JP2004332229A - キャビンのドア構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】前後方向にスライド移動して乗降口1aを開閉するドア1を有したキャビン2において、前記ドア1のドア板15を1枚状の透明板で形成した。
また、ドア板15の外周に沿って閉鎖時にドアフレーム55の外表面と接当するシール部材19を張設すると共に、ドア板15に内側の中間高さ位置で巾方向に沿って中ガイドレール26を設け、該中ガイドレール26をスライド可能に係合支持する中ガイド部31を、ドアフレーム55によって形成される乗降口1aの内側に設けた構成にしている。
【選択図】 図6
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンバインやトラクタ或いは建設機械等の走行車輛の操縦部に設置されるキャビンの乗降口に設けるドア構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、上記のような走行車輛の操縦部に設置されるキャビンは、乗降口に対し前後方向にスライド移動して開閉するドアを備えている。(例えば、特許文献1参照。)。
この公報で示されるキャビンのドア構造は、ドア本体を鉄板製の外板と内板をプレス加工して接合することにより二重構造のドア板となし、該ドア板の上下に開口した窓孔に窓板を取付け覗き窓を形成している。またドア板の内側上部と中間部と下部に上支持部と中支持部と下支持部を設け、それぞれを乗降口側の上部と中間部と下部に形成されるガイドレール部材にスライド自在に係合支持する構成となっている。
そして、ガイドレール部材は、キャビンの乗降口を形成するドアフレームの上部と下部に設けられる上ガイド部と下ガイド部と、ドアフレームの後方でキャビンの後部壁に沿って設けられる中間ガイド部で構成されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−88813号公報(第5頁、第3図、第5図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報で示されるような構成のドア構造は、複数の覗き窓を鉄板製のドア板に上下に設けた構成にしているので、特にコンバイン作業等でオペレータが座乗姿勢のまま外部の前側下方や側方下方を視認したい場合に、窓板が設けられないドア下方部分の視界が遮られるので、外部の状況が看過され易い欠点があると共に、ドアを度々開けて外部の視認をしなければならない等の煩わしさがある。
【0005】
また、上記のような構成による二重壁鉄板製のドア板は、製造に複雑なプレス型を要するうえ、ドア重量が大きくなってスライド支持部材もコスト高な構造になると共に、ドア板に開口した複数の窓孔に対しガラス板等の窓板を縁フレームを介して支持する取付構造が複雑になる等の問題がある。
さらに、ドア構造の中間部に設ける中支持部は、キャビンの後部壁に設けたレールガイド状の中間ガイド部で案内支持されるので、ドアフレームの外側後方に上記中間ガイド部を支持する支持構造を必要とすると共に、この支持構造は図14,図15で示されるように、ドアフレーム55とドア板15との間にシール部材19を設けて行なうドアの気密構造を複雑にしたり、乗降口の巾を大きく形成し得ない等の問題がある。
【0006】
即ち、同図に示されるキャビン2は、乗降口1aを形成するドアフレーム55の内周縁にシール部材19を設けており、ドア1の閉鎖時にドア板15をシール部材19に押接して気密を行なおうとすると、前記中間ガイド部26aの前端から前側(乗降口1a側)にシール部材19を設ける必要がある。すると該シール部材19を切欠しないで設けるためには、中間ガイド部26aの前側からキャビン室内に向けて一段と凹入させた階段状の延長部55aをドアフレーム55に形成し、この延長部55aの内周縁に上記シール部材19を設けることが必要とされる。従って、階段状の断面形状で奥行きを有し厚巾になるドアフレーム55は、この分乗降口1aの開口巾を狭くしたり室内スペースを余分に占める等の欠点があると共に、延長部55aを有するドアフレーム55はストレート状に形成されないで、深絞り用の複雑なプレス型を用いたプレス加工等が求められ製造コストも高くなる等の問題がある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明のキャビンのドア構造は、第1に、前後方向にスライド移動して乗降口1aを開閉するドア1を有したキャビン2において、前記ドア1のドア板15を1枚状の透明板で形成したことを特徴としている。
【0008】
第2に、ドア板15の外周に沿って閉鎖時にドアフレーム55の外表面と接当するシール部材19を張設すると共に、ドア板15に内側の中間高さ位置で巾方向に沿ってガイドレール26を設け、該ガイドレール26をスライド可能に係合支持する中ガイド部31を、ドアフレーム55によって形成される乗降口1aの内側に設けたことを特徴としている。
【0009】
第3に、ドア板15の内側の上部と下部に巾方向に沿って上辺枠21と下辺枠23を設け、該上辺枠21と下辺枠23をドア板15の一側に固定した縦枠24によって連結すると共に、該縦枠24に中間枠22を介してガイドレール26を設けたことを特徴としている。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1において符号Aは、本発明のドア構造に係わるドア1を備えるキャビン2を操縦部に設置した作業車輛の一例として示すコンバインである。このコンバインAは、クローラ式の走行装置3aを有する走行機体3の一側に、前方からキャビン2と穀粒排出オーガ装置4を備えるグレンタンク5を配置し、他側に図示しない脱穀部を設置し、その前部に穀稈を刈取って脱穀部に供給する刈取部6を備え、またキャビン2とグレンタンク5の間にエンジン部7を設置し、該エンジン部7上に操縦部の座席(図示せず)を設ける構成となっている。
【0011】
また前記穀粒排出オーガ装置4は、グレンタンク5の後部に立設した縦送オーガ8の上部に、連結回動部9を介して穀粒排出オーガ10を上下及び旋回作動可能に設け、穀粒排出オーガ10の先端に形成した排出部10aから、グレンタンク5内の穀粒を排出する構成となっている。
そして、図1,図3,図4で示されるようにこの穀粒排出オーガ10は、キャビン2の左方において略水平状態で格納姿勢にされ、穀粒排出時には連結回動部9を介して上方に向けて任意角度に起立回動及び旋回操作され、穀粒排出姿勢に切換えて排出部10aから穀粒を排出する。
【0012】
またキャビン2は図1〜図4に示すように、操縦部の上方を覆う大きさの天井板11aを有し箱枠状に形成されたキャビンフレーム11で構成され、キャビンフレーム11の前面と後面には前窓12と後窓12aを設け、右面と左面にはそれぞれ乗降用のドア1と開閉可能な側部窓13を設け、座席に座上するオペレータから各方位の視認を行うようにしている。
上記ドア1について図2,図5〜図13を参照し説明する。このドア1は操縦部の乗降口1aに前後方向にスライド可能に支持され、全面を強化ガラス又はプラスチック板等からなる1枚状の透明板で形成したドア板15と、該ドア板15の上方中途部に開口した窓孔16を開閉自在に閉鎖する窓板17によって構成している。そして、ドア板15の形状に沿って形成された外周縁と窓孔16の内周縁に、可撓性及び弾力性を有するゴム又はプラスチック材からなる、気密保持及び緩衝用部材としての帯状のシール部材(ウェザーストリップ)19,19aを設けている。
【0013】
また図6,図8で示すようにドア板15は、室内側の側面における上辺と中間辺(略中央部)と下辺と鉛直状の前辺とに、それぞれの適所を取付ボルト20,20・・によって固定される、巾方向の上辺枠21と中間枠22と下辺枠23と真直な縦枠24を取付固定すると共に、これらの枠を側面視において略E字形状で一体的に連結したドア枠15aを構成している。
この構成によりドア枠15aは、1枚状のドア板15に上下及び横方向の剛性を有するように補強せしめる補強部材となり、また各枠21,22,23にはそれぞれキャビンフレーム11に対し、上支持部25と中支持部となる中ガイドレール26と下支持部27とを設ける支持部材を兼用している。尚、中間枠22と上辺枠21或いは下辺枠23は、図6の点線で示すように必要により連結すると枠剛性を高めることができる。
そして、上記各支持部25,26,27は、後述するキャビンフレーム11に設けた上ガイド部となる上ガイドレール30,中ガイド部31,下ガイド部となる下ガイドレール32に対し、スライド自在に係合支持させる構成となっている。尚、図8で示すように縦枠24は中間部をドア板15の内側に向けて膨らませ、開閉操作用の取手部を兼用している。
【0014】
次に上記各支持部について説明する。先ず図6,図9で示す上支持部25は、上辺枠21の基端側(機体前方)に立設したブラケット25aの縦ピン25bにホルダ25cを回動自在に枢支しており、該ホルダ25cに縦軸回転及び横軸回転自在に軸支したガイドローラ35,35aとから構成している。そして、ガイドローラ35,35aを上ガイドレール30に移動自在に係合させ位置決め支持する構成となっている。
中ガイドレール26は図6,図12で示すように、中間枠22に沿って設けたレール部材で形成し、後述するドアフレーム55に設けた中ガイド部31のガイドローラ36,36aに係合させる構成となっている。この中ガイドレール26はドア板15に沿った直線状の前後移動経路26aと、その後部で屈曲しドア板15に近接する横移動経路26bによって形成している。
【0015】
下支持部27は図6,図13で示すように、下辺枠23に沿って設けたレールガイド37に、スライドレール38を前後方向にスライド自在に設け、該スライドレール38の前部にガイドローラ40を備えたアーム40aを設け、ガイドローラ40をキャビンフレーム11に設けた下ガイドレール32に移動自在に係合させる構成となっている。
また、前記縦枠24は図6,図10で示すように、その上下に凹溝突起状の戸当り片41,41を設け、該戸当り片41,41をキャビンフレーム11に突設した戸当り部42,42に接当させることにより、閉鎖時におけるドア1の前側の位置決めを行なう。
【0016】
一方、中間枠22の後端にはドアロック部43を備えた広巾板からなるブラケット45を一体的に設け、該ブラケット45をドア板15に取付ボルト20によって締着固定している。これにより、ドア板15は後方下部をエンジン部7の外形に沿って切欠状に形成されることに伴い、後方中間が張り出し状の中途コーナ部となる部分の補強をすることができ、また中ガイドレール26も補強支持することができる。尚、ドアロック部43はドア板15の外側にロック解除操作用の取手44を備えている。
【0017】
そして、上記のように構成されるドア1は図6及び図10,図11で示すように、上辺枠21と中間枠22間の上方位置に覗き確認用の窓孔16を開口し、この窓孔16は内周面にシール部材19aを張設し、孔の外側上辺に複数の回動支持部(蝶番)46を設けて窓板17を取付支持している。また、窓板17はその内側下部に設けたロックレバー47を窓孔16の内側下辺に係脱可能に係止し、窓板17の開閉を行なうようにしている。
この際、上記蝶番46はドア板15と内側に位置する上辺枠21の取付部に対し取付ボルト20を介して共締めすることにより、ドア板15に無理な力をかけることなく窓板17を支持することができ、またドア板15の巾狭に形成される上辺部の補強を図ることができるから、ドア板15に対する強度を高めて窓孔16を充分な大きさに形成することができる等の特徴がある。
【0018】
次に、図2,図7を参照しキャビンフレーム11の右側面に形成され、ドア1を支持するドアフレーム55について説明する。このドアフレーム55は乗降口1aを、前側に立設される鉛直状の前フレーム50と、該前フレーム50と巾方向で開口間隔を有し後方に平行状に立設される上後フレーム51と、この下部に連設されてエンジン部7の外形に沿って前側に向けて屈曲させた下後フレーム51aと、この上下を連結する上フレーム52と下フレーム53とから形成している。そして、ドアフレーム55の外側面は滑らかな面に形成され、ドア1の閉鎖時にドア板15の外周縁に沿って張設したシール部材19を均等に密着させることができる。
【0019】
このドアフレーム55は、上フレーム52の下部に沿って前記上ガイドレール30を平行状に設け、上後フレーム51の下部内側に中ガイド部31を設け、下フレーム53の下部に沿って下ガイドレール32を平行状に設けている。また前フレーム50には前記戸当り部42,42を突設し、上後フレーム51にはドアロック部43と係脱可能に連結するロック係合部56を設けている。
【0020】
次に図9を参照し上ガイドレール30と上支持部25について説明する。上ガイドレール30は上辺枠21に沿った前後移動経路30aの前側からキャビン2の内側に向けて滑かに屈曲させた横移動経路30bを溝状に形成し、この溝状経路に上支持部25のガイドローラ35,35aを係合しドア1の上部を支持している。
これにより同図の実線で示すように、上支持部25が横移動経路30bの最前部に位置するとき、ドア1はシール部材19をドアフレーム55に押接させた閉じ状態とされ、ここからオペレータがドア1を後方へ移動させる初期に、上支持部25が横移動経路30bを介して前後移動経路30aに移行され、点線で示すようにドア1を全開放することができる。
【0021】
次に、中ガイド部31は図7,図12で示すように、中ガイドレール26に係合するガイドローラ36,36aを軸支するブラケット57が、上後フレーム51に設けられた縦ピン59に回動自在に枢支されていることにより、ガイドローラ36,36a及びアームブラケット57を介しドア1の中間部を支持する。尚、中ガイド部31はドアフレーム55に限ることなく、キャビン2の室内に形成される、例えばエンジン部7のカバー部材等の枠体に設けるることもできる。
これにより、同図の実線で示すようにガイドローラ36,36aが横移動経路26bに係合位置しているときは、ドア1はシール部材19をドアフレーム55に押接させた閉鎖状態となり、ここからドア1を後方へ移動させる初期に横移動経路26bが中ガイド部31を介し外側に向けて押動移動させながら、縦ピン59を中心にアームブラケット57を点線で示すように外側方へ回動変姿させた状態において、後方移動してくる前後移動経路26aを支持してドア1を全開させることができる。
【0022】
次に、図5〜図8,図13を参照し下ガイドレール32とドア1の下支持部27について説明する。この下ガイドレール32は前記上ガイドレール30と同様な形状からなる前後移動経路32aと横移動経路32bに形成され、ドアフレーム55の下辺枠53に沿設される。これにより、横移動経路32bの最前部で下支持部27のガイドローラ40が係合した位置においてドア1は閉じ状態になり、ここからドア1を後方に引動すると、ガイドローラ40が横移動経路32bから前後移動経路に移行するとき、ドア1を外側に押動しながら前後移動経路32aに沿って後方に移動させることができる。
このとき図13の点線で示すように、ガイドローラ40が前後移動経路32aの後端(終端)に至って移動停止されると、ガイドローラ40,アーム40aを介してスライドレール38が移動を固定された状態となり、ドア1がさらに後方へ引動(移動)されることに伴い、レールガイド37がスライドレール38で支持された状態で後方移動しドア1を全開させることができる。
【0023】
従って、上記のようにドア1に上支持部25と中ガイドレール26と下支持部27を設け、これらをドアフレーム55に設けた上ガイドレール30と中ガイド部31と下ガイドレール32に各対応させてスライド可能に係合させたスライド支持構造は、一枚状のドア板15に対しドア枠15aを上辺枠21と下辺枠23とで固定した状態において、ドア板15の中間部に中間枠22を巾方向に設けて取付固定すると共に、上記三者を縦枠24によって連結するので、上下及び巾方向のドア板15の剛性を高めることができ、ガラス等の透明部材による一枚板状のドア板15による簡潔で廉価なドア構造にすることができる。
【0024】
そして、ドア1は閉じられるとき、ドア枠15aの戸当り片41,41が前フレーム50の戸当り部42,42に接当し位置決めされた状態において、上支持部25と中ガイドレール26と下支持部27が、それぞれ前述のように、上ガイドレール30と中ガイド部31と下ガイドレール32の閉じ位置で支持され、また他方を中間枠22の後端に設けたドアロック部43で固定支持されるので、ドア板15の周囲に設けたシール部材19をドア枠15aの全周に対し均一に押接した状態で、気密性を有してドア1を閉じることができる。
このときドア1は中間部が中ガイドレール26と中ガイド部31によって支持されるから、機体の振動に対してもガタつきを防止し安定した閉鎖姿勢を保持することができる。
【0025】
また、ドア1を開放する際には、ドア板15の内側に向けて膨らませて形成した取手部を把持して引動すると、ドア1は上支持部25と下支持部27がそれぞれ上ガイドレール30と下ガイドレール32の横移動経路30b,32bを介して一旦外側に移動しながら後方に移動されると共に、このときドア1の中間部は中ガイドレール26と中ガイド部31で係合支持されるので、ドア1を安定よく支持しながら開放することができる。
このとき、中ガイドレール26に係合するガイドローラ36,36aがアームブラケット57を介し縦ピン59を中心に回動する構成としているので、中ガイド部31はドア1の外側移動から後方移動する中ガイドレール26の動きに追動して、ドア中間部をスムースに案内支持することができる。
【0026】
また、中ガイド部31はキャビン2の室内においてドアフレーム55のドア開動方向側に設けるので、従来のもののようにドア中間部を案内支持するガイドレール部材を、キャビン2の外壁に対しドアフレーム55の外側後方に長く形成する支持構造を不要にすると共に、ドアフレーム55側にシール部材19を設けることなく、該ドアフレーム55にドア板15に設けたシール部材19を接当させる。これによりドアフレーム55は、階段状に深絞りした厚巾なフレームにすることなく、シンプルな形状の杆体からなる枠構造にすることができる。
従って、ドアフレーム55の製造を複雑で高価な深絞り用のプレス型を省略し簡単に行うことができると共に、室内スペースを広げながら乗降口1aをできるだけ広く開口させることができる。またドアフレーム55の外周表面(外表面)は平坦面に形成されるので、ドア1の閉鎖時にドア板15の外周に張設したシール部材19を気密性を有して接当させることができる。
【0027】
このようにして、ドアフレーム55によって乗降口1aが拡大され全面視界を広げることができるドア1は、特にコンバイン作業において前方下方や後方下方の側面視界が良くなるので、ドア1を開けることなく視認でき誤りのない作業を能率よく行なうことができる等の利点がある。
また、図6,図8,図10,図11で示すようにドア1に構成される窓孔16は、ドア板15がドア枠15aによって剛性を高められていることにより、オペレータの側方において、適正高さ位置にできるだけ大きく開口させることができるから、窓板17を蝶番46を支点に上方に開動退避させた状態で、窓孔16から無理なく頭部を出すことができ周囲の覗き確認を確実に行うことができる。
また、窓板17側にシール部材を張設しないで、窓孔16の内周縁にシール部材19aを設けエッジ部を覆っているので、頭部を出して行なう覗き確認の際にオペレータを保護すると共に、閉鎖時に窓板17によってシール部材19aを押接し気密性を保持する。
【0028】
次に、図3,図4を参照しキャビン2の左側に形成される側部窓13の構成について説明する。この側部窓13はキャビン2の左側に形成された方形状の窓枠に、オペレータが上半身を出すことができる程度の窓孔60を形成した透明ガラスからなる壁面61と、該窓孔60を開閉可能に閉鎖する窓板62とから構成される。
そして、壁面61の窓孔60の周縁には前述のドア板15と同様にシール部材19aを設けると共に、窓孔60の上部には複数の蝶番46によって窓板62を開閉可能に設け、該窓板62の下部に内側から開閉ロック操作自在なロックレバー63を設け(図7)、蝶番46を支点に窓板62を上方に回動させるとき、キャビン2の側方において、窓板62の下端が格納姿勢で位置する穀粒排出オーガ10の下側に近接する位置まで開くことができる。
【0029】
以上のように構成した側部窓13は、壁面61と窓板62を共に透明部材で形成しているので、窓板62を閉じた状態でも両者を介して視界を広げ、例えば刈取部6から脱穀部に搬送される穀稈の状況等を適切に監視することができる。
また、窓板62は蝶番46を支点に下方が穀粒排出オーガ装置4に近接する位置まで回動することができるので、例えば脱穀部の前側の穀稈搬送経路に穀稈詰まりが生じたような場合に、大きく開口させた窓孔60から身体を側方に乗り出して詰まりの除去等を行い易くすることができる等の特徴がある。
【0030】
【発明の効果】
本発明は以上のようなキャビンのドア構造にしたので、次のような効果を奏する。
キャビンの前後方向にスライド移動して乗降口を開閉するドアを、1枚状の透明板で形成したドア板で構成したことにより、ドアの全面視界を広げて外部を視認できるから、特にコンバイン作業等においてドアを開けることなく外側下方の視認も容易になり誤りのない作業を能率よく行なうことができる。また従来の鉄板製ドア板にガラス窓板を設けたもののように複雑な構成を要しないので、ドアを簡潔で廉価な構成によって製造することができる。
【0031】
また、ドア板の内側の中間高さ位置に設けた中ガイドレールをキャビン室内から中ガイド部で支持し、ドアを前後方向にスライド移動させて乗降口の開閉を行なう構成にしたことにより、従来のもののようにドアフレームを階段状の厚巾なフレームにすることなく、乗降口を広く開口させることができる略ストレート状の杆体からなる簡潔な枠構造にすることができると共に、ドアフレームの外表面に形成される平坦面にドア板の外周に張設したシール部材を押接して、閉鎖時の気密性の向上を図ることができる。
【0032】
ドア板の内側の上部と下部に巾方向に沿って上辺枠と下辺枠を設け、該上辺枠と下辺枠をドア板の一側に固定した縦枠によって連結すると共に、該縦枠に中間枠を介して中ガイドレールを設けたことにより、ガラス板等の透明板によって1枚状に形成されるドア板の剛性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるドア構造をキャビンに備えたコンバインの側面図である。
【図2】図1のドアを開けた状態のキャビンを示す斜視図である。
【図3】キャビンの側部窓と穀粒排出オーガの関係を示す正面図である。
【図4】図3の斜視図である。
【図5】ドアの構成を示す外側面図である。
【図6】図5のドアの内側の構成を示す内側面図である。
【図7】ドアを外したキャビンの構成を示す側面図である。
【図8】図5のドア構造を示す縦断面図である。
【図9】図5のA−A線断面図である。
【図10】図5のB−B線断面図である。
【図11】図5のC−C線断面図である。
【図12】図5のD−D線断面図である。
【図13】図5のE−E線断面図である。
【図14】従来のキャビンのドア構造を示す側面図である。
【図15】図14のドアを外したキャビンの構造を示す側面図である。
【符号の説明】
A コンバイン
1 ドア
1a 乗降口
2 キャビン
15 ドア板
15a ドア枠
16 窓孔
17 窓板
19,19a シール部材
21 上辺枠
22 中間枠
23 下辺枠
24 縦枠
25 上支持部
26 中ガイドレール(中支持部)
27 下支持部
30 上ガイドレール(上ガイド部)
31 中ガイド部
32 下ガイドレール(下ガイド部)
46 回動支持部
55 ドアフレーム
Claims (3)
- 前後方向にスライド移動して乗降口(1a)を開閉するドア(1)を有したキャビン(2)において、前記ドア(1)のドア板(15)を1枚状の透明板で形成したことを特徴とするキャビンのドア構造。
- ドア板(15)の外周に沿って閉鎖時にドアフレーム(55)の外表面と接当するシール部材(19)を張設すると共に、ドア板(15)に内側の中間高さ位置で巾方向に沿って中ガイドレール(26)を設け、該中ガイドレール(26)をスライド可能に係合支持する中ガイド部(31)を、ドアフレーム(55)によって形成される乗降口(1a)の内側に設けた請求項1記載のキャビンのドア構造。
- ドア板(15)の内側の上部と下部に巾方向に沿って上辺枠(21)と下辺枠(23)を設け、該上辺枠(21)と下辺枠(23)をドア板(15)の一側に固定した縦枠(24)によって連結すると共に、該縦枠(24)に中間枠(22)を介して中ガイドレール(26)を設けた請求項1又は2記載のキャビンのドア構造。
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