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JP2005055755A - 偏心光学系の保持構造、偏心光学系、及びそれを用いた光学装置 - Google Patents

偏心光学系の保持構造、偏心光学系、及びそれを用いた光学装置 Download PDF

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JP2005055755A
JP2005055755A JP2003288008A JP2003288008A JP2005055755A JP 2005055755 A JP2005055755 A JP 2005055755A JP 2003288008 A JP2003288008 A JP 2003288008A JP 2003288008 A JP2003288008 A JP 2003288008A JP 2005055755 A JP2005055755 A JP 2005055755A
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Tetsuo Nagata
哲生 永田
Akihiro Sakurai
章博 桜井
Tomoko Sato
朋子 佐藤
Tetsuya Ishii
哲也 石井
Kazuhiro Matsumoto
和宏 松本
毅 ▲高▼橋
Takeshi Takahashi
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Corp
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Abstract

【課題】小型、高性能化を満足し、高精度な位置決めが可能な偏心光学系の保持構造、それを用いた偏心光学系、及びそれを用いた光学装置を提供する。
【解決手段】偏心プリズム10,20と、保持部材2を備えている。偏心プリズム10,20は、保持部材2に保持される光学作用面13,21の有効径13a,21aを挟む位置に2つ以上の位置決め部13c,13d,21c、21dを有する。保持部材2は、偏心プリズムの位置決め部に対応する位置決め保持部2d〜2gを有する。さらに、偏心プリズムの光学作用面13,21には、位置決め部の外側であって光学作用面の有効径を挟む位置に2つ以上の突起部13e,13g,21e,21g、位置決め部の内側に突起部13f,21fを有し、前記位置決め部、前記位置決め保持部、及び前記突起部を介して、保持部材2に偏心プリズム10,20が位置決め固定される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、結像光学系に関し、その中でも特に、ビデオカメラやデジタルスチルカメラ、フィルムスキャナ、内視鏡等、小型の撮像素子を用いた光学装置用の反射面にパワーを有する偏心光学系、偏心光学系の保持構造、及びそれを用いた光学装置に関するものである。
近年、ビデオカメラやデジタルスチルカメラ、フィルムスキャナ、内視鏡等用の結像光学系では、撮像素子の小型化に伴い、光学系自身も小型軽量、低コスト化が求められている。さらに、最近では、携帯電話やPDA、ノートパソコン等に電子撮像光学系を内蔵する製品も出てきており、光学系をより薄型化することが強く望まれている。
光学系のより薄型化のため、従来、自由曲面等を用いたプリズム光学系が、例えば、次の特許文献1〜4に提案されている。
特開2001−27704号公報 特開平10−62690号公報 特開平11−326776号公報 特開平11−337811号公報
特許文献1には、回転非対称な面を持たない2つのプリズムを、位置決めする様子が開示されている。ここでは、位置保持手段として、2つのプリズムの対向する2面の光線有効範囲外に、凹部と凸部とが形成されている。そして、該凹部と凸部とを嵌合することで、互いのプリズムを位置決めしながら組み付ける構成が開示されている。
また、特許文献2には、回転非対称な面を持つプリズムを、位置決めする様子が開示されている。ここでは、プリズムに凹部又は凸部を設けている。それと共に、保持部材にも該プリズムの該凹部又は凸部に嵌合する凸部又は凹部を設け、該保持部材に該プリズムを位置決め固定する構成が開示されている。
また、特許文献3,4には、回転非対称な面を持つプリズムを、位置決めする様子が開示されている。ここでは、一方のプリズムの側部に2つの突起部、他方のプリズムの側部に前記突起部に嵌合する2つの孔あき平面部を設けている。そして、これらの突起部と孔あき平面部を嵌合することで、2つのプリズムを位置決め固定する構成が示されている。また、2つのプリズムの側部に夫々設けた孔あき平面部を設け、これらのプリズムを棒状部材の両側からビスによって位置決め固定する構成が開示されている。
近年、これらの結像光学系においては、さらなる小型化、高性能化が要求されるとともに、光学部材をさらに高精度に位置決めすることが必要とされている。
しかし、特許文献1の構成では、プリズムが回転非対称な面を持つ光学部材ではないので、小型化に対応できない。しかも、特許文献1のように光学部材同士を直接結合する構成では、仮に光学部材の修正が発生した場合、金型構造自体を変更する必要があり、そのための作業が大掛かりなものとなってしまう。また、光学部材の結合部分のズレが光学作用面に直接的に影響を与えることになり調整が難しい。また、仮に、光学部材同士の位置調整のために、予め大きなクリアランスをとって結合しなければならないため、光学部材の位置精度がでない。
特に、光学系を薄型化するために反射面にパワーを持たせた自由曲面プリズム同士を結合する場合には、上記問題が大きくなる。
また、特許文献2に記載の構成では、プリズムの位置調整はできるが、傾き調整ができない。
また、特許文献3,4に記載の構成では、プリズムのシフト及び回転を制御できない。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、小型、高性能化を満足し、高精度な位置決めが可能な偏心光学系の保持構造、それを用いた偏心光学系、及びそれを用いた光学装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、少なくとも1つ以上の偏心プリズムと、前記偏心プリズムを保持する保持部材を備え、前記偏心プリズムが、前記保持部材に保持される光学作用面の有効径を挟む位置に2つ以上の位置決め部を有すると共に、前記保持部材が、前記偏心プリズムの前記位置決め部に対応する位置決め保持部を有し、さらに、前記偏心プリズムの前記位置決め部を有する光学作用面、及び前記保持部材のいずれかが、前記位置決め部又は前記位置決め保持部の外側であって前記光学作用面の有効径を挟む位置に2つ以上、全体で3つの突起部を有し、前記位置決め部、前記位置決め保持部、及び前記突起部を介して、前記保持部材に前記偏心プリズムが位置決め固定されることを特徴としている。
また、本発明による偏心光学系及び偏心光学系の保持構造は、第1の偏心プリズムと、開口絞りを備えた保持部材と、第2の偏心プリズムを備え、前記第1の偏心プリズムの射出面と、前記第2の偏心プリズムの入射面が、それぞれ、前記光学作用面の有効径を挟む位置に2つ以上の位置決め部を有すると共に、前記保持部材が、両面にそれぞれ、前記第1及び第2の偏心プリズムの前記位置決め部に対応する位置決め保持部を有し、前記第1及び第2の偏心プリズムの前記位置決め部を有する光学作用面、及び前記保持部材のいずれかが、前記位置決め部又は前記位置決め保持部の外側であって前記光学作用面の有効径を挟む位置に2つ以上、全体で3つの突起部を有し、かつ、前記保持部材における前記第1の偏心プリズム用位置決め保持部と、前記第2の偏心プリズム用位置決め保持部とが、互いに位置が異なり、前記位置決め部、前記位置決め保持部、及び前記突起部を介して、前記保持部材の両側から前記第1の偏心プリズムと前記第2の偏心プリズムが位置決め固定されることを特徴としている。
また、本発明による光学装置は、上記本発明の保持構造を備えた偏心光学系を用いて構成されている。
実施例の説明に先立ち、本発明の作用効果について説明する。
薄型化のためにパワーを持ったプリズムは、高精度に位置決め保持することが必要である。しかるに、本発明の偏心光学系及び偏心光学系の保持構造によれば、2つの位置決め部でプリズムのX、Y方向の位置決めを精度良く出すことができ、同時に、3つの突起部でプリズムの傾き精度を高精度に保持することができる。
また、光学作用面の有効径外に位置決め部を形成したので、3次元測定機などを用いて、光学作用面と位置決め部を同時に測定できる。これに対し、従来のように、プリズムの側面に保持部を形成すると、光学作用面と保持部との位置関係を同時に精度よく測定することができない。
また、本発明によれば、1つの保持部材で複数のプリズムを保持するので、部品点数を削減できる。
また、本発明では、位置決め部は主にプリズムの位置(X、Y方向)を決めるが、突起部はプリズムの傾きを決める。このため、それぞれ間隔は極力長くとったほうが精度が良くなる。
なお、本発明においては、例えば、保持部材の位置決め保持部を孔で構成し、位置決め部を該孔に嵌合する円柱状に形成することになるが、位置決め部を長くすることはできない。長くすると、保持部材を厚くしなければならず、大型化してしまうからである。また、プリズムを保持する位置がプリズムの重心位置から離れた場合、精度良く組立ができず、安定した保持ができない。
また、2つのプリズムの重心位置は異なる場合がある。この場合、2つのプリズムを高精度及び安定して保持するためには、プリズムの位置決め部はプリズムの重心位置に近くに設けることが望ましい。更に、2つのプリズムを保持する保持部材については、その位置決め保持部の位置を異ならせる。このようにして、2つのプリズムの重心を通る直線が同一直線上を通らないようにするのが良い。
なお、位置決め保持部を貫通孔で構成すれば、複数のプリズムの位置決め保持部を保持部材の両側から別々に加工する必要がなく、片側から加工でき、保持部の位置精度が高くなるように加工できる。
また、保持部材に光学系の有効径に対応する開口部を有する開口絞りを備えれば、保持部材が各プリズムの共通部材として構成することができ、光学装置全体で部品点数が削減でき、組立工数の削減で安価な装置を提供できる。
また、本発明の偏心光学系及び偏心光学系の保持構造においては、前記位置決め部の高さをt、前記保持部材の肉厚をHとしたとき、次の条件式(1)を満足するのが好ましい。
0.2mm<t/H<0.8mm …(1)
条件式(1)の下限値を下回ると、位置決め部が小さくなりすぎ、プリズムを精度良く保持することができない。一方、条件式(1)の下限値を上回ると、位置決め部が大きくなりすぎ、光学系全体が小型化できない。
さらに、好ましくは、次の条件式(1')を満足するとよい。
0.4mm<t/H<0.6mm …(1')
また、本発明の偏心光学系及び偏心光学系の保持構造においては、前記3つの突起部が、前記光学作用面上で非対称に配置されているのが好ましい。
突起部を光学作用面上で非対称に配置すると、光学作用面の有効径外の部分をより小さくすることが可能となり、光学系全体についても小型化が可能になる。
また、複数の突起部のうち、少なくとも2つの突起部は、前記光学作用面(有効径部)の中心位置からの距離で比べると、位置決め部までの距離に比べて長い(遠い)位置に設けておけばよい。
本発明によれば、小型、高性能化を満足し、高精度な位置決めが可能な偏心光学系の保持構造、それを用いた偏心光学系、及びそれを用いた光学装置が得られる。
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
図1は本発明の各実施例の保持構造が適用される偏心光学系の一例を示す光軸に沿う断面図、図2は本発明の第1実施例にかかる偏心光学系及び偏心光学系の保持構造を示す分解斜視図、図3は図2の偏心光学系における第1プリズムの保持部材と接する光学作用面(出射面)の構成を示す拡大斜視図、図4は図2の偏心光学系における第2プリズムの保持部材と接する光学作用面(入射面)の構成を示す拡大斜視図、図5は図2の偏心光学系における保持部材を示す図で、(a)は第2プリズム側からみた斜視図、(b)は第1プリズム側からみた拡大平面図、(c)は第2プリズム側からみた拡大平面図、図6は図2の偏心光学系における第1及び第2プリズムを保持部材に位置決め固定した状態を示す斜視図、図7は図6の状態における第1プリズムと第2プリズムの夫々の重心を通る直線の位置を示す説明図である。
第1実施例の偏心光学系は、図1及び図2に示すように、第1プリズム10と、開口絞りを備えた保持部材2と、第2プリズム20を有して構成されている。なお、図中、1は光軸、3は像面、4,5はカバーガラス又はフィルターである。
第1プリズム10は、図1に示すように、入射面11と、回転非対称な反射面12と、射出面13とを有する偏心プリズムで構成されている。
第1プリズム1の射出面13は、図3に示すように、有効径部13aの外側領域に平面に形成された平面部13bを有している。平面部13bは、円柱状に形成された2つの位置決め部13c,13dと、半球面状に形成された3つの突起部13e,13f,13gを有している。位置決め部13c,13dは、有効径部13aの外側位置に設けられている。図2では、位置決め部13c,13dは、有効径部13aを挟んで、対向するように設けられている。
また突起部13e,13gは、有効径部13aを挟む位置決め部13c,13dの外側位置に設けられている。よって、有効径部13aの中心位置からの距離で比べると、位置決め部13c,13dまでの距離に比べて、突起部13e,13gまでの距離の方が長い。また、突起部13fは、有効径部13aの外側であって位置決め部13c,13dの内側位置に設けられている。このように、3つの突起部のうち、少なくとも2つの突起部は、有効径部の中心位置からの距離で比べると、位置決め部までの距離に比べて長い(遠い)位置に設けられている。
第2プリズム20は、図1に示すように、入射面21と、反射面22と、反射面23と、射出面23とを有する偏心プリズムで構成されている。反射面22と反射面23のうち少なくとも一つは回転非対称な面に形成されている。
第2プリズム20の入射面21は、図4に示すように、有効径部21aの外側領域に平面に形成された平面部21bを有している。平面部21bは、円柱状に形成された2つの位置決め部21c,21dと、半球面状に形成された3つの突起部21e,21f,21gを有している。位置決め部21c,21dは、有効径部21aを挟む外側位置に設けられている。突起部21e,21gは、有効径部21aを挟む位置決め部21c,21dの外側位置に、突起部21fは、有効径部21aの外側であって位置決め部21c,21dの内側位置に設けられている。また、突起部21e,21f,21gは、入射面21上において非対称に配置されている。
保持部材2は、図5(a)〜(c)に示すように、2つのプリズム10,20の光学作用面の有効径に合わせて構成された開口部2aを備えている。また、保持部材2は、開口部2aの外側に平面状に形成された平面部2b,2cを両面に有している。
平面部2b,2cには、位置決め保持部2d,2e,2f,2gが形成されている。この位置決め保持部は、第1及び第2プリズム10,20の位置決め部13c,13d,21c,21dに対応する位置に設けられている。そして、これらの位置決め部の形状に合わせて、嵌合可能な貫通孔として形成されている。
また、保持部材2の肉厚Hは、H=1.12mm、第1及び第2プリズム10,20の位置決め部の高さtは、それぞれt=0.55mmで設計されており、t/H=0.49となっている。
そして、このように構成された第1実施例では、第1プリズム10を、保持部材2の平面部2b側から、位置決め部13cを位置決め保持部2dに、位置決め部13dを位置決め保持部2eにそれぞれ嵌合させる。これにより第1プリズム10の位置が決まる。また、このとき、第1プリズム10の突起部13e,13f,13gが保持部材2の平面部2bに当接することで、第1プリズム10の保持部材2に対する傾きが決まる。同様に、第2プリズム20を、保持部材2の平面部2c側から、位置決め部21cを位置決め保持部2fに、位置決め部21dを位置決め保持部2gにそれぞれ嵌合させる。これにより第2プリズム20の位置が決まる。また、このとき、第2プリズム20の突起部21e,21f,21gが保持部材2の平面部2cに当接することで、第2プリズム20の保持部材2に対する傾きが決まる。
このようにして、図6に示すように、第1プリズム10と第2プリズム20は保持部材2の両側に保持される。なお、第1プリズム10の位置決め部の重心を通る直線と、第2プリズム20の重心を通る直線とが図7に示すように、保持部材2上で同一直線上に来ないように、位置決め保持部2d,2eと、位置決め保持部2f,2gとは、それぞれ異なる位置に設けられている。
図6の状態において、第1プリズム10、第2プリズム20の保持部材2に対する傾きの調整が必要な場合には、傾き方向及びその度合いに応じて第1プリズム10の突起部13e,13f,13g、第2プリズム20の突起部21e,21f,21gを所定量削ることでプリズム10,20の傾きが簡単に調整できる。
図8は本発明の第2実施例にかかる偏心光学系における第1プリズムの保持部材と接する光学作用面(出射面)の構成を示す拡大斜視図、図9は本発明の第2実施例にかかる偏心光学系における第2プリズムの保持部材と接する光学作用面(入射面)の構成を示す拡大斜視図、図10は本発明の第2実施例にかかる偏心光学系における保持部材を示す図で、(a)は第2プリズム側からみた斜視図、(b)は第1プリズム側からみた拡大平面図、(c)は第2プリズム側からみた拡大平面図である。
第2実施例の偏心光学系は、図1に示すように、第1プリズム10と、開口絞りを備えた保持部材2と、第2プリズム20を有して構成されている。なお、図中、1は光軸、3は像面、4,5はカバーガラス又はフィルターである。
第1プリズム10は、入射面11と、回転非対称な反射面12と、射出面13とを有する偏心プリズムで構成されている。
第1プリズム1の射出面13は、図8に示すように、有効径部13aの外側領域に平面に形成された平面部13bを有している。平面部13bは、円柱状に形成された2つの位置決め部13c,13dを有している。位置決め部13c,13dは、有効径部13aを挟む外側位置に設けられている。
第2プリズム20は、図1に示すように、入射面21と、反射面22と、反射面23と、射出面23とを有する偏心プリズムで構成されている。反射面22と反射面23のうち少なくとも一つは回転非対称な面に形成されている。
第2プリズム20の入射面21は、図9に示すように、有効径部21aの外側領域に平面に形成された平面部21bを有している。平面部21bは、円柱状に形成された2つの位置決め部21c,21dを有している。位置決め部21c,21dは、有効径部21aを挟む外側位置に設けられている。
保持部材2は、図10(a)〜(c)に示すように、2つのプリズム10,20の光学作用面の有効径に合わせて構成された開口部2aを備えている。また、保持部材2は、開口部2aの外側に平面状に形成された平面部2b,2cを有している。
平面部2b,2cには、第1及び第2プリズム10,20の位置決め部13c,13d,21c,21dに対応する位置にこれらの位置決め部の形状に合わせて嵌合可能な貫通孔として形成された位置決め保持部2d,2e,2f,2gを有している。
また、平面部2bには、半球面状に形成された3つの突起部2h,2i,2jを有している。
突起部2h,2jは、第1プリズム10を保持したときに有効径部13aを挟む位置決め部13c,13dの外側位置となる平面部2bの所定位置(即ち、位置決め保持部2f,2gの外側位置)に設けられている。突起部2iは、第1プリズム10を保持したときに有効径部13aの外側であって位置決め部13c,13dの内側位置となる平面部2bの所定位置(即ち、位置決め保持部2f,2gの内側位置)に設けられている。
また、平面部2cには、半球面状に形成された3つの突起部2k,2l,2mを有している。
突起部2k,2mは、第2プリズム20を保持したときに有効径部21aを挟む位置決め部21c,21dの外側位置となる平面部2bの所定位置(位置決め保持部2d,2eの外側位置)に設けられている。突起部2lは、第2プリズム20を保持したときに有効径部21aの外側であって位置決め部21c,21dの内側位置となる平面部2bの所定位置(位置決め保持部2d,2eの内側位置)に設けられている。また、突起部21e,21f,21gは、入射面21上において非対称に配置されている。
また、第2実施例も第1実施例と同様、保持部材2の肉厚H=1.12mm、第1及び第2プリズムの位置決め部の高さt=0.55mmで設計されており、t/H=0.49となっている。
そして、このように構成された第2実施例では、第1プリズム10を、保持部材2の平面部2b側から、位置決め部13cを位置決め保持部2dに、位置決め部13dを位置決め保持部2eにそれぞれ嵌合させる。これにより第1プリズム10の位置が決まる。また、このとき、保持部材2の突起部2h,2i,2jが第1プリズム10の平面部13bに当接することで、第1プリズム10の保持部材2に対する傾きが決まる。同様に、第2プリズム20を、保持部材2の平面部2c側から、位置決め部21cを位置決め保持部2fに、位置決め部21dを位置決め保持部2gにそれぞれ嵌合させる。これにより第2プリズム20の位置が決まる。また、このとき、保持部材2の突起部2k,2l,2mが第2プリズム20の平面部21bに当接することで、第2プリズム20の保持部材2に対する傾きが決まる。
このようにして、第1実施例と同様、図6に示すように、第1プリズム10と第2プリズム20は保持部材2の両側に保持される。なお、第1プリズム10の位置決め部の重心を通る直線と、第2プリズム20の重心を通る直線とが図7に示すように、保持部材2上で同一直線上に来ないように、位置決め保持部2d,2eと、位置決め保持部2f,2gとは、それぞれ異なる位置に設けられている。
図6の状態において、第1プリズム10の保持部材2に対する傾きの調整が必要な場合には、傾き方向及びその度合いに応じて保持部材2の突起部2h,2i,2jを所定量削り、第2プリズム20の保持部材2に対する傾きの調整が必要な場合には、傾き方向及びその度合いに応じて保持部材2の突起部2k,2l,2mを所定量削ることでプリズム10,20の傾きが簡単に調整できる。
このように、第2実施例によれば、保持部材の調整のみで複数のプリズムの傾き調整できるため、低コストで簡単にプリズムの傾き調整をすることができる。
なお、第1及び第2実施例の偏心光学系の保持構造に、さらに撮像素子を位置決め保持する保持枠を可動に取りつけて構成することもできる。
ところで、本発明の絞りの両側に配置する偏心プリズムとしては、例えば、図1に示したような内部反射回数が1〜2回の偏心プリズムに限定されずに、内部反射回数が2回以上の公知の種々の偏心プリズムを用いることができる。その例を以下に示す。なお、何れも順光線追跡で遠方に位置する物体を瞳131を経て像面136に結像する偏心プリズムPとして説明するが、光路を逆にして像面136側から光線が入射し、瞳131側に結像する偏心プリズムPとしても使用することができる。
図11の場合は、偏心プリズムPは第1面132、第2面133、第3面133、第4面135からなり、入射瞳131を通って入射した光は、第1面132で屈折して偏心プリズムPに入射し、第2面133で内部反射し、第3面134でZ字型の光路を形成するように内部反射し、第4面135に入射して屈折されて、像面36に結像する。
図12の場合は、偏心プリズムPは第1面132、第2面133、第3面134、第4面135からなり、入射瞳131を通って入射した光は、第1面132で屈折して偏心プリズムPに入射し、第2面133で内部反射し、第3面134に入射して全反射し、第4面135に入射して内部反射し、再び第3面134に入射して今度は屈折されて、像面36に結像する。
図13の場合は、偏心プリズムPは第1面132、第2面133、第3面134、第4面135からなり、入射瞳131を通って入射した光は、第1面132で屈折して偏心プリズムPに入射し、第2面133で内部反射し、第3面134に入射して内部反射し、第2面133に再度入射して内部反射し、第4面135に入射して屈折されて、像面36に結像する。
図14の場合は、偏心プリズムPは第1面132、第2面133、第3面134、第4面135からなり、入射瞳131を通って入射した光は、第1面132で屈折して偏心プリズムPに入射し、第2面133で内部反射し、第3面134に入射して内部反射し、第2面133に再度入射して内部反射し、第4面135に入射して内部反射し、第2面133に再度入射して今度は屈折されて、像面36に結像する。
図15の場合は、偏心プリズムPは第1面132、第2面133、第3面134からなり、入射瞳131を通って入射した光は、第1面132で屈折して偏心プリズムPに入射し、第2面133で内部反射し、再び第1面132に入射して今度は全反射し、第3面134で内部反射し、三たび第1面132に入射して全反射し、第3面134に再度入射して今度は屈折されて、像面36に結像する。
図16の場合は、偏心プリズムPは第1面132、第2面133、第3面134からなり、入射瞳131を通って入射した光は、第1面132で屈折して偏心プリズムPに入射し、第2面133で内部反射し、再び第1面132に入射して今度は全反射し、第3面134で内部反射し、三たび第1面132に入射して全反射し、再び第3面134に入射して内部反射し、四たび第1面132に入射して今度は屈折されて、像面36に結像する。
さらには、後記の図18の第2プリズム20のように、第1面21から第4面24からなり、プリズム内で3回の反射をするものであってもよく、あるいは、後記の図19の第2プリズム20のように、第1面21から第3面23からなり、その第2面22が全反射面と射出面を兼用するプリズム内で2回の反射をするものであってもよく、あるいは、後記の図20の第2プリズム20のように、第1面21から第3面23からなり、その第1面21が入射面と全反射面を兼用するプリズム内で2回の反射をするものであってもよく、これらを絞り2の前側あるいは、後側の偏心プリズムとして用いるようにすることもできる。
以下の図17〜図21に、前記第1実施例、第2実施例の場合とは異なるプリズムの組み合わせの本発明の撮像光学系を示す。ただし、数値データは省く。
さて、以上のような本発明の保持構造を備えた偏心光学系は、物体像を形成しその像をCCDや銀塩フィルムといった撮像素子に受光させて撮影を行う撮影装置、とりわけカメラに用いることができる。また、物体像を接眼レンズを通して観察する観察装置、とりわけカメラのファインダー部の対物光学系としても用いることが可能である。また、内視鏡等の小型の撮像素子を用いた光学装置用の撮像光学系としても用いることができる。以下に、その実施形態を例示する。
図22〜図24は、本発明の保持構造を備えた偏心光学系を電子カメラのファインダー部の対物光学系に組み込んだ構成の概念図を示す。図22は電子カメラ40の外観を示す前方斜視図、図23は同後方斜視図、図24は電子カメラ40の構成を示す断面図である。電子カメラ40は、この例の場合、撮影用光路42を有する撮影光学系41、ファインダー用光路44を有するファインダー光学系43、シャッター45、フラッシュ46、液晶表示モニター47等を含み、カメラ40の上部に配置されたシャッター45を押圧すると、それに連動して撮影用対物光学系48を通して撮影が行われる。撮影用対物光学系48によって形成された物体像が、ローパスフィルター、赤外カットフィルター等のフィルター51を介してCCD49の撮像面50上に形成される。このCCD49で受光された物体像は、処理手段52を介し、電子画像としてカメラ背面に設けられた液晶表示モニター47に表示される。また、この処理手段52にはメモリ等が配置され、撮影された電子画像を記録することもできる。なお、このメモリは処理手段52と別体に設けられてもよいし、フロッピー(登録商標)ディスク等により電子的に記録書込を行うように構成してもよい。また、CCD49に代わって銀塩フィルムを配置した銀塩カメラとして構成してもよい。
さらに、ファインダー用光路44上には、ファインダー用対物光学系53が配置されており、このファインダー用対物光学系53は、カバーレンズ54、第1プリズム10、開口絞り2、第2プリズム20、フォーカス用レンズ66からなり、カバーレンズ54あるいは第1プリズム10から第2プリズム20までの光学系として、本発明による光学系を用いている。また、カバー部材として用いられているカバーレンズ54は、負のパワーを有するレンズであり、画角を拡大している。また、第2プリズム20の後方に配置されているフォーカス用レンズ66は光軸の前後方向へ位置調節可能になっており、ファインダー用対物光学系53のピント調節に用いられる。このファインダー用対物光学系53によって結像面67上に形成された物体像は、像正立部材であるポロプリズム55の視野枠57上に形成される。なお、視野枠57は、ポロプリズム55の第1反射面56と第2反射面58との間を分離し、その間に配置されている。このポリプリズム55の後方には、正立正像にされた像を観察者眼球Eに導く接眼光学系59が配置されている。
このように構成されたカメラ40は、ファインダー用対物光学系53を少ない光学部材で構成でき、高性能・低コスト化が実現できると共に、対物光学系53の光路自体を折り曲げて構成できるため、カメラ内部での配置の自由度が増し、設計上有利となる。
なお、図24の構成において、撮影用対物光学系48の構成については言及しなかったが、撮影用対物光学系48としては屈折型同軸光学系の他に、本発明による2つのプリズム10、20からなる何れかのタイプの光学系を用いることも当然可能である。
次に、図25は、本発明の保持構造を備えた偏心光学系を電子カメラ40の撮影部の対物光学系48に組み込んだ構成の概念図を示す。この場合は、撮影用光路42上に配置された撮影用対物光学系48に、第1プリズム10、開口絞り2、第2プリズム20からなる本発明による光学系を用いている。この撮影用対物光学系48により形成された物体像は、ローパスフィルター、赤外カットフィルター等のフィルター51を介してCCD49の撮像面50上に形成される。このCCD49で受光された物体像は、処理手段52を介し、液晶表示素子(LCD)60上に電子像として表示される。また、この処理手段52は、CCD49で撮影された物体像を電子情報として記録する記録手段61の制御も行う。LCD60に表示された画像は、接眼光学系59を介して観察者眼球Eに導かれる。この接眼光学系59は偏心プリズムからなり、この例では、入射面62と、反射面63と、反射と屈折の兼用面64の3面から構成されている。また、2つの反射作用を持った面63、64の中、少なくとも一方の面、望ましくは両方の面が、光束にパワーを与え、かつ、偏心収差を補正する唯一の対称面を持つ面対称自由曲面にて構成されている。そして、この唯一の対称面は、撮影用対物光学系48のプリズム10、20が有する面対称自由曲面の唯一の対称面と略同一平面上に形成されている。また、この撮影用対物光学系48は他のレンズ(正レンズ、負レンズ)をプリズム10、20の物体側、プリズム間あるいは像側にその構成要素として含んでいてもよい。
このように構成されたカメラ40は、撮影用対物光学系48を少ない光学部材で構成でき、高性能・低コスト化が実現できると共に、光学系全体を同一平面上に並べて配置できるため、この配置平面と垂直方向の厚みの簿型化が実現できる。
なお、本例では、撮影用対物光学系48のカバー部材65はとして、平行平面板を配置しているが、前例と同様に、パワーを持ったレンズを用いてもよい。
ここで、カバー部材を設けずに、本発明の光学系中の最も物体側に配置された面をカバー部材と兼用することもできる。本例ではその最も物体側の面は第1プリズム10の入射面となる。しかし、この入射面が光軸に対して偏心配置されているため、この面がカメラ前面に配置されてしまうと、被写体側から見た場合、カメラ40の撮影中心が自分からずれているように錯覚してしまい(一般的なカメラ同様、入射面の垂直方向を撮影していると感じるのが通常である。)、違和感を与えてしまう。そこで、本例のように、光学系の最も物体側の面が偏心面である場合には、カバー部材65(又は、カバーレンズ54)を設けることが、被写体側から見た場合に違和感を感じずに、既存のカメラと同じ感覚で撮影を受けることができ望ましい。
次に、図26は、本発明による保持構造を備えた光学系を電子内視鏡の観察系の対物光学系82に、本発明による光学系を電子内視鏡の観察系の接眼光学系87に組み込んだ構成の概念図を示す。この例の場合、観察系の対物光学系82は、第1プリズム10、開口絞り2、第2プリズム20からなる本発明による光学系を用いており、接眼光学系87も、第1プリズム10、開口絞り2、第2プリズム20からなる本発明による光学系を接眼光学系として用いている。この電子内視鏡は、図26(a)に示すように、電子内視鏡71と、照明光を供給する光源装置72と、その電子内視鏡71に対応する信号処理を行うビデオプロセッサ73と、このビデオプロセッサ73から出力される映像信号を表示するモニター74と、このビデオブロセッサ73と接続され映像信号等に記録するVTRデッキ75、及び、ビデオディスク76と、映像信号を映像としてプリントアウトするビデオプリンタ77と、頭部装着型画像表示装置(HMD)78と共に構成されており、電子内視鏡71の挿入部79の先端部80と、その接眼部81は、図26(b)に示すように構成されている。光源装置72から照明された光束は、ライトガイドファイバー束88を通って照明用対物光学系89により、観察部位を照明する。そして、この観察部位からの光が、カバー部材85を介して、観察用対物光学系82によって物体像として形成される。この物体像は、ローパスフィルター、赤外カットフィルター等のフィルター83を介してCCD84の撮像面上に形成される。さらに、この物体像は、CCD84によって映像信号に変換され、その映像信号は、図26(a)に示すビデオプロセッサ73により、モニター74上に直接表示されると共に、VTRデッキ75、ビデオディスク76中に記録され、また、ビデオプリンタ77から映像としてプリントアウトされる。また、HMD78の画像表示素子に表示されHMD78の装着者に表示される。同時に、CCD84によって変換された映像信号は接眼部81の液晶表示素子(LCD)86上に電子像として表示され、その表示像は本発明の光学系を用いた接眼光学系87を経て観察者眼球Eに導かれる。
このように構成された内視鏡は、少ない光学部材で構成でき、高性能・低コスト化が実現できると共に、対物光学系80が内視鏡の長軸方向に並ぶため、細径化を阻害することなく上記効果を得ることができる。
ところで、本発明の保持構造を備えた偏心光学系は光路を逆にすることにより投影光学系としても用いることができる。図27に、パソコン90と液晶プロジェクタ91とを組み合わせたプレゼンテーションシステムの投影光学系96に本発明によるプリズム光学系を用いた構成の概念図を示す。この例の場合は、投影光学系96に、第1プリズム10、開口絞り2、第2プリズム20からなる本発明による光学系を用いている。同図において、パソコン90上で作成された画像・原稿データは、モニタ出力から分岐して液晶プロジェクタ91の処理制御部98に出力される。液晶プロジェクタ91の処理制御部98では、この入力されたデータが処理され、液晶パネル(LCP)93に出力される。液晶パネル93では、この入力画像データに応じた画像が表示される。そして、光源92からの光は、液晶パネル93に表示した画像の階調によってその透過量が決定された後、液晶パネル93直前に配置したフィールドレンズ95と、本発明の光学系を構成する第1プリズム10、開口絞り2及び第2プリズム20と、正レンズのカバーレンズ94とからなる投影光学系96を介してスクリーン97に投影される。
このように構成されたプロジェクタは、少ない光学部材で構成でき、高性能・低コスト化が実現できると共に、小型化が可能である。
次に、図28〜図30は本発明の保持構造を備えた偏心光学系を情報処理装置の一例であるパソコンに内蔵した構成を示す概念図である。
図28はパソコン300のカバーを開いた前方斜視図、図29はパソコン300の撮影光学系303の断面図、図30は図28の状態の側面図である。図28〜図30に示されるように、パソコン300は、外部から繰作者が情報を入力するためのキーボード301と、図示を省略した情報処理手段や記録手段と、情報を操作者に表示するモニター302と、操作者自身や周辺の像を撮影するための撮影光学系303とを有している。ここで、モニター302は、図示しないバックライトにより背面から照明する透過型液晶表示素子や、前面からの光を反射して表示する反射型液晶表示素子や、CRTディスプレイ等であってよい。また、図中、撮影光学系303は、モニター302の右上に内蔵されているが、その場所に限らず、モニター302の周囲や、キーボード301の周囲のどこであってもよい。
この撮影光学系303は、撮影光路304上に、本発明の光学系からなる対物光学系100と、像を受光する撮像素子チップ162とを有している。これらはパソコン300に内蔵されている。
ここで、撮像素子チップ162上には付加的にlRカットフィルター180が貼り付けられて撮像ユニット160として一体に形成され、対物光学系100の鏡枠101の後端にワンタッチで嵌め込まれて取り付け可能になっているため、対物光学系100と撮像素子チップ162の中心合わせや面間隔の調整が不要であり、組立が簡単となっている。また、鏡枠101の先端には、対物光学系100を保護するためのカバーガラス102が配置されている。
撮像素子チップ162で受光された物体像は、端子166を介して、パソコン300の処理手段に入力され、電子画像としてモニター302に表示される、図29には、その一例として、操作者の撮影された画像305が示されている。また、この画像305は、処理手段を介し、インターネットや電話を介して、遠隔地から通信相手のパソコンに表示されることも可能である。
次に、情報処理装置の他の例として電話、特に、その中でも持ち運びに便利な携帯電話に本発明の保持構造を備えた偏心光学系を内蔵した例を図31に示す。
図31(a)は携帯電話400の正面図、図31(b)は側面図、図31(c)は撮影光学系405の断面図である。図31(a)〜(c)に示されるように、携帯電話400は、操作者の声を情報として入力するマイク部401と、通話相手の声を出力するスピーカ部402と、操作者が情報を入力する入力ダイアル403と、操作者自身や通話相手等の撮影像と電話番号等の情報を表示するモニター404と、撮影光学系405と、通信電波の送信と受信を行うアンテナ406と、画像情報や通信情報、入力信号等の処理を行う処理手段(図示せず)とを有している。ここで、モニター404は液晶表示素子である。また、図中、各構成の配置位置は、特にこれらに限られない。この撮影光学系405は、撮影光路407上に配置された本発明の光学系からなる対物光学系100と、像を受光する撮像素子チップ162とを有している。これらは、携帯電話400に内蔵されている。
ここで、撮像素子チップ162上には付加的にlRカットフィルター180が貼り付けられて撮像ユニット160として一体に形成され、対物レンズの鏡枠101の後端にワンタッチで嵌め込まれて取り付け可能になっているため、対物レンズと撮像素子チップ162の中心合わせや面間隔の調整が不要であり、組立が簡単となっている。また、鏡枠101の先端には、対物光学系100を保護するためのカバーガラス102が配置されている。
撮影素子チップ162で受光された物体像は、端子166を介して、図示していない処理手段に入力され、電子画像としてモニター404に、又は、通信相手のモニターに、又は、両方に表示される。また、通信相手に画像を送信する場合、撮像素子チップ162で受光された物体像の情報を、送信可能な信号へと変換する信号処理機能が処理手段には含まれている。
以上のように、本発明による偏心光学系、偏心光学系の保持構造及びそれを用いた光学装置は、特許請求の範囲に記載された発明の他に次に示すような特徴を備えている。
(1)前記保持部材の前記位置決め保持部が、前記偏心プリズムの前記位置決め部に嵌合又は接着可能な貫通孔で構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の偏心光学系及び偏心光学系の保持構造。
(2)前記保持部材の開口絞りが、前記偏心プリズムの前記光学作用面の有効径に対応する開口部を有することを特徴とする請求項1又は上記(1)に記載の偏心光学系及び偏心光学系の保持構造。
(3)前記位置決め部の高さをt、前記保持部材の肉厚をHとしたとき、次の条件式を満足することを特徴とする請求項1、2、上記(1)、(2)のいずれかに記載の偏心光学系及び偏心光学系の保持構造。
0.2mm<t/H<0.8mm
(4)前記位置決め部の高さをt、前記保持部材の肉厚をHとしたとき、次の条件式を満足することを特徴とする請求項1、2、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の偏心光学系及び偏心光学系の保持構造。
0.4mm<t/H<0.6mm
(5)前記3つの突起部が、前記光学作用面上で非対称に配置されていることを特徴とする請求項1、2、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の偏心光学系、及び偏心光学系の保持構造。
(6)撮像素子を保持する保持枠と、前記偏心プリズムを固定した前記保持部材を保持する可動枠を有し、前記可動枠が前記保持枠に対し可動に取りつけられていることを特徴とする請求項1、2、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の偏心光学系、及び偏心光学系の保持構造。
本発明の各実施例の保持構造が適用される偏心光学系の一例を示す光軸に沿う断面図である。 本発明の第1実施例にかかる偏心光学系及び偏心光学系の保持構造を示す分解斜視図である。 図2の偏心光学系における第1プリズムの保持部材と接する光学作用面(出射面)の構成を示す拡大斜視図である。 図2の偏心光学系における第2プリズムの保持部材と接する光学作用面(入射面)の構成を示す拡大斜視図である。 図2の偏心光学系における保持部材を示す図で、(a)は第2プリズム側からみた斜視図、(b)は第1プリズム側からみた拡大平面図、(c)は第2プリズム側からみた拡大平面図である。 図2の偏心光学系における第1及び第2プリズムを保持部材に位置決め固定した状態を示す斜視図である。 図6の状態における第1プリズムと第2プリズムの夫々の重心を通る直線の位置を示す説明図である。 本発明の第2実施例にかかる偏心光学系における第1プリズムの保持部材と接する光学作用面(出射面)の構成を示す拡大斜視図である。 本発明の第2実施例にかかる偏心光学系における第2プリズムの保持部材と接する光学作用面(入射面)の構成を示す拡大斜視図である。 本発明の第2実施例にかかる偏心光学系における保持部材を示す図で、(a)は第2プリズム側からみた斜視図、(b)は第1プリズム側からみた拡大平面図、(c)は第2プリズム側からみた拡大平面図である。 本発明の撮像光学系に使用可能な偏心プリズムの一変形例を示す図である。 偏心プリズムの別の変形例を示す図である。 偏心プリズムの別の変形例を示す図である。 偏心プリズムの別の変形例を示す図である。 偏心プリズムの別の変形例を示す図である。 偏心プリズムの別の変形例を示す図である。 第1実施例、第2実施例とは異なるプリズムの組み合わせからなる本発明の撮像光学系の例を示す図である。 第1実施例、第2実施例とは異なるプリズムの組み合わせからなる本発明の撮像光学系の別の例を示す図である。 第1実施例、第2実施例とは異なるプリズムの組み合わせからなる本発明の撮像光学系の別の例を示す図である。 第1実施例、第2実施例とは異なるプリズムの組み合わせからなる本発明の撮像光学系の別の例を示す図である。 第1実施例、第2実施例とは異なるプリズムの組み合わせからなる本発明の撮像光学系の別の例を示す図である。 本発明の保持構造を備えた偏心光学系を適用した電子カメラの外観を示す前方斜視図である。 図22の電子カメラの後方斜視図である。 図22の電子カメラの構成を示す断面図である。 本発明の保持構造を備えた偏心光学系を適用した別の電子カメラの概念図である。 本発明の保持構造を備えた偏心光学系を適用した電子内視鏡の概念図である。 プレゼンテーションシステムの投影光学系に本発明による保持構造を備えた光学系を用いた構成の概念図である。 本発明の保持構造を備えた偏心光学系が対物光学系として組み込まれたパソコンのカバーを開いた前方斜視図である。 パソコンの撮影光学系の断面図である。 図28の状態の側面図である。 本発明の保持構造を備えた偏心光学系が対物光学系として組み込まれた携帯電話の正面図、側面図、その撮影光学系の断面図である。
符号の説明
1 軸上主光線(光軸)
2 開口絞り(保持部材)
2a 開口部
2b,2c 平面部
2d,2e,2f,2g 位置決め保持部
2h,2i,2j,2k,2l,2m 突起部
3 像面(結像面)
4,5 カバーガラス(又はフィルター)
10 第1プリズム
11 第1面
12 第2面
13 第3面
13a,21a 有効径部
13b,21b 平面部
13c,13d,21c,21d 位置決め部
13e,13f,13g,21e,21f,21g 突起部
20 第2プリズム
21 第1面
22 第2面
23 第3面
24 第4面
41 撮像光学系
42 撮影用光路
43 ファインダー光学系
44 ファインダー用光路
45 シャッター
46 フラッシュ
47 液晶表示モニター
48 撮影用対物光学系
49 CCD
50 撮像面
51 フィルター
52 処理手段
53 ファインダー用対物光学系
54 カバーレンズ
55 ポロプリズム
56 第1反射面
57 視野枠
58 第2反射面
59 接眼光学系
60 液晶表示素子(LCD)
61 記録手段
62 入射面
63 反射面
64 反射と屈折の兼用面
65 カバー部材
66 フォーカス用レンズ
67 結像面
71 電子内視鏡
72 光源装置
73 ビデオプロセッサ
74 モニター
75 VTRデッキ
76 ビデオディスク
77 ビデオプリンタ
78 頭部装着型画像表示装置(HMD)
79 挿入部
80 先端部
81 接眼部
82 観察用対物光学系
83 フィルター
84 CCD
85 カバー部材
86 液晶表示素子(LCD)
87 接眼光学系
88 ライトガイドファイバー束
89 照明用対物光学系
90 パソコン
91 液晶プロジェクタ
92 光源
93 液晶パネル(LCP)
94 カバーレンズ
95 フィールドレンズ
96 投影光学系
97 スクリーン
98 処理制御部
100 対物光学系
101 鏡枠
102 カバーガラス
131 瞳
132 第1面
133 第2面
134 第3面
135 第4面
136 像面
160 撮像ユニット
162 撮像素子チップ
166 端子
180 IRカットフィルター
300 パソコン
301 キーボード
302 モニター
303 撮影光学系
304 撮影光路
305 画像
400 携帯電話
401 マイク部
402 スピーカ部
403 入力ダイアル
404 モニター
405 撮影光学系
406 アンテナ
407 撮影光路
E 観察者眼球
P 偏心プリズム

Claims (3)

  1. 少なくとも1つ以上の偏心プリズムと、前記偏心プリズムを保持する保持部材を備え、
    前記偏心プリズムが、前記保持部材に保持される光学作用面の有効径を挟む位置に2つ以上の位置決め部を有すると共に、
    前記保持部材が、前記偏心プリズムの前記位置決め部に対応する位置決め保持部を有し、
    さらに、前記偏心プリズムの前記位置決め部を有する光学作用面、及び前記保持部材のいずれかが、前記位置決め部又は前記位置決め保持部の外側であって前記光学作用面の有効径を挟む位置に2つ以上、全体で3つの突起部を有し、
    前記位置決め部、前記位置決め保持部、及び前記突起部を介して、前記保持部材に前記偏心プリズムが位置決め固定されることを特徴とする偏心光学系及び偏心光学系の保持構造。
  2. 第1の偏心プリズムと、開口絞りを備えた保持部材と、第2の偏心プリズムを備え、
    前記第1の偏心プリズムの射出面と、前記第2の偏心プリズムの入射面が、それぞれ、前記光学作用面の有効径を挟む位置に2つ以上の位置決め部を有すると共に、
    前記保持部材が、両面にそれぞれ、前記第1及び第2の偏心プリズムの前記位置決め部に対応する位置決め保持部を有し、
    前記第1及び第2の偏心プリズムの前記位置決め部を有する光学作用面、及び前記保持部材のいずれかが、前記位置決め部又は前記位置決め保持部の外側であって前記光学作用面の有効径を挟む位置に2つ以上、全体で3つの突起部を有し、かつ、前記保持部材における前記第1の偏心プリズム用位置決め保持部と、前記第2の偏心プリズム用位置決め保持部とが、互いに位置が異なり、
    前記位置決め部、前記位置決め保持部、及び前記突起部を介して、前記保持部材の両側から前記第1の偏心プリズムと前記第2の偏心プリズムが位置決め固定されることを特徴とする偏心光学系及び偏心光学系の保持構造。
  3. 請求項1又は2に記載の保持構造を備えた偏心光学系を用いた光学装置。
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