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JP2005059574A - 三次元形状造形物の製造方法 - Google Patents

三次元形状造形物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】過剰焼結による問題を少なくする。
【解決手段】無機質あるいは有機質の粉末材料の層10の所定箇所に光ビームLを照射焼結させて焼結層11を形成し、この焼結層の上に粉末材料の新たな層を被覆して所定箇所に光ビームを照射して該当個所の粉末を焼結させることで下層の焼結層と一体になった新たな焼結層を形成することを繰り返すとともに、焼結層の形成後にそれまでに作成した造形物の表面部及びまたは不要部分の除去を行う除去工程を複数回の焼結層の作成工程中に挿入して所要の三次元形状造形物の造形を行う。除去工程の挿入で区切られる造形サイクル毎に夫々形成される複数の焼結層Bうちの上層側の焼結層をその水平断面積を下層側の焼結層の水平断面積よりも大として外側に張り出させる。張り出し部分が過剰焼結部の垂れ下がりを防ぐ。もしくは張り出した部分の下側の凹部に過剰焼結部を流れ込ませる。
【選択図】図1

Description

本発明は粉末材料を光ビームで焼結硬化させることで三次元形状造形物を製造する三次元形状造形物の製造方法に関するものである。
光造形法として知られている三次元形状造形物の製造方法がある。特許第2620353号(特許文献1)などに示された該製造方法は、無機質あるいは有機質の粉末材料の層の所定箇所に光ビームを照射して該当個所の粉末を焼結(融着)することで焼結層を形成し、この焼結層の上に粉末材料の新たな層を被覆して該粉末層の所定箇所に光ビームを照射して該当個所の粉末を焼結することで下層の焼結層と一体になった新たな焼結層を形成するということを繰り返すことで、複数の焼結層が積層一体化された粉末焼結部品(三次元形状造形物)を作成するものであり、三次元形状造形物の設計データ(CADデータ)であるモデルを所望の層厚みにスライスして生成する各層の断面形状データをもとに光ビームを照射することから、いわゆるCAM装置が無くとも任意形状の三次元形状造形物を製造することができるほか、切削加工などによる製造方法に比して、迅速に所望の形状の造形物を得ることができる。
ところで、光ビームを照射して焼結硬化させた部分の周囲には伝達された熱が原因となって不要な粉末が付着するものであり、該付着粉末は密度の低い表面層を造形物に形成してしまう。この密度の低い表面層を除去して滑らかな表面の三次元形状造形物を得るために、本出願人は特願2000−306546において、焼結層の形成後にそれまでに作成した造形物の表面部及びまたは不要部分の除去を行う工程を複数回の焼結層の作成工程中に挿入することを提案した。この場合、焼結層の作成と造形物の表面部及びまたは不要部分の除去を繰り返し行うことで、ドリル長などの制約を受けることなく表面を仕上げることができる。
ここにおいて、上記除去工程を挿入することを前提とした場合、各焼結層はその大きさ(水平断面積)を本来の値より大きくしておき、除去時に本来の寸法となるようにすることで、滑らかで且つ硬度の高い表面を確実に得ることができるものとなるが、次のような問題が新たに生ずるものとなった。
すなわち、図16に示すように、除去工程の挿入で区切られる造形サイクル毎に夫々形成されるn層の焼結層からなる焼結層ブロックBに対して、切削工具4等を用いて表面部及びまたは不要部分の除去を行い、次いでn層の焼結層ブロックB+1を形成する時、下層の切削除去済みの焼結層ブロックBの外壁面に周囲の余分な粉末が過剰焼結して、つららの様に付着する。そして、この過剰焼結部17はその上の焼結層ブロックB+1に対する切削工具4等を用いた除去工程では除去されずに残ってしまうために、出来上がった三次元形状の造形物の外面には過剰焼結部17による凸凹が生じてしまう。
もちろん、上記除去工程に際して下層の焼結層ブロックBの上部外周に生じている過剰焼結部17も除去してしまうことで対処することができるが、この場合、除去加工範囲が多くなり、除去工程に要する時間が増加してしまうとともに、各焼結層ブロック毎に時間の増加が生じることから、全体としてはかなりの時間増となってしまう。
特許第2620353号公報
本発明は上記の点に鑑みなされたものであって、その目的とするところは過剰焼結による問題を少なくすることができる三次元形状造形物の製造方法を提供するにある。
しかして請求項1の発明は、無機質あるいは有機質の粉末材料の層の所定箇所に光ビームを照射して該当個所の粉末を焼結させて焼結層を形成し、この焼結層の上に粉末材料の新たな層を被覆して所定箇所に光ビームを照射して該当個所の粉末を焼結させることで下層の焼結層と一体になった新たな焼結層を形成することを繰り返すとともに、焼結層の形成後にそれまでに作成した造形物の表面部及びまたは不要部分の除去を行う除去工程を複数回の焼結層の作成工程中に挿入して所要の三次元形状造形物の造形を行うにあたり、除去工程の挿入で区切られる造形サイクル毎に夫々形成される複数の焼結層のうちの上層側の焼結層を、その水平断面積を下層側の焼結層の水平断面積よりも大として外側に張り出させていることに特徴を有している。焼結層ブロックにおける外側に張り出させた上部もしくは上層側の張り出しによって形成される下層外周の凹部で過剰焼結部の垂れ下がりを防ぐようにしたものである。
また請求項2の発明は、無機質あるいは有機質の粉末材料の層の所定箇所に光ビームを照射して該当個所の粉末を焼結させて焼結層を形成し、この焼結層の上に粉末材料の新たな層を被覆して所定箇所に光ビームを照射して該当個所の粉末を焼結させることで下層の焼結層と一体になった新たな焼結層を形成することを繰り返すとともに、焼結層の形成後にそれまでに作成した造形物の表面部及びまたは不要部分の除去を行う工程を複数回の焼結層の作成工程中に挿入して所要の三次元形状造形物の造形を行うにあたり、除去工程の挿入で区切られる造形サイクル毎に夫々形成される複数の焼結層のうちの最上層の焼結層上に除去工程をはさんで次に形成される粉末層に対し、焼結させるべき部分の輪郭をなぞる光ビーム走査を行って熱伝導用の仮焼結部を形成し、この後、上記粉末層の焼結させるべき部分への光ビーム照射を行って焼結層の形成を行うことに特徴を有している。すでに焼結した部分への熱伝導を良くする仮焼結部を輪郭に形成した後に焼結を行うことにより、過剰焼結部が大きくなって垂れ下がりが生じないようにしたものである。
また請求項3の発明は、無機質あるいは有機質の粉末材料の層の所定箇所に光ビームを照射して該当個所の粉末を焼結させて焼結層を形成し、この焼結層の上に粉末材料の新たな層を被覆して所定箇所に光ビームを照射して該当個所の粉末を焼結させることで下層の焼結層と一体になった新たな焼結層を形成することを繰り返すとともに、焼結層の形成後にそれまでに作成した造形物の表面部及びまたは不要部分の除去を行う工程を複数回の焼結層の作成工程中に挿入して所要の三次元形状造形物の造形を行うにあたり、除去工程の挿入で区切られる造形サイクル毎に夫々形成される複数の焼結層のうちの最上層の焼結層上に除去工程をはさんで造形物の断面積より面積が大である薄板を載置するとともに該薄板をそれまでに焼結した部分に固着し、この後、次の造形サイクルに移行することに特徴を有している。薄板が過剰焼結部の垂れ下がりを防ぐようにしたものである。
さらに請求項4の発明は、無機質あるいは有機質の粉末材料の層の所定箇所に光ビームを照射して該当個所の粉末を焼結させて焼結層を形成し、この焼結層の上に粉末材料の新たな層を被覆して所定箇所に光ビームを照射して該当個所の粉末を焼結させることで下層の焼結層と一体になった新たな焼結層を形成することを繰り返すとともに、焼結層の形成後にそれまでに作成した造形物の表面部及びまたは不要部分の除去を行う工程を複数回の焼結層の作成工程中に挿入して所要の三次元形状造形物の造形を行うにあたり、除去工程の直後に造形物表面部に粉末の付着を防ぐ表面処理を行うことに特徴を有している。付着した粉末による過剰焼結部の増大化を防ぐようにしたものである。
また請求項5の発明は、請求項4の発明において、除去工程の直後に該除去工程に際して造形物の外面と粉末層との間に生じた隙間に造形物に付着しにくい材料を充填することに特徴を有している。充填した材料で垂れ下がった過剰焼結部が生じないようにしたものである。
また請求項6の発明は、請求項4の発明において、除去工程の直後に造形物周囲を被覆するマスク板を配置することに特徴を有している。マスク板で垂れ下がった過剰焼結部の発生を防いだものである。
本発明においては、焼結層ブロックの上層に形成した外側に張り出させた部分もしくは上層側の張り出しによって形成される下層外周の凹部や、焼結層ブロック上の粉末層に先ず形成した仮焼結部や、焼結層ブロック上に配した薄板や、造形物の外面と粉末層との間に生じた隙間に充填した造形物に付着しにくい材料、あるいは造形物周囲を被覆するマスク板が過剰焼結部の垂れ下がりを防ぐものであり、過剰焼結部の除去のための加工を深くまで行わなくともよいために除去工程に要する時間を短くすることができる。
図14は光造形による三次元形状造形物の製造装置を示しており、造形用のステージ上、つまり造形タンク25で外周が囲まれた空間内を上下に昇降する昇降テーブル20上に供給した無機質あるいは有機質の粉末材料をスキージング用ブレード21でならすことで所定厚みΔt1の粉末層10を形成する粉末層形成手段2と、レーザー発振器30から出力されたレーザーをガルバノミラー31等のスキャン光学系を介して上記粉末層10に照射することで粉末を焼結して焼結層11を形成する焼結層形成手段3を備えるとともに、上記粉末層形成手段2のベース部にXY駆動機構40を介してミーリングヘッド41を設けた切削除去手段4を備えている。
このものにおける三次元形状造形物の製造は、図15を参照して説明すると、昇降テーブル20上面の造形用ベース22表面に粉末材料を供給してブレード21でならすことで第1層目の粉末層10を形成し、この粉末層10の硬化させたい箇所に光ビーム(レーザー)Lを照射して粉末を焼結させてベース22と一体化した焼結層11を形成する。
この後、昇降テーブル20を少し下げて再度粉末材料を供給してブレード21でならすことで第2層目の粉末層10を形成し、この粉末層10の硬化させたい箇所に光ビーム(レーザー)Lを照射して粉末を焼結させて下層の焼結層11と一体化した焼結層11を形成するものであり、昇降テーブル20を下降させて新たな粉末層10を形成し、光ビームを照射して所要箇所を焼結層11とする工程を繰り返すことで、目的とする三次元形状造形物を製造する。
光ビームの照射経路は、予め三次元CADモデルのデータから作成しておく。すなわち、従来のものと同様に、三次元CADモデルから生成したSTLデータを等ピッチ(たとえば0.05mm)でスライスした各断面の輪郭形状データを用いる。この時、三次元形状造形物の少なくとも最表面が高密度(気孔率5%以下)となるように焼結させることができるように光ビームの照射を行うのが好ましい。
そして、上記粉末層10を形成しては光ビームを照射して焼結層11を形成するということを繰り返していくのであるが、焼結層11の全厚みがたとえば切削除去手段4におけるミーリングヘッド41の工具長さなどから求めた所要の値になれば、いったん切削除去手段4を作動させてそれまでに造形した造形物の表面部(側面を含む)を切削する。たとえば、ミーリングヘッド41の工具(ボールエンドミル)が直径1mm、有効刃長3mmで深さ3mmの切削加工が可能であり、粉末層10の厚みΔt1が0.05mmであるならば、たとえば50層の焼結層11を形成した時点で、切削除去手段4を作動させる。
切削除去手段4による切削加工により、造形物の表面に付着した粉末による低密度表面層を除去するものであり、この時、高密度部まで削り込むことによって造形物表面に高密度部を全面的に露出させるようにしてもよく、この場合は所望の形状よりも焼結層11が少し大きくなるようにしておく。切削除去手段4による切削加工経路は、光ビームの照射経路と同様に予め三次元CADデータから作成する。そして上記切削除去手段4による切削除去を行った後は、再度粉末層10の形成並びに焼結層11の形成を繰り返す。
ここにおいて、本発明においては、上記切削除去手段4による切削除去工程の挿入で区切られる造形サイクル毎に夫々形成される複数の焼結層11からなる焼結層ブロックBを、下層より上層側の方の水平断面積が大で上層側が外側に張り出したものとなるように、各焼結層11での焼結させるエリアを決定している。たとえば図1に示すように上層側ほど漸次大きくなるようにしたり、図2に示すように段を介して大きくなるようにしたりしている。もっとも、図1及び図2は、焼結させるエリアを示しているだけであり、実際には前述のように外周側に過剰焼結部が付随して生じるために、焼結で得た造形物は図示のような形状のものとはならない。
なお、このような形状に焼結するにあたっては、光ビームLのスポットのうち、図4(c)に示すように、70〜80%以上の焼結密度ρを得ることができるエネルギー密度Eの範囲をスポット径2Lrとする時、光ビームLのスキャン範囲について各焼結層ブロックBの下端側は、図4(a)に示すように、上記三次元CADモデルM(図3参照)の寸法から光ビームLのスポット径の半径Lr分だけ内側にオフセットした状態で走査を行い、上端側は図4(b)に示すように、三次元CADモデルMの寸法から光ビームLのスポット径の半径Lr分だけ外側にオフセットした状態で走査することで、張り出し部分fを形成することができる。そしてこのように水平断面積が大で外側に張り出している上層部は、この上に形成される焼結層ブロックBからの過剰焼結部の垂れ下がりを防ぐことになる。
なお、水平断面積が大で外側に張り出している上部は、次の焼結層ブロックBの焼結形成が終了した時点で、次の焼結層ブロックBの上部の水平断面積が大で張り出した部分を残した状態で過剰焼結部とともに切削除去すればよい。従って、図1及び図2では全焼結層ブロックBの上部が水平断面積大で外側に張り出したものとなっているが、上記の切削除去の手順を踏む場合、最終的には張り出した部分は全て切削除去されてなくなっているものとなる。また、これら図1,図2では前述のように焼結時に生ずる過剰焼結部を示していない。
ところで、張り出した部分は後に切削除去する必要であるが、この張り出した部分は焼結層ブロックBの上層部だけであり、張り出した部分が無くて過剰焼結部の垂れ下がりが焼結層ブロックBの全体にわたる場合と比較して、切削除去の手間は少なくなる。
上記のような張り出し部分の形成は、得ようとする造形物の側面に対して常に行うのではなく、その傾斜角度に応じて行うことが好ましい。図5に示すように、傾斜角度θが所要の角度(たとえば85°)より大である側面(図中のイ、ロ、ハ面)にのみ、張り出し部分の形成を行うこととし、傾斜角度θが上記角度より小さい斜面となっている側面(図中のニ面)に対しては、張り出し部分を形成することなく焼結する。この場合の角度θの判定は、得ようとする造形物のある高さでの水平断面A1と、そこから所定の高さでの水平断面A2とを重ねて、両者の辺間の寸法Pを演算し、この寸法が所定値より小さいか否かで行うようにしてもよい。
焼結時に十分な光エネルギーを送ることで過剰焼結部の密度を三次元造形物に求める表面密度とすることができる場合には、図6に示すように、各焼結層ブロックBにおける下層側の焼結対象エリアを三次元CADモデルMの範囲より狭めて、各焼結層ブロックBにおける上層側が相対的に外に張り出すようにしてもよい。つまり、焼結層ブロックB内の複数の焼結層11を漸次形成していく時、本来の焼結エリアを取り巻くように発生してしまうとともに焼結層11を積み重ねるに連れて成長していく過剰焼結部17が、焼結層11の下層部外周の凹となっている部分を埋めてしまうようにするのである。
この場合、過剰焼結部17は上記凹となっている部分に大半が形成され、一部が三次元CADモデルMの範囲よりはみ出すだけとなる上に、下層側の既に切削除去がなされた焼結層ブロックBの外周に垂れ下がることは殆どなく、このために切削除去の手間を大きく削減することができる。
図7に他例を示す。ここでは切削除去工程の挿入で区切られる造形サイクル毎に夫々形成される焼結層ブロックBに対する切削除去がなされた後の次の粉末層10の所要箇所を焼結するにあたり、まず焼結させるべき部分の外周縁や内周縁といった輪郭線に沿って光ビームL’を走査して、輪郭線に沿ったごく小さな過剰焼結部である仮焼結部18を形成する。次いで、仮焼結部18で囲まれた焼結させるべきエリアに光ビームLを照射して焼結させることで焼結層11を形成する。ここで、仮焼結部18を形成するための光ビームL’は、通常焼結用の光ビームLよりもエネルギーを小さくしたり高速で走査したりすることで、焼結度合いは小さくしておく。
輪郭に沿って形成した仮焼結部18(ごく小さな過剰焼結部17)は、焼結のための光ビームLの照射に際し、光ビームLからの熱Hをすでに形成してある焼結層ブロックBに逃がすために、過剰焼結部17が大きく成長して下層の焼結層ブロックBの外面に垂れ下がることを防ぐ。
図8及び図9に他の実施形態の一例を示す。ここでは焼結層ブロックBに対する切削除去手段4による切削除去工程の後に、鉄板である薄板7を載置して焼結層ブロックBと上記切削除去工程の際に工具の通過跡として生じた外周の溝19とを薄板7で覆い、次いで上記切削除去のための工具を利用して薄板7とその下方に位置する焼結層ブロックBとに孔70を明け、この孔70に粉末材料を充填してこれに光ビームLを照射することで焼結させて薄板7と焼結層ブロックBとを固着させる。
この後、次の造形サイクルに移行して粉末層10の形成とその所要箇所の焼結による焼結層11との形成を行う。この時、薄板7が上記溝19を覆っているために、過剰焼結部が垂れ下がってしまうことはない。そして、次の切削除去手段4による切削除去工程に際しては上記薄板7の不要箇所も切削除去する。
このほか、図10に示すように、焼結層ブロックBに対する切削除去手段4による切削除去の際に工具の通過跡として生じた外周の溝19に、粉末の付着を防ぐ表面処理を行うようにしてもよい。この表面処理としては、例えば空気または酸素Aを吹き付けながら光ビームLaを照射して焼結層ブロックBの上部壁面に酸化膜を形成する。このような表面処理によって粉末が付着しにくくなっていると、付着している粉末による過剰焼結部17の増大化が無いために過剰焼結部17が小さくなるものであり、また既に形成されている焼結層ブロックBに対し、過剰焼結部17が剥離しやすいものとなるために、次の切削除去工程時に過剰焼結部17も除去されてしまうものである。
また、図11に示すように、切削除去の際に工具の通過跡として生じた溝19に焼結層ブロックB(焼結層11)と接着しにくい材料C、たとえばセラミック粉末を充填し、この後、次の焼結層11の形成を行うようにしてもよい。過剰焼結部17が生じて垂れ下がろうとしても材料Cがこれを防ぐために、下層の焼結層ブロック11の外周に過剰焼結部17が生じることはない。
上記材料Cは図12に示すように、XY駆動機構(切削除去手段4におけるXY駆動機構40を利用することができる)に取り付けたディスペンサ8で溝19への充填を行うことができる。
また図13に示すように、切削除去手段4による切削除去を行った直後に、それまでに形成した造形物(焼結層ブロックB)の平面形状と同じ形の開口部を備えたマスク板Mを被せ、この状態で次の粉末層10の形成並びに焼結層11の形成を行うようにしてもよい。マスク板Mが過剰焼結部17が垂れ下がってしまうことを防ぐ。
なお、無機質の粉末材料としては、特開2001−152204号公報に示されている鉄系粉末を好適に用いることができ、有機質の粉末材料としては、ナイロン、ABS等を主成分とした熱可塑性樹脂を好適に用いることができる。
本発明の実施の形態の一例を示すもので、(a)は斜視図、(b)は断面図である。 他例を示すもので、(a)は斜視図、(b)は断面図である。 三次元CADモデルの斜視図である。 (a)(b)はオフセットに関する説明図、(c)はエネルギー密度とスポット径の説明図である。 (a)は造形物の斜視図、(b)は同上の説明図である。 他の実施の形態の一例の断面図である。 他の実施の形態の一例を示しており、(a)は仮焼結時の断面図、(b)は本焼結時の断面図である。 別の実施の形態の一例の動作説明図である。 同上の動作説明図である。 更に別の実施の形態の一例の断面図である。 他の更に別の実施の形態の一例の断面図である。 (a)は同上の斜視図、(b)は同上の断面図である。 (a)(b)は異なる実施の形態の一例の斜視図である。 三次元形状造形物の製造装置の全体構成を示す斜視図である。 同上の基本動作の説明図である。 従来例の問題点の説明図である。
符号の説明
B 焼結層ブロック
10 粉末層
11 焼結層

Claims (6)

  1. 無機質あるいは有機質の粉末材料の層の所定箇所に光ビームを照射して該当個所の粉末を焼結させて焼結層を形成し、この焼結層の上に粉末材料の新たな層を被覆して所定箇所に光ビームを照射して該当個所の粉末を焼結させることで下層の焼結層と一体になった新たな焼結層を形成することを繰り返すとともに、焼結層の形成後にそれまでに作成した造形物の表面部及びまたは不要部分の除去を行う除去工程を複数回の焼結層の作成工程中に挿入して所要の三次元形状造形物の造形を行うにあたり、除去工程の挿入で区切られる造形サイクル毎に夫々形成される複数の焼結層のうちの上層側の焼結層を、その水平断面積を下層側の焼結層の水平断面積よりも大として外側に張り出させていることを特徴とする三次元形状造形物の製造方法。
  2. 無機質あるいは有機質の粉末材料の層の所定箇所に光ビームを照射して該当個所の粉末を焼結させて焼結層を形成し、この焼結層の上に粉末材料の新たな層を被覆して所定箇所に光ビームを照射して該当個所の粉末を焼結させることで下層の焼結層と一体になった新たな焼結層を形成することを繰り返すとともに、焼結層の形成後にそれまでに作成した造形物の表面部及びまたは不要部分の除去を行う工程を複数回の焼結層の作成工程中に挿入して所要の三次元形状造形物の造形を行うにあたり、除去工程の挿入で区切られる造形サイクル毎に夫々形成される複数の焼結層のうちの最上層の焼結層上に除去工程をはさんで次に形成される粉末層に対し、焼結させるべき部分の輪郭をなぞる光ビーム走査を行って熱伝導用の仮焼結部を形成し、この後、上記粉末層の焼結させるべき部分への光ビーム照射を行って焼結層の形成を行うことを特徴とする三次元形状造形物の製造方法。
  3. 無機質あるいは有機質の粉末材料の層の所定箇所に光ビームを照射して該当個所の粉末を焼結させて焼結層を形成し、この焼結層の上に粉末材料の新たな層を被覆して所定箇所に光ビームを照射して該当個所の粉末を焼結させることで下層の焼結層と一体になった新たな焼結層を形成することを繰り返すとともに、焼結層の形成後にそれまでに作成した造形物の表面部及びまたは不要部分の除去を行う工程を複数回の焼結層の作成工程中に挿入して所要の三次元形状造形物の造形を行うにあたり、除去工程の挿入で区切られる造形サイクル毎に夫々形成される複数の焼結層のうちの最上層の焼結層上に除去工程をはさんで造形物の断面積より面積が大である薄板を載置するとともに該薄板をそれまでに焼結した部分に固着し、この後、次の造形サイクルに移行することを特徴とする三次元形状造形物の製造方法。
  4. 無機質あるいは有機質の粉末材料の層の所定箇所に光ビームを照射して該当個所の粉末を焼結させて焼結層を形成し、この焼結層の上に粉末材料の新たな層を被覆して所定箇所に光ビームを照射して該当個所の粉末を焼結させることで下層の焼結層と一体になった新たな焼結層を形成することを繰り返すとともに、焼結層の形成後にそれまでに作成した造形物の表面部及びまたは不要部分の除去を行う工程を複数回の焼結層の作成工程中に挿入して所要の三次元形状造形物の造形を行うにあたり、除去工程の直後に造形物表面部に粉末の付着を防ぐ表面処理を行うことを特徴とする三次元形状造形物の製造方法。
  5. 除去工程の直後に該除去工程に際して造形物の外面と粉末層との間に生じた隙間に造形物に付着しにくい材料を充填することを特徴とする請求項4記載の三次元形状造形物の製造方法。
  6. 除去工程の直後に造形物周囲を被覆するマスク板を配置することを特徴とする請求項4記載の三次元形状造形物の製造方法。
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