JP2004338175A - インクジェット記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】プラテンにおいて、吸引風量が変化しても記録媒体の温度を一定に保つことができ、その結果、インクが記録媒体に良好に定着し、良好な画像を形成できるインクジェット記録装置とする。
【解決手段】プラテン2に保持された記録媒体99に記録ヘッド5,6,7,8からインクを射出して画像を形成するインクジェット記録装置1である。プラテンにおいて記録媒体の種類に基づく所定の風量で記録媒体を吸引する吸引手段13と、吸引手段で吸引中の記録媒体の温度を検知する温度検知手段14と、記録媒体を加熱する加熱手段15と、温度検知手段によって検出された温度に基づいて加熱手段を制御する制御手段50とを備える。
【選択図】 図3
【解決手段】プラテン2に保持された記録媒体99に記録ヘッド5,6,7,8からインクを射出して画像を形成するインクジェット記録装置1である。プラテンにおいて記録媒体の種類に基づく所定の風量で記録媒体を吸引する吸引手段13と、吸引手段で吸引中の記録媒体の温度を検知する温度検知手段14と、記録媒体を加熱する加熱手段15と、温度検知手段によって検出された温度に基づいて加熱手段を制御する制御手段50とを備える。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録装置に係り、特にはプラテンに保持された記録媒体に記録ヘッドからインクを射出して画像を形成するインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、インクジェット記録装置は、印刷時の騒音が比較的小さく、印字の品質が良好であり、さらに種々の記録媒体に対して印刷可能であるため、画像形成装置として数多く使用されている。
【0003】
前記インクジェット記録装置においては、記録ヘッドからインクを射出し画像形成を行う際に、多数の小孔を設けたプラテンの背面側より吸引することで、記録媒体をプラテンに保持する構成のものがある(例えば特許文献1参照。)。
このように、記録媒体をプラテンの背面側より吸引してプラテンに保持しながらインクを射出する構成であると、画像形成時の記録媒体を浮きのない状態にすることができるため、インクの着弾位置がずれず、良好な画像を形成することができる。
【0004】
しかしながら、記録媒体をプラテンの背面側より吸引することで当該記録媒体を保持する形態において、記録媒体の種類と吸引する際の吸引風量との関係によっては、記録媒体にへこみが発生してしまうことがあり、これにより、インクの着弾誤差を大きくしてしまい、画像形成における品位を悪化させる場合がある。
そのため、記録媒体の種類、例えば記録媒体の厚さや剛性等に基づき、プラテンにおいて吸引する際の吸引風量を変化させて、記録媒体の種類に合わせた吸引を行うようにすることが考えられる。
【0005】
一方、記録ヘッドから射出されたインクが記録媒体に着弾する際の当該記録媒体の温度が低過ぎると、インクが良好に定着しない場合がある。そのため、従来、プラテンに加熱手段が設けられ、当該加熱手段が一定の加熱量で加熱することにより記録媒体を所定の温度として、記録ヘッドから射出されたインクが記録媒体に良好に定着するようにしたものが提案されている。
【0006】
【特許文献1】
特許第2559752号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記したようにプラテンにおける吸引風量を変化させると、プラテンでの記録媒体の温度が変化する可能性が高い。例えば、厚さのある記録媒体では、プラテンに保持するために吸引風量を増加させる必要があり、吸引風量が増加すると、プラテンにおける記録媒体の温度が低下してしまう。しかし、従来のプラテンに設けられた加熱手段は、一定の加熱量で記録媒体を加熱しているのみであるため、記録媒体の温度は低下したままであり、これにより、インクが定着せずに、良好な画像を形成することができなくなってしまうという問題が生じる。
【0008】
そこで、本発明の課題は、プラテンにおいて、吸引風量が変化しても記録媒体の温度を一定に保つことができ、その結果、インクが記録媒体に良好に定着し、良好な画像を形成できるインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、
プラテンに保持された記録媒体に記録ヘッドからインクを射出して画像を形成するインクジェット記録装置であって、
前記プラテンにおいて記録媒体の種類に基づく所定の風量で記録媒体を吸引する吸引手段と、
前記吸引手段で吸引中の記録媒体の温度を検知する温度検知手段と、
記録媒体を加熱する加熱手段と、
前記温度検知手段によって検出された温度に基づいて加熱手段を制御する制御手段と、
を備えることを特徴としている。
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、プラテンの吸引手段の吸引風量が記録媒体の種類に基づいて変化しても、吸引風量の変化に応じて記録媒体を加熱することができるため、種々の記録媒体に対してインクを良好に定着させることができ、良好な画像を形成することができる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のインクジェット記録装置において、
前記制御手段は、記録媒体の剛性に基づき決定した吸引風量で吸引中の記録媒体の温度に対応して、加熱手段を制御することを特徴としている。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、制御手段が、記録媒体の剛性に基づき決定した吸引風量で吸引中の記録媒体の温度に対応して、加熱手段を制御するため、記録媒体を保持し、かつ精度良く記録媒体のへこみ量を軽減させることができた上で、種々の記録媒体に対してインクを良好に定着させることができ、良好な画像を形成することができる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のインクジェット記録装置において、
前記制御手段は、記録媒体の厚さに基づき決定した吸引風量で吸引中の記録媒体の温度に対応して、加熱手段を制御することを特徴としている。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、制御手段が、記録媒体の厚さに基づき決定した吸引風量で吸引中の記録媒体の温度に対応して、加熱手段を制御するため、記録媒体を保持し、かつ精度良く記録媒体のへこみ量を軽減させることができた上で、種々の記録媒体に対してインクを良好に定着させることができ、良好な画像を形成することができる。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記インクが、光硬化性インクであることを特徴としている。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、記録媒体の温度の影響を受けやすい光硬化性インクを用いても、種々の記録媒体に対してインクを良好に定着させることができ、良好な画像を形成することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係るインクジェット記録装置について、図面を参照しながら説明する。ただし、発明の範囲は図示例に限定されない。
【0018】
図1はインクジェット記録装置1の概略構成を示す斜視図であり、図2はインクジェット記録装置1の概略的な制御構成を示すブロック図である。また、図3はインクジェット記録装置1におけるプラテンの概略構成を示す図である。
【0019】
図1に示すように、インクジェット記録装置1はシリアル方式のインクジェット記録装置であり、記録媒体99の記録面の反対の非記録面を支持する平板状のプラテン2を有しており、プラテン2の前後には搬送ローラ3a,3bがそれぞれ配設されている。各搬送ローラ3a,3bはプラテン2の前後で軸心回りの所定方向にそれぞれ回転するようになっており、各搬送ローラ3a,3bの回転に伴い記録媒体99は搬送方向Aに沿って搬送されるようになっている。
【0020】
プラテン2の上方には、記録媒体99の記録面に画像を記録する画像記録部4が配設されている。画像記録部4は、搬送方向Aと直交する方向(以下「走査方向B」という。)に延在するガイド部材12を有しており、ガイド部材12にはキャリッジ11が支持されている。キャリッジ11は、ガイド部材12によりガイドされた状態で走査方向Bに沿って往復移動自在とされている。
【0021】
キャリッジ11には、イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K)の各プロセスカラーのインクを記録媒体99の記録面に向けてそれぞれ射出する4つの記録ヘッド5,6,7,8が搭載されており、4つの記録ヘッド5,6,7,8は同時にキャリッジ11の往復移動によって移動可能とされている。また、各記録ヘッド5,6,7,8の下部にはインクを液滴として射出する複数のノズル(図示省略)がそれぞれ配設されており、複数のノズルは記録ヘッド5,6,7,8毎に記録媒体99の搬送方向Aに沿って配列されてノズル面(図示省略)を構成している。
【0022】
さらに、キャリッジ11の左右両側には光照射手段としての2つの紫外線照射装置9,10がそれぞれ搭載されており、紫外線照射装置9,10も記録ヘッド5,6,7,8と同様に、キャリッジ11の往復移動によって移動可能とされている。各紫外線照射装置9,10には、紫外線光源9a,10a(図2に図示)がそれぞれ設けられており、各紫外線照射装置9,10は、紫外線光源9a,10aが点灯することにより記録媒体99の記録面に向けてそれぞれ紫外線を照射することができるようになっている。紫外線光源としては、高圧水銀ランプ,メタルハライドランプ,ブラックライト,冷陰極管,LED(Light Emitting Diode)等が適用される。
【0023】
図3に示すように、前記プラテン2には、複数の小孔2aが設けられている。また、背面側には、記録媒体99の種類に基づく所定の風量で記録媒体99を吸引する吸引手段としての吸引ファン13が設けられている。そして、当該吸引ファン13を所定の風量で作動させることにより、前記小孔2aから記録媒体99を吸引して保持するようになっている。
さらに、プラテン2には、プラテン2を加熱することにより記録媒体99を加熱して温度を上昇させる加熱手段としてのヒータ15を備えている。本実施の形態では、ヒータ15は、プラテン2に設けられた小孔2aの間をぬうように網の目状に設けられている。
またさらに、プラテン2には、プラテン2の温度を検知し、これに基づいて記録媒体99の温度を推定する温度検知手段としての温度センサ14を備えている。本実施の形態では、前記温度センサ14は、プラテン2の端部に設けられている。
【0024】
次に、図2を参照してインクジェット記録装置1における制御手段について説明する。図2はインクジェット記録装置1の概略的な制御構成を示すブロック図である。
【0025】
インクジェット記録装置1には、図2に示すように、各駆動部を制御する制御手段50が設けられている。制御手段50には、搬送装置の駆動源3、記録ヘッド5,6,7,8、紫外線照射装置9,10の紫外線光源9a,10a、キャリッジ11のキャリッジ駆動源11a、吸引手段としての吸引ファン13、温度検知手段としての温度センサ14、加熱手段としてのヒータ15、記録媒体99の種類に基づく吸引ファン13の吸引風量の情報を含むインクジェット記録装置の作動に必要な情報を記憶する記憶手段51、記録媒体99の種類等の画像形成時における指示が入力される入力手段52等が電気的に接続されている。なお、制御手段50には、これら以外にもインクジェット記録装置1の各駆動部などが接続されている。
【0026】
そして、このような構成により、制御手段50は、入力手段52からの指示に基づいて、記憶手段51中に書き込まれている制御プログラムや制御データに従い各種機器を制御するようになっている。
【0027】
特に、前記制御手段50は、入力手段52で入力された記録媒体99の種類、例えば剛性や厚さに応じて吸引ファン13の吸引風量を決定すると共に、吸引ファンで吸引中における前記温度センサ14による記録媒体99の推定温度を情報として受信し、これに対応して、記録媒体の温度が所定の温度となるように、ヒータ15にオン、オフ又は強弱の指示を出す制御を行うようになっている。
例えば、厚さのある記録媒体99では、プラテン2に保持するために吸引ファン13の吸引風量を増加させる必要があり、吸引風量が増加すると、プラテン2における記録媒体99の温度が低下してしまう。そこで、温度センサ14により、吸引中の記録媒体99の温度をプラテンの温度から推定し、当該温度の低下の程度に対応して、ヒータ15をオン制御するのである。
【0028】
なお、前記吸引ファン13の吸引風量は、インクジェット記録装置1が720dpi又は360dpiの印字解像度を有している場合に、記録媒体99の記録面のへこみ量が100μm以下となるように制御すると良い。
また、本実施の形態における前記吸引ファン13の吸引風量は、予め登録された記録媒体の種類に応じた風量を予め設定し、記憶手段51に記憶させておいたものであるが、これに限るものではなく、センサ等によって記録媒体の剛性、厚さ等を測定し、これに応じて風量を決定するような構成となっていても良い。
【0029】
次に、本実施の形態に用いられる「インク」について説明する。
本実施の形態に用いられるインクとしては、特に、「光硬化技術−樹脂・開始剤の選定と配合条件及び硬化度の測定・評価−(技術協会情報)」に記載の「光硬化システム(第4章)」の「光酸・塩基発生剤を利用する硬化システム(第1節)」、「光誘導型交互共重合(第2節)」等に適合するインクが適用可能であり、通常のラジカル重合により硬化するものであってもよい。
【0030】
具体的に、本実施の形態に用いられるインクは、光としての紫外線の被照射により硬化する性質を具備する光硬化性インク、すなわち紫外線硬化性インクであり、主成分として、重合性化合物(公知の重合性化合物を含む。)と、光開始剤と、色材とを少なくとも含むものである。ただし、本実施の形態に用いるインクとして、上記「光誘導型交互共重合(第2節)」に適合するインクを用いる場合には、光開始剤は除外されてもよい。
【0031】
上記光硬化性インクは、重合性化合物として、ラジカル重合性化合物を含むラジカル重合系インクとカチオン重合性化合物を含むカチオン重合系インクとに大別されるが、その両系のインクが本実施の形態に用いられるインクとしてそれぞれ適用可能であり、ラジカル重合系インクとカチオン重合系インクとを複合させたハイブリッド型インクを本実施の形態に用いられるインクとして適用してもよい。なお、本実施の形態では、カチオン重合系インクを使用している。
【0032】
次に、本実施の形態に用いられる「記録媒体99」について説明する。
本実施の形態に用いられる記録媒体99としては、通常のインクジェット記録装置に適用される普通紙,再生紙,光沢紙,コート紙,ユポ等の各種紙,各種布地,各種不織布,樹脂,金属,ガラス等の材質からなる記録媒体が適用可能である。記録媒体99の形態としては、ロール状、カットシート状、板状等が適用可能である。本実施の形態では、記録媒体99としてロール状に巻かれた長尺な樹脂製フィルムを用いている。
【0033】
特に、本実施の形態で用いられる記録媒体として、所謂軟包装に用いられる透明又は不透明な非吸収性の樹脂製フィルムが適用できる。樹脂製フィルムの具体的な樹脂の種類として、ポリエチレンテレフタレート,ポリエステル,ポリオレフィン,ポリアミド,ポリエステルアミド,ポリエーテル,ポリイミド,ポリアミドイミド,ポリスチレン,ポリカーボネート,ポリ−ρ−フェニレンスルフィド,ポリエーテルエステル,ポリ塩化ビニル,ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン等が適用可能であり、さらには、これら樹脂の共重合体、これら樹脂の混合物、これら樹脂を架橋したもの等も適用可能である。中でも、樹脂製フィルムの樹脂の種類として、延伸したポリエチレンテレフタレート,ポリスチレン,ポリプロピレン,ナイロンのいずれかを選択するのが、樹脂製フィルムの透明性・寸法安定性・剛性・環境負荷・コスト等の面で好ましく、2〜100μm(好ましくは6〜50μm)の厚みを有する樹脂製フィルムを用いるのが好ましい。また、樹脂製フィルムの支持体の表面にコロナ放電処理、易接着処理等の表面処理を施してもよい。
【0034】
さらに、本実施の形態に用いられる記録媒体として、樹脂により表面を被覆した各種紙,顔料を含むフィルム,発泡フィルム等の不透明な公知の記録媒体も適用可能である。
【0035】
次に、本実施の形態におけるインクジェット記録装置1の動作を説明する。
まず、インクジェット記録装置1における記録媒体99の種類が入力手段52から入力されると、制御手段50では、当該記録媒体99に対応する吸引ファン13の吸引風量情報を記憶手段51から取り出し、吸引ファン13に当該吸引風量で吸引する指示を出す。また、温度センサ14によりプラテン2の温度を検知し、記録媒体99の温度を推定する。そして、当該温度に基づき、ヒータ15を作動させ、記録媒体99が所定の温度になるように記録媒体99を加熱する。
【0036】
そして、記録媒体の温度がそれぞれの所定の温度となった後に、インクジェット記録装置1での画像形成の動作を行う。
インクジェット記録装置1の画像形成動作中においては、一方では、各搬送ローラ3a,3bが作動して回転し、記録媒体99が、プラテン2により非記録面を支持された状態で後方から前方へと搬送方向Aに沿って搬送される。他方では、キャリッジ11が作動して記録媒体99の直上を走査方向Bに沿って往復移動し、キャリッジ11に搭載されている4つの記録ヘッド5,6,7,8及び2つの紫外線照射装置9,10もキャリッジ11の往復移動によって移動する。
【0037】
そしてキャリッジ11の移動中において、4つの記録ヘッド5,6,7,8が各ノズルから記録媒体99の記録面に向かってインクを射出するとともに、2つの紫外線照射装置9,10が記録媒体99の記録面に向かって紫外線を照射する。特に、キャリッジ11が図1中の左から右へと移動している最中には左側の紫外線照射装置9の紫外線光源9aが点灯し、キャリッジ11が図1中の右から左へと移動している最中には紫外線照射装置10の紫外線光源10aが点灯する。つまり、キャリッジ11の移動方向の記録ヘッド5,6,7,8よりも下流側の紫外線照射装置9の紫外線光源9a又は紫外線照射装置10の紫外線光源10aが点灯して紫外線を照射する。これにより、各記録ヘッド5,6,7,8から射出されたインクは、記録媒体99に着弾した直後に紫外線が照射されて即座に硬化し、記録媒体99の記録面上に定着する。
【0038】
以降、インクジェット記録装置1が上記の各動作を繰り返し、各プロセスカラーの複数のドットからなる所望の画像が記録媒体99の記録面に順次記録される。その後、記録媒体99が、搬送装置により搬送されて、排出トレイ(図示省略)に排出される。
【0039】
以上のように、本実施の形態のインクジェット記録装置によれば、プラテンの吸引ファンの吸引風量が記録媒体の種類に基づいて変化しても、吸引風量の変化に応じて記録媒体を加熱することができるため、種々の記録媒体に対してインクを良好に定着させることができ、良好な画像を形成することができる。
【0040】
また、本実施の形態では、制御手段が、記録媒体の剛性に基づき決定した吸引風量で吸引中の記録媒体の温度に対応して、ヒータを制御するため、記録媒体を保持し、かつ精度良く記録媒体のへこみ量を軽減させることができた上で、種々の記録媒体に対してインクを良好に定着させることができ、良好な画像を形成することができる。
【0041】
さらに、本実施の形態では、制御手段が、記録媒体の厚さに基づき決定した吸引風量で吸引中の記録媒体の温度に対応して、ヒータを制御するため、記録媒体を保持し、かつ精度良く記録媒体のへこみ量を軽減させることができた上で、種々の記録媒体に対してインクを良好に定着させることができ、良好な画像を形成することができる。
【0042】
またさらに、本実施の形態では、記録媒体の温度の影響を受けやすい光硬化性インクを用いても、種々の記録媒体に対してインクを良好に定着させることができ、良好な画像を形成することができる。
【0043】
なお、本実施の形態では、シリアル方式のインクジェット記録装置を用いて説明したが、本発明はこれに限るものではなく、例えば、ライン方式のインクジェット記録装置に適用することも可能である。
【0044】
また、本発明は、上記各実施の形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
【0045】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、プラテンの吸引手段の吸引風量が記録媒体の種類に基づいて変化しても、吸引風量の変化に応じて記録媒体を加熱することができるため、種々の記録媒体に対してインクを良好に定着させることができ、良好な画像を形成することができる。
【0046】
請求項2に記載の発明によれば、制御手段が、記録媒体の剛性に基づき決定した吸引風量で吸引中の記録媒体の温度に対応して、加熱手段を制御するため、記録媒体を保持し、かつ精度良く記録媒体のへこみ量を軽減させることができた上で、種々の記録媒体に対してインクを良好に定着させることができ、良好な画像を形成することができる。
【0047】
請求項3に記載の発明によれば、制御手段が、記録媒体の厚さに基づき決定した吸引風量で吸引中の記録媒体の温度に対応して、加熱手段を制御するため、記録媒体を保持し、かつ精度良く記録媒体のへこみ量を軽減させることができた上で、種々の記録媒体に対してインクを良好に定着させることができ、良好な画像を形成することができる。
【0048】
請求項4に記載の発明によれば、記録媒体の温度の影響を受けやすい光硬化性インクを用いても、種々の記録媒体に対してインクを良好に定着させることができ、良好な画像を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るインクジェット記録装置の概略構成を示す斜視図である。
【図2】図1のインクジェット記録装置の概略的な制御構成を示すブロック図である。
【図3】図1のインクジェット記録装置におけるプラテンの概略構成を示す図である。
【符号の説明】
1 インクジェット記録装置
2 プラテン
2a 小孔
3 搬送装置の駆動源
3a,3b 搬送ローラ
4 画像記録部
5,6,7,8 記録ヘッド
9,10 紫外線照射装置(光照射手段)
9a,10a 紫外線光源
11 キャリッジ
11a キャリッジ駆動源
12 ガイド部材
13 吸引ファン(吸引手段)
14 温度センサ(温度検知手段)
15 ヒータ(加熱手段)
50 制御手段
51 記憶手段
52 入力手段
99 記録媒体
A 搬送方向
B 走査方向
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録装置に係り、特にはプラテンに保持された記録媒体に記録ヘッドからインクを射出して画像を形成するインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、インクジェット記録装置は、印刷時の騒音が比較的小さく、印字の品質が良好であり、さらに種々の記録媒体に対して印刷可能であるため、画像形成装置として数多く使用されている。
【0003】
前記インクジェット記録装置においては、記録ヘッドからインクを射出し画像形成を行う際に、多数の小孔を設けたプラテンの背面側より吸引することで、記録媒体をプラテンに保持する構成のものがある(例えば特許文献1参照。)。
このように、記録媒体をプラテンの背面側より吸引してプラテンに保持しながらインクを射出する構成であると、画像形成時の記録媒体を浮きのない状態にすることができるため、インクの着弾位置がずれず、良好な画像を形成することができる。
【0004】
しかしながら、記録媒体をプラテンの背面側より吸引することで当該記録媒体を保持する形態において、記録媒体の種類と吸引する際の吸引風量との関係によっては、記録媒体にへこみが発生してしまうことがあり、これにより、インクの着弾誤差を大きくしてしまい、画像形成における品位を悪化させる場合がある。
そのため、記録媒体の種類、例えば記録媒体の厚さや剛性等に基づき、プラテンにおいて吸引する際の吸引風量を変化させて、記録媒体の種類に合わせた吸引を行うようにすることが考えられる。
【0005】
一方、記録ヘッドから射出されたインクが記録媒体に着弾する際の当該記録媒体の温度が低過ぎると、インクが良好に定着しない場合がある。そのため、従来、プラテンに加熱手段が設けられ、当該加熱手段が一定の加熱量で加熱することにより記録媒体を所定の温度として、記録ヘッドから射出されたインクが記録媒体に良好に定着するようにしたものが提案されている。
【0006】
【特許文献1】
特許第2559752号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記したようにプラテンにおける吸引風量を変化させると、プラテンでの記録媒体の温度が変化する可能性が高い。例えば、厚さのある記録媒体では、プラテンに保持するために吸引風量を増加させる必要があり、吸引風量が増加すると、プラテンにおける記録媒体の温度が低下してしまう。しかし、従来のプラテンに設けられた加熱手段は、一定の加熱量で記録媒体を加熱しているのみであるため、記録媒体の温度は低下したままであり、これにより、インクが定着せずに、良好な画像を形成することができなくなってしまうという問題が生じる。
【0008】
そこで、本発明の課題は、プラテンにおいて、吸引風量が変化しても記録媒体の温度を一定に保つことができ、その結果、インクが記録媒体に良好に定着し、良好な画像を形成できるインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、
プラテンに保持された記録媒体に記録ヘッドからインクを射出して画像を形成するインクジェット記録装置であって、
前記プラテンにおいて記録媒体の種類に基づく所定の風量で記録媒体を吸引する吸引手段と、
前記吸引手段で吸引中の記録媒体の温度を検知する温度検知手段と、
記録媒体を加熱する加熱手段と、
前記温度検知手段によって検出された温度に基づいて加熱手段を制御する制御手段と、
を備えることを特徴としている。
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、プラテンの吸引手段の吸引風量が記録媒体の種類に基づいて変化しても、吸引風量の変化に応じて記録媒体を加熱することができるため、種々の記録媒体に対してインクを良好に定着させることができ、良好な画像を形成することができる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のインクジェット記録装置において、
前記制御手段は、記録媒体の剛性に基づき決定した吸引風量で吸引中の記録媒体の温度に対応して、加熱手段を制御することを特徴としている。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、制御手段が、記録媒体の剛性に基づき決定した吸引風量で吸引中の記録媒体の温度に対応して、加熱手段を制御するため、記録媒体を保持し、かつ精度良く記録媒体のへこみ量を軽減させることができた上で、種々の記録媒体に対してインクを良好に定着させることができ、良好な画像を形成することができる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のインクジェット記録装置において、
前記制御手段は、記録媒体の厚さに基づき決定した吸引風量で吸引中の記録媒体の温度に対応して、加熱手段を制御することを特徴としている。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、制御手段が、記録媒体の厚さに基づき決定した吸引風量で吸引中の記録媒体の温度に対応して、加熱手段を制御するため、記録媒体を保持し、かつ精度良く記録媒体のへこみ量を軽減させることができた上で、種々の記録媒体に対してインクを良好に定着させることができ、良好な画像を形成することができる。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記インクが、光硬化性インクであることを特徴としている。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、記録媒体の温度の影響を受けやすい光硬化性インクを用いても、種々の記録媒体に対してインクを良好に定着させることができ、良好な画像を形成することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係るインクジェット記録装置について、図面を参照しながら説明する。ただし、発明の範囲は図示例に限定されない。
【0018】
図1はインクジェット記録装置1の概略構成を示す斜視図であり、図2はインクジェット記録装置1の概略的な制御構成を示すブロック図である。また、図3はインクジェット記録装置1におけるプラテンの概略構成を示す図である。
【0019】
図1に示すように、インクジェット記録装置1はシリアル方式のインクジェット記録装置であり、記録媒体99の記録面の反対の非記録面を支持する平板状のプラテン2を有しており、プラテン2の前後には搬送ローラ3a,3bがそれぞれ配設されている。各搬送ローラ3a,3bはプラテン2の前後で軸心回りの所定方向にそれぞれ回転するようになっており、各搬送ローラ3a,3bの回転に伴い記録媒体99は搬送方向Aに沿って搬送されるようになっている。
【0020】
プラテン2の上方には、記録媒体99の記録面に画像を記録する画像記録部4が配設されている。画像記録部4は、搬送方向Aと直交する方向(以下「走査方向B」という。)に延在するガイド部材12を有しており、ガイド部材12にはキャリッジ11が支持されている。キャリッジ11は、ガイド部材12によりガイドされた状態で走査方向Bに沿って往復移動自在とされている。
【0021】
キャリッジ11には、イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K)の各プロセスカラーのインクを記録媒体99の記録面に向けてそれぞれ射出する4つの記録ヘッド5,6,7,8が搭載されており、4つの記録ヘッド5,6,7,8は同時にキャリッジ11の往復移動によって移動可能とされている。また、各記録ヘッド5,6,7,8の下部にはインクを液滴として射出する複数のノズル(図示省略)がそれぞれ配設されており、複数のノズルは記録ヘッド5,6,7,8毎に記録媒体99の搬送方向Aに沿って配列されてノズル面(図示省略)を構成している。
【0022】
さらに、キャリッジ11の左右両側には光照射手段としての2つの紫外線照射装置9,10がそれぞれ搭載されており、紫外線照射装置9,10も記録ヘッド5,6,7,8と同様に、キャリッジ11の往復移動によって移動可能とされている。各紫外線照射装置9,10には、紫外線光源9a,10a(図2に図示)がそれぞれ設けられており、各紫外線照射装置9,10は、紫外線光源9a,10aが点灯することにより記録媒体99の記録面に向けてそれぞれ紫外線を照射することができるようになっている。紫外線光源としては、高圧水銀ランプ,メタルハライドランプ,ブラックライト,冷陰極管,LED(Light Emitting Diode)等が適用される。
【0023】
図3に示すように、前記プラテン2には、複数の小孔2aが設けられている。また、背面側には、記録媒体99の種類に基づく所定の風量で記録媒体99を吸引する吸引手段としての吸引ファン13が設けられている。そして、当該吸引ファン13を所定の風量で作動させることにより、前記小孔2aから記録媒体99を吸引して保持するようになっている。
さらに、プラテン2には、プラテン2を加熱することにより記録媒体99を加熱して温度を上昇させる加熱手段としてのヒータ15を備えている。本実施の形態では、ヒータ15は、プラテン2に設けられた小孔2aの間をぬうように網の目状に設けられている。
またさらに、プラテン2には、プラテン2の温度を検知し、これに基づいて記録媒体99の温度を推定する温度検知手段としての温度センサ14を備えている。本実施の形態では、前記温度センサ14は、プラテン2の端部に設けられている。
【0024】
次に、図2を参照してインクジェット記録装置1における制御手段について説明する。図2はインクジェット記録装置1の概略的な制御構成を示すブロック図である。
【0025】
インクジェット記録装置1には、図2に示すように、各駆動部を制御する制御手段50が設けられている。制御手段50には、搬送装置の駆動源3、記録ヘッド5,6,7,8、紫外線照射装置9,10の紫外線光源9a,10a、キャリッジ11のキャリッジ駆動源11a、吸引手段としての吸引ファン13、温度検知手段としての温度センサ14、加熱手段としてのヒータ15、記録媒体99の種類に基づく吸引ファン13の吸引風量の情報を含むインクジェット記録装置の作動に必要な情報を記憶する記憶手段51、記録媒体99の種類等の画像形成時における指示が入力される入力手段52等が電気的に接続されている。なお、制御手段50には、これら以外にもインクジェット記録装置1の各駆動部などが接続されている。
【0026】
そして、このような構成により、制御手段50は、入力手段52からの指示に基づいて、記憶手段51中に書き込まれている制御プログラムや制御データに従い各種機器を制御するようになっている。
【0027】
特に、前記制御手段50は、入力手段52で入力された記録媒体99の種類、例えば剛性や厚さに応じて吸引ファン13の吸引風量を決定すると共に、吸引ファンで吸引中における前記温度センサ14による記録媒体99の推定温度を情報として受信し、これに対応して、記録媒体の温度が所定の温度となるように、ヒータ15にオン、オフ又は強弱の指示を出す制御を行うようになっている。
例えば、厚さのある記録媒体99では、プラテン2に保持するために吸引ファン13の吸引風量を増加させる必要があり、吸引風量が増加すると、プラテン2における記録媒体99の温度が低下してしまう。そこで、温度センサ14により、吸引中の記録媒体99の温度をプラテンの温度から推定し、当該温度の低下の程度に対応して、ヒータ15をオン制御するのである。
【0028】
なお、前記吸引ファン13の吸引風量は、インクジェット記録装置1が720dpi又は360dpiの印字解像度を有している場合に、記録媒体99の記録面のへこみ量が100μm以下となるように制御すると良い。
また、本実施の形態における前記吸引ファン13の吸引風量は、予め登録された記録媒体の種類に応じた風量を予め設定し、記憶手段51に記憶させておいたものであるが、これに限るものではなく、センサ等によって記録媒体の剛性、厚さ等を測定し、これに応じて風量を決定するような構成となっていても良い。
【0029】
次に、本実施の形態に用いられる「インク」について説明する。
本実施の形態に用いられるインクとしては、特に、「光硬化技術−樹脂・開始剤の選定と配合条件及び硬化度の測定・評価−(技術協会情報)」に記載の「光硬化システム(第4章)」の「光酸・塩基発生剤を利用する硬化システム(第1節)」、「光誘導型交互共重合(第2節)」等に適合するインクが適用可能であり、通常のラジカル重合により硬化するものであってもよい。
【0030】
具体的に、本実施の形態に用いられるインクは、光としての紫外線の被照射により硬化する性質を具備する光硬化性インク、すなわち紫外線硬化性インクであり、主成分として、重合性化合物(公知の重合性化合物を含む。)と、光開始剤と、色材とを少なくとも含むものである。ただし、本実施の形態に用いるインクとして、上記「光誘導型交互共重合(第2節)」に適合するインクを用いる場合には、光開始剤は除外されてもよい。
【0031】
上記光硬化性インクは、重合性化合物として、ラジカル重合性化合物を含むラジカル重合系インクとカチオン重合性化合物を含むカチオン重合系インクとに大別されるが、その両系のインクが本実施の形態に用いられるインクとしてそれぞれ適用可能であり、ラジカル重合系インクとカチオン重合系インクとを複合させたハイブリッド型インクを本実施の形態に用いられるインクとして適用してもよい。なお、本実施の形態では、カチオン重合系インクを使用している。
【0032】
次に、本実施の形態に用いられる「記録媒体99」について説明する。
本実施の形態に用いられる記録媒体99としては、通常のインクジェット記録装置に適用される普通紙,再生紙,光沢紙,コート紙,ユポ等の各種紙,各種布地,各種不織布,樹脂,金属,ガラス等の材質からなる記録媒体が適用可能である。記録媒体99の形態としては、ロール状、カットシート状、板状等が適用可能である。本実施の形態では、記録媒体99としてロール状に巻かれた長尺な樹脂製フィルムを用いている。
【0033】
特に、本実施の形態で用いられる記録媒体として、所謂軟包装に用いられる透明又は不透明な非吸収性の樹脂製フィルムが適用できる。樹脂製フィルムの具体的な樹脂の種類として、ポリエチレンテレフタレート,ポリエステル,ポリオレフィン,ポリアミド,ポリエステルアミド,ポリエーテル,ポリイミド,ポリアミドイミド,ポリスチレン,ポリカーボネート,ポリ−ρ−フェニレンスルフィド,ポリエーテルエステル,ポリ塩化ビニル,ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン等が適用可能であり、さらには、これら樹脂の共重合体、これら樹脂の混合物、これら樹脂を架橋したもの等も適用可能である。中でも、樹脂製フィルムの樹脂の種類として、延伸したポリエチレンテレフタレート,ポリスチレン,ポリプロピレン,ナイロンのいずれかを選択するのが、樹脂製フィルムの透明性・寸法安定性・剛性・環境負荷・コスト等の面で好ましく、2〜100μm(好ましくは6〜50μm)の厚みを有する樹脂製フィルムを用いるのが好ましい。また、樹脂製フィルムの支持体の表面にコロナ放電処理、易接着処理等の表面処理を施してもよい。
【0034】
さらに、本実施の形態に用いられる記録媒体として、樹脂により表面を被覆した各種紙,顔料を含むフィルム,発泡フィルム等の不透明な公知の記録媒体も適用可能である。
【0035】
次に、本実施の形態におけるインクジェット記録装置1の動作を説明する。
まず、インクジェット記録装置1における記録媒体99の種類が入力手段52から入力されると、制御手段50では、当該記録媒体99に対応する吸引ファン13の吸引風量情報を記憶手段51から取り出し、吸引ファン13に当該吸引風量で吸引する指示を出す。また、温度センサ14によりプラテン2の温度を検知し、記録媒体99の温度を推定する。そして、当該温度に基づき、ヒータ15を作動させ、記録媒体99が所定の温度になるように記録媒体99を加熱する。
【0036】
そして、記録媒体の温度がそれぞれの所定の温度となった後に、インクジェット記録装置1での画像形成の動作を行う。
インクジェット記録装置1の画像形成動作中においては、一方では、各搬送ローラ3a,3bが作動して回転し、記録媒体99が、プラテン2により非記録面を支持された状態で後方から前方へと搬送方向Aに沿って搬送される。他方では、キャリッジ11が作動して記録媒体99の直上を走査方向Bに沿って往復移動し、キャリッジ11に搭載されている4つの記録ヘッド5,6,7,8及び2つの紫外線照射装置9,10もキャリッジ11の往復移動によって移動する。
【0037】
そしてキャリッジ11の移動中において、4つの記録ヘッド5,6,7,8が各ノズルから記録媒体99の記録面に向かってインクを射出するとともに、2つの紫外線照射装置9,10が記録媒体99の記録面に向かって紫外線を照射する。特に、キャリッジ11が図1中の左から右へと移動している最中には左側の紫外線照射装置9の紫外線光源9aが点灯し、キャリッジ11が図1中の右から左へと移動している最中には紫外線照射装置10の紫外線光源10aが点灯する。つまり、キャリッジ11の移動方向の記録ヘッド5,6,7,8よりも下流側の紫外線照射装置9の紫外線光源9a又は紫外線照射装置10の紫外線光源10aが点灯して紫外線を照射する。これにより、各記録ヘッド5,6,7,8から射出されたインクは、記録媒体99に着弾した直後に紫外線が照射されて即座に硬化し、記録媒体99の記録面上に定着する。
【0038】
以降、インクジェット記録装置1が上記の各動作を繰り返し、各プロセスカラーの複数のドットからなる所望の画像が記録媒体99の記録面に順次記録される。その後、記録媒体99が、搬送装置により搬送されて、排出トレイ(図示省略)に排出される。
【0039】
以上のように、本実施の形態のインクジェット記録装置によれば、プラテンの吸引ファンの吸引風量が記録媒体の種類に基づいて変化しても、吸引風量の変化に応じて記録媒体を加熱することができるため、種々の記録媒体に対してインクを良好に定着させることができ、良好な画像を形成することができる。
【0040】
また、本実施の形態では、制御手段が、記録媒体の剛性に基づき決定した吸引風量で吸引中の記録媒体の温度に対応して、ヒータを制御するため、記録媒体を保持し、かつ精度良く記録媒体のへこみ量を軽減させることができた上で、種々の記録媒体に対してインクを良好に定着させることができ、良好な画像を形成することができる。
【0041】
さらに、本実施の形態では、制御手段が、記録媒体の厚さに基づき決定した吸引風量で吸引中の記録媒体の温度に対応して、ヒータを制御するため、記録媒体を保持し、かつ精度良く記録媒体のへこみ量を軽減させることができた上で、種々の記録媒体に対してインクを良好に定着させることができ、良好な画像を形成することができる。
【0042】
またさらに、本実施の形態では、記録媒体の温度の影響を受けやすい光硬化性インクを用いても、種々の記録媒体に対してインクを良好に定着させることができ、良好な画像を形成することができる。
【0043】
なお、本実施の形態では、シリアル方式のインクジェット記録装置を用いて説明したが、本発明はこれに限るものではなく、例えば、ライン方式のインクジェット記録装置に適用することも可能である。
【0044】
また、本発明は、上記各実施の形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
【0045】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、プラテンの吸引手段の吸引風量が記録媒体の種類に基づいて変化しても、吸引風量の変化に応じて記録媒体を加熱することができるため、種々の記録媒体に対してインクを良好に定着させることができ、良好な画像を形成することができる。
【0046】
請求項2に記載の発明によれば、制御手段が、記録媒体の剛性に基づき決定した吸引風量で吸引中の記録媒体の温度に対応して、加熱手段を制御するため、記録媒体を保持し、かつ精度良く記録媒体のへこみ量を軽減させることができた上で、種々の記録媒体に対してインクを良好に定着させることができ、良好な画像を形成することができる。
【0047】
請求項3に記載の発明によれば、制御手段が、記録媒体の厚さに基づき決定した吸引風量で吸引中の記録媒体の温度に対応して、加熱手段を制御するため、記録媒体を保持し、かつ精度良く記録媒体のへこみ量を軽減させることができた上で、種々の記録媒体に対してインクを良好に定着させることができ、良好な画像を形成することができる。
【0048】
請求項4に記載の発明によれば、記録媒体の温度の影響を受けやすい光硬化性インクを用いても、種々の記録媒体に対してインクを良好に定着させることができ、良好な画像を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るインクジェット記録装置の概略構成を示す斜視図である。
【図2】図1のインクジェット記録装置の概略的な制御構成を示すブロック図である。
【図3】図1のインクジェット記録装置におけるプラテンの概略構成を示す図である。
【符号の説明】
1 インクジェット記録装置
2 プラテン
2a 小孔
3 搬送装置の駆動源
3a,3b 搬送ローラ
4 画像記録部
5,6,7,8 記録ヘッド
9,10 紫外線照射装置(光照射手段)
9a,10a 紫外線光源
11 キャリッジ
11a キャリッジ駆動源
12 ガイド部材
13 吸引ファン(吸引手段)
14 温度センサ(温度検知手段)
15 ヒータ(加熱手段)
50 制御手段
51 記憶手段
52 入力手段
99 記録媒体
A 搬送方向
B 走査方向
Claims (4)
- プラテンに保持された記録媒体に記録ヘッドからインクを射出して画像を形成するインクジェット記録装置であって、
前記プラテンにおいて記録媒体の種類に基づく所定の風量で記録媒体を吸引する吸引手段と、
前記吸引手段で吸引中の記録媒体の温度を検知する温度検知手段と、
記録媒体を加熱する加熱手段と、
前記温度検知手段によって検出された温度に基づいて加熱手段を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。 - 請求項1に記載のインクジェット記録装置において、
前記制御手段は、記録媒体の剛性に基づき決定した吸引風量で吸引中の記録媒体の温度に対応して、加熱手段を制御することを特徴とするインクジェット記録装置。 - 請求項1又は2に記載のインクジェット記録装置において、
前記制御手段は、記録媒体の厚さに基づき決定した吸引風量で吸引中の記録媒体の温度に対応して、加熱手段を制御することを特徴とするインクジェット記録装置。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記インクが、光硬化性インクであることを特徴とするインクジェット記録装置。
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2003
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