JP2004334965A - 光ディスク装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】モータドライバICとレーザドライバICとの温度を観測して、所定温度以上にならない制御を行うことで、各ドライバICにおける熱による誤動作が生じることを防止する光ディスク装置を提供する。
【解決手段】制御部30は、光ディスク100の再生時にはモータドライバIC11に備えられた温度センサ21からの温度検知信号を入力して、この温度検知信号に基づく温度が第1の閾値に達すると、モータドライバIC11に対して低速制御を行う。また、制御部30は、光ディスク100の記録時にはレーザドライバIC13に備えられた温度センサ23からの温度検知信号を入力して、この温度検知信号に基づく温度が第3の閾値に達すると、レーザドライバIC13に対してレーザ光の出力停止制御を行うか、レーザ光の出力低減制御を行う。
【選択図】 図1
【解決手段】制御部30は、光ディスク100の再生時にはモータドライバIC11に備えられた温度センサ21からの温度検知信号を入力して、この温度検知信号に基づく温度が第1の閾値に達すると、モータドライバIC11に対して低速制御を行う。また、制御部30は、光ディスク100の記録時にはレーザドライバIC13に備えられた温度センサ23からの温度検知信号を入力して、この温度検知信号に基づく温度が第3の閾値に達すると、レーザドライバIC13に対してレーザ光の出力停止制御を行うか、レーザ光の出力低減制御を行う。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、DVD等の光ディスクのデータの記録再生を行う光ディスク装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
パソコン等の情報処理装置には、光ディスクに記録されたデータの再生のみを行う光ディスク再生装置や、光ディスクに記録されたデータの再生を行う機能と、光ディスクへのデータの記録を行う機能とを備える光ディスク記録再生装置が搭載されている(以下、光ディスク再生装置と光ディスク再生記録装置とを、単に「光ディスク装置」という。)。
【0003】
このような光ディスク装置の再生時には、スピンドルモータで光ディスクを回転させながら、該光ディスク表面にレーザ光を照射し、その反射光を受光することにより、光ディスクに記録されているデータを読み出す。また、記録時には、スピンドルモータで光ディスクを回転させながら、該光ディスク表面に再生時よりも高出力のレーザ光を照射することで、データを書き込む。
【0004】
光ディスク装置は、これが搭載されるパソコン等の情報処理能力の向上に伴い、高速読み取りおよび高速書き込み化が進んでいる。これにより、スピンドルモータの回転速度が高速化し、レーザ光出力も高出力化している。
【0005】
このように、スピンドルモータが高速化することにより、該スピンドルモータを制御するモータドライバICの負荷も増加して発熱量が大きくなる。
また、レーザ光が高出力化することにより、該レーザ光を制御するレーザドライバICの負荷も増加して発熱量が大きくなる。
これらのドライバICにはそれぞれに熱に対する許容量(動作保証温度)があり、許容量を超えることによりドライバICが異常動作(誤動作)する可能性があるので、各ドライバICに温度センサを内蔵して、各ドライバICの温度センサからの出力を観測する光ディスク装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−14781号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の光ディスク装置では、ドライバICに内蔵された温度センサにより検知された検知信号に基づいて、スピンドルモータの動作制御を行っていない。例えば、スピンドルモータ用ドライバICが高温になっても特に降温させる制御を行っていないため、熱による誤動作が生じる可能性が大きくなる。
【0008】
また、従来の光ディスク装置は、光ピックアップ部のレーザ光出力を制御するレーザドライバICについては温度の検知を行っていない。しかし、光ディスクにデータを記録する光ディスク記録再生装置においては、データの記録時に、レーザ光出力を再生時よりも高くするため、レーザドライバICの負荷が増加して、発熱量も増加する。さらに、最近では、上述のように、光ディスクへの記録処理も高速化されており、記録時の光ディスクの回転数も高速になっているため、これに応じてレーザ光も高出力化している。これにより、レーザドライバICにはさらに高負荷がかかり、発熱量も増加する。
【0009】
このように、発熱量が増加するとレーザドライバIC自身の温度も高くなり、所定の閾値(動作保証温度)を超えると、誤動作を生じる可能性がある。
【0010】
この発明の目的は、モータドライバICとレーザドライバICとの温度を観測して、所定温度以上にならない制御を行うことで、各ドライバICにおける熱による誤動作が生じることを防止する光ディスク装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明の光ディスク装置は、スピンドルモータの回転を制御するモータドライバICの温度を検知して、検知温度に応じた検知信号を出力する第1の温度センサと、光ピックアップのレーザ光出力を制御するレーザドライバICの温度を検知して、検知温度に応じた検知信号を出力する第2の温度センサと、データ再生時には、第1の温度センサからの検知信号に基づいた検知温度が第1の閾値以上となった場合にモータドライバICにスピンドルモータの回転速度を低下させてデータ再生を継続させる低速再生制御を行い、データ記録時には、第2の温度センサからの検知信号に基づいた検知温度が第2の閾値以上となった場合にモータドライバICにスピンドルモータの回転速度を低下させるとともにレーザドライバICにレーザ光出力を低減させてデータ記録を継続させる低速記録制御を行う制御手段と、を備えたことを特徴としている。
【0012】
この構成では、光ディスク装置は、光ディスクに記録されているデータを再生する際に、モータドライバICの表面に配置された温度センサからの温度検知信号により、常時、モータドライバICの温度を観測する。そして、温度検知信号に基づいて、モータドライバICの動作保証温度に応じて予め設定された所定の閾値(第1の閾値)に検知温度が達すると、光ディスクの再生を行いながらスピンドルモータの回転速度を低下させ、モータドライバICの温度を低下させる。一方、光ディスクにデータを記録する際に、レーザドライバICの表面に設置された温度センサからの温度検知信号により、常時、レーザドライバICの温度を観測する。そして、温度検知信号に基づいて、レーザドライバICの動作保証温度に応じて予め設定された所定の閾値(第2の閾値)に検知温度が達すると、レーザ光出力を低下させることにより、光ディスクへの記録を行いながらレーザドライバICの温度を低下させる。
【0013】
また、この発明の光ディスク装置は、データ記録時のレーザ光出力低減状態で、第2の温度センサからの検知信号に基づいた検出温度が第4の閾値以下になった場合にレーザ光出力を高くするとともにスピンドルモータの回転速度を高くすることを特徴としている。
【0014】
この構成では、光ディスク装置は、データ記録時に上述の方法でレーザ光出力を低下させた後も、常時、レーザドライバICの温度を検知信号により観測し続ける。そして、この検知信号に基づいて、レーザドライバICの安定動作温度に応じて設定された所定の閾値(第4の閾値)以下に検出温度が達すると、スピンドルモータの回転速度を高くするとともにレーザ光の出力を高くして、低速記録から高速記録に切り換える。
【0015】
また、この発明の光ディスク装置は、スピンドルモータの回転を制御するモータドライバICの温度を検知して、検知温度に応じた検知信号を出力する第1の温度センサと、光ピックアップのレーザ光出力を制御するレーザドライバICの温度を検知して、検知温度に応じた検知信号を出力する第2の温度センサと、データ再生時には、第1の温度センサからの検知信号に基づいた検知温度が第1の閾値以上となった場合に前記モータドライバICにスピンドルモータの回転速度を低下させてデータ再生を継続させる低速再生制御を行い、データ記録時には、第2の温度センサからの検知信号に基づいた検知温度が第2の閾値以上となった場合にレーザドライバICにレーザ光出力を停止させてデータ記録を中断させる記録中断制御を行う制御手段と、を備えたことを特徴としている。
【0016】
この構成では、光ディスク装置は、光ディスクに記録されているデータを再生する際に、モータドライバICの表面に配置された温度センサからの温度検知信号により、常時、モータドライバICの温度を観測する。そして、温度検知信号に基づいて、モータドライバICの動作保証温度に応じて予め設定された所定の閾値(第1の閾値)に検知温度が達すると、光ディスクの再生を行いながらスピンドルモータの回転速度を低下させ、モータドライバICの温度を低下させる。一方、光ディスクにデータを記録する際に、レーザドライバICの表面に設置された温度センサからの温度検知信号により、常時、レーザドライバICの温度を観測する。そして、温度検知信号に基づいて、レーザドライバICの動作保証温度に応じて予め設定された所定の閾値(第2の閾値)に検知温度が達すると、レーザ光出力を停止させることにより、レーザドライバICの温度を低下させる。
【0017】
また、この発明の光ディスク装置は、データ記録時のレーザ光出力停止状態で、第2の温度センサからの検知信号に基づいて、検知温度が第4の閾値以下となった場合にレーザ光出力を再開させることを特徴としている。
【0018】
この構成では、光ディスク装置は、データ記録時に上述の方法でレーザ光の出力を停止した後も、常時、レーザドライバICの温度を検知信号により観測し続ける。そして、この検知信号に基づいて、レーザドライバICの安定動作温度に応じて設定された所定の閾値(第4の閾値)以下に検出温度が達すると、レーダ光の出力を再開するして、高速記録を行う。
【0019】
また、この発明の光ディスク装置は、低速再生制御状態であって、第1の温度センサからの検知信号に基づいた検知温度が第1の閾値よりも低温の第3の閾値以下となった場合に、モータドライバICにスピンドルモータの回転速度を高くさせることを特徴としている。
【0020】
この構成では、光ディスク装置は、上述の方法で回転速度を低下させて再生を継続させた後も、常時、モータードライバICの温度を検知信号により観測し続ける。そして、この検知信号に基づいて、モータドライバICが安定動作する温度に応じて設定された所定の閾値(第3の閾値)以下に検知温度が達すると、スピンドルモータの回転速度を高くし、低速再生から高速再生へ切り換える。
【0021】
また、この発明の光ディスク装置は、第1の温度センサからの検出信号と第2の温度センサからの検出信号とを入力して、データ再生時には第1の温度センサからの検出信号を選択し、データ記録時には第2の温度センサからの検出信号を選択して、制御手段に出力する選択手段を備えたことを特徴としている。
【0022】
この構成では、選択手段で、データ再生時にはモータドライバICの温度を検知する第1の温度センサからの検出信号を選択し、データ記録時にはレーザドライバICの温度を検知する第2の温度センサからの検出信号を選択して制御手段に出力することで、制御手段は温度検出信号を入力する端子を二つ設けなくても、上述のように一端子で再生時、記録時ともに温度監視を行う。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態に係る光ディスク装置について、図を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る光ディスク装置の主要部を示す概略構成図である。
【0024】
図1に示すように、本発明に係る光ディスク装置は、光ディスク100を保持して回転させるスピンドルモータ1と、光ディスク100の記録面にレーザ光を照射し、その反射光を受光することで、光ディスク100に記録されているデータを読み出す光ピックアップ3と、該光ピックアップ3を光ディスク100の径方向に移動させるステッピングモータ2と、スピンドルモータ1およびステッピングモータ2の動作を制御するモータドライバIC11と、光ピックアップ3に備えられたレーザ光出力部の出力を制御するレーザドライバIC13と、これらを含む装置全体を制御する制御部30とから構成される。
【0025】
モータドライバIC11およびレーザドライバIC13は樹脂等でドライバ回路がパッケージングされたモールド素子で形成されている。このモータドライバIC11の表面に温度センサ21を配置し、レーザドライバIC13の表面に温度センサ23を配置している。これら温度センサ21、23は、モータドライバIC11およびレーザドライバIC13の表面温度を検知し、この検知温度に応じた温度検出信号を出力する。
【0026】
このような温度センサ21,23としては、サーミスタや熱電対等のように、検知した温度により出力電圧や出力電流が異なる素子を用いる。例えば、サーミスタを用いる場合、このサーミスタをドライバICの表面に接触させる。サーミスタは、検知した温度に応じて抵抗値が変化するので、検知温度に応じた大きさの電流を温度検知信号として出力する。なお、温度センサ21,23としては、サーミスタや熱電対の他に、検知した温度により、出力信号の大きさが変化する素子を利用したものを用いてもよい。
【0027】
これら温度センサ21,23はスイッチ(SW)24に接続しており、このスイッチ(SW)24は制御部30に接続している。
【0028】
スイッチ(SW)24は、制御部30からの切換信号により、光ディスク再生時には制御部30と温度センサ21とを接続するように切り換え、光ディスク記録時には制御部30と温度センサ23とを接続するように切り換える。
【0029】
制御部30は、モータドライバIC11およびレーザドライバIC13に対して、光ディスク再生動作および光ディスク記録動作等を制御するとともに、装置全体の動作を制御する。また、制御部30は、温度センサ21または温度センサ23からの温度検知信号を観測し、この温度検知信号に応じてモータドライバIC11およびレーザドライバIC13を制御する。
【0030】
ここで、光ディスク装置は、上述のように、一般的に、再生時には記録時よりも回転数を高速化し、低いレーザ光出力で光ディスクの記録面に記録されたデータを読み出し、記録時には再生時よりも回転数を低速化し、高いレーザ光出力で光ディスクの記録面にデータを記録する。すなわち、再生時にはモータを制御するモータドライバIC11の負荷が増加するが、レーザ光を制御するレーザドライバIC13の負荷は軽減する。一方、記録時にはレーザ光を制御するレーザドライバIC13の負荷が増加するが、モータを制御するモータドライバIC11の負荷は軽減する。
【0031】
このため、上述のように制御部30は、再生時にモータドライバIC11に設置された温度センサ21の温度検知信号を観測し、記録時にレーザドライバIC13に設けられた温度センサ23の温度検知信号を観測する。
【0032】
次に、温度検知信号を入力した場合の装置の制御について図2を参照して説明する。なお、以下の説明では、抵抗値の温度特性が負特性、すなわち、検知温度が増加するに応じて抵抗値が低下するサーミスタを用いた例を示す。
【0033】
図2は、本装置のおけるドライバICの温度を検知して各部の制御を行うフローを示したフローチャートである。
ユーザが、図示していないリモコン等の操作部により再生操作入力を行うと(s1)、スイッチ24は制御部30と、モータドライバIC11に設置された温度センサ21とを接続する。温度センサ21は、モータドライバIC11の温度に応じた温度検知信号をスイッチ24を介して制御部30に出力する。この温度検知信号の電流値は、サーミスタの抵抗温度特性が負特性であるので、検知温度が高温になると大きくなり、検知温度が低温になると小さくなる。
【0034】
制御部30は、高速再生制御を行うとともに、温度検知信号を入力して、この信号に応じた温度を常時観測する(s2→s3→s4)。ここで、制御部30は、低速再生制御を行うための高温側の第1の閾値と、高速再生制御を行うための低温側の第3の閾値とを記憶している。なお、これら閾値は次のように設定されており、例えば、第1の閾値はモータドライバIC11の動作保証温度に対応し、第3の閾値はモータドライバIC11の動作保証温度よりも所定温度低い特定の動作安定温度に対応する。
【0035】
次に、観測された温度が第1の閾値以上となると、制御部30はモータドライバIC11に低速再生制御を行う。すなわち、制御部30は、光ディスク100のセクタを検知して、再生中のセクタが終了すれば、モータドライバIC11にスピンドルモータ1の回転数を低下させる(s5→s6→s7)。そして、この回転数が安定したどうかを監視し、安定すれば、その回転数(低速回転)で再生を継続する(s8→s9)。このようにスピンドルモータ1を低速回転させることにより、モータドライバIC11の負荷が低減して、発熱量を抑制することができる。これにより、モータドライバIC11が所定値以上の温度になることが抑制され、誤動作の発生を防止することができる。
【0036】
上述のように低速再生制御を行った後も、ユーザから再生停止操作入力が行われるまで、制御部30は温度の観測を継続する(s10→s3→s4)。
【0037】
そして、観測温度が第1の閾値よりも低く、第3の閾値よりも高ければ、スピンドルモータは低速で回転し続け、モータドライバIC11の温度を低下させる(s5→s11→s3)。
【0038】
次に、観測温度が第3の閾値以下になると、制御部30はモータドライバIC11に高速再生制御を行う。すなわち、制御部30は、光ディスク100のセクタを検知して、再生中のセクタが終了すれば、モータドライバIC11にスピンドルモータ1の回転数を高くさせる(s11→s12→s13)。そして、この回転数が安定したどうかを監視し、安定すれば、その回転数(高速回転)で再生を継続する(s14→s15)。これにより、モータドライバIC11がスピンドルモータの回転速度を低速再生制御する前と同じ回転数まで高くすることで、回転数の低下を必要最小限に抑えることができる。
【0039】
上述のモータドライバIC11の温度を検知してスピンドルモータ1の回転速度を制御する動作は、再生停止操作入力が行われるまでは、光ディスク再生中、常時行われる(s10→s3→s4)。これにより、誤動作の生じない範囲で高速に光ディスクの再生を行うことができる。
【0040】
次に、ユーザがリモコン等を用いて光ディスク記録操作入力を行うと(s1→s21)、スイッチ24は、制御部30と、レーザドライバIC13に設置された温度センサ23とを接続する。温度センサ23は、レーザドライバIC13の温度に応じた温度検知信号をスイッチ24を介して制御部30に出力する。
【0041】
制御部30は、高速記録制御を行うとともに、温度検知信号を入力して、この信号に応じた温度を常時観測する(s22→s23→s24)。制御部30には、低速記録制御を行うための高温側の第2の閾値と、高速記録制御を行うための低温側の第4の閾値とを記憶している。これらの閾値は次のように設定されており、例えば第2の閾値はレーザドライバIC13の動作保証温度に対応し、第4の閾値はレーザドライバIC13の動作保証温度よりも所定温度低い特定の動作安定温度に対応する。
【0042】
次に、観測された温度が第2の閾値以上となると、制御部30はレーザドライバIC13とモータドライバIC11とに低速記録制御を行う。すなわち、制御部30は、光ディスク100のセクタを検知して、記録中のセクタが終了すれば、モータドライバIC11にスピンドルモータ1の回転数を低下させるとともに、レーザドライバIC13にレーザ光出力を低下させる(s25→s26→s27)。そして、この回転数、およびレーザ光出力が安定したどうかを監視し、安定すれば、その回転数(低速回転)およびその出力(低出力)で記録を継続する(s28→s29)。このように、レーザ光出力を低下させることにより、レーザドライバIC13の負荷が低減して、発熱量を抑制することができる。これにより、レーザドライバIC13が所定値以上の温度になることが抑制され、誤動作の発生を防止することができる。
【0043】
上述のように低速記録制御を行った後も、ユーザから記録停止操作入力が行われるまで、制御部30は温度の観測を継続する(s30→s23→s24)。
【0044】
そして、観測温度が第2の閾値よりも低く、第4の閾値よりも高ければ、レーザ光出力は低いままに制御され、レーザドライバIC13の温度を低下させる(s25→s31→s23)。
【0045】
次に、観測温度が低温側の第4の閾値以下になると、制御部30はレーザドライバIC13とモータドライバIC11とに高速記録制御を行う。すなわち、制御部30は、光ディスク100のセクタを検知して、記録中のセクタが終了すれば、モータドライバIC11にスピンドルモータ1の回転数を高くさせるとともに、レーザドライバIC13の出力を高くする(s31→s32→s33)。そして、この回転数および出力が安定したどうかを監視し、安定すれば、その回転数(高速回転)で、その出力(高出力)で記録を継続する(s34→s35)。このように、レーザドライバIC13はレーザ光出力を低速記録制御する前の状態にまで高くし、これと同時に、モータドライバIC11はスピンドルモータの回転速度を低速記録制御する前と同じ回転数まで高くする。この制御を行うことで、回転数の低下によりデータの記録が遅くなることを必要最小限に抑えることができる。
【0046】
上述のレーザドライバIC13の温度を検知して、光ピックアップ3のレーザ光出力を制御する動作と、スピンドルモータ1の回転速度を制御する動作とは、光ディスク記録中、常時行われる。これにより、誤動作の生じない範囲で高速に光ディスクの記録を行うことができる。
【0047】
なお、上述の説明では、光ディスク記録時にレーザドライバICの温度が閾値以上になると、レーザ光出力を低下させるとともに、スピンドルモータの回転速度を低下させた。しかし、光ディスク記録時にレーザドライバICの温度が閾値以上になると、レーザ光出力を停止して、レーザドライバICの温度を低下させてもよい。
【0048】
このような構成とすることで、光ディスクの再生時、記録時ともに、モータドライバICおよびレーザドライバICの発熱による誤動作を防止することができる。
【0049】
また、温度センサをモータドライバICやレーザドライバIC内に組み込むことなく、温度検知することができるので、新規に温度センサを内蔵したドライバICを作製して用いる必要がなく、従来のドライバICをそのまま利用することができる。
【0050】
さらに、再生時と記録時とで温度検知するドライバICを切り換えることにより、従来から備えられている温度検知用端子一つで、最適に温度検知できるので、温度検知用端子を二つ備えたICを新規に作製して用いることなく、既存のICを利用することができる。
【0051】
【発明の効果】
この発明によれば、光ディスク再生時にモータドライバICの温度を常時観測し、この観測温度が閾値に達するとスピンドルモータの回転速度を低下させることにより、光ディスク再生を行いながら、モータドライバICの温度を低下させて、熱による誤動作を防止することができる。
【0052】
また、この発明によれば、光ディスク再生時に回転速度を低下させた後も、常時、モータードライバICの温度を観測し、この観測温度が所定の閾値以下になると、スピンドルモータの回転速度を高くすることにより、誤動作を防止しながら可能な限り高速に光ディスクの再生を行うことができる。
【0053】
また、この発明によれば、光ディスク記録時にレーザドライバICの温度を常時観測し、この観測信号が所定の閾値に達すると、レーザ光出力を停止させるか、レーザ光出力を低減させることにより、レーザドライバICの温度を低下させて、熱による誤動作を防止することができる。
【0054】
また、この発明によれば、光ディスク記録時にレーザ光出力を停止したり、レーザ光出力を低下させた後も、レーザドライバICの温度を常時観測し、この観測温度が所定の閾値以下になると、レーザ光出力を再開するか、レーザ光出力を高くすることにより、誤動作を防止しながら可能な限り高速に光ディスクの記録を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光ディスク装置の概要構成図
【図2】本発明に係る光ディスク装置における、各ドライバICの温度制御を行うフローチャート
【符号の説明】
1−スピンドルモータ
2−ステッピングモータ
3−光ピックアップ
11−モータドライバIC
13−レーザドライバIC
21,23−温度センサ
24−スイッチ(SW)
30−制御部
【発明の属する技術分野】
この発明は、DVD等の光ディスクのデータの記録再生を行う光ディスク装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
パソコン等の情報処理装置には、光ディスクに記録されたデータの再生のみを行う光ディスク再生装置や、光ディスクに記録されたデータの再生を行う機能と、光ディスクへのデータの記録を行う機能とを備える光ディスク記録再生装置が搭載されている(以下、光ディスク再生装置と光ディスク再生記録装置とを、単に「光ディスク装置」という。)。
【0003】
このような光ディスク装置の再生時には、スピンドルモータで光ディスクを回転させながら、該光ディスク表面にレーザ光を照射し、その反射光を受光することにより、光ディスクに記録されているデータを読み出す。また、記録時には、スピンドルモータで光ディスクを回転させながら、該光ディスク表面に再生時よりも高出力のレーザ光を照射することで、データを書き込む。
【0004】
光ディスク装置は、これが搭載されるパソコン等の情報処理能力の向上に伴い、高速読み取りおよび高速書き込み化が進んでいる。これにより、スピンドルモータの回転速度が高速化し、レーザ光出力も高出力化している。
【0005】
このように、スピンドルモータが高速化することにより、該スピンドルモータを制御するモータドライバICの負荷も増加して発熱量が大きくなる。
また、レーザ光が高出力化することにより、該レーザ光を制御するレーザドライバICの負荷も増加して発熱量が大きくなる。
これらのドライバICにはそれぞれに熱に対する許容量(動作保証温度)があり、許容量を超えることによりドライバICが異常動作(誤動作)する可能性があるので、各ドライバICに温度センサを内蔵して、各ドライバICの温度センサからの出力を観測する光ディスク装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−14781号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の光ディスク装置では、ドライバICに内蔵された温度センサにより検知された検知信号に基づいて、スピンドルモータの動作制御を行っていない。例えば、スピンドルモータ用ドライバICが高温になっても特に降温させる制御を行っていないため、熱による誤動作が生じる可能性が大きくなる。
【0008】
また、従来の光ディスク装置は、光ピックアップ部のレーザ光出力を制御するレーザドライバICについては温度の検知を行っていない。しかし、光ディスクにデータを記録する光ディスク記録再生装置においては、データの記録時に、レーザ光出力を再生時よりも高くするため、レーザドライバICの負荷が増加して、発熱量も増加する。さらに、最近では、上述のように、光ディスクへの記録処理も高速化されており、記録時の光ディスクの回転数も高速になっているため、これに応じてレーザ光も高出力化している。これにより、レーザドライバICにはさらに高負荷がかかり、発熱量も増加する。
【0009】
このように、発熱量が増加するとレーザドライバIC自身の温度も高くなり、所定の閾値(動作保証温度)を超えると、誤動作を生じる可能性がある。
【0010】
この発明の目的は、モータドライバICとレーザドライバICとの温度を観測して、所定温度以上にならない制御を行うことで、各ドライバICにおける熱による誤動作が生じることを防止する光ディスク装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明の光ディスク装置は、スピンドルモータの回転を制御するモータドライバICの温度を検知して、検知温度に応じた検知信号を出力する第1の温度センサと、光ピックアップのレーザ光出力を制御するレーザドライバICの温度を検知して、検知温度に応じた検知信号を出力する第2の温度センサと、データ再生時には、第1の温度センサからの検知信号に基づいた検知温度が第1の閾値以上となった場合にモータドライバICにスピンドルモータの回転速度を低下させてデータ再生を継続させる低速再生制御を行い、データ記録時には、第2の温度センサからの検知信号に基づいた検知温度が第2の閾値以上となった場合にモータドライバICにスピンドルモータの回転速度を低下させるとともにレーザドライバICにレーザ光出力を低減させてデータ記録を継続させる低速記録制御を行う制御手段と、を備えたことを特徴としている。
【0012】
この構成では、光ディスク装置は、光ディスクに記録されているデータを再生する際に、モータドライバICの表面に配置された温度センサからの温度検知信号により、常時、モータドライバICの温度を観測する。そして、温度検知信号に基づいて、モータドライバICの動作保証温度に応じて予め設定された所定の閾値(第1の閾値)に検知温度が達すると、光ディスクの再生を行いながらスピンドルモータの回転速度を低下させ、モータドライバICの温度を低下させる。一方、光ディスクにデータを記録する際に、レーザドライバICの表面に設置された温度センサからの温度検知信号により、常時、レーザドライバICの温度を観測する。そして、温度検知信号に基づいて、レーザドライバICの動作保証温度に応じて予め設定された所定の閾値(第2の閾値)に検知温度が達すると、レーザ光出力を低下させることにより、光ディスクへの記録を行いながらレーザドライバICの温度を低下させる。
【0013】
また、この発明の光ディスク装置は、データ記録時のレーザ光出力低減状態で、第2の温度センサからの検知信号に基づいた検出温度が第4の閾値以下になった場合にレーザ光出力を高くするとともにスピンドルモータの回転速度を高くすることを特徴としている。
【0014】
この構成では、光ディスク装置は、データ記録時に上述の方法でレーザ光出力を低下させた後も、常時、レーザドライバICの温度を検知信号により観測し続ける。そして、この検知信号に基づいて、レーザドライバICの安定動作温度に応じて設定された所定の閾値(第4の閾値)以下に検出温度が達すると、スピンドルモータの回転速度を高くするとともにレーザ光の出力を高くして、低速記録から高速記録に切り換える。
【0015】
また、この発明の光ディスク装置は、スピンドルモータの回転を制御するモータドライバICの温度を検知して、検知温度に応じた検知信号を出力する第1の温度センサと、光ピックアップのレーザ光出力を制御するレーザドライバICの温度を検知して、検知温度に応じた検知信号を出力する第2の温度センサと、データ再生時には、第1の温度センサからの検知信号に基づいた検知温度が第1の閾値以上となった場合に前記モータドライバICにスピンドルモータの回転速度を低下させてデータ再生を継続させる低速再生制御を行い、データ記録時には、第2の温度センサからの検知信号に基づいた検知温度が第2の閾値以上となった場合にレーザドライバICにレーザ光出力を停止させてデータ記録を中断させる記録中断制御を行う制御手段と、を備えたことを特徴としている。
【0016】
この構成では、光ディスク装置は、光ディスクに記録されているデータを再生する際に、モータドライバICの表面に配置された温度センサからの温度検知信号により、常時、モータドライバICの温度を観測する。そして、温度検知信号に基づいて、モータドライバICの動作保証温度に応じて予め設定された所定の閾値(第1の閾値)に検知温度が達すると、光ディスクの再生を行いながらスピンドルモータの回転速度を低下させ、モータドライバICの温度を低下させる。一方、光ディスクにデータを記録する際に、レーザドライバICの表面に設置された温度センサからの温度検知信号により、常時、レーザドライバICの温度を観測する。そして、温度検知信号に基づいて、レーザドライバICの動作保証温度に応じて予め設定された所定の閾値(第2の閾値)に検知温度が達すると、レーザ光出力を停止させることにより、レーザドライバICの温度を低下させる。
【0017】
また、この発明の光ディスク装置は、データ記録時のレーザ光出力停止状態で、第2の温度センサからの検知信号に基づいて、検知温度が第4の閾値以下となった場合にレーザ光出力を再開させることを特徴としている。
【0018】
この構成では、光ディスク装置は、データ記録時に上述の方法でレーザ光の出力を停止した後も、常時、レーザドライバICの温度を検知信号により観測し続ける。そして、この検知信号に基づいて、レーザドライバICの安定動作温度に応じて設定された所定の閾値(第4の閾値)以下に検出温度が達すると、レーダ光の出力を再開するして、高速記録を行う。
【0019】
また、この発明の光ディスク装置は、低速再生制御状態であって、第1の温度センサからの検知信号に基づいた検知温度が第1の閾値よりも低温の第3の閾値以下となった場合に、モータドライバICにスピンドルモータの回転速度を高くさせることを特徴としている。
【0020】
この構成では、光ディスク装置は、上述の方法で回転速度を低下させて再生を継続させた後も、常時、モータードライバICの温度を検知信号により観測し続ける。そして、この検知信号に基づいて、モータドライバICが安定動作する温度に応じて設定された所定の閾値(第3の閾値)以下に検知温度が達すると、スピンドルモータの回転速度を高くし、低速再生から高速再生へ切り換える。
【0021】
また、この発明の光ディスク装置は、第1の温度センサからの検出信号と第2の温度センサからの検出信号とを入力して、データ再生時には第1の温度センサからの検出信号を選択し、データ記録時には第2の温度センサからの検出信号を選択して、制御手段に出力する選択手段を備えたことを特徴としている。
【0022】
この構成では、選択手段で、データ再生時にはモータドライバICの温度を検知する第1の温度センサからの検出信号を選択し、データ記録時にはレーザドライバICの温度を検知する第2の温度センサからの検出信号を選択して制御手段に出力することで、制御手段は温度検出信号を入力する端子を二つ設けなくても、上述のように一端子で再生時、記録時ともに温度監視を行う。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態に係る光ディスク装置について、図を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る光ディスク装置の主要部を示す概略構成図である。
【0024】
図1に示すように、本発明に係る光ディスク装置は、光ディスク100を保持して回転させるスピンドルモータ1と、光ディスク100の記録面にレーザ光を照射し、その反射光を受光することで、光ディスク100に記録されているデータを読み出す光ピックアップ3と、該光ピックアップ3を光ディスク100の径方向に移動させるステッピングモータ2と、スピンドルモータ1およびステッピングモータ2の動作を制御するモータドライバIC11と、光ピックアップ3に備えられたレーザ光出力部の出力を制御するレーザドライバIC13と、これらを含む装置全体を制御する制御部30とから構成される。
【0025】
モータドライバIC11およびレーザドライバIC13は樹脂等でドライバ回路がパッケージングされたモールド素子で形成されている。このモータドライバIC11の表面に温度センサ21を配置し、レーザドライバIC13の表面に温度センサ23を配置している。これら温度センサ21、23は、モータドライバIC11およびレーザドライバIC13の表面温度を検知し、この検知温度に応じた温度検出信号を出力する。
【0026】
このような温度センサ21,23としては、サーミスタや熱電対等のように、検知した温度により出力電圧や出力電流が異なる素子を用いる。例えば、サーミスタを用いる場合、このサーミスタをドライバICの表面に接触させる。サーミスタは、検知した温度に応じて抵抗値が変化するので、検知温度に応じた大きさの電流を温度検知信号として出力する。なお、温度センサ21,23としては、サーミスタや熱電対の他に、検知した温度により、出力信号の大きさが変化する素子を利用したものを用いてもよい。
【0027】
これら温度センサ21,23はスイッチ(SW)24に接続しており、このスイッチ(SW)24は制御部30に接続している。
【0028】
スイッチ(SW)24は、制御部30からの切換信号により、光ディスク再生時には制御部30と温度センサ21とを接続するように切り換え、光ディスク記録時には制御部30と温度センサ23とを接続するように切り換える。
【0029】
制御部30は、モータドライバIC11およびレーザドライバIC13に対して、光ディスク再生動作および光ディスク記録動作等を制御するとともに、装置全体の動作を制御する。また、制御部30は、温度センサ21または温度センサ23からの温度検知信号を観測し、この温度検知信号に応じてモータドライバIC11およびレーザドライバIC13を制御する。
【0030】
ここで、光ディスク装置は、上述のように、一般的に、再生時には記録時よりも回転数を高速化し、低いレーザ光出力で光ディスクの記録面に記録されたデータを読み出し、記録時には再生時よりも回転数を低速化し、高いレーザ光出力で光ディスクの記録面にデータを記録する。すなわち、再生時にはモータを制御するモータドライバIC11の負荷が増加するが、レーザ光を制御するレーザドライバIC13の負荷は軽減する。一方、記録時にはレーザ光を制御するレーザドライバIC13の負荷が増加するが、モータを制御するモータドライバIC11の負荷は軽減する。
【0031】
このため、上述のように制御部30は、再生時にモータドライバIC11に設置された温度センサ21の温度検知信号を観測し、記録時にレーザドライバIC13に設けられた温度センサ23の温度検知信号を観測する。
【0032】
次に、温度検知信号を入力した場合の装置の制御について図2を参照して説明する。なお、以下の説明では、抵抗値の温度特性が負特性、すなわち、検知温度が増加するに応じて抵抗値が低下するサーミスタを用いた例を示す。
【0033】
図2は、本装置のおけるドライバICの温度を検知して各部の制御を行うフローを示したフローチャートである。
ユーザが、図示していないリモコン等の操作部により再生操作入力を行うと(s1)、スイッチ24は制御部30と、モータドライバIC11に設置された温度センサ21とを接続する。温度センサ21は、モータドライバIC11の温度に応じた温度検知信号をスイッチ24を介して制御部30に出力する。この温度検知信号の電流値は、サーミスタの抵抗温度特性が負特性であるので、検知温度が高温になると大きくなり、検知温度が低温になると小さくなる。
【0034】
制御部30は、高速再生制御を行うとともに、温度検知信号を入力して、この信号に応じた温度を常時観測する(s2→s3→s4)。ここで、制御部30は、低速再生制御を行うための高温側の第1の閾値と、高速再生制御を行うための低温側の第3の閾値とを記憶している。なお、これら閾値は次のように設定されており、例えば、第1の閾値はモータドライバIC11の動作保証温度に対応し、第3の閾値はモータドライバIC11の動作保証温度よりも所定温度低い特定の動作安定温度に対応する。
【0035】
次に、観測された温度が第1の閾値以上となると、制御部30はモータドライバIC11に低速再生制御を行う。すなわち、制御部30は、光ディスク100のセクタを検知して、再生中のセクタが終了すれば、モータドライバIC11にスピンドルモータ1の回転数を低下させる(s5→s6→s7)。そして、この回転数が安定したどうかを監視し、安定すれば、その回転数(低速回転)で再生を継続する(s8→s9)。このようにスピンドルモータ1を低速回転させることにより、モータドライバIC11の負荷が低減して、発熱量を抑制することができる。これにより、モータドライバIC11が所定値以上の温度になることが抑制され、誤動作の発生を防止することができる。
【0036】
上述のように低速再生制御を行った後も、ユーザから再生停止操作入力が行われるまで、制御部30は温度の観測を継続する(s10→s3→s4)。
【0037】
そして、観測温度が第1の閾値よりも低く、第3の閾値よりも高ければ、スピンドルモータは低速で回転し続け、モータドライバIC11の温度を低下させる(s5→s11→s3)。
【0038】
次に、観測温度が第3の閾値以下になると、制御部30はモータドライバIC11に高速再生制御を行う。すなわち、制御部30は、光ディスク100のセクタを検知して、再生中のセクタが終了すれば、モータドライバIC11にスピンドルモータ1の回転数を高くさせる(s11→s12→s13)。そして、この回転数が安定したどうかを監視し、安定すれば、その回転数(高速回転)で再生を継続する(s14→s15)。これにより、モータドライバIC11がスピンドルモータの回転速度を低速再生制御する前と同じ回転数まで高くすることで、回転数の低下を必要最小限に抑えることができる。
【0039】
上述のモータドライバIC11の温度を検知してスピンドルモータ1の回転速度を制御する動作は、再生停止操作入力が行われるまでは、光ディスク再生中、常時行われる(s10→s3→s4)。これにより、誤動作の生じない範囲で高速に光ディスクの再生を行うことができる。
【0040】
次に、ユーザがリモコン等を用いて光ディスク記録操作入力を行うと(s1→s21)、スイッチ24は、制御部30と、レーザドライバIC13に設置された温度センサ23とを接続する。温度センサ23は、レーザドライバIC13の温度に応じた温度検知信号をスイッチ24を介して制御部30に出力する。
【0041】
制御部30は、高速記録制御を行うとともに、温度検知信号を入力して、この信号に応じた温度を常時観測する(s22→s23→s24)。制御部30には、低速記録制御を行うための高温側の第2の閾値と、高速記録制御を行うための低温側の第4の閾値とを記憶している。これらの閾値は次のように設定されており、例えば第2の閾値はレーザドライバIC13の動作保証温度に対応し、第4の閾値はレーザドライバIC13の動作保証温度よりも所定温度低い特定の動作安定温度に対応する。
【0042】
次に、観測された温度が第2の閾値以上となると、制御部30はレーザドライバIC13とモータドライバIC11とに低速記録制御を行う。すなわち、制御部30は、光ディスク100のセクタを検知して、記録中のセクタが終了すれば、モータドライバIC11にスピンドルモータ1の回転数を低下させるとともに、レーザドライバIC13にレーザ光出力を低下させる(s25→s26→s27)。そして、この回転数、およびレーザ光出力が安定したどうかを監視し、安定すれば、その回転数(低速回転)およびその出力(低出力)で記録を継続する(s28→s29)。このように、レーザ光出力を低下させることにより、レーザドライバIC13の負荷が低減して、発熱量を抑制することができる。これにより、レーザドライバIC13が所定値以上の温度になることが抑制され、誤動作の発生を防止することができる。
【0043】
上述のように低速記録制御を行った後も、ユーザから記録停止操作入力が行われるまで、制御部30は温度の観測を継続する(s30→s23→s24)。
【0044】
そして、観測温度が第2の閾値よりも低く、第4の閾値よりも高ければ、レーザ光出力は低いままに制御され、レーザドライバIC13の温度を低下させる(s25→s31→s23)。
【0045】
次に、観測温度が低温側の第4の閾値以下になると、制御部30はレーザドライバIC13とモータドライバIC11とに高速記録制御を行う。すなわち、制御部30は、光ディスク100のセクタを検知して、記録中のセクタが終了すれば、モータドライバIC11にスピンドルモータ1の回転数を高くさせるとともに、レーザドライバIC13の出力を高くする(s31→s32→s33)。そして、この回転数および出力が安定したどうかを監視し、安定すれば、その回転数(高速回転)で、その出力(高出力)で記録を継続する(s34→s35)。このように、レーザドライバIC13はレーザ光出力を低速記録制御する前の状態にまで高くし、これと同時に、モータドライバIC11はスピンドルモータの回転速度を低速記録制御する前と同じ回転数まで高くする。この制御を行うことで、回転数の低下によりデータの記録が遅くなることを必要最小限に抑えることができる。
【0046】
上述のレーザドライバIC13の温度を検知して、光ピックアップ3のレーザ光出力を制御する動作と、スピンドルモータ1の回転速度を制御する動作とは、光ディスク記録中、常時行われる。これにより、誤動作の生じない範囲で高速に光ディスクの記録を行うことができる。
【0047】
なお、上述の説明では、光ディスク記録時にレーザドライバICの温度が閾値以上になると、レーザ光出力を低下させるとともに、スピンドルモータの回転速度を低下させた。しかし、光ディスク記録時にレーザドライバICの温度が閾値以上になると、レーザ光出力を停止して、レーザドライバICの温度を低下させてもよい。
【0048】
このような構成とすることで、光ディスクの再生時、記録時ともに、モータドライバICおよびレーザドライバICの発熱による誤動作を防止することができる。
【0049】
また、温度センサをモータドライバICやレーザドライバIC内に組み込むことなく、温度検知することができるので、新規に温度センサを内蔵したドライバICを作製して用いる必要がなく、従来のドライバICをそのまま利用することができる。
【0050】
さらに、再生時と記録時とで温度検知するドライバICを切り換えることにより、従来から備えられている温度検知用端子一つで、最適に温度検知できるので、温度検知用端子を二つ備えたICを新規に作製して用いることなく、既存のICを利用することができる。
【0051】
【発明の効果】
この発明によれば、光ディスク再生時にモータドライバICの温度を常時観測し、この観測温度が閾値に達するとスピンドルモータの回転速度を低下させることにより、光ディスク再生を行いながら、モータドライバICの温度を低下させて、熱による誤動作を防止することができる。
【0052】
また、この発明によれば、光ディスク再生時に回転速度を低下させた後も、常時、モータードライバICの温度を観測し、この観測温度が所定の閾値以下になると、スピンドルモータの回転速度を高くすることにより、誤動作を防止しながら可能な限り高速に光ディスクの再生を行うことができる。
【0053】
また、この発明によれば、光ディスク記録時にレーザドライバICの温度を常時観測し、この観測信号が所定の閾値に達すると、レーザ光出力を停止させるか、レーザ光出力を低減させることにより、レーザドライバICの温度を低下させて、熱による誤動作を防止することができる。
【0054】
また、この発明によれば、光ディスク記録時にレーザ光出力を停止したり、レーザ光出力を低下させた後も、レーザドライバICの温度を常時観測し、この観測温度が所定の閾値以下になると、レーザ光出力を再開するか、レーザ光出力を高くすることにより、誤動作を防止しながら可能な限り高速に光ディスクの記録を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光ディスク装置の概要構成図
【図2】本発明に係る光ディスク装置における、各ドライバICの温度制御を行うフローチャート
【符号の説明】
1−スピンドルモータ
2−ステッピングモータ
3−光ピックアップ
11−モータドライバIC
13−レーザドライバIC
21,23−温度センサ
24−スイッチ(SW)
30−制御部
Claims (8)
- 光ディスクのデータの再生、記録を行う光ディスク装置において、
スピンドルモータの回転を制御するモータドライバICの温度を検知して、検知温度に応じた検知信号を出力する第1の温度センサと、
光ピックアップのレーザ光出力を制御するレーザドライバICの温度を検知して、検知温度に応じた検知信号を出力する第2の温度センサと、
前記第1の温度センサからの検出信号と前記第2の温度センサからの検出信号とを入力して、データ再生時には前記第1の温度センサからの検出信号を選択し、データ記録時には前記第2の温度センサからの検出信号を選択して、制御手段に出力する選択手段と、
データ再生時には、前記第1の温度センサからの前記検知信号に基づいた検知温度が第1の閾値以上となった場合に前記モータドライバICに前記スピンドルモータの回転速度を低下させてデータ再生を継続させる低速再生制御を行い、データ記録時には、前記第2の温度センサからの前記検知信号に基づいた検知温度が第2の閾値以上となった場合に前記モータドライバICに前記スピンドルモータの回転速度を低下させるとともに前記レーザドライバICに前記レーザ光出力を低減させてデータ記録を継続させる低速記録制御を行い、
さらに、前記低速再生制御状態であって、前記第1の温度センサからの検知信号に基づいた検知温度が前記第1の閾値よりも低温の第3の閾値以下となった場合に、前記モータドライバICに前記スピンドルモータの回転速度を高くさせる高速再生制御を行い、前記低速記録制御状態であって、前記第2の温度センサからの検知信号に基づいた検知温度が前記第2の閾値よりも低温の第4の閾値以下となった場合に、前記レーザドライバICに前記レーザ光出力を高くさせるとともに、前記モータドライバICに前記スピンドルモータの回転速度を高くさせてデータ記録を継続させる高速記録制御をおこなう制御手段と、を備えたことを特徴とする光ディスク装置。 - 光ディスクのデータの再生、記録を行う光ディスク装置において、
スピンドルモータの回転を制御するモータドライバICの温度を検知して、検知温度に応じた検知信号を出力する第1の温度センサと、
光ピックアップのレーザ光出力を制御するレーザドライバICの温度を検知して、検知温度に応じた検知信号を出力する第2の温度センサと、
前記第1の温度センサからの検出信号と前記第2の温度センサからの検出信号とを入力して、データ再生時には前記第1の温度センサからの検出信号を選択し、データ記録時には前記第2の温度センサからの検出信号を選択して、制御手段に出力する選択手段と、
データ再生時には、前記第1の温度センサからの前記検知信号に基づいた検知温度が第1の閾値以上となった場合に前記モータドライバICに前記スピンドルモータの回転速度を低下させてデータ再生を継続させる低速再生制御を行い、データ記録時には、前記第2の温度センサからの前記検知信号に基づいた検知温度が第2の閾値以上となった場合に前記レーザドライバICに前記レーザ光出力を停止させてデータ記録を中断させる記録中断制御を行い、
さらに、前記低速再生制御状態であって、前記第1の温度センサからの検知信号に基づいた検知温度が前記第1の閾値よりも低温の第3の閾値以下となった場合に、前記モータドライバICに前記スピンドルモータの回転速度を高くさせる高速再生制御を行い、前記低速記録制御状態であって、前記第2の温度センサからの検知信号に基づいた検知温度が前記第2の閾値よりも低温の第4の閾値以下となった場合に、前記レーザドライバICに前記レーザ光出力を再開させることでデータ記録を再開させる制御手段と、を備えたことを特徴とする光ディスク装置。 - 光ディスクのデータの再生、記録を行う光ディスク装置において、
スピンドルモータの回転を制御するモータドライバICの温度を検知して、検知温度に応じた検知信号を出力する第1の温度センサと、
光ピックアップのレーザ光出力を制御するレーザドライバICの温度を検知して、検知温度に応じた検知信号を出力する第2の温度センサと、
データ再生時には、前記第1の温度センサからの前記検知信号に基づいた検知温度が第1の閾値以上となった場合に前記モータドライバICに前記スピンドルモータの回転速度を低下させてデータ再生を継続させる低速再生制御を行い、データ記録時には、前記第2の温度センサからの前記検知信号に基づいた検知温度が第2の閾値以上となった場合に前記モータドライバICに前記スピンドルモータの回転速度を低下させるとともに前記レーザドライバICに前記レーザ光出力を低減させてデータ記録を継続させる低速記録制御を行う制御手段と、を備えたことを特徴とする光ディスク装置。 - 前記制御手段は、前記低速記録制御状態であって、前記第2の温度センサからの検知信号に基づいた検知温度が前記第2の閾値よりも低温の第4の閾値以下となった場合に、前記レーザドライバICに前記レーザ光出力を高くさせるとともに、前記モータドライバICに前記スピンドルモータの回転速度を高くさせてデータ記録を継続させる請求項3に記載の光ディスク装置。
- 光ディスクのデータの再生、記録を行う光ディスク装置において、
スピンドルモータの回転を制御するモータドライバICの温度を検知して、検知温度に応じた検知信号を出力する第1の温度センサと、
光ピックアップのレーザ光出力を制御するレーザドライバICの温度を検知して、検知温度に応じた検知信号を出力する第2の温度センサと、
データ再生時には、前記第1の温度センサからの前記検知信号に基づいた検知温度が第1の閾値以上となった場合に前記モータドライバICに前記スピンドルモータの回転速度を低下させてデータ再生を継続させる低速再生制御を行い、データ記録時には、前記第2の温度センサからの前記検知信号に基づいた検知温度が第2の閾値以上となった場合に前記レーザドライバICに前記レーザ光出力を停止させてデータ記録を中断させる記録中断制御を行う制御手段と、を備えたことを特徴とする光ディスク装置。 - 前記制御手段は、前記記録中断制御状態であって、前記第2の温度センサからの検知信号に基づいた検知温度が前記第2の閾値よりも低温の第4の閾値以下となった場合に、前記レーザドライバICに前記レーザ光出力を再開させることでデータ記録を再開させる請求項5に記載の光ディスク装置。
- 前記制御手段は、前記低速再生制御状態であって、前記第1の温度センサからの検知信号に基づいた検知温度が前記第1の閾値よりも低温の第3の閾値以下となった場合に、前記モータドライバICに前記スピンドルモータの回転速度を高くさせる高速再生制御を行う請求項3〜6のいずれかに記載の光ディスク装置。
- 前記第1の温度センサからの検出信号と前記第2の温度センサからの検出信号とを入力して、データ再生時には前記第1の温度センサからの検出信号を選択し、データ記録時には前記第2の温度センサからの検出信号を選択して、前記制御手段に出力する選択手段を備えた請求項3〜7のいずれかに記載の光ディスク装置。
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JP2008507078A (ja) * | 2004-07-19 | 2008-03-06 | コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ | 光記憶システムの温度管理方法およびシステム |
JP2015138570A (ja) * | 2014-01-24 | 2015-07-30 | 東芝アルパイン・オートモティブテクノロジー株式会社 | 故障診断装置 |
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2003
- 2003-05-07 JP JP2003128557A patent/JP2004334965A/ja active Pending
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JP2015138570A (ja) * | 2014-01-24 | 2015-07-30 | 東芝アルパイン・オートモティブテクノロジー株式会社 | 故障診断装置 |
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