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JP2005046226A - 吸収性物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】背中側からの漏れを防ぐとともに、スキンケアを含む様々なケアを行うことのできる吸収性物品を提供すること。
【解決手段】本発明の例えばパンツ型使い捨ておむつのような吸収性物品は、後部が前部よりも身体の上方に位置するように構成されており、後部の身体側にポケット状の空間ができるように開口部が形成されている。開口部には弾性体が設けられている。そして、ポケット内には、皮膚に対するトラブルを回避できるように薬剤入りのローションを配合した不織布や、脱臭材などを付属品として挿入できる。付属品には、他に、つぼ押し効果をもたせるように突出部を有する樹脂や、磁石などがある。また、付属品はこれらを組合せたものでもよい。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パンツ型またはテープ留めタイプなどのおむつのような吸収性物品に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、パンツ型やテープ留めタイプなどのおむつにおいて、着用者が座った状態のときにおむつから背中側が出てしまうことがあった。このような状態で排尿などがなされると、背漏れが発生する可能性もあり、着用者の衣類を汚してしまうということもある。また、このようなおむつを長時間使用したり、寝たきり状態で使用したりすると、着用者の皮膚に褥傷ができることもあり、着用者にとっては不快なものである。
【0003】
従来の使い捨てパンツ型おむつには、着用時におむつが多少ずり下がるようなことがあっても臀部が露出しないように、着用時におむつの前胴周り域の吸収芯の前端縁が胴回り開口部の弾性部材の下方に位置するとともに、後胴周り域において吸収芯の後端縁が胴回り開口部弾性部材よりも上方に位置するように構成されることにより、吸収芯の後端縁が前端縁よりも人体の上方に位置するようになっているものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、着用時に背側部の上端縁が腹側部の上端縁よりも上方に位置するようになるよう固定テープが配置された使い捨ておむつもある(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
さらに、背側および腹側のウエスト周り開口部からの漏れを防止するように、おむつの内側に伸縮弾性リボンを形成するシートがおむつの腰周り領域まで延出しており、おむつとの間にポケットが形成されているパンツ型使い捨ておむつがある(例えば、特許文献3参照)。
【0006】
また、おむつかぶれなどのスキントラブルを防ぐように、トップシートに便を分離する開口部を設けるとともに、バックシートの前身頃側において、ウエスト周り開口部に沿って延在し、バックシートとトップシートとの間に配置される吸収パッドを排尿のみのときに出し入れできるような開口部が形成された、吸収パッド着脱口を備えたおむつもある(例えば、特許文献4参照)。
【0007】
【特許文献1】
特許3184104号(特開平10−127689号)公報
【特許文献2】
特開2000−45392号公報
【特許文献3】
特開平11−323611号公報
【特許文献4】
特開2002−85450号公報
【0008】
しかし特許文献1と2の発明は、おむつの着用時にずれ下がるなどのことにより着用者の背側からの排泄物の漏れを防ぐものであるが、着用者の皮膚に対するケアについては何ら対処されていない。
【0009】
さらに、特許文献3の発明は、おむつの内側にポケット形状を形成することにより、着用者の腹側および背側のウエスト開口部からの漏れを防止するようになっているが、やはり、着用者の皮膚に対するケアについては何ら考慮されていない。
【0010】
また、特許文献4の発明においては、便と尿とを分離することにより、バックシートに設けた開口部から排尿時のときにのみ吸収性パッドを取りかえることができるようにはなっているが、寝たきり状態のときなどの背中側からの漏れについては何ら配慮されていないし、またこのような吸収パッドの取り替えのみでは十分なスキンケアに対処しているとはいえない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述したような従来技術の欠点を回避するためになされたものであり、本発明の目的は、第1におむつなどの吸収性物品において着用時の背漏れをより確実に防ぐことにある。
【0012】
本発明の第2の目的は、おむつを長時間着用するような場合、または寝たきり状態で使用するような場合であっても、着用感にすぐれるとともに、着用者の皮膚に褥傷などができることを積極的な手段により最大限防ぐことができるようなおむつなどの吸収性物品を提供することにある。
【0013】
本発明は、着用者の皮膚に褥傷などの発生を防止するといった目的に加え、着用者の皮膚にさらなる効能、効果をもたらすことができるような吸収性物品を提供することも目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の吸収性物品は、表面シートと、防漏シート及びこれらのシート間に配置された吸収体と、からなり、着用者の背中側に対応する後部領域と腹側に対応する前部領域であって吸収体が存在しない領域において、少なくとも後部領域の身体に面する側に補助シートを備えている。この吸収性物品が着用されると、後部領域が前部領域よりも所定の高さだけ上方に延出しており、後部領域にポケット状の空間を形成するように、後部領域延出部の身体側に、前部領域の上端部に対応する位置よりも高い位置であって後部領域の幅方向に開口部が形成されている。防漏シート外側全体には外装シートが形成されていてもよい。
【0015】
本発明の別の態様において、吸収性物品は、表面シートと防漏シート及びこれらの間に配置された吸収体とからなる内装体と、内装シートと外装シートからなり、内装体を内側に含むようになった外装体と、から構成され、着用者の背中側に対応する後部領域と腹側に対応する前部領域であって、内装体が存在しない領域において身体に面する側に補助シートを備えている。この吸収性物品が着用されると、後部領域が前部領域よりも所定の高さだけ上方に延出しており、後部領域にポケット状の空間を形成するように、後部領域延出部の身体側に、前部領域の上端部に対応する位置よりも高い位置であって後部領域幅方向に開口部が形成されるようになっている。延出部の所定の高さは、2cmから10cmの範囲内であればよく、3cmから6cmであることが好ましい。
【0016】
本発明の吸収性物品のポケットの開口部は、後部領域身体側において、補助シートまたは外装シートをそれぞれ延長させることにより形成されるようになっている。さらに、ポケットの開口部は、開放型、閉鎖型或いはこれらの組合わせにより形成されていればよい。
【0017】
さらに別の態様として、本発明の吸収性物品は、表面シートと、防漏シート及びこれらのシート間に配置された吸収体とからなり、最外面には外装シートが全体に形成されており、該吸収性物品が着用されると、着用者の背中側に対応する後部領域の上端部が腹側に対応する前部領域の上端部よりも所定の高さだけ上方に延出しており、後部領域にポケット状の空間を形成するように、後部領域延出部の身体側に前部領域の上端部に対応する位置よりも高い位置であって後部領域幅方向に開口部が形成されている。
【0018】
また、別の態様として、本発明の吸収性物品は、表面シートと防漏シート及びこれらの間に配置された吸収体とからなる内装体と、内装シートと外装シートからなり、内装体を内側に含むようになった外装体と、から構成されており、該吸収性物品が着用されると、着用者の背中側に対応する後部領域の上端部が腹側に対応する前部領域の上端部よりも所定の高さだけ上方に延出しており、後部領域にポケット状の空間を形成するように、後部領域延出部の身体側に、前部領域の上端部に対応する位置よりも高い位置であって後部領域幅方向に開口部が形成されるようになっている。
【0019】
本発明の吸収性物品の後部領域身体側に形成されたポケット状空間内には、付属品が挿入されるようになっている。この付属品は、着用者に様々な効能を与えるように、薬剤、脱臭材などが配合されたり、あるいは、磁気効果のために永久磁石や、つぼ押し効果を与えるための突出部を有する部材を含ませることができるようになっている。これらの付属品は、本体の吸収性物品が廃棄された後であっても再利用可能な場合もある。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の好ましい実施の形態について図面を参照しながら以下に説明する。以下の説明において、図面を通し同一の構成部には同一の符号を使用する。
【0021】
図1(a)は、本発明に関する完全なパンツ型タイプのおむつ1の基本構成を表すおむつの正面図であり、図1(b)は、側部から見たときの全体的外観の概略図である。ここで、完全なパンツ型タイプのおむつとは、おむつの両側部が様々な結合方法によりすでにシールされており、使用時に固着テープなどで固定する必要のない予めパンツ形状に形成されたおむつのことをいう。図1(a)を参照すると、おむつ1の側部においてシール部4が形成されて完全なパンツ形状となっている。おむつ1の前部2は、着用者の腹部側に対応する部分であり、後部3は着用者の背中側に対応する部分である。図1(b)からよりわかるように、本発明のおむつ1の後部3は、前部2よりも高く位置している。すなわち、おむつ1の後部3は前部2よりもおむつの上方に向って延長されて延出した状態である。従って、本発明のおむつ1を着用者が使用すると、背中側の後部3の方が前部2よりも大きく、臀部から背中にわたり身体を覆うようになる。
【0022】
図2は、図1(a)のおむつ1のX−X´に沿った断面図である。図2を参照して本発明に係るパンツ型タイプのおむつ1のポケット状空間が形成される前の基本となる構成を詳細に説明する。おむつ1は内装体とパンツ形状の外装体とから構成されており、内装体は表面シート5と防漏シート6とこれらの間に配置された吸収体7とからなり、外装体は、内装シート8と外装シート9とからなり、内装体を内側に含むようになっている。これに加え、補助シート10が内装体と外装体とを接続するようにしておむつの身体に接触する側に形成されている。さらに、後部胴回りギャザー用弾性体12と後部弾性体13と前部胴回りギャザー用弾性体11とを備えている。後部胴回りキャザー用弾性体12と前部胴回りギャザー用弾性体11とはおむつの胴回り領域にギャザーを形成するものであり、後部弾性体13は、延出した後部上縁部にギャザーを形成することにより背部からの尿などの漏れを防ぐようになっている。吸収体7が介在している領域は、実質的に股領域を含むおむつ1の本体部分であり、本分野において一般的な構成となっている。従って、これ以上詳細に説明しない。
【0023】
おむつの前部2において、外装シート9が、おむつ内側つまり身体が接触する側から補助シート10、内装シート8の順に包み込むようにして延在し、前部2の上端部を形成するようになっている。おむつ後部3においても同様に外装シート9がおむつ内側から補助シート10、内装シート8の順に包み込むようにして延在し、後部3の上端部を形成するようになっている。おむつ後部3の上端部と前部2の上端部の高さを比較すると、後部3の上端部の方が高く延出している。本実施例において、その差Hは2から10cmであればよいが、差Hは3から6cmであることがより好ましい。差Hが2cmより小さい場合には、おむつ前後の認識性、つまり視認性が低下したり、おむつを掴むときの掴み性が低下する。
一方、差Hが7cm以上であると着用感に若干支障をきたし、10cm以上であると、さらに着用感が悪化したり、皮膚に対し悪影響を与えることもあり得ると考えられる。これに加え、差Hが10cm以上の場合には費用がかかりすぎるといった不都合も発生する。
【0024】
おむつ1の前部2のウエスト領域には、前部胴回りギャザー形成用弾性体11が外装シート9と内装シート8の間に、吸収体7の前側上端部よりもわずか上方におむつ1の幅方向に形成されており、弾性体11が配置されている位置よりも上方の位置で前部2の上端部に近い位置に、ウエストギャザー用弾性体14が補助シート10と内装シート8との間におむつ幅方向に配置されている。弾性体11、14の数は1本ずつであってもよいし、複数本であってもよい。また、おむつ1の後部3の、ほぼ前部胴周りギャザー形成用弾性体11に対応する位置か、もしくはこれよりわずか上方の位置に、後部胴周りギャザー弾性体12が内装シート8と外装シート9の間におむつ1の幅方向に後部にわたり配置されている。
弾性体12より上方の位置であって、後部3の上端部に近い位置に後部弾性体13が補助シート10と内装シート8との間におむつ幅方向にわたり配置されている。弾性体12、13の数は、1本であってもよいし、複数であってもよい。
【0025】
次に、図3を参照すると、図2に図示した断面図と同様にテープ留めタイプのおむつ1´のポケット開口部が形成される前の中央部の断面図が図示されている。テープ留めタイプのおむつ1´は、おむつ両側部をテープファスナーで止めて着用者の身体に固定させることを除けば、おむつ1の構造とほぼ同じである。ただし、テープで固定するという構造のために、胴周りギャザー用弾性体といった部分などを省略できることからパンツ型おむつ1よりも全体構造を簡単なものにできる。テープ留めタイプおむつ1´は、表面シート5と、防漏シート6と、表面シート5と防漏シート6との間に配置されている吸収体7と、前部胴回りギャザー用弾性部材14、後部胴回りギャザー用弾性部材14´とから構成されていればよい。これに加え、おむつ全体の風合いを高め改善するために、パンツ型おむつ1のように外装シート9がおむつ1´の最外側に全体を包むようにして形成されていてもよい。前部胴回りギャザー用弾性部材14はおむつ1´の前部2の上端部に近い位置において、表面シート5と防漏シート7との間におむつの前部幅方向にわたり配置されており、弾性部材14´はおむつ1´の後部3の上端部に近い位置において、表面シート5と防漏シート7との間におむつの後部幅方向にわたり配置されていればよい。後部3の最上端部と前部2の最上端部との高さの差Hは、パンツ型タイプのおむつ1と同様に2から10cmであり、3から6cmであることが好ましい。本実施例において、ウエスト弾性部材、腰周りギャザー用弾性部材は、おむつの幅方向にわたり形成されているが、これらに限定されるものではなく、一部にのみ形成されていてもよいし、断続的に形成されていてもよい。
【0026】
本発明に係るおむつの後部3の上端部の形状は、図7に図示するように、長方形、円弧形状、波形形状または花弁形状など様々な形態を採用することができる。この形状は、本発明のおむつの後述するポケットの外縁の形状となる。
【0027】
本発明に係るおむつにおいて、表面シート5、外装シート9及び補助シート10は、多孔性発泡体、網状発泡体、穿孔プラスチックフィルム、木材又は綿繊維のような天然繊維、ポリエステル又はポリプロピレン繊維のような合成繊維あるいはこれらを組合せた繊維からなる不織ウェブ材料から形成されていればよい。
しかし、表面シート5、外装シート9及び補助シート10の材料は、これらに限定されるものではなく、一般的な不織布であればいかなるものでもよい。また、本発明において、表面シート5、外装シート9、補助シート10を構成する材料は、吸収体7に吸収され保持されている液体から皮膚を隔離するようになっていることが好ましい。
【0028】
吸収体7は、一般的に超吸収性材料として既知である高吸収性材料の粒子と混合された、木材パルプフラフのようなセルロースフラフのウェブの親水性繊維マトリックスを含んでいればよい。木材パルプフラフの代わりに合成繊維、ポリマー繊維などを使用してもよい。超吸収性粒子は、親水性繊維と均一に混合されていてもよいし、不均一に混合されていてもよい。超吸収性粒子の混合率は吸収体の厚みにより変えてもよいし、また超吸収性粒子の混合率を吸収体の部分によって変えるように構成してもよい。超吸収性材料は別個になった粒子の形態であることが好ましいが、様々な幾何学的形状であってもよい。超吸収性材料は、吸収体7の重量に対し約5から90重量%の量で吸収体7に含まれていればよい。
【0029】
防漏シート6は、吸収体7内において保持している液体などが下着に洩れないように防水機能を有するように、液体に対し不透過である材料から形成されていることが好ましい。通常、このような液体不透過性の防漏シート6は、ポリエチレンフィルムなどの薄いプラスチックフィルムや、これとは別の可撓性液体不透過性材料から製造することができる。また、このような防漏シート6は、吸収体からの蒸気を逃しつつ、液体が通過しないように微孔性の通気性材料から形成されていてもよい。
【0030】
弾性体11、12、弾性部材13、14、14´に適する材料は、一般的なエラストマー性材料からなるストランド、又はリボン、あるいはポリウレタン、ウレタン糸ゴム、平ゴム、合成ゴム、天然ゴム、弾性フィルムなどがある。これら弾性体をシートに取りつける方法としては、本分野において公知のように超音波結合してもよいし、様々な結合パターンを使用したホットメルト接着剤などにより結合してもよいが、ホットメルト接着剤により接合することが好ましい。
【0031】
次に、本発明の基本構成となるおむつ1の後部にポケット及びポケットの開口部を設ける構成について説明する。
【0032】
図4に、ポケット16とポケット16の開口部20の構成例を示す様々な形態のおむつ1の断面図を示す。ポケット16を構成するにあたって補助シート10と外装シート9とが主に利用される。図4(a)に第1の実施形態のポケット及びポケットの開口部の構成例を示す。図2において、補助シート10のおむつ長手方向の1つの端部が表面シート5の長手方向後側端部の上に一部重なった状態になっているが、図4(a)において補助シート10は、表面シート5の後側端部と重なる地点で折返されておむつ1のほぼ垂直方向上方に向って所定の位置にまで延長されている。補助シート10の延長された先端部は内側に折り曲げられている。この折り曲げられた端部17の間に弾性体15を挟みこむようにして配設することが好ましいが、弾性体を含まなくてもよい。このようにして、補助シート10が折り返され延長されることにより形成された端部17と外装シート9のおむつ後部で内側に位置する長手方向端部18との間に開口部20が形成され、補助シート10と外装シート9の一部とによりポケット状の空間16が形成されることになる。ポケット状空間16は、幅は、おむつの後部3のシール領域を除く幅方向全体にわたる長さであり、高さが、おむつ1の後部上端部からほぼ補助シート10と吸収体7とが重なる地点までに及ぶ空間を最大とする。ポケット16の容量は、幅、長さ及び高さHを変更することにより変わる。
【0033】
弾性体15を配設することの利点は、端部17が折れたり、転倒することを防ぐことにあり、また、弾性体が開口部20を形成する端部に配置されることになるので、ポケットの形状を維持することができるとともに、後述するが、ポケット内に挿入される付属用プレートの脱落防止に役立つことになる。弾性体15は、ポケット16の開口部20のおむつ幅方向に少なくとも一部に配設されていればよいが、もちろん開口部20のおむつ幅方向全体にわたり配置されていてもよい。
【0034】
図4(b)に図示する第2の実施形態の構成では、折返され延長された補助シート10とおむつ内側に大きく延出された外装シート9とが向い合うようにしてそれぞれの先端部が折り曲げられて、おむつ1の後部3に開口部20を形成している。さらに、補助シート10の先端部と外装シート9の先端部とが内側に折曲げられて形成された端部17、18の間にそれぞれ弾性体15が組み込まれていることが好ましいが、いずれか一方のみに組み込まれていてもよいし、組み込まれていなくてもよい。弾性体15は、ポケットの開口部のおむつ幅方向に少なくとも一部にわたり配設されていればよいが、全体にわたり配置されていてもよい。弾性体15を設けることの利点は、第1の実施形態において説明した通りであるので、ここでは省略する。このような構成により、補助シート10と外装シート9とによりポケット状の空間16が形成される。本実施形態におけるポケット状空間16の大きさは、第1の実施形態と同様に、横の長さは、おむつ1の後部3のシール領域を除く全幅に及ぶ長さであり、高さは、おむつ1の後部上端部からほぼ補助シート10と吸収体7とが重なる地点までに及ぶ空間を最大とする。
本実施例においても、ポケット16の容量は、幅、長さ及び高さHの長さを変更することにより変わる。
【0035】
図4(c)に図示した第3の実施形態の構成は、補助シート10のみでポケットを形成するように構成されている。第1および第2の実施形態では補助シート10の一方の先端部のみが折返されて開口部の一部を形成していたが、本実施形態では、補助シートのおむつ長手方向の両先端部が折返されて開口部を形成している。つまり、補助シート10のおむつ長手方向の一方の端部がおむつ1の後部上端部地点で折返されおむつ下方ほぼ垂直方向に延長されて形成される第1の先端部と、第1および第2の実施形態と同様に、補助シート10の他方の端部が表面シート5と重なり合う地点で折り返されておむつ上方ほぼ垂直方向に延長されて形成される第2の先端部とが向い合うようにしてポケット開口部20を形成している。第1および第2の先端部はそれぞれ内側に折り曲げられて端部17、19が形成され、この折り曲げられた端部の空間の間に弾性体15が組み込まれていればよい。弾性体は端部17、19のいずれか一方に組み込まれていてもよいし、両方に組み込まれていてもよいし、あるいは組み込まれていなくてもよい。
弾性体15は、ポケット開口部20のおむつ幅方向の少なくとも一部に設けられていればよいが、もちろん開口部のおむつ幅方向全体にわたり設けられていてもよい。本実施形態において、補助シート10のみによりポケット状の空間16が形成される。本実施形態におけるポケット状空間16の大きさは、第1、第2の実施形態と同様に、その高さがおむつ1の後部上端部からほぼ補助シート10と吸収体7とが重なる地点までにおよび、横はおむつ1の後部3のシール領域を除く幅方向の全体の長さに及ぶ空間を最大とする。本実施例においても、ポケット16の大きさは、幅、長さ及び高さHを変更することにより変わる。
【0036】
図4に図示した実施例は、パンツ型タイプのおむつに関するものであった。しかし、もちろんテープ留め型タイプのおむつについても同様におむつ後部にポケットを形成することができる。
【0037】
図5は、図3に図示した基本構成を有するテープ留め型おむつ1´の後部3にポケットを形成する態様を表す断面図である。図5の(a)、(b)、(c)に図示した実施例は、それぞれ図4の(a)、(b)、(c)にほぼ対応している。図5に図示するおむつ1´の構成において、パンツ型おむつ1の場合とは異なり内装シートは必ずしも必要ではない。このことは、テープ留め型おむつ1´において要求されるウエストギャザーなどの弾性部材の必要性が少ないことによる。
【0038】
図5(a)に図示するポケットの構成例は、図4(a)に図示する実施例とほぼ同一である。図5(a)において、外装シート9がおむつ1´の外面を形成するように防漏シート6の外側に配置されている。外装シート9はおむつ1´の後部3の上端部にて折返され、外装シート9のおむつ後部側先端部18がおむつの内側下方に向って所定の位置まで延長されている。補助シート10のおむつ長手方向の一端が表面シート5の所定の位置において表面シート5上に接合されおむつ後部3の上方やや斜め方向に外装シートの先端部18に至るまで延長され形成されている。補助シート10の先端部は内側に折り曲げられて弾性体15が設けられている。このようにして外装シート9の先端部18と補助シート10の先端部が折り曲げられて形成された端部17とにより開口部が形成され、表面シート5と、補助シート10と外装シート9の一部とによりポケット状空間16が形成されている。ポケット状空間16の幅は、おむつの後部3の幅方向全体の長さであり、高さは、おむつ1の後部上端部からほぼ補助シート10と吸収体7とが重なる地点までに及ぶ空間を最大とする。ポケット16の容量は、幅、長さ及び高さHを変更することにより変わる。
【0039】
図5(b)に図示する実施形態の構成では、おむつ後部内側において、トップシート5の所定の位置でトップシート5の上に形成された補助シート10と延出された外装シート9とが向い合うようにしてそれぞれの先端部が折り曲げられて、おむつ1の後部3に開口部20を形成している。さらに、補助シート10の先端部と外装シート9の先端部とが内側に折曲げられて形成された端部17、18の間にそれぞれ弾性体15が組み込まれていることが好ましいが、いずれか一方のみに組み込まれていてもよいし、組み込まれていなくてもよい。弾性体15は、ポケットの開口部のおむつ幅方向に少なくとも一部にわたり配設されていればよいが、全体にわたり配置されていてもよい。このような構成により、補助シート10と外装シート9とによりポケット状の空間16が形成される。本実施形態におけるポケット状空間16の大きさは、第1の実施形態と同様に、横の長さは、おむつ1の後部3のほぼ全幅に及ぶ長さであり、高さは、おむつ1の後部上端部からほぼ補助シート10と吸収体7とが重なる地点までに及ぶ空間を最大とする。本実施例においても、ポケット16の容量は、幅、長さ及び高さHを変更することにより変わる。
【0040】
図5(c)に図示した第3の実施形態の構成は、図4(c)に図示した実施の形態とほぼ同一である。図5(c)において、補助シート10のみでポケットを形成するように構成されている。第1および第2の実施形態では補助シート10の一方の先端部のみが折返されて開口部の一部を形成していたが、本実施形態では、補助シートのおむつ長手方向の両先端部が折返されて開口部を形成している。つまり、補助シート10のおむつ長手方向の一方の端部がおむつ1の後部上端部地点で折返されおむつ下方垂直方向に延長されて形成される第1の先端部と、第1および第2の実施形態と同様に、補助シート10の他方の端部が表面シート5と重なり合う地点で折り返されておむつ上方垂直方向に延長されて形成される第2の先端部とが向い合うようにしてポケット開口部20を形成している。第1および第2の先端部はそれぞれ内側に折り曲げられて端部17、19が形成され、この折り曲げられた端部の空間の間に弾性体15が組み込まれていればよい。
弾性体は端部17、19のいずれか一方に組み込まれていてもよいし、両方に組み込まれていてもよいが、組み込まれていなくてもよい。弾性体15は、ポケット開口部20のおむつ幅方向の少なくとも一部に設けられていればよいが、もちろん開口部のおむつ幅方向全体にわたり設けられていてもよい。本実施形態において、補助シート10のみによりポケット状の空間16が形成される。本実施形態におけるポケット状空間16の大きさは、第1、第2の実施形態と同様に、その高さがおむつ1の後部上端部からほぼ補助シート10と吸収体7とが重なる地点までに及ぶ空間を最大とする。横はおむつ1の後部3の幅方向のほぼ全体の長さに及ぶ。本実施例においても、ポケット16の容量は、幅、長さ及び高さHを変更することにより変わる。テープ留め型おむつについて、本実施例のようにポケットを構成するのに外装シートを利用しないような場合には、外装シートは必ずしも必要ではない。
【0041】
図4及び図5に図示したおむつのポケット構成例では、補助シート10を利用していたが、補助シート10を利用することなくおむつにポケット状空間16を形成することも可能である。図12は、パンツ型おむつであって、内装シート5と、外装シート9またはこれらを組合せることによりポケット状空間16を形成する実施例を示す。
【0042】
図12に図示するパンツ型おむつ22において、補助シート10が存在しない点を除けば、パンツ型おむつ22の構成は、図4に図示するパンツ型おむつ1とほぼ同様である。おむつ22は、補助シート10が存在しないために、図12からわかるように前後胴周りギャザー形成用弾性体、ウエストギャザー用弾性体、及び後部弾性体は、それぞれ図4の実施例と同様の位置において外装シート9と内装シート8との間に配置されるようになっている。
【0043】
図12(a)を参照すると、内装シート8がおむつ後部上方に向って延長されており、延長された内装シート8の内側に折り曲げられた長手方向おむつ後部側端部17と外装シート9の長手方向おむつ後部側端部18とにより、ポケット16の開口部が、おむつ前部の上端部に対応する位置より上側に位置するように形成されている。内装シートの内側に折り曲げられた後部側端部17の間には弾性体15が配設されていることが好ましい。ポケット16の高さは、後部弾性体と後胴周りギャザー形成用弾性体との間までの長さが最大であり、幅は、おむつの側部シール部を除いたほぼ後部幅方向全体にわたる長さである。
【0044】
図12(b)は、外装シート9がさらにおむつ後部において身体側下方に向って延長されており、延長された端部が弾性体15を挟んだ状態で内側に折り曲げられて端部18を形成している。このようにして、延長された外装シート9と内装シート8とによりポケット16が形成される。ポケット開口部は、おむつ前部の上端部に対応する位置より上側に形成されることが好ましい。ポケット16の高さは、後部上端部から外装シートの端部18に至る長さが最大であり、幅は、おむつの側部シール部を除いたほぼ後部幅方向全体にわたる長さである。
【0045】
図12(c)は、外装シート9と内装シート8が共に延長されてポケット開口部を形成するようになっている。外装シート9がおむつ後部下方に向って延長されており、一方内装シート8がおむつ後部上方に向って延長され、それぞれの端部は弾性体15を挟んで内側に折り曲げられ開口部を形成している。弾性体15は双方に配設されてもよいし、いずれか一方に配設されてもよいが、いずれに配設されていなくてもよい。開口部は、おむつ前部の上端部に対応する位置より上側に位置するように形成されている。ポケット16の高さは、後側弾性体から後側胴周りギャザー形成用弾性体に及ぶ長さが最大であり、幅は、おむつ側部シール部を除いたほぼ後部幅方向全体にわたる長さである。
【0046】
図13は、補助シート10を使用しない場合のテープ型おむつの22´の構成例を示す。図13に図示するおむつの基本構成は、表面シート5と、防漏シート6と、これらの間に配置された吸収体7およびおむつ最外周に形成される外装シート9とからなる。
【0047】
図13(a)を参照すると、おむつ後部上方に向って延長された表面シート5と外装シート9のおむつ後部側端部とによりポケット16の開口部が形成されている。延長された表面シートは弾性体15を挟んで折り曲げられている。開口部の位置は、おむつ前部の上端部に対応する位置より上側である。このようにして、ポケット16は、表面シート5と外装シート9および内装シート6とにより形成されることになる。ポケット16の高さは、後側胴周りギャザー形成用弾性体から吸収体7に及ぶ長さが最大であり、幅は、おむつのほぼ後部幅方向全体にわたる長さである。
【0048】
図13(b)を参照すると、外装シート9がおむつ後部の身体側下方に向って延長されており、弾性体15を挟んだ状態で折り曲げられて開口部の端部を形成している。このように、ポケット16は外装シート9と表面シート5とにより形成されている。ポケットの高さは、おむつ後部上端部から延長された外装シートの端部18までの長さが最大であり、幅は、おむつのほぼ後部幅方向全体にわたる長さである。
【0049】
図13(c)を参照すると、外装シート9と表面シート5がともに延長されて開口部を形成している。外装シート9がおむつ後部下方に向って延長されており、一方内装シート8がおむつ後部上方に向って延長され、それぞれの端部は弾性体15を挟んで内側に折り曲げられ開口部を形成している。弾性体15は双方に配設されてもよいし、いずれか一方に配設されてもよいが、いずれに配設されていなくてもよい。開口部は、おむつ前部の上端部に対応する位置より上側に位置するように形成されている。ポケットの高さは、おむつ後部上端部からほぼ吸収体7に至るまでの長さが最大であり、幅は、おむつのほぼ後部幅方向全体にわたる長さである。
【0050】
図13(d)は、ポケットがおむつの外側に形成されたときの構成を示している。この場合、外装シート9は、おむつ外面にポケットを形成するように、おむつ後部の身体側に延出されることなく、おむつ外面の所定の位置においてポケット開口部を形成している。つまり、開口部は、外装シート9が弾性体を挟むようにして内側に折り曲げられた端部により形成される。このようにして、図13(d)において、ポケットは、おむつ後部外側に、防漏シート6と外装シート9とにより形成される。
【0051】
上述してきた実施例において、ポケット16をおむつ外側に構成する例として図13(d)に図示したテープ型おむつを挙げたが、パンツ型おむつにおいても、おむつ外側にポケットを構成することももちろん可能である。この場合には、図13(d)に図示したしように外装シートによりポケットを構成できるが、例えば、補助シートや内装シートがおむつ後部上端部を越え、おむつ後部外側下方に向って延長されて開口部を形成するようにしてもよい。
【0052】
ここで、弾性体15は、おむつの幅方向に対し平行に設けられてもよいし、ジグザク形状、波形形状、円弧形状など様々な形態をとることができる。さらに弾性体15に適する材料は、一般的なエラストマー性材料からなるストランド又はリボン、あるいはポリウレタン、ウレタン糸ゴム、平ゴム、合成ゴム、天然ゴム、弾性フィルムなどがあるが、これらは当業者に公知であるので本明細書においては詳細に記載しない。弾性体15を補助シート10に取りつける方法としては、本分野において公知のように超音波結合してもよいし、様々な結合パターンを使用したホットメルト接着剤などにより結合してもよい。
【0053】
図6は、本発明のポケット構造を極めてわかりやすく図示した断面図である。
図6(a)は、図4、図5、図12、図13を参照して述べてきた実施形態に基づく本発明のおむつ1、1´、22、22´のポケット16の開口部20の簡略図である。これらの実施形態において、おむつ開口部20はいわゆる開放型となっている。つまり、開口部20を形成する補助シート10または外装シート9同士、内装シートまたは外装シート同士あるいは表面シートまたは外装シート同士が重なり合っていない。一方、図6(b)は、ポケット開口部20を形成する補助シート10または外装シート9のいずれか一方、内装シート8または外装シートのいずれか一方、あるいは表面シート5または外装シート9のいずれか一方が開放型のポケット形状を構成する場合よりも延長されることにより、閉鎖型のポケット開口部が形成される形態を示す開口部20の概略図である。
【0054】
ポケット開口部20の様々な態様についてさらに詳しく説明する。ポケット20が開放型の場合には、図8(a)に図示するように上開き、(b)に図示する中開き、(c)に図示する下開きの3つの構成が考えられる。例えば、上開きに該当する例が図4(a)、5(a)、12(a)、13(a)、(d)に図示した構成である。中開きに該当する例が図4(b)、(c)、図5(b)、(c)、図12(c)、図13(c)に図示した構成に相当する。下開きの例は、図12(b)、13(b)などの構成に相当し、さらに、例えば、図4(b)に図示した構成の場合であれば、外装シート9を図示する場合よりもさらに延長し、補助シートは折返し延長しないような構成に相当すると考えられ、図4(c)に図示した構成の場合であれば、上側の補助シート先端部19がさらに下方に向って延長されるが、下側の端部17を延長しないような構成が考えられる。
【0055】
さらに、図8(d)は、図6(b)に図示した構造と同様に、ポケット開口部20が閉鎖型である場合を表す。図示した例では、開口部の上側となる端部が延長されて下側端部と重なり合うようになっているが、もちろんこれとは逆に、開口部の下側となる端部が延長されて上側端部と重なり合うようになっていてもよい。つまり、ポケット開口部を構成する両端部のいずれか一方が、補助シートまたは外装シート同士が重なり合っていない開放型の場合よりも延長されて、シート同士が重なり合うような構成にすれば、本発明のポケット形状開口部を容易に閉鎖型とすることができる。
【0056】
図8(e)は、ポケット開口部20が、おむつ1の後部の幅方向において、開放型と閉鎖型との混合型である構成を図示している。図8(e)において、ポケット開口部20の中央部において、補助シート10または外装シート9が重なり合っている閉鎖型であるが、開口部の両端部は、補助シートまたは外装シートが重なり合っていない開放型となっている。
【0057】
このように、本発明において、ポケット開口部20の形態として様々な構成を述べてきたが、これらに限定されるものではなく、後述する付属品を容易にポケット内に挿入することができるとともに、一旦付属品がポケット内に挿入されると外に出たり、脱落することがなければいかなる構成であってもよい。
【0058】
図7は、先に記載したようにおむつ1の後部3の外縁部すなわち上端部の形状を図示しているが、この形状は、ポケット16の外縁形状ともなりうる。従って、ポケットの外縁形状は、長方形、円弧形、波形、花弁形などの様々な形状から選択することができる。このようなポケットの外縁形状により、おむつ1の前後を判別することが容易になるし、見た目にもすぐれたものになる。
【0059】
また、ポケット16を判別しやすくするために、ポケット16に色彩を施すようになっていてもよい。例えば、ポケット開口部20を形成するシート端部に設けられた弾性体15を着色することにより、折り曲げられた補助シート10を通して着色された弾性体を認識することができ、ポケットの位置を容易に識別できるようにすることができる。あるいはポケット開口部またはポケット自体を形成する補助シート10の材料である不織布自体を着色してもよい。さらに、ポケット開口に着色された別の不織布、フィルムなどを追加するようにしてもよい。
【0060】
さらに、おむつ後部3の延出部を判別できるように、すなわちおむつ前後の区別がつきやすいようにおむつ後部3の延出部に色彩を施すことも考えられる。この場合も、ポケットの開口部と同様に、おむつ後部3に対応する部分のウエストギャザー用弾性体14の一部に色彩を施してもよいし、外装シート9の後部に対応する部分にのみ色彩を施すようにしてもよい。さらに、後部3に着色された不織布またはフィルムをおむつ前後認識用に別途追加することも可能である。
【0061】
このようにして構成されたおむつ1のポケット16内には図9に図示するように付属品として、所定の基材すなわちプレート21が挿入される。プレート21は、所定の効能または効果を有する物質が配合されているか、または塗布されている軟質樹脂、不織布、またはフィルムの積層体からなる。好ましい効果または効能には、磁気効果、スキンケア或いは肌荒れ防止効果、消臭効果、抗菌効果、冷感/温感効果、遠赤外線効果、低反発すなわちクッション性効果またはツボ押効果などがある。
【0062】
本実施例において、例えば、スキンケア、すなわち肌荒れ効果を得るためには、プレート21を、保湿剤、消炎剤などを配合したローション薬剤が含浸された不織布とすることができる。消臭効果を得るためには、プレート21を、活性炭などの消臭材を担持させた不織布や消臭材を練りこんだ樹脂板またはフィルムの積層体などとすることができる。冷感効果を得るには、気化熱による冷感を得るように、プレート21をウェットティッシュ状のものとすることができる。また、温感効果を得るには、プレート21を、カプサイシン(唐辛子成分)などの温湿布に用いられる薬剤を配合した不織布や、鉄などの酸化を利用した、一般的に使用されている使い捨てカイロなどの発熱体を詰めた袋体等とすることができる。また、ツボ押し効果を得るには、プレート21を、人体のつぼを物理的に刺激できるように突起物を備えた樹脂板とすることができる。このような突起物を備えた樹脂板の例を図10に図示する。図10において、フィルム22の間に円柱や球体状のゴムからなる突起物23が所定の間隔をおいて、複数個配置されている。さらに、磁気効果を得るためには、プレート21を、図10に図示しようなフィルム間に永久磁石を所定の間隔で配置することにより形成されるフィルムの積層体とすることができる。さらに、例えば、遠赤外線効果、または、マイナスイオン効果を得るためには、プレート21をトルマリンなどの鉱物や、備長炭などを担持させたフィルムなどとすることができる、と考えられる。上述したような効果、効能を得るために使用されるプレート、フィルムなどはこれらのものに限定されることなく、要求される用途に応じて、様々な材料、物質などを適用することもできる。さらに、これらの効果・効能は、単一的に使用されるとは限らず、複数の効果・効能を得るために、様々に組合せることも可能である。プレート21の寸法は、ポケット16内に挿入できるように、使用されるおむつのポケットの大きさによって、または、これに加え、要求される効能を得るのに必要な大きさにより適宜定められるようになっていればよい。
【0063】
このような、用途に応じて様々な効果・効能を有するプレート21を、図9に図示するように、ポケット16の開口20から挿入するようになる。
【0064】
ポケットがおむつの外面に形成されている場合には、スキンケアに適応できるような効果を与えるプレートを挿入するよりは、つぼ押し効果、冷感/冷温効果といった皮膚に物理的な刺激を与えるようなプレートを挿入する場合に使用することが好ましい。
【0065】
このような効能・効果を有するプレート21をおむつ1に適用することにより、肌荒れを防いだり、抗菌作用を与えたり、消臭効果をもたらすといった一般的におむつを使用するときに起こりがちな皮膚へのトラブルを回避することができる。これに加え、遠赤外線効果、ツボ押し効果、冷感/温感効果といった、例えば寝たきり状態の人達に付随的で、より効果的な効能をもたらすことができるのである。さらに、プレート21は再利用可能である。つまり、おむつ1が使用され、汚されて廃棄する際には、プレート21を取り外し、使用済みのおむつは、廃棄されるが、プレート21は、依然として利用できる程度の効能を有している限り、新たに使用されるおむつに再利用できる。また、プレート21により、要求された効能が着用者により満たされることにより、更に次に要求されるプレートとおむつの使用中であっても交換可能である。
【0066】
次に、本発明のおむつを使用後に、廃棄処理のしかたについて図11を参照して説明する。
【0067】
図11(a)を参照すると、使用後のおむつ1が、おむつ1の両側部シーム部においてはずされた状態の斜視図を表している。つまり、使用後には、おむつ1の両側部の結合がはずされ、排泄物により最も汚れている可能性のある股領域部分を巻き込むようにして、おむつ1の後部3に形成されたポケット16内に収納させることができる。収納後のおむつ1の状態を図11(b)に示す。
【0068】
あるいは、別の処理方法としては、使用後のおむつ1の両側部シーム部をはずし、排泄物で汚れている股領域を含むおむつ本体をくるくると巻きこむ。次に、ポケット開口部20をもって、図11(c)に図示するようにポケット16を反転させるようにして、既に巻きこんできたおむつを反転されたポケット16内に押しこむと、巻きこんできた領域がすっぽりと収納され、最終的には図11(d)に示すような形態となる。このように収納することにより、世話人の手を汚すことなく、また廃棄する際にも、汚れた領域が完全にポケット16内に完全に収納されることになるのでそのまま廃棄できる。
【0069】
ポケット16がおむつの外側に形成されている場合には、おむつの股領域から巻きこんでいき、ポケットの開口部からポケットを反転させてその巻きこまれたおむつを収納するようにして固定することも可能である。このようにポケット16がおむつの外部に形成されている場合、特に、図13(d)に図示したポケットの実施例の場合には、プレート21を挿入する用途よりも、おむつを廃棄する用途に使用することの方が好ましい。
【0070】
さらに廃棄する際には、パンツ型おむつの場合、サイドシールを破断せずにそのまま巻き込んでポケット内に収納することも可能である。
【0071】
また、使用後のおむつの処理の仕方、すなわち、おむつをポケット内に収納する方法については、人体排泄物により、世話人が手を汚すこなく、具合よく、そして排泄物が決して外部に漏れることのないような手段であればいかなる方法を採用してもよい。
【0072】
【発明の効果】
本発明のパンツまたはテープ留めタイプのおむつなどの吸収性物品は、人体の後側に対応する後部の上端部が前側に対応する前部の上端部よりも人体の上方に位置するために、座った状態であっても、寝たきり状態であっても、おむつのずれによる背中側からの排泄物の漏れを防ぐことができるとともに、後部側が前部側よりも延出していることにより、おむつの前後の判別を行いやすく、掴み易いといった利点を有する。このことは、夜間、または暗闇のなかでのおむつの交換においても前後の識別が容易であり、交換を行い易いものにする。
【0073】
また、本発明の吸収性物品の後部延出部の身体側にポケット空間が形成されており、ポケット内には付属品として所望の効能を与えるプレートが挿入される。
このプレートは、様々な効能を与えることのできる薬剤や、消臭材を配合することにより、使用者の皮膚のトラブルを積極的に回避したり、脱臭効果を与えることができる。さらにプレートに永久磁石を取り付けたり、人体のつぼを刺激するような突起物を取り付けたりすることにより、さらなる効能を使用者に与えることができる。もちろん、複数の効能を与えるために、複数の薬剤を塗布したり、配合することもできるし、これらに永久磁石などを取り付けるといった様々な組合せも可能である。さらに、本発明の吸収性物品において、これの外側にポケット空間が形成されている場合には、永久磁石を取りつけたり、人体のつぼを刺激するような効果をもたらす付属品を挿入することができるし、該吸収性物品の使用後に廃棄する際にも、外側に形成されたポケットに使用後のおむつを容易に収納して処理できるものである。
【0074】
また、ポケットが識別しやすくなるように、ポケットに色彩を施したり、ポケット開口部の端部に形成される弾性体を着色することもできる。このようにポケットが識別され易くなれば、もちろんおむつの前後も認識しやすくなるという利点を有するものである。
【0075】
また、本発明の吸収性物品は、成人用または幼児用のいずれにも適用可能であることはいうまでもない。
【0076】
以上、本発明の実施例において、様々な寸法、材料などを記載してきたが、これらに限定されるものではなく、置換可能なものであれば、適宜選択し、採用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明に係るパンツ型おむつの正面図であり、(b)は、側部から見たときのおむつの全体の概略図である。
【図2】図1のポケットが形成される前のおむつのX−X´に沿った断面図である。
【図3】ポケットが形成される前の本発明に係るテープ型おむつの幅方向中心線に沿った断面図である。
【図4】(a)、(b)、(c)は、それぞれ、本発明に係る様々な態様のポケットを有するパンツ型おむつの断面図である。
【図5】(a)、(b)、(c)は、それぞれ、本発明に係る様々な態様のポケットを有するテープ型おむつの断面図である。
【図6】本発明係るおむつに形成されるポケットの開口を簡略的に表す断面図である。
【図7】本発明のおむつのポケットの上端外縁の様々な形状を表す概略図である。
【図8】本発明のおむつのポケットの開口部の様々な開口状態を表す概略図である。
【図9】(a)は、本発明のポケットに挿入される付属品としてプレートを表す斜視図であり、(b)は、プレートがポケットに挿入される状態を表す概略図である。
【図10】本発明のポケットに挿入される付属品の1実施形態を表す斜視図である。
【図11】本発明に係るおむつを廃棄するときの手順を表す概略図である。
【図12】本発明に係る別の実施形態のパンツ型おむつのポケットの様々な態様を表す断面図である。
【図13】本発明に係る別の実施形態のテープ型おむつのポケットの様々な形態を表す断面図である。
【符号の説明】
1 パンツ型おむつ
1´ テープ型おむつ
2 おむつ前部
3 おむつ後部
4 シール部
5 表面シート
6 防漏シート
7 吸収体
8 内装シート
9 外装シート
10 補助シート
11 前部胴周りギャザー形成用弾性体
12 胴周りギャザー用弾性体
14、14´ ウエストギャザー用弾性部材
16 ポケット
17、18、19 ポケット開口端部
20 ポケット開口部
21 付属品

Claims (28)

  1. 表面シートと、防漏シート及びこれらのシート間に配置された吸収体とからなり、最外面には外装シートが全体に形成された吸収性物品であって、
    該吸収性物品が着用されると、着用者の背中側に対応する後部領域の上端部が腹側に対応する前部領域の上端部よりも所定の高さだけ上方に延出しており、前記後部領域にポケット状の空間を形成するように、前記後部領域延出部の身体側に、前記前部領域の上端部に対応する位置よりも高い位置であって前記後部領域幅方向に開口部が形成されていることを特徴とする吸収性物品。
  2. 表面シートと防漏シート及びこれらの間に配置された吸収体とからなる内装体と、内装シートと外装シートからなり、前記内装体を内側に含むようになった外装体と、から構成された吸収性物品であって、
    該吸収性物品が着用されると、着用者の背中側に対応する後部領域の上端部が腹側に対応する前部領域の上端部よりも所定の高さだけ上方に延出しており、前記後部領域にポケット状の空間を形成するように、前記後部領域延出部の身体側に、前記前部領域の上端部に対応する位置よりも高い位置であって前記後部領域幅方向に開口部が形成されていることを特徴とする吸収性物品。
  3. 前記開口部は、前記後部身体側において、前記表面シートの吸収性物品長手方向の後部側端部と前記外装シートの吸収性物品長手方向の後部側端部とにより形成されることを特徴とする請求項1に記載の吸収性物品。
  4. 前記開口部は、前記外装シートが前記後部上端部を越えて前記後部身体側において下方に延出されることにより形成されることを特徴とする請求項1に記載の吸収性物品。
  5. 前記開口部は、前記後部身体側において、前記表面シートの吸収性物品長手方向の前記後部側端部と前記外装シートの吸収性物品長手方向後部身体側端部とがそれぞれ延長されることにより形成されることを特徴とする請求項1に記載の吸収性物品。
  6. 前記開口部は、前記後部身体側において、前記内装シートの吸収性物品長手方向の後部側端部と前記外装シートの吸収性物品長手方向の後部側端部とにより形成されることを特徴とする請求項2に記載の吸収性物品。
  7. 前記開口部は、前記外装シートが前記後部上端部を越えて前記後部身体側において下方に延出されることにより形成されることを特徴とする請求項2に記載の吸収性物品。
  8. 前記開口部は、前記後部身体側において、前記内装シートの吸収性物品長手方向の前記後部側端部と前記外装シートの吸収性物品長手方向後部身体側端部とがそれぞれ延長されることにより形成されることを特徴とする請求項2に記載の吸収性物品。
  9. 表面シートと、防漏シート及びこれらのシート間に配置された吸収体と、からなり、着用者の背中側に対応する後部領域と腹側に対応する前部領域であって前記吸収体が存在しない領域において、少なくとも前記後部領域の身体に面する側に補助シートを備えた吸収性物品であって、
    該吸収性物品が着用されると、前記後部領域が前記前部領域よりも所定の高さだけ上方に延出しており、前記後部領域にポケット状の空間を形成するように、前記後部領域延出部の身体側に、前記前部領域の上端部に対応する位置よりも高い位置であって前記後部領域幅方向に開口部が形成されていることを特徴とする吸収性物品。
  10. 前記防漏シートの外側全体にわたり外装シートが形成されていることを特徴とする請求項9に記載の吸収性物品。
  11. 表面シートと防漏シート及びこれらの間に配置された吸収体とからなる内装体と、内装シートと外装シートからなり、前記内装体を内側に含むようになった外装体と、から構成され、着用者の背中側に対応する後部領域と腹側に対応する前部領域であって、前記内装体が存在しない領域において身体に面する側に補助シートを備えた吸収性物品であって、
    該吸収性物品が着用されると、前記後部領域が前記前部領域よりも所定の高さだけ上方に延出しており、前記後部領域にポケット状の空間を形成するように、前記後部領域延出部の身体側に、前記前部領域の上端部に対応する位置よりも高い位置であって前記後部領域幅方向に開口部が形成されていることを特徴とする吸収性物品。
  12. 前記開口部は、前記補助シートの前記吸収性物品長手方向の第1の端部と、前記後部領域身体側に位置する、前記外装シートの端部と、により形成されており、
    前記第1の端部は、これが前記表面シートとほぼ重なる地点で折返され前記後部領域の延出部ほぼ垂直方向上方に向って、前記外装シートの後部領域側端部と向い合う地点にまで延ばされているものであることを特徴とする請求項9から11のいずれかに記載の吸収性物品。
  13. 前記開口部は、前記外装シートがさらに前記後部領域延出部のほぼ垂直方向下方に向って延長された前記後部領域側端部と、前記補助シートの前記第1の端部とにより形成されることを特徴とする請求項12に記載の吸収性物品。
  14. 前記開口部は、前記補助シートの吸収性物品長手方向の第1及び第2端部とにより形成されており、
    前記第2端部は前記後部領域の上端部において折返され延長されており、前記第1端部は前記表面シートとほぼ重なり合う地点で折返されて、前記第2の端部に向って延長されたものであることを特徴とする請求項9から11のいずれかに記載の吸収性物品。
  15. 前記開口部を形成する両端部のいずれか一方に、少なくとも1つの弾性体が組み込まれていることを特徴とする請求項1から14のいずれかに記載の吸収性物品。
  16. 前記弾性体は着色されていることを特徴とする請求項15に記載の吸収性物品。
  17. 前記開口部は、該開口部を形成する2つの端部が重なり合っていない開放型、あるいは一方の端部をさらに延長することにより前記2つの端部が重なり合う閉鎖型、またはこれらの組合せからなることを特徴とする請求項1から16のいずれかに記載の吸収性物品。
  18. 前記延出部の所定の高さは、2cmから10cmの範囲内であることを特徴とする請求項1から17のいずれかに記載の吸収性物品。
  19. 前記ポケット状空間内には付属品が挿入されることを特徴とする請求項1から18のいずれかに記載の吸収性物品。
  20. 前記付属品は、保湿剤、消炎剤を含む薬剤が配合されたローション薬剤が含浸された不織布であることを特徴とする請求項19に記載の吸収性物品。
  21. 前記付属品は、活性炭を含む消臭材を担持させた不織布、消臭材を練りこんだ樹脂板、またはフィルムの積層体であることを特徴とする請求項19に記載の吸収性物品。
  22. 前記付属品は、気化熱による冷感を与えるためのウェットティッシュ状基材であることを特徴とする請求項19に記載の吸収性物品。
  23. 前記付属品は、カプサイシンを含む温湿布に用いられる薬剤が配合された不織布であることを特徴とする請求項19に記載の吸収性物品。
  24. 前記付属品は発熱体を含む袋体であることを特徴とする請求項19に記載の吸収性物品。
  25. 前記付属品は、突起を備えた樹脂板、または球体状物、円柱状物をシートに挟み込んだフィルム積層体であることを特徴とする請求項19に記載の吸収性物品
  26. 前記付属品は、永久磁石を所定間隔で配置したプレートまたはフィルムの積層体であることを特徴とする請求項19に記載の吸収性物品。
  27. 前記付属品は、請求項20から請求項26に記載の組合せからなることを特徴とする請求項19に記載の吸収性物品。
  28. 前記付属品は着色されていることを特徴とする請求項19から27のいずれかに記載の吸収性物品。
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