 nm) made by Sumitomo Cement, ZrO 2 (30 nm), “Molybdenum disulfide C powder” (1.2 μm) manufactured by Osaka Shipyard, and the like.
[0036]
In addition to the resin and the wax, the resin layer and the wax layer constituting the lubricating film for plastic working of the present invention are added to general plastic working fluids in addition to the resin and the wax. Additives that have been added can be added. Examples of such additives include pH adjusters, viscosity adjusters, preservatives, and antifoaming agents. Further, other extreme pressure additives, oily agents and the like may be used in combination as necessary.
[0037]
The lubricating film for plastic working of the present invention can be suitably used for cold plastic working of metals such as plate rolling, pipe rolling, steel bar (section steel, bar wire, wire rod) rolling, drawing (drawing), forging and the like. Of course, it is not subjected to plastic processing, it is simply used as a rust-proof coating treatment at the time of product shipment, and it is used for surface protection and friction reduction to prevent wrinkles due to contact with rollers and guides when conveying workpieces. You can also. Further, the lubricating film for plastic working of the present invention may be formed on the entire base material, but plasticity that particularly requires lubricity at a specific portion of the contact surface between the plastic working tool and the workpiece. For the purpose of preventing the seizure at the pipe outer shape contact portion of the roll-type roll in pipe rolling, for example, the plastic working of the present invention only for that part in the processing, for example, the roll-passing edge portion in the plate rolling A lubricating coating may be formed.
[0038]
(2) Method for forming lubricating film for plastic working
The method for forming the lubricating film for plastic working of the present invention includes (meth) acrylic acid resin, urethane resin, polyester resin, vinyl acetate resin, polyvinyl alcohol resin, polyvinyl pyrrolidone resin, polyamide resin, phenol resin, epoxy resin, and polyfluoride. A resin-containing liquid containing at least one of ethylene resins is applied to the surface of the base material and dried to form a resin layer. Next, a wax-containing liquid having a softening point of 40 ° C. or higher is applied to the surface of the resin layer and dried to form a wax layer.
As described above, in the conventional chemical conversion film treatment, a lubricant is applied on the formed chemical conversion film, and therefore, including water washing and pickling, many treatment steps are required (FIG. 1A). On the other hand, according to the method for forming a lubricating film for plastic working of the present invention, as shown in FIG. 1 (B), the chemical conversion treatment and the pickling and water washing associated therewith can be omitted. A film can be formed.
[0039]
The resin-containing liquid is one or two of (meth) acrylic acid resin, urethane resin, polyester resin, vinyl acetate resin, polyvinyl alcohol resin, polyvinyl pyrrolidone resin, polyamide resin, phenol resin, epoxy resin, and polyfluorinated ethylene resin. There is no particular limitation on the form as long as it contains seeds or more. For example, it may be a melt of the above resin, or dissolved or dispersed in water, an organic solvent (alcohol, mineral oil, mineral spirit, methyl ethyl ketone, “Freon” (trade name), etc.), or a mixed solvent of water and an organic solvent. It may be a dissolved or dispersed liquid. The resin-containing liquid may be a one-component resin-containing liquid containing all of the resin forming the resin layer, or two or more containing liquids containing a part of the resin forming the resin layer are prepared. In addition, it may be mixed at the time of use.
[0040]
The said wax containing liquid should just contain the above-mentioned wax, and there is no limitation in the form in particular. For example, water dispersion or water emulsion of the above wax may be used, and the above wax is dissolved in an organic solvent (alcohol, mineral oil, mineral spirit, methyl ethyl ketone, “Freon” (trade name), etc.) or a mixed solvent of water and an organic solvent. It may be a dissolved solution, or a melt obtained by melting the wax by heat.
[0041]
When the resin or the wax is suspended or dispersed in a solvent, a surfactant may be used as necessary. By using such a surfactant, the resin or the wax can be uniformly suspended or dispersed. Further, the resin layer formed on the surface of the base material is well adapted to the surface of the base material, and does not peel off from the surface by being easy during processing of the material. Moreover, it has good lubricity and can effectively prevent the material and the mold from being seized. As the surfactant, any of a nonionic surfactant, an anionic surfactant, an amphoteric surfactant and a cationic surfactant can be used. Examples of the nonionic surfactant include polyoxyethylene alkyl ether, polyoxyalkylene (ethylene and / or propylene) alkyl phenyl ether, polyethylene glycol (or ethylene oxide) and higher fatty acids (for example, straight chain having 12 to 18 carbon atoms). And polyoxyethylene sorbitan alkyl esters composed of sorbitan, polyethylene glycol and higher fatty acids (for example, linear or branched fatty acids having 12 to 18 carbon atoms). Etc. Examples of the anionic surfactant include fatty acid salt, sulfate ester salt, sulfonate salt, phosphate ester salt, and dithiophosphate ester salt. Examples of amphoteric surfactants include amino acid type and betaine type carboxylates, sulfate esters, sulfonates, and phosphate ester salts. Examples of the cationic surfactant include aliphatic amine salts and quaternary ammonium salts. The said surfactant may be used individually by 1 type, and may be used in combination of 2 or more type.
[0042]
As described above, when the fine particles are contained in the resin layer and / or the wax layer, the fine particles can be mixed in the resin-containing liquid and / or the wax liquid. The method for mixing the fine particles is not particularly limited as long as a mixture in which the fine particles are uniformly dispersed is obtained. For example, when the fine particles are contained in the resin-containing liquid, the fine particles may be contained during the synthesis of the resin as long as the fine particles have no reactivity with the reaction components used for the synthesis of the resin. Moreover, when mixing with the resin which synthesize | combined the said microparticles | fine-particles, the method of mixing by melt kneading or a solution state, etc. are possible.
In the case of melt kneading, the temperature is not particularly limited, but it is preferably performed at 100 ° C to 350 ° C. Although it depends on the resin to be used, it is preferable to set the temperature to 100 ° C. or higher because the viscosity of the system is suppressed from becoming very high and can be easily kneaded. Further, it is preferable that the kneading temperature is 350 ° C. or lower because deterioration due to heating that may be caused by the resin can be suppressed. On the other hand, the mixing in the solution state is a method of mixing a resin and solid fine particles simultaneously with water or an organic solvent, or a method of mixing solid fine particles with water, an organic solvent or a resin dissolved or dispersed in these mixed solvents. Can be performed.
[0043]
Prior to applying the resin-containing liquid to the surface of the base material, the base material is degreased (usually an alkali degreasing agent can be used), washed with water, or pickled (to remove the oxide scale of the metal material and coat In order to improve the adhesion of the substrate, a pretreatment such as hydrochloric acid can be performed. By performing such pretreatment, the surface of the base material is kept clean, so that the resin-containing liquid spreads uniformly, improves the adhesion between the base material and the lubricating film, and after processing by contamination such as earth and sand It is preferable because good results such as prevention of scratches are obtained. Usually, pretreatment is performed in the order of degreasing, water washing, pickling and water washing, but the order is not particularly limited. For example, in the case of a base material to which no oxide scale is attached, the pickling and rinsing steps may be omitted. The pretreatment may be performed by a conventional method and is not particularly limited.
[0044]
In the method of forming a lubricating film for plastic working of the present invention, the resin-containing liquid is applied to at least one of the base material, i.e., the material surface to be subjected to plastic working and the molding surface of a metal mold used for plastic working, After forming the resin layer by drying, the resin layer and the wax layer are formed by applying the wax-containing liquid to the surface of the resin layer and drying to form the lubricating film for plastic working of the present invention. To do. The method for applying the resin-containing liquid and the wax-containing liquid is not particularly limited, and various methods can be used as necessary. For example, when applying to the surface of a raw material, arbitrary methods, such as immersing a raw material in the said resin containing liquid or the said wax containing liquid, apply | coating with a brush, spray application, or pouring, are employable. Moreover, when apply | coating to the shaping | molding surface of a type | mold, methods, such as apply | coating with a brush, spray application, and pouring, can be employ | adopted. The application of the resin-containing liquid and the wax-containing liquid is not particularly limited as long as the surface of the base material is sufficiently covered with the lubricating film for plastic working.
[0045]
The drying method is not particularly limited as long as the resin layer and the wax layer can be formed. For example, the material or mold coated with the resin-containing liquid and the wax-containing liquid may be left to dry naturally, or may be forced to dry as necessary. In the case of forced drying, an arbitrary method such as a method of irradiating ultraviolet rays, a method of applying hot air, a method of preheating a material or a mold, a method of drying by high-frequency heating can be adopted. Such forced drying is preferably performed at 60 to 150 ° C. for about 10 to 60 minutes. The coating weight of the formed resin layer and the wax layer is 1 g / m from the viewpoint of preventing seizure. 2 The above is preferable, and 30 g / m for each from the viewpoint of cost. 2 It is preferable that: More preferably each 3-20 g / m 2 And more preferably 5 to 15 g / m each. 2 It is.
[0046]
(3) Manufacturing method of plastic processed product and manufacturing method of metal tube or steel bar
The method for producing a plastic processed product according to the present invention is characterized in that the plastic working material according to the present invention is plastically processed. Moreover, the manufacturing method of the metal pipe or steel bar of this invention is characterized by drawing the raw material for plastic working of this invention.
Examples of the plastic working include cold plastic working of metals such as plate rolling, pipe rolling, strip steel (section steel, bar wire, wire rod) rolling, drawing (drawing), and forging. There are no particular limitations on the conditions and methods for plastic working, and there are no particular limitations on the conditions and methods for forming the lubricating film for plastic working. For example, in cold drawing, the resin-containing liquid and the wax-containing liquid are usually immersed in a tank containing the resin-containing liquid and the wax-containing liquid or by using a nozzle. The resin-containing liquid and the wax-containing liquid are applied to the surface of the drawing wire by a general application method such as spraying on the drawing wire. Next, after passing through a dry zone of 60 to 150 ° C. as necessary to form a lubricating film for plastic working having a desired thickness, the film is drawn by a die.
Further, in hydroforming (hydraulic bulge forming), after forming the lubricating film for plastic working of the present invention on the outer surface of the raw material tube, the forming is performed to reduce friction, and the surface of the work piece and the mold surface. Wrinkle prevention can be achieved.
[0047]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be specifically described with reference to examples.
(1) Plastic working material having a lubricating film for plastic working and method for forming the same
Wires having the lubricating film for plastic working of Examples 1 to 12 and Comparative Example 1 were prepared by the following method. In Examples 1 to 12 and Comparative Example 1, a wire made of carbon steel (S45C) having a diameter of 9 mm and a length of 2000 mm was used as a workpiece. The wire was preliminarily roughened by degreasing, pickling, neutralizing, washing with water and drying. Table 1 also shows the thicknesses of the resin layer and the wax layer formed on the surface of the wire in Examples 1 to 12 and the thickness of the lubricating coating formed on the surface of the wire in Comparative Example 1. Here, the thickness of the resin layer and the wax layer, and the thickness of the lubricating coating were calculated from the difference in weight of the wire before and after coating.
[0048]
Example 1
As the resin solution, a resin solution obtained by adding sodium hydroxide to a polymer obtained by copolymerizing acrylic acid, methyl methacrylate, and n-butyl acrylate by emulsion polymerization and solubilizing in water was used. The resin content in the resin solution is 27% by mass, and the weight average molecular weight of the acrylic resin is about 20,000. As the wax, a wax solution obtained by emulsifying paraffin wax having a softening point of 40 ° C. with a surfactant (polyoxyethylene alkyl ether) was used. The wax concentration of the wax solution was 20% by mass.
The acrylic resin solution is applied to the surface of the wire by immersing the wire in a container heated to 40 ° C. and then dried at 80 ° C. for 1 hour. A resin layer was formed. Next, the wax solution was applied by immersing the wire in which the resin layer was formed in a container which was heated to 40 ° C. with the wax solution. After the application, the wire was dried at 60 ° C. for 10 minutes, and a wax layer was formed on the surface of the resin layer to obtain a wire having the lubricating film for plastic working of the present invention.
[0049]
Example 2
As the resin solution, an aqueous solution of a polymer obtained by copolymerizing methacrylic acid, methyl methacrylate, n-butyl acrylate, and styrene by emulsion polymerization was used. The resin content in the resin solution is 25% by mass, and the weight average molecular weight of the polymer is about 400,000. As the wax, a wax solution obtained by emulsifying paraffin wax having a softening point of 40 ° C. with a surfactant (sodium alkylbenzenesulfonate and polyoxyethylene alkyl ether) was used. The wax concentration of the wax solution was 20%.
The resin solution was heated to 40 ° C. and spray-coated while rotating the wire in the axial direction so as to uniformly adhere to the degreased and pickled wire. Then, the resin layer was formed in the said wire rod surface by making it dry at 150 degreeC for 10 minute (s). Next, the wax solution was heated to 40 ° C., and sprayed while rotating the wire in the axial direction so as to be uniformly attached to the wire on which the resin layer was formed. After the application, drying was performed at 60 ° C. for 10 minutes, and a wax layer was formed on the surface of the resin layer, thereby obtaining a wire having the lubricating film for plastic working of the present invention.
[0050]
Example 3
As a resin solution, urethane resin dispersion (resin content: 25% by mass) manufactured by Asahi Denka Kogyo Co., Ltd. was used. As the wax, a wax solution (wax concentration 20% by mass) obtained by emulsifying polyethylene oxide having a softening point of 136 ° C. with a surfactant (polyoxyethylene alkyl ether) was used.
During the application in which the resin dispersion is formed on the surface of the wire by spray-coating the resin dispersion at room temperature on the wire heated to 100 ° C. after degreasing, the wire rotates in the axial direction as in the previous embodiment. I let you. In this example, since the heated wire was spray-coated, the coating was instantly dried and no further drying step was required.
Next, the wax solution was applied to the surface of the resin layer by immersing the wire having the resin layer formed in a container heated to 40 ° C. with the wax solution. After coating, the wire layer was air-dried at room temperature for 1 hour to form a wax layer on the surface of the resin layer, thereby obtaining a wire having the lubricating film for plastic working of the present invention.
[0051]
Example 4
As the resin solution, a resin melt obtained by melting polyethylene terephthalate, which is one type of polyester resin, at 300 ° C. in a nitrogen atmosphere was used. As the wax, a melt obtained by melting a high-density polyethylene resin manufactured by Asahi Kasei Corporation at 250 ° C. in a nitrogen atmosphere was used.
The resin melt was applied to the surface of the wire by immersing the degreased and pickled wire in the resin melt. Then, the resin layer was formed in the said wire rod surface by air-drying for 30 minutes at normal temperature. Subsequently, the said melt was apply | coated to the said resin layer surface by immersing the said wire in which the said resin layer was formed in the said melt.
After coating, the wire layer was air-dried at room temperature for 30 minutes to form a wax layer on the surface of the resin layer, thereby obtaining a wire having the lubricating film for plastic working of the present invention.
[0052]
Example 5
As the resin solution, a resin solution (nonvolatile content: 20%) obtained by polymerizing vinyl acetate by emulsion polymerization using polyvinyl alcohol as a protective colloid was used. As the wax, a wax solution (wax concentration 20% by mass) obtained by emulsifying an oxidized polypropylene wax having a softening point of 140 ° C. with a surfactant (polyoxyethylene alkyl ether) was used.
The resin solution was applied to the surface of the degreased and pickled wire with a brush, and then dried at 150 ° C. for 60 minutes to form a resin layer on the surface of the wire. Next, the molten solution was applied to the surface of the resin layer by immersing the wire in which the resin layer was formed in a container heated to 40 ° C. with the wax solution. After coating, the wire layer was air-dried at room temperature for 1 hour to form a wax layer on the surface of the resin layer, thereby obtaining a wire having the lubricating film for plastic working of the present invention.
[0053]
Example 6
As the resin solution, a resin solution containing a polymer obtained by copolymerizing ethylene and vinyl acetate (manufactured by Sumitomo Chemical Co., Ltd., nonvolatile content: 50%) was used. Moreover, the paraffin wax lump whose softening point is 40 degreeC was used as wax.
The resin solution is applied to the surface of the wire by immersing the degreased wire in a container containing the resin solution at room temperature, and then air-dried at room temperature for 1 hour to form a resin layer on the surface of the wire. Formed. Next, the paraffin wax mass is heated to 100 ° C. to form a liquid, and is applied uniformly to the wire on which the resin layer is formed with a brush, and after application, air-dried at room temperature for 30 minutes, and the resin layer By forming a wax layer on the surface, a wire having the lubricating film for plastic working of the present invention was obtained.
[0054]
Example 7
A completely saponified aqueous solution of polyvinyl alcohol (manufactured by Kuraray Co., Ltd.) was used as the resin solution. As the wax, an aqueous wax solution (wax concentration 20%) obtained by emulsifying paraffin wax having a softening point of 40 ° C. with a surfactant (polyoxyethylene alkyl ether) was used.
The resin solution was applied to the surface of the degreased and pickled wire with a brush, and then dried at 150 ° C. for 60 minutes to form a resin layer on the surface of the wire. Next, the wax aqueous solution is applied by immersing the wire having the resin layer formed in a container in which the wax aqueous solution is heated to 40 ° C., and after application, the wax aqueous solution is dried at 150 ° C. for 60 minutes. By forming a wax layer on the surface of the resin layer, a wire having the lubricating film for plastic working of the present invention was obtained.
[0055]
Example 8
As the resin solution, a melt obtained by melting nylon 6 which is a kind of polyamide resin at 250 ° C. in a nitrogen atmosphere was used. As the wax, an aqueous wax solution (wax concentration of 20% by mass) obtained by emulsifying polyethylene oxide having a softening point of 136 ° C. with a surfactant (polyoxyethylene alkyl ether) was used.
The resin solution was applied by immersing the degreased and pickled wire in the resin solution, and then air-dried at room temperature for 30 minutes to form a resin layer on the surface of the wire. The wire was rotated in the axial direction during spraying so that the resin solution could be applied uniformly. Next, the wax aqueous solution is applied by immersing the wire in which the resin layer is formed in a container that is heated to 40 ° C. with the wax aqueous solution, and is air-dried at room temperature for 1 hour after application. By forming a wax layer on the surface of the resin layer, a wire having the lubricating film for plastic working of the present invention was obtained.
[0056]
Example 9
As the resin solution, a resin solution obtained by amination of a phenol novolac resin and making it water-soluble was used. As the wax, a melt obtained by melting a high-density polyethylene resin manufactured by Asahi Kasei Corporation at 250 ° C. in a nitrogen atmosphere was used.
The resin solution is heated to 40 ° C., and poured onto the degreased and pickled wire from above, so that the resin solution is applied and thoroughly drained, and then dried in a constant temperature bath at 60 ° C. for 30 minutes. Thus, a resin layer was formed on the surface of the wire. Next, by immersing the wire having the resin layer formed in the melt, the melt is applied, and then air-dried at room temperature for 30 minutes to form a wax layer on the surface of the resin layer. Thus, a wire having the lubricating film for plastic working of the present invention was obtained.
[0057]
Example 10
As the resin solution, a resin solution in which a solid bisphenol A type epoxy resin was dissolved in xylene was used. Moreover, the paraffin wax lump whose softening point is 40 degreeC was used as wax.
The resin solution was applied to the degreased and pickled wire with a brush so as to be uniform, and then dried at 150 ° C. for 60 minutes to form a resin layer on the surface of the wire. Next, the paraffin wax mass is heated to 80 ° C. to form a liquid, and is applied by pouring from above the wire on which the resin layer is formed. After sufficiently draining, it is dried at 60 ° C. for 30 minutes. By forming a wax layer on the surface of the resin layer, a wire having the lubricating film for plastic working of the present invention was obtained.
[0058]
Example 11
As the resin solution, a polyvinylpyrrolidone aqueous solution (resin content: 30%) manufactured by BASF was used. Moreover, the paraffin wax lump whose softening point is 40 degreeC was used as wax.
The resin solution was applied so as to be uniform with a brush so that air bubbles would not enter the degreased and pickled wire, and then dried at 150 ° C. for 60 minutes to form a resin layer on the surface of the wire. Next, the paraffin wax mass is heated to 80 ° C. to form a liquid, and is applied by pouring from above the wire on which the resin layer is formed. After sufficiently draining, it is dried at 60 ° C. for 30 minutes. By forming a wax layer on the surface of the resin layer, a wire having the lubricating film for plastic working of the present invention was obtained.
[0059]
Example 12
As the resin solution, 3 parts of the resin of Example 1 and 1 part of a polyfluorinated ethylene resin suspension (resin content 53 mass%) manufactured by Sumitomo 3M Limited were used. As the wax, a melt obtained by melting a high-density polyethylene resin manufactured by Asahi Kasei Corporation at 250 ° C. in a nitrogen atmosphere was used. Here, since polyfluorinated ethylene is in the form of fine particles, a further effect of preventing seizure can be expected.
The wire solution was spray-coated while rotating in the axial direction so that the resin solution was uniformly attached to the degreased and pickled wire material at room temperature. Then, the resin layer was formed in the said wire rod surface by making it dry at 150 degreeC for 10 minute (s). Next, the melt is applied by pouring from above onto the wire on which the resin layer is formed, and after sufficiently draining, it is dried at 60 ° C. for 30 minutes to form a wax layer on the surface of the resin layer By doing this, the wire which has the lubricating film for plastic working of this invention was obtained.
[0060]
Comparative Example 1
To 100 parts of the resin solution of Example 1, 6.75 parts of the wax solution of Example 1 was added to prepare a well-mixed solution. The solution was applied by immersing the wire used in Examples 1-12, which had been degreased and pickled, in a container heated to 40 ° C. After coating, the wire having a one-layer type lubricating film for plastic working containing both a resin component and a wax component was obtained by drying at 60 ° C. for 10 minutes.
[0061]
Comparative Example 2
Using a general cold-drawn oil (main components are 15% by weight of fatty acid and 70% by weight of sulfurized fat / oil), degreased and pickled uniformly with the same wire as the wire used in Examples 1-12 above. In addition, the cold drawing was performed by supplying the cold drawing oil to the surface of the wire just before the cold drawing.
[0062]
(2) Performance evaluation
The performance evaluation of the examples and comparative examples was performed by cold drawing of the wire using a small drawing machine. Draw with a die. The diameter of the die is 7 mm, and the area reduction after processing is 30.6%. And the performance evaluation was performed by observing the wire surface after drawing visually, and investigating the presence or absence of seizure. The results are shown in Table 1 below. In Table 1, “◯” represents that seizure was desired to be recognized, and “x” represents that seizure occurred.
[0063]
[Table 1]
[0064]
(3) Effects of the embodiment
As a result of investigating the state of the surface of the wire after processing, it was confirmed that in Examples 1 to 12 in which the lubricating film for plastic processing of the present invention was formed, the drawing could be performed without generating surface defects such as seizure.
On the other hand, in Comparative Example 2 using a conventional cold drawing oil, streaky seizure flaws occurred on the surface of the wire. Further, even in Comparative Example 1 in which a one-layer type lubricating film for plastic working containing both a resin component and a wax component was formed, streak-like seizure was generated on the surface of the wire.
[0065]
In addition, in this invention, it can restrict to what is shown to the said specific Example, It can be set as the Example variously changed within the range of this invention according to the objective and the use.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an explanatory view (A) of a plastic working step and a conventional chemical conversion coating treatment step, and an explanatory view (B) of a step of a method for forming a lubricating coating for plastic working of the present invention.
Claims (6)
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