JP2004517532A - 非侵入的且つ視聴者主体で使用するために再利用可能なオブジェクトベースの製品情報をオーディオビジュアル番組に埋め込む方法 - Google Patents

Abstract

オブジェクトに関連付けられるマルチメディア広告を、様々な供給源のうちの１つから供給されるオーディオビジュアル番組に非侵入的に埋め込むシステム及び方法である。広告は、オブジェクトが表示されている際にオブジェクトを指し示しクリックすることによりアクセスされて、番組から抽出される。それにより広告の概要も作成され得る。アクセスされた広告にブックマークが付けられるか、又は、記憶されて概要が作成され得る。ユーザは、好みの広告の種類からなるプロファイルを作成して、所望しない広告の種類の広告の表示を排除する。

Description

【０００１】
［発明の背景］
１．発明の属する技術分野
本発明は、オーディオビジュアル番組にマルチメディア広告を非侵入的（ｎｏｎ ｉｎｔｒｕｓｉｖｅｌｙ）に盛り込み、それにより視聴者が広告を見て、広告及び広告内の情報を再利用することができるシステム及び方法に関する。
２．関連技術の説明
オーディオビジュアル番組に広告を盛り込む方法は多数存在する。そのような方法の１つとしては、テレビ娯楽番組の間及び番組時にオーディオビジュアルのコマーシャルを配置することが既知である。この方法は、潜在的消費者に大量の情報を伝えることができるという利点を有するが、娯楽番組が完全に中断されることが必要である。このような絶え間のない中断は侵入的であり、且つ、視聴者は不快に思う。更に、コマーシャルは、チャネルを変更するか又は部屋を離れる、そうでなければ、コマーシャルを無視する、或いは、番組が記録されている場合は、コマーシャルの間は早送りすることによって見飛ばすことが可能である。
【０００２】
広告をオーディオビジュアル番組に関連付ける第２の方法としては、スポーツフィールドの縁に広告パネルを配置することが挙げられ、これらのパネルは、スポーツ番組がテレビ放送されるときに見ることができる。同様に、最新の画像処理技術によって、番組供給者が、仮想画像パネルに広告を重ね合わせることができる。その広告が載ったパネルは、画像中に登場する位置、即ち、スポーツフィールドには物理的には存在しない。この第２の方法では、番組を中断又は停止することなく、製品又はブランドの宣伝を行うことができる。しかし、このような種類の宣伝は、スポーツ番組に限られており、各製品に対しほんの少しの言葉しか表示することができない。更に、広告はそれが表示される番組の種類に合わせることができる（例えば、カーレース番組にはカミソリを）が、ユーザプロファイル又はユーザの現在の関心事を考慮に入れることができない。
【０００３】
広告をオーディオビジュアル番組に関連付ける第３の方法としては、製品を番組自体に組み込むことが挙げられ、例えば、俳優がその製品を使用したり、又は、その製品を番組の背景に表示したりする。例えば、映画の１つのシーンにおいてＰｈｉｌｉｐｓ（登録商標）のテレビジョンの隣に立ったりする。これにより、番組を停止することなく製品又はブランドの宣伝を可能にし、その製品がどの種類の番組に組み込まれるべきかを選択することにより視聴者が選択的にターゲットにすることが可能となる。しかし、この方法では、宣伝される製品に関する情報が与えられず、また、ユーザプロファイル又はユーザの現在の関心事を考慮に入れることができない。
【０００４】
広告をオーディオビジュアル番組に関連付ける第４の方法としては、番組がテレビジョン上で表示される領域を小さくし、番組の余白に沿って広告を配置することが挙げられる。或いは、広告はテレビジョン画面の隅に配置されてもよい。
【０００５】
最近導入され、ウェブＴＶに使用される第５の方法では、テレビジョン画面の縁に１つ以上のハイパーリンクが表示される。ハイパーリンクは一般的に、番組全体又はテレビジョン画面に表示された特定の製品に関連する。これらのハイパーリンクは、番組の特定の点において手動で挿入され、番組の一部に関連付けられるが、各オブジェクトに対し符号化されているわけではない。視聴者はハイパーリンクのうちの１つを、ポインタで指し示しクリックすることによって、その製品に関連のあるウェブサイトを訪れることができる。このような宣伝方法は侵入的であり、ビデオの表示を遮断しないよう１つ又は２つのリンクの表示に制限される。
【０００６】
ハイパーリンクの使用に類似する取り組み方法がＭＩＴ Ｍｅｄｉａ Ｌａｂによって開発され、そのコンセプトはＨｙｐｅｒｓｏａｐと名付けられている。このコンセプトでは、視聴者は、マウス又はエンハンスされた遠隔制御器を使用して、デジタルビデオの再生時に、オブジェクトを含む画面の特定の領域をインタラクティブにクリックして、その特定のオブジェクトに対するテキスト情報を得ることができる。アイテムを含む場面の一部（又は領域）は、ビデオの著者によって描写（ｄｅｌｉｎｅａｔｅ）されなければならず、従って、視聴者が画面の特定の描写された部分を選択すると、画面のその部分に関連する情報が表示されるといった動作が起き、これは、画面上の画像上に表示される。著者は、シーンが切替わる度に、又は、オブジェクトがシーンに入ってくる又は出ていく度に、画面の一部を再描写しなければならない。Ｈｙｐｅｒｓｏａｐシステムは、設定される動作に依存して、１つのモードでは、ビデオを中断する適切な時点まで待ち、製品の写真及び関連付けられるテキストボックスを有する別個の画面を表示する。もう１つのモードでは、簡潔にされた情報ボックスが、ビデオを構文解析することなく直ぐに表示され、短い一定時間の後に次第に消えることができる。
【０００７】
Ｈｙｐｅｒｓｏａｐシステムには多数の制限がある。第１に、ユーザがオブジェクトをクリックすると、製品情報は画面上で見るためにしか入手可能できない。即ち、製品情報はダウンロードされて別個に格納されることができない。又は、層でなければ、他の応用に再利用することができない。第２に、ユーザがオブジェクトをクリックしたときに入手可能である製品情報は、テキストしかない。第３に、視聴者のプロファイルとの相互作用がないので、その視聴者が関心のある広告のみを取出すことができない。第４に、特定のフレーム上で入手可能な広告のビジュアル的な又は他の形式の概要がない。ビデオの視聴時に選択されたオブジェクトのテキストの概要しか表示されない。
【０００８】
［発明の概要］
本発明は、マルチメディア広告を、オーディオビジュアル番組を含むビデオストリームにおけるオブジェクトにリンク付けすることを目的とする。広告は非侵入的であり、ビデオの視聴時において、ユーザによってアクセスされない限り視野から隠される。
【０００９】
本発明は更に、ダイアリ又はカタログの作成、及び、抽出された情報を使用して電子検索を行うといった様々な目的のために広告中にある情報を抽出できるようにすることを目的とする。
【００１０】
本発明は更に、視聴者が関心のある広告の種類を特定することができるよう視聴者によってユーザプロファイルを作成できるようにすることを目的とする。
【００１１】
これらの目的に従って、ビデオオブジェクトにリンク付けされるマルチメディア広告にアクセスするシステム及び方法を提供する。広告は、ビデオオブジェクトがビデオストリームの一部として表示されると、視聴者が広告にアクセスする（即ち、「アクティブにする」）ことができるようビデオオブジェクトにリンク付けされる。（本願で使用する「ビデオストリーム」という用語は、オーディオビジュアル番組又は任意の他のマルチメディア番組内のビデオ信号を含む任意のビデオストリームを含む。）従って、広告は非侵入的であり、ビデオストリームを中断しない。更に、視聴者には、広告はビデオストリーム中に埋め込まれているかのように見える。ビデオオブジェクトが表示されると、視聴者は広告にアクセスすることができ、それにより、広告がマルチメディア形式で表示される。広告にアクセスする１つの方法として、ポインティングデバイスを使用してビデオオブジェクトを指し示しクリックすることが挙げられる。ビデオオブジェクトを任意の他のビデオオブジェクトとは無関係で選択することができるよう、ビデオオブジェクトはビデオストリームにおいて何らかの方法によって別個に描写されなければならない。
【００１２】
広告は、製品情報、ベンダー情報、及び／又は、購入情報といったデータを含み、この情報によりビデオオブジェクトの購入が可能となる。広告にアクセスして広告が表示された後、広告データの少なくとも一部が抽出されて、ビデオストリームとは別個のデータファイルに格納され得る。抽出されたデータには、検索可能な情報が含まれ得る。この情報は、検索を実行する検索エンジンに供給され、例えば、表示されたビデオオブジェクトに関連する製品に関する情報がインターネット上で検索される。ビデオオブジェクトにリンク付けされる表示広告は、必ずしも広告データを抽出されることなく、ブックマークが付けられてもよい。
【００１３】
ビデオストリームは、１つ以上のビデオオブジェクトから構成されうる。１つ以上のこれらのビデオオブジェクトは、それらにリンク付けされる広告を有してもよい。ビデオストリームにおける広告の概要が表示され得る。概要は、利用可能な全ての広告を含んでも、パーソナル化されたダイアリを作成するよう視聴された広告のみを含んでも、及び／又は、カタログを作成するために概要に含まれるようマーク付けされた広告のみを含んでもよい。
【００１４】
視聴者が関心のある広告の種類を示すユーザプロファイルが視聴者によって作成できる。視聴者が関心のある広告があることを示すために、ディスプレイ上に登場するアイコンや、同様の情報を有するサイドバーといったインジケータを含む。或いは、又は、追加して、ユーザプロファイルは、指示されている種類の広告だけを見るためにダウンロードを行うよう使用され得る。
【００１５】
［本発明の好適な実施例の詳細な説明］
本発明の他の目的及び特徴は、添付図面とともに考慮される以下の詳細な説明から明らかとなろう。図面は例示目的のために設計されたものに過ぎず、本発明の限界を定義したものではなく、また、請求項に対し参照されるべきであることを理解するものとする。更に、図面は必ずしも縮尺されて描かれているものではなく、指示されていない限りは、図面は単に本願に説明される構造及び手順を概念的に説明することを意図するものであることを理解すべきである。
【００１６】
図１は、本発明を実行する１つの実施例であるシステムを示す。オーディオビジュアル番組は、それぞれ一連のビデオフレームを有する１つ以上のシーンを含み、ビデオストリームとしてセットトップボックスといった視聴デバイス１０に供給される。ビデオストリームは、様々な異なるコンテキスト及びサポートされるフォーマットのいずれかで供給され得る。例えば、ビデオストリームは、テレビ放送のように従来の放送として供給されても、プレーヤデバイス２０上で再生されるようＶＨＳテープ又はデジタル・バーサトル・ディスク（ＤＶＤ）といった記憶媒体上に供給されても、又は、インターネット３０又はネットワークサーバ４０からダウンロードされるストリーミングビデオとして供給されてもよい。ビデオストリームには別個に符号化されるビデオオブジェクト、又は、より単純に「オブジェクト」があり、各オブジェクトが独立して広告にリンク付けされ得る。マウスといったポインティングデバイス５０を使用して、視聴デバイス１０上に表示されるオブジェクトを指し示しクリックし得る。図２に示すように、視聴デバイス１０は、システムの動作を実行する中央処理ユニット５５と、ディスプレイ６０と、スピーカ６５と、ユーザプロファイル及び／又は様々な広告から抽出される情報を格納するデータ記憶要素７０と、視聴デバイス１０に供給されるビデオストリームを復号化する第１のデコーダ７５と、オーディオビジュアル番組内のオブジェクトにリンク付けされる広告を復号化する第２のデコーダ８０を含む。
【００１７】
図３Ａを参照するに、ステップ１００において、オブジェクトベースのビデオ符号化スキームを使用して番組をオーサリングする。オーサリングでは、様々なオブジェクトがそれらのシーン中において「分離」され、それにより本発明を実施することができるようになる。このようなオブジェクトベースの符号化スキームの１つは、国際標準化機構（Ｉｎｔｅｒｎａｔｉｏｎａｌ Ｓｔａｎｄａｒｄｓ Ｏｒｇａｎｉｚａｔｉｏｎ、ＩＳＯ）のＭｏｖｉｎｇ Ｐｉｃｔｕｒｅ Ｅｘｐｅｒｔｓ Ｇｒｏｕｐ（ＭＰＥＧ）のＭＰＥＧ−４規格により与えられる。ＭＰＥＧ−４では、特定のシーンに対するアニメ化されたテキスト、ビデオ、及び、静画像といったオブジェクトを含む各ビデオオブジェクト１０２は別々に符号化される。シーン記述１０４は、オブジェクト１０２が特定のシーンのフレーム内で表示されるために組合されるべき方法を詳述する。シーン中のオブジェクトに対するマルチメディア広告１０６は、例えば、画像、グラフィック・オーバレイ、テキスト、ハイパーリンク、及び、オーディオビジュアルクリップといった様々な形式のデータを含んでよく、これらは、広告主、放送局、ビデオテープ及びＤＶＤ生産業者、及び、本発明を実現するために使用される任意のデバイスの製造業者といった様々な関係者によって事前に同意されているフォーマットで記録され、それにより、広告１０６は、受信されると適切に処理される。
【００１８】
マルチメディア広告１０６は、任意の適切な方法によってオブジェクトにリンク付けされ、一般的にオーディオビジュアル番組の残りの部分からは別個に符号化される。ＭＰＥＧ−４のバイナリ・フォーマット・フォー・シーン（ＢＩＦＳ）を使用して、マルチメディア広告１０６と関連のオブジェクトをリンク付けてもよい。ＢＩＦＳは、「オブジェクト・ノード」、又は、オブジェクト・ノードが関連付けられるオブジェクトを特徴付ける１組のデータを記述するために標準化されたシンタックスを供給する。オブジェクトに対するオブジェクト・ノードにおける１組のデータには、広告１０６といったマルチメディア記述を含み、これは、ＩＳＯのＭＰＥＧ−７規格（又は、メタデータの規格を作成しようと作業をしているＴＶ Ａｎｙｔｉｍｅ Ｆｏｒｕｍコンソーシアムによって使用されるその規格の変形）を使用して作成される。従って、ＭＰＥＧ−７符号化された広告は、オブジェクト・ノードにおいてＭＥＰＧ−４のバイナリ・フォーマット・フォー・シーン（ＢＩＦＳ）により供給されるＭＰＥＧ−７「フック」を介し、オブジェクトにリンク付けされる。広告１０６自体を作成するために選択されるフォーマットは、例えば、ＭＰＥＧ−７の言語である拡張マークアップ言語（例えば、ＸＭＬ）、又は、別の既存の言語でのデータ構造であってよい。広告１０６は多数のフィールドを有してよく、これらのフィールドのうち１つは、フィールドに含まれる、例えば、仕様、購入情報、及び、オブジェクトにより表される製品の他の製品情報といった情報コンテンツの種類を識別する。
【００１９】
番組における全てのオブジェクトに対し広告が添付されるわけではない。広告が添付されるオブジェクトのうち、一般的に、シーン中の１つのオブジェクトに対し、別のオブジェクトに対しての第２の広告の添付とは無関係で、広告が添付される。このようにして埋め込まれるべきオブジェクトには、現実世界の又はバーチャルのオブジェクト、番組に登場するロゴ、及び、スポーツフィールドのサイドに沿ってあり、実際の広告が表示される広告パネル（例えば、図９に示す画像３１０にあるテニスコート３００に沿って配置される複数のパネル２９０、２９１を参照されたい）といったオーディオビジュアル番組に登場するオブジェクトが含まれる。
【００２０】
特定のオーディオビジュアル番組におけるオブジェクトにリンク付けされる広告のグループは一般的に、オーディオビジュアル番組とは別に一緒にされて格納される。視聴者は、広告を、視聴者の要求によってのみ見ることができ、その意味で、広告は埋め込まれていると考えられる。つまり、オーディオビジュアル番組が再生されるとき、リンク付けされている広告は、プレーヤデバイス２０によってオーディオビジュアル番組と共に同時に視聴デバイス１０にストリーミングされるか、又は、別個に格納されて番組にリンク付けされ、要求に応じてストリーミングされる（広告がローカルに格納されていない場合）か、又は、表示される（広告が既にローカルで格納されている場合）。
【００２１】
ステップ１００においてオブジェクトを広告にリンク付けするのに、ＭＰＥＧ−４規格といったオブジェクトベースの符号化スキーム以外の代替の技術を使用してもよい。例えば、オブジェクトの外形によって符号化するのではなく、オブジェクトはフレームのグラフィカル・オーバレイを使用し、フレームの特定の領域を、グラフィカル・オーバレイの下にある関心のオブジェクトに対応するものとして示すことにより識別され得、特定の領域内でクリックすることにより、その領域に関連付けられる任意の記述情報を見ることができるようになる。
【００２２】
図３Ａに示すように、動作時には、埋め込まれた広告１０６を有するオーディオビジュアル番組は、例えば、ブロードキャストされる又はされない信号として、プレーヤデバイス２０上で再生されるか、インターネット３０、ネットワークサーバ４０を介し供給されるか、又は、そうでなければ、視聴デバイス１０に供給される（ステップ１１０）。広告１０６は視聴デバイス１０において受信（ステップ１２０）され、１つ以上のシーンを有するオーディオビジュアル番組に構成される（ステップ１３０）。
【００２３】
図３Ｂを参照するに、ステップ１５０において、システムのユーザ（視聴者）は、埋め込まれたオブジェクトを含むオーディオビジュアル番組を視聴する。埋め込まれた広告は一般的に、ビジュアルデータのみを含むが、オーディオ及び他の種類のデータも含んでもよく、また、広告は一般的に、表示するよう特に要求されない限り表示されない。ステップ１６０において、例えば、図４に示すような背景に木がある車を表示するフレーム２００において、視聴者が関心のオブジェクトを見つけ、そのオブジェクトに関し追加の情報を得ることを望む場合、視聴者はマウスといったポインタデバイス５０を使用して関心のオブジェクトを指し示しクリックし得る（ステップ１７０）。次にシステムは、ステップ１８０において、選択されたオブジェクトに対し広告１０６が有るか否かを確認し、広告がある場合には、ユーザがクリックしたことによって、そのオブジェクトに関する情報がアクセスされ、ディスプレイ６０に表示される（ステップ１９０）。
【００２４】
図４から分かるように、視聴者は、番組の視聴時に、広告があるか否かを確認することなくオブジェクトにリンク付けされる広告があるという事実が伝えられる。これは、リンク付けされるオブジェクトがディスプレイ上にあるときディスプレイ６０の側らにポップアップするアイコン２０５、又は、表示されるオブジェクトに対し広告が入手可能であることをテキストによって示すディスプレイ６０の側らにある小さいいサイドバーといったインジケータが表示されることにより伝えられる。ユーザプロファイルが視聴者は特定の種類の広告にしか関心がないことを特定する場合、アイコンは特定された種類の広告に対してのみ登場し得る。
【００２５】
図５に、情報ウィンドウ２１０に表示されうる広告／製品情報の表示例を示す。例示する実施例では、供給される情報は、選択されたオブジェクトのカテゴリ２１２、オブジェクトの価格２１４、テキスト記述２１６、関心のオブジェクトのサムネイル画像２１８、及び、オブジェクトに関する更なる情報が入手できる関連のあるインターネットウェブサイトへのリンク２２０に関するメタデータを含む。情報ウィンドウ２１０には他の情報も供給されることが可能であり、例えば、ベンダー／製造業者情報、コマーシャルのようなオーディオビジュアルデモンストレーション、及び、任意の他の関連性のあるマルチメディアデータといったメタデータを含む。埋め込まれたオブジェクト情報は、フレーム全体ではなくオブジェクトに関連付けられるので、ステップ１９０において、ユーザは製品情報にアクセスし、且つ、製品情報を抽出し、また、様々な方法で抽出した情報を「再利用する」ことができる。
【００２６】
図６に示すようなユーザプロファイル２３０を作成して、視聴者が見ることを希望する又は知らされることを希望するオブジェクトの種類を特定することができる。視聴者は例えば、車に関する広告を見ることは希望するが、電子機器についての広告を見ることは希望しないとする。この場合、視聴者は例えば、図６の車のカテゴリ２３５をハイライトする。ユーザプロファイル２３０を使用することにより、車と電子機器を表示し、これらのオブジェクトの両方に対し広告があるオーディオビジュアル番組、また、視聴者は広告のアベイラビリティが知らされるべきである場合、視聴者には、車の広告のみが知らされるべきであり、電子機器に関連する広告は通知されない。又は、もう１つの例として、オーディオビジュアル番組がウェブサイト３０からダウンロードされる場合、ユーザプロファイルを使用して関係のない広告のダウンロードを省略することができる。ユーザプロファイルにより、特定の有限量の情報が広告主によってまとめられ、それにより、ダウンロードされる広告はその広告に本当に関心のあるターゲット視聴者により見られ、広告主の広告費が有意義に使用されることが保証されうる。ユーザプロファイル２３０は、システムに視聴者の命令を実行させるのを容易にするために、広告フォーマットのオントロジー（即ち、語彙）と同一のオントロジーを共有することが好適である。
【００２７】
ステップ１９０において、広告１０６は様々な方法で「再利用」される。第１の応用例では、ユーザは所望の広告を抽出し、広告に含まれる情報を再利用して、広告の概要２４０を作成することができる。概要２４０は、例えば、パーソナライズ化された製品ダイアリであってよく、これには、過去に見られた広告のパーソナル化された概要が含まれる。これは、図５に示す「捕捉」コマンドタブ２２４を指し示しクリックすることによって行われる。ダイアリを作成するもう１つの手段は、ディスプレイ６０上の「ブックマーク」コマンドタブ２２を指し示しクリックすることであり、このタブ２２は広告にブックマークを付け、データ記憶装置７０に格納されるべきブックマークのファイルを作成する。しかし、単に情報にブックマークが付けられる場合では、オーディオビジュアル番組が格納された媒体といったオーディオビジュアル番組の供給源は、将来において広告を取出すことができるよう利用可能でなければならない。しかし、ダイアリが作成される場合、近い将来において購入する希望がある関心の製品のパーソナルホリデイ又はギフトカタログといった任意の目的のために使用することができる。
【００２８】
もう１つの応用例では、例えば、広告を「再利用」して、オーディオビジュアル番組に関連付けられる広告の概要を作成するか、又は、特定のユーザプロファイルに適合する又は適合しない広告の概要を作成することができる。例えば、このような種類の概要は、所望される場合は、オーディオビジュアル番組の始まり又は終わりにおいて表示されることができる。広告主はこの概要を使用して広告をモニタリングし、広告資金を集めることが可能である。或いは、視聴者の判断によって、現在画面上にある全ての広告製品のビジュアル概要を表示することができる。全ての広告製品のビジュアル概要を表示する後者の場合、視聴者は、様々な表示されるオブジェクトから関心のオブジェクトを選択することにより買い物を行うことができる。概要を作成することにより可能にされる他の機能のうち、アイコン２５０、２５１は概要の各オブジェクトの隣に設けられ、これらは、広告にリンク付けされるオブジェクトが表示されるオーディオビジュアル番組における点に視聴者を連れてゆく。図７に示す概要２４０は、上述したような種類の概要又は他の種類の概要を表すことができる。
【００２９】
広告情報を再利用する第３の可能な応用例として、キーワードといった広告の特徴が抽出されて、自動的にウェブ上の検索エンジンに供給されて、他の類似の製品といった様々な種類の情報が探し出されて、異なるベンダーからの製品の価格を比較したりすることができるようになる。
【００３０】
広告情報の概要１０６は、オーディオビジュアル番組のより広いマルチレベル概要２６０に含まれることが可能であり、マルチレベル概要は、広告情報１０６以外のオーディオビジュアル番組に関する他の様々なレベルの情報を含んでよい。図８にマルチレベル概要２６０の例を示す。１つのレベル２７０において、例えば、番組全体、長い又は短い一連のフレーム、又は、シーンを記述する情報が与えられる。例えば、ＤＶＤの映画は、高レベルメタデータ（例えば、タイトル（Ｍｉｒａｃｌｅ ｏｎ ３４^ｔｈ Ｓｔｒｅｅｔ）、キャスト、映画のジャンル等）、映画のオーディオビジュアル概要、シーン中に起きている出来事といった選択されたシーンの詳細な記述（中間レベル記述２８０）、及び、広告情報１０６の記述である低レベル記述を含む、合わせられたコンテンツ記述を有し得る。マルチレベルコンテンツ記述は更に、映画のオーディオトランスクリプトといったテキストアノテーションも含んでよい。オブジェクト記述情報１０６と同様に、情報は任意の方法で番組、シーケンス、又は、シーンに添付されるか、同時にストリーミングされるべくコンテンツに同期されることが可能であるか、又は、別個に格納されてコンテンツにリンク付けされることが可能である。オーディオビジュアル番組が完全に１つのオブジェクトに関連付けられる１つの特別な状況において、そのオブジェクト及び番組全体を記述するために必要となる情報のレベルは１つだけである。
【００３１】
上述の説明から明らかなように、オブジェクト記述情報及び任意の他のレベルの番組記述によって与えられる構造化されるインタフェースは、追加の機能を与え、リンク付けされるコンテンツとの多くの相互作用の新しいモードを可能にする。ダイアリ及び概要は、概要又は視聴者の関心点のハイライトによりコンテンツのパーソナル化される視覚化とブラウジングを可能にする。更に、構造化されるインタフェースは、所与のオーディオビジュアル番組における特徴と類似する特徴を有するコンテンツを視聴者が検索することを可能にする。同様に、番組及びコンテンツ記述は、同一のオントロジーを共有するユーザプロファイルにリンク付けされ、それにより、特定の広告及び番組選択を排除するか又は取り込むことができる。上述した本発明の様々な利点に追加して、広告をメタデータとして埋め込むことの他の利点には、広告をモニタリングし、広告を低予算でデジタル記憶すること（なぜなら、オブジェクトを広告にリンク付けするための標準化は最終的にデジタル記憶するための低費用のツールを作成するからである）ができることである。
【００３２】
従って、本発明の基本的な新規の特徴を、本発明の好適な実施例に適用しながら、図示し、説明し、及び、指摘したが、説明したシステム及び方法の形式の細部、及び、その動作における様々な省略、置換え、及び、変更が、本発明の精神から逸脱することなく当業者によって行われ得ることを理解するものとする。例えば、実質的に同一の機能を実質的に同一の方法で行い同一の結果を達成するこれらの構成要素の全ての組合わせ、及び／又は、方法ステップは、本発明の範囲に含まれる。さらに、任意の開示した形式又は本発明の実施例に関連して示した、及び／又は、説明した構造、及び／又は、構成要素、及び／又は、方法ステップは、設計選択の一般的な問題として他の開示される、説明される、又は、提案される形式又は実施例に組み込まれることを認識するべきである。
【図面の簡単な説明】
【図１】
本発明が実施されうるシステムの実施例を示すブロック図である。
【図２】
その上でオーディオビジュアル番組が視聴され、データが抽出され、データが再利用される視聴デバイスの実施例を示すブロック図である。
【図３Ａ】
オーディオビジュアル番組に対し使用することのできる、本発明のオーサリング及びオーディオビジュアル番組の送信に関連するステップを説明するフローチャートである。
【図３Ｂ】
本発明の１つの実施例において、オーディオビジュアル番組の視聴及び埋め込まれた広告の抽出及び再利用に関連するステップを説明するフローチャートである。
【図４】
広告が外観上埋め込まれているオーディオビジュアル番組のサンプルフレームを示す図である。
【図５】
図４のフレームにおけるオブジェクトをクリックすることにより表示され得る広告を含むサンプル情報画面を示す図である。
【図６】
ユーザによって特定の種類の広告が所望されるか否かを区別するためのサンプルユーザプロファイル画面を示す図である。
【図７】
本発明のユーザが、広告に関連付けられるオーディオビジュアル番組における様々なオブジェクトをクリックすることにより作成され得る広告のサンプルダイアリを示す図である。
【図８】
本発明の１つの実施例に従って作成される広告及び他の番組情報を含むオーディオビジュアル番組のマルチレベル概要の例を示す図である。
【図９】
テニスコートのサイドにある複数の広告パネルを含むビデオ画像を示す図である。

Claims (19)

1. 広告をビデオストリーム中のビデオオブジェクトにリンク付けする段階と、ディスプレイ上に上記ビデオオブジェクトを表示する段階とを含む、ビデオストリーム中のビデオオブジェクトにリンク付けされるマルチメディア広告にアクセスする方法であって、
   上記広告をリンク付けする段階は、上記ビデオストリームの視聴者によってアクセスされなければ、上記広告は上記ビデオストリームの一部として表示されないよう上記広告を上記ビデオオブジェクトにリンク付けし、上記広告はマルチメディア広告であり、
   上記方法は更に、
   上記オブジェクトが表示されるときに、上記視聴者の要求によって上記オブジェクトにリンク付けされる上記広告にアクセスし、それにより、上記広告が上記ディスプレイ上にマルチメディアフォーマットで表示される段階を含むことを特徴とする方法。
2. 上記広告にアクセスする段階は、ポインティングデバイスを使用して上記ビデオオブジェクトを指し示す段階と、上記ビデオオブジェクトをクリックする段階とを含む請求項１記載の方法。
3. 上記ビデオオブジェクトが、上記ビデオストリーム中の任意の他のビデオオブジェクトと無関係で選択可能であるよう、上記広告を上記ビデオオブジェクトにリンク付けする前に、上記ビデオオブジェクトを描写する段階を更に含む請求項１記載の方法。
4. 上記広告はデータを含み、
   上記方法は更に、上記広告がアクセスされた後に上記表示される広告における上記データの少なくとも一部を抽出する段階と、
   上記抽出されたデータを上記ビデオストリームとは別個のデータファイルに格納する段階とを含む請求項１記載の方法。
5. 上記ビデオストリームは、第２の広告にリンク付けされる第２のオブジェクトを含み、
   上記方法は更に、少なくとも上記第１の広告及び上記第２の広告からなる概要を作成する段階を含む請求項１記載の方法。
6. 上記作成された概要から広告を選択する段階と、
   上記広告にリンク付けされる上記ビデオオブジェクトの購入を可能にするために、上記広告から購入情報を抽出する段階とを更に含む請求項５記載の方法。
7. 上記ビデオストリームを記述し、上記広告以外の情報を含む上記ビデオストリームの概要を作成する段階を更に含む請求項１記載の方法。
8. 上記広告がアクセスされた後に上記表示される広告から検索可能な情報を抽出する段階と、
   上記検索可能な情報を検索エンジンに供給して検索を行う段階とを更に含む請求項１記載の方法。
9. 上記表示された広告にブックマークを付けて、上記広告に対するブックマークを作成する段階を更に含む請求項１記載の方法。
10. 上記視聴者が知らされることを希望する広告の種類を指示するユーザプロファイルを、上記視聴者に対し作成する段階と、
    上記オブジェクトが、上記指示される広告の種類にリンク付けされているときは上記視聴者に注意を促す段階とを更に含む請求項１記載の方法。
11. 上記視聴者がアクセスを有することを希望する広告の種類を指示するユーザプロファイルを、上記視聴者に対し作成する段階と、
    上記ビデオオブジェクトを上記ディスプレイ上で表示する前に上記ビデオストリームをダウンロードする段階と、
    上記広告が上記指示される種類である場合にのみ上記広告をダウンロードする段階とを更に含む請求項１記載の方法。
12. 表示されるべきビデオオブジェクトを含むビデオストリームを受信し、上記ビデオオブジェクトにリンク付けされる広告を受信する手段と、上記ビデオストリームを表示するディスプレイとを含む、ビデオストリームにリンク付けされるマルチメディア広告にアクセスするシステムであって、
    上記広告は視聴者の要求に応じてのみ表示されるマルチメディア広告であり、
    上記システムは更に、
    上記ビデオストリームが表示される間に上記オブジェクトが表示されるときに上記広告にアクセスし、それにより、上記広告がマルチメディアフォーマットで表示されるようにする手段を含むことを特徴とするシステム。
13. 上記広告にアクセスする手段は、上記ビデオオブジェクトを選択するためのポインティングデバイスを含む請求項１２記載のシステム。
14. 上記広告はデータを含み、
    上記システムは更に、上記広告がアクセスされた後に、上記データの少なくとも一部を抽出する手段と、
    上記抽出されたデータを含む、上記ビデオストリームとは別個のデータファイルとを含む請求項１２記載のシステム。
15. 第２のオブジェクトと、
    上記第２のオブジェクトにリンク付けされる第２の広告と、
    少なくとも上記第１の広告及び上記第２の広告からなる概要とを更に含む請求項１２記載のシステム。
16. 上記広告は検索可能な情報を含み、
    上記システムは更に、上記広告がアクセスされた後に上記表示される広告から上記検索可能な情報を抽出する手段と、
    上記検索可能な情報を検索エンジンに供給して検索を行う手段とを更に含む請求項１２記載のシステム。
17. 上記表示された広告にブックマークを付けて、上記広告に対するブックマークを作成する手段を更に含む請求項１２記載のシステム。
18. 上記視聴者が知らされることを希望する広告の種類を指示する、上記視聴者用のユーザプロファイルを更に含む請求項１２記載のシステム。
19. 上記ビデオストリームを記述し、上記広告以外の情報を含む上記ビデオストリームの概要を作成する手段を更に含む請求項１２記載のシステム。

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