JP2004337461A - 超音波診断装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】超音波診断画像の関心領域の空間分解能を最適化する。
【解決手段】機械的ラジアル走査型超音波診断装置1は、送受信分離型超音波トランスデューサ(以下、SATRUTと呼ぶ)11と、駆動信号源(パルサ)12と、並列共振回路13と、レシーバ回路14と、アナログ/デジタル変換回路(以下、A/D変換回路と呼ぶ)15と、スキャンコンバータ16と、画像処理部17と、デジタル/アナログ変換回路(以下、D/A変換回路と呼ぶ)18とから構成される。 画像処理部17は、スキャンコンバータ16からの画像データを対して関心領域を取り込み、関心領域の空間分解能を定量化し、即ち関心領域の空間分解能の定量化値をD/A変換18に導く。関心領域の空間分解能の定量化値は、D/A変換18でアナログ信号に変換され、並列共振回路13の後述する可変容量素子の入力端子に印加される。
【選択図】 図1
【解決手段】機械的ラジアル走査型超音波診断装置1は、送受信分離型超音波トランスデューサ(以下、SATRUTと呼ぶ)11と、駆動信号源(パルサ)12と、並列共振回路13と、レシーバ回路14と、アナログ/デジタル変換回路(以下、A/D変換回路と呼ぶ)15と、スキャンコンバータ16と、画像処理部17と、デジタル/アナログ変換回路(以下、D/A変換回路と呼ぶ)18とから構成される。 画像処理部17は、スキャンコンバータ16からの画像データを対して関心領域を取り込み、関心領域の空間分解能を定量化し、即ち関心領域の空間分解能の定量化値をD/A変換18に導く。関心領域の空間分解能の定量化値は、D/A変換18でアナログ信号に変換され、並列共振回路13の後述する可変容量素子の入力端子に印加される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波振動子を設けた挿入部を体腔内に挿入し、体腔内の生体へ超音波を送受波して、生体内部の断層像を得る超音波診断装置に係り、特に画像の最適化技術を用いた超音波診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、超音波振動子から生体組織に対して超音波を送信及び受信して生体組織の断層像を得る超音波診断装置が種々実用化されている。
【0003】
超音波診断装置では、超音波診断画像の診断の信頼性を向上させる手段として、画像の最適化技術が用いられ始めている。
【0004】
画像の最適化技術を用いた超音波診断装置の第1の例としては、超音波エコーに基づく検波信号のレベルにアダプティブなエッジ強調処理を行う手段を用いたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
図19はこのような超音波診断画像に対してアダプティブなエッジ強調処理を行う従来の超音波診断装置を示す説明図である。
【0006】
図19に示すように、超音波診断装置600において、超音波探触子601は、生体内に超音波パルスを送信し、生体内で反射された超音波エコーを受信して、エコー信号Eを得る。ビームフォーマ602は、前記エコー信号Eをビームフォーミングする。すなわち、音線の方位を決定すると共に超音波エコーの受信時間に合わせて焦点を浅部から深部へと変更し、RF信号Rを得る。また、セクタ状の視野を走査するために、音線の方位を順に変更する。ログアンプ603および包絡線検波器604は、前記RF信号Rを検波し、検波信号Pを出力する。エッジ強調処理部610は、前記検波信号Pのエッジ強調処理を行い、音線信号Gを出力する。DSC606は、前記音線信号Gを基にして画像データを作成し、CRT607の画面に画像を表示する。
【0007】
エッジ強調処理部610において、レベル判定部611は、超音波エコーに基づく検波信号Pのレベルに応じたアドレス信号Qを出力する。重み出力部612は、アドレス信号Qに応じた重みK1,Kaを出力する。エッジ強調回路613は、検波信号Pに対してエッジ強調を施し、エッジ強調信号ENを出力する。乗算器614,615および加算器616は、エッジ強調信号ENを検波信号に荷重加算し、音線信号G(=K1×EN+Ka×P)を生成する。エッジ強調処理部610は、これらの手段を用い、荷重加算の重みを適切に設定することにより、エッジ強調の度合いを柔軟に変化させることが出来るという効果が得られるようにしている。
【0008】
最適化技術を用いた超音波診断装置の第2の例としては、カラードップラー診断装置に適用した技術がある。この技術では、動きのある実質臓器からのクラッタ成分を確実に除去し、かつ非常に低速度の血流も見逃すことなく検出する(例えば、特許文献2参照)。
【0009】
図20はこのような従来のカラードプラ診断装置のMTIフィルタ部を示す説明図である。
【0010】
図20に示すように、カラードプラ診断装置は、時系列のドプラデータから成るドプラ信号をピクセル位置毎に得て、ドプラ信号の特質に応じてクラッタ成分をドプラ信号から除去するMTIフィルタ部745を備える。
【0011】
MTIフィルタ部745は、ドプラ信号のクラッタ成分の瞬時的な位相変化量を推定する手段745aと、推定された位相変化量に基づきドプラ信号の位相を補正する手段745b,745cと、位相補正されたドプラ信号からクラッタ成分に相当する一定値を減算する手段745dとを備える。またMTIフィルタ部745は、一定値が減算されたドプラ信号を変更可能な遮断特性でフィルタリングするハイパスフィルタ745gと、その遮断特性をドプラ信号の性質に応じて制御する手段745e,745fとを備える。
【0012】
画像の最適化技術を用いた超音波診断装置の第3の例としては、超音波パルスの送信音圧を最適に制御し、造影剤による輝度増強の効果を高め、より効果的なコントラストエコー法を実施する手段を用いたものがある(例えば、特許文献3参照)。
【0013】
図21はこのような超音波診断画像に対してより効果的なコントラストエコー法を実施する超音波ドプラ診断装置を示す説明図である。
【0014】
図21に示す超音波ドプラ診断装置801は、装置本体811と、この装置本体811に接続された超音波プローブ812、操作パネル813、およびECG(心電計)814とを備える。
【0015】
操作パネル813は、オペレータから各種の指示、情報を装置本体811に与えるために使用されるもので、キーボード813A、トラックボール813B、マウス813C、およびボタン813Dを備えている。
【0016】
超音波プローブ812は、被検体との間で超音波信号の送受信を担うデバイスである。プローブ812は装置本体811から与えられるパルス駆動電圧を超音波パルス信号に変換して被検体内の所望方向に送信し、また被検体で反射してきた超音波エコー信号をこれに対応する電圧のエコー信号に変換する。
【0017】
ECG814は、主に被検体の体表に接触させて使用され、被検体の心電波形データを得る。
【0018】
装置本体811は、プローブ812に接続された送信ユニット821および受信ユニット822、この受信ユニット822の出力側に置かれたレシーバユニット823、Bモード用DSC(デジタル・スキャン・コンバータ)824、イメージメモリ825、TIC演算ユニット826、ドプラユニット827、表示データ合成器828、および表示器829を備える。TIC演算ユニット826には、本診断装置の外部に置かれた外部出力装置830が接続されている。
【0019】
装置本体811は、さらに、送信ユニット821に拠る超音波信号の送信状態を制御するための送信条件コントローラ831と、ECG814が検出したECG信号を受ける心拍検出ユニット832とを備える。
【0020】
送信ユニット821およびプローブ812は、被検体内に送信した超音波パルス信号の反射成分を受信し、この受信に伴う受信信号に基づき断層像を得るために、超音波パルス信号を送信音圧の条件に基づき送信する。
【0021】
送信条件コントローラ831は、プローブ812による受信信号が最大となるように送信音圧を適応制御して最適化する。
【0022】
【特許文献1】
特開平9−220227号公報(第3−4頁、図1−4)
【0023】
【特許文献2】
特開平10−99333号公報(第5−11頁、図1−9)
【0024】
【特許文献3】
特開平11−155858号公報(第5−8頁、図1−3)
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の画像の最適化技術を用いた超音波診断装置の第1の例では、読影者の好みや診断上の都合に合致した見やすい画像を得ることができる超音波診断装置を提供することを第1の目的とし、エッジ強調の度合いを柔軟に変化させることが出来るエッジ強調処理装置を提供することを第2の目的としている。一方、近年のネットワークを利用した急速な発展とともに、読影者の好みという主観的な診断方法を排除し、画像診断情報を定量化し、その値を最適化した上で、得られた定量値を客観的な診断指標として電子カルテに入力し、これを用いて複数の医師による遠隔診断に利用し、診療の信頼性を高めたり、その定量値を経時的に測定し、その変動のしかたを把握することによって病状の回復または悪化の程度を定量的に診断することが求められはじめている。即ち超音波診断画像の関心領域について診断画像たとえば空間分解能を定量化し、定量化した値が読者の主観的な判断を経ずに最適化制御できた時の定量値を把握する技術が必要とされているが、前記第1の例では、この問題に対応できなかった。
【0026】
画像の最適化技術を用いた超音波診断装置の第2の例では、カラードプラ超音波診断装置において発生しやすいクラッタを抑圧する最適化制御技術が用いられている。この技術においては、ドプラ信号それぞれの前記クラッタ成分の瞬時的な位相変化量を推定する位相推定手段を有しており、この位相推定値を最適化することによってクラッタを抑圧している。この場合の最適値は、クラッタが無い状態である。しかしながらこの技術は、クラッタを抑圧することにだけ有効な手段であり、画像のよさに対応する空間分解能やコントラスト分解能あるいは感度(輝度)を最適化する手段にはなっていない。クラッタを抑圧することは超音波診断、特にカラードプラ超音波診断装置では重要な改良ポイントであるが、通常のBモード診断像において最も基本的な画像特性である空間分解能やコントラスト分解能および感度(輝度)を定量化、最適化する技術が求められており、第2の例では、この問題に対応できなかった。
【0027】
画像の最適化技術を用いた超音波診断装置の第3の例は、画像のよさを表現する特性項目のうち、感度(輝度)を最適化することを目的とした技術で、具体的には前記超音波パルス信号を送信パワー条件に基づき送信する送信手段と、前記受信信号が最大となるように前記送信パワー条件を適応制御して最適化する適応制御手段とを備えたことを特徴としている。しかしながら、この場合適応制御して最適化する画像特性は感度(輝度)であり、空間分解能やコントラスト分解能を最適化する技術ではない。
【0028】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、画像の基本特性のうちの空間分解能を、関心領域について定量化し、定量化した値が主観的な判断を経ずに最適値になるよう制御できる超音波診断装置を提供することを目的としている。
【0029】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため請求項1に記載の超音波診断装置は、超音波を対象物に送信し、超音波送受信用センサで対象物からのエコー信号を受信し、この受信信号を受信信号信号処理手段及び画像処理手段で処理することで超音波画像を生成する超音波診断装置において、前記受信信号信号処理手段に、前記超音波送受信用センサの少なくともひとつ以上の等価回路定数と、前記受信信号を伝送する配線の伝達関数と、前記受信信号信号処理手段の入力インピーダンスとから設定される特定の周波数を共振周波数とする並列共振手段を備えていることを特徴とする。
【0030】
請求項2に記載の超音波診断装置は、請求項1に記載の超音波診断装置であって、前記超音波送受信用センサが圧電振動子からなり、前記等価回路定数が少なくとも前記圧電振動子の制動容量であることを特徴とする。
【0031】
請求項3に記載の超音波診断装置は、請求項1に記載の超音波診断装置であって、前記画像処理手段に、画質を定量的に評価する手段を備えていることを特徴とする。
【0032】
請求項4に記載の超音波診断装置は、請求項1に記載の超音波診断装置であって、前記並列共振手段に、外部信号の入力によって、前記並列共振手段の出力信号の周波数特性を変化させる手段を有することを特徴とする。
【0033】
請求項5に記載の超音波診断装置は、請求項4に記載の超音波診断装置であって、前記画像処理手段に、画質を定量的に評価する手段を備え、前記外部信号は、前記画質を定量的に評価する手段からの出力信号であることを特徴とする。
【0034】
請求項6に記載の超音波診断装置は、請求項3に記載の超音波診断装置であって、前記画質を定量的に評価する手段は、前記画像の関心領域を指定し、関心領域の全画像データを抽出する手段と、前記画像データの特定の点P(x,y)における輝度をG(x,y)とし、この値をG(x,y)の最大値Gmaxで規格化したGn(x,y)を計算する手段と、前記Gn(x,y)から空間周波数特性G(kx,ky)を計算する手段と、前記G(kx,ky)から空間パワー関数Φ=|G(kx,ky)|2を計算する手段と、前記Φの自己相関関数φ(x,y)を計算する手段と、前記φ(x,y)の絶対値φabs(x,y)を計算する手段と、前記φabs(x,y)の最大値と前記最大値の1/e(e:2.718)になるxの最大値と最小値の差Δx及び/又はyの最大値と最小値の差Δyを出力する手段及び/又はΔxとΔyの積を出力する手段と、を具備することを特徴とする。
【0035】
請求項7に記載の超音波診断装置は、請求項1に記載の超音波診断装置であって、前記超音波送受信用センサは、送信専用の圧電振動子と受信専用の圧電振動子からなる送受信分離形超音波トランスデューサで、それぞれの圧電振動子に別々の同軸ケーブルが接続されていることを特徴とする。
【0036】
請求項8に記載の超音波診断装置は、請求項7に記載の超音波診断装置であって、前記送受信分離形超音波トランスデューサにおいて、送信超音波の周波数をf0、受信専用の圧電振動子の出力信号をVout(f)とすると、Vout(f)の中心周波数がkf0(kは任意の正の実数)に等しいことを特徴とする。
【0037】
請求項9に記載の超音波診断装置は、請求項8に記載の超音波診断装置であって、前記並列共振回路の共振周波数は、受信専用の圧電振動子の出力信号Vout(f)の中心周波数kf0に等しくなるように設定されることを特徴とする。
【0038】
請求項10に記載の超音波診断装置は、請求項1に記載の超音波診断装置であって、前記並列共振手段は、前記超音波送受信用センサの受信用圧電振動子の制動容量Cdと、前記受信用圧電振動子に接続する同軸ケーブルの分布定数回路の伝達関数と、前記同軸ケーブルに直列に挿入するキャパシタと、前記同軸ケーブルに並列に接続するインダクタからなることを特徴とする。
【0039】
請求項11に記載の超音波診断装置は、請求項10に記載の超音波診断装置であって、前記同軸ケーブルに直列に挿入するキャパシタが可変容量ダイオードであることを特徴とする。
【0040】
請求項12に記載の超音波診断装置は、請求項1に記載の超音波診断装置であって、前記並列共振回路の機能が受信時においてのみ有効になる手段を有することを特徴とする。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
(実施の形態)
図1及び図18は本発明の超音波診断装置の第1の実施の形態に係り、図1は機械的ラジアル走査型超音波診断装置全体の概略構成を示すブロック図、図2は並列共振回路の回路図、図3は送受信分離型超音波トランスデューサの正面図、図4は送受信分離型超音波トランスデューサの側面から見た断面図、図5は画像処理部の本発明に関係した部分を示すブロック図、図6は空間分解能定量化装置を示すブロック図、図7乃至図18は機械的ラジアル走査型超音波診断装置の動作を説明する説明図である。
【0042】
(構成)
図1において、機械的ラジアル走査型超音波診断装置1は、送受信分離型超音波トランスデューサ(以下、SATRUTと呼ぶ)11と、駆動信号源(パルサ)12と、並列共振回路13と、レシーバ回路14と、アナログ/デジタル変換回路(以下、A/D変換回路と呼ぶ)15と、スキャンコンバータ16と、画像処理部17と、デジタル/アナログ変換回路(以下、D/A変換回路と呼ぶ)18とから基本構成される。
【0043】
SATRUT11は、超音波を送信し、対象物からのエコー信号を受信するものであり、送信用圧電振動子21と受信用圧電振動子22とを含んで構成されている。SATRUT11の具体的な構成は図3及び図4に後述する。
【0044】
SATRUT11は、送信用圧電振動子21による超音波走査の位置を示す位置信号を位置信号伝送線19を介してスキャンコンバータ16に供給する。
【0045】
送信用圧電振動子21には、超音波信号励起用の駆動信号源(パルサ)12からの配線23が接続される。
【0046】
受信用圧電振動子22からの配線24は、並列共振回路13に接続される。並列共振回路13の出力は、通常の超音波診断に用いられるレシーバ回路14を経て、A/D変換回路15でデジタル信号に変換された上で、スキャンコンバータ16に導かれる。
【0047】
スキャンコンバータ16は、フレームメモリを有しており、位置信号伝送線19の位置信号に対応するフレームメモリの記録領域にA/D変換回路15からのデジタル信号を画像データして記録し、この画像データを標準TV方式で読み出して、画像処理部17に供給する。
【0048】
画像処理部17は、スキャンコンバータ16からの画像データを対して画像処理を行い図示しないD/A変換回路を介してモニタ等の画像表示手段に供給する。
【0049】
また、画像処理部17は、スキャンコンバータ16からの画像データを対して関心領域を取り込み、関心領域の空間分解能を定量化し、即ち関心領域の空間分解能の定量化した値(定量化値)の時間的な差異値b1をD/A変換18に導く。関心領域の空間分解能の定量化値の時間的な差異値b1は、D/A変換18でアナログ信号に変換され、並列共振回路13の後述する可変容量素子の入力端子に印加される。
【0050】
並列共振回路13の構成について図2を用いて詳細に説明する。
図2に示す様に、送信用圧電振動子21は、同軸ケーブル31を含む配線23を介して駆動信号源(パルサ)12に接続される。
【0051】
受信用圧電振動子22は、同軸ケーブル32を含む配線24を介して並列共振回路13に接続される。
【0052】
これにより、並列共振回路13は、受信用圧電振動子22の制動容量Cd、同軸ケーブル32の信号線に直列に接続している。並列共振回路13は、信号未入力で静電容量Caを示す可変容量ダイオード33、その出力端子とグランドの間に接続するLaのインダクタンスを持つインダクタ34、及び、レシーバ回路14の入力抵抗から構成される。
【0053】
図1に示したD/A変換器18によって変換された前記アナログ信号(電圧信号)は、前記可変容量ダイオード33の電圧入力ゲート端子35に印加される。
【0054】
SATRUT11の構成について図3及び図4を用いて詳細に説明する。
【0055】
図3及び図4に示すように、SATRUT11は、送信用圧電振動子21と、受信用圧電振動子22と、ダンピング層41,42と、凹面音響レンズ43とを基本構成としている。符号44,45,46は、それぞれ送信信号入力端子、受信信号出力端子、共通接地端子である。
【0056】
また、長さL1は受信用圧電振動子22の外周の半径、長さL2は受信用圧電振動子22の内周の半径、長さL3は送信用圧電振動子21の外周の半径である。
【0057】
送信用圧電振動子21は、中心周波数f0の超音波を送信する。受信用圧電振動子22は、受信超音波からkf0(kは正の実数)の周波数成分を選択的に電気信号に変換する。ダンピング層41,42は、それぞれ圧電振動子21,22の背面に配設する。
【0058】
凹面音響レンズ43は、圧電振動子21,22の前面に配設する。
凹面音響レンズ43の裏面の送信用圧電振動子21と受信用圧電振動子22の隙間に対応する位置には、溝47,48が形成されている。溝47,48は、送信用圧電振動子21が出力する超音波が凹面音響レンズ43から出力せずに受信用圧電振動子22に流れ込むのを防止するためのものである。
【0059】
SATRUT11において、送信超音波とおなじ周波数成分を高感度に検出することを目的とする場合は、前記受信用圧電振動子22の共振周波数を送信用圧電振動子21の共振周波数に一致させる。送信超音波のk次(kは正の実数)の非線形超音波を検出する場合は、送信用圧電振動子21の共振周波数のk倍に一致させる。
【0060】
このような構造により、前記両圧電振動子21,22の背面にはそれぞれ音響ダンピング層41,42が形成され、両圧電振動子21,22の前面には音響レンズ43が形成されている。送信用圧電振動子21には超音波発生用の駆動信号供給のための図2に示す同軸ケーブル31が、受信用圧電振動子22には受信超音波を圧電変換したrfパルス信号を伝送するための同軸ケーブル32が、それぞれ接続されている。
【0061】
画像処理部17の構成について図5を用いて詳細に説明する。
図5に示す様に、画像処理部17は、通常処理用画像処理部61と、関心領域取り込み装置62と、空間分解能定量化装置63と、記憶装置64と、比較計算部65とを含んで構成される。
【0062】
通常処理用画像処理部61は、スキャンコンバータ16からの画像データに対してコントラスト調整や輝度レベル調整等の通常の画像処理を行って関心領域取り込み装置62に供給するとともに、画像データa1として前記図示しないD/A変換回路を介して画像表示手段に供給する。
【0063】
関心領域取り込み装置62は、画像の関心領域を取り込む。空間分解能定量化装置63は、関心領域取り込み装置62が取り込んだ関心領域について、その空間分解能を定量化する。
【0064】
空間分解能定量化装置63の出力は、記憶装置64と比較計算部65に供給される。
【0065】
記憶装置64は、関心領域の空間分解能の定量化値を一旦記憶してからポート66にカルテ記入情報c1として出力するとともに、比較計算部65に導く。比較計算部65は、記憶装置64からの過去の関心領域の空間分解能の定量化値と空間分解能定量化装置63からの現在の空間分解能の定量化値を比較し、この比較結果の前記差異値b1を次段に伝送する。
【0066】
空間分解能定量化装置63の構成について図6を用いて詳細に説明する。
【0067】
図6に示す様に、前記空間分解能定量化装置63は、規格化演算部71と、フーリエ変換演算部(以下、FFT演算部と呼ぶ)72と、空間パワースペクトル演算部73と、画像自己相関演算部74と、相関長演算部75とを含んで構成される。
【0068】
規格化演算部71は、関心領域取り込み装置62からの入力画像をその最大輝度値で規格化し、規格化する。
【0069】
FFT演算部72は、規格化演算部71が規格化した画像データをフーリエ変換する。
【0070】
空間パワースペクトル演算部73は、FFT演算部72がフーリエ変換した画像データの絶対値の2乗を計算する。
【0071】
画像自己相関演算部74は、空間パワースペクトル演算部73の計算結果に関し、画像の逆フーリエ変換計算を行い、その実数部を計算する。
【0072】
相関長演算部75は、画像自己相関演算部74の演算結果を用いて空間分解能を表す相関長を計算する。
【0073】
このような構成により、機械的ラジアル走査型超音波診断装置1は、超音波を対象物に送信し、超音波送受信用センサの送信用圧電振動子21で対象物からのエコー信号を受信し、この受信信号を受信信号信号処理手段(並列共振回路13、レシーバ回路14、A/D変換回路15、スキャンコンバータ16)及び画像処理手段(画像処理部17と、デジタル/アナログ変換回路18)で処理することで超音波画像を生成する。
【0074】
前記受信信号信号処理手段には、前記超音波送受信用センサの少なくともひとつ以上の等価回路定数と、前記受信信号を伝送する配線の伝達関数と、前記受信信号信号処理手段の入力インピーダンスとから設定される特定の周波数を共振周波数とする並列共振手段(並列共振回路13)を備えている。
【0075】
尚、以上の構成において、本発明は、必ずしも図1に示した構成に限定されるものではなく、例えばA/D変換器15をレシーバ14の前段に持ってきても良いし、空間分解能の定量化値と設定値との差異値b1を出力する比較計算部65はD/A変換器18の後ろに配置し、アナログ信号で演算するのでも良い。また超音波トランスデューサの構造は本実施例で説明した構造でなくてもよく、例えば送信用圧電振動子と受信用圧電振動子の配置は逆の関係、即ち、送信用圧電振動子が円板で、受信用圧電振動子がリング形状をしていても良いし、形状は円板とリング形状の関係でなくとも角型でも良い。また外部信号によって静電容量を変化させる回路要素は可変容量ダイオード33でなくて、同等の機能を持っていればオペアンプを用いた回路でも良い。またインダクタ34も等価的にインダクタの機能を有する回路構成でも良い。また可変容量ダイオード33の代わり固定コンデンサを設け、入力信号によってインダクタンスを変化できる機能を有するものであればオペアンプを用いた等価インダクタ回路でも良い。
【0076】
(作用)
以下に、本実施の形態の作用効果について説明する。
SATRUT11の例えば、リング形状をした超音波送信用圧電振動子21にパルサ12から超音波発生用の駆動信号例えば、スパイクパルスやバースト波を配線23を経て印加する。これによって、前記送信用圧電振動子21は印加信号波形に応じた音圧、スペクトルを持った超音波を送信する。この超音波が対象物、例えば生体組織で反射し、受信用圧電振動子に音響レンズ43を経て入射する。この入射信号には送信信号に対応する基本波信号だけでなく、生体組織情報に関係した非線形超音波成分や対象物が動いていればドップラ信号成分も含まれる。このような入力信号のうち、目的のスペクトル成分の中心周波数近傍の共振周波数を有した圧電振動子を受信用振動子22として用い、超音波信号をrf電気信号に変換する。
【0077】
目的のスペクトルが非線形超音波、例えば第二高調波の場合、基本波音圧に対し15〜20dBも小さい。この様に小さな高調波成分はいかに選択性の良い受信用圧電振動子でも基本波と高調波の音圧レベル差が逆転するが、高調波像を劣化させる原因となる基本波成分を完全には除去できない。この基本波と高調波が混在したrf信号は受信用圧電振動子22の制動容量Cd、ケーブルの伝播定数y、同軸ケーブル32の信号線に直列に接続した可変容量ダイオード33の静電容量Ca、同軸ケーブル32の信号線に並列に接続したインダクタンスLaを有するインダクタ34からなる並列共振回路13を通過すると、前記並列共振回路13の共振周波数近辺以外の周波数成分は抑圧される。この抑圧によって、前記混在信号に含まれる基本波成分はほぼ完全に抑圧される。尚この並列共振回路の共振周波数は次式(1)、(2)、(3)に示す伝達関数を解くことによって得られる様になる。
【0078】
【数1】
式(1)、(2)、(3)では、同軸ケーブル32の特性インピーダンスをZ0、レシーバ14の入力インピーダンスをRi、εは同軸ケーブル32の誘電率、ν0は同軸ケーブル32の伝搬速度、lは同軸ケーブルの長さとしている。
【0079】
この様にしてレシーバ回路14で処理された信号はA/D変換器15によってデジタル信号に変換され、スキャンコンバータ16を経て画像処理される。画像処理部17では、関心領域取り込み装置62により画像データのうち関心領域を抽出し、この関心領域取り込み装置62からの輝度出力データg(x、y)を元に空間分解能定量化装置63によって空間分解能定量化信号が生成される。空間分解能定量化装置63の画像規格化演算部71は、輝度出力データg(x、y)を、その最大値によって規格化する。この前記規格化された輝度出力データgn(x、y)はFFT演算部72によってフーリエ変換することによって、空間スペクトル関数φが得られる。φは空間パワースペクトル演算部73によって、その絶対値の2乗即ち空間パワースペクトルが演算される。その演算結果|φ|2は画像自己相関演算部74によって逆フーリエ変換され自己相関関数φが演算される。次いで相関長演算部75にて、自己相関関数φの絶対値を演算し、その最大値Φmaxの1/eになるxの値x1,x2とyの値y1,y2を求め、更にΔx=x2−x1,Δy=y2−y1を求め、この差、Δx,Δyを空間分解能を定量化した値とする。
【0080】
図7、図11、図15は、上記手順の内、関心領域取り込み装置62により関心領域を拡大して示した輝度出力データg(x、y)の第1、第2、第3の例をそれぞれ画像81,82,83で示している。
【0081】
図8、図12、図16は、それぞれ前記第1、第2、第3の例に対して画像自己相関演算部74が演算した自己相関関数φの絶対値|Φ|をz軸、横方向をx軸、深さ方向をy軸として図示している。相関長演算部75は、図8、図12、図16にそれぞれ示す自己相関関数φの絶対値|Φ|から、その結果から深さ方向または横方向に投影した相関長を演算する。
【0082】
前記相関長は分解能に対応していて、この値が小さいほど分解能が良いことになる。
【0083】
図9、図13、図17は、それぞれ前記第1、第2、第3の例による自己相関関数Φの絶対値|Φ|をx−z軸平面に投影した図であり、符号91が1/eの線であり、この線91で切断された切片の長さLxが自己相関長であり空間分解能に相当する。
【0084】
この図の場合x軸を横方向にとっているが、y軸に投影し、同様に切片の長さLyを求めれば深さ方向の分解能が得られる。図10、図14、図18は、それぞれ前記第1、第2、第3の例による己相関関数Φの絶対値|Φ|をz=1/eの(x,y)面で切断した状態を示す説明図であり、このような処理を行うことで、横方向の自己相関長Lxと、長さ方向の自己相関長Lyを求めれば横方向と深さ方向の両方の分解能が得られる。
【0085】
この計算手順は通常デジタル演算なので、分解能の定量化値もデジタル値である。空間分解能の表現は前記したΔx、Δyのいずれか、又は両者を積算した値Δx×Δyのいずれでも良く、適宜図示していない切り替え手段によって切り替える。空間分解能定量化装置63からの出力は記憶装置64に記憶された初期値、例えば0に対し、空間分解能の定量化値との差異が最小になり、かつその最小値が飽和するまで比較装置65で演算が繰り返され、その差異値b1はその都度比較装置65から出力される。本実施の形態では、それぞれ前記第1の例(図7乃至図10)→前記第2の例(図11乃至図14)→前記第3の例(図15乃至図18)の順に上記制御を行い、最終的に最良の分解能(第3の例)が得られるまで処理を行う。
【0086】
前記並列共振回路13の静電容量可変手段である可変容量ダイオード33の入力はアナログ信号の為、デジタル値の分解能の差異値b1はD/A変換18でアナログ信号に変換した上で可変容量ダイオード33の電圧入力ゲート端子35に入力する。この信号入力によって、可変容量ダイオード33の静電容量が変化する。これによって前記並列共振回路13の共振周波数は変化する。変化した結果の並列共振回路13の伝達関数即ち、周波数特性と前記受信用圧電振動子22による変換rf電圧信号の周波数特性がほぼ一致していると、並列共振回路13を通過したレシーバ回路14への入力信号は共振尖鋭度Qが大きくなり、信号レベルは高くなるが、狭帯域となり、rfパルス信号のパルス幅は長くなり、深さ方向分解能が低下する。一方、変換rf電圧信号の周波数特性が並列共振回路13の周波数特性が相対的にずれると並列共振回路13を通過したレシーバ回路14への入力信号は広帯域となり、rfパルス信号のパルス幅は短くなり、深さ方向分解能が向上する。また、このずれが高域側に起こると中心周波数が上昇し、広帯域化とあいまって空間分解能が向上する。これによって得られた超音波診断画像について、前記空間分解能定量化装置63による演算と、D/A変換を繰り返し、空間分解能の定量化値がそれ以上小さくならない場合の超音波診断像が空間分解能に関する最適画像となる。この時の空間分解能の定量化値は生体組織の状態を表すことになり、ポート66から出力されカルテ記入情報になりうる。
【0087】
(効果)
以上述べた様に超音波診断画像の関心領域の空間分解能を定量化し、その定量化信号を空間分解能に影響を及ぼす並列共振回路を構成する回路要素に入力し、その回路定数を変化させることによって並列共振回路の帯域特性を変化させ、空間分解能の変化をさせることを繰り返し行うことによって、超音波診断画像の関心領域の空間分解能を最適化でき、またその定量化値をカルテに書き込む情報とすることも出来る。この様な最適化を行った診断画像は主観的な判断や操作がはいる余地が少なく客観的なデータを提供出来るようになる。
【0088】
[付記]
以上詳述したような本発明の前記実施の形態によれば、以下の如き構成を得ることができる。
【0089】
(付記項1) 超音波を対象物に送信し、超音波送受信用センサで対象物からのエコー信号を受信し、この受信信号を受信信号信号処理手段及び画像処理手段で処理することで超音波画像を生成する超音波診断装置において、
前記受信信号信号処理手段に、前記超音波送受信用センサの少なくともひとつ以上の等価回路定数と、前記受信信号を伝送する配線の伝達関数と、前記受信信号信号処理手段の入力インピーダンスとから設定される特定の周波数を共振周波数とする並列共振手段を備えていることを特徴とする超音波診断装置。
【0090】
(付記項2) 前記超音波送受信用センサが圧電振動子からなり、前記等価回路定数が少なくとも前記圧電振動子の制動容量であることを特徴とする付記項1に記載の超音波診断装置。
【0091】
(付記項3) 前記画像処理手段に、画質を定量的に評価する手段を備えていることを特徴とする付記項1に記載の超音波診断装置。
【0092】
(付記項4) 前記並列共振手段に、外部信号の入力によって、前記並列共振手段の出力信号の周波数特性を変化させる手段を有することを特徴とする付記項1に記載の超音波診断装置。
【0093】
(付記項5) 前記画像処理手段に、画質を定量的に評価する手段を備え、前記外部信号は、前記画質を定量的に評価する手段からの出力信号であることを特徴とする付記項4に記載の超音波診断装置。
【0094】
(付記項6) 前記画質を定量的に評価する手段は、
前記画像の関心領域を指定し、関心領域の全画像データを抽出する手段と、
前記画像データの特定の点P(x,y)における輝度をG(x,y)とし、この値をG(x,y)の最大値Gmaxで規格化し、Gn(x,y)、を計算する手段と、
前記Gn(x,y)から空間周波数特性G(kx,ky)を計算する手段と、
前記G(kx,ky)から空間パワー関数Φ=|G(kx,ky)|2を計算する手段と、
前記Φの自己相関関数φ(x,y)を計算する手段と、
前記φ(x,y)の絶対値φabs(x,y)を計算する手段と、
前記φabs(x,y)の最大値と前記最大値の1/e(e:2.718)になるxの最大値と最小値の差Δx及び/又はyの最大値と最小値の差Δyを出力する手段及び/又はΔxとΔyの積を出力する手段と、
を具備することを特徴とする付記項3に記載の超音波診断装置。
【0095】
(付記項7) 前記超音波送受信用センサは、送信専用の圧電振動子と受信専用の圧電振動子からなる送受信分離形超音波トランスデューサで、それぞれの圧電振動子に別々の同軸ケーブルが接続されていることを特徴とする付記項1に記載の超音波診断装置。
【0096】
(付記項8) 前記送受信分離形超音波トランスデューサにおいて、送信超音波の周波数をf0、受信専用の圧電振動子の出力信号をVout(f)とすると、Vout(f)の中心周波数がkf0(kは任意の正の実数)に等しいことを特徴とする付記項7に記載の超音波診断装置。
【0097】
(付記項9) 前記並列共振回路の共振周波数は、受信専用の圧電振動子の出力信号Vout(f)の中心周波数kf0に等しくなるように設定されることを特徴とする付記項8に記載の超音波診断装置。
【0098】
(付記項10) 前記並列共振手段は、前記超音波送受信用センサの受信用圧電振動子の制動容量Cdと、前記受信用圧電振動子に接続する同軸ケーブルの分布定数回路の伝達関数と、前記同軸ケーブルに直列に挿入するキャパシタと、前記同軸ケーブルに並列に接続するインダクタからなることを特徴とする付記項1に記載の超音波診断装置。
【0099】
(付記項11) 前記同軸ケーブルに直列に挿入するキャパシタが可変容量ダイオードであることを特徴とする付記項10に記載の超音波診断装置。
【0100】
(付記項12) 前記並列共振回路の機能が受信時においてのみ有効になる手段を有することを特徴とする付記項1に記載の超音波診断装置。
【0101】
(付記項13) 超音波送受信用センサは、機械的ラジアル走査型であることを特徴とする付記項1乃至12のいずれかに記載の超音波診断装置。
【0102】
【発明の効果】
以上述べた様に本発明によれば、画像の基本特性のうちの空間分解能を、関心領域について定量化し、定量化した値が主観的な判断を経ずに最適値になるよう制御できるので、この様な最適化を行った診断画像は主観的な判断や操作がはいる余地が少なく客観的なデータを提供出来るようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る機械的ラジアル走査型超音波診断装置全体の概略構成を示すブロック図。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る並列共振回路の回路図。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る送受信分離型超音波トランスデューサの正面図。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る送受信分離型超音波トランスデューサの側面から見た断面図。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る画像処理部の要部を示すブロック図。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る空間分解能定量化装置を示すブロック図。
【図7】本発明の実施の形態に係る関心領域取り込み装置からの輝度出力データg(x、y)の第1の例を画像で示す説明図。
【図8】図7に示した輝度出力データg(x、y)の第1の例に対して図6の画像自己相関演算部が演算した自己相関関数φの絶対値|Φ|を示す説明図。
【図9】図8に示した第1の例の自己相関関数φの絶対値|Φ|を(x,z)面に投影した状態を示すグラフ。
【図10】図9に示した第1の例の自己相関関数φの絶対値|Φ|をz=1/eの(x,y)面で切断した状態を示す説明図。
【図11】本発明の実施の形態に係る関心領域取り込み装置からの輝度出力データg(x、y)の第2の例を画像で示す説明図。
【図12】図11に示した輝度出力データg(x、y)の第2の例に対して図6の画像自己相関演算部が演算した自己相関関数φの絶対値|Φ|を示す説明図。
【図13】図12に示した第2の例の自己相関関数φの絶対値|Φ|を(x,z)面に投影した状態を示すグラフ。
【図14】図12に示した第2の例の自己相関関数φの絶対値|Φ|をz=1/eの(x,y)面で切断した状態を示す説明図。
【図15】本発明の実施の形態に係る関心領域取り込み装置からの輝度出力データg(x、y)の第3の例を画像で示す説明図。
【図16】図15に示した輝度出力データg(x、y)の第3の例に対して図6の画像自己相関演算部が演算した自己相関関数φの絶対値|Φ|を示す説明図。
【図17】図16に示した第3の例の自己相関関数φの絶対値|Φ|を(x,z)面に投影した状態を示すグラフ。
【図18】図16に示した第3の例の自己相関関数φの絶対値|Φ|をz=1/eの(x,y)面で切断した状態を示す説明図。
【図19】超音波診断画像に対してアダプティブなエッジ強調処理を行う従来の超音波診断装置を示す説明図。
【図20】従来のカラードプラ診断装置を示す説明図。
【図21】超音波診断画像に対してより効果的なコントラストエコー法を実施する従来の超音波ドプラ診断装置を示す説明図。
【符号の説明】
1 …機械的ラジアル走査型超音波診断装置
11 …送受信分離型超音波トランスデューサ
12 …駆動信号源(パルサ)
13 …並列共振回路
14 …レシーバ回路
15 …アナログ/デジタル変換回路
16 …スキャンコンバータ
17 …画像処理部
18 …デジタル/アナログ変換回路
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波振動子を設けた挿入部を体腔内に挿入し、体腔内の生体へ超音波を送受波して、生体内部の断層像を得る超音波診断装置に係り、特に画像の最適化技術を用いた超音波診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、超音波振動子から生体組織に対して超音波を送信及び受信して生体組織の断層像を得る超音波診断装置が種々実用化されている。
【0003】
超音波診断装置では、超音波診断画像の診断の信頼性を向上させる手段として、画像の最適化技術が用いられ始めている。
【0004】
画像の最適化技術を用いた超音波診断装置の第1の例としては、超音波エコーに基づく検波信号のレベルにアダプティブなエッジ強調処理を行う手段を用いたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
図19はこのような超音波診断画像に対してアダプティブなエッジ強調処理を行う従来の超音波診断装置を示す説明図である。
【0006】
図19に示すように、超音波診断装置600において、超音波探触子601は、生体内に超音波パルスを送信し、生体内で反射された超音波エコーを受信して、エコー信号Eを得る。ビームフォーマ602は、前記エコー信号Eをビームフォーミングする。すなわち、音線の方位を決定すると共に超音波エコーの受信時間に合わせて焦点を浅部から深部へと変更し、RF信号Rを得る。また、セクタ状の視野を走査するために、音線の方位を順に変更する。ログアンプ603および包絡線検波器604は、前記RF信号Rを検波し、検波信号Pを出力する。エッジ強調処理部610は、前記検波信号Pのエッジ強調処理を行い、音線信号Gを出力する。DSC606は、前記音線信号Gを基にして画像データを作成し、CRT607の画面に画像を表示する。
【0007】
エッジ強調処理部610において、レベル判定部611は、超音波エコーに基づく検波信号Pのレベルに応じたアドレス信号Qを出力する。重み出力部612は、アドレス信号Qに応じた重みK1,Kaを出力する。エッジ強調回路613は、検波信号Pに対してエッジ強調を施し、エッジ強調信号ENを出力する。乗算器614,615および加算器616は、エッジ強調信号ENを検波信号に荷重加算し、音線信号G(=K1×EN+Ka×P)を生成する。エッジ強調処理部610は、これらの手段を用い、荷重加算の重みを適切に設定することにより、エッジ強調の度合いを柔軟に変化させることが出来るという効果が得られるようにしている。
【0008】
最適化技術を用いた超音波診断装置の第2の例としては、カラードップラー診断装置に適用した技術がある。この技術では、動きのある実質臓器からのクラッタ成分を確実に除去し、かつ非常に低速度の血流も見逃すことなく検出する(例えば、特許文献2参照)。
【0009】
図20はこのような従来のカラードプラ診断装置のMTIフィルタ部を示す説明図である。
【0010】
図20に示すように、カラードプラ診断装置は、時系列のドプラデータから成るドプラ信号をピクセル位置毎に得て、ドプラ信号の特質に応じてクラッタ成分をドプラ信号から除去するMTIフィルタ部745を備える。
【0011】
MTIフィルタ部745は、ドプラ信号のクラッタ成分の瞬時的な位相変化量を推定する手段745aと、推定された位相変化量に基づきドプラ信号の位相を補正する手段745b,745cと、位相補正されたドプラ信号からクラッタ成分に相当する一定値を減算する手段745dとを備える。またMTIフィルタ部745は、一定値が減算されたドプラ信号を変更可能な遮断特性でフィルタリングするハイパスフィルタ745gと、その遮断特性をドプラ信号の性質に応じて制御する手段745e,745fとを備える。
【0012】
画像の最適化技術を用いた超音波診断装置の第3の例としては、超音波パルスの送信音圧を最適に制御し、造影剤による輝度増強の効果を高め、より効果的なコントラストエコー法を実施する手段を用いたものがある(例えば、特許文献3参照)。
【0013】
図21はこのような超音波診断画像に対してより効果的なコントラストエコー法を実施する超音波ドプラ診断装置を示す説明図である。
【0014】
図21に示す超音波ドプラ診断装置801は、装置本体811と、この装置本体811に接続された超音波プローブ812、操作パネル813、およびECG(心電計)814とを備える。
【0015】
操作パネル813は、オペレータから各種の指示、情報を装置本体811に与えるために使用されるもので、キーボード813A、トラックボール813B、マウス813C、およびボタン813Dを備えている。
【0016】
超音波プローブ812は、被検体との間で超音波信号の送受信を担うデバイスである。プローブ812は装置本体811から与えられるパルス駆動電圧を超音波パルス信号に変換して被検体内の所望方向に送信し、また被検体で反射してきた超音波エコー信号をこれに対応する電圧のエコー信号に変換する。
【0017】
ECG814は、主に被検体の体表に接触させて使用され、被検体の心電波形データを得る。
【0018】
装置本体811は、プローブ812に接続された送信ユニット821および受信ユニット822、この受信ユニット822の出力側に置かれたレシーバユニット823、Bモード用DSC(デジタル・スキャン・コンバータ)824、イメージメモリ825、TIC演算ユニット826、ドプラユニット827、表示データ合成器828、および表示器829を備える。TIC演算ユニット826には、本診断装置の外部に置かれた外部出力装置830が接続されている。
【0019】
装置本体811は、さらに、送信ユニット821に拠る超音波信号の送信状態を制御するための送信条件コントローラ831と、ECG814が検出したECG信号を受ける心拍検出ユニット832とを備える。
【0020】
送信ユニット821およびプローブ812は、被検体内に送信した超音波パルス信号の反射成分を受信し、この受信に伴う受信信号に基づき断層像を得るために、超音波パルス信号を送信音圧の条件に基づき送信する。
【0021】
送信条件コントローラ831は、プローブ812による受信信号が最大となるように送信音圧を適応制御して最適化する。
【0022】
【特許文献1】
特開平9−220227号公報(第3−4頁、図1−4)
【0023】
【特許文献2】
特開平10−99333号公報(第5−11頁、図1−9)
【0024】
【特許文献3】
特開平11−155858号公報(第5−8頁、図1−3)
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の画像の最適化技術を用いた超音波診断装置の第1の例では、読影者の好みや診断上の都合に合致した見やすい画像を得ることができる超音波診断装置を提供することを第1の目的とし、エッジ強調の度合いを柔軟に変化させることが出来るエッジ強調処理装置を提供することを第2の目的としている。一方、近年のネットワークを利用した急速な発展とともに、読影者の好みという主観的な診断方法を排除し、画像診断情報を定量化し、その値を最適化した上で、得られた定量値を客観的な診断指標として電子カルテに入力し、これを用いて複数の医師による遠隔診断に利用し、診療の信頼性を高めたり、その定量値を経時的に測定し、その変動のしかたを把握することによって病状の回復または悪化の程度を定量的に診断することが求められはじめている。即ち超音波診断画像の関心領域について診断画像たとえば空間分解能を定量化し、定量化した値が読者の主観的な判断を経ずに最適化制御できた時の定量値を把握する技術が必要とされているが、前記第1の例では、この問題に対応できなかった。
【0026】
画像の最適化技術を用いた超音波診断装置の第2の例では、カラードプラ超音波診断装置において発生しやすいクラッタを抑圧する最適化制御技術が用いられている。この技術においては、ドプラ信号それぞれの前記クラッタ成分の瞬時的な位相変化量を推定する位相推定手段を有しており、この位相推定値を最適化することによってクラッタを抑圧している。この場合の最適値は、クラッタが無い状態である。しかしながらこの技術は、クラッタを抑圧することにだけ有効な手段であり、画像のよさに対応する空間分解能やコントラスト分解能あるいは感度(輝度)を最適化する手段にはなっていない。クラッタを抑圧することは超音波診断、特にカラードプラ超音波診断装置では重要な改良ポイントであるが、通常のBモード診断像において最も基本的な画像特性である空間分解能やコントラスト分解能および感度(輝度)を定量化、最適化する技術が求められており、第2の例では、この問題に対応できなかった。
【0027】
画像の最適化技術を用いた超音波診断装置の第3の例は、画像のよさを表現する特性項目のうち、感度(輝度)を最適化することを目的とした技術で、具体的には前記超音波パルス信号を送信パワー条件に基づき送信する送信手段と、前記受信信号が最大となるように前記送信パワー条件を適応制御して最適化する適応制御手段とを備えたことを特徴としている。しかしながら、この場合適応制御して最適化する画像特性は感度(輝度)であり、空間分解能やコントラスト分解能を最適化する技術ではない。
【0028】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、画像の基本特性のうちの空間分解能を、関心領域について定量化し、定量化した値が主観的な判断を経ずに最適値になるよう制御できる超音波診断装置を提供することを目的としている。
【0029】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため請求項1に記載の超音波診断装置は、超音波を対象物に送信し、超音波送受信用センサで対象物からのエコー信号を受信し、この受信信号を受信信号信号処理手段及び画像処理手段で処理することで超音波画像を生成する超音波診断装置において、前記受信信号信号処理手段に、前記超音波送受信用センサの少なくともひとつ以上の等価回路定数と、前記受信信号を伝送する配線の伝達関数と、前記受信信号信号処理手段の入力インピーダンスとから設定される特定の周波数を共振周波数とする並列共振手段を備えていることを特徴とする。
【0030】
請求項2に記載の超音波診断装置は、請求項1に記載の超音波診断装置であって、前記超音波送受信用センサが圧電振動子からなり、前記等価回路定数が少なくとも前記圧電振動子の制動容量であることを特徴とする。
【0031】
請求項3に記載の超音波診断装置は、請求項1に記載の超音波診断装置であって、前記画像処理手段に、画質を定量的に評価する手段を備えていることを特徴とする。
【0032】
請求項4に記載の超音波診断装置は、請求項1に記載の超音波診断装置であって、前記並列共振手段に、外部信号の入力によって、前記並列共振手段の出力信号の周波数特性を変化させる手段を有することを特徴とする。
【0033】
請求項5に記載の超音波診断装置は、請求項4に記載の超音波診断装置であって、前記画像処理手段に、画質を定量的に評価する手段を備え、前記外部信号は、前記画質を定量的に評価する手段からの出力信号であることを特徴とする。
【0034】
請求項6に記載の超音波診断装置は、請求項3に記載の超音波診断装置であって、前記画質を定量的に評価する手段は、前記画像の関心領域を指定し、関心領域の全画像データを抽出する手段と、前記画像データの特定の点P(x,y)における輝度をG(x,y)とし、この値をG(x,y)の最大値Gmaxで規格化したGn(x,y)を計算する手段と、前記Gn(x,y)から空間周波数特性G(kx,ky)を計算する手段と、前記G(kx,ky)から空間パワー関数Φ=|G(kx,ky)|2を計算する手段と、前記Φの自己相関関数φ(x,y)を計算する手段と、前記φ(x,y)の絶対値φabs(x,y)を計算する手段と、前記φabs(x,y)の最大値と前記最大値の1/e(e:2.718)になるxの最大値と最小値の差Δx及び/又はyの最大値と最小値の差Δyを出力する手段及び/又はΔxとΔyの積を出力する手段と、を具備することを特徴とする。
【0035】
請求項7に記載の超音波診断装置は、請求項1に記載の超音波診断装置であって、前記超音波送受信用センサは、送信専用の圧電振動子と受信専用の圧電振動子からなる送受信分離形超音波トランスデューサで、それぞれの圧電振動子に別々の同軸ケーブルが接続されていることを特徴とする。
【0036】
請求項8に記載の超音波診断装置は、請求項7に記載の超音波診断装置であって、前記送受信分離形超音波トランスデューサにおいて、送信超音波の周波数をf0、受信専用の圧電振動子の出力信号をVout(f)とすると、Vout(f)の中心周波数がkf0(kは任意の正の実数)に等しいことを特徴とする。
【0037】
請求項9に記載の超音波診断装置は、請求項8に記載の超音波診断装置であって、前記並列共振回路の共振周波数は、受信専用の圧電振動子の出力信号Vout(f)の中心周波数kf0に等しくなるように設定されることを特徴とする。
【0038】
請求項10に記載の超音波診断装置は、請求項1に記載の超音波診断装置であって、前記並列共振手段は、前記超音波送受信用センサの受信用圧電振動子の制動容量Cdと、前記受信用圧電振動子に接続する同軸ケーブルの分布定数回路の伝達関数と、前記同軸ケーブルに直列に挿入するキャパシタと、前記同軸ケーブルに並列に接続するインダクタからなることを特徴とする。
【0039】
請求項11に記載の超音波診断装置は、請求項10に記載の超音波診断装置であって、前記同軸ケーブルに直列に挿入するキャパシタが可変容量ダイオードであることを特徴とする。
【0040】
請求項12に記載の超音波診断装置は、請求項1に記載の超音波診断装置であって、前記並列共振回路の機能が受信時においてのみ有効になる手段を有することを特徴とする。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
(実施の形態)
図1及び図18は本発明の超音波診断装置の第1の実施の形態に係り、図1は機械的ラジアル走査型超音波診断装置全体の概略構成を示すブロック図、図2は並列共振回路の回路図、図3は送受信分離型超音波トランスデューサの正面図、図4は送受信分離型超音波トランスデューサの側面から見た断面図、図5は画像処理部の本発明に関係した部分を示すブロック図、図6は空間分解能定量化装置を示すブロック図、図7乃至図18は機械的ラジアル走査型超音波診断装置の動作を説明する説明図である。
【0042】
(構成)
図1において、機械的ラジアル走査型超音波診断装置1は、送受信分離型超音波トランスデューサ(以下、SATRUTと呼ぶ)11と、駆動信号源(パルサ)12と、並列共振回路13と、レシーバ回路14と、アナログ/デジタル変換回路(以下、A/D変換回路と呼ぶ)15と、スキャンコンバータ16と、画像処理部17と、デジタル/アナログ変換回路(以下、D/A変換回路と呼ぶ)18とから基本構成される。
【0043】
SATRUT11は、超音波を送信し、対象物からのエコー信号を受信するものであり、送信用圧電振動子21と受信用圧電振動子22とを含んで構成されている。SATRUT11の具体的な構成は図3及び図4に後述する。
【0044】
SATRUT11は、送信用圧電振動子21による超音波走査の位置を示す位置信号を位置信号伝送線19を介してスキャンコンバータ16に供給する。
【0045】
送信用圧電振動子21には、超音波信号励起用の駆動信号源(パルサ)12からの配線23が接続される。
【0046】
受信用圧電振動子22からの配線24は、並列共振回路13に接続される。並列共振回路13の出力は、通常の超音波診断に用いられるレシーバ回路14を経て、A/D変換回路15でデジタル信号に変換された上で、スキャンコンバータ16に導かれる。
【0047】
スキャンコンバータ16は、フレームメモリを有しており、位置信号伝送線19の位置信号に対応するフレームメモリの記録領域にA/D変換回路15からのデジタル信号を画像データして記録し、この画像データを標準TV方式で読み出して、画像処理部17に供給する。
【0048】
画像処理部17は、スキャンコンバータ16からの画像データを対して画像処理を行い図示しないD/A変換回路を介してモニタ等の画像表示手段に供給する。
【0049】
また、画像処理部17は、スキャンコンバータ16からの画像データを対して関心領域を取り込み、関心領域の空間分解能を定量化し、即ち関心領域の空間分解能の定量化した値(定量化値)の時間的な差異値b1をD/A変換18に導く。関心領域の空間分解能の定量化値の時間的な差異値b1は、D/A変換18でアナログ信号に変換され、並列共振回路13の後述する可変容量素子の入力端子に印加される。
【0050】
並列共振回路13の構成について図2を用いて詳細に説明する。
図2に示す様に、送信用圧電振動子21は、同軸ケーブル31を含む配線23を介して駆動信号源(パルサ)12に接続される。
【0051】
受信用圧電振動子22は、同軸ケーブル32を含む配線24を介して並列共振回路13に接続される。
【0052】
これにより、並列共振回路13は、受信用圧電振動子22の制動容量Cd、同軸ケーブル32の信号線に直列に接続している。並列共振回路13は、信号未入力で静電容量Caを示す可変容量ダイオード33、その出力端子とグランドの間に接続するLaのインダクタンスを持つインダクタ34、及び、レシーバ回路14の入力抵抗から構成される。
【0053】
図1に示したD/A変換器18によって変換された前記アナログ信号(電圧信号)は、前記可変容量ダイオード33の電圧入力ゲート端子35に印加される。
【0054】
SATRUT11の構成について図3及び図4を用いて詳細に説明する。
【0055】
図3及び図4に示すように、SATRUT11は、送信用圧電振動子21と、受信用圧電振動子22と、ダンピング層41,42と、凹面音響レンズ43とを基本構成としている。符号44,45,46は、それぞれ送信信号入力端子、受信信号出力端子、共通接地端子である。
【0056】
また、長さL1は受信用圧電振動子22の外周の半径、長さL2は受信用圧電振動子22の内周の半径、長さL3は送信用圧電振動子21の外周の半径である。
【0057】
送信用圧電振動子21は、中心周波数f0の超音波を送信する。受信用圧電振動子22は、受信超音波からkf0(kは正の実数)の周波数成分を選択的に電気信号に変換する。ダンピング層41,42は、それぞれ圧電振動子21,22の背面に配設する。
【0058】
凹面音響レンズ43は、圧電振動子21,22の前面に配設する。
凹面音響レンズ43の裏面の送信用圧電振動子21と受信用圧電振動子22の隙間に対応する位置には、溝47,48が形成されている。溝47,48は、送信用圧電振動子21が出力する超音波が凹面音響レンズ43から出力せずに受信用圧電振動子22に流れ込むのを防止するためのものである。
【0059】
SATRUT11において、送信超音波とおなじ周波数成分を高感度に検出することを目的とする場合は、前記受信用圧電振動子22の共振周波数を送信用圧電振動子21の共振周波数に一致させる。送信超音波のk次(kは正の実数)の非線形超音波を検出する場合は、送信用圧電振動子21の共振周波数のk倍に一致させる。
【0060】
このような構造により、前記両圧電振動子21,22の背面にはそれぞれ音響ダンピング層41,42が形成され、両圧電振動子21,22の前面には音響レンズ43が形成されている。送信用圧電振動子21には超音波発生用の駆動信号供給のための図2に示す同軸ケーブル31が、受信用圧電振動子22には受信超音波を圧電変換したrfパルス信号を伝送するための同軸ケーブル32が、それぞれ接続されている。
【0061】
画像処理部17の構成について図5を用いて詳細に説明する。
図5に示す様に、画像処理部17は、通常処理用画像処理部61と、関心領域取り込み装置62と、空間分解能定量化装置63と、記憶装置64と、比較計算部65とを含んで構成される。
【0062】
通常処理用画像処理部61は、スキャンコンバータ16からの画像データに対してコントラスト調整や輝度レベル調整等の通常の画像処理を行って関心領域取り込み装置62に供給するとともに、画像データa1として前記図示しないD/A変換回路を介して画像表示手段に供給する。
【0063】
関心領域取り込み装置62は、画像の関心領域を取り込む。空間分解能定量化装置63は、関心領域取り込み装置62が取り込んだ関心領域について、その空間分解能を定量化する。
【0064】
空間分解能定量化装置63の出力は、記憶装置64と比較計算部65に供給される。
【0065】
記憶装置64は、関心領域の空間分解能の定量化値を一旦記憶してからポート66にカルテ記入情報c1として出力するとともに、比較計算部65に導く。比較計算部65は、記憶装置64からの過去の関心領域の空間分解能の定量化値と空間分解能定量化装置63からの現在の空間分解能の定量化値を比較し、この比較結果の前記差異値b1を次段に伝送する。
【0066】
空間分解能定量化装置63の構成について図6を用いて詳細に説明する。
【0067】
図6に示す様に、前記空間分解能定量化装置63は、規格化演算部71と、フーリエ変換演算部(以下、FFT演算部と呼ぶ)72と、空間パワースペクトル演算部73と、画像自己相関演算部74と、相関長演算部75とを含んで構成される。
【0068】
規格化演算部71は、関心領域取り込み装置62からの入力画像をその最大輝度値で規格化し、規格化する。
【0069】
FFT演算部72は、規格化演算部71が規格化した画像データをフーリエ変換する。
【0070】
空間パワースペクトル演算部73は、FFT演算部72がフーリエ変換した画像データの絶対値の2乗を計算する。
【0071】
画像自己相関演算部74は、空間パワースペクトル演算部73の計算結果に関し、画像の逆フーリエ変換計算を行い、その実数部を計算する。
【0072】
相関長演算部75は、画像自己相関演算部74の演算結果を用いて空間分解能を表す相関長を計算する。
【0073】
このような構成により、機械的ラジアル走査型超音波診断装置1は、超音波を対象物に送信し、超音波送受信用センサの送信用圧電振動子21で対象物からのエコー信号を受信し、この受信信号を受信信号信号処理手段(並列共振回路13、レシーバ回路14、A/D変換回路15、スキャンコンバータ16)及び画像処理手段(画像処理部17と、デジタル/アナログ変換回路18)で処理することで超音波画像を生成する。
【0074】
前記受信信号信号処理手段には、前記超音波送受信用センサの少なくともひとつ以上の等価回路定数と、前記受信信号を伝送する配線の伝達関数と、前記受信信号信号処理手段の入力インピーダンスとから設定される特定の周波数を共振周波数とする並列共振手段(並列共振回路13)を備えている。
【0075】
尚、以上の構成において、本発明は、必ずしも図1に示した構成に限定されるものではなく、例えばA/D変換器15をレシーバ14の前段に持ってきても良いし、空間分解能の定量化値と設定値との差異値b1を出力する比較計算部65はD/A変換器18の後ろに配置し、アナログ信号で演算するのでも良い。また超音波トランスデューサの構造は本実施例で説明した構造でなくてもよく、例えば送信用圧電振動子と受信用圧電振動子の配置は逆の関係、即ち、送信用圧電振動子が円板で、受信用圧電振動子がリング形状をしていても良いし、形状は円板とリング形状の関係でなくとも角型でも良い。また外部信号によって静電容量を変化させる回路要素は可変容量ダイオード33でなくて、同等の機能を持っていればオペアンプを用いた回路でも良い。またインダクタ34も等価的にインダクタの機能を有する回路構成でも良い。また可変容量ダイオード33の代わり固定コンデンサを設け、入力信号によってインダクタンスを変化できる機能を有するものであればオペアンプを用いた等価インダクタ回路でも良い。
【0076】
(作用)
以下に、本実施の形態の作用効果について説明する。
SATRUT11の例えば、リング形状をした超音波送信用圧電振動子21にパルサ12から超音波発生用の駆動信号例えば、スパイクパルスやバースト波を配線23を経て印加する。これによって、前記送信用圧電振動子21は印加信号波形に応じた音圧、スペクトルを持った超音波を送信する。この超音波が対象物、例えば生体組織で反射し、受信用圧電振動子に音響レンズ43を経て入射する。この入射信号には送信信号に対応する基本波信号だけでなく、生体組織情報に関係した非線形超音波成分や対象物が動いていればドップラ信号成分も含まれる。このような入力信号のうち、目的のスペクトル成分の中心周波数近傍の共振周波数を有した圧電振動子を受信用振動子22として用い、超音波信号をrf電気信号に変換する。
【0077】
目的のスペクトルが非線形超音波、例えば第二高調波の場合、基本波音圧に対し15〜20dBも小さい。この様に小さな高調波成分はいかに選択性の良い受信用圧電振動子でも基本波と高調波の音圧レベル差が逆転するが、高調波像を劣化させる原因となる基本波成分を完全には除去できない。この基本波と高調波が混在したrf信号は受信用圧電振動子22の制動容量Cd、ケーブルの伝播定数y、同軸ケーブル32の信号線に直列に接続した可変容量ダイオード33の静電容量Ca、同軸ケーブル32の信号線に並列に接続したインダクタンスLaを有するインダクタ34からなる並列共振回路13を通過すると、前記並列共振回路13の共振周波数近辺以外の周波数成分は抑圧される。この抑圧によって、前記混在信号に含まれる基本波成分はほぼ完全に抑圧される。尚この並列共振回路の共振周波数は次式(1)、(2)、(3)に示す伝達関数を解くことによって得られる様になる。
【0078】
【数1】
式(1)、(2)、(3)では、同軸ケーブル32の特性インピーダンスをZ0、レシーバ14の入力インピーダンスをRi、εは同軸ケーブル32の誘電率、ν0は同軸ケーブル32の伝搬速度、lは同軸ケーブルの長さとしている。
【0079】
この様にしてレシーバ回路14で処理された信号はA/D変換器15によってデジタル信号に変換され、スキャンコンバータ16を経て画像処理される。画像処理部17では、関心領域取り込み装置62により画像データのうち関心領域を抽出し、この関心領域取り込み装置62からの輝度出力データg(x、y)を元に空間分解能定量化装置63によって空間分解能定量化信号が生成される。空間分解能定量化装置63の画像規格化演算部71は、輝度出力データg(x、y)を、その最大値によって規格化する。この前記規格化された輝度出力データgn(x、y)はFFT演算部72によってフーリエ変換することによって、空間スペクトル関数φが得られる。φは空間パワースペクトル演算部73によって、その絶対値の2乗即ち空間パワースペクトルが演算される。その演算結果|φ|2は画像自己相関演算部74によって逆フーリエ変換され自己相関関数φが演算される。次いで相関長演算部75にて、自己相関関数φの絶対値を演算し、その最大値Φmaxの1/eになるxの値x1,x2とyの値y1,y2を求め、更にΔx=x2−x1,Δy=y2−y1を求め、この差、Δx,Δyを空間分解能を定量化した値とする。
【0080】
図7、図11、図15は、上記手順の内、関心領域取り込み装置62により関心領域を拡大して示した輝度出力データg(x、y)の第1、第2、第3の例をそれぞれ画像81,82,83で示している。
【0081】
図8、図12、図16は、それぞれ前記第1、第2、第3の例に対して画像自己相関演算部74が演算した自己相関関数φの絶対値|Φ|をz軸、横方向をx軸、深さ方向をy軸として図示している。相関長演算部75は、図8、図12、図16にそれぞれ示す自己相関関数φの絶対値|Φ|から、その結果から深さ方向または横方向に投影した相関長を演算する。
【0082】
前記相関長は分解能に対応していて、この値が小さいほど分解能が良いことになる。
【0083】
図9、図13、図17は、それぞれ前記第1、第2、第3の例による自己相関関数Φの絶対値|Φ|をx−z軸平面に投影した図であり、符号91が1/eの線であり、この線91で切断された切片の長さLxが自己相関長であり空間分解能に相当する。
【0084】
この図の場合x軸を横方向にとっているが、y軸に投影し、同様に切片の長さLyを求めれば深さ方向の分解能が得られる。図10、図14、図18は、それぞれ前記第1、第2、第3の例による己相関関数Φの絶対値|Φ|をz=1/eの(x,y)面で切断した状態を示す説明図であり、このような処理を行うことで、横方向の自己相関長Lxと、長さ方向の自己相関長Lyを求めれば横方向と深さ方向の両方の分解能が得られる。
【0085】
この計算手順は通常デジタル演算なので、分解能の定量化値もデジタル値である。空間分解能の表現は前記したΔx、Δyのいずれか、又は両者を積算した値Δx×Δyのいずれでも良く、適宜図示していない切り替え手段によって切り替える。空間分解能定量化装置63からの出力は記憶装置64に記憶された初期値、例えば0に対し、空間分解能の定量化値との差異が最小になり、かつその最小値が飽和するまで比較装置65で演算が繰り返され、その差異値b1はその都度比較装置65から出力される。本実施の形態では、それぞれ前記第1の例(図7乃至図10)→前記第2の例(図11乃至図14)→前記第3の例(図15乃至図18)の順に上記制御を行い、最終的に最良の分解能(第3の例)が得られるまで処理を行う。
【0086】
前記並列共振回路13の静電容量可変手段である可変容量ダイオード33の入力はアナログ信号の為、デジタル値の分解能の差異値b1はD/A変換18でアナログ信号に変換した上で可変容量ダイオード33の電圧入力ゲート端子35に入力する。この信号入力によって、可変容量ダイオード33の静電容量が変化する。これによって前記並列共振回路13の共振周波数は変化する。変化した結果の並列共振回路13の伝達関数即ち、周波数特性と前記受信用圧電振動子22による変換rf電圧信号の周波数特性がほぼ一致していると、並列共振回路13を通過したレシーバ回路14への入力信号は共振尖鋭度Qが大きくなり、信号レベルは高くなるが、狭帯域となり、rfパルス信号のパルス幅は長くなり、深さ方向分解能が低下する。一方、変換rf電圧信号の周波数特性が並列共振回路13の周波数特性が相対的にずれると並列共振回路13を通過したレシーバ回路14への入力信号は広帯域となり、rfパルス信号のパルス幅は短くなり、深さ方向分解能が向上する。また、このずれが高域側に起こると中心周波数が上昇し、広帯域化とあいまって空間分解能が向上する。これによって得られた超音波診断画像について、前記空間分解能定量化装置63による演算と、D/A変換を繰り返し、空間分解能の定量化値がそれ以上小さくならない場合の超音波診断像が空間分解能に関する最適画像となる。この時の空間分解能の定量化値は生体組織の状態を表すことになり、ポート66から出力されカルテ記入情報になりうる。
【0087】
(効果)
以上述べた様に超音波診断画像の関心領域の空間分解能を定量化し、その定量化信号を空間分解能に影響を及ぼす並列共振回路を構成する回路要素に入力し、その回路定数を変化させることによって並列共振回路の帯域特性を変化させ、空間分解能の変化をさせることを繰り返し行うことによって、超音波診断画像の関心領域の空間分解能を最適化でき、またその定量化値をカルテに書き込む情報とすることも出来る。この様な最適化を行った診断画像は主観的な判断や操作がはいる余地が少なく客観的なデータを提供出来るようになる。
【0088】
[付記]
以上詳述したような本発明の前記実施の形態によれば、以下の如き構成を得ることができる。
【0089】
(付記項1) 超音波を対象物に送信し、超音波送受信用センサで対象物からのエコー信号を受信し、この受信信号を受信信号信号処理手段及び画像処理手段で処理することで超音波画像を生成する超音波診断装置において、
前記受信信号信号処理手段に、前記超音波送受信用センサの少なくともひとつ以上の等価回路定数と、前記受信信号を伝送する配線の伝達関数と、前記受信信号信号処理手段の入力インピーダンスとから設定される特定の周波数を共振周波数とする並列共振手段を備えていることを特徴とする超音波診断装置。
【0090】
(付記項2) 前記超音波送受信用センサが圧電振動子からなり、前記等価回路定数が少なくとも前記圧電振動子の制動容量であることを特徴とする付記項1に記載の超音波診断装置。
【0091】
(付記項3) 前記画像処理手段に、画質を定量的に評価する手段を備えていることを特徴とする付記項1に記載の超音波診断装置。
【0092】
(付記項4) 前記並列共振手段に、外部信号の入力によって、前記並列共振手段の出力信号の周波数特性を変化させる手段を有することを特徴とする付記項1に記載の超音波診断装置。
【0093】
(付記項5) 前記画像処理手段に、画質を定量的に評価する手段を備え、前記外部信号は、前記画質を定量的に評価する手段からの出力信号であることを特徴とする付記項4に記載の超音波診断装置。
【0094】
(付記項6) 前記画質を定量的に評価する手段は、
前記画像の関心領域を指定し、関心領域の全画像データを抽出する手段と、
前記画像データの特定の点P(x,y)における輝度をG(x,y)とし、この値をG(x,y)の最大値Gmaxで規格化し、Gn(x,y)、を計算する手段と、
前記Gn(x,y)から空間周波数特性G(kx,ky)を計算する手段と、
前記G(kx,ky)から空間パワー関数Φ=|G(kx,ky)|2を計算する手段と、
前記Φの自己相関関数φ(x,y)を計算する手段と、
前記φ(x,y)の絶対値φabs(x,y)を計算する手段と、
前記φabs(x,y)の最大値と前記最大値の1/e(e:2.718)になるxの最大値と最小値の差Δx及び/又はyの最大値と最小値の差Δyを出力する手段及び/又はΔxとΔyの積を出力する手段と、
を具備することを特徴とする付記項3に記載の超音波診断装置。
【0095】
(付記項7) 前記超音波送受信用センサは、送信専用の圧電振動子と受信専用の圧電振動子からなる送受信分離形超音波トランスデューサで、それぞれの圧電振動子に別々の同軸ケーブルが接続されていることを特徴とする付記項1に記載の超音波診断装置。
【0096】
(付記項8) 前記送受信分離形超音波トランスデューサにおいて、送信超音波の周波数をf0、受信専用の圧電振動子の出力信号をVout(f)とすると、Vout(f)の中心周波数がkf0(kは任意の正の実数)に等しいことを特徴とする付記項7に記載の超音波診断装置。
【0097】
(付記項9) 前記並列共振回路の共振周波数は、受信専用の圧電振動子の出力信号Vout(f)の中心周波数kf0に等しくなるように設定されることを特徴とする付記項8に記載の超音波診断装置。
【0098】
(付記項10) 前記並列共振手段は、前記超音波送受信用センサの受信用圧電振動子の制動容量Cdと、前記受信用圧電振動子に接続する同軸ケーブルの分布定数回路の伝達関数と、前記同軸ケーブルに直列に挿入するキャパシタと、前記同軸ケーブルに並列に接続するインダクタからなることを特徴とする付記項1に記載の超音波診断装置。
【0099】
(付記項11) 前記同軸ケーブルに直列に挿入するキャパシタが可変容量ダイオードであることを特徴とする付記項10に記載の超音波診断装置。
【0100】
(付記項12) 前記並列共振回路の機能が受信時においてのみ有効になる手段を有することを特徴とする付記項1に記載の超音波診断装置。
【0101】
(付記項13) 超音波送受信用センサは、機械的ラジアル走査型であることを特徴とする付記項1乃至12のいずれかに記載の超音波診断装置。
【0102】
【発明の効果】
以上述べた様に本発明によれば、画像の基本特性のうちの空間分解能を、関心領域について定量化し、定量化した値が主観的な判断を経ずに最適値になるよう制御できるので、この様な最適化を行った診断画像は主観的な判断や操作がはいる余地が少なく客観的なデータを提供出来るようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る機械的ラジアル走査型超音波診断装置全体の概略構成を示すブロック図。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る並列共振回路の回路図。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る送受信分離型超音波トランスデューサの正面図。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る送受信分離型超音波トランスデューサの側面から見た断面図。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る画像処理部の要部を示すブロック図。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る空間分解能定量化装置を示すブロック図。
【図7】本発明の実施の形態に係る関心領域取り込み装置からの輝度出力データg(x、y)の第1の例を画像で示す説明図。
【図8】図7に示した輝度出力データg(x、y)の第1の例に対して図6の画像自己相関演算部が演算した自己相関関数φの絶対値|Φ|を示す説明図。
【図9】図8に示した第1の例の自己相関関数φの絶対値|Φ|を(x,z)面に投影した状態を示すグラフ。
【図10】図9に示した第1の例の自己相関関数φの絶対値|Φ|をz=1/eの(x,y)面で切断した状態を示す説明図。
【図11】本発明の実施の形態に係る関心領域取り込み装置からの輝度出力データg(x、y)の第2の例を画像で示す説明図。
【図12】図11に示した輝度出力データg(x、y)の第2の例に対して図6の画像自己相関演算部が演算した自己相関関数φの絶対値|Φ|を示す説明図。
【図13】図12に示した第2の例の自己相関関数φの絶対値|Φ|を(x,z)面に投影した状態を示すグラフ。
【図14】図12に示した第2の例の自己相関関数φの絶対値|Φ|をz=1/eの(x,y)面で切断した状態を示す説明図。
【図15】本発明の実施の形態に係る関心領域取り込み装置からの輝度出力データg(x、y)の第3の例を画像で示す説明図。
【図16】図15に示した輝度出力データg(x、y)の第3の例に対して図6の画像自己相関演算部が演算した自己相関関数φの絶対値|Φ|を示す説明図。
【図17】図16に示した第3の例の自己相関関数φの絶対値|Φ|を(x,z)面に投影した状態を示すグラフ。
【図18】図16に示した第3の例の自己相関関数φの絶対値|Φ|をz=1/eの(x,y)面で切断した状態を示す説明図。
【図19】超音波診断画像に対してアダプティブなエッジ強調処理を行う従来の超音波診断装置を示す説明図。
【図20】従来のカラードプラ診断装置を示す説明図。
【図21】超音波診断画像に対してより効果的なコントラストエコー法を実施する従来の超音波ドプラ診断装置を示す説明図。
【符号の説明】
1 …機械的ラジアル走査型超音波診断装置
11 …送受信分離型超音波トランスデューサ
12 …駆動信号源(パルサ)
13 …並列共振回路
14 …レシーバ回路
15 …アナログ/デジタル変換回路
16 …スキャンコンバータ
17 …画像処理部
18 …デジタル/アナログ変換回路
Claims (12)
- 超音波を対象物に送信し、超音波送受信用センサで対象物からのエコー信号を受信し、この受信信号を受信信号信号処理手段及び画像処理手段で処理することで超音波画像を生成する超音波診断装置において、
前記受信信号信号処理手段に、前記超音波送受信用センサの少なくともひとつ以上の等価回路定数と、前記受信信号を伝送する配線の伝達関数と、前記受信信号信号処理手段の入力インピーダンスとから設定される特定の周波数を共振周波数とする並列共振手段を備えていることを特徴とする超音波診断装置。 - 前記超音波送受信用センサが圧電振動子からなり、前記等価回路定数が少なくとも前記圧電振動子の制動容量であることを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
- 前記画像処理手段に、画質を定量的に評価する手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
- 前記並列共振手段に、外部信号の入力によって、前記並列共振手段の出力信号の周波数特性を変化させる手段を有することを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
- 前記画像処理手段に、画質を定量的に評価する手段を備え、前記外部信号は、前記画質を定量的に評価する手段からの出力信号であることを特徴とする請求項4に記載の超音波診断装置。
- 前記画質を定量的に評価する手段は、
前記画像の関心領域を指定し、関心領域の全画像データを抽出する手段と、
前記画像データの特定の点P(x,y)における輝度をG(x,y)とし、この値をG(x,y)の最大値Gmaxで規格化したGn(x,y)を計算する手段と、
前記Gn(x,y)から空間周波数特性G(kx,ky)を計算する手段と、
前記G(kx,ky)から空間パワー関数Φ=|G(kx,ky)|2を計算する手段と、
前記Φの自己相関関数φ(x,y)を計算する手段と、
前記φ(x,y)の絶対値φabs(x,y)を計算する手段と、
前記φabs(x,y)の最大値と前記最大値の1/e(e:2.718)になるxの最大値と最小値の差Δx及び/又はyの最大値と最小値の差Δyを出力する手段及び/又はΔxとΔyの積を出力する手段と、
を具備することを特徴とする請求項3に記載の超音波診断装置。 - 前記超音波送受信用センサは、送信専用の圧電振動子と受信専用の圧電振動子からなる送受信分離形超音波トランスデューサで、それぞれの圧電振動子に別々の同軸ケーブルが接続されていることを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
- 前記送受信分離形超音波トランスデューサにおいて、送信超音波の周波数をf0、受信専用の圧電振動子の出力信号をVout(f)とすると、Vout(f)の中心周波数がkf0(kは任意の正の実数)に等しいことを特徴とする請求項7に記載の超音波診断装置。
- 前記並列共振回路の共振周波数は、受信専用の圧電振動子の出力信号Vout(f)の中心周波数kf0に等しくなるように設定されることを特徴とする請求項8に記載の超音波診断装置。
- 前記並列共振手段は、前記超音波送受信用センサの受信用圧電振動子の制動容量Cdと、前記受信用圧電振動子に接続する同軸ケーブルの分布定数回路の伝達関数と、前記同軸ケーブルに直列に挿入するキャパシタと、前記同軸ケーブルに並列に接続するインダクタからなることを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
- 前記同軸ケーブルに直列に挿入するキャパシタが可変容量ダイオードであることを特徴とする請求項10に記載の超音波診断装置。
- 前記並列共振回路の機能が受信時においてのみ有効になる手段を有することを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2003139519A JP2004337461A (ja) | 2003-05-16 | 2003-05-16 | 超音波診断装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003139519A JP2004337461A (ja) | 2003-05-16 | 2003-05-16 | 超音波診断装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US11435459B2 (en) * | 2017-03-13 | 2022-09-06 | Koninklijke Philips N.V. | Methods and systems for filtering ultrasound image clutter |
-
2003
- 2003-05-16 JP JP2003139519A patent/JP2004337461A/ja not_active Withdrawn
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