JP2005047905A - 2−アシルアミノチアゾール誘導体又はその塩 - Google Patents
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Abstract
Description
一方、再生不良性貧血、骨髄異形成症候群、又は悪性腫瘍の化学療法、放射線療法等における種々の造血障害による血小板の減少は出血傾向を招く等の重篤な症状を引き起こすため、それらの治療を目的に血小板を増多させる様々な技術の開発の試みが行われてきた。現在、血小板減少症治療の有力な手段は血小板輸血であるが、十分量の血小板が供給されている状況ではなく、また、移入した血小板の寿命が短い等の理由により、血小板減少症を十分に改善することは困難である。さらに、血小板輸血にはウイルス感染、同種抗体の産生、移植細胞対宿主病(Graft Versus Host Disease:GVHD)等の問題点がある。このため、種々の症状あるいは治療によって引き起こされる造血機能の抑制状態を緩和し、血小板数の回復を促進させる薬剤の開発が期待されている。
該公報では、X1として置換されていてもよいチアゾール、Y1として-NHCO-を含む化合物についての記載がある。しかし、本発明においては、該公報におけるチアゾリル基のごときA1基を有する置換基で本発明化合物中のR3が置換されることはない。しかも、該公報においては、チアゾール5位が窒素原子で置換された低級アルキルで置換されている化合物については、実施例その他による具体的開示は一切ない。
該公報では、X1として置換されていてもよいチアゾール、Y1として-NHCO-を含む化合物についての記載がある。しかし、本発明においては、該公報におけるW1基を有する置換基で本発明化合物中のR3が置換されることはない。しかも、該公報においては、チアゾール5位が窒素原子で置換された低級アルキルで置換されている化合物については、実施例その他による具体的開示は一切ない。
該公報では、2-アシルアミノチアゾールの5位に窒素原子が直接置換した化合物についての記載がある。しかし、本発明におけるチアゾール5位が窒素原子で置換された低級アルキルで置換されている化合物については言及されていない。
該公報では、2-アシルアミノチアゾールの5位に窒素原子が直接置換した化合物についての記載がある。しかし、本発明におけるチアゾール5位が窒素原子で置換された低級アルキルで置換されている化合物については言及されていない。
上記のような状況下、血小板減少症治療を目的とした、免疫原性が少なく経口投与可能な非ペプチド性c-Mplリガンドの開発が切望されている。
(1)式(III)で示される2-アシルアミノチアゾール誘導体又はその製薬学的に許容される塩。
B:低級アルキレン。
R4:式(II)で示される基、又は置換されていてもよい環状アミノ。
R11:H、置換されていてもよい低級アルキル、又は置換されていてもよいシクロアルキル。なお、Bがメチレンを示す場合、R11は、R5で示されるチエニル若しくはフェニルへ架橋するメチレンとして存在してもよい。また、Bがメチレンを示す場合、R11は、Bで示されるメチレンへ閉環する置換されていてもよい低級アルキレンとして存在していてもよい。
R12:それぞれ置換されていてもよい低級アルキル、シクロアルキル若しくは非芳香族ヘテロ環。]
R5:それぞれ置換されていてもよいチエニル若しくはフェニル。
R6:それぞれ置換されていてもよい芳香族ヘテロ環、アリール若しくは環状アミノ。但し、置換されていないフェニル及び置換されていてもよいインドールを除く。]
(3)R5が、1つ以上のハロゲンで置換されていてもよい低級アルキル、及びハロゲンからなる群より選択される1つ以上の基で置換されているチエニル若しくはフェニルである、(2)の化合物。
(4)R6が置換されていてもよいピリジル、又は置換されているフェニルである、(3)の化合物。
(5)R6が、クロロ及びフルオロからなる群より選択される基で5位が置換され、さらに6位が置換されているピリジン-3-イル、又はクロロ及びフルオロからなる群より選択される基で3位が置換され、-H、クロロ及びフルオロからなる群より選択される基で5位が置換され、さらに4位が置換されているフェニルである、(4)の化合物。
ここで、「化合物群X」とは、
1-{3-クロロ-5-[(4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-{[シクロブチル(メチル)アミノ]メチル}チアゾール-2-イル)カルバモイル]-2-ピリジル}ピペリジン-4-カルボン酸、
1-(5-{[5-{[ブチル(メチル)アミノ]メチル}-4-(4-クロロチオフェン-2-イル)チアゾール-2-イル]カルバモイル}-3-クロロ-2-ピリジル)ピペリジン-4-カルボン酸、
1-{5-[(4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-{[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]メチル}チアゾール-2-イル)カルバモイル]-3-フルオロ-2-ピリジル}ピペリジン-4-カルボン酸、
1-{3-クロロ-5-[(4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-{[(2S)-2-メチルピロリジン-1-イル]メチル}チアゾール-2-イル)カルバモイル]-2-ピリジル}ピペリジン-4-カルボン酸、
1-(3-クロロ-5-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(ジメチルアミノメチル)チアゾール-2-イル]カルバモイル}-2-ピリジル)ピペリジン-4-カルボン酸、
1-{3-クロロ-5-[(4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-{[イソプロピル(メチル)アミノ]メチル}チアゾール-2-イル)カルバモイル]-2-ピリジル}ピペリジン-4-カルボン酸、
4-[{3-クロロ-5-[(4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-{[イソプロピル(メチル)アミノ]メチル}チアゾール-2-イル)カルバモイル]-2-ピリジル}(メチル)アミノ]酪酸、
1-{3-クロロ-5-[(4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-{[(3S)-3-メチルピロリジン-1-イル]メチル}チアゾール-2-イル)カルバモイル]-2-ピリジル}ピペリジン-4-カルボン酸、
1-{3-クロロ-5-[(4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-{[[(2S)-2-メトキシプロピル](メチル)アミノ]メチル}チアゾール-2-イル)カルバモイル]-2-ピリジル}ピペリジン-4-カルボン酸、
N-[5-{[ブチル(メチル)アミノ]メチル}-4-(4-クロロチオフェン-2-イル)チアゾール-2-イル]-5-クロロ-6-[(3-ヒドロキシプロピル)アミノ]ニコチンアミド、
N-[5-{[ブチル(メチル)アミノ]メチル}-4-(4-クロロチオフェン-2-イル)チアゾール-2-イル]-5-クロロ-6-(3-オキソピペラジン-1-イル)ニコチンアミド、及び、
N-[5-{[ブチル(メチル)アミノ]メチル}-4-(4-クロロチオフェン-2-イル)チアゾール-2-イル]-5-クロロ-6-[4-(ヒドロキシメチル)ピペリジノ]ニコチンアミド、
並びに、これらの製薬学的に許容される塩からなる化合物群であり、
「化合物群Y」とは、
1-{3-クロロ-5-[(4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-{[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]メチル}チアゾール-2-イル)カルバモイル]-2-ピリジル}ピペリジン-4-カルボン酸、
4-[{3-クロロ-5-[(4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-{[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]メチル}チアゾール-2-イル)カルバモイル]-2-ピリジル}(メチル)アミノ]酪酸、
4-[{3-クロロ-5-[(4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-{[(2S)-2-メチルピロリジン-1-イル]メチル}チアゾール-2-イル)カルバモイル]-2-ピリジル}(メチル)アミノ]酪酸、
1-{5-[(4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-{[(2S)-2-メチルピロリジン-1-イル]メチル}チアゾール-2-イル)カルバモイル]-3-フルオロ-2-ピリジル}ピペリジン-4-カルボン酸、
(1-{3-クロロ-5-[(4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-{[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]メチル}チアゾール-2-イル)カルバモイル]-2-ピリジル}アゼチジン-3-イル)酢酸、
(1-{3-クロロ-5-[(4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-{[(2S)-2-メチルピロリジン-1-イル]メチル}チアゾール-2-イル)カルバモイル]-2-ピリジル}アゼチジン-3-イル)酢酸、
1-(3-クロロ-5-{[5-{[イソプロピル(メチル)アミノ]メチル}-4-(4-メチルチオフェン-2-イル)チアゾール-2-イル]カルバモイル}-2-ピリジル)ピペリジン-4-カルボン酸、
1-{3-クロロ-5-[(4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-{[(3R)-3-メチルピロリジン-1-イル]メチル}チアゾール-2-イル)カルバモイル]-2-ピリジル}ピペリジン-4-カルボン酸、
1-{3-クロロ-5-[(4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-{[[(2R)-2-メトキシプロピル](メチル)アミノ]メチル}チアゾール-2-イル)カルバモイル]-2-ピリジル}ピペリジン-4-カルボン酸、
1-(5-{[5-(アゼパン-1-イルメチル)-4-(4-クロロチオフェン-2-イル)チアゾール-2-イル]カルバモイル}-3-クロロ-2-ピリジル)ピペリジン-4-カルボン酸、
1-{3-クロロ-5-[(4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-{[(2-メトキシエチル)(メチル)アミノ]メチル}チアゾール-2-イル)カルバモイル]-2-ピリジル}ピペリジン-4-カルボン酸、
1-(5-{[5-(アゾカン-1-イルメチル)-4-(4-クロロチオフェン-2-イル)チアゾール-2-イル]カルバモイル}-3-クロロ-2-ピリジル)ピペリジン-4-カルボン酸、
1-{3-クロロ-5-[(4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-{[シクロヘキシル(メチル)アミノ]メチル}チアゾール-2-イル)カルバモイル]-2-ピリジル}ピペリジン-4-カルボン酸、及び
1-{3-クロロ-5-[(4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-{[シクロプロピル(メチル)アミノ]メチル}チアゾール-2-イル)カルバモイル]-2-ピリジル}ピペリジン-4-カルボン酸、
並びに、これらの製薬学的に許容される塩からなる化合物群である。
また、式(III)で示される化合物におけるR4として、好ましくはR11が低級アルキルであり、R12がそれぞれ置換されていてもよい低級アルキル若しくはシクロアルキルである式(II)で示される基、又は低級アルキルで置換されていてもよい環状アミノであり;より好ましくは、R11がメチルであり、R12がそれぞれ置換されていてもよい低級アルキル若しくはシクロアルキルである式(II)で示される基、又はメチルで置換されていてもよい環状アミノである。
また、R11における「Bがメチレンを示す場合、R11はBで示されるメチレンへ閉環する置換されていてもよい低級アルキレンとして存在していてもよい」とは、具体的には、例えば表45に挙げるような化合物の部分構造を示すこと意味する。
本発明に係る化合物の薬理作用は以下の試験により確認された。
96ウェルマイクロプレートに、2×105 cells/mlのヒトc-mpl-Ba/F3細胞を、各濃度の被験化合物を添加した10%牛胎児血清含有RPMI1640培地(100 μl/ウェル)にて37 ℃で培養した。培養開始24時間後にWST-1/1-methoxy PMS(細胞計測キット,同仁)の10 μl/ウェルを添加した。添加直後及び2時間後にA450/A650の吸光度をマイクロプレートリーダー(Model 3350: Bio-Rad)にて測定し、2時間での吸光度の増加を各被験化合物の増殖活性とした。その結果を表1に示す。
pot:化合物A(化合物A及びrhTPOにおいてはrhTPO)の最大細胞増殖活性値の30%の細胞増殖を促進する被験化合物濃度
Efficacy:化合物A(化合物A及びrhTPOにおいてはrhTPO)の最大細胞増殖活性値を100%としたときの被験化合物の最大細胞増殖活性値。
なお、化合物Aとは、上述の特許文献10の実施例9の化合物を示す。
ヒトCD34+細胞をMegaCultTM-C(StemCell Technologies社)を用いて2 well chamberスライドにて被験物質存在下で10-14日間、37 ℃で培養した。添付の説明書に従って、脱水、固定した後、抗glycoprotein IIb/IIIa抗体にて染色した。染色された巨核球細胞の3個以上の集団を1コロニーとし、1 wellあたりのコロニー数を顕鏡にて測定した。各被験化合物のEC30値を用量曲線より算出した。
雄性ICRマウスに、0.5%メチルセルロース水溶液にて溶解若しくは懸濁させた被験化合物3 mg/kg若しくは10 mg/kg(比較化合物1〜3においては100 mg/kg)を経口投与した。投与2時間後に、腹部下大静脈より1/10容3.8%クエン酸ナトリウムを抗凝固剤として採血した。12,000 rpmで3分間遠心分離して得られた血漿を56 ℃で30分間加温したものを(i)記載のヒトc-mpl-Ba/F3細胞増殖試験の系に最終濃度0.3%、1%若しくは3%血漿(比較化合物1〜3においては10%)になるように添加し、細胞増殖活性を測定した。各被験化合物の最大の細胞増殖活性を100%としたときの各血漿の細胞増殖活性(%)を求めた。その結果を表2に示す。
本明細書中、「低級」なる語は、特に断らない限り炭素数1乃至6個の直鎖状又は分枝状の炭素鎖を意味する。
従って、「低級アルキル」とは、C1-6のアルキルを示し、具体的には例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル等が挙げられ、好ましくはC1-3アルキルのメチル、エチル、プロピル、イソプロピルである。
「低級アルキレン」とは、C1-6アルキルの2価基であり、好ましくはC1-4アルキレンのメチレン、エチレン、トリメチレン、メチルエチレン、テトラメチレン、ジメチルメチレン、ジメチルエチレンであり、さらに好ましくはメチレン、エチレンであり、メチレンが特に好ましい。
「アリール」とは、C6-14の単環乃至3環の芳香環を意味し、好ましくはフェニル、ナフチルであり、さらに好ましくはフェニルである。
「非芳香族ヘテロ環」とは、窒素、酸素及び硫黄からなる群より選択された同一又は異なるヘテロ原子を1個以上有する非芳香族ヘテロ環の1価基を意味し、具体的には例えば、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロチオフラン、テトラヒドロチオピラン、オキセタン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、アゼパン、ピペラジン、ホモピペラジン、モルホリン、チオモルホリンの1価基等を挙げることができる。
「芳香族ヘテロ環」とは、窒素、酸素及び硫黄からなる群より選択された同一又は異なるヘテロ原子を1個以上有する5〜6員環芳香族ヘテロ環又はそれらの部分的に水素化された環の1価基を意味し、具体的には例えばピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、ピロール、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、チオフェン、フランの1価基を挙げることができる。なお、これらの環はベンゼン環と縮合していてもよい。
(a)ハロゲン;
(b)-OH、-O-RZ、-O-アリール、-OCO-RZ、オキソ(=O);
(c)-SH、-S-RZ、-S-アリール、-SO-RZ、-SO-アリール、-SO2-RZ、-SO2-アリール、1つ又は2つのRZで置換されていてもよいスルファモイル;
(d)1つ又は2つのRZで置換されていてもよいアミノ、-NHCO-RZ、-NHCO-アリール、-NHCO2-RZ、-NHCONH2、-NHSO2-RZ、-NHSO2-アリール、-NHSO2NH2、ニトロ;
(e)-CHO、-CO-RZ、-CO2H、-CO2-RZ、1つ又は2つのRZで置換されていてもよいカルバモイル、シアノ;
(f)-OH、-O-低級アルキル、1つ又は2つの低級アルキルで置換されていてもよいアミノ、ハロゲン及びRZからなる群より選択される1つ以上の基でそれぞれ置換されていてもよいアリール若しくはシクロアルキル;
(g)-OH、-O-低級アルキル、1つ又は2つの低級アルキルで置換されていてもよいアミノ、ハロゲン及びRZからなる群より選択される1つ以上の基でそれぞれ置換されていてもよい芳香族ヘテロ環若しくは非芳香族ヘテロ環;
(h)上記(a)乃至(g)に示される置換基より選択される1つ以上の基で置換されていてもよい低級アルキル。
X:-OH、-O-低級アルキル、ハロゲン、オキソ及びRZからなる群より選択される1つ以上の基で置換されていてもよい環状アミンジイル。
Y:単結合、-O-低級アルキレン-、又は-N(低級アルキル)-低級アルキレン-。
Z:置換基群W、-環状アミンジイル-置換基群W、又は-CO-環状アミンジイル-置換基群W。]
本発明に係る化合物及びその製薬学的に許容される塩は、その基本骨格あるいは置換基の種類に基づく特徴を利用し、種々の公知の合成法を適用して製造することができる。以下に代表的な製法を例示する。なお、官能基の種類によっては、当該官能基を原料ないし中間体の段階で適当な保護基、すなわち容易に当該官能基に転化可能な基に置き換えておくことが製造技術上効果的な場合がある。しかるのち、必要に応じて保護基を除去し、所望の化合物を得ることができる。このような官能基としては例えば水酸基やカルボキシル基、アミノ基などを挙げることができ、それらの保護基としては例えばグリーン(Greene)及びウッツ(Wuts)著、「Protective Groups in Organic Synthesis (third edition)」に記載の保護基を挙げることができ、これらを反応条件に応じて適宜用いればよい。
本製造法は、式(III)で示される本発明化合物のうち、Bがメチレンであり、R4とR5が架橋されておらず、R4とBが閉環していない化合物を製造する方法である。
本工程は、化合物(1b)又はその反応性誘導体と、化合物(1a)又はその塩とを、常法によりアミド化し、必要により保護基を除去することにより、化合物(1c)を製造する工程である。
本工程のアミド化は当業者が通常用いうるアミド化を採用することができるが、特に、オキシ塩化リンをピリジン溶媒中で作用させる方法、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)存在下、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(WSC・HCl)や、ジシクロヘキシルカルボジイミド、カルボニルジイミダゾール、ジフェニルホスホリルアジド、ジエチルホスホリルシアニド等の縮合剤を作用させる方法が好適に用いられる。
反応は使用する反応性誘導体や縮合剤等によっても異なるが、通常ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;エーテル、テトラヒドロフラン(THF)などのエーテル類;酢酸エチル(EtOAc)などのエステル類;アセトニトリル、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)やジメチルスルホキシド(DMSO)等の反応に不活性な有機溶媒中、冷却下、冷却乃至室温下あるいは室温乃至加熱下に行われる。
本工程は、化合物(1e)を用いたマンニッヒ(Mannich)反応を用いて、化合物(1c)のチアゾール5位にアミノメチル基を導入し、本発明化合物(III)を製造する工程である。Albertson, N. F.; J Am Chem Soc 1948, 70, 669.や、Bhargava, P. N.; Sharma, S. C.; Bull Chem Soc Jpn 1965, 38, 909.に記載された方法、あるいはそれに準じた方法を採用することができる。
本工程は、化合物(1c)のチアゾール5位にアセトキシメチル基を導入して化合物(1d)とした後、塩基性条件下、化合物(1e)による求核置換反応を経て本発明化合物(III)を製造する工程である。
工程Cのアセトキシメチル化は、化合物(1c)に対し、酢酸溶媒下、ホルムアルデヒド水溶液若しくはパラホルムアルデヒドを作用させ、室温乃至加熱下、若しくは室温乃至還流下に行うことができる。なお、酢酸溶媒に代えて、ハロゲン化炭化水素類、芳香族炭化水素類、エーテル類等の反応に不活性な溶媒下、酢酸を加えて反応させることもできるが、その場合には反応性が低下する傾向がある。また、さらに無水酢酸を加えて反応を行うこともできる。
工程Dの求核置換反応は、化合物(1d)に対し、ハロゲン化炭化水素類、芳香族炭化水素類、エーテル類、エステル類、アセトニトリル、DMF、DMSO等の反応に不活性な有機溶媒中、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等の有機塩基、及び/又は炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基存在下、化合物(1e)を作用させることにより行うことができる。なお、反応を加速させるために、ジメチルアミノピリジン等の触媒を加えてもよい。また、有機塩基及び/又は無機塩基に代えて、化合物(1e)を過剰に用いてもよい。反応は用いる塩基によって異なるが、冷却乃至室温下、室温下乃至加熱下、室温下乃至還流下に行うことができる。
本製造法は、式(III)で示される本発明化合物のうち、Bがメチレン以外の低級アルキレンであり、R4とR5が架橋されておらず、R4とBが閉環していない化合物を製造する方法である。
本工程は、化合物(2a)と化合物(2b)を縮合させ、化合物(2c)を製造する工程である。HAND, E. S.; JOHNSON, S. C.; BAKER, D. C.; J Org Chem 1997, 62 (5), 1348-1355.に記載された方法、あるいはそれに準じた方法を採用することができる。
本工程は、化合物(2c)のケトンのα位をハロゲン化した後、チオ尿素を作用させてチアゾール環を構築する工程である。Org. Syn. Coll. Vol. II, 1943, 31-32.、丸善株式会社1992年刊「第4版実験化学講座19」431-435ページに記載された方法、あるいはそれに準じた方法を採用することができる。
本工程は、化合物(2d)に対し、又は必要に応じて加水分解を施したカルボン酸体に対し、第1製法工程Aに準じたアミド化を行った後、還元反応によりアミド結合をアミノメチレン結合に変換する工程である。丸善株式会社1992年刊「第4版実験化学講座26」227-228ページに記載された方法、あるいはそれに準じた方法を採用することができる。
本工程は、化合物(1b)と、化合物(2e)とをアミド化し、本発明化合物(III)を製造する工程である。第1製法工程Aに準じて行うことができる。
本製造法は、式(III)で示される本発明化合物のうち、R4とR5がR11により架橋されている化合物を製造する方法である。R11がR5へ架橋するメチレンとして存在するのは、上記定義により、Bがメチレンであり、R4が式(II)で示される基である場合である。
本工程は、化合物(1c)を用いたマンニッヒ反応を用いて、化合物(1c)のチアゾール5位にアミノメチル基を導入し、続く2段階目のマンニッヒ反応により形成したイミニウムに対しR2で示されるフェニル若しくはチエニルが求核攻撃し、本発明化合物である3環性化合物を与える工程である。第1製法工程Bに準じて行うことができる。
本製造法は、式(III)で示される本発明化合物のうち、R4とBがR11により閉環されている化合物を製造する方法である。R11がBへ閉環する置換されていてもよい低級アルキレンとして存在するのは、上記定義により、Bがメチレンであり、R4が式(II)で示される基である場合である。
本工程は、Van Tamelin, E. E.; Knapp, G. C.; J. Am. Chem. Soc., 77, 1860 ,1955.の方法に準じて行うことができる。
各種の異性体は異性体間の物理化学的性質の差を利用して常法により単離できる。例えばラセミ混合物は、例えば酒石酸等の一般的な光学活性酸とのジアステレオマー塩に導き光学分割する方法などの一般的なラセミ体分割法により、光学的に純粋な異性体に導くことができる。また、ジアステレオ混合物は、例えば分別結晶化又は各種クロマトグラフィーなどにより分離できる。また、光学活性な化合物は適当な光学活性な原料を用いることにより製造することもできる。
本発明による経口投与のための固体組成物としては、錠剤、散剤、顆粒剤等が用いられる。このような固体組成物においては、1種以上の活性物質が、少なくとも1種の不活性な希釈剤、例えば乳糖、マンニトール、ブドウ糖、ヒドロキシプロピルセルロース、微結晶セルロース、デンプン、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等と混合される。組成物は、常法に従って、不活性な希釈剤以外の添加剤、例えばステアリン酸マグネシウム等の滑沢剤、繊維素グリコール酸カルシウム等の崩壊剤、安定化剤、溶解補助剤等を含有していてもよい。錠剤又は丸剤は必要によりショ糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート等の糖衣又は胃溶性若しくは腸溶性のフィルムで被覆してもよい。
非経口投与のための注射剤としては、無菌の水性又は非水性の溶液剤、懸濁剤、乳濁剤を含有する。水性の溶液剤、懸濁剤としては、例えば注射用蒸留水及び生理食塩水が含まれる。非水性の溶液剤、懸濁剤としては、例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油等の植物油、EtOH等のアルコール類、ポリソルベート80等がある。このような組成物は、さらに防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、安定剤、溶解補助剤等の補助剤を含んでいてもよい。これらは例えばバクテリア保留フィルターを通す濾過、殺菌剤の配合又は照射によって無菌化される。これらはまた無菌の固体組成物を製造し、使用前に無菌水又は無菌の注射用溶媒に溶解して使用することもできる。
3,4,5-トリフルオロ安息香酸のDMF溶液に炭酸カリウム、臭化アリルを加え、1晩撹拌し、粗製のアリルエステルを得た。粗製のアリルエステル、イソニペコチン酸エチルのDMF溶液に炭酸カリウムを加え、室温で1晩撹拌し、ピペリジン置換体を得た。ピペリジン置換体のTHF溶液にモルホリン、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(触媒量)を加え、60 ℃で2時間、室温で4日間撹拌した。溶媒を留去したのちエーテル、EtOAcを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で10回洗浄し、集めた水層に濃塩酸を加え、生じた沈殿を濾取し、4-[4-(エトキシカルボニル)ピペリジン-1-イル]-3,5-ジフルオロ安息香酸を得た。
3-クロロ-5-フルオロ-4-ヒドロキシ安息香酸 エチルエステルのDMF溶液に炭酸カリウム、3-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)プロピルブロミドを加え50 ℃で撹拌し、4-[3-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)プロポキシ]-3-クロロ-5-フルオロ安息香酸 エチルエステルを得た。
参考例2の方法と同様にして表3に示す参考例3〜4を、それぞれ対応する原料を使用して製造した。
3.4-ジフルオロ安息香酸 メチルエステルのTHF溶液に無水ピペラジンを加え、60 ℃で18時間撹拌し、3-フルオロ-4-ピペラジン-1-イル安息香酸 メチルエステルを得た。
参考例5の化合物の1,2-ジクロロエタン溶液にジ-tert-ブチルジカーボネート、4-ジメチルアミノピリジンを加え、室温で10分間撹拌し、4-[2-フルオロ-4-(メトキシカルボニル)フェニル]ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステルを得た。
参考例6の化合物のDMF溶液にN-クロロスクシンイミドを加え、室温で3時間撹拌し、4-[2-クロロ-6-フルオロ-4-(メトキシカルボニル)フェニル]ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステルを得た。
参考例2の化合物のMeOH-THF混合溶液に1M NaOH水溶液(aq)を加え、室温にて16時間撹拌し、4-[3-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)プロポキシ]-3-クロロ-5-フルオロ安息香酸を得た。
参考例8の方法と同様にして表3に示す参考例9〜11を、それぞれ対応する原料を使用して製造した。
参考例11の化合物のMeOH溶液に塩化チオニルを加え、室温にて22時間撹拌し、4-[3-(メトキシカルボニル)プロポキシ]-3-フルオロ安息香酸を得た。
Rf:参考例番号、
Data:物理学的データ(MS:FAB-MS(M+H)+;MN:FAB-MS(M-H)-;MM:FAB-MS(M)+)、
R、R1、R2、R3、R4、X、Y:一般式中の置換基(Me:メチル、Et:エチル、iPr:イソプロピル、cPr:シクロプロピル、nBu:ノルマルブチル、iBu:イソブチル、tBu:ターシャリーブチル、Ph:フェニル、Py:ピリジル、Boc:tert-ブチルオキシカルボニル、The:チエニル、azet:アゼチジン-1-イル、pyrr:ピロリジン-1-イル、pipe:ピペリジン-1-イル、pipa:ピペラジン-1-イル、mor:モルホリン-4-イル、TBS:ターシャリーブチルジメチルシリル、di:ジ。置換基の前の数字は置換位置を示し、従って、例えば3,5-diF-4-(4-EtO2C-pipe)Phは3,5-ジフルオロ-4-(4-エトキシカルボニルピペリジン-1-イル)フェニルを、4-Me-2-Theは4-メチルチオフェン-2-イルを示す)、
を示す。
4-クロロ-2-アセチルチオフェンのエーテル溶液に氷冷下にて臭素を加え、室温にて2時間撹拌しブロム体を得た。ブロム体のEtOH溶液に室温でチオ尿素を加え、80 ℃にて一晩撹拌し、2-アミノ-4-(4-クロロチオフェン-2-イル)チアゾールを得た。
参考例13の方法と同様にして表4に示す参考例14を、対応する原料を使用して製造した。
参考例13の化合物、5,6-ジクロロニコチン酸のピリジン懸濁液に-30 ℃でオキシ塩化リンを加え、徐々に昇温し室温で1晩撹拌し、5,6-ジクロロ-N-[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)チアゾール-2-イル]ニコチンアミドを得た。
参考例15の方法と同様にして表5に示す参考例16〜22を、それぞれ対応する原料を使用して製造した。
参考例15の化合物にピリジン、トリエチルアミン、イソニペコチン酸エチルを加え、70 ℃で16時間撹拌し、1-(3-クロロ-5-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)チアゾール-2-イル]カルバモイル}-2-ピリジル)ピペリジン-4-カルボン酸 エチルエステルを得た。
参考例23の方法と同様にして表6に示す参考例24〜31を、それぞれ対応する原料を使用して製造した。
参考例23の化合物に酢酸、ホルムアルデヒド水溶液(36%)を加え100 ℃で1晩撹拌し、1-(5-アセトキシメチル-4-(4-クロロチオフェン-2-イル)チアゾール-2-イル)カルバモイル)-3-クロロ-2-ピリジル)ピペリジン-4-カルボン酸 エチルエステルを得た。
参考例32の方法と同様にして表7に示す参考例33を対応する原料を使用して製造した。
参考例19の化合物のクロロホルム-EtOH混合溶液に、氷冷下4M HCl-EtOAc溶液を加え、室温で17時間撹拌し、3-クロロ-N-[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)チアゾール-2-イル]-5-フルオロ-4-ピペラジン-1-イルベンズアミド 塩酸塩を得た。
参考例36の化合物のDMF溶液に炭酸カリウム、ブロモ酢酸エチルを加え室温にて23時間撹拌し、[4-(2-クロロ-4-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)チアゾール-2-イル]カルバモイル}-6-フルオロフェニル)ピペラジン-1-イル]酢酸 エチルエステルを得た。
2-アミノ-4-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]チアゾール、5,6-ジクロロニコチン酸のピリジン懸濁液に-30 ℃でオキシ塩化リンを加え、徐々に昇温し室温で1晩撹拌した。減圧下溶媒を留去したのち、ピリジン及びEtOHを加え50 ℃で30分間撹拌した。室温でトリエチルアミン、イソニペコチン酸エチルを加え、80 ℃で15時間撹拌し、1-[3-クロロ-5-({4-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]チアゾール-2-イル}カルバモイル)-2-ピリジル]ピペリジン-4-カルボン酸 エチルエステルを得た。
参考例38の方法と同様にして表10に示す参考例39〜40を対応する原料を使用して製造した。
参考例13の化合物のTHF溶液に、クロロギ酸フェニル、ピリジンを加え、室温にて1.5時間撹拌し、N-[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)チアゾール-2-イル]カルバミド酸 フェニルエステルを得た。
参考例43の化合物のDMF溶液に、N-(ピペリジン-4-イル)イソニペコチン酸 エチルエステル 塩酸塩とN-(ピペリジン-4-イル)イソニペコチン酸 イソプロピルエステル 塩酸塩の混合物、トリエチルアミンを加え、80 ℃にて12時間加熱撹拌し、エステル混合物を得た。エステル混合物をMeOHに溶解し、トリエチルアミン、ナトリウムエトキシドを加え、室温から50 ℃にて18時間撹拌し、1'-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)チアゾール-2-イル]カルバモイル}-1,4'-ビピペリジン-4-カルボン酸 メチルエステルを得た。
4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸 エステル(メチルエステル:エチルエステル 3:2混合物)を出発原料とし参考例13の方法と同様にして、表13に示す参考例45を製造した。
参考例8の方法と同様にして、表13に示す参考例46を、対応する原料を使用して製造した。
参考例46の化合物のDMF溶液に、ブチルメチルアミン、WSC・HCl、HOBt、トリエチルアミンを加え、室温にて18時間撹拌し、N-ブチル-N-メチル-[2-アミノ-4-(4-クロロチオフェン-2-イル)チアゾール-5-イル]アセトアミドを得た。
水素化リチウムアルミニウムのTHF懸濁液に、参考例47の化合物のTHF溶液を加え、加熱還流下3時間撹拌し、2-アミノ-5-{2-[ブチル(メチル)アミノ]エチル}-4-(4-クロロチオフェン-2-イル)チアゾールを得た。
参考例15の方法と同様にして、表13に示す参考例49を、対応する原料を使用して製造した。
2,6-ジクロロ-5-フルオロニコチン酸のDMF溶液に、イソニペコチン酸 エチルエステルを加え、80 ℃で撹拌し、2-クロロ-6-[4-(エトキシカルボニル)ピペリジン-1-イル]-5-フルオロニコチン酸を得た。
参考例50の化合物のTHF-EtOH溶液に、トリエチルアミン、10%パラジウム担持炭素を加え、4気圧水素雰囲気下、室温で攪拌し、6-[4-(エトキシカルボニル)ピペリジン-1-イル]-5-フルオロニコチン酸を得た。
1-(3-クロロ-5-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)チアゾール-2-イル]カルバモイル}-2-ピリジル)ピペリジン-4-カルボン酸 エチルエステル150 mgに酢酸3 ml、ホルムアルデヒド水溶液(36%)24 μl、N-ブチル-N-メチルアミン47 μlを加え90 ℃で18時間攪拌した。減圧下溶媒を留去したのち飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をヘキサン:EtOAc(7:1〜5:1)を溶出溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、1-(5-{[5-{[ブチル(メチル)アミノ]メチル}-4-(4-クロロチオフェン-2-イル)チアゾール-2-イル]カルバモイル}-3-クロロ-2-ピリジル)ピペリジン-4-カルボン酸 エチルエステル 147 mgを得た。
1-(5-{[5-[(アセトキシ)メチル]-4-(4-クロロチオフェン-2-イル)チアゾール-2-イル]カルバモイル}-3-クロロ-2-ピリジル)ピペリジン-4-カルボン酸 エチルエステル107 mgのEtOH 6 ml懸濁液にN-(2-メトキシエチル)メチルアミン39 μl、トリエチルアミン51 μl、4-(ジメチルアミノ)ピリジン23 mgを加え、50 ℃で2時間攪拌した。溶媒を留去したのち飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、EtOAcで抽出し、水、飽和食塩水で洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をヘキサン:EtOAc(10:1〜3.5:1)を溶出溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、1-{3-クロロ-5-[(4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-{[(2-メトキシエチル)(メチル)アミノ]メチル}チアゾール-2-イル)カルバモイル]-2-ピリジル}ピペリジン-4-カルボン酸 エチルエステル90 mgを得た。
1-[3-クロロ-5-({4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-[(シクロブチルアミノ)メチル]チアゾール-2-イル}カルバモイル)-2-ピリジル]ピペリジン-4-カルボン酸 エチルエステル79 mgの1.2-ジクロロエタン2 mlに35% ホルマリン110 μl、酢酸76 μlを加え、室温で1時間撹拌した後、NaBH(OAc)3 45 mgを加え室温で1時間撹拌した。反応液にクロロホルムを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、brineにて有機層を洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=4:1〜2:1)にて精製し58 mgの1-{3-クロロ-5-[(4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-{[シクロブチル(メチル)アミノ]メチル}チアゾール-2-イル)カルバモイル]-2-ピリジル}ピペリジン-4-カルボン酸 エチルエステルを得た。
5,6-ジクロロ-N-[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(ピペリジン-1-イルメチル)-1,3-チアゾール-2-イル]ニコチンアミド413 mgのTHF 5 ml溶液にイソニペコチン酸エチル1.3 mlを加え、5日間攪拌した。減圧下溶媒を留去したのち飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、生じた沈殿を濾取した。このものをクロロホルムに溶解し飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をヘキサン:EtOAc(4:1〜3:1)を溶出溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、1-(3-クロロ-5-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(ピペリジノメチル)チアゾール-2-イル]カルバモイル}-2-ピリジル)ピペリジン-4-カルボン酸 エチルエステル 468 mgを得た。
1-{3-クロロ-5-[(4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-{[(2-メトキシエチル)(メチル)アミノ]メチル}チアゾール-2-イル)カルバモイル]-2-ピリジル}ピペリジン-4-カルボン酸 エチルエステル76 mgのEtOH 1.5 ml懸濁液に1M水酸化ナトリウム水溶液0.4 mlを加え、60 ℃で2時間攪拌した。室温にて1M塩酸0.6 ml、水0.5 mlを加え、生じた沈殿を濾取し、50%エタノール水で洗浄した。減圧下乾燥し、1-{3-クロロ-5-[(4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-{[(2-メトキシエチル)(メチル)アミノ]メチル}チアゾール-2-イル)カルバモイル]-2-ピリジル}ピペリジン-4-カルボン酸 塩酸塩73 mgを得た。
エチル [4-(5-{[5-{[ブチル(メチル)アミノ]メチル}-4-(4-クロロチオフェン-2-イル)チアゾール-2-イル]カルバモイル}-3-クロロ-2-ピリジル)-2-オキソピペラジン-1-イル]アセタート128 mgのTHF 5 ml溶液に水素化ホウ素ナトリウム19 mgを加え攪拌下還流した。そこへ、MeOH 128 mgをTHF 2 mlに溶解した溶液をゆっくりと滴下し、その後1時間還流下攪拌した。反応液を氷冷した後水を加え、クロロホルムで抽出し、飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し得られた残渣をクロロホルム:MeOH(99:1〜98:2)を溶出溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した。得られた粗精製物をメタノールに懸濁し、不溶物を濾過し除去した後、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をEtOAcに溶解し、4M HCl-EtOAc溶液を加え攪拌後、得られた沈殿を濾取し、減圧下乾燥し、N-[5-{[ブチル(メチル)アミノ]メチル}-4-(4-クロロチオフェン-2-イル)チアゾール-2-イル]-5-クロロ-6-[4-(2-ヒドロキシエチル)-3-オキソピペラジン-1-イル]ニコチンアミド 塩酸塩15 mgを得た。
実施例132の化合物40 mgをMeOH 6 mlに溶解し、濃塩酸を1.6 ml加え2時間攪拌した後、濃縮後、析出物を濾過、EtOAcで洗浄し、32 mgのN-[5-{[ブチル(メチル)アミノ]メチル}-4-(4-クロロチオフェン-2-イル)チアゾール-2-イル]-4-(2-ヒドロキシメトキシ)-3-メトキシベンズアミド 塩酸塩を得た。
1-{3-クロロ-5-[(4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-{[(3-メトキシプロピル)(メチル)アミノ]メチル}チアゾール-2-イル)カルバモイル]-2-ピリジル}ピペリジン-4-カルボン酸 塩酸塩52 mgのTHF溶液2 mlにトリエチルアミン30 μl、モルホリン30 μl、WSC・HCl 45 mg、HOBt 30 mgを加え室温で一晩撹拌した。反応液にクロロホルムを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、brineにて有機層を洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:クロロホルム:MeOH=100:1〜50:1、ヘキサン:EtOAc=2:1、次いでクロロホルム:MeOH=20:1)にて精製し、ジエチルエーテル2 mlに懸濁させ4 N HCl-EtOAc 2 mlを加え、析出物を濾取し25 mgの5-クロロ-N-(4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-{[(3-メトキシプロピル)(メチル)アミノ]メチル}チアゾール-2-イル)-6-[4-(モルホリノカルボニル)ピペリジノ]ニコチンアミド 塩酸塩を得た。
実施例190の化合物188 mgに、4M HCl-ジオキサン溶液3 mlを加え、50 ℃で18時間加熱攪拌した。反応液を室温冷却後、析出する固体をろ過することで160 mgの[(1-{3-クロロ-5-[(4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-{[(2-メトキシエチル)(メチル)アミノ]メチル}チアゾール-2-イル)カルバモイル]-2-ピリジル}-4-ピペリジル)オキシ]酢酸 塩酸塩を得た。
参考例23の化合物200 mgを蟻酸5 mlに溶解し、メトキシエチルアミン37 μl、35%ホルマリン92 μlを加え70 ℃で15時間攪拌した。反応液を濃縮後、クロロホルムを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、brineにて有機層を洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=5:1〜3:1)にて精製し110 mgの1-{3-クロロ-5-{[7-クロロ-5-(2-メトキシエチル)-5,6-ジヒドロ-4H-チアゾロ[5,4-c]チエノ[2,3-e]アゼピン-2-イル]カルバモイル}-2-ピリジン}-4-カルボン酸 エチルエステルを得た。
6-[(2-アミノエチル)アミノ]-N-[5-{[ブチル(メチル)アミノ]メチル}-4-(4-クロロチオフェン-2-イル)チアゾール-2-イル]-5-クロロニコチンアミド 三塩酸塩100 mgをTHF 5 mlに懸濁し、トリエチルアミン85 μlを加え0 ℃に冷却した。その溶液にメタンスルホニルクロリド13 μlを加えて室温で2時間攪拌した。反応液を水に注ぎ、クロロホルムで抽出し、水、brineで有機層を洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:MeOH=10:1)にて精製し75 mgのN-[5-{[ブチル(メチル)アミノ]メチル}-4-(4-クロロチオフェン-2-イル)チアゾール-2-イル]-5-クロロ-6-({2-[(メチルスルホニル)アミノ]エチル}アミノ)ニコチンアミドを得た。
Ex:実施例番号(Exの欄に数字のみが記載されている場合、その実施例番号の化合物がフリー体であることを示し、数字に続く斜線(/)及び「HCl」が記載されている場合、その実施例番号の化合物が塩酸塩であることを示す。)、
Syn:製造方法(数字はその番号を実施例番号として有する実施例化合物と同様に、対応する原料を用いて合成したことを示す。)、
R:一般式中の置換基(nPr:ノルマルプロピル、cBu:シクロブチル、cHex:シクロヘキシル、MOM:メトキシメチル、Ac:アセチル、Ms:メタンスルホニル、THF:テトラヒドロフリル、THP:テトラヒドロピラニル)。
Claims (6)
- 式(III)で示される2-アシルアミノチアゾール誘導体又はその製薬学的に許容される塩。
B:低級アルキレン。
R4:式(II)で示される基、又は置換されていてもよい環状アミノ。
R11:H、置換されていてもよい低級アルキル、又は置換されていてもよいシクロアルキル。なお、Bがメチレンを示す場合、R11は、R5で示されるチエニル若しくはフェニルへ架橋するメチレンとして存在してもよい。また、Bがメチレンを示す場合、R11は、Bで示されるメチレンへ閉環する置換されていてもよい低級アルキレンとして存在していてもよい。
R12:それぞれ置換されていてもよい低級アルキル、シクロアルキル若しくは非芳香族ヘテロ環。]
R5:それぞれ置換されていてもよいチエニル若しくはフェニル。
R6:それぞれ置換されていてもよい芳香族ヘテロ環、アリール若しくは環状アミノ。但し、置換されていないフェニル及び置換されていてもよいインドールを除く。] - Bがメチレンである、請求項1に記載の化合物。
- R5が、1つ以上のハロゲンで置換されていてもよい低級アルキル、及びハロゲンからなる群より選択される1つ以上の基でそれぞれ置換されているチエニル若しくはフェニルである、請求項2に記載の化合物。
- R6が、置換されていてもよいピリジル、又は置換されているフェニルである、請求項3に記載の化合物。
- R6が、クロロ及びフルオロからなる群より選択される基で5位が置換され、さらに6位が置換されているピリジン-3-イル、又はクロロ及びフルオロからなる群より選択される基で3位が置換され、-H、クロロ及びフルオロからなる群より選択される基で5位が置換され、さらに4位が置換されているフェニルである、請求項4に記載の化合物。
- 請求項1に記載の化合物のうち、
1-{3-クロロ-5-[(4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-{[シクロブチル(メチル)アミノ]メチル}チアゾール-2-イル)カルバモイル]-2-ピリジル}ピペリジン-4-カルボン酸、
1-(5-{[5-{[ブチル(メチル)アミノ]メチル}-4-(4-クロロチオフェン-2-イル)チアゾール-2-イル]カルバモイル}-3-クロロ-2-ピリジル)ピペリジン-4-カルボン酸、
1-{5-[(4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-{[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]メチル}チアゾール-2-イル)カルバモイル]-3-フルオロ-2-ピリジル}ピペリジン-4-カルボン酸、
1-{3-クロロ-5-[(4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-{[(2S)-2-メチルピロリジン-1-イル]メチル}チアゾール-2-イル)カルバモイル]-2-ピリジル}ピペリジン-4-カルボン酸、
1-(3-クロロ-5-{[4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-(ジメチルアミノメチル)チアゾール-2-イル]カルバモイル}-2-ピリジル)ピペリジン-4-カルボン酸、
1-{3-クロロ-5-[(4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-{[イソプロピル(メチル)アミノ]メチル}チアゾール-2-イル)カルバモイル]-2-ピリジル}ピペリジン-4-カルボン酸、
4-[{3-クロロ-5-[(4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-{[イソプロピル(メチル)アミノ]メチル}チアゾール-2-イル)カルバモイル]-2-ピリジル}(メチル)アミノ]酪酸、
1-{3-クロロ-5-[(4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-{[(3S)-3-メチルピロリジン-1-イル]メチル}チアゾール-2-イル)カルバモイル]-2-ピリジル}ピペリジン-4-カルボン酸、
1-{3-クロロ-5-[(4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-{[[(2S)-2-メトキシプロピル](メチル)アミノ]メチル}チアゾール-2-イル)カルバモイル]-2-ピリジル}ピペリジン-4-カルボン酸、
N-[5-{[ブチル(メチル)アミノ]メチル}-4-(4-クロロチオフェン-2-イル)チアゾール-2-イル]-5-クロロ-6-[(3-ヒドロキシプロピル)アミノ]ニコチンアミド、
N-[5-{[ブチル(メチル)アミノ]メチル}-4-(4-クロロチオフェン-2-イル)チアゾール-2-イル]-5-クロロ-6-(3-オキソピペラジン-1-イル)ニコチンアミド、若しくは、
N-[5-{[ブチル(メチル)アミノ]メチル}-4-(4-クロロチオフェン-2-イル)チアゾール-2-イル]-5-クロロ-6-[4-(ヒドロキシメチル)ピペリジノ]ニコチンアミド、
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