JP2004333027A - 空調装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】水素高圧タンク21とは別に、水素吸蔵合金MH1、MH2が充てんされた容器40、50を設ける。そして、容器40、50の内部を水素供給経路22における高圧部位に接続すると、容器内の水素吸蔵合金に水素が吸蔵され発熱する。一方、容器の内部を水素供給経路22における低圧部位に接続すると、容器内の水素吸蔵合金から水素が放出され吸熱する。したがって、燃料電池10が水素消費中であっても、水素吸蔵合金MH1、MH2の発熱・吸熱特性を利用して冷房および暖房をともに行うことができる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水素を消費する水素消費機器を備える水素利用システムに搭載される空調装置に関するもので、水素を燃料とする車両に好適である。
【0002】
【従来の技術】
従来、水素利用システムとして、例えば水素を燃料として走行する車両があり、この種の車両においては、水素の貯蔵手段として例えば水素吸蔵合金が用いられる。水素吸蔵合金はその特性として、水素を吸蔵する時は発熱し、水素を放出する時は吸熱する。そして、この水素吸蔵合金の特性を利用して、走行時の水素消費(放出)に伴う水素吸蔵合金の低温化(吸熱)を利用して車内を冷房する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−186711号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来装置においては、水素消費中は水素吸蔵合金は水素を放出するのみであるため、水素を放出する時の吸熱特性を利用して冷房は行うことは可能であるが、暖房はできないという問題があった。
【0005】
本発明は上記の点に鑑みてなされたもので、水素を消費する水素消費機器を備える水素利用システムに搭載される空調装置において、水素消費機器が水素消費中であっても、水素吸蔵合金の発熱・吸熱特性を利用して冷房および暖房をともに行えるようにすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、水素を高圧状態で蓄える高圧タンク(21)と、水素を消費する水素消費機器(10)と、高圧タンク(21)内の水素を水素消費機器(10)に導く水素供給経路(22)とを備える水素利用システムに搭載される空調装置であって、水素を吸蔵・放出する水素吸蔵合金が充てんされた容器(40、50)と、容器(40、50)の内部を、水素供給経路(22)における高圧部位と低圧部位に選択的に接続させることが可能な接続切替手段(13〜16、210、310、320)と、水素吸蔵合金が水素を吸蔵・放出する際の発熱・吸熱反応を利用して、室内の空気を加熱・冷却する熱交換手段(40、50、540)とを備えることを特徴とする。
【0007】
これによると、容器の内部を水素供給経路における高圧部位に接続することにより、容器内の水素吸蔵合金に水素が吸蔵される。一方、容器の内部を水素供給経路における低圧部位に接続することにより、容器内の水素吸蔵合金から水素が放出される。換言すると、水素を高圧状態で蓄える高圧タンクとは別に、水素吸蔵合金が充てんされた容器を設けることにより、水素消費機器が水素消費中であっても水素吸蔵合金に水素を吸蔵・放出させることができる。したがって、水素消費機器が水素消費中であっても、水素吸蔵合金の発熱・吸熱特性を利用して冷房および暖房をともに行うことができる。
【0008】
また、水素の圧力エネルギを利用して水素吸蔵合金に水素の吸蔵・放出を行わせ、水素吸蔵合金から放出された水素は水素消費機器にて消費させるため、空調装置としては水素を消費することなく冷暖房を行うことができる。
【0009】
請求項2に記載の発明では、水素を高圧状態で蓄える高圧タンク(21)と、水素を消費する水素消費機器(10)と、高圧タンク(21)内の水素を水素消費機器(10)に導く水素供給経路(22)とを備える水素利用システムに搭載される空調装置であって、水素供給経路(22)に配置されて水素供給経路(22)を開閉する開閉弁(12)と、水素を吸蔵・放出する水素吸蔵合金が充てんされた容器(40、50)と、容器(40、50)の内部を、水素供給経路(22)における開閉弁(12)よりも上流側の高圧部位と下流側の低圧部位に選択的に接続させることが可能な接続切替手段(13〜16、210、310、320)と、水素吸蔵合金が水素を吸蔵・放出する際の発熱・吸熱反応を利用して、室内の空気を加熱・冷却する熱交換手段(40、50、540)とを備えることを特徴とする。
【0010】
これによると、開閉弁を閉弁状態にすることにより水素供給経路に高圧部位と低圧部位を設けることができ、容器の内部を高圧部位と低圧部位に選択的に接続させることにより、水素吸蔵合金に水素を吸蔵・放出させることができる。したがって、請求項1の発明と同様の効果を得ることができる。
【0011】
請求項3に記載の発明では、水素を高圧状態で蓄える高圧タンク(21)と、水素を消費する水素消費機器(10)と、高圧タンク(21)内の水素を水素消費機器(10)に導く水素供給経路(22)とを備える水素利用システムに搭載される空調装置であって、水素供給経路(22)に配置され、高圧タンク(21)から水素消費機器(10)に導かれる水素を減圧する減圧弁(24)と、水素を吸蔵・放出する水素吸蔵合金が充てんされた容器(40、50)と、容器(40、50)の内部を、水素供給経路(22)における減圧弁(24)よりも上流側の高圧部位と下流側の低圧部位に選択的に接続させることが可能な接続切替手段(13〜16)と、水素吸蔵合金が水素を吸蔵・放出する際の発熱・吸熱反応を利用して、室内の空気を加熱・冷却する熱交換手段(40、50)とを備えることを特徴とする。
【0012】
これによると、容器の内部を減圧弁よりも上流側の高圧部位と下流側の低圧部位に選択的に接続させることにより、水素吸蔵合金に水素を吸蔵・放出させることができる。したがって、請求項1の発明と同様の効果を得ることができる。
【0013】
請求項4に記載の発明では、水素を高圧状態で蓄える高圧タンク(21)と、水素を消費する水素消費機器(10)と、高圧タンク(21)内の水素を水素消費機器(10)に導く水素供給経路(22)とを備える水素利用システムに搭載される空調装置であって、水素供給経路(22)に配置され、高圧タンク(21)から供給される水素を第1設定圧力に減圧する第1減圧弁(23)と、第1減圧弁(23)よりも下流側の水素供給経路(22)に配置され、第1減圧弁(23)で減圧された水素を第2設定圧力までさらに減圧する第2減圧弁(24)と、水素を吸蔵・放出する水素吸蔵合金が充てんされた容器(40、50)と、容器(40、50)の内部を、第1減圧弁(23)よりも下流側の水素供給経路(22)における高圧部位と低圧部位に選択的に接続させることが可能な接続切替手段(13〜16、210、310、320)と、水素吸蔵合金が水素を吸蔵・放出する際の発熱・吸熱反応を利用して、室内の空気を加熱・冷却する熱交換手段(40、50、540)とを備えることを特徴とする。
【0014】
これによると、第1減圧弁よりも下流側の水素供給経路における高圧部位と低圧部位に選択的に接続させることにより、水素吸蔵合金に水素を吸蔵・放出させることができる。したがって、請求項1の発明と同様の効果を得ることができる。
【0015】
請求項5に記載の発明では、水素吸蔵合金は、実使用状態での温度範囲におけるプラトー圧が、第1設定圧力よりも低く、且つ、第2設定圧力よりも高く設定されていることを特徴とする。
【0016】
これによると、実使用状態での温度範囲において、確実に水素吸蔵合金に水素を吸蔵・放出させることができる。
【0017】
請求項6に記載の発明では、容器を複数個備えることを特徴とする。これによると、熱負荷に応じて容器の使用本数を制御することにより、冷暖房能力を容易に調整することができる。
【0018】
また、請求項7に記載の発明のように、一部の容器の内部を高圧部位に接続しているときには、残りの容器の内部を低圧部位に接続することにより、複数の容器に交互に吸蔵・放出させて、連続して冷房または暖房を行うことができる。
【0019】
請求項8に記載の発明では、水素吸蔵合金として、同一温度におけるプラトー圧が異なる複数種類の水素吸蔵合金を用いることを特徴とする。
【0020】
ところで、プラトー圧は温度によって変化する。そのため、温度上昇によりプラトー圧が高圧部位の圧力以上になると水素吸蔵合金に水素を吸蔵させることができなくなり、一方、温度低下によりプラトー圧が低圧部位の圧力以下になると水素吸蔵合金から水素を放出させることができなくなる。
【0021】
これに対し、請求項8の発明によると、高温環境下では高温に適した水素吸蔵合金が主に機能し、低温環境下では低温に適した水素吸蔵合金が主に機能するため、使用環境温度を拡大させることができる。
【0022】
請求項9に記載の発明のように、熱交換手段は、容器(40、50)の外部に装着したフィン(40a、50a)を有し、容器(40、50)の外部を室内の空気が通過するように構成することができる。
【0023】
請求項10に記載の発明では、熱交換手段は、水素吸蔵合金が水素を吸蔵・放出する際の発熱・吸熱により液体を加熱・冷却し、この液体を熱交換器(540)に流通させて液体と室内の空気との間で熱交換させることを特徴とする。
【0024】
これによると、万が一水素吸蔵合金容器から水素が洩れだしても、室内へは水素は放出されないため、安全面で有利である。
【0025】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0026】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
本実施形態は、本発明に係る空調装置を、水素を燃料とする燃料電池自動車に適用したものである。図1は本実施形態の全体構成を示す模式図、図2は空調装置の通風系を示す模式図である。
【0027】
図1において、燃料電池自動車は、水素と酸素の電気化学反応により発電を行う燃料電池10を備え、燃料電池10で発電した電気により図示しない電動機を作動させ、電動機により駆動力を得て走行するものである。なお、燃料電池10は本発明の水素消費機器に相当し、燃料電池自動車は本発明の水素利用システムに相当する。
【0028】
高圧タンク21内には水素が約30MPaの高圧状態で蓄えられ、この水素は、水素供給経路22を介して燃料電池10に導かれる。この水素供給経路22には、第1開閉弁11、第1減圧弁23、第2開閉弁12、および第2減圧弁24が、高圧タンク21(上流側)から燃料電池10(下流側)に沿って順に配置されている。
【0029】
第1開閉弁11および第2開閉弁12は、水素供給経路22を開閉するものである。第1減圧弁23および第2減圧弁24は、高圧タンク21の水素を減圧して燃料電池10に供給するものである。具体的には、第1減圧弁23は、第1減圧弁23と第2開閉弁12との間の圧力を第1設定圧力P1まで減圧し、第2減圧弁24は、第2減圧弁24の下流側の圧力を第2設定圧力P2までさらに減圧する。因みに、P1>P2である。
【0030】
水素供給経路22には、第2開閉弁12をバイパスするバイパス経路30が接続されている。このバイパス経路30は、第1減圧弁23と第2開閉弁12との間から分岐し、第2開閉弁12と第2減圧弁24との間に合流している。また、このバイパス経路30は、途中で第1バイパス経路31と第2バイパス経路32に分かれている。
【0031】
第1バイパス経路31には、第1バイパス経路31を開閉する第3開閉弁13、水素を吸蔵・放出する第1水素吸蔵合金MH1を充てんした第1容器40、および第1バイパス経路31を開閉する第4開閉弁14が、上流側から下流側に沿って順に配置されている。第1容器40の外部にはフィン40aが装着されている。
【0032】
第2バイパス経路32には、第2バイパス経路32を開閉する第5開閉弁15、水素を吸蔵・放出する第2水素吸蔵合金MH2を充てんした第2容器50、および第2バイパス経路32を開閉する第6開閉弁16が、上流側から下流側に沿って順に配置されている。第2容器50の外部にはフィン50aが装着されている。
【0033】
なお、第3〜第6開閉弁13〜16は、本発明の接続切替手段を構成するものである。また、第1容器40および第2容器50は、本発明の熱交換手段を兼ねている。
【0034】
図2に示すように、空調装置60は、内気または外気を車室内に導く空気通路61が形成された空調ケース62を備えている。この空調ケース62は、車室内に設置されている。空気通路61は途中で第1空気通路61aと第2空気通路61bに分かれており、第1空気通路61aには第1容器40が配置され、第2空気通路61bには第2容器50が配置されている。
【0035】
空気通路61における、第1空気通路61aおよび第2空気通路61bよりも空気流れ上流側には、空気通路61に空気流を発生させるファン63が配置されている。空気通路61における、第1空気通路61aおよび第2空気通路61bよりも空気流れ下流側には、第1空気通路61aおよび第2空気通路61bを開閉するダンパ64が回動自在に配置されている。
【0036】
なお、ダンパ64により閉められている側の冷熱のこもりが問題になるときは、図15に示す変形例のように、2つのダンパ65、66を用意し、一方は車室内、他方は車室外と交互に流通できるようにしても良い。
【0037】
第1容器40および第2容器50内の各水素吸蔵合金MH1、MH2は、水素を吸蔵する時は発熱し、水素を放出する時は吸熱する特性を有する。そして、その水素吸蔵放出特性は、一般に図3に示すような水素圧力との相関を持つ。図3において、今、A点から水素圧力を増加させて行くと、吸蔵時プラトー圧PAの点で、水素吸蔵量は増加して行くが圧力は水素が吸収されるので上昇せずほぼ一定の値となる。水素吸蔵合金がその吸蔵能力まで水素を貯めると圧力は再び上昇しB点に至る。次に、この状態から圧力を下げてくると水素吸蔵合金中の水素が十分に放出されるまで放出時プラトー圧PDで再び安定する。
【0038】
ここで、PA>PDであり、このようなヒステリシスを一般に水素吸蔵合金は有している。また、吸蔵時プラトー圧PAおよび放出時プラトー圧PDは、その水素吸蔵合金の温度によって変化し、温度が高くなれば吸蔵時プラトー圧PAおよび放出時プラトー圧PDの値も高くなる。以下、本明細書では、吸蔵時プラトー圧PAと放出時プラトー圧PDとの平均値を、単に「プラトー圧」という。
【0039】
なお、実使用状態での温度範囲における各水素吸蔵合金MH1、MH2のプラトー圧を、第1減圧弁23の第1設定圧力P1よりも低く、且つ、第2減圧弁24の第2設定圧力P2よりも高く設定している。これにより、実使用状態での温度範囲において、各水素吸蔵合金MH1、MH2に確実に水素を吸蔵・放出させることができる。
【0040】
図3において、NLは水素吸蔵合金の実用的な最低吸蔵量、NHは水素吸蔵合金の実用的な最高吸蔵量である。ここで、「実用的な」とは、使用環境において許容できる時間で吸蔵もしくは放出できる、と言う意味である。また、PLは最低吸蔵量NLに対応する最低吸蔵時水素圧力、PHは最高吸蔵量NHに対応する最高吸蔵時水素圧力である。
【0041】
本実施例では、各水素吸蔵合金MH1、MH2としてLaNi5を用い、最高吸蔵時水素圧力PH=0.8MPa、最低吸蔵時水素圧力PL=0.15MPa、使用環境温度30℃とし、さらに、第1減圧弁23の第1設定圧力P1を最高吸蔵時水素圧力PHにセットし、第2減圧弁24の第2設定圧力P2を最低吸蔵時水素圧力PLにセットして、図1の構成により第1容器40および第2容器50からの発熱(温度上昇)、吸熱(温度低下)を確認した。
【0042】
次に、上記構成になる装置の作動について説明する。
【0043】
まず、第1容器40内の第1水素吸蔵合金MH1は水素を最高吸蔵量NHまで吸蔵した状態(以下、水素満状態という)、第2容器50内の第2水素吸蔵合金MH2は水素を最低吸蔵量NLまで放出した状態(以下、水素空状態という)にあるとして説明する。
【0044】
第1開閉弁11および第2開閉弁12がともに開で、第3〜第6開閉弁13〜16がいずれも閉の状態を、以下、基準作動状態という。そして、基準作動状態では、水素は高圧タンク21から燃料電池10に供給され、燃料電池10はその水素と酸素の電気化学反応により発電を行う。
【0045】
この基準作動状態から、第2開閉弁12を閉、第4開閉弁14および第5開閉弁15を開とすると、第1容器40内が水素供給経路22における低圧部位に接続されるため、第1水素吸蔵合金MH1から水素が放出されてその水素が燃料電池10へ供給される。この水素放出により、第1容器40および第1水素吸蔵合金MH1は温度が低下する。一方、第2容器50内は水素供給経路22における高圧部位に接続されるため、第2水素吸蔵合金MH2は高圧タンク21からの水素を吸蔵する。この水素吸蔵により、第2容器50および第2水素吸蔵合金MH2は温度が上昇する。
【0046】
そして、ダンパ64が図2の実線位置にある場合、すなわち第1空気通路61aが開の場合は、空気通路61を通過する空気は、低温になった第1容器40により冷却されて車室内に吹き出される。一方、ダンパ64が図2の一点鎖線位置にある場合、すなわち第2空気通路61bが開の場合は、空気通路61を通過する空気は、高温になった第2容器50により加熱されて車室内に吹き出される。
【0047】
発生冷熱量は水素吸蔵放出量に比例するので、必要に応じて第2開閉弁12、第4開閉弁14および第5開閉弁15の開閉状態を切り換えて、燃料電池10への水素供給を維持しつつ発生冷熱量を制御する。
【0048】
ある時間が経過すると、第1水素吸蔵合金MH1は水素空状態に近づくとともに、第2水素吸蔵合金MH2は水素満状態に近づいて、十分な冷熱を発生しなくなるので、その時点で第4開閉弁14および第5開閉弁15を閉、第3開閉弁13および第6開閉弁16を開にする。こうすることで先の動作とは反対に、第1容器40が高温に、第2容器50が低温となる。このように、冷熱源が入れ替わるので、ダンパ64が図2の実線位置にある場合空気は加熱され、ダンパ64が図2の一点鎖線位置にある場合空気は冷却される。
【0049】
以上のような作動を実施することで、空調装置としては水素を消費することなく、冷熱を車両へ供給することができる。
【0050】
次に、上記構成になる装置の制御手順について、図4〜図10に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0051】
まず、図4に示すメインルーチンにて、各水素吸蔵合金MH1、MH2の状態判定と冷熱要求判定を行い、その判定結果に従って、図5〜図10に示す1〜6のサブルーチンを実行する。
【0052】
図4において、車室内の冷房または暖房の要求がない場合は(ステップS10がNO)、制御を終了する。車室内の冷房または暖房の要求がある場合は(ステップS10がYES)、第1〜第6開閉弁11〜16を前述した基準作動状態に設定する(ステップS11)。
【0053】
次に、第1水素吸蔵合金MH1が水素満状態か水素空状態かを判定するために、第1および第2開閉弁11、12を閉、第3開閉弁13を開とする(ステップS12)。これにより、第1減圧弁23の2次側の現在の圧力Pが、第1減圧弁23の2次側の0.2秒前の圧力P’よりも、判定値dp(本例では0.1MPa)以上低下すれば、第1水素吸蔵合金MH1が水素空状態であると推定して、水素空状態を示すフラグEを設定し、一方、第1減圧弁23の2次側の現在の圧力Pが、第1減圧弁23の2次側の0.2秒前の圧力P’よりも、判定値dp以上低下していなければ、第1水素吸蔵合金MH1が水素満状態であると推定して、水素満状態を示すフラグFを設定する(ステップS13)。
【0054】
次に、第1および第2開閉弁11、12を開、第3開閉弁13を閉にし(ステップS14)、すなわち第1〜第6開閉弁11〜16を基準作動状態に戻し、その状態を0.2秒間維持する(ステップS15)。
【0055】
次に、第2水素吸蔵合金MH2が水素満状態か水素空状態かを判定するために、第1および第2開閉弁11、12を閉、第5開閉弁15を開とする(ステップS16)。これにより、第1減圧弁23の2次側の現在の圧力Pが、第1減圧弁23の2次側の0.2秒前の圧力P’よりも、0.1MPa以上低下すれば、第2水素吸蔵合金MH2が水素空状態であると推定して、水素空状態を示すフラグEを設定し、一方、第1減圧弁23の2次側の現在の圧力Pが、第1減圧弁23の2次側の0.2秒前の圧力P’よりも、0.1MPa以上低下していなければ、第2水素吸蔵合金MH2が水素満状態であると推定して、水素満状態を示すフラグFを設定する(ステップS17)。
【0056】
次に、第1および第2開閉弁11、12を開、第5開閉弁15を閉にし(ステップS18)、第1〜第6開閉弁11〜16を基準作動状態に戻す。
【0057】
なお、各水素吸蔵合金MH1、MH2の状態が以前の運転で決まっていれば、上記した各水素吸蔵合金MH1、MH2の状態判定を行うステップは飛ばして良い。
【0058】
次に、冷風が要求されている場合には(ステップS19がYES)、車室に冷風が吹き出されるようにダクト64を冷風吹出モード位置に切り替え(ステップS20)、さらに、各水素吸蔵合金MH1、MH2の状態に基づいて冷風発生が可能なサブルーチンを選択する(ステップS21)。ここで、冷風要求にもかかわらず各水素吸蔵合金MH1、MH2が共に水素空状態にあると冷風を発生できないので、機能不全(Fault)としてプログラムを終了する。
【0059】
一方、温風が要求されている場合には(ステップS19がNO)、車室に温風が吹き出されるようにダクト64を温風吹出モード位置に切り替え(ステップS22)、さらに、各水素吸蔵合金MH1、MH2の状態に基づいて温風発生が可能なサブルーチンを選択する(ステップS23)。ここで、温風要求にもかかわらず各水素吸蔵合金MH1、MH2が共に水素満状態にあると温風を発生できないので、機能不全(Fault)としてプログラムを終了する。
【0060】
次に、図5〜図10に示す1〜6のサブルーチンについて説明する。なお、フローチャート中の各水素吸蔵合金MH1、MH2の温度判定部分では、その都度各水素吸蔵合金MH1、MH2の温度を測定するものとする。また、各サブルーチン1〜6では、各水素吸蔵合金MH1、MH2の温度が必要以上に低下もしくは上昇しないように、各水素吸蔵合金MH1、MH2の温度を、低温側第1設定温度Tlow1と低温側第2設定温度Tlow2との間、あるいは、高温側第1設定温度Thigh1と高温側第2設定温度Thigh2の間で管理する。ここでは、低温側第1設定温度Tlow1=30℃、低温側第2設定温度Tlow2=10℃、高温側第1設定温度Thigh1=30℃、高温側第2設定温度Thigh2=60℃とした。
【0061】
最初に、代表的なルーチンであるルーチン3について図7に基づいて説明する。ルーチン3の初期は、第1水素吸蔵合金MH1は水素空状態、第2水素吸蔵合金MH2は水素満状態で、冷風を要求されている。
【0062】
まず、第2開閉弁12を閉、第6開閉弁16を開として(ステップS301)、水素満状態の第2水素吸蔵合金MH2から水素を放出させ、第2容器50および第2水素吸蔵合金MH2の温度を低下させる。放出された水素は、水素供給経路22における第2開閉弁12と第2減圧弁24との間に流入した後、燃料電池10に導かれる。
【0063】
そして、第2水素吸蔵合金MH2の温度が低温側第2設定温度Tlow2よりも低ければ(ステップS302がYES)、第2開閉弁12を開、第6開閉弁16を閉として(ステップS303)、燃料電池10への水素供給を維持しつつ、第2水素吸蔵合金MH2の水素放出を停止して過冷却を抑制する。
【0064】
この状態を5秒間維持した後(ステップS304)、第2開閉弁12を閉、第6開閉弁16を開として(ステップS301)、再度第2水素吸蔵合金MH2の温度を低温側第2設定温度Tlow2と比較する(ステップS302)。第2水素吸蔵合金MH2の温度が低温側第2設定温度Tlow2よりも高くなると(ステップS302がNO)、次に第2水素吸蔵合金MH2の温度を低温側第1設定温度Tlow1と比較する(ステップS305)。
【0065】
第2水素吸蔵合金MH2の温度が低温側第1設定温度Tlow1よりも高ければ(ステップS305がYES)、第2水素吸蔵合金MH2の熱応答性を考慮して30秒待った後(ステップS306)、再度第2水素吸蔵合金MH2の温度を低温側第1設定温度Tlow1と比較する(ステップS307)。
【0066】
そして、依然として第2水素吸蔵合金MH2の温度が低温側第1設定温度Tlow1よりも高ければ(ステップS307がYES)、第2水素吸蔵合金MH2はこれ以上水素を放出できない、つまり水素空状態になったと推定して、第2水素吸蔵合金MH2のフラグを「E」、第2開閉弁12を開、第6開閉弁16を閉とする(ステップS308)。この時点で後述の第1水素吸蔵合金MH1を水素満状態にするための処理(ステップS321〜328)が終了していなければ、第1水素吸蔵合金MH1のフラグを「F」、第3開閉弁13を閉として強制終了させた後(ステップS309)、メインルーチンに戻る。
【0067】
一方、第1水素吸蔵合金MH1を水素満状態にし次の冷風発生を準備するために、上述のステップS301〜309の処理と並行して以下の処理(ステップS321〜328)が実行される。
【0068】
まず、第3開閉弁13を開として(ステップS321)、第1水素吸蔵合金MH1に水素を吸蔵させる。ここで第1水素吸蔵合金MH1は昇温を開始するのでその温度状態を次のステップで管理する。まず、第1水素吸蔵合金MH1の温度が高温側第1設定温度Thigh1より低ければ(ステップS322がNO)、10秒待つ(ステップS323)。そして、10秒経過後も依然として第1水素吸蔵合金MH1の温度が高温側第1設定温度Thigh1より低ければ(ステップS324がNO)、第1水素吸蔵合金MH1は水素を吸蔵できない、つまり水素満状態になったと推定して、第1水素吸蔵合金MH1のフラグを「F」にするとともに第3開閉弁13を閉とし(ステップS325)、ルーチンを終了する。
【0069】
上記ステップS322およびステップS324のうち何れかのステップでYESと判定された場合、すなわち、第1水素吸蔵合金MH1の温度が高温側第1設定温度Thigh1より高い場合は、次に第1水素吸蔵合金MH1の温度を高温側第2設定温度Thigh2と比較する(ステップS326)。そして、第1水素吸蔵合金MH1の温度が高温側第2設定温度Thigh2よりも高ければ、第3開閉弁13を閉として過昇温を抑制し(ステップS327)、20秒待った後(ステップS328)、再度ステップS321に戻る。
【0070】
次に、ルーチン2について図6に基づいて説明する。ルーチン2の初期は、第1水素吸蔵合金MH1は水素満状態、第2水素吸蔵合金MH2は水素空状態で、冷風を要求されている。
【0071】
まず、第2開閉弁12を閉、第4開閉弁14を開として(ステップS201)、水素満状態の第1水素吸蔵合金MH1から水素を放出させ、第1容器40および第1水素吸蔵合金MH1の温度を低下させる。
【0072】
そして、第1水素吸蔵合金MH1の温度が低温側第2設定温度Tlow2よりも低ければ(ステップS202がYES)、第2開閉弁12を開、第4開閉弁14を閉として(ステップS203)、燃料電池10への水素供給を維持しつつ、第1水素吸蔵合金MH1の水素放出を停止して過冷却を抑制する。
【0073】
この状態を5秒間維持した後(ステップS204)、第2開閉弁12を閉、第4開閉弁14を開として(ステップS201)、再度第1水素吸蔵合金MH1の温度を低温側第2設定温度Tlow2と比較する(ステップS202)。第1水素吸蔵合金MH1の温度が低温側第2設定温度Tlow2よりも高くなると(ステップS202がNO)、次に第1水素吸蔵合金MH1の温度を低温側第1設定温度Tlow1と比較する(ステップS205)。
【0074】
第1水素吸蔵合金MH1の温度が低温側第1設定温度Tlow1よりも高ければ(ステップS205がYES)、第1水素吸蔵合金MH1の熱応答性を考慮して30秒待った後(ステップS206)、再度第1水素吸蔵合金MH1の温度を低温側第1設定温度Tlow1と比較する(ステップS207)。
【0075】
そして、依然として第1水素吸蔵合金MH1の温度が低温側第1設定温度Tlow1よりも高ければ(ステップS207がYES)、第1水素吸蔵合金MH1はこれ以上水素を放出できない、つまり水素空状態になったと推定して、第1水素吸蔵合金MH1のフラグを「E」、第2開閉弁12を開、第4開閉弁14を閉とする(ステップS208)。この時点で後述の第2水素吸蔵合金MH2を水素満状態にするための処理(ステップS221〜228)が終了していなければ、第2水素吸蔵合金MH2のフラグを「F」、第5開閉弁15を閉として強制終了させた後(ステップS209)、メインルーチンに戻る。
【0076】
一方、第2水素吸蔵合金MH2を水素満状態にし次の冷風発生を準備するために、上述のステップS201〜209の処理と並行して以下の処理(ステップS221〜228)が実行される。
【0077】
まず、第5開閉弁15を開として(ステップS221)、第2水素吸蔵合金MH2に水素を吸蔵させる。ここで第2水素吸蔵合金MH2は昇温を開始するのでその温度状態を次のステップで管理する。まず、第2水素吸蔵合金MH2の温度が高温側第1設定温度Thigh1より低ければ(ステップS222がNO)、10秒待つ(ステップS223)。そして、10秒経過後も依然として第2水素吸蔵合金MH2の温度が高温側第1設定温度Thigh1より低ければ(ステップS224がNO)、第2水素吸蔵合金MH2は水素を吸蔵できない、つまり水素満状態になったと推定して、第2水素吸蔵合金MH2のフラグを「F」にするとともに第5開閉弁15を閉とし(ステップS225)、ルーチンを終了する。
【0078】
上記ステップS222およびステップS224のうち何れかのステップでYESと判定された場合、すなわち、第2水素吸蔵合金MH2の温度が高温側第1設定温度Thigh1より高い場合は、次に第2水素吸蔵合金MH2の温度を高温側第2設定温度Thigh2と比較する(ステップS226)。そして、第2水素吸蔵合金MH2の温度が高温側第2設定温度Thigh2よりも高ければ、第5開閉弁15を閉として過昇温を抑制し(ステップS227)、20秒待った後(ステップS228)、再度ステップS221に戻る。
【0079】
次に、ルーチン1について図5に基づいて説明する。ルーチン1の初期は、第1水素吸蔵合金MH1および第2水素吸蔵合金MH2ともに水素満状態で、冷風を要求されている。冷風を発生させるにあたり、第1水素吸蔵合金MH1および第2水素吸蔵合金MH2の何れを用いてもよいが、ここでは第1水素吸蔵合金MH1を使用することとする。
【0080】
まず、第2開閉弁12を閉、第4開閉弁14を開として(ステップS101)、水素満状態の第1水素吸蔵合金MH1から水素を放出させ、第1容器40および第1水素吸蔵合金MH1の温度を低下させる。
【0081】
そして、第1水素吸蔵合金MH1の温度が低温側第1設定温度Tlow1よりも高ければ(ステップS102がNO)、第1水素吸蔵合金MH1の熱応答性を考慮して30秒待った後(ステップS103)、再度第1水素吸蔵合金MH1の温度を低温側第1設定温度Tlow1と比較する(ステップS104)。
【0082】
通常状態であればここで第1水素吸蔵合金MH1の温度は低温側第1設定温度Tlow1よりも低くなるので、次に冷えすぎないように第1水素吸蔵合金MH1の温度を低温側第2設定温度Tlow2と比較する(ステップS105)。もし第1水素吸蔵合金MH1の温度が低温側第2設定温度Tlow2よりも低ければ(ステップS105がYES)、第2開閉弁12を開、第4開閉弁14を閉として(ステップS106)、燃料電池10への水素供給を維持しつつ、第1水素吸蔵合金MH1の水素放出を停止して過冷却を抑制する。そして、30秒経過後(ステップS107)、再びステップS101に戻る。
【0083】
最終的には第1水素吸蔵合金MH1の温度が低温側第1設定温度Tlow1よりも高くなった時点で(ステップS104がNO)、第1水素吸蔵合金MH1のフラグを「E」、第2開閉弁12を開、第4開閉弁14を閉として(ステップS108)、メインルーチンに戻る。
【0084】
次に、ルーチン4について図8に基づいて説明する。ルーチン4の初期は、第1水素吸蔵合金MH1および第2水素吸蔵合金MH2ともに水素空状態で、温風を要求されている。温風を発生させるにあたり、第1水素吸蔵合金MH1および第2水素吸蔵合金MH2の何れを用いてもよいが、ここでは第1水素吸蔵合金MH1を使用することとする。
【0085】
まず、第3開閉弁13を開として(ステップS401)、第1水素吸蔵合金MH1に水素を吸蔵させ、第1容器40および第1水素吸蔵合金MH1の温度を上昇させる。そして、第1水素吸蔵合金MH1の温度が高温側第1設定温度Thigh1よりも低ければ(ステップS402がNO)、第1水素吸蔵合金MH1の熱応答性を考慮して30秒待った後(ステップS403)、再度第1水素吸蔵合金MH1の温度を高温側第1設定温度Thigh1と比較する(ステップS104)。
【0086】
通常状態であればここで第1水素吸蔵合金MH1の温度は高温側第1設定温度Thigh1よりも高くなるので、次に加熱しすぎないように第1水素吸蔵合金MH1の温度を高温側第2設定温度Thigh2と比較する(ステップS405)。もし第1水素吸蔵合金MH1の温度が高温側第2設定温度Thigh2よりも高ければ(ステップS405がYES)、第3開閉弁13を閉とし(ステップS406)、第1水素吸蔵合金MH1の水素吸蔵を停止して過昇温を抑制する。そして、20秒経過後(ステップS107)、再びステップS401に戻る。
【0087】
最終的には第1水素吸蔵合金MH1の温度が高温側第1設定温度Thigh1よりも低くなった時点で(ステップS404がNO)、第1水素吸蔵合金MH1のフラグを「F」、第3開閉弁13を閉として(ステップS408)、メインルーチンへ戻る。
【0088】
次に、ルーチン5について図9に基づいて説明する。ルーチン5の初期は、第1水素吸蔵合金MH1は水素空状態、第2水素吸蔵合金MH2は水素満状態で、温風を要求されている。
【0089】
まず、第3開閉弁13を開として(ステップS501)、第1水素吸蔵合金MH1に水素を吸蔵させ、第1容器40および第1水素吸蔵合金MH1の温度を上昇させる。そして、第1水素吸蔵合金MH1の温度が高温側第2設定温度Thigh2よりも高ければ(ステップS502がYES)、第3開閉弁13を閉として(ステップS503)、第1水素吸蔵合金MH1の水素吸蔵を停止して過昇温を抑制する。
【0090】
この状態を5秒間維持した後(ステップS504)、第3開閉弁13を開として(ステップS501)、再度第1水素吸蔵合金MH1の温度を高温側第2設定温度Thigh2と比較する(ステップS502)。第1水素吸蔵合金MH1の温度が高温側第2設定温度Thigh2よりも低くなると(ステップS502がNO)、次に第1水素吸蔵合金MH1の温度を低温側第1設定温度Tlow1と比較する(ステップS505)。
【0091】
第1水素吸蔵合金MH1の温度が高温側第1設定温度Thigh1よりも低ければ(ステップS505がNO)、第1水素吸蔵合金MH1の熱応答性を考慮して20秒待った後(ステップS506)、再度第1水素吸蔵合金MH1の温度を高温側第1設定温度Thigh1と比較する(ステップS507)。
【0092】
そして、依然として第1水素吸蔵合金MH1の温度が高温側第1設定温度Thigh1よりも低ければ(ステップS507がNO)、第1水素吸蔵合金MH1はこれ以上水素を吸蔵できない、すなわち水素満状態になったと推定して、第1水素吸蔵合金MH1のフラグを「F」、第3開閉弁13を閉とする(ステップS508)。この時点で後述の第2水素吸蔵合金MH2を水素空状態にするための処理(ステップS521〜528)が終了していなければ、第2水素吸蔵合金MH2のフラグを「E」、第2開閉弁12を開、第6開閉弁16を閉として強制終了させた後(ステップS509)、メインルーチンに戻る。
【0093】
一方、第2水素吸蔵合金MH2を水素空状態にし次の温風発生を準備するために、上述のステップS501〜509の処理と並行して以下の処理(ステップS521〜528)が実行される。
【0094】
まず、第2開閉弁12を閉、第6開閉弁16を開として(ステップS521)、第2水素吸蔵合金MH2から水素を放出させる。放出された水素は、水素供給経路22における第2開閉弁12と第2減圧弁24との間に流入した後、燃料電池10に導かれる。したがって、第2開閉弁12が閉であっても、燃料電池10への水素供給が維持される。
【0095】
ここで第2水素吸蔵合金MH2は冷却を開始するのでその温度状態を次のステップで管理する。まず、第2水素吸蔵合金MH2の温度が低温側第1設定温度Tlow1より高ければ(ステップS522がNO)、10秒待つ(ステップS523)。そして、10秒経過後も依然として第2水素吸蔵合金MH2の温度が低温側第1設定温度Tlow1より高ければ(ステップS524がNO)、第2水素吸蔵合金MH2は水素を放出できない、つまり水素空状態になったと推定して、第2水素吸蔵合金MH2のフラグを「E」、第2開閉弁12を開、第6開閉弁16を閉とし(ステップS525)、ルーチンを終了する。
【0096】
上記ステップS522およびステップS524のうち何れかのステップでYESと判定された場合、すなわち、第2水素吸蔵合金MH2の温度が低温側第1設定温度Tlow1より低い場合は、次に第2水素吸蔵合金MH2の温度を低温側第2設定温度Tlow2と比較する(ステップS526)。そして、第2水素吸蔵合金MH2の温度が低温側第2設定温度Tlow2よりも低ければ、第2開閉弁12を開、第6開閉弁16を閉として過冷却を抑制し(ステップS527)、20秒待った後(ステップS528)、再度ステップS521に戻る。
【0097】
次に、ルーチン6について図10に基づいて説明する。ルーチン6の初期は、第1水素吸蔵合金MH1は水素満状態、第2水素吸蔵合金MH2は水素空状態で、温風を要求されている。
【0098】
まず、第5開閉弁15を開として(ステップS601)、第2水素吸蔵合金MH2に水素を吸蔵させ、第2容器50および第2水素吸蔵合金MH2の温度を上昇させる。そして、第2水素吸蔵合金MH2の温度が高温側第2設定温度Thigh2よりも高ければ(ステップS602がYES)、第5開閉弁15を閉として(ステップS603)、第2水素吸蔵合金MH2の水素吸蔵を停止して過昇温を抑制する。
【0099】
この状態を5秒間維持した後(ステップS604)、第5開閉弁15を開として(ステップS601)、再度第2水素吸蔵合金MH2の温度を高温側第2設定温度Thigh2と比較する(ステップS602)。第2水素吸蔵合金MH2の温度が高温側第2設定温度Thigh2よりも低くなると(ステップS602がNO)、次に第2水素吸蔵合金MH2の温度を低温側第1設定温度Tlow1と比較する(ステップS605)。
【0100】
第2水素吸蔵合金MH2の温度が高温側第1設定温度Thigh1よりも低ければ(ステップS605がNO)、第2水素吸蔵合金MH2の熱応答性を考慮して20秒待った後(ステップS606)、再度第2水素吸蔵合金MH2の温度を高温側第1設定温度Thigh1と比較する(ステップS607)。
【0101】
そして、依然として第2水素吸蔵合金MH2の温度が高温側第1設定温度Thigh1よりも低ければ(ステップS607がNO)、第2水素吸蔵合金MH2はこれ以上水素を吸蔵できない、すなわち水素満状態になったと推定して、第2水素吸蔵合金MH2のフラグを「F」、第5開閉弁15を閉とする(ステップS608)。この時点で後述の第1水素吸蔵合金MH1を水素空状態にするための処理(ステップS621〜628)が終了していなければ、第1水素吸蔵合金MH1のフラグを「E」、第2開閉弁12を開、第4開閉弁14を閉として強制終了させた後(ステップS609)、メインルーチンに戻る。
【0102】
一方、第1水素吸蔵合金MH1を水素空状態にし次の温風発生を準備するために、上述のステップS601〜609の処理と並行して以下の処理(ステップS621〜628)が実行される。
【0103】
まず、第2開閉弁12を閉、第4開閉弁14を開として(ステップS621)、第1水素吸蔵合金MH1から水素を放出させる。放出された水素は、水素供給経路22における第2開閉弁12と第2減圧弁24との間に流入した後、燃料電池10に導かれる。したがって、第2開閉弁12が閉であっても、燃料電池10への水素供給が維持される。
【0104】
ここで第1水素吸蔵合金MH1は冷却を開始するのでその温度状態を次のステップで管理する。まず、第1水素吸蔵合金MH1の温度が低温側第1設定温度Tlow1より高ければ(ステップS622がNO)、10秒待つ(ステップS623)。そして、10秒経過後も依然として第1水素吸蔵合金MH1の温度が低温側第1設定温度Tlow1より高ければ(ステップS624がNO)、第1水素吸蔵合金MH1は水素を放出できない、つまり水素空状態になったと推定して、第1水素吸蔵合金MH1のフラグを「E」、第2開閉弁12を開、第4開閉弁14を閉とし(ステップS625)、ルーチンを終了する。
【0105】
上記ステップS622およびステップS624のうち何れかのステップでYESと判定された場合、すなわち、第1水素吸蔵合金MH1の温度が低温側第1設定温度Tlow1より低い場合は、次に第1水素吸蔵合金MH1の温度を低温側第2設定温度Tlow2と比較する(ステップS626)。そして、第1水素吸蔵合金MH1の温度が低温側第2設定温度Tlow2よりも低ければ、第2開閉弁12を開、第4開閉弁14を閉として過冷却を抑制し(ステップS627)、20秒待った後(ステップS628)、再度ステップS621に戻る。
【0106】
上記の本実施形態によれば、水素を高圧状態で蓄える高圧タンク21とは別に、水素吸蔵合金MH1、MH2が充てんされた容器40、50を設けることにより、燃料電池10が水素消費中であっても水素吸蔵合金MH1、MH2に水素を吸蔵・放出させることができる。したがって、燃料電池10が水素を消費中であっても、水素吸蔵合金MH1、MH2の発熱・吸熱特性を利用して冷房および暖房をともに行うことができる。
【0107】
また、水素の圧力エネルギを利用して水素吸蔵合金MH1、MH2に水素の吸蔵・放出を行わせ、水素吸蔵合金MH1、MH2から放出された水素は燃料電池10にて消費させるため、空調装置としては水素を消費することなく冷暖房を行うことができる。
【0108】
また、水素吸蔵合金MH1、MH2が充てんされた容器40、50を2つ備えているため、一方の容器の内部を水素供給経路22における高圧部位に接続しているときには、残りの容器の内部を水素供給経路22における低圧部位に接続することにより、2つの容器40、50内の水素吸蔵合金MH1、MH2に交互に吸蔵・放出させて、連続して冷房または暖房を行うことができる。
【0109】
(第2実施形態)
図11に示す第2実施形態は、第1実施形態におけるバイパス経路30部の構成を変更したものである。なお、第1実施形態と同一もしくは均等部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0110】
図11において、バイパス経路30には、バイパス経路30と2つの容器40、50との接続状態を切り換える4方弁210と、バイパス経路30を開閉する開閉弁220が、配置されている。なお、4方弁210は、本発明の接続切替手段に相当する。
【0111】
4方弁210は、2つの容器40、50のうち一方の容器の内部を水素供給経路22における高圧部位に接続しているときには、残りの容器の内部を水素供給経路22における低圧部位に接続するようになっている。
【0112】
そして、水素吸蔵合金が水素空状態になっている側を高圧部位に接続し、水素吸蔵合金が水素満状態になっている側を低圧部位に接続することにより、2つの容器40、50内の水素吸蔵合金MH1、MH2に交互に水素を吸蔵・放出させて、連続して冷房または暖房を行うことができる。
【0113】
(第3実施形態)
図12に示す第3実施形態は、第1実施形態におけるバイパス経路30部の構成を変更したものである。なお、第1実施形態と同一もしくは均等部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0114】
図12において、第1バイパス経路31には、水素供給経路22における高圧部位と低圧部位のいずれか一方に第1容器40の内部を切り換え接続する第1の3方弁310が配置され、第2バイパス経路32には、水素供給経路22における高圧部位と低圧部位のいずれか一方に第2容器50の内部を切り換え接続する第2の3方弁320が配置されている。なお、2つの3方弁310、320は、本発明の接続切替手段を構成するものである。
【0115】
2つの3方弁310、320は、2つの容器40、50のうち一方の容器の内部を水素供給経路22における高圧部位に接続しているときには、残りの容器の内部を水素供給経路22における低圧部位に接続するようになっている。
【0116】
そして、水素吸蔵合金が水素空状態になっている側を高圧部位に接続し、水素吸蔵合金が水素満状態になっている側を低圧部位に接続することにより、2つの容器40、50内の水素吸蔵合金MH1、MH2に交互に水素を吸蔵・放出させて、連続して冷房または暖房を行うことができる。
【0117】
(第4実施形態)
図13に示す第4実施形態は、第1実施形態におけるバイパス経路30部の構成を変更したものである。なお、第1実施形態と同一もしくは均等部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0118】
図13において、バイパス経路30の下流端は、第2減圧弁24よりも下流側にて水素供給経路22に合流している。バイパス経路30における第4開閉弁14および第6開閉弁16よりも下流側には、第3減圧弁410が配置されている。この第3減圧弁410の設定圧力は、第2減圧弁24の第2設定圧力P2よりも高く設定されている。
【0119】
ところで、第1実施形態では、燃料電池10の水素消費量が激しく変動する場合、水素吸蔵合金MH1、MH2からの放出水素だけでは水素供給が間に合わなくなる状況が懸念される。
【0120】
本実施形態では、水素吸蔵合金MH1、MH2からの放出水素だけでは水素供給が間に合わない場合、第1開閉弁12を開とし、十分な水素供給を確保する。また、第3減圧弁410の設定圧力は第2減圧弁24の第2設定圧力P2よりも高く設定されているため、水素吸蔵合金MH1、MH2からの水素供給を行いつつ、つまり、冷熱を発生させつつ、燃料電池10の水素消費量の変動に対応することができる。
【0121】
(第5実施形態)
第1実施形態では、水素吸蔵合金MH1、MH2が充てんされた容器40、50を、車室内に設置された空調ケース62内に配置したが、図14に示す第5実施形態は、水素吸蔵合金MH1、MH2が充てんされた容器40、50を、車室外に配置可能にしたものである。なお、第1実施形態と同一もしくは均等部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0122】
図14において、車室外に配置された第1容器40の外部には、液体が流通する第1循環経路510が配置されており、液体と第1容器40との間で熱交換可能になっている。同様に、車室外に配置された第2容器50の外部には、液体が流通する第2循環経路520が配置されており、液体と第2容器50との間で熱交換可能になっている。
【0123】
車室外に配置された室外熱交換器530には、液体が流通する室外用循環経路531が接続され、室外用循環経路531には、液体を循環させる室外用ポンプ532が設けられている。また、室外熱交換器530に外気を送る室外用ファン533が、室外熱交換器530近傍に配置されている。
【0124】
車室内に設置された空調ケース62内には、室内熱交換器540が配置されている。この室内熱交換器540には、液体が流通する室内用循環経路541が接続され、室内用循環経路541には、液体を循環させる室内用ポンプ542が設けられている。なお、室内熱交換器540および各容器40、50は、本発明の熱交換手段を構成するものである。
【0125】
第1循環経路510、第2循環経路520、室外用循環経路531、および室内用循環経路541には、それらの4つの循環経路の接続状態を切り換える2つの4方弁551、552が配置されている。
【0126】
上記構成において、水素吸蔵合金MH1、MH2の発熱吸熱状態と冷熱要求状態から判断し、2つの4方弁551、552を操作する。例えば、車内にて冷風要求があり、第1水素吸蔵合金MH1が水素吸蔵により発熱し、第2水素吸蔵合金MH2が水素放出により吸熱している場合、図14に例示するように、第2循環経路520と室内用循環経路541とを接続するとともに、第1循環経路510と室外用循環経路531とを接続するように、2つの4方弁551、552を操作する。
【0127】
この状態で室内用ポンプ542を作動させると、第2容器50との間で熱交換して冷却された液体が室内熱交換器540側に循環する。そして、空気通路61を通過する空気は、室内熱交換器540を循環する液体と熱交換して低温になり、車室内に吹き出される。
【0128】
同時に、室外用ポンプ532および室外用ファン533を作動させると、第1容器40との間で熱交換して加熱された液体が室外熱交換器530側に循環し、室外熱交換器530を循環する液体と外気とが熱交換し、第1水素吸蔵合金MH1が発生した熱が放出される。
【0129】
なお、水素吸蔵合金MH1、MH2の発熱吸熱状態を切り替えるタイミングに合わせて、2つの4方弁551、552により制御される4つの循環経路の接続状態も切り替える。
【0130】
本実施形態によると、水素吸蔵合金MH1、MH2が充てんされた容器40、50から万が一水素が洩れだしても、室内へは水素は放出されないため、安全面で有利である。
【0131】
(他の実施形態)
前述したように、吸蔵時プラトー圧PAおよび放出時プラトー圧PDは、その水素吸蔵合金の温度によって変化する。したがって、使用環境温度(実使用状態での温度範囲)が大幅に変化する場合は、吸蔵時プラトー圧PAや放出時プラトー圧PDが、吸蔵時水素圧力PHや最低吸蔵時水素圧力PLに近付きすぎ、十分な水素の吸蔵や放出ができなくなる可能性がある。
【0132】
つまり、水素吸蔵合金MH1、MH2の温度が高くなり過ぎると、吸蔵時プラトー圧PAが吸蔵時水素圧力PHと同じもしくはそれよりも高くなり、第1減圧弁23の設定圧力P1では水素吸蔵合金MH1、MH2に水素を吸蔵させることができなくなる。また、温度が低くなりすぎると放出時プラトー圧PDが最低吸蔵時水素圧力PLと同じもしくはそれよりも低くなり、水素を放出しなくなってしまうことが懸念される。
【0133】
このような場合、同一温度における吸蔵時プラトー圧PAおよび放出時プラトー圧PDが異なる複数種類の水素吸蔵合金を用いるのが望ましい。すなわち、高温環境で丁度吸蔵時プラトー圧PAおよび放出時プラトー圧PDが吸蔵時水素圧力PHと最低吸蔵時水素圧力PLの中間にくる水素吸蔵合金(高温用)と、低温環境で丁度吸蔵時プラトー圧PAおよび放出時プラトー圧PDが吸蔵時水素圧力PHと最低吸蔵時水素圧力PLの中間にくる水素吸蔵合金(低温用)を、同一容器内に入れておけば、特性の異なる水素吸蔵合金が異なる使用温度域で機能し、結果として使用環境温度を拡大させることができる。
【0134】
因みに、高温では高温用の水素吸蔵合金が働き、一方の低温用の水素吸蔵合金は水素放出状態のままで機能しない。逆に低温では低温用の水素吸蔵合金が働き、一方の高温用の水素吸蔵合金は水素吸蔵状態のままで機能しない。
【0135】
上記各実施形態では、2本の容器40、50を用いているが、冷熱量や水素供給量の安定化をさらに図るために、水素吸蔵合金を充てんした容器を3本以上並列に接続し、順次運転してもよい。
【0136】
また、上記各実施形態では、水素消費装置として燃料電池10を用いているが、水素消費装置として水素エンジンを用いたシステムにも本発明を適用できることは自明である。
【0137】
また、上記各実施形態では、燃料電池10を有する燃料電池自動車に本発明を適用する例を示したが、燃料電池10や水素エンジンを有する各種の家庭用の水素利用システムにも本発明を適用することができる。
【0138】
また、上記各実施形態を種々組み合わせて使用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態になる空調装置を適用した燃料電池自動車を示す模式図である。
【図2】第1実施形態になる空調装置の通風系を示す模式図である。
【図3】図1の水素吸蔵合金MH1、MH2の水素吸蔵量と水素圧力との関係を示す特性図である。
【図4】第1実施形態になる空調装置の制御手順におけるメインルーチンを示すフローチャートである。
【図5】第1実施形態になる空調装置の制御手順におけるサブルーチン1を示すフローチャートである。
【図6】第1実施形態になる空調装置の制御手順におけるサブルーチン2を示すフローチャートである。
【図7】第1実施形態になる空調装置の制御手順におけるサブルーチン3を示すフローチャートである。
【図8】第1実施形態になる空調装置の制御手順におけるサブルーチン4を示すフローチャートである。
【図9】第1実施形態になる空調装置の制御手順におけるサブルーチン5を示すフローチャートである。
【図10】第1実施形態になる空調装置の制御手順におけるサブルーチン6を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第2実施形態になる空調装置を適用した燃料電池自動車を示す模式図である。
【図12】本発明の第3実施形態になる空調装置を適用した燃料電池自動車を示す模式図である。
【図13】本発明の第4実施形態になる空調装置を適用した燃料電池自動車を示す模式図である。
【図14】本発明の第5実施形態になる空調装置を適用した燃料電池自動車を示す模式図である。
【図15】第1実施形態になる空調装置の通風系の変形例を示す模式図である。
【符号の説明】
10…燃料電池(水素消費機器)、13〜16…開閉弁(接続切替手段)、21…高圧タンク、22…水素供給経路、40、50…熱交換手段を兼ねる容器、210…4方弁(接続切替手段)、310、320…3方弁(接続切替手段)、540…室内熱交換器(熱交換手段)。
Claims (10)
- 水素を高圧状態で蓄える高圧タンク(21)と、水素を消費する水素消費機器(10)と、前記高圧タンク(21)内の水素を前記水素消費機器(10)に導く水素供給経路(22)とを備える水素利用システムに搭載される空調装置であって、
水素を吸蔵・放出する水素吸蔵合金が充てんされた容器(40、50)と、
前記容器(40、50)の内部を、前記水素供給経路(22)における高圧部位と低圧部位に選択的に接続させることが可能な接続切替手段(13〜16、210、310、320)と、
前記水素吸蔵合金が水素を吸蔵・放出する際の発熱・吸熱反応を利用して、室内の空気を加熱・冷却する熱交換手段(40、50、540)とを備えることを特徴とする空調装置。 - 水素を高圧状態で蓄える高圧タンク(21)と、水素を消費する水素消費機器(10)と、前記高圧タンク(21)内の水素を前記水素消費機器(10)に導く水素供給経路(22)とを備える水素利用システムに搭載される空調装置であって、
前記水素供給経路(22)に配置されて前記水素供給経路(22)を開閉する開閉弁(12)と、
水素を吸蔵・放出する水素吸蔵合金が充てんされた容器(40、50)と、
前記容器(40、50)の内部を、前記水素供給経路(22)における前記開閉弁(12)よりも上流側の高圧部位と下流側の低圧部位に選択的に接続させることが可能な接続切替手段(13〜16、210、310、320)と、
前記水素吸蔵合金が水素を吸蔵・放出する際の発熱・吸熱反応を利用して、室内の空気を加熱・冷却する熱交換手段(40、50、540)とを備えることを特徴とする空調装置。 - 水素を高圧状態で蓄える高圧タンク(21)と、水素を消費する水素消費機器(10)と、前記高圧タンク(21)内の水素を前記水素消費機器(10)に導く水素供給経路(22)とを備える水素利用システムに搭載される空調装置であって、
前記水素供給経路(22)に配置され、前記高圧タンク(21)から前記水素消費機器(10)に導かれる水素を減圧する減圧弁(24)と、
水素を吸蔵・放出する水素吸蔵合金が充てんされた容器(40、50)と、
前記容器(40、50)の内部を、前記水素供給経路(22)における前記減圧弁(24)よりも上流側の高圧部位と下流側の低圧部位に選択的に接続させることが可能な接続切替手段(13〜16)と、
前記水素吸蔵合金が水素を吸蔵・放出する際の発熱・吸熱反応を利用して、室内の空気を加熱・冷却する熱交換手段(40、50)とを備えることを特徴とする空調装置。 - 水素を高圧状態で蓄える高圧タンク(21)と、水素を消費する水素消費機器(10)と、前記高圧タンク(21)内の水素を前記水素消費機器(10)に導く水素供給経路(22)とを備える水素利用システムに搭載される空調装置であって、
前記水素供給経路(22)に配置され、前記高圧タンク(21)から供給される前記水素を第1設定圧力に減圧する第1減圧弁(23)と、
前記第1減圧弁(23)よりも下流側の前記水素供給経路(22)に配置され、前記第1減圧弁(23)で減圧された前記水素を第2設定圧力までさらに減圧する第2減圧弁(24)と、
水素を吸蔵・放出する水素吸蔵合金が充てんされた容器(40、50)と、
前記容器(40、50)の内部を、前記第1減圧弁(23)よりも下流側の前記水素供給経路(22)における高圧部位と低圧部位に選択的に接続させることが可能な接続切替手段(13〜16、210、310、320)と、
前記水素吸蔵合金が水素を吸蔵・放出する際の発熱・吸熱反応を利用して、室内の空気を加熱・冷却する熱交換手段(40、50、540)とを備えることを特徴とする空調装置。 - 前記水素吸蔵合金は、実使用状態での温度範囲におけるプラトー圧が、前記第1設定圧力よりも低く、且つ、前記第2設定圧力よりも高く設定されていることを特徴とする請求項4に記載の空調装置。
- 前記容器を複数個備えることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の空調装置。
- 一部の容器の内部が前記高圧部位に接続されているときには、残りの容器の内部が前記低圧部位に接続されることを特徴とする請求項6に記載の空調装置。
- 前記水素吸蔵合金として、同一温度におけるプラトー圧が異なる複数種類の水素吸蔵合金を用いることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の空調装置。
- 前記熱交換手段は、前記容器(40、50)の外部に装着したフィン(40a、50a)を有し、前記容器(40、50)の外部を前記室内の空気が通過するように構成されていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1つに記載の空調装置。
- 前記熱交換手段は、前記水素吸蔵合金が水素を吸蔵・放出する際の発熱・吸熱により液体を加熱・冷却し、この液体を熱交換器(540)に流通させて前記液体と前記室内の空気との間で熱交換させることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1つに記載の空調装置。
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